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特表2024-509456移植可能な弁スカート部のためのシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】移植可能な弁スカート部のためのシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555372
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022019690
(87)【国際公開番号】W WO2022192500
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,918
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/254,815
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マイモン
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ・フサリ
(72)【発明者】
【氏名】タミール・エス・リーヴァイ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC06
4C097DD01
4C097EE02
4C097EE06
4C097EE09
4C097FF12
4C097SB03
4C097SB09
4C097SB10
(57)【要約】
移植可能な人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体を含み得る。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能な人工弁であって、
近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、前記弁本体の前記外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、前記弁本体の前記外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を前記第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体と、
前記流れチャネル内に位置決めされ、前記弁本体の前記内面から内側に延在する、複数の人工弁の弁尖と、を含む、移植可能な人工弁。
【請求項2】
前記遠位端は、前記弁本体の流入端であり、前記第一のレベルは、前記遠位端に隣接する、請求項1に記載の移植可能な人工弁。
【請求項3】
前記近位端は、前記弁本体の流出端であり、前記第二のレベルは、前記第一のレベルと前記近位端との間に位置決めされる、請求項1または請求項2に記載の移植可能な人工弁。
【請求項4】
前記第二のレベルは、軸方向に前記第一のレベルに隣接して位置決めされる、請求項1~3のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項5】
前記第二のレベルは、接合またはステッチによって前記第一のレベルに結合される、請求項1~4のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項6】
前記第一のレベルおよび前記第二のレベルは両方とも、前記弁本体の周りに円周方向に延在する、請求項1~5のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項7】
前記弁本体は、フレームを含み、前記第一のレベルおよび前記第二のレベルは両方とも、前記フレームの半径方向外側に位置決めされる、請求項1~6のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項8】
前記第一のレベルおよび前記第二のレベルは両方とも、接合またはステッチによって前記フレームに結合される、請求項7に記載の移植可能な人工弁。
【請求項9】
前記第一のレベルの前記第二のレベルに対する前記弁本体に沿った相対的軸方向範囲の比率は、1:1以上である、請求項1~8のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項10】
前記第一のレベルは、第一の材料を含み、前記第二のレベルは、前記第一の材料とは異なる第二の材料を含む、請求項1~9のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項11】
前記第一の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、または被覆熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも一つ以上を含む、請求項10に記載の移植可能な人工弁。
【請求項12】
前記第二の材料は、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項10または請求項11に記載の移植可能な人工弁。
【請求項13】
前記第一のレベルは、耐血栓性コーティングを含む、請求項1~12のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項14】
前記第二のレベルは、半径方向外側に延在するテクスチャ加工された撚り糸を含み、前記第一のレベルは、組織成長を阻害するように構成された滑らかなテクスチャを含む、請求項1~13のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項15】
前記弁本体は、自然の心臓弁に移植されるように構成され、前記第二のレベルは、組織の内部成長を前記自然の心臓弁の自然の弁尖により可能にするように構成され、前記第一のレベルは、前記自然の心臓弁の弁輪内に位置決めされるように構成される、請求項1~14のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項16】
移植可能な人工弁であって、
複数の人工弁の弁尖と、
近位端、遠位端、外面、および前記複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、前記弁本体の前記外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により前記複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含む、移植可能な人工弁。
【請求項17】
前記弁本体は、フレームを含み、前記スカート部は、前記フレームの半径方向外側に位置決めされ、前記一つ以上の生体吸収性結合器により前記フレームに結合される、請求項16に記載の移植可能な人工弁。
【請求項18】
前記スカート部は、前記一つ以上の生体吸収性結合器により前記人工弁の弁尖のスカラップ線に結合される、請求項16または請求項17に記載の移植可能な人工弁。
【請求項19】
前記スカート部は、生体吸収性スカート部である、請求項16~18のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項20】
前記スカート部は、第二のスカート部の半径方向外側に位置決めされた第一のスカート部であり、前記第二のスカート部が耐血栓性であるように構成される、請求項16~19のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項21】
前記一つ以上の生体吸収性結合器は、一つ以上の生体吸収性縫合部を含む、請求項16~20のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項22】
前記スカート部は、前記一つ以上の生体吸収性結合器の溶解時に、前記複数の人工弁の弁尖から分離するように構成される、請求項16~21のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項23】
移植可能な人工弁であって、
外面および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、前記弁本体の前記外面の少なくとも一部分を形成する外部表面であって、前記外部表面内の組織の内部成長を可能にするように多孔性であるように構成された外部表面と、耐血栓性であるように構成される内部表面と、を含む、スカート部を有する弁本体と、
前記流れチャネル内に位置決めされ、前記弁本体の前記内面から内側に延在する、複数の人工弁の弁尖と、を含む、移植可能な人工弁。
【請求項24】
前記スカート部は、複数の層を含む、請求項23に記載の移植可能な人工弁。
【請求項25】
前記複数の層は、前記流れチャネルから半径方向外側の方向に重ねられる、請求項24に記載の移植可能な人工弁。
【請求項26】
前記複数の層は、互いに積層される、請求項24または請求項25に記載の移植可能な人工弁。
【請求項27】
前記複数の層は、少なくとも三つの層を含む、請求項24~26のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項28】
前記複数の層は、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項24~27のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項29】
前記複数の層は、互いに対して直角に配向されたePTFEの層を含む、請求項24~27のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【請求項30】
前記内部表面は、ePTFEの圧縮層を含む、請求項24~29のいずれかに記載の移植可能な人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年10月12日出願の米国仮出願第63/254,815号、および2021年3月11日出願の米国仮出願第63/159,918号の利益を主張するものであり、それらの各々の内容全体は、参照により、本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に開示される特定の実施形態は、一般的に、移植可能な医療機器に関し、自然心臓弁の代わりに使用され得るものなど、移植可能な人工弁に関し得る。
【0003】
様々な疾患が、個人の身体に影響を及ぼす場合がある。このような疾患は、個人の心臓に関するものであり得、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む、個人の自然心臓弁の疾患を含み得る。例えば、狭窄は、心臓弁の動作および個人の全体的な健康に影響を与える可能性のある、一般的で重篤な弁疾患である。
【0004】
患者の心臓の一部を置換または修復し得るインプラントが提供されてもよい。人工弁などの人工インプラントは、患者の心臓の一部を置換または修復するために提供され得る。人工の大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、さらには肺動脈弁も提供され得る。
【0005】
インプラントは、患者の身体の所望の部分に経皮的に、低侵襲的な様式で展開され得る。このような展開は、カテーテルが個人の血管系を通って展開され得る、経カテーテルで発生し得る。
【0006】
例えば、このようなインプラントを自然心臓弁に展開する間、自然心臓弁の弁尖は、患者の体内に留まり得る。自然の弁尖は、人工弁の展開によって脇に押しやられ得、人工の弁尖が、自然の弁尖によって以前に提供された機能を果たす。移植された人工弁は、スカート部を含み得る。一部の事例では、人工弁の外植が必要であり、この場合、移植された人工弁は、患者の身体から外科的に取り外される。しかしながら、以前に移植された弁の外植は、スカート部と周囲の解剖学的構造との間に組織が形成され得る場合、課題が多く、危険であることが証明され得る。このような場合、周囲組織は、外科的に切除されてもよい。これらの組織を切除するためのこのような外科的処置は、極めて扱いに注意を要し得、特許にリスクを伴い得る。患者の体内での移植、患者の体内での機能、または患者の身体からの取り外しのための移植可能な人工弁を含む、移植可能な医療機器の特徴を改善することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の実施形態の特徴は、患者の体内での移植、患者の体内での機能、または患者の体内からの取り外しのための、改善された医療機器の特徴を対象とし得る。本明細書の実施形態の特徴は、改善された封止を可能にするスカート部の特徴を対象とし得、人工弁の改善された取り外しまたは外植の処置を可能にし得る。本明細書の実施形態の特徴は、取り外しまたは外植の処置中の自然組織の切除の必要性の減少に起因して、取り外しまたは外植の処置中の患者の身体への外傷の低減を可能にし得る。
【0008】
本明細書の実施形態では、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体を含む、移植可能な人工弁が開示される。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0009】
