(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】電動移動装置、充電ステーションおよび電動移動装置のための無線充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20240226BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240226BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20240226BHJP
B62H 3/02 20060101ALI20240226BHJP
B62H 3/04 20060101ALI20240226BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240226BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240226BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20240226BHJP
B62M 6/80 20100101ALN20240226BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J50/70
H02J7/00 P
B62H3/02
B62H3/04
B60L53/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B62M6/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561991
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 KR2022002078
(87)【国際公開番号】W WO2023153540
(87)【国際公開日】2023-08-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508148079
【氏名又は名称】エスケイシー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】102, Jeongja-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16338 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンハク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テキョン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5H105BA09
5H105BB10
5H105CC07
5H105CC19
5H105EE12
5H125AA20
5H125AB03
5H125AC12
5H125AC25
5H125FF15
(57)【要約】
本電動移動装置は、踏み板部と、方向を制御する操舵ハンドルと、踏み板部から延長する収容フレーム、および収容フレームに回転可能に構成され、操舵ハンドルを支持するポストを含む延長部と、延長部の外面の少なくとも一部を包むように構成される電力受信装置とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏み板部と、
前記踏み板部から延長する収容フレーム、および前記収容フレームに回転可能に結合されるポストを含む延長部と、
前記ポストに結合されて方向を制御する操舵ハンドルと、
前記延長部の外面の少なくとも一部を包む電力受信装置とを含む、電動移動装置。
【請求項2】
前記電力受信装置は、
前記延長部の外面に対応するように湾曲して形成される湾曲部を含む、請求項1に記載の電動移動装置。
【請求項3】
前記電力受信装置は、
受信コイル部と、
前記受信コイル部が配置される磁性部であって、前記湾曲部に対応するように湾曲して構成される磁性部とを含む、請求項2に記載の電動移動装置。
【請求項4】
前記磁性部は、
前記受信コイル部が定着するコイル定着面を備え、前記湾曲部に対応するように少なくとも一部が湾曲して形成される磁性本体を含む、請求項3に記載の電動移動装置。
【請求項5】
前記磁性部は、
前記受信コイル部で生成される磁束をガイドするように前記コイル定着面から突出して形成されるコイルガイド部を含む、請求項4に記載の電動移動装置。
【請求項6】
前記受信コイル部は、
充電ステーションの送信コイル部に対応し、
前記電力受信装置は、
前記磁性部を収容するハウジングと、
前記送信コイル部に向かい合うように前記ハウジングから突出して形成される衝撃緩和部材とを含み、
前記衝撃緩和部材は、
前記受信コイル部と前記送信コイル部との間を設定された距離で離隔させる、請求項3に記載の電動移動装置。
【請求項7】
無線電力を電動移動装置の電力受信装置に送信する電力送信装置を含む充電ステーションであって、
前記電力送信装置は、
前記電力受信装置の湾曲面を収容する凹状の収容空間を形成するように構成される、充電ステーション。
【請求項8】
前記電力送信装置は、
前記電力受信装置に無線電力を送信する送信コイル部が配置される磁性部を含み、
前記磁性部は、
前記送信コイル部が定着するコイル定着面を含み、前記電力受信装置の湾曲面に対応するように湾曲して形成される磁性本体を含む、請求項7に記載の充電ステーション。
【請求項9】
前記磁性部は、
前記送信コイル部で生成される磁束をガイドするように前記コイル定着面から突出して形成されるコイルガイド部を含む、請求項8に記載の充電ステーション。
【請求項10】
ステーション本体と、
前記ステーション本体に形成され、前記電動移動装置を収容する把持空間を形成する把持部とを含み、
前記電力送信装置は、
前記把持空間に収容された前記電力受信装置に無線電力を送信するように、前記把持空間に露出して構成される、請求項7に記載の充電ステーション。
【請求項11】
前記電力送信装置は、
前記把持空間に向くように配置され、前記把持部の内周に沿って配列される複数の送信コイル部を含み、
前記複数の送信コイル部は、
その少なくとも1つが前記電動移動装置の受信コイル部に対応するように構成される、請求項10に記載の充電ステーション。
【請求項12】
前記電動移動装置は、
走行可能な位置である走行位置と、前記充電ステーションに据え置かれ、前記電力送信装置から無線電力を受信する充電位置に位置することができ、
前記充電ステーションは、
前記電動移動装置が前記走行位置から前記充電位置に向かう移動方向に沿って前記電動移動装置をガイドするガイド部を含み、
前記ガイド部は、
前記電動移動装置の左右方向をガイドする第1ガイド部と、
前記電動移動装置の前後方向をガイドする第2ガイド部とを含む、請求項7に記載の充電ステーション。
【請求項13】
前記第2ガイド部は、
前記移動方向に沿って前記電動移動装置が上昇するように傾斜して形成される第1傾斜面と、
前記第1傾斜面から前記移動方向に沿って延長し、前記移動方向に沿って下降傾斜して形成され、前記電動移動装置が前記充電位置に留まるようにする第2傾斜面とを含む、請求項12に記載の充電ステーション。
【請求項14】
前記第2ガイド部は、
地面に定着する第1ガイド位置と、
地面に対して一定角度チルトして、前記第2ガイド部の上部に置かれた前記電動移動装置を前記充電位置に移動させる第2ガイド位置との間で動作するように構成される、請求項12に記載の充電ステーション。
【請求項15】
前記電動移動装置は、
前輪と後輪を含み、
前記第2ガイド部は、
前記移動方向に沿って前記電動移動装置が上昇するように傾斜して形成される傾斜面と、
前記傾斜面から前記移動方向に沿って配置され、前記前輪が収容されるように前記傾斜面の端部から段差を有するように構成される段差部とを含む、請求項12に記載の充電ステーション。
【請求項16】
バッテリー、および前記バッテリーに電力を供給する電力受信装置を含む電動移動装置と、
前記電力受信装置に無線電力を送信する電力送信装置を含み、前記電動移動装置が据え置き可能に構成される充電ステーションとを含み、
前記電力受信装置は、
前記電動移動装置の外面の少なくとも一部を包むように構成される電動移動装置のための無線充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動移動装置、充電ステーション、電動移動装置のための無線充電システムに関し、より詳細には、構造を改善した電動移動装置、充電ステーション、電動移動装置のための無線充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に無線充電方式は電磁誘導を用いて充電する方式であって、無線充電器(無線電力送信装置)に1次コイル(送信コイル)を備え、充電対象となる電子機器(無線電力受信装置)に2次コイル(受信コイル)を備え、1次コイルと2次コイルとの間の磁気誘導によって発生した電流をエネルギーに変換してバッテリーを充電する方式である。
【0003】
電動移動装置とは、動力源として電気を用いて移動可能に構成される装置を意味し、一例として、電動キックボード、電気自動車、電動ホイール、電動自転車、電動バイク、電動二輪平行車、ロボット掃除機などを含むことができる。このような電動移動装置はバッテリーを含み、有線充電して使用することもでき、前記のように無線充電方式を用いて使用することもできる。
