(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】一体型通気システムを備えたパッケージング装置
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20240222BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65D25/20 A
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552521
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2022055508
(87)【国際公開番号】W WO2022184883
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512271505
【氏名又は名称】オルス、ファルマ
【氏名又は名称原語表記】HORUS PHARMA
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ラルマン、オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】レンゾ、エステ
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PD11
3E014PE15
3E014PF10
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC06
3E062AC08
3E062JA03
3E062JA08
3E062JB08
3E062JC02
(57)【要約】
本発明は、分注すべき製品を収容するための容器(1)と、キャップ(4)と、容器に取り付けられたヘッドと、製品を吐出するためのノズル(31)と、 前記分注装置を閉じるための前記キャップと係合するようにされた上部作用部と、前記容器と係合するようにされた下部結合部とを含むカラー(2)とを備え、装置はさらに、キャップがカラーに装着されたときに、パッケージング装置の内部と外部との間の空気通路を維持するために、上部作動部と下部結合部との間で開口する少なくとも1つの通気孔を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注される製品がパッケージングされた装置であって、前記装置が、
-分注される前記製品を収容するための容器(1)と、
-キャップ(4)と、
-前記容器(1)に取り付けられるヘッドと
を備えてなり、
前記ヘッドが、
o製品出口ノズル(31)と、
oカラー(2)と
を含み、
前記カラー(2)が、
・前記分注装置を閉じるためのキャップ(4)と係合する上部作動部(21)と、
・前記容器(1)と係合する下部結合部(22)と
を含み、
前期装置が、前記キャップ(4)が前記カラー(2)に装着されたときに、パッケージング装置の内部と外部との間の空気連絡路を維持するように、前記上部作動部(21)と前記下部結合部(22)との間(J)に開口する少なくとも一つの通気孔(23)をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記上部作動部(21)が、
o第1円筒側壁(212)と、
o前記第1側壁の上端から半径方向内側に突出する環状カップ(213)と、
o前記第1側壁の下端から半径方向外方に突出する肩部(214)とから構成され、
各貫通孔が、前記環状カップ(213)と前期下部結合部(22)との間に配置された溝からなる、請求項1に記載のパッケージング装置。
【請求項3】
前記上部作動部(21)が、
o第1の円筒側壁(212)と、
o前記第1側壁の上端から半径方向内側に突出する環状カップ(213)と、
o前記第1側壁の下端から半径方向外方に突出する肩部(214)と、
o半径方向外側に突出する環状フランジ(24)であって、前期環状フランジは前記肩部に接触し、前記キャップの側壁(42)と係合して、前記キャップを前記第1側壁からゼロではない距離で維持する環状フランジと
から構成され、
各貫通孔(23)は、前記肩部及び前記環状フランジに配置された凹部を含み、前記凹部は、前記下部結合部と前記第1側壁との間に延びるものである、請求項1に記載のパッケージング装置。
【請求項4】
前記第1の孔に至るまで前記キャップを前記カラーに接続する、引き裂き不正開封防止バンドをさらに備え、前記不正開封防止バンドは、前記パッケージング装置の最初の使用前の各通気孔を覆うように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【請求項5】
