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特表2024-509424生物学的試料からの核酸の電気泳動抽出のための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】生物学的試料からの核酸の電気泳動抽出のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20240222BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20240222BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240222BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALN20240222BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALN20240222BHJP
【FI】
G01N1/28 J
G01N1/10 B
C12M1/34 Z
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6869 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552577
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2022055421
(87)【国際公開番号】W WO2022184836
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,940
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】アスティエ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイビ,パンテア
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ダティンスカ,ブラディミラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェファーソン,ケインティシャ
(72)【発明者】
【氏名】ビタヤルクスクル,ケビン
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB20
2G052AD26
2G052EA02
2G052EA08
2G052ED14
4B029AA09
4B029AA23
4B029BB20
4B029HA05
4B029HA09
4B063QA13
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR62
4B063QS24
(57)【要約】
本発明は、試料から生物学的ポリマーを単離するための装置、方法およびアセンブリに関するものであり、当該装置は、上部リザーバと、下部リザーバと、上部リザーバと下部リザーバとの間に配置され、且つ上部リザーバおよび下部リザーバに動作可能に接続された収集チャンバと、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができるふるい分けマトリックスと、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができない半透膜と、作用電極および対向電極の少なくとも1つのセットとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料から生物学的ポリマーを単離するための装置であって、
a)上部リザーバと、
b)下部リザーバと、
c)前記上部リザーバと前記下部リザーバとの間に配置され、前記上部リザーバおよび前記下部リザーバに動作可能に接続された収集チャンバと、
d)抽出されるべき前記生物学的ポリマーを通過させることができるふるい分けマトリックスと、
e)抽出されるべき前記生物学的ポリマーを通過させることができない半透膜と、
f)作用電極および対向電極の少なくとも1つのセットと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記作用電極が前記上部リザーバ内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記対向電極が前記下部リザーバ内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記収集チャンバが円筒形である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記収集チャンバが円錐形である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ふるい分けマトリックスが前記上部チャンバ内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ふるい分けマトリックスが、前記上部チャンバと前記収集チャンバとの境界面に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記半透膜が前記収集チャンバ内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記半透膜が、前記収集チャンバと前記下部リザーバとの境界面に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項10】