【0004】
無線充電方式を用いる電動移動装置は、1、2次コイルとともにその背面に遮蔽部材を備える。しかし、遮蔽部材は構成的、機能的、形状的な限界などにより平面を構成することになるので、無線充電装置、システムの構成的な限界があった。また、無線充電方式の場合には、電力送信装置と電力受信装置が、1、2次コイル部が向かい合うように対応する位置に配置されなければならないが、このように整列されないと、充電効率が低下するか、充電されない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面では、構造を改善した電動移動装置のための無線充電システムを提供する。
【0006】
本発明の一側面では、充電効率を向上させた電動移動装置のための無線充電システムを提供する。
【0007】
本発明の一側面では、充電構造を改善した電動移動装置のための無線充電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の思想による電動移動装置は、踏み板部と、前記踏み板部から延長する収容フレーム、および前記収容フレームに回転可能に結合されるポストを含む延長部と、前記ポストに結合し、方向を制御する操舵ハンドルと、前記延長部の外面の少なくとも一部を包む電力受信装置とを含む。
【0009】
前記電力受信装置は、前記延長部の外面に対応するように湾曲して形成される湾曲部を含むことができる。
【0010】
前記電力受信装置は、受信コイル部と、前記受信コイル部が配置される磁性部であって、前記湾曲部に対応するように湾曲して構成される磁性部とを含むことができる。
【0011】
前記磁性部は、前記受信コイル部が定着するコイル定着面を備え、前記湾曲部に対応するように少なくとも一部が湾曲して形成される磁性本体を含むことができる。
【0012】
前記磁性部は、前記受信コイル部で生成される磁束をガイドするように前記コイル定着面から突出して形成されるコイルガイド部を含むことができる。
【0013】
前記受信コイル部は、充電ステーションの送信コイル部に対応し、前記電力受信装置は、前記磁性部を収容するハウジングと、前記送信コイル部に向かい合うように前記ハウジングから突出して形成される衝撃緩和部材とを含み、前記衝撃緩和部材は、前記受信コイル部と前記送信コイル部との間を設定された距離で離隔させることができる。
【0014】
本発明の思想による充電ステーションは、無線電力を電動移動装置の電力受信装置に送信する電力送信装置を含む充電ステーションであり、前記電力受信装置の湾曲面を収容する凹状の収容空間を形成するように構成される。
【0015】
前記電力送信装置は、前記電力受信装置に無線電力を送信する送信コイル部が配置される磁性部を含み、前記磁性部は、前記送信コイル部が定着するコイル定着面を含み、前記電力受信装置の湾曲面に対応するように湾曲して形成される磁性本体を含むことができる。
【0016】
前記磁性部は、前記送信コイル部で生成される磁束をガイドするように前記コイル定着面から突出して形成されるコイルガイド部を含むことができる。
【0017】
ステーション本体と、前記ステーション本体に形成され、前記電動移動装置を収容する把持空間を形成する把持部とを含み、前記電力送信装置は、前記把持空間に収容された前記電力受信装置に無線電力を送信するように、前記把持空間に露出して構成することができる。
【0018】
前記電力送信装置は、前記把持空間に向くように配置され、前記把持部の内周に沿って配列される複数の送信コイル部を含み、前記複数の送信コイル部は、その少なくとも1つが前記電動移動装置の受信コイル部に対応するように構成できる。
【0019】
前記電動移動装置は、走行可能な位置である走行位置と、前記充電ステーションに据え置かれて前記電力送信装置から無線電力を受信する充電位置に位置することができる。前記充電ステーションは、前記電動移動装置が前記走行位置から前記充電位置に向かう移動方向に沿って前記電動移動装置をガイドするガイド部を含み、前記ガイド部は、前記電動移動装置の左右方向をガイドする第1ガイド部と、前記電動移動装置の前後方向をガイドする第2ガイド部とを含むことができる。
【0020】
前記第2ガイド部は、移動方向に沿って前記電動移動装置が上昇するように傾斜して形成される第1傾斜面と、前記第1傾斜面から前記移動方向に沿って延長し、前記移動方向に沿って下降傾斜して形成され、前記電動移動装置が前記充電位置に留まるようにする第2傾斜面とを含むことができる。
【0021】
前記第2ガイド部は、地面に定着する第1ガイド位置と、地面に対して一定角度チルト(tilting)して、前記第2ガイド部の上部に置かれた前記電動移動装置を前記充電位置に移動させる第2ガイド位置との間で動作するように構成できる。
【0022】
前記電動移動装置は、前輪と後輪を含み、前記第2ガイド部は、前記移動方向に沿って前記電動移動装置が上昇するように傾斜して形成される傾斜面と、前記傾斜面から前記移動方向に沿って配置され、前記前輪が収容されるように前記傾斜面の端部から段差を有するように構成される段差部とを含むことができる。
【0023】
本発明の思想による電動移動装置のための無線充電システムは、バッテリーと、前記バッテリーに電力を供給する電力受信装置を含む電動移動装置と、前記電力受信装置に無線電力を送信する電力送信装置を含み、前記電動移動装置が据え置き可能に構成される充電ステーションとを含み、前記電力受信装置は、前記電動移動装置の外面の少なくとも一部を包むように構成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一側面によると、充電構造を改善して電動移動装置の充電効率を向上させることができる。
【0025】
本発明の一側面によると、無線充電装置を電動移動装置の外形に対応するように構成することにより、堅固な装着を行うことができ、無線充電効率を向上させることができる。
【0026】
本発明の一側面によると、無線充電装置の形状を電動移動装置の外面に対応する形状に構成することができ、移動経路上に配置された障害物にぶつかることを最小限に抑えることができる。
【0027】
本発明の一態様によると、電力送信装置と電力受信装置との接続不良を防止することができ、相互間の安定した接続が可能である。
【0028】
本発明の一態様によると、電動移動装置を充電ステーションに安定して定着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による無線充電システムの電動移動装置と充電ステーションの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による無線充電システムの側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による無線充電システムの一部拡大図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による無線充電システムにおいて、充電ステーションに移動する電動移動装置に関する図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による無線充電システムの電動移動装置における電力受信装置の拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による無線充電システムの電力受信装置の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による無線充電システムの充電ステーションにおける電力送信装置の拡大図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による無線充電システムの充電ステーションにおける電力送信装置の分解斜視図である。
【
図11a】
図11aは、本発明の他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図11b】
図11bは、本発明の他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図12a】
図12bは、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図12b】
図12bは、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に記載される実施例と図面に示される構成は、開示される発明の好適な一例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面を代替できる多様な変形例があり得る。
【0031】
また、本明細書の各図面における同一の参照番号または符号は、実施的に同一の機能を行う部品または構成要素を示す。
【0032】
また、本明細書で使用される用語は、実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を制限及び/又は限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味にならない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0033】
