(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】一体型摺動台座を伴うコールドプレートおよびそれを含む処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 23/40 20060101AFI20240222BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20240222BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240222BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L23/40 Z
H01L23/46 Z
H01L23/36 D
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554844
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022018277
(87)【国際公開番号】W WO2022192031
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナスル,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ナボヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】オング,アルドリッチ チェスター エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジェフリー ジョン
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA10
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB06
5E322AB07
5E322AB11
5E322DA00
5E322FA01
5F136BA02
5F136BC07
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA42
5F136DA43
5F136EA43
(57)【要約】
一体型摺動台座を伴うコールドプレートおよびそれを含む処理システムが提供される。一態様では、処理システムは、プリント回路基板(PCB)と、PCB上に配置された第1の電子構成要素と、第1の電子構成要素上に配置された熱界面材料(TIM)とを含む。システムは、TIM上に配置された少なくとも1つの摺動台座を含む。摺動台座は、PCBから可変距離だけ離間するように構成される。システムはまた、摺動台座の上に配置され、摺動台座に冷却剤を提供し、第2の電子構成要素を冷却するように構成されたコールドプレートを含む。
【選択図】
図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理システムであって、
プリント回路基板(PCB)上に配置された第1の電子構成要素であって、該第1の電子構成要素は、該PCBの主表面に垂直な第1の方向に高さを有する、第1の電子構成要素と、
前記第1の電子構成要素の上に配置された熱界面材料(TIM)層と、
該TIM層の上に配置された摺動台座であって、該摺動台座は前記PCBから前記第1の方向に可変距離だけ離間するように構成された、摺動台座と、
前記摺動台座の上に配置され、第2の電子構成要素を冷却し、前記摺動台座に冷却剤を供給して、前記摺動台座および前記TIM層を介して前記第1の電子構成要素を冷却するように構成されたコールドプレートとを備える、処理システム。
【請求項2】
前記摺動台座は、
前記コールドプレートから前記冷却剤を受け取るように構成された入口と、
前記冷却剤を前記コールドプレートに戻すように構成された出口と、
前記入口と前記出口との間に配置され、前記第1の電子構成要素を冷却するために前記冷却剤と前記第1の電子構成要素との間に熱伝達を提供するように構成されたフィンアレイとを備える、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記摺動台座が前記第1の方向に移動するときに前記摺動台座と前記コールドプレートとの間の流体シールを維持するように構成された一対のOリングをさらに備える、請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記コールドプレート上に配置された第2のPCBをさらに備え、前記第2の電子構成要素は、該第2のPCBと前記コールドプレートとの間に配置され、前記第2の電子構成要素は、前記第1の方向に第2の高さを有する、請求項1に記載の処理システム。
【請求項5】
前記コールドプレートは、前記第2の電子構成要素を冷却するように構成されたフィンアレイを備える、請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記コールドプレートと前記第2の電子構成要素との間に配置された第2の摺動台座をさらに備え、該第2の摺動台座は、前記第2のPCBから前記第1の方向に第2の可変距離だけ離間するように構成される、請求項4に記載の処理システム。
【請求項7】
前記第1の電子構成要素は第1のプロセッサチップを備え、前記処理システムは、
前記PCB上に配置された第2のプロセッサチップであって、該第2のプロセッサチップは前記第1の方向に第2の高さを有する、第2のプロセッサチップと、
前記第2のプロセッサチップの上に配置された第2のTIM層と、
該第2のTIM層の上に配置された第2の摺動台座であって、該第2の摺動台座は前記PCBから前記第1の方向に第2の可変距離だけ離間するように構成される、第2の摺動台座とをさらに備える、請求項1に記載の処理システム。
【請求項8】
前記コールドプレートは、前記冷却剤が流れるように構成された経路を画定するマニホールドを備え、該マニホールドは、
前記冷却剤を受け取るように構成された入口と、
前記冷却剤の流れを前記摺動台座および前記第2の摺動台座の各々に送るように構成された該経路における分割部と、
前記冷却剤がそれを通って前記コールドプレートから出るように構成された出口とを備える、請求項7に記載の処理システム。
【請求項9】
前記PCB上に配置された第3の電子構成要素と、
前記第2の電子構成要素の上に配置された第3のTIM層とをさらに備え、
前記コールドプレートは、該第3のTIM層の上に配置された固定ギャップ台座をさらに備え、
前記マニホールドは、前記第2の電子構成要素を冷却するために前記固定ギャップ台座の上を流れるように前記冷却剤を方向付けるようにさらに構成される、請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
前記第1の電子構成要素は第1のプロセッサチップを備え、前記処理システムは、
前記PCBの下に配置されたばね荷重バックプレートであって、前記PCBに向かって前記プロセッサチップを引っ張るように構成された該ばね荷重バックプレートをさらに備える。請求項1に記載の処理システム。
【請求項11】
前記摺動台座は、
台座本体と、
該台座本体内に封入されたフィンアレイと、
該フィンアレイを通る前記冷却剤の流れをガイドするように構成されたバイパスシールとを備える、請求項1に記載の処理システム。
【請求項12】
前記摺動台座は、
前記台座本体内に前記フィンアレイを固定するように構成されたフィン蓋と、
前記摺動台座を前記コールドプレートにシールするように構成された一対のOリングとをさらに備える、請求項11に記載の処理システム。
【請求項13】
前記コールドプレートは、前記摺動台座の一部を受け入れるように構成されたシリンダを備える、請求項11に記載の処理システム。
【請求項14】
少なくとも1つの集積回路ダイを冷却するためのシステムであって、
プリント回路基板(PCB)上に配置された集積回路ダイを覆うように寸法決めされた摺動台座であって、該摺動台座は冷却剤を受け取るための入口および該冷却剤を出力するための出口を備え、前記摺動台座は、前記摺動台座と該集積回路ダイとの間の距離を調整するように移動可能である、摺動台座と、
前記摺動台座と接続可能なコールドプレートであって、前記集積回路ダイを冷却するために前記摺動台座に前記冷却剤を供給し、電子構成要素を冷却するように構成される該コールドプレートとを備える、システム。