前記半透膜の分子量カットオフ(MWCO)が、前記ふるい分けマトリックスの前記MWCOよりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記上部リザーバおよび前記下部リザーバ内に電解質緩衝液をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記上部リザーバおよび前記下部リザーバが同じ電解質を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記上部リザーバが、先行電解質を有する緩衝液を含み、前記下部リザーバが、後続電解質を有する緩衝液を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
試料から生物学的ポリマーを抽出する方法であって、
a.請求項1に記載の装置の前記下部リザーバおよび前記収集チャンバに先行電解質を装填することと、
b.生物学的試料を後続電解質と接触させることと、
c.請求項1に記載の装置の前記上部リザーバ内に前記試料を配置することと、
d.前記電極に電圧を印加することと、
e.抽出された前記生物学的ポリマーを含む前記収集チャンバの内容物を収集することと、
を含む、方法。
【請求項15】
ステップc.において、前記試料が、前記上部チャンバ内のふるい分けマトリックス上に配置される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生物学的ポリマーが核酸である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
単離された前記核酸を増幅することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
単離された前記核酸をシーケンシングすることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
ステップd.において、前記電圧が一定の電力で印加される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記試料が、ステップb.の前に濃縮される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記試料が、ステップb.の前に抽出プロセスを受ける、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記試料が、ステップb.の前に脱パラフィンプロセスを受ける、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
試料から生物学的ポリマーを単離するためのアセンブリであって、
a)複数の上部リザーバと、
b)前記上部リザーバの数と一致する複数の下部リザーバと、
c)前記上部リザーバと前記下部リザーバとの間に配置され、前記上部リザーバおよび前記下部リザーバに動作可能に接続された複数の収集チャンバと、
d)各上部リザーバ内における、抽出されるべき前記生物学的ポリマーを通過させることができるふるい分けマトリックスと、
e)各収集チャンバ内における、抽出されるべき前記生物学的ポリマーを通過させることができない半透膜と、
f)各上部リザーバ内の作用電極および対向電極のセットと、
を備える、アセンブリ。
【請求項24】
前記複数の上部リザーバのうちの1つまたは複数のリザーバに1つまたは複数の試料を分注するための自動ディスペンサをさらに備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
核酸を増幅するためのモジュールをさらに備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項26】
核酸をシーケンシングするためのモジュールをさらに備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記試料を移送するための移送モジュールをさらに備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、生物学的試料からの核酸の単離の分野に関する。より具体的には、本発明は、電気泳動を使用して核酸を単離する機器、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
核酸に基づく診断は、日常的な臨床診療になりつつある。例えば、血液中に存在する腫瘍または無細胞腫瘍DNAの遺伝子分析は、患者の腫瘍突然変異プロファイルに特異的な標的療法を指摘することによって処置を導くために使用される。母体血液中の胎児DNAの発見は、様々な遺伝子異常および染色体異常の早期出生前検査を可能にした。ゲノム試験は、臨床試料からの核酸の分析を含む。体液、新鮮組織、凍結組織およびホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を含む様々な臨床試料タイプが分析に提出される。前者は、核酸が微量で存在し得る大きな体積を特徴とする。後者は、保存プロセスが核酸を損傷および断片化することが知られているため、核酸単離にとって特に困難である。下流の分析ステップは、例えば、次世代シーケンシングおよび臨床アッセイの所望の感度および特異性をもたらすのに十分な量の質の核酸に依存する他の複雑な方法を含む。
【0003】
近年のあらゆる技術的進歩により、広範囲の生物学的試料を処理することができる、より堅牢で迅速な核酸抽出システムが緊急に必要とされている。記載される発明は、一般的に使用されるタイプの臨床試料からの全核酸(DNAおよびRNA)の抽出に適した適応可能な抽出システムを提供することによってこの必要性を満たすことを目的とする。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
