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特表2024-509439電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベル
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20240222BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240222BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20240222BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240222BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240222BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J7/00 P
H02J7/00 X
H02J7/04 A
B60L58/12
B60L53/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553473
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2022079265
(87)【国際公開番号】W WO2022206282
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110349017.8
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523332644
【氏名又は名称】三一重机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲蘭▼ 周
(72)【発明者】
【氏名】明 巧▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 士保
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA08
5G503DA04
5G503DA07
5G503DA18
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA12
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC05
5H125BC21
5H125DD02
5H125DD05
5H125EE27
(57)【要約】
本願は、電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルを提供する。前記電動ショベル作動モード制御方法は、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む。該方法は、電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電することを可能とし、電動ショベルの駆動システムの必要電力を常に満たし、電動ショベルの持続的な正常な作動を確保し、電動ショベルの作動効率を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ショベル作動モード制御方法であって、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項2】
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項3】
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項4】
前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項5】
前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項6】
電動ショベル作動モードコントローラであって、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュールと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュールと、を含む、電動ショベル作動モードコントローラ。
【請求項7】
電動ショベル作動モード制御システムであって、
請求項6に記載の電動ショベル作動モードコントローラと、前記電動ショベルの電源モジュールと、駆動システムと、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレーが接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックとの間に第2リレーが接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う、電動ショベル作動モード制御システム。
【請求項8】
前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム、及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される、請求項7に記載の電動ショベル作動モード制御システム。
【請求項9】
電動ショベルであって、
前記電動ショベルの作動モードを制御するために、請求項7又は8に記載の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベル。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で運行可能なコンピュータプログラムと、を含む電子機器であって、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行すると、請求項1~5のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年03月31日に提出された、出願番号が202110349017.8、発明の名称が「電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベル」の中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[技術分野]
本願は、作業機械制御の技術分野に関し、特に電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、中国国内の純粋な電動ショベルは、研究開発段階にあり、モータ、電子制御、パワーバッテリなどの三重電気制御技術のほとんどは、成熟した新エネルギー車の技術を利用しているが、ショベルが使用される環境は、新エネルギー車とは大きく異なる。ショベルの作業区域はほとんど固定場所であり、有線作動モードに非常に適しているが、新エネルギー車は、機動性が高く、有線作動モードが適していない。
【0004】
電動ショベルの場合、その作動モードには、通常、有線作動モードと電池放電モードが含まれていてもよい。従来技術では、電動ショベルの作動モードを制御する際には、通常、有線作動モード及び電池放電モードを別々運転させ、個別の充電モードによって電動ショベルのパワーバッテリパックに電力を補給する必要がある。
【0005】
上記の制御方式は、小電力の小型電動ショベルに適しているが、中・大型の電動ショベルについては、有線作動モードでは、電動ショベルの駆動システムの電力要求を電源電力が満足できず、電動ショベルが正常に作動できず、電動ショベルの掘削効率が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、従来技術における有線作動モードでは電源電力が電動ショベルの駆動システムの電力要求を満足できないという欠陥を解決し、電源とパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電することを実現する、電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む電動ショベル作動モード制御方法を提供する。
【0008】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む。
【0009】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む。
【0010】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む。
【0011】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む。
【0012】
本願はまた、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュールと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュールと、を含む、電動ショベル作動モードコントローラを提供する。
【0013】
本願はまた、上記の電動ショベル作動モードコントローラと、前記電動ショベルの電源モジュールと、駆動システムと、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレーが接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックとの間に第2リレーが接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う、電動ショベル作動モード制御システムを提供する。
【0014】
本願に係る電動ショベル作動モード制御システムによれば、前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。
【0015】
本願はまた、前記電動ショベルの作動モードを制御するために、上記の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベルを提供する。
【0016】
本願はまた、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、上記のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現する、電子機器を提供する。
【0017】
本願はまた、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルの技術的効果は以下のとおりである。
【0019】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルでは、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定することによって、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得し、前記必要電力が電源モジュールの供給電力を上回る場合、電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する。これによって、電動ショベルの駆動システムの必要電力が常に満足され、電動ショベルが持続的に正常に作動することが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上し、また、パワーバッテリパックと電源モジュールの両方が電動ショベルに同時に給電することによって、パワーバッテリパックによる給電量が低下し、コストダウンが図られる。
