(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】照明された案内と安全な特徴とを有するトロカール及びベレス型の針
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20240222BHJP
A61B 17/34 20060101ALI20240222BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20240222BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A61B1/018
A61B17/34
A61B17/94
A61B1/04 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568160
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022012652
(87)【国際公開番号】W WO2022159351
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523274023
【氏名又は名称】エイナーソン,ジョン アイ.
【氏名又は名称原語表記】EINARSSON, Jon, I.
【住所又は居所原語表記】1365 Boylston Street Unit 850 Boston, MA 02215 United States
(71)【出願人】
【識別番号】523274034
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital
【住所又は居所原語表記】75 Francis Street Boston, MA 02115 United States
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイナーソン,ジョン アイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160FF48
4C160FF56
4C160MM23
4C161AA24
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF43
4C161HH56
4C161LL01
4C161NN01
4C161PP19
4C161QQ06
(57)【要約】
本開示は、直視のもと、対象の腹部に送気するための機器及び方法を提供する。そのような機器及び方法は、いくつかの実装において、前記機器を洗浄するための特徴を含む。前記方法の特定の実装は、カニューレを設置するために典型的な閉塞具を使用する必要のない処置ができるようにする。これにより、処置がもっと安全になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具において、
遠位外側組立体を備え、これは、遠位ハウジングを含み、これは、流体入力口と、そこから遠位へ向けて延びている遠位へ向けて延びた中空針とを有し、遠位へ向けて延びた前記中空針は、遠位端と近位端とを有し、前記遠位外側組立体は、通り道を形成し、これにより、そのなかを流体及び器具のうちの少なくとも一つが通り抜け;
視覚化スタイレット組立体を備え、これは、前記遠位外側組立体の前記通り道のなかに少なくとも部分的に配置され、前記視覚化スタイレット組立体は、前記遠位外側組立体に取り外し可能に結合され、前記視覚化スタイレット組立体は、
細長い本体を含み、これは、近位端と遠位端とを有し、
電子式光検出チップを含み、これは、細長い前記本体の前記遠位端に近接して装着され、前記電子式光検出チップは、遠位へ向けて面した表面を有し、これにより、近位方向に沿って進む入射光を検出し、
光源を含み、これは、細長い前記本体のなかに少なくとも部分的に一体化され、これにより、光を投射して、前記電子式光検出チップを遠位方向に越えた先まで到達させ、これにより、直接照明を提供し、これにより、前記送気針組立体が通過するのを案内し;そして、
スリーブを備え、これは、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体の少なくとも遠位先端領域のまわりに摺動可能に配置され、前記スリーブは、その遠位端に配置されたレンズ要素を含み、これにより、前記レンズ要素のなかを通り抜ける光を方向付けて、前記電子式光検出チップへ向かわせ、
前記スリーブの少なくとも一部分は、遠位へ向けて延びた前記中空針のなかを通り抜けて近位へ向けて延び、前記スリーブの近位ハンドル部分で終端し、
前記ハンドルは、前記スリーブが細長い前記本体に対して容易に相対移動できるようにし、そして更に、
前記遠位外側組立体及び取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体は、前記スリーブと一緒に取り外し可能に結合することができ、これにより、前記外側組立体と、取り外し可能な前記視覚化スタイレットと、前記スリーブとが、単一の構造的ユニットとして、組織のなかを通り抜けて前進できる、
手術器具。
【請求項2】
請求項1の前記手術器具において、
前記視覚化スタイレット組立体は、前記スリーブを伴って、前記遠位外側組立体から取り外されるよう構成され、そして更に、
前記スリーブは、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体の周囲から取り外すことができ、これにより、前記電子式光検出チップが露出し、そして、これにより、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体を、その上にスリーブを伴わずに、前記外側組立体の前記導管のなかに再導入できる、
手術器具。
【請求項3】
請求項1の前記手術器具において、
前記手術器具は、送気針であり、そして更に、
取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体は、近位ハウジング部分を含み、これは、そのなかに穴を画定し、これは、そのなかに配置された圧縮ばねを含み、そして更に、
前記視覚化スタイレット組立体の細長い前記本体は、前記近位ハウジング部分に対して遠位方向に、前記圧縮ばねによって付勢され、これにより、前記スリーブ及び細長い本体が、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端を越えた先まで延びる、
手術器具。
【請求項4】
請求項1の前記手術器具において、
前記視覚化スタイレット組立体は、更に、コネクタ本体を含み、これは、細長い前記本体の近位領域のまわりに同心円状に配置され、前記コネクタ本体は、遠位へ向けて面したコネクタを含み、これにより、前記スリーブの前記ハンドル部分に取り外し可能に結合する、
手術器具。
【請求項5】
請求項3の前記手術器具において、
前記視覚化スタイレット組立体は、更に、コネクタ本体を含み、これは、細長い前記本体の近位領域のまわりに同心円状に配置され、前記コネクタ本体は、遠位へ向けて面したコネクタを含み、これにより、前記スリーブの前記ハンドル部分に取り外し可能に結合し、前記コネクタ本体は、前記手術器具の前記近位ハウジングのなかに少なくとも部分的に受け入れられる、
手術器具。
【請求項6】
請求項5の前記手術器具において、
前記スリーブの前記ハンドルは、雌係止部材を含み、これは、前記コネクタ本体の雄係止部材によって受け入れられ、これにより、前記スリーブを、前記視覚化スタイレット組立体から選択的に切り離すことができ、これにより、前記電子式光検出チップが露出する、
手術器具。
【請求項7】
請求項6の前記手術器具において、
前記近位ハウジングは、遠位へ向けて延びたボスを画定し、これにより、前記遠位外側組立体によって封止するように受け入れられ、そして更に、
遠位へ向けて延びた前記ボスは、流体密封部によって取り囲まれ、これにより、前記遠位外側組立体の内側へ向けて面した表面と界面する、
手術器具。
【請求項8】
請求項7の前記手術器具において、
前記遠位外側組立体は、更に、案内管を含み、これは、前記遠位外側本体の前記通り道のなかに配置され、これにより、前記視覚化スタイレット組立体を、遠位へ向けて延びた前記中空針のなかに案内する、
手術器具。
【請求項9】
請求項8の前記手術器具において、
前記視覚化スタイレット組立体は、更に、ヒートシンクを含み、これは、前記近位ハウジングのなかに少なくとも部分的に配置され、これにより、前記手術器具によって発生した熱を放散させる、
手術器具。
【請求項10】
請求項9の前記手術器具において、
前記近位ハウジングは、近位空洞を画定し、このなかで、前記視覚化の細長い前記本体が、細長い前記本体の前記近位端で終端し、そして更に、
少なくとも一つのケーブルが、細長い前記本体の前記近位端から延び、前記近位空洞のなかを通り抜け、前記ヒートシンクのなかを通り抜けて、前記近位ハウジングの近位キャップのなかに位置するコネクタに至る、
手術器具。
【請求項11】
請求項9の前記手術器具において、
前記ヒートシンクは、近位端、遠位端を含み、そして、そのなかを少なくとも部分的に通り抜ける穴を画定し、そして更に、
LEDチップが、前記ヒートシンクの前記穴のなかに少なくとも部分的に装着され、前記LEDチップは、遠位へ向けて面したLEDを含み、これにより、光を方向付けて、前記視覚化スタイレットのなかに入れ、これにより、前方へ向かう照明を提供する、
手術器具。
【請求項12】
送気針組立体において、
遠位組立体を備え、これは、遠位へ向けて延びた中空針を含み、これは、鋭利な遠位端、近位端を有し、そして、そのなかを通り抜ける針穴を画定し、遠位へ向けて延びた前記中空針は、その前記近位端で、遠位ハウジングに結合され、前記遠位ハウジングは、そのなかに近位開口を画定し、これは、空洞に導き、前記空洞は、前記針穴と流体連通し;そして、
近位組立体を備え、これは、
近位ハウジングを含み;
圧縮ばねを含み、これは、前記近位ハウジングの穴のなかに配置され;
視覚化スタイレットを含み、これは、(i)細長い本体を有し、これは、近位端と遠位端とを画定し、(ii)電子式光検出チップを有し、これは、細長い前記本体の前記遠位端に近接して装着され、前記電子式光検出チップは、遠位へ向けて面した表面を有し、これにより、近位方向に沿って進む入射光を検出し、(iii)光源を有し、これは、細長い前記本体のなかに少なくとも部分的に一体化され、これにより、光を投射して、前記電子式光検出チップを遠位方向に越えた先まで到達させ、これにより、直接照明を提供し、これにより、前記送気針組立体が通過するのを案内し、そして、(iv)ボスを有し、これは、前記圧縮ばねの遠位端に接触し、これにより、前記視覚化スタイレットを遠位方向に押し出し;
前記近位組立体は、前記遠位組立体によって受け入れられるよう構成され、前記近位組立体は、前記遠位組立体に取り外し可能に結合されるよう構成され、そして、前記視覚化スタイレットは、付勢されて、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端を越えた先まで延びる、
送気針組立体。
【請求項13】
請求項12の前記送気針組立体において、
前記近位ハウジングは、前記機器のハンドルを形成し、前記ハンドルは、遠位ハンドルセグメントによって画定され、これは、前記遠位ハウジングによって受け入れられ、前記遠位ハンドルセグメントは、周辺シールを含み、これにより、前記遠位ハウジングの内側へ向けて面した表面と界面する、
送気針組立体。
【請求項14】
請求項13の前記送気針組立体において、
前記ハンドルは、更に、近位ハンドルセグメントを含み、これは、前記遠位ハンドルセグメントによって封止するように受け入れられ、前記近位ハンドルセグメント及び遠位ハンドルセグメントが協働して、ばね穴を画定し、これにより、前記圧縮ばねを受け入れる、
送気針組立体。
【請求項15】
請求項14の前記送気針組立体において、