本発明は、生物学的試料から核酸を含む生物学的ポリマーを電気泳動的に単離するための装置、アセンブリおよび方法を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、本発明は、上部リザーバと、下部リザーバと、上部リザーバと下部リザーバとの間に配置され、且つ上部リザーバおよび下部リザーバに動作可能に接続された収集チャンバと、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができるふるい分けマトリックスと、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができない半透膜と、作用電極および対向電極の少なくとも1つのセットとを含む、試料から生物学的ポリマーを単離するための装置である。いくつかの実施形態では、作用電極は、上部リザーバに配置され、対向電極は、下部リザーバに配置される。いくつかの実施形態では、収集チャンバは、円筒形または円錐形である。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスは、上部チャンバ内、例えば上部チャンバと収集チャンバとの境界面に配置される。いくつかの実施形態では、半透膜は、収集チャンバ内に、例えば収集チャンバと下部リザーバとの境界面に配置される。いくつかの実施形態では、半透膜の分子量カットオフ(MWCO)は、ふるい分けマトリックスのMWCOよりも大きい。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置は、上部および下部リザーバ内に電解質緩衝液をさらに含む。いくつかの実施形態では、上部および下部リザーバは、同じ電解質を含む。いくつかの実施形態では、上部リザーバは、先行電解質を含む緩衝液を含み、下部リザーバは、後続電解質を含む緩衝液を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料から生物学的ポリマーを抽出する方法であって、先行するセクションに記載された装置の下部リザーバおよび収集チャンバに先行電解質を装填することと、生物学的試料を後続電解質と接触させることと、先行セクションに記載された装置の上部リザーバに試料を配置することと、電極に電圧を印加することと、抽出された生物学的ポリマーを含む収集チャンバの内容物を収集することと、を含む、方法である。いくつかの実施形態では、試料は、上部チャンバ内のふるい分けマトリックス上に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、生物学的ポリマーは核酸である。いくつかの実施形態では、本方法は、単離された核酸を増幅および/またはシーケンシングすることをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、電圧は、一定の電力で印加される。いくつかの実施形態では、試料は、装置に適用される前に濃縮され、抽出プロセスまたは脱パラフィンプロセスを経る。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料から生物学的ポリマーを単離するためのアセンブリであって、複数の上部リザーバと、上部リザーバの数に一致する複数の下部リザーバと、上部リザーバと下部リザーバとの間に配置され、且つ上部リザーバおよび下部リザーバに動作可能に接続された複数の収集チャンバであって、各上部リザーバ内における、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができるふるい分けマトリックスと、各収集チャンバ内における、抽出されるべき生物学的ポリマーを通過させることができない半透膜と、各上部リザーバ内の作用電極および対向電極のセットと、を備える、アセンブリである。いくつかの実施形態では、アセンブリは、1つまたは複数の試料を複数の上部リザーバのうちの1つまたは複数のリザーバに分注するための自動ディスペンサをさらに備える。いくつかの実施形態では、アセンブリは、核酸を増幅するためのモジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、アセンブリは、核酸をシーケンシングするためのモジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、アセンブリは、試料を移送するための移送モジュールをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための装置の概要である。
図2】収集チャンバの形状および例示的な寸法を示している。
図3A】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のためのアセンブリシステムの図である。
図3B】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のためのアセンブリシステムの図である。
図3C】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のためのアセンブリシステムの図である。
図4A】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための自動化装置の図である。
図4B】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための自動化装置の図である。
図5A】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための試作装置を組み立てるステップを示している。
図5B】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための試作装置を組み立てるステップを示している。
図5C】生物学的ポリマーの電気泳動抽出のための試作装置を組み立てるステップを示している。
図6A】装置を使用して核酸を単離した結果を示している。
図6B】装置を使用して核酸を単離した結果を示している。
図6C】装置を使用して核酸を単離した結果を示している。
