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特表2024-509413耐荷重シートベルトリトラクタ及び座席構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】耐荷重シートベルトリトラクタ及び座席構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/26 20060101AFI20240222BHJP
   B60R 22/28 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B60R22/26
B60R22/28 106
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552297
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2022054600
(87)【国際公開番号】W WO2022184532
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021105010.3
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ソーンチェン,アーント
(72)【発明者】
【氏名】ジャバッシュ,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラングホフ,ハンス ヨルグ
(72)【発明者】
【氏名】グラーセル,アントクリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シルステア,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】エラーズ,ジェンス
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018BA05
3D018CA01
3D018DA07
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、車両座席の座席構造(40)のための耐荷重シートベルトリトラクタ(10)に関し、シートベルトリトラクタ(10)は2つのハウジング半体(20、30)を有し、その間にシートベルトリトラクタ(10)の機能モジュール(11、12、13、15、19)が配置される。1つの機能モジュール(12)は、巻回軸(A)を有するベルトリール(12)である。2つのハウジング半体(20、30)は、シートベルトリトラクタ(10)内に2つの互いに平行な収容部(29)を形成し、これらの収容部は、巻回軸(A)に対して垂直に向けられている。2つのシートバー(41)を収容部(29)に挿入することができる。2つのハウジング半体(20、30)は、収容部(29)の挿入方向(B)に対して機能モジュール(11、12、13、15、19)の上及び下の少なくとも2つの接触線(1、2)で接触している。下側接触線(2)は、収容部(29)に向かって開口するそれぞれの中間空間(3、4)が形成されるように、巻回軸(A)に沿って両側で開口するように分割する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両座席の座席構造(40)のための耐荷重シートベルトリトラクタ(10)であって、
前記シートベルトリトラクタ(10)が、2つのハウジング半体(20、30)を有し、前記ハウジング半体(20、30)の間に前記シートベルトリトラクタ(10)の機能モジュール(11、12、13、15、19)が配列され、
1つの機能モジュール(12)が、巻回軸(A)を有するベルトリール(12)であり、
前記2つのハウジング半体(20、30)が、前記シートベルトリトラクタ(10)内に、前記巻回軸(A)に対して垂直に向けられた2つの互いに平行な収容部(29)を形成し、2つのシートバー(41)を前記収容部(29)内に挿入することができ、
前記2つのハウジング半体(20、30)が、前記収容部(29)の挿入方向(B)に対して前記機能モジュール(11、12、13、15、19)の上及び下の少なくとも2つの接触線(1、2)で接触し、
前記下側接触線(2)が、前記収容部(29)に向かって開口するそれぞれの中間空間(3、4)が形成されるように、前記巻回軸(A)に沿って両側で開口するように分割する、シートベルトリトラクタ。
【請求項2】
