(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】レールを接合及び補修するための方法
(51)【国際特許分類】
B23K 13/00 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
B23K13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553405
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CA2022050286
(87)【国際公開番号】W WO2022183282
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522369348
【氏名又は名称】チェン、ポール ポー
【氏名又は名称原語表記】CHENG,Paul PO
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ポール ポー
(57)【要約】
位置合わせされている第1のレール及び第2のレールの、第1の端面と第2の端面との間の間隙内に、1つ以上の加熱要素が配置される、融着レールアセンブリを形成する方法。これらの端面は、非酸化性雰囲気によって覆われ、加熱要素が通電されて、第1のレール及び第2のレールの一部分を、所定の熱間加工温度まで加熱する。第1の端面のうちの1つ以上が、レールの中心線に対して横向きに動いている間、かつ、被加熱部分が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面と第2の端面とが互いに係合して、一体に融着し、融着レールアセンブリを形成する。第1の端面と第2の端面との少なくとも一方の横向きの動きは、第1の端面と第2の端面とが係合される前、又は係合された後に開始することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融着レールアセンブリを形成する方法であって、
(a)第1のレール頭部を備える第1のレールであって、その第1のレール中心線を規定しており、その第1の端面で終端している、第1のレールを準備するステップと、
(b)第2のレール頭部を備える第2のレールであって、その第2のレール中心線を規定しており、その第2の端面で終端している、第2のレールを準備するステップと、
(c)前記第1の端面と前記第2の端面とが互いに対向して位置するよう、かつ、前記第1のレール中心線と前記第2のレール中心線とを位置合わせするように、前記第1のレール及び前記第2のレールを配置するステップであって、前記第1の端面及び前記第2の端面が、前記第1の端面と前記第2の端面との間に間隙を画定するように、所定の距離で互いに間隔を空けている、配置するステップと、
(d)前記間隙内に配置される、少なくとも1つの加熱要素を準備するステップと、
(e)前記第1の端面及び前記第2の端面を覆う、非酸化性雰囲気を準備するステップと、
(f)前記少なくとも1つの加熱要素を通電して、前記第1の端面と、前記第1の端面から前記第1のレール内に延びている、前記第1のレールの第1の長さ部分とを、誘導加熱によって、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第2の端面と、前記第2の端面から前記第2のレール内に延びている、前記第2のレールの第2の長さ部分とを、誘導加熱によって、前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(g)前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの少なくとも一方に、前記第1のレール中心線及び前記第2のレール中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを与えるステップと、
(h)前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記少なくとも一方が、前記横向きの動きを受けている間、かつ、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分、並びに前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が、前記所定の熱間加工温度にある間、前記第1の端面と前記第2の端面とを互いに係合させて、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分、並びに前記第2の端面及び前記第2の長さ部分を、少なくともある程度塑性変形させるステップと、を含み、
前記第1の端面及び前記第1の長さ部分、並びに前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が、少なくともある程度一体に融着されて、前記融着レールアセンブリを形成する、
方法。
【請求項2】
(i)前記融着レールアセンブリを周囲温度まで冷却するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記融着レールアセンブリの前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれの頭部頂面上の、余分な頂部材料に、前記それぞれの頭部頂面を互いに位置合わせするための、少なくとも1つの仕上げプロセスが施され、前記融着レールアセンブリの前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれのフィールド頭部側面及びゲージ頭部側面上の、余分な側部材料に、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記フィールド頭部側面を互いに位置合わせするための、及び、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記ゲージ頭部側面を互いに位置合わせするための、前記少なくとも1つの仕上げプロセスが施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(f)において、前記第1の長さ部分が、第1の中央頭部領域と整列している第1の中央領域と、前記第1の中央領域に隣接する第1の外側領域とを含み、前記第2の長さ部分が、第2の中央頭部領域と整列している第2の中央領域と、前記第2の中央領域に隣接する第2の外側領域とを含み、前記第1の中央領域及び前記第2の中央領域が、双方とも、前記少なくとも1つの加熱要素によって、経時的に前記第1の外側領域及び前記第2の外側領域よりも大きい程度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
融着レールアセンブリを形成する方法であって、
(a)第1のレール頭部を備える第1のレールであって、その第1のレール中心線を規定しており、その第1の端面で終端している、第1のレールを準備するステップと、
(b)第2のレール頭部を備える第2のレールであって、その第2のレール中心線を規定しており、その第2の端面で終端している、第2のレールを準備するステップと、
(c)前記第1の端面と前記第2の端面とが互いに対向して位置するよう、かつ、前記第1のレール中心線と前記第2のレール中心線とを位置合わせするように、前記第1のレール及び前記第2のレールを配置するステップであって、前記第1の端面及び前記第2の端面が、前記第1の端面と前記第2の端面との間に隙間を画定するように、所定の距離で互いに間隔を空けている、配置するステップと、
(d)第1の側面及び第2の側面を含む、中間要素を準備するステップと、
(e)前記第1の端面と前記第1の側面との間に第1の間隙を画定し、前記第2の端面と前記第2の側面との間に第2の間隙を画定するように、前記第1の端面と前記第2の端面との間の前記隙間内に、前記中間要素を配置するステップであって、前記第1の側面及び前記第2の側面が、それぞれ、前記第1の端面及び前記第2の端面とそれぞれ係合するための、第1の接触面及び第2の接触面を含む、配置するステップと、
(f)前記第1の間隙内に、少なくとも1つの第1の加熱要素を準備するステップと、
(g)前記第2の間隙内に、少なくとも1つの第2の加熱要素を準備するステップと、
(h)前記第1の端面及び前記第2の端面、並びに前記第1の接触面及び前記第2の接触面を覆う、非酸化性雰囲気を準備するステップと、
(i)前記少なくとも1つの第1の加熱要素を通電して、前記第1の端面と、前記第1の端面から前記第1のレール内に延びている、前記第1のレールの第1の長さ部分とを、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第1の接触面と、前記第1の接触面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第1の中間要素部分とを、前記第1の接触面及び前記第1の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(j)前記少なくとも1つの第2の加熱要素を通電して、前記第2の端面と、前記第2の端面から前記第2のレール内に延びている、前記第2のレールの第2の長さ部分とを、前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第2の接触面と、前記第2の接触面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第2の中間要素部分とを、前記第2の接触面及び前記第2の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(k)前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの少なくとも一方に、前記第1のレール中心線及び前記第2のレール中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを与えるステップと、
(l)前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記少なくとも一方が、前記横向きの動きを受けている間、かつ、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、前記第1の中間要素部分、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分が、前記所定の熱間加工温度にある間、前記第1の端面及び前記第2の端面を、前記第1の接触面及び前記第2の接触面とそれぞれ係合させて、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、及び前記第1の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させ、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させるステップと、を含み、
前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、前記第1の中間要素部分が、一体に融着され、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分が、一体に融着されて、前記融着レールアセンブリを形成する、
方法。
【請求項6】