本明細書の実施形態では、人工弁を患者の体内に移植することを含む方法が開示される。人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体を含み得る。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0010】
本明細書の実施形態では、移植された人工弁を、患者の体内の位置から取り外すことを含む、方法が開示される。移植された人工弁は、流れチャネルに面する近位端、遠位端、外面、および内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体を含み得る。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0011】
本明細書の実施形態では、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、および複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含む、移植可能な人工弁が開示される。
【0012】
本明細書の実施形態では、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、生体吸収性であるように構成された第一のスカート部と、第一のスカート部の半径方向内側に位置決めされ、耐血栓性であるように構成された第二のスカート部と、を有する弁本体を含む、移植可能な人工弁が開示される。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0013】
本明細書の実施形態では、人工弁を患者の体内に移植することを含む方法が開示される。人工弁は、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、および複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含み得る。
【0014】
本明細書の実施形態では、移植された人工弁を、患者の体内の位置から取り外すことを含む、方法が開示される。移植時の移植された人工弁は、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、および複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含み得る。
【0015】
本明細書の実施形態では、外面および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する外部表面であって、組織の内部成長を外部表面内で可能にするように多孔性であるように構成された外部表面と、耐血栓性であるように構成される内部表面と、を含む、スカート部を有する弁本体を含む、移植可能な人工弁が開示される。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0016】
本明細書の実施形態では、人工弁を患者の体内に移植することを含む方法が開示される。人工弁は、外面および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する外部表面であって、組織の内部成長を外部表面内で可能にするように多孔性であるように構成された外部表面と、耐血栓性であるように構成される内部表面と、を含む、スカート部を有する弁本体を含み得る。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0017】
本明細書の実施形態では、外面および流れチャネルに面する内面、および多孔性内部成長ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、スカート部であって、組織の内部成長をスカート部内で可能にするスカート部を有する弁本体を含む、移植可能な人工弁が開示される。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0018】
本明細書の実施形態では、人工弁を患者の体内に移植することを含む方法が開示される。人工弁は、外面および流れチャネルに面する内面、および多孔性内部成長ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、スカート部であって、組織の内部成長をスカート部内で可能にするスカート部を有する弁本体を含み得る。複数の人工弁の弁尖は、流れチャネル内に位置決めされ得、弁本体の内面から内側に延在し得る。
【0019】
本明細書に開示されるようにシステム、装置、および方法の特徴および利点は、本明細書、特許請求の範囲、および添付図面を参照してより良好に理解されるにつれて、認識されることになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示の実施形態に係る、移植可能な人工弁の斜視図を示す。
図2図2は、図1に示す移植可能な人工弁の上面図を示す。
図3図3は、人工弁の弁尖を図2に示す位置から移動させた、図1に示す移植可能な人工弁の上面図を示す。
図4図4は、図1に示す移植可能な人工弁の断面概略図を示す。
図5図5は、本開示の実施形態に係る、人工弁のスカート部の概略図を示す。
図6図6は、本明細書の実施形態に係る、展開装置の側面図を示す。
図7図7は、自然大動脈弁に展開されている、図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図8図8は、自然大動脈弁で移植された図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図9図9は、自然大動脈弁で移植された図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図10図10は、自然大動脈弁で移植された図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図11図11は、自然大動脈弁の弁尖が分離された、図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図12図12は、自然大動脈弁から取り外された、図1に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図13図13は、本開示の実施形態に係る、移植可能な人工弁の断面概略図を示す。
図14図14は、自然大動脈弁で移植された図13に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図15図15は、自然大動脈弁から取り外された、図13に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図16図16は、本開示の実施形態に係る、移植可能な人工弁の断面概略図を示す。
図17図17は、自然大動脈弁で移植された図16に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図18図18は、自然大動脈弁で移植された図16に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図19図19は、自然大動脈弁から取り外された、図16に示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図20A図20Aは、本開示の実施形態に係る、移植可能な人工弁の斜視図を示す。
図20B図20Bは、図20Aに示す移植可能な人工弁の断面概略図を示す。
図21A図21Aは、移植可能な人工弁のスカート部の断面図を示す。
図21B図21Bは、移植可能な人工弁のスカート部の断面図を示す。
図21C図21Cは、移植可能な人工弁のスカート部の断面図を示す。
図21D図21Dは、移植可能な人工弁のスカート部の断面図を示す。
図22図22は、移植可能な人工弁のスカート部層の正面概略図を示す。
図23A図23Aは、移植可能な人工弁のスカート部の部分分離斜視図を示す。
図23B図23Bは、移植可能な人工弁のスカート部の部分分離斜視図を示す。
図24図24は、自然大動脈弁で移植された図20Aに示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図25図25は、自然大動脈弁で移植された図20Aに示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
図26図26は、自然大動脈弁で移植された図20Aに示す移植可能な人工弁の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、移植可能な人工弁10の形態のインプラントの斜視図を示す。人工弁10は、患者の身体の一部分内に展開されるように構成され得る。人工弁10は、例えば、自然大動脈弁を備え得る、または実施形態では、自然僧帽弁、三尖弁、もしくは肺動脈弁を備え得る、自然心臓弁の弁輪内に展開され得る。
【0022】
人工弁10は、近位端14、遠位端16、および近位端14と遠位端16との間の長さ18(図4にマークされるように)を有し得る、弁本体12を含み得る。近位端14は、人工弁10の流出端を備え得、遠位端16は、人工弁10の流入端を備え得る。
【0023】
弁本体12は、図1に示すような円筒形形状を有し得、または別の形状(例えば、テーパ状もしくは「V」形状、または電球形状、もしくは他の所望の形状)を有し得る。
【0024】
弁本体12は、接合部24で一緒に結合し得、支柱22の間に空間26を有し得る、複数の支柱22を含み得るフレーム20を含み得る。空間26は、フレーム20の開口部を含み得、この開口部は、それを通って流体が流れること、またはそれを通って他の構成要素が通過することを可能にし得る。開口部26は、フレーム20の全体重量を低減するように構成され得、フレーム20が、圧縮されてフレーム20の直径を低減させること、および拡張されてフレーム20の直径を増大させることも可能にする。フレームの構成は、他の実施形態では変化し得る。
【0025】
フレーム20は、弁本体12が折り畳み可能かつ拡張可能になるように構成され得、フレーム20が、圧縮(または圧着)されて、圧潰された(または未展開または未拡張された)状態に移動し、また拡張されて、拡張(または展開)状態に移動し得る。フレーム20は、半径方向に圧縮され、半径方向に圧縮されている間に、軸方向に長くなるように構成され得る。
【0026】
支柱22は、フレーム20が圧縮されてフレーム20の直径を低減する際に、フレーム20の長さが増加し得るように構成され得る。また、フレーム20が拡張されてフレーム20の直径を増大させるにつれて、フレーム20の長さは、減少し得る。フレーム20は、圧着装置の使用を含む、様々な様式で圧縮され得、バルーンで拡張される、自己拡張可能である、または機械的に拡張可能であることを含む、様々な様式で拡張され得る。本明細書の実施形態は、バルーン拡張可能なインプラントとして示され得るが、自己拡張可能なインプラントまたは機械的に拡張可能なインプラントも同様に利用され得る。
【0027】
複数の支柱22は、フレーム20が圧潰された状態に移動できるように、より近くに一緒に移動するように構成され得る。支柱22間の空間26の幅は、フレーム20が圧潰された(または未展開または未拡張された)状態に移動するにつれて減少し得、空間26の長さが増加する。フレーム20の支柱22は、円周方向に互いに離れて拡張状態に移動するように構成され得る。支柱22間の空間26の幅は、フレーム20が拡張された(または展開された)状態に移動するにつれて増大し得、空間26の長さが短くなる。
【0028】
弁本体12は、弁本体12を通る流体(例えば、血液または別の流体)の流れを可能にし得る流れチャネル28を囲み得る。弁本体12は、弁本体12から外側に面し得る外面30を含み得、外面30の反対側に面し、流れチャネル28に面する内面32(図2および図3にマークするように)を含み得る。外面30は、人工弁10を患者の身体の所望する部分(例えば、所望であれば、心臓弁の弁輪)内に固定するために利用され得る、アンカー表面を含み得る。外面30は、人工弁10を弁輪内に固定するために、半径方向外側の力を加えてもよい。
【0029】
複数の人工弁の弁尖34は、流れチャネル28内に位置決めされ得、弁本体12の内面32から内側に延在し得る。複数の弁の弁尖34は、開放位置(図2に示す)に移動するように互いに離れて移動し、閉鎖位置(図3に示す)に移動するように互いに向かって移動するように構成され得る。複数の弁の弁尖34は各々、上端部36(図2にマークされる)を含み得、複数の弁の弁尖34の上端部36は、弁尖34が閉鎖位置にある場合、人工弁10の流れチャネル28を閉じるために、互いに接触するように構成される。上端部分36は、複数の弁の弁尖34が開放位置にある場合(図2に示すように)、移植可能な人工弁10の流れチャネル28を開放するために、互いに離れて移動するように構成される。複数の弁の弁尖34は、自然弁の動きを再現するために、開放および閉鎖位置または状態または構成の間で前後に移動し得る。
【0030】
