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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】移送装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240222BHJP
   F16K 3/18 20060101ALI20240222BHJP
   F16K 13/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A61J3/00 300Z
F16K3/18 Z
F16K13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552129
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 GB2022050511
(87)【国際公開番号】W WO2022180402
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】2102762.8
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511176126
【氏名又は名称】チャージポイント テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】マシュー カーマイケル
【テーマコード(参考)】
3H053
4C047
【Fターム(参考)】
3H053AA35
4C047AA40
4C047CC03
4C047CC30
4C047GG15
(57)【要約】
互いに連通できる入口14と出口16とを有する本体12を備える能動部材10を有する移送装置が提供され、材料は、入口14と出口16とが直接連結されていない収納構成と、出口16と入口14との間に導管が延在し、出口16と入口14とが導管18を介して互いに連通し、材料が導管18を介して出口16と入口14との間を通過することができる伸長構成と、の間で移動可能な可動/伸長可能導管18によって、入口14と出口16とを通過することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部材が互いに解放可能に固定され密封されるように能動部材と受動部材との間に嵌合してシールを形成可能な前記能動部材と前記受動部材とを備え、
各部材が、ポートと、前記ポートを選択的に開閉して前記ポートを通る材料の移動を制御するドアとを有するハウジングを有し、前記ドアは、前記ドアが前記ポートに固定され、前記ポートの間にシールが形成され、前記ドアが閉じている閉構成と、前記シールが解放され、前記ドアが開いている開構成とを有し、
前記能動部材の前記ハウジングは、能動部材ハウジングに対して移動可能な導管によって前記能動部材の前記ポートと連通可能な出口をさらに備え、前記導管は、前記ポートと前記出口とが互いに連通しない収納構成と、前記ポートと前記出口とが前記導管を介して互いに連通し、材料が前記導管を通過し得る伸長構成との間で前記ハウジング内を移動可能である、移送装置。
【請求項2】
前記導管は、可撓性ホースを含む、請求項1に記載の移送装置。
【請求項3】
前記導管は、伸縮自在に延在する部材を備える、請求項1に記載の移送装置。
【請求項4】
前記導管の少なくとも一部が前記ハウジング内に固定的に取り付けられている、請求項2又は3に記載の移送装置。
【請求項5】
前記導管は、能動ハウジングの前記出口の近位の第1の端部に固定的に取り付けられている、請求項4に記載の移送装置。
【請求項6】
前記導管は、能動ハウジングの前記ポートの近位の第2の端部に固定的に取り付けられている、請求項4に記載の移送装置。
【請求項7】
前記導管は、前記能動ハウジングの前記ポートと前記出口との間に配置された、前記能動ハウジングの長さに沿った点に固定的に取り付けられている、請求項6に記載の移送装置。
【請求項8】
前記導管は、前記受動部材の前記ポートと前記能動部材の前記出口との間の連通を容易にする、請求項1~7のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項9】
前記能動部材と前記受動部材は、前記能動部材と前記受動部材の前記ドアの外面の間に、滅菌媒体が通過し得る入口を備えるチャンバが形成される嵌合構成を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項10】
