(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】流体収集システムの感知と通知及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A61M1/00 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555415
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022019480
(87)【国際公開番号】W WO2022192347
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファローズ エリック アラン
(72)【発明者】
【氏名】クロダ メロディ メイ ヘー
(72)【発明者】
【氏名】ポルタンテ エリック
(72)【発明者】
【氏名】パテル ヘルシュ
(72)【発明者】
【氏名】メラー カミエ エル
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA09
4C077DD01
4C077DD12
4C077DD14
4C077DD21
4C077DD30
4C077HH09
4C077HH10
4C077HH20
4C077HH21
4C077JJ08
4C077JJ09
(57)【要約】
実施形態は、排出された流体を収集するためのシステム、及び方法に関する。流体収集システムは、ユーザから排出された流体を収集するように構成された流体収集デバイスと、流体収集デバイスから流体を受け入れるように構成された流体収集容器とを含む。流体収集システムはまた、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知する手段を含む。流体収集システムはまた、センサに動作可能に結合されたコントローラを含み、コントローラは、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから排出された流体を収集するように構成された流体収集デバイスと、
前記流体収集デバイスから前記流体を受け入れるように構成された流体収集容器と、
流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知する手段と、
前記感知する手段に動作可能に結合されたコントローラであって、前記流体収集システムの前記特性又は前記状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するように構成されるコントローラと、を備える、
流体収集システム。
【請求項2】
前記流体収集デバイスと流体連通するチューブと、
前記流体収集デバイス及び前記流体収集容器と流体連通するポンプであって、少なくとも部分的に真空を引き、前記流体を前記流体収集デバイスから前記チューブを通して前記流体収集容器内に引き込むように構成されるポンプと、
を更に備える、請求項1に記載の流体収集システム。
【請求項3】
前記感知する手段は、チューブに接続された流量計を含み、前記流量計は、真空状態を検出するか、又は前記流体の容積流量を測定するように構成されている、請求項1又は2に記載の流体収集システム。
【請求項4】
前記流量計は、前記チューブ内に配置された直列のボール型照準流動インジケータを含み、ボールフロートは真空が引かれているときは可視であるが、真空が存在しないときは見えない、請求項3に記載の流体収集システム。
【請求項5】
前記流量計は、前記チューブ内に配置されたばね及びピストン流量計を含み、較正されたばねがピストンを保持することで、前記ピストンは、真空が引かれているときは可視であり、真空が存在しないときは見えない、請求項3に記載の流体収集システム。
【請求項6】
前記流体収集容器は、ほぼ剛性の外部筐体と、前記流体を収容するように構成された内部部分とを含む、請求項1に記載の流体収集システム。
【請求項7】
前記感知する手段は、前記外部筐体と前記内部部分との間に配置されたセンサを含み、前記センサは、前記流体収集容器内の前記流体の容積又は質量に関する特性を検出するように構成される、請求項6に記載の流体収集システム。
【請求項8】
前記内部部分は拡張可能であり、前記センサは、前記内部部分が所定の容積まで拡張したときに作動するように構成される、請求項7に記載の流体収集システム。
【請求項9】
前記内部部分は概ね剛性であり、前記センサは、圧力センサ、容量センサ、又は光センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の流体収集システム。
【請求項10】
前記感知する手段は、前記流体収集デバイスが前記流体収集容器から切り離されたときを検出するように構成されたセンサを含む、請求項1に記載の流体収集システム。
【請求項11】
前記ポンプに動作可能に結合されたバッテリを更に備え、前記コントローラはバッテリ状態を通知するように構成される、請求項2に記載の流体収集システム。
【請求項12】
前記コントローラは、センサからの入力に従ってポンプを動作させるように構成される、請求項1に記載の流体収集システム。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、車椅子のアームに取り付けられたモジュール、又はスマートフォンを含む、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載の流体収集システム。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは前記コントローラに無線で接続される、請求項13に記載の流体収集システム。
【請求項15】
前記コンピューティングデバイスは、プログラム可能なタイマ、アラート又は警報、あるいは前記流体収集システムの前記特性又は前記状態のうちの少なくとも1つを表示するように構成されたディスプレイを含む、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の流体収集システム。
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスは、前記コントローラによって通知されるように、前記流体収集システムの前記特性又は前記流体収集システムの状態のうちの前記少なくとも1つをリアルタイムで提供するように構成される、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の流体収集システム。
【請求項17】
流体収集システムを使用する方法であって、
流体収集デバイスをユーザの尿道の少なくとも近くに配置することと、
前記ユーザから排出された流体を流体収集デバイス内に受け入れることと、
前記流体収集デバイスから排出された流体を流体収集容器内に受け入れることと、
感知する手段を用いて、前記流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを検出することと、
前記感知する手段に結合されたコントローラから、前記流体収集システムの前記特性又は前記状態のうちの前記少なくとも1つをコンピューティングデバイスに送信することと、
を含む、方法。
【請求項18】
