(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】潤滑/冷却アセンブリ内に位置するスマートポンプのための制御システム
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20240226BHJP
H02P 29/024 20160101ALI20240226BHJP
F04C 2/10 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
F04C15/00 L
H02P29/024
F04C2/10 341H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550598
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 IB2022051885
(87)【国際公開番号】W WO2022185247
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン, ポール アンダース
(72)【発明者】
【氏名】ミッター, デイヴィッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マクマキン, ナサニエル ジョセフ
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
5H501
【Fターム(参考)】
3H041AA02
3H041BB03
3H041CC16
3H041CC19
3H041DD10
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3H041DD37
3H044AA02
3H044BB03
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5H501AA05
5H501AA20
5H501HA08
5H501JJ17
5H501JJ18
5H501JJ25
5H501LL01
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5H501LL37
5H501LL39
5H501LL51
5H501LL60
5H501MM09
(57)【要約】
流体ポンプは、外側ハウジング内に配設されたモータを含む。モータは、ステータ及びステータと電磁通信しているロータを含む。巻線は、電磁通信を定義するための電流を受信するステータ上に配設されている。ポンプ要素は、駆動シャフトを介して、ロータに取り付けられる。ポンプ要素は、ロータと共に動作して、油圧流体経路を通って流体を送達する。複数のセンサは、ステータ、巻線、ロータ、ポンプ要素、流体、及び油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する。コントローラは、電流を巻線に送達するために巻線と通信している。コントローラはまた、情報を測定及び記録し、この情報を外部メモリ及び外部コントローラのうちの1つに通信するために、複数のセンサと通信している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプであって、
外側ハウジングと、
前記外側ハウジング内に配設されたモータであって、前記モータが、ステータと、前記ステータと電磁通信しているロータと、を含み、前記ステータ上に、前記電磁通信を定義するための電流を受信する巻線が配設されている、モータと、
駆動シャフトを介して、前記ロータに取り付けられたポンプ要素であって、前記ポンプ要素が、前記ロータと共に動作して、油圧流体経路を通って流体を送達する、ポンプ要素と、
前記ステータ、前記巻線、前記ロータ、前記ポンプ要素、前記流体、及び前記油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する、複数のセンサと、
前記巻線に前記電流を送達するために前記巻線と通信しているコントローラであって、前記情報を測定及び記録し、この情報を外部メモリ及び外部コントローラのうちの1つに通信するために、前記複数のセンサとも通信している、コントローラと、を備える、流体ポンプ。
【請求項2】
前記複数のセンサが、前記ロータ、前記駆動シャフト、及び前記ポンプ要素のうちの少なくとも1つと通信している加速度計を含み、前記コントローラ及び前記加速度計が、動作ショック事象について前記ポンプ要素を監視するために協働し、前記コントローラ及び前記加速度計が、
前記動作ショック事象を内部許容閾値と比較することと、
前記動作ショック事象が前記内部許容閾値を超えたときに、前記動作ショック事象にタイムスタンプを付け、前記動作ショック事象を機械的ショックリスク事象として内部メモリに通信することと、を行うように構成されている、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記コントローラが、前記動作ショック事象を前記内部許容閾値と隔離して比較し、前記機械的ショックリスク事象を導出する、請求項2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
前記コントローラが、前記動作ショック事象及び以前に記録されたショック事象を、集合的に、前記内部許容閾値と比較して、前記機械的ショックリスク事象を引き起こす、請求項2に記載の流体ポンプ。
【請求項5】
前記動作ショック事象が、前記ポンプ要素の動作を少なくとも部分的に中断する、前記流体内の破片を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項6】
前記複数のセンサが、前記油圧流体経路に対して位置決めされ、前記流体を監視して、前記油圧流体経路を通って流れる前記流体の透明度を検出する光学センサを含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項7】
前記光学センサが、前記流体を通じた光検出の相対変化を監視することによって、前記流体の前記透明度を検出する、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項8】
前記光学センサが、エミッタ及びレシーバを含み、前記エミッタにおいて生成された光子が、前記油圧流体経路内を流れる前記流体を通過した後に、前記レシーバによって検出される、請求項6又は7に記載の流体ポンプ。
【請求項9】
前記複数のセンサが、前記油圧流体経路を通って移動する前記流体の温度を測定する温度センサを含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項10】
前記温度センサによって測定される前記流体の前記温度が、実行時間センサによって生成された実行時間読み取り値と比較され、前記コントローラが、前記実行時間読み取り値に対して、前記流体の前記温度を分析して、前記流体の残存寿命のパーセンテージを判定する、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項11】
前記複数のセンサが、前記巻線と通信している電流センサを含み、制限時の前記流体の前記温度が、前記電流センサによって測定される際に、前記巻線に送達された前記電流と比較され、前記温度及び前記電流が、互いに比較されて、残存油寿命のパーセンテージを導出する、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項12】
前記巻線が、3つの別個の巻線を含み、前記複数のセンサが、それぞれ、前記3つの別個の巻線のうちの少なくとも1つと通信している電流センサを含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項13】
前記3つの別個の巻線が、U相巻線、V相巻線、及びW相巻線を含み、前記電流センサが、前記コントローラと協働して、前記U相巻線、前記V相巻線、及び前記W相巻線の各々についてのRMS相電流の推定を含む、U相巻線と通信している単一シャントフィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項12に記載の流体ポンプ。
【請求項14】
前記3つの別個の巻線が、U相巻線、V相巻線、及びW相巻線を含み、前記電流センサが、前記コントローラと協働して、前記U相巻線、前記V相巻線、及び前記W相巻線の各々についてのRMS相電流の推定を含む、V相巻線と通信している単一シャントフィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項12に記載の流体ポンプ。
【請求項15】
前記3つの別個の巻線が、U相巻線、V相巻線、及びW相巻線を含み、前記電流センサが、前記コントローラと協働して、前記U相巻線、前記V相巻線、及び前記W相巻線の各々についてのRMS相電流の推定を含む、W相巻線と通信している単一シャントフィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項12に記載の流体ポンプ。
【請求項16】
前記複数のセンサが、正の温度係数(PTC)抵抗器を含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項17】
前記PTC抵抗器が、前記PTC抵抗器にわたる抵抗変化を監視することによって、前記PTC抵抗器のブリッジ温度を判定するために、前記モータの電界効果トランジスタ(FET)に近接して位置している、請求項16に記載の流体ポンプ。
【請求項18】
前記コントローラが、それ自体及び前記モータの動作を監視して、前記モータが閉ループ制御状態にあるときを判定する、フィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項19】
前記コントローラが、それ自体及び前記モータの動作を監視して、前記モータが開ループ制御状態にあるときを判定する、フィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項20】
前記コントローラが、それ自体及び前記モータの動作を監視して、前記モータが位相進行状態にあるときを判定する、フィールド指向制御アルゴリズムを動作させる、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項21】
前記コントローラが、前記コントローラ及び前記モータの製造日を含む読み取り専用メモリを含む内部メモリを含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項22】
前記読み取り専用メモリが、前記コントローラの前記製造日以降に、前記コントローラのソフトウェアが更新されているかを記録する、ランダムアクセスメモリを含む、請求項21に記載の流体ポンプ。
【請求項23】
前記ランダムアクセスメモリが、シングルビットメモリである、請求項22に記載の流体ポンプ。
【請求項24】
前記複数のセンサが、前記巻線によって引き出された電流を監視するために、前記巻線に結合されている電流センサを含み、前記コントローラが、前記電流を、前記モータの通常動作を示す情報テーブルの値と比較する、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項25】
前記電流が前記情報テーブルの前記値を下回るとき、前記コントローラが、前記油圧流体経路の入口側内の制限を示す信号を通信する、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項26】
前記電流が前記情報テーブルの前記値を上回るとき、前記コントローラが、前記油圧流体経路の出口側内の制限を示す信号を通信する、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項27】
前記複数のセンサがまた、電圧センサ及び温度センサを含み、前記コントローラが、前記電圧センサによって測定された入力電圧と、前記電流と、前記モータ及び前記流体のうちの1つの温度と、を監視して、電気抵抗値を導出する、オンボード制御アルゴリズムを動作させ、前記コントローラが、前記電気抵抗値を前記情報テーブルの前記値と比較して、前記電気抵抗値の増加が、前記巻線と結合されている欠陥のあるワイヤハーネスを示すかどうかを判定する、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項28】
前記コントローラが、前記電流を監視して、前記電流が前記情報テーブルの前記値を下回るかどうかを判定し、前記油圧流体経路を通って移動する前記流体のレベルが通常動作レベルを下回ることを示す信号を通信する、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項29】
前記流体が、冷却剤及び潤滑剤のうちの1つである、請求項1~28のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項30】
前記複数のセンサが、前記モータと通信している回転速度センサ及びトルクセンサを含み、前記コントローラが、前記ロータのコマンド速度及び前記ロータのトルク出力のうちの少なくとも1つを監視して、オンボード制御アルゴリズムを実行し、前記コマンド速度及び前記トルク出力が、前記モータの通常動作を示す情報テーブルの値と比較される、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項31】
前記コマンド速度及び前記トルク出力のうちの少なくとも1つが、前記情報テーブルの前記値の外に逸脱しているとき、前記コントローラが、前記モータを較正する必要性を示す信号を通信する、請求項30に記載の流体ポンプ。
【請求項32】