本願又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、以下の説明にされる図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の流れ概略図である。
図2】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の具体的な流れ概略図である。
図3】本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの構造概略図である。
図4】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムの構造概略図である。
図5】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムのCANネットワーク図である。
図6】本願に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の図面を参照して、本願の技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本願の実施例の一部であり、すべての実施例ではないことは明らかである。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は本願の特許範囲に属する。
【0022】
中・大型電動ショベルの場合、有線作動モードでは、電源電力が電動ショベルの駆動システムに必要な電力を満足できず、さらに電動ショベルが正常に作動できず、電動ショベルの掘削効率が低下する恐れがある。このため、上記のようなことを回避するために、本願は、電動ショベル作動モード制御方法を提供する。
【0023】
図1は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の流れ概略図であり、図1に示すように、該方法は、下記のステップS1とステップS2を含む。
S1:電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する。
S2:前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する。
【0024】
具体的には、本願の実施例における電動ショベル作動モード制御方法は、マスターコントローラを実行エンティティとし、このマスターコントローラは、電動ショベルに設けられ、電源モジュールに電気的に接続され、及び/又はCANバスを介して電源モジュールに接続される。マスターコントローラは、CANバスを介して駆動システム及びパワーバッテリパックに接続される。
【0025】
まず、ステップS1を実行し、電動ショベルが有線作動モードに入る前に、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定する必要がある。前記トリガー信号を受信した場合、電動ショベルの電源モジュールを起動させ、電動ショベルを有線作動モードにし、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する。
【0026】
電動ショベル作動モードは、有線作動モードと純粋な電池作動モードを含んでもよく、有線作動モードとは、電動ショベルが外部の交流電源に電気的に接続されることを意味し、純粋な電池作動モードとは、電動ショベルと交流電源との接続が切断され、内部のパワーバッテリパックのみによって駆動システムに給電することを意味する。
【0027】
電源モジュールは、電動ショベル内に設けられ、AC/DC電源モジュールであってもよく、交流電源はグリッド配電キャビネットであってもよく、電源モジュールは、電動ショベルに設けられたソケットを通じて交流電源に接続されてもよく、電源モジュールは、交流電源による交流電流を、電動ショベルに適用する直流電流に変換するものである。本願の実施例では、AC/DC電源モジュールは直流発電機などであってもよい。交流電源は、交流充電プラグが接続された電源コードを介して電源モジュールに接続されてもよく、電源コードは、自動ケーブル巻き取り・巻き出し装置により長さを制御可能なケーブルであってもよい。
【0028】
トリガー信号は、電源モジュールが交流電源に接続された時に自動的に生成されるCC信号としてもよく、マスターコントローラによってトリガー信号が検出されると、電源モジュールに通電しており、電動ショベルが有線作動モードを開始しようとすることが示される。
【0029】
本願の実施例では、電動ショベルの電源モジュールは、CANバスを利用して起動されてもよく、SNイネーブル信号によって起動されてもよい。電源モジュールがCANバスを利用して起動される場合、CANバスに現在の各モジュールの運転状態を報告し、現在の運転状態に応じてCANバスに起動命令を配信し、電源モジュールのAC/DC電源モジュールは、係る命令を受信すると起動する。電動ショベルの電源モジュールがSNイネーブル信号で起動される場合、CANバスで読み取ったパワーバッテリパックの充電状態(SOC:State of Charge)値から電源モジュールのAC/DC電源モジュールを起動してもよく、各SOC値には、異なるSNイネーブル信号が対応しており、各SNイネーブル信号による指示に従って、電源モジュールのAC/DC電源モジュールの起動を制御する。
【0030】
電動ショベルの電源モジュールが起動されると、電動ショベルは有線作動モードに入り、この作動モードで作動し始め、このとき、電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得することができる。
【0031】
電動ショベルの駆動システムは、モータコントローラと、モータと、を含んでもよく、前記モータコントローラは、前記モータの出力トルク及び回転数を制御して、電動ショベルを作動させるものである。駆動システムの必要電力とは、駆動システムに必要な電力であり、マスターコントローラにデータ収集モジュールが設けられることによって取得され得、必要電力は、駆動システムのピーク電力である最大電力であってもよいし、実際平均電力であってもよい。
【0032】
次に、ステップS2を実行し、駆動システムの必要電力と電源モジュールの供給電力との大きさの関係を判定し、上記の判定の結果、上記の駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力を上回ると判定する場合、このときの電源モジュールにより供給可能な電力が駆動システムのニーズを満たすことができず、電源モジュール及び電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電するように制御する。
【0033】
電源モジュールの供給電力は、電源モジュールが供給可能な電力を表し、上記の駆動システムの必要電力と同様に、電源モジュールのピーク電力であってもよいし、電源モジュールの定格電力であってもよく、電源モジュールのピーク電力は、データ収集モジュールによって取得されてもよく、電源モジュールの定格電力は、電源モジュールのAC/DC電源モジュールに明記されている定格電力である。
【0034】
駆動システムの必要電力は、接続される負荷に依存し、負荷の変化に伴って変化し、接続される負荷が大きすぎると、駆動システムの必要電力も大きくなる。したがって、駆動システムのピーク電力が電源モジュールのピーク電力を上回る、又は駆動システムの実際平均電力が電源モジュールの定格電力を上回る場合、このときの電源モジュールの供給電力が駆動システムの必要電力を満足できないことを示し、従って、パワーバッテリパックが駆動システムに給電する必要があり、すなわち、電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する必要がある。
【0035】
パワーバッテリパックは、パワーバッテリパックと、パワーバッテリパックに取り付けられたバッテリ管理システム(BMS:Battery Management System)と、を含んでもよく、BMSは、パワーバッテリパックの運転データをリアルタイムで監視することができる。パワーバッテリパックのバッテリは、リチウムバッテリであってもよいし、鉛蓄電池などであってもよく、パワーバッテリパックのバッテリの数は実際のニーズに応じて設計されてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0036】
電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する場合、電源モジュールがすべての供給電力を優先して供給し、パワーバッテリパックが駆動システムの必要電力の残部を供給してもよく、電源モジュール及びパワーバッテリパックが駆動システムに供給する電力が、実際のニーズ及びパワーバッテリパックのバッテリ充電状態(SOC:State of charge)に応じて配分されてもよい。パワーバッテリパックは、CANバスを介してそのSOC値をマスターコントローラに送信してもよく、SOC値は、パワーバッテリパックの最大放電電流を表し得る。例えば、駆動システムの実際平均電力が100kwであり、電源モジュールの定格電力が80kwであり、パワーバッテリパックにより供給可能な電力が30kwである場合、電源モジュールが80kwの電力を駆動システムに供給し、パワーバッテリパックが20kwを駆動システムに供給してもよいし、電源モジュールが75kwを駆動システムに供給し、パワーバッテリパックが25kwを駆動システムに供給してもよい。
【0037】
本願の実施例では、パワーバッテリパック及び電源モジュールの両方が駆動システムに同時に給電する場合、パワーバッテリパックの残量が満充電状態から残量不足状態までと消費されつつある。
【0038】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定することによって、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得し、前記必要電力が電源モジュールの供給電力を上回る場合、電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する。これによって、電動ショベルの駆動システムの必要電力が常に満足され、電動ショベルが持続的に正常に作動することが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上し、また、パワーバッテリパックと電源モジュールの両方が電動ショベルに同時に給電することによって、パワーバッテリパックによる給電量が低下し、コストダウンが図られる。
【0039】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法は、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む。
【0040】
