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特表2024-509544水性組成物を処理するためのガルバニックプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】水性組成物を処理するためのガルバニックプロセス
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20240226BHJP
   C02F 1/463 20230101ALI20240226BHJP
【FI】
C02F1/461 101
C02F1/463
C02F1/461 101C
C02F1/461 101A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553408
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2021064124
(87)【国際公開番号】W WO2022186877
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,338
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/340,254
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542904
【氏名又は名称】ニュークアティック エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NuQuatic,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ボラス、カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ルーク、ドナルド エイ.
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA02
4D061DA08
4D061DB15
4D061DC06
4D061DC13
4D061DC17
4D061DC18
4D061DC24
4D061EA02
4D061EB27
4D061EB28
4D061EB31
4D061EB35
4D061EB40
4D061ED20
(57)【要約】
水性組成物を処理する方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むアノードを含む。ガルバニ電池は、アノードとは異なる組成を有するカソードを含み、カソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性組成物を処理する方法であって、
前記方法が、
Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むアノードと、
前記アノードとは異なる組成を有し、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含むカソードとを含むガルバニ電池であって、
前記アノードと前記カソードとの間に外部電位が印加されていない前記ガルバニ電池を前記水性組成物に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む方法。
【請求項2】
前記方法が、
前記水性組成物中のエマルションを除去又は減少させるか、
前記水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させるか、
前記水性組成物中の1つ以上の有機化合物を除去又は前記1つ以上の有機化合物の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中の1つ以上の無機化合物を除去又は前記1つ以上の無機化合物の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中の1つ以上の染料及び/又はインクを除去又は前記1つ以上の染料及び/又はインクの濃度を低下させるか、
前記水性組成物中の1つ以上の金属を除去又は前記1つ以上の金属の濃度を低下させるか、
1つ以上の重金属を除去又は前記1つ以上の重金属の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を除去又は前記1つ以上の毒性化合物及び/又は物質の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中のフッ化物を除去又は前記フッ化物の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中の硫化物を除去又は前記硫化物の濃度を低下させるか、
前記水性組成物中のヒ素を除去又は前記ヒ素の濃度を低下させるか、
前記水性組成物の化学的酸素要求量(COD)を減少させるか、
前記水性組成物中のシリカを除去又は前記シリカの濃度を低下させるか、
前記水性組成物の濁度を減少させるか、
又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カソードがCuを含み、前記アノードがMgを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カソードがCuを含み、前記アノードがAlを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガルバニ電池が、前記アノードと前記カソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに備え、前記導電性コネクタが、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導電性コネクタが黄銅を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記導電性コネクタが、溶接部、締結具、締結用アセンブリ、ねじ締結具、ねじ、ボルト、ブラケット、ナット、ワッシャ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記導電性コネクタが、前記カソードと前記アノードとの間に間隙を維持する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記カソードが、前記ガルバニ電池の平面状フレームと、フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とを含み、前記カソード物質が前記フレームに電気的に接続され、前記平面状フレームの外周部の内側に備えられる前記カソード物質が多孔質カソード物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ガルバニ電池が前記水性組成物中に浸漬されている間に、前記水性組成物が過酸化水素を含むように、前記水性組成物に過酸化水素を添加することをさらに含み、0.1ppm~1000ppmの過酸化水素を前記水性組成物に添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記カソードがワイヤメッシュを含み、前記アノードが平面状非多孔質体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ガルバニ電池が、
平面状非多孔質体を含む前記アノードと、
