(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】複合磁性部品が実装された回路基板
(51)【国際特許分類】
H01F 37/00 20060101AFI20240226BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20240226BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20240226BHJP
H01F 1/147 20060101ALI20240226BHJP
H01F 1/34 20060101ALI20240226BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20240226BHJP
H05K 1/16 20060101ALI20240226BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240226BHJP
【FI】
H01F37/00 A
H01F30/10 A
H01F30/10 K
H01F30/10 M
H01F30/10 Z
H01F37/00 E
H01F37/00 K
H01F37/00 Z
H01F37/00 G
H01F37/00 T
H01F27/24 Z
H01F1/147 166
H01F1/34 140
H01F27/00 R
H05K1/16 B
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550671
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 KR2022003280
(87)【国際公開番号】W WO2022191588
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0031242
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンギ
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンウォン
【テーマコード(参考)】
4E351
5E041
5E070
5H770
【Fターム(参考)】
4E351BB11
4E351BB15
4E351BB33
4E351GG20
5E041AA02
5E041AA19
5E041AB02
5E041CA02
5E070AA05
5E070AB01
5E070BA08
5E070BB01
5H770AA05
5H770QA01
5H770QA06
5H770QA25
(57)【要約】
本発明は電気自動車の核心モジュールに適用可能なメイン磁性部品に関する。本発明の一実施例である複合磁性部品は、入力側電力を変換して出力側に伝達し、第1コア及び前記第1コア内に配置される第1コイルを有するトランスフォーマーと、FET動作損失がないように残留電流を前記入力側に還流させ、第2コア及び前記第2コア内に配置される第2コイルを有するZVSインダクターと、前記出力側電流のリップルを除去し、第3コア及び前記第3コア内に配置される第3コイルを有する出力インダクターと、前記出力側電流の電子ノイズを低減し、第4コア及び前記第4コア内に配置される第4コイルを有するEMIインダクターとを含む。ここで、前記第2コア、第3コア、及び第4コアは互いに異なる材質から製造され、前記第1コア及び第2コアは同一材質から製造される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路部が形成された基板と、
前記基板上に配置された第1モジュールと、
前記基板上に第1モジュールに隣接して配置され、前記第1モジュールと前記回路部を介して電気的に連結された第2モジュールと、を含み、
前記第1モジュールは、
入力側電力を変換して出力側に伝達するように、第1コア及び前記第1コア内に配置され、1次側コイル及び2次側コイルを含む第1コイルを有するトランスフォーマーと、
前記トランスフォーマーに隣接して配置され、残留電流を前記入力側に還流させるように、第2コア及び前記第2コア内に配置される第2コイルを有するZVSインダクターと、を含み、
前記第2モジュールは、
前記出力側電流のリップルを除去するように、第3コア及び前記第3コア内に配置される第3コイルを有する出力インダクターと、
前記出力インダクターに隣接して配置され、前記出力側電流の電子ノイズを低減するように、第4コア及び前記第4コア内に配置される第4コイルを有するEMIインダクターと、を含み、
前記第1コイルと前記第2コイルとは電気的に互いに連結され、前記第1コアから前記第2コアに向かう第1方向に少なくとも一部が重畳し、
前記第3コイルと前記第4コイルとは前記回路部を介して電気的に互いに連結され、前記第3コアと前記第4コアとは前記第1方向に垂直な第2方向に少なくとも一部が重畳し、
前記第1コアの材質及び第2コアの材質は互いに同一であり、前記第2コアの材質は前記第3コア及び第4コアのうちの少なくとも一つの材質と異なる、回路基板。
【請求項2】
前記第1及び第2コアは、フェライトを含み、
前記第3及び第4コアは、Fe(鉄)及びSi(シリコン)を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
少なくとも一部が前記第3コアの内部に配置され、前記第3コイルを収容する第1ベースと、
前記第4コアを収容する第2ベースと、をさらに含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1ベースは、
前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、
前記第3コイル着座部で前記貫通ホールを取り囲むように形成された内側壁と、
前記第3コイル着座部の外周に形成され、前記第3コアの外に出た平角線コイルが通るようにコイル経路溝が形成された外側壁と、を含む、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1ベースは、
前記第3コイル着座部の両側に形成され、前記第3コアの一対の外足が挿入されて位置する一対の第3コア外足溝部を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第3コア外足溝部のそれぞれは、前記外足を間に挟んで前記外側壁から外方に延びた一対の第1延長壁を含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1ベースは、前記第3コイル着座部の一側に第1コイルホールが形成され、
前記第3コイルは前記第1コイルホールに挿入されて配線される、請求項5に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1ベースは、前記第3コイル着座部から前記第3コアの外に延び、少なくとも一つの締結ホールが形成された締結部をさらに含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2ベースは、
