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特表2024-509527光学デバイスの取り付けに適したレーザ装置および/または測定装置用タレット
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  • 特表-光学デバイスの取り付けに適したレーザ装置および/または測定装置用タレット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】光学デバイスの取り付けに適したレーザ装置および/または測定装置用タレット
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/064 20140101AFI20240226BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20240226BHJP
【FI】
B23K26/064
B23K26/38 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553141
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 IB2022051671
(87)【国際公開番号】W WO2022189879
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021000005597
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523328603
【氏名又は名称】バルダッチーニ マリオ エスエー
【氏名又は名称原語表記】BALDACCINI MARIO SA
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルダッチーニ, ステファノ
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168AD18
4E168BA00
4E168CA06
4E168CB14
4E168FC07
4E168KB02
(57)【要約】
本発明の目的は、少なくとも1つの光学デバイスを取り付け、加工および/または測定されるワークピースにおいて回転させるのに適したレーザ装置および/または測定装置のためのタレット(10)であって、前記タレット(10)は、前記装置によって支持された少なくとも1つのタレット本体と、前記タレット本体に支持され、光学、把持、加工、測定または視覚デバイスから選択された少なくとも2つのデバイスを支持する少なくとも1つの回転ドラム(120)と、前記タレットの前記回転ドラム内部の全体または一部に取り付けられたレーザスキャナとを備え、前記レーザスキャナはレーザビームを使用することができ、前記レーザビームは反射軸を有し前記タレット(10)の外部のレーザジェネレータにより生成され、回転ドラム(120)は、前記タレット本体の周りに回転可能に取り付けられ、前記レーザスキャナから来る前記レーザビームの前記反射軸に対して各デバイスを交互に整列又は対応させるように回転する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光学デバイスを取り付け、加工及び/又は測定されるワークピースに対応するようにそれを回転させるのに適したレーザ装置及び/又は測定装置のためのタレット(10)であって、前記タレット(10)は、
前記装置によって支持された少なくとも1つのタレット本体と、
前記タレット本体によって支持され、光学、把持、加工、測定または視覚デバイスから選択された少なくとも2つのデバイスを支持する少なくとも1つの回転ドラム(120)と、
前記タレットの前記回転ドラム内部の全体または一部に取り付けられたレーザスキャナとを備え、
前記レーザスキャナはレーザビームを使用することができ、前記レーザビームは反射軸を有し前記タレット(10)の外部のレーザジェネレータにより生成され、
前記回転ドラム(120)は、前記タレット本体の周りに回転可能に取り付けられ、前記レーザスキャナから来る前記レーザビームの前記反射軸に対して各デバイスを交互に整列又は対応させるように回転する。
【請求項2】
前記回転ドラムが並進運動を備えている、請求項1に記載のタレット(10)。
【請求項3】
前記光学、把持、加工、測定、または視覚デバイスのそれぞれが、インデックスシステムを備えたセンタリングプレート(90)に取り付けられている、請求項1または2に記載のタレット(10)。
【請求項4】
前記回転ドラムは、センタリングプレート(90)上での前記インデックスシステムの係合と係合解除を可能にする並進運動を備え、センタリングプレートは
前記光学、前記把持、前記加工、前記測定または視覚デバイスそれぞれのうちの1つを順に運搬する、請求項3に記載のタレット(10)。
【請求項5】
複数の光学デバイスが設けられており、前記光学デバイスのそれぞれが前記タレット(10)の前記回転ドラム(120)に対して角度的に間隔をおいて配置されている、請求項1に記載のタレット(10)。
【請求項6】
前記光学デバイスが、クロマティック共焦点センサ(20)、焦点距離50mm未満のレンズ(30)、焦点距離約100mmのレンズ(50)、焦点距離160mm以上のレンズ(70)、カメラ(15)からなる前記グループから選択される、請求項2に記載のタレット(10)。
【請求項7】
前記回転ドラムは気密クロージャを備えている、請求項1に記載のタレット(10)。
【請求項8】
前記回転ドラムの前記気密クロージャは、前記回転ドラム内に発生する前記圧力が異物を内部に浸入させないように、特別な送気手段を介して加圧空気を注入することによって確保される、請求項7に記載のタレット(10)。