前記油圧流体経路が、スイッチングバルブを含み、前記複数のセンサが、前記流体の温度を監視するための温度センサ、前記巻線によって引き出された電流を測定するための電流センサ、及び前記ロータの回転速度を測定するための速度センサを含み、前記コントローラが、前記流体の前記温度、前記電流、及び前記ロータの前記回転速度を、前記モータの通常動作を示す情報テーブルの値と比較する、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項33】
前記流体の温度、前記電流、及び前記ロータの回転速度が、前記情報テーブルの前記値から所定の量、所定の期間逸脱しているとき、前記コントローラは、スイッチングバルブが動作不能であることを示す信号を通信する、請求項31に記載の流体ポンプ。
【請求項34】
前記複数のセンサは、前記モータが動作している時間の長さを測定する実行時間センサと、前記油圧流体経路を通って移動する前記流体の温度を測定する温度センサと、を含み、前記コントローラは、前記モータが特定の温度で動作している前記時間の長さを監視して、監視された実行時間/温度値を導出し、前記監視された実行時間/温度値を情報テーブルの許容可能な実行時間/温度値と比較して、前記流体の残存寿命の前記パーセンテージを判定する、オンボード制御アルゴリズムを動作させるとき、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項35】
前記コントローラが、前記モータ及び前記油圧流体経路の動作条件を監視し、前記コントローラの内部故障条件も監視する、前記オンボード制御アルゴリズムを動作させ、前記内部故障条件を修正することができない場合、前記コントローラは、前記流体ポンプが交換を必要としていることを示す信号を通信する、請求項1~34のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項36】
前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、ボーレートの通信よりも10倍速い速度で動作パラメータを選択的にサンプリングし、前記動作パラメータをオンボードメモリに送達する、前記オンボード制御アルゴリズムを動作させる、請求項1~34のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項37】
前記動作パラメータが前記外部メモリに通信されるとき、前記オンボードメモリが、その後記録された動作パラメータで上書きされる、請求項36に記載の流体ポンプ。
【請求項38】
前記動作パラメータが、電流、電圧、前記ロータの回転速度、前記流体の温度、前記モータの温度、及び故障発生を含む、請求項36に記載の流体ポンプ。
【請求項39】
前記ハウジングが、大きい破片を重量的に捕捉し、大きい破片の進入が前記ポンプ要素に進入することを防止する、凹型空洞を含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項40】
前記ポンプ要素が、ポリマー系のポンプ要素であり、前記流体内の金属破片が、前記ポリマー系のポンプ要素のポリマー材料内に少なくとも部分的に埋め込まれ、かつ捕捉される、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項41】
車両であって、
流体送達システムと、
データシステムを含む電気システムと、を備え、前記流体システム及び前記電気システムが各々、流体ポンプと通信しており、前記流体ポンプが、
外側ハウジングと、
前記外側ハウジング内に配設されたモータであって、前記モータが、ステータと、前記ステータと電磁通信しているロータと、を含み、前記ステータ上に、電磁通信を定義するために前記電気システムから電流を受信する巻線が配設されている、モータと、
駆動シャフトを介して、前記ロータに取り付けられたポンプ要素であって、前記ポンプ要素が、前記ロータと共に動作して、前記流体送達システムから、前記流体ポンプの油圧流体経路を通って、流体を送達する、ポンプ要素と、
前記ステータ、前記巻線、前記ロータ、前記ポンプ要素、前記流体、及び前記油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する、複数のセンサと、
前記巻線に前記電流を送達するために前記巻線と通信しているコントローラであって、前記情報を測定及び記録し、この情報を前記電気システムの外部メモリ及び前記電気システムの外部コントローラのうちの1つに通信するために、前記複数のセンサとも通信している、コントローラと、を備える、車両。
【請求項42】
前記流体ポンプが、前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得する、オンボード制御アルゴリズムを動作させるように構成されており、前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、前記巻線によって利用された電圧、前記ロータの回転速度、及び前記巻線によって引き出された電流を判定し、前記コントローラが、前記流体温度、前記電圧、前記回転速度、及び前記電流を利用して、前記データシステムに通信される前記流体ポンプの推定容積効率を提供する、請求項41に記載の車両。
【請求項43】
前記推定容積効率が、前記流体ポンプの動作中の効率パーセンテージとして通信される、請求項42に記載の車両。
【請求項44】
前記流体ポンプが、車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得する、オンボード制御アルゴリズムを動作させるように構成されており、前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、前記巻線によって利用された電圧、前記ロータの推定回転速度、モータトルク/電流定数(Kt)、及び前記巻線によって引き出された電流を判定し、前記コントローラが、前記流体温度、前記電圧、前記回転速度、モータトルク/電流定数、及び前記電流を利用して、前記流体送達システム内の前記流体の目標流体温度を達成するために必要とされる推定時間を提供し、前記推定時間が、前記データシステムに通信される、請求項41に記載の車両。
【請求項45】
前記コントローラが、前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システムにおいて、前記流体の流体温度を取得する、オンボード制御アルゴリズムを動作させ、前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、前記巻線によって利用された電圧、前記ロータの推定回転速度、モータトルク/電流定数(Kt)、及び前記巻線によって引き出された電流を判定し、前記コントローラが、前記流体温度、前記電圧、前記回転速度、前記モータトルク/電流定数、及び前記電流を利用して、(推定出口圧力×推定流量)/(入力電圧×入力電流)の形態の出力として、推定全体効率を提供する、請求項41に記載の車両。
【請求項46】
前記推定全体効率が、前記流体ポンプの動作中の効率パーセントとして前記データシステムに通信される、請求項45に記載の車両。
【請求項47】
前記コントローラが、前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システムにおいて、前記流体の流体温度を取得する、オンボード制御アルゴリズムを動作させ、前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、前記巻線によって利用された電圧、モータトルク/電流定数(Kt)、及び前記巻線によって引き出された電流を判定し、前記コントローラが、前記流体温度、前記電圧、前記モータトルク/電流定数、及び前記電流を利用して、推定トルク出力の形態の出力として、推定全体効率を提供する、請求項41に記載の車両。
【請求項48】
前記コントローラが、目標トルク値を使用し、前記推定トルクと前記目標トルク値との間の逸脱を最小化するように動作する、請求項47に記載の車両。
【請求項49】
閾値逸脱を超える前記推定トルクと前記目標トルク値との間の逸脱が、前記流体ポンプの動作中に前記データシステムに通信される、請求項48に記載の車両。
【請求項50】
前記コントローラが、前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システムにおいて、前記流体の流体温度を取得する、オンボード制御アルゴリズムを動作させ、前記コントローラが、前記複数のセンサと協働して、前記巻線によって利用された電圧、前記ロータの回転速度、及び前記巻線によって引き出された電流を判定し、前記コントローラが、前記流体温度、前記電圧、前記回転速度、及び前記電流を利用して、出力として、前記流体の推定容積流量を提供する、請求項41に記載の車両。
【請求項51】
前記コントローラが、目標容積流量を使用し、前記推定容積流量と前記目標容積流量との間の逸脱を最小化するように前記モータを動作させる、請求項50に記載の車両。
【請求項52】
閾値逸脱を超える前記推定容積流量と前記目標容積流量との間の逸脱が、前記流体ポンプの動作中に前記データシステムに通信される、請求項48に記載の車両。
【請求項53】
流体ポンプであって、
外側ハウジング内に配設されたステータであって、巻線が、前記ステータ上に配設されている、ステータと、
前記ステータに対して位置決めされたロータと、
駆動シャフトを介して、前記ロータに取り付けられたポンプ要素であって、前記ポンプ要素が、前記ロータと共に動作して、油圧流体経路を通って流体を送達する、ポンプ要素と、
前記ステータ、前記巻線、前記ロータ、前記ポンプ要素、前記流体、及び前記油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する、複数のセンサと、
前記巻線に電流を送達するために前記巻線と通信しているコントローラであって、前記情報を測定及び記録し、報告のためにこの情報を通信するために、前記複数のセンサとも通信している、コントローラと、を備える、流体ポンプ。
【請求項54】
流体ポンプを、前記流体ポンプと各々通信している、流体送達システム、電気システム及びデータシステムを有する車両内で動作させるための方法であって、
コントローラを使用してモータを動作させることであって、前記モータが、その上に配設された巻線を有するステータと電磁通信しているロータを有し、前記ロータが、ポンプ要素を回転可能に動作させる、動作させることと、
前記ポンプ要素を使用して、油圧流体経路を通って流体を移動させることと、
前記コントローラと通信している複数のセンサを使用して、複数のパラメータを監視することであって、前記複数のパラメータが、前記コントローラ、前記モータ、前記流体及び前記油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する、監視することと、
前記流体ポンプの動作条件に関連する出力を判定するために、前記コントローラ及び前記複数のセンサを使用して、オンボード制御アルゴリズムを動作させることと、
前記出力に関連する通信を、内部メモリ、外部メモリ及び外部コントローラのうちの1つに送達することと、含む、方法。
【請求項55】
前記出力が、ユーザによる特定の要求に応じて送達される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記出力が、前記モータ及び前記コントローラの動作中に自動的に送達される、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの加速度計を使用して測定された前記ロータの回転動作であり、前記出力は、
前記加速度計の測定値に基づいて、動作ショック事象が発生したかどうかを分析すること、及び
前記動作ショック事象が内部許容閾値の外にあるかどうかを判定することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの光学センサを使用した、前記油圧流体経路を通って移動する前記流体の透明度であり、前記出力は、
前記流体を通って放射された光子を送達するエミッタを作動させること、
レシーバを使用して前記放射された光子を感知して、感知された光子を判定すること、及び
前記流体の前記透明度を取得するために、前記放射された光子と前記感知された光子との間の相対変化を判定することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの実行時間センサ及び温度センサによって判定される、前記油圧流体経路内の前記流体の残存寿命のパーセンテージであり、前記出力は、
前記実行時間センサを使用して、現在の実行時間を監視すること、
前記温度センサを使用して、前記流体の温度を監視すること、
前記流体の前記温度に対する現在の実行時間を分析して、前記油圧流体経路内の前記流体の前記残存寿命のパーセンテージを判定することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの電流センサ及び流体流量センサを使用した、前記油圧流体経路内の制限を通って移動する前記流体の温度であり、前記出力は、
前記電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を監視すること、
前記流体流量センサを使用して、前記制限を通る前記流体の流量を監視すること、
前記巻線によって引き出された前記電流に関連する前記制限を通る前記流体の前記流量の評価に基づいて、前記流体の前記温度を分析することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、電流センサ及び単一シャントフィールド指向制御アルゴリズム位相を使用する前記ステータの前記巻線の各相巻線のRMS相電流の推定値であり、前記出力は、