ワイヤメッシュを含む前記カソードであって、前記アノードの前記平面状非多孔質体の主面と前記カソードとの間に間隙が形成されるように前記アノードの前記平面状非多孔質体の前記主面に平行に配置される前記カソードと、
前記カソードを前記アノードに接続し、前記カソードと前記アノードにおける前記平面状非多孔質体の前記主面との間に前記間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ガルバニ電池が、
平面状非多孔質体を含む単一個の前記アノードと、
2つの前記カソードであって、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードが、前記アノードの前記平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する、2つの前記カソードと、
両カソードを前記アノードに接続し、両カソードと前記アノードにおける前記平面状非多孔質体の前記主面との間に前記間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、複数の前記ガルバニ電池を前記水性組成物に浸漬することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
複数の前記ガルバニ電池がいずれも、ロッド、梁、ハンガー、ブラケット、フック、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上の構造コネクタに取り外し可能に取り付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数の前記ガルバニ電池が、それを貫通する1つ以上の孔を有し、前記1つ以上の構造コネクタが、各ガルバニ電池の前記1つ以上の孔を介して複数の前記ガルバニ電池に取り付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガルバニ電池が、
Mg、Al、又はそれらの組み合わせを含み、平面状非多孔質体を含む単一個の前記アノードと、
2つの前記カソードであって、前記カソードはCuを含み、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードが、前記アノードの前記平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する、2つの前記カソードと、
前記カソードを前記アノードに接続し、前記カソードと前記アノードにおける前記平面状非多孔質体の前記主面との間に前記間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、複数の前記ガルバニ電池を前記水性組成物に浸漬することを含み、前記ガルバニ電池はそれぞれ1つ以上の構造コネクタに取り付けられ、前記ガルバニ電池が、
Mg、Al又はそれらの組み合わせを含み、平面状非多孔質体を含む単一個の前記アノードと、
2つの前記カソードであって、前記カソードはCuを含み、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードが前記アノードの前記平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する2つの前記カソードと、
前記カソードを前記アノードに接続し、前記カソードと前記アノードにおける前記平面状非多孔質体の前記主面との間に前記間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させる方法であり、
前記アノードが、約90重量%~約100重量%のAlであり、
前記カソードが、約90重量%~約100重量%のCuであり、
前記ガルバニ電池が、前記アノードと前記カソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタを含み、
前記処理された水性組成物が、前記水性組成物からの凝固及び/又は沈殿した固体を含み、
前記方法が、前記処理された水性組成物から凝固及び/又は沈殿した懸濁固体を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、前記水性組成物からエマルションを低減又は除去する方法であり、
前記アノードが、約90重量%~約100重量%のAlであり、
前記カソードが、約90重量%~約100重量%のCuであり、
前記ガルバニ電池が、前記アノードと前記カソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタを含み、
前記水性組成物が、油/水型及び/又は水/油型エマルションを含み、
前記ガルバニ電池を前記水性組成物に浸漬することは、前記方法が前記水性組成物の濁度を80%~99.999%低減するように前記水性組成物から前記エマルションを低減又は除去する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性組成物を処理するためのガルバニックプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学電池を使用する水性組成物の電解処理は、電気凝固、エマルションの破壊、ならびに重金属などの金属の酸化及び/又は除去を含む、多種多様な用途を有する。廃水、洗浄水、及び工業処理水を処理するために電解処理を使用することができる。いくつかの用途では、乳化油、全石油炭化水素、難分解性有機物、懸濁固体、及び重金属など、濾過又は化学処理システムによって除去することがより困難な混入汚染物質を除去するのに電解処理を使用することができる。しかし、電解プロセスは、電気化学電池に通電するために大量の電気を必要とし、その結果、アノード物質の急速な不動態化及び消費が生じる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むアノードを含む。ガルバニ電池は、アノードとは異なる組成を有するカソードを含み、カソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含む。
【0004】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Alを含むアノードを含み、アノードは、約90重量%~約100重量%のAlである。ガルバニ電池は、Cuを含むカソードを含み、カソードは、約90重量%~約100重量%のCuである。ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含む。
【0005】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させる方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、水性組成物から、凝固及び/又は沈殿した懸濁固体を含む処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Alを含むアノードを含み、アノードは、約90重量%~約100重量%のAlである。ガルバニ電池は、Cuを含むカソードを含み、カソードは、約90重量%~約100重量%のCuである。ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含む。本方法は、処理された水性組成物から、凝固及び/又は沈殿した懸濁固体を除去することを含む。