【請求項9】
三次元機械プローブ(60)、レーザ切断ヘッド(40)および空気圧グリッパ(100)は、前記タレット(10)の前記回転ドラム(120)のそれぞれの角度位置に設けられ配置されている、請求項1に記載のタレット(10)。
【請求項10】
前記タレット本体に対する前記回転ドラム(120)の前記回転が、ピニオン(130)および内部歯車(135)により行われる、請求項1に記載のタレット(10)。
【請求項11】
前記タレット(10)の前記並進運動が、それぞれの並進ガイド(150)に沿って駆動モータ(160)によって生成される、請求項1に記載のタレット(10)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、光学デバイスの取り付けに適したレーザ装置および/または測定装置用のタレットである。
【背景技術】
【0002】
レーザスキャナは、周囲の物体の表面を画定する数十万の点の位置を非常に高速で測定することができるツールであることが知られている。
【0003】
レーザスキャナは、照射デバイスから照射されたレーザ光の被測定物上での反射を利用して、被測定物自体の表面形状を再現する。レーザスキャナの別の動作方法は、加工されるワークピース上にレーザビームを配向することである。このシステムによって、彫刻、アブレーション、溶接、切断、局所熱処理などのさまざまな動作を実行することができる。
【0004】
レーザ光ビームを照射するデバイスは、一般的に1又は2つのスキャニングミラーと組み合わされる。スキャニングミラーは、照射デバイスから照射されるレーザ光ビームが当たると、測定または処理される対象物に向けてそのレーザ光ビームを方向転換させるように、さまざまな位置をとることができる。スキャンされる領域の範囲は、ミラーが移動する回転角度の関数である。
【0005】
レーザ光線の受信は、処理の必要性に応じて、様々な光学デバイスの手段によって行うことができる。
【0006】
従って、本発明の目的は、所望の光学デバイスを、スキャンされるまたは処理される対象物にアライメントさせることができるシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、使用される光学デバイスのアライメント精度を高めることである。
本発明のさらなる目的は、上述の結果を経済的かつ実用的な方法で達成することである。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明で明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
記載された目的は、少なくとも1つの光学デバイスを取り付け、加工及び/又は測定されるワークピースに対応するようにそれを回転させるのに適したレーザ装置及び/又は測定装置のためのタレット(10)によって達成される。
前記タレット(10)は、
前記装置によって支持された少なくとも1つのタレット本体と、
前記タレット本体によって支持され、光学、把持、加工、測定または視覚デバイスから選択された少なくとも2つのデバイスを支持する少なくとも1つの回転ドラム(120)と、
前記タレットの前記回転ドラム内部の全体または一部に取り付けられたレーザスキャナとを備えている。
前記レーザスキャナはレーザビームを使用することができ、前記レーザビームは反射軸を有し前記タレット(10)の外部のレーザジェネレータにより生成され、
前記回転ドラム(120)は、前記タレット本体の周りに回転可能に取り付けられ、前記レーザスキャナから来る前記レーザビームの前記反射軸に対して各デバイスを交互に整列又は対応させるように回転する。
【0008】
本発明には、数多くの重要な利点がある。
第1に、回転タレットを使用することにより、処理ツールまたは光学デバイスを、加工されるワークピースでの必要に応じて随時配置することが可能となるので、レーザ装置の多様な使用が可能となり、時間とスペースの大幅な節約になり、それに伴う経済的な利点が得られる。
【0009】
第2に、本発明により、速度と有効性と組み合わされた検出及び処理精度を達成することができる。
本発明の一実施形態によれば、回転ドラムは並進運動を備える。
さらに、さらなる実施形態によれば、上述の光学、把持、加工、測定、または視覚デバイスの各々は、ゼロ点インデックスシステムを備えた超精密センタリングプレートに取り付けられている。
具体的には、回転ドラムは、インデックスシステムがセンタリングプレートに係合および係合解除されるように並進運動を備えており、このセンタリングプレートは光学、把持、加工、測定、または視覚デバイスのうちの1つを順に運搬する。
本発明のさらなる特徴は、従属請求項から導き出すことができる。
【0010】
本発明の利点は、以下に示された図の検討により、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態によるタレットの斜視図である。
図2図2は、図1のタレットの概略正面図である。
図3図3は、図2に対して反対側から撮影した図1のタレットの概略正面図である。
図4図1のタレットの側面図である。
図5図5は、図4の平面A-Aによる、本発明の実施形態によるタレットのさらなる断面図である。
図6図6は、本発明によるタレットの概略正面図である。
図7図7は、図6のタレットの概略正面図である。
図8図8は、図6のタレットの回転軸に平行な平面による断面図である。
図9図9は、図6のタレットの回転軸に垂直な平面による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~5を参照して、一般に符号10で示される、レーザ装置および/または測定装置用のタレットについて説明する。
【0013】