図6D】装置を使用して核酸を単離した結果を示している。
図6E】装置を使用して核酸を単離した結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
序論
【0013】
本発明は、生物学的試料からの核酸(DNAおよびRNA)を含む生物学的ポリマーの電気駆動抽出に必要な複数の成分を統合する装置を記載する。各装置は、図1に示す配置の構成要素からなる。各構成要素は、その機能、幾何学的形状および/または材料に関して以下に説明される。本発明の様々な態様を以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
試料
【0015】
本発明は、試料から核酸などの生物学的ポリマーを抽出する方法を含む。いくつかの実施形態では、試料は、被験者または患者に由来する。いくつかの実施形態では、試料は、例えば、生検によって、被験者または患者に由来する固形組織または固形腫瘍の断片を含み得る。試料はまた、核酸を含み得る体液(例えば、尿、痰、血清、血液若しくは血液分画、すなわち、血漿、リンパ液、唾液、痰、汗、涙、脳脊髄液、羊水、滑液、心膜液、腹水、胸水、嚢胞液、胆汁、胃液、腸液、または糞便試料)を含み得る。他の実施形態では、試料は、培養試料、例えば、核酸を単離し得る細胞および流体を含有する組織培養物である。いくつかの実施形態では、試料中の目的の核酸は、ウイルス、細菌、原虫または真菌などの感染病原体に由来する。さらに他の実施形態では、試料は、抽出されるべき生物学的ポリマーが存在する固体または液体材料を含む環境試料である。
【0016】
いくつかの実施形態では、試料は、FFPET、新鮮凍結組織、針生検から選択される固体試料である。いくつかの実施形態では、試料は、培養細胞、ならびに血漿、血液、尿および唾液などの体液から選択される液体試料である。いくつかの実施形態では、電気泳動装置に適用された試料は、予備濃縮ステップを経る。いくつかの実施形態では、試料、例えば尿または血漿などの大量試料を、例えばAmiconカラム(ミリポア(Millipore)、Sigma)などの濃縮カラムでの遠心分離を使用して濃縮して、体積を減らし、試料を濃縮する。
【0017】
いくつかの実施形態では、試料を本明細書に開示される電気泳動装置に適用する前に、試料が前処理されて、試料中の関連分子からバイオポリマーを放出させる。いくつかの実施形態では、前処理は、例えば細胞膜および核膜などのタンパク質、脂質およびリン脂質から核酸を放出する。そのような処置は、FFPET試料の脱パラフィン化、プロテアーゼ消化および細胞溶解を含むが、これらに限定されない。
【0018】
核酸を他の生物学的物質から分離する方法は、当該技術分野において周知である。Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、1989,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press:New York,N.Y.)を参照されたい。生物学的試料から核酸(DNAまたはRNA)を抽出して核酸の溶液を形成するための様々なキットが市販されている(例えば、KAPA Express Extract(Roche Sequencing Solutions(カリフォルニア州プレザントン))およびBD Biosciences Clontech(カリフォルニア州パロアルト)、Epicentre Technologies(ウィスコンシン州マディソン)からの他の同様の製品、Gentra Systems(ミネソタ州ミネアポリス)、およびQiagen(カリフォルニア州バレンシア)、Ambion(テキサス州オースチン)、BioRad Laboratories(カリフォルニア州ハーキュリーズ)など)。
【0019】
装置
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、生物学的試料からの核酸(DNAおよびRNA)を含む生物学的ポリマーの電気駆動抽出に必要な複数の構成要素を組み込んだ装置である。各装置は、図1に示す配置の構成要素からなる。各構成要素は、その機能、幾何学的形状および材料に関して以下に説明される。いくつかの実施形態では、装置は、上部リザーバ1および下部リザーバ2を備える。上部リザーバ1は、電解質緩衝液と混合された試料を収容する。下部リザーバ2は、電解質緩衝液を収容する。装置は、駆動電界がその間に形成される作用電極3および対向電極4のセットをさらに備える。いくつかの実施形態では、作用電極3は、上部リザーバ1に配置される。いくつかの実施形態では、作用電極3は、上部リザーバ1の上部リムまたはその近くに配置される。いくつかの実施形態では、対向電極4は、下部リザーバ2内に配置される。
【0021】
いくつかの実施形態では、装置は、抽出された材料がその後の収集のために濃縮される収集チャンバ5をさらに備える。いくつかの実施形態では、収集チャンバ5は、上部リザーバ1と下部リザーバ2との間に配置される。いくつかの実施形態では、収集チャンバ5は、反対側に開口部を有する本体を有し、上側開口部は、上部リザーバ1に接続され、下側開口部は、下部リザーバ2に接続される。収集チャンバ5は、図2に示すように異なる幾何学的形状を有することができる。様々な実施形態では、収集チャンバ5は、円筒形(A)または円錐形(B~C)である。いくつかの実施形態では、円錐形(B)収集チャンバ5は、上部リザーバ1に面するより広い基部を有する。いくつかの実施形態では、円錐形(C)収集チャンバ5は、下部リザーバ2に面するより広い基部を有し、「逆円錐形」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、収集チャンバ5は、単離された核酸を含む試料を採取するために使用される任意の用途特異的収集体積またはピペットチップの種類と一致するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、装置は、試料の他の成分から抽出されるべき生物学的ポリマーを分離するためのふるい分けマトリックスまたはフィルタ6を備える。