【請求項15】
第2の集積回路ダイを覆うように寸法決めされた第2の摺動台座であって、前記冷却剤を受け取るための入口および前記冷却剤を出力するための出口を備える該第2の摺動台座をさらに備え、前記第2の摺動台座は、前記第2の摺動台座と前記第2の集積回路ダイとの間の距離を調整するように移動可能であり、
前記コールドプレートは、前記第2の摺動台座とさらに接続可能であり、前記コールドプレートは、前記第2の集積回路ダイを冷却するために前記第2の摺動台座に前記冷却剤を供給するようにさらに構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コールドプレートは、前記冷却剤が流れるように構成された経路を画定するマニホールドを備え、該マニホールドは、
前記冷却剤を受け取るように構成された入口と、
前記冷却剤の流れを前記摺動台座および第2の摺動台座の各々に送るように構成された該経路における分割部と、
前記冷却剤がそれを通って前記コールドプレートから出るように構成された出口とを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記マニホールドが、1つまたは複数のプリント回路基板上の電子機器を冷却するように構成されたフィン構造をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記摺動台座および前記第2の摺動台座は、前記コールドプレートの両側に配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記摺動台座および前記第2の摺動台座は、前記コールドプレートの同じ側に配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
製造の方法であって、
プリント回路基板(PCB)上の集積回路(IC)ダイ上に、該ICダイと前記摺動台座との間に配置された熱界面材料(TIM)層を伴う摺動台座を設けるステップと、
前記摺動台座を前記ICダイ上に固定するためにばね荷重バックプレートを取り付けるステップであって、前記摺動台座は、前記取り付け後に前記PCBから前記第1の方向に可変距離だけ離間するように構成された、ステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記摺動台座の入口および出口にOリングを設けるステップと、
前記摺動台座がコールドプレートと前記PCBとの間に配置された状態で、前記摺動台座の該入口および該出口をコールドプレートに接続するステップとをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記摺動台座が、入口で冷却剤を受け取り、出口で該冷却剤を出力するように構成される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年3月8日に出願された「COLD PLATE WITH INTEGRATED SLIDING PEDESTAL AND PROCESSING SYSTEM INCLUDING THE SAME(一体型摺動台座を伴うコールドプレートおよびそれを含む処理システム)」と題する米国仮特許出願第63/158260号の利益を主張し、その開示はその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、冷却構成要素に関し、より具体的には、1つまたは複数の電子構成要素を冷却することに関する。
【背景技術】
【0003】
処理システムは、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの複数の構成要素を含むことができる。そのような構成要素は、動作中に熱を生成し、その結果、構成要素を冷却することにより、構成要素の性能を改善することができ、および/または構成要素が故障することなく高温環境で動作することを可能にする。したがって、処理システムの全体的な性能を改善するために、処理システム内の1つまたは複数の構成要素に冷却を提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、処理システムが提供され、処理システムは、プリント回路基板(PCB)上に配置された第1の電子構成要素であって、第1の電子構成要素は、PCBの主表面に垂直な第1の方向に高さを有する、第1の電子構成要素と、第1の電子構成要素の上に配置された熱界面材料(TIM)層と、TIM層の上に配置された摺動台座であって、摺動台座はPCBから第1の方向に可変距離だけ離間するように構成された、摺動台座と、摺動台座の上に配置され、第2の電子構成要素を冷却し、摺動台座に冷却剤を供給して、摺動台座およびTIM層を介して第1の電子構成要素を冷却するように構成されたコールドプレートとを備える。
【0005】
いくつかの実施形態では、摺動台座は、コールドプレートから冷却剤を受け取るように構成された入口と、冷却剤をコールドプレートに戻すように構成された出口と、入口と出口との間に配置され、第1の電子構成要素を冷却するために冷却剤と第1の電子構成要素との間に熱伝達を提供するように構成されたフィンアレイとを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、処理システムは、摺動台座が第1の方向に移動するときに摺動台座とコールドプレートとの間の流体シールを維持するように構成された一対のOリングをさらに備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、処理システムは、コールドプレート上に配置された第2のPCBをさらに備え、第2の電子構成要素は、第2のPCBとコールドプレートとの間に配置され、第2の電子構成要素は、第1の方向に第2の高さを有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、コールドプレートは、第2の電子構成要素を冷却するように構成されたフィンアレイを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、処理システムは、コールドプレートと第2の電子構成要素との間に配置された第2の摺動台座をさらに備え、第2の摺動台座は、第2のPCBから第1の方向に第2の可変距離だけ離間するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の電子構成要素は第1のプロセッサチップを備え、処理システムは、PCB上に配置された第2のプロセッサチップであって、第2のプロセッサチップは第1の方向に第2の高さを有する、第2のプロセッサチップと、第2のプロセッサチップの上に配置された第2のTIM層と、第2のTIM層の上に配置された第2の摺動台座であって、第2の摺動台座はPCBから第1の方向に第2の可変距離だけ離間するように構成される、第2の摺動台座とをさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、コールドプレートは、冷却剤が流れるように構成された経路を画定するマニホールドを備え、マニホールドは、冷却剤を受け取るように構成された入口と、冷却剤の流れを摺動台座および第2の摺動台座の各々に送るように構成された経路における分割部と、冷却剤がそれを通ってコールドプレートから出るように構成された出口とを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、請求項8に記載の処理システムは、PCB上に配置された第3の電子構成要素と、第2の電子構成要素の上に配置された第3のTIM層とをさらに備え、コールドプレートは、第3のTIM層の上に配置された固定ギャップ台座をさらに備え、マニホールドは、第2の電子構成要素を冷却するために固定ギャップ台座の上を流れるように冷却剤を方向付けるようにさらに構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の電子構成要素は第1のプロセッサチップを備え、処理システムは、PCBの下に配置されたばね荷重バックプレートであって、PCBに向かってプロセッサチップを引っ張るように構成されたばね荷重バックプレートをさらに備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、摺動台座は、台座本体と、台座本体内に封入されたフィンアレイと、フィンアレイを通る冷却剤の流れをガイドするように構成されたバイパスシールとを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、摺動台座は、台座本体内にフィンアレイを固定するように構成されたフィン蓋と、摺動台座をコールドプレートにシールするように構成された一対のOリングとをさらに備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、コールドプレートは、摺動台座の一部を受け入れるように構成されたシリンダを備える。
