(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】対象流体に圧力低下を生じさせるためのトリム並びに関連する弁及び方法
(51)【国際特許分類】
F16K 47/02 20060101AFI20240222BHJP
F16K 3/32 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
F16K47/02 F
F16K3/32
F16K3/32 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552482
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022071352
(87)【国際公開番号】W WO2022213045
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティッベ,ホルガー シー.
【テーマコード(参考)】
3H053
3H066
【Fターム(参考)】
3H053AA11
3H053AA33
3H053BB02
3H053BB16
3H066AA04
3H066BA33
(57)【要約】
【解決手段】 対象流体の圧力低下を誘導するように構成された弁は、入口と、弁座と、出口と、弁座の周りに位置し、入口と出口との間に挟まれた弁トリムとを含み得る。弁トリムは、環状体を含み得、環状体は、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含む。モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔は、最密六方空間格子状に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁トリムであって、
環状体を備え、前記環状体は、前記環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含み、前記モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔が、最密六方空間格子状に配置されている、弁トリム。
【請求項2】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量が、最密六方パターンで配置されている、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項3】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の密度が、約7g/cm
3以下である、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項4】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の前記密度が、約2.5g/cm
3~約6g/cm
3である、請求項3に記載の弁トリム。
【請求項5】
前記モノリシックな一体型多孔質材料は、対象流体が前記蛇行相互接続空間を通って流れる際に、前記対象流体に約99.9%以下の圧力低下を誘導するように構成されている、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項6】
前記モノリシックな一体型多孔質材料は、対象流体が前記蛇行相互接続空間を通って流れる際に、前記対象流体に約90%~約99.6%の圧力低下を誘導するように構成されている、請求項5に記載の弁トリム。
【請求項7】
前記外部における前記細孔に隣接する前記モノリシックな一体型多孔質材料の部分が、少なくとも実質的にピラミッド形状を有し、前記形状のピークが、前記環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項8】
前記外部における前記細孔に隣接する前記モノリシックな一体型多孔質材料の前記部分が、少なくとも実質的に円錐形状を有する、請求項7に記載の弁トリム。
【請求項9】
前記モノリシックな一体型多孔質材料が、前記環状体の下流の対象流体に層流を誘導するように構成されている、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項10】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の2つの領域の間に挟まれた非多孔質材料の少なくとも1つの領域を更に含む、請求項1に記載の弁トリム。
【請求項11】
対象流体の圧力低下を誘導するように構成された弁であって、
入口と、弁座と、出口と、
前記弁座の周りに位置し、前記入口と前記出口との間に挟まれた弁トリムと、を備え、前記弁トリムは、環状体を備え、前記環状体は、前記環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含み、前記モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔が、最密六方空間格子状に配置されている、弁。
【請求項12】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量が、最密六方パターンで配置されている、請求項11に記載の弁。
【請求項13】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の密度が、約7g/cm
3以下である、請求項11に記載の弁。
【請求項14】
前記外部における前記細孔に隣接する前記モノリシックな一体型多孔質材料の部分が、少なくとも実質的にピラミッド形状を有し、前記形状のピークが、前記環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、請求項11に記載の弁。
【請求項15】
弁トリムを作製する方法であって、
離散量の材料を環状体の形状に順次布置することと、
前記離散量の材料を熱に曝露して、前記離散量の材料を互いに融合させ、前記環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を形成することと、