滅菌媒体が加圧下で導入され得る、請求項5に記載の移送装置。
【請求項11】
前記ドアの一方は、突出部を含む雄型嵌合部材を備え、前記ドアの他方は、相補的形状の雌型嵌合部材を備え、前記雄型部材と前記雌型部材は、前記ドアの少なくとも一方を解放可能に固定及びロック解除するように互いに嵌合可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項12】
前記受動部材は、受動ドアが開構成にあるときに、受動ポートを通る材料の移動を選択的に防止する手段を備える、請求項11に記載の移送装置。
【請求項13】
前記受動ドアが開構成にあるときに前記受動ポートを通る前記材料の移動を選択的に防止する前記手段は、弁閉鎖部材を備える、請求項12に記載の移送装置。
【請求項14】
前記弁閉鎖部材は、材料の通過を許容する又は材料の通過を防止するために、それぞれ開構成と閉構成とを有する、請求項13に記載の移送装置。
【請求項15】
前記雄型部材は、能動ドアに関連付けられており、前記雌型部材は、前記受動ドアに関連付けられている、請求項12~14のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項16】
前記雌型部材は、能動ドアに関連付けられており、前記雄型部材は、前記受動ドアに関連付けられている、請求項12又は14に記載の移送装置。
【請求項17】
前記雄型部材は、断面が多角形である、請求項11~16のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項18】
前記雄型部材は、断面が六角形である、請求項17に記載の移送装置。
【請求項19】
前記雄型部材は、本体の一端部がドアに接続された前記本体と、自由端部の少なくとも一部分が前記本体に対して移動可能な前記自由端部とを備える、請求項17又は18に記載の移送装置。
【請求項20】
前記雄型部材は、前記本体と前記自由端部とが位置合わせされている第1の構成と、前記本体と前記自由端部とが位置合わせされていない第2の構成との間で移動可能である、請求項19に記載の移送装置。
【請求項21】
前記雄型部材は、前記本体と位置合わせされていない自由端部との両方が、位置合わせされている前記第1の構成から変位した第3の構成に移動可能である、請求項20に記載の移送装置。
【請求項22】
前記雄型部材は、前記雌型部材を備える前記ドアをロック解除するように移動可能である、請求項11~21のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項23】
前記雌型部材を備える前記ドアは、前記ドアをロックする伸長構成と前記ドアをロック解除する後退構成との間で移動可能な少なくとも1つのロック部材を備える、請求項22に記載の移送装置。
【請求項24】
2つの部材が互いに解放可能に固定されて、能動部材と受動部材とを通る材料の移送を容易にするように嵌合可能な前記能動部材と前記受動部材とを備え、
各部材が、ポートと、前記ポートを選択的に開閉して前記ポートを通る材料の移動を制御するドアとを有し、
前記ドアの一方は、突出部を含む雄型嵌合部材を有し、前記ドアの他方は、相補的形状の雌型嵌合部材を有し、
前記突出部は、前記突出部の外形を変更して2つのドアの解放可能な嵌合及びロック解除を容易にして、前記ポートの開口部及び前記ポートを通る材料の移送を容易にするように変位可能な可動要素を有する、移送装置。
【請求項25】
前記突出部は、前記突出部が前記雌型部材によって受け入れられて前記雌型部材からも取り外し可能な構成と、前記雄型部材が前記雌型部材によって受け入れられたときに取り外し不可能であり、それによって前記ドアを共に解放可能に固定する位置合わせされていない構成と、の間で移動可能な要素を備える、請求項24に記載の移送装置。
【請求項26】
前記雄型部材は、能動ドアに関連付けられており、前記雌型部材は、受動ドアに関連付けられている、請求項24又は25に記載の移送装置。
【請求項27】
前記雌型部材は、能動ドアに関連付けられており、前記雄型部材は、受動ドアに関連付けられている、請求項24又は25に記載の移送装置。
【請求項28】
前記雄型部材は、断面が多角形である、請求項24~27のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項29】
前記雄型部材は、断面が六角形である、請求項28に記載の移送装置。
【請求項30】