前記第4コアが着座して支持される第4コア着座部と、
前記第4コイルが着座する第4コイル着座部と、を含み、
前記第4コア着座部は、
前記第4コアを間に挟んで配置される一対の垂直壁と、
前記各垂直壁の下端から突出し、前記第4コアが着座して支持される着座突起と、を含み、
前記第4コイル着座部は、前記第4コア内で前記一対の垂直壁を連結するように形成される、請求項3に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第2ベースは、前記第4コイル着座部から延び、ピンホールが形成されたピン部を含む、請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1ベースと前記第2ベースとは一体に形成されている、請求項3に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第1ベースは、
前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、
前記第3コイル着座部の一側から前記第3コイルのコイル線の厚さよりも低く突出し、前記第3コアの外に出る前記第3コイルが通るようにコイル経路溝が形成された突出部と、を含む、請求項3に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第3コイルの一側端部は前記第4コア上に配置され、
前記第3コイルが前記第4コア上に配置された状態で、前記第4コアの上面及び両側面を取り囲むブラケットをさらに含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第3コイル及び第4コイルは前記第3コア内に入って前記第3コアの中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、前記第3コアの外に出て上方に折り曲げられ、前記第4コアを貫通するように配線された単一の平角線コイルから連続的に形成されている、請求項1に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第3コアはNi(ニッケル)をさらに含み、
前記第4コアはB(ボロン)をさらに含む、請求項2に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車の核心モジュールに適用可能なメイン磁性部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車[xEV;ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(EV)などの通称]は、核心モジュールとして、DC-DCコンバーター、OBC(On Board Charger)、インバーターなどを含む。
【0003】
電気自動車は、電気モーターを駆動するための高電圧バッテリーと、電装負荷に電源を供給するための補助バッテリーとを一緒に備えることが通常であり、補助バッテリーは高電圧バッテリーの電力によって充電することができる。
【0004】
ここで、補助バッテリーの充電のためには、高電圧バッテリーの直流電源を補助バッテリーの電圧に対応する直流電源に電圧を降下して変換する必要があり、このために使用するものがDC-DCコンバーターである。
【0005】
電気自動車の高電圧バッテリーは外部電源から緩速にまたは急速に充電できるように設計されている。ここで、外部電気であるAC電気から高電圧バッテリーDCに電力変換するために、その充電装置としてOBCを使用する。
【0006】
このような核心モジュールは、2以上の磁性部品が複合的に回路基板に実装された形態を有することができ、磁性部品の複合的構成及び配置などは、電気自動車の燃費向上のために、システム効率、高密度及び軽量化などを向上させる方向に技術研究が加速化している。
【0007】
特に、大型車両メーカーの場合、価格競争力と一緒に優先視されるものがコンパクト化及び高効率化であり、限定された空間に高性能のモジュール特性を具現するためには、モジュールに適用されるメイン磁性部品の高密度及び高性能設計が必須であると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は電気自動車の核心モジュールに適用可能な高密度及び高効率の磁性部品複合モジュールが実装された回路基板を提供することを一つの目的とする。
【0009】
特に、DC-DCコンバーターモジュールに適用することができる高密度及び高効率の回路基板であって、複合磁性部品が実装された回路基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例である回路基板は、回路部が形成された基板と、前記基板上に配置された第1モジュールと、前記基板上に第1モジュールに隣接して配置され、前記第1モジュールと電気的に連結された第2モジュールと、を含む。
【0011】
ここで、前記第1モジュールは、入力側電力を変換して出力側に伝達するように、第1コア及び前記第1コア内に配置され、1次側及び2次側コイルを含む第1コイルを有するトランスフォーマーと、前記トランスフォーマーに隣接して配置され、残留電流を前記入力側に還流させるように、第2コア及び前記第2コア内に配置される第2コイルを有するZVS(Zero Voltage Switching)インダクターと、を含む。
【0012】
また、前記第2モジュールは、前記出力側電流のリップルを除去するように、第3コア及び前記第3コア内に配置される第3コイルを有する出力インダクターと、前記出力インダクターに隣接して配置され、前記出力側電流の電子ノイズを低減するように、第4コア及び前記第4コア内に配置される第4コイルを有するEMIインダクターと、を含む。
【0013】
本発明の一実施例で、前記第1コイルと前記第2コイルとは電気的に互いに連結され、前記第1コアから前記第2コアに向かう第1方向に少なくとも一部が重畳し、前記第3コイルと前記第4コイルとは電気的に互いに連結され、前記第3コアと前記第4コアとは前記第1方向に垂直な第2方向に少なくとも一部が重畳し、前記第1コアの材質及び第2コアの材質は互いに同一であり、前記第2コアの材質は前記第3コア及び第4コアのうちの少なくとも一つの材質と異なる。
【0014】
ここで、前記第1及び第2コアはフェライトを含み、前記第3及び第4コアはFe(鉄)及びSi(シリコン)を含むことができる。
【0015】
本発明の少なくとも一実施例の回路基板は、少なくとも一部が前記第3コアの内部に配置され、前記第3コイルを収容する第1ベースと、前記第4コアを収容する第2ベースとをさらに含む。
【0016】
ここで、本発明の少なくとも一実施例で、前記第1ベースは、前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、前記第3コイル着座部で前記貫通ホールを取り囲むように形成された内側壁と、前記第3コイル着座部の外周に形成され、前記第3コアの外に出た前記平角線コイルが通るようにコイル経路溝が形成された外側壁と、を含む。
