(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ウェブスプライサ
(51)【国際特許分類】
B65H 19/16 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
B65H19/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554781
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 IB2022051333
(87)【国際公開番号】W WO2022189873
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】シュルツェテンバーグ,ブラッドリー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】コーウェルズ,コリー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BB02
3F064BB05
3F064BB09
3F064BB15
3F064BB18
3F064BB20
3F064BB22
(57)【要約】
パターン化ウェブ(108)を継ぎ合わせるための装置(100)が提供される。装置は、パターン化ウェブ(108)の新しいロール(112)及びパターン化ウェブの終了ロール(116)にそれぞれ係合する第1及び第2の巻出しスピンドル(110、114)と、新しいロール(112)からのパターン化ウェブをその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第1のウェブインデックス機構(104)と、新しいロールからのパターン化ウェブを横切って延びる第1のクランプ面(129)と、終了ロール(116)からのパターン化ウェブを横切って延びる第2のクランプ面(131)と、終了ロール(116)からのパターン化ウェブを切断するための切断機構(132、132’)とを含む。装置は、終了ロールからのパターン化ウェブをその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第2のウェブインデックス機構を更に含み、第1及び第2のウェブインデックス機構は、新しいロール及び終了ロール上のパターン化ウェブの位置合わせ特徴を互いに揃えるように独立して動作可能である。第1及び第2のクランプ面を合わせて、新しいロールと終了ロールとの間にパターン化ウェブの位置合わせされたスプライスを作成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン化ウェブを継ぎ合わせるための装置であって、
前記パターン化ウェブの新しいロール及び前記パターン化ウェブの終了ロールにそれぞれ係合する第1及び第2の巻出しスピンドルと、
前記新しいロールからの前記パターン化ウェブをその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第1のウェブインデックス機構と、
前記新しいロールからの前記パターン化ウェブを横切って延びる第1のクランプ面と、
前記終了ロールからの前記パターン化ウェブを横切って延びる第2のクランプ面と、
前記終了ロールからの前記パターン化ウェブを切断するための切断機構と、
前記パターン化ウェブを前記終了ロールからその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第2のウェブインデックス機構と、を備え、
前記第1及び第2のウェブインデックス機構が、前記新しいロール及び前記終了ロール上の前記パターン化ウェブの位置合わせ特徴部を互いに揃えるように独立して動作可能であり、それによって、前記第1及び第2のクランプ面を合わせて、前記新しいロールと終了ロールとの間に前記パターン化ウェブの位置合わせされたスプライスを作成することができる、パターン化ウェブを継ぎ合わせるための装置。
【請求項2】
前記パターン化ウェブの移動方向に沿って並進することができる位置合わせキャリッジを更に備え、前記第1及び第2のクランプ面、前記第1のウェブインデックス機構、並びに前記切断機構が、前記位置合わせキャリッジに結合され、前記第1及び第2の巻出しスピンドル、並びに前記第2のウェブインデックス機構が、前記位置合わせキャリッジに結合されない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置合わせキャリッジは、前記位置合わせキャリッジが直線的に並進するときに、前記第1巻出しスピンドルから前記パターン化ウェブを引っ張るのを援助する保持機構を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