前記視覚化スタイレットの前記ボスは、前記圧縮ばねに比べて遠位の位置にある前記ばね穴のなかに配置され、前記圧縮ばねは、前記ボスよりも近位に位置する前記視覚化スタイレットの細長い前記本体の長さを取り囲み、そして更に、
前記ばねは、前記ハンドルから取り外すことができ、これは、細長い前記本体が前記近位ハンドルセグメントに結合しつつ、前記近位ハンドルセグメントを前記遠位ハンドルセグメントから分離し、細長い前記部材を前記遠位ハンドルセグメントから引き出すことによる、
送気針組立体。
【請求項16】
請求項15の前記送気針組立体において、
前記近位ハンドルセグメントは、その近位端でストレインリリーフ組立体に結合され、前記ストレインリリーフ組立体は、剛性が変化する領域を画定し、前記ストレインリリーフ組立体は、近位において複数のコネクタで終端し、前記コネクタは、導体に結合され、これは、前記視覚化スタイレットの細長い前記本体を横断する、
送気針組立体。
【請求項17】
請求項16の前記送気針組立体において、
前記近位ハンドルセグメントは、近位へ向けて面した穴を画定し、そして、前記視覚化スタイレットの細長い前記本体は、近位端において、前記穴のなかで終端し、ブッシュに取り付けられ、これは、前記近位ハンドルセグメントの近位へ向けて面した前記穴のなかで封止的に受け入れられる、
送気針組立体。
【請求項18】
請求項17の前記送気針組立体において、
前記導体は、近位において、前記コネクタから横断して、前記ストレインリリーフ組立体のなかを通り抜け、前記近位ハンドルセグメントの前記近位空洞のなかを通り抜けて、前記視覚化スタイレットの細長い前記本体のなかに入る、
送気針組立体。
【請求項19】
請求項18の前記送気針組立体において、
前記ストレインリリーフは、遠位へ向けて延びたボスを含み、これは、前記近位ハンドルセグメントの近位へ向けて面した前記穴の近位端のなかに受け入れられる、
送気針組立体。
【請求項20】
請求項13の前記送気針組立体において、
前記遠位組立体は、前記近位組立体に、軸方向に異なる少なくとも二つの別々の位置で結合している、
送気針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許出願第17/501,232号(2021年10月14日出願)と、米国特許出願第17/368,296号(2021年7月6日出願)と、米国仮特許出願第63/139,298号(2021年1月19日出願)とに対する優先権の利益を主張する。
本特許出願は、米国特許出願第16/780,938号(2020年2月4日出願)に関連する。これは、今度は、国際特許出願第PCT/US2018/45380号(2018年8月6日出願)の一部継続出願であり、それに対する優先権の利益を主張する。これは、今度は、米国仮特許出願第62/541,644号(2017年8月4日出願)に関連し、それに対する優先権の利益を主張する。
前述の特許出願は、それぞれ、ここにより参照によりその全体があらゆる目的のため組み込まれる。
【0002】
背景
分野
この開示は、腹腔鏡下手術の実践における器具及びそれゆえの使用の方法に関する。もっと詳細には、先行技術の機器よりも安全なやり方で、切開を形成し下にある体腔に送気するのに有用であるそのような機器に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
最小侵襲腹腔鏡下手術の実践において、一般に、ベレス針を使用し、内部手術部位に隣接する患者(又は対象)の皮膚及び下部組織を貫いて、小さな切開を作製する。
これらの針は、遠位端が鋭利な管状の外側カニューレと、筒状の内側中空針(又はカニューレ)とを含む。これは、鈍端で終端する。
ばね組立体が前記内側カニューレを前方へ向けて押し出し、これにより、前記内側カニューレの前記鈍端が、前記外側カニューレの切断刃を越えた先まで延びる。
器具を患者の皮膚に押し当てたとき鈍い前記内側カニューレが引っ込み、それにより、鋭い前記外側カニューレが皮膚に接触して組織のなかへ前進できるようになる。
体腔に進入するとすぐに、鈍い前記内側カニューレが前方へ向けて跳ね出し、これにより、鋭利な前記外側カニューレによって下にある器官を偶発的に切断するのを回避する。
【0004】
ベレス針は、一般に、加圧された気体(通常はCO2)を前記針の近位端のなかへ導入する手段を含む。これにより、気体が腹腔鏡下切開を通り抜け、体腔を膨張させて、手術部位に容易にアクセスできるようにする。
最初の切開を形成し、体腔に送気したのち、一般にベレス針を取り外し、同じ切開を通してトロカールを設置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなベレス針組立体を使用することに関連する問題は、いつ針が進行して体腔の壁を通り抜け、その遠位端が空洞のなかに出現したかを判断することにある。
更に、標準的なベレス針を挿入している間に、腸や主要血管などの内臓を不注意に損傷する可能性がある。
このようなことが起こるのは、この最初の進入が見えないからである(すなわち、外科医は、針がどこを進んでいるかを見ることができない)。
本開示は、この分野におけるこれらのような問題に対する解決策を提供する。これは、以下に示すとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の概要
本開示の利点は、以下の記載に示され、それから明らかになるであろう。
本開示の更なる利点は、添付図面からだけでなく、ここの明細書及び請求項において特に指摘されている方法及びシステムによって実現され、達成されるであろう。
【0007】
一態様にしたがって、本開示は、装置に方向付けられる。これは、ハンドルを含む。これは、近位端と遠位端とを有する。これは、前記遠位端で、遠位へ向けて延びた中空針に連結されている。これは、組織を貫通するための遠位端と、近位端とを有する。前記ハンドル及び遠位へ向けて延びた中空針は、導管を形成する。このなかを、流体又は器具のうち少なくとも一つが通り抜ける。
前記装置は、更に、視覚化スタイレットを含む。これは、近位端と遠位端とを有する。前記視覚化スタイレットは、前記導管のなかに摺動可能に配置されている。前記視覚化スタイレットの遠位端領域は、その上に装着された電子式光検出チップを含む。これは、遠位へ向けて面した表面を有する。これは、近位方向に沿って進む入射光を検出するよう構成されている。
前記視覚化スタイレットは、更に、光源を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップを遠位方向に越えた先まで光を投射して、これにより、直接照明を提供するよう構成される。前記光源に起因する光は、前記装置が組織を貫いて進んでいるとき、反射して前記電子式光検出チップに戻る。
前記装置は、更に、ばねを含んでもよい。これは、前記ハンドルのなかに収容される。これは、前記視覚化スタイレットを付勢する。これにより、組織による前記視覚化スタイレットに対する抵抗がないとき、これが延びて、遠位へ向けて延びた前記中空針の鋭い前記遠位端を通り越す。
【0008】
更なる実装において、前記視覚化スタイレットは、その遠位先端に配置されたレンズ要素を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップを覆う。
いくつかの実施形態において、前記レンズ要素は、前記電子式光検出チップに直接接触してもよい。
いくつかの実装において、前記レンズ要素は、前記電子式光検出チップに対して軸方向に間を空けてもよい。
望むなら、前記レンズ要素は、前記電子式光検出チップに対して制御可能、調節可能に軸方向に間を空けて、これにより、使用者が、前記レンズを通り抜ける入射光を前記電子式光検出チップの上へ集束させることができるようにしてもよい。
例えば、前記レンズ要素が前記電子式光検出チップから前記装置の長手方向中心軸に沿って軸方向に空けた間隔を、前記電子式光検出チップに対して前記レンズ要素を摺動させることにより調節してもよい。
【0009】
望むなら、前記レンズ要素が前記電子式光検出チップから前記装置の長手方向中心軸に沿って軸方向に空けた間隔を、前記電子式光検出チップに対して前記レンズ要素を回転させることにより調節してもよい。
いくつかの実施形態において、前記レンズ要素は、凸レンズ、平凸レンズなどのレンズを含んでもよい。
前記レンズ要素は、例えば、特に、円錐形状、角錐形状又はドーム形状であってもよい。
いくつかの実装において、前記レンズ要素は、中心レンズを含んでもよい。これは、入射光を前記電子式光検出チップの上に集束させるよう構成されている。これは、複数の二次レンズによって取り囲まれている。これは、前記光源に起因する前記レンズ要素から遠位へ向けて伝達された光を分散させるよう構成され配列されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記光源は、光ファイバ要素の束を含んでもよい。これは、光の源に結合される。
望むなら、前記光源は、少なくとも一つのマイクロLED要素を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップを取り囲む。
前記少なくとも一つのマイクロLED要素は、その上に配置された光学部品を含んでもよい。これは、前記少なくとも一つのマイクロLED要素から光を前記二次レンズのうち少なくとも一つの上へ集束させ方向付ける。
望むなら、前記レンズ要素は、中心レンズを含んでもよい。これは、入射光を前記電子式光検出チップの上に集束させるよう構成されている。これは、前記レンズの環状領域によって取り囲まれている。前記中心レンズは、前記レンズの前記環状領域から、少なくとも一つの流体流チャネルによって径方向に分離されている。これは、洗浄流体の噴射を、前記中心レンズの少なくとも一部分を覆うよう方向付けるよう構成され配列されている。
いくつかの実装において、前記中心レンズと前記レンズの前記環状領域とを、一体成形してもよい。
望むなら、前記中心レンズと前記レンズの前記環状領域とを、少なくとも二つの別々の構成要素から形成してもよい。
【0011】
いくつかの実装において、前記装置は、更に、少なくとも一つの流体流チャネルを含んでもよい。これは、洗浄流体の噴射を、前記視覚化スタイレットの前記遠位端に配置された中心レンズの少なくとも一部分を覆うよう方向付けるよう構成され配列されている。
前記少なくとも一つの流体流チャネルを、少なくとも一つの管状部材によって画定してもよい。これは、前記視覚化スタイレットに沿って摺動可能に配置される。前記管状部材は、その側壁のなかに複数のスプレー開口を画定する。
望むなら、前記管状部材を、形状記憶材料から形成してもよい。
前記管状部材の遠位領域は、前記視覚化スタイレットから遠位へ向けて外に前進してもよく、加熱設定された湾曲を帯びて、これにより、前記管状部材が前記レンズ要素へ向けて曲がる。
【0012】
いくつかの実施形態において、対応して装備されていれば、前記レンズ要素が前記電子式光検出チップから軸方向に空けた間隔を、前記視覚化スタイレットの近位端の近くでアクチュエータを作動させることにより調節してもよい。
望むなら、ここで開示されたレンズ要素は、いずれも、そのなかに少なくとも一つの通気孔を含んでよい。これにより、例えば、送気気体が通過したり、前記レンズを前記視覚化スタイレットの残りの部分に対して軸方向に再配置できることにより、前記レンズ要素の焦点を容易に合わせられるようにしたりする。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも一つの流体流チャネルは、少なくとも一つの管状部材によって画定してもよい。これは、前記中空針の前記導管の内壁に取り付けられる。
前記管状部材は、その側壁のなかに複数のスプレー開口を画定してもよい。これは、前記レンズを洗浄するよう構成され配列される。これは、流体の横方向の流れを、前記レンズを横切るよう方向付けることによる。