ステップ(k)において、前記中間要素に、その中間中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの中間要素方向において、横向きの動きを更に与えて、前記第1の端面及び前記第2の端面に対して前記中間要素を動かすステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(m)前記融着レールアセンブリを周囲温度まで冷却するステップを更に含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記融着レールアセンブリの前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれの頭部頂面上の、余分な頂部材料に、前記それぞれの頭部頂面を互いに位置合わせするように、前記余分な頂部材料を除去するための、少なくとも1つの仕上げプロセスが施され、前記融着レールアセンブリの前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれのフィールド頭部側面及びゲージ頭部側面上の、余分な側部材料に、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記フィールド頭部側面を互いに位置合わせするように、及び、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記ゲージ頭部側面を互いに位置合わせするように、前記余分な側部材料を除去するための、前記少なくとも1つの仕上げプロセスが施される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記中間要素のプレート部分に、前記第1のレール及び前記第2のレールの前記頭部頂面と位置合わせされる中間要素頭部頂面を提供するための、及び、それぞれのフィールド中間要素頭部側面及びゲージ中間要素頭部側面を提供するための、少なくとも1つの仕上げプロセスが施され、前記フィールド中間要素頭部側面が、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記フィールド頭部側面と位置合わせされ、前記ゲージ中間要素頭部側面が、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記ゲージ頭部側面と位置合わせされる、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(h)及びステップ(i)において、前記第1の長さ部分が、前記第1のレール頭部の第1の中央頭部領域と整列している第1の中央領域と、前記第1の中央領域に隣接する第1の外側領域とを含み、前記第2の長さ部分が、前記第2のレール頭部の第2の中央頭部領域と整列している第2の中央領域と、前記第2の中央領域に隣接する第2の外側領域とを含み、前記第1の中央領域及び前記第2の中央領域が、それぞれ、前記少なくとも1つの第1の加熱要素及び前記少なくとも1つの第2の加熱要素によって、経時的に前記第1の外側領域及び前記第2の外側領域よりも大きい程度に加熱される、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
融着レールアセンブリを形成する方法であって、
(a)第1のレール頭部を備える第1のレールであって、その第1のレール中心線を規定しており、その第1の端面で終端している、第1のレールを準備するステップと、
(b)第2のレール頭部を備える第2のレールであって、その第2のレール中心線を規定しており、その第2の端面で終端している、第2のレールを準備するステップと、
(c)前記第1の端面と前記第2の端面との間に隙間を画定するように、前記第1の端面と前記第2の端面とが互いに対向して、所定の距離で互いに間隔を空けて位置するように、前記第1のレール及び前記第2のレールを配置するステップと、
(d)第1の側面及び第2の側面を含む、中間要素を準備するステップと、
(e)前記第1の端面と前記中間要素の前記第1の側面との間に第1の間隙を画定し、前記第2の端面と前記中間要素の第2の側面との間に第2の間隙を画定するように、前記第1の端面と前記第2の端面との間の前記隙間内に、前記中間要素を配置するステップであって、前記第1の側面及び前記第2の側面が、それぞれ、前記第1の端面及び前記第2の端面とそれぞれ係合するための、第1の接触面及び第2の接触面を含む、配置するステップと、
(f)前記第1の間隙内に、少なくとも1つの第1の加熱要素を準備するステップと、
(g)前記第2の間隙内に、少なくとも1つの第2の加熱要素を準備するステップと、
(h)前記第1の端面及び前記第2の端面、並びに前記第1の接触面及び前記第2の接触面を覆う、非酸化性雰囲気を準備するステップと、
(i)前記少なくとも1つの第1の加熱要素を通電して、前記第1の端面と、前記第1の端面から前記第1のレール内に延びている、前記第1のレールの第1の長さ部分とを、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第1の接触面と、前記第1の接触面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第1の中間要素部分とを、前記第1の接触面及び前記第1の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(j)前記少なくとも1つの第2の加熱要素を通電して、前記第2の端面と、前記第2の端面から前記第2のレール内に延びている、前記第2のレールの第2の長さ部分とを、前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第2の接触面と、前記第2の接触面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第2の中間要素部分とを、前記第2の接触面及び前記第2の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(k)前記中間要素に、前記第1のレール中心線及び前記第2のレール中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを与えるステップと、
(l)前記中間要素が、前記横向きの動きを受けている間、かつ、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、前記第1の中間要素部分、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分が、前記所定の熱間加工温度にある間、前記第1の端面及び前記第2の端面を、前記第1の接触面及び前記第2の接触面とそれぞれ係合させて、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、及び前記第1の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させ、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させるステップと、を含み、
前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の接触面、前記第1の中間要素部分、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の接触面、及び前記第2の中間要素部分が、一体に融着されて、前記融着レールアセンブリを形成する、
方法。
【請求項12】
ステップ(k)において、前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの少なくとも一方が、前記第1のレール中心線及び前記第2のレール中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを更に受ける、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(m)前記融着レールアセンブリを周囲温度まで冷却するステップを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれの頭部頂面上の、余分なレール材料に、前記それぞれの頭部頂面を互いに位置合わせするように、前記余分なレール材料を除去するための、少なくとも1つのレール仕上げプロセスが施され、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、それぞれのフィールド頭部側面及びゲージ頭部側面に、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の前記フィールド頭部側面を互いに位置合わせするように、前記余分なレール材料を除去するための、及び、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の前記ゲージ頭部側面を互いに位置合わせするように、前記余分なレール材料を除去するための、前記少なくとも1つの仕上げプロセスが更に施され、
前記中間要素上の、余分な中間要素材料に、前記第1のレール及び前記第2のレールの、前記それぞれの頭部頂面と位置合わせされる、中間要素頭部頂面を提供するための、及び、それぞれのフィールド中間要素頭部側面及びゲージ中間要素頭部側面を提供するための、前記少なくとも1つの仕上げプロセスが施され、前記フィールド中間要素頭部側面が、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記フィールド頭部側面と位置合わせされ、前記ゲージ中間要素頭部側面が、前記第1のレール頭部及び前記第2のレール頭部の、前記ゲージ頭部側面と位置合わせされる、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
融着レールアセンブリを形成する方法であって、
(a)第1のレール頭部を備える第1のレールであって、その第1のレール中心線を規定しており、その第1の端面において延びている、第1のレールを準備するステップと、
(b)第2のレール頭部を備える第2のレールであって、その第2のレール中心線を規定しており、その第2の端面で終端している、第2のレールを準備するステップと、
(c)前記第1の端面と前記第2の端面との間に隙間を画定するように、前記第1の端面と前記第2の端面とが互いに対して、所定の距離で互いに間隔を空けて位置するように、前記第1のレール及び前記第2のレールを配置するステップと、
(d)第1の側面及び第2の側面を有する本体を含む、中間要素であって、前記第1の側面及び前記第2の側面からそれぞれ反対方向に延びて、それぞれの第1の延出面及び第2の延出面を画定している、前記中間要素の第1の延出部分及び第2の延出部分を更に含む、中間要素を準備するステップと、
(e)前記第1の端面と前記中間要素の前記第1の延出面との間に第1の間隙を画定し、前記第2の端面と前記中間要素の前記第2の延出面との間に第2の間隙を画定するように、前記第1の端面と前記第2の端面との間の前記隙間内に、前記中間要素を配置するステップと、
(f)前記第1の間隙内に、少なくとも1つの第1の加熱要素を準備するステップと、
(g)前記第2の間隙内に、少なくとも1つの第2の加熱要素を準備するステップと、
(h)前記第1の端面及び前記第2の端面、並びに前記第1の延出面及び前記第2の延出面を覆う、非酸化性雰囲気を準備するステップと、
(i)前記少なくとも1つの第1の加熱要素を通電して、前記第1の端面と、前記第1の端面から前記第1のレール内に延びている、前記第1のレールの第1の長さ部分とを、前記第1の端面及び前記第1の長さ部分が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第1の延出面と、前記第1の延出面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第1の中間要素部分とを、前記第1の延出面及び前記第1の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(j)前記少なくとも1つの第2の加熱要素を通電して、前記第2の端面と、前記第2の端面から前記第2のレール内に延びている、前記第2のレールの第2の長さ部分とを、前記第2の端面及び前記第2の長さ部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱し、かつ、前記第2の延出面と、前記第2の延出面から前記中間要素内に延びている、前記中間要素の第2の中間要素部分とを、前記第2の延出面及び前記第2の中間要素部分が塑性変形可能である前記所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(k)前記中間要素に、中間要素中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを与えるステップと、