前記電流センサを使用して、前記相巻線のうちの1つへの電流を監視すること、及び
前記相巻線の各々における前記RMS相電流を推定することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記巻線のブリッジ温度であり、前記出力は、
正温度係数(PTC)抵抗器を通して電流を送達すること、及び
前記電流が前記PTC抵抗器を横断するときの前記抵抗の変化を監視することによって判定される、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記コントローラの診断であり、前記コントローラは、
フィールド指向制御アルゴリズムを使用して、独自の動作の分析を実施し、
この分析に基づいて、前記コントローラは、前記コントローラが閉ループ状態、開ループ状態、及び位相進行状態のうちの1つで動作しているかどうかを判定する、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記オンボード制御アルゴリズムが、前記流体ポンプの通常動作を示す情報テーブルの値のセットを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの電流センサによって監視される、前記巻線によって引き出された電流を使用する前記油圧流体経路の条件であり、前記出力は、
前記巻線によって引き出された前記電流を分析して、電流値を判定すること、
前記電流値が、前記情報テーブルの前記値のセットの通常電流値内にあるかどうかを判定すること、
電流値が前記通常電流値を下回るときに、前記油圧流体経路の入口に可能性のある入口障害物が存在することを通信すること、及び
前記電流値が前記通常電流値を上回るときに、前記油圧流体経路の出口に可能性のある出口障害物が存在することを通信することによって判定される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記出力が、前記複数のセンサのうちの電流センサ、電圧センサ、及び温度センサによってそれぞれ監視される、前記巻線によって引き出された電流、前記巻線によって使用された電圧及び前記モータの温度を使用した、前記モータの前記巻線に結合されるワイヤハーネスの前記動作条件に関連し、前記出力は、
前記巻線によって引き出された前記電流を判定して、電流値を判定すること、
電圧値を判定するために、前記巻線によって使用される前記電圧を判定すること、
前記モータのモータ温度を判定すること、
前記電流、前記電圧及びモータ温度を比較して、電流抵抗値を導出すること、
前記電流抵抗値を、前記情報テーブルの前記値のセットの通常抵抗値と比較すること、並びに
前記電流抵抗値が、所定の閾値だけ前記通常抵抗値を超えたときに、前記ワイヤハーネスに欠陥があり得ることを通信することによって判定される、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの電流センサによって監視される、前記油圧流体経路内の前記流体のレベルであり、前記出力は、
前記巻線によって引き出された前記電流を分析して、電流値を判定すること、
前記電流値が、前記情報テーブルの前記値のセットの通常電流値内にあるかどうかを判定すること、及び
前記流体の流体レベルが最小閾値量を下回り得ることを通信することによって判定される、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの回転速度センサ及びトルクセンサのうちの1つによって監視される、前記流体ポンプの較正ステータスであり、前記出力は、
前記ロータの回転速度及び前記ロータのトルク出力のうちの1つを分析して、ロータ出力値を判定すること、
前記ロータ出力値が、前記情報テーブルの前記値のセットの通常ロータ動作値の外に逸脱しているかどうかを判定すること、
そのような逸脱が事前設定された期間に発生したかどうかを判定すること、及び
前記ロータ出力値が前記事前設定された期間に、前記通常ロータ動作値の外に逸脱しているときに、前記較正ステータスが古くなっていることを通信することによって判定される、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記複数のセンサのうちの回転速度センサ及びトルクセンサのうちの1つによって監視される、前記流体ポンプの較正ステータスであり、前記出力は、
前記ロータの回転速度及び前記ロータのトルク出力のうちの1つを分析して、ロータ出力値を判定すること、
前記ロータ出力値が、前記情報テーブルの前記値のセットの通常ロータ動作値の外に逸脱しているかどうかを判定すること、
そのような逸脱が事前設定された期間に発生したかどうかを判定すること、及び
前記ロータ出力値が前記事前設定された期間に、前記通常ロータ動作値の外に逸脱しているときに、前記較正ステータスが古くなっていることを通信することによって判定される、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記ポンプ要素の推定容積効率であり、前記コントローラは、
前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電圧センサを介して、現在の電圧を取得し、
前記複数のセンサのうちの回転センサを介して、前記ロータの現在の推定速度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を取得し、
前記流体温度、前記現在の電圧、前記現在の推定速度、及び前記電流を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズムを実行し、
前記ポンプ要素の前記推定容積効率を判定するために、前記入力を分析する、請求項54に記載の方法。
【請求項71】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記ポンプ要素の推定全体効率であり、前記コントローラは、
前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電圧センサを介して、現在の電圧を取得し、
前記複数のセンサのうちの回転センサを介して、前記ロータの現在の推定速度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を取得し、
前記回転センサ及び前記電流センサを介して、モータトルク/電流定数(Kt)を取得し、
前記流体温度、前記現在の電圧、前記現在の推定速度、前記電流及び前記モータトルク/電流定数(Kt)を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズムを実行し、
前記入力を分析して、前記ポンプ要素の推定全体効率を判定する、請求項54に記載の方法。
【請求項72】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記流体送達システムにおける前記流体の目標流体温度を達成するための推定時間であり、前記コントローラは、
前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電圧センサを介して、現在の電圧を取得し、
前記複数のセンサのうちの回転センサを介して、前記ロータの現在の推定速度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を取得し、
前記回転センサ及び前記電流センサを介して、モータトルク/電流定数(Kt)を取得し、
前記流体温度、前記現在の電圧、前記現在の推定速度、前記電流及び前記モータトルク/電流定数(Kt)を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズムを実行し、
前記入力を分析して、前記流体送達システムにおける前記流体の前記目標流体温度を達成するための推定時間を判定する、請求項54に記載の方法。
【請求項73】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記ポンプ要素の推定トルク出力であり、前記コントローラは、
前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電圧センサを介して、現在の電圧を取得し、
前記複数のセンサのうちのトルクセンサを介して、前記ロータのトルク出力を取得し、
前記複数のセンサのうちの電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を取得し、
前記回転センサ及び前記電流センサを介して、モータトルク/電流定数(Kt)を取得し、
前記流体温度、前記現在の電圧、前記現在の推定速度、前記電流、及び前記モータトルク/電流定数(Kt)を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズムを実行し、
前記入力を分析して、前記ポンプ要素の前記推定トルク出力を判定し、
出力トルク目標を取得し、
前記推定トルク出力と前記出力トルク目標との間の逸脱を最小化するように、前記モータを動作させる、請求項54に記載の方法。
【請求項74】
前記流体ポンプの前記動作条件に関連する前記出力が、前記ポンプ要素の推定流量出力であり、前記コントローラは、
前記電気システムの車両バスを介して、前記流体送達システム内の前記流体の流体温度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電圧センサを介して、現在の電圧を取得し、
前記複数のセンサのうちの速度センサを介して、前記ロータの実際の回転速度を取得し、
前記複数のセンサのうちの電流センサを使用して、前記巻線によって引き出された電流を取得し、
前記流体温度、前記現在の電圧、前記実際の回転速度、及び前記電流を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズムを実行し、
前記入力を分析して、前記流体要素の前記推定流量出力を判定し、
出力流量目標を取得し、
前記推定流量出力と前記出力流量目標との間の逸脱を最小化するように、前記モータを動作させる、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、流体ポンプに関し、より具体的には、流体ポンプを通して移動されている流体だけでなく、流体ポンプの効率、健全性、及びステータスを査定するための様々なセンサ及びアルゴリズムを利用する、制御システムを有する、流体ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な流体機構内で、流体ポンプは、流体送達システム内の潤滑及び/又は冷却機能のための材料を送達するために使用される。この流体ポンプは、流体ポンプのステータスを監視するための様々な制御を含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、流体ポンプは、外側ハウジングを含む。モータは、外側ハウジング内に配設されている。モータは、ステータ及びステータと電磁通信しているロータを含む。巻線は、電磁通信を定義するための電流を受信するステータ上に配設されている。ポンプ要素は、駆動シャフトを介して、ロータに取り付けられる。ポンプ要素は、ロータと共に動作して、油圧流体経路を通って流体を送達する。複数のセンサは、ステータ、巻線、ロータ、ポンプ要素、流体、及び油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する。コントローラは、電流を巻線に送達するために巻線と通信している。コントローラはまた、情報を測定及び記録し、この情報を外部メモリ及び外部コントローラのうちの1つに通信するために、複数のセンサと通信している。
【0004】
本開示の別の態様によれば、車両は、流体送達システムを含む。電気システムは、データシステムを含む。流体システム及び電気システムは各々、流体ポンプと通信している。流体ポンプは、外側ハウジングを備える。モータは、外側ハウジング内に配設されている。モータは、ステータ及びステータと電磁通信しているロータを含む。巻線は、電磁通信を定義するための、電気システムから電流を受信するステータ上に配設されている。ポンプ要素は、駆動シャフトを介して、ロータに取り付けられる。ポンプ要素は、ロータと共に動作して、流体送達システムから、流体ポンプの油圧流体経路を通って、流体を送達する。複数のセンサは、ステータ、巻線、ロータ、ポンプ要素、流体、及び油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する。コントローラは、電流を巻線に送達するために巻線と通信している。コントローラはまた、情報を測定及び記録し、この情報を電気システムの外部メモリ及び電気システムの外部コントローラのうちの1つに通信するために、複数のセンサと通信している。
【0005】
本開示の別の態様によれば、流体ポンプは、外側ハウジング内に配設されたステータを含む。巻線は、ステータ上に配設されている。ロータは、ステータに対して位置決めされている。ポンプ要素は、駆動シャフトを介して、ロータに取り付けられる。ポンプ要素は、ロータと共に動作して、油圧流体経路を通って流体を送達する。複数のセンサは、ステータ、巻線、ロータ、ポンプ要素、流体、及び油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する情報を測定する。コントローラは、巻線に電流を送達するために巻線と通信している。コントローラはまた、情報を測定及び記録し、報告のためにこの情報を通信するために、複数のセンサと通信している。
【0006】