【0017】
また、本発明の少なくとも一実施例で、前記第1ベースは、前記第3コイル着座部の両側に形成され、前記第3コアの一対の外足が挿入されて位置する一対の第3コア外足溝部をさらに含む。
【0018】
ここで、前記第3コア外足溝部のそれぞれは、前記外足を間に挟んで前記外側壁から外方に延びた一対の第1延長壁を含むことができる。
【0019】
また、本発明の少なくとも一実施例で、前記第1ベースは、前記第3コイル着座部の一側に第1コイルホールが形成され、前記第3コイルは前記第1コイルホールに挿入されて配線される。
【0020】
また、本発明の少なくとも一実施例で、前記第1ベースは、前記第3コイル着座部から前記第3コアの外に延び、少なくとも一つの締結ホールが形成された締結部をさらに含む。
【0021】
一方、本発明の少なくとも一実施例で、前記第2ベースは、前記第4コアが着座して支持される第4コア着座部と、前記第4コイルが着座する第4コイル着座部と、を含み、前記第4コア着座部は、前記第4コアを間に挟んで配置される一対の垂直壁と、前記各垂直壁の下端から突出し、前記第4コアが着座して支持される着座突起と、を含み、前記第4コイル着座部は、前記第4コア内で前記一対の垂直壁を連結するように形成される。
【0022】
ここで、前記第2ベースは、前記第4コイル着座部から延び、ピンホールが形成されたピン部をさらに含むことができる。
【0023】
一方、本発明の少なくとも一実施例で、前記第1ベースと前記第2ベースとは一体に形成される。
【0024】
本発明の少なくとも一実施例で、第1ベースは、他の実施例として、前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、前記第3コイル着座部の一側から前記第3コイルのコイル線の厚さよりも低く突出し、前記第3コアの外に出る前記第3コイルが通るようにコイル経路溝が形成された突出部と、を含むことができる。
【0025】
ここで、前記第3コイルの一側端部は前記第4コアの上に配置され、前記第3コイルが前記第4コア上に配置された状態で前記第4コアの上面及び両側面を取り囲むブラケットをさらに含むことができる。
【0026】
本発明の少なくとも一実施例で、前記第3コイル及び第4コイルは単一の平角線コイルから連続的に形成される。
【0027】
ここで、前記平角線コイルは、前記第3コア内に入り、第3コアの中足を取り囲み、下方に螺旋形に巻線された後、前記第3コアの外に出て上方に折り曲げられ、前記第4コアを貫通するように配線された形態を有することができる。
【0028】
また、本発明の少なくとも一実施例で、前記第3コイルと前記第4コイルとは前記回路部を介して互いに電気的に連結される。
【0029】
そして、前記第1モジュールと前記第2モジュールとは前記回路部を介して互いに電気的に連結されることができる。
【0030】
本発明の少なくとも一実施例で、前記第3コアはNi(ニッケル)をさらに含み、前記第4コアはB(ボロン)をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、高密度及び高効率の複合磁性部品実装回路基板を得ることができ、電気自動車の核心モジュールに適用されて電気自動車の燃費向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第1実施例を示す図である。
【
図2】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第1実施例を示す図である。
【
図3】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第1実施例を示す図である。
【0033】
【
図4】第1実施例に含まれる一体型ベースを示す図である。
【0034】
【
図5】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第2実施例を示す図である。
【
図6】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第2実施例を示す図である。
【
図7】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第2実施例を示す図である。
【0035】
【
図8】第2実施例に含まれる第1ベースの実施例を示す図である。
【0036】
【
図9】第2実施例に含まれる第2ベースの実施例を示す図である。
【0037】
【
図10】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第3実施例を示す図である。
【
図11】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第3実施例を示す図である。
【
図12】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第3実施例を示す図である。
【0038】
【
図13】第3実施例に含まれる第1ベースの実施例を示す図である。
【0039】
【
図14】第3実施例に含まれる第2ベースの実施例を示す図である。
【0040】
【
図15】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第4実施例を示す図である。
【
図16】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第4実施例を示す図である。
【
図17】本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第4実施例を示す図である。
【0041】
【
図18】第4実施例に含まれる第1ベースの実施例を示す図である。
【0042】
【
図19】第4実施例に含まれるブラケットの実施例を示す図である。
【0043】
【
図20】本発明において、ZVSインダクター一体型トランスフォーマーの実施例を示す図である。
【
図21】本発明において、ZVSインダクター一体型トランスフォーマーの実施例を示す図である。
【
図22】本発明において、ZVSインダクター一体型トランスフォーマーの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は多様な変更を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、ここでは特定の実施例を図面に例示しながら説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0045】
本明細書で使う接尾辞「モジュール」及び「部」はただ構成要素の間に名称の区分のみのために使うものであるだけで、物理化学的に区分または分離されているかそのように区分または分離されることができることを前提とするものと解釈してはいけない。
【0046】