また、本明細書で使用される「第1」、「第2」などの順序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の権利範囲から外れずに第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも命名することができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連項目の組み合わせ、または複数の関連項目のいずれかの項目を含む。
【0034】
また、「...部」、「...器」、「...ブロック」、「...部材」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し得る。例えば、前記用語はFPGA(field-programmable gate array)/ASIC(application specific integrated circuit)などの少なくとも一つのハードウェア、メモリに保存された少なくとも一つのソフトウェアまたはプロセッサによって処理される少なくとも一つのプロセスを意味し得る。
【0035】
また、「包むように」、「包まれる」などの用語は、包まれる対象体に直接接触する場合だけでなく、対象体から離隔した状態で対象体との間に別の構成が介在する場合を含むことができる。
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0037】
図1は本発明の一実施形態による無線充電システムの電動移動装置と充電ステーションの斜視図、
図2は本発明の一実施形態による無線充電システムの側面図、
図3は本発明の一実施形態による無線充電システムの一部拡大図、
図4は本発明の一実施形態による無線充電システムにおいて、充電ステーションに移動する電動移動装置に関する図である。
【0038】
無線充電システム1は、電動移動装置と、充電ステーション30とを含むことができる。
【0039】
電動移動装置は、動力源として電気を用いて移動可能に構成される装置を意味し得る。電動移動装置は、電動キックボード10、電気自動車、電動ホイール、電動自転車、電動バイク、電動二輪平行車、ロボット掃除機などを含むことができる。本実施形態では、
図1~4に示すように、電動移動装置が電動キックボード10である場合を一例として挙げたが、これに限定されるものではない。
【0040】
電動キックボード10は、ボード本体12と、操舵部18とを含むことができる。
【0041】
ボード本体12は、ユーザを乗車させるための支持面を提供する役割を担うことができる。また、ボード本体12は、スマートモビリティの機能を実現するためのモバイル構造物の形態に設計変更することができ、この場合、電動ホイール、電気自転車、電動バイク用本体を指すこともできる。
【0042】
また、ボード本体12は、ユーザが足を乗せて乗車する踏み板部16を含むことができる。ボード本体12は、立ち乗りするボードタイプの構造物で製作することができる。または、ボード本体12の上面に座席部(図示せず)をさらに含めて座席タイプの構造物で構成することもできる。または、ホイール側面の足裏支持部(図示せず)をさらに含めてホイールタイプの構造物で構成することもできる。ボード本体12は特定の構造物に限定されない。
【0043】
ボード本体12は、収容フレーム14を含むことができる。収容フレーム14は、踏み板部16から延長し、後述するポスト18bが回転可能なように構成できる。
【0044】
操舵部18は、ボード本体12の前方に結合して操舵機能を果たすことができる。操舵部18は、ブレーキレバーおよび変速レバーが装着されている操舵ハンドル18aと、操舵ハンドル18aを回転可能に支持するポスト18bとを含むことができる。操舵部18は、ボード本体12の前方に配置され、ボード本体12の進行方向を転換するように構成できる。
【0045】
操舵部18のポスト18bとボード本体12の収容フレーム14は、延長部20の一構成になり得る。すなわち、延長部20の上部には操舵ハンドル18aが連結され、延長部20の下部には踏み板部16が連結され得る。言い換えれば、延長部20はポスト18bと収容フレーム14とを含むことができる。
【0046】
電動キックボード10は、前輪22と、後輪23と、走行モータ24と、ブレーキ25とを含むことができる。
【0047】
前輪22は、操舵部18の下部に設けられ、前述の操舵ハンドル18aの下端で回転可能に支持され得る。前輪22は、操舵ハンドル18aとポスト18bの回転によって回転できる。操舵ハンドル18aの操舵操作により、前輪22の操舵角度を調整することができる。
【0048】
前輪22および後輪23は、タイヤ、ホイールフレーム、ベアリングなどを総称して含む各構成品として理解することができる。
【0049】
後輪23は、一種の走行ホイールであり、ボード本体12の後端に設けられ、走行モータ24によって駆動されるように構成されている。走行モータ24の駆動軸は、後輪23のホイールフレームおよびホイール回転軸と一致し、ホイール一体型モータ装置としての構成を有することができる。
【0050】
走行モータ24は、後輪23を駆動する役割を担うことができる。走行モータ24の装着位置は特に限定されず、設計変更によって別の走行モータ24を前輪22にも装着することができる。走行モータ24は、一般的なBLDC(Brushless direct current motor)や、駆動及び回生制動型の電動機(例えば、モータ及び発電機兼用)を意味し得る。
【0051】
ブレーキ25もまた、前輪22または後輪23のいずれか一つに装着するか、または前輪22および後輪23にそれぞれ装着することができる。ブレーキ25は、摩擦を利用した機械式ブレーキであっても、電子式ブレーキであってもよい。ここで、電子式ブレーキは、回生制動、または電力回生ブレーキを指すものであり、トルク力で動いている電動機(例えば、走行モータ24または前輪22に別途装着されたブレーキ用電動機)が閉回路状態になったときの慣性力を用いて、車輪である前輪22または後輪23などに取り付けられている回転子を回して電動機を発電機として作動させることにより、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収して制動力を発揮する構成を有することができる。
【0052】
このブレーキ25は、前輪22および後輪23を止めたり、ホイールの回転速度を遅くする役割を担うことができ、後述する制御装置200と連動して傾斜区間でキックアンドゴー(kick and go)機能またはクルーズ機能などを行う際にも使用できる。
【0053】
バッテリー26は、複数のバッテリーセルを並列接続したものであり、再充電可能な電池パックを意味し得る。バッテリー26は、ボード本体12に装着される場合を一例として挙げたが、これに限定されない。バッテリー26は、走行モータ24および制御装置(図示せず)に電気動力を供給する役割を担うことができる。また、バッテリー26は、電動キックボード10の電気動力など、電気および電子的構成の動作に使用することができる。
【0054】
無線充電システム1は、無線充電装置50を含むことができる。無線充電装置50は、電動キックボード10と充電ステーション30にそれぞれ装着できる。電動キックボード10は、無線充電装置50の電力受信装置60を介して無線電力を受信してバッテリー26に供給するように構成できる。
【0055】
無線充電装置50は、無線電力を受信する電力受信装置60と、電力受信装置60に無線電力を送信する電力送信装置80とを含むことができる。電力送信装置80は充電ステーション30に設けることができる。すなわち、本実施形態の無線充電装置50は、電力送信装置80と電力受信装置60を意味し、電力送信装置80を充電ステーション30に、電力受信装置60を電動キックボード10にそれぞれ設置することができる。無線充電装置50は、磁気誘導方式、磁気共振方式、または電磁波方式によって無線電力を送受信することができる。
【0056】
電力受信装置60と電力送信装置80は、
図2、
図3に示すように、その対向する面が一定角度傾斜するように構成できる。具体的には、延長部20は、地面または踏み板部16から一定角度傾斜するように構成され、電力受信装置60と電力送信装置80の相互間に対向する面は、地面または踏み板部16から前記一定角度傾斜するように構成できる。この構成により、電動キックボード10を充電位置10bに移動させる過程で、電力受信装置60は電力送信装置80に対してスライド移動することができる。この移動により、地面からの両構成の高さの差による誤整列を最小限に抑えることができる。
【0057】
充電ステーション30は、電動キックボード10の据え置きが可能なように構成できる。電動キックボード10は、充電ステーション30から離隔して、走行可能な位置である走行位置10a(
図1、3参照)と、充電ステーション30に据え置きまたは装着されて、充電可能な位置である充電位置(
図2参照)に位置することができる。
【0058】
充電ステーション30は、ステーション本体32と、電力送信装置80とを含むことができる。
【0059】
ステーション本体32は、電動キックボード10が据え置き可能なように構成できる。ステーション本体32は、地面に定着し、電動キックボード10が直立状態に維持されるように構成できる。
【0060】
ステーション本体32は、電動キックボード10の延長部20が定着する把持部34を含むことができる。把持部34は、延長部20のポスト18bまたは収容フレーム14を収容するように構成できる。
図2、3では、延長部20のポスト18bを把持する場合を一例として挙げたが、これに限定されない。