【0006】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物からエマルションを低減又は除去する方法を提供する。本方法は、油/水型及び/又は水/油型エマルションを含む水性組成物中にガルバニ電池を浸漬することで、水性組成物からエマルションを低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Alを含むアノードを含み、アノードは、約90重量%~約100重量%のAlである。ガルバニ電池は、Cuを含むカソードを含み、カソードは、約90重量%~約100重量%のCuである。ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含む。
【0007】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物の化学的酸素要求量を減少させる方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、水性組成物の化学的酸素要求量を低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Alを含むアノードを含み、アノードは、約90重量%~約100重量%のAlである。ガルバニ電池は、Cuを含むカソードを含み、カソードは、約90重量%~約100重量%のCuである。ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含む。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物からシリカを低減又は除去する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、水性組成物中のシリカを低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Alを含むアノードを含み、アノードは、約90重量%~約100重量%のAlである。ガルバニ電池は、Cuを含むカソードを含み、カソードは、約90重量%~約100重量%のCuである。ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含む。
【0009】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むアノードを含む。アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、アノードとは異なる組成を有するカソードを含む。カソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含む。カソードはワイヤメッシュを含む。カソードは、アノードの平面状非多孔質体の主面とカソードとの間に間隙が形成されるように、アノードの平面状非多孔質体の主面に平行に配置される。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含む。導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0010】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含む単一個のアノードを含む。アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、アノードとは異なる組成を有する2つのカソードを含む。カソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含む。各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面上に配置されることでそれらが間隙を形成するようにする。ガルバニ電池はまた、カソードをカソードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含む。導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0011】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、単一個のアノードを含む。アノードはMgを含む。アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、2つのカソードを含む。カソードはCuを含む。各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにする。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含む。導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0012】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、単一個のアノードを含む。アノードは、Alを含む。アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、2つのカソードを含む。カソードはCuを含む。各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードはアノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにする。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含む。導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0013】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、複数のガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池はそれぞれ、1つ以上の構造コネクタに取り付けられる。各ガルバニ電池は、単一個のアノードを含む。アノードは、Mg、Al、又はそれらの組み合わせを含む。アノードは、平面状非多孔質体を含む。各ガルバニ電池は、2つのカソードを含む。カソードはCuを含む。各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードはアノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにする。ガルバニ電池はまた、それぞれ、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含む。導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0014】