前記モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔を、最密六方空間格子状になるように画定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記離散量の材料を前記環状体の前記形状に順次布置することが、前記離散量を前記環状体の前記形状に層状に堆積させること、又は前記離散量を前記材料の粉末床内から前記環状体の前記形状に互いに固着させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記離散量の材料を前記熱に曝露することが、前記離散量の材料を含む未加工部品を炉内で焼結すること、又はレーザによって放出された放射線を前記離散量の材料の方へ向けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
最密六方パターンで配置されるように、前記モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量を融合することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記モノリシックな一体型多孔質材料の密度を約7g/cm
3以下にすることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも実質的にピラミッド形状を有するように、前記外部における前記細孔に隣接する前記モノリシックな一体型多孔質材料の部分を成形することを更に含み、前記形状のピークが、前記環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2021年3月30日に出願された「TRIMS FOR PRODUCING PRESSURE DROPS IN SUBJECT FLUIDS AND RELATED VALVES AND METHODS」に関する米国特許出願第17/217,494号の出願日の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、圧力低下を生成するとともに弁を通る流体の流れを調整するように構成されてもよい弁用のトリムに関する。より具体的には、開示される実施形態は、トリムの下流の流体の乱流を低減し、トリムの下流の流体により多くの層流を誘導し、大きな、潜在的に損傷を与える振動を低減してもよい弁用のトリムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
システム内の流体の流れを調整するための弁は、弁にわたる所定の圧力低下を誘導するように構成されてもよい。このような圧力低下を誘導するための1つの技術は、いわゆる「トリム」を弁に含めることである。トリムは、弁設計の入口と出口との間に位置決めされてもよく、従来、圧力低下を生成するように、流体が流動するための蛇行流路を画定してもよい。例えば、本発明者に知られている従来のトリムは、概して、弁の入口に近接する弁座を包囲し、弁の出口につながる容積によって包囲されてもよい中空の直円筒として構成されてもよい。このような従来のトリムは、ディスクに機械加工された又は他の方法で形成された孔のパターンを有する環状ディスクを積み重ねることによって形成されてもよい。それらの孔が重なり得る方法により、中を通って流体が流れ得る蛇行経路を画定し、トリムの内部からトリムを通ってトリムの外部に、又はその逆に流体が流れることを可能にすることができる。ディスクは、端部プレートがトリムの軸方向端部を取り囲む状態で、互いに積み重ねて固着されてもよい。
【0004】
開示
弁トリムは、環状体を含み得、環状体は、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を有する。モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔は、最密六方空間格子状に配置されてもよい。
【0005】
対象流体の圧力低下を誘導するように構成された弁は、入口と、弁座と、出口と、弁座の周りに位置し、入口と出口との間に挟まれた弁トリムとを含み得る。弁トリムは、環状体を含み得、環状体は、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を有する。モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔は、最密六方空間格子状に配置されてもよい。
【0006】
弁トリムを作製する方法は、離散量の材料を環状体の形状に順次布置することを伴ってもよい。離散量の材料は、熱に曝露され、離散量の材料を互いに融合させ、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を形成してもよい。モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔は、最密六方空間格子状になるように画定されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、特定の実施形態を特に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で終わるが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読まれるとき、以下の説明からより容易に確認され得る。図面において、
【
図1】
図1は、本開示による、トリムを含む弁の断面側面図である。
【
図2】
図2は、本開示による、トリムの別の実施形態を含む、弁の断面側面図である。
【
図3】
図3は、トリムに使用可能なモノリシックな一体型多孔質材料の一部分の配置を示す概略図である。
【
図4】
図4は、トリムに使用可能なモノリシックな一体型多孔質材料の別の部分の形状を示す概略側面図である。
【
図5】