本開示の別の態様によれば、車両内で流体ポンプを動作させるための方法は、流体ポンプと各々通信している、流体送達システム、電気システム、及びデータシステムを含む。方法は、コントローラを使用して、モータを動作させることを含む。モータは、その上に配設された巻線を有するステータと電磁通信しているロータを含む。ロータは、ポンプ要素を回転可能に動作させる。方法はまた、ポンプ要素を使用して、油圧流体経路を通って流体を移動させることを含む。方法はまた、コントローラと通信している複数のセンサを使用して、複数のパラメータを監視することを含む。複数のパラメータは、コントローラ、モータ、流体、及び油圧流体経路のうちの少なくとも1つに関連する。方法はまた、流体ポンプの動作条件に関連する出力を判定するために、コントローラ及び複数のセンサを使用して、オンボード制御アルゴリズムを動作させることを含む。方法はまた、出力に関連する通信を、内部メモリ、外部メモリ、及び外部コントローラのうちの1つに送達することを含む。
【0007】
本開示のこれらの及び他の態様、目的、及び特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を検討すれば、当業者によって理解及び認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の斜視図である。
【
図2】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の第2の斜視図である。
【
図3】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の第3の斜視図である。
【
図4】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の断面図である。
【
図5】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の断面図である。
【
図6】流体送達システム内で利用される流体ポンプの一態様の断面図である。
【
図7】車両の流体送達システム、電気システム、及びのデータシステムと通信している流体ポンプの一態様を組み込む、一般的な車両の概略立面図である。
【
図8】車両内で流体ポンプを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図9】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図10】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図11】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図12】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図13】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図14】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図15】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図16】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図17】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図18】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図19】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図20】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図21】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図22】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【
図23】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させる方法を示す、概略フロー図である。
【
図24】動作出力を判定するために、流体ポンプのコントローラ内でオンボード制御アルゴリズムを動作させるための方法を示す、概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、説明から当業者に明らかになるか、又は特許請求の範囲及び添付図面と共に、以下の説明に記載されるように本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0010】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、列記された項目のうちのいずれか1つを単独で採用することができるか、又は列記された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを採用することができることを意味する。例えば、組成物が構成要素A、B、及び/又はCを含むものとして記載されている場合、該組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含むことができる。
【0011】
本文書では、第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、必ずしもそのようなエンティティ又はアクションの間のそのようないかなる実際の関係又は順序も必要とすることなく、又は暗示することなく、1つのエンティティ又はアクションと別のエンティティ又はアクションとを区別するためにのみ使用される。
【0012】
本開示の目的で、(結合する(couple)、結合している(coupling)、結合された(coupled)、などの全ての形態の)「結合された(coupled)」という用語は、概して、2つの構成要素(電気的又は機械的)を、直接的又は間接的に互いに接合することを意味する。そのような接合は、本質的に固定的又は移動可能であり得る。そのような接合は、2つの構成要素(電気的若しくは機械的)及び/又は任意の追加の中間部材によって達成され得る。そのような接合は、互いに単一のまとまった本体として一体的に形成される(すなわち、一体的に結合される)部材を含み得るか、又は2つの構成要素の接合を指し得る。そのような接合は、別途指示がない限り、本質的に取り外し可能又は解放可能であり得る。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「実質的な」、「実質的に」という用語、及びそれらの変形形態は、説明された特徴が、値又は説明と等しい又はほぼ等しいことに注目することを意図する。例えば、「実質的に平面状の」表面は、平面状であるかほぼ平面状である表面を表すことを意図する。更に、「実質的に」は、2つの値が等しいかほぼ等しいことを表すことを意図する。いくつかの実施形態では、「実質的に」は、互いに約5%以内又は互いに約2%以内などの、互いに約10%以内の値を表し得る。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「the」、「a」、又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、反対のことが明示的に示されていない限り、「1つのみ」に限定されるべきではない。したがって、例えば「ある構成要素(a component)」に対する参照は、別途文脈が明確に示していない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する実施形態が含まれる。
【0015】
ここで
図1~
図6を参照すると、参照番号10は、一般に、流体14をある位置から別の位置に送達するために、流体送達システム12内で使用される流体ポンプを指す。この流体14は、機械的アセンブリ内の様々な機能に使用することができる。そのような機能は、流体送達システム12内の潤滑及び/又は冷却機能を含み得るが、これらに限定されない。典型的には、本明細書において説明される流体ポンプ10は、車両用途又は他の機械的設定内の別個の機構を潤滑及び/又は冷却するために使用される潤滑剤又は冷却剤である。デバイスの様々な態様によれば、流体ポンプ10は、典型的には、ロータ22と電磁通信しているステータ16を有するモータ100を含む。ステータ16は、オーバーモールドされるか、又はインサート射出成形されて、ハウジング18を形成する。様々な巻線20は、ステータ16の周りに延在する。巻線20が電流を介して通電されるとき、電磁場は、ステータ16に対して生成され、ステータ16内に(又は内部ステータ構成でステータ16の周りに)位置決めされたロータ22と協働して、回転シャフト24の周りでロータ22を回転させる。ロータ22とのステータ16の電磁係合の間に生成される電磁動力は、ロータ22に、回転シャフト24を中心に駆動シャフト26を回転させる。次に、駆動シャフト26は、流体14をある位置から別の位置に移動させるために使用されるポンプ要素28と接続される。典型的には、流体14は、貯留部から油圧流体経路30を通って、駆動ユニット又は他の機械的アセンブリに移動される。典型的に、駆動ユニットは、エンジン、トランスミッション、ディファレンシャル、又は他の同様の機械的アセンブリの形態とすることができる。
【0016】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、典型的には、ハウジング18の部分内に配設することができるコントローラ32を含む。このコントローラ32は、ステータ16のための巻線20への電気の送達を調整するように構成されている、プリント回路基板(PCB)34の一部であり得る。このコントローラ32はまた、流体ポンプ10のステータス、及び油圧流体経路30を通って移動する流体14を監視するために使用される、様々なセンサ36に結合することができる。PCB34はまた、流体ポンプ10、それを通って移動する流体14、及び流体ポンプ10によって供給される機械的アセンブリの健全性、性能、経年変化、及び有効性を査定するために、様々な性能パラメータを直接的かつ/又は間接的に測定及び判定するためにも使用される様々なセンサ36を含むことができる。これらのセンサ36は、限定されないが、加速度計38、光学センサ40、電流センサ42、温度センサ44、トルクセンサ46、及び本明細書でより完全に説明されるように、流体ポンプ10及びそれを通って移動する流体14の様々な態様を監視するために使用することができる、他の同様のセンサ36を含むことができる。
【0017】
図1~
図7を参照すると、コントローラ32は、内部メモリなどのPCB内のメモリ82を含むことができる。コントローラ32はまた、機械的アセンブリの外部メモリと通信することができる。機械的アセンブリは、流体送達システム12を含む車両160(
図7に示される)、固定具、又は他の同様の電気機械的機構の形態であり得る。車両160の場合、車両160は、流体ポンプ10に流体14を提供する流体送達システム12を含むことができる。車両160はまた、流体ポンプ10及びその中に含まれる電気部品に電流を提供する電気システム164を含むことができる。車両160の電気システム164はまた、流体ポンプ10を含む車両160全体にわたってデータ通信を送信、受信、及び送達するために使用される、データ及び通信システム166を含むことができる。車両160のデータ及び通信システム166はまた、有線又は無線通信などを介して、車両160の外の外部場所に関するデータを送受信するために使用することもできる。
【0018】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、ポンプ要素28、駆動シャフト26、ロータ22、又は流体ポンプ10内の他の同様の構成要素などの流体ポンプ10の回転可能に動作可能な要素の1つに取り付けられ、又はそれと少なくとも通信する加速度計38を含むことができる。この加速度計38は、流体ポンプ10の構成要素のうちの1つの回転速度が短期間で劇的に変化する、動作ショック事象を監視する。動作ショック事象は、ポンプ要素28を通って移動し、かつポンプ要素28の動作を一時的に妨害するか、又は別様に中断する、破片64によって生成され得る。動作ショック事象はまた、流体ポンプ10に及ぼされる外力、ステータ16とロータ22との間に生じ得るコギング、及び流体ポンプ10の回転構成要素の回転速度の突然の変化を引き起こし得る他の同様の事象によって生成され得る。加速度計38は、コントローラ32と協働して、特定の動作ショック事象を監視し、流体ポンプ10によって以前に経験された可能性のある他の動作ショック事象と比較する。コントローラ32は、これらの様々な動作ショック事象を個別に評価し、また、様々な動作ショック事象を経時的に累積的に比較する。この累積分析は、将来の動作ショック事象の内部許容閾値を導出する。この内部許容閾値は、その後発生する可能性のある将来の動作ショック事象を評価するための計算された許容レベルを生成する。
【0019】