【0017】
別の態様は、少なくとも1つの集積回路ダイを冷却するためのシステムで、プリント回路基板(PCB)上に配置された集積回路ダイを覆うように寸法決めされた摺動台座であって、摺動台座は冷却剤を受け取るための入口および冷却剤を出力するための出口を備え、摺動台座は、摺動台座と集積回路ダイとの間の距離を調整するように移動可能である、摺動台座と、摺動台座と接続可能なコールドプレートであって、集積回路ダイを冷却するために摺動台座に冷却剤を供給し、電子構成要素を冷却するように構成されるコールドプレートとを備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムは、第2の集積回路ダイを覆うように寸法決めされた第2の摺動台座であって、冷却剤を受け取るための入口および冷却剤を出力するための出口を備える第2の摺動台座をさらに備え、第2の摺動台座は、第2の摺動台座と第2の集積回路ダイとの間の距離を調整するように移動可能であり、コールドプレートは、第2の摺動台座とさらに接続可能であり、コールドプレートは、第2の集積回路ダイを冷却するために第2の摺動台座に冷却剤を供給するようにさらに構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、コールドプレートは、冷却剤が流れるように構成された経路を画定するマニホールドを備え、マニホールドは、冷却剤を受け取るように構成された入口と、冷却剤の流れを摺動台座および第2の摺動台座の各々に送るように構成された経路における分割部と、冷却剤がそれを通ってコールドプレートから出るように構成された出口とを備える。コールドプレートは、プリント回路基板上の他の電子機器を冷却するために使用される固定ギャップ台座を含むことができる。これらの固定ギャップ台座は、コールドプレート構造の一部であるか、またはろう付け、接着などによって機械的に取り付けられてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、マニホールドは、1つまたは複数のプリント回路基板上の電子機器を冷却するように構成されたフィン構造をさらに備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、摺動台座および第2の摺動台座は、コールドプレートの両側に配置される。
【0022】
いくつかの実施形態では、摺動台座および第2の摺動台座は、コールドプレートの同じ側に配置される。
【0023】
さらに別の態様は、プリント回路基板(PCB)上の集積回路(IC)ダイ上に、ICダイと摺動台座との間に配置された熱界面材料(TIM)層を伴う摺動台座を設けるステップと、摺動台座をICダイ上に固定するためにばね荷重バックプレートを取り付けるステップであって、摺動台座は、前記取り付け後にPCBから第1の方向に可変距離だけ離間するように構成された、ステップとを含む、製造の方法である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、摺動台座の入口および出口にOリングを設けるステップと、摺動台座がコールドプレートとPCBとの間に配置された状態で、摺動台座の入口および出口をコールドプレートに接続するステップとをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、摺動台座は、入口で冷却剤を受け取り、出口で冷却剤を出力するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の態様による部分的に組み立てられた処理システムの断面図である。
【0027】
【
図2】本開示の態様による固定ギャップヒートシンクを有する処理システムの断面図である。
【0028】
【
図3】本開示の態様による電子構成要素を冷却するための熱スタックの断面図である。
【0029】
【
図4】本開示の態様による摺動台座を有する処理システムの分解図である。
【0030】
【
図5A】本開示の態様による摺動台座の垂直移動を示す処理システムの断面図である。
【
図5B】本開示の態様による摺動台座の垂直移動を示す処理システムの断面図である。
【
図5C】本開示の態様による摺動台座の垂直移動を示す処理システムの断面図である。
【0031】
【
図6A】本開示の態様によるコールドプレートおよび摺動台座のための一例示的なマニホールド設計を示す図である。
【
図6B】本開示の態様によるコールドプレートおよび摺動台座のための一例示的なマニホールド設計を示す図である。
【0032】
【
図7】本開示の態様によるコールドプレートの両側に配置された摺動台座を伴う処理システムの分解図である。
【0033】
【
図8】本開示の態様による
図6Aおよび
図6Bのコールドプレートのための例示的なマニホールドと、2つのプリント回路基板(PCB)と共に組み立てられた摺動台座との断面図である。
【0034】
【
図9】本開示の態様による固定ギャップコールドプレート設計および摺動台座コールドプレート設計の最大冷却剤動作温度を示すグラフである。
【0035】
【
図10A】本開示の態様によるコールドプレートのための一例示的なマニホールドの外観図である。
【
図10B】本開示の態様によるコールドプレートおよび摺動台座のための一例示的なマニホールドの外観図である。
【0036】
【
図11A】本開示の態様による例示的なマニホールドの内部図である。
【
図11B】本開示の態様による例示的なマニホールドの内部図である。
【0037】
【
図12A】本開示の態様による処理システムに接続することができる一例示的な摺動台座設計の分解図である。
【
図12B】本開示の態様による処理システムに接続することができる一例示的な摺動台座設計の分解図である。
【0038】
【
図13】本開示の態様による一例示的な摺動台座を通る冷却剤の流れを示す図である。
【0039】
【
図14A】本開示の態様による例示的な摺動台座のいくつかの図を示す図である。
【
図14B】本開示の態様による例示的な摺動台座のいくつかの図を示す図である。
【
図14C】本開示の態様による例示的な摺動台座のいくつかの図を示す図である。
【0040】
【
図15】本開示の態様による例示的なマニホールド設計に結合することができる別の例示的な摺動台座を示す図である。
【0041】
【
図16A】本開示の態様により採用することができるシール構成の異なる実施形態を示す図である。
【
図16B】本開示の態様により採用することができるシール構成の異なる実施形態を示す図である。
【
図16C】本開示の態様により採用することができるシール構成の異なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義および包含されるように、多数の異なる方法で具現化することができる。この説明では、同様の参照番号および/または用語が同一または機能的に同様の要素を示すことができる図面を参照する。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0043】
処理システム(例えば、マルチチップモジュール、集積回路アセンブリなど)の1つの重要な設計上の考慮事項は、1つまたは複数のプリント回路基板(PCB)上に配置された電子構成要素の冷却である。特に、電子構成要素は、所与の温度範囲内で最も効率的に動作し得る。したがって、電子構成要素によって生成した熱は、最も効率的な動作のために電子構成要素の温度を温度範囲を超えて上昇させ、性能の低下、最悪の場合にはシャットダウンにつながる可能性がある。典型的には、電子構成要素の温度を所望の温度範囲内またはそれに近い温度範囲に維持し、それによって処理システムの性能を改善するために冷却が必要である。
【0044】