図5は、本開示による、弁用のトリムを作製する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において提示される図は、任意の特定の弁、トリム、又はそれらの構成要素の実際の図であることを意味するものではなく、例示的な実施形態を説明するために採用される理想化された表現にすぎない。したがって、図面は必ずしも縮尺どおりではない。
【0009】
開示される実施形態は、概して、トリムの下流の流体の乱流を低減し、トリムの下流の流体により多くの層流を誘導し、かつ大きな、潜在的に損傷を与える振動を低減し得る弁用のトリムに関する。より具体的には、中を通って対象材料が流れ得る多孔質材料を示すことによって、対象流体のための蛇行流路を形成し得る弁用のトリムの実施形態が開示される。例えば、そのようなトリムは、中を通って対象流体が流れて、対象流体に所望の圧力低下を生じさせることができる蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、そのようなトリムは、例えば、最密六方充填パターンなどの充填パターンに配置された材料の集中質量を含んでもよい。より具体的には、そのようなトリムは、最密六方パターンで積み重ねられた材料の略球状の集中質量を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、モノリシックな一体型多孔質材料の後続部分を、トリムを出る対象流体に層流を能動的に誘導するように成形することもできる。例えば、トリムの外部における細孔に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料の部分は、少なくとも実質的にピラミッド形状を有し、形状のピークが、トリムの中心幾何学軸から離れる方向に向いている。そのような形状は、モノリシックな一体型多孔質材料内の蛇行経路からトリムの外部への漸進的な遷移を提供すことができ、これにより、対象流体に層流を誘導するか、又は少なくとも乱流の発生率及び/深刻度を低減することができる。
【0011】
中を通って材料が流れ得る相互接続空間の関連付けられた複雑なネットワークを伴う、そのような複雑な幾何学形状材料の形成を可能にするために、付加的製造技術が、トリムのモノリシックな一体型多孔質材料を形成するために利用されてもよい。例えば、直接金属レーザ焼結、電子ビーム溶融、選択的レーザ焼結、選択的レーザ溶融、結合剤噴射、粉末床融合、又は他の3D印刷技術を利用して、材料の粉末粒子を所定の位置に選択的に固定し、それらの粒子間に共有結合を形成して、モノリシックな一体型多孔質材料を形成してもよく、いくつかの実施形態では、固定及び結合を同時に行ってもよい。より具体的な例として、任意選択的に結合剤と混合された材料の粉末が、トリムの関連部分の形状に順次堆積されて、未加工部品を形成してもよく、未加工部品は、その後、熱への曝露(例えば、焼結、熱処理)によって融合され、任意の結合剤材料が燃焼除去されてもよい。別のより具体的な例として、材料の粉末床の標的部分は、(例えば、レーザを利用して)熱に曝露されてもよく、又は結合剤材料に曝露されて、それらの部分を所定の位置に固定し、任意選択的に、それらをともに融合させてもよい。その後の熱処理、及び/又はサブトラクティブ製造技術(例えば、機械加工、レーザー切断)は、弁内のトリムとして展開する前に、得られたモノリシックな一体型多孔質材料に対して行われてもよい。
【0012】
本開示による弁用のトリムの構成は、トリムを出る対象流体が、弁の下流のパイプ又は管類の区画に近接して、及びその中で乱流を呈し得る可能性を低減してもよい。例えば、本開示による、出力細孔の分布、蛇行経路の形状、及び弁のトリムの外側部分の形状は、少なくとも所与のトリムに直接隣接し、かつその下流で、流体の層流を能動的に促進してもよい。いくつかの実施形態では、本開示によるトリムは、積層プレート式トリムが使用された場合に生成される振動の強度を低減するか、又は振動をなくしてもよい。そのような振動の低減は、弁の動作に関連付けられたノイズの発生率及び/又は強度を低減してもよい。加えて、そのような振動の低減は、そのような振動が、ステムの移動並びに関連付けられたプラグの配向及び位置決めなどの弁の他の構成要素の移動に影響を及ぼし、その制御の信頼性を低減させるであろうリスクを低減してもよい。
【0013】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータ、特性、又は条件に関して「実質的に(substantially)」及び「約(about)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が許容可能な製造公差内などのある程度の変動で満たされることを当業者が理解する程度を意味し、含む。例えば、実質的に又は約特定の値であるパラメータは、特定の値の少なくとも約90%、特定の値の少なくとも約95%、特定の値の少なくとも約99%、又は更に特定の値の少なくとも約99.9%であってもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「モノリシック」という用語は、化学結合を利用して結合された材料の隣接する質量から形成され、非結合材料の隣接表面を少なくとも実質的に欠いている構造を意味し、含む。例えば、モノリシック構造は、付加製造プロセス(例えば、3D印刷、選択的レーザ焼結、結合剤噴射)を利用して材料の粒子を所定の位置に順次位置決めし、続いて又は同時に、熱への曝露によって化学結合(例えば、共有結合、金属結合)によってそれらの粒子を互いに融合させることによって作製されてもよく、鋳造されてもよく、材料の前駆体質量から機械加工されてもよい。熱処理、高密度化(例えば、焼結による)、及び別の構造への接続(例えば、接着、溶接、ろう付け、ピン接続、ボルト接続、リベット接続による)などの後続の処理が、モノリシック構造に対して実行されてもよい。
【0015】
材料、構造、又はクラスター化された質量の他の配置に関する「最密六方」という用語は、本明細書で使用される場合、材料、構造、又は他のクラスター化された質量のほぼ多面体形状のグループを、7つのほぼ多面体形状(6つは六角形の頂点にあり、7つ目は六角形の幾何学的中心に近接している)からなる単位セルを有する最密オフセット層に配置することによって形成された形状を意味し、含む。例えば、最密六方構造は、少なくとも実質的に球として成形された所与の材料の集中質量を含んでもよく、任意選択的に、球が互いに融合又は他の方法で結合されて、7つの球、六方単位セルを層に形成し、隣接する層が互いに積み重ねられ、球の半径の約1.1倍以下だけオフセットされ、交互の層が互いにほぼ整列した多面体形状を有するので、隣接する球形状間にいくらかの交点を有する。