【0061】
ステーション本体32は、第1ガイド部36を含むことができる。
【0062】
第1ガイド部36は、電動キックボード10の前輪22をガイドするように構成できる。すなわち、第1ガイド部36は、電動キックボード10が充電のためにステーション本体32に移動する過程で前輪22の左右方向をガイドすることにより、電動キックボード10を設定された位置にガイドすることができる。第1ガイド部36は、電動キックボード10が走行位置10aから充電位置10bに移動することをガイドするように、移動方向に沿ってその幅が狭くなるように構成できる。しかし、第1ガイド部36の形状は限定されず、電動キックボード10が充電位置10bに移動する過程で電動キックボード10の移動をガイドする構成であれば良い。
【0063】
電力送信装置80は、電力受信装置60に電力を無線方式で送出するように構成できる。電力送信装置80は、外部から供給された外部電源を無線電力方式で送出するように構成できる。電動キックボード10の電力受信装置60は、電力送信装置80から送出される無線電力を受信してバッテリー26を充電するように構成できる。すなわち、電力送信装置80は外部電源を用いて磁場を発生させ、電力受信装置60は発生した磁場により誘導起電力を発生させることにより、バッテリー26に電力を供給することができる。
【0064】
電力送信装置80は、電力受信装置60を収容できる収容空間84a(
図1参照)を形成することができる。電動キックボード10は充電ステーション30に据え置かれ、この過程で電力受信装置60は収容空間84aに配置または挿入できる。これにより、電動キックボード10は、充電ステーション30に据え置かれると同時に充電可能な状態になり得る。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態による無線充電システムの電動移動装置における電力受信装置の拡大図である。
【0066】
電力受信装置60は、電動キックボード10の延長部20に配置できる。電力受信装置60は、延長部20のポスト18bと収容フレーム14のうちの少なくともいずれか一つに配置できる。
図5および他の図では、電力受信装置60が収容フレーム14に配置されている場合を示しているが、これに限定されず、ポスト18bに配置されていてもよい。
【0067】
電力受信装置60は、延長部20の形状に対応する形状に形成することができ、延長部20の外面の少なくとも一部を覆うように構成できる。これにより、電力受信装置60は電動キックボード10に対して安定した支持が可能となる。
【0068】
言い換えれば、電力受信装置60は、電動キックボード10の外面の少なくとも一部を包むように構成できる。後述する第1磁性部66の少なくとも一部が湾曲するように構成されるので、第1磁性部66を収容する電力受信装置60は、全体として湾曲した形状を有するように構成できる。すなわち、従来は磁性部の形状変更に制限があったが、本発明のような素材を有する磁性部によってその形状変更が可能となり、電力受信装置60が装着される装着面20aの形状に対応するように設計できる。さらに、電力受信装置60の形状も装着面20aに対応するように設計できる。これにより、延長部20の少なくとも一部が曲面で形成されても、電力受信装置60を延長部20に安定して装着することができる。
【0069】
前述の構成により、電力受信装置60と電動キックボード10の延長部20との間の空間またはギャップを省略できるので、空気の抵抗を最小限に抑えることができる。また、前記の空間またはギャップによる電力受信装置60と延長部20との間の連結部位が外部に露出して連結部位が破損することを防止することができる。また、電力受信装置60に対する重心を電動キックボード10の延長部20とさらに一致させることができ、電動キックボード10の安定した走行が可能となる。
【0070】
図6は、本発明の一実施形態による無線充電システムの電力受信装置の分解斜視図、
図7は、
図5のA-A'に沿う断面図である。
【0071】
電力受信装置60は、第1ハウジング62と、第1磁性部66と、第1コイル部68とを含むことができる。第1コイル部68は、受信コイル部であってもよい。
【0072】
第1ハウジング62は、第1磁性部66と第1コイル部68を収容するように構成できる。第1ハウジング62は、一側に開口63aを形成するハウジング本体63と、前記開口63aを開閉するカバー64とを含むことができる。第1磁性部66と第1コイル部68は、開口63aを介してハウジング本体63の内部空間63aaに収容され、カバー64によって開口63aを密閉することができる。
【0073】
第1ハウジング62は、第1磁性部66と第1コイル部68を収容して、第1磁性部66と第1コイル部68を保護するように構成できる。第1ハウジング62は、少なくとも一部が曲面を形成するように構成でき、全体として湾曲した形状を有するように構成できる。
【0074】
第1ハウジング62の背面は、延長部20の周囲の少なくとも一部を取り囲むように構成できる。第1ハウジング62は、延長部20のポスト18bまたは収容フレーム14が装着される結合空間63bbを形成する凹状の結合面63bを含むことができる。結合面63bは、延長部20の装着面20aと対応することができる。結合面63bは、延長部20の装着面20aと対応するように湾曲して形成されるので、湾曲面または湾曲部と定義することもできる。本実施形態の図では、装着面20aが収容フレーム14に構成され、結合面63bがこのような装着面20aに対応する場合を一例として挙げたが、これに限定されず、装着面20aはポスト18bに形成されてもよい。延長部20のポスト18bと収容フレーム14の外面は、少なくとも一部が曲面を含んでいるので、結合面63bはそれに対応する曲面を含むように構成できる。すなわち、結合面63bは、電力受信装置60が延長部20のポスト18bまたは収容フレーム14に密着して装着されるように構成できる。
【0075】
第1ハウジング62の前面は曲面を含むように構成できる。すなわち、第1ハウジング62における外部に露出する面62aは、少なくとも一部を湾曲形状に形成できる。これにより、電力受信装置60は外部からの衝撃を分散し、第1ハウジング62自体とその内部に配置される第1磁性部66と第1コイル部68の耐久性を向上させることができる。また、後述のように、少なくとも一部が曲面を形成する第1磁性部66を安定して収容することができる。
【0076】
第1磁性部66は、第1ハウジング62の内部に収容することができる。第1磁性部66は、電動キックボード10において電力受信装置60によって包まれ、電力受信装置60が装着される装着面20a(
図6参照)に対応するように構成できる。第1磁性部66と後述する第2磁性部86は、コイル部68、88に対して遮蔽機能を果たすことができる。
【0077】
第1磁性部66は、少なくとも一部が湾曲するように形成される第1磁性本体66aを含むことができる。第1磁性本体66aは、一部が湾曲するように形成してもよく、
図6、
図7に示すように全体が湾曲するように形成してもよい。第1磁性本体66aの湾曲形状により、電力受信装置60の全体的な形状を湾曲して形成することができ、曲面を含む電動キックボード10の延長部20に安定して装着することができる。
【0078】
また、第1磁性本体66aは、少なくとも一部が曲面で形成されることにより、幅方向の長さに比べて、第1コイル部68が配置される第1コイル定着面66aaの面積を広く構成することができる。これにより、充電時間を大幅に短縮することができる。
【0079】
第1磁性部66は、第1磁性本体66aから突出する第1コイルガイド部66bを含むことができる。第1コイルガイド部66bは、第1磁性本体66aの長手方向に沿って長く形成することができる。第1コイルガイド部66bは、第1磁性本体66aの凸状の前面を形成する第1コイル定着面66aaから突出することにより、第1コイル定着面66aaに配置される第1コイル部68によって発生する磁束をガイドすることができる。
【0080】
第1コイル部68は、第1磁性部66の第1コイル定着面66aaに配置できる。具体的には、第1コイル部68は、第1磁性本体66aの凸状の第1コイル定着面66aaに配置できる。第1コイル部68は、第1コイルガイド部66bの周囲に沿って巻回されるので、第1コイル定着面66aaに安定して支持され得る。第1磁性本体66aの第1コイル定着面66aaは曲面で形成されるので、第1コイル部68は曲面を形成して配置することができる。
【0081】
第1コイル部68は、制御部(図示せず)と電気的に接続することができる。また、第1コイル部68は、制御部(図示せず)を介してバッテリー26と電気的に接続することができる。
【0082】
電力受信装置60は定着治具69を含むことができる。定着治具69は、第1ハウジング62の内部に配置され、第1磁性部66を支持するように構成できる。すなわち、定着治具69は、第1ハウジング62の内部に配置される第1磁性部66が固定されるように第1磁性部66を支持することができる。定着治具69は、第1ハウジング62と取り外し可能に構成されてもよく、第1ハウジング62の一構成として、第1ハウジング62と一体に形成されてもよい。しかし、これに限定されず、定着治具69の構成を省略し、第1磁性部66が第1ハウジング62の内側面によって支持されるように構成することもできる。
【0083】