各弁の弁尖34は、移植可能な人工弁10の流れチャネル28に向かって面するように構成された内部表面38(図2にマークされる)を含み得る。各弁の弁尖34は、内部表面38の反対側に面し、人工弁10の流れチャネル28から離れて面する外部表面40(図3にマークされる)を含み得る。それぞれの弁尖34の内部表面38の部分は、弁尖34が閉鎖位置に移動する場合、互いに接触し得る。
【0031】
各弁の弁尖34は、弁本体12のフレーム20に結合する外端部分42(図2にマークされる)を含み得る。外端部分42は、弁尖34の交連点でフレーム20に結合し得、フレーム20に結合するために、フレーム20の開口部を通過し得る。結合は、様々な形態を有し得る。例えば、各弁の弁尖34は、弁の弁尖34のそれぞれの外端部分42でタブ44を含み得る。タブ44は、フレーム20に結合するために、フレーム20の開口部を通って延在し得、その後、タブ44を定位置に保持するために縫合され得る。
【0032】
さらに、各弁の弁尖34は、縫合線を備え得るスカラップ線48に沿って、スカート部50に縫合され得る、下端部46を含み得る。例えば、上端部36の反対側の各弁尖34の下端部46は、スカート部50(図1および図4にマークされる)にスカラップ線48で縫合され得る。スカラップ線48の縫合部は、弁尖34をフレーム20に保持し、流れチャネル28の外側の人工弁10を通る望ましくない流体の流れを防止し得る。
【0033】
弁の弁尖34は、人工弁10の近位端14が、人工弁10の流出端を形成し、人工弁10の遠位端16が、人工弁10の流入端を形成するように、動作中に開閉するように構成され得る。弁の弁尖34は、弁尖34が閉鎖位置にある場合、人工弁10の流出端から流入端までの反対方向の流体の流れを妨げるように構成され得る。
【0034】
図1を参照すると、弁本体12は、一つ以上のスカート部50、52を含み得る。スカート部50は、フレーム20の内側に位置決めされるスカート部を備え得、縫合部または別の形態の結合器を介して、複数の弁の弁尖34に結合され得る。例えば、スカラップ線48は、スカート部50上に存在し得る。スカート部50は、弁本体12の内面32の少なくとも一部分を形成し得、フレーム20の全内部周囲の周りに延在し得る。実施形態におけるスカート部50は、縫合部または別の形態の結合器を介して、フレーム20に結合され得る。
【0035】
スカート部52は、弁本体12の外面30の少なくとも一部分を形成し得る外側スカート部を備え得る。スカート部52は、(内側スカート部とみなされ得る)スカート部50の半径方向外側に複数の人工弁の弁尖34の半径方向外側に位置決め得、実施形態では、フレーム20の半径方向外側に位置決めされ得る。
【0036】
スカート部52は、弁本体12の円周方向の周りに延在し得、弁本体12の全体の円周方向の周りに延在し得る。スカート部52は、フレーム20の遠位部分でフレーム20の外面を覆い得、フレーム20の軸方向長さの一部分(例えば、遠位部分)のみに対して延在し得、またはフレーム20の全軸方向長さに対して延在し得る。スカート部52は、縫合部または別の形態の結合器を介して、フレーム20に結合され得、それゆえ、フレーム20は、スカート部52を弁10のその他の構成要素(弁の弁尖34およびスカート部50を含む)に結合し得る。
【0037】
図2は、弁の弁尖34が開放構成である、移植可能な人工弁10の上面図を示す。図3は、弁の弁尖34が閉鎖構成である、移植可能な人工弁10の上面図を示す。
【0038】
図4は、移植可能な人工弁10の概略断面図を示す。移植可能な人工弁10の特定の特徴は、明瞭性のため除外されている。図1および図4を参照し、スカート部52を参照すると、スカート部52は、少なくとも二つのレベルを含み得、各レベルが、弁本体12の外面30の少なくとも一部分を形成する。
【0039】
スカート部52は、例えば、弁本体12の外面30の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成される第一のレベル54を含み得る。第一のレベル54は、弁本体12の遠位端16に隣接して位置決めされ得る。第一のレベル54は、実施形態では、フレーム20の遠位端の上を包装する遠位端を有し得、内部スカート部50に結合し得る。第一のレベル54は、移植可能な人工弁10の遠位端16から第一のレベル54の近位端まで近位に延在し得る。第一のレベル54は、軸55に沿って、移植可能な人工弁10が周りに延在する軸に沿って長さ(図5にマークされるL1)を有し得る。
【0040】
第一のレベル54は、弁本体12の円周方向の周りに延在し得、弁本体12の全体の円周方向の周りに延在し得る。第一のレベル54は、弁本体12の周りに延在するバンドを形成し得る。第一のレベル54は、フレーム20の半径方向外側に位置決めされ得る。
【0041】
図1および図4を参照すると、スカート部52は、弁本体12の外面30の少なくとも一部分を形成し、かつ組織の内部成長を第二のレベル56により可能にするように構成される、第二のレベル56を含み得る。第二のレベル56は、第一のレベル54と弁本体12の近位端14との間に位置決めされ得る。第二のレベル56は、軸方向(例えば、軸55に沿って)に第一のレベル54に隣接して位置決めされ得る。第二のレベル56は、第一のレベル54の近位に位置決めされ得、第一のレベル54は、第二のレベル56の遠位に位置決めされ得る。第二のレベル56は、第二のレベル56の遠位端から第二のレベル56の近位端まで近位に延在し得る。第二のレベル56は、移植可能な人工弁10が周りに延在する軸55に沿って長さ(図5にマークされるL2)を有し得る。
【0042】
第二のレベル56は、弁本体12の円周方向の周りに延在し得、弁本体12の全体の円周方向の周りに延在し得る。第二のレベル56は、弁本体12の周りに延在するバンドを形成し得る。第二のレベル56は、フレーム20の半径方向外側に位置決めされ得る。
【0043】
第二のレベル56は、接合、ステッチ、または別の形態のカップリングを介して、第一のレベル54に結合され得る。例えば、第二のレベル56の遠位端は、第一のレベル54の近位端に結合されてもよい。実施形態では、第一のレベル54および第二のレベル56は両方とも、接合、ステッチ、または別の形態のカップリングによってフレーム20に結合され得る。
【0044】
図5は、外側スカート部52の概略図を示し、外側スカート部52がフレーム20から分離し、展開され、ページと平面上に平らに置かれた状態を示す。第一のレベル54は、遠位端60と、遠位端60から軸方向に間隔を置いて配置された近位端62と、を含み得る。第一のレベル54は、実施形態でフレーム20上に置かれる場合に互いに接合し得る軸方向に延在する縁部64をさらに含み得る。第一のレベル54は、遠位端60と近位端62との間に軸方向長さL1を有してもよい。
【0045】
第二のレベル56は、遠位端66と、遠位端66から軸方向に間隔を置いて配置された近位端68と、を含み得る。第二のレベル56は、実施形態でフレーム20上に置かれる場合に互いに接合し得る軸方向に延在する縁部70をさらに含み得る。第二のレベル56は、遠位端66と近位端68との間に軸方向長さL2を有してもよい。
【0046】
実施形態では、第二のレベル56の遠位端66は、接合、ステッチ、または別の形態のカップリングを介して、第一のレベル54の近位端62に結合され得る。様々な実施形態において、第二のレベル56の遠位端66は、第一のレベル54の近位端62と重なり合い得、その間に重複部分を画定する。実施形態では、第一のレベル54および第二のレベル56は両方とも、縫合線72または別の形態のカップリングによってフレーム20に結合され得る。
【0047】
第一のレベル54および第二のレベル56の長さL1,L2は、移植可能な人工弁10の所望の実装例に基づいて、所望のように設定され得る。実施形態では、第一のレベル54の第二のレベル56に対する弁本体に沿った相対軸方向範囲の比率は、1:1以上であり得る。例えば、L1は、外側スカート部52の全長の少なくとも50%を表し得、L2は50%以下を表す。実施形態では、L1は、少なくとも60%を表し、L2は40%以下を表す。実施形態では、L1は、少なくとも70%を表し、L2は30%以下を表す。より大きいまたはより少ない割合を、所望に応じて利用してもよい。様々な比率、例えば、少なくとも3:2、または7:3を、L1のL2に対する比率として利用することができる。実施形態では、L2は、L1(例えば、1:2以下、または2:3以下の比率)よりも外側スカート部52の全長のより大きい割合を表し得る。
【0048】
検討するように、第一のレベル54は、耐血栓性であるように構成され得、第二のレベル56は、組織の内部成長を第二のレベル56により可能にするように構成され得る。第一のレベル54および第二のレベル56のそれぞれの材料は、このような結果を生成するのに異なってもよい。例えば、第一のレベル54は、耐血栓性であるように構成される材料を含み得、第二のレベル56は、組織の内部成長を第二のレベル56により可能にするように構成される材料を含んでもよい。
【0049】
第一のレベル54は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、または被覆熱可塑性ポリウレタン(TPU)のうちの少なくとも一つ以上を含み得る。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、所望される実施形態で、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み得る。様々な他の耐血栓性材料を、所望に応じて利用することができる。実施形態では、耐血栓性コーティングは、第一のレベル54で利用され得る。例えば、PTFEまたはePTFEのコーティングは、ポリエチレンテレフタレート(PET)または別の形態の材料を含み得る、第一のレベル54の材料に塗布され得る。このような実施形態における第一のレベル54の基礎材料は、例えば、PETなどの組織の内部成長を可能にする材料であり得るが、耐血栓性コーティングで被覆される。実施形態では、第一のレベル54の材料は、耐血栓性となるように作製され得る。例えば、第一のレベル54の材料のニットパターンは、マイクロパターンまたは他の形態のニットパターンにより、耐血栓性であるように構成され得る。ニットPTFE織物は、実施形態で利用され得る。第一のレベル54の材料は、耐血栓性であるような滑らかなテクスチャを含み、組織成長を阻害し得る。このような特徴の組み合わせを利用し得、耐血栓性の第一のレベル54をもたらす。
【0050】
第二のレベル56は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または組織の内部成長を可能にするように構成される別の形態の材料を含み得る。実施形態では、コーティングは、組織の内部成長を可能にするように構成される第二のレベル56で利用され得る。例えば、多孔性コーティングまたは他の形態のコーティングを、超高分子量ポリアセレン(UHMWPE)などの耐血栓性材料に塗布し得、組織の内部成長を可能にする。このような実施形態における第二のレベル56の基礎材料は、例えば、組織の内部成長を阻害する材料であり得るが、組織の内部成長を可能にするコーティングで被覆される。例えば、実施形態では、第一のレベル54と第二のレベル56の基礎材料は同一であり得、一つ以上のコーティングが、第一のレベル54または第二のレベル56のいずれか、または両方に塗布され、本明細書に開示されるレベル54、56の異なる特性を生成する。実施形態では、第二のレベル56の材料は、組織の内部成長を可能にするように作製され得る。例えば、第二のレベル56の材料のニットパターンは、大きいニットパターンまたは他の形態のニットパターンにより、組織の内部成長を可能にするように構成され得る。ニットPET織物は、実施形態で利用され得る。実施形態では、第二のレベル56は、半径方向外側に延在する、テクスチャ加工された撚り糸を含み得る。第二のレベル56の材料は、組織の内部成長を可能にする多孔質のテクスチャを含んでもよい。このような特徴の組み合わせを利用し得、その結果、第二のレベル56は、組織の内部成長を可能にする。
【0051】
第一のレベル54および第二のレベル56のための様々な他の材料を、所望に応じて利用することができる。
【0052】
第一のレベル54は、人工弁10が移植される患者の身体の一部との組織接着の可能性を低減させるために、耐血栓性であるように構成され得る。このような結果は、組織接着の欠如により、取り外しプロセスがより容易に可能になり得る、移植部位から人工弁10を取り外す可能性において望ましい場合がある。例えば、組織の切除の可能性の低減が必要とされ得、これは、人工弁10の取り外し時の患者の身体への外傷を低減し得る。
【0053】
第二のレベル56は、しかしながら、組織の内部成長を可能にするために利用され得、自然移植部位へのある程度の組織接着を可能にする。このような組織接着は、人工弁10の自然移植部位への固定を改善し得、弁傍密封を含み得る、人工弁10の周りの流体の流れの密封を改善し得る。
【0054】
第一のレベル54は、第一のレベル54を囲む自然の解剖学的構造の一部分が、第一のレベル54の耐血栓性の特性のために、第一のレベル54に接着する可能性を低減し得るように、位置決めされ得る。人工弁10が自然の心臓弁に移植される実施形態では、第一のレベル54は、弁輪内に位置決めされ、自然の心臓弁の弁輪によって囲まれ得る。