ポンプを使用して、前記流体収集デバイスと流体連通するチューブに真空を引き、流体を前記流体収集デバイスから前記流体収集容器の中に引き込むことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
感知する手段を用いて、前記流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを検出することは、前記流体収集デバイス又は前記流体収集容器内の流体の容積、チューブを通過する前記流体の流動特性、ポンプの状態、又はバッテリの状態のうちの少なくとも1つを検出することを含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記感知する手段に結合されたコントローラからコンピューティングデバイスに送信することは、車椅子のアームに取り付けられたモジュール、又はスマートフォンに送信することを含む、請求項17~19のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記コンピューティングデバイスを用いて、前記コントローラによって通知されるように、前記流体収集システムの前記少なくとも1つの特性又は状態をリアルタイムで提供することを更に含む、請求項17~20のうちのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月10日に出願された米国仮特許出願第63/159,142号に対する優先権を主張し、その開示は、その全体が、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
個人は、可動性が限られているか、又は損なわれている場合があり、そのため、典型的な排尿プロセスが困難であるか、又は不可能となる。例えば、個人は、手術を受けたか、又は可動性を損なう障害を抱えている可能性がある。別の例では、個人は、パイロット、運転手、及び危険区域での労働者が経験するような制限された移動条件を有する場合がある。更に、個人からの体液採取が、モニタリング目的又は臨床検査のために必要になる可能性もある。
【0003】
ベッドパン及び尿道カテーテル、例えばフォーリカテーテルを使用して、このような状況のいくつかに対処し得る(例えば特許文献1参照)。しかし、ベッドパン及び尿道カテーテルには、それらの使用に関連するいくつかの問題がある。例えば、ベッドパンは、不快、溢れ、及びその他の衛生上の問題を生じやすい可能性がある。尿道カテーテルは、不快、痛みを伴う場合があり、また尿路感染症を引き起こす可能性がある。
【0004】
したがって、流体収集デバイスのユーザ及び製造業者は、体液を採取するための新規かつ改良されたデバイス、システム、及び方法を求め続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/265889号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集デバイス及び流体収集デバイスの使用方法に関する。一実施形態では、流体収集システムは、ユーザから排出された流体を収集するように構成された流体収集デバイスと、流体収集デバイスから流体を受け入れるように構成された流体収集容器とを含み得る。流体収集システムはまた、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知する手段と、感知する手段に動作可能に結合されたコントローラとを含み、コントローラは、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するように構成される。
【0007】
一実施形態では、流体収集システムを使用する方法は、流体収集デバイスをユーザの尿道の少なくとも近くに配置することと、ユーザから排出された流体を流体収集デバイス内に受け入れることとを含み得る。この方法は更に、流体収集デバイスから排出された流体を流体収集容器内に受け入れることを含む。この方法はまた、感知する手段を用いて、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを検出することを含む。この方法はまた、感知する手段に結合されたコントローラから、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに送信することを含む。
【0008】
開示された任意の実施形態からの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用され得る。更に、本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を考慮することによって当業者には明らかになるであろう。
【0009】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、同一の参照番号は、図面に示される異なる図又は実施形態における同一又は同様の要素又は特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】一実施形態による、流体収集システムのブロック図である。
【
図1B】一実施形態による、流量計の等角図である。
【
図1C】
図1Bの流量計の概略図であり、可視領域にフロートを有する。
【
図1D】一実施形態による、ばねを含む流量計の概略図である。
【
図1E】
図1Bの流量計の概略図であり、非可視領域にフロートを有する。
【
図2A】一実施形態による、流体収集システムのブロック図である。
【
図2B】一実施形態による、流体収集システムの等角図である。
【
図2C】一実施形態による、流体収集容器の断面図である。
【
図3】一実施形態による、流体収集システムのコントローラ内のコンピューティングデバイスの概略図である。
【
図4A】一実施形態による、流体収集システムの特性又は状態を示すディスプレイを備えたモジュールの概略図である。
【
図4B】一実施形態による、流体収集システムの特性又は状態を示すディスプレイを備えたスマートフォンの概略図である。
【
図5】一実施形態による、流体収集システムを使用する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知する手段を含む流体収集システム、及びそれを使用する方法に関する。本明細書に開示されるデバイス及びシステムは、個人から流体を収集するように構成され、少なくとも1つのセンサを含む。流体収集デバイスによって収集される流体には、尿、膣分泌物、陰茎分泌物、生殖液、血液、汗、創傷分泌物、間質液、脳脊髄液、又は他の体液のうちの少なくとも1つを含み得る。本明細書に開示される流体収集システムの実施形態は、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知する手段と、感知する手段に動作可能に結合されたコントローラとを含み得て、コントローラは、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するように構成される。流体収集システムの少なくとも1つの特性は、流体収集デバイスから出る流体の容積、及び/又は流体収集容器に入る流体の容積に少なくとも関係し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、特性は、流体収集デバイスと流体連通するチューブを通過する、又はチューブの近傍にある、流体の容積、質量、又は速度のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、感知する手段は、チューブに接続された流量計を含み得て、流量計は流体の容積流量を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、流動特性は、所定の期間にわたる流体の流量を含み得る。感知する手段のうちの少なくとも1つは、流体収集容器の内部部分内に配置されたセンサを含み得て、ここでセンサは、流体収集容器内の流体の容積又は質量に関連する特性を検出するように構成される。