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6は、上部リザーバ1に配置される。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6は、上部リザーバ1と収集チャンバ5との境界面に配置される。ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6の特性は、試料の組成および所望の下流手順に応じて異なる。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6の寸法は、試料核酸がふるい分けマトリックスまたはフィルタ6内の細孔を通って移動するようなものである。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6の寸法は、汚染粒子、例えば細胞破片、未溶解細胞および核酸よりも大きい他の材料のサイズベースの排除を可能にする。いくつかの実施形態では、ふるい分けマトリックスまたはフィルタ6の寸法は、上部リザーバおよび下部リザーバに装填される2つの異なる緩衝液間の予混合を最小限に抑えることを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、装置は、核酸を含む生物学的ポリマーを保持するための半透膜7を備える。いくつかの実施形態では、半透膜7は、収集チャンバ5内に配置される。いくつかの実施形態では、半透膜7は、収集チャンバ5と下部リザーバ2との境界面に配置される。いくつかの実施形態では、半透膜7は、抽出されるべき生物学的ポリマーを保持するための比分子量カットオフ(MWCO)を有する。いくつかの実施形態では、半透膜7のMWCOは、収集チャンバ内のふるい分けマトリックスまたはフィルタ6のMWCOよりも小さい。いくつかの実施形態では、半透膜7は、透析膜または多孔質箔を含み、多孔質プラスチック材料、フリット、ゲル、紙、不織布および濾過紙のうちの1つまたは複数を含む。
【0024】
緩衝液システム
【0025】
いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、双方のリザーバがバックグラウンド電解質(例えば、ゾーン電気泳動)によって充填されている1電解質システムを利用する。他の実施形態では、電気泳動装置は、上部リザーバおよび下部リザーバが2つの別個の電解質緩衝液によって充填される不連続電解質システムに使用される。いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、例えば、米国特許出願公開第20200282392号明細書に記載されているエピタコフェレーシスを使用した試料分析のための装置に記載されているように、エピタコフェレーシスに使用される先行電解質および後続電解質を含む2緩衝液システムとともに使用される。いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、例えば、米国特許出願公開第20190071661号明細書に記載されている等速電気泳動のためのシステム装置および方法に記載されているように、等速電気泳動に使用される先行電解質および後続電解質を含む2緩衝液システムとともに使用される。
【0026】
装置の動作
【0027】
いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、電気の流れを利用して、負に帯電した核酸分子を電解質によって充填された下部リザーバ2に浸漬された正に帯電した電極に向かって電気的に輸送する。いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、一定の電気的パラメータ下で動作する。一定の電気的パラメータは、定電力、定電流または定電圧のうちの1つである。
【0028】
アセンブリ
【0029】
いくつかの実施形態では、電気泳動装置は、図3Aおよび図3Bに記載された核酸を単離するためのアセンブリシステムの一部である。いくつかの実施形態では、アセンブリ装置は、上部プレート8および下部プレート9を備える。上部プレート8は、リザーバおよび収集チャンバ5内に電極3、4、フィルタ6、および膜7を含む。上部プレート8は、図3Aおよび図3Bに見られるように、下部ウェルプレート9とともに組み立てられる。
【0030】
アセンブリの動作
【0031】
図3Aおよび図3Bの例では、下部リザーバ2は、収集チャンバ5および濾紙6の内側とともに、先行電解質イオンを含む緩衝液によって充填されている。次いで、濾紙6の外側領域は、後続電解質と予混合された液体試料P36741によって充填される。
【0032】
いくつかの実施形態では、試料は、アセンブリに適用する前に濃縮される。他の実施形態では、単離される微量の生物学的ポリマー(例えば、無細胞核酸)を含有する大きな体積試料が濃縮されて、無細胞核酸の濃度を高める。いくつかの実施形態では、アセンブリに適用する前に、試料は、単離される生物学的ポリマーを含む任意の細胞および細胞内構造を破壊するための初期前処理手順を受けている。いくつかの実施形態では、細胞を含有する試料は、核酸を放出させるために界面活性剤およびプロテアーゼによって処置される。いくつかの実施形態では、試料は、アセンブリに適用する前に脱パラフィン手順を受けたFFPET試料である。
【0033】