保持機構が保持ニップを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の巻出しスピンドルの下流かつ前記位置合わせキャリッジの上流に配置され、前記パターンウェブ上の位置合わせ特徴を検出することができる第1の位置合わせセンサを更に備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記位置合わせキャリッジを直線的に並進させるための第1のモータを更に備え、前記第1のモータは、前記第1の位置合わせセンサと通信する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置合わせキャリッジの下流に配置され、前記パターン化ウェブ上の位置合わせ特徴を検出することができる第2の位置合わせセンサを更に備える、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のウェブインデックス機構を動作させるための第2のモータを更に備え、前記第2のモータは、前記第2の位置合わせセンサと通信する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
各位置合わせセンサ及び各モータと通信する少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラを更に備え、前記少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラは、前記新しいロールと終了ロールとの間の前記パターン化ウェブの位置合わせが決定された後に、前記第1及び第2のクランプ面を合わせさせることができる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1及び第2のウェブインデックス機構の各々がプルニップを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
パターン化ウェブを継ぎ合わせるための方法であって、
第1のウェブインデックス機構を使用して、新しいロールからの前記パターン化ウェブの第1のセグメントを、第1の位置合わせされた位置において対向する第1のクランプ面と第2のクランプ面との間に位置決めすることと、
第2のウェブインデックス機構を使用して、終了ロールからの前記パターン化ウェブの第2のセグメントを、第2の位置合わせされた位置において前記対向する第1のクランプ面と第2のクランプ面との間に位置決めすることと、
前記第1及び第2のクランプ面を合わせて、位置合わせされたスプライスを作成することと、
切断機構を使用して、前記位置合わせされたスプライスの上流で前記終了ロールからの前記パターン化ウェブを切断することと、
を含む、パターン化ウェブを継ぎ合わせるための方法。
【請求項12】
前記第1及び第2のウェブインデックス機構が、前記パターン化ウェブ上の位置合わせ特徴を検出することができるそれぞれの第1及び第2の位置合わせセンサによって案内される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2の位置合わせセンサが、コンピュータと通信する光学センサを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コンピュータは更に、前記第1及び第2のウェブインデックス機構をそれぞれ動作させる第1及び第2のモータと通信する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パターン化ウェブの前記第1のセグメントが、前記パターン化ウェブの移動方向に沿って位置合わせキャリッジを直線的に並進させることによって位置決めされ、前記第1及び第2のクランプ面、前記第1のウェブインデックス機構、並びに前記切断機構が、前記位置合わせキャリッジに結合され、前記第2のウェブインデックス機構が、前記位置合わせキャリッジに結合されない、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータが、前記位置合わせキャリッジを並進させることと、前記終了ロールの供給を停止することと、前記第1及び第2のクランプ面を合わせることと、前記位置合わせされたスプライスの上流で前記パターン化ウェブを切断することと、のうちの1つ以上を自動的に実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンピュータが、前記位置合わせキャリッジを並進させることと、前記終了ロールの前記供給を停止することと、前記第1及び第2のクランプ面を前記合わせることと、前記位置合わせされたスプライスの上流で前記パターン化ウェブを前記切断することと、のそれぞれを、提供された順序で自動的に実行する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連続的に製造されるウェブを継ぎ合わせるための機構及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