前記中間空間(3、4)が、それぞれ前記収容部(29)に隣接し、前記収容部(29)に合流することを特徴とする、請求項1に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項3】
前記2つのハウジング半体(20、30)が、前記下側接触線(2)においてそれらのハウジング内面と接触していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項4】
火薬式プリテンショナチューブ(5)の自由端が、前記開いた中間空間(3、4)のうちの1つを通って導かれることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項5】
前記機能モジュール(11,12,13,15,19)のうちの少なくとも1つを制御するためのケーブルが、前記開いた中間空間(3、4)のうちの1つを通って導かれることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項6】
前記上側接触線(1)が、ヘッドレストホルダ(6)によって覆われることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項7】
前記ヘッドレストホルダ(6)は、少なくとも1つのラグ(7)を有するハウジング半体(30)に係合することを特徴とする、請求項6に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項8】
前記ヘッドレストホルダ(6)が、前記2つのハウジング半体(20、30)のうちの1つに螺合されることを特徴とする、請求項6又は7に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項9】
前記2つのハウジング半体(20、30)が、それらの基本形状において対称であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のシートベルトリトラクタ(10)。
【請求項10】
互いに平行に整列された2つのシートバー(41)を有する座席構造(40)であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の耐荷重シートベルトリトラクタ(10)が、前記シートバー(41)に付着され、前記シートバー(41)に締結されることを特徴とする、座席構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの特徴を有する車両座席の座席構造のための耐荷重シートベルトリトラクタ、及び請求項10のプリアンブルの特徴を有する対応する座席構造に関する。
【0002】
安全ベルト装置が組み込まれた車両座席は、例えば、コンバーチブル内の前座席としての使用において既知であり、少なくとも、安全ベルト装置のシートベルトリトラクタは、車両座席の背もたれ内に締結されている。この場合、耐荷重Bピラーの欠如に起因して、及び後座席へのアクセスに関する理由から、又は後部車両構造からの距離に関する理由から、シートベルトリトラクタが車両座席の背もたれ内に組み込まれているのが好ましく、したがって、これはまた、拘束の場合に作用する引張力を吸収するように設計されなければならない。シートベルトリトラクタ自体は、標準的なシートベルトリトラクタの基本的構造と同一であり、自己整合性慣性センサなどの、特に背もたれ内の設置のために設けられた様々な追加アセンブリのみを設ける。
【0003】
車両座席の基本的設計において、車両座席は、いくつかの耐荷重構造部品からなる座席構造を有し、耐荷重構造部品は、車両座席を車両構造に締結するように使用される。座席構造体は座り心地を改善するためにばね及び緩衝材を装備し、座席構造体はまた、関連する電気モータを含む様々な座席調節機構などの更なる構成要素、並びに加熱装置、センサ、表示部、及びヘッドレストなどの更なる構成要素の締結のために使用される。
【0004】
自律運転システムを有する現代の車両では、車両の乗員が、例えば、他の乗員とのより有意義なコミュニケーション、長時間のより集中的な休息期間、又は更には仕事のために、自律運転によって得られる自由を使用することができ、これに応じて車両座席を向けることができるように、様々な向き及び位置における車両座席のより大きい調節性の要求が高まっている。結果として、安全ベルト装置、及び、特にシートベルトリトラクタは、以前のように車両構造に締結されるのではなく、その代わりに、例えばコンバーチブルの前座席の場合に既にあるように車両座席に締結される必要がある。