次に、作用電極3と対向電極4との間に電圧が印加される。電圧によって駆動されて、分散して帯電した生物学的ポリマーは、発生した電界に沿って対向電荷電極に移動する。例えば、負に帯電した核酸は、カソードに向かって移動する。いくつかの実施形態では、未溶解細胞または細胞破片などの試料中に存在する大きな汚染粒子は、適切な孔径を有するフィルタ6の孔を通って拡散することが防止される。同時に、抽出されるべき生物学的ポリマーは、フィルタ6を通過し、収集チャンバ5に到達する。いくつかの実施形態では、不純物を構成するより小さな分子が半透膜7を通過する。同時に、抽出されるべき生物学的ポリマーは、半透膜7のMWCOよりも大きい分子量を有し、収集チャンバ5内に保持され、濃縮される(図3C)。次いで、濃縮された材料は、手動または自動ピペッティングによって収集され、その後の試料処理および分析のために移送される。
【0034】
自動化
【0035】
いくつかの実施形態では、電気泳動装置を使用した生物学的ポリマーの単離は自動化される。本技術は、スループットおよび再現性を改善するためにワークフローを自動化するための機器の下で動作され得る。完全に自動化されたワークフローは、ピペッティング、ならびに電気的および熱的制御のための液体処理ロボットの下で実装され得る。いくつかの実施形態では、自動化装置は、標準的な培養プレート、例えば、6ウェル、12ウェル、96ウェルまたは同様の培養プレートを使用して組み立てられる。説明のために、単純な固定具が図4に示されている。図4に示すように、試料および電解質緩衝液を装填した6ウェル抽出プレート8、9が最初に下部基材10内に配置される。下部基材10は、個々のウェルに電力を供給するための多数(例えば、図4の例では6個)のプログラマブル電源11を収容する。電源11はまた、プロセス中に各ウェルからフィードバック電圧を読み取る。電圧が所定のカットオフ値に到達すると、電力は、自動的に低減または遮断され、次いでシリンジポンプ12を作動させて、流体ライン13を介して収集チャンバ5から濃縮核酸を吸引する。
【0036】
装置の組み立て
【0037】
いくつかの実施形態では、装置は、図5に示すように、プラスチックなどの成形可能な材料の1つまたは複数の層から組み立てられる。いくつかの実施形態では、図5Aに左に見られるように、複数の成形可能な層が積層され、層2は、上部リザーバ2の側壁、層3は、上部リザーバ2の下部、および上部インサートの収集チャンバ5を提供する。いくつかの実施形態では、半透膜7は、収集チャンバ5の下側開口部において装置の下部に配置され、半透膜7は、図5B(左:底面図、右:半透膜7を分解した斜視図)に見られるように、各チャンバ(例えば、ウェル)の形状に適応するように成形される。図5Cに示すように、収集チャンバ5の開口部を囲むようにフィルタ6が配置されている。いくつかの実施形態では、フィルタ6の厚さおよび粒子保持は、試料の性質に適応するように選択される。いくつかの実施形態では、粒子保持率は、25μmである。いくつかの実施形態では、層の厚さ(高さ)は、5mmである。
【0038】
生物学的ポリマーの抽出方法
【0039】
装置を動作させるために、先行電解質は、上部インサートの下部リザーバ2および収集チャンバ5内に配置される。いくつかの実施形態では、先行電解質緩衝液は、後続電解質よりも高いイオン強度および低いpHを有する。いくつかの実施形態では、核酸を単離するために、先行電解質は、100mM HCl.His緩衝液、pH6.25を含む。次に、生物学的ポリマー(例えば、核酸)を含む試料溶液が中空リザーバに接触される。いくつかの実施形態では、試料は、上部リザーバに配置されたフィルタ6に接触される。いくつかの実施形態では、試料は、上部リザーバの上部インサート内の濾紙壁6の外側に装填される。
【0040】
いくつかの実施形態では、試料溶液は、1つまたは複数の追跡色素をさらに含む。いくつかの実施形態では、追跡色素(例えば、ブリリアントブルー)溶液は、後続電解質中で調製される。いくつかの実施形態では、後続電解質緩衝液は、先行電解質緩衝液と比較して、より低いイオン強度およびより高いpHを有する。いくつかの実施形態では、核酸を単離するために、後続電解質は、20mM Taps.Tris、pH8.30を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、生物学的ポリマーの単離を行うために、装置は、定電力で作動する。他の実施形態では、定電圧または定電流が使用されてもよい。電力は、ポリマーおよび追跡色素を収集チャンバ5内に駆動する(図6A)。収集チャンバから収集された画分は、さらなる分析のために回収される。いくつかの実施形態では、収集は、追跡色素の移動に基づいて時間調整される。
【0042】
抽出された核酸の検出
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅を介して、抽出された核酸を検出、定性化または定量化するステップを含む。増幅は、上流プライマーおよび下流プライマーを利用する。いくつかの実施形態では、双方のプライマーは、標的特異的プライマー、すなわち、抽出された核酸に存在することが知られている配列に相補的な配列を含むプライマーである。他の実施形態では、一方または双方のプライマーは、ランダムプライマーの混合物である。いくつかの実施形態では、PCRは、定量的PCRとしても知られているリアルタイムPCRである。qPCRは、蛍光のレベルが反応混合物中の標的核酸の量を反映する蛍光プローブを利用する。いくつかの実施形態では、qPCRが使用されて、本明細書に開示される方法および装置によって抽出された核酸の量を検出、定性化または定量化する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明は、生物学的ポリマーに特異的な蛍光を使用して、本明細書に開示される方法および装置によって抽出された生物学的ポリマーを検出するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、260nmおよび280nmの光の吸収を読み取ることができる蛍光光度計によって抽出物を分析し、タンパク質および核酸に特徴的な260/280吸収比を決定するステップを含む。