【0055】
第二のレベル56は、第二のレベル56を囲む自然の解剖学的構造の一部分が、人工弁10の取り外し中に切断および取り外され得るように、位置決めされ得る。人工弁10が自然の心臓弁に移植される実施形態では、第二のレベル56は、自然の心臓弁の弁尖によって取り囲まれ得る。第二のレベル56は、自然の心臓弁の自然の弁尖により、組織の内部成長を可能にするように構成され得る。したがって、取り外し処置の間、自然の弁尖は切断され、人工弁10を用いて患者の体から取り外され得る。そのため、取り外し処置の間、自然の弁尖のみを切断する必要があり、弁輪の一部は切断する必要はなく、これは、取り外し処置中の望ましくない組織損傷および外傷の可能性を低減し得る。
【0056】
図6は、本明細書の実施形態で利用され得る展開装置80を示す。展開装置80は、遠位端84および近位端86を有する細長いシャフト82を含み得る。細長いシャフト82の近位端86は、掴まれ得るハンドル88に結合され得、細長いシャフト82の動きを制御するために利用され得る。ハンドル88は、例えば、細長いシャフト82のたわみを制御して、細長いシャフト82を所望の位置にナビゲートするよう操作されるように構成され得るたわみ機構90を含み得る。
【0057】
細長いシャフト82の遠位端84は、その中に移植可能な人工弁10など、インプラントを保持するように構成され得るインプラント保持領域92を含み得る。インプラント保持領域92は、実施形態では、膨張バルーン、またはインプラントを展開するために利用され得る他の展開機構を含み得る。例えば、カプセルは、インプラントが自己拡張可能なように収納され得、またはある機構を、インプラントを機械的に展開するために利用し得る。実施形態では、様々な形態の展開装置は、所望に応じて利用され得る。
【0058】
図7~9は、患者の体内の移植可能な人工弁10などのインプラントの例示的な移植方法を示す。方法のステップは、所望に応じて変化させられ得、これは、実施形態にわたる特徴の追加、削除、または修正、または特徴の置換を含み得る。図7は、例えば図6に示す展開装置80の細長いシャフト82に結合された移植可能な人工弁10を示す。
【0059】
移植可能な人工弁10は、図7に示すように、自然大動脈弁100などの自然心臓弁であり、所望の移植部位まで経カテーテル的におよび微小血管的に前進され得る。実施形態では、他の形態の移植部位、例えば、異なる心臓弁(例えば、僧帽弁、肺動脈弁、または三尖弁)、または患者の体内の他の移植部位を利用し得る。
【0060】
細長いシャフト82は、例えば、自然大動脈弁100に近づくために、大動脈弓101の周りに偏向し得、または他の手法を、所望のように利用してもよい。経根的またはその他の外科的アプローチを、所望のように利用し得る。
【0061】
人工弁10は、患者の体内の所望の治療部位まで展開され得る。治療部位は、患者の体内に移植される人工弁10の移植部位であり得る。治療部位は、自然弁であり得、または患者の体内に以前に展開された人工弁を含み得る、患者の身体の弁であってもよい。治療部位は、(自然弁の)自然の弁尖であり得、または(以前に展開された弁またはホストの弁尖の)ホスト弁であり得る、弁尖を含んでもよい。弁尖は、弁尖を人工弁10の弁尖と交換することを必要とし得る様々な疾患を患う場合がある。例えば、弁の弁尖またはその他の条件(例えば、狭窄または他の条件)の石灰化は、弁尖の手術を、人工弁10の弁尖と交換することを必要とし得る。弁尖は、人工弁10が展開されると、患者の体内に留まり得る。人工弁10は、自然またはホストの弁尖が、人工弁の拡張時に半径方向外側に押し出されるように、自然またはホストの弁尖の間に展開され得る。このような構成は、人工弁10が自然弁内、または以前に展開されたホスト弁内に展開されたかどうかをもたらし得る。
【0062】
実施形態では、人工弁10は、所望のように、バルーン拡張可能弁または機械的に拡張可能な弁を含む、様々な形態を有してもよい。自己拡張弁も利用され得る。弁10を展開するために利用される送達システムは、所望の拡張方法(とりわけ、バルーン拡張可能、機械的に拡張可能、自己拡張可能)に従って、弁10を拡張するように構成され得る。
【0063】
図8は、例えば、拡張され、自然大動脈弁100に移植された人工弁10を示す。実施形態では、弁本体12の外面30の自然弁の弁尖および自然弁の弁輪に対する力により、人工弁10は自然大動脈弁100に固定され得る。特に、第二のレベル56は、第二のレベル56が自然弁の弁尖に接触し、好ましくは、自然弁の弁輪に接触しないように位置決めされてもよい。図9は、例えば、自然大動脈弁100に移植された人工弁10の図を表す。
【0064】
図9を参照すると、人工弁10は、自然大動脈弁100に移植されて示される。第二のレベル56は、一つ以上の自然弁の弁尖102に接触し、好ましくは、自然弁の弁輪104に接触しないことが示される。しかしながら、第一のレベル54は、自然弁の弁輪104で、自然弁の弁輪104に接触して位置決めされることが示される。本明細書で検討するように、第一のレベル54は、耐血栓性であるように構成され得、したがって、自然弁の弁輪104との組織接着の可能性を低減する。第二のレベル56は、自然弁の弁尖102により発生し得る組織の内部成長を可能にし得る。このような組織の内部成長は、新生内膜組織を含み得る。
【0065】
図10は、例えば、第二のレベル56と自然弁の弁尖102との間の組織接着をもたらした、ある期間にわたって移植された人工弁10を示す。しかしながら、第一のレベル54は、自然弁の弁輪104に接着しておらず、これにより、(外植の処置において)人工弁10が取り外され得る容易さが改善され得る。例えば、人工弁10が何らかの理由で取り外されることが所望されるべきである場合、好ましくは、第一のレベル54の周りの組織接着の欠如により、組織を自然弁の弁輪104で切除する必要性が低減され得る。第二のレベル56は、組織接着を含み得、これは、人工弁10の固定および封止を改善し得る。しかしながら、組織接着は、自然弁の弁尖102とのものである場合があり、外植の処置で切断するためにのみ必要である場合がある。
【0066】
図11は、例えば、取り外しまたは外植の手順におけるステップを示す。移植された人工弁は、自然の心臓弁など、患者の身体の位置から取り外され得る。取り外しまたは外植の処置は、外科手術処置または低侵襲性処置を含んでもよく、これは、所望であれば、経カテーテル的であり得る。切断装置106(例えば、メスまたは他の形態のブレードもしくはレーザまたは他の形態の切断装置)は、第二のレベル56に接着される弁尖102を切断し得る。自然の弁尖102は、第二のレベル56に接触する間、患者の身体から切断され得る。自然の弁尖102は、第二のレベル56に接合されてもよい。切断装置106は、この部分での組織接着の欠如のために、自然弁の弁輪104でいかなる組織も切断していない。図12は、自然弁の弁尖102により、自然大動脈弁100から取り外された人工弁10を示す。方法は、人工弁10の残りの部分と共に、自然の弁尖102および第二のレベル56を患者の身体から取り外すことを含み得る。自然大動脈弁100が占有した領域は、別の人工心臓弁の移植に利用可能であり得る。
【0067】
人工弁10の構成および用途における変形例が提供されてもよい。本明細書に開示される方法のステップにおける変形例が提供され得る。
【0068】
実施形態では、第一のレベル54の第二のレベル56に対する長さの比率は、第二のレベル56が移植される場合に自然弁の弁輪104に接触しないように、設定されてもよい。実施形態では、第二のレベル56の長さは、第二のレベル56のどの部分も弁輪に接触しないように、構成され得る。実施形態では、三つ以上のレベルのスカート部が提供されてもよい(例えば、少なくとも二つのレベル、または二つ以上のレベルを有する多段階スカート部)。複数レベルのスカート部は、第一のレベル54に類似の材料で構成された一つ以上のレベル、および第二のレベル56に類似の材料で構成された一つ以上のレベルを含み得る。実施形態では、血栓耐性レベルは、弁輪との接着の可能性を低減するために、人工弁の最遠位のレベルを含み得る。人工弁10の様々な他の構成および用途が提供され得る。
【0069】
人工弁10の機構は、独立して、または本明細書に開示される他の機構と組み合わせて実装され得る。
【0070】
図13は、スカート部114を、複数の人工弁の弁尖116を含む移植可能な人工弁110の残りの部分に結合するために利用され得る、一つ以上の生体吸収性結合器112を含む移植可能な人工弁110の実施形態の概略断面図を示す。
【0071】
スカート部114は、弁本体115の外面のうちの少なくとも一部分を形成する本体を備え得、弁本体115を移植部位に固定し、移植部位での封止を促進するために利用されてもよい。スカート部114は、弁本体115の円周方向の周りに延在し得、弁本体115の全体の周りに延在し得る。スカート部114は、図1~12に関して検討されたスカート部52の第二のレベル56に関して検討されるように、組織の内部成長をスカート部114により可能にするように構成される材料から構築され得、または所望のように、別の構成を有してもよい。例えば、スカート部114は、他の形態の材料の中でも特に、ニットPET織物で作製され得る。
【0072】
弁本体115は、図1に示すフレーム20と同様に構成され得る、または別の構成を有し得る、フレーム118をさらに含み得る。弁本体115は、弁本体12と同様に、近位端117、遠位端119、外面121、および複数の人工弁の弁尖116が位置決めされる流れチャネルに面する内面123を含み得る。
【0073】
弁本体115は、フレーム118の半径方向内側に位置決めされ得、図1および図4に示すスカート部50と同様に構成され得る、スカート部120をさらに含み得る。複数の人工弁の弁尖116は、スカート部120の半径方向内側に位置決めされ得る。
【0074】
スカート部114(外側スカート部と称され得る)は、一つ以上の生体吸収性結合器112を介して、フレーム118に直接結合し得、または一つ以上の生体吸収性結合器112を介して、スカート部120(内側スカート部と称され得る)、またはフレーム118とスカート部120との組合せに結合し得る。スカート部114は、フレーム118の半径方向外側に位置決めされてもよい。スカート部114をフレームまたは内側スカート部120に結合することで、スカート部114は、人工弁の弁尖116に結合され得る。実施形態でのスカート部114は、生体吸収性結合器112により、複数の人工弁の弁尖116に直接結合し得る。実施形態でのスカート部114は、所望のように、複数の人工弁の弁尖116のスカラップ線または縫合線に結合し得る、一つ以上の生体吸収性結合器112を含み得る。生体吸収性結合器112の一つ以上は、スカラップ線または縫合線に結合し得、他の生体吸収性結合器112は、所望のように、フレーム118またはスカート部120に結合し得る。カップリングの他の位置、またはカップリングの位置の組み合わせは、所望のように利用され得る。
【0075】
生体吸収性結合器112は、実施形態での生体吸収性縫合部、または所望のように、その他の形態の結合器(例えば、タブ、フック、ピン、接着剤本体、または他の形態の結合器)を含み得る。生体吸収性結合器112は、患者の体内に位置決めされた間に溶解するように構成され得、それによって、スカート部114と弁本体115の残りの部分との間の結合を低減する。生体吸収性結合器112は、再吸収プロセスで溶解するように構成され得る。そのため、取り外しまたは外植の処置の間、スカート部114は、所望であれば、スカート部114が定位置に留まり得る間に、このような構成要素を移植部位から取り外しできるように、より簡単に、人工弁の弁尖116またはフレーム118から分離され得る。スカート部114は、一つ以上の生体吸収性結合器112が溶解する時に、複数の人工弁の弁尖116から分離するように構成され得る。例えば、スカート部114は、組織の内部成長をスカート部114により可能にするように構成され得る。スカート部114が組織接着を介して、移植部位に接着している場合、スカート部114は、生体吸収性結合器112が溶解した場合、取り外し処置中により容易に分離され得る。
【0076】
しかしながら、内側スカート部120は、実施形態では、耐血栓性であるように構成され得、図1~12に関して検討されるスカート部52の第一のレベル54に関して検討される類似の材料から構築され得る。例えば、内側スカート部120は、PTFEまたはePTFE材料(他の形態の材料の中で特に)を含み得る。内側スカート部120は、非生体吸収性結合器(非吸収性縫合部または別の形態の結合器など)により、フレーム118および人工弁の弁尖116にさらに結合し得る。したがって、内側スカート部120は、組織接着を介して接合しない場合があり、非生体吸収性結合器は、移植後も固定されたままであり得る。
【0077】
図14は、例えば、自然大動脈弁100などの自然心臓弁に患者の体内で移植された移植可能な人工弁110を示す。スカート部114は、所望であれば、自然弁の弁尖102および自然弁の弁輪104に接触され得る。さらに、組織接着は、実施形態で、スカート部114と自然大動脈弁100のこのような機構との間に生じ得る。図13に示す生体吸収性結合器112は、経時的に溶解し得、それによって、スカート部114と移植可能な人工弁110の残りの部分との間の結合を低減する。スカート部114は、一つ以上の生体吸収性結合器112の溶解時に、複数の人工弁の弁尖116から分離するように構成され得る。