(l)前記中間要素が、前記横向きの動きを受けている間、かつ、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の延出面、前記第1の中間要素部分、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の延出面、及び前記第2の中間要素部分が、前記所定の熱間加工温度にある間、前記第1の端面及び前記第2の端面を、前記第1の延出面及び前記第2の延出面とそれぞれ係合させて、前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の延出面、前記第1の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させ、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の延出面、及び前記第2の中間要素部分を、少なくともある程度塑性変形させるステップと、を含み、
前記第1の端面、前記第1の長さ部分、前記第1の延出面、前記第1の中間要素部分、前記第2の端面、前記第2の長さ部分、前記第2の延出面、及び前記第2の中間要素部分が、一体に融着されて、前記融着レールアセンブリを形成する、
方法。
【請求項16】
ステップ(k)において、前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの少なくとも一方が、前記第1のレール中心線及び前記第2のレール中心線に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを更に受ける、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
レールの損傷した頭部部分を補修して、補修された頭部部分を提供する方法であって、前記レールが、そのレール中心線を規定しており、前記損傷した頭部部分が、少なくとも1つの空洞を含み、前記少なくとも1つの空洞が、前記少なくとも1つの空洞に隣接する少なくとも1つの基準面に対するものであり、かつ、少なくとも1つの空洞壁によって画定されており、前記方法は、
(a)前記少なくとも1つの空洞壁の、少なくとも1つの表面を洗浄するステップと、
(b)前記少なくとも1つの空洞を少なくとも部分的に充填するように形成されている、少なくとも1つの交換要素であって、
前記少なくとも1つの空洞壁の、前記少なくとも1つの表面と係合するように成形されている、前記少なくとも1つの交換要素の少なくとも1つの係合面と、
前記少なくとも1つの交換要素が前記少なくとも1つの空洞を充填する際に、前記少なくとも1つの基準面に対して所定の位置に位置するように形成されている、少なくとも1つの外面と、
を含む、少なくとも1つの交換要素を準備するステップと、
(c)前記少なくとも1つの係合面が、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面から間隔を空けて、それらの間に間隙を画定するように、前記少なくとも1つの交換要素を配置するステップと、
(d)前記間隙内に、少なくとも1つの加熱要素を配置するステップと、
(e)前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面と、前記少なくとも1つの係合面とを覆う、非酸化性雰囲気を準備するステップと、
(f)前記少なくとも1つの加熱要素を通電して、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面と、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面から前記損傷した頭部部分内に延びている、レール頭部部分と、前記少なくとも1つの係合面と、前記少なくとも1つの係合面から前記交換要素内に延びている、交換要素部分とを、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面、前記レール頭部部分、前記少なくとも1つの係合面、及び前記交換要素部分が少なくともある程度塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱するステップと、
(g)前記少なくとも1つの交換要素を、前記レール中心線に対して少なくともある程度横向きに動かすステップと、
(h)前記少なくとも1つの交換要素が、前記レール中心線に対して少なくともある程度横向きに動いている間、かつ、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面、前記レール頭部部分、前記少なくとも1つの係合面、及び前記交換要素部分が、前記熱間加工温度にある間、前記少なくとも1つの係合面を、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面と係合させて、前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面、前記レール頭部部分、前記少なくとも1つの係合面、及び前記交換要素部分を、少なくともある程度塑性変形させるステップと、を含み、
前記少なくとも1つの空洞壁の前記少なくとも1つの表面、前記レール頭部部分、前記少なくとも1つの係合面、及び前記交換要素部分が、少なくともある程度一体に融着されて、前記補修された頭部部分を形成する、
方法。
【請求項18】
(i)前記補修された頭部部分を周囲温度まで冷却するステップを更に含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記補修された頭部部分上の余分な材料に、前記少なくとも1つの外面を前記少なくとも1つの基準面と位置合わせするように、前記余分な材料を除去するための、少なくとも1つの頭部部分仕上げプロセスが施される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールを接合及び補修する方法である。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、レールは、製鋼業者によって標準的な長さで製造される。それらのレールは、最終的に、現場で一体に接合することが必要とされる。レールを一体に溶接する従来の方法としては、例えば、テルミット溶接及びフラッシュバット溶接が挙げられる。これらの従来の方法では、接合されたレール内に、熱影響部が生じる。熱影響部は、典型的には、溶融金属によって2つのレールが接合されている溶接界面又は接合部から、双方のレール内に外向きに延びている。
【0003】
熱影響部内の材料は、従来の溶接プロセスで使用される溶融金属からの熱によって、悪影響を受けている。典型的には、熱影響部内の材料は、熱影響部の外側の材料よりも、脆弱であるか又は軟質である。当該技術分野において周知であるように、熱影響部は、材料(例えば、鋼)の特性が大きく変化している領域をもたらすものであるため、それらのレールは、熱影響部内又は熱影響部付近で、場合によっては溶接界面において、破損が生じやすい。
【0004】
図1に見られるように、従来のレール10は、頭部12、足部14、及び、頭部12と足部14とを繋ぎ合わせている腹部16を含む。(残りの図面は、本発明を説明するものである。)従来のレールにおける様々な欠陥(例えば、内部欠陥、表面亀裂、及び頭部からのスポーリング)は、レールを一体に溶接する従来の方法に起因して生じるものと考えられる。
【発明の概要】
【0005】
上述の理由から、先行技術の欠陥及び不備を克服若しくは軽減する、レールを一体に接合するための方法及びシステムが必要とされている。
その広範な態様において、本発明は、位置合わせされている第1のレール及び第2のレールの、第1の端面と第2の端面との間の間隙内に、1つ以上の加熱要素が配置される、融着レールアセンブリを形成する方法を提供する。これらの端面は、非酸化性雰囲気によって覆われ、加熱要素が通電されて、第1のレール及び第2のレールの一部分を、所定の熱間加工温度まで加熱する。第1の端面のうちの1つ以上が、レールの中心線に対して横向きに動いている間、かつ、被加熱部分が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面と第2の端面とが互いに係合して、一体に融着し、融着レールアセンブリを形成する。横向きの動きは、第1の端部と第2の端部とが係合される前、又は係合された後に開始することができる。
【0006】
本発明は、以下の添付図面を参照して、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2A】加熱要素が間に配置されている、第1のレール及び第2のレールの、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図2B】加熱要素が取り外された後の、
図2Aの第1のレール及び第2のレールの側面図である。
【
図2C】
図2Bの第1のレール及び第2のレールの上面図である。
【
図2D】
図2A~
図2Cの第1のレール及び第2のレールの、それらの第1の端部と第2の端部とが互いに係合されて、本発明の融着レールアセンブリの一実施形態を形成している、側面図である。
【
図2E】
図2Dの融着レールアセンブリの、その上に位置している余分な頂部材料及び側部材料を示す、側面図である。
【
図2F】
図2Eの融着レールアセンブリの、より大きい縮尺で描かれた断面である。
【
図3A】本発明の中間要素の一実施形態が間に配置され、加熱要素が間に配置されている、第1のレール及び第2のレールの、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図3B】加熱要素が取り外された後の、
図3Aの第1のレール及び第2のレール並びに中間要素の側面図である。
【
図3C】
図3Bの第1のレール及び第2のレールの、それらの第1の端部及び第2の端部が中間要素の両側と係合されて、本発明の融着アセンブリの代替的実施形態を形成している、側面図である。
【
図3D】
図3Cの融着アセンブリの、より大きい縮尺で描かれた断面である。
【
図3E】
図3Cの融着レールアセンブリの、その上に位置している余分な頂部材料及び側部材料を示す、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図3G】本発明の融着レールアセンブリの代替的実施形態の側面図である。
【
図3H】本発明の完成した融着レールアセンブリの側面図である。
【
図4A】本発明の中間要素の代替的実施形態が間に配置され、加熱要素が間に配置されている、第1のレール及び第2のレールの側面図である。
【
図4B】加熱要素が取り外された後の、
図4Aの第1のレール及び第2のレール並びに中間要素の側面図である。
【
図4D】
図4Bの第1のレール及び第2のレールの、それらの第1の端部及び第2の端部が中間要素の両側と係合されて、本発明の融着レールアセンブリの一実施形態を形成している、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図4E】
図4Dの融着レールアセンブリの、その上に位置している余分な頂部材料及び側部材料を示す、側面図である。
【
図4G】本発明の完成した融着レールアセンブリの側面図である。
【
図5A】頭部上に損傷領域を有するレールの側面図である。
【
図5B】頭部上に損傷領域を有するレールの、より大きい縮尺で描かれた端面図である。
【
図5C】
図5Aのレールの、そのレール内に形成された空洞に対して配置されている交換要素を示す、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図5D】
図5Bのレールの、そのレール内に形成された空洞に対して配置されている交換要素を示す、より大きい縮尺で描かれた端面図である。
【
図5E】レールが補修されている、
図5Cのレールの、より小さい縮尺で描かれた側面図である。
【
図5F】レールが補修されている、
図5Dのレールの、より大きい縮尺で描かれた端面図である。
【
図5G】余分な材料が交換部分に隣接して位置している、
図5Dのレールの、より大きい縮尺で描かれた端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面では、同様の参照番号は、全体を通して、対応する要素を示す。最初に