【0013】
流体収集システムはまた、感知する手段に動作可能に結合されたコントローラを含み得て、コントローラは流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するように構成される。流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを感知し、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイスに通知するコントローラを有することによって、より正確な容積、容積流量、及び流体収集システムの情報及び/又は状態が、リアルタイムで決定、収集、及び/又は利用され得る。より高い精度と利便性をユーザ及び/又は介護者に提供することで、より清潔で衛生的な流体収集システムとケアの最適化をもたらし得る。
【0014】
いくつかの例では、流体の検出された流動特性又は容積のうちの少なくとも1つを受信するコンピューティングデバイス又はシステムは、車椅子のアームに取り付けられたモジュール又はスマートフォンを含み得る。本明細書で更に詳細に説明するように、コンピューティングデバイスは、プログラム可能なタイマ、アラート又は警報、あるいは流体の少なくとも1つの特性又は流体収集システムの状態を表示するように構成されたディスプレイを含み得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイスはコントローラに無線で接続され得る。
【0015】
図1Aは、一実施形態による、流体収集システム100のブロック図である。流体収集システム100は、ユーザから排出された流体を収集するように構成された流体(例えば、尿)収集デバイス102を含む。流体収集デバイス102は、男性又は女性の収集デバイスを含み得る。例えば、PCT国際出願第PCT/US2019/029616号には、男性と女性の両方の流体収集デバイスの様々な実施形態が記載されており、その開示は、内容全体がこの参照により援用される。更に、流体収集デバイス102は、流体収集システム100において、男性又は女性の流体収集デバイスの異なるタイプ、変形、及びサイズ間で交換可能であってもよい。流体収集デバイス102は、ユーザの尿道に近接又は隣接して配置されるように構成され得る。一般に、流体収集デバイス102は、尿道に近接又は隣接して配置されて、流体又は他の流体をユーザから吸い上げるように構成されたサイズの表面を含み得る。尿又は他の流体は、この表面から流体収集デバイス102内のリザーバまで吸い上げられてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、流体収集システム100は、流体収集デバイス102を流体収集容器106及び真空装置又はポンプ108に接続するチューブ104を含み得る。チューブ104は、プラスチックチューブ(例えば、医療用チューブ)などの可撓性材料を含み得る。このようなプラスチックチューブは、熱可塑性エラストマ、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリテトラフルオロエチレンなどのチューブを含み得る。いくつかの実施形態では、チューブ104はシリコーン又はラテックスを含み得る。別の実施形態では、チューブ104は、金属又は他の導電性構成要素を有する強化チューブを内部に含み得る。流体収集デバイス102、容器106、及びポンプ108は、1本以上のチューブ104を介して互いに流体的に接続され得る。例えば、流体収集デバイス102は、チューブ104を介して流体収集容器106又はポンプ108のうちの1つ以上に動作可能に接続され得る。流体収集デバイス102内に収集された流体(例えば、尿又は他の体液)は、流体収集デバイス102から、流体収集デバイス102に接続されたチューブ104を介して除去され得る。真空は、流体収集デバイス102の内部チャンバの中に、チューブ104の出口に供給される吸引(例えば、真空)力に応答して、チューブ104の入口を介して導入され得る。
【0017】
真空又は吸引力は、ポンプ108によって直接的又は間接的にチューブ104に供給され得る。真空は、流体収集容器106を介して間接的に供給されてもよい。例えば、チューブ104の出口は、流体収集容器106に接続されるか、流体収集容器106内に配置されてもよく、追加のチューブ104が流体収集容器106からポンプ108まで、又は他の適切な真空装置まで延ばされてもよい。したがって、ポンプ108は、流体収集容器106を介して流体収集デバイス102に吸引を供給し得る。真空は、ポンプ108を介して直接供給されてもよい。例えば、チューブ104の出口はポンプ108内に配置され得る。追加のチューブ104は、ポンプ108から流体収集デバイス102の外側の点、例えば流体収集容器106まで延在してもよい。別の実施形態では、蠕動ポンプなどのポンプ108は、真空を引くためにチューブ104の外部に接続されてもよい。このような例では、ポンプ108又は他の真空装置は、流体収集デバイス102と流体収集容器106との間に配置され得る。
【0018】
ポンプ108は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、容積型ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、又は真空を生成するように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含み得る。ポンプ108は、真空又は吸引を供給して、ユーザから排出され得る流体を流体収集デバイス102から除去し得る。いくつかの例では、ポンプ108は、1本以上の電源コード(例えば、電源ソケットに接続される)、1つ以上のバッテリ、又は手動電源(例えば、手動真空ポンプ)によっても給電され得る。いくつかの例では、ポンプ108は、流体収集デバイス102の外側、上、又は内部に適合するようなサイズ及び形状であり得る。例えば、ポンプ108は、1つ以上の小型ポンプ又は1つ以上のマイクロポンプを含み得る。
【0019】