電力受信装置60は、衝撃緩和部材70を含むことができる。衝撃緩和部材70は、第1ハウジング62の前方に一定の高さで突出するように構成できる。衝撃緩和部材70は、電動キックボード10を充電ステーション30に据え置くとき、電力受信装置60と電力送信装置80との接触による衝撃のため両構成が破損することを防止できる。
【0084】
また、衝撃緩和部材70は、電動キックボード10が充電位置10bに位置しているとき、第1コイル部68と、後述する電力送信装置80の第2コイル部88との間が設定された距離を維持するように構成できる。すなわち、電動キックボード10が充電位置10bに位置しているとき、衝撃緩和部材70の突出高さによって、第1コイル部68と第2コイル部88との間が一定間隔離隔した状態を維持するように構成できる。第1、2コイル部68,88が相互間で一定間隔離隔していると、充電効率を最大化することができる。一定間隔とは、好ましくは約1cm以上約2cm以下であってもよい。このように、衝撃緩和部材70は、コイル部68,88間を一定間隔離隔するために、第1ハウジング62から突出形成することができる。
【0085】
また、衝撃緩和部材70は、電力受信装置60と電力送信装置80との接続時、位置を整列するように構成できる。電力送信装置80は、後述する定着溝84bを含み、衝撃緩和部材70が電力送信装置80の定着溝84bに定着することにより、電力受信装置60の第1コイル部68を電力送信装置80の第2コイル部88に安定して整列させることができる。
【0086】
図8は、本発明の一実施形態による無線充電システムの充電ステーションにおける電力送信装置の拡大図、
図9は、本発明の一実施形態による無線充電システムの充電ステーションにおける電力送信装置の分解斜視図、
図10は、
図8のB-B'に沿う断面図である。
【0087】
充電ステーション30は、電力送信装置80を含むことができる。
【0088】
電力送信装置80はステーション本体32によって支持できる。電力送信装置80は、電動キックボード10の電力受信装置60の配置位置に対応する位置を有するようにステーション本体32に配置できる。
【0089】
電力送信装置80は、第2ハウジング82と、第2磁性部86と、第2コイル部88とを含むことができる。第2コイル部88は送信コイル部であってもよい。
【0090】
第2ハウジング82は、第2磁性部86と第2コイル部88を収容するように構成できる。第2ハウジング82は、一側に開口83aを形成するハウジング本体83と、前記開口83aを開閉するカバー84とを含むことができる。第2磁性部86と第2コイル部88は、開口83aを介してハウジング本体83の内部空間83aaに収容され、カバー84によって開口83aを密閉することができる。
【0091】
第2ハウジング82は、第2磁性部86と第2コイル部88を収容して、第2磁性部86と第2コイル部88を保護するように構成できる。第2ハウジング82は、全体として湾曲した形状を有するように構成できる。具体的には、第2ハウジング82は、少なくとも一部が曲面を形成するように構成できる。
【0092】
第2ハウジング82の前面の少なくとも一部は湾曲するように構成できる。すなわち、第2ハウジング82において電力受信装置60に向かい合う面は、少なくとも一部が湾曲する形状に形成することができる。これにより、第2ハウジング82の前方には電力受信装置60を収容する収容空間84aを形成することができ、収容空間84aに電力受信装置60を挿入または収容することができる。
【0093】
第2ハウジング82は定着溝84bを含むことができる。定着溝84bには、電力受信装置60の衝撃緩和部材70を定着させることができる。衝撃緩和部材70を電力送信装置80の定着溝84bに定着することにより、電力受信装置60の第1コイル部68を電力送信装置80の第2コイル部88に安定して整列させることができる。定着溝84bは、第2ハウジング82の前面に配置され、衝撃緩和部材70と対応するように凹状に形成することができる。
【0094】
第2磁性部86は、第2ハウジング82の内部に収容することができる。第2磁性部材86は、第1磁性部66と対応するように構成できる。
【0095】
第2磁性部86は、少なくとも一部が湾曲して形成される第2磁性本体86aを含むことができる。第2磁性本体86aは、一部が湾曲するように形成してもよく、
図9、10に示すように全体が湾曲するように形成してもよい。第2磁性本体86aの湾曲した形状により、電力送信装置80の全体としての形状が湾曲するように構成でき、曲面を含む電力受信装置60を安定して定着させることができる。
【0096】
また、第2磁性本体86aは、少なくとも一部を曲面で形成することにより、幅方向の長さに比べて、第2コイル部88が配置される第2コイル定着面86aaの面積を広く構成することができる。これにより、充電時間を大幅に短縮することができる。
【0097】
第2磁性部86は、第2磁性本体86aから突出する第2コイルガイド部86bを含むことができる。第2コイルガイド部86bは、第2磁性本体86aの長手方向に沿って長く形成することができる。第2コイルガイド部86bは、第2磁性本体86aの凹状の第2コイル定着面86aaから突出することにより、第2コイル定着面86aaに配置される第2コイル部88によって発生する磁束をガイドすることができる。
【0098】
第2コイル部88は、第2磁性部86の第2コイル定着面86aaに配置できる。具体的には、第2コイル部88は、第2磁性本体86aの凹状の第2コイル定着面86aaに配置できる。第2コイル部88は、第2コイルガイド部86bの周囲に沿って巻回されるので、第2コイル定着面86aaに安定して支持され得る。第2磁性本体86aの第2コイル定着面86aaは曲面で形成されるので、第2コイル部88は曲面を形成して配置することができる。第2コイル部88は外部の電力に電気的に接続することができる。第2コイル部88は、第1コイル部68に無線電力を送信することができる。
【0099】
第1コイル部68および第2コイル部88は、伝導性ワイヤを含むことができる。伝導性ワイヤは、伝導性物質を含むことができる。例えば、伝導性ワイヤは伝導性金属を含むことができる。具体的には、伝導性ワイヤは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛および錫からなる群より選択される1種以上の金属を含むことができる。
【0100】
伝導性ワイヤは、多数の微細線を撚り合わせて被覆したリッツワイヤ(litz wire)であってもよい。例えば、前記リッツワイヤは、10本以上、100本以上、または500本以上の微細線で構成することができ、具体的には500本~1500本の微細線で構成することができる。
【0101】
また、伝導性ワイヤは絶縁性外皮で被覆することができる。例えば、絶縁性外皮は絶縁性高分子樹脂を含むことができる。具体的には、絶縁性外皮は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などを含むことができる。
【0102】
伝導性ワイヤは、平面コイルの形で巻かれたものであってもよい。具体的には、平面コイルは平面螺旋コイル(Planar spiral coil)を含むことができる。また、前記コイルの平面形態は、円形、楕円形、多角形、または角が丸い多角形の形態であってもよいが、特に限定されない。
【0103】
コイル部は、平面視において、内部が空いている形状を有することができ、これにより外部寸法(Od)及び内部寸法(Id)を有することができる。例えば、外部寸法および内部寸法は、前記コイル部が平面視において円形ドーナツ状である場合には外径および内径を意味し、前記コイル部が平面視において四角ドーナツ状である場合には外部四角形状の辺の長さおよび内部の空いている四角領域の辺の長さを意味し得る。
【0104】
具体的には、コイル部の外部寸法(Od)は、50mm~1000mm、100mm~500mm、100mm~300mm、200mm~800mm、300mm~400mm、または500mm~1000mmであってもよい。また、前記コイル部の内部寸法(Id)は、5mm~300mm、10mm~200mm、150mm~250mm、または20mm~150mmであってもよい。
【0105】
平面コイルにおいて、伝導性ワイヤの巻回数は、5回~50回、10回~30回、5回~30回、15回~50回、または20回~50回であってもよい。
【0106】
具体的な一例として、コイル部は、前記伝導性ワイヤが5回~15回巻かれた平面螺旋コイルであり、50mm~200mmの外部寸法および10mm~150mmの内部寸法を有することができる。
【0107】
前記のような好ましい平面コイル寸法および規格の範囲内では、電気自動車のような大容量の電力伝送が求められる分野に適切に適用できる。
【0108】
コイル部を構成する伝導性ワイヤの直径(C)もまた、一定範囲内に調整することができる。例えば、前記伝導性ワイヤの直径は、0.1mm以上、0.5mm以上、1mm以上、2mm以上、または3mm以上であってもよい。また、伝導性ワイヤの直径は、10mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、または5mm以下であってもよい。より具体的には、前記伝導性ワイヤの直径は0.5mm~3mmであってもよい。
【0109】
コイル部のインダクタンスは、30μH以上、50μH以上、70μH以上、または90μH以上であってもよく、また150μH以下、100μH以下、80μH以下、または60μH以下であってもよく、具体的には30μH~60μH、または70μH~150μHであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0110】