図2A~
図2Fを参照して、本発明による融着レールアセンブリ120(
図2D)を形成する方法の一実施形態を説明する。
【0009】
一実施形態では、融着レールアセンブリ120を形成する方法は、好ましくは、第1のレール頭部123を有する第1のレール122を準備するステップを含む。第1のレール122は、その第1の端面126で終端している。第2のレール頭部130を有する第2のレール128が準備される。
図2A~
図2Dに見られるように、第1のレール122は、その第1のレール中心線124を規定しており、第2のレール128は、その第2のレール中心線132を規定している。第2のレール128もまた、その第2の端面134で終端している。
【0010】
好ましくは、第1のレール122及び第2のレール128は、第1の端面126と第2の端面134とが互いに対向して位置するよう、かつ、第1のレール中心線124と第2のレール中心線132とを位置合わせするように配置される。(
図2A)。第1の端面126及び第2の端面134は、好ましくは、第1の端面126と第2の端面134との間に隙間138を画定するように、所定の距離136で互いに間隔を空けている(
図2B、
図2C)。
【0011】
また、1つ以上の加熱要素140が準備されることも好ましい。
図2Aに見られるように、加熱要素140は、好ましくは、隙間138内に置かれている。説明を簡略化するために、
図2Aでは、1つのみの加熱要素140が示されている。加熱要素140は、説明を明確にするために、
図2B及び
図2Cからは省略されている点が理解されるであろう。
【0012】
第1の端面126及び第2の端面134が加熱されている間、それらの端面を覆うために、非酸化性雰囲気又は不活性雰囲気が提供される。
図2Aでは、非酸化性雰囲気は、参照符号142によって識別される領域を覆っている。当業者には、加熱要素140が通電されている間、第1の端面126及び第2の端面134を非酸化性雰囲気が覆うように、カバー144(
図2Aでは破線によって概略的に表されているもの)が、好ましくは、領域142内に非酸化性雰囲気を封じ込めるために設けられている点が理解されるであろう。また、非酸化性雰囲気を封じ込めているカバー144は、後述されるように、加熱要素140が通電解除された後に取り外される点も理解されるであろう。当業者であれば、非酸化性雰囲気には精通しているため、更なる説明は不要である。
【0013】
非酸化性雰囲気の準備が整うと、加熱要素140が通電されて、第1の端面126と、第1の端面126から第1のレール122内に延びている、第1のレール122の第1の長さ部分146とを、誘導加熱によって、第1の端面126及び第1の長さ部分146が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する(
図2B)。通電された加熱要素140はまた、第2の端面134と、第2の端面134から第2のレール128内に延びている、第2のレール128の第2の長さ部分148とを、誘導加熱によって、第2の端面134及び第2の長さ部分148が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する(
図2B)。
【0014】
当業者であれば、金属の熱間加工温度は、その金属の溶融温度よりも低いことが理解されるであろう。金属(すなわち、金属又は合金)は、ある範囲の熱間加工温度を有し得る。所定の熱間加工温度とは、最適な熱間加工温度である点が理解されるであろう。例えば、比較的低い熱間加工温度が、比較的低いエネルギー入力に起因して最適であると見なされる場合がある。
【0015】
当業者であれば、加熱要素は、1つ以上の誘導コイルを含み得る点が理解されるであろう。
好ましくは、2つ以上の加熱要素140が利用される場合、全ての加熱要素140を、実質的に同時に通電することができ、実質的に同時に通電解除することができる。しかしながら、後述されるように、頭部123、130を予熱するために、特定の加熱要素を、他の加熱要素よりも先に通電することが有利な場合もある。
【0016】
当業者であれば、加熱要素140の全てが通電されると、第1の端面126及び第2の端面134、並びに第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148の全てが、誘導加熱によって加熱される点が理解されるであろう。第1の長さ部分146とは、所定の熱間加工温度まで加熱される、第1の端面126に隣接する第1のレール122の一部分である。第2の長さ部分148とは、所定の熱間加工温度まで加熱される、第2の端面134に隣接する第2のレール128の一部分である。
【0017】
第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148は、
図2Bでは概略的に表されている点が理解されるであろう。説明の目的上、第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148は、
図2Bでは、第1の端面126及び第2の端面134から、第1のレール122及び第2のレール128内に、それぞれ均一な距離で延びているものとして示されている。しかしながら、当業者であれば、第1のレール122及び第2のレール128内での、加熱要素140からの熱エネルギーの分布は、実際には、第1の端面126及び第2の端面134に対して均一ではない場合もある点が理解されるであろう。また、後述されるように、実質的に均一に加熱されている被加熱部分を提供するために、頭部123、130の予熱が必要とされる場合もある。
【0018】
第1のレール122及び第2のレール128のうちの1つ以上は、第1のレール中心線124及び第2のレール中心線132に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、そのレールの横向きの動きを受けることが好ましい。
図2B及び
図2Cでは、例として、第1のレール中心線124に対して概ね横向きである、第1のレール122の動きの方向が、それぞれ、矢印「A
1」及び矢印「A
2」によって示されている。第2のレール中心線132対して概ね横向きである、第2のレール128の動きの方向が、それぞれ、矢印「B
1」及び矢印「B
2」によって示されている。
【0019】
また、矢印「A1」、矢印「A2」、矢印「B1」、及び矢印「B2」によって全般的に示されている横向きの方向は、例示的なものに過ぎない点も理解されるであろう。横向きの動きは、中心線124、132に対する任意の方向とすることができ、少なくともある程度非線形とすることができる点が理解されるであろう。横向きの動きは反復的とすることができ、横向きの動きは、任意の好適な周波数及び方向とすることができる点が理解されるであろう。
【0020】
第1の端面126及び第1の長さ部分146、並びに第2の端面134及び第2の長さ部分148が、所定の熱間加工温度になると直ちに、加熱要素140は、好ましくは隙間138から取り外される。カバー144もまた、加熱要素140が通電解除された時点で取り外すことができ、非酸化性雰囲気を周囲雰囲気中に拡散させることが可能となり得る点が理解されるであろう。加熱要素140は、それらの加熱要素を取り外した後に通電解除することもできる。
【0021】
第1のレール122及び第2のレール128のうちの1つ以上が、横向きの動きを受けている間、かつ、第1の端面126及び第1の長さ部分146、並びに第2の端面134及び第2の長さ部分148が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面126と第2の端面134とが、好ましくは、互いに係合されて、第1の端面126及び第2の端面134、並びに第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148を、少なくともある程度塑性変形させる。その結果として、第1の端面126及び第2の端面134、並びに第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148が、後述されるように、少なくともある程度一体に融着されて、融着レールアセンブリ120を形成する。第1の端面126、第1の長さ部分146、第2のレール面134、及び第2の長さ部分148は、本明細書では集合的に、又は個別的に、被加熱部分と称される場合がある。
【0022】
図2Dに見られるように、一実施形態では、第1のレール及び第2のレールを、好ましくは、互いに向けて(矢印「J」及び矢印「K」によって示される方向に)動かして、第1の端面126と第2の端面134とを互いに押し付ける。上述のように、一実施形態では、レール122、128の一方又は双方の横向きの動きは、好ましくは、第1の端面126と第2の端面134とが互いに係合する前に開始する。
【0023】
必要に応じて、第1のレール122及び第2のレール128の一方若しくは双方の横向きの動きは、代替的に、第1の端部126と第2の端部134とを互いに係合させた後に開始することもできる点が理解されるであろう。
【0024】
第1の端面126と第2の端面134とが互いに係合され、かつ所定の熱間加工温度にある間の、レール122、128の一方又は双方の横向きの動きは、その所定の熱間加工温度において、被加熱部分内に存在している材料の少なくとも一部の、剪断を生じさせる。実際には、加熱要素140を取り外した後、そのような材料の温度は急速に低下する。したがって、第1の端面126及び第2の端面134は、加熱要素140が通電解除されて取り外された直後に、互いに迅速に係合され、互いに押し付けられる。被加熱部分内の材料の温度が、熱間加工温度を下回った後の、更なる塑性変形は、もはや実現可能ではない。その時点で、レール122、128のうちの1つ以上の、それらの中心線124、132に対する横向きの動きが停止する。
【0025】
好ましくは、融着レールアセンブリは、周囲温度まで冷却される(又は、放冷される)。
融着レールアセンブリ120が形成された時点で、所定の熱間加工温度まで加熱されて剪断された、その被加熱部分内の材料は、概ね均一な細粒状の微細構造を有する。この微細構造は、融着レールアセンブリ120の、以前の被加熱部分の全体にわたって、すなわち、所定の熱間加工温度まで加熱されて剪断された部分の全体にわたって、実質的に一貫したものであり、それらの部分内には熱影響部が存在しないことにより、全体にわたって均一に強固な融着レールアセンブリ120をもたらしている。
【0026】
融着レールアセンブリ120は、被加熱部分内の材料が、所定の熱間加工温度までしか加熱されていないため、すなわち、そのような材料が、その溶融温度までは加熱されていないため、脆弱化又は軟質化した領域を有する熱影響部を含まない。
【0027】
本発明の方法で消費されるエネルギーの大部分、すなわち約98パーセントは、加熱要素に供給される電気エネルギーであることが確定している。消費されるエネルギーの残りは、横向きの動きを発生させる際に、及び、第1のレールと第2のレールとを互いに係合させる際に利用される。
【0028】
一実施形態では、加熱要素が通電解除されて撤去された後、頭部123、130は、好ましくは、互いに軽く係合されるのみであり、そのような係合時に、レール122、128の一方又は双方は、更なる横向きの動きが実現可能でなくなるまで、それらの横向きの動きを受ける。
【0029】
また、第1の端部126と第2の端部134とを係合させるために、最小限の力のみが使用される点も理解されるであろう。このことは、驚くべきことに、強制的な係合よりも良好な結果をもたらすことが判明した。第1の端面126と第2の端面134とが係合される間、より低い係合(圧縮)力を加えることは、被加熱部分のより完全な剪断が行われることを可能にするものであるため、より少ない係合力又は鍛造力で、より良好な結果が達成されると考えられる。
【0030】
加熱要素の誘導コイルは、異なる時間及び異なる速度で通電させることができる。
後述されるように、レール頭部123、130が腹部及び足部よりも幅広である、レール122、128の断面形状に起因して、第1の端面126及び第2の端面134は、それぞれの頭部123、130において予熱されることが好ましい。
【0031】