連続ウェブの製造プロセスでは、しばしば、終了ロール(expiring roll)からのウェブの終端部と新しいロールからのウェブの先端部とを継ぎ合わせる必要がある。既知の方法によれば、終了ウェブ(expiring web)及び新しいウェブは、終了ウェブの一部を新しいウェブの一部と接触させ、次いでそれらの間に適切な接着剤を重ねることによってそれらを一緒に継ぎ合わせるように合わせられた一対のローラの間に通される。オーバーラップスプライス(overlap splice)の場合には、この接着剤は、新しいウェブの先端部にオペレータによって手動で予め適用された両面接着テープによって提供され得る。
【発明の概要】
【0003】
製造プロセスは、様々な程度の自動化を伴う様々なウェブスプライシング機器を使用することができる。しかしながら、独自の製品仕様及び要件は、異なるウェブを確実に継ぎ合わせる際に課題を提示する可能性がある。これらの課題の1つは、装飾的及び/又は機能的目的のために使用される繰り返し視覚パターンを有するウェブのための、ウェブの位置合わせに関する。加工ライン上で生産される製品は、製品自体又はその包装上に正確に配置されたパターン及び/又は画像を含むことがある。終了ロールからのウェブ上のパターン/画像が、新しい入力ロールのウェブ上のパターン/画像に正確に揃えられるように、これらの入力ウェブを継ぎ合わせることには、生産性及び廃棄物削減の利点がある。このようにして揃えられ、継ぎ合わせた2つのウェブは、位置合わせされたスプライスとして知られている。スループットを最大限にし、コストを削減するために、ウェブ製造プロセスに対する中断を最小限にするか又は全く伴わずに、位置合わせされたスプライスを自動的に作成することには、大きな技術的利点がある。
【0004】
第1の態様では、パターン化ウェブを継ぎ合わせるための装置が提供される。装置は、パターン化ウェブの新しいロール及びパターン化ウェブの終了ロールにそれぞれ係合する第1及び第2の巻出しスピンドルと、新しいロールからのパターン化ウェブをその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第1のウェブインデックス機構と、新しいロールからのパターン化ウェブを横切って延びる第1のクランプ面と、終了ロールからのパターン化ウェブを横切って延びる第2のクランプ面と、終了ロールからのパターン化ウェブを切断するための切断機構と、パターン化ウェブを終了ロールからその移動方向に沿って直線的に並進させることができる第2のウェブインデックス機構と、を備える。第1及び第2のウェブインデックス機構は、新しいロール及び終了ロール上のパターン化ウェブの位置合わせ特徴を互いに揃えるように独立して動作可能であり、それによって、第1及び第2のクランプ面を合わせて、新しいロールと終了ロールとの間にパターン化ウェブの位置合わせされたスプライスを作成することができる。
【0005】
第2の態様では、パターン化ウェブを継ぎ合わせるための方法であって、第1のウェブインデックス機構を使用して、新しいロールからのパターン化ウェブの第1のセグメントを、第1の位置合わせされた位置において対向する第1のクランプ面と第2のクランプ面との間に位置決めすることと、第2のウェブインデックス機構を使用して、終了ロールからのパターン化ウェブの第2のセグメントを、第2の位置合わせされた位置において対向する第1のクランプ面と第2のクランプ面との間に位置決めすることと、第1及び第2のクランプ面を合わせて、位置合わせされたスプライスを作成することと、切断機構を使用して、位置合わせされたスプライスの上流で終了ロールからのパターン化ウェブを切断することと、を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の例示的実施形態による連続ウェブを継ぎ合わせるための装置の正面図である。
【
図2】スプライシング動作の準備における
図1の装置内のモジュールを示す部分図である。
【
図3】
図2と同様の部分図であるが、スプライシング動作が実行されているところを示す。
【
図4】第2の例示的実施形態による連続ウェブを継ぎ合わせるための装置の正面図である。
【
図5】
図4の装置内のモジュールを示す部分図である。
【0007】