本開示の態様は、コールドプレートの片側または両側に摺動台座(「浮動」台座とも呼ばれる)を伴う両側コールドプレートを含むことができる冷却システム設計に関する。2つのプリント回路基板アセンブリ(PCBA)をコールドプレートの両側に設置することができる。摺動台座は、いずれかのPCBA上の主な放熱構成要素への低減された熱抵抗の経路の使用を可能にする。この設計では、コールドプレートのバルクまたは本体は、(i)冷却剤流を台座ごとに所望に応じて摺動台座に分配するためのマニホールドとして作用すること、(ii)摺動台座によって冷却されないPCBA上の残りの放熱構成要素を冷却するための調整可能な内部フィンの密度を有すること、および(iii)冷却されたPCBAに機械的に取り付け、それらを撓みからしっかりと支持することを含む複数の目的を果たし得る。マニホールドはまた、産業で通常使用される可撓性ホースと比較してルーティングの信頼性の高い方法であり、システムのより高い性能係数を生成するより低いシステム圧力降下を可能にする。
【0045】
摺動台座は、冷却チャネルを介して処理システムの1つまたは複数の比較的高出力の電子構成要素を冷却するために使用することができる。1つまたは複数の電子構成要素は、プロセッサまたは他の集積回路ダイを含むことができる。摺動台座は、コールドプレート本体と摺動台座との間の流体シールを維持しながら垂直方向に移動する可撓性を有する。摺動台座は、高出力電子構成要素との比較的低いインピーダンスの熱界面を提供することができ、それは冷却能力の増加およびより良好な性能をもたらすことができる。低インピーダンス熱界面は、PCBの背面に取り付けられたばね荷重クリップを用いて、摺動台座と高出力ASICとの間の熱界面材料を圧縮することによって達成することができる。
【0046】
本開示のさらなる態様は、コンパクトな空間における単一の冷却溶液で信頼性の高い動作のために様々なレベルの冷却効率を提供することができる1つまたは複数のPCBAのための冷却溶液を提供する。そのような態様は、専用の冷却溶液には不十分なスペースおよび/または法外なコストがある高出力密度チップの熱界面インピーダンスによる性能限界の技術的課題に対処することができる。
【0047】
図1は、本開示の態様による部分的に組み立てられた処理システム100の断面図である。
図1に示すように、処理システム100は、複数の電子構成要素104a~104dが配置されるPCB102を含む。一例では、電子構成要素104a~104dは、2つの高出力プロセッサ104aおよび104bならびに2つの他の電気構成要素104cおよび104cを含む。いくつかの用途では、高出力プロセッサ104aおよび104bは、オートパイロット(AP)運転、他の自律型車両機能、先進運転支援システム(ADAS)機能、または車両のインフォテインメントシステムに関連付けられた計算の少なくとも一部を実行するように構成されてもよい。しかしながら、本開示の態様はこれに限定されず、電子構成要素104a~104dは、特定の用途に応じて様々な機能を実行するように構成されてもよい。
【0048】
様々な用途において、電子構成要素104a~104dの性能を改善し、より高い信頼性で高温環境において動作することを可能にするために、電子構成要素104a~104dのうちの1つまたは複数に冷却を提供することが望ましい場合がある。個々の電子構成要素104a~104dの設計により、電子構成要素104a~104dは、異なる高さを有し得、したがって、PCB102からZ方向に異なる距離だけ延在し得る(例えば、PCB102の主表面またはPCB102によって画定される平面に垂直な方向)。異なる構成要素(例えば、高出力プロセッサ104aおよび104bならびに他の電気構成要素104cおよび104c)の使用に起因する電子構成要素104a~104dの高さの差に加えて、例えば、電子構成要素104a~104d自体および冷却溶液を使用する任意の他の材料の公差に起因して、同じタイプの電子構成要素104a~104dの高さにも変動があり得る。
【0049】
図1の電子構成要素104a~104dを冷却するために使用することができる1つの技術は、固定ギャップヒートシンクである。
図2は、本開示の態様による固定ギャップヒートシンク204を有する処理システム200の断面図である。
図2に示すように、処理システム200は、PCB102と、複数の電子構成要素104a~104dと、複数の熱界面材料(TIM)層202a~dと、ヒートシンク204とを含む。上述したように、個々の電子構成要素104a~104dは、異なる高さを有し得、したがって、Z方向においてPCB102から異なる距離だけ延在し得る。電子構成要素104a~104dに冷却を提供するために、ヒートシンク204は、複数の台座206と、複数のフィン208と、複数のスタンドオフ210とを含む。台座206の各々は、例えば、TIM層202a~dの対応するものを介して、電子構成要素104a~104dの対応するものに接触するように構成されてもよい。したがって、ヒートシンク204は、台座206およびTIM層202a~dを介して形成された熱接続を介して電子構成要素104a~104dの各々から熱を放散して電子構成要素104a~104dを冷却するように構成することができる。
【0050】
電子構成要素104a~104dによって生成した熱を放散するために、台座206の各々は、対応する電子構成要素104a~104dの高さに対応するヒートシンク204の本体からある距離だけ延在してもよい。
図2の処理システム200は、ヒートシンク204が異なる高さを有する電子構成要素104a~104dを冷却することを可能にするが、ヒートシンク204とそれぞれの電子構成要素104a~104dとの間の固定ギャップを使用すると、製造に起因する電子構成要素104a~104dの公差の変動に起因して生じる電子構成要素104a~104dの高さの変動を十分に考慮することができない場合がある。この技術的問題は、異なる高さおよび/または異なる公差を有し得る、いくつかの電子構成要素104a~104dを冷却するように設計された冷却溶液に複合され得る。
【0051】
台座206とそれぞれの電子構成要素104a~104dとの間のギャップの変動を考慮することができる1つの方法は、公差に起因する台座206と電子構成要素104a~104dとの間の可能な最大ギャップを考慮するのに十分な厚さを伴うTIM層202a~202dを提供することである。したがって、TIM層202a~dは、電子構成要素104a~104dと台座206との間のギャップの公差を吸収することができる。
【0052】
しかしながら、ギャップの公差を吸収するのに十分な厚さを有するTIM層202a~202dを使用することにはいくつかの欠点があり得る。例えば、TIM層202a~202dは、電子構成要素104a~104dと台座206との間の熱経路における他の材料と比較するとき、比較的高い熱インピーダンスを有し得る。例えば、熱経路に使用することができる特定の材料には、約150W/mKの熱伝導率を有するアルミニウム、約350W/mKの熱伝導率を有する銅、および約150W/mKの熱伝導率を有するシリコンが含まれる。対照的に、典型的なTIMは、約10W/mK以下の熱伝導率を有する。したがって、TIM層は、特定の用途において、同じ厚さのアルミニウム層よりも少なくとも約15倍低い熱性能を有することができる。その比較的高い熱伝導率のために、電子構成要素104a~104dと台座206との間のギャップの公差を吸収するのに十分な厚さを伴う1つまたは複数のTIM層202a~202dを提供することは、熱経路に追加の熱抵抗を導入し、それによって冷却溶液の効率を低下させる可能性がある。
【0053】
電子構成要素と対応する台座との間に固定ギャップを含むことの別の欠点は、公差が合計して、電子構成要素104a~104dと台座206との間の公称ギャップ未満のギャップを提供する場合に関する。本明細書で使用される場合、「公称ギャップ」という用語は、一般に、電子構成要素104a~104d、台座206、およびスタックにおける任意の他の構成要素の高さがそれらの設計高さから変化しないギャップを指す。ギャップが公称ギャップよりも小さいとき、ヒートシンク204がPCB102に取り付けられると、TIM層202a~202dが圧縮され得、電子構成要素104a~104dに追加の圧力が加えられる。この追加の圧力は、経時的に電子構成要素104a~104dを損傷し得る。
【0054】
図3は、本開示の態様による電子構成要素を冷却するための熱スタック300の断面図である。