第1磁性部66及び第2磁性部86は、バインダー樹脂およびフィラーを含む高分子型磁性部を含むことができる。具体的には、前記磁性部は、前記バインダー樹脂、および前記バインダー樹脂内に分散しているフィラーを含む高分子型磁性部を含むことができる。前記高分子型磁性部は、高分子型磁性ブロック(PMB)を含むことができる。
【0111】
前記高分子型磁性部は、バインダー樹脂によってフィラー同士が結合することにより、広い面積で全体的に欠陥が少なく、衝撃によるダメージが少なくなる。
【0112】
前記フィラーは、フェライト(Ni-Zn系、Mg-Zn系、Mn-Zn系のフェライトなど)のような酸化物フィラー;パーマロイ(permalloy)、センダスト(sendust)、ナノ結晶質(nanocrystalline)磁性体のような金属系フィラー;またはこれらの混合粉末であってもよい。より具体的には、前記フィラーは、Fe-Si-Al合金組成を有するセンダスト粒子であってもよい。
【0113】
一例として、前記フィラーは下記化学式1の組成を有することができる。
【0114】
[化学式1]
Fe1-a-b-c Sia Xb Yc
【0115】
前記式中、XはAl、Cr、Ni、Cu、またはこれらの組み合わせであり、YはMn、B、Co、Mo、またはこれらの組み合わせであり、0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1、及び0≦c≦0.05である。具体的には、前記式中、XはAl、Cr、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0116】
前記フィラーは、サンダストを含むことができる。
【0117】
前記フィラーの平均粒径(D50)は、約1μm~300μm、約10μm~200μm、または約30μm~150μmの範囲であってもよい。前記フィラーの平均粒径が前記範囲を満たすと、150~180℃の温度での位置変化量を最小限に抑えて磁性部の耐熱特性および磁性特性をさらに向上させることができ、これによって充填効率を向上させることができる。
【0118】
前記フィラーは、前記高分子型磁性部の全重量を基準として60重量%以上、70重量%以上、または85重量%以上の量で含むことができる。
【0119】
例えば、前記高分子型磁性部は、前記フィラーを60重量%~90重量%、70重量%~90重量%、75重量%~90重量%、78重量%~90重量%、80重量%~90重量%、85重量%~90重量%、87重量%~90重量%、または89重量%~90重量%の量で含むことができる。万一、前記フィラーの含有量が60重量%未満であると、前記高分子型磁性部の位置変化量が増加して磁性部の耐熱特性が低下し、高温での磁性部の変形および破損が発生し得る。このため、磁性特性が減少し、充電効率が低下することがある。
【0120】
前記バインダー樹脂の融点(Tm)は150~210℃であってもよい。例えば、前記バインダー樹脂の融点(Tm)は160~200℃、例えば160~180℃であってもよい。前記バインダー樹脂の融点(Tm)が前記範囲を満たすと、150~180℃の温度での位置変化量を最小限に抑え、磁性部の耐熱特性及び磁性特性をさらに向上させることができ、これによって充填効率を向上させることができる。
【0121】
前記バインダー樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニルスルフィド(PSS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
【0122】
前記バインダー樹脂は硬化性樹脂であってもよい。具体的には、前記バインダー樹脂は、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂であってもよく、特に、硬化して接着性を示すことができる樹脂であってもよい。より具体的には、前記バインダー樹脂は、グリシジル基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアミド基などのように、熱によって硬化可能な官能基または部位を1つ以上含むか、またはエポキシド(epoxide)基、環状エーテル(cyclid ether)基、スルフィド(sulfide)基、アセタール(acetal)基またはラクトン(lactone)基などのように、活性エネルギーによって硬化可能な官能基または部位を1つ以上含む樹脂を使用することができる。このような官能基または部位は、例えば、イソシアネート基(-NCO)、ヒドロキシ基(-OH)、またはカルボキシル基(-COOH)であってもよい。
【0123】
具体的には、前記バインダー樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
【0124】
また、前記バインダー樹脂として耐熱特性に優れた樹脂を使用したとしても、フィラーとの混合が良好ではない場合には、150~180℃の温度での位置変化量が増加することがある。そのため、前記バインダー樹脂とフィラーの混合が良好になるように選択することが重要である。
【0125】
例えば、前記バインダー樹脂はポリアミド樹脂を使用することができ、前記フィラーはセンダストを使用することができる。
【0126】
前記高分子型磁性部は、前記バインダー樹脂を5重量%~40重量%、10重量%~40重量%、10重量%~20重量%、5重量%~20重量%、5重量%~15重量%、または7重量%~15重量%の量で含有することができる。
【0127】
一実施形態によると、150~180℃の温度での高分子型磁性部の位置変化量を20%以下に制御するために、前記バインダー樹脂を10重量%~40重量%、および前記フィラーを60重量%~90重量%の量で含むことができる。
【0128】
一実施形態によると、150~180℃の温度での高分子型磁性部の位置変化量を3%以下に制御するために、前記バインダー樹脂を10重量%~20重量%、および前記フィラーを80重量%~90重量%の量で含むことができる。
【0129】
また、前記高分子型磁性部は、さらに添加剤を含むことができる。具体的には、前記高分子型磁性部は、リン酸及びシランからなる群より選択される1種以上の絶縁コーティング剤をさらに含むことができる。前記添加剤は、高分子型磁性部の全重量を基準として、0.1~10重量%の量で添加することができる。具体的には、前記絶縁コーティング剤は、高分子型磁性部の全重量を基準として0.1~10重量%の量で添加することができる。
【0130】
前記添加剤を前記範囲の含有量で含むと、150~180℃の温度での位置変化量を低減するのに有利であり、充填効率を向上させることができる。
【0131】
前記高分子型磁性部の79kHz~90kHzの周波数帯域における透磁率は、素材によって変わり得、広くは5~150,000であってもよく、具体的な素材によって5~300、500~3,500、または10,000~150,000であってもよい。
【0132】
また、前記高分子型磁性部の79kHz~90kHzの周波数帯域における透磁損失は素材によって変わり得、広くは0~50,000であってもよく、具体的な素材によって0~1,000、1~100、100~1,000、または5,000~50,000であってもよい。
【0133】
具体的な一例として、前記磁性部が磁性粉末およびバインダー樹脂を含む高分子型磁性部、具体的には高分子型磁性ブロックである場合には、79kHz~90kHz、具体的には、85kHzの周波数帯域における透磁率は5~500、5~130、15~80、または10~50であってもよく、透磁損失は0~50、0~20、0~15、または0~5であってもよい。
【0134】
前記高分子型磁性部は、一定の割合で伸張することができる。例えば、前記高分子型磁性部の伸張率は0.5%以上であってもよい。前記伸張特性は、高分子を適用しないセラミック系磁性部では得にくいものであり、大面積の磁性部に衝撃による反り等が発生しても損傷を低減することができる。具体的には、前記高分子型磁性部の伸張率は、0.5%以上、1%以上、または2.5%以上であってもよい。前記伸張率の上限は特に制限されないが、伸張率の向上のために高分子樹脂の含有量を多くすると、磁性部のインダクタンス等の物性が低下することがあるので、前記伸張率は10%以下とすることが良い。
【0135】
前記第1磁性部66および前記第2磁性部86は、磁性粉末と高分子樹脂を含んでいるので、湾曲した形状に製造することが容易である。例えば、前記第1磁性部66および前記第2磁性部86は、射出工程によって湾曲形状に製造することができる。
【0136】
また、前記電力送信装置80および前記電力受信装置60のそれぞれは、通信用のアンテナを含むことができる。例えば、電力受信装置60はNFCアンテナなどを含み、電力送信装置80と通信することができる。すなわち、電力送信装置80と電力受信装置60とは互いに情報を送受信することができる。
【0137】
次に、前述の電動移動装置のための無線充電システムの充電過程について説明する。説明においては、先に説明した図面を参照して説明する。
【0138】