各通気孔に連結されたフィルタをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【請求項6】
前記通気レベルを調節する手段をさらに備え、前記調節手段の作動により、各通気孔の大きさを変えることができる、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【請求項7】
前記第1円筒側壁が少なくとも1つの貫通管腔(25)を備え、各貫通管腔は、前記キャップが前記カラーに装着されたときに、それぞれの通気孔と流体連通する、請求項2又は3のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【請求項8】
120度ごとに放射状に分布する3つの通気孔(23)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【請求項9】
前記キャップ(4)は、少なくとも1つの貫通孔を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパッケージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージング一般の技術分野に関し、詳細には、分割して又は用量で分注する、液体、半流体又は粘性の製品のパッケージング及び分注の分野に関する。
【0002】
本発明の目的となるのは、より具体的には、製品をパッケージング及び分注するための、
-製品を収容した容器、
-容器の開いた首上に配置されるように構成されたヘッド、及び
-パッケージング装置の頭部を覆うように適合したカバー
を含んでなるタイプの装置である。
【0003】
パッケージングされ、分注される目的製品は、化粧品、衛生製品、顔及び/又はボディケア製品、メイクアップ製品、日焼け止め製品、医薬品(例えば、点眼液)、又は食品であることができる。
【背景技術】
【0004】
製品の使用期間を通じて清潔を維持しつつ、製品を保存し、用量又は液滴の形態又はその他の形態で分注することを可能にするパッケージング装置が知られている。これらの装置は、特に医薬、化粧品及び食品業界で用いられている。
【0005】
そのような従来の装置は、
-液体、粘性又はペースト状の粘度を有する製品を受容するための容器、
-作動により分注ヘッドの先端で製品の用量を排出することを可能にする分注ヘッド、及び
-パッケージング装置を閉じるために分注ヘッドにねじ込む、又はクリップすることが可能なキャップ
を少なくとも備えてなる。
【0006】
このような装置の使用原理は以下の通りである。ユーザが用量を得たいとき、ユーザはキャップを取り外し、製品の用量を排出する分注ヘッドを作動させる。次にユーザは分注ヘッド上のキャップを再び置くことにより装置を閉じる。
【0007】
用量の供給後、一般的には分注ヘッドの先端に製品の残量が存在する。
【0008】
ポンプにキャップが再び置かれると、この製品残量は、キャップと分注ヘッドとの間に画定された閉鎖容積内に閉じ込められる。このことが製品の乾燥を妨げ、特に製品が防腐剤を含まず水の割合が高い液体の場合、細菌の繁殖に適した湿度の高い環境を作り出す。
【0009】
したがって、細菌増殖のリスクを抑えるために、この製品残量を乾燥させることが有利である。
【0010】
通気のためのシステムがすでに提案されている。この手法は、キャップの上部壁に形成された貫通穴から成る。これらの貫通穴は製品残量の乾燥を容易にするために、閉鎖容積を開放することを可能にする。
【0011】
しかしながら、これらの既存の通気システムの欠点は、周囲空気中に存在する粉塵又は他の汚染物が、貫通穴を通過し、重力によって分注ヘッドに落下する可能性があることである。
【0012】
本発明の目的の一つは、上記の欠点を克服することを可能にする通気システムを提案することである。特に、本発明の一つの目的は、パッケージング装置の分注ヘッド上の粉塵降下のリスクを制限するように配置された通気システムを備えた、クリーム、ゲル又は液体のような製品のパッケージング装置を提供することである。
【発明の概要】
【0013】
この目的のために、本発明は、分注される製品のパッケージング装置を提案する。この装置は、
-分注される製品を収容するための容器と、
-キャップと、
-容器に装着されるヘッドとを備え、
このヘッドは、
o製品出口ノズルと、
oカラーとを含み、
このカラーは、
・分注装置を閉じるためのキャップと係合する上部作動部と、
・容器と係合する下部結合部とを含み、
当該装置はさらに、キャップがカラーに装着されたときに、パッケージング装置の内部と外部との間の空気通路を維持するために、上部作動部と下部結合部との間で開口する少なくとも1つの通気孔を備えることを特徴とする。
【0014】
パッケージング装置の、好ましいがこれに制限されない態様は以下のとおりである。