前記雄型部材は、本体の一端部がドアに接続された前記本体と、自由端部の少なくとも一部分が前記本体に対して移動可能な前記自由端部とを備える、請求項28又は29に記載の移送装置。
【請求項31】
前記雄型部材は、前記本体と前記自由端部とが位置合わせされている第1の構成と、前記本体と前記自由端部とが位置合わせされていない第2の構成との間で移動可能である、請求項30に記載の移送装置。
【請求項32】
前記雄型部材は、前記本体と位置合わせされていない自由端部との両方が、位置合わせされている前記第1の構成から変位した第3の構成に移動可能である、請求項31に記載の移送装置。
【請求項33】
前記雄型部材は、前記雌型部材を備える前記ドアをロック解除するように移動可能である、請求項24~32のいずれか一項に記載の移送装置。
【請求項34】
前記雌型部材を備える前記ドアは、前記ドアをロックする伸長構成と前記ドアをロック解除する後退構成との間で移動可能な少なくとも1つのロック部材を備える、請求項33に記載の移送装置。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載の移送装置を介して材料を移送する方法であって、
i)能動部材のドアと受動部材のドアを、前記能動部材の前記ドアと前記受動部材の前記ドアとが互いに接触し、雄型部材が雌型部材によって受け入れられるように一緒にするステップと、
ii)前記能動部材の前記ドアと前記受動部材の前記ドアとを接続するステップと、
iii)前記受動部材の前記ドアと前記能動部材の前記ドアとをロック解除し、前記受動部材の前記ドアと前記能動部材の前記ドアとの両方を移送される材料の流路から変位させるステップと、
iv)導管を前記導管の収納構成から前記導管の拡張構成に変位させるステップと、
v)前記能動部材のポートと前記受動部材のポートとを通して、前記能動部材の出口から材料を移送するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料を移送するための移送装置及び方法に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、従来のクリーンルーム、あるいは操作者及び/又は製品を保護するために採用される隔離及び/又は封じ込めシステムで行われ得る製造工程中の材料移送を支援するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ある無菌容器から別の無菌容器への材料の移送は、特に、移送される材料、容器自体及びそのような移送装置の操作者が材料の移送を行うために位置し得る周辺環境の汚染を防止するための無菌環境の維持に関する多くの課題をもたらす。
【0004】
滅菌性の維持は、多くの製造工程において、その工程で製造される製品を汚染から保護するための基本的な関心事である。従来の方法で、あるいは隔離及び/又は封じ込め施設で無菌製造を使用する例示的な産業としては、製薬、医療機器、バイオテクノロジー及び食品産業が挙げられる。
【0005】
製造に使用する材料をある滅菌エンクロージャから別の滅菌エンクロージャに移送する必要がある場合には、特に困難が生じる場合がある。
【0006】
封じ込め設備の発展により、直接移送装置と間接移送装置が導入された。直接移送装置の例としては、スプリットバタフライバルブシステムがあり、間接移送装置の例としては、ラピッドトランスファー(RTP)ポートとして知られる嵌合ポートがある。どちらの移送装置も、材料又は周辺環境を汚染することなく、一方の領域から他方の領域へと材料を移送することを可能にする。
【0007】
ただし、これらの既知のポートに課題がないわけではない。一般に、プロセスエンクロージャ内の必要な場所には、移送容器の対応するポートと密封係合するポートが設けられる。次いで、嵌合ポートを開くことで、材料を1つの領域から別の領域へと移送できるようにする。
【0008】
このような既知の移送ポートは、特に無菌移送に使用される場合に課題が生じる。1つ以上のシールが存在すると、シールの露出した周囲に潜在的な汚染の領域が存在する可能性がある。移送される材料は、シールの露出部分に容易に接触し、材料及び/又はプロセスエンクロージャの滅菌性及び封じ込めを損なう可能性がある。
【0009】
さらに、既知の移送ポートは、操作者が操作するには大きい又は扱いにくい場合が多く、処理環境において動かしにくい及び操作しにくい複雑な昇降設備を必要とすることが多い。
【発明の概要】
【0010】