図3に示すように、熱スタック300は、PCB102と、基板302と、ダイ304と、第1のTIM層303と、蓋306と、第2のTIM層305と、台座206および1つまたは複数の対流構成要素308を含むヒートシンク204とを含む。第2のTIM層305は、
図2のTIM層202a~202dに対応することができる。1つまたは複数の対流構成要素308は、冷却剤(例えば、液体冷却剤または気体冷却剤)および冷却フィンを含むことができる。いくつかの実装形態では、基板302、ダイ304、第1のTIM層303、および蓋306は一緒に電子構成要素(例えば、
図1および/または
図2の電子構成要素104a~104dのうちの1つ)を形成する。熱スタック300における材料の各々は、冷却剤からダイ304への総温度上昇に寄与し得る。
【0055】
熱スタック300では、第2のTIM層305は、熱スタック300の全温度上昇の最大寄与を有することができる。例えば、熱スタック300の分析は、第2のTIM層305が熱スタック300の全温度上昇の約30%に寄与することができることを示す。したがって、第2のTIM層305は、冷却効率に関して熱スタック300のボトルネックとなり得る。第2のTIM層305の温度上昇寄与を小さくすることで、サーマルスタック300の冷却効率を向上させることができる。第2のTIM層305の熱インピーダンスを低減することができる1つの方法は、第2のTIM層305の厚さを低減することである。熱スタック300の公差に関連する上述の技術的問題の一部またはすべてに対処しながら、第2のTIM層305の厚さを低減することを可能にする本開示の実施形態が本明細書で提供される。これにより、ダイ304と冷却剤との間の温度上昇を低減し得、プロセッサをより高い冷却剤温度で実行させることが可能である。
【0056】
図4は、本開示の態様による摺動台座410を伴う処理システム400の分解図である。
図4を参照すると、処理システム400は、媒体制御ユニット(MCU)PCB 402と、第1のTIM層404と、コールドプレート204と、複数のOリング408と、一対の摺動台座410と、第2および第3のTIM層202と、一対の高出力プロセッサ104と、プロセッサPCB102と、一対のばね荷重バックプレート416とを含む。
【0057】
コールドプレート204は、MCU PCB 402の少なくとも一部と高出力プロセッサ104の両方を冷却するように構成され得る。本開示の実施形態は、高出力プロセッサ104を含むものとして説明されているが、本開示はこれに限定されない。特に、いくつかの他の実施形態では、摺動台座410を使用して、高出力プロセッサ104以外の電子構成要素を冷却することができる。例えば、本明細書に開示される任意の適切な原理および利点による摺動台座は、任意の適切な集積回路ダイ、プロセッサチップなどを冷却するように構成された冷却システムに実装することができる。摺動台座410は、
図4のそれぞれのプロセッサ104を覆うように寸法決めされる。プロセッサ104は、集積回路ダイの例である。
【0058】
摺動台座410の各々は、Oリング408を介してコールドプレート204にシールされてもよいが、依然として摺動台座410がコールドプレート204に対してZ方向に自由に移動することを可能にする。特定の実施形態では、摺動台座410は、高出力プロセッサ104の高さの公差のあらゆる変動を補償するように、PCB102からZ方向に可変距離だけ離間されてもよい。
【0059】
摺動台座410はZ方向に固定されていないが、設置後に摺動台座410がZ方向に大きく移動しない場合がある。しかしながら、特定の状況下では、摺動台座410は、設置後にZ方向に移動し得る。例えば、熱スタックにおける1つまたは複数の構成要素は、温度変化下で膨張および/または収縮し得る。したがって、摺動台座410は、そのような膨張/収縮に基づいてZ方向に移動し得る。摺動台座410は、処理システム400の使用を使用してZ位置を動的に調整することができる。さらに、特定の実施形態ではOリング408を使用し得るが、いくつかの他の実施形態では、可撓性ホース接続などの他の接続構成要素を使用して摺動台座410をコールドプレート204にシールし得る。
【0060】
少なくとも
図6に関連して説明したように、コールドプレート204は、摺動台座410、第2および第3のTIM層202、ならびに高出力プロセッサ104を含む熱スタックから熱を引き出すために、摺動台座410を通って冷却剤を送るように少なくとも部分的に機能することができる。高出力プロセッサ104と同じレベルの冷却の仕様を有さない他の電気構成要素の場合、コールドプレート204は、これらの他の電気構成要素を冷却するために固定ギャップ(例えば、
図2に示すように)を伴う台座を含み得る。
【0061】
図4の実施形態は、一対の高出力プロセッサ104を冷却するように構成された一対の摺動台座410と共に示されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、単一の摺動台座410と高出力プロセッサ104との対、または3つ以上の摺動台座410と高出力プロセッサ104との対が設けられてもよい。特定の用途では、いくつかの他の実施形態においてMCU PCB 402上のプロセッサ(
図4には図示せず)を冷却するために、コールドプレートと第1のTIM層404との間に追加の摺動台座410が設けられ得、それによってコールドプレート204の両側に摺動台座410を設け得る。
【0062】
本明細書に記載の摺動台座構造の態様は、熱源(例えば、高出力プロセッサ104を含む電子構成要素)の熱界面インピーダンスを低減しながら、限られた容積において様々なレベルの電力密度で電子構成要素を冷却するために使用することができる。主コールドプレート204および摺動台座410は、冷却機能のための熱伝導性材料で形成することができ、コンプライアントシール(例えば、Oリング408またはガスケット)を使用して、摺動台座410とコールドプレート204との間にシールを提供することができる。コールドプレート204は、冷却効率を調整するために様々な内部冷却フィン形状を採用することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、コールドプレート204は、流れを摺動台座410に実質的に均一に分配すること、高密度フィンアレイを伴うMCU PCB 402上の電子構成要素(例えば、プロセッサチップ)を冷却すること(高効率冷却を提供することができる)、およびコールドプレート204内に画定された主チャネルを介してプロセッサPCB102およびMCU PCB 402上の低電力電子構成要素を冷却することを含む、少なくとも3つの異なる機能を果たすことができる。
【0064】
摺動台座410は、垂直方向に拘束されていなくてもよく、固定ギャップの実装形態と比較して、冷却剤と高出力プロセッサ104との間の比較的低いインピーダンスの熱界面を可能にする。摺動台座410は、組み立て後に垂直に移動するように構成される。摺動台座410とコールドプレート204との間の流体シールは、摺動台座410の入口および出口上の半径方向Oリング408の圧縮によって動的に維持することができる。摺動台座410の各々は、高出力プロセッサ104の冷却効率を改善するために高密度フィンアレイを含むことができる。
【0065】
ばね荷重バックプレート416は、摺動台座410をプロセッサPCB102上に引き下げて、高出力プロセッサ104に実質的に均一な圧力を加え、それによって熱界面インピーダンスを低減するように構成することができる。摺動台座410がZ方向に移動することを可能にすることによって、摺動台座410と高出力プロセッサ104との間に加えられる圧力は、電気チップ公差の変動から分離することができ、それによって、圧力がばね荷重バックプレート416によって設定されることを可能にする。
【0066】
加えて、摺動台座410とコールドプレート204との間の界面は、摺動台座410を保持するように構成された機械的リテーナを含むことができ、それにより、コールドプレート204のマニホールド内の冷却剤圧力は、摺動台座410がコールドプレート204から切り離されるまで摺動台座410をコールドプレート204から遠くに押すことができない。
【0067】
図5A~
図5Cは、本開示の態様による摺動台座410の垂直移動を示す処理システム500の様々な断面図を示す。
図5A~
図5Cに示す実施形態の処理システム500は、高出力プロセッサ104とコールドプレート204との間に配置された単一の摺動台座410を含み得る。
図5A~