具体的には、本願の実施例では、トリガー信号を受信しなかった場合、電源モジュールが交流電源に接続されていないことを示し、従って、電源モジュールが駆動システムに給電できず、このとき、マスターコントローラは、パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御する。
【0041】
パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御する場合、電動ショベルは純粋な電池作動モードにあり、交流電源が外付けされておらず、純粋な電池作動回路は、パワーバッテリパックと駆動システムで構成される。電動ショベル及び交流電源は、電源コードの一端に接続された交流プラグが電動ショベルに設けられたソケットに差し込まれることによって接続されてもよく、交流プラグがソケットから抜き出されると、電動ショベルは純粋な電池作動モードに入り、交流プラグがソケットに差し込まれると、電動ショベルは有線作動モードに入る。
【0042】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、トリガー信号を受信しなかった場合、パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御することによって、外部の交流電源が接続されていない場合にもショベルは正常に作動することができ、これによって、ショベルが正常に作動することがさらに確保され、さらに作動効率が向上し、また、純粋な電池作動モードでは、電動ショベルが電源コードにより制限されていないため、電動ショベルの作業範囲が広がる。
【0043】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法は、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む。
【0044】
具体的には、本願の実施例では、トリガー信号を受信しなかった場合、電源モジュールが交流電源に接続されておらず、このときに電動ショベルが純粋な電池作動モードにあり、パワーバッテリパックが駆動システムに給電することを示す。パワーバッテリパックの残量は満充電状態から消費され始め、この場合の、使い切れるまでの時間は、電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する場合の、使い切れるまでの時間よりも短い。本願の実施例では、マスターコントローラがトリガー信号を受信していない場合、データ収集モジュールによってパワーバッテリパックのバッテリ充電状態をリアルタイムで取得することができる。バッテリ充電状態(SOC:State of charge)は、パワーバッテリパックの残量を表し、その数値がバッテリ容量に占める残量の比として定義され、一般的には、百分率で表される。
【0045】
次に、パワーバッテリパックのバッテリ充電状態について残量が残量閾値よりも低いか否かを判定し、取得したバッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことである場合、トリガー信号を受信すると、電源モジュールを起動させ、電源モジュールによってパワーバッテリパックを充電する。パワーバッテリパックの残量が残量閾値よりも低い場合、このときのパワーバッテリパックの残量が不十分で、パワーバッテリパックの残量がなくなりつつあり、パワーバッテリパックが電動ショベルに給電できなくなる傾向があり、パワーバッテリパックへの充電が必要であることを示す。ここで、残量閾値は実際の状況に応じて設定してもよく、例えば0又は10%に設定してもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0046】
上記の場合、電源モジュールによってパワーバッテリパックを充電してもよく、すなわち、パワーバッテリパックの残量が残量閾値よりも小さい場合、交流プラグをソケットに差し込み、電動ショベルに交流電源を接続する。電動ショベルに交流電源が接続されると、マスターコントローラは、トリガー信号を自動的に受信してから、電源モジュールを起動させ、電源モジュールはパワーバッテリパックを充電することで、電動ショベルは充電モードに入る。この場合、充電作動回路は、電源モジュールとパワーバッテリパックモジュールで構成される。
【0047】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、パワーバッテリパックのバッテリ残量の状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことである場合、電源モジュールを起動させてパワーバッテリパックを充電することによって、純粋な電池作動モードでは、パワーバッテリパックによる給電が不足で電動ショベルの作動効率が低下することが回避され、また、電源モジュールがパワーバッテリパックを直ちに充電できるため、残量が低すぎることに起因する損傷からパワーバッテリパック自体が保護され、また、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0048】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む。
【0049】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得した後、駆動システムの必要電力と電源モジュールの供給電力との大きさの関係を判定する。供給電力とは、電源モジュールにより供給可能な電力であり、電源モジュールのピーク電力であってもよいし、電源モジュールの定格電力であってもよい。
【0050】
必要電力が供給電力よりも小さい、すなわち駆動システムのピーク電力が電源モジュールのピーク電力よりも小さいか、又は駆動システムの実際平均電力が電源モジュールの定格電力よりも小さい場合、電源モジュールの電力が駆動システムに必要な電力を満足できることを示し、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御すると、電動ショベルの正常な作動を確保することができ、また、余剰電力もある。この場合、パワーバッテリパックの残量状態情報をリアルタイムで取得し、残量状態情報に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。
【0051】
パワーバッテリパックの残量状態情報を取得した後、残量状態情報に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。例えば、駆動システムのピーク電力は50kw、電源モジュールのピーク電力は100kwであり、この場合、駆動システムの必要電力は電源モジュールの必要電力よりも小さい。まず、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御し、このときに取得したパワーバッテリパックの残量状態情報として50%であり、すなわち、残量が50%であり、パワーバッテリパックの残量が少ないことが分かり、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。
【0052】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力よりも小さい場合、まず、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御し、次に、取得したパワーバッテリパックのSOC値に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御することによって、電動ショベルは作動を維持しながら充電をすることができ、パワーバッテリパックの充電時間が短縮され、効率が高まる。
【0053】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電動ショベルの有線作動モードでは、パワーバッテリパックは蓄能器に相当し、駆動システムの必要電力について「ピークアウト」の役割を果たす。AC/DC電源モジュールの定格電力が駆動システムの実際平均電力以上である場合、パワーバッテリの残量は常に高く維持され、電動ショベルの効率が高まる。
【0054】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む。
【0055】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルの電源モジュールを起動させる前に、電動ショベルについて電源投入をする必要がある。電動ショベルについての電源投入は、低電圧電源投入をしてから、高電圧電源投入をしてもよい。低電圧電源投入は、低電圧電源投入指示を受信して、自動的に行われてもよく、高電圧電源投入は、高電圧電源投入指示を受信してから、電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを2つずつ接続する必要があり、駆動システムを2つずつ接続させると、高電圧電源投入が完了する。
【0056】
本願の実施例では、鍵を回すことによって電動ショベルの電源投入スイッチを制御し、低電圧電源投入指示及び高電圧電源投入指示を送信させてもよい。鍵を電源投入スイッチの対応するギアに回し、例えば、まず、低電圧電源投入ギアに回し、このときに低電圧電源投入指示を送信可能にし、電動ショベルは低電圧電源投入指示を受信すると、低電圧電源投入を自動的に行う。次に、鍵を高電圧電源投入ギアに回し、このときに高電圧電源投入指示を送信可能にし、高電圧電源投入指示を受信すると、リレーが回路を制御することによって電動ショベルの電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記駆動システムの間の回路を導通し、すなわち、電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記駆動システムを、2つずつ接続させた状態にし、このようにして、高電圧電源投入を行う。リレーは、回路のオンオフを制御可能な任意のリレーであってもよく、実際の状況に応じて設けられてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0057】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電源モジュールを起動させる前に、電動ショベルについて低電圧電源投入及び高電圧電源投入を行うことによって、電源モジュールを起動させる前に電動ショベルが作動準備状態に迅速に入り、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0058】
図2は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の具体的な流れ概略図である。図2に示すように、該方法は、ステップS21~S28を含む。
S21:低電圧電源投入を行い、制御信号によってリレーを制御してオンにさせ、トリガー信号を検出して、電源モジュールを作動制御する。
S22:駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力以下であるか否かを判定し、供給電力以下ではない場合、S23を実行し、供給電力以下である場合、S24を実行する。