-上部作動部が、
o第1円筒側壁と、
o第1側壁の上端から半径方向内側に突出する環状カップと、
o第1側壁の下端から半径方向外側に突出する肩部と
から構成され、
各貫通孔は、環状カップと下部結合部との間に配置された溝からなる。
-上部作動部が、
o第1の円筒側壁と、
o第1側壁の上端から半径方向内側に突出する環状カップと、
o第1側壁の下端から半径方向外側に突出する肩部と、
o半径方向外側に延びる環状フランジであって、前期環状フランジは前記肩部に接触し、キャップの側壁と係合して、キャップを第1の側壁からゼロではない距離に維持するようにされた環状フランジとから構成され、
各貫通孔は、肩部に配置された凹部と環状フランジとを含み、前記凹部は下部結合部と第1側壁との間に延びるものとされる。
-パッケージング装置はまた、第1の孔に至るまでキャップをカラーに接続する、引き裂き不正開封防止バンドを備えることができ、不正開封防止バンドは、パッケージング装置の最初の使用の前の各通気口を覆うように配置される。
-パッケージング装置はまた、各通気口に連結されたフィルタを備えることができる。
-パッケージング装置は、通気レベルを調節するための手段をさらに備えることができ、前期調節手段の作動により、各通気口のサイズを変化させることができる。
-第1の円筒側壁は、少なくとも1つの貫通管腔を備えることができ、それぞれの貫通管腔は、キャップがカラーに取り付けられたときにそれぞれの通気孔と流体連通する。
-パッケージング装置は、120°ごとに放射状に配置された3つの通気口を含むことができる。
-キャップは、少なくとも1つの貫通穴を含むことができる。
【0015】
パッケージング装置の他の利点及び特徴は、以下の添付図面から、非限定的な例による、実施形態のいくつかの変形例に関する以下の説明により、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】パッケージング装置のカラーの斜視図である。
【
図3】パッケージング装置のカラー及びポンプの斜視図である。
【
図4】パッケージング装置のキャップがカラーを覆っている場合のキャップの斜視図である。
【
図5】カラーをキャップで閉じたときのカラー及びキャップの部分断面図である。
【
図6】キャップ、カラー及びポンプの断面図である。
【
図7】パッケージング装置の一実施形態の変形例の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るパッケージング装置の一例について、図を参照してより詳細に説明する。これらの各図において、対応する要素は同一の符号で示されている。
【0018】
1.一般
1.1 パッケージング装置の説明
図1を参照すると、パッケージング装置は:
-分注される製品を収容するために設けられた容器1、
-容器1の上部に置かれるカラー2、
-カラー2の開口でカラー2に連結され得るポンプ3、
-パッケージング装置の保管又は輸送のためにカラー2を覆うためのキャップ4
を少なくとも備える。
【0019】
前記製品は液状、粘性、又はペースト状である。具体的には、化粧品、食品、又は医薬品である。
【0020】
上述したように、このようなパッケージング装置を使用すると、ポンプ3のノズル31に製品の残量が残っていてもよい。
【0021】
この製品残量の乾燥を可能にするために、本発明によるパッケージング装置は、以下により詳細に説明する通気システムを備える。
【0022】
この通気システムは、キャップ4がカラー2に固定される領域に、カラー2に形成された1つ以上の通気口を含む。これらの通気口は、キャップ4とカラー2との間の空気の循環を可能にし、パッケージング装置の使用後に、ノズル31における製品残量の乾燥を容易にする。
【0023】
1.2 パッケージング装置の利点
本発明より提供される解決策は、特にキャップの上部壁における貫通穴が形成されることで、既存のシステムに対し多くの利点を有する。
【0024】
特に、周囲空気中に存在する塵埃等の汚染物が重力によってポンプ3に落下することがないため、ポンプ3をからそれらから保護することができる。
【0025】
また、本発明により提供される解決策により、ノズル31からの製品の残量の排出を容易にすることができる。溶液が十分に液状であり、製品の残量が下方に流れる場合、開口部は、(ポンプ3の基部周辺に蓄積されるのではなく)パッケージング装置の外部への放出を可能にする。
【0026】
さらに、キャップ4の上壁に貫通穴を設けるよりも、開口部を設けるためにカラー2の形状を変更する方が工業的に単純であるため、提供される解決策はパッケージング装置製造の関連コストを抑えることができる。実際、カラー2の形状の変更はカラー2の射出成形金型の形状を変更することによって行うことができる一方、キャップ4の上壁に貫通オリフィスを形成するには、キャップ4の成形後に追加の穴あけ(又はバリ取り)工程を実施する必要がある。また、貫通穴の形状がキャップ4の製造金型に直接設けられていると、製造時のプラスチック射出や染料の規則的な流れを妨げる可能性があり、色や外観が最も重要な化粧品の分野では重要となる。