【0078】
図15は、移植された人工弁が患者の体内の位置から取り外される、取り外しまたは外植の手順におけるプロセスを示す。移植時の移植された人工弁は、図13および図14に示すように構成され得る。スカート部114は、移植された人工弁110を自然心臓弁から取り外す間に、このような手順でフレーム118および人工弁の弁尖116(図13にマークされる)から分離され得る。一つ以上の生体吸収性結合器112は、溶解している。スカート部114をフレーム118から分離することで、取り外しまたは外植の処置の容易さが改善され得、取り外しまたは外植の処置中に自然組織の切除の必要性が低減され得る。人工弁110は、スカート部114なしで患者の身体から取り外され得る。
【0079】
人工弁110の機構は、独立して、または本明細書に開示される他の機構と組み合わせて、実装され得る。
【0080】
図16は、生体吸収性であるように構成されるスカート部132を含む、移植可能な人工弁130の実施形態の概略断面図を示す。実施形態での生体吸収性スカート部132は、弁本体136の外面134の少なくとも一部分を含み得る。生体吸収性スカート部132は、生体吸収性織物または他の生体吸収性材料から構築されてもよい。
【0081】
弁本体136は、フレーム138を含み得、所望であれば、フレーム138の内部に位置決めされ得るスカート部140を含み得る。スカート部140は、図1および図4に示すスカート部50と同様に構成されてもよい。複数の人工弁の弁尖141は、スカート部140の半径方向内側に位置決めされ得る。弁本体136は、弁本体12と同様に、近位端143、遠位端147、外面134、および複数の人工弁の弁尖141が位置決めされる流れチャネルに面する内面145を含み得る。
【0082】
生体吸収性スカート部132は、実施形態でフレーム138の半径方向外側に、かつスカート部140の半径方向外側に位置決めされ得る。生体吸収性スカート部132(外側スカート部と称され得る)は、フレーム138の円周方向の周りに延在し得、フレーム138全体の円周方向の周りに延在し得る。
【0083】
実施形態では、スカート部142(メインスカート部と称され得る)は、生体吸収性スカート部132の半径方向内側に位置決めされ得る。実施形態では、スカート部142は、フレーム138の半径方向外側に、かつ生体吸収性スカート部132の半径方向内側に位置決めされ得る。したがって、スカート部142は、実施形態で、フレーム138と生体吸収性スカート部132との間に位置決めされ得る。しかしながら、実施形態では、スカート部142は、フレーム138の半径方向内側に位置決めされ得、フレーム138が、スカート部142と生体吸収性スカート部132との間に位置決めされる。このような実施形態では、内側スカート部140は、所望であれば、除外され得、メインスカート部142がその代わりに利用される。実施形態では、内側スカート部140およびメインスカート部142の組み合わせは、所望のように利用され得る。
【0084】
生体吸収性スカート部132は、一つ以上の生体吸収性結合器144により、複数の人工弁の弁尖141を含む移植可能な人工弁130の残りの部分に結合し得る。このような結合器は、図13~15に関して検討された生体吸収性結合器112と同様の様式で構成され得、患者の体内の持続時間後に溶解するように構成され得る。生体吸収性結合器144は、生体吸収性スカート部132をメインスカート部142、フレーム138、内側スカート部140、または人工弁の弁尖141、または位置の組み合わせに直接結合するために利用され得る。生体吸収性結合器144は、患者の体内への移植期間後に、移植可能な人工弁130の残りの部分から外側スカート部132を解放するために利用され得る。
【0085】
メインスカート部142は、実施形態では、耐血栓性であるように構成され得る。そのため、メインスカート部142との組織接着の可能性が低減され得る。メインスカート部142は、図1~12に関して検討された第一のレベル54と同様の様式で構成され得、第一のレベル54と同様の血栓耐性特性を含み得る。例えば、メインスカート部142は、PTFEまたはePTFE材料(他の形態の材料の中では特に)を含み得る。メインスカート部142は、非生体吸収性である結合器(非吸収性縫合または別の形態の結合器など)により、フレーム138、内側スカート部140、または人工弁の弁尖141、または位置の組み合わせに結合し得る。
【0086】
移植時に、生体吸収性スカート部132は、溶解するように構成され得、溶解により取り外され得、および/またはその場所の組織によって置き換えられてもよい。このような特徴は、移植可能な人工弁130との封止を改善し得る、移植可能な人工弁130の周りの組織形成をもたらし得る。さらに、メインスカート部142は、移植可能な人工弁130の外側スカート部を備え得、これは、さらなる組織接着の可能性を低減するために耐血栓性であり得る。生体吸収性スカート部132は、メインスカート部142が、生体吸収性スカート部132の溶解時に、弁本体136の外面を含むように、溶解するように構成される。そのため、取り外しまたは外植の処置時に、耐血栓性表面は、耐血栓性表面への組織接着の欠如により、このような処置の容易さを改善し得る。
【0087】
図17は、例えば、自然の大動脈弁100内に移植された移植可能な人工弁130を示し、生体吸収性スカート部132が、移植可能な人工弁130の外面を含む。生体吸収性スカート部132は、所望であれば、自然弁の弁尖102および/または弁輪104に接触し得る。
【0088】
図18は、生体吸収性スカート部132が溶解し、(可能なら)その代わりに組織150で置換された、患者の体内の持続時間後の移植可能な人工弁130を示す。耐血栓性メインスカート部142は、現在では、移植可能な人工弁130の外側スカート部であり、組織接着が、メインスカート部142の耐血栓性の性質により低減される。組織150は、メインスカート部142の周りに均一の環状形状を形成し得、これは、移植可能な人工弁130の周りの封止を改善し得る。組織150のこのような形状は、弁尖102の任意の石灰化が移植部位に対して不規則な封止形状を生じ得ることを考慮すると、移植部位の潜在的に不規則な形状に対する改善を含み得る。
【0089】
移植可能な人工弁130の取り外しまたは外植が所望されると、取り外しまたは外植の処置を実施することができる。図19を参照すると、メインスカート部142の耐血栓性の性質は、メインスカート部142と組織150との間の組織接着の減少および患者の身体の周囲の特徴により、移植された人工弁130の取り外し能力を改善し得る。図19は、取り外された移植された人工弁130を示し、メインスカート部142が、移植された人工弁130の外側スカート部を備える。
【0090】
本明細書に開示される方法の変形例は、所望のように提供されてもよい。移植可能な人工弁の構成のさらなる変形例は、実施形態に提供されてもよい。例えば、実施形態では、図16に示す外側スカート部132は、生体吸収性ではない場合があるが、例えば、図1に示す第二のレベル56と同様の様式で、組織の内部成長を可能にするように構成され得る。外側スカート部132は、スカート部52の第二のレベル56に関して検討されるように、組織の内部成長をスカート部114により可能にするように構成される材料から構築され得、または所望のような構成を有し得る。例えば、外側スカート部132は、他の形態の材料の中でも特に、ニットPET織物で作製されてもよい。そのため、生体吸収性結合器144は、取り外しまたは外植手順中に、このような外側スカート部132をメインスカート部142から解放するよう溶解するように構成され得る。
【0091】
人工弁130の機構は、独立して、または本明細書に開示される他の機構と組み合わせて、実装され得る。
【0092】
図20Aは、移植可能な人工弁200の形態のインプラントの斜視図を示す。移植可能な人工弁200は、図1に示すように、人工弁10と同様に構成され得る。人工弁200は、しかしながら、図1に示すように、スカート部52と異なる構成を有し得る、スカート部202を有し得る。
【0093】
人工弁200は、近位端203および遠位端205を有し得る弁本体201を含み得る。近位端203は、人工弁200の流出端を備え得、遠位端205は、人工弁200の流入端を備え得る。実施形態では、人工弁200は、図1に示すフレーム20と同様に構成され得、複数の支柱を含み得るフレーム207を含んでもよい。実施形態では、フレーム207は、図1に示すフレーム20と異なる構成を有し得る。
【0094】
弁本体201は、外面209および流れチャネル208に面する内面211(図20Bにマークされる)を含み得る。複数の人工弁の弁尖210は、流れチャネル208内に位置決めされ得、弁本体201の内面211から内側に延在し得る。
【0095】
スカート部202は、弁本体201の外面209の少なくとも一部分を形成する外部表面204を有し得る。外部表面204は、実施形態では、外部表面204内の組織の内部成長を可能にするために多孔性であるように構成され得る。スカート部202は、実施形態では、耐血栓性であるように構成される内部表面206(図20Bにマークされる)を含み得る。内部表面206は、実施形態で、流れチャネル208および人工弁の弁尖210に向かって面し得る。
【0096】
実施形態では、スカート部202は、外側部分を含み得、内側部分を含み得る。内側部分は、外側部分の半径方向内側に位置決めされてもよい。外側部分は、実施形態では、スカート部202の外部表面204を備え得る。内側部分は、実施形態では、スカート部202の内部表面206を備えてもよい。他の構成のスカート部は、所望のような実施形態で利用され得る。
【0097】
図20Bを参照すると、スカート部202は、フレーム207の半径方向外側に位置決めされ得る弁本体201の外側スカート部を備えてもよい。スカート部202は、弁本体201の円周方向の周りに延在し得、弁本体201の全体の周りに延在し得る。外側スカート部は、フレーム207の円周方向の周りに延在し得る。実施形態での弁本体201は、フレーム207の半径方向内側に位置決めされ得る内部スカート部213を含み得る。内部スカート部213は、弁本体201の内面211の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0098】
実施形態では、内部スカート部213は、使用から除外されてもよく、スカート部202は、弁本体201で利用される唯一のスカート部を備え得る。スカート部202の内部表面206は、弁本体201の内面211の少なくとも一部分を形成し得る。実施形態では、スカート部202は、フレーム207の半径方向内側に位置決めされ得、および/または弁本体201で利用される唯一のスカート部202を備えてもよい。実施形態では、スカート部202は、フレーム207の半径方向外側に、およびフレーム207の半径方向内側の両方で位置決めされ得る。
【0099】
図21A~21Dは、スカート部202として利用され得るスカート部の実施形態の断面図を示す。図21Aは、例えば、スカート部202aの構成を示す。スカート部202aは、複数の層を含み得る。複数の層は、図20Bに示す流れチャネル208から半径方向外側の方向に重ねられ得る。
【0100】
複数の層は、実施形態では、互いに積層され得る。積層プロセスは、第二の層215を第一の層217上に位置決めすること、および第二の層215を、高温高圧であり得る圧縮をすること、を含み得る。積層プロセスは、層215、217上に追加の層(例えば、第三の層、第四の層、第五の層など)を位置決めすること、および高温高圧で積層し続けること、を含み得る。スカート部の多層構造が、結果として生じる場合がある。実施形態では、スカート部は、少なくとも二つの層、少なくとも三つの層、少なくとも四つの層、少なくとも五つの層、少なくとも六つの層、または所望のようにより大きい数の層を含み得る。実施形態では、スカート部は、七つの層を含み得るが、所望のように、より多くの層が提供されてもよい。
【0101】
図21Aは、実施形態では、スカート部202aの内部表面206aを形成する第一の層217は、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の層を含み得る。実施形態では、層217は、積層プロセスの間に、またはそうでなければ、比較的高い圧力および/または温度値で圧縮され得、ePTFEの層217を圧縮し、層の多孔性を低減する。該圧縮は、ePFTE層が耐血栓性であるように、ePTFEを封止するための多孔性を低減させ得、したがって、スカート部202aの耐血栓性内部表面206aをもたらす。圧縮ePTFE層217は、実質的に細孔を欠き得、圧縮ePTFE層217との組織接着に抵抗し得る。
【0102】