S23:電源モジュール及びパワーバッテリパックモジュールの両方が駆動システムに同時に給電し、このとき、電動ショベルは有線作動モードに入って作動し、S27の実行を持続する。
S24:パワーバッテリパックが充電を要求するか否かを判定し、充電を要求する場合、S25を実行し、充電を要求しない場合、S26を実行する。
S25:電源モジュールは、駆動システムに給電するとともに、パワーバッテリパックを充電し、このとき、電動ショベルは作動しながら充電を行い、S27の実行を持続する。
S26:電源モジュールは駆動システムに給電する。
S27:電源切断命令を受信したか否かを判定し、受信した場合、S28を実行し、受信しなかった場合、S22に戻る。
S28:電動ショベルは作動を停止する。
【0059】
図3は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの構造概略図である。図3に示すように、該電動ショベル作動モードコントローラは、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの交流電源に接続された電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュール301と、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュール302と、を含む。
【0060】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの制御モジュールは、さらに、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御することに用いられる。
【0061】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの起動モジュールは、さらに、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得し、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電することに用いられる。
【0062】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラが前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得した後に、制御モジュールは、さらに、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得し、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御することに用いられる。
【0063】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラが、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行う低電圧電源投入モジュールと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行う高電圧電源投入モジュールと、をさらに含む。
【0064】
具体的には、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラは、電動ショベルのマスターコントローラであってもよく、各モジュールの作用は、マスターコントローラを実行エンティティとする上記の方法実施例における各ステップの流れに対応しており、実現する効果も同様であり、具体的には、上記の実施例を参照すればよく、本願の実施例では、これについて詳しく説明しない。
【0065】
図4は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システム構造概略図である。図4に示すように、該電動ショベル作動モード制御システムは、
上記の電動ショベル作動モードコントローラ401と、前記電動ショベルの電源モジュール402と、駆動システム403と、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレー405が接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパック404との間に第2リレー406が接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う。
【0066】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルは、低電圧電源投入指示を受信すると、低電圧電源投入を自動的に行い、高電圧電源投入指示を受信すると、電動ショベル作動モードのコントローラは、制御信号によって第1リレー及び第2リレーを制御してオンにさせ、このとき、電源モジュール、パワーバッテリパック及び駆動システムは2つずつ接続され、電動ショベルの高電圧電源投入が完了し、電動ショベルの電源投入が完了する。
【0067】
制御信号はリレー制御信号を含んでもよく、電気的接続を通じて伝送されてもよく、リレーは、回路のオンオフを制御可能な任意のリレーであってもよく、実際の状況に応じて設けられてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0068】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システム、前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。
【0069】
図5は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムのCANネットワーク図であり、図5に示すように、電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。具体的には、CAN(CAN:Controller Area Network)バスは、コントローラのローカルネットワークであり、電子制御ユニットを接続するためのマルチマスターシリアルバス規格である。CANバスのネットワークの各ノード間のデータ通信はリアルタイム性が高く、よって、電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される場合、CANバスを介してリアルタイムなデータ通信を直ちに行うことができ、これにより、電動ショベルは作動モードを直ちに切り替えることが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0070】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムが上記の電動ショベル作動モードコントローラを含むことから、両方には同様な技術的効果があり、具体的には、上記の実施例を参照すればよく、本願の実施例では、詳しく説明しない。
【0071】
本願の実施例はまた、前記電動ショベルの作動モードを制御するために、上記の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベルを提供する。
【0072】
本願の実施例に係るショベルは、上記の電動ショベル作動モード制御システムと同様な技術的効果を有し、本願の実施例では、詳しく説明しない。
【0073】
図6は、電子機器の物理構造概略図を例示的に示しており、図6に示すように、該電子機器は、プロセッサ(processor)610、通信インターフェース(Communications Interface)620、メモリ(memory)630、及び通信バス640を含んでもよく、これらのうち、プロセッサ610、通信インターフェース620、メモリ630は、通信バス640を介して相互通信を行う。プロセッサ610は、メモリ630の論理命令を呼び出して、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法を実行してもよく、該方法は、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む。
【0074】
さらに、上記のメモリ630の論理命令は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術的解決手段の本質的又は先行技術に貢献する部分、又はこの技術的解決手段の部分は、記憶媒体に記憶されたソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、このコンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に、本願の様々な実施例に記載の方法のステップの全部又は一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上記の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又はコンパクトディスクなど、プログラムコードを記憶し得る各種の媒体を含む。
【0075】
別の態様では、本願はまた、コンピュータによって実行されると、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法をコンピュータに実行させ得るプログラム命令を含む、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0076】
さらなる態様では、本願はまた、プロセッサによって実行されると、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法を実行するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0077】
以上に説明される装置の実施例は、単に概略的なものであり、ここで、分離された構成要素として説明された前記ユニットは、物理的に分離されていてもよいし、そうでなくてもよく、ユニットとして示された構成要素は、物理的な構成要素であってもよいし、そうでなくてもよい、すなわち、1つの場所に配置されていてもよいし、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の目的を達成するために選択されてもよい。当業者は、創造的な努力を必要とせずに、それを理解し、実施することができる。
【0078】
以上の実施形態の説明から、各実施形態は、ソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加えた形で実現され得ることが当業者には明確に理解されるが、もちろん、ハードウェアによって実現されてもよい。このような理解に基づいて、上記の技術的解決手段の本質的又は先行技術に貢献する部分は、ROM/RAM、磁気ディスク、コンパクトディスクなどのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され得るソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、このソフトウェア製品は、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器であってもよい)が、様々な実施例又は実施例の一部に記載された方法を実行するためのいくつかの命令を含んでもよい。