【0027】
加えて、通気口をパッケージング装置の側周に配置することにより、特にパッケージング装置上に物を積み重ねる場合等において、キャップ4の上面に設けられたオリフィスに対する通気系の閉塞の危険を抑制することができる。
【0028】
最後に、
図4に示すように、キャップ4がカラー2に取り付けられると、開口部がほとんど隠されるため、提供される解決策は美観を改善する。
【0029】
次に、パッケージング装置を構成する各種要素についてより詳細に説明する。
【0030】
2.容器
容器1は、パッケージングされ分注される製品を収容するように構成される。容器1は、目的とする用途に応じて、当業者に公知の様々な材料(ガラス、ポリプロピレンなど)で構成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、例えば製品がアルコール香水溶液からなる場合、容器1は透明又は半透明とされる。他の実施形態では、例えば製品が光から保護されなければならない点眼液からなる場合、容器1は不透明とされる。
【0032】
容器1は、当業者に公知の任意の形状(円筒形、立方体形など)であり得る。容器1は:
-底部、
-1つ(又は複数)の側壁、及び
-上部開口部
を備える。
【0033】
底部と反対側の側壁の自由端は、カラー2が装着される首部11を有する。
【0034】
このような容器1は当業者に周知のものであるので、以下では詳細な説明は省略する。
【0035】
3.キャップ
キャップ4はパッケージング装置を閉じることができるものである。具体的には、キャップ4は、パッケージング装置のカラー2及びポンプ3を覆うことにより、ポンプ3を保護し、パッケージング装置の輸送及び/又は保管中に製品が誤って排出される危険を回避する。
【0036】
キャップ4は、プラスチック材料又は当業者に公知の他の材料で作製されてよい。キャップ4は、
-上部壁41と、
-(キャップの形状に応じて複数の)側壁42と
を備える。
【0037】
側壁42は、上部壁41と反対側の自由端の近傍において、その内面に環状の溝を含みうる。この環状溝は、カラー2内に配置された対応する環状リム215とクリッピングにより係合するように構成されている。変形例として、側壁42は、その内側面上の上壁と反対側の自由端の近傍にねじを含む。この場合、キャップ4のねじは、カラー2に配置された対応するねじと螺合する。
【0038】
このリム/ねじにより、パッケージング装置を閉じる際にキャップ4をカラー2に着脱可能に固定することができる。
【0039】
このようなキャップ4は、当業者には周知であるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0040】
4.ポンプ
ポンプ3は、容器内の製品を外部に排出することができるものである。
【0041】
ポンプ3は、下部にディップチューブ33が取り付けられたポンプ本体32を備える。ディップチューブ33は製品に浸漬され、分注されるべき製品を前記ポンプ3に供給することを可能にする。
【0042】
ポンプ3は、プッシュボタン34の作動によってノズル31を介して溶液を分注することを可能にする機能部材(図示せず)を備える。
【0043】
本発明を実施可能とする、製品の分注をなし得るポンプの配置及び運動学は多数知られている。このため、本発明に係るパッケージング装置は上述したポンプ3に限定されるものではなく、パッケージング装置が他の種類のポンプを備えることができることは理解される。
【0044】
例えば、一実施形態では、ポンプはディップチューブを欠いてもよい。このような実施形態の一例を
図7に示す。この実施形態では、デバイスは、分注されるべき製品を含む可撓性パウチ11を含む。この可撓性パウチ11は、容器1に収納される。可撓性パウチ11は、それに含まれる製品の量が減少するにつれて収縮するように構成される。これにより、可撓性パウチ11に収納された製品がポンプ3に向かって「押し出される」ことを保証し、製品とポンプ3との間のエアギャップを無くす。このような容器1(「パウチボトル」の名称で知られる)の構成は、ディップチューブを必要としない。
【0045】
5.カラー
5.1.説明
カラー2は、容器1に取り付けられることを意図している。カラー2は、ポンプ3を容器1に組み付けることを可能にする介在要素と構成される。
【0046】
いくつかの実施態様において、カラー2は、容器1と一体であってもよい。
【0047】
他の実施形態では、カラー2とポンプ3は一体である。