前記視覚化スタイレットは、また、そのなかに少なくとも一つの細長い送気導管を画定してもよい。これは、そのなかを送気気体が通り抜けて、前記装置の遠位端領域までいくよう構成される。
送気気体は、少なくとも一つの開口を通り抜けて外に出てもよい。これは、前記視覚化スタイレットの側壁を貫いて前記視覚化スタイレットの遠位先端の近くに画定される。
前記視覚化スタイレットは、少なくとも部分的に透光材料から形成してもよい。
前記光源は、少なくとも一つのLEDを含んでもよい。これは、例えば、前記ハンドルの前記近位端のなかに配置される。
【0014】
いくつかの実装において、前記装置は、更に、気体導入口を含んでもよい。これは、送気気体を気体源から受け取る。
前記視覚化スタイレットは、近位へ向けて引き出されるよう構成されてもよい。これにより、送気気体が前記装置を通り抜けるための流路を確立する。
前記視覚化スタイレットは、更に、導体を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップから受信した信号を処理装置に方向付ける。
前記処理装置は、前記視覚化スタイレットに取り付けてもよい。
望むなら、前記装置は、更に、表示画面を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップによって捕捉された画像を表示する。
望むなら、前記装置は、更に、バッテリーを含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップと、処理装置と、表示画面とに給電する。
【0015】
本開示は、更に、対象(患者など)を治療するための様々な方法を提供する。
例えば、方法の第一実施形態を提供する。これは、ここで記載したような機器を使用する。
前記方法のうちいくつかは、対象の腹部の皮膚のなかに小さな表在切開を作成してもよい。前記対象の腹壁の連続する複数の層を貫いて、そのなかに視覚化スタイレットが配置され遠位へ向けて延びた中空針の遠位端を前進させつつ、そのなかを貫いて前進されている組織を前記視覚化スタイレットによって実時間で視認してもよい。前記視覚化スタイレットは、遠位方向を視認するよう構成される。前記視覚化スタイレットが、遠位へ向けて延びた前記中空針に対して遠位へ向けて延びたことを観察し、前記対象の腹腔に到達したことを示したら、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端の前進を停止してもよい。
【0016】
いくつかの実装において、前記方法は、更に、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端の前進を停止したのち、遠位へ向けて延びた前記中空針を通して送気を開始してもよい。
遠位へ向けて延びた前記中空針を通して送気を開始するとき、更に、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記近位端を通して前記視覚化スタイレットを取り外し、遠位へ向けて延びた前記中空針を通して気体を注入してもよい。
望むなら、前記方法は、更に、信号を、前記電子式光検出チップから処理装置に方向付けてもよい。
前記方法は、更に、信号を、前記処理装置から表示画面に方向付けてもよい。
【0017】
前記方法のいくつかの実施形態において、遠位へ向けて延びた前記中空針は、シースとして作用してもよい。これは、少なくとも部分的に、前記視覚化スタイレットをその長さに沿って覆う。
前記ハンドルは、カニューレを含んでもよい。これは、遠位へ向けて延びた前記中空針に取り外し可能に取り付けられる。
前記方法は、更に、送気したのち、遠位へ向けて延びた前記中空針から前記カニューレを取り外し、近位へ向けて前記視覚化スタイレットを覆う前記カニューレを引き出してもよい。
前記カニューレを取り外すとき、遠位へ向けて延びた前記中空針と前記カニューレとを接合するねじ連結を連結解除してもよい。
望むなら、前記方法は、更に、遠位へ向けて延びた前記中空針と前記視覚化スタイレットとのうち少なくとも一つに、近位延長部を取り付けて、組立体を形成してもよい。前記組立体を内視鏡として使用して腹腔鏡下処置を実行してもよい。
望むなら、前記方法は、更に、遠位へ向けて延びた前記中空針とハンドルとを前記視覚化スタイレットから分離してもよい。前記視覚化スタイレットと遠位へ向けて延びた中空針及びハンドルとのうちの一つを前記対象から取り外してもよい。
前記視覚化スタイレットを取り外したら、前記方法は、遠位へ向けて延びた中空針をその場に残し、これにより、さらなる処置を実行するためのカニューレとして機能させてもよい。
【0018】
前記方法は、更に、いくつかの実施形態において、前記視覚化スタイレットからレンズキャップを取り外してもよい。前記レンズキャップを伴わずに前記ハンドルと遠位へ向けて延びた前記中空針とのなかへ前記視覚化スタイレットを再導入してもよい。
例えば、ヒンジの上で、前記レンズキャップを関節動作させ、前記視覚化スタイレットの前記遠位端から離すことにより、前記レンズキャップを取り外してもよい。
【0019】
開示された方法は、また、例えば、前記対象の内部にある間に、液体又は気体のうち少なくとも一つを含む洗浄流体を、少なくとも部分的に前記視覚化スタイレットの前記遠位端を横切る横方向に方向付けてもよい。これにより、視覚化を向上する。
洗浄流体を方向付けるとき、遠位へ向けて洗浄ワンドを延ばしてもよい。これは、洗浄流体を、前記視覚化スタイレットの前記遠位端へ向けて方向付けるよう構成され適合される。
前記洗浄流体を方向付けるとき、前記洗浄流体を、前記視覚化スタイレットを通り抜け、前記視覚化スタイレットの前記遠位端領域にある少なくとも一つの開口を通り抜けて外に出るよう方向付けてもよい。
前記洗浄流体を方向付けるとき、前記洗浄流体を、レンズを通り抜けるよう方向付けてもよい。これは、前記視覚化スタイレットの前記遠位端に位置する。
前記洗浄流体を、少なくとも部分的に前記レンズの中心領域を横切って径方向内側へ向かう経路に沿って方向付けてもよい。
前記洗浄流体を方向付けるとき、前記洗浄流体を、遠位へ向けて延びた前記中空針を通り抜けるよう方向付けてもよい。
望むなら、前記洗浄流体を方向付けるとき、前記洗浄流体を、前記視覚化スタイレットと遠位へ向けて延びた前記中空針の内側穴との間に配置された少なくとも一つの管状通路を通り抜けるよう方向付けてもよい。前記少なくとも一つの管状通路は、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記内側穴に取り付けられる。
【0020】
本開示に更にしたがって、前記方法は、遠位へ向けて延びた前記中空針とハンドルとを取り外し、前記視覚化スタイレットをその場に残してもよい。
望むなら、前記方法は、更に、前記視覚化スタイレットに近位延長部を追加して、組立体を形成してもよい。前記組立体を内視鏡として使用してもよい。
前記方法は、更に、穴径が前記視覚化スタイレットの直径の少なくとも二倍であるカニューレを配置して、前記視覚化スタイレットを覆ってもよい。これにより、前記組織を径方向外側へ向けて拡張させる。
望むなら、前記視覚化スタイレットは、例えば、直径が1~2mmであってもよい。前記カニューレは、5mmの穴を有してもよい。
望むなら、前記視覚化スタイレットは、直径が1~2mmであってもよい。前記カニューレは、10mmの穴を有してもよい。
【0021】
望むなら、前記方法は、更に、前記視覚化スタイレットを引き出して、前記カニューレをその場に残してもよい。
前記方法は、更に、前記カニューレを通して更なる器具を導入してもよい。
前記更なる器具は、内視鏡であってもよい。これは、前記カニューレの穴の大きさに適合するよう構成される。
【0022】
本開示に更にしたがって、手術器具の実装を提供する。
いくつかの実装において、前記手術器具は、遠位外側組立体を含む。これは、遠位ハウジングを含む。これは、流体入力口を有する。そして、そこから遠位へ向けて延びている遠位へ向けて延びた中空針を含む。
遠位へ向けて延びた前記中空針は、遠位端と近位端とを有する。前記遠位外側組立体は、通り道を形成する。これにより、そのなかを流体及び器具のうちの少なくとも一つが通り抜ける。
前記手術器具は、更に、視覚化スタイレット組立体を含む。これは、前記遠位外側組立体の前記通り道のなかに少なくとも部分的に配置されている。
前記視覚化スタイレット組立体は、前記遠位外側組立体に取り外し可能に結合されている。
前記視覚化スタイレットは、細長い本体を含む。これは、近位端と遠位端とを有する。そして、電子式光検出チップを含む。これは、細長い前記本体の前記遠位端に近接して装着されている。前記電子式光検出チップは、遠位へ向けて面した表面を有する。これにより、近位方向に沿って進む入射光を検出する。そして、光源を含む。これは、細長い前記本体のなかに少なくとも部分的に一体化されている。これにより、光を投射して、前記電子式光検出チップを遠位方向に越えた先まで到達させる。これにより、直接照明を提供する。これにより、前記送気針組立体が通過するのを案内する。そして、スリーブを含む。これは、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体の少なくとも遠位先端領域のまわりに摺動可能に配置されている。
前記スリーブは、その遠位端に配置されたレンズ要素を含んでもよい。これにより、前記レンズ要素のなかを通り抜ける光を方向付けて、前記電子式光検出チップへ向かわせる。
前記スリーブの少なくとも一部分は、遠位へ向けて延びた前記中空針のなかを通り抜けて近位へ向けて延びてもよい。
前記スリーブは、前記スリーブの近位ハンドル部分で終端してもよい。これにより、前記スリーブが細長い前記本体に対して容易に相対移動できる。
前記遠位外側組立体及び取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体は、前記スリーブと一緒に取り外し可能に結合してもよい。これにより、前記外側組立体と、取り外し可能な前記視覚化スタイレットと、スリーブとが、単一の構造的ユニットとして、組織のなかを通り抜けて前進することができる。
【0023】
いくつかの実装において、前記視覚化スタイレット組立体は、以下のように構成してもよい。すなわち、前記スリーブを伴って、前記遠位外側組立体から取り外される。そして、前記スリーブを、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体の周囲から取り外してもよい。これにより、前記電子式光検出チップが露出する。そして、これにより、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体を、その上に前記スリーブを伴わずに、前記外側組立体の前記導管のなかに再導入できる。
【0024】
いくつかの実装において、前記手術器具は、送気針組立体であってもよい。あるいは、トロカール組立体であってもよい。
送気針組立体として、取り外し可能な前記視覚化スタイレット組立体は、近位ハウジング部分を含んでもよい。これは、そのなかに穴を画定する。これは、そのなかに配置された圧縮ばねを含む。
前記視覚化スタイレット組立体の細長い前記本体を、前記近位ハウジング部分に対して遠位方向に、前記圧縮ばねによって付勢してもよい。これにより、前記スリーブ及び細長い本体が、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端を越えた先まで延びる。
いくつかの実施形態において、前記視覚化スタイレット組立体は、更に、コネクタ本体を含んでもよい。これは、細長い前記本体の近位領域のまわりに同心円状に配置される。
前記コネクタ本体は、遠位へ向けて面したコネクタを含んでもよい。これは、前記スリーブの前記ハンドル部分に取り外し可能に結合する。
【0025】
前記視覚化スタイレット組立体は、更に、コネクタ本体を含んでもよい。これは、細長い前記本体の近位領域のまわりに同心円状に配置される。そして、前記コネクタ本体は、遠位へ向けて面したコネクタを含んでもよい。これにより、前記スリーブの前記ハンドル部分に取り外し可能に結合する。前記コネクタ本体は、前記手術器具の前記近位ハウジングのなかに少なくとも部分的に受け入れられる。