明細書及び図面中の参照文字が繰り返して使用されている場合、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。当業者は多くの他の修正形態及び実施形態を考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれることを理解されたい。図は、縮尺通りに描かれていないことがある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用する場合、「好ましい」及び「好ましくは」という用語は、一定の状況下で一定の利点をもたらすことができる、本明細書に記載の実施形態を指す。ただし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況下で好ましい場合がある。更にまた、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から除外することを意図するものでもない。
【0009】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、文脈上別段の明記がない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むものとする。したがって、例えば、「a」又は「the」が付いた構成要素への言及には、構成要素及び当業者に公知のその均等物のうちの1つ以上を含んでもよい。更に、「及び/又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0010】
「含む」という用語及びその変化形は、これらの用語が添付の記載に現れた場合、限定的意味を有しないことに注意されたい。また更に、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、本明細書では互換的に使用される。左、右、前方、後方、上部、底部、側、上方、下方、水平、垂直などの相対語が、本明細書において使用される場合があり、その場合、特定の図面において見られる視点からのものである。しかしながら、これらの用語は、記載を簡単にするために使用されるに過ぎず、決して本発明の範囲を制限するものではない。
【0011】
本明細書全体において、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」に対する言及は、その実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所にある「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」又は「実施形態では」などの句の出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態に言及しているわけではない。該当する場合、商品名は、全て大文字で記載する。
【0012】
連続ウェブの2つのセクションの位置合わせされたスプライスを提供することができる装置が提供される。有利には、このプロセスは、自動又は半自動で実行され得る。装置及びプロセスの有用な用途としては、パターン化された外面を有することができる任意のウェブベースの製品の製造又は加工が挙げられる。このようなウェブは、接着剤付きテープ、パターン化フィルム、反射シート、市販の積層品、及びグラフィックラップに使用することができる。用途に応じて、ウェブ上に存在するパターンは、装飾的、機能的、又はその両方であってもよい。
【0013】
スプライスの結果として生成される廃棄物を最小限に抑えるため、パターンを維持しながら材料の新しいロールを継ぎ合わせるために使用される機器が望ましい。従来の方法を使用して作製されたスプライスは、いくつかの不合格部分を生成することが一般的である。しかしながら、位置合わせが維持されない場合、機器は、問題となる部分のサイズによって、多数の不合格部分を生成する可能性がある。第2の、潜在的により大きな影響は、いくつかのプロセスにおいて位置合わせが維持されない場合、スプライサの下流に配置されたダイモジュールにおいて引き起こされるジャミング又はウェブが機械から引き裂かれる結果として、製造プロセスに重大なダウンタイムが生じ得ることである。
【0014】
パターン化ウェブを継ぎ合わせるための例示的な装置が
図1に示されており、本明細書では数字100によって参照される。装置100は、スプライシングモジュール102、ウェブインデックス機構104、及びウェブアキュムレータ106を含む様々なサブアセンブリを含む。また、
図1に示すように、連続パターン化ウェブ108は、上述のサブアセンブリを通って、上に列挙したのと同じ順序で移動する。
【0015】
スプライシングモジュール102、ウェブインデックス機構104、及びウェブアキュムレータ106は協働して、スプライシング前、スプライシング中、及びスプライシング後に、ウェブ108を一定のライン速度で装置100から連続的に供給することを可能にする構成を提供する。有利なことに、この構成は、製造又は加工プロセス中の中断の必要性を排除し、スループットを最大化し、廃棄物を低減し、生産コストを低減するのに役立つ。