実施形態では、第二の層215は、圧縮ePTFE層217上に位置決めされてもよい。第二の層215は、外層を含み得、第一の層217は、内部層を含み得る。第二の層215は、積層プロセスの間に、またはそうでなければ、圧縮されたePTFE層217よりも低い圧力および/または温度値で圧縮され得、したがって、第二の層215は多孔質のままであり、スカート部202aの外部表面204により組織の内部成長のために構成される。実施形態では、第二の層215は、ePTFEの積層に対する従来の圧力および/または温度値により積層され得、第一の層217は、従来の値よりも大きい圧力および/または温度値により圧縮され得る。そのため、第一の層217および第二の層215は、互いに積層され得、第二の層215が多孔質であり、第一の層217が封止されている。スカート部202aの外部表面204は、内部表面206aのePTFEの圧縮層217よりも低圧で圧縮されるePTFEの層215を含み得る。
【0103】
実施形態では、より多くの層は、スカート部に提供され得る。図21Bは、例えば、スカート部202bの断面図を示す。スカート部202bは、中間層212、214を含み得る。二つの中間層214および一つの中間層212は、実施例によって示される。一部の実施形態では、多少の中間層212、214が存在し得る。中間層212、214は、外部表面204と内部表面206aとの間にあってもよい。圧縮ePTFE層217に直接隣接する一つの中間層214または複数の中間層214は、内部表面206aのePTFEの圧縮層217と同一圧力および/または温度で圧縮され得る、単層または複層のePTFEであり得る。そのため、少なくとも一つの中間層214は、実施形態では封止され得、耐血栓性であってもよい。
【0104】
外部表面204のePTFEの層215に直接隣接する一つの中間層212または複数の中間層212は、外部表面204のePTFEの層215と同一圧力および/または温度で圧縮された単層または複層のePTFEであり得る。そのため、一つの中間層212または複数の中間層212は、実施形態では多孔性であり得、その中の組織の内部成長を可能にするように構成される。実施形態では、内部表面206aと外部表面204との間の少なくとも一つの中間層212は、多孔質ePTFEを含み得る。一部の実施形態では、一つの中間層212または複数の中間層212は、内部表面206aのePTFEの層217よりも低い圧力および/または低い温度であるが、外部表面204のePTFEの層215よりも高い圧力および/または高い温度で圧縮された単層または複層のePTFEであり得る。例えば、図21Bに示すように、中間層212は、外部表面204のePTFEの層215よりも高い圧力および/またはより高い温度で圧縮されるため、外部表面204よりも少ない細孔216を含み得る。
【0105】
図21Cは、七層を含み得るスカート部202cの断面図を示す。スカート部202cは、厚さ218を有し得る。実施形態では、厚さ218が、50~60マイクロメートル(μm)であり得るが、より大きいまたはより小さい厚さは、所望のような実施形態で提供され得る。各層は、厚さ220を有し得る。実施形態では、厚さ220が、5~10マイクロメートルあり得るが、より大きいまたはより小さな厚さは、所望のような実施形態で提供され得る。
【0106】
スカート部202cは、スカート部202cの厚さ218により、引裂抵抗性があり得る。スカート部202cは、複数の中間層212を含み得る。図21Cに示すように、スカート部202cは、例えば、五つの中間層212を含み得る。中間層212は、様々な程度の多孔性を有してもよい。例えば、中間層212の空隙率は、内部表面206aの方向から外部表面204まで同一であり得る。中間層212の空隙率は、実施形態での外層215の空隙率と同一であり得、または異なっていてもよい。そのため、各中間層212またはいくつかの中間層212は、外側層215と同一圧力および/または同一温度で圧縮され得る。実施形態では、中間層212の空隙率は、内部表面206aの方向から外部表面204へ増加し得る。そのため、各中間層212またはいくつかの中間層212は、内部表面206aから外部表面204までの方向に、前の中間層212または複数の中間層212よりも低い圧力および/または低い温度で圧縮され得る。一つ以上の中間層212内に組織の内部成長が存在し得る。
【0107】
実施形態では、外部表面204の層215の細孔216および中間層212の細孔216は、整列または整列不良であり得る。中間層212の細孔216は、他の中間層212の細孔216と整列、または整列不良であり得る。
【0108】
図21Dは、内部表面206bが封止されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層219を含み得る、スカート部202dの断面図を示す。層219は、内部層を含んでもよい。内部表面206bの層219は、スカート部202dの外部表面204を形成するスカート部202dの外層215よりも小さい厚さを有し得る。例えば、内部表面206bの層219の厚さ222は、1マイクロメートルであり得、外部表面204を形成する層215の厚さは、1マイクロメートル(例えば、5~10マイクロメートル)より大きくてもよい。実施形態では、その他の厚さの範囲は、所望のように提供され得る。
【0109】
本明細書に開示される層状のスカート部は、積層プロセスにおいて互いに圧縮され得る。実施形態では、本明細書に開示される層状のスカート部は、互いに対して直角に互いに積層され得る。図22は、例えば、移植可能な人工弁のスカート部202bの層215、212の正面概略図を示す。層215、212は、互いに対して直角に配向され得るePTFE層であり得る。追加の層は、実施形態で利用され、スカート部の隣接する層に対して直角に配向され得る。他の構成のスカート部は、所望のような実施形態で利用され得る。
【0110】
図23Aは、移植可能な人工弁200(図20Aを参照)で利用され得るスカート部202eの部分分離斜視図を示す。スカート部202eは、図20A~22に関して本明細書で開示される特徴を含み得る。実施形態では、スカート部202eの外部表面204aは、テクスチャ加工された表面であり得る。テクスチャ加工された表面は、スカート部202e内の組織の内部成長をさらに可能にし得る。テクスチャ加工された表面は、隆起または突起を含み得る。一部の実施形態では、外部表面204aの一部分のみは、テクスチャ加工された表面であり得る。
【0111】
図23Bは、移植可能な人工弁200(図20Aを参照)で利用され得るスカート部202fの部分分離斜視図を示す。スカート部202fは、図20A~23Aに関して本明細書で開示される特徴を含み得る。実施形態では、スカート部202fの外部表面204bは、そこから延在するフィラメントを含み得る。フィラメントは、スカート部202f内の組織の内部成長をさらに可能にし得る。一部の実施形態では、外部表面204bの一部分のみは、フィラメントを含み得る。
【0112】
実施形態では、他の構成のスカート部が利用され得る。例えば、実施形態では、スカート部は、単層を含んでもよい。実施形態では、層は、積層以外のプロセスにおいて、互いに圧縮および結合され得る。例えば、圧縮層は、一緒に縫合され得、またはそうでなければ、互いに結合されてもよい。本明細書に開示されるスカート部は、接合またはステッチを含む、様々な様式でフレームに結合され得る。例えば、縫合部は、所望のようにスカート部をフレームに結合し得る。
【0113】
実施形態では、スカート部の多孔質外面は、弁の外部からの漏れ(例えば、弁周囲漏出)の可能性を低減し得る組織の内部成長を可能にし得る。組織の内部成長は、弁と不規則な形状の弁の弁輪との間に存在し得る空間を埋めるように機能し得る。組織の内部成長は、弁を所望の移植部位に固定するようにさらに機能し得る。スカート部の耐血栓性内部表面は、流れチャネル208および/または弁尖210に到達し得、可能であれば人工弁の動作を低減する、組織の内部成長の可能性を低減するように機能し得る。過成長の可能性は、耐血栓性内部表面の使用によって、低減され得る。
【0114】
実施形態では、ePTFEを使用することで、人工弁に対して耐引裂性の改善が提供され得る。多孔質ePTFEは、所望の組織の内部成長をスカート部によりさらに可能にし得る。
【0115】
実施形態における多孔質ePTFEは、スカート部の外側部分上に位置決めされ得る。例えば、図21Bを参照すると、スカート部202bの外側部分224は、中間層212および外側層215を含み得る。外側部分224は、実施形態では、スカート部202bの外部表面204、または所望のように、スカート部202bの別の部分を含み得る。実施形態における外側部分224は、多孔質ePTFEの一つ以上の層を含み得る。スカート部202bは、外側部分224の半径方向内側に位置決めされる内側部分226を含み得る。内側部分226は、内部層217および中間層214を含み得る。内側部分226は、耐血栓性であり得る。内側部分226は、図21Bに示すように、圧縮PTFEを含み得る、一つ以上の封止層を含み得、または例えば、図21Dに示すように、封止ePTFEの層219を含み得る。内側部分226は、実施形態でスカート部202bの内部表面206a、または所望のように、スカート部202bの別の部分を含み得る。他の構成の層(例えば、図21A~23Bに関して記載される層)は、所望のような外側部分および内側部分を含み得る。他の構成のスカート部およびスカート部の内側部分および外側部分を、所望のように利用してもよい。
【0116】
実施形態では、ePTFE以外の他の多孔質材料が利用され得る。他の耐血栓性材料は、所望のような実施形態で利用され得る。
【0117】
図24は、自然大動脈弁100で移植された移植可能な人工弁200の概略図を示す。人工弁200は、本明細書に開示される方法または所望のような他の方法を利用して、移植され得る。弁本体201は、自然の心臓弁に移植されるように構成され得、スカート部202の外部表面は、組織の内部成長を、自然の心臓弁および/または自然の弁輪の自然の弁尖により可能にするように構成され得る。実施形態では、弁本体201の外部表面204の自然弁の弁尖および自然弁の弁輪に対する力により、移植可能な人工弁200は自然大動脈弁100に固定され得る。特に、スカート部202は、外部表面204が、自然弁の弁尖および/または自然弁の弁輪に接触するように、位置決めされ得る。
【0118】
図25は、自然大動脈弁100に移植された移植可能な人工弁200の概略図を示す。外部表面204は、一つ以上の自然弁の弁尖102および自然弁の弁輪104に接触することが示される。多孔性の外部表面204は、自然弁の弁尖102および自然弁の弁輪104で発生し得る、組織の内部成長を可能にし得る。このような組織の内部成長は、新生内膜組織を含み得る。
【0119】
図26は、外部表面204と、自然弁の弁尖102および自然弁の弁輪104との間の組織接着をもたらした、ある期間にわたって移植された移植可能な人工弁200の概略図を示す。組織接着は、移植可能な人工弁200の固定および封止を改善し得る。弁周囲漏出を低減することができる。一部の実施形態では、組織接着は、自然弁の弁尖102とのみであり得る。
【0120】
本明細書に開示される人工弁200およびスカート部の機構は、独立して、または本明細書に開示される他の機構と組み合わせて実装され得る。例えば、人工弁200およびスカート部の機構は、所望のように、図1~19の実施形態の機構とともに利用され得る。
【0121】
検討されるように、とりわけ、人工心臓弁、またはステントもしくはフィルター、または診断装置などの他の形態のインプラントを含む、様々な形態のインプラントは、本明細書に開示された実施形態で利用され得る。該インプラントは、圧縮または非展開状態から拡張または展開状態まで移動するように構成された拡張可能なインプラントであり得る。インプラントは、縮小された外側外形を有し、インプラントを圧縮または非展開状態に移動するために、内側に圧縮されるように構成された圧縮可能なインプラントであり得る。本明細書に開示される圧着装置は、インプラントを圧縮または未展開状態まで移動することを補助し得る。
【0122】
本明細書に開示される展開装置は、同様に大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、ならびに肺動脈弁の置換および修復に利用され得る。送達装置は、とりわけ、ステントもしくはフィルター、または診断装置などの他の形態のインプラントの送達のための展開装置を含み得る。
【0123】
本明細書に開示される展開装置およびシステムは、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)または他の自然心臓弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、または肺動脈弁)の置換に使用され得る。本明細書に開示される展開装置およびシステムは、患者の心臓への経大腿動脈的アクセスを含む経動脈的アクセスに利用され得る。展開装置およびシステムは、経大腿または経頸静脈的であり得る、経動脈的処置を含む、経カテーテル的経皮的処置に利用され得る。経根的処置も、とりわけ利用され得る。他の処置を、所望のように利用してもよい。
【0124】
実施形態の特徴は、所望のように、実施形態全体にわたって修正、置換、除外、または組み合わされ得る。
【0125】
さらに、本明細書の方法は、具体的に記載する方法に限定されないが、本明細書に開示されるシステムおよび装置を利用する方法を含み得る。方法のステップは、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法を用いて、修正、除外、または追加され得る。
【0126】