【0079】
なお、上記の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。前述した実施例を参照して本願について詳細な説明を行ったが、当業者に理解されるように、前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正したり、その一部の技術的特徴を均等に置き換えたりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ショベル作動モード制御方法であって、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップであって、前記電源モジュールは交流電源に接続される、ステップと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項2】
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項3】
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項4】
前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項5】
前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法。
【請求項6】
電動ショベル作動モードコントローラであって、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュールであって、前記電源モジュールは交流電源に接続される、起動モジュールと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュールと、を含む、電動ショベル作動モードコントローラ。
【請求項7】
電動ショベル作動モード制御システムであって、
請求項6に記載の電動ショベル作動モードコントローラと、前記電動ショベルの電源モジュールと、駆動システムと、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレーが接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックとの間に第2リレーが接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う、電動ショベル作動モード制御システム。
【請求項8】
前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム、及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される、請求項7に記載の電動ショベル作動モード制御システム。
【請求項9】
電動ショベルであって、
前記電動ショベルの作動モードを制御するために、請求項7又は8に記載の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベル。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で運行可能なコンピュータプログラムと、を含む電子機器であって、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行すると、請求項1~のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現する、電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年03月31日に提出された、出願番号が202110349017.8、発明の名称が「電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベル」の中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[技術分野]
本願は、作業機械制御の技術分野に関し、特に電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、純粋な電動ショベルは、研究開発段階にあり、モータ、電子制御、パワーバッテリなどの三重電気制御技術のほとんどは、成熟した新エネルギー車の技術を利用しているが、ショベルが使用される環境は、新エネルギー車とは大きく異なる。ショベルの作業区域はほとんど固定場所であり、有線作動モードに非常に適しているが、新エネルギー車は、機動性が高く、有線作動モードが適していない。
【0004】
電動ショベルの場合、その作動モードには、通常、有線作動モードと電池放電モードが含まれていてもよい。例示的な技術では、電動ショベルの作動モードを制御する際には、通常、有線作動モード及び電池放電モードを別々運転させ、個別の充電モードによって電動ショベルのパワーバッテリパックに電力を補給する必要がある。
【0005】
上記の制御方式は、小電力の小型電動ショベルに適しているが、中・大型の電動ショベルについては、有線作動モードでは、電動ショベルの駆動システムの電力要求を電源電力が満足できず、電動ショベルが正常に作動できず、電動ショベルの掘削効率が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、従来技術における有線作動モードでは電源電力が電動ショベルの駆動システムの電力要求を満足できないという欠陥を解決し、電源とパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電することを実現する、電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップであって、前記電源モジュールは交流電源に接続される、ステップと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む電動ショベル作動モード制御方法を提供する。
【0008】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む。
【0009】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む。
【0010】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む。
【0011】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法によれば、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む。
【0012】
本願はまた、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュールであって、前記電源モジュールは交流電源に接続される、起動モジュールと、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュールと、を含む、電動ショベル作動モードコントローラを提供する。
【0013】
本願はまた、上記の電動ショベル作動モードコントローラと、前記電動ショベルの電源モジュールと、駆動システムと、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレーが接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックとの間に第2リレーが接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う、電動ショベル作動モード制御システムを提供する。
【0014】
本願に係る電動ショベル作動モード制御システムによれば、前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。
【0015】
本願はまた、前記電動ショベルの作動モードを制御するために、上記の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベルを提供する。
【0016】
本願はまた、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、上記のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現する、電子機器を提供する。
【0017】
本願はまた、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか1項に記載の電動ショベル作動モード制御方法のステップを実現するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルの技術的効果は以下のとおりである。
【0019】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法、システム、及び電動ショベルでは、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定することによって、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得し、前記必要電力が電源モジュールの供給電力を上回る場合、電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する。これによって、電動ショベルの駆動システムの必要電力が常に満足され、電動ショベルが持続的に正常に作動することが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上し、また、パワーバッテリパックと電源モジュールの両方が電動ショベルに同時に給電することによって、パワーバッテリパックによる給電量が低下し、コストダウンが図られる。
本願又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、以下の説明にされる図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の流れ概略図である。
図2】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の具体的な流れ概略図である。
図3】本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの構造概略図である。
図4】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムの構造概略図である。
図5】本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムのCANネットワーク図である。
図6】本願に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の図面を参照して、本願の技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本願の実施例の一部であり、すべての実施例ではないことは明らかである。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は本願の特許範囲に属する。