望むなら、前記スリーブの前記ハンドルは、雌係止部材を含んでもよい。これは、前記コネクタ本体の雄係止部材によって受け入れられる(又はその逆)。これにより、前記スリーブを、前記視覚化スタイレット組立体から選択的に切り離すことができる。これにより、前記電子式光検出チップが露出する。
【0026】
いくつかの実装において、前記近位ハウジングは、遠位へ向けて延びたボスを画定してもよい。これは、前記遠位外側組立体によって封止するように受け入れられる。
遠位へ向けて延びた前記ボスは、流体密封部によって取り囲まれてもよい。これにより、前記遠位外側組立体の内側へ向けて面した表面と界面する。
前記遠位外側組立体は、更に、案内管を含んでもよい。これは、例えば、漏斗形状である。これは、前記遠位外側本体の前記通り道のなかに配置される。これにより、前記視覚化スタイレット組立体を、遠位へ向けて延びた前記中空針のなかに案内する。
【0027】
いくつかの実装において、前記視覚化スタイレット組立体は、更に、ヒートシンクを含んでもよい。これは、前記近位ハウジングのなかに少なくとも部分的に配置される。これにより、手術器具によって発生した熱を放散する。
望むなら、前記近位ハウジングは、近位空洞を画定してもよい。このなかで、前記視覚化の細長い前記本体が、細長い前記本体の近位端で終端する。
少なくとも一つのケーブルが、細長い前記本体の前記近位端から延び、前記近位空洞のなかを通り抜けてもよい。これは、前記ヒートシンクのなかを通り抜けて、前記近位ハウジングの近位キャップのなかに位置するコネクタに至る。
望むなら、前記ヒートシンクは、近位端、遠位端を含み、そのなかを少なくとも部分的に通り抜ける穴を画定してもよい。
LEDチップを、前記ヒートシンクの前記穴のなかに少なくとも部分的に装着してもよい。
前記LEDチップは、遠位へ向けて面したLEDを含んでもよい。これにより、光を方向付けて、前記視覚化スタイレットのなかに入れる。これにより、前方へ向かう照明を提供する。
【0028】
本開示に更にしたがって、送気針組立体の実装を提供する。これは、遠位組立体を含む。これは、遠位へ向けて延びた中空針を含む。これは、鋭利な遠位端、近位端を有する。そして、そのなかを通り抜ける針穴を画定する。
遠位へ向けて延びた前記中空針は、その近位端で、遠位ハウジングに結合してもよい。
前記遠位ハウジングは、そのなかに近位開口を画定してもよい。これは、空洞に至る。
前記空洞は、前記針穴と流体連通してもよい。
前記送気針組立体は、更に、近位組立体を含んでもよい。これは、近位ハウジングを含む。そして、圧縮ばねを含む。これは、前記近位ハウジングの穴のなかに配置されている。そして、視覚化スタイレットを含んでもよい。
前記視覚化スタイレットは、以下を含む。すなわち、(i)細長い本体。これは、近位端と遠位端とを画定する。(ii)電子式光検出チップ。これは、細長い前記本体の前記遠位端に近接して装着されている。前記電子式光検出チップは、遠位へ向けて面した表面を有する。これにより、近位方向に沿って進む入射光を検出する。(iii)光源。これは、細長い前記本体のなかに少なくとも部分的に一体化されている。これにより、光を投射して、前記電子式光検出チップを遠位方向に越えた先まで到達させる。これにより、直接照明を提供する。これにより、前記送気針組立体が通過するのを案内する。そして、(iv)ボス。これは、前記圧縮ばねの遠位端に接触する。これにより、例えば、前記視覚化スタイレットを遠位方向に押し出す。
前記近位組立体は、前記遠位組立体によって受け入れられるよう構成してもよい。そして、前記近位組立体は、前記遠位組立体に取り外し可能に結合するよう構成してもよい。
前記視覚化スタイレットは、付勢されて、遠位へ向けて延びた前記中空針の前記遠位端を越えた先まで延びてもよい。
【0029】
いくつかの実装において、前記近位ハウジングは、前記機器のハンドルを形成してもよい。
前記ハンドルは、遠位ハンドルセグメントによって画定してもよい。これは、前記遠位ハウジングによって受け入れられる。
前記遠位ハンドルセグメントは、周辺シールを含んでもよい。これは、前記遠位ハウジングの内側へ向けて面した表面と界面する。
前記ハンドルは、更に、近位ハンドルセグメントを含んでもよい。これは、前記遠位ハンドルセグメントによって封止するように受け入れられる。前記近位ハンドルセグメント及び遠位ハンドルセグメントは、協働して、前記圧縮ばねを受け入れるばね穴を画定する。
前記視覚化スタイレットの前記ボスは、前記ばね穴のなかで、前記圧縮ばねと比べて遠位の位置に配置してもよい。
前記圧縮ばねは、前記ボスよりも近位に位置する前記視覚化スタイレットの細長い前記本体の長さを取り囲む。
望むなら、前記ばねを前記ハンドルから取り外してもよい。これは、細長い前記本体を前記近位ハンドルセグメントに結合しつつ、前記近位ハンドルセグメントを前記遠位ハンドルセグメントから分離し、細長い前記部材を前記遠位ハンドルセグメントから引き出すことによる。
【0030】
いくつかの実装において、前記近位ハンドルセグメントは、近位へ向けて面した穴を画定してもよい。
前記視覚化スタイレットの細長い前記本体は、その近位端において、近位へ向けて面した前記穴のなかで終端し、そして、ブッシュに取り付けられてもよい。これは、前記近位ハンドルセグメントの近位へ向けて面した前記穴のなかで、封止するように受け入れられる。
【0031】
いくつかの実装において、前記近位ハンドルセグメントは、その近位端において、ストレインリリーフ組立体に結合されてもよい。
前記ストレインリリーフ組立体は、剛性が変化する領域を画定してもよい。
前記ストレインリリーフ組立体は、近位において、複数のコネクタで終端してもよい。
前記コネクタは、導体に結合してもよい。これは、前記視覚化スタイレットの細長い前記本体を横断する。
いくつかの実装において、前記導体は、前記コネクタから遠位へ向けて横断してもよい。これは、前記ストレインリリーフ組立体のなかを通り抜け、前記近位ハンドルセグメントの前記近位空洞のなかを通り抜けて、前記視覚化スタイレットの細長い前記本体のなかに入る。
望むなら、前記ストレインリリーフは、遠位へ向けて延びたボスを含んでもよい。これは、前記近位ハンドルセグメントの近位へ向けて面した前記穴の近位端のなかで受け入れられる。
いくつかの実装において、前記遠位組立体は、前記近位組立体に、軸方向に異なる少なくとも二つの別々の位置で結合してもよい。
【0032】
以下のことを理解するべきである。すなわち、前述した一般的な説明及び後述する詳細な説明は、例示的なものであり、開示された実施形態の更なる説明を提供することを意図している。
添付の図面は、本明細書に組み入れられ、その一部を構成する。これが含まれるのは、開示された方法及びシステムの更なる理解を例示し提供するためである。
説明とともに、図面が、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0033】
図面の簡単な説明
本開示の他の目的、利点及び応用は、後述する詳細な説明によって明らかになる。
説明は、添付された以下の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1A~
図1Bは、本開示にしたがって、第一実施形態の様々な展望を提示する。
【
図2】
図2A~
図2Cは、本開示にしたがって、第二実施形態の様々な展望を提示する。
【
図3】
図3~10は、本開示にしたがって、視覚化スタイレット遠位先端及びレンズ構成の様々な実施形態を提示する。
【
図11】
図11A~
図11Bは、本開示にしたがって、視覚化スタイレット遠位先端及びレンズ構成の更なる実施形態の様々な展望を提示する。
【
図12】
図12A~
図12Bは、本開示にしたがって、視覚化スタイレット遠位先端及びレンズ構成の更なる実施形態の断面及び側面図をそれぞれ提示する。
【
図13】
図13A~
図13Bは、本開示にしたがって、機器の更なる実施形態の断面及び端面図をそれぞれ提示する。これは、前記視覚化スタイレットの遠位先端を容易に洗浄できるよう構成されている。
【
図17A】
図17Aは、本開示にしたがう光学的トロカール組立体の等角投影図である。
【
図18A】
図18Aは、
図17Aの前記機器の展望である。これは、構成要素を分離して前記シースを前記機器から取り外す前である。
【
図18B】
図18Bは、
図17Aの前記機器の展望である。これは、前記機器のハンドル部分を前記機器のカニューレ部分に対して回転したのちである。
【
図18C】
図18Cは、
図17Aの前記機器の展望である。これは、前記ハンドル部分の組立体を、そこに取り付けられた前記シースを伴って、前記機器の前記カニューレ部分から引き出したのちである。
【
図18D】
図18D~18Gは、前記シースを前記機器の前記ハンドル部分に対して回転し、前記シース部分を前記ハンドル部分から取り外す(
図18G)一連の工程を例示する。
【
図18H】
図18Hは、前記カニューレと、シースと、ハンドルとの相対的な配置を示す展望である。これは、前記シースを取り外したのちである。
【
図18I】
図18I~19Kは、前記シースを取り外したのち、前記光学的シャフトを伴う前記ハンドルを、前記カニューレのなかに再び挿入することを例示する。
【
図18L】
図18Lは、前記機器の前記ハンドルの等角投影図である。これは、前記光学的プローブを伴う。
図18Mは、前記光学的プローブの遠位端の接写図を示す。そして、
図18Nは、前記ハンドルの遠位端部分の接写図を例示する。
【
図19A】
図19A~19Bは、本開示にしたがって、ばね負荷された送気針組立体の全体及び部分等角投影図を例示する。
【
図19C】
図19C及び19Dは、
図19Aの前記機器を前記機器の中心軸に沿って切った断面図を示す。これは、互いに対して90度回転している。
【
図20A】
図20Aは、本開示にしたがった送気針組立体の更なる実施形態の展望である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
好ましい実施形態の詳細な説明
本開示の好ましい実施形態を
図1A~1Bに例示する。これは、ベレス針として作用して、体腔のなかへ切開を形成し、送気器として作用して、気体を前記空洞のなかへ注入し、視覚化ツールとして作用して、前記腹腔へ向かって進行しながら組織を横断するとき、前記ベレス針の進行を監視する。
【0036】
腹部進入は、腹腔鏡下及びロボット手術の最も危険な工程であり、米国における一日に患者一人の死亡(及び患者8人の損傷)の原因となっている。一年あたり480万件の腹腔鏡下処置が米国で実施されている。
このうち、脈管損傷の危険は、0.2/1000、腸損傷の危険は、0.4/1000であり、死亡率は、13%である。
進入に関係する損傷は、一年あたり2880件、死亡は、一年あたり374件あり、一日あたり少なくとも一人が死亡している。
これらの損傷は、それぞれ、対処するために数十万ドル、ときには数百万ドルの費用がかかる。
開示された前記実施形態は、盲目的な腹腔鏡下進入を本質的に排除し、患者の重大な損傷及び死亡を防ぐ。
【0037】
例示の目的であって、限定のためではなく、ここで具体化され、
図1に例示されたとおり、装置100は、ベレス型の針形態で提供される。
前記装置100は、ハンドル110を含む。これは、近位端112遠位端114と、そのなかを貫く細長い中空の通路116とを有する。これは、今度は、遠位へ向けて延びた中空針120に連結されている。これは、組織を貫通する鋭い遠位端124を有する。そして、そのなかを貫く細長い中空の通路126を画定する。
前記ハンドル110及び前記針120の前記通路116,126は、協働して、導管を形成する。このなかを、流体又は器具のうち少なくとも一つが通り抜ける。
【0038】