発生するその後の動作ショック事象は、加速度計38によって測定され、導出された閾値に対して流体ポンプ10のコントローラ32によって評価される。動作ショック事象のための導出された閾値を超えたとき、コントローラ32は、機械的ショックリスク事象として発生をタイムスタンプする。この機械的ショックリスク事象は、後で報告するために、コントローラ32及び車両160に通信される。この報告は、車両160のサービス中に発生し得る。加えて、機械的ショックリスク事象は、車両160又は遠隔の場所への報告のために、リアルタイムで報告することもできる。典型的には、車両160に関する健康報告が要求されるとき、記録された機械的ショックリスク事象は、車両160に関する報告内に含まれる。これらの報告は、車両160及び加速度計38を有する流体ポンプ10に関してサービス推奨が行われ、実装され得るように、蓄積される。機械的ショックリスク事象を使用して、動作ショック事象が整備、修理、又は交換を保証するのに十分な大きさであったかどうかを判定することができる。機械的ショックリスク事象はまた、流体ポンプ10の構成要素に対する損傷がある場合には、損傷のレベルを判定するために、目視検査と組み合わせて使用することができる。一般的に、データ及び事象の報告は、以下でより完全に説明されるように、様々な方法のうちのいずれか1つに従って実行することができる。
【0020】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、コントローラ32と通信している光学センサ40を含むことができる。この光学センサ40は、流体ポンプ10と通信している油圧流体経路30の1つ以上の部分内のエミッタ及びレシーバを含むことができる。この光学センサ40は、油圧流体経路30内、流体ポンプ10内、流体ポンプ10の外の油圧流体経路30の一部分内、又は油圧流体経路30の近くに位置決めされ、油圧流体経路30を通る流体14の流量と通信することができる。光学センサ40を使用して、エミッタ及びレシーバは、油圧流体経路30内の流体14の透明度を検出することができる。この透明度は、レシーバにおける光検出の相対的な変化を監視することによって検出される。別の言い方をすれば、エミッタは、流体14を通して光又は他の波長を放射する。レシーバは、流体14を通して濾過されるこの波長を捕捉し、流体14を通って放射される波長の相対的な半透明性を監視する。この相対的な半透明性は、流体14の透明度を査定するために、経時的に監視される。この透明度は、流体14の有効性、流体14の有効寿命、流体14又は流体フィルタを交換する必要があるかどうか、又は油圧流体経路30の他の構成要素を整備、交換、又はその他の方法でメンテナンスする必要があるかどうかを査定するために使用することができる。
【0021】
デバイスの特定の態様では、光学センサ40は、レシーバに向かって光子を放射するエミッタを含むことができる。光子が油圧流体経路30を通って移動する流体14に係合すると、光子は、レシーバから離れて反射若しくは屈折するか、又は流体14を通ってレシーバに向けられる。レシーバによって受信される光子の量に基づいて、特定の透明度データは、光学センサ40の動作中に測定、導出、外挿、又は別様に査定され得る。
【0022】
流体ポンプ10は、流体ポンプ10及びそれを通って移動する流体14に関する特定のステータス情報60を査定するために、協働的に使用することができるセンサ36の組み合わせを含むことができる。実行時間センサ62と、マイクロ温度センサなどの温度センサ44とを組み合わせて使用して、油寿命のパーセンテージを判定することができる。実行時間センサ62の実行時間読み取り値によって測定される、かつ流体ポンプ10の動作サイクル中の特定の実行時間における、経時的な流体14の温度の変化は、流体14内に含まれる粒子及び他の破片64を示すことができる。マイクロ温度センサ44によって測定された温度のこれらの変化は、次に、流体14を交換する必要があるとき、流体フィルタを交換する必要があるとき、又はその両方を示すことができる。実行時間センサ62及びマイクロ温度センサ44は、流体ポンプ10を通って移動されている流体14の残存寿命のパーセンテージを判定するために使用され得る。
【0023】
図1~
図6を再び参照すると、特定のステータス情報60は、複数のセンサ36を使用することによって導出することができる。場合によっては、流体14の温度は、温度センサ44を使用することなく査定することができる。デバイスのそのような態様では、流体ポンプ10のコントローラ32は、内部メモリ、又は車両160内の外部メモリなどのPCB34上のメモリ82内に記憶され得る、様々な情報テーブル80に基づいて、流体温度を判定、推定、又は別様に導出することができる。
【0024】
デバイスの例示的な態様では、情報テーブル80は、流体14の速度又は流量、及びステータ16の巻線20によって引き出される、又はステータ16の巻線20に送達される電流に関連し得る。そのようなシステムは、油圧流体経路30が潤滑又は冷却用途などにおける設定制限84を含む場合に利用することができる。この設定制限84内で、流体14の速度又は流量は、制限84を通して一定に維持され得る。流体14は、経時的に破片64でより汚染され、流体14のより粘性の高いステートをもたらす。結果として、巻線20がポンプ要素28を駆動し、一定の流量で流体14を移動させるために引き込む電流の量は、典型的には、流体14のこの増加した粘度のために増加する。引き出された電流のこの増加は、流体14の温度の対応する増加をもたらし得る。様々な情報テーブル80は、特定の用途における特定の流体ポンプ10の製品試験を通じて導出され得るか、又は流体ポンプ10のための潤滑及び/又は冷却用途における流体14の流量又は速度及び引き出された電流に対応するより一般化されたデータテーブルであり得る。加えて、油圧流体経路30内では、狭い部分などの特定の制限領域を、流体14の速度又は流量を査定するために利用することができる。これらの制限84において、様々なデータポイントを記録し、ロータ22及びポンプ要素28を動作させるために、ステータ16に提供される電流と比較することができる。そのような構成を通じて、油圧流体経路30を通って移動されている流体14の温度をより正確に推定するために、複数のデータポイント及びデータポイントの比較を達成することができる。
【0025】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10のコントローラ32は、典型的には、三相モータ100の単相の形態で、モータ100と結合されている単一シャントフィールド指向制御アルゴリズム98を含むことができる。典型的には、三相モータ100は、ステータ16の対応する巻線20を有するU、V、及びW相巻線を含む。これらの3つの相は、電流を、モータ100の3つの別個の相に対応するステータ16のための、巻線20の3つの対応するセットに送達する。単一シャントフィールド指向制御アルゴリズム98は、モータ100のサイクル内の特定の点及び間隔で、三相モータ100の専用回路を通る電流を感知する、単一シャント感知実装を利用することができる。単一シャントフィールド指向制御アルゴリズム98を使用して、U、V、及びW相巻線の各々についての根平均平方根(RMS)相電流の推定値を推定することができる。ここでも、これは、典型的には、三相電気モータ100のU、V及びW相巻線のうちの1つのみ内の電流を測定することによって達成される。RMS位相は、電気回路内の平均電流又は電圧を表現するために使用することができる。次いで、この平均電流又は電圧を、流体ポンプ10のモータ100のステータスを記録し、最終的に報告するために送達することができる。単一シャントフィールド指向制御アルゴリズム98は、モータ100のU、V及びW相巻線のうちのいずれか1つと結合することができる。各例では、位相のうちの1つの電流が直接測定され、残りの2つの位相の電流を推定することができる。この推定は、部分的に、モータ100及び流体ポンプ10の動作態様を監視する追加のセンサ36、例えば、ロータ22の回転速度を監視するための回転速度センサ、ロータ22又はポンプ要素のトルク出力を監視するためのトルクセンサ、油圧流体経路30を通る流体の流量を監視するための流体流量センサ、それらの組み合わせ、及び他のパラメータの使用を通じて導出することができる。再び、監視の結果は、コントローラ32及び車両160に報告され、最終的には、車両160のサービス訪問中に報告される。記録されたデータは、流体ポンプ10が効率的に動作しているかどうか、又はメンテナンス又は配置を必要とする流体ポンプ10内に問題が存在するかどうかを判定するために使用することができる。
【0026】
図1~
図6を再び参照すると、正の温度係数(PTC)抵抗器112は、コントローラ32の回路についての電界効果トランジスタ(FET)110の近くに位置決めすることができる。正の温度係数抵抗器112は、配置されたPTC抵抗器112にわたる電気抵抗の変化によるFET110におけるブリッジ温度を監視し、報告する。したがって、PTC抵抗器112を使用して、FET110での温度を監視することができる。これらの温度読み取り値は、巻線20によって引き出された電流の量などの、モータ100及び流体ポンプ10の動作中にFET110を通って移動している電流を推定するために使用することができる。次に、この情報を使用して、流体ポンプ10の健全性及び性能を査定することができる。監視された温度値を報告することは、サービスコール時又は車両160のメンテナンスチェック中に報告するためにアップロードすることができる。
【0027】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、流体ポンプ10のコントローラ32内に含まれる、又は流体ポンプ10のコントローラ32と通信しているフィールド指向制御アルゴリズム98を含むことができる。フィールド指向制御アルゴリズム98は、ステータ16とロータ22との間の電磁相互作用のステータスを監視して、モータ100が閉ループ制御状態、開ループ制御状態、又は位相進行状態であるかどうかを査定する。これらの状態の各々は、以下でより完全に説明されるように、モータ100の特定の動作モードに関連して達成され得る利点を有する。したがって、コントローラ32は、閉ループ制御状態、開ループ制御状態、又は位相進行状態とPTC抵抗器112との間のモータの状態を修正して、状態の変化が生じたことを確認することができる。
【0028】
典型的には、閉ループ制御状態は、モータ100からのシステムフィードバックを利用する。このフィードバックは、巻線20によって引き出された電流及びステータ16に対するロータ22の位置などのモータ信号を含むことができる。次いで、制御システムは、フィードバック信号を使用して、巻線20に印加される電圧、又は巻線20によって引き出された電流の量を調節し、ロータ22を一貫した回転速度で維持する。次に、フィールド指向制御を使用して、流体ポンプ10のモータ100のトルク、速度、及び位置制御の様々な大きさを実装することができる。モータ100の閉ループ制御状態はまた、流体ポンプ10のモータ100の最大トルク及び速度範囲にわたる効果的な制御及び能力を提供する。閉ループ制御状態は、リアルタイムの位置及びステータ電流フィードバックを利用して、速度制御及び電流制御を微調整し、流体ポンプ10のモータ100に結合されるインバータのデューティサイクルを修正することができる。これは、所望の値からの逸脱に対するモータフィードバックを補正するために、補正三相電圧供給が使用されることを保証する。
【0029】
開ループ制御状態は、典型的には、モータ100からのフィードバックを必要としないか、又は利用しない。むしろ、開ループ制御状態は、その周波数に比例して、供給電圧振幅を利用する。開ループ制御状態は、ロータ22の位置などの外部条件を考慮しないため、開ループ制御状態は、典型的には、所望されるモータ速度と実際のモータ速度との間の逸脱を補正するために使用されない。このため、開ループ制御状態及び閉ループ制御状態が、モータ100の使用にわたって互いの間で遷移することが頻繁である。上で考察されたように、フィールド指向制御アルゴリズム98は、開ループ制御状態と閉ループ制御状態との間のこれらの遷移を監視するために使用される。
【0030】
加えて、モータ100は、モータ100の位相進行状態で動作することができる。位相進行状態では、モータ100は、典型的には、最大定格速度を超えるより速い速度で動作することができる。より速い速度で移動しながら、モータ100もまた、より低いトルクで動作するのが典型的である。再び、フィールド指向制御アルゴリズム98は、モータ100の制御状態を監視して、閉ループ制御状態、開ループ制御状態、又は位相進行状態が流体ポンプ10のモータ100を制御するために利用されているかどうかを判定する、ソフトウェアベースのシステムである。フィールド指向制御アルゴリズム98が様々な状態間のこれらの遷移を監視するとき、コントローラ32は、これらの遷移を通信し、それらが発生したとき、要求に応じて報告することができるように、コントローラ32及び/又は車両160に通信する。
【0031】
デバイスの様々な態様によれば、流体ポンプ10用のコントローラ32は、特定のソフトウェアが製造日から更新されたかどうかを判定するために使用することができるメモリ82を含むことができる。特定の態様では、単一のビット又は一連のビットを、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメモリ82として使用して、特定のソフトウェア更新がアップロードされたかどうかを判定することができる。特定のソフトウェア更新がアップロードされると、RAMのビットは、マイナスからプラスに、又はその逆にシフトすることができる。したがって、この単一ビットメモリは、特定のソフトウェア更新が提供され、流体ポンプ10のコントローラ32にアップロードされたかどうかを肯定的又は否定的に確認するために使用することができる。
【0032】
加えて、流体ポンプ10の最新のソフトウェア更新を監視するために使用されるこれらのメモリビットは、流体ポンプ10の製造に関連する基本的な統計情報も含むことができる。この情報は、製造日、製造場所、モデル番号、及び流体ポンプ10の製造業者又は流体ポンプ10の構成要素に関連する他の同様の情報を含むことができる。典型的には、そのような情報は、情報テーブル80内など、コントローラ32のための読み取り専用メモリなどのメモリ82に埋め込まれる。この情報は、一般に、経時的に変化しない流体ポンプ10に関する事実情報である。製造日に関連するこの事実情報は、流体ポンプ10の経年変化、ソフトウェア更新に関連する製造日、及び流体ポンプ10に関する他の同様の日付及び経年変化に関連する情報を監視するために使用することができる。