本明細書に開示される実施形態の機構は、独立して、または本明細書に開示される他の構成要素とは独立して実装され得る。システムの様々な装置は、独立して実装され得る。
【0127】
第一の例として、移植可能な人工弁が挙げられる。移植可能な人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成された第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含み得る。
【0128】
第一の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。遠位端は、弁本体の流入端であり得、第一のレベルは、遠位端に隣接し得る。近位端は、弁本体の流出端であり得、第二のレベルは、第一のレベルと近位端との間に位置決めされ得る。第二のレベルは、軸方向に第一のレベルに隣接して位置決めされ得る。第二のレベルは、接合またはステッチによって第一のレベルに結合され得る。第一のレベルおよび第二のレベルは両方とも、弁本体の円周方向の周りに延在し得る。弁本体は、フレームを含み得、第一のレベルおよび第二のレベルは両方とも、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。第一のレベルおよび第二のレベルは両方とも、接合またはステッチによってフレームに結合され得る。第一のレベルの第二のレベルに対する弁本体に沿った相対軸方向範囲の比率は、1:1以上であり得る。第一のレベルは、第一の材料を含み得、第二のレベルは、第一の材料とは異なる第二の材料を含み得る。第一の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、または被覆熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも一つ以上を含み得る。第二の材料は、ポリエチレンテレフタレートを含み得る。第一のレベルは、耐血栓性コーティングを含み得る。第二のレベルは、半径方向外側に延在するテクスチャ加工された撚り糸を含み得、第一のレベルは、組織成長を阻害するように構成された滑らかなテクスチャを含み得る。弁本体は、自然の心臓弁に移植されるように構成され得、第二のレベルは、組織の内部成長を自然の心臓弁の自然の弁尖により可能にするように構成され得、第一のレベルは、自然の心臓弁の弁輪内に位置決めされるように構成され得る。
【0129】
第二の例として、方法が挙げられる。該方法は、人工弁を患者の体内に移植することを含み得、人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成される第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含む。
【0130】
第二の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。方法は、人工弁を自然心臓弁に移植することをさらに含み得る。該方法は、第二のレベルを、自然心臓弁の自然の弁尖に接触させることをさらに含み得る。方法は、第一のレベルを自然心臓弁の弁輪に位置決めすることをさらに含み得る。遠位端は、弁本体の流入端であり得、近位端は、弁本体の流出端であり得、第二のレベルは、弁本体の第一のレベルと近位端との間に位置決めされ得る。第一のレベルおよび第二のレベルは両方とも、弁本体の円周方向の周りに延在し得る。第一のレベルは、第一の材料を含み得、第二のレベルは、第一の材料とは異なる第二の材料を含み得る。第一の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、または被覆熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも一つ以上を含み得る。第二の材料は、ポリエチレンテレフタレートを含み得る。第一のレベルは、耐血栓性コーティングを含み得る。
【0131】
第三の例として、方法が挙げられる。該方法は、移植された人工弁を患者の体内の位置から取り外すことを含み得、移植された人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部を形成し、耐血栓性であるように構成された第一のレベルと、弁本体の外面の少なくとも一部を形成する第二のレベルであって、組織の内部成長を第二のレベルにより可能にするように構成される第二のレベルと、を含む、スカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含む。
【0132】
第三の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。方法は、移植された人工弁を自然の心臓弁から取り外すことを含み得る。第一のレベルは、自然心臓弁の弁輪に位置決めされ得る。該方法は、自然の弁尖を患者の身体から切除することを含み得、自然の弁尖がスカート部の第二のレベルに接触している。自然の弁尖は、スカート部の第二のレベルに接合され得、方法は、自然の弁尖およびスカート部の第二のレベルを、患者の身体から取り外すことをさらに含む。遠位端は、弁本体の流入端であり得、近位端は、弁本体の流出端であり得、第二のレベルは、弁本体の第一のレベルと近位端との間に位置決めされ得る。第一のレベルおよび第二のレベルは両方とも、弁本体の円周方向の周りに延在し得る。第一のレベルは、第一の材料を含み得、第二のレベルは、第一の材料とは異なる第二の材料を含み得る。第一の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、または被覆熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも一つ以上を含み得る。第二の材料は、ポリエチレンテレフタレートを含み得る。
【0133】
第四の例として、移植可能な人工弁が挙げられる。移植可能な人工弁は、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、および複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含み得る。
【0134】
第四の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得、一つ以上の生体吸収性結合器によりフレームに結合され得る。スカート部は、第一のスカート部であり得、弁本体は、フレームの半径方向内側に位置決めされた第二のスカート部を含み得、第一のスカート部は、一つ以上の生体吸収性結合器により第二のスカート部に結合され得る。該スカート部は、一つ以上の生体吸収性結合器により、人工弁の弁尖のスカラップ線に結合され得る。スカート部は、組織の内部成長をスカート部により可能にするように構成され得る。スカート部は、生体吸収性スカート部であり得る。スカート部は、第二のスカート部の半径方向外側に位置決めされた第一のスカート部であり得、第二のスカート部が、耐血栓性であるように構成される。弁本体は、フレームを含み得、第二のスカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。一つ以上の生体吸収性結合器は、一つ以上の生体吸収性縫合部を含み得る。スカート部は、一つ以上の生体吸収性結合器を溶解する時に、複数の人工弁の弁尖から分離するように構成され得る。
【0135】
第五の実施例として、移植可能な人工弁が挙げられる。移植可能な人工弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、生体吸収性であるように構成された第一のスカート部、第一のスカート部の半径方向内側に位置決めされ、耐血栓性であるように構成された第二のスカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含み得る。
【0136】
第五の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。弁本体は、フレームを備えてもよい。第一のスカート部および第二のスカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。第一のスカート部は、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合され得る。一つ以上の生体吸収性結合器は、一つ以上の生体吸収性縫合部を含み得る。第一のスカート部は、一つ以上の非生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合され得る。第一のスカート部は、第二のスカート部が、第一のスカート部の溶解時に弁本体の外面を含むように、溶解するように構成され得る。第一のスカート部および第二のスカート部は両方とも、弁本体の円周方向の周りに延在し得る。第二のスカート部は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み得る。弁本体は、大動脈弁に展開されるように構成され得る。
【0137】
第六の実施例として、方法が挙げられる。該方法は、人工弁を患者の体内に移植することを含み得る。人工弁は、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、および複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されるスカート部を有する弁本体と、を含み得る。
【0138】
第六の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。方法は、人工弁を自然心臓弁に移植することをさらに含み得る。方法は、スカート部を自然の心臓弁の自然の弁尖に接触させることをさらに含んでもよい。一つ以上の生体吸収性結合器は、一つ以上の生体吸収性縫合部を含み得る。スカート部は、一つ以上の生体吸収性結合器を溶解する時に、複数の人工弁の弁尖から分離するように構成され得る。弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ、一つ以上の生体吸収性結合器によりフレームに結合される。スカート部は、組織の内部成長をスカート部により可能にするように構成され得る。スカート部は、生体吸収性スカート部であり得る。スカート部は、第二のスカート部の半径方向外側に位置決めされた第一のスカート部であり得、第二のスカート部が、耐血栓性であるように構成される。弁本体は、フレームを含み得、第二のスカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。
【0139】
第七の例として、方法が挙げられる。該方法は、移植された人工弁を、患者の体内の位置から取り外すことを含み得、移植時の移植された人工弁は、複数の人工弁の弁尖と、近位端、遠位端、外面、複数の人工弁の弁尖が位置決めされる流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成し、一つ以上の生体吸収性結合器により複数の人工弁の弁尖に結合されたスカート部を有する弁本体と、を含む。
【0140】
第七の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。該方法は、移植された人工弁を自然の心臓弁から取り外すことをさらに含み得る。方法は、移植された人工弁を自然心臓弁から取り外す一方、スカート部を複数の人工弁の弁尖から分離することをさらに含み得る。一つ以上の生体吸収性結合器は、溶解した可能性がある。方法は、移植された人工弁を、スカート部なしで患者の体内の場所から取り外すことをさらに含み得る。移植時に、弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得、一つ以上の生体吸収性結合器によりフレームに結合され得る。スカート部は、組織の内部成長をスカート部により可能にするように構成され得る。スカート部は、生体吸収性スカート部であり得る。移植時に、スカート部は、第二のスカート部の半径方向外側に位置決めされた第一のスカート部であり得、第二のスカート部が、耐血栓性であるように構成される。弁本体は、フレームを含み得、第二のスカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。
【0141】
第八の実施例として、移植可能な人工弁が挙げられる。移植可能な人工弁は、外面および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する外部表面であって、外部表面内の組織の内部成長を可能にするように多孔性であるように構成された外部表面と、耐血栓性であるように構成される内部表面と、を含む、スカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含み得る。
【0142】