「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使うことができるが、前記構成要素は前記用語に限定されない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使う。
【0047】
「及び/または」という用語はその対象となる複数の項目のすべての組合せの場合を含むために使う。例えば、「A及び/またはB」は「A」、「B」、及び「A及びB」の3種の場合を全部含む意味である。
【0048】
ある構成要素が他の構成要素に「連結される」または「接続される」と言及したときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかまたは接続されることもできるが、中間にさらに他の構成要素が存在することもできると理解しなければならないであろう。
【0049】
実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターンまたは構造が基板、各層(膜)、領域、パッドまたはパターンの「上(on)」にまたは「下(under)」に形成されるという記載は、直接(directly)形成されるかまたは他の層を介在して形成されるものを全部含む。また、「上」または「下」に対する基準は、構成要素のそれぞれまたはそれらの間の属性または明細書で他に表現しない限り、原則的に便宜上図面に示す状態を基準にし、構成要素の間の相対的な位置関係を便宜上示すために使うだけで、実際の構成要素の位置を限定するものと理解してはいけない。
【0050】
例えば、「の上にB」は、他に言及しないかまたはAやBの属性上AがBの上に位置しなければならない場合ではない限り、図面上でAの上にBが示されていることを示すものであるだけで、実際の実施製品などではBがAの下に位置することもでき、BとAが横方向に左右に配置されることもできるものである。
【0051】
また、図面で、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物の厚さや大きさは説明の明確性及び便宜性のために変形されることができるので、実際の大きさをそのまま反映するものではない。
【0052】
本出願で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用するものであり、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0053】
特に他に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならなく、本出願で明白に定義しない限り、理想的に又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0054】
本発明の一実施例である回路基板は、回路部が形成された基板と、前記基板上に配置された第1モジュールと、前記基板上に第1モジュールに隣接して配置され、前記第1モジュールと電気的に連結された第2モジュールとを含む。
【0055】
ここで、基板は、例示的にPCBを含み、回路部は、例示的にPCB上の各種の電子素子を電気的に連結するために形成されたパターン化したメッキ配線を含む。
【0056】
第1モジュールと第2モジュールとの電気的連結は、例示的には、前記回路部を介してなされる。すなわち、第1モジュール及び第2モジュールが基板上に実装された状態で、基板上のメッキパターンを介して第1モジュールと第2モジュールとが電気的に連結されることができる。
【0057】
そして、前記第1モジュールは、入力側電力を変換して出力側に伝達するために、第1コア、及び前記第1コア内に配置され、1次側及び2次側コイルを含む第1コイルを有するトランスフォーマーと、前記トランスフォーマーに隣接して配置され、残留電流を前記入力側に還流させるために、第2コア、及び前記第2コア内に配置される第2コイルを有するZVSインダクターとを含む。
【0058】
また、前記第2モジュールは、前記出力側電流のリップルを除去するように、第3コア及び前記第3コア内に配置される第3コイルを有する出力インダクターと、前記出力インダクターに隣接して配置され、前記出力側電流の電子ノイズを低減するように、第4コア及び前記第4コア内に配置される第4コイルを有するEMIインダクターとを含む。
【0059】
ここで、前記第1コイルと前記第2コイルとは電気的に互いに連結されることができ、前記第1コアから前記第2コアに向かう第1方向に少なくとも一部が重畳することができる。そして、前記第3コイルと前記第4コイルとは電気的に互いに連結されることができ、前記第3コアと前記第4コアとは前記第1方向に垂直な第2方向に少なくとも一部が重畳することができる。コイル間の電気的連結は当該コイルが単一のコイル線によって互いに連続的に連結された場合はもちろんのこと、前記基板上の回路部を介して連結される場合を含む。
【0060】
ここで、前記第1コアの材質及び第2コアの材質は互いに同一であり、前記第2コアの材質は前記第3コア及び第4コアのうちの少なくとも一つの材質と異なることができる。
【0061】
第3及び第4コアは、Fe(鉄)及びSi(シリコン)を含むことができる。そして、第3コアはNi(ニッケル)をさらに含み、第4コアはB(ボロン)をさらに含むことができる。
【0062】
第3コアは相対的に高飽和磁束密度(例えば、1.6T)及び高DCバイアス特性を有する材質からなるので、高電流(例えば、100A以上)に適し、小型化が可能である。
【0063】
第4コアは高透磁率(例えば、100kHzでμi30,000)及び低損失特性を有する材質からなり、晶質金属から製造された同一サイズのコアに比べてインダクタンスが50%改善される。
【0064】
第1コア及び第2コアはフェライト(例えば、MnZn系フェライト)から製造されることにより、低損失による発熱の改善が達成され、また電力密度が上昇する。
【0065】
以下では、出力インダクター及びEMIインダクターとZVSインダクター及びトランスフォーマーの各構造について図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。
【0066】
出力インダクター及びEMIインダクターに対する第1実施例
【0067】
図1~
図4に基づき、本発明において、出力インダクター及びEMIインダクターに対する第1実施例を説明する。
【0068】
出力インダクターは、第3コア10と、第3コア10内に配置される第3コイル20とを含む。
【0069】
そして、EMIインダクターは、第4コア40と、第4コア40内に配置される第4コイル50とを含む。
【0070】
第3コア10は、コア上部11とコア下部12とが互いに触れ合って形成され、コア上部11とコア下部12とは触れ合っている面を基準に上下対称の形状を有する。
【0071】
具体的には、第3コア10のコア上部11は、上部板11aと、上部板11aの両側から垂直に突出しながら延びた一対の外足11bと、前記外足11bの間に配置される中足11cとを含む。