【0016】
本明細書で使用される場合、空間格子に関して「最密六方」という用語は、最密六方配置で材料、構造、又は他のクラスター化された質量の間に位置する材料(例えば、空隙、空気などの環境流体、浸透固体材料)によって占有されているか占有されていないかにかかわらず、三次元空間の相互接続ネットワークを意味し、含む。例えば、最密六方空間格子は、それ自体がパターンを形成してもよく、最密六方空間格子の開口部、空間(占有された又は占有されていない)、細孔、又は空隙は、最密六方材料、構造、又は他のクラスター化された質量の所与の集中質量を包囲する六角形形状の頂点に配置されている。
【0017】
図1は、本開示による、トリム110を含む弁100の断面側面図である。いくつかの実施形態では、弁100は、概して、
図1に示されるように、玉形弁として構成されてもよい。例えば、弁100は、弁100の他の構成要素がその中及び上に支持されてもよく、弁100を通る流体経路の一部分を形成するために内部流体通路を任意選択的に画定してもよい、ハウジング104を含んでもよい。例えば、ハウジング104は、流入対象流体を弁100内に受容するための入口112及び対象流体を弁100から流出させるための出口114を画定してもよい。ハウジング104は、ボンネット116を支持してもよく、ボンネット116は、ボンネット116に対して移動可能なステム102を支持してもよい。プラグ106は、ステム102の移動がプラグ106の対応する移動を誘導し得るように、ステム102に固着されてもよい。プラグ106は、ハウジング104によって画定又は支持された弁座108と選択的に係合及び係合解除して、弁100を通る対象流体の流量を密封し、開放し、任意選択的に制御してもよい。
図1の弁100は玉形弁として具体的に示されているが、本開示による弁、及び本開示で企図される弁とともに使用可能なトリム110は、例えば、ボール弁、バタフライ弁、ゲート弁、チェック弁、プラグ弁、ピンチ弁、ニードル弁、ダイヤフラム弁、リリーフ弁、ソレノイド弁などの他のタイプの弁として構成されてもよい。
【0018】
弁100の入口112と出口114との間にトリム110を挟んでもよい。例えば、トリム110は、弁100を開閉するための機構と弁の出口114との間に位置してもよい。より具体的には、トリム110は、概して、弁座108、プラグ106の少なくとも一部分、及びステム102の一部分の周りに少なくとも部分的に位置する中空プリズムとして成形されてもよく、その結果、プラグ106と弁座108との間に画定された空間を通過した任意の対象流体が、出口114に到達する前にトリム110を通って流れてもよい。特定の非限定的な例として、トリム110は、概して、中空の直円筒として成形されてもよく、トリム110は、弁座108の少なくとも一部分、プラグ106の少なくとも一部分、及びステム102の一部分を包囲してもよく、弁座108とプラグ106との間を流れた任意の対象流体は、入口112から出口114に向かって進むようにトリム110に遭遇し、それを通って流れることを要求されてもよい。
【0019】
トリム110は、中を通って対象流体が流れて、トリム110にわたる対象流体の圧力低下を生じさせることができる蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料200を含んでもよい。例えば、中を通って対象流体が流動可能であり得るトリム110のそれらの部分は、材料の集中相互接続質量から形成されてもよく、材料の集中相互接続質量の間に細孔のネットワークを画定し、対象流体がトリム110を通って流れることを可能にしながら、その流れに対する選択可能な強度の抵抗及びトリム110にわたる対応する選択可能な圧力低下を提供する。より具体的には、トリム110は、トリム110の対向する長手方向端部に位置し、入口112から出口114に向かう方向以外の方向への対象流体の流れを阻止する1つ以上の端部プレート118、ボア120であって、その中を通って流入対象流体が、ボア120を画定するトリム110の表面に曝露されたモノリシックな一体型多孔質材料200の細孔に導入され得る、ボア120、及び端部プレート118間に延在し、ボア120を画定し、中を通って対象流体が入口112の近傍から出口114に向かって流れ得る細孔の相互接続ネットワークを画定し、トリム110にわたる対象流体に所定の圧力低下を生じさせる蛇行経路を画定するモノリシックな一体型多孔質材料200を含んでもよい。特定の非限定的な例として、端部プレート118は、トリム110が
図1に示される配向にあるときに、モノリシックな一体型多孔質材料200の環状体122の上方及び下方に位置してもよく、モノリシックな一体型多孔質材料200は、主に単一の付加製造プロセスを利用して、任意選択の補助的な除去製造、熱処理、高密度化、及び/又は他のサブトラクティブ製造(例えば、端部プレート118を環状体122に融合させるため)で形成されてもよい。トリム110は、サブトラクティブ製造プロセスによって形成された重なり合う凹部又は孔を有する隣接するプレートを含まなくてもよく、蛇行流路は同様に、プレート又はディスクにサブトラクティブ製造プロセスを適用し、それらのプレート又はディスクを互いに積み重ねることによって形成された表面によって画定された部分を含まなくてもよい。
【0020】
トリム110のモノリシックな一体型多孔質材料200は、対象流体が入口112の近傍から出口114に向かって流れることを可能にする蛇行相互接続空間を画定してもよい。例えば、モノリシックな一体型多孔質材料200は、環状体122を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定してもよく、モノリシックな一体型多孔質材料200の細孔は、環状体122の半径方向内側表面124及び半径方向外側表面126において流体連通するように開放されている。その結果、トリム110のボア120内の流入対象流体は、環状体122の半径方向内側表面124に曝露された細孔を通ってモノリシックな一体型多孔質材料200に入ってもよく、モノリシックな一体型多孔質材料200を通って半径方向外向きに流れてもよく、トリムを出て環状体122の半径方向外側表面126に曝露された細孔を通って出口114に向かって流れてもよい。