第八の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。スカート部は、複数の層を含み得る。複数の層は、流れチャネルから半径方向外側の方向に重ねられ得る。複数の層は、互いに積層され得る。複数の層は、少なくとも三つの層を含み得る。複数の層は、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み得る。複数の層は、互いに対して直角に配向されたePTFEの層を含み得る。内部表面は、ePTFEの圧縮層を含んでもよい。内部表面は、封止され得る。外部表面は、内部表面のePTFEの圧縮層よりも圧縮が少ないePTFEの層を含んでもよい。外部表面のePTFEの層は、内部表面のePTFEの圧縮層よりも低い圧力または低い温度で圧縮され得る。内部表面のePTFEの圧縮層に直接隣接する内部表面と外部表面との間の少なくとも一つの中間層は、内部表面のePTFEの圧縮層と同一圧力および温度で圧縮され得る。内部表面は、封止されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を含み得る。封止PTFEの層は、スカート部の外部表面を形成するスカート部の層よりも小さい厚さを有し得る。内部表面と外部表面との間の少なくとも一つの中間層は、多孔性ePFTEを含んでもよい。外部表面の少なくとも一部分は、テクスチャ加工された表面であり得、または外部表面から延在するフィラメントを含んで、組織の内部成長をさらに可能にする。スカート部は、弁本体の円周方向の周りに延在し得る。弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。スカート部は、接合またはステッチによってフレームに結合され得る。弁本体は、自然の心臓弁に移植されるように構成され得、スカート部の外部表面は、組織の内部成長を自然の心臓弁の自然の弁尖により可能にするように構成され得る。
【0143】
第九の実施例として、方法が挙げられる。該方法は、人工弁を患者の体内に移植することを含み得、人工弁は、外面および流れチャネルに面する内面を有する弁本体であって、弁本体の外面の少なくとも一部分を形成する外部表面であって、外部表面内の組織の内部成長を可能にするように多孔性であるように構成された外部表面と、耐血栓性であるように構成される内部表面と、を含む、スカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含む。
【0144】
第九の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。方法は、人工弁を自然心臓弁に移植することをさらに含み得る。方法は、スカート部の外部表面を、自然の心臓弁の自然の弁尖または弁輪に接触させることをさらに含み得る。スカート部は、複数の層を含み得る。複数の層は、流れチャネルから半径方向外側の方向に重ねられ得る。複数の層は、互いに積層され得る。複数の層は、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み得る。内部表面は、ePTFEの圧縮層を含んでもよい。内部表面は、封止されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を含み得る。内部表面と外部表面との間の少なくとも一つの中間層は、多孔性ePFTEを含んでもよい。
【0145】
第十の実施例として、移植可能な人工弁が挙げられる。移植可能な人工弁は、外面および流れチャネルに面する内面、および多孔性拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含むスカート部であって、スカート部内の組織の内部成長を可能にするスカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含み得る。
【0146】
第十の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。スカート部は、互いに積層された複数の層のePTFEを含み得、複数の層が、流れチャネルから半径方向外側の方向に重ねられている。スカート部の外側部分は、多孔質ePTFEを含んでもよい。スカート部は、スカート部の外側部分の半径方向内側に位置決めされた内側部分を含み得、耐血栓性であるように構成される。内側部分は、圧縮ePTFEの層を含み得る。スカート部の外側部分は、内側部分の圧縮ePTFEの層よりも小さく圧縮されるePTFEの層を含んでもよい。内側部分は、封止されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を含み得る。外側部分は、スカート部の外部表面を形成し得、内側部分は、スカート部の内部表面を形成してもよい。スカート部は、外層、内部層、および少なくとも一つの中間層を含んでもよく、外層および少なくとも一つの中間層は多孔質ePTFEを含み得、内部層は封止され得る。弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの円周方向の周りに延在し得、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。
【0147】
十一番目の例として、方法が挙げられる。該方法は、人工弁を患者の体内に移植することを含み得、人工弁は、弁本体が外面と流れチャネルに面する内面、および多孔性拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、スカート部であって、スカート部内の組織の内部成長を可能にするスカート部を有する弁本体と、流れチャネル内に位置決めされ、弁本体の内面から内側に延在する複数の人工弁の弁尖と、を含む。
【0148】
第十一の実施例の実装例は、以下のうちの一つ以上を含み得る。方法は、人工弁を自然心臓弁に移植することをさらに含み得る。方法は、多孔性拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を、自然の心臓弁の自然の弁尖または弁輪に接触させることをさらに含み得る。スカート部は、互いに積層された複数の層のePTFEを含み得、複数の層が、流れチャネルから半径方向外側の方向に重ねられている。スカート部は、耐血栓性であるように構成された内側部分を含み得る。内側部分は、圧縮ePTFEの層を含み得る。内側部分は、封止されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を含み得る。スカート部の外側部分は、多孔質ePTFEを含んでもよい。スカート部は、外層、内部層、および少なくとも一つの中間層を含んでもよく、外層および少なくとも一つの中間層は多孔質ePTFEを含み、内部層は封止される。弁本体は、フレームを含み得、スカート部は、フレームの円周方向の周りに延在し得、フレームの半径方向外側に位置決めされ得る。
【0149】
上述の第一~十一の実施例のいずれかを含むがこれに限定されない、実施例のいずれかの特徴のいずれかは、上記で言及された第一~十一の実施例のいずれかの任意の実施形態を含むがこれに限定されない、本明細書で識別される他のすべての態様および実施形態に適用可能である。さらに、上述の第一~十一の態様の任意の実施形態を含むがこれに限定されない、様々な実施例の実施形態の任意の特徴は、本明細書に記述された他の実施例と本明細書に記載された他の実施例と部分的にまたはすべて、独立して組み合わせ可能で、例えば、一つ、二つ、または三つ以上の実施例は、すべてまたは部分的に組み合わせることができ得る。さらに、上述の第一~十一の実施例のいずれかの任意の実施形態を含むがこれに限定されない、様々な実施例の特徴のいずれも、他の実施例に対して任意選択であり得る。ある方法の任意の実施例は、別の実施例のシステムまたは装置によって実施され得、システムまたは装置の任意の態様または実施形態は、上記で言及された第一~十一の実施例のいずれかの任意の実施形態を含むがこれに限定されない、別の態様または実施形態の方法を実施するように構成され得る。
【0150】
まとめると、本明細書の態様が、特定の実施形態を参照することによって強調されるが、当業者であれば、これらの開示された実施形態は、本明細書に開示される主題の原理の例示に過ぎないことを容易に認識されることが理解されるであろう。したがって、開示された主題が、本明細書に記述された特定の方法論、プロトコル、および/または試薬などに決して限定されないことは理解されるべきである。そのため、本開示の主題の様々な修正または変更、または代替的な構成は、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書の教示に従って実施され得る。最後に、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを記述する目的であり、本明細書に開示されるようなシステム、装置、および方法の範囲を限定することを意図するものではなく、これは、特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、システム、装置、および方法は、図示および説明されるような精密さに限定されない。
【0151】
システム、装置、および方法の特定の実施形態は、本明細書に記載されており、それらを実行するための発明者に知られている最良のモードが含まれる。当然のことながら、これらの説明される実施形態の変形例は、上述の説明を読んだときに当業者にとって明らかとなる。発明者は、当業者に、かかる変形を適宜採用することを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記述される以外の方法で実施されるシステム、装置、および方法を意図する。したがって、システム、装置、および方法は、準拠法により許容されるとおり、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形例における上述の実施形態の任意の組み合わせは、システム、装置、および方法によって包含される。
【0152】
システム、装置、および方法の代替的な実施形態、要素、またはステップのグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、または本明細書に開示される他のグループメンバーとの任意の組み合わせで、言及され、かつ請求され得る。グループの一つ以上のメンバーは、利便性および/または特許性を理由に、グループに含まれてもよく、またはグループから削除される可能性があることは予想される。このような任意の包含または欠失が発生する場合、本明細書は、修正されたグループを含有し、したがって、添付の特許請求の範囲で使用する全てのマーカッシュグループの記述を満たすとみなされる。
【0153】
別段の示唆がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される特徴、アイテム、数量、パラメータ、特性、項などを表す全ての数字は、全ての場合で用語「約」によって修正されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用する用語「約」は、そのように修飾された特徴、品目、数量、パラメータ、特性、または項が、変動し得る近似を包含するが、本明細書で検討される所望の動作またはプロセスを実施可能であることを意味する。
【0154】
システム、装置、および方法(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)を記述する文脈で使用する用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」、および類似の参照語は、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅するものとして解釈されるものとする。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈によってそうでなければ明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意のおよび全ての実施例、または例示的な文言(例えば、「など(such as)」)の使用は、単にシステム、装置、および方法をより良く解明することを意図するものであり、そうでなければ請求されるシステム、装置、および方法の範囲に制限をもたらさない。本明細書のいかなる文言も、システム、装置、および方法の実践に必須であるいかなる未請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0155】
本明細書において参照および識別される全ての特許、特許刊行物、およびその他の刊行物は、例えば、システム、装置、および方法に関連して使用され得る、かかる刊行物に記載される組成物および方法論を記述および開示する目的で、その全体が参照により、個別におよび明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日の前に、それらの開示のためにのみ提供される。この点に関するいかなる規定も、発明者が、先行発明を理由として、またはその他の任意の理由により、かかる開示を先行する権利を有するものではないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表明に関する全ての陳述は、出願人が入手可能な情報に基づくものであり、これらの文書の日付または内容の正確性を認めるものではない。
図1
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【国際調査報告】