【0005】
シートベルトリトラクタが配置された車両座席のための耐荷重構造部品は、例えばDE 10 2018 213 279 A1から既知である。
【0006】
この背景に対して、本発明は、座席構造のための改良された寸法安定性及び耐衝突性のシートベルトリトラクタを特定するという問題に基づく。
【0007】
この問題を解決するために、請求項1の特徴を有する耐荷重シートベルトリトラクタが提案される。本発明の更なる好ましい展開は、従属請求項、図面、及び関連する説明から得られ得る。
【0008】
本発明の基本概念によれば、車両座席の座席構造のための耐荷重シートベルトリトラクタが請求項1に従って提案され、シートベルトリトラクタは2つのハウジング半体を有し、その間にシートベルトリトラクタの機能モジュールが配置され、機能モジュールは巻回軸を有するベルトリールである。2つのハウジング半体は、シートベルトリトラクタ内に2つの互いに平行な収容部を形成し、これらの収容部は、巻回軸に対して垂直に向けられ、2つのシートバーを収容部に挿入することができる。2つのハウジング半体は、収容部の挿入方向に対して機能モジュールの上及び下の少なくとも2つの接触線で接触しており、下側接触線は、収容部に向かって開いたそれぞれの中間空間が形成されるように、巻回軸に沿って両側で分割されている。
【0009】
これに関連して、耐荷重とは、シートベルトリトラクタが、安全ベルトから座席構造に力を導入することに加えて、座席構造自体からの荷重を吸収して伝達することもできることを意味する。したがって、シートベルトリトラクタは、上位座席構造の耐荷重構造部品として適している。
【0010】
シートベルトリトラクタの機能モジュールは、特に、安全ベルトを有するベルトリールであり、安全ベルトは、ベルトリール上に巻かれてベルト巻回を形成することができる。更なる機能モジュールは、特に阻止装置である。
【0011】
機能モジュールは、更に、可逆的シートベルトプリテンショナ、不可逆的シートベルトプリテンショナ、力制限装置、センサ装置、又は更に制御装置であってもよい。更に、機能モジュールは、シートベルトリトラクタにおける様々な機能のために提供され得る電気モータとすることができる。
【0012】
2つのハウジング半体の間に配置されたシートベルトリトラクタの機能モジュールは、好ましくは、軸方向又は同軸に、ベルトリールと直列に配列される。これにより、狭い細長い設置空間における省スペース設計がもたらされ、これは、シートベルトリトラクタを車両座席の背もたれに容易に配置することができることを意味する。ベルトリールの回転軸の延長に関して、機能モジュールはベルトリールの後方又は前方に配置される。ベルトリールに隣接する他の機能モジュールは、ベルトリールの回転軸に対して直列に配置することができ、その結果、それらは、必要であれば、外側のベルト巻回をわずかに超えて突出し、シートベルトリトラクタの細長い設計が継続され、更に延在される。
【0013】
シートベルトリトラクタの2つのハウジング半体は、好ましくはシートベルトリトラクタの全幅にわたって延在する。ハウジング半体はそれぞれ、車両座席の背もたれの側方座席構造を両側で形成する2つのシートバーを、収容部内で少なくとも部分的に囲むことができる。
【0014】
それぞれの場合に中間空間を形成する両側の提案された分離により、最適化された均一な力導入又は力誘導が可能になる。2つのハウジング半体は、収容部の領域においてシートバーを囲むように設計されている。ハウジング半体は、中央で一体になった後、下側接触線で接触する。したがって、耐荷重シートベルトリトラクタの高い剛性は、低重量で達成することができる。
【0015】
開放間隙はまた、配置の場合、例えばプリテンショナホイールの起こり得る閉塞の場合に、火薬式シートベルトプリテンショナから、及びシート上の乗員から、並びにその後ろの可能な座席列の乗員からの過剰圧力をシートクッションへと下方に逸らすために有利である。更に、ハウジング内に配置されたシートベルトリトラクタの機能モジュールへのアクセス開口部が、簡単な方法で形成される。
【0016】
好ましい実施形態では、中間空間はそれぞれ収容部に隣接し、収容部に合流する。このようにして、有利な力経路による重量削減に加えて、これにより、好ましい製造可能性を達成することができる。
【0017】
更なる発展形態によれば、2つのハウジング半体は、下側接触線においてそれらの内側ハウジング側面と接触することが提案される。したがって、下側接触線は、巻回軸に平行な広い接触面を形成することができ、すなわち、接触線の幅は、少なくとも部分的に、2つのハウジング半体の材料厚さの倍数に対応する。