【0033】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10内に含まれるセンサ36は、油圧流体経路30の障害、収縮、又は他の制限された部分が、流体ポンプ10又は流体流量システム内に存在するかどうかを監視するために利用することができる。電流センサ42は、モータ100の様々な巻線20に送達される電流を監視することができる。電流センサ42によって取得されるこれらの値は、流体ポンプ10のメモリ82又は車両160のメモリ82内に記憶される様々な情報テーブル80及び値のテーブルと比較することができる。値の表に対する電流値のこの比較は、低すぎる電流を識別するために使用することができる。電流が低すぎる場合、ポンプ要素28は、油に飢えていると説明することができる。別の言い方をすれば、ポンプ要素28を通って移動する油の量は、流体制限84がほとんどなく、ポンプ要素28を所望の回転速度で維持するためにより低い電流が必要であるように、低い。ポンプ要素28が飢えており、電流センサ42が低すぎる電流を測定する場合、流体ポンプ10の入口側120又は吸引側の制限84を示すことができる。逆に、流体ポンプ10の出口側122上の制限84は、ポンプ要素28内の流体14の蓄積をもたらし得る。ポンプ要素28内の流体14のこの蓄積は、増加した流体抵抗をもたらす。したがって、巻線20は、ロータ22及びポンプ要素28の動作を所望の一貫した回転速度で維持するために、増加した量の電流を引き出す。再び、電流センサ42は、巻線20に送達された電流を監視し、この値を、流体ポンプ10のメモリ82内に記憶される様々なテーブルと比較することができる。モータ100のために巻線20に送達された電流が高すぎる、又は低すぎる場合、これらの事象は、後で報告するためにメモリ82内に記憶され得る。
【0034】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10のコントローラ32は、(電圧センサを使用して)巻線20に送達された入力電圧、(電流センサを使用して)流体ポンプ10のステータ16の巻線20によって引き出された電流、及び流体ポンプ10及び/又は(温度センサ44を使用して)流体ポンプ10を通って移動する流体14の一部分の温度を内部的に測定する制御アルゴリズム98を含むことができる。これらの値は、比較されて、得られる電気抵抗値を導出する。この得られる電気抵抗値は、流体ポンプ10のメモリ82に記憶される情報テーブル80の値と比較される。これらの情報テーブル80は、流体ポンプ10の通常動作中に観察される通常抵抗値を有するテーブルを含むことができる。この電気抵抗値が、テーブル内に含まれる通常抵抗値を超えて増加した場合、これは、欠陥のあるワイヤハーネス、及び他の条件を示すことができる。欠陥のあるワイヤハーネスは、ステータ16の巻線20などの流体ポンプ10の電気部品に送達される不足電圧をもたらす可能性がある。この情報は、即時報告又は後の報告のために、車両160に通信することができる。
【0035】
図1~
図6を再び参照すると、本明細書において説明される電流センサ42は、流体ポンプ10によって移動されている流体14のステータスを査定するために利用され得る。限定ではなく一例として、電流センサ42が、流体ポンプ10内に記憶された情報テーブル80内に含まれる値を下回る引き出された電流を測定する場合、これは、モータ100が予想されるよりも少ない流体抵抗に遭遇することを示すことができる。より低い流体抵抗が経験される場合、これは、油圧流体経路30、全体としての流体送達システム12、又は流体ポンプ10内の低い流体レベルを示すことができる。油圧流体経路30を通って移動する流体14のレベルが通常動作レベルを下回ることに関するこの情報は、オペレータが問題に対処することができるように、又は車両160をサービス場所に連れて行くことができるように、車両160と直ちに通信することができる。これは、流体14が車両160のトランスミッション、ディファレンシャル、又は他の類似の構成要素内の自動変速機流体である状況において特に当てはまる。電流センサ42によってとられた測定値と情報テーブル80との間の導出はまた、本明細書において説明されるように、流体ポンプ10に関する他の問題を示し得る。
【0036】
デバイスの様々な態様によれば、実行時間センサ62及び温度センサ44を使用して、実行時間及びマイクロ温度を監視し、使用された流体14の寿命のパーセンテージ又は残りの流体14の寿命のパーセンテージを判定することができる。典型的には、経時的に、温度センサ44によって監視された温度は、流体14内の不純物及び他の破片64が、流体14の温度が上昇して閾値流体温度に達する速度を修正するのに役立つように変動する。再び、これは、車両160の自動変速機流体について特に当てはまる。温度増加速度又は最高温度のこれらの変動を記憶された情報テーブル80と比較して、任意の逸脱が存在するかどうかを評価することができる。実行時間センサ62及び温度センサ44を使用して、流体14の使用済及び残存寿命のパーセンテージを監視し、オペレータによる観察のために、又は後の報告のために、車両160に通信することができる。
【0037】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、流体ポンプ10内のモータ100の所望の速度又はコマンド速度又はコマンドトルクを内部的に追跡するコントローラ32を有する制御アルゴリズム98を含むことができる。制御アルゴリズム98は、コマンド値を、通常又は典型的な動作条件下で、流体ポンプ10内で利用される既知の動作範囲を含むオンボード情報テーブル80のコマンド値と比較する。コマンド速度又はコマンドトルク値、又は目標トルク値が、延長された、又は少なくとも所定の期間、情報テーブル80内に含まれる既知の有効動作範囲から逸脱している場合、コントローラ32は、車両160の較正又は流体ポンプ10の較正が成熟又は最新ではないことを示すことができる。次いで、この情報を報告のために車両160に通信することができる。この報告は、車両160の較正又は再較正が発生する場合、製造、組み立て、使用、又は他の時間枠中に有用であり得る。
【0038】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、スイッチングバルブを有するバルブ本体を含むことができる。流体ポンプ10はまた、流体温度、ステータ16の巻線20に送達された電流、ロータ22の速度、及びロータ22のトルクを内部的に追跡することができるオンボード制御アルゴリズム98を含む。コントローラ32は、これらの値を、既知の有効動作範囲を含む1つ以上のオンボード情報テーブル80内に記憶される同等の値と比較する。これらの既知の有効動作範囲は、監視及び記録された値と比較され、引き出された電流、ロータ22の速度、又はロータ22のトルクが、情報テーブル80の同等の値から所定の量だけ逸脱し、延長された期間又は所定の期間逸脱しているかどうかを判定する。逸脱が少なくとも所定の期間又は延長された期間にわたって発生した場合、これは、スイッチングバルブが固着しているか、動作不能であるか、又は別様に非効率的に動作可能であることを示すことができる。制御アルゴリズム98によって認識された場合、この情報は、後で報告するために、車両160に通信され得る。
【0039】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、流体14の所与の温度で実行状態にある流体ポンプ10のモータ100によって費やされる合計時間の長さを内部的に追跡する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。実行状態でモータ100によって費やされたこの時間の長さ及び流体温度情報は、実行時間/温度値を導出するように評価される。この実行時間/温度値は、経時的な流体ポンプ10の使用に基づいて、既知の許容可能な実行時間/温度値のオンボード情報テーブル80と比較される。監視された実行時間/温度値と許容可能な実行時間/温度値とのこの比較は、流体ポンプ10によって移動されている流体14の寿命、並びに流体ポンプ10によって移動されている流体14の使用寿命及び残存寿命を測定するために利用することができる。
【0040】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、流体ポンプ10内の様々な動作条件及び内部故障条件をアクティブに監視する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。特定の条件では、これらの動作内部及び内部故障条件は、流体ポンプ10の非有効動作条件又は故障状態を示す、特定の規定された様式で組み合わせることができる。この条件では、オンボード制御アルゴリズム98は、流体ポンプ10が自己修正することができず、交換されることが必要であり得ることを車両160に通知することができる。この情報は、報告のために車両160に通信することができる。加えて、流体ポンプ10の故障条件は、流体ポンプ10、並びに流体ポンプ10が動作流体14を送達する機構に関連する、車両160の他の故障を示し得る。
【0041】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、通信されたボーレート(典型的にはビット毎秒)よりも複数倍速いレートで、流体ポンプ10のキー動作パラメータをサンプリングする、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。コントローラ32は、典型的には、ボーレートで、電流、電圧、ロータ22の回転速度、故障表示、並びに流体ポンプ10及び流体ポンプ10を通って移動する流体14の温度を測定する。制御アルゴリズム98は、コントローラ32によって実行されたこのサンプリング速度を、ボーレートに対して5倍から20倍以上速くすることができる増加したサンプリングレートに増加させる。典型的には、オンボード制御アルゴリズム98は、ボーレートの通信のレートよりも10倍速いレートで動作パラメータをサンプリングすることができる。データの繰り返しサンプリング中に、オンボード制御アルゴリズム98によって捕捉された情報は、特定のサンプルサイズに達するまで、オンボードメモリ82内に記憶される。次いで、この情報は、情報が上書きされ、サンプリングプロセスが繰り返される前に、自動的に、又は要求に応じて、車両160に通信される。この情報は、24時間ごとの期間が、その特定の日の間の流体ポンプ10の情報の別個の情報ブロックであるように、24時間ごとに書き換えることができる。他のスケールの情報及び時間は、オンボードメモリ82と共に利用することができる。加えて、車両160がより多くの使用を経験する場合、情報のより頻繁なアップロードが行われ得る。
【0042】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、流体入口内又はその近くに汚染トラップ130を含み、凹型空洞132の形態であり得るポンプ開口部内により大きい粒子及び破片64を隔離し、捉え、又は別様に捕捉することができる。この凹型空洞132は、その中の大きい破片64を重力的に捕捉して、この大きい破片64がポンプ要素28のポンプギアに進入することを防止するのに役立つ。この大きい破片64は、ポンプ要素28の構成要素を摩耗させるだけでなく、ポンプ要素28の個々のポンプチャンバ間の漏れを引き起こす可能性がある。流体ポンプ10が清掃、交換、又は別様にメンテナンスされ得るように、様々なセンサ36が、凹型空洞132内に含まれて、凹型空洞132がこれらのより大きい粒子で容量に近づいているときを判定することができる。加えて、破片64のより大きい粒子を捕捉するための凹型空洞132は、流体ポンプ10を通って移動する流体14の寿命又は透明度を判定するために、様々なセンサ36と組み合わせて使用することができる。これらの2つの構成要素、及び本明細書において説明される他の構成要素は、組み合わせて使用され、流体ポンプ10のステータスを判定するために使用することができる。この凹型空洞132は、流体ポンプ10の入口若しくは出口の近く、又は流体ポンプ10のポンプ要素28の近くに位置決めされ得る。
【0043】
図6を参照すると、流体ポンプ10のポンプ要素28は、駆動シャフト26の回転シャフト24を中心に駆動シャフト26と共に回転するように位置決めされている、内部ギア142を有する生成されたロータ140の形態であり得る。偏心ギア144は、内部ギア142の周りに位置決めされ、この偏心ギア144は、流体ポンプ10の偏心リング146内のオフセット軸を中心に回転するように位置決めされる。このオフセット軸は、回転シャフト24の周りで回転する内部ギア142と組み合わせて、生成されたロータ140を通して流体14を移動させるための吸引力及び圧力を生成する、様々なポンプチャンバを生成する。デバイスの様々な態様では、生成されたロータ140は、ポリマー系のポンピング要素であり得る。ポンプ要素28のポリマー系材料148は、金属破片などの流体14内の様々な破片64を生成されたロータ140のポリマー材料内に埋め込ませるために使用することができる。生成ロータ140の歯及びギアが噛み合い、破片64が生成ロータ140を通って移動すると、破片64は、ポリマー材料内に埋め込まれ、この材料が流体ポンプ10の油圧流システムの残りの部分を通って移動することを防止する。内部ギア142が偏心ギア144と係合する場所では、破片64は、ポンプ要素28内で動作ショック事象又は詰まりを引き起こし得る。ポリマー系材料148が使用される場合、破片64は、ポリマー系材料148内に押し込まれるか、又は別様にポリマー系材料148内に埋め込まれ得る。経時的に、ポンプ要素28を交換する必要が生じ得る。交換すると、埋め込まれた破片64もまた、流体ポンプ10から除去される。また、ポンプ要素28が、コーティングとして金属成分を囲むポリマー系材料148を有する金属部材であり得ることも企図される。このポリマー系材料148は、この材料が流体ポンプ10の油圧流システムを通って流れることを防止するために、破片64をその中に埋め込ませるために使用することができる。これらの粒子を捕捉することによって、ポンプ要素28の構成要素又はギアが早期に結合又は摩耗しないように、これらのより大きい粒子をポンプ要素28の構成要素内に吸収すること又は埋め込むことができる。