流体収集容器106は、その中に流体を保持するようなサイズ及び形状であり得る。流体収集容器106は、バッグ(例えば、排液バッグ)、ボトル又はカップ(例えば、収集ジャー)、又は尿などの体液(複数可)を貯蔵するための任意の他の密閉容器を含み得る。いくつかの実施形態では、流体収集容器106は、ほぼ剛性の外部筐体と、流体を収容するように構成された内部部分を含み得る。いくつかの例では、チューブ104は、流体収集デバイス102から延在し、その中の第1の点で流体収集容器106に取り付けられてもよい。追加のチューブ104は、その中の第2の点で流体収集容器106に接続し得て、延長してポンプ108に取り付けることができる。したがって、ポンプ108は、少なくとも部分的な真空を引いて、流体を、流体収集デバイス102からチューブ104を通って流体収集容器106内に吸引するように構成され得る。尿などの流体は、流体収集デバイス102から流体収集容器106の中へ、ポンプ108を介して排出され得る。
【0020】
流体収集システム100は、流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つの感知する手段110を含み得る。感知する手段110は、少なくとも1つのセンサ、流量計、及び/又はデバイスを含み、流体収集システム100の状態又は流体収集システム100内の流体特性を取得し得る。いくつかの実施形態では、感知する手段110は、流量計116を含み得て、流量計116は、チューブ104に接続され、チューブ104内の真空状態を検出するか、又は流体の容積流量を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、チューブ104内の金属又は他の導電性構成要素は、電磁流量計(図示せず)として機能し得る。電磁流量計は、流動を感知する手段としてコンダクタンス又は静電容量の変化を含み得る。流体収集システム100はまた、流量計に動作可能に結合されたコントローラ112を含み得て、その結果、コントローラに結合された流量計116が感知する手段110となり、コントローラは流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイス114に通知するように構成される。
【0021】
流量計116はまた、流量計116に動作可能に結合されたコントローラ112を含み得るか、又はコントローラ112に動作可能に結合され得て、コントローラは、流体の流動特性又は状態の少なくとも1つをコンピューティングデバイス114に通知するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、流量計116とは別個であってもよく、又は流量計116の外部にあってもよい。例えば、流量計116は、BLUETOOTH(登録商標)又はWI-FI(登録商標)を介してコンピューティングデバイス114にデータを無線で通知するように構成され得て、データには、ユーザから排出されて流体収集容器106に入る流体の検出された流動特性又は容積のうちの少なくとも1つが含まれる。いくつかの実施形態では、コントローラ112はコンピューティングデバイス114と統合されてもよい。いくつかの実施形態では、流量計116は、容積流量データをコンピューティングデバイス114に、所定の間隔で、又は流体流動が検出されるたびに、無線で通知するように構成され得る。コンピューティングデバイス114は、流量計116と無線通信するように構成された様々なコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、コンピューティングデバイス114は、車椅子又はベッドに結合されたモジュール、スマートフォン、スマートウェアラブル(例えば、手首デバイス)、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、あるいは病院又は保健管理室にある医療コンピューティングデバイスを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、流量計116は、流体の流動特性をコントローラ112に無線で通知するように構成され得て、次いで、コントローラ112は、容積流量をコンピューティングデバイス114に無線で通知し得て、コンピューティングデバイス114は、ソフトウェアアプリケーションを含み得て、ソフトウェアアプリケーションは、ユーザが受け取った又は飲んだ流体の量、流体の流量を含むデータを記録し、ユーザが排出した流体の流量及び/又は容積を表示し、及び/又はユーザが排出した流体の流量及び/又は容積に関連する傾向と合計を決定して表示するように構成される。コンピューティングデバイス114は、病室において、ユーザの自宅において、ユーザの上に置かれてもよく、車椅子に結合されてもよく、又はそれらの組み合わせでもよい。いくつかの例では、ポンプ108、感知する手段110、コントローラ112、及びコンピューティングデバイス114は、1つ以上のバッテリ118によって給電され得る。コントローラ112及びコンピューティングデバイス114の概略図、電源、及び無線通信に関する更なる詳細は、
図3を参照して以下に提供される。
【0023】
ここで
図1B~1Eを参照すると、いくつかの実施形態では、感知する手段110は、流量計116を含み、流量計116は、流体収集デバイス102から引き出されてチューブ104を通過する流体の容積に少なくとも関連する流体の流動特性を、流体が流体収集容器106に入る前に検出するように構成される。いくつかの実施形態では、流量計116は、チューブ104に流体収集デバイス102と流体収集容器106との間で接続され得て、チューブ104の第1の部分が流体収集デバイス102と流量計116との間に延び、チューブ104の第2の部分が流量計116と流体収集容器106との間に延びる。いくつかの実施形態では、流量計116は流体収集デバイス102に結合され得る。いくつかの実施形態では、流量計116は流体収集容器106に結合され得る。流量計116は、流体の流動特性を検出するように構成された任意の適切な流量計を含み得て、流動特性を用いて真空の存在、又は流量計116を通過する、又は流量計116の所定の近傍内にある流体の容積を決定し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、流量計116は、チューブ104内に配置された直列のボール型照準流動インジケータを含み得る。ボール型照準流動インジケータは、ボール又は他の適切な形状のフロート120を含み得る。いくつかの実施形態では、フロート120は、真空が引かれているときは可視であるが、真空が存在しないときは見えなくてもよい。いくつかの実施形態では、流量計116は、可視領域122及び非可視領域124を含み得る。可視領域122は、透明な観察窓を含み得る。観察窓は、マークを含み、流量計116又はチューブ104内の流量を示し得る。非可視領域124は、真空が存在しない場合、フロート120を隠し得る。非可視領域124内のフロート120は、流体収集システム100の少なくとも1つの状態を示し得る。いくつかの実施形態では、フロート120が非可視領域124内にあるとき、ポンプ108はオフ又は動作不能であり得る。別の実施形態では、チューブ104は、詰まり、捩れ、又は切断される場合がある。更に別の実施形態では、流体収集容器106が満杯又は溢れている可能性があり、あるいは流体収集システム100が漏れ又はその他の故障した構成要素を有している可能性がある。いくつかの実施形態では、フロート120は、チューブ104内の流体の流れによって支えられ得る。フロート120は、ボール及び/又は溝付きであり、フロート120が流体流動の中心に留まるのを助け得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、フロート120は、ばね126又は他の適切な弾性部材若しくは機構に結合され得る。