【0021】
トリム110によって誘導可能な圧力低下は、少なくとも部分的に、モノリシックな一体型多孔質材料200の密度を修正することによって選択可能であってもよい。例えば、モノリシックな一体型多孔質材料200の密度は、環状体122が非多孔質であって環状体を通る流体の全ての流れを妨げる場合よりも小さくてもよく、モノリシックな一体型多孔質材料200がトリム110を通る対象流体の流れに対してほとんど抵抗を示さない場合よりも大きくてもよい。より具体的には、モノリシックな一体型多孔質材料200の密度は、例えば、約7g/cm3以下であってもよい。特定の非限定的な例として、モノリシックな一体型多孔質材料200の密度は、約2.5g/cm3~約6g/cm3(例えば、約3g/cm3、約4g/cm3、約5g/cm3)であってもよい。
【0022】
トリム110によって誘導可能な圧力低下は、モノリシックな一体型多孔質材料200を利用して達成可能な広範囲の潜在的な圧力低下から選択可能であってもよい。いくつかの実施形態では、モノリシックな一体型多孔質材料200を利用することは、高い圧力低下が所望される用途に特に好適であってもよい。例えば、モノリシックな一体型多孔質材料200は、対象流体がトリム110のモノリシックな一体型多孔質材料200によって画定された蛇行相互接続空間を通って流れるときに、対象流体において約99.9%以下の圧力低下を誘導するように構成されてもよい。換言すれば、出口114に近接するトリム110の側の対象流体の圧力は、入口112に近接するトリム110の側の対象流体の圧力の約0.1%以上であってもよい。より具体的には、モノリシックな一体型多孔質材料200は、対象流体が蛇行相互接続空間を通って流れる際に、対象流体に約90%~約99.6%の圧力低下を誘導するように構成されてもよい。特定の非限定的な例として、モノリシックな一体型多孔質材料200は、対象流体が蛇行相互接続空間を通って流れる際に、対象流体に約92.5%~約99.5%(例えば、約95%、約98%、約99%)の圧力低下を誘導するように構成されてもよい。
【0023】
トリム110のモノリシックな一体型多孔質材料200は、トリム110の下流の対象流体における乱流の発生率及び/又は深刻度を低減するように構成されてもよい。例えば、環状体122の半径方向外側表面126における細孔の分布は、トリム110の半径方向外側表面126における隣接する細孔から出る対象流体の隣接する局所的な流れの間の相互作用が、トリム110に近接し、その下流の対象流体に乱流を誘導する可能性を低減してもよい。別の例として、半径方向外側表面126における細孔の分布、及び任意選択的に、それらの間に細孔を画定する半径方向外側表面126におけるモノリシックな一体型多孔質材料200のそれらの部分の形状は、環状体122に近接し、その下流の対象流体に層流を能動的に誘導してもよい。
【0024】
このような乱流の低減、及び層流の潜在的な能動的誘導は、弁100を通る、特にトリム110を通る対象流体の流れが、弁100自体、並びに弁100の上流及び下流の配管及び他の構成要素に振動を生じさせる可能性を低減してもよい。例えば、本開示によるトリム110によって可能になる乱流の低減は、振動が、ステム102とボンネット116との間など、弁100の構成要素間の意図しない相対運動を引き起こし得る可能性を低減してもよく、これは、特に長期間にわたって、弁100の動作の信頼性及び精度を高めてもよい。加えて、本開示によるトリム110によって可能にされる乱流の低減は、振動が弁100の近傍に大きな混乱させる可聴雑音を生成し得る可能性を低減してもよい。
【0025】
トリム110の材料は、少なくとも部分的に、弁100及び関連付けられたトリム110の用途に依存してもよい。例えば、トリム110の材料は、弁100とともに使用されることが意図される対象流体と化学的に非反応性であってもよく、医療グレード材料であってもよく、かつ/又は意図される用途における温度、圧力、及び他の環境条件への曝露で安定動作するように構成されてもよい。より具体的には、トリム110の材料は、付加製造プロセスによって多孔質環状体122の形状に位置決めすることが可能であってもよく、予想される用途での使用に好適な強度、密度、及び反応性特性を有してもよい。特定の非限定的な例として、トリム110の材料は、金属、金属合金、セラミック、ポリマー、及び/又はこれらの複合材料若しくは固溶体(例えば、ステンレス鋼、金属マトリックス材料中の炭化タングステン粒子、砂岩)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トリム110のモノリシックな一体型多孔質材料200は、均質でなくてもよい。例えば、複合物又は固溶体中の材料の密度、材料タイプ、又は相対濃度は、半径方向内側表面124から半径方向外側表面126に向かって半径方向に変化するように、又は一方の端部プレート118から他方の端部プレート118に向かって長手方向に変化するように、環状体122を通して勾配で分布されてもよい。
【0026】
図2は、本開示によるトリム202の別の実施形態を含む、弁200の断面側面図である。
図2の弁200は、
図1の弁100と少なくとも実質的に同様であってもよく、
図1に関連してより詳細に説明される構造上の変形形態及び構成のいずれかを採用してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、弁200の入口112と出口114との間に挟まれたトリム202は、多孔質材料208を含む第1の領域204及び非多孔質材料210を含む第2の領域206を含んでもよい。例えば、多孔質材料208を含む各第1の領域204は、半径方向内側表面124から半径方向外側表面126まで半径方向に、かつトリム202の中心幾何学軸128の一部分に沿って長手方向に延在して、トリム202が