【0022】
中・大型電動ショベルの場合、有線作動モードでは、電源電力が電動ショベルの駆動システムに必要な電力を満足できず、さらに電動ショベルが正常に作動できず、電動ショベルの掘削効率が低下する恐れがある。このため、上記のようなことを回避するために、本願は、電動ショベル作動モード制御方法を提供する。
【0023】
図1は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の流れ概略図であり、図1に示すように、該方法は、下記のステップS1とステップS2を含む。
S1:電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得し、前記電源モジュールは交流電源に接続される
S2:前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する。
【0024】
具体的には、本願の実施例における電動ショベル作動モード制御方法は、マスターコントローラを実行エンティティとし、このマスターコントローラは、電動ショベルに設けられ、電源モジュールに電気的に接続され、及び/又はCANバスを介して電源モジュールに接続される。マスターコントローラは、CANバスを介して駆動システム及びパワーバッテリパックに接続される。
【0025】
まず、ステップS1を実行し、電動ショベルが有線作動モードに入る前に、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定する必要がある。前記トリガー信号を受信した場合、電動ショベルの電源モジュールを起動させ、電動ショベルを有線作動モードにし、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する。
【0026】
電動ショベル作動モードは、有線作動モードと純粋な電池作動モードを含んでもよく、有線作動モードとは、電動ショベルが外部の交流電源に電気的に接続されることを意味し、純粋な電池作動モードとは、電動ショベルと交流電源との接続が切断され、内部のパワーバッテリパックのみによって駆動システムに給電することを意味する。
【0027】
電源モジュールは、電動ショベル内に設けられ、AC/DC電源モジュールであってもよく、交流電源はグリッド配電キャビネットであってもよく、電源モジュールは、電動ショベルに設けられたソケットを通じて交流電源に接続されてもよく、電源モジュールは、交流電源による交流電流を、電動ショベルに適用する直流電流に変換するものである。本願の実施例では、AC/DC電源モジュールは直流発電機などであってもよい。交流電源は、交流充電プラグが接続された電源コードを介して電源モジュールに接続されてもよく、電源コードは、自動ケーブル巻き取り・巻き出し装置により長さを制御可能なケーブルであってもよい。
【0028】
トリガー信号は、電源モジュールが交流電源に接続された時に自動的に生成されるCC信号としてもよく、マスターコントローラによってトリガー信号が検出されると、電源モジュールに通電しており、電動ショベルが有線作動モードを開始しようとすることが示される。
【0029】
本願の実施例では、電動ショベルの電源モジュールは、CANバスを利用して起動されてもよく、SNイネーブル信号によって起動されてもよい。電源モジュールがCANバスを利用して起動される場合、CANバスに現在の各モジュールの運転状態を報告し、現在の運転状態に応じてCANバスに起動命令を配信し、電源モジュールのAC/DC電源モジュールは、係る命令を受信すると起動する。電動ショベルの電源モジュールがSNイネーブル信号で起動される場合、CANバスで読み取ったパワーバッテリパックの充電状態(SOC:State of Charge)値から電源モジュールのAC/DC電源モジュールを起動してもよく、各SOC値には、異なるSNイネーブル信号が対応しており、各SNイネーブル信号による指示に従って、電源モジュールのAC/DC電源モジュールの起動を制御する。
【0030】
電動ショベルの電源モジュールが起動されると、電動ショベルは有線作動モードに入り、この作動モードで作動し始め、このとき、電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得することができる。
【0031】
電動ショベルの駆動システムは、モータコントローラと、モータと、を含んでもよく、前記モータコントローラは、前記モータの出力トルク及び回転数を制御して、電動ショベルを作動させるものである。駆動システムの必要電力とは、駆動システムに必要な電力であり、マスターコントローラにデータ収集モジュールが設けられることによって取得され得、必要電力は、駆動システムのピーク電力である最大電力であってもよいし、実際平均電力であってもよい。
【0032】
次に、ステップS2を実行し、駆動システムの必要電力と電源モジュールの供給電力との大きさの関係を判定し、上記の判定の結果、上記の駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力を上回ると判定する場合、このときの電源モジュールにより供給可能な電力が駆動システムのニーズを満たすことができず、電源モジュール及び電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電するように制御する。
【0033】
電源モジュールの供給電力は、電源モジュールが供給可能な電力を表し、上記の駆動システムの必要電力と同様に、電源モジュールのピーク電力であってもよいし、電源モジュールの定格電力であってもよく、電源モジュールのピーク電力は、データ収集モジュールによって取得されてもよく、電源モジュールの定格電力は、電源モジュールのAC/DC電源モジュールに明記されている定格電力である。
【0034】
駆動システムの必要電力は、接続される負荷に依存し、負荷の変化に伴って変化し、接続される負荷が大きすぎると、駆動システムの必要電力も大きくなる。したがって、駆動システムのピーク電力が電源モジュールのピーク電力を上回る、又は駆動システムの実際平均電力が電源モジュールの定格電力を上回る場合、このときの電源モジュールの供給電力が駆動システムの必要電力を満足できないことを示し、従って、パワーバッテリパックが駆動システムに給電する必要があり、すなわち、電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する必要がある。
【0035】
パワーバッテリパックは、パワーバッテリパックと、パワーバッテリパックに取り付けられたバッテリ管理システム(BMS:Battery Management System)と、を含んでもよく、BMSは、パワーバッテリパックの運転データをリアルタイムで監視することができる。パワーバッテリパックのバッテリは、リチウムバッテリであってもよいし、鉛蓄電池などであってもよく、パワーバッテリパックのバッテリの数は実際のニーズに応じて設計されてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0036】
電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する場合、電源モジュールがすべての供給電力を優先して供給し、パワーバッテリパックが駆動システムの必要電力の残部を供給してもよく、電源モジュール及びパワーバッテリパックが駆動システムに供給する電力が、実際のニーズ及びパワーバッテリパックのバッテリ充電状態(SOC:State of charge)に応じて配分されてもよい。パワーバッテリパックは、CANバスを介してそのSOC値をマスターコントローラに送信してもよく、SOC値は、パワーバッテリパックの最大放電電流を表し得る。例えば、駆動システムの実際平均電力が100kwであり、電源モジュールの定格電力が80kwであり、パワーバッテリパックにより供給可能な電力が30kwである場合、電源モジュールが80kwの電力を駆動システムに供給し、パワーバッテリパックが20kwを駆動システムに供給してもよいし、電源モジュールが75kwを駆動システムに供給し、パワーバッテリパックが25kwを駆動システムに供給してもよい。
【0037】
本願の実施例では、パワーバッテリパック及び電源モジュールの両方が駆動システムに同時に給電する場合、パワーバッテリパックの残量が満充電状態から残量不足状態までと消費されつつある。
【0038】
本願に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したか否かを判定することによって、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、このときの電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得し、前記必要電力が電源モジュールの供給電力を上回る場合、電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する。これによって、電動ショベルの駆動システムの必要電力が常に満足され、電動ショベルが持続的に正常に作動することが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上し、また、パワーバッテリパックと電源モジュールの両方が電動ショベルに同時に給電することによって、パワーバッテリパックによる給電量が低下し、コストダウンが図られる。
【0039】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法は、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御するステップをさらに含む。
【0040】
具体的には、本願の実施例では、トリガー信号を受信しなかった場合、電源モジュールが交流電源に接続されていないことを示し、従って、電源モジュールが駆動システムに給電できず、このとき、マスターコントローラは、パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御する。
【0041】
パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御する場合、電動ショベルは純粋な電池作動モードにあり、交流電源が外付けされておらず、純粋な電池作動回路は、パワーバッテリパックと駆動システムで構成される。電動ショベル及び交流電源は、電源コードの一端に接続された交流プラグが電動ショベルに設けられたソケットに差し込まれることによって接続されてもよく、交流プラグがソケットから抜き出されると、電動ショベルは純粋な電池作動モードに入り、交流プラグがソケットに差し込まれると、電動ショベルは有線作動モードに入る。
【0042】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、トリガー信号を受信しなかった場合、パワーバッテリパックが駆動システムに給電するように制御することによって、外部の交流電源が接続されていない場合にもショベルは正常に作動することができ、これによって、ショベルが正常に作動することがさらに確保され、さらに作動効率が向上し、また、純粋な電池作動モードでは、電動ショベルが電源コードにより制限されていないため、電動ショベルの作業範囲が広がる。