図5Cは、単一の摺動台座410が使用される実施形態を示しているが、本開示はこれに限定されず、PCB102上に配置された他の電子構成要素を冷却するために複数の摺動台座410を設置することができる。
【0068】
TIM層202は、高出力プロセッサ104と摺動台座410との間に配置される。固定ギャップ実装とは対照的に、TIM層202は、固定ギャップ実装で使用されるTIM層202よりも大幅に薄い厚さを有するように形成されてもよい。摺動台座410がZ方向に拘束されていないので、摺動台座410は、高出力プロセッサ104および熱スタックにおける任意の他の構成要素(例えば、
図3の熱スタック300を参照)の高さの変動を吸収することができ、TIM層202は、熱スタックの高さの変動のいずれも吸収する必要がなく、したがってより薄くすることができる。
【0069】
図5Aは、熱スタックにおける公差が合計して公称値(例えば、スタックにおける構成要素が設計された高さから変化しないときの熱スタックの高さ)に近くなり得る実施形態を示し、
図5Bは、熱スタックにおける公差が合計して公称値よりも大幅に小さくなり得る実施形態を示し、
図5Cは、熱スタックにおける公差が合計して公称値よりも大幅に大きくなり得る実施形態を示す。
図5A~
図5Cの実施形態は、熱スタックにおける1つまたは複数の構成要素(例えば、プロセッサ104)のZ高さの変動を補償するために、摺動台座410がどのようにZ方向に移動することができるかを示している。これらの図は、摺動台座410がZ高さの変動を吸収できることを示している。摺動台座410は、公差吸収台座と呼ぶことができる。
【0070】
図5A~
図5Cはまた、コールドプレート204を通る冷却剤504の流れの方向502を示す。冷却剤504は、高出力プロセッサ104を冷却するのを助けるために、摺動台座410を通って流れることができる。冷却剤504はまた、摺動台座410を使用せずにコールドプレート204に接続された他の構成要素を冷却するのに役立つことができる。
【0071】
図6Aおよび
図6Bは、本開示の態様によるコールドプレート204のための一例示的なマニホールド600を示す。冷却剤流の動作は、
図6Aにもラベル付けされている。特に、
図6Aは上方からマニホールド600を示し、
図6Bは下方からマニホールド600を示す。
図6Aを参照すると、動作602では、冷却剤がコールドプレート204の入口604に流入する。冷却剤は、液体冷却剤または気体冷却剤とすることができる。冷却剤を用いて、コールドプレート204は能動冷却を提供することができる。動作606では、冷却剤流は、冷却剤が摺動台座410の各々に流入するように、2つの平行な経路に分割される。動作608では、冷却剤は、摺動モジュール410を通って流れ、それによって対応する電子構成要素を冷却し、動作610ではコールドプレート204に戻る。動作612では、冷却剤は次いで、フィンアレイ614を通って流れ、コールドプレート204の上方に位置する電子構成要素を冷却する。最後に、動作616では、冷却剤は、出口618を介してコールドプレート204から流出する。
【0072】
図6Bを参照すると、摺動台座410の各々は、コールドプレート204上の一対のねじ620およびねじ山622を介してコールドプレート204に取り付けることができる。特定の実施形態では、ねじ620は、コールドプレート204から設定された長さだけ延在することができ、ねじ620の頭部との干渉によって、ねじ620に沿ってコールドプレート204から離れる摺動台座410の移動を制限する。図示の実施形態では、摺動台座410の各々は、一対のねじを介してコールドプレート622に取り付けられるものとして示されているが、他の実施形態では、単一のねじ620または3つ以上のねじ620が使用されてもよい。
【0073】
図6Aおよび
図6Bの実施形態などのいくつかの実施形態では、コールドプレート204のマニホールド600は、いくつかの異なる機能を果たすことができる。1つの機能は、高出力プロセッサ(例えば、
図4および
図5A~
図5Cの高出力プロセッサ104)を冷却するために、摺動台座410への流れを実質的に均等に分配することを含む。別の機能は、フィンアレイ614を使用するMCU PCB(例えば、
図4のMCU PCB 402を参照)上の冷却プロセッサチップを含む(これは、高効率冷却を提供することができる)。いくつかの実施形態では、MCUプロセッサチップは、高出力プロセッサ104と同じレベルの効率的な冷却のための仕様を有さない場合があり、したがって、フィンアレイ614は、摺動台座410を使用せずにMCUプロセッサチップに十分な冷却を提供して、第1のTIM層(例えば、
図4の第1のTIM層404を参照)の厚さを低減し得る。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、比較的薄い第1のTIM層を使用してMCUプロセッサチップをより効率的に冷却することを可能にするために、少なくとも1つの摺動台座をコールドプレート204の上方に設け得る。
【0074】
さらに別の機能は、コールドプレート204内に画定されたマニホールド600の主チャネルを通してプロセッサPCB102およびMCU PCB 402上の低電力電子構成要素を冷却することを含む。例えば、コールドプレート204は、プロセッサPCB102およびMCU PCB 402上の低電力電子構成要素を冷却するように構成された1つまたは複数の固定ギャップ台座206を含み得る。
【0075】
図7は、本開示の態様によるコールドプレート204の両側に配置された摺動台座410を伴う処理システム650の分解図である。
図7に示すように、コールドプレート204は、摺動台座410の各々を通して冷却剤を送るように構成された一例示的なマニホールド660を含む。冷却剤は、入口604から、コールドプレート204の下方に配置された2つの摺動台座410を通って、次いで、出口618でマニホールド660を出る前に、マニホールド660の上方に配置された摺動台座410を通って、マニホールド660に流入することができる。コールドプレート204の上方に配置された摺動台座410は、MCU PCB 402の底部に取り付けられたプロセッサを冷却するように構成することができ、コールドプレート204の下方に配置された摺動台座410は、ADAS PCB102の上部に取り付けられた対応するプロセッサを冷却するように構成することができる。
【0076】
図8は、プロセッサPCB102およびMCU PCB 402と共に組み立てられた
図6Aおよび
図6Bのコールドプレート204および摺動台座410のための例示的なマニホールド600の断面図である。特に、
図8は、摺動台座410をプロセッサPCB102に向かって引っ張るように構成されたばね荷重バックプレート416を示す。ばね荷重バックプレート416は、高出力プロセッサ104に実質的に均一な圧力を加えるように構成されてもよく、その結果、熱界面インピーダンスが低下する可能性がある。
【0077】
図8には、プロセッサPCB102とMCU PCB 402との間に配置されたコールドプレート204も示されている。Oリング408は、摺動モジュール410の入口702および出口704におけるOリング408の半径方向圧縮を通して、摺動台座410とコールドプレート204との間の動的流体シールを維持するために設けられる。摺動台座410は、高出力プロセッサ104の非常に効率的な冷却を支援するように構成された高密度フィンアレイ704をさらに含む。上述したように、摺動台座410とコールドプレート204との間の界面は、摺動台座410を保持するように構成された機械的リテーナを含むことができ、それにより、コールドプレート204のマニホールド内の冷却剤圧力は、摺動台座410がコールドプレート204から切り離されるまで摺動台座410をコールドプレート204から遠くに押すことができない。機械的リテーナは、ねじを含むことができる。
【0078】
図6A、
図6B、および
図8を参照すると、流体は、入口702で摺動台座410に入り、フィンアレイ704を通って流れ、流体は、出口704で摺動台座から流出する前にアレイ704のフィンと実質的に平行に移動する。高出力プロセッサから冷却剤への熱伝達の大部分は、流体が摺動台座704におけるフィンアレイを通って流れる際に起こり得る。同様の冷却剤流は、他のシステムの構成要素を冷却するための他のマニホールドおよび摺動台座の形状にも適用することができる。
【0079】