【0016】
装置内では、スプライシングモジュール102は第1のスピンドルを含み、そこからウェブ108が巻き出され、継ぎ合わされる。スプライシングモジュール102の下流に配置されたウェブインデックス機構104は、所定の速度でスプライシングモジュール102からのウェブ108に係合して引き出す。この速度は特に限定されず、ウェブインデックス機構104に動作可能に結合されたプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などのコンピュータによって制御することができる。
【0017】
ウェブインデックス機構104は、最小速度変動で連続ウェブに係合して移動させる任意の既知の方法を使用して動作することができる。好ましい実施形態では、ウェブインデックス機構104はプルニップから構成される。プルニップは、制御された方法でスプライシングモジュールからウェブ108を把持し引き出すために、共に押圧される一対のニップローラから構成される。ニップローラのうちの少なくとも1つは、ローラがウェブ108との良好な接触を維持し、スリッページを回避するように、低デュロメータ材料(例えば、ゴム)から作製されることが一般的である。モータは、一般に、ニップローラを駆動し、要求に応じてウェブ108を前進させるためにPLCに係合される。
【0018】
図1に更に示すように、ウェブインデックス機構104はまた、上部位置合わせセンサ109を含む。上部位置合わせセンサ109は、ウェブ108上の1つ以上の位置合わせ特徴を検出することができる。この能力は、次に、ウェブ108の位置合わせされたスプライスを作成するときにウェブ108の位置を正確な所定の位置に調整する際に、ウェブインデックス機構104を援助するために使用することができる。上部位置合わせセンサ109及びその動作の詳細については後述する。
【0019】
ウェブアキュムレータ106は、ウェブの下流に配置され、製造又は加工プロセスが一定のライン速度で継続している間に、コア変更及びウェブスプライシングが行われることを可能にする。ウェブアキュムレータは、任意の既知の構成を有することができる。
図1に示されるようなフェスツーン型のウェブアキュムレータが最も一般的であるが、水平コイルアキュムレータなどの他のものも可能である。
【0020】
図2は、スプライシングモジュール102の特徴をより詳細に示す。示されるように、スプライシングモジュール102は、第1の巻出しスピンドル110及び第2の巻出しスピンドル114を含む。ウェブ108’の新しいロール112が第1の巻出しスピンドル110に取り付けられており、ウェブ108の終了ロール116が第2の巻出しスピンドル114に取り付けられている。ウェブ108に継ぎ合わされる新しいロール112からのウェブ108’は、下部アイドラロール118、上部アイドラロール122の周りに案内され、第1のクランプ面129に固定された末端セグメントを有する。
【0021】
ここで、明確にするために、「パターン化ウェブ」という用語は、新しいロールからのパターン化ウェブ、終了ロールからのパターン化ウェブ、又はその両方を指すために使用することができることに留意されたい。適用可能な場合、符号108及び108’は、パターン化ウェブのこれらの部分を区別しており、これらの部分は、互いに継ぎ合わせられた後に最終的に1つの同じものになる。
【0022】
終了ロール116からのウェブ108は、下部アイドラロール120の周りに案内され、上部アイドラロール124を通過し、第2のクランプ面131、追加のアイドラロールを通過し、最終的にウェブインデックス機構104(スプライシングモジュール102の上方に位置し、
図2には示されていない)に供給される。この実施形態では、ウェブ108は第2のクランプ面131に接触しない。しかしながら、これらの本体間の摺動接触は、そのような接触がスプライシングモジュール102を通るウェブ108の搬送を妨げない限り、許容される。
【0023】
図2に更に示すように、スプライシングモジュール102は、第2のウェブインデックス機構によって更に支援される。任意選択的に、この第2のインデックス機構は、ピボットジョイント128から上方に延びて圧力ロール130で終端するアーム127を含む保持ニップ126によって提供される。要求に応じて、PLC又は他のコンピュータは、圧力ロール130とそれぞれの上部アイドラロール122、124との間にウェブ108’、108を挟むように、ピボットジョイント128の周りで時計回り又は反時計回りのいずれかにアームを回転させることができる。
【0024】