【0018】
更に、火薬式プリテンショナチューブの自由端が、開いた中間空間の1つを通って導かれることが提案される。これにより、シートベルトリトラクタを座席構造に取り付けた後に、点火プラグを容易に接続することができる。更に、これは、シート幅によって体系的に制限されるので、巻回軸に平行なガイドと比較して、火薬式プリテンショナチューブのより長い設計を可能にする。また、プリテンショナ及びプリテンショナ内に設けられた圧力逃がし弁が閉塞した場合に、プリテンショナチューブからの過剰圧力をシートベルトリトラクタから車両座席内に逃がすことができる。
【0019】
更なる発展形態によれば、機能モジュールのうちの少なくとも1つを制御するためのケーブルが、開いた中間空間のうちの1つを通って導かれることが提案される。例えば、ケーブルは、例えば背もたれの領域に接続され得るコネクタを有してもよい。
【0020】
有利な実施形態では、上側接触線はヘッドレストホルダによって覆われる。ヘッドレストホルダは、好ましくは、両方のハウジング半体に接続され、シートベルトリトラクタを2つのハウジング半体及び機能モジュールと一緒に保持し、その締結によって接触線においてハウジング半体の追加の接触力をもたらすことができる。
【0021】
更なる発展形態によれば、ヘッドレストホルダは、少なくとも1つのラグを有するハウジング部品に係合することが提案される。係合によって、予備組み立て又は形状嵌合接続による接合プロセスを達成することができ、これにより、非常に軽量で費用効果の高い接続が可能になる。
【0022】
更に、ヘッドレストホルダは、2つのハウジング半体の一方に螺合されることが提案される。例えば、ヘッドレストホルダが一方のヘッドレスト半体のみに螺合され、形状嵌合接続を介して他方のハウジング部品に接続される場合、有利である。したがって、2つのハウジング半体の接続を迅速かつ容易にもたらすことができる。
【0023】
更なる発展形態によれば、2つのハウジング半体は、それらの基本形状において対称であることが提案される。したがって、2つのハウジング半体は、板金製造プロセスにおける異なる製造ステップにおいて同一であってもよく、打ち抜き又はビード加工に関して異なっていてもよい。
【0024】
ハウジング半体は好ましくは金属薄板で作られ、これにより、高い強度を有する費用効果の高い製造が可能になる。
【0025】
本発明の基本概念によれば、互いに平行に整列された2つのシートバーを有する座席構造が請求項10に従って提案され、請求項1~9のいずれか一項に記載の耐荷重シートベルトリトラクタがシートバーに付着され、当該シートバーに締結される。
【0026】
対応する座席構造は、シートベルトリトラクタの一体化により、特に軽量かつ寸法的に安定して設計され得る。
【0027】
好ましい実施形態では、平行に延在し、互いに離間している2つのシートバーを、挿入軸に沿ってシートベルトリトラクタに挿入することができ、シートベルトリトラクタに螺合することができる。シートベルトリトラクタの2つのハウジング部品は、シートベルトリトラクタの全幅にわたって延在することが好ましい。ハウジング部品は、車両座席の背もたれの側方座席構造を両側で形成する2つのシートバーを少なくとも部分的に取り囲むことができる。2つのハウジング部品は、2つのシートバーを挿入することができるシートベルトリトラクタの2つの収容部を形成することが好ましい。
【0028】
本発明について、添付の図を参照して、好ましい実施形態を使用して以下で説明する。以下を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、座席構造の耐荷重シートベルトリトラクタの正面図である。
図2図2は、シートバーを有する耐荷重シートベルトリトラクタを下から見た図である。
図3図3は、座席構造のシートバーを有する耐荷重シートベルトリトラクタの背面図である。