【0072】
第4コア40は第3コア10の一側に隣接して配置され、第4コイル50が貫通することができるように、貫通ホール31aが形成された構造を有する。
【0073】
第1コア及び第2コアが、
図20~
図22のように後述する実施例で、上下方向(第1方向)に重畳して積層されていれば、本実施例の第3コア10及び第4コア40は水平方向(第2方向)に重畳して配置される。このような重畳配置は高密度化及び高効率化に有利である。
【0074】
本実施例で、第3コイル20及び第4コイル50は単一の平角線コイルによって連続的に一体に形成されている。
【0075】
すなわち、単一の平角線コイルが第3コア10の一側から第3コア10の内部に入って中足11cを取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コア10の前記一側から出た後、上方に折り曲げられ、さらに水平に折り曲げられて第4コア40を貫通する。
【0076】
本実施例では、第1ベース30及び第2ベース60が一体に形成された一体型ベース30、60を含み、以下でこれについて説明する。
【0077】
一体型ベース30、60は、まず、第3コア10の中足11cが貫通する貫通ホール31aが形成され、前記貫通ホール31aを取り囲むように平坦面が形成され、第3コイル20が着座する第3コイル着座部31を含む。
【0078】
第3コイル着座部31の内周には前記貫通ホール31aを取り囲むように内側壁32が形成されており、外周には外側壁33a、33bが形成されている。
【0079】
外側壁33a、33bの一側には、第3コア10内で下方に螺旋形に巻線されてから出た平角線コイルが外側壁33bを通過することができるように、経路溝33cが形成されている。
【0080】
第3コイル着座部31の両側には、第3コア10の一対の外足11bが位置するための外足溝部34_1、34_2が形成されている。
【0081】
そして、外足溝部34_1、34_2は、外側壁33a、33bから側方に延設された延長壁34a、34b、34c、34dを含む。
【0082】
すなわち、
図4に示すように、第1外足溝部34_1は、外側壁33a、33bから側方に突出して延設され、一つの外足11bを間に挟んで配置される一対の延長壁34a、34bを含む。そして、第2外足溝部34_2も、外側壁33a、33bから側方に突出して延設され、他の一つの外足11bを間に挟んで配置される一対の延長壁34c、34dを含む。
【0083】
第3コア10と一体型ベース30、60とが組み立てられるとき、第3コア10の中足11cが第3コイル着座部31の貫通ホール31aに挿入され、一対の外足11bはそれぞれ外足溝部34_1、34_2に位置し、第3コイル着座部31が第3コア10の内側に配置される。
【0084】
一方、一体型ベース30、60の一側には、第4コア40が着座する第4コア着座部61が形成されている。
【0085】
第4コア着座部61は、底面と、その底面の縁端に形成された周壁とを含む。
【0086】
第4コア40は、その貫通ホールを通過する仮想の直線が前記底面に対して平行になるように第4コア着座部61に着座して位置する。
【0087】
第4コア着座部61と第3コイル着座部31との間には、平角線コイルが挿入される第1コイルホール37が形成されている。
【0088】
そして、第4コア着座部61の一側にはピンホール36aが形成されたピン部36が形成されており、その反対側には平角線コイルが挿入される第2コイルホール62が形成されている。
【0089】
第3コイル20及び第4コイル50を連続的に形成している前記平角線コイルは第1コイルホール37を下から上に貫通してから水平に折り曲げられ、第3コア10内の上部に入り、第3コア10の中足11cを取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コイル着座部31の底面に着座した状態で外側壁33bの経路溝33cを通過し、上方に折り曲げられた後、さらに水平に折り曲げられてピン部36上に置かれ、ピン部36を経由した後、さらに水平方向に折り曲げられ、第4コア40の貫通ホールに挿入されて貫通した後、下方に折り曲げられて第2コイルホール62に挿入される。ここで、ピン部36上で置かれた平角線コイルはピンpが貫通してピンホール36aに挿入されることができる。
【0090】
一方、一体型ベース30、60は、第3コイル着座部31の一側から水平にさらに延設され、ネジなどのための締結ホール39aが形成された締結部39を含む。
【0091】
出力インダクター及びEMIインダクターに対する第2実施例
【0092】
図5~
図7は出力インダクター及びEMIインダクターに対する第2実施例を示し、以下でこれについて説明する。
【0093】
本実施例において、第3コア110及び第4コア140の構造は第1実施例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0094】
また、第3コア110及び第4コア140の配置は、第1実施例と同様に、水平方向(第2方向)に対して一部が重畳する。
【0095】
本実施例で、第3コイル120及び第4コイル150は一体の連続型ではなく、ベースも分割型であり、第1ベース130及び第2ベース160を含む。
【0096】
まず、第1ベース130について
図8を参照して詳細に説明する。
【0097】
第1ベース130は、第3コア110の中足が貫通する貫通ホール131aが形成され、前記貫通ホール131aを取り囲むように平坦面が形成され、第3コイル120が着座する第3コイル着座部131を含む。
【0098】
第3コイル着座部131の内周には、前記貫通ホール131aを取り囲むように内側壁132が形成されており、外周には外側壁133a、133bが形成されている。
【0099】
外側壁133bの一側には、第3コア110内で下方に螺旋形に巻線されてから出た平角線コイルが外側壁133a、133bを貫通して通過することができるように、経路溝133cが形成されている。
【0100】
第3コイル着座部131の両側には、第3コア110の一対の外足が位置するための外足溝部134_1、134_2が形成されている。
【0101】
そして、外足溝部134_1、134_2は、外側壁133a、133bから側方に延設された延長壁134a、134b、134c、134dを含む。
【0102】
すなわち、
図8に示すように、第1外足溝部134_1は、外側壁133a、133bから側方に突出して延設され、一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁134a、134bを含む。そして、第2外足溝部134_2も、外側壁133a、133bから側方に突出して延設され、他の一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁134c、134dを含む。
【0103】
第3コア110と第1ベース130とが組み立てられるとき、第3コア110の中足が第3コイル着座部131の貫通ホール131aに挿入され、一対の外足はそれぞれ外足溝部134_1、134_2に位置し、第3コイル着座部131が第3コア110の内側に配置される。