スプライシングモジュール102は更に、保持ニップ126の下流かつ第1及び第2のクランプ面129、131の上流に配置された一対の切断機構132、132’を含む。切断機構132、132’は、要求に応じてそれぞれのウェブ108、108’を切断するように構成され、コンピュータによって電子的に制御することができる。簡単な実施形態では、切断機構132、132’は、ウェブ108、108’をウェブ移動の方向に対して垂直に(かつ
図2の紙面に対して垂直に)スライスすることができる物理的ブレードから構成される。ここには示されていないが、ウェブ108又はウェブ108’のいずれかを選択的に切断することができる単一の切断機構を使用することが可能である。他の原理に基づく切断機構も、レーザ又は高圧ウォータージェットを使用するものを含む特定の用途に対して可能である。
【0025】
有利には、クランプ面129、131、保持ニップ126、及び切断機構132、132’は、位置合わせキャリッジ140の構成要素である。位置合わせキャリッジ140は、これらの構成要素が、互いに対して固定された位置を有しながら、ウェブ移動の方向に沿って集合的に並進することを可能にするモータに動作可能に結合される。ここで、図において、並進の方向は上向き又は下向きである。位置合わせキャリッジ140の並進は、スプライシングモジュール102の静止構成要素、特に、第1及び第2の巻出しスピンドル110、114並びに下部アイドラロール118、120に対して生じる。
図2に示すように、位置合わせキャリッジは、ウェブ移動方向に対してわずかな角度をなす方向に沿って移動することができ、これらの方向は、互いに正確に平行である必要はない。
【0026】
ウェブ108、108’に隣接して、下部位置合わせセンサ141、143があり、これらは、第1及び第2の巻出しスピンドル110、114の下流に、かつ下部アイドラロール118、120の上流に配置される。しかしながら、この特定の構成は例示的なものに過ぎず、下部位置合わせセンサ141、143は、位置合わせキャリッジ140の上流の、多数の位置のいずれかに固定された場合に、それらの目的を達成することができることを理解されたい。更に、上部位置合わせセンサ109は、位置合わせキャリッジ140の下流の、任意の位置に配置することができる。したがって、上部位置合わせセンサ109及び下部位置合わせセンサ141、143の両方は、位置合わせキャリッジ140から独立して移動する。
【0027】
図3は、スプライシング動作のプロセスにおけるスプライシングモジュール102を示す。この動作のステップは、
図2及び
図3の両方を参照して以下に説明される。
【0028】
まず、ウェブ108’は、第1の巻出しスピンドル110上の新しいロール112から供給され、第1のクランプ面129まで通される。ウェブ108’の末端セグメントは、片面接着テープ150(
図2にも示されている)を使用して第1のクランプ面129に取り付けることができ、片面接着テープの接着剤コーティング側は、対向する第2のクランプ面131に面する。接着テープ150は、
図2に示されるように、接着剤の一部がウェブ108’に直接接着される一方で、接着剤の残りが露出されたままであるように、ウェブ108’の末端セグメントをわずかに越えて延びる。接着テープ150自体は、一時的な接着剤、クリップ、又は任意の他の可逆的固定機構を使用して、空気圧で(例えば、吸引によって)第1のクランプ面129に固定することができる。例示的な実施形態では、このステップは、オペレータによって手動で実行されるが、所望であれば、このステップを自動化することができる。
【0029】
ウェブ108’の末端セグメントが第1のクランプ面129に固定された状態で、保持ニップ126を左方向に移動させて、圧力ロール130ウェブを上部アイドラロール122にクランプすることができる。これにより、位置合わせキャリッジ140がウェブ108’の終端セグメントを、一般にウェブ移動の方向に、それと共に上方に引っ張るのを援助するのに十分な固定が提供される。次に、PLCは、位置合わせキャリッジ140に結合されたサーボモータに指示して、位置合わせキャリッジを直線運動で上方に並進させ、ウェブ108’に張力を加えながら、新しいロール112から追加の材料を引っ張る。好ましい実施形態では、サーボモータ及び下部位置合わせセンサ143は、PLCを介して互いに通信する。
【0030】
ウェブ108’が引っ張られている間、PLCは、下部位置合わせセンサ143を使用して、新しいロール112からのウェブ108’上の所定の位置合わせ特徴を見つけることができる。位置合わせ特徴は、ウェブの位置についての情報を提供するウェブ108’上の任意の特徴的なマーキングであり得る。典型的には、位置合わせ特徴は、特徴的な画像、線、エッジ、パターン、又は色などの視覚的な印である。位置合わせ特徴は、場合によっては、隆起、溝、又はバンプなどの位相特徴に基づくことができる。