【0045】
シーケンシング
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法および装置によって単離および抽出された核酸は、シーケンシングに供される。いくつかの実施形態では、単離または抽出された核酸は、シーケンシングの前に増幅される。現在使用されているシーケンシング方法およびプラットフォームは、シーケンシングライブラリを形成することを必要とする。ライブラリは、プラットフォーム特異的アダプタに連結された複数の核酸を含む。様々な形状および機能のアダプタが当該技術分野において知られている(例えば、国際公開第2019/166565号パンフレット、米国特許第8822150号明細書および米国特許第8455193号明細書を参照)。いくつかの実施形態では、アダプタの機能は、所望の要素を核酸に導入することである。アダプタ由来要素は、核酸バーコード、プライマー結合部位またはライゲーション可能部位のうちの少なくとも1つを含む。核酸を調製し、アダプタライゲーションを行ってライブラリを形成し、ライブラリを増幅するための市販のキットは、AVENIO ctDNA Library Prep KitまたはKAPA HyperPrepおよびHyperPlusキット(Roche Sequencing Solutions(カリフォルニア州プレザントン))を含む。いくつかの実施形態では、アダプタまたは増幅プライマーは、バーコード配列を導入する。シーケンシングプロセスにおける分子バーコードおよび試料バーコードの使用は、米国特許第7,393,665号明細書、米国特許第8,168,385号明細書、米国特許第8,481,292号明細書、米国特許第8,685,678号明細書、米国特許第8,722,368号明細書および国際公開第2019/166565号パンフレットに記載されている。
【0047】
本明細書に開示される方法による使用に適した配列アッセイおよびプラットフォームの非限定的な例は、ナノポアシーケンシング(米国特許出願公開第2013/0244340号明細書、米国特許出願公開第2013/0264207号明細書、米国特許出願公開第2014/0134616号明細書、米国特許出願公開第2015/0119259号明細書および米国特許出願公開第2015/0337366号明細書)、サンガーシーケンシング、キャピラリーアレイシーケンシング、熱サイクルシーケンシング(Searsら、Biotechniques,13:626-633(1992))、固相シーケンシング(Zimmermanら、Methods Mol.Cell Biol.,3:39-42(1992))、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF/MS;Fuら、Nature Biotech.,16:381-384(1998))などの質量分析によるシーケンシング、ハイブリダイゼーションによるシーケンシング(Drmanacら,Nature Biotech.,16:54-58(1998)、および限定されないが、合成によるシーケンシング(例えば、HiSeq(商標)、MiSeq(商標)、またはGenome Analyzer、それぞれIlluminaから入手可能)を含むNGS法、ライゲーションによるシーケンシング(例えば、SOLiD(商標)、Life Technologies)、イオン半導体シーケンシング(例えば、Ion Torrent(商標)、Life Technologies)、およびSMRT(登録商標)シーケンシング(例えば、Pacific Biosciences)を含む。
【0048】
市販のシーケンシング技術は、Affymetrix Inc.(カリフォルニア州サニーベール)のハイブリダイゼーションによるシーケンシングプラットフォーム、Illumina/Solexa(カリフォルニア州サンディエゴ)およびHelicos Biosciences(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の合成によるシーケンシングプラットフォーム、Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティ)のライゲーションによるシーケンシングプラットフォームを含む。他のシーケンシング技術は、限定されないが、Ion Torrent技術(ThermoFisher Scientific)、およびナノポアシーケンシング(Roche Sequencing Solutions(カリフォルニア州サンタクララ)のGenia Technology)およびOxford Nanopore Technologies(英国オックスフォード)を含む。
【0049】
参考文献
【0050】
米国仮特許出願第63/000,022、Devices and methods for sample analysis
【0051】
米国特許出願公開第20200282392号明細書、Devices for sample analysis using epitachophoresis
【0052】
国際公開第2020/074742号パンフレット、Detection methods for Epitachophoresis workflow automation
【0053】
国際公開第2020/229437号パンフレット、Devices and methods for sample analysis
【0054】
Foret,F.ら(2019)Macrofluidic Device for Preparative Concentration Based on Epitachophoresis Analytical Chemistry 91(11),7047-7053,DOI:10.1021/acs.analchem.8b05860
【0055】
実施例
【0056】
実施例1.電気泳動装置を使用した核酸の単離(予言的?)