様々な実施形態において、本発明のガルバニックプロセスは、電解による電気凝固又は他の電解処理などの水性組成物の電解処理の代替を提供する。ガルバニックプロセスは、アノードとカソードとの間に印加される外部電位を必要とする電解プロセスとは対照的に、アノードとカソードとの間に印加される外部電位を使用しないという利点を有する。様々な実施形態において、本発明のガルバニックプロセスは、同じ又は類似の処理機能を実行するために、電解プロセスと比較してより少ない電気を使用する。様々な実施形態において、本発明のガルバニックプロセスは、電解プロセスと同じ又は同様の処理機能を実行するために使用され得るが、全体コストはより少ない(例えば、より少ない電気を消費し、任意選択で、より安価な物質及び/又は機器を使用する)。様々な実施形態において、本発明のガルバニックプロセスの低電流は、アノード表面の不動態化を回避し、アノード物質のより低い消費速度をもたらし、望ましくない化学反応(例えば、塩素酸塩又は臭素酸塩の形成)の存在を防止し、又はそれらの組み合わせである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、一般に、限定としてではなく、例として、本発明の様々な実施形態を示す。
図1A】様々な実施形態による、主面から見たガルバニ電池を示す。
図1B】様々な実施形態による、ガルバニ電池の拡大切断部端面図を示す。
図2】様々な実施形態による、ガルバニ電池の側面図を示す。
図3】様々な実施形態による、ガルバニ電池の主面を示す。
図4】様々な実施形態による、ガルバニ電池の側面図及び主面図を示す。
図5】様々な実施形態による、複数のガルバニ電池の側面図を示す。
図6】様々な実施形態による、電池の主面を見えるようにした複数のガルバニ電池の図を示す。
図7】様々な実施形態による、電池の側面、上部、及び主面を示す、複数のガルバニ電池の図を示す。
図8】様々な実施形態による、ガルバニ電池の側面写真を示す。
図9A】様々な実施形態による、1面Cuスクリーン、2面Cuスクリーン、3面Cuスクリーン、及び4面Cuスクリーンを有する4つの異なるAl-Cuガルバニ電池についての電流対時間を示すプロットを示す。
図9B】様々な実施形態による、図3Aのグラフの電流から計算された、4つの異なるAl-Cuガルバニ電池についての時間に対する生成されたアルミニウムイオンのミリグラムを示す。
図10】様々な実施形態による、空気撹拌を伴う、及び伴わないAl-Cuガルバニ電池についての電流対導電率のプロットを示す。
図11】様々な実施形態による、Cu-Alガルバニ電池と接触しているオレンジIIを含む溶液の様々な時間における紫外-可視スペクトルを示す。
図12】様々な実施形態による、紫外-可視スペクトルの486nmのシグナルによって示されるようなCu-Al電池を使用した場合のオレンジIIの除去についての時間に対する除去パーセントを示す。
図13】様々な実施形態による、様々な量の過酸化水素が添加された水中のガルバニ電池の線形ボルタモグラムを示す。
図14】様々な実施形態による、添加された過酸化水素の様々な量における、電極表面積の平方フィート当たりのガルバニ電池のアノード反応において生成されるアルミニウムイオンの量を示す。
図15】様々な実施形態による、様々な量の添加されたOCl又はHを伴うガルバニ電池内の電流を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、開示される主題の特定の実施形態を詳細に参照する。開示される主題は、列挙される特許請求の範囲と併せて記載されるが、例示される主題は、特許請求の範囲を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0017】
本明細書全体にわたって、範囲形式で表される値は、範囲の限界として明示的に記載された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に記載されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%から約5%」又は「約0.1%から5%」の範囲は、約0.1%から約5%だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)も含むと解釈されるべきである。記述「約XからY」は、別段の指示がない限り、「約Xから約Y」と同じ意味を有する。同様に、記述「約X、Y、又は約Z」は、別段の指示がない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0018】
本明細書において、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、1つ以上を含むように使用される。用語「又は」は、別段の指示がない限り、非排他的な「又は」を示すために使用される。記述「A及びBのうちの少なくとも1つ」又は「A又はBのうちの少なくとも1つ」は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用され、他に定義されていない表現又は専門用語は、説明のみを目的としており、限定を目的としていないことを理解されたい。セクションの表題の任意の使用は、本明細書の読解を助けることを意図しており、限定するものとして解釈されるべきではなく、セクションの表題に関連する情報は、その特定のセクションの内部又は外部に存在し得る。
【0019】
本明細書で記載される方法において、時間的又は動作的順序が明示的に記載されている場合を除いて、行為は、本発明の原理から逸脱することなく任意の順序で実行することができる。さらに、明示的な特許請求の範囲の文言が、指定された行為が別々に実行されることを記載していない限り、指定された行為は同時に実行され得る。例えば、特許請求されたXを行う行為及び特許請求されたYを行う行為は、単一個の動作内で同時に行うことができ、結果として得られるプロセスは、特許請求されたプロセスの文字通りの範囲内に入る。
【0020】
本明細書で使用される用語「約」は、例えば、記載された値又は記載された範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内の値又は範囲におけるある程度の変動性を許容することができ、正確に記載された値又は範囲を含む。
【0021】
本明細書で使用される用語「実質的に」は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%以上又は100%のような大多数又は大部分を示す。本明細書で使用される用語「実質的に含まない」は、皆無であること、又は存在する物質の量がその物質を含む組成物の物質特性に影響を及ぼさないような取るに足らない量であることを意味することができ、例えば、組成物中の物質は、約0重量%~約5重量%である、又は約0重量%~約1重量%である、又は約5重量%以下である又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、又は約0.001重量%以下、未満、等しい、又はそれより大きい重量%、又は約0重量%である。
【0022】
様々な実施形態において、正に荷電した対イオンを有する塩は、任意の適切な正に荷電した対イオンを含むことができる。例えば、対イオンは、アンモニウム(NH )、又はナトリウム(Na)、カリウム(K)、もしくはリチウム(Li)などのアルカリ金属であり得る。いくつかの実施形態において、対イオンは、+1より大きい正電荷を有することができ、これは、いくつかの実施形態において、Zn2+、Al3+などの複数のイオン化基、又はCa2+もしくはMg2+などのアルカリ土類金属と錯体を形成することができる。
【0023】
PCT/US2020/037405及びPCT/US2020/037407の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
水性組成物を処理する方法。
【0024】