図2に示される配向にあるときにトリム202の垂直高さの一部分のみを形成してもよい。同様に、各第2の領域206は、半径方向内側表面124から半径方向外側表面126まで半径方向に、かつトリム202の中心幾何学軸128の一部分に沿って長手方向に延在して、トリム202が
図2に示される配向にあるときにトリム202の垂直高さの異なる部分のみを形成してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の領域204及び第2の領域206は、互いに長手方向に交互になってもよい。例えば、第1の領域204の各対は、それらの間に挟まれた第2の領域206を含んでもよく、第2の領域206の各対は、それらの間に挟まれた第1の領域204を含んでもよい。より具体的には、各第1の領域204及び各第2の領域206は、概して、環状体122の一部分の形状を有してもよく、それぞれの第1の領域204は、端部プレート118に近接して位置し、当接し、固着されてもよく、第1の領域204及び第2の領域206は、端部プレート118間の残りの長手方向空間を占有するように互いに交互になってもよい。
【0029】
トリム202内に非多孔質材料210を含む第2の領域206が存在することにより、第1の領域204の多孔質材料208を通って流れる対象流体が意図しない方向に流れて、弁200の効率を低減させる可能性を低減してもよい。例えば、第2の領域206は、対象流体が主にトリム202の半径方向内側表面124からトリム202の半径方向外側表面126に向かって流れることを促進し、対象流体が中心幾何学軸128に平行な方向に流れることができる程度を低減するように位置決め及び構成されてもよい。より具体的には、非多孔質材料210を含む第2の領域206の存在、形状、及び位置決めは、トリム202を通って流れる対象流体が主に中心幾何学軸128に垂直な方向に移動し得る可能性を増加させ、対象流体が中心幾何学軸128に平行な方向に移動し得る可能性を減少させてもよい。対象流体がトリム110を通るより直接的な経路をとるように促進することは、トリム202の導入が、弁200を通る対象流体の圧力及び流量に対して予期される効果を有するであろう可能性を増加させてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2の領域206の非多孔質材料210は、モノリシックかつ第1の領域204の多孔質材料208と一体であってもよい。例えば、第1の領域204及び第2の領域206は、単一の付加製造プロセスを利用して形成されてもよく、第2の領域206内の材料は、第1の領域204内の材料よりも高い密度を有する。より具体的には、トリム202のより多い量の材料が第2の領域206内に布置されてもよく、又は第2の領域206内のそれらの量の前駆体材料は、より高い温度に、より長い期間にわたって溶融温度若しくは焼結温度に、又はその両方に曝露されて、第2の領域206内の材料を非多孔質材料210にしてもよい。トリム202のより少ない量の材料が第1の領域204内に布置されてもよく、又は第1の領域204内のそれらの量の前駆体材料は、より低い温度に、より短い期間にわたって溶融若しくは焼結温度に、又はその両方に曝露され、第1の領域204内の材料が多孔質材料208のままであることを確実にしてもよい。
【0031】
他の実施形態では、第2の領域206の非多孔質材料210は、第1の領域204の多孔質材料208とは別個であり、異なっていてもよい。例えば、非多孔質材料210は、中実の全密度の環状プレート又はディスクとして提供されてもよく、多孔質材料208は、別個の多孔質環状プレート又はディスクとして提供されてもよい。それぞれのプレート又はディスクは、交互に積み重ねられ、(例えば、溶接、ろう付け、接着、ボルト、ねじ、ピンなどによって)互いに固着されて、トリム202の第1の領域204及び第2の領域206を形成してもよい。
【0032】
図3は、本開示によるトリムに使用可能なモノリシック、モノリシックな一体型多孔質材料300の一部分の配置を示す概略図である。具体的には、
図3は、モノリシックな一体型多孔質材料300の集中質量302の単一層の例示的な充填パターンを示しており、集中質量302は、概して球体として成形され、集中質量302の単位セルは、集中質量302のうちの1つが六角形のそれぞれの頂点に位置し、別の集中質量302が六角形の幾何学的中心に位置する六角形形状に配置されてもよい。モノリシックな一体型多孔質材料300を形成するために、集中質量302のそれぞれの層は、互いに隣接して布置されてもよく、隣接する層内の集中質量302は、密な充填を提供するように互いにオフセットされてもよく、一方で、モノリシックな一体型多孔質材料300の相互接続された集中質量302の間の間隙空間304の開放ネットワークを維持する。
【0033】
いくつかの実施形態では、モノリシックな一体型多孔質材料300は、それぞれの集中質量302を所定の充填パターンで布置し、集中質量302の間に間隙空間304の相互接続ネットワークを残すことによって形成されてもよい。例えば、半径方向外側表面126(
図1参照)で曝露されたモノリシックな一体型多孔質材料300の少なくともそれらの集中質量302は、最密六方パターンで配置され、モノリシックな一体型多孔質材料300の外部で曝露された細孔306を最密六方空間格子状で配置させてもよい。より具体的には、環状体122(
図1参照)全体にわたるモノリシックな一体型多孔質材料300の集中質量302は、最密六方パターンで配置され、モノリシックな一体型多孔質材料300全体にわたる間隙空間304を最密六方空間格子状で配置させてもよい。
【0034】