前記装置100は、更に、視覚化スタイレット140を含む。これは、今度は、近位端142と、鈍い遠位端144とを含む。
前記視覚化スタイレット140は、前記ハンドル110及び針120の前記導管(116,126)のなかに摺動可能に配置されている。
例示したとおり、前記視覚化スタイレット140の遠位端領域は、その上(又はそのなか)に装着された電子式光検出チップ146を含む。これは、遠位へ向けて面した表面146aを有する。これは、フォトセンサのアレイを含む。これは、近位方向に沿って(すなわち、前記装置100の前記遠位端へ向けて)進む入射光を検出するよう構成されている。
前記装置100は、更に、光源150(前記ハンドル110のなかに配置されたLEDなど)を含む。これは、前記電子式光検出チップ146を遠位方向に越えた先まで光を投射するよう構成されている。これにより、前記装置100が横断している区域の直接照明を提供する。
動作において、光源150に起因する光は、前記視覚化スタイレット(例えば、光透過性プラスチックから作製してもよい。)の本体を横断し、前記視覚化スタイレット140のすぐ近くの遠位にある組織を照明する。
その光は、反射して、前記電子式光検出チップ146に戻る。
更なる実装にしたがって、一以上の光ファイバの透光ファイバを使用して光を伝達して、前記ハンドル110の内部又は外部いずれかにある光源から、前記機器を通り抜け、前記機器の遠位端までいかせてもよい。
光を伝達するのに、前記視覚化スタイレットや前記針120及びハンドル110に沿った光ファイバのファイバを使用してもよい。
【0039】
前記装置100は、また更に、ばね160を含む。これは、前記ハンドル100のなかに収容されている。これは、前記視覚化スタイレット140を(ボスを介して)147付勢する。これにより、組織による前記視覚化スタイレットに対する抵抗がないとき、延びて、前記針120の鋭い前記遠位端124を通り越す。
このように、使用において、前記装置を組織に対して押し付けつつ、前記視覚化スタイレットが、前記針遠位端124とともに組織に対して押し付ける。
しかし、前記装置が前記腹壁を横断して前記腹腔に進入すると、視覚化スタイレット140は、ばね160によって前方へ向けて押し出され、前記針遠位端124を越えた先までいく。これにより、前記針120が腹腔のなかの余計ないかなる組織(これは、例えば、腸、血管などを含む。)をも切断するのを防止する。
【0040】
望むなら、前記視覚化スタイレット140は、その遠位先端に配置されたレンズ要素148を含んでもよい。これは、前記電子式光検出チップ146を覆う。
好ましくは、前記レンズ要素は、プラスチック、ガラスなど、前記電子式光検出チップに取り付けることができる適切な材料の中実又は中空の部品を含んでもよい。
いくつかの実装において、前記電子式光検出チップ146は、前記視覚化スタイレット140の透き通ったプラスチック本体のなかに一体成形してもよい。レンズを、前記電子式光検出チップを覆って成形する。更に、前記電子式光検出チップから引きだした導体148を、例えば、前記視覚化スタイレット(又は機器全体)の中心軸に沿って方向付けてもよい。これは、前記視覚化スタイレットの材料のなかに(オーバーモールドを介して)埋め込まれるか、あるいは、前記視覚化スタイレット140の中心軸に沿った中空通路(不図示)を通り抜けるよう方向付けられる。
望むなら、前記成形処理により、透き通ったプラスチック材料を、前記電子式光検出チップの表面に直接接触させてもよい。
【0041】
視覚化スタイレットは、このようにして、PET、アクリルなどの光透過性(例えば透明又は半透明)材料から形成してもよい。あるいは、他の材料から作製し、一つ以上の光ファイバを伴ってもよい。これは、前記視覚化スタイレットの長さを横断して、光を前記光源から伝達する。
例示したとおり、前記視覚化スタイレット140の前記遠位端144の環状外側区域144aを、前記電子式光検出チップ146より近位に設けてもよい。前記電子式光検出チップは、前記遠位端144の中央にある。これにより、光が前記視覚化スタイレットに沿って伝導し、前記電子式光検出チップ146を通り越して、前記レンズ148を通り抜けられるようにする。
【0042】
更に例示したとおり、前記ハンドル110に、気体導入口118を設けてもよい。これは、送気気体を気体源170から受け取る。
また、望むなら、洗滌口119を設けてもよい。これは、前記ハンドル110/針120と前記視覚化スタイレット140との間に画定された環状空間のなかで液体を方向付ける。これにより、前記視覚化スタイレットの前記遠位端を洗浄する。
更に、又は、その代わりに、洗滌口を平行な管腔構造として設けてもよい。これは、119aによって示されている。
いくつかの実装において、前記視覚化スタイレット140は、通路126,116に沿って近位へ向けて引き出されるよう構成される。これにより、前記送気気体のための流路を確立する。
例えば、前記視覚化スタイレットは、前記気体導入口より近位に引き出すだけで、妨げのない経路を提供できる。これは、送気気体を、対象の前記腹腔のなかへ方向付ける。
【0043】
上述したとおり、前記導体148を設けてもよい。これは、前記電子式光検出チップから受信した信号を、第二の場所(処理装置180など)に方向付ける。
前記処理装置は、このように、前記視覚化スタイレットに結合してもよい。
前記処理装置は、その後、今度は、表示画面190に連結してもよい。これは、前記電子式光検出チップ146によって捕捉された画像を表示する。
前記表示装置190は、大型LCD画面であってもよい。これは、別個のコンピュータシステムの一部である。あるいは、局所的な小型画面として設けてもよい。これは、例えば、前記装置の近位端102に取り付けられたモジュールのなかで、前記処理装置及びバッテリー192に取り付けられる。
望むなら、アダプタ(不図示)を設けてもよい。これにより、前記装置100を、腹腔鏡カメラと光源とモニタとに連結する。これは、手術室で利用可能である。
【0044】
本開示は、更に、ここで記載した装置を使用する方法を提供する。これにより、腹部のなかで腹腔鏡下手術処置を準備する送気の処置を、もっと安全に達成する。
前記方法において、対象の皮膚の表面を、前記装置(例えば100)の中空針の鋭い遠位端(例えば124)で穿刺する。
前記方法は、更に、前記対象の前記腹壁の連続した複数の層を貫いて前記中空針の遠位端(例えば124)を前進させつつ、そのなかを貫いて前進されている組織を、前記視覚化スタイレットを介して実時間で視認する。
前記処理は、また更に、前記腹腔に到達しているとき、前記中空針の前記遠位端の前進を停止する。
使用者が、腹腔に到達したことに気付くことができるのは、前記視覚化スタイレットが、ばね160の力のもと、遠位へ向けて突き出して、前記針120の前記遠位端124を通り越したときである。
この時点で、前記視覚化スタイレット140を近位へ向けて引っ込めてもよい。これは、手動操作などによる。前記方法は、更に、前記中空針を通して送気を開始してもよい。
【0045】
更に本開示にしたがって、視覚化送気針組立体200の第二実施形態を、
図2A~2Cに提示する。
図2Aを参照すると、前記組立体は、外側シース220を含む。これは、角度付きの鋭利な遠位先端を伴う。これは、組織を貫通する。これは、ばね負荷された視覚化スタイレットを含む。これは、
図1A~1Bと同様である。
前記外側シースは、例えば、ステンレス鋼管から作製してもよい。そして、長さLIが、例えば約2~約6インチの間で、一インチの約八分の一刻みであってもよい。
視覚化スタイレットは、長さL2が同様であってもよい。
前記視覚化スタイレットの直径(又は幅W2)は、例えば、約0.050~約0.1インチの間で、0.01インチ刻みであってもよい。
前記シースは、直径又は幅W1が、約0.06~0.12インチの間で、0.01インチ刻みであってもよい。
前記遠位管220は、近位端でカニューレ本体230に取り付けられる。これは、カニューレキャップ232を伴う。これは、取り外し可能であってもよい。
機能性において
図1Aに例示したのと同様のばね付勢機構が、カニューレ本体230のなかに含有されている。これは、前記視覚化スタイレットに動作可能に取り付けられている。これは、それを付勢して、前記外側管220の先端を越えた先までいかせる。
カニューレ230は、長さL3が、例えば約1.5~2.0インチの間で、一インチの十六分の一刻みであってもよい。そして、幅又は直径W3が、約0.4~0.8インチの間で、約0.05インチ刻みであってもよい。
キャップ232の前記近位端は、雌ルアー係止コネクタ234に隣接している。これは、Yコネクタ242と、近位にある雄ルアー係止コネクタ240とを伴う。
コネクタ240は、電子機器コネクタ250によって受け入れられる。これは、近位プラグ252を有する。これは、今度は、光源266に連結する。これは、光を前記視覚化スタイレットに沿って方向付ける。これにより、照明を提供する。そして、カメラ出力コネクタ264に連結する。これは、デジタル画像データを、処理装置や画面に方向付ける。
望むなら、コネクタ264は、特殊な回路を含んでもよい。これは、前記視覚化スタイレットのなかの前記光検出器から受信したデータを変換してビデオ出力信号にするよう特別に構成される。
被覆262を設ける。これは、ビデオ出力ケーブルを保護する。
本体250は、任意の適切な長さLを有してもよい。例えば、約.75~2.0インチの間で、.1インチ刻みである。そして、直径又は幅W4が、約0.4~0.8インチの間で、約0.05インチ刻みであってもよい。
長さL5は、例えば、8~24インチの間、あるいは、その間で約四分の一インチ刻みであってもよい。
【0046】
図2B及び2Cは、前記視覚化スタイレットの前記遠位端領域の端面及び断面図を提示する。
図2Bは、前記レンズ248を取り外した前記遠位端の展望を示す。これにより、前記光検出器アレイ246と、周囲の構造とを例示する。
光は、遠位へ向けて伝達され、照明束249を通り抜ける。これは、光検出器アレイ246を取り囲んでいる。
照明束は、今度は、高分子照明シース243に取り囲まれている。これは、ポリイミドなどの適切な高分子で例えば作製されている。
横方向開口247を設ける。これにより、前記視覚化スタイレットの前記中空穴に沿って通る送気気体が前記視覚化スタイレットの前記外側壁を通り抜けられるようにする。これにより、腹膜の送気をする。
導体(不図示)を、アレイ246に連結する。これにより、前記アレイによって受け取られた光を示すデータを、近位へ向けて伝導し、前記機器200から外へ出す。
シース243は、今度は、(好ましくは金属的な)管状部材245に取り囲まれている。これは、その近位端で、ばねに取り付けられる。これは、また、カニューレ本体250にも取り付けられる。
【0047】
前記視覚化スタイレット(特に、前記視覚化スタイレットの前記遠位端領域)は、様々なやり方で作製してもよく、様々な特徴を有してもよい。
【0048】
図3~11Aは、前記機器(例えば、100、200)のこの部分の異なる実施形態の断面図を例示する。これは、同様の構造のための似た参照番号を含む。
図3は、そのような遠位領域を例示する。これは、遠位レンズキャップ348を有する。これは、実質的に円錐形状であり、先端が曲がっている。これは、鈍的剥離に有用であり得る。
前記キャップは、中実又は中空の端領域によって画定される。これは、円錐状断片であってもよい。例えば、これは、環状の管状領域のなかへ移行する。これは、摺動可能に受け入れられる。例えば、前記視覚化スタイレットの主本体部分の凹んだ部分345(に接着されるなどして取り付けられる)である。これは、今度は、光検出器アレイ346(単純化された形態で示す。)を含む。
照明束など
図2B~2Cの実施形態と同様の構造を設けてもよい。
一以上の中心通路347を設けてもよい。これにより、容易にデータ導体が通過でき又は液体状若しくは気体状の洗滌流体が通過できるようにする。これにより、必要に応じて、レンズ348の先端を灌注できる。