流量計116は、ばね126と、第1のチューブ104内に配置されたピストン(例えば、ボールフロート120)流量計とを含み得て、ばね126が較正されてピストンを保持することで、ピストンは、真空が引かれているときには可視であり、真空が存在しないときには見えない。上述したように、流量計116は可視領域122及び非可視領域124を含み得て、ピストンは前述したフロート120と同様の方法で動作し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、流量計116によって検出される流動特性は、流量計116を通過する、又は流量計116の近にある流体の容積、質量、又は速度のうちの少なくとも1つを含み得る。流量計116は、流量計116を通過する流体の実際の容積を直接測定するように構成された容積式流量計を含み得る。いくつかの実施形態では、流量計116は、流量計116を通過する、又は流量計116の近にある流体の質量又は速度を検出するように構成され、その質量又は速度は(流量計116又はコンピューティングデバイスの少なくとも1つによって)容積又は流量に換算され得る。流量計116は、流体が流量計116を通過する間、又は流量計116の所定の近傍内にある間の持続時間を検出し得る。次いで、流量計116又は他のコンピューティングデバイスは、流量計116を通過した流体の容積を、チューブ104又は流量計116の既知の断面積又は容積に基づいて計算し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、流量計116は、流体収集デバイス102と流体収集容器106との間を通過する流体の流動特性を機械的又は超音波的に検出し得る。例えば、流量計116の少なくとも一部分は、チューブ104と直列になり、流量計116がチューブ104を通る流体の流動特性を機械的に検出するのを可能にするのに効果的となり得る。いくつかの実施形態では、流量計116はチューブ104に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、流量計116の少なくとも一部分がチューブ104内に延在し、流量計116がチューブ104を通る流体の流動特性を機械的に検出するのを可能にするのに効果的となる。流量計116は、バイロータ、ディスク、ピストン、プロペラ、パドルホイール、及び/又はロータメータのうちの少なくとも1つを含み得る。流量計116は、ラミナ流量計又はベンチュリ流量計を含み得る。いくつかの実施形態では、流量計116は、チューブ104の外側に取り外し可能に又は固定的に固定され、チューブ104を通る流体の流動特性を超音波的に(すなわち、ドップラ効果を介して)又は電磁的に検出し得る。
【0028】
ここで
図2Aを参照すると、流体収集システム100の感知する手段110はまた、容積センサ128を含み得る。容積センサ128は、流体収集容器106に結合され、流体収集容器106の内部部分内の流体の容積に少なくとも関連する特性を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、流体収集容器106は、外部筐体130と内部部分132を含み得る。内部部分132は、流体を収容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、容積センサ128は、外部筐体130と内部部分132との間に配置され得る。別の実施形態では、容積センサ128は、チューブ104用の流体収集容器106の入口(内部又は外部のいずれか)に位置するか、又は配置され得る。容積センサ128は、一実施形態によれば、チューブ104に沿って、及び/又はチューブ104内に配置され得る。
【0029】
上記の流量計116と同様に、容積センサ128はまた、容積センサ128に動作可能に結合されたコントローラ112を含み得て、コントローラ112は、流体収集容器106内の流体の容積をコンピューティングデバイス114に通知するように構成される。コントローラ112は、容積センサ128及びコントローラが、流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つをコンピューティングデバイス114に通知する感知する手段110であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、容積センサ128及び/又は流体収集容器106とは別個であってもよく、又は容積センサ128及び/又は流体収集容器106の外部にあってもよい。コントローラ112は、コンピューティングデバイス114の内部にあってもよく、又はコンピューティングデバイス114に結合されてもよい。コンピューティングデバイス114は、上述したものと同じコンピューティングデバイス114であってもよく、及び/又は容積センサ128と無線通信するように構成された様々なコンピューティングデバイスを含んでもよい。例えば、コンピューティングデバイス114は、車椅子又はベッドに結合されたモジュール、及び/又はスマートフォンを含み得る。
【0030】
ここで
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、外部筐体130は、異なる実施形態に従って不透明又は透明であってもよく、略長方形の前面又は背面の外形を含んでもよい。いくつかの実施形態では、外部筐体は、ハンドル又は注ぎ口134のうちの少なくとも1つを含み得る。内部部分132に収集された流体は、キャップ又はカバー136を取り外した後に注ぎ口134を通して空にされ得る。外部筐体130は、再利用可能で食器洗い機に安全であり得て、概して堅い材料、例えばポリカーボネート、プラスチック、ゴム、金属、ガラス、それらの組み合わせ、又は任意の他の適切な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、内部部分132は拡張可能であり得る。内部部分132は、蛇腹形状を含み得て、流体で満たされると拡張する。いくつかの実施形態では、内部部分132は拡張可能な袋であってもよい。例えば、内部部分132は、空のときはほぼ平坦であり得るが、尿又は他の流体が内部部分132に流し込まれると膨張し得る。別の実施形態では、内部部分132は、濡れると膨張する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、内部部分132は、ポリカーボネート、プラスチック、ゴム、金属、ラテックスで構成され得る。別の実施形態では、内部部分は、吸湿性であり得て、例えば、紙、綿、木材、ナイロン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの高吸水性ポリマ(SAP)、ポリアクリルアミド、又は他の適切な材料であってもよい。いくつかの実施形態では、容積センサ128は、内部部分132が所定の容積まで膨張したときに作動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、容積センサ128は、外部筐体130の内面上に位置するスイッチを含み得て、このスイッチは、内部部分132が拡張して内部部分132と外部筐体130との間においてスイッチを圧縮するときに作動する。別の実施形態では、容積センサ128は、外部筐体130の側壁、内部部分132の外面、又は外部筐体130と内部部分132との間の任意の適切な位置に配置され得る。