本発明の様々な実施形態は、水性組成物を処理する方法を提供する。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む。ガルバニ電池は、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むアノードを含む。ガルバニ電池は、アノードとは異なる組成を有するカソードを含み、カソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせを含む。本方法は、複数のガルバニ電池のうちの1つを水性組成物中に浸漬すること、又は複数のガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することを含み得る。
【0025】
本方法は、ガルバニ電池をガルバニ電池として動作させることを含む。ガルバニ電池をガルバニ電池として動作させることは、ガルバニ電池のアノードとカソードとの間に0外部電位(0V)を印加することを含む。ガルバニ電池としてのガルバニ電池の動作中、アノードとカソードとの間の電位は、ガルバニ電池のガルバニック腐食電位(例えば、アノード及びカソードが、水性組成物中に浸漬されたときに外部電位が印加されない状態で到達する電位)に等しい。
【0026】
水性組成物中へのガルバニ電池の浸漬は、アノード及びカソードの表面積の約1%~約100%である、80%~約100%である、又は約1%、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98又は約99%以上、未満、等しい、又はそれより大きい%である、など、ガルバニ電池の表面積の任意の適切な割合が水性組成物と接触するような部分浸漬を含むことができる。水性組成物中へのガルバニ電池の浸漬は、ガルバニ電池の表面積の約100%が水性組成物と接触するような完全な浸漬を含むことができる。
【0027】
様々な実施形態において、水性組成物を処理する方法は、水性組成物中のエマルションを除去又は減少させるか、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させるか、水性組成物中の1つ以上の有機化合物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の無機化合物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の染料及び/又はインクを除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の金属を除去又はその濃度を低下させ、1つ以上の重金属を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中のフッ化物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の硫化物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中のヒ素を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物の化学的酸素要求量(COD)を減少させるか、水性組成物の濁度を減少させるか、水性組成物中のシリカ(例えば、SiO 2-)を除去又はその濃度を低下させるか、又はこれらの組み合わせである。
【0028】
本方法は、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させることができる。本方法は、従来の電解による電気凝固プロセスの代替として使用することができる。水性組成物は懸濁固体粒子を含むことができ、処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の懸濁固体粒子を有することができる。本方法は、処理された水性組成物から凝固した物質及び/又は沈殿物を除去することをさらに含むことができる。除去は、デカンテーション、沈降、濾過、又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な除去であってよい。電解による電気凝固プロセスでは、混入汚染物質の酸化がアノード(Fe、Al、Znなど)で起こり、カソードで水素ガスが発生する。これは、ガルバニックプロセスにおいて生じるものと同様であるが、電解による電気凝固における外部電流の印加は、電極の分極を増加させ、溶液中に塩化物イオンが存在する場合、気体酸素及び塩素の発生等の新しい化学反応を引き起こす。溶液から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させるガルバニック法は、吸着-凝固及び陰極還元プロセスによる廃液の処理のための電解による電気凝固プロセスの経済的に有利な代替法であり得る。いくつかの実施形態では、Mgアノード及びCuカソードを使用するなどして、ガルバニック処理の方法は、塩素ガスを発生させることができる(例えば、少なくとも2つのガルバニ電池を直列に接続することによって)。
【0029】
水性組成物を処理する方法は、その中のエマルションを低減又は除去することができる。水性組成物は、油/水型エマルション、水/油型エマルション、及び/又はラテックスエマルションを含むことができ、処理された水性組成物は、水性組成物よりも少ない油/水型エマルション、水/油型エマルション、及び/又はラテックスエマルションを含む。
【0030】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の有機化合物を除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の有機化合物を有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、有機化合物を化学的に変換し、有機化合物を分解し、有機化合物を酸化し、有機化合物を還元し、有機化合物を沈殿させ、有機化合物を凝固させ、有機化合物を酸素と反応させ、有機化合物を塩素と反応させ、有機化合物をアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0031】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の無機化合物を除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の無機化合物を有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、無機化合物を化学的に変換し、無機化合物を分解し、無機化合物を酸化し、無機化合物を還元し、無機化合物を沈殿させ、無機化合物を凝固させ、無機化合物を酸素と反応させ、無機化合物を塩素と反応させ、無機化合物をアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0032】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の染料及び/又はインクを除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の染料及び/又はインクを有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、1つ以上の染料及び/又はインクを化学的に変換し、1つ以上の染料及び/又はインクを分解し、1つ以上の染料及び/又はインクを酸化し、1つ以上の染料及び/又はインクを還元し、1つ以上の染料及び/又はインクを沈殿させ、1つ以上の染料及び/又はインクを凝固させ、1つ以上の染料及び/又はインクを酸素と反応させ、1つ以上の染料及び/又はインクを塩素と反応させ、1つ以上の染料及び/又はインクをアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。染料は、本方法を使用して除去され得る任意の好適な染料であり得る。例えば、染料は、メチルオレンジ及び/又はオレンジIIなどのアゾ染料であり得る。本方法は、任意の好適な量の色素分子、例えば、10~100%、50~100%、80~100%、又は10%、20、30、40、50、60、65、70、75、80、85、90、もしくは95%以上、未満、又は等しい、又はそれより大きい%の色素分子を除去することができる。