本出願人は、先行技術に関連する1つ以上の課題を改善するために、移送装置に更なる改善を行うことができることを理解している。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、2つの部材が互いに解放可能に固定され密封されるように能動部材と受動部材との間に嵌合してシールを形成可能な能動部材と受動部材とを備える移送装置が提供され、
各部材が、ポートと、ポートを選択的に開閉してポートを通る材料の移動を制御し、滅菌環境を維持するドアとを有するハウジングを有し、ドアは、ドアがポートに固定され、ポートの間にシールが形成され、ドアが閉じている第1の構成と、シールが解放され、ドアが開いている第2の構成とを有し、
能動部材のハウジングは、能動部材ハウジングに対して移動可能な導管によって能動部材のポートと連通可能な出口を更に備え、当該導管は、ポートと出口とが互いに連通しない収納構成と、ポートと出口とが導管を介して互いに連通し、材料が導管を通過し得る伸長構成との間でハウジング内を移動可能である。
【0012】
本発明は、弁要素の大きさ及び重量を含む先行技術に関連する課題、並びに、封じ込め及び滅菌性を脅かす可能性のある、ドアのような装置を覆う要素である粉末などの浮遊物質の変位を引き起こす可能性のある能動及び/又は受動要素の圧力変化及び気流に関連する課題を回避する。さらに、本発明は、受動ポートと能動部材の出口との間の通信を容易にするために、能動部材及び/又は受動部材を移動させるための重い及び/又は煩雑な昇降設備の必要性を回避する。
【0013】
本発明は、滅菌されているか、又は滅菌若しくは無菌環境での取扱い若しくは処理を必要とする材料の流れを制御するために使用するものであり得る。材料には、粉末、錠剤、カプセル、又はそのような製品の保管若しくは配送と併せて使用される物品、栓、バイアル、可撓性バッグ及び/又はボトルが含まれる場合がある。
【0014】
本発明は、滅菌温度での使用に適している場合がある。滅菌温度は、1バールの圧力で少なくとも90℃であってもよい。有利には、滅菌温度は、1バールで約90℃~200℃であってよい。本発明による滅菌温度を満たす条件の例としては、例えば1バールで120℃の温度の流体が挙げられる。
【0015】
滅菌に適した媒体には、蒸気、過酸化水素、二酸化塩素及び/又は生物汚染除去媒体のいずれか1つ以上が含まれる。有利には、媒体は流体である。より有利には、流体は気体である。
【0016】
本発明の構成は、受動部材の構成によって優れた密封特性が与えられることにより、微生物学的プロセスでの使用を容易にする。
【0017】
本発明の更なる態様によれば、2つの部材が互いに解放可能に固定されるように嵌合可能な能動部材と受動部材とを備える移送装置が提供され、
各部材が、ポートと、ポートを選択的に開閉してポートを通る材料の移動を制御するドアとを有し、
ドアの一方は、突出部を含む雄型嵌合部材を有し、ドアの他方は、相補的形状の雌型嵌合部材を有し、
突出部は、突出部の外形を変更して2つのドアの解放可能な嵌合及びロック解除を容易にして2つのドアの開放を容易にするように変位可能な可動要素を有する。
【0018】
本出願人らは、最初に能動ドアを取り外し、次いで受動ドアをロック解除及び取り外すことに関連する困難を克服した。機構の複雑さを軽減するために、出願人は、ドアのロック解除とドアの接合とを組み合わせた。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による移送装置の能動部材を示す図である。
図2a図1に示す能動部材の代替図である。
図2b図1に示す能動部材の代替図である。
図3図1及び図2a及び図2bの能動部材の断面図である。
図4図1及び図2a及び図2bの能動部材の断面図である。
図5】本発明による移送装置の受動部材を示す図である。
図6a図5の断面図を示す図である。
図6b図5の断面図を示す図である。
図7a】本発明による能動ドアを示す図である。
図7b】本発明による能動ドアを示す図である。
図8a】本発明による受動ドアを示す図である。
図8b】本発明による受動ドアを示す図である。
図9a】受動部材と、受動部材のドア、シール及びハウジングの拡大部分断面図とを示す図である。
図9b】受動部材と、受動部材のドア、シール及びハウジングの拡大部分断面図とを示す図である。
図9c】受動部材と、受動部材のドア、シール及びハウジングの拡大部分断面図とを示す図である。
図10a】能動部材ドアの中央に配置されたロックキーを示す図である。