図9は、本開示の態様による固定ギャップコールドプレート設計および摺動台座コールドプレート設計の最大冷却剤動作温度を示すグラフである。
図9に示すように、固定ギャップコールドプレート設計の曲線802は、流量が増加するにつれて第1の最大動作冷却剤温度に近づく。対照的に、摺動台座およびコールドプレート設計の曲線804は、流量が増加するにつれて第2の最大動作冷却剤温度に近づき、第2の最大動作冷却剤温度は第1の最大動作温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第1の最大動作冷却剤温度は、第2の最大冷却剤温度よりも約6°C低くてもよい。冷却溶液とチップとの間の熱界面に対する公差の影響を除去する摺動台座設計の能力により、摺動台座設計はより高い動作冷却剤温度で動作することができ、それによって高出力プロセッサが比較的高い最大冷却剤温度で確実に動作することを可能にする。
【0080】
本開示の態様は、各々コールドプレート204に結合された入口702および出口704を含む
図4~
図8の摺動台座410に関連して説明されているが、本開示の態様はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、摺動台座908は、単一のピストン/シリンダ型接続を介してコールドプレートに結合されてもよい。このタイプの接続は、摺動台座908の任意の傾斜/揺動を低減または防止することによって、摺動台座908の安定性を改善し得る。
【0081】
図10Aおよび
図10Bは、本開示の態様によるコールドプレートおよび摺動台座908のための一例示的なマニホールド900の外観図を示す。特に、
図10Aは下方からマニホールド900を示し、
図10Bは上方からマニホールド900を示す。マニホールド900は、本明細書ではコールドプレートとも呼ばれ得る。
【0082】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、マニホールド900は、入口904および出口906を含み、1つまたは複数の摺動台座908に接続するように構成される。マニホールド900は、摺動台座908の各々を通って冷却剤を送るように構成される。一例示的な冷却剤流910が示されており、冷却剤は、入口904から2つの摺動台座908を通ってマニホールド900に流入し、出口906からマニホールド900を出ることができる。
【0083】
図11Aおよび
図11Bは、本開示の態様による例示的なマニホールド900の内部図を示す。
図11Aを参照すると、冷却剤がマニホールド900の入口902に流入する。冷却剤は、液体冷却剤または気体冷却剤とすることができる。冷却剤を用いて、マニホールド900は能動冷却を提供することができる。冷却剤流910は、冷却剤が摺動台座908の各々に流入するように、動作中に2つの平行な経路に分割される。
【0084】
摺動台座908を通って流れた後、冷却剤流910は、
図11Aに示すようにマニホールド900の底部側から
図11Bに示すマニホールド900の上部側まで続く。
図11Bを参照すると、冷却剤はフィンアレイ911を通って流れ、それによってフィンアレイ911の上方に形成された電子構成要素を冷却する。次いで、冷却剤は出口906に流れ、マニホールド900から出る。
【0085】
図12Aおよび
図12Bは、本開示の態様による処理システムに接続することができる一例示的な摺動台座908の分解図を示す。
図12Aを参照すると、摺動台座908は、台座本体909と、複数の締結具912(例えば、ねじ)と、フィンアレイ914と、フィン蓋916と、一対のOリング918と、バイパスシール920とを含む。摺動台座908は、マニホールド900上の取り付け点913に取り付けられるように構成され、摺動台座908の少なくとも一部は、マニホールド900において形成されたシリンダ915に受容されるように構成される。いくつかの実装形態では、締結具912は、台座本体909をマニホールド900に結合する移動制限肩付きねじとして具現化されてもよい。いくつかの実施形態では、マニホールド900上の4つの締結具912および対応する取り付け点913が使用され、摺動台座の傾斜/揺動を低減するように配置される。
【0086】
フィンアレイ914は、冷却剤と、電子構成要素926を冷却するために摺動台座908に結合された電子構成要素926との間の熱伝達を提供するように構成される。フィン蓋916は、フィンアレイ914を台座本体909内に固定するように構成される。Oリング918は、台座本体909をマニホールド900にシールするように構成される。一対のOリング918を使用することにより、シールは、単一のOリングを使用するよりも冷媒漏れに対する耐性が高くなり得る。バイパスシール920は、冷却剤が摺動台座908を迂回してフィンアレイ914を通って流れるのを防止するように構成される。
図4~
図8の摺動台座410と比較して、摺動台座908は、摺動台座908を通過する冷却剤の圧力降下を低減することができるより大きな入口/出口表面積を有するが、電子構成要素926に加えられる力の増加ももたらし得る。
【0087】
図12Bを参照すると、電子構成要素926は、複数のねじ922を使用して所定の位置に保持された一対のばねバックプレート924を介して摺動台座908の各々に結合することができる。いくつかの実施形態では、電子構成要素926は、(
図4に示す高出力プロセッサ104と同様の)1つまたは複数の高出力プロセッサを含み得る。
図12Bには単一の電子構成要素926が示されているが、いくつかの他の実施形態では、摺動台座908は、一対の電子構成要素926をそれぞれ冷却するように構成されてもよい。ばね荷重バックプレート924は、摺動台座908を電子構成要素926上に引き下げて、電子構成要素926に実質的に均一な圧力を加え、それによって熱界面インピーダンスを低減するように構成することができる。ばね荷重バックプレート924は、摺動台座908がZ方向に移動することを可能にし、それによって、摺動台座908と電子構成要素926との間に加えられる圧力を電気チップ公差の変動から切り離すことができ、それによって、ばね荷重バックプレート924によって圧力を設定することが可能である。
【0088】
図13は、本開示の態様による一例示的な摺動台座908を通る冷却剤の流れ930を示す。本明細書で説明するように、台座本体909の一部は、マニホールド900のシリンダに受容されるように構成されたピストン形状を有する。この構成により、台座本体909は、
図4~
図8の摺動台座410のようにマニホールドに別々に接続された入口および出口を有さない。したがって、フィン蓋916は、バイパスシール920と一緒に、台座本体909に設置されたときに入口923および出口925を形成する。
【0089】
図13に示すように、冷却剤は、マニホールド900からバイパスシール920の一方の側の入口923を介して台座本体909に流れ930、フィンアレイ914を通って流れ930、次いでバイパスシール920の反対側の出口を通ってマニホールド900に流れ930戻る。Oリング928は、さらに、冷却剤が台座本体909の側面の周りから漏れないように、台座本体909とマニホールド900との間にシールを提供し、バイパスシール920は、冷却剤が摺動台座908全体をバイパスするのを防止する。台座本体909のほぼ全体の周りにOリング928によって提供される半径方向シールを使用することによって、摺動台座908は、
図4~
図8の摺動台座410と比較して、中心軸の周りの傾斜/揺動を抑制または防止することができる。例えば、摺動台座410の入口702が出口704よりも大きな摩擦を有するとき、摺動台座410が傾斜する場合があり、これにより、取り付けられた電子構成要素104との熱界面が弱くなる可能性がある。加えて、入口702と出口704との間の冷却剤の力は、それらの間の圧力降下に起因して異なり、これもまた傾斜をもたらし得る。
【0090】
図14A~
図14Cは、本開示の態様による例示的な摺動台座908の図を示す。特に、
図14Aは、摺動台座908の側面図であり、
図14Bは、台座本体909内のフィンアレイ914の位置を示すための透明性を伴う摺動台座908の側面図であり、
図14Cは、摺動台座908が組み立てられたときに所定の位置に示される透明性およびOリング918を伴う摺動台座908の側面図である。
【0091】
図12A~