【0044】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、車両160の電気システム164の車両バスなどからの流体温度、並びに電圧、推定速度、統合ポンプコントローラ32からの電流、及び他の同様のデータポイントを測定する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。これらのデータポイントは、入力として提供され、流体ポンプ10の出力として、推定容積効率を生成するように提供される。次いで、この効率は、動作中の効率パーセンテージとして、車両160に通信し戻される。流体温度、電圧、推定速度及び電流は、様々な出力データポイントと比較するために、入力情報として使用される。これらの入力及び出力データポイントは、動作中に流体ポンプ10の容積効率を生成するために比較される。次いで、これらのデータポイントを、後で報告するために、コントローラ32及び/又は車両160に通信することができる。
【0045】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、車両160の電気システム164の車両バスからの流体温度、電圧、推定速度、モータトルク/電流定数(Kt)、及び統合コントローラ32からの電流の形態で、様々な入力を捕捉及び記録する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。これらのデータポイントは、入力として提供され、流体ポンプ10の出力として、全体効率を推定するために使用される。これは、様々な数学的演算によって、計算することができる。1つのそのような動作は、以下を含むことができるが、これらに限定されない:
(推定出口圧力×推定流体流量)
(入力電圧×入力電流)
【0046】
次いで、この得られる計算を、流体ポンプ10の動作中の効率パーセンテージとして、コントローラ32及び/又は車両160に通信し戻すことができる。この計算は、電圧及び電流が流体ポンプ10に入力されているかどうかを判定し、流体ポンプ10の所望の動作効率をもたらすために使用される。これらの測定値は、温度、電圧、ロータ22及び/又はポンプ要素28の推定回転速度、モータ定数、並びに電流の形態で、様々なセンサ36によって、データポイントを介して反映される。
【0047】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、車両160の電気システム164の車両バスからのような流体温度、電圧、推定速度、モータトルク/電流定数(Kt)、及び流体ポンプ10のコントローラ32からの電流を捕捉するために、様々なセンサ36を使用する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。これらのデータポイントは、目標流体温度を達成するために、経過した時間を推定するための入力として提供される。目標温度に達するまでの時間が低すぎる場合、これは、流体ポンプ10内の特定の問題の症状であり得る、不足電流を示すことができる。目標温度があまりにも早く達成される場合、これは、流体ポンプ10の別個の問題を示し得る過電流を示し得る。目標温度からのこれらのデータポイントの逸脱は、後で報告するために、コントローラ32及び/又は車両160に通信することができる。
【0048】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、車両バス、電圧、モータトルク/電流定数(Kt)、及び統合コントローラ32からの電流などから流体温度を測定する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。これらのデータポイントは、モータ100のトルクの形態で、出力として圧力を推定するために提供される入力である。これにより、流体ポンプ10は、流体ポンプ10の動作中の任意の時点で所望され得る出口圧力目標を受信することができる。次いで、流体ポンプ10は、モータ100内の推定値とコマンド圧力又はトルクとの間の誤差又は逸脱を最小化するように動作することができる。推定値とコマンド圧力との間の逸脱は、後で報告するために、コントローラ32及び/又は車両160に通信することができる。圧力のこれらの逸脱は、流体ポンプ10内のより大きい問題を示すことができる。流体14のより低い圧力は、流体ポンプ10の飢餓条件をもたらし得る、流体14の低レベル又は流体ポンプ10の入口における閉塞を示すことができる。逆に、流体ポンプ10内の過剰圧力は、流体ポンプ10の出口側122における閉塞によって引き起こされ得る、流体ポンプ10内の過剰な流体14を示すことができる。
【0049】
図1~
図6を再び参照すると、流体ポンプ10は、車両160の電気システム164の車両バスなどからの流体温度、電圧、ロータ22、ポンプ要素28又は流体14の実際の速度、及び流体ポンプ10のための統合コントローラ32からの電流を捕捉する、オンボード制御アルゴリズム98を含むことができる。これらのデータポイントは、入力として使用することができ、出力として流体14の推定容積流量又は速度を生成するために提供される。これは、一定量の流体14が、流体ポンプ10によって入口から出口まで移動される必要があるように、流体ポンプ10が目標容積流量、又は出口流量目標を受信することを可能にする。次いで、流体ポンプ10は、推定容積流体流量と所望又は目標容積流体流量との間の誤差又は逸脱を最小化するように動作することができる。これらの推定容積流体流と目標容積流体流との間の逸脱は、後で報告するために、コントローラ32及び/又は車両160に通信することができる。
【0050】
本明細書において説明されるデバイスの様々な態様は、流体ポンプ10、それを通って移動する流体14、及び流体ポンプ10によって供給されるより大きい機械的アセンブリのステータスのトラブルシューティング、診断、メンテナンス、又は別様に監視するために使用することができる。本明細書において説明されるこれらの解決策は、流体ポンプ10に関連する様々な診断機能を提供するために、組み合わせて使用することができることを理解されたい。デバイスの特定の態様では、センサ36のうちの1つによって測定された読み取り値は、流体ポンプ10内に存在するいくつかの可能な条件を示し得る。センサ36、機構及び制御アルゴリズム98の組み合わせを使用して、情報の層を分析及び比較して、同様の症状の提示を有し得る特定の条件を除外し、流体ポンプ10内に実際に存在し得る可能な条件の少数のセット、又は1つの可能な条件を診断することができる。
【0051】
本明細書において説明されるように、流体ポンプ10内又は流体ポンプ10の周りに含まれるセンサ36の様々な報告機能は、流体ポンプ10内に記憶されたメモリ82に報告することができるか、後で報告するために、車両160に通信することができるか、オペレータへのような即時報告のために、車両160に通信することができるか、又は定期的に記録され、送達され、次いで、特定の報告ベンチマークが達成された後に、上書きすることができる。本明細書において説明される様々な報告機能は、車両160のヘッドアップディスプレイ、車両160内に含まれる様々な警告信号、車両160のメンテナンス中に通信される様々な警告信号、それらの組み合わせ、及び他の同様の報告時間枠を通して達成され得る。問題が直ちにユーザに報告されるかどうか、後で報告するために記憶されるかどうか、又はその両方は、条件の重大度に依存し得る。特定の条件がより大きい機械アセンブリ、又は車両160の健全性に影響を与え得る場合、問題は、それに対処することができるように、典型的には、ユーザに直ちに通信され得る。問題が効率の問題又は流体ポンプ10の経年変化に関連し得る場合、この情報は、後続のサービス訪問中に通信され、対処されるように記憶され得る。
【0052】
ここで
図1~
図24を参照すると、デバイスの様々な態様を説明しているが、車両160又は他の電気機械アセンブリ内に配設された流体ポンプ10を動作させるための一連の方法及びサブルーチンが開示される。開示されたサブルーチンは、流体ポンプ10のコントローラ32内に組み込まれている、オンボード制御アルゴリズム98を動作させるために使用することができる。典型的には、このオンボード制御アルゴリズム98は、コントローラ32内に記憶され得るか、外部メモリに送信され得るか、又は自動的に又は要求に応じて、外部場所に通信され得る特定の出力を生成するために利用される。
【0053】
図1~
図8を参照すると、方法400は、車両160内で流体ポンプ10を動作させることを含み、車両160は、流体ポンプ10と各々通信している流体送達システム12、電気システム164、及びデータ及び通信システム166を含む。方法400は、コントローラ32を使用して、モータ100を動作させるステップ402を含む。モータ100が動作すると、流体14は、ポンプ要素の動作に従って、油圧流体経路30を通って移動される(ステップ404)。複数のパラメータは、流体ポンプ10のコントローラ32内に組み込まれる、又はコントローラ32と通信して配置される複数のセンサ36を使用して監視される(ステップ406)。本明細書において説明されるように、複数のパラメータは、コントローラ32、モータ100、流体14、及び流体ポンプ10のための油圧流体経路30のうちの少なくとも1つに関連する。オンボード制御アルゴリズム98は、流体ポンプ10の複数のセンサ36のうちの1つ以上と協働して、流体ポンプ10の動作条件に関連する出力を判定するコントローラ32を利用して動作する(ステップ408)。出力が生成されると、通信が送達され、通信は出力に関連する(ステップ410)。この出力は、コントローラ32内に組み込まれた内部メモリ、車両160内若しくは車両160の外部のいずれかの外部メモリ、又は車両160内若しくは車両160の外部にある外部コントローラ32のうちの1つに送達される。本明細書において説明されるように、この出力は、車両160上で動作するユーザ又はサービス技術者による特定の要求に応じて送達することができる。加えて、出力は、モータ100及びコントローラ32の動作中に、自動的に送達され得る。デバイスのそのような態様では、出力は、出力が生成されるときにリアルタイムで送達され得るか、又は特定の数の出力が蓄積された後に送達され得る。
【0054】
ここで
図9~
図24を参照すると、コントローラ32内に組み込まれているオンボード制御アルゴリズム98は、1つ以上のサブルーチンを実行し、複数のセンサ36のうちの1つ以上によって提供される様々な測定値及びデータを利用して動作する。この情報は、情報テーブル80を通して取得される情報、又は流体送達システム12、電気システム164、及び/又はデータ及び通信システム166に関連する車両160からの情報と組み合わせることができる。この情報を利用して、オンボード制御アルゴリズム98は、様々な情報を分析及び評価して、流体ポンプ10の動作条件に関連する出力に到達する。例示的なサブルーチンが本明細書において説明及び開示されるが、オンボード制御アルゴリズム98のこれらのサブルーチンは、同時に、同時期に、順次、独立して、集合的に、又は他の様々な組み合わせ及び順列で動作することができることが企図される。また、オンボード制御アルゴリズム98のサブルーチンの追加の態様が企図され、それらは、本明細書において説明される複数のセンサ36の様々なセンサ36を利用することも企図される。
【0055】
図9に例示されるように、サブルーチン500は、複数のセンサ36の加速度計38を使用して測定されるように、ロータの回転動作の形態で、流体ポンプ10の動作条件に関連する出力を生成するために利用される。サブルーチン500によれば、出力は、加速度計38の測定値に基づいて、動作ショック事象が発生したかどうかを分析することによって、判定される(ステップ502)。この分析が完了した後、オンボード制御アルゴリズム98は、動作ショック事象が内部許容閾値の外にあるかどうかを判定する(ステップ504)。内部許容閾値の外では、動作ショック事象はタイムスタンプされ、リアルタイムで、又は後で要求されたときに記録される。
【0056】
ここで
図10を参照すると、動作制御アルゴリズム98のサブルーチン520は、油圧流体経路30を通って移動する流体14の透明度に関連して、出力を生成する。サブルーチン520によれば、透明度は、流体14を通って放射された光子を送達するエミッタを動作させることによって判定される(ステップ522)。放射された光子は、感知された光子を判定するために、レシーバを使用して感知される(ステップ524)。次いで、オンボード制御アルゴリズム98は、流体14の透明度を取得するために、放射された光子と感知された光子との間の相対変化を判定する(ステップ526)。本明細書において説明されるように、透明度の形態のこの出力は、油圧流体経路30を通って移動する流体14の残存寿命のパーセンテージを判定するために使用することができる。
【0057】
ここで