【0031】
ここで
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、内部部分132はほぼ剛性であり、容積センサ128は、圧力センサ、容量センサ、又は光センサのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、圧力センサは、所定の流体質量に達したときに電気接点を動作させるように構成され得る。圧力センサは、内部部分132が流体で満たされることによって引き起こされる圧力上昇に関して、電気接点を閉じ、又はコントローラ112と通信し得る。容量センサは、近接センサ又は非接触センサを含み得て、それは静電容量の電気特性及び容量センサの活性面の周囲の電場の変化に基づく静電容量の変化を利用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、内部部分132が外部筐体130に接近するにつれて、容量センサの感知面の金属プレートは内部発振器回路に電気的に接続され得て、感知される内部部分の表面はコンデンサの第2のプレートとして機能し、内部部分132と外部筐体130の表面の間が所定の距離に達すると、電気接点を動作し、及び/又はコントローラ112と通信するように構成され得る。光センサでは、光線が電子信号に変換され得る。一実施形態では、光センサは、電気スイッチに結合され得て、それは、内部部分132の表面が外部筐体130からの所定の距離に接近すると、光センサ内の信号の変化に応じて起動し、及び/又はコントローラ112に信号を送る。
【0032】
いくつかの実施形態では、感知する手段110は、システム保全性センサ138を含み得る。システム保全性センサ138は、流体収集デバイス102が流体収集容器106から切り離されたときを検出するように構成され得る。保全性センサ138は、流体収集デバイス102、
図2Bに示すポンプ108、流量計116、流体収集容器106の外部筐体130、又は任意の適切な位置若しくは構成に結合されて、構成要素が切り離されているか、及び/又は機能不全に陥っているかどうかを判断し得る。いくつかの実施形態では、システム保全性センサ138は、
図2Cに示すように、構成要素間、例えばチューブ104と流体収集容器106との間に単純な接触スイッチを含み得る。
【0033】
図3は、いくつかの実施形態による、上述の感知する手段110か、又は本明細書に記載のコンピューティングデバイス114のいずれかに統合され得るコントローラ112の概略図である。コントローラ112は、有線又は無線の接続など、任意の感知する手段110と通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、感知する手段110はコントローラ112を含み得る。一実施形態では、コントローラ112は、少なくとも感知する手段110によって収集されたデータのメモリ用の、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)を備えたプリント回路基板(PCB)を含んでもよい。例えば、コントローラ112は、流体収集容器106内の流体のレベル若しくは容積、又は第1のチューブ104内の流体の容積流量若しくは存在を計算するように構成され得る。コントローラ112は、他の電子デバイスに通知又はアラートを送信するように構成され得る。例えば、コントローラ112は、通知又はアラートを、車椅子のアームに取り付けられたモジュール140(
図4Aを参照)に、選択された無線周波数で、BLUETOOTHを介して、又はWI-FIを介して別の電子デバイス、例えばユーザ若しくは介護者のスマートフォン142(
図4Bを参照)に送信するように構成され得る。コントローラ112は、外部バッテリ又は内部バッテリ、例えば充電式バッテリ又はバッテリ118によって給電され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントローラ112は、アラートをモジュール140及び/又はユーザ若しくは介護者のスマートフォン142に、少なくともポンプ108の状態に関連する特性を、無線で送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、ポンプ108を動作及び/又は制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、流体収集容器106内の容積センサ128によって検出された流体の容積の状態に基づいて、ポンプ108を制御し得る。例えば、感知する手段110からのデータに基づいて、コントローラ112は、ポンプ108を起動して、流体を流体収集デバイス102から流体収集容器106へ流動させ得る。コントローラ112は、流体収集容器106内の流体の容積が所定の閾値に達したときにポンプ108を安定させてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、アラート及び選択された頻度、例えば選択された時間間隔及び/又は容積間隔を無線で送信し得る。コントローラ112は、モジュール140又はユーザ若しくは介護者のスマートフォン142に、バッテリ118の残量が少ない場合、無線で通知し得る。コントローラ112は、モジュール140又はユーザ若しくは介護者のスマートフォン142に、ポンプ108又は流体収集システム100が機能不全である場合にアラートを送信し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、ポンプ108のすべての動作を制御するように構成され得る。
【0035】
コントローラ112は、一実施形態によれば、少なくとも1つのコンピューティングデバイス114を含み得る。少なくとも1つのコンピューティングデバイス114は、上述の機能のうちの1つ以上を実行するように構成され得る例示的なコンピューティングデバイスであり得る。コンピューティングデバイス114は、少なくとも1つのプロセッサ146、メモリ148、記憶装置150、入出力(「I/O」)デバイス/インタフェース152、及び通信インタフェース154を含み得る。
【0036】
いくつかの例では、プロセッサ146は、命令(例えば、本明細書に開示される方法のいずれかの1つ以上の部分を実行するための命令)を実行するためのハードウェアを含み得て、例えばコンピュータプログラムを構成する命令である。例えば、命令を実行するために、プロセッサ146は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ148、又は記憶装置150から命令を検索し、それらをデコードして実行し得る。いくつかの例では、プロセッサ146は、本明細書に開示される例示的な方法のいずれかの1つ以上の部分を実行するように構成され得る(例えば、プロセッサ146に格納される、又はプロセッサによって実行されるプログラムを含む)。
【0037】