ユーザは電動キックボード10を充電ステーション30に据え置くことができる。このとき、電力受信装置60は電力送信装置80に整列され、電動キックボード10は充電位置10bに位置することができる。この過程で、電動キックボード10の前輪22は、充電ステーション30の第1ガイド部36によってガイドされ、電動キックボード10の延長部20は、充電ステーション30の把持部34によって据え置き状態を維持することができる。
【0139】
充電ステーション30に電動キックボード10が据え置かれ、電力受信装置60が電力送信装置80に対して充電可能状態になると、電力送信装置80を介して電力受信装置60に無線電力を供給することができる。外部から所定の周波数を有する交流電圧が第2コイル部88に印加され、第2コイル部88から無線電力が第1コイル部68に伝達される。バッテリー26は、第1コイル部68に伝達された無線電力によって充電動作を行うことができる。
【0140】
充電ステーション30に電動キックボード10が据え置かれ、電力受信装置60が電力送信装置80に対して充電可能状態になると、制御部(図示せず)は出力装置を介して充電可能状態になったことを出力できる。出力装置は、スピーカー、LED、表示装置などを含むことができる。制御部は、スピーカを介してアラーム音、ビープ音を出力することもでき、LEDをOFF状態からON状態に変更するか、またはLEDの色を変更して充電可能状態になったことを表示することができる。また、制御部は、別の表示装置によって充電可能状態になったことを出力することもできる。
【0141】
次に、本発明の他の実施形態による電動移動装置のための無線充電システムについて説明する。
【0142】
図11a、
図11bは、本発明の他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【0143】
電力受信装置60は、電動キックボード10の延長部20に配置できる。電力受信装置60は、延長部20のポスト18bと収容フレーム14のうちの少なくともいずれか一つに配置できる。
【0144】
充電ステーション130のステーション本体132は、把持部134を含むことができる。
【0145】
把持部134は、電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60とを共に収容するように構成できる。把持部134は、電動キックボード10が据え置かれるように凹状に構成され、電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60を収容する把持空間134aを形成することができる。すなわち、把持部134は、ステーション本体232において電動キックボード10の延長部20が定着する把持空間134aを形成するように、電動キックボード10に向く対向面132aよりも凹になるように構成できる。
【0146】
先の
図1~
図3の実施形態では、充電ステーション30に配置される把持部34と電力送信装置80とが上下に離隔配置され、延長部20上に把持部34によって把持される部分と電力受信装置60とが相互離隔して配置されることを説明した。
【0147】
本実施形態では、充電ステーション130の把持部134は、電力受信装置60と延長部20を共に収容しながら、収容と同時に電力受信装置60を充電可能状態で動作するようにすることができる。これにより、ユーザは、電動キックボード10を充電ステーション130に据え置きながら、電動キックボード10の電力受信装置60が充電可能状態になっているか、好ましい位置に整列しているかが、電動キックボード10の据え置きとともに直観的にわかる。
【0148】
電力送信装置80は、把持部134の内側に配置できる。電力送信装置80は、把持部134上に配置され、把持部134と共に把持空間134aを形成するように構成できる。すなわち、電力送信装置80は、把持空間134aに露出するように構成できる。本実施形態では、電力送信装置80は把持部134の一構成であってもよい。電力送信装置80の定着溝84bには、電力受信装置60の衝撃緩和部材70が定着できる。このために、定着溝84bは、把持空間134aに向かって露出するように構成できる。
【0149】
このような構成により、電力受信装置60は把持部134の把持空間134aに収容され、収容と連動して電力送信装置80から無線電力を受信する充電可能状態になることができる。
【0150】
充電ステーション30は、装着ガイド140を含むことができる。装着ガイド140は把持空間134a上に配置することができる。装着ガイド140は、把持部134に対して弾性的に動作するように構成できる。
【0151】
装着ガイド140は、電力受信装置60または延長部20によって押圧され、把持部134の内部に挿入するかまたは弾性的に戻るように構成できる。すなわち、装着ガイド140は、把持部134から突出した第1位置140aと、電力受信装置60または延長部20によって押圧され、第1位置140aよりも把持部134の内側に挿入された第2位置140bとの間で動作することができる。また、装着ガイド140は、電力受信装置60と延長部20が把持空間134aに挿入された後、電力受信装置60または延長部20の背面を支持する第3位置140cに弾性的に戻ることができる。装着ガイド140は、第3位置140cにおいて充電ステーション30に据え置かれた電動キックボード10を支持することができる。
【0152】
装着ガイド140は、電力受信装置60と延長部20の外面に対応する形状に形成することができる。装着ガイド140は、第1~3ガイド面141a,141b,141cを含むことができる。
【0153】
第1ガイド面141aは、電動キックボード10によって装着ガイド140が第1位置140aから第2位置140bに移動する過程で電力受信装置60によって押圧されるように傾斜して形成することができる。第2ガイド面141bは、充電ステーション130から電動キックボード10を取り外すとき、装着ガイド140が第3位置140cから第1位置140aに移動する過程で延長部20によって押圧されるように傾斜して形成することができる。第3ガイド面141cは、充電ステーション130に電動キックボード10が据え置かれているとき、延長部20の少なくとも一部を支持するように構成できる。説明の都合上、ガイド面を分離して説明しているが、装着ガイド140は、電動キックボード10の据え置きと連動して電動キックボード10をガイドまたは支持するように設けられる構成であれば良い。
【0154】
次に、前記構成による電動移動装置を有する充電システムの動作について説明する。
【0155】
図11aに示すように、充電ステーション130に据え置くために、電動キックボード10を充電ステーション130に移動させることができる。把持部134に挿入される前に、装着ガイド140は第1位置140aに位置することができる。
【0156】
電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60が把持部134に挿入される過程で、装着ガイド140の第1ガイド面141aは電力受信装置60によって押圧され、装着ガイド140は、第1位置140aから第2位置140bに移動することができる。
【0157】
電力受信装置60が電力送信装置80に対して充電可能状態になるように、電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60が把持部134に挿入されると、装着ガイド140は、第2位置140bから弾性復帰して第3位置140cに移動することができる。装着ガイド140は、第3位置140cにおいて第3ガイド面141cによって
図11bに示すように延長部20を支持することができる。また、第2ガイド面141bも、電力受信装置60を支持することができる。
【0158】
電動キックボード10を充電ステーション130から取り外すとき、装着ガイド140の第2ガイド面141bは電力受信装置60によって加圧され、装着ガイド140は第3位置140cから第2位置140bに移動することができる。電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60が把持部134から離脱すると、装着ガイド140は第2位置140bから第1位置140aに弾性復帰することができる。
【0159】
制御部(図示せず)は、装着ガイド140によって電動キックボード10の配置状態を検知することもでき、充電ステーション130に対する電動キックボード10の拘束を選択的に行うこともできる。
【0160】
すなわち、制御部は、装着ガイド140が第1位置140a~第3位置140cを順次動作することを検知して、把持部134への電動キックボード10の定着を判断することもでき、充電ステーション130に対応する電動キックボード10以外の種類の電動キックボードが装着されることを検知することもできる。
【0161】
また、制御部は、装着ガイド140の第3位置140cを拘束することにより、電動キックボード10が外力によって任意に充電ステーション130から離脱することを防止することもできる。
【0162】
前述の構成により、電動キックボード10の据え置きと充電を同時に行うことができ、電力送信装置80と電力受信装置60の整列のために別途に電動キックボード10を移動させる動作を省略することができる。また、これにより、電動キックボード10の充電及び据え置きを直観的に行うことができる。
【0163】
次に、本発明のまた他の実施形態による電動移動装置のための無線充電システムについて説明する。
【0164】
図12a,12bは、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【0165】