図10b】能動部材ドアの中央に配置されたロックキーを示す図である。
図10c】能動部材ドアの中央に配置されたロックキーを示す図である。
図10d】能動部材ドアの中央に配置されたロックキーを示す図である。
図10e】能動部材ドアの中央に配置されたロックキーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を単なる例として説明する。
【0021】
図1図8は、互いに連通できる入口14と出口16とを有する本体12を備える移送システムの能動部材10を示し、材料は、入口14と出口16とが直接連結されていない収納構成(図3)と、出口16と入口10との間に導管が延在し、出口16と入口14とが導管18を介して互いに連通し、材料が導管12を介して出口16と入口14との間を通過することができる伸張構成(図4)と、の間で移動可能な可動/伸長可能導管18によって、入口14と出口16とを通過することができる。
【0022】
本体12は、平坦な上面20と下面22とを有する実質的に三角形の横断面と、上面20と下面22との間に延在する、上面20と下面22との間に本体室を画定する側壁24とを有する。
【0023】
三角形の本体12の1つの角部には、上面20の入口14が位置し、これは、本体の上面に対して垂直に延在し、かつ円筒状部材である能動係止リング32、滅菌リングがともに関連する円形の開口部である。
【0024】
入口14にはドア30(図4)が関連付けられており、ドア30は、ドア30が入口14を覆い、開口部が閉じている閉構成から、ドア30が開き、入口14が自由に材料の流れを許容する開構成へと移動可能である。本体12は、能動部材と受動部材とが互いに接続されて流路の外に移動したときに、能動部材と受動部材のドアを収容するのに十分な内部空間をハウジング内に提供するのに適した任意の形状であってもよいことが理解されよう。
【0025】
加えて、入口14には能動係止リング32が関連付けられており、能動係止リング32は、能動部材10と受動部材100とが選択的に一緒に固定され得るように、相補的形状の受動部材100と協働するような大きさ及び形状である。
【0026】
導管18は、円筒形本体40を含み、この円筒形本体40には、導管18を収納構成と展開構成との間で延在可能にする伸長可能な側壁部材42が接続されている。可撓性側壁部材42の一端部44は、本体/ハウジング12の出口16の近位にあり、出口16に固定されている一方で、側壁部材42の自由端部46は、入口14及び受動要素/部材100の内部の一部分を通って選択的に延在することができる円筒形本体40に関連付けられている。円筒形本体は、作動アーム43に接続されて導管を収納構成と伸長構成との間で移動させる円周カラー41を有する。
【0027】
出口16は、円形開口部50を備え、円形開口部50は、円筒形側壁52を有する。円筒形側壁52は、本体/ハウジングの横断面に垂直な平面に延在し、円周出口フランジ54を有する。フランジ54及び側壁52には、材料が通る又は流入するための下流側の処理設備を容易に取り付けることができる。
【0028】
図5及び図6)受動部材/要素100は、円筒形の主ハウジング102と、ドア104によって選択的に閉鎖可能な開口部とを有する。主ハウジング102は、円筒形のライナ106を有し、移送システムの他の要素に対する密封境界と、材料の移送のための滑らかな通路と、移送される材料のための1つの接触面とを提供する。そのため、その後の移送作業は、全ての処理設備の完全な洗い落とし/滅菌の必要性を回避することが可能であるように、適切な場合には異なるライナで行われてもよく、むしろ、ライナは単に異なる滅菌ライナに交換する必要があるのみである。開口部の上流側には、長手方向に延在する側壁108があり、側壁108は、ドア104によって閉鎖可能な開口部の遠位側の一端部に、上流側の処理設備を容易に取り付けることを許容するフランジ110を有する。ドア104の上流側には、材料の流れを選択的に許容する又は防止するように移動可能な一体型弁閉鎖部材111がある。材料の移送中、弁は、能動部材と受動部材とが一緒に固定され、それぞれのドアが流路から移動し、移送が必要になるまで閉じられる。次いで、弁閉鎖部材は、材料の移送を許容するように開構成に移動してもよい。
【0029】