【0031】
視覚的な位置合わせ特徴の検出のために、所与の位置合わせセンサは、任意の程度の精巧さを有することができる。いくつかの実施形態では、センサは光学センサである。光学センサは、照明、レンズ、視覚処理、画像センシング、及び/又は通信のための構成要素の任意の組み合わせを使用することができる。特徴の検出は、光を電気信号に変換する電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)に基づくセンサを使用して達成することができる。これらの信号は、パターン化ウェブ108’上の特定の位置への信頼できる位置合わせを提供し、処理ソフトウェアによって認識されるのに十分な詳細を有するデジタル画像に処理することができる。位置合わせセンサから得られる位置情報の精度は、使用されるセンサに応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、230センチメートル/秒のライン速度に基づいて、20ミリ秒、10ミリ秒、又は更には5ミリ秒の繰り返し性が達成され得る。このライン速度において、5ミリ秒の繰り返し性は、約11マイクロメートルの空間分解能に対応する。
【0032】
この位置合わせ特徴が検出されると、位置合わせキャリッジ140の並進は直ちに停止し、装置100の基準フレームに対して位置合わせされた位置及び方向にウェブ108’を固定する。
【0033】
終了ロール116がほとんど使い果たされると、スプライシング動作を開始すべきであることを示す信号がPLCに送られる。次に、PLCは、ウェブインデックス機構104に動作可能に結合されたモータを作動させ、両方ともPLCを介して上部位置合わせセンサ109と通信する。モータによって支援されて、ウェブインデックス機構104は、終了ロール116からのウェブ108上の所定の位置合わせ特徴を検出するまで、スプライシングモジュール102を通して終了ロール116からのウェブ108に係合し、引っ張る。特に、ウェブ108を位置決めするために使用される位置合わせ特徴は、上記の先のステップにおいて下部位置合わせセンサ143によって検出された位置合わせ特徴と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。この位置合わせ特徴が検出されると、PLCは、ウェブ108を停止するようにウェブインデックス機構104に命令する。
【0034】
このとき、ウェブ108、108’のそれぞれの位置合わせ特徴は、クランプ面129、131の間で互いに正確に揃えられる。したがって、この例示的なプロセスで説明されるように、位置合わせキャリッジ140に取り付けられた保持ニップ126、及びウェブインデックス機構104は、新しいロール112及び終了ロール116上のパターン化ウェブ108、108’の位置合わせ特徴を互いに揃えるように独立して動作する。
【0035】
ウェブ108がスプライシングモジュール102内で停止している間、ウェブアキュムレータ106は、装置100全体が一定の所定の速度でウェブ108を供給し続けることを可能にする。この時点で、新しいロール及び終了ロールからのウェブ108の2つのセグメントは、第1及び第2のクランプ面129、131に沿って互いに揃えられる。次いで、PLCによって第1及び第2のクランプ面129、131が合わされ、ウェブ108、108’の間に位置合わせされたスプライスを作成する。
図3は、まさにこの瞬間におけるスプライシングモジュール102の構成を示す。
【0036】
次に、切断機構132を作動させて、ウェブ108を終了ロール116から切断する。切断されると、保持ニップ126と第1及び第2のクランプ面129、131とが係合解除され、新しいロール112がパターン化ウェブ108’の供給を開始する。
【0037】
この瞬間から、ウェブ108’の新しいロール112は最終的に新しい終了ロールとなり、以前の終了ロール116は廃棄され、新しいロールと交換され得る。有利なことに、スプライシングモジュール102の対称性は、更なるスプライシング動作が連続的に行われることを可能にし、新しいロール及び終了ロールは、各スプライシング動作後に位置を交換する。後続のスプライシング動作において、ロール112、116(及び関連するアイドラロール118、120)の指定が逆になる。更に、下部位置合わせセンサ141及び切断機構132’は、下部位置合わせセンサ143及び切断機構132の代わりに後続のスプライシング動作で使用される。
【0038】