タレット10は、図4ではX-Xで示される軸を中心に回転して、光学デバイス、場合によっては機械加工用のデバイスを運搬し、加工および/または測定されるワークピースに他の種類の装置を挿入する。
特に、タレット10は、レーザ装置および/または測定装置によって支持された、少なくとも1つのタレット本体から構成される。
【0014】
タレット10は、タレット本体により支持された少なくとも1つの回転ドラム120からなる。
回転ドラム120は、光学または把持または加工または測定デバイスの少なくとも2つを支持する。
【0015】
より詳細には、図1~5を参照すると、回転テーブル120に搭載された以下のデバイス、例えば、クロマティック共焦点センサ20、焦点距離50mm未満のレンズ30、焦点距離約100mmのレンズ50、焦点距離160mm以上のレンズ70等を特定することができる。
【0016】
光学デバイスは、タレット10の回転ドラム120に対して角度的に間隔をあけて配置され、説明される実施形態では、8つの異なる位置が設けられ、同じ角度の角度的間隔をあけて配置されている。ただし、タレット10上のこのようなデバイスについての本発明の代替実施形態では、角度が必ずしも同じである必要はないという警告を付す。
【0017】
光学デバイスに加えて、タレット10の回転ドラム120に対して常に角度的に間隔をおいて、例えば、3次元メカニカルプローブ60、レーザ切断ヘッド40、空気圧グリッパー100などの加工デバイスがある。
【0018】
したがって、一般に、回転ドラム120は、光学、把持、加工、測定または視覚デバイスから選択された少なくとも2つのデバイスを支持している。
【0019】
そのような、光学、把持、加工、測定または視覚デバイスは、すべての自由度(3並進+3回転)において、それらの位置を正確に制限するインデックスシステムを備えたセンタリングプレート90に取り付けられる。
【0020】
さらに、タレット10の回転ドラム120の内部に、全体的または部分的に、取り付けられたレーザスキャナがある。
そのようなレーザスキャナは、電流測定のスキャナで構成されていてもよい。
【0021】
レーザスキャナは、タレット10の外部に設置されたレーザジェネレータによって生成されたレーザビームを使用することができる。
自律的に動作し、レーザスキャナを必要としないカメラを備えてもいてもよい。
【0022】
レーザスキャナは、レーザビームを使用することができ、上記レーザビームは反射軸を有し、上記レーザビームは上記タレット10の外部に設けられたレーザジェネレータによって生成される。
【0023】
回転ドラム120に関しては、並進運動を備えている。
特に、回転ドラム120の並進運動は、センタリングプレート90上のインデックスシステムとの係合および係合解除を可能にし、センタリングプレート90は光学または測定デバイスのうちの1つを順に運搬する。
【0024】
さらに、回転ドラム120は、タレット本体の周りに回転可能に取り付けられており、レーザスキャナから来るレーザビームの上記反射軸と、又は、に対して各光学デバイスが交互に整列するように軸Xを中心に回転する。
【0025】
特に、タレット10の並進運動は、それぞれの並進ガイド150に沿って駆動モータ160によって発生され、キャリッジ110を利用する。
さらに、回転ドラム120は、タレット本体の周りに回転可能に取り付けられており、各光学デバイスをレーザスキャナから来るレーザビームの反射と整列させるように回転する。
【0026】
非光学デバイスの場合、回転ドラム120の回転によって、デバイスがワークピースの前の動作位置に来る。
特に、タレット本体に対する回転ドラム120の回転は、ピニオン130と内部歯車135によって行われ、ベアリング140の位置を利用する。
【0027】
レーザビームは、調整システム180によって調整され、チャネル190(図3参照)を通して投射される。
【0028】
タレット10では、前述の各光学デバイスは、正確で再現可能な方法でスキャナ下に位置決めすることを可能にする、それぞれのインデックスプレート90上に配置される。
インデックスプレート90は、それぞれのインデックスインタフェースと組み合わされ、好ましくは空気圧で駆動される。
【0029】
図6~9は、本発明の代替実施形態によるタレットを示す。
特に、共焦点センサ20とメカニカルプローブ60は、インデックスプレート90と同様に、図6~7に示されている。
【0030】
図8は、図6~7のタレットの回転軸に平行な面による断面図であり、タレットの回転運動を可能にするベアリング140が示されている。
【0031】
図9は、図6~7のタレットの回転軸に垂直な面による断面図であり、特に並進ガイド150とインデックスプレート90が示されている。
【0032】
一般的に、本発明において、レーザは、主に加工処理のために使用され、測定のためには使用されない。
測定のためにその使用が望まれる場合には、それはインデックスシステムによって堅固で正確な方法で行われる検査と組み合わせることができる。
【0033】
第2の可能性は、画像を測定するための正しい位置に、カメラを配置することである。
また、カメラをスキャナの上流に配置し、反射画像を使用することも可能である。
【0034】
これにより、拡大レンズを出力側のプレート上に配置することができ、さらに精度を高めることが可能となる。
【0035】
さらに、回転ドラムは、好ましくは、気密クロージャを備える。
回転ドラムの気密クロージャは、特別な送気手段を介して加圧空気を注入することにより、回転ドラム内に発生した圧力が異物の内部への侵入を許さないようにして確保される。
【0036】
明らかに、偶発的または特定の理由によって指示される変更または改良は、以下に請求される本発明の範囲から逸脱することなく、記載される本発明に対して行うことができる。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】