【0057】
この実施例では、図3Aおよび図3Bに示す装置が使用されて、FFPET試料から核酸を単離した。下部リザーバ2は、収集チャンバ5および濾紙6の内側とともに、先行電解質イオンを含む緩衝液によって充填される。次いで、濾紙6の外側領域は、後続電解質イオンを含有する緩衝液と混合された前処置されたFFPET試料によって充填される。作用電極3と対向電極4との間に電圧が印加されると、試料中の分散した負に帯電した核酸が、発生した電界に沿って正に帯電した対向電極4に向かって移動する。未溶解細胞または細胞破片などの大きな汚染粒子が濾紙6の孔を通って拡散するのが防がれる一方で、核酸分子は、構造を通過して収集チャンバ5に到達する。半透膜7のMWCOよりも大きい分子量を有する核酸は、収集チャンバ5内に保持され、濃縮される(図3C)。次いで、濃縮された核酸がピペッティングによって収集され、その後の試料処理および分析のために移送される。
【0058】
実施例2.核酸の電気泳動単離のための試作装置のアセンブリ。
【0059】
この実施例では、NA抽出の技術的実現可能性を実証するために、本発明者らはまず、標準的な6ウェル培養プレート上に配置され得る単一インサートフォーマットの装置を試作した。レーザー切断機を使用して複数層のプラスチック部品(層1、層2、層3)が切断され、両面接着剤を使用して積層した後、図5に記載のように半透膜を装置の下部に取り付けた。濾紙(VWR(登録商標)グレード415濾紙、定性、クレープ、粒子保持率25μm)が収集チャンバの内壁に取り付けられて、上部インサートに高さ5mmの分離壁を形成した。
【0060】
実施例3.核酸の電気泳動単離のための試作装置を試験する。
【0061】
この実施例では、図6Aの試作装置をエピタコフェレーシスベースのDNA抽出について試験した。最初に、先行電解液(8.3mLの100mM HCl.His緩衝液、pH6.25)を下部リザーバ2に入れた。上部インサートの収集チャンバ5に、200μLの先行電解液が充填された。次いで、トレイリング緩衝液(1.0mLの20mM Taps.Tris、pH8.30)中で調製したDNAラダー(1μgの1Kbプラス、100bp~10Kbp)および(追跡マーカーとしての)ブリリアントブルー色素を含有する試料溶液が、上部インサート内の濾紙壁6の外側に装填された。装置に定数0.5Wが印加されて、DNAおよび青色色素分子の収集チャンバ(図6A)への移動を駆動した。次いで、8分後に収集した試料溶出液がQubitによって分析されて、抽出収率を決定した(すなわち、回収率=75%、図6C)。さらに、図6DのTapestationの結果は、試料の入力と出力との間の同等のサイズ分布(すなわち、装置から収集された溶出液)を示しており、装置がそれらのサイズに関係なくDNAを抽出することができることを示している。
【0062】
本発明が特定の実施例を参照して詳細に説明されたが、本発明の範囲内で様々な変更を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された例によって限定されるべきではなく、以下に提示される特許請求の範囲によって限定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
【国際調査報告】