【0043】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法は、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電するステップと、をさらに含む。
【0044】
具体的には、本願の実施例では、トリガー信号を受信しなかった場合、電源モジュールが交流電源に接続されておらず、このときに電動ショベルが純粋な電池作動モードにあり、パワーバッテリパックが駆動システムに給電することを示す。パワーバッテリパックの残量は満充電状態から消費され始め、この場合の、使い切れるまでの時間は、電源モジュール及びパワーバッテリパックの両方が駆動システムに同時に給電する場合の、使い切れるまでの時間よりも短い。本願の実施例では、マスターコントローラがトリガー信号を受信していない場合、データ収集モジュールによってパワーバッテリパックのバッテリ充電状態をリアルタイムで取得することができる。バッテリ充電状態(SOC:State of charge)は、パワーバッテリパックの残量を表し、その数値がバッテリ容量に占める残量の比として定義され、一般的には、百分率で表される。
【0045】
次に、パワーバッテリパックのバッテリ充電状態について残量が残量閾値よりも低いか否かを判定し、取得したバッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことである場合、トリガー信号を受信すると、電源モジュールを起動させ、電源モジュールによってパワーバッテリパックを充電する。パワーバッテリパックの残量が残量閾値よりも低い場合、このときのパワーバッテリパックの残量が不十分で、パワーバッテリパックの残量がなくなりつつあり、パワーバッテリパックが電動ショベルに給電できなくなる傾向があり、パワーバッテリパックへの充電が必要であることを示す。ここで、残量閾値は実際の状況に応じて設定してもよく、例えば0又は10%に設定してもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0046】
上記の場合、電源モジュールによってパワーバッテリパックを充電してもよく、すなわち、パワーバッテリパックの残量が残量閾値よりも小さい場合、交流プラグをソケットに差し込み、電動ショベルに交流電源を接続する。電動ショベルに交流電源が接続されると、マスターコントローラは、トリガー信号を自動的に受信してから、電源モジュールを起動させ、電源モジュールはパワーバッテリパックを充電することで、電動ショベルは充電モードに入る。この場合、充電作動回路は、電源モジュールとパワーバッテリパックモジュールで構成される。
【0047】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、パワーバッテリパックのバッテリ残量の状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことである場合、電源モジュールを起動させてパワーバッテリパックを充電することによって、純粋な電池作動モードでは、パワーバッテリパックによる給電が不足で電動ショベルの作動効率が低下することが回避され、また、電源モジュールがパワーバッテリパックを直ちに充電できるため、残量が低すぎることに起因する損傷からパワーバッテリパック自体が保護され、また、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0048】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する前記ステップの後に、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得するステップと、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御するステップと、をさらに含む。
【0049】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得した後、駆動システムの必要電力と電源モジュールの供給電力との大きさの関係を判定する。供給電力とは、電源モジュールにより供給可能な電力であり、電源モジュールのピーク電力であってもよいし、電源モジュールの定格電力であってもよい。
【0050】
必要電力が供給電力よりも小さい、すなわち駆動システムのピーク電力が電源モジュールのピーク電力よりも小さいか、又は駆動システムの実際平均電力が電源モジュールの定格電力よりも小さい場合、電源モジュールの電力が駆動システムに必要な電力を満足できることを示し、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御すると、電動ショベルの正常な作動を確保することができ、また、余剰電力もある。この場合、パワーバッテリパックの残量状態情報をリアルタイムで取得し、残量状態情報に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。
【0051】
パワーバッテリパックの残量状態情報を取得した後、残量状態情報に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。例えば、駆動システムのピーク電力は50kw、電源モジュールのピーク電力は100kwであり、この場合、駆動システムの必要電力は電源モジュールの必要電力よりも小さい。まず、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御し、このときに取得したパワーバッテリパックの残量状態情報として50%であり、すなわち、残量が50%であり、パワーバッテリパックの残量が少ないことが分かり、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御してもよい。
【0052】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力よりも小さい場合、まず、電源モジュールが駆動システムに給電するように制御し、次に、取得したパワーバッテリパックのSOC値に基づいて、電源モジュールがパワーバッテリパックを充電するように制御することによって、電動ショベルは作動を維持しながら充電をすることができ、パワーバッテリパックの充電時間が短縮され、効率が高まる。
【0053】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電動ショベルの有線作動モードでは、パワーバッテリパックは蓄能器に相当し、駆動システムの必要電力について「ピークアウト」の役割を果たす。AC/DC電源モジュールの定格電力が駆動システムの実際平均電力以上である場合、パワーバッテリの残量は常に高く維持され、電動ショベルの効率が高まる。
【0054】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行うステップと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行うステップと、をさらに含む。
【0055】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルの電源モジュールを起動させる前に、電動ショベルについて電源投入をする必要がある。電動ショベルについての電源投入は、低電圧電源投入をしてから、高電圧電源投入をしてもよい。低電圧電源投入は、低電圧電源投入指示を受信して、自動的に行われてもよく、高電圧電源投入は、高電圧電源投入指示を受信してから、電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを2つずつ接続する必要があり、駆動システムを2つずつ接続させると、高電圧電源投入が完了する。
【0056】
本願の実施例では、鍵を回すことによって電動ショベルの電源投入スイッチを制御し、低電圧電源投入指示及び高電圧電源投入指示を送信させてもよい。鍵を電源投入スイッチの対応するギアに回し、例えば、まず、低電圧電源投入ギアに回し、このときに低電圧電源投入指示を送信可能にし、電動ショベルは低電圧電源投入指示を受信すると、低電圧電源投入を自動的に行う。次に、鍵を高電圧電源投入ギアに回し、このときに高電圧電源投入指示を送信可能にし、高電圧電源投入指示を受信すると、リレーが回路を制御することによって電動ショベルの電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記駆動システムの間の回路を導通し、すなわち、電源モジュール、パワーバッテリパック及び前記駆動システムを、2つずつ接続させた状態にし、このようにして、高電圧電源投入を行う。リレーは、回路のオンオフを制御可能な任意のリレーであってもよく、実際の状況に応じて設けられてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0057】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法では、電源モジュールを起動させる前に、電動ショベルについて低電圧電源投入及び高電圧電源投入を行うことによって、電源モジュールを起動させる前に電動ショベルが作動準備状態に迅速に入り、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0058】
図2は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法の具体的な流れ概略図である。図2に示すように、該方法は、ステップS21~S28を含む。
S21:低電圧電源投入を行い、制御信号によってリレーを制御してオンにさせ、トリガー信号を検出して、電源モジュールを作動制御する。
S22:駆動システムの必要電力が電源モジュールの供給電力以下であるか否かを判定し、供給電力以下ではない場合、S23を実行し、供給電力以下である場合、S24を実行する。
S23:電源モジュール及びパワーバッテリパックモジュールの両方が駆動システムに同時に給電し、このとき、電動ショベルは有線作動モードに入って作動し、S27の実行を持続する。
S24:パワーバッテリパックが充電を要求するか否かを判定し、充電を要求する場合、S25を実行し、充電を要求しない場合、S26を実行する。
S25:電源モジュールは、駆動システムに給電するとともに、パワーバッテリパックを充電し、このとき、電動ショベルは作動しながら充電を行い、S27の実行を持続する。
S26:電源モジュールは駆動システムに給電する。
S27:電源切断命令を受信したか否かを判定し、受信した場合、S28を実行し、受信しなかった場合、S22に戻る。
S28:電動ショベルは作動を停止する。
【0059】
図3は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの構造概略図である。図3に示すように、該電動ショベル作動モードコントローラは、
電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得する起動モジュール301であって、前記電源モジュールは交流電源に接続される、起動モジュール301と、
前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御する制御モジュール302と、を含む。