図14Cを参照すると、摺動台座908の各々は、ピストン/シリンダタイプの接続を介してマニホールド900に結合することができる。言い換えると、摺動台座908の本体はピストンに類似した形状を有し、マニホールドは摺動台座908が挿入されるシリンダに類似した相補的な形状を有する。このタイプの単一の同心接続を使用することにより、摺動台座908は、
図4~
図8の摺動台座410と比較してより安定し、傾斜/揺動しにくくすることができる。摺動台座908は、冷却剤が摺動台座908を通過/迂回するのを阻止するバイパスシール200を使用してフィンアレイ914を通る冷却剤の流れを依然としてガイドすることができる。
【0092】
図15は、本開示の態様による例示的なマニホールド設計に結合することができる別の例示的な摺動台座940を示す。
図15のこの実施形態では、摺動台座940は、バイパス発泡体942の両側に形成された感圧接着剤(PSA)944を伴うバイパス発泡体942を含む。バイパス発泡体942は、摺動台座908のバイパスシール920と同様に機能し得る。
【0093】
バイパス発泡体942はフィンアレイ914の全体を覆わないため、下向きの圧力を加えるPSA 944の上方に停滞した冷却剤が存在し得る。この圧力は、電子構成要素926の力をもたらし得る。対照的に、
図12A~
図14Cに示すようにバイパスシール920を使用することによって、冷却剤がフィン蓋916の上に滞留することを防止することができ、それによって冷却剤によって電子構成要素926に加えられる力を低減することができる。
【0094】
図16A~
図16Cは本開示の態様により採用することができるシール構成の異なる実施形態を示す図である。シール構成は、本明細書に開示される摺動台座構成のいずれかと組み合わせて使用することができる。
【0095】
図16Aは、シリンダ1002と、Oリング1006によって提供される2つの半径方向シールによってシールされたピストン1004とを含む第1の構成1000を示す。シリンダ1002は、マニホールド(例えば、マニホールド600または900)上に形成されてもよく、ピストン1004は、摺動台座(例えば、摺動台座410または908)上に形成されてもよい。ピストン1004は、Oリング1006の位置を維持するためにOリング1006が嵌合される機械加工された表面を含み得る。第1の構成1000は、バイパスシール920の力と冷却剤圧力の力とによって電子構成要素926に力を生成させてもよい。
【0096】
図16Bは、シリンダ1002と、4つの半径方向シールまたはOリング1016によってシールされたピストン1014とを含む第2の構成1010を示す。図示のように、2つのOリング1016はピストン1014の内径をシールし、2つのOリング1016はピストン1014の外径をシールする。シリンダ1012は、マニホールド(例えば、マニホールド600または900)上に形成されてもよく、ピストン1014は、摺動台座(例えば、摺動台座410または908)上に形成されてもよい。ピストン1014は、Oリング1016の位置を維持するためにOリング1016が嵌合されるピストン1014の内径および外径の両方に機械加工された表面を含み得る。第2の構成1010は、バイパスシール920の力と冷却剤圧力の力とによって電子構成要素926に力を生成させてもよい。
【0097】
図16Cは、シリンダ1012と、2つの半径方向シールまたはOリング1026および面シール1028によってシールされたピストン1024とを含む第3の構成1020を示す。シリンダ1022は、マニホールド(例えば、マニホールド600または900)上に形成されてもよく、ピストン1024は、摺動台座(例えば、摺動台座410または908)上に形成されてもよい。ピストン1024は、Oリング1026ならびに面シール1028の位置を維持するためにOリング1026が嵌合される機械加工された表面を含み得る。第3の構成1020は、面シール1028によって電子構成要素926に力を加え得る。面シール1028は、台座の摺動を可能にするのに十分な圧縮長さを有するように構成されてもよい。
【0098】
本明細書に記載の摺動台座構造を使用することにより、コールドプレートは、摺動台座に冷却剤を供給する流動分配層、ならびに高効率および低効率の冷却チャネルを伴う能動冷却溶液の両方として作用することができる。高効率冷却チャネルは、高出力プロセッサを(例えば、摺動台座を介して)冷却するために使用することができ、一方、低出力電子構成要素は、固定ギャップ台座を使用して冷却することができる。
【0099】
いくつかの実装形態において、処理システムを製造する方法は、プリント回路基板(PCB)上の集積回路(IC)ダイ上に、ICダイの上に配置された(例えば、取り付けられた)熱界面材料(TIM)層を伴う摺動台座を提供することと、摺動台座をICダイ上に固定するためにばね荷重バックプレートを取り付けることとを含むことができる。摺動台座は、PCBから第1の方向に可変距離だけ離間するように構成される。本方法はまた、摺動台座の入口および出口にOリングを設けることと、摺動台座がコールドプレートとPCBとの間に配置された状態で、摺動台座の入口および出口をコールドプレートに接続することとをさらに含み得る。
結論
【0100】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態または特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態および/または修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を行い得ることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0101】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正またはそうでなくても実施することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示された換気アセンブリの様々な実施形態を作成および使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセスまたはステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。さらに、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を有した後に当業者にすべて明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を説明および特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素または要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0102】
さらに、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての接合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステムおよび/または方法の位置、向き、または使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。さらに、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。さらに、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主」などのすべての数値用語、または任意の他の通常のおよび/もしくは数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形形態および/もしくは修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、別の要素、実施形態、変形形態および/もしくは修正形態に対する任意の要素、実施形態、変形形態および/もしくは修正形態の、または別の要素、実施形態、変形形態および/もしくは修正形態を超える順序、または好みに関していかなる制限も生じない。
【0103】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つまたは複数はまた、より分離または一体化された方法で実装されてもよく、または特定の場合には動作不能として除去またはレンダリングされてもよいことも理解されよう。
【国際調査報告】