上述のように、被加熱部分内の材料が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面126と第2の端面134とが互いに押し付けられると、そのような材料は塑性変形する。当業者であれば、融着レールアセンブリ120が形成された時点で、既に加熱された被加熱部分の材料の一部が、例えば第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130を越えて、外向きに延出し得る点が理解されるであろう。実際に、第1の端面126と第2の端面134とが互いに係合される際に、被加熱部分内の材料の一部が、外向きに圧搾される場合がある。一例として、余分な頂部材料150及び側部材料152が、
図2E及び
図2Fに示される。
【0032】
図2Dでは、余分な材料が上に一切存在していない、融着レールアセンブリ120が示されている点が理解されるであろう。
図2E及び
図2Fでは、余分な材料には、余分な頂部材料150及び余分な側部材料152が含まれることが分かる。また、
図2Dに示されている融着レールアセンブリ120は、後述されるように、存在し得るそのような余分な頂部材料150及び側部材料152を除去することによって作り出された、完成した融着レールアセンブリ120である点も理解されるであろう。当業者であれば、この結果を達成するために利用することが可能な、好適な仕上げプロセスが認識されるであろう。
【0033】
本発明の方法は、接合部又は溶接界面を生じさせるものではないが、
図2Dの破線「X」は、第1の端面126と第2の端面134とが互いに係合する場所を示している。
図2Fでは、設計プロファイル「D」の輪郭が、実線の輪郭として提供されており、余分な頂部材料150及び側部材料152は、ゴースト線又は破線の輪郭で示されている。当業者であれば、設計プロファイル「D」は、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の双方に関して同じである点が理解されるであろう。余分な頂部材料150の範囲、及び余分な側部材料152の範囲は、説明の目的上、
図2Fでは誇張されている点が理解されるであろう。腹部「W」及び足部「Z」の付近にもまた、設計プロファイル「D」を越えて押し出された材料が存在し得るが、そのような材料は、説明を明確にするために、
図2Fからは省略されている。当業者であれば、腹部「W」又は足部「Z」の付近の、いずれの押し出された材料も、一般に、所定の場所に残存させることが可能であり得る点が理解されるであろう。しかしながら、必要に応じて、腹部「W」及び足部「Z」の付近の、いずれの押し出された材料も、以下で言及される仕上げプロセスを使用して除去することができる。
【0034】
好ましくは、余分な頂部材料150及び余分な側部材料152は、第1の端面126と第2の端面134とが一体に融着される箇所で、第1の頭部123と第2の頭部130とが水平に(又は、実質的に水平に)位置合わせされるように、除去されることになる(
図2D)。設計プロファイル「D」は、頭頂面部分「C」と、その設計プロファイルの頭頂面部分「C」に隣接する、フィールドコーナ「FC」及びゲージコーナ「GC」とを含む(
図2F)。
図2Fに見られるように、余分な頂部部分150は、頭頂面部分「C」とフィールドコーナ「FC」及びゲージコーナ「GC」とに隣接して位置している。
【0035】
設計プロファイル「D」はまた、フィールドコーナ「FC」から下向きに延びているフィールド面「FF」と、ゲージコーナ「GC」から下向きに延びているゲージ面「GF」とを含む。設計プロファイル「D」はまた、フィールド面「FF」及びゲージ面「GF」に隣接して位置している、上部フィッシング面「UF」も含む。
図2Fに見られるように、余分な側部材料152は、フィールド面「FF」及びゲージ面「GF」と上部フィッシング面「UF」とに隣接して位置している。
【0036】
好ましくは、融着レールアセンブリ120の第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、それぞれの頭部頂面154A、154B(
図2E)上の、余分な頂部材料150(
図2E、
図2F)には、それぞれの頭部頂面154A、154Bを互いに位置合わせするように余分な頂部材料150を除去するための、1つ以上の仕上げプロセスが施される。また、融着レールアセンブリ120の第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、それぞれのフィールド頭部側面156A、156B及びゲージ頭部側面158A、158B(
図2C)上の、余分な側部材料152(
図2E、
図2F)にも、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、フィールド頭部側面156A、156Bを互いに位置合わせするように、及び、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、ゲージ頭部側面158A、158Bを互いに位置合わせするように、余分な側部材料152を除去するための、1つ以上の仕上げプロセスを施すことが好ましい。
【0037】
図2Fに見られるように、それぞれの頭部頂面154A、154Bは、頭頂面部分「C」と、フィールドコーナ「FC」及びゲージコーナ「GC」とを含む点が理解されるであろう。また、仕上げプロセスは、余分な頂部材料150を除去するために使用することができる点も理解されるであろう。したがって、余分な頂部材料150の除去により、それぞれの頭部頂面154A、154Bの、それぞれの頭頂面部分「C」とフィールドコーナ「FC」及びゲージコーナ「GC」とが露出される。
【0038】
同様に、フィールド頭部側面156A、156B(
図2C)はそれぞれ、フィールド面「FF」と、そのフィールド面に隣接する上部フィッシング面「UF」とを含む。したがって、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、フィールド側「F」の余分な側部材料152の除去により、フィールド頭部側面156A、156Bのそれぞれの、フィールド面「FF」と、隣接する上部フィッシング面「UF」とが露出される。ゲージ頭部側面158A、158B(
図2C)はそれぞれ、ゲージ面「GF」と、そのゲージ面に隣接する上部フィッシング面「UF」とを含む。したがって、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、ゲージ側「G」の余分な側部材料152の除去により、ゲージ頭部側面158A、158Bのそれぞれの、ゲージ面「GF」と、隣接する上部フィッシング面「UF」とが露出される。
【0039】
図2E及び
図2Fに見られるように、余分な頂部材料150を除去して、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、それぞれの頭部頂面154A、154Bを露出させることができる。更には、余分な側部材料152を除去して、第1のレール頭部123及び第2のレール頭部130の、それぞれのフィールド頭部側面156A、156Bとゲージ頭部側面158A、158Bとを露出させることができる。
【0040】
上記から、本発明のプロセスでは、レール122、128の被加熱部分は、第1のレール122及び第2のレール128内に実質的に均一な距離で延びていることが好ましい点が分かる。第1のレール122及び第2のレール128の、第1の頭部123及び第2の頭部130(
図2C)は、そのそれぞれの腹部116A、116B及び足部114A、114B(
図2E)の断面積と比較して、相対的に幅広の断面積を有する。当業者であれば、頭部123、130の断面積がより大きいことに起因して、第1の長さ部分146及び第2の長さ部分148が、それぞれ、第1の端面126及び第2の端面134から、同じ距離(又は、ほぼ同じ距離)で第1のレール122及び第2のレール128内に延び得るような、十分な熱を供給するために、第1の端面126及び第2の端面136において、頭部123、130に向けて追加的な熱を経時的に向けることができる点が理解されるであろう。
【0041】
上述のように、加熱要素は、被加熱部分を所定の熱間加工温度まで加熱することが理解されるであろう。本発明の方法では、被加熱部分は、熱間加工温度よりも高い温度、すなわち、溶融温度までは加熱されない。したがって、概ね均一に加熱された被加熱部分を提供するためには、頭部を予熱して、経時的に頭部部分により大きい程度の熱を供給することが好ましい。
【0042】
一実施形態では、第1の長さ部分146は、好ましくは、第1の端面126の第1の中央頭部領域162Aと整列している、第1の中央領域160Aと、第1の中央領域160Aに隣接する第1の外側領域164Aとを含む(
図2B)。また、第2の長さ部分148も、第2の端面134の第2の中央頭部領域162Bと整列している、第2の中央領域160Bと、第2の中央領域162Bに隣接する第2の外側領域164Bとを含むことが好ましい。好ましくは、第1の中央領域160A及び第2の中央領域160Bは、双方とも、加熱要素140によって、経時的に第1の外側領域164A及び第2の外側領域164Bよりも大きい程度に加熱される。
【0043】
当業者であれば、任意の好適なデバイス及び方法を利用することによって、第1の中央領域160A及び第2の中央領域160Bを、経時的に第1の外側領域164A及び第2の外側領域164Bよりも大きい程度まで、熱に晒すことができる点が理解されるであろう。上述のように、このことは、好ましくは、第1の中央領域160A及び第2の中央領域160Bを予熱することによって達成される。例えば、第1の中央頭部領域162A及び第2の中央頭部領域162Bの近位に配置されている加熱要素140は、第1の外側領域164A及び第2の外側領域164Bを加熱するように配置されている加熱要素140が通電される前に、所定の予熱期間にわたって、第1の中央領域160A及び第2の中央領域160Bに熱を供給するように構成することができる。また、第1の中央頭部領域162A及び第2の中央頭部領域162Bの近位にある加熱要素140は、第1の外側領域164A及び第2の外側領域164Bを加熱するように配置されている加熱要素140よりも速い速度で、熱を供給するように構成することもできる。
【0044】
本発明の方法の別の実施形態が、
図3A~
図3Hに示される。この実施形態では、中間要素266が準備され、本発明のこの方法は、例えば、第1のレール222及び第2のレール228の一方若しくは双方の、横向きの運動が不都合であるか、又は実現可能ではない場合に利用することができる。好ましくは、第1のレール222及び第2のレール228は、第1の端面226と第2の端面234とが互いに対向して位置するよう、かつ、第1のレール中心線224と第2のレール中心線232とを位置合わせするように配置される(
図3A)。第1の端面226及び第2の端面234は、第1の端面226と第2の端面234との間に隙間を画定するように、所定の距離268で互いに間隔を空けていることが好ましい(
図3B)。
図3A及び
図3Bに見られるように、中間要素266は、好ましくは、その第1の側面270及び第2の側面272を含む。
【0045】
好ましくは、中間要素266は、第1の端面226と第1の側面270との間に第1の間隙274を画定し、第2の端面234と第2の側面272との間に第2の間隙276を画定するように、第1の端面226と第2の端面234との間の隙間内に配置される(
図3B)。第1の側面270及び第2の側面272は、それぞれ、第1の端面226及び第2の端面234とそれぞれ係合するための、第1の接触面278及び第2の接触面280を含む。好ましくは、1つ以上の第1の加熱要素240Aが、第1の間隙274内に配置され、1つ以上の第2の加熱要素240Bが、第2の間隙276内に配置される(
図3A)。加熱要素240A、240Bは、説明を明確にするために、
図3Bからは省略されている点が理解されるであろう。
【0046】
中間要素は、その中間要素中心線267を規定している(
図3C)。中間要素中心線267は、第1のレール中心線224及び第2のレール中心線232と位置合わせされることが好ましい。
【0047】
また、第1の端面226及び第2の端面234、並びに第1の接触面278及び第2の接触面280を覆う、非酸化性雰囲気が提供される点も理解されるであろう。非酸化性雰囲気によって覆われる領域は、