いくつかの例では、プロセッサ146は、本明細書に開示される機能のいずれかを実行するように、あるいはコンピューティングデバイス114又はコントローラ112の1つ以上の部分に本明細書に開示される機能のうちの少なくとも1つを実行させるように構成され得る。このような構成は、少なくとも1つのプロセッサ146によって実行可能な1つ以上の動作プログラム(例えば、コンピュータプログラム製品)を含み得る。例えば、プロセッサ146は、採尿容器内の尿の量を自動的に決定し、採尿容器内の尿がセンサに近接していることを自動的に決定し、採尿容器内の尿の量が所定の閾値を満たすか、又は超過した場合に、アラートを自動的に送信し、流体が流体収集デバイス102内で感知されたときにアラートを自動的に送信し、ユーザの流体摂取量と流体排出量の差を判定し、及び/又はバッテリの交換又は充電を提案する場合にアラートを自動的に送信するように構成され得る。
【0038】
少なくとも1つのコンピューティングデバイス114は、少なくとも1つのメモリ記憶媒体(例えば、メモリ148及び/又は記憶装置150)を含み得る。コンピューティングデバイス114は、プロセッサ146に動作可能に接続されたメモリ148を含み得る。メモリ148を用いて、データ、メタデータ、及びプロセッサ146によって実行されるプログラムを格納し得る。メモリ148は、揮発性及び不揮発性メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、固体ディスク(SSD)、フラッシュ、相変化メモリ(PCM)、又は他の種類のデータストレージのうちの1つ以上を含み得る。メモリ148は、内部メモリであってもよく、又は分散メモリであってもよい。
【0039】
コンピューティングデバイス114は、データ又は命令を格納するためのストレージを有する記憶装置150を含み得る。記憶装置150は、少なくとも1つのプロセッサ146に動作可能に結合され得る。いくつかの例では、記憶装置150は、上述したもののいずれかのような非一時的なメモリ記憶媒体を含み得る。記憶装置150(例えば、非一時的記憶媒体)は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。記憶装置150は、リムーバブル又は非リムーバブル(又は固定された)メディアを含んでもよい。記憶装置150は、コンピューティングデバイス114の内部にあってもよく、又は外部にあってもよい。いくつかの例では、記憶装置150は、不揮発性、固体メモリを含み得る。いくつかの例では、記憶装置150は読み取り専用メモリ(ROM)を含み得る。適切な場合には、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、電気的に変更可能なROM(EAROM)、又はフラッシュメモリ、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。いくつかの例では、メモリ148及び/又は記憶装置150(例えば、メモリ記憶媒体(複数可))の1つ以上の部分は、1つ以上のデータベースを格納し得る。
【0040】
いくつかの例では、流体収集容器106内の流体の容積の履歴、流体収集容器106内の流体の容積の傾向、流体収集デバイス102の交換の履歴、及び/又はバッテリ118の交換若しくは充電の履歴のうちの1つ以上は、メモリ記憶媒体、例えば、プロセッサ146(例えば、プロセッサの内部キャッシュ)、メモリ148、又は記憶装置150のうちの1つ以上に記憶されてもよい。
【0041】
コンピューティングデバイス114はまた、1つ以上のI/Oデバイス/インタフェース152を含み、これらを設けて、ユーザがコンピューティングデバイス114に入力し、コンピューティングデバイス114から出力を受信し、その他にコンピューティングデバイス114との間でデータを転送することを可能にする。これらのI/Oデバイス/インタフェース152には、マウス、キーパッド又はキーボード、タッチスクリーン、カメラ、光スキャナ、ネットワークインタフェース、ウェブベースのアクセス、モデム、ポート、他の既知のI/Oデバイス、又はそれらI/Oデバイス/インタフェース152の組み合わせを含み得る。タッチスクリーンは、スタイラス又は指を用いて作動され得る。
【0042】
I/Oデバイス/インタフェース152は、ユーザに出力を提示するための1つ以上のデバイスを含み得て、限定するものではないが、グラフィックスエンジン、ディスプレイ(例えば、表示画面又はモニタ)、1つ以上の出力ドライバ(例えば、ディスプレイドライバ)、1つ以上のオーディオスピーカ、及び1つ以上のオーディオドライバを含み得る。特定の例では、I/Oデバイス/インタフェース152は、グラフィックデータをディスプレイに提供してユーザに提示するように構成される。グラフィックデータは、1つ以上のグラフィクユーザインタフェース及び/又は特定の実装に役立ち得る他の任意のグラフィックコンテンツを表し得る。
【0043】
コンピューティングデバイス114は、通信インタフェース154を更に含み得る。通信インタフェース154は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含むことができる。通信インタフェース154は、コンピューティングデバイス114と1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットベースの通信)のための1つ以上のインタフェースを提供する場合がある。例えば、通信インタフェース154は、イーサネット又は他の有線ベースのネットワークと通信するためのネットワークインタフェースコントローラ(NIC)又はネットワークアダプタ、あるいはWI-FIなどの無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)又は無線アダプタを含み得る。上述のように、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス114は、ポンプ108と通信し、及び/又はポンプ108の動作を制御し得る。
【0044】
ここで
図4A~
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス114は、ディスプレイ156を含み得るモジュール140及び/又はスマートフォン142と通信し得る。一実施形態では、コントローラ112は、流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つを含む信号を、モジュール140及び/又はスマートフォン142に送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ156は、流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、ディスプレイ156は、バッテリ状態、流体収集容器106の内部部分132内の流体の容積、容積流量、流体収集デバイス102の最後の交換からの時間、流体収集システム100の構成要素の最後の洗浄からの時間、ユーザによる流体摂取量、ユーザによる流体摂取量と流体収集容器106の内部部分132内の流体の容積との差、又はシステム保全性状態のうちの1つ以上を含み得る。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザの正味の流体損失を、容積センサ128によって示される内部部分132内の流体の容積と流体摂取量との間の差を決定することによって示し得る。