【0048】
そして他の実施形態では、カラー2、容器1及び/又はポンプ3は、パッケージング装置の製造中に組み立てられることを意図した別個の構成要素である。この場合、カラー2は容器1の首部に、例えば、
-容器1に設けられたネジ山にねじ込むことにより、又は、
-組み合うように、
固定される。
【0049】
以下では、カラー2、ポンプ3及び容器1が、パッケージング装置の製造時に一体に組み立てられることを意図した3つの別個の構成要素とされたパッケージング装置として、カラー2について説明する。
【0050】
図2を参照すると、カラー2は、二つの連続する直径を有する上部作動部21と下部結合部22とを含み:
-上部作動部21は、ポンプ3が取り付けられる中央通路211を画定し、この上部21は、キャップ4がパッケージング装置を覆うときにキャップ4の内側に位置し、
-下部結合部22は、カラー2が容器1に連結(ねじ込み又は組み合う)するのを可能にする。
【0051】
より具体的には、上部作動部21は、第1の円筒状側壁212と、第1の側壁212の上端から径方向内側に突出する環状カップ213とから構成される。この第1側壁212には、径方向に突出した肩部214が続き、このショルダーは、下部結合部22を形成する第2円筒側壁221によって延伸されている。
【0052】
有利には、カラー2は、上部作動部21と下部結合部22との間のJにおいて、開口する通気孔23を有している。
【0053】
この通気孔23により、キャップ4をカラー2に装着したときに、パッケージング装置の内部と外部との間の連通路を維持することができる。これにより、キャップ4をカラー2に固定したときに、キャップ4とカラー2とポンプ3との間に画定された容積の空気循環を維持することができる。これにより、(パッケージング装置の使用後にポンプのノズルに残った)製品残量の乾燥が容易になる。
【0054】
パッケージング装置は、単一の通気孔23又はその周辺に分布した複数の通気孔23を含むことができる。例えば、
図2に示す実施形態では、パッケージング装置は、キャップ4とカラー2との間の接合領域Jにおいて開口する、120°毎に分布する3つの通気孔23を備える。
【0055】
5.2.通気口の変形例
図示しない一実施形態では、各通気孔23は、肩部214及び第1側壁212に配置された溝を含む。これにより、キャップ4がカラー2上に配置されたとき、この溝はキャップ4の内面とともに、装置の外部とカラー2、ポンプ3及びキャップ4間の内部容積との間の空気循環流路を構成する。
【0056】
別の実施形態では、各通気口は、以下によって定義される。
-上部作動部21と下部結合部22との間のJで径方向外側に突出する環状フランジ24、
-肩部214及び環状フランジ24に配置された凹部。
【0057】
より具体的には、
図2及び
図3を参照すると、上部作動部21は、カップ213と反対側の第1側壁212の端部(すなわち、肩部に接続された端部)にある環状フランジ24を含む。この環状フランジ24は、第1側壁212の径方向外側に突出している。カラー24は、キャップ4をカラー2に装着したときに、キャップ4の側壁42を第1の側壁212からゼロではない距離で維持することを可能にする。次に、
-第1側壁212の外面、及び
-キャップ4の側壁42の内面
の間に円柱状のスペースがある。
【0058】
凹部が肩部214及び環状フランジ24に、その一部として形成される。これにより、キャップ4をカラー2(すなわち密閉されたパッケージング装置)に固定したときに、筒状空間とパッケージング装置外部との間に通風ダクトを確立することができる。
【0059】
6.任意の態様
6.1.不正開封防止バンド
装置は、キャップ4を第1の開口部までカラー2に接続する、引き裂き不正開封防止バンド(図示せず)を備えることができる。この場合、不正開封防止バンドは通気孔23を覆うように配置することができる。
【0060】
したがって、最初の使用前のパッケージング装置の保管中には、通気孔23は閉じられ、キャップ4、カラー2及びポンプ3の間に画定された内部容積は気密に保たれ、蒸発による損失及び汚染のリスクを抑える。
【0061】
最初の使用後(つまり、一度バンドが引き裂かれると)には、通気孔23は開放され、キャップ4の内部容積は十分に通気される。
【0062】
不正開封防止バンドは、当業者に公知の引き裂きプラスチックフィルム又は任意の他のタイプの不正開封防止バンドから構成されうる。
【0063】
6.2.フィルタ
有利には、各通気口は、例えば、空気及び湿度を通過させるが、外部から来る細菌又は液体の通過を遮断するフィルタ又はバルブを備えることができる。
【0064】
このようなフィルタは、例えば、キャップに溶接された、又はキャップ4の成形中にキャップ4と共に注入された多孔質繊維から成ることができる。