電力受信装置60は、電動キックボード10の延長部20に配置することができる。本実施形態では、電力受信装置60は延長部20のポスト18bに配置することができる。ポスト18bは操舵部18の一構成であり、操舵によって回転可能に構成されるので、電力受信装置60はポスト18bの回転によって対向する方向が異なるように構成できる。
【0166】
充電ステーション230のステーション本体232は、把持部234を含むことができる。
【0167】
把持部234は、電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60を共に収容するように構成できる。把持部234は、電動キックボード10を据え置くことができるように凹状に構成され、電動キックボード10の延長部20と電力受信装置60を収容する把持空間234aを形成することができる。すなわち、把持部234は、ステーション本体132において電動キックボード10の延長部20が定着する把持空間234aを形成するように、電動キックボード10に向く対向面232aよりも凹になるように構成できる。
【0168】
電力受信装置60は、操舵のために回転可能に構成されるポスト18bに装着されるので、電動キックボード10の据え置き状態でも対向する方向を異ならせることができる。本実施形態では、把持空間234aに電力受信装置60が配置される場合、電力受信装置60の第1コイル部68が対向する方向とは関係なく充電が可能である。
【0169】
電力送信装置280は、複数の第2コイル部288を含むことができる。複数の第2コイル部288は、把持空間234aに向かって並んで配置できる。すなわち、複数の第2コイル部288は、把持部234の内周に沿って配列することができる。電動キックボード10を充電ステーション230に据え置いたときにも、ポスト18bは操舵ハンドル18aと共に回転可能に構成することができる。
【0170】
充電ステーション230は、複数の第2コイル部288のうち電力受信装置60の第1コイル部68と向かい合う第2コイル部288を無線充電のために活性化させることができる。すなわち、電動キックボード10の電力受信装置60を必ずしも正面を見るように据え置かなくても、
図12bに示すように、複数の第2コイル部288のうち第1コイル部68に向かい合う第2コイル部288を介して、電力受信装置60の第1コイル部68へ無線電力を送信することができる。
【0171】
本実施形態では、電力送信装置80は、1つの第2ハウジング282と、第2ハウジング282の内部に配置された複数の第2コイル部288と、複数の第2磁性部286とを含んでいるが、これに限定されるものではない。一例として、電力送信装置280は複数が備えられ、それぞれ第2ハウジング282と、第2コイル部288と、第2磁性部286とを有するように配列することもできる。また、電力送信装置280は、複数の第2コイル部288を1つの第2磁性部286に配列するように構成することもできる。電力送信装置80の形状および数は限定されず、複数の第2コイル部288が選択的に第1コイル部68とマッチされる構成であれば良い。
【0172】
このような構成により、電動キックボード10を充電ステーション230に据え置くとき、電力送信装置280と電力受信装置60との整列には別途の動作が必要とされず、電動キックボード10の安定した充電が可能である。
【0173】
次に、本発明のまた他の実施形態による電動移動装置のための無線充電システムについて説明する。
【0174】
図13は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【0175】
ステーション本体32は、移動ガイド部342を含むことができる。前述の第1ガイド部36は、電動キックボード10の左右方向をガイドするように構成でき、移動ガイド部342は、電動キックボード10の前後方向をガイドするように構成できる。移動ガイド部342は、第2ガイド部と定義することができる。ガイド部は、第1ガイド部36と移動ガイド部342のうちの少なくとも一方を意味し得る。言い換えれば、前記ガイド部は、第1ガイド部36および前記第2ガイド部のうちの少なくとも一方を意味し得る。前記ガイド部は、電動キックボード10が走行位置10aから充電位置10bに向かう移動方向に沿って電動キックボード10をガイドすることができる。
【0176】
移動ガイド部342は、電動キックボード10の前輪22をガイドするように構成できる。移動ガイド部342は、電動キックボード10の充電位置10bへの移動をガイドし、充電位置10bを維持するように構成できる。
【0177】
移動ガイド部342は、第1傾斜面342aと第2傾斜面342bとを含むことができる。
【0178】
第1傾斜面342aは、電動キックボード10が充電位置10bに移動するとき、前輪22が上昇するように傾斜して形成することができる。すなわち、第1傾斜面342aは、前方に向かって高くなる傾斜を有するように構成できる。
【0179】
第2傾斜面342bは、電動キックボード10が充電位置10bに位置するとき、前輪22の後退を防止するように構成できる。すなわち、第2傾斜面342bは、前方に向かって低くなる傾斜を有するように構成できる。
【0180】
電動キックボード10は、移動ガイド部342によって充電位置10bに安定して移動および維持することができる。
【0181】
次に、本発明のまた他の実施形態による電動移動装置のための無線充電システムについて説明する。
【0182】
図14は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【0183】
ステーション本体32は、移動ガイド部442を含むことができる。
【0184】
移動ガイド部442は、電動キックボード10の充電位置10bへの移動をガイドし、充電位置10bを維持するように構成できる。
【0185】
移動ガイド部442は昇降可能に構成することができる。具体的には、移動ガイド部442は、第1ガイド部36に対して一定角度チルトするように構成できる。移動ガイド部442は、第1、2ガイド位置を動作することができる。第1ガイド位置は、移動ガイド部442が地面に配置される状態であり、電動キックボード10は充電位置10aへの移動過程で第1ガイド位置の移動ガイド部442の上部に移動することができる。第2ガイド位置は、移動ガイド部442が第1ガイド位置からチルト回転した位置であってもよい。電動キックボード10の後輪23が移動ガイド部442の上部に位置するとき、移動ガイド部442は第2ガイド位置にチルトして電動キックボード10が全体として前方に傾斜するように構成できる。このような移動ガイド部442のチルティング動作により、電動キックボード10を安定して充電位置10bに位置させることができる。
【0186】
電動キックボード10を充電ステーション30から取り外すとき、移動ガイド部442は下降して第1ガイド位置に位置することができる。移動ガイド部442が第1ガイド位置に位置することにより、電動キックボード10を充電ステーション30から容易に後退させることができる。
【0187】
移動ガイド部442の動作に対しては、別途の検知センサ(図示せず)によって電動キックボード10の充電位置10bへの移動を検知し、これに基づいて制御部(図示せず)により行うこともできる。また、移動ガイド部442は、別途のスイッチを介して、制御部によって行うこともできる。また、移動ガイド部442は、物理的な動作によって昇降可能に構成することもできる。
【0188】
次に、本発明のまた他の実施形態による電動移動装置のための無線充電システムについて説明する。
【0189】
図15は、本発明のまた他の実施形態による無線充電システムにおいて、電動移動装置が充電ステーションに定着する動作を示す図である。
【0190】
ステーション本体32は、移動ガイド部542を含むことができる。
【0191】
移動ガイド部542は、電動キックボード10の前輪22をガイドするように構成できる。移動ガイド部542は、電動キックボード10の充電位置10bへの移動をガイドし、充電位置10bを維持するように構成できる。
【0192】
移動ガイド部542は、傾斜面542aと段差部542bとを含むことができる。
【0193】
傾斜面542aは、電動キックボード10が充電位置10bに移動するとき、前輪22が上昇するように傾斜して形成することができる。すなわち、傾斜面542aは、前方に向かって高くなる傾斜を有するように構成できる。
【0194】
段差部542bは、電動キックボード10が充電位置10bに位置するとき、電動キックボード10の前輪22の位置を維持するように構成できる。具体的には、段差部542bは、前輪22の前進または後進を防止するように構成できる。段差部542bは、傾斜面542aの前端部から一定の高さで段差を有するように構成することにより、段差部542bに収容された前輪22が容易に離脱しないようにすることができる。これにより、電動キックボード10は、移動ガイド部542によって充電位置10bに安定して移動および維持することができる。
【0195】
以上では、特定の実施形態について図面を参照して説明した。しかし、前述した実施形態のみに限定されず、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、以下の請求の範囲に記載された発明の技術的思想の要旨を逸脱することなく、いくらでも多様に変更実施することができる。
【国際調査報告】