別の例として、容積センサ128からのデータに基づき、コントローラ112は、流体収集容器106の内部部分132が容積センサ128及び/又は外部筐体130から所定の距離(例えば、約1インチ)にあるというアラートを介護者のスマートフォン142に無線で送信し得て、流体収集容器106を空にすることを推奨する。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、アラート及び選択された頻度、例えば選択された時間間隔及び/又は容積間隔を無線で送信し得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス114は、コントローラ112によって通知されるように、流体収集システム100の特性又は状態のうちの少なくとも1つをリアルタイムで提供するように構成され得る。コントローラ112は、コンピューティングデバイス114に、流体収集システム100の特性若しくは状態を無線で送信し、又はコントローラ112、モジュール140、又はポンプのうちの少なくとも1つに給電しているバッテリの残量が低下しているとき、ユーザ又は介護者の電子デバイスにアラートを無線で送信し得る。コントローラ112は、ユーザ又は介護者の電子デバイスに、流体収集デバイス102又は他の構成要素の洗浄又は交換の時期が来る場合、アラートを無線で送信し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ112は、ユーザ又は介護者に警報及び/又はアラートを発してもよい。アラートは、モジュール140又はスマートフォン142のディスプレイ156上への光、音、又はメッセージを含み得る。一実施形態では、ディスプレイ156は、少なくともバッテリ118の現在の状態、流体収集容器106の充填レベル、ユーザ又は介護者からの入力を提供し得て、この入力にはユーザが消費した流体の量、流体収集デバイス102の最後の交換又は洗浄からの時間、及び流体収集容器106の最後の洗浄又は交換からの時間を含む。一実施形態では、コンピューティングデバイス114は、プログラム可能なタイマ158を含み得る。例えば、タイマ158は、流体収集システム100の構成要素を交換するか、流体収集容器106を空にするか、又はポンプ108を開始又は停止するための、ユーザ又は介護者からの入力を含んでもよい。例示的なコンピューティングデバイス114が
図4A~
図4Bに示されるが、
図4A~
図4Bに示された構成要素は、コントローラ112又はコンピューティングデバイス114を限定することを意図するものではない。追加の又は代替の構成要素が、いくつかの例で使用され得る。いくつかの例では、スマートフォン142は、ベンダへのハイパーリンクを含み、新しい流体収集デバイス、流体収集容器などを注文し得る。更に、いくつかの例では、コントローラ112又はコンピューティングデバイス114は、
図4A~
図4Bに示されるものよりも少ない構成要素を含んでもよい。
【0045】
図5は、一実施形態による、携帯用流体収集システムを組み立てる方法200のフロー図である。方法200は、流体収集デバイスをユーザの尿道に少なくとも近接して配置する動作210と、ユーザから排出された流体を流体収集デバイス内に受け入れる動作220とを含む。方法200はまた、流体収集デバイスから排出された流体を流体収集容器内に受け取る動作230を含む。いくつかの実施形態では、方法200は、ポンプを使用して、流体収集デバイスと流体連通する第1のチューブに真空をかけ、流体収集デバイスから流体収集容器内に流体を効果的に吸引することを更に含み得る。
【0046】
方法200はまた、感知する手段を用いて、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを検出する動作240を含む。いくつかの実施形態では、感知する手段は流量計を含み得る。動作240は、流体収集デバイス又は流体収集容器内の流体の容積、第1のチューブを通過する流体の流動特性、ポンプの状態、又はバッテリの状態のうちの少なくとも1つを検出することを含み得る。方法200はまた、感知する手段に結合されたコントローラからコンピューティングデバイスに、流体収集システムの特性又は状態のうちの少なくとも1つを送信する動作250を含む。いくつかの実施形態では、動作250は、車椅子のアームに取り付けられたモジュール、又はスマートフォンに送信することを含み得る。一実施形態では、方法200はまた、コンピューティングデバイスを用いて流体収集システムの少なくとも1つの特性又は状態を、コントローラによって通知されるようにリアルタイムで提供することを含み得る。
【0047】
方法200は、本明細書に記載される、又は参照により組み込まれる流体収集システム及び/又はデバイスのいずれかを含み得る。例えば、容器支持体を車椅子に取り外し可能に固定する動作210は、クッションカバーに結合された1本以上のストラップを椅子、車椅子、又はベッドの1つ以上の構造要素に固定することを含み得る。いくつかの実施形態では、流体収集システムを椅子、車椅子、又はベッドのうちの少なくとも1つに取り外し可能に固定する動作210は、流体収集容器をクッション内に配置することと、クッションをクッションカバー内に置くこととを含み得る。いくつかの実施形態では、クッションカバーは、流体収集パッドをポケット内に囲い込む。動作210は、流体収集パッドを、流体収集容器内の流体の容積が所定の容積に達したか、又はそれを超過したときに、取り外して交換する。いくつかの実施形態では、流体収集容器内の流体の容積は、センサによって監視され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、流体収集パッドは、クッションのポケットから取り外され、チューブ上の継手を介して流体収集システムから切り離されて、廃棄され得る。次に、新しい流体収集パッドを流体収集システムに結合し、クッション内のポケットに戻し得る。いくつかの実施形態では、開口部を有するクッションカバーは、流体収集パッドを分別用にクッションカバー内に含んでもよい。
【0049】
上述の方法200の動作は、例示を目的としていることが理解されるべきである。例えば、方法200の動作は、異なる順序で実行され、複数の動作に分割され、変更され、補足され、又は組み合わせられ得る。一実施形態では、方法200の動作の1つ以上は、方法200から省略され得る。方法200の任意の動作は、本明細書に開示する携帯用流体収集システムのいずれかを使用することを含み得る。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「約」又は「実質的に」は、「約」又は「実質的に」によって±10%、又は±5%修正された用語の許容可能な変動を指す。更に、用語「未満」「又はそれ以下」「より大きい」「より多い」又は「又はそれ以上」は、エンドポイントとして、用語「未満」「又はそれ以下」「より大きい」「より多い」又は「又はそれ以上」によって修飾される値を含む。
【0051】
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、別の態様及び実施形態も企図される。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
【国際調査報告】