図3Aの参照番号242によって識別される。非酸化性雰囲気を封じ込めるためのカバー244が、
図3Aで概略的に表されている。
【0048】
次に、第1の加熱要素240Aが好ましくは通電されて、第1の端面226と、第1の端面226から第1のレール222内に延びている、第1のレール222の第1の長さ部分246とを、第1の端面226及び第1の長さ部分246が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する。第1の加熱要素240Aが通電されると、第1の接触面278と、第1の接触面278から中間要素266内に延びている、中間要素266の第1の中間要素部分282とが、第1の接触面278及び第1の中間要素部分282が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱される。
【0049】
第2の加熱要素240Bもまた好ましくは通電されて、第2の端面234と、第2の端面234から第2のレール228内に延びている、第2のレール288の第2の長さ部分248とを、第2の端面234及び第2の長さ部分248が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する。第2の加熱要素240Bが通電されると、第2の接触面280と、第2の接触面280から中間要素266内に延びている、中間要素266の第2の中間要素部分284とが、第2の接触面280及び第2の中間要素部分284が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱される。
【0050】
中間要素266は、一体に直接接合することが困難であり得る、異なる材料で作製されている2つのレール222、228を、接合するために利用することができる。これらの状況では、例えば、第1のレール222を、好ましくは、第1の所定の熱間加工温度まで加熱することができ、第2のレール228を、好ましくは、異なる第2の所定の熱間加工温度まで加熱することができる。中間要素266は、第1の所定の熱間加工温度と第2の所定の熱間加工温度とに適合している。第1の加熱要素240Aは、第1の端面226、第1の長さ部分246、第1の接触面278、及び第1の中間要素部分282を、第1の所定の熱間加工温度まで加熱することができる。第2の加熱要素240Bは、第2の端面234、第2の長さ部分248、第2の接触面280、及び第2の中間要素部分284を、第2の所定の熱間加工温度まで加熱することができる。
【0051】
様々な技術を利用して、2つのレール222、228を、異なる温度まで加熱することができる。例えば、間隙274、276を、異なる幅にすることができる。あるいは、又は更に、加熱要素240A、240Bは、第1のレール222及び第2のレール228に対して、異なる方式で配置することもできる。加熱要素240A、240Bは、異なる量の熱エネルギーを供給するように構成することができ、また、それらの加熱要素は、異なる期間にわたって熱エネルギーを供給することもできる。例えば、加熱要素240A、240Bは、異なる予熱期間にわたって加熱することができる。
【0052】
第1の長さ部分246及び第2の長さ部分248、並びに第1の中間要素部分282及び第2の中間要素部分284の全ては、
図3Aでは概略的に表されている点が理解されるであろう。説明の目的上、第1の長さ部分246及び第2の長さ部分248は、
図3Aでは、第1の端面226及び第2の端面234から、第1のレール222及び第2のレール228内に、均一な距離で延びているものとして示されている。しかしながら、当業者であれば、第1のレール222及び第2のレール228内での、加熱要素240A、240Bからの熱エネルギーの分布は、実際には、第1の端面226及び第2の端面234に対して均一ではない場合もある点が理解されるであろう。
【0053】
一実施形態では、第1のレール222及び第2のレール228の一方若しくは双方は、好ましくは、第1のレール中心線224及び第2のレール中心線232に対して少なくともある程度横向きである少なくとも1つの方向において、横向きの動きを受ける。上述のように、レール222、228の横向きの動きは、それらの中心線に対して横向きである任意の方向とすることができる。
【0054】
第1のレール222及び第2のレール228の一方若しくは双方が、横向きの動きを受けている間、かつ、第1の端面226、第1の長さ部分246、第1の接触面278、第1の中間要素部分282、第2の端面234、第2の長さ部分248、第2の接触面280、及び第2の中間要素部分284が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面226及び第2の端面234は、第1の接触面278及び第2の接触面280とそれぞれ係合して、第1の端面226、第1の長さ部分246、第1の接触面278、及び第1の中間要素部分282を、少なくともある程度塑性変形させ、第2の端面234、第2の長さ部分248、第2の接触面280、及び第2の中間要素部分284を、少なくともある程度塑性変形させる。そのような塑性変形により、後述されるように、第1の端面226、第1の長さ部分246、第1の接触面278、及び第1の中間要素部分282が、一体に融着される。更には、また、そのような塑性変形により、第2の端面234、第2の長さ部分248、第2の接触面280、及び第2の中間要素部分284も一体に融着されて、融着レールアセンブリ220を形成する(
図3C)。第1の端面226、第1の長さ部分246、第1の接触面278、第1の中間要素部分282、第2のレール面234、第2の長さ部分248、第2の接触面280、及び第2の中間要素部分284は、本明細書では集合的に、又は個別的に、被加熱部分と称される場合がある。
【0055】
第1のレール222を、好ましくは、
図3Cの矢印「2J」によって示される方向に動かして、第1の端面226を第1の接触面278に押し付ける。ほぼ同時に、第2のレール228を、好ましくは、
図3Cの矢印「2K」によって示される方向に動かして、第2の端面234を第2の接触面280に押し付ける。上述のように、この係合は、最小限の圧縮力で達成されることが好ましい。
【0056】
一実施形態では、中間要素266は、中間要素中心線267に対して少なくともある程度横向きである1つ以上の中間要素方向の、横向きの動きを受けることができる。そのような横向きの動きは、第1の端面226及び第2の端面234に対して、中間要素266を動かす。レール222、228の、それらの中心線に対する横向きの動きと同様に、中間要素266の横向きの動きは、中間要素中心線267に対して横向きである任意の方向とすることができる。
【0057】
一実施形態では、レール222、228、及び中間要素266は全て、被加熱部分が所定の熱間加工温度にある間、かつ、第1の端面226及び第2の端面234が、第1の接触面278及び第2の接触面280と係合している間、それらのそれぞれの横向きの動きを受けることができる。この横向きの動きは、そのような係合の前又は後に開始することができる。
【0058】
別の実施形態では、第1の端面226及び第2の端面234と、第1の接触面278及び第2の接触面280との係合が行われている間、レール222、228のみが、それらの横向きの動きを受けることができる。この横向きの動きは、そのような係合の前又は後に開始することができる。
【0059】
更に別の代替的実施形態では、第1の端面226及び第2の端面234と、第1の接触面278及び第2の接触面280との係合が行われている間、中間要素266のみが、中間要素中心線267に対する横向きの動きを受ける。この横向きの動きは、そのような係合の前又は後に開始することができる。
【0060】
一実施形態では、融着レールアセンブリ220が形成された後、融着レールアセンブリ220は、好ましくは、周囲温度まで冷却されるか又は放冷される。
融着レールアセンブリ220が形成された時点で、既に加熱された被加熱部分の材料の一部が、例えば第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230を越えて、外向きに延出し得る点が理解されるであろう。
図3E及び
図3Fに見られるように、一例として、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252が、中間要素266の第1の側面270及び第2の側面272に隣接して位置している場合がある。当業者であれば、修正された融着レールアセンブリ220’を提供するために、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252の一部若しくは全てを、除去することが必要とされる場合がある点が理解されるであろう。そのような除去は、融着レールアセンブリ220の第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、それぞれの頭部頂面254A、254Bが位置合わせされることを確実にし、かつまた、融着レールアセンブリ220’のレール頭部223、230の、それぞれのフィールド頭部側面256A、256B及びゲージ頭部側面258A、258Bが位置合わせされることも確実にして、融着レールアセンブリ220’の上を鉄道車両の車輪が妨げられることなく転がることを可能にするために、必要とされる場合がある。当業者であれば、余分な頂部材料250及び余分な側部材料の除去のために利用することが可能な、好適な仕上げプロセスもまた認識されるであろう。
図3Cに示されるような融着レールアセンブリ220は、余分な頂部材料250及び余分な側部材料が除去された後の、融着レールアセンブリを示していることが理解されるであろう。後述されるように、更なる仕上げプロセスが適用された後に作り出されている、完全な又は修正された融着レールアセンブリ220’が、
図3Hに示される。
【0061】
好ましくは、融着レールアセンブリ220の第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、それぞれの頭部頂面254A、254B上の、余分な頂部材料250には、それぞれの頭部頂面254A、254Bを互いに位置合わせするように余分な頂部材料250を除去するための、1つ以上の仕上げプロセスが施される。また、融着レールアセンブリ220の第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、それぞれのフィールド頭部側面256A、256B及びゲージ頭部側面258A、258B上の、余分な側部材料252にも、第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、フィールド頭部側面256A、256Bを互いに位置合わせするように、及び、第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、ゲージ頭部側面258A、258Bを互いに位置合わせするように、余分な側部材料252を除去するための、仕上げプロセスを施すことが好ましい。
【0062】
図3Dは、
図3CのQ-Q’で取られた、融着レールアセンブリの断面であることが理解されるであろう。説明を明確にするために、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252は、
図3C及び
図3Dからは省略されている。第1のレール222は、設計プロファイル「2D」を有する(
図3D)。第2のレール228は、第1のレール222のプロファイルと同じであるプロファイルを有し、第1のレール222と第2のレール228とは、好ましくは水平に位置合わせされることが理解されるであろう。
図3Dに見られるように、一実施形態では、中間要素266は、好ましくは、融着レールアセンブリ220が形成された時点でレール222、228に対して外向きに延出している、プレート部分286を含む。
図3Dに示されているようなプレート部分286のサイズは、説明を明確にするために誇張されている。
【0063】