【0060】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの制御モジュールは、さらに、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックが前記駆動システムに給電するように制御することに用いられる。
【0061】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラの起動モジュールは、さらに、
前記トリガー信号を受信しなかったと判定する場合、前記パワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得し、
前記バッテリ残量状態情報が、残量が残量閾値よりも低いことであると判定する場合、前記トリガー信号を受信すると、前記電源モジュールを起動させ、前記電源モジュールで前記パワーバッテリパックを充電することに用いられる。
【0062】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラが前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得した後に、制御モジュールは、さらに、
前記必要電力が前記供給電力よりも小さいと判定する場合、前記電源モジュールが前記駆動システムに給電するように制御し、前記電動ショベルのパワーバッテリパックのバッテリ残量状態情報をリアルタイムで取得し、
前記バッテリ残量状態情報に基づいて、前記電源モジュールが前記パワーバッテリパックを充電するように制御することに用いられる。
【0063】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラが、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させる前記ステップの前に、
前記電動ショベルの低電圧電源投入指示を受信して、低電圧電源投入を自動的に行う低電圧電源投入モジュールと、
低電圧電源投入が完了した後、前記電動ショベルの高電圧電源投入指示を受信し、前記高電圧電源投入指示に従って前記電源モジュール、前記電動ショベルのパワーバッテリパック及び前記電動ショベルの駆動システムを制御して2つずつ接続させ、高電圧電源投入を行う高電圧電源投入モジュールと、をさらに含む。
【0064】
具体的には、本願の実施例に係る電動ショベル作動モードコントローラは、電動ショベルのマスターコントローラであってもよく、各モジュールの作用は、マスターコントローラを実行エンティティとする上記の方法実施例における各ステップの流れに対応しており、実現する効果も同様であり、具体的には、上記の実施例を参照すればよく、本願の実施例では、これについて詳しく説明しない。
【0065】
図4は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システム構造概略図である。図4に示すように、該電動ショベル作動モード制御システムは、
上記の電動ショベル作動モードコントローラ401と、前記電動ショベルの電源モジュール402と、駆動システム403と、を含み、
前記電源モジュールと前記駆動システムとの間に第1リレー405が接続されており、前記電源モジュールと電動ショベルのパワーバッテリパック404との間に第2リレー406が接続されており、
前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーにそれぞれ電気的に接続され、前記電動ショベル作動モードコントローラは、前記第1リレー及び前記第2リレーをそれぞれ制御してオンにさせ、前記電動ショベルの電源投入を行う。
【0066】
具体的には、本願の実施例では、電動ショベルは、低電圧電源投入指示を受信すると、低電圧電源投入を自動的に行い、高電圧電源投入指示を受信すると、電動ショベル作動モードのコントローラは、制御信号によって第1リレー及び第2リレーを制御してオンにさせ、このとき、電源モジュール、パワーバッテリパック及び駆動システムは2つずつ接続され、電動ショベルの高電圧電源投入が完了し、電動ショベルの電源投入が完了する。
【0067】
制御信号はリレー制御信号を含んでもよく、電気的接続を通じて伝送されてもよく、リレーは、回路のオンオフを制御可能な任意のリレーであってもよく、実際の状況に応じて設けられてもよく、本願はこれについて特に限定しない。
【0068】
上記の実施例に基づいて、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システム、前記電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。
【0069】
図5は、本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムのCANネットワーク図であり、図5に示すように、電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される。具体的には、CAN(CAN:Controller Area Network)バスは、コントローラのローカルネットワークであり、電子制御ユニットを接続するためのマルチマスターシリアルバス規格である。CANバスのネットワークの各ノード間のデータ通信はリアルタイム性が高く、よって、電動ショベル作動モードコントローラ、前記電源モジュール、前記駆動システム及び前記パワーバッテリパックは、CANバスを介して接続される場合、CANバスを介してリアルタイムなデータ通信を直ちに行うことができ、これにより、電動ショベルは作動モードを直ちに切り替えることが可能になり、電動ショベルの作動効率が向上する。
【0070】
本願の実施例に係る電動ショベル作動モード制御システムが上記の電動ショベル作動モードコントローラを含むことから、両方には同様な技術的効果があり、具体的には、上記の実施例を参照すればよく、本願の実施例では、詳しく説明しない。
【0071】
本願の実施例はまた、前記電動ショベルの作動モードを制御するために、上記の電動ショベル作動モード制御システムを含む、電動ショベルを提供する。
【0072】
本願の実施例に係るショベルは、上記の電動ショベル作動モード制御システムと同様な技術的効果を有し、本願の実施例では、詳しく説明しない。
【0073】
図6は、電子機器の物理構造概略図を例示的に示しており、図6に示すように、該電子機器は、プロセッサ(processor)610、通信インターフェース(Communications Interface)620、メモリ(memory)630、及び通信バス640を含んでもよく、これらのうち、プロセッサ610、通信インターフェース620、メモリ630は、通信バス640を介して相互通信を行う。プロセッサ610は、メモリ630の論理命令を呼び出して、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法を実行してもよく、該方法は、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む。
【0074】
さらに、上記のメモリ630の論理命令は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術的解決手段の本質的又は先行技術に貢献する部分、又はこの技術的解決手段の部分は、記憶媒体に記憶されたソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、このコンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に、本願の様々な実施例に記載の方法のステップの全部又は一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上記の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又はコンパクトディスクなど、プログラムコードを記憶し得る各種の媒体を含む。
【0075】
別の態様では、本願はまた、コンピュータによって実行されると、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法をコンピュータに実行させ得るプログラム命令を含む、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0076】
さらなる態様では、本願はまた、プロセッサによって実行されると、電動ショベルの有線作動モードのトリガー信号を受信したと判定する場合、前記電動ショベルの電源モジュールを起動させ、前記電動ショベルの駆動システムの必要電力を取得するステップと、前記必要電力が前記電源モジュールの供給電力以上であると判定する場合、前記電動ショベルのパワーバッテリパックと前記電源モジュールの両方が前記駆動システムに同時に給電するように制御するステップと、を含む、上記の各実施例に係る電動ショベル作動モード制御方法を実行するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0077】
以上に説明される装置の実施例は、単に概略的なものであり、ここで、分離された構成要素として説明された前記ユニットは、物理的に分離されていてもよいし、そうでなくてもよく、ユニットとして示された構成要素は、物理的な構成要素であってもよいし、そうでなくてもよい、すなわち、1つの場所に配置されていてもよいし、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の目的を達成するために選択されてもよい。当業者は、創造的な努力を必要とせずに、それを理解し、実施することができる。
【0078】
以上の実施形態の説明から、各実施形態は、ソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加えた形で実現され得ることが当業者には明確に理解されるが、もちろん、ハードウェアによって実現されてもよい。このような理解に基づいて、上記の技術的解決手段の本質的又は先行技術に貢献する部分は、ROM/RAM、磁気ディスク、コンパクトディスクなどのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され得るソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、このソフトウェア製品は、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器であってもよい)が、様々な実施例又は実施例の一部に記載された方法を実行するためのいくつかの命令を含んでもよい。
【0079】
なお、上記の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。前述した実施例を参照して本願について詳細な説明を行ったが、当業者に理解されるように、前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正したり、その一部の技術的特徴を均等に置き換えたりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【国際調査報告】