図4は、遠位端領域を例示する。これは、鋭い円錐又は角錐(例えば、3、4、5、又は6面の)形状のレンズ448を代わりに含む。
【0049】
図5は、
図3及び4の実施形態と同様であるが、ドーム形状のレンズ548と、光検出器546などとを含む。
更に、
図5の実施形態は、レンズ洗滌機構の第一実施形態を含む。これは、管状本体547を含む。これは、前記視覚化スタイレットの前記本体を通り抜けるよう方向付けられている。これは、複数の洗滌孔を含む。
前記本体547は、例えば、ハイポチューブから形成されてもよい。これは、遠位先端が封止され、一以上の孔が前記ハイポチューブを貫いて横方向に形成されている。これにより、流体噴射を、前記レンズを横切るよう方向付ける。前記流体は、例えば、生理食塩水や、別の液体や、気体状物質(二酸化炭素送気気体など)を含んでもよい。
管547は、好ましくは、視覚化スタイレットに対して摺動可能に移動可能である。そして、前記視覚化スタイレット遠位先端に対して遠位へ向けて前進することにより、制御可能に展開されてもよい。
一実施形態において、前記管547は、形状記憶材料(例えば、NiTi合金)から作製される。これは、前記先端の周囲で曲がるよう加熱設定される。これにより、前記先端で洗浄液体や気体を、部分的に横方向であり部分的に近位方向に軸方向である方向に沿って方向付ける。
前記管547は、更に、近位へ向けて引っ込んで、真っ直ぐな案内チャネルのなかへ入ってもよい。
望むなら、そのような管547(NiTiなどの材料)を複数、様々な場所に設けて、効率的な洗浄を果たしてもよい。
機器及び方法の更なる実施形態(例示せず)において、機械的な払拭シール又は払拭パッドを、前記カニューレ又はシースの内部に設ける。これは、前記視覚化スタイレットの前記遠位先端を払拭する。
【0050】
図6は、
図5と同様の実施形態を例示する。空洞652が、前記光検出器アレイの前記遠位先端と前記遠位レンズ648との間に設けられていること。
望むなら、洗滌チャネル654を設けてもよい。これは、液体や気体を、空洞652のなかへ方向付ける。これは、光学性能を向上させる。
このような場合において、小さな通気孔を設けてもよい。
更に、望むなら、周方向に位置する一以上の洗滌チャネル650を設けてもよい。これは、前記レンズ648を通り抜ける。
望むなら、いくつかの実施形態において、このような洗滌チャネルは、前記先端の表面を横切って分布してもよい。これにより、それを清潔に保つのを助ける。
好ましくは、前記洗滌流体(例えば、液体)の屈折率は、前記先端の材料と合致する。これにより、画像の歪みを最小限にする。
更に、望むなら、前記レンズの中心領域の先端は、前記レンズの周部に対して近位に位置してもよい。
これにより、示したとおり、洗滌通路ができる。これは、洗滌流体(液体や気体)を誘導して、前記レンズ648の中心部分の面を覆わせる。
更に、理解されるであろうことは、洗浄効果を得るために、前記洗滌通路を必ずしも径方向内側へ向けて方向付ける必要はなく、あるいは、少なくとも重要ではない。
具体的には、出願人は、以下のように考える。すなわち、適切に構成された洗浄通路と、液体(例えば、生理食塩水)や気体(例えば、二酸化炭素)に適した流量とによって、洗浄流体の流れが、たとえ前記遠位先端へ向けて曲がっているときであっても、前記レンズの表面に沿って進む。
これは、流体力学において、「コアンダ効果」として知られている。
具体的には、コアンダ効果とは、たとえ前記表面が最初の噴射方向から離れて曲がっているときであっても、噴射流がすぐ近くの表面にくっつき、くっついたままになる現象である。
したがって、通路を洗浄する利点を有しつつ、前記レンズの視野の減少や、前記レンズを通り抜ける画像の歪みに対するそれらの影響を最小限にすることができる。
したがって、例えば、前記洗浄通路を通して液体流を射出し、続けて、気体流をバーストしてもよい。
その代わりとして、単に、前記通路を通して、気体流を使用してもよい。
【0051】
望むなら、前記遠位先端は、別個のレンズ650を前記周領域のなかへ嵌入することにより形成してもよい。
これをするには、例えば、前記レンズ中心650を、前記光検出器646に、又は、それを取り囲む透光束に取り付け、前記レンズ中心領域の近位面を延ばして前記光検出器や周囲区域に当接させる。
その場合において、前記レンズの前記環状外側部分は、別個の管状部材の形態で設けてもよい。これは、滑って、前記レンズの前記中心領域を覆う。
望むなら、その場合において、前記レンズ中心650や前記周辺領域に、スタンドオフを設けてもよい。好ましくは、これは、周方向に配置される(好ましくは三つだが、他の量を使用してもよい。)。これにより、前記レンズ650の前記内側中心部分を前記環状外側部分と分離して整列する。そして、洗滌チャネルのための流路を画定する。
【0052】
図7は、更なる実施形態を例示する。前記レンズ748は、前記視覚化スタイレットの上に摺動可能に装着されている。これにより、前記レンズと前記光検出器748との間の軸方向距離を調節して、前記レンズの焦点長に適応させることができる。
これは、調節可能な締り嵌めによって達成してもよい。あるいは、
図12A~12Bに対して後述するプッシュプル作動配列によってでもよい。
図8は、その代わりとなる焦点長調節配列を示す。これは、前記レンズ848と前記視覚化スタイレットの前記本体との間のねじ連結を利用する。これにより、前記レンズと光検出器846との間の軸方向距離を調節する。
図9は、レンズ948を示す光線図を例示する。これは、平凸レンズの形態である。これは、入射光を、前記光検出器946の上に、径方向内側へ向けて集束させるよう構成されている。
図10は、凸レンズのための同様の配列を例示する。
レンズの湾曲(又はその欠如)は、もっと狭い又はもっと広い視野に適応するよう選択してもよい。
【0053】
図11A及び11Bは、もっと複雑なレンズ配列を例示する。照明の目的で届けられている光が、入射光を光検出器1146の上へ集めるために使用されるレンズとは別の一以上のレンズを通り抜ける。
具体的には、前記レンズは、成形レンズ組立体であってもよい。これは、例えば、中心部分1148を有する。これは、光を集めて前記光検出器1146の上に集束させるための凸レンズ(などのレンズ)である。そして、一以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ)の周方向に配列されたもっと小さなレンズ1149を有する。これは、外側へ向けて光束から光を分布させる。
好ましくは、前記光学部品は、前記レンズにおける内部反射を最小限にし、出射及び入射する光の混合を低減するよう配列される。
望むなら、前記光源は、マイクロLED1143を含んでもよい。これは、適切な光学部品(又はレンズ)1147の下方に装着される。これは、二次レンズ1149から外へ光を届けるのに適合した光学部品を有する。
望むなら、前記電子式光検出チップ及びマイクロLEDは、同じチップ又は回路板の上に形成し、それを覆って光学部品を成形して、これにより、製造を単純化してもよい。
【0054】
図12A~12Bは、視覚化スタイレットの実施形態を例示する。これは、プッシュプルアクチュエータを有する。これは、前記レンズと前記光検出器との間の軸方向距離を調節する。
例えば、前記アクチュエータの第一部分1210を前記遠位レンズに連結し、第二部分1220を前記視覚化スタイレットの前記中心部分に取り付ける。
軸方向の長さは、例えば、単純なプッシュプル配列によって達成してもよい。
あるいは、もっと精密である必要がある場合は、ねじを使用したアクチュエータを使用して、もっと細かい調節をしてもよい。
通気礼1202を設けてもよい。これにより、液体などの流体が、前記レンズと前記光検出器との間の空洞空間のなかへ流入し又はそこから流出できるようにする。
理解されるであろうことは、このような通気孔を、ここでの実施形態のいずれにも設けてよい。
【0055】
図13A~13Bは、視覚化ベレス針の更なる実施形態を例示する。これは、洗滌経路又は導管を、前記視覚化スタイレットを取り囲む針のシースのなかへ組み入れている。
描いたとおり、好ましくは3つ、4つ又は6つの長手方向チャネル1362を設ける(小さなハイポチューブなど)。これは、前記シース(例えば、220)の内側表面に取り付けられる。
これらの管1362の作用により、前記視覚化スタイレットを外側シースから均等な間隔にする。そして、前記外側管及び視覚化スタイレットと協働して、送気気体の通路のための長手方向通路1368を画定する。あるいは、単に摩擦を低減する。
例示したとおり、管1362の遠位先端を封止してもよい。そして、レーザ穿削孔を形成してもよい。これは、前記視覚化スタイレットに対して横方向である。これにより、前記管1362を通り抜けるよう方向付けられた洗浄流体が、前記視覚化スタイレットの前記遠位先端を横切って横方向へ向けて方向付けられ、前記レンズ1348を洗浄する。
視覚化スタイレットを、洗浄時に前記外側シースに対して近位へ向けて及び遠位へ向けて移動してもよい。これにより、洗浄処理中の洗浄を容易にする。
【0056】
図14A~14Cは、視覚化ベレス針の実施形態を例示する。これは、分解することができ、これにより、異なる処置を容易にする。
例えば、14Aは、ベレス針(
図2A~2Cに例示されたものなど)の遠位部分を例示する。これは、視覚化スタイレット1406を有する。これは、外側シース1402に連結されている。シース1402は、カニューレ1404に取り外し可能に連結される。これは、送気気体を提供する。
送気したのち、部分1404を、部分1402から取り外してもよい(例えば、ねじ連結1409によって)。そして、新しい近位部分1408をねじ1409に取り付けて、前記組立体を腹腔鏡として使用してもよい。
望むなら、前記視覚化スタイレット1406を、1402と1404との組立体から取り外してもよい(例えば、ねじ連結を外すことによって)。
構成要素1402又は1404の内部にシール(不図示)を設けてもよい。これにより、送気気体の損失を防止する。
【0057】
図15A~15Cは、システム及び方法を例示する。これは、視覚化スタイレット1506を外側カニューレ1504から分離する(ねじ連結を連結解除するなどして)。
前記組立体を視覚化のもとで腹膜のなかへ挿入したのち、望むなら、前記視覚化スタイレットを取り外し、前記外側シースをカニューレとしてその場に残してもよい。
あるいは、前記外側シースを取り外し、延長部1508を視覚化スタイレット1506に取り付けられるようにしてもよい。これにより、視覚化スタイレット1506を腹腔鏡として有効に使用する。
前記視覚化スタイレットを取り外す場合は、シール(不図示)を、前記カニューレ1504の本体のなかに設けてもよい。これにより、送気気体が過度に喪失するのを防止し、腹膜のなかの圧力を維持する。
視覚化スタイレットを取り外してもよい。例えば、これにより、レンズキャップ(例えば、148以下)を取り外し、前記視覚化スタイレットをレンズキャップなしで再導入できるようにする。
方法の更なる実施形態において、前記レンズは、視覚化スタイレットの端部に蝶番で付けられ、アクチュエータを作動させることにより経路から外に揺動できる。
【0058】
図16A~16Cは、更なるシステム及び方法を例示している。これは、視覚化スタイレットを外側カニューレから分離する。これを用いて、腹膜に送気する。
前記外側カニューレは、送気口を含む。これにより、送気気体の入力を受け入れる。
図16Aにおいて前記組立体を直視下で腹膜のなかに挿入したのち、前記腹膜に送気してもよい。そして、前記視覚化スタイレットを取り外すことができる。これは、
図16Bに指示したとおりである。
前記内側スタイレットは、その遠位端に、CMOSチップを含んでもよい。これは、このなかの他の場所で議論したとおりである。これを、取り外し可能な遠位キャップ又はカバーによって覆ってもよい。
取り外し可能な前記遠位キャップ又はカバーは、鋭利な先端又は鈍的剥離先端を有してもよい。これは、任意の望ましい形状(例えば、円錐状、ピラミッド状など)及び任意の望ましい追加的な特徴(例えば、取り外し可能な前記先端から外側へ向けて延びた隆起又は翼又はタブ)である。