図4図4は、シートバーを有する耐荷重シートベルトリトラクタを更に下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、耐荷重シートベルトリトラクタ10の例示的な実施形態を正面図で示す。シートベルトリトラクタ10は、積層配列で前後に構成された複数の機能モジュール11、12、13、15、19を有する。これにより、車両座席の背もたれの上部に組み込むことができる細長い設置空間が得られる。機能モジュール11、12、13、15、19は、例えば、駆動ばね11が設けられた安全ベルト(図示せず)のためのベルトリール12である。ベルトリール12は、安全ベルトを巻き取ってベルト巻回を形成することができる巻回軸Aを有する。更に、プリテンショナ駆動ホイール13が設けられており、これによって、火薬式ベルト張力付与を達成することができる。力制限装置(LLA)は、関連するスイッチング装置15に隣接して配列される。阻止爪部を有するプロファイルヘッドが、阻止爪部を阻止するための歯部を有するフレームに軸方向に隣接して設けられる。更に、モータ19、特に電気モータが設けられる変速機、特に遊星変速機を、例えば軸方向に設けることができる。機能モジュール11、12、13、15、19は、図ではハウジングによって大部分が隠されている。
【0031】
シートベルトリトラクタ10のハウジングは、基本的に2つのハウジング半体20、30からなる。図1において、シートベルトリトラクタ10は、巻回軸Aに垂直な挿入方向Bに従って上方からシートバー41に挿入することができ、又は座席構造40のシートバーは、下方からシートベルトリトラクタ10の収容部29に挿入することができる。
【0032】
ハウジング半体20、30は、他方のハウジング半体20、30における舌部35と対応するスロット36とのプラグイン接続によって、上側接触線1で形状嵌合接続によって接続される。
【0033】
図2は、シートベルトリトラクタ10を下から見た図を示し、2つのハウジング半体20、30の間の下側接触線2を見ることができる。下側接触線2は、巻回軸Aに沿ってシートベルトリトラクタ10の端部に向かって両側に開いている。この結果、2つの開いた中間空間3、4が生じ、開いた中間空間3、4が収容部29に合流するまで、下側接触線2から徐々に広くなる。図2の図では、シートバー41は、挿入方向Bにおいて収容部29に挿入される。シートベルトリトラクタ10は、対応する貫通孔によってシートバー41に螺合される。したがって、シートベルトリトラクタ10は、座席構造40の耐荷重要素を形成することができる。更に、C字形の留め具33が、2つのハウジング半体20、30のハウジング内面とシートバー41との間に配列され、これらと共に螺合される。シートバー41は、この場合、収容部29を充填するが、各場合に1つのシートバー41が挿入された状態でも開いた中間空間3、4は残る。下側接触線2から収容部29への移行は、開いた中間空間3、4を通して連続にすることができ、これにより、機械的応力ピークが低減され、強度が向上する。
【0034】
下側接触線2において、2つのハウジング半体20、30はそれぞれ、それらのハウジング内面又はハウジング内面の対応する部分と接触しており、それによって寸法的に安定した複合体を形成する。ハウジング半体20、30は、接触線2の領域において互いに補完して、周方向に閉じた外形を形成し、その上に機能モジュール11、12、13、15、19を完全に支持することができる。
【0035】
図3は、シートベルトリトラクタ10の例示的な実施形態を後側から示し、これは、車両座席に設置された状態において、背もたれの後側の図に対応する。この有利な実施形態では、ヘッドレストホルダ6が、2つのハウジング半体20、30を接続し、上側接触線1にまたがる。ヘッドレストホルダ6は、ハウジング半体30に挿入される2つのラグ7を有する。図3に見られるように、ヘッドレストホルダ6の更なる部分は、後部ハウジング半体20の後側を取り囲み、ねじ8によってこのハウジング半体20に螺合される。
【0036】
図4は、シートベルトリトラクタ10を下から見た別の図を示す。ここでは、火薬式シートベルトプリテンショナのプリテンショナチューブ5が、その自由端で、下側接触線2と収容部29との間に位置する開いた中間空間3を通って延在することが明確に分かる。したがって、プリテンショナチューブ5は、直線配列で可能な長さよりも長く設計することができる。更に、点火プラグをプリテンショナチューブ5の自由端に簡単に接続することができる。
【0037】
ヘッドレストホルダ6に加えて、又はその代わりに、更なる取付具によって更なる機能的接続を提供することもできる。例えば、前座席に配置されたシートベルトリトラクタ10の場合、後座席の娯楽又はスクリーン懸架ブラケットのための更なる取付具。エアバッグモジュール取付具、及びガス発生器、キャッチストラッププリテンショナ等の更なるエアバッグ構成要素のための取付具を設けることができる。後座席に配列するために設けられたシートベルトリトラクタ10の場合、例えば、背もたれ固定のための留め金を設けることもできる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】