上述した一連のステップの少なくともいくつかは、自動化された方法で実行されることが好ましい。この目的のために、PLC又は他のコンピュータの助けを借りて、様々なステップを指示し得る。例えば、コンピュータを使用して、位置合わせキャリッジ140を並進させること、終了ロール116の供給を停止すること、第1及び第2のクランプ面129、131を合わせること、及び位置合わせされたスプライスの下流でウェブ108を切断することを含む、説明した動作のうちの1つ以上を案内することができる。スプライシングプロセスの好ましい実施形態では、コンピュータを使用して、上記の順序でこれらのステップの全てを実行する。
【0039】
第2の実施形態が、
図4の装置200によって示されている。装置200は、オーバーラップスプライスではなく、パターン化ウェブのバットスプライス(butt-splice)を提供するように構成される。装置100と同様に、装置200は、巻出しスピンドル210、214、スプライシングモジュール202、ウェブインデックス機構204、及びウェブアキュムレータ206を含む、様々なサブアセンブリを含む。左位置合わせセンサ241及び右位置合わせセンサ243は、
図4及び
図5では省略されている連続パターンウェブ上の位置合わせ特徴を見つけるために配置される。パターン化連続ウェブは、上に列挙したのと同じ順序で前述のサブアセンブリを通って移動する。前述の装置100とは異なり、位置合わせキャリッジは存在せず、前述の構成要素の各々は、概して、単一の基準フレーム内に固定される。
【0040】
図5は、保持クランプ面270、272、第1及び第2のテールプルニップ260、262、並びに第1及び第2の切断ドラム264、266を含む、スプライシングモジュール202の特定の詳細を示す。第1及び第2の切断ドラム264、266はそれぞれ、一方の側にそれぞれの切断機構232’、232を有し、他方の側にそれぞれのクランプ面229、231を有する。一般に、装置200の動作は、装置200が可動キャリッジ上の保持ニップに基づくウェブインデックス機構を使用しないことを除いて、多くの点で装置100の動作と同様である。代わりに、第1及び第2のウェブインデックス機構は、新しいロールが第1又は第2の巻出しスピンドル210、214上にあるかどうかに応じて、ウェブインデックス機構204及びテールプルニップ260、262のいずれかによってそれぞれ提供される。
【0041】
例示的なプロセスでは、パターン化ウェブの新しいロールが、第1の巻出しスピンドル210に取り付けられ、スプライシングモジュール202まで通される。次に、テールプルニップ260によって張力が加えられ、テールプルニップ260は、ウェブを第1の切断ドラム264と第2の切断ドラム266との間の空間を通して引っ張り、所定の位置合わせ特徴が左位置合わせセンサ241によって検出されると直ちに停止する。
【0042】
第2の巻出しスピンドル214からの終了ロールが終了に近づくと、機械は、位置合わせセンサ209とインターフェースするウェブインデックス機構204を使用して、所定の位置合わせ特徴を検出し、ウェブの終了部分を適切な位置合わせ位置にロックする。この位置に達すると、ウェブがスプライシングモジュール202内で停止し、一方でウェブアキュムレータ206により、上流の加工又は製造機器は稼働し続けることができる。
【0043】
この時点で、新しいロール及び終了ロールからのウェブの部分は、相互に揃えられ、保持クランプ面270、272が一緒になることを可能にする。次に、ウェブの終端部は、ウェブの新しいセクション及び終了セクションを切断し、次に、それらを接着剤付きテープのストリップで互いに直ちに継ぎ合わせることによって形成される。これらの動作は両方とも、(1)切断機構232、232’がウェブを切断する切断方向と、(2)対向する第1及び第2のクランプ面229、231のうちの1つが、予め取り付けられた接着剤付きテープを切断部にわたって適用するテーピング方向との間で切り替わるように、瞬時に180°回転する第1及び第2の切断ドラム264、266を使用して、迅速に連続して実行することができる。クランプ面229、231を分離した後、ウェブアキュムレータ206を一時停止し、上流の製造又は加工プロセスを再開することができる。次に、終了ロールを新しいロールと交換することができる。
【0044】
ここで、新しいロール及び終了のロールは、第1及び第2の巻出しスピンドル210、214上で逆転され、上記の他の鏡像スプライス構成要素の機能も同様に切り替えられる。更なる選択肢及び利点が装置200に適用されるが、これは装置100に関してすでに説明したものと本質的に類似しており、ここで繰り返す必要はない。
【0045】
特許状に関する上記特許出願において引用された全ての文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、当業者が、特許請求の範囲に記載の開示を実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。
【国際調査報告】