集中質量302の個々のプリズム形状は、様々な重なり度合いで互いに融合されてもよい。例えば、集中質量302は、モノリシックな一体型多孔質材料300を通る対象流体の流れに抵抗するのに十分な構造強度を提供するのに必要な程度にのみ相互接続されてもよく、集中質量302間のポイントツーポイント表面接続を少なくとも実質的に近似する。別の例として、集中質量302は、集中質量302の間の間隙空間304の相互接続ネットワークのサイズを更に制限するために、より大きな程度に相互接続され、モノリシックな一体型多孔質材料300の密度を増加させてもよい。より具体的には、隣接する集中質量302のプリズム形状間の見かけ上の重なりは、所与の集中質量302の半径の約25%以下であってもよい。特定の非限定的な例として、隣接する集中質量302のプリズム形状間の見かけの重なりは、2つの隣接する集中質量302の平均半径の約1%~約20%(例えば、約5%、約10%、約15%)であってもよい。
【0035】
図4は、本開示によるトリムに使用可能なモノリシックな一体型多孔質材料300の別の部分の形状を示す概略側面図である。いくつかの実施形態では、トリム110(
図1参照)の半径方向外面126(
図1参照)において曝露されたモノリシックな一体型多孔質材料300の部分402の形状は、対象流体がトリム110(
図1参照)の外部における細孔306から出る可能性を低減するように構成されてもよい。例えば、半径方向外側表面126において曝露されたモノリシックな一体型多孔質材料300の部分402は、所与の部分402の最大寸法がトリム110(
図1参照)の中心幾何学軸128(
図1参照)に近接して位置し、所与の部分402の最小寸法がトリム110の中心幾何学軸128(
図1参照)から遠位に位置するテーパを示してもよい。より具体的には、外部における細孔306に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料300のそれらの部分402は、例えば、少なくとも実質的にピラミッド形状を有してもよく、形状のピークは、トリム110(
図1参照)の環状体122(
図1参照)の中心幾何学軸128(
図1参照)から離れる方向に向いている。特定の非限定的な例として、外部における細孔306に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料300の部分402は、少なくとも実質的に円錐形状を有してもよい。
【0036】
図5は、本開示による、弁用のトリムを作製する例示的な方法500を示すフローチャートである。方法500は、例えば、動作502に示すように、離散量の材料を環状体の形状に順次布置することを伴ってもよい。より具体的には、離散量の材料を環状体の形状に順次布置することは、例えば、離散量を環状体の形状に層状に堆積させること、又は離散量を材料の粉末床内から環状体の形状に互いに固着させることを伴ってもよい。特定の非限定的な例として、離散量の材料は、任意選択的に結合剤材料と混合された、又は結合剤材料中に懸濁された粉末の形態で提供されてもよく、3Dプリンタヘッドから分配されることによって順次布置されてもよく、又は粉末床内のブランケット堆積によって順次布置されてもよい。
【0037】
離散量の材料は、熱に曝露され、離散量の材料を互いに融合させ、動作504に示されるように、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を形成してもよい。例えば、離散量の材料は、レーザによって放出された放射を、標的化された様式で離散量の材料の方へ向けることなどによって、布置段階中に熱に曝露されてもよい。別の例として、離散量の材料は、全ての材料の布置に続いて、例えば、未加工部品(すなわち、未溶融、未焼結部品)を炉内に布置し、任意選択的に圧力を加え、未加工部品を高密度化して離散量の材料を互いに溶融する(すなわち、焼結する)ことなどによって、熱に曝露されてもよい。そのようなプロセスはまた、任意の量の結合剤材料を燃焼除去することを伴ってもよい。
【0038】
細孔は、動作506に示されるように、最密六方空間格子状になるように一体型材料の外部に画定されてもよい。例えば、トリムの出口に位置する材料の少なくともそれらの部分は、最密六方パターンで配置され、それらの間に画定された細孔を最密六方空間格子状にさせてもよい。より具体的には、モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量の少なくとも実質的に全体が、最密六方パターンで配置されるような方法で互いに融合され、外部における細孔及びモノリシックな一体型多孔質材料内の間隙空間の相互接続ネットワークが、最密六方空間格子状であり得ることを確実にしてもよい。
【0039】
本開示による、出力細孔の分布、蛇行経路の形状、及び弁用のトリムの外側部分の形状を含む、本開示による弁用のトリムの構成は、少なくとも所与のトリムに直接隣接し、かつその下流で、対象流体内の乱流を低減してもよい。いくつかの実施形態では、本開示によるトリムは、積層プレート式トリムが使用された場合に生成される振動の強度を低減するか、又は振動をなくしてもよい。
【0040】
このような乱流の低減、及び層流の潜在的な能動的誘導は、弁を通る、特にトリムを通る対象流体の流れが、弁自体、並びに弁の上流及び下流の配管及び他の構成要素に振動を生じさせる可能性を低減してもよい。例えば、本開示によるトリムによって可能になる乱流の低減は、振動が、ステムとボンネットとの間など、弁の構成要素間の意図しない相対運動を引き起こし得る可能性を低減してもよく、これは、特に長期間にわたって、弁の動作の信頼性及び精度を高めてもよい。加えて、本開示によるトリムによって可能にされる乱流の低減は、振動が弁の近傍に大きな混乱させる可聴雑音を生成し得る可能性を低減してもよい。
【0041】
このような弁トリムは、様々な有用な用途で利用されてもよい。例えば、そのような弁トリムは、有利には、化学処理、医療流体取扱、油及びガス探査、並びに圧力の変化、弁の正確な動作、及び低雑音動作が望ましくあり得る他の環境において展開されてもよい。このような弁トリムは、対象流体の大きな圧力低下が所望される場合に特に有用であってもよい。
【0042】
本開示の範囲内の更なる非限定的な実施形態は、少なくとも以下のものを含む。
【0043】
実施形態1:弁トリムであって、環状体を備え、環状体が、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含み、モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔が、最密六方空間格子状に配置されている、弁トリム。