中間要素266には、そのプレート部分が設けられていない場合もある点が理解されるであろう。プレート部分286は、例えば、第1のレール222及び第2のレール228に対する中間要素の配置を容易にするために、中間要素266内に含めることができる。また、プレート部分286は、中間要素266の横向きの運動を容易にするために使用することもできる。例えば、中間要素266を所定の位置に保持するための、及び/又は、中間要素266に横向きの動きを与えるための、1つ以上のデバイス(図示せず)を、プレート部分286に係合させることができる。
【0064】
また、中間要素266は、プレート部分286よりも小さいプレート部分を含み得る点も理解されるであろう。例えば、
図3Gでは、第1のレール222及び第2のレール228の頭部頂面254A、254Bを越えて上向きに、又は足部214A、214Bよりも下方には延出しない、短縮されたプレート部分287を含む、中間要素266
Aが示されている。プレート部分287は、融着レールアセンブリ220が形成された時点で、第1のレール222及び第2のレール228の側面から水平に延出している点が理解されるであろう(
図3G)。この実施形態では、プレート部分287は、要求に応じて中間要素266を配置及び/又は動かすためのデバイス(図示せず)によって係合可能な表面を提供することによって、融着レールアセンブリ220が形成されている間、中間要素266を所定の位置に保持し、(必要に応じて)中間要素266に横向きの動きを与えることを容易にする。
【0065】
図3Gに見られるように、中間要素266並びに第1のレール222及び第2のレール228のうちの1つ以上の、横向きの動きの間に、第1のレール222と第2のレール228とが係合されると、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252が、外向きに押し出される場合がある。
図3Gに示されるように、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252の量は、説明を明確にするために誇張されている。
【0066】
好ましくは、融着レールアセンブリの中間要素266のプレート部分286には、第1のレール222及び第2のレール228の頭部頂面254A、254Bと位置合わせされる中間要素頭部頂面288を含む、修正された中間要素266’(
図3H)を提供するために、1つ以上の仕上げプロセスが施される。また、プレート部分286には、修正された中間要素266’が、それぞれのフィールド中間要素頭部側面及びゲージ中間要素頭部側面を含むように、更に仕上げプロセスが施されることも好ましい。フィールド中間要素頭部側面(
図3Hには示さず)は、好ましくは、第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、フィールド頭部側面256A、256Bと位置合わせされ、ゲージ中間要素頭部側面289B(
図3H)は、好ましくは、第1のレール頭部223及び第2のレール頭部230の、ゲージ頭部側面258A、258Bと位置合わせされる。当業者であれば、好適な仕上げプロセスが認識されるであろう。
【0067】
図3Hに見られるように、プレート部分286は、好ましくは除去され、残されている中間要素266の残部が、修正された中間要素266’である。修正された中間要素266’は、好ましくは、第1のレール222及び第2のレール228のプロファイルと揃えられている、その中間要素のプロファイルを有することにより、第1のレール222及び第2のレール228、並びに中間要素266の残部の上を、鉄道車輪が転がることを可能にする。上述のように、仕上げプロセスが施された、図示の完成した融着レールアセンブリが、
図3Hに示されており、参照符号220’によって識別される。
【0068】
当業者であれば、
図3Gに示されている中間要素266にもまた、そのプレート部分287を除去し、余分な頂部材料250及び余分な側部材料252を除去するための、仕上げプロセスを施すことにより、
図3Hに示されている修正された中間要素266’を提供することができる点が理解されるであろう。
【0069】
一実施形態では、第1の長さ部分246は、第1のレール頭部223の第1の中央頭部領域262Aと整列している、第1の中央領域260Aと、第1の中央領域260Aに隣接する第1の外側領域264Aとを含む。好ましくは、第2の長さ部分248は、第2のレール頭部230の第2の中央頭部領域262Bと整列している、第2の中央領域260Aと、第2の中央領域260Bに隣接する第2の外側領域264Bとを含む。また、第1の中央領域260A及び第2の中央領域260Bは、それぞれ、第1の加熱要素240A及び第2の加熱要素240Bによって、経時的に第1の外側領域264A及び第2の外側領域264Bよりも大きい程度に加熱されることも好ましい。
【0070】
上述のように、被加熱部分内での概ね均一な熱分布を達成するために、より多くの熱を頭部部分223、230に経時的に供給することが有利である。このことは、頭部部分223、230を予熱することによって達成することができる。
【0071】
当業者であれば、任意の好適なデバイス及び方法を利用することによって、第1の中央領域260A及び第2の中央領域260Bを、第1の外側領域264A及び第2の外側領域264Bよりも経時的に大きい熱に晒すことができる点が理解されるであろう。例えば、第1の中央頭部領域262A及び第2の中央頭部領域262Bの近位にそれぞれ配置されている、加熱要素240A、240Bは、第1の外側領域264A及び第2の外側領域264Bを加熱するように配置されている加熱要素240A、240Bよりも多くの熱を、第1の中央領域260A及び第2の中央領域260Bに経時的に供給するように構成することができる。
【0072】
本発明の融着レールアセンブリ320を形成する代替的方法が、
図4A~
図4Gに示される。好ましくは、第1のレール322及び第2のレール328が準備され、第1の端面326と第2の端面334との間に隙間を画定するように、それらの第1の端面326と第2の端面334とが、互いに対向して、所定の距離368で互いに間隔を空けて位置するように配置される(
図4B)。
【0073】
図4Bに見られるように、第1の側面370及び第2の側面372を有する本体301を含む、中間要素366が好ましくは準備される。また、中間要素366は、第1の側面370及び第2の側面372から反対方向に延びて、それらのそれぞれの第1の延出面307及び第2の延出面309を画定する、その中間要素の第1の延出部分303及び第2の延出部分305を更に含むことも好ましい。好ましくは、中間要素366は、第1の端面326と中間要素366の第1の延出面307との間に第1の間隙374を画定し、第2の端面334と中間要素366の第2の延出面309との間に第2の間隙376を画定するように、第1の端面326と第2の端面334との間の隙間内に配置される。
【0074】
上述のように、中間要素は、異種材料のレールを(中間要素を介して)接合するために使用することができる。
中間要素366は、中間要素366が第1のレール322と第2のレール328との間に配置される際に、第1のレール322及び第2のレール328の、それぞれの中心線324、332と好ましくは位置合わせされる、その中間要素中心線367を規定している。
【0075】
1つ以上の第1の加熱要素340Aが、好ましくは、第1の間隙374内に配置され、1つ以上の第2の加熱要素340Bが、第2の間隙376内に配置される。
また、第1の端面326及び第2の端面334、並びに第1の延出面307及び第2の延出面309を覆う、非酸化性雰囲気が好ましくは提供される点も理解されるであろう。非酸化性雰囲気によって覆われる領域は、
図4Aの参照番号342によって識別される。非酸化性雰囲気を封じ込めるためのカバー344が、
図4Aで概略的に表されている。
【0076】
次に、第1の加熱要素340Aが通電されて、第1の端面326と、第1の端面326から第1のレール322内に延びている、第1のレール322の第1の長さ部分346とを、第1の端面326及び第1の長さ部分346が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する(
図4A)。第1の加熱要素340Aはまた、第1の延出面307と、第1の延出面307から中間要素366内に延びている、中間要素366の第1の中間要素部分311とを、第1の延出面307及び第1の中間要素部分311が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する。
【0077】
好ましくは、第2の加熱要素340Bもまた通電されて、第2の端面334と、第2の端面334から第2のレール328内に延びている、第2のレール328の第2の長さ部分348とを、第2の端面334及び第2の長さ部分348が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する(
図4A)。第2の加熱要素340Bはまた、第2の延出面309と、第2の延出面309から中間要素366内に延びている、中間要素366の第2の中間要素部分313とを、第2の延出面309及び第2の中間要素部分313が塑性変形可能である所定の熱間加工温度まで加熱する。
【0078】
一実施形態では、中間要素366は、好ましくは、中間要素中心線367に対して少なくともある程度横向きである1つ以上の方向において、横向きの動きを受ける。
好ましくは、中間要素366が、その横向きの動きを受けている間、かつまた、第1の端面326、第1の長さ部分346、第1の延出面307、第1の中間要素部分311、第2の端面334、第2の長さ部分348、第2の延出面309、及び第2の中間要素部分313が、所定の熱間加工温度にある間、第1の端面326及び第2の端面334は、第1の延出面307及び第2の延出面309とそれぞれ係合して、第1の端面326、第1の長さ部分347、第1の延出面307、第1の中間要素部分311を、少なくともある程度塑性変形させ、また第2の端面334、第2の長さ部分348、第2の延出面309、及び第2の中間要素部分313も、少なくともある程度塑性変形させる。
【0079】
そのような塑性変形により、第1の端面326、第1の長さ部分346、第1の延出面307、及び第1の中間要素部分311が、一体に融着される。更には、また、そのような塑性変形により、第2の端面334、第2の長さ部分348、第2の延出面309、及び第2の中間要素部分313も一体に融着されて、融着レールアセンブリ320を形成する。第1の端面326、第1の長さ部分346、第1の延出面307、第1の中間要素部分311、第2のレール面334、第2の長さ部分348、第2の延出面309、及び第2の中間要素部分313は、本明細書では集合的に、又は個別的に、被加熱部分と称される場合がある。
【0080】
好ましくは、第1のレール322を、
図4Dの矢印「3J」によって示される方向に動かして、第1の端面326を第1の延出面307に押し付ける。ほぼ同時に、第2のレール328を、好ましくは、
図4Cの矢印「3K」によって示される方向に動かして、第2の端面334を第2の延出面309に押し付ける。
【0081】
一実施形態では、レール322、328及び中間要素366は全て、被加熱部分が所定の熱間加工温度にある間、かつ、第1の端面226及び第2の端面234が、第1の接触面278及び第2の接触面280と係合している間、それらのそれぞれの横向きの動きを受けることができる。第1のレール322及び第2のレール328は、それらのそれぞれの中心線324、332に対する、それらの横向きの動きを受けることができる。あるいは、レール322、328のみが、それらのそれぞれの中心線324、332に対する横向きの動きを受ける場合もあり、すなわち、その間、中間要素366は静止している。これらの要素のうちのいずれかの横向きの動きは、レール322、328と中間要素366との係合の前又は後に開始することができる。
【0082】
図4Cに見られるように、第1の延出部分303の第1の延出面307は、好ましくは、その延出面が融着されることになる第1のレール322の設計プロファイルと同じである、設計プロファイル「D
E」を有するように成形されている。第2の延出面309もまた、第2のレール328の設計プロファイルと同じである、設計プロファイル(図示せず)を有する点が理解されるであろう。当業者であれば、第1のレール322及び第2のレール328の設計プロファイル、並びに第1の延出面307及び第2の延出面309の設計プロファイルは、好ましくは、全て同じである点が理解されるであろう。中間要素366は、プレート部分386を含み得る。