【0104】
第1ベース130の一側には、第3コイル120の平角線コイルの両側端部が挿入される第1コイルホール137a及び第3コイルホール173bが形成されている。
【0105】
第3コイル120を構成する平角線コイルは第1コイルホール137aを下から上に貫通して水平に折り曲げられ、第3コア110内の上部に入り、第3コア110の中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コイル着座部131の底面に着座した状態で、外側壁133bの経路溝133cを通過し、上方に折り曲げられた後、Uターンして再び下方に延びて第3コイルホール173bに挿入される。
【0106】
一方、第1ベース130は、第3コイル着座部131の一側から水平にさらに延設され、ネジなどのための締結ホール139aが形成された締結部139を含む。
【0107】
第2ベース160は、
図9に示すように、前記第4コア140が着座して支持される第4コア着座部161、161a、162、162aを含む。
【0108】
第4コア着座部161、161a、162、162aは、第4コア140を間に挟んで配置される一対の垂直壁161、162と、それぞれの垂直壁の下端から突出し、第4コア140が着座して支持される着座突起161a、162aとを含む。
【0109】
そして、第2ベース160は、第4コア140内を貫通して一対の垂直壁161、162を連結するように形成され、第4コイル150が着座する第4コイル着座部163を含む。
【0110】
第2ベース160において、それぞれの垂直壁の外面には、第4コイル150の端部を収容するコイル収容溝161b、162bが形成されている。
【0111】
第4コイル150は平角線コイルから製造され、第4コイル着座部163に着座して支持され、その両側は下方に折り曲げられ、それぞれコイル収容溝161b、162bに収容されて下方に延びるように配線される。
【0112】
出力インダクター及びEMIインダクターに対する第3実施例
【0113】
図10~
図12は出力インダクター及びEMIインダクターに対する第3実施例を示し、以下でこれについて説明する。
【0114】
本実施例で、第3コア210及び第4コア240の構造は第1実施例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0115】
本実施例でも、第3コア210及び第4コア240は水平方向(第2方向)に対して重畳して配置される。ただし、第1及び第2実施例では第3コアの貫通ホールの貫通方向と第4コアの貫通ホールの貫通方向とが直角である反面、本実施例では、第3コア210の貫通ホールの貫通方向と第4コア240の貫通ホールの貫通方向とは平行である。
【0116】
本実施例で、第3コイル220及び第4コイル250は、第1実施例と同様に、連続的に一体に形成される。
【0117】
ベースは、第2実施例と同様に、分割型であり、第1ベース230と第2ベース260とを含む。
【0118】
まず、第1ベース230について
図13を参照して詳細に説明する。
【0119】
第1ベース230は、第3コア210の中足が貫通する貫通ホール231aが形成され、前記貫通ホール231aを取り囲む平坦面が形成され、第3コイル220が着座する第3コイル着座部231を含む。
【0120】
第3コイル着座部231の内周には前記貫通ホール231aを取り囲むように内側壁232が形成されており、外周には外側壁233a、233bが形成されている。
【0121】
外側壁233bの一側には、第3コア210内で下方に螺旋形に巻線されてから出た平角線コイルが外側壁233bを貫通して通過するように経路溝233cが形成されている。
【0122】
第3コイル着座部231の両側には、第3コア210の一対の外足が位置するための外足溝部234_1、234_2が形成されている。
【0123】
そして、外足溝部234_1、234_2は、外側壁233a、233bから側方に延設された延長壁234a、234b、234c、234dを含む。
【0124】
すなわち、
図8に示すように、第1外足溝部234_1は、外側壁233a、233bから側方に突出して延設され、一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁234a、234bを含む。そして、第2外足溝部234_2も、外側壁233a、233bから側方に突出して延設され、他の一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁234c、234dを含む。
【0125】
第3コア210と第1ベース230とが組み立てられるとき、第3コア210の中足が第3コイル着座部231の貫通ホール231aに挿入され、一対の外足はそれぞれ外足溝部234_1、234_2に位置し、第3コイル着座部231が第3コア210の内側に配置される。
【0126】
第1ベース230の一側には、第3コイル220の平角線コイルの一側端部が挿入される第1コイルホール237aが形成されている。
【0127】
第2ベース260は、
図14に示すように、第4コア240が着座して支持される第4コア着座部261、261a、262、262aを含む。
【0128】
第4コア着座部261、261a、262、262aは、第4コア240を間に挟んで配置される一対の垂直壁261、262と、それぞれの垂直壁261、262の下端から突出し、第4コア240が着座して支持される着座突起261a、262aとを含む。
【0129】
そして、第2ベース260は、第4コア240内を貫通して一対の垂直壁261、262を連結するように形成され、第4コイル250が着座する第4コイル着座部263を含む。
【0130】
第2ベース260において、一側垂直壁262の外面には、第4コイル250の端部を収容するコイル収容溝262bが形成されている。そして、他側垂直壁261、262の外面には、第4コイル着座部263からさらに延び、ピンホール264aが形成されたピン部264を含む。ピン部264の上端の角は後述するコイルの折曲を案内するように曲面部264bを含む。
【0131】
このような第1ベース230及び第2ベース260の構造により、第3コイル220を構成する平角線コイルは第1コイルホール237aを下から上に貫通してから出て水平に折り曲げられ、第3コア210内の上部に入り、第3コア210の中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コイル着座部231の底面に着座した状態で、外側壁233bの経路溝233cを通過し、上方に折り曲げられた後、さらに水平に折り曲げられて前記ピン部264上に置かれた後、第4コイル着座部263に着座して支持され、第4コア240を貫通した後、下方に折り曲げられてコイル収容溝262bに収容され、下方に延びるように配線される。
【0132】
出力インダクター及びEMIインダクターに対する第4実施例
【0133】