【0044】
実施形態2:モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量が、最密六方パターンで配置されている、実施形態1に記載の弁トリム。
【0045】
実施形態3:モノリシックな一体型多孔質材料の密度が、約7g/cm3以下である、実施形態1又は実施形態2に記載の弁トリム。
【0046】
実施形態4:モノリシックな一体型多孔質材料の密度が、約2.5g/cm3~約6g/cm3である、実施形態3に記載の弁トリム。
【0047】
実施形態5:モノリシックな一体型多孔質材料は、対象流体が蛇行相互接続空間を通って流れる際に、対象流体に約99.9%以下の圧力低下を誘導するように構成されている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の弁トリム。
【0048】
実施形態6:モノリシックな一体型多孔質材料は、対象流体が蛇行相互接続空間を通って流れる際に、対象流体に約90%~約99.6%の圧力低下を誘導するように構成されている、実施形態5に記載の弁トリム。
【0049】
実施形態7:外部における細孔に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料の部分が、少なくとも実質的にピラミッド形状を有し、形状のピークが、環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、実施形態1~6のいずれか1つに記載の弁トリム。
【0050】
実施形態8:外部における細孔に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料の部分が、少なくとも実質的に円錐形状を有する、実施形態7に記載の弁トリム。
【0051】
実施形態9:モノリシックな一体型多孔質材料が、環状体の下流の対象流体に層流を誘導するように構成されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載の弁トリム。
【0052】
実施形態10:対象流体に圧力低下を誘導するように構成された弁であって、入口と、弁座と、出口と、弁座の周りに位置し、入口と出口との間に挟まれた弁トリムと、を備え、弁トリムが、環状体を備え、環状体が、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を含み、モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔が、最密六方空間格子状に配置されている、弁。
【0053】
実施形態11:モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量が、最密六方パターンで配置されている、実施形態10に記載の弁。
【0054】
実施形態12:モノリシックな一体型多孔質材料の密度が、約7g/cm3以下である、実施形態10又は実施形態11に記載の弁。
【0055】
実施形態13:モノリシックな一体型多孔質材料は、対象流体が蛇行相互接続空間を通って流れる際に、対象流体に約99.9%以下の圧力低下を誘導するように構成されている、実施形態10~12のいずれか1つに記載の弁。
【0056】
実施形態14:外部における細孔に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料の部分が、少なくとも実質的にピラミッド形状を有し、形状のピークが、環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、実施形態10~13のいずれか1つに記載の弁。
【0057】
実施形態15:弁トリムを作製する方法であって、離散量の材料を環状体の形状に順次布置することと、離散量の材料を熱に曝露して、離散量の材料を互いに融合させ、環状体を通って半径方向に延在する蛇行相互接続空間を画定するモノリシックな一体型多孔質材料を形成することと、モノリシックな一体型多孔質材料の外部における細孔を、最密六方空間格子状になるように画定することと、を含む、方法。
【0058】
実施形態16:離散量の材料を環状体の形状に順次布置することが、離散量を環状体の形状に層状に堆積させること、又は離散量を材料の粉末床内から環状体の形状に互いに固着させることを含む、実施形態15に記載の方法。
【0059】
実施形態17:離散量の材料を熱に曝露することが、離散量の材料を含む未加工部品を炉内で焼結すること、又はレーザによって放出された放射線を離散量の材料の方へ向けることを含む、実施形態15又は実施形態16に記載の方法。
【0060】
実施形態18:最密六方パターンで配置されるように、モノリシックな一体型多孔質材料の集中質量を融合することを更に含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施形態19:モノリシックな一体型多孔質材料の密度を約7g/cm3以下にすることを更に含む、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態20:少なくとも実質的にピラミッド形状を有するように、外部における細孔に隣接するモノリシックな一体型多孔質材料の部分を成形することを更に含み、形状のピークが、環状体の中心幾何学軸から離れる方向に向いている、実施形態15~19のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
特定の例示的な実施形態が図面に関連して説明されてきたが、当業者は、本開示の範囲が本開示において明示的に示され説明された実施形態に限定されないことを認識及び理解するであろう。むしろ、本開示で説明される実施形態に対する多くの追加、削除、及び修正が、法的均等物を含む、具体的に請求されるものなどの本開示の範囲内の実施形態を生成するために行われてもよい。加えて、1つの開示された実施形態からの特徴は、依然として本開示の範囲内にありながら、別の開示された実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。
【国際調査報告】