【0083】
中間要素366には、そのプレート部分が設けられていない場合もある点が理解されるであろう。プレート部分386は、例えば、第1のレール322及び第2のレール328に対する中間要素の配置を容易にするために、中間要素266内に含めることができる。また、プレート部分386は、中間要素366の横向きの運動を容易にするために使用することもできる。中間要素366がプレート部分366を含む場合には、プレート部分386は、後述されるような仕上げプロセスを利用することによって、少なくとも部分的に除去される。
【0084】
融着レールアセンブリ320に仕上げプロセスが施されて、修正又は完成した融着レールアセンブリ320’(
図4G)が提供された時点で、第1のレール322及び第2のレール328、並びに第1の延出部分303及び第2の延出部分305の全てが、好ましくは、水平に(又は、実質的に水平に)位置合わせされて、修正又は完成した融着レールアセンブリ320’の上を鉄道車両の車輪が転がることが可能となる。
【0085】
図4E及び
図4Fに見られるように、一実施形態では、余分な頂部材料350及び余分な側部材料352が、第1のレール322及び第2のレール328のレール頭部323、330を越えて、外向きに押し出される場合がある。この材料は、第1のレール322及び第2のレール328が中間要素366に押し付けられる際に、被加熱部分から、外向きに圧搾される。そのような材料は、好ましくは、好適な仕上げプロセスを利用することによって除去される。当業者であれば、そのような仕上げプロセスが認識されるであろう。
【0086】
頭部323、330の頭部頂面354A、354Bが、材料350によって妨げられずに位置合わせされるように、余分な頂部材料350が、好ましくは除去される(
図4E)。頭部323、330のフィールド頭部側面356A、356Bが、材料342によって妨げられずに位置合わせされるように、余分な側部材料352が除去される(
図4F)。また、
図4Fに見られるように、頭部323、330のゲージ頭部側面358A、358Bが、材料352によって妨げられずに位置合わせされるように、余分な側部材料352が、好ましくは除去される。
【0087】
図4Cに見られるように、中間要素366の本体301は、融着レールアセンブリ320が形成された時点でレール322、328に対して外向きに延出している、プレート部分386を含み得る。好ましくは、融着レールアセンブリ320内の中間要素366のプレート部分386には、第1のレール322及び第2のレール328の頭部頂面354A、354Bと位置合わせされる中間要素頂面388を含む、修正された中間要素366’を提供するために、1つ以上の追加的な仕上げプロセスが施される(
図4G)。また、プレート部分386には、頭部323、330のフィールド頭部側面356A、356B、及び頭部323、330のゲージ頭部側面358A、358Bとそれぞれ位置合わせされる、修正された中間要素366’のフィールド中間要素頭部側面及びゲージ中間要素頭部側面を提供するために、追加的な仕上げプロセスを更に施すことも好ましい。ゲージ中間頭部側面389Bが、
図4Gに示されている。当業者であれば、プレート部分386の少なくとも一部を除去するための、好適な仕上げプロセスが認識されるであろう。
【0088】
図4Gに見られるように、修正された中間要素366’を提供するためにプレート部分386が除去された時点で、残されている本体301の残部は、延出部分303、305の設計プロファイル「D
E」と、第1のレール322及び第2のレール328のプロファイルとに揃えられている、プロファイルを有することにより、第1のレール322及び第2のレール328、並びに修正された中間要素366’の上を、鉄道車輪(図示せず)が転がることを可能にする。
図4Gに示されている、完成又は修正された融着レールアセンブリは、参照符号320’によって識別される。
【0089】
延出部分303、305のそれぞれは、中間要素366の本体301から軸方向に延びている。延出部分303、305の深さにより、加熱要素340A、340Bが通電されると、それらの延出部分は、その中に比較的均一な熱分布をもたらすと考えられる。延出部分303、305は、好ましくは、熱分布を制御して、その中に熱を閉じ込める役割を果たす。
【0090】
上述のように、加熱要素340A、340Bは、加熱要素340A、340Bの通電時に、レール322、328の頭部323、330に追加的な熱エネルギーを伝達するように構成することができる。より均一な熱分布のために、頭部323、330に対応する、延出部分303、305の一部に関して、予熱を利用することができる。
【0091】
図5A及び
図5Bに見られるように、レール410の頭部417は、「スポーリング」と称されるものに起因して損傷するか、又は他の方式で損傷する場合がある。頭部417への損傷は、少なくとも部分的に、従来の溶接方法から生じる熱影響部に起因し得る。
図5Aでは、図示のような頭部417は、便宜的に参照符号421A及び421Bによって識別される、損傷している2つの領域を有する。頭部417の別の図が、
図5Bに示されており、この図では、損傷領域は参照符号421Cによって識別される。レール410は、好ましくは、その中心線419を規定している。
【0092】
図5A及び
図5Bに見られるように、損傷部分425A、425B、425Cを、頭部417から除去して、隣接する基準面に対して、頭部417内に空洞427A、427B、427Cを設けることが好ましい。
図5A~
図5Dに見られるように、基準面は、頭部417の頭頂面又は頂面429、並びに頭部の側面431である。
【0093】
図5A~
図5Gに見られるように、本発明は、好ましくは、レール410の損傷した頭部部分417を補修して、補修された頭部部分433を提供する方法を含む。当業者であれば、空洞427A、427B、427Cが形成されると、空洞427A、427B、427Cをそれぞれ画定している、壁435A、435B、435Cの表面が、好ましくは洗浄され、あるいは以下で説明される補修プロセスに関して他の方式で準備される点が理解されるであろう。
【0094】
交換要素437A、437B、437Cが、対応する空洞427A、427B、427Cを少なくとも部分的に充填するように形成されており、交換要素のそれぞれは、特定の空洞内に適合するように形成されている点が理解されるであろう。好ましくは、交換要素437A、437B、437Cのそれぞれは、その交換要素により充填されることが意図されている空洞の、空洞壁と係合するように成形されている、1つ以上の係合面439A、439B、439Cを含む。交換要素437A、437B、437Cのそれぞれは、好ましくはまた、それぞれ、1つ以上の外面441A、441B、441Cも含む。後述されるように、外面441A、441B、441Cのそれぞれは、好ましくは、交換要素437A、437B、437Cが対応する空洞427A、427B、427Cを充填する際に、基準面429、431に対して所定の位置に位置するように形成されている。
【0095】
好ましくは、交換要素437A、437B、437Cのそれぞれは、その係合面439A、439B、439Cが、対応する空洞壁の表面から間隔を空けて位置して、それらの間にそれぞれの間隙443A、443B、443Cを画定するように配置される(
図5C、
図5D)。1つ以上の加熱要素が、好ましくは、間隙のそれぞれの中に配置される。説明を明確にするために、加熱要素は、
図5C及び
図5Dでは、参照符号440A、440B、440Cによって識別される。加熱要素が通電されている間、それぞれの係合面439A、439B、439Cを覆い、かつまた、空洞壁435A、435B、435Cも覆う、非酸化性雰囲気が提供される点が理解されるであろう。説明を明確にするために、非酸化性雰囲気によって覆われる領域と、そのためのカバーとは、
図5A~
図5Fからは省略されている。
【0096】
非酸化性雰囲気の準備が整うと、加熱要素が通電される。
図5C及び
図5Dに示されている実施例のそれぞれでは、加熱要素は、空洞壁の表面、表面から頭部417内に延びているレール頭部部分、空洞用の交換要素の係合面、及び、係合面から交換要素内に延びている交換要素部分を、所定の熱間加工温度まで加熱する。空洞壁の表面、レール頭部部分、係合面、及び交換要素部分は、本明細書では集合的に、又は個別的に、被加熱部分と称される場合がある。被加熱部分が、所定の熱間加工温度にある場合、それらは塑性変形可能である。
【0097】
一例として
図5D及び
図5Fを参照すると、通電された加熱要素440Cは、空洞壁435Aの表面、表面から頭部417内に延びているレール頭部部分447C、係合面439C、及び係合面439Cから交換要素437C内に延びている交換要素部分449Cを加熱する。空洞壁435A、435B、及び交換要素437A、437Bは、それぞれの加熱要素440A、440Bによって同じ程度まで加熱されることが理解されるであろう。
図5C及び
図5Eでは、それぞれの加熱要素によって加熱される、レール頭部部分及び交換要素部分は、説明を明確にするために省略されている。
【0098】
好ましくは、交換要素437A、437B、437Cは、レール中心線419に対して少なくともある程度横向きに動かされ、次いで、交換要素が横向きに動いている間、かつ、被加熱部分が所定の熱間加工温度にある間、交換要素の係合面が空洞壁と係合される。例えば、
図5E及び
図5Fでは、交換要素437A、437B、及び437Cのそれぞれが、その係合面と、対応する空洞壁との係合のために動かされる方向は、それぞれ、矢印451A、451B、451Cによって概略的に示されている。
【0099】
それぞれの場合に係合面が空洞壁に係合する際の、交換要素の横向きの動きにより、それぞれの対応する交換要素の係合面と、その係合面が係合するように形成されている空洞壁とが、一体に融着されて、補修された頭部部分433を形成する(
図5E、
図5F)。
【0100】
補修された頭部部分433は、好ましくは、周囲温度まで冷却されるか又は放冷される。
係合面が空洞壁と係合される際に、被加熱部分の一部が外向きに圧搾されて、頭頂面429又は側面431上に位置する場合がある。この状況は、
図5Gに示されており、この図では、余分な頂部材料450及び余分な側部材料452が示されている。
図5Gに示されている実施例では、余分な頂部材料450が、頭頂面部分429上に少なくとも部分的に位置しており、余分な側部材料452が、側部部分431上に少なくとも部分的に位置している。好ましくは、補修された頭部部分433には、外面を関連の基準面と位置合わせするために、1つ以上の頭部部分仕上げプロセスが施される。
【0101】
図5Gに見られるように、外面441Cは、交換要素437Cが空洞427C内に配置される際に、頭頂面429と位置合わせされるように形成されている、頂部外面453を含む。外面441Cはまた、交換要素437Cが空洞427C内に配置される際に、側面431と位置合わせされるように形成されている、側面455も含む。
【0102】
当業者であれば、余分な頂部材料450及び余分な側部材料452は、任意の好適な仕上げプロセスによって除去することができる点が理解されるであろう。外面441Cが、関連の基準面と、他の方式で十分に位置合わせされていない場合には、好適な仕上げプロセスを適用して、あらゆる位置合わせ不良を補正することができる。
【0103】
本発明の方法の実施形態の特定のステップが実行される順序は、そのような実施形態によってもたらされる結果に実質的に影響を及ぼすことなく、変更することができる点が理解されるであろう。
【0104】
また、本発明は、多くの形態を取ることができ、そのような形態は、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲内である点も、当業者には理解されるであろう。特許請求の範囲は、実施例に記載されている好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、明細書本文全体と一致する、最も広義の解釈が与えられるべきである。
【国際調査報告】