図15~
図16は出力インダクター及びEMIインダクターに対する第4実施例を示し、以下でこれについて説明する。
【0134】
本実施例で、第3コア310及び第4コア340の構造は第1実施例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0135】
本実施例でも、第3コア310及び第4コア340は水平方向(第2方向)に対して重畳して配置されるが、本実施例では、第3コア310の貫通ホールの貫通方向と第4コア340の貫通ホールの貫通方向とが所定の角度(約45度)を成す。
【0136】
本実施例で、第3コイル320及び第4コイル350は、第1実施例と同様に、連続的に一体に形成される。
【0137】
本実施例は第1ベース330とブラケット360とを含み、
図18及び
図19を参照してその構造について詳細に説明する。
【0138】
第1ベース330は、第3コア310の中足が貫通する貫通ホール331aが形成され、貫通ホール331aの周囲に平坦面が形成され、第3コイル320が着座して支持される第3コイル着座部331を含む。
【0139】
そして、第1ベース330は、第3コイル着座部331の一側に第3コイル320の平角線コイルの厚さよりも低く突出した突出部338を含む。ここで、突出部338の一側には、第3コア310の外に出るコイルが通るようにコイル経路溝338aが形成されている。
【0140】
第3コイル320は第3コア310の内部に入る前、第4コア340の上面上に置かれ、前記ブラケット360は、そのように第3コイル320が第4コア340上に配置された状態で第4コア340の上面及び両側面を取り囲むように形成される。
【0141】
ブラケット360は薄金属ストリップが折り曲げられた形状を有することができ、上側ストリップ部361と、その両側で折り曲げられて延びた両側ストリップ部362、363とを含む形状を有し、略「コ」字形に形状される。
【0142】
ここで、上側ストリップ部361は、一側から上方に突出した突出溝部361aが形成され、第3コイル320は第4コア340の上面に置かれ、突出溝部361a内に収容され、ブラケット360によって固定される。
【0143】
本実施例で、第3コイル320を構成する平角線は第4コア340上に置かれ、突出溝部361aに収容され、同一高さで第3コア310内の上部に入り、第3コア310の中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コイル着座部331の底面に着座した状態で、経路溝338aを通過し、上方に折り曲げられた後、さらに水平に折り曲げられ、第4コア340を貫通する。
【0144】
ここで、第4コイル350の端部は、
図15に示すように、平面積が拡張し、中央に貫通ホールが形成されたバスバー構造を含むことができる。
【0145】
ZVSインダクター及びトランスフォーマーに対する実施例
【0146】
図20~
図22は本発明において、ZVSインダクター及びトランスフォーマーに対する実施例を示し、以下でこれについて説明する。
【0147】
本実施例で、トランスフォーマーはZVSインダクターが一体に形成されたZVSインダクター一体型トランスフォーマーである。
【0148】
第1コア70はコア上部71とコア下部72とが触れ合って形成され、その形状は第1実施例の第3コア10と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0149】
また、第2コア80は第1コア70のコア上部71とほぼ同一の形状を有する。
【0150】
本実施例で、第2コア80は第1コア70上に配置され、上下方向(第1方向)に対して第2コア80と第1コア70とは重畳して配置される。
【0151】
第1コア70の内部には、第1コイル73が第1コア70の中足を取り囲むように巻線されて配置されて1次コイル73が形成され、1次コイル73から分離及び絶縁され、前記中足を取り囲むように配置される2次コイル74が配置される。
【0152】
本実施例で、2次コイル74は多数の導電性プレートから製造されるが、これに限定されるものではない。
【0153】
第1コイル73は1次コイル73を構成し、第1コア70の内側の下部に入り、上方に螺旋形に巻線された後、第1コア70の外に出た後、第2コア80内に入り、第2コア80の中足を取り囲むように巻線されてから出るように配線される。
【0154】
すなわち、本実施例で、第1コイル73と第2コイル81は単一のコイル線が連続的に巻線されて一体に形成された構造を有する。
【0155】
トランスフォーマーにおいて、本実施例では、1次コイル73と2次コイル74との間に絶縁のためのプラスチック射出物などのボビンまたはベース構造が省略される。
【0156】
ボビンまたはベース構造の省略によってよりコンパクトな構造を得ることができる。
発明の実施のための形態
【0157】
発明の実施のための形態は前述した「発明を実施するための形態」で充分に説明された。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路部が形成された基板と、
前記基板上に配置された第1モジュールと、
前記基板上に第1モジュールに隣接して配置され、前記第1モジュールと前記回路部を介して電気的に連結された第2モジュールと、を含み、
前記第1モジュールは、
入力側電力を変換して出力側に伝達するように、第1コア及び前記第1コア内に配置され、1次側コイル及び2次側コイルを含む第1コイルを有するトランスフォーマーと、
前記トランスフォーマーに隣接して配置され、残留電流を前記入力側に還流させるように、第2コア及び前記第2コア内に配置される第2コイルを有するZVSインダクターと、を含み、
前記第2モジュールは、
前記出力側電流のリップルを除去するように、第3コア及び前記第3コア内に配置される第3コイルを有する出力インダクターと、
前記出力インダクターに隣接して配置され、前記出力側電流の電子ノイズを低減するように、第4コア及び前記第4コア内に配置される第4コイルを有するEMIインダクターと、を含み、
前記第1コイルと前記第2コイルとは電気的に互いに連結され、前記第1コアから前記第2コアに向かう第1方向に少なくとも一部が重畳し、
前記第3コイルと前記第4コイルとは前記回路部を介して電気的に互いに連結され、前記第3コアと前記第4コアとは前記第1方向に垂直な第2方向に少なくとも一部が重畳し、
前記第1コアの材質及び第2コアの材質は互いに同一であり、前記第2コアの材質は前記第3コア及び第4コアのうちの少なくとも一つの材質と異なる、回路基板。
【請求項2】
前記第1及び第2コアは、フェライトを含み、
前記第3及び第4コアは、Fe(鉄)及びSi(シリコン)を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
少なくとも一部が前記第3コアの内部に配置され、前記第3コイルを収容する第1ベースと、
前記第4コアを収容する第2ベースと、をさらに含む、請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1ベースは、