前記先端を、このように取り外してもよい。そして、前記内側スタイレットを前記外側カニューレのなかに再び置いてもよい。これにより、照明や視覚化機能を実行する。
前記先端の取り外しは、最初の挿入処理をしている間、前記先端が不明瞭になり得るので、有用である。
望むなら、異なる先端を付け加えてもよい。これにより、前記CMOSチップを再び覆う。あるいは、前記CMOSチップは、レンズを有してもよい。これを、取り外し可能な前記遠位先端によって覆う。
前記外側カニューレは、二酸化炭素を方向付けて腹膜のなかに入れ続けてもよい。
【0059】
本開示に更にしたがって、
図17A~18Nは、本開示にしたがう視覚化トロカール組立体の更なる実施形態を例示している。
【0060】
図17Aは、本開示にしたがう光学的トロカール組立体1700の等角投影図である。
図17Bは、機器1700の遠位端部分の接写図である。
描いたとおり、機器1700は、近位ハンドル部分1750を含む。これは、遠位カニューレ1710に取り外し可能に結合してもよい。
遠位カニューレ1710は、近位ハンドル部分を含む。これは、遠位シャフト1712に結合している。
シャフト1712は、中空である。そして、遠位端部分1714を有する。そして、そのなかに取り外し可能な細長いシース1720を受け入れるよう構成されている。
環状の隙間を、前記シャフト1712のなかを通り抜けて画定された前記管腔の前記内側表面と、前記シース1720の前記外部表面との間に画定してもよい。
洗滌組立体1760を設ける。これは、入力口と、弁と、出力口とを含む。これは、液体などの有益な薬剤を方向付けて、前記カニューレ1710と前記ハンドル1750との間に画定された空洞まで到達させる。その結果、前記シース1720を取り外したとき、流体を、シャフト1712とシース1720との間(又は、シャフト1712と光学プローブ1780(以下で議論する。)との間)に方向付ける。
例示したとおり、実施形態1700の前記シース1720は、剥離する先端1724で終端してもよい。これは、一つ以上の隆起又は翼を含んでもよい。これは、それが押し当てられた組織を鈍的に剥離するのを助けてもよい。
望むなら、前記先端1724は、組織を横断するのを助けるのに必要な程度に鋭利であってもよい。
認識されるであろうとおり、例示した前記実施形態において、前記シャフト1712は、任意の所望の直径であってもよいが、前記シャフトは、公称外径が約2mmである。
【0061】
図17C~17Eは、
図17Aの前記機器の取り外し可能なシースの展望である。
例示したとおり、シース1720は、細長い管状部材1725を含む。これは、例えば、シャフト1712と同様、金属的な材料から作られる。
シース1720は、その近位端に、雌ルアー係止部(又は他の結合部)1722を含む。そして、その遠位端に結合された遠位先端1724を含む。
図17Eにおいて、先端の代替的な実施形態を示す。これは、対向する一対の翼部分1726を有する。
前記先端は、少なくとも部分的に透明である。そして、一つ以上のマスクされた部分を含んでもよい。これにより、前記先端の一部を不透明にする。これは、望みに応じて、スクリーン印刷などによる。これにより、例えば、翼1726などの幾何学的な特徴から生じる光学アーチファクトを取り除く。
【0062】
図18A~18Kは、前記シース1720を前記機器1700から取り外す処理を例示している。
使用において、出願人は、以下のことを認識するようになった。すなわち、光学的トロカールは、機器を体内に方向付ける最初の処理をしている間に、容易に汚れるなどして不明瞭になり得る。
【0063】
図18Aは、前記機器1700の展望である。これは、構成要素を分離して前記シース1720を前記機器から取り外す前である。
これは、前記機器1700を、例えば患者の腹膜のなかに挿入したのちにしてもよい。
挿入している間、前記光学的先端1724は、不明瞭になることが予想し得る。
このように、前記機器の前記近位部分を取り外してもよい。そして、前記シースを前記機器の前記近位部分から取り外し、前記光学部品又はスタイレット(1780)を露わにしてもよい。そして、前記スタイレットを前記カニューレに再び挿入してもよい。これにより、患者の内部にあるものを明確に展望することができる。
【0064】
図18Bは、前記機器1700の展望である。これは、前記機器のハンドル部分1750を前記機器のカニューレ部分に対して反時計回りに回転させたのちである。これにより、二つの前記構成要素を連結する「J」コネクタを解放する。
「J」コネクタを切り離した状態で、前記シース1720を持つ前記ハンドルを、近位方向に引き出してもよい。これは、
図18Cに例示したとおりである。そして、前記カニューレ1710を患者のなかでその場に残してもよい。
前記組立体1750の前記近位部分を引き出した状態で、今度は、保護シース1720を前記光学部品/スコープ/スタイレット1780から取り外すことができる。
図18D~18Gを参照して、一連の工程を例示する。これは、前記シース近位端コネクタ1722を前記機器1750の前記ハンドル部分に対して回転させることを含む。これにより、前記シースの前記ルアー係止部を前記ハンドル部分1750の前記遠位端にある前記コネクタから切り離す。
この実施形態における前記シースは、前記近位端にあるルアーコネクタと、細長いシャフト1725とからなる。これは、遠位先端で終端する。これは、光学的に透き通っている。
このシース1720は、取り外されると、前記スタイレット1780の前記遠位端で、CMOSセンサが露出する。これは、
図18Gに示すとおりである。
図18Hは、前記カニューレとシースとハンドルとの相対的な配置を示す展望である。これは、前記シースを取り外したのちである。
【0065】
図18I~19Kは、前記シースを取り外したのち、前記光学シャフトを伴って、前記ハンドルを前記カニューレのなかに再び挿入することを例示している。
見えるとおり、前記スタイレット1780を前記カニューレ1710のなかに再び挿入し、前記「J」コネクタを再び接続する。
この時点で、前記組立体全体を操作してもよい。これにより、異なる組織構造を展望する。
【0066】
図18Lは、前記機器1750の前記ハンドルの等角投影図である。これは、前記光学プローブ又はスタイレット1780を伴う。
図18Mは、前記光学プローブの遠位端1784の接写図を示している。そして、
図18Nは、前記ハンドル1750の遠位端部分の接写図を例示している。
例示したとおり、前記スタイレット1780は、CMOSチップを含んでもよい。これは、管状部材の前記管腔に配置される。これは、例えば、ステンレス鋼管から作られる。例えば、ハイポチューブなどである。
前記スタイレット1780の近位端は、前記機器の前記ハンドル部分1750に結合され、そして、それに応じて、導体に結合される。これは、画像信号を処理装置(不図示)に送る。
図18Nにおける前記ハンドル部分1750の前記遠位部分の接写図は、直径が減少したセクションを例示している。これは、前記カニューレ1710のなかの穴によって受け入れられる。
直径が減少したこのセクションは、シール1753を含む。例えば、Oリングなどである。これにより、連結したとき、前記カニューレ1710を前記ハンドル部分1750に流体的に封止する。
ピン1752が、直径が減少した前記セクションの両側に設けられている。これにより、前記「J」コネクタに係合する。
インサート1751が、前記ハンドル1750の前記ハウジングのなかに着座してもよい。これは、例えば、雌ルアー係止コネクタを含む。
【0067】
前記スタイレット1780の露出した前記遠位端が、使用時に組織断片などによって閉塞されるようになった場合、前記スタイレットを前記カニューレ1710の前記管1712の前記管腔のなかに部分的に引き入れてもよい。そして、前記洗滌組立体1760を活性化してもよい。これにより、加圧液体(生理食塩水など)を、前記カニューレの前記穴に沿って方向付ける。
前記スタイレットを前記カニューレ1710のなかに引き入れることにより、液体の加圧流のなかに浸らせる。これは、前記スタイレット1780の前記遠位端1784にある前記CMOSチップを洗浄するための効果的な技術であることが分かっている。
洗浄したのち、前記スタイレットを前記穴のなかに再び挿入してもよい。これにより、標的部位を更に視覚化することができる。
【0068】
図19A~19Bは、本開示にしたがう、ばね負荷された送気針組立体の全体及び部分等角投影図を例示している。
この実施形態は、前記実施形態1700と同様である。しかし、ばね負荷されたスタイレット1980及びシース1920の特徴を追加している。これは、鋭利なカニューレ1910のなかにある(
図19B)。前記カニューレ1910の鋭利な前記先端が組織を切断する。そして、前記光学部品を含有する前記シース1920を前記ハンドル1950のなかに、ばね力に抗って押し戻す。これは、前記カニューレ1910の鋭利な前記遠位先端が組織を横断して腹膜のなかに進入したのち、前記シース及びスタイレット1980を前方へ向けて押す。
【0069】
図19C及び19Dは、
図19Aの前記機器の断面図を示している。これは、前記機器の中心軸に沿って切ったものである。これは、互いに対して90度回転している。
見えるとおり、前記カニューレ1910は、前記ハウジングに「J」コネクタによって連結されている。
ルアーコネクタインサート1951が、当業者に理解されるであろうとおり、穴のなかで摺動可能に受け入れられる。これは、前記ハウジングの遠位端に画定されている。そして、スタイレット1980に取り付けられている。
前記ルアーコネクタによって、前記スタイレット1980が、そのなかを横断できる。そして、前記ハウジングが、近位空洞のなかに入る。これは、前記ハウジングのなかに画定されている。これは、今度は、ストッパ又はコネクタ1956を含む。これは、前記スタイレット1980に取り付けられている。
前記コネクタ1956より近位には、圧縮ばね1990が存在する。これは、前記コネクタ1956を押す。これは、前記スタイレット1980を押し、そして、その結果、前記シース1920及びインサート1951を前記カニューレシャフト1912に対して遠位へ向けて押し、前記カニューレシャフトの前記遠位端から外に出す。これにより、前記カニューレが腹腔(又は他の空洞)を突破するとき組織を保護する。
例えば、
図19Cから明らかなとおり、前記スタイレット1980は、前記ハウジングのなかで前後に移動する一方、コネクタ1956及びインサート1951に取り付けられている。これにより、これらの構成要素の前記ハウジング1950に対する近位遠位移動を制限する。
ヒートシンク1992が、前記ハンドル又はハウジング1950の近位空洞のなかに配置されている。前記ヒートシンクの遠位端が、前記ばね1990に接触する。そして、前記ヒートシンクの近位端が、ワッシャー又はスペーサー1957に接触する。
前記環状スペーサー1957は、その遠位面において前記ヒートシンク1992のそばで境界付けられ、その近位面においてキャップ1996で境界付けられる。
前記ハンドルの前記近位空洞は、oリングによって同様に封止されている。これは、前記キャップ1996と前記ハウジング1950との間に配置されている。
コネクタ1998を設けて、動力源及びコンピュータの処理装置に連結する。
ワイヤ1993が、前記コネクタから前記LEDまで走っている。これは、前記ヒートシンク1992のなかに収容されている。前記LEDは、光を、光ファイバより線などの光透過性材料に沿って光らせる。これは、前記スタイレット1980の前記管の内部にある。これは、前記CMOSチップの周辺の周囲で遠位へ向けて照らす。
前記カニューレ1910は、見えるとおり、内側本体1913を含む。これは、前記カニューレの前記穴のなかに位置する。