入口14を選択的に開閉するのは、中央に配置されたロックキー60を有するドア30であり、ロックキー60は、下側部分64と、最大30度回転可能な上側部分66とを有する六角形駆動部を備える(図7a及び図7b)。受動部材/要素100のドア104は、六角形駆動部を受け入れる相補的形状の凹部112を有する。六角形駆動部の上側部分66が回転すると(図7b)、2つの部分の位置がずれ、上半分が受動ドア104のアンダーカット114に巻き込まれる。この巻き込みが両者を一緒に保持するのであり、逆方向のロック動作も六角形を再整列させ、ドアを分離することができる。例えば、三角形、正方形、五角形、七角形、八角形、非四角形、十角形などを含む群から選択される断面を有する駆動部など、他の多角形形状の駆動部を首尾よく使用してもよいことが理解されよう。
【0030】
受動ドア104は、キャリア130に移動可能に取り付けられた複数のロックタブ120の内部付勢機構を有する。ロックタブは、受動部材のハウジングの内側側壁面の円周チャネル131と協働してドアが取り外されないようにする伸長構成と、ロックタブが円周を越えて延在しないようにキャリア130内に収容されてドアを開く/取り外すことができる後退構成との間で移動可能である。
【0031】
付勢機構は、受動ドア104を受動ライナ106の下面に押し付けて、滅菌シールを確保する。能動ドア30上の六角形駆動部が受動ドア104の内側に押し上げられたときにのみ、付勢力に打ち勝つ。付勢力が効かなくなると、駆動部が回転し、ロックタブ120を伸長構成(図8a)から後退構成(図8b)に変位させることによって、ドアをロック解除することが容易になる。
【0032】
図9a~図9cは、受動部材100と、ドアをロック解除し、ポートが能動部材のポートと連通して材料が通過できるように移動させることを許容するための、シールの解放に関連する様々な段階とを示す。
【0033】
図9aは、受動部材ハウジング106に固定され密封された受動ドア104を示す。受動部材は、受動ドア104と能動部材10のハウジングの入口14の内面とにそれぞれ係合する2つのリップ122、124を有するゴムライニング106を有する。2つのリップ122、124は、適切なシールを確保しながら公差の変動を許容し、ドッキング又はドッキング解除のための力を最小限に抑えるように設計されている。
【0034】
ライナは、交換可能な構成要素であり、例えばシリコーンを含むエラストマーのような弾性変形可能な材料から製造される。ライナは装置の他の構成要素と比較して動作寿命が短く、十分に加圧されたシールをすることが不可能になった時点で交換されることが意図されている。これにより、適切な可撓性材料を使用してライナを製造し、構成要素間にシールを形成し得ることが確保される。
【0035】
図9bは、受動ドア100内の内部付勢機構が、ロックタブ120が移動可能に取り付けられたキャリア130を、ポートの開口部と受動ドア本体と受動ライナ106の下面とから離すように打ち勝つ様子を示す。
【0036】
図9cは、後退構成のロックタブ120を示し、駆動装置が回転して流路から受動ドアを取り外し可能にして材料移送を容易にしている。
【0037】
図10a~図10eは、下側部分64と最大30度回転可能な上側部分66とを有する六角形駆動部を備える能動部材ドアの中央に配置されたロックキー60と、ドアの嵌合及び受動ドアのロック解除中の様々な構成における受動ドア104の相補的形状の凹部112とを示す。
【0038】
図10aは、上側部分66と下側部分とが位置合わせされている六角形の駆動部と、相補的形状の凹部112を有する受動ドア104とを示す。
【0039】
図10bは、凹部に挿入され、凹部によって受け入れられる六角形駆動部を示す。
【0040】
図10cは、受動部材のポートの長手方向軸線と平行な第1の方向に変位して、受動ドア内のライナ106の下面とキャリア130との間のロックタブ120のライナ106の下面とキャリア130との間のシールを解放する六角形駆動部を示す。このステップがなければ、シールを解放して受動ドアを開けるのに必要なトルクが大きすぎてしまう。
【0041】
図10dは、六角形駆動部の一部分が回転して第2の方向に変位した六角形駆動部を示し、六角形駆動部は、上側部分66が30度回転して六角形駆動部の上側部分とずれ、能動ドアと受動ドアとを一緒に固定する第1の構成を採用している。
【0042】
図10eは、第2の構成に変位した六角形駆動部を示し、下側部分64と上側部分66とが回転し、受動ドアの凹部112と協働して、ロックタブを伸長構成から後退構成に変位させてドアの取り外しを容易にしている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
【国際調査報告】