【0065】
6.3.通気レベルの調整手段
一実施形態では、パッケージング装置は、キャップ4、ポンプ3及びカラー2の間に画定される容積の通気レベルを調整する手段を備えることができる。
【0066】
キャップがカラー2とクリップすることにより係合する場合には、通気レベルを調整する手段は、上壁41と反対側の自由端近傍に、キャップ4の内面に配置された二つの隣接スロットから構成されてもよい。下部溝(すなわち、キャップの側壁の自由端に最も近い溝)がカラー2に設けられた環状リム215と係合すると、通気孔23が全開となる。上部溝(すなわち、キャップの開口部から最も遠い溝)が環状リム215と係合すると、通気孔23は、全体が又は部分的に閉鎖される。
【0067】
キャップ4がカラー2との螺合により係合している場合には、通気レベルを調整する手段は、2つのねじ込みのレベルで表れるよう構成することができる。
【0068】
6.4. 追加的な貫通管腔
いくつかの用途では、通気孔23を、第1側壁212に形成された一つ(又は複数)の貫通管腔と組み合わせることが有利であり得る。
【0069】
実際、
図6に示すように、押しボタン34は、環状カップ213の位置でカラー2から分離されている。ユーザによる製品の用量の抽出中に、製品のある部分が(重力によって)押しボタン34と環状カップ213との間に浸透することがある。この場合、製品のこの部分は環状カップ213の下にトラップされる。
【0070】
通気孔(又はそれぞれの開口部)23と一致する1つ(又は複数)の貫通管腔25(それぞれ)の形成により、カップ213の下に閉じ込められた製品の任意の部分を乾燥させるために、カップの下で空気Fを循環させることができる。
【0071】
7. 動作原理
上述したパッケージング装置の動作原理は以下の通りである。
【0072】
製品の用量を受けようとするユーザは、キャップ4をねじを外すか、又はカラー2からクリップを外すことにより、パッケージング装置からキャップ4を取り外す。キャップ4をねじ止めして固定する方法により、開口部の閉塞リスクを抑えることができる。実際に、キャップ4のねじ切り/取り外しの際に生じる掃引運動は、通気孔23を拭き取り、それらの詰まりを防止するのに寄与する。
【0073】
ユーザは、それからプッシュボタン34を操作してポンプ3を作動させる。ディップチューブ33及びポンプ3の機能部材により、容器1から製品の一部が吸引される。製品のこの部分は、出口ノズル31で射出される。製品の残量が、出口ノズル31に残る。
【0074】
用量が回収されると、ユーザは、カラー2上にキャップ4を再び配置してパッケージング装置を閉じる。
【0075】
-カラー2内に配置された通気孔23と、
-側壁42を第1側壁212からゼロではない距離で維持することを可能にする環状フランジ24とにより、
カラー2とキャップ4との間の容積に気流Fが発生し、出口ノズル31に残留する製品残量の乾燥を促進することになる。
【0076】
ノズル31上に塵(又は空気中の懸濁液中の他のタイプの粒子)が堆積するリスクは、通気孔23を横方向に配置することにより制限される。製品の残量がノズル31から離脱すると仮定すると、後者は通気孔を介してパッケージング装置の外部に排出される。
【0077】
ここに記載された新しい教示及び利点から実質的に逸脱することなく、上述した発明に多くの修正を加えることができることを理解し得る。
【0078】
例えば、装置はポンプを備えなくてもよい。例えば、装置は、カラーに一体化された空気入口のないタイプの先端を含むことができる。この場合、製品の分注は、容器の壁にユーザによって加えられる圧力によって得られる。このような先端は、例えば、米国特許5605257号に記載されている。そのような先端は、剛性部と係合する可撓部を備え、容器に圧力が加えられたときに前記可撓部の弾性端部が前記剛性部の一端から逸れ、それにより製品の一部が排出され、その弾性の効果により、容器内部に外気を進入させることなく製品の一部が初期位置に戻る。
【0079】
特許請求の範囲において、製品の排出のために選択され得る種々の解決策(ポンプ、空気入口のないタイプの先端など)を網羅するために「排出ヘッド」に言及しているのはこのためである。
【0080】
さらに、
図2に示す環状フランジがカラーの全周にわたって連続している場合であっても、このカラーは不連続であってもよいことが当業者には理解される(例えば、カラーの全周にわたって配置された円の円弧内の非結合コイルで構成される)。
【0081】
また、上記の通気孔が、キャップの上壁及び/又はキャップの側壁に形成された1つ(又は複数)の貫通孔と組み合わせることができることを理解し得る。これにより空気循環(下から入る、上から出る)が可能となり、射出ヘッドにとどまる製品の残量の乾燥が促進される。
【国際調査報告】