前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、
前記第3コイル着座部で前記貫通ホールを取り囲むように形成された内側壁と、
前記第3コイル着座部の外周に形成され、前記第3コアの外に出た平角線コイルが通るようにコイル経路溝が形成された外側壁と、を含む、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1ベースは、
前記第3コイル着座部の両側に形成され、前記第3コアの一対の外足が挿入されて位置する一対の第3コア外足溝部を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第3コア外足溝部のそれぞれは、前記外足のうち当該外足を間に挟んで前記外側壁から外方に延びた一対の第1延長壁を含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1ベースは、前記第3コイル着座部の一側に第1コイルホールが形成され、
前記第3コイルは前記第1コイルホールに挿入されて配線される、請求項5または6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1ベースは、前記第3コイル着座部から前記第3コアの外に延び、少なくとも一つの締結ホールが形成された締結部をさらに含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2ベースは、
前記第4コアが着座して支持される第4コア着座部と、
前記第4コイルが着座する第4コイル着座部と、を含み、
前記第4コア着座部は、
前記第4コアを間に挟んで配置される一対の垂直壁と、
前記各垂直壁の下端から突出し、前記第4コアが着座して支持される着座突起と、を含み、
前記第4コイル着座部は、前記第4コア内で前記一対の垂直壁を連結するように形成される、請求項3から8のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第2ベースは、前記第4コイル着座部から延び、ピンホールが形成されたピン部を含む、請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1ベースと前記第2ベースとは一体に形成されている、請求項3から10のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第1ベースは、
前記第3コアの中足が貫通する貫通ホールを有し、前記第3コイルが着座する第3コイル着座部と、
前記第3コイル着座部の一側から前記第3コイルのコイル線の厚さよりも低く突出し、前記第3コアの外に出る前記第3コイルが通るようにコイル経路溝が形成された突出部と、を含む、請求項3から11のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第3コイルの一側端部は前記第4コア上に配置され、
前記第3コイルが前記第4コア上に配置された状態で、前記第4コアの上面及び両側面を取り囲むブラケットをさらに含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第3コイル及び第4コイルは前記第3コア内に入って前記第3コアの中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、前記第3コアの外に出て上方に折り曲げられ、前記第4コアを貫通するように配線された単一の平角線コイルから連続的に形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第3コアはNi(ニッケル)をさらに含み、
前記第4コアはB(ボロン)をさらに含む、請求項2から14のいずれか一項に記載の回路基板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
ここで、前記第3コア外足溝部のそれぞれは、前記外足のうち当該外足を間に挟んで前記外側壁から外方に延びた一対の第1延長壁を含むことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
外側壁33bの一側には、第3コア10内で下方に螺旋形に巻線されてから出た平角線コイルが外側壁33bを通過することができるように、経路溝33cが形成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
外側壁133bの一側には、第3コア110内で下方に螺旋形に巻線されてから出た平角線コイルが外側壁133bを貫通して通過することができるように、経路溝133cが形成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
第1ベース130の一側には、第3コイル120の平角線コイルの両側端部が挿入される第1コイルホール137a及び第3コイルホール137bが形成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
第3コイル120を構成する平角線コイルは第1コイルホール137aを下から上に貫通して水平に折り曲げられ、第3コア110内の上部に入り、第3コア110の中足を取り囲みながら下方に螺旋形に巻線された後、第3コイル着座部131の底面に着座した状態で、外側壁133bの経路溝133cを通過し、上方に折り曲げられた後、Uターンして再び下方に延びて第3コイルホール137bに挿入される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
すなわち、
図13に示すように、第1外足溝部234_1は、外側壁233a、233bから側方に突出して延設され、一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁234a、234bを含む。そして、第2外足溝部234_2も、外側壁233a、233bから側方に突出して延設され、他の一つの外足を間に挟んで配置される一対の延長壁234c、234dを含む。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0130】
第2ベース260において、一側垂直壁262の外面には、第4コイル250の端部を収容するコイル収容溝262bが形成されている。そして、他側垂直壁261の外面には、第4コイル着座部263からさらに延び、ピンホール264aが形成されたピン部264を含む。ピン部264の上端の角は後述するコイルの折曲を案内するように曲面部264bを含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0154
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0154】
すなわち、本実施例で、第1コイル73と第2コイル74は単一のコイル線が連続的に巻線されて一体に形成された構造を有する。
【国際調査報告】