前記内側本体は、案内管として機能する。これは、漏斗形状であるものとして例示されている。そして、周辺の円周方向フランジを画定する。これは、外側本体1917の前記空洞のなかに画定された周辺の円周方向肩に当たって着座する。
前記内側本体1913と前記外側本体1911とが協働して、そのなかを通り抜ける軸方向穴を画定する。これにより、シャフト1912の前記近位端又は領域を保持する。
シャフトを、内側本体1913及び外側本体1917のそれぞれに取り付けてもよい。
内側本体1913と、外側本体1917と、シャフト1912とが協働して、環状空洞1909を画定する。これにより、洗滌口を介して洗滌流体を受け入れる。
シャフト1912の前記近位端は、そのなかを通り抜ける少なくとも一つの流体導管1911を画定する。これにより、例えば、シリンジからの加圧された液体を方向付けて、前記弁及び前記洗滌システムのなかを通り抜けさせることができる。そして、チャンバ1909のなかに入り、開口1911のなかを通り抜けて、その後、環状管腔に沿う。これは、前記管状シャフト1912の前記内側表面と前記スタイレット1980の前記外側表面又は前記シース1920の前記外側表面との間に、必要に応じて画定される。
【0070】
図19E~19Hは、
図19Aの前記機器の光学プローブ部分又はスタイレット1980の展望である。
見えるとおり、前記スタイレットは、細長い本体を含む。これは、前記CMOSチップを介して遠位端で終端する。
導電体が、スタイレット1980の前記管状本体を横断してきて、前記ヒートシンク1992に至る。
図19Hの断面から、以下のことが明らかである。すなわち、LEDチップ1987が、前記ヒートシンク1992の近位穴のなかに装着されている。これは、導電体に結合している。これは、外部コネクタ1998に連結する。これは、前記LEDに動力を運ぶ。そして、前記データケーブルを介して信号を運び出す。
前記LED要素は、前記機器の前記軸を中心とする。そして、光を軸方向遠位へ向けて方向付けて、一つ以上の光ファイバ要素の前記端部のなかに入れる。これは、前記スタイレット1980の前記穴を横断し、前記CMOSチップに隣接して終端する。これにより、作業区域の直接照明を提供する。
【0071】
図20Aは、本開示にしたがう送気針組立体2000の更なる実施形態の展望である。
描いたとおり、前記組立体は、取り外し可能なカニューレ2010を含む。これは、遠位へ向けて延びた管状シャフト2012を含む。このなかを通り抜けて、視覚化スタイレット2080(
図20B)が、その遠位端2014まで横断する。
洗滌口2062を設ける。これは、弁2064に結合している。これを使用して、前記機器2000及び前記スタイレット2080の前記遠位先端を洗滌してもよい。これは、実施形態1700、1900と同様である。
送気気体を、所望により、ポート2062などのポートを介して提供してもよい。
近位ハンドルセクション2050が、前記カニューレ近位部分に取り外し可能に結合している。そして、ストレインリリーフを含む。これにより、剛性が緩やかに変化して導電体2077に至る。
【0072】
図20B~20Eは、
図20Aの前記実施形態の更なる態様を示す。前記カニューレ2010を、前記機器2000の前記近位部分から取り外してある。
前記カニューレは、前記近位部分2050から取り外し可能である。これは、前の実施形態と同じやり方である。これは、「J」型結合部を用いる。しかし、以下のことが理解されるだろう。すなわち、他のタイプの連結を用いてもよい。例えば、様々な種類の締り嵌め、鍵付き係止連結などである。
前記スタイレット2080の前記遠位端2084は、丸い端部2085を含む。そして、前記スタイレット2080の前記管部に、例えば、場所2087で粘着して、取り付けられる。
前記機器2000は、小さい視覚化トロカールとして構成してもよい。これは、実施形態1700と同様である。前記カニューレ2010の前記遠位端は、鋭利ではない。そして、前記先端2085は、剥離する先端を含む。これは、挿入したのちに洗浄してもよい。これは、近位へ向けて引き出してカニューレのなかに入れることによる。そして、清浄な流体を、弁2064を介して噴流して、その上を覆う。
【0073】
図20F~20Iは、
図20Aの実施形態のまた更なる態様を示す。
図20Fは、前記機器2000の前記中心軸に沿った中心断面を提示している。
図20Gは、その断面の拡大断面を提示している。
図20Iは、前記機器の前記ハウジングの前記遠位端部分の接写図を提示している。そして、
図20Hは、機器2000の背面等角投影図を提示している。前記カニューレ2010を取り外してある。
圧縮ばね2090が、前記スタイレット2080を取り囲む。そして、中心軸方向の穴のなかに収容される。これは、遠位ハンドルセグメント2053及び近位ハンドルセグメント2057の両方のなかに画定されていdる。
ボス2092が、前記スタイレット2080を取り囲む管の形態で例示されている。これは、前記スタイレット2080に接着されている。そして、前記圧縮ばね2090は、前記ボスを遠位へ向けて押し出す。これは、前記近位ハウジングセグメント2057から離れるように押すことによる。
この結果、前記スタイレット及びその丸い遠位端が、前記カニューレ2010の鋭利な前記遠位端から突出する。
前記スタイレット2080は、その近位端で、ブッシュ2094に結合されている。これは、そのなかに配置されたLED要素を含んでもよい。これは、対応する中心軸方向の穴のなかで摺動する。これは、近位ハウジングセグメント2057の近位部分に沿って画定されている。
シール(oリングシールなど)が、前記遠位ハウジングセグメント2053を取り囲む。これにより、流体密封部を、内側筒状穴とともに形成する。これは、前記カニューレ2010の前記近位端部分のなかに形成されている。
前記スタイレット2080の長さを横断する導体は、前記ブッシュ2094の近位端のなかを通り抜けて延びている。そして、前記ストレインリリーフ2058のなかを通り抜けて近位へ向けて延びている。これは、処理装置や電力源に結合する。
【0074】
図20J~20Lは、
図20Aの前記実施形態の態様の概略図を描いている。
図20Jは、前記カニューレ組立体2000の概略側面図を例示している。
図20Kは、視覚化スタイレットの側面図を例示している。これは、その近位コネクタからその遠位端までである。そして、関連するブッシュである。これは、前記スタイレットシャフトの前記近位端及び前記導体線の前記遠位端に取り付けられる。
【0075】
このように、実施形態を開示する。これは、小型の視覚化トロカールとして使用してもよい。あるいは、視覚化を伴うベレス型針としてでもよい。
名目上、前記光学的トロカール又は針は、外径が例えば2.2mmであってもよい。そして、取り外し可能な外側カニューレと、再固定可能なコネクタとを有してもよい。例えば、「J」型コネクタなどである。
前記機器は、スナップ又は締り嵌めと、取り外し可能な視覚化スタイレットとを含んでもよい。これにより、このなかに記載された技術を達成する。
実施形態1700,1900,2000は、「J」コネクタなどのコネクタを利用してもよい。これは、前記カニューレの前記内側スタイレット又はシースに対する二つの軸方向位置を有する。これは、例示したとおりである。これにより、前記スタイレットをわずかに引き出すことができる。これにより、洗滌及び洗浄操作を実行する。これは、流体を注入することによる。これは、流体口のなかを通り抜け、前記カニューレの前記シャフトに沿って、前記視覚化スタイレット又はシースの遠位先端の周囲に至る。
前記送気針には、進入の可聴的な指示や触覚的な指示を設けてもよい。これは、腹膜を突破したのち、「クリック」ノイズを作ることによる。これにより、外科医が前記機器を押すのを止めることを知る。
【0076】
別の実施形態にしたがって、前記ベレス針は、直視のもとで、上述したとおり挿入される。
まず、前記内側スタイレットを電気コネクタから連結解除して前記外側カニューレがその上で摺動してくることができるようにすることにより、前記外側カニューレを取り外す。これにより、前記内側カニューレがその場に残る。
その後、もっと大きな第二のカニューレ(例えば、直径5mm又は10mmの通路を有する。そして、送気口を有してもよい。)を、内側の前記視覚化スタイレットの上を覆って滑らせて、組織を径方向外側へ向けて拡張する。
前記視覚化スタイレットは、その場に残してもよい。あるいは、これもまた取り外して、更なる器具を、新たに置いたカニューレを通して導入できるようにしてもよい。
例えば、もっと大きな光源と光検出器アレイとを伴うもっと大きなスコープを挿入してもよい。これにより、画質を改善できる。
有利なことに、これにより、小型の器具を用いて直視のもとで腹膜のなかへ進入でき、閉塞具を必要とせず、はるかに大きなトロカールを挿入できる。
これが非常に重要であるかもしれないのは、外科医が最初にもっと大きなトロカールを伴う閉塞具を挿入しようとして、腸(ひどい場合は、腹部大動脈。これは、患者に死をもたらす。)などの内部構造を損傷した報告例が数多くあるからである。
理解されるであろうとおり、内側スタイレットを覆って滑らせて使用されるトロカールは、好ましくは、外側リブを含む。これにより、処置中にトロカールが不必要に軸方向に移動するのを防止する。
【0077】
このなかに開示された前記機器は、一般に腹膜にアクセスするよう構成されていると考えられる一方、以下のことが理解されるだろう。すなわち、開示された前記実施形態を使用して、解剖学的構造の任意の所望の一部分にアクセスしてもよい。例えば、腹腔、骨盤腔、胸腔、洞通路などである。同様に、ロボットマニピュレータに連結してもよい。これにより、開示された前記実施形態をロボット手術で利用できる。
本開示に更にしたがい、PCT/US2019/065723(2019年12月11日出願)(参照によりこのなかにその全体として組み込まれる)は、膣のなかを通り抜けて針を盲嚢のなかに導入することを含む処置について議論している。これにより、視覚化スコープがそのなかを通り抜けられる通り道を画定する。
これは、診断処置を支援できる。例えば、続いて流体を吸引し、あるいは、組織試料を得るなどである。
治療処置を実行してもよい。特に、有益な薬剤を盲嚢のなかの組織に送達するなどである。
本開示は、更に、このなかに記載した任意の適切な機器を使用することを含む。例えば、機器1700などである。これは、直視下で、後円蓋のなかを通り抜けて、膣を介して進入するために、この処置で使用する。
前記視覚化スタイレット(例えば、1720、1780)を、その後、引き出してもよい。そして、PCT/US2019/065723の前記視覚化スコープを、その後、カニューレ1710を介して盲嚢のなかに挿入し、そのやり方で骨盤腔を視診してもよい。
これは、子宮鏡検査と併せてしてもよい。子宮腔は、生理食塩水で満たされる。
子宮鏡の圧力を考慮すると、卵管のなかを通り抜けて腹膜腔のなかに噴流する流体がいくらか存在するだろう。
この流体を、その後、PCT/US2019/065723におけるスコープ機器によって吸引してもよい。そして、吸引された試料を、その後、病理に送ってもよい。
【0078】
更なる実施形態にしたがって、ここで開示された前記送気針の前記外側スリーブは、鈍くてもよいし、切れなくてもよい。その代わり、比較的もっと鋭い先端を、内側の前記視覚化スタイレットの上に設けてもよい。
この場合、最小限のばね機構を使用してもよい。あるいは、ばね機構を使用しなくてもよい。前記視覚化スタイレットの前記先端は、もっと鋭いとは言うものの、直径が小さいので、極端に鋭くする必要はない。
これらの態様は、この開示のいずれの実施形態にも適用してよい。
【0079】
理解されるであろうことは、上記開示されたような特徴及び機能又はそれらの代替物のうちの一つ以上は、他の多くの異なるシステム又は応用のなかへ望ましく組み合わせられてもよい。
現在予測されず又は予期しない様々な代替、改変、変種、又はそれにおける改善が、当業者によって、その後に作製され得る。これらも、本開示によって包含されることを意図している。
【国際調査報告】