図11を参照すると、サブルーチン540は、オンボード制御アルゴリズム98を利用して、油圧流体経路30内の流体14の残存寿命のパーセンテージに関連する出力を生成する。サブルーチン540によれば、オンボード制御アルゴリズム98は、実行時間センサ62を使用して、現在の実行時間を監視する(ステップ542)。流体14の温度は、温度センサを使用して、監視される(ステップ544)。次いで、流体14の温度に対する現在の実行時間を分析して、油圧流体経路30内の流体14の残存寿命のパーセンテージを判定する(ステップ546)。本明細書において説明されるように、流体14の温度に対する現在の実行時間は、様々な情報テーブル80及びその中に含まれる値に対して分析されて、流体14の残存寿命のパーセンテージに到達することができる。
【0058】
ここで
図12を参照すると、オンボード制御アルゴリズム98が、油圧流体経路30における制限84を通って移動する流体14の温度に関連する出力を生成する、サブルーチン560が開示されている。サブルーチン560によれば、巻線20によって引き出された電流は、電流センサを使用して監視される(ステップ562)。制限84を通って移動する流体14の速度又は流量は、流体流量センサを使用して、監視される(ステップ564)。制限84を通る流体14の流量の評価に基づく流体14の温度は、巻線20によって引き出された電流に関連して分析される(ステップ566)。制限84を通る流体14の流量に関連して分析された巻線20によって引き出された電流は、油圧流体経路30内の流体14の温度を示す。
【0059】
ここで
図13を参照すると、出力が、ステータ16の巻線20の相巻線ごとのRMS相電流の推定値に関連するサブルーチン580が開示されている。サブルーチン580によれば、相巻線20のうちの1つへの電流は、電流センサを使用して監視される(ステップ582)。相巻線20のうちの1つによって引き出されたこの電流を利用して、相巻線20の3つ全てのRMS相電流を推定して、相巻線20の各々における推定RMS相電流を判定することができる(ステップ584)。
【0060】
ここで、
図14を参照すると、出力が巻線20のブリッジ温度に関連するサブルーチン600が開示される。サブルーチン600によれば、電流は、PTC抵抗器を介して送達される(ステップ602)。電流が経時的にPTC抵抗器を横断するときの抵抗の変化が監視される(ステップ604)。抵抗のこの変化は、流体ポンプ10の動作中の巻線20のブリッジ温度を示す。
【0061】
ここで
図15を参照すると、サブルーチン620は、コントローラ32の診断に関連する出力を生成する。サブルーチン620によれば、コントローラ32は、フィールド指向制御アルゴリズム98を使用して、それ自身の動作の分析を行う(ステップ622)。この分析に基づいて、自己監視コントローラであるコントローラ32は、それが閉ループ状態、開ループ状態、又は位相進行状態のうちの1つで動作しているかどうかを判定する(ステップ624)。フィールド指向制御アルゴリズム98の使用に基づいて、コントローラ32内で様々な修正及び変更を行うことができる。
【0062】
デバイスの様々な態様によれば、かつ本明細書において説明されるように、オンボード制御アルゴリズム98は、1つ以上の情報テーブル80から取得された様々な値を組み込むことができる、又は利用することができる。典型的には、これらの情報テーブル80は、流体ポンプ10の通常動作を示す。オンボード制御アルゴリズム98によって取得された値がこれらの通常動作値を上回る、又は下回るとき、これは、コントローラ32がメモリ82又は外部ソースに通信するために出力が生成されるような問題を示すことができる。
【0063】
ここで、
図16を参照すると、出力が油圧流体経路30の条件に関連するサブルーチン700が開示される。サブルーチン700によれば、巻線20によって引き出された電流は、電流センサ42を使用して分析され、電流値を判定する(ステップ702)。次いで、電流値を分析して、それらが情報テーブル80内に含まれる対応する値の通常電流値内にあるかどうかを判定する(ステップ704)。サブルーチン700によれば、ステップ706は、電流値が通常電流値を下回るときに、油圧流体経路30の入口に可能な入口障害物が存在することを通信することを含むことができる。サブルーチン700のステップ708は、電流値が通常電流値を上回るときに、油圧流体経路30の出口に可能性のある出口障害物が存在することを通信することを含む。
【0064】
ここで
図17を参照すると、サブルーチン740は、流体ポンプ10のモータ100のためのワイヤハーネスの条件に関連する出力を生成するために利用される。サブルーチン740によれば、巻線によって引き出された電流を分析して、電流値を判定する(ステップ742)。巻線20によって使用される電圧もまた、電圧値を判定するために分析される(ステップ744)。モータ100のモータ温度が、判定される(ステップ746)。電流、電圧、及びモータ温度を比較して、電流抵抗値を導出する(ステップ748)。電流抵抗値は、情報テーブル80の値のセット内に含まれる通常抵抗値と比較される(ステップ750)。ステップ752は、電流抵抗値が通常抵抗値を所定の閾値だけ超えたときに、ワイヤハーネスは欠陥があり得ることを通信することを含む。
【0065】
ここで
図18を参照すると、サブルーチン760は、車両160の油圧流体経路30及び流体送達システム12内の流体14のレベルに関連する出力を生成するために使用される。サブルーチン760によれば、巻線20によって引き出された電流を分析して、電流値を判定する(ステップ762)。次いで、コントローラ32は、電流値が、情報テーブル80内の値のセットの通常電流値内にあるかどうかを判定する(ステップ764)。サブルーチン760はまた、電流値が通常電流値の外にあるときに、流体送達システム12内の流体14のレベルが最小閾値量を下回り得ることを通信することを含むステップ766を含む。
【0066】
ここで
図19を参照すると、サブルーチン780は、流体ポンプ10の較正ステータスに関連する出力を生成するために使用される。サブルーチン780によれば、ロータの回転速度及びロータのトルク出力のうちの1つを分析して、ロータ出力値を判定する(ステップ782)。次いで、コントローラ32は、ロータ出力値が、情報テーブル80の値のセットの通常ロータ動作値の外に逸脱しているかどうかを判定する(ステップ784)。次いで、コントローラ32は、そのような逸脱が事前設定された期間に発生したかどうかを判定する(ステップ786)。次いで、コントローラ32は、ロータ出力値が事前設定された期間に、通常ロータ動作値の外に逸脱しているときに、較正ステータスが古くなっていることを通信する(ステップ788)。
【0067】
ここで
図20を参照すると、サブルーチン820は、流体ポンプ10のポンプ要素28の推定容積効率に関連する出力を生成する。サブルーチン820によれば、コントローラ32は、車両160のための電気システム164の車両バスを介して、流体送達システム12内の流体14の流体温度を取得する(ステップ822)。次いで、コントローラ32は、複数のセンサ36の電圧センサを介して、モータ100の巻線20内で使用される現在の電圧を取得する(ステップ824)。コントローラ32はまた、複数のセンサ36の回転センサを介して、ロータの推定現在回転速度を取得する(ステップ826)。コントローラ32はまた、複数のセンサ36のうちの電流センサを使用して、巻線20によって引き出された電流を取得する(ステップ828)。コントローラ32は、流体温度、現在の電圧、推定現在回転速度、及び電流を、オンボード制御アルゴリズム98によって利用される入力として組み合わせる(ステップ830)。オンボード制御アルゴリズム98は、流体ポンプ10についてのポンプ要素28の推定容積効率を判定するために、入力を分析する(ステップ832)。
【0068】
ここで、
図21を参照すると、サブルーチン840は、ポンプ要素28の推定全体効率に関連する出力を生成する。サブルーチン840によれば、コントローラ32は、車両160のための電気システム164の車両バスを介して、流体送達システム12内の流体14の流体温度を取得する(ステップ842)。コントローラ32はまた、複数のセンサ36の電圧センサを介して、現在の電圧を取得する(ステップ844)。コントローラ32は、複数のセンサ36の回転センサを介して、ロータの推定現在回転速度を取得する(ステップ846)。コントローラ32はまた、複数のセンサ36のうちの電流センサを使用して、巻線20によって引き出された電流を取得する(ステップ848)。次いで、コントローラ32は、回転センサ及び電流センサを介して、モータトルク/電流定数(Kt)を取得する(ステップ850)。サブルーチン840のステップ852によれば、コントローラ32は、オンボード制御アルゴリズム98を形成し、アルゴリズムによって評価される入力として、流体温度、現在の電圧、推定現在回転速度、電流、及びモータトルク/電流定数を使用する。次いで、コントローラ32は、これらの入力を分析して、ポンプ要素の推定全体効率を判定する(ステップ854)。
【0069】
ここで、
図22を参照すると、サブルーチン860は、流体14及び流体送達システム12の目標流体温度を達成するための推定時間に関連する出力を生成する。サブルーチン860によれば、コントローラ32は、車両160のための電気システム164の車両バスを介して、流体送達システム12内の流体14の流体温度を取得する(ステップ862)。コントローラ32はまた、電圧センサを介して、現在の電圧を取得する(ステップ864)。ロータの推定現在回転速度もまた取得される(ステップ866)。巻線20によって引き出された電流は、複数のセンサ36のうちの電流センサを使用して、取得される(ステップ868)。モータトルク/電流定数(Kt)は、回転センサ及び電流センサを介して、取得される(ステップ870)。オンボード制御アルゴリズム98は、これらの取得された値を、入力として利用する(ステップ872)。次いで、コントローラ32は、これらの入力を分析して、流体送達システム12における流体14の目標流体温度を達成するための推定時間を判定する(ステップ874)。
【0070】
ここで、
図23を参照すると、ポンプ要素28の推定トルク出力に関連する出力を取得するために、サブルーチン890が利用される。サブルーチン890によれば、コントローラ32は、車両160のための電気システム164の車両バスを介して、流体送達システム12内の流体14の流体温度を取得する(ステップ892)。コントローラ32はまた、モータ100の現在の電圧を取得し(ステップ894)、ロータのトルク出力を取得し(ステップ896)、巻線20によって引き出された電流を取得し(ステップ898)、モータトルク/電流定数(Kt)を取得する(ステップ900)。次いで、コントローラ32は、これらの測定値を入力として使用する、オンボード制御アルゴリズム98を実行する(ステップ902)。これらの入力は、ポンプ要素28の推定トルク出力を判定するために分析される(ステップ904)。コントローラ32はまた、出力トルク目標を取得する(ステップ906)。この出力トルク目標は、データテーブルから、又は車両160の外部コントローラ32から、又はいくつかの他のソースから取得することができる。次いで、モータ100は、推定トルク出力と出力トルク目標との間の逸脱を最小化するように動作する(ステップ908)。
【0071】
ここで、
図24を参照すると、サブルーチン920は、ポンプ要素28の推定流量出力に関連する出力を生成する。サブルーチン920によれば、コントローラ32は、流体送達システム12内の流体14の流体温度を取得し(ステップ922)、電圧センサを介して、現在の電圧を取得し(ステップ924)、速度センサを介して、ロータの実際の回転速度を取得し(ステップ926)、電流センサを使用して、巻線20によって引き出された電流を取得する(ステップ928)。次いで、コントローラ32は、これらの測定されたパラメータを入力として利用する、オンボード制御アルゴリズム98を実行する(ステップ930)。これらの入力は、ポンプ要素28の推定流量出力を判定するために分析される(ステップ932)。出力流量目標は、データテーブルから、車両160から、又は外部ソースからのいずれかから取得される(ステップ934)。次いで、モータ100は、推定流量出力と出力流量目標との間の逸脱を最小化するように動作する(ステップ936)。
【0072】
本明細書において説明される様々なデータポイント及びベンチマークは、その有効寿命中に車両160の動作を維持するために利用され得る。このデータはまた、流体ポンプ10の特定のパーセンテージ内で経験され得る特定の問題を軽減し得る、将来の流体ポンプ10の設計のためのトラブルシューティング情報として使用することができる。流体ポンプ10の将来の製造のために、様々な情報を中央場所で製造業者にアップロードすることができる。この情報は、遠隔接続を介して、車両160内で直接通信することができ、又は様々なサービスステーション、製造業者及び他の車両関連事業から製造業者に送達することができる。
【0073】
本明細書において説明される流体ポンプ10は、単一のポンプ要素28を有する流体ポンプ10、デュアルポンプ/単一のモータ流体ポンプ、回転流体ポンプ、ピストン式流体ポンプ、及び車両160の様々な構成要素に冷却/潤滑を提供するために使用される他の同様の流体ポンプのうちのいずれかであり得るが、これらに限定されない。
【0074】
本開示の概念から逸脱することなく、上述した構造に変更及び修正が行われ得ることも理解されるべきであり、更に、これらの特許請求の範囲がそれらの言語によって別途明示的に述べていない限り、そのような概念は、以下の特許請求の範囲によって網羅されることを意図することが理解されるべきである。
【国際調査報告】