【0033】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の金属を除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の金属を有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、1つ以上の金属を化学的に変換し、1つ以上の金属を分解し、1つ以上の金属を酸化し、1つ以上の金属を還元し、1つ以上の金属を沈殿させ、1つ以上の金属を凝固させ、1つ以上の金属を酸素と反応させ、1つ以上の金属を塩素と反応させ、1つ以上の金属をアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0034】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の重金属を除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の金属を有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、1つ以上の重金属を化学的に変換し、1つ以上の重金属を分解し、1つ以上の重金属を酸化し、1つ以上の重金属を還元し、1つ以上の重金属を沈殿させ、1つ以上の重金属を凝固させ、1つ以上の重金属を酸素と反応させ、1つ以上の重金属を塩素と反応させ、1つ以上の重金属をアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0035】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を除去するか、又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を有し得る。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を化学的に変換し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を分解し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を酸化し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を還元し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を沈殿させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を凝固させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を酸素と反応させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を塩素と反応させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質をアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0036】
水性組成物を処理する方法は、水性組成物中のフッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを除去又はその濃度を低下させることができる。処理された水性組成物は、水性組成物よりも低い濃度のフッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを有することができる。除去又は減少は、任意の適切な機構を介して起こり得る。例えば、本方法は、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを化学的に変換し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを分解し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを酸化し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを還元し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを沈殿させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを凝固させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを酸素と反応させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを塩素と反応させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせをアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。
【0037】
様々な実施形態において、本方法は、水性組成物の化学的酸素要求量(COD)を低減することができ、水性組成物の濁度を低減することができ、又はこれらの組み合わせを行うことができる。処理された水性組成物は、水性組成物と比較して、低減されたCOD、低減された濁度、又はそれらの組み合わせを有し得る。例えば、本方法は、水性組成物のCODを、1%~100%、又は1%~99%、又は3%~95%、又は5%~85%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低減することができる。例えば、本方法は、水性組成物(例えば、油/水型又は水/油型エマルション)の濁度を、1%~100%、又は1%~99.99%、又は80%~99.99%、又は90%~99.99%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低減させることができる。
【0038】
様々な実施形態において、本方法は、水性組成物からシリカを低減又は除去することができる。例えば、本方法は、水性組成物中のSiO 2-の濃度を、1%~100%、又は20%~90%、又は30%~80%、又は40%~70%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低下させることができる。
【0039】
本方法で処理される水性組成物は、任意の好適な水性組成物、例えば、食品加工、埋立地、洗濯プロセス(例えば、洗剤廃水)、工業パルプもしくは紙プロセス、工業採掘プロセス、工業織物プロセス、金属処理プロセス、金属研磨プロセス、金属加工プロセス、なめし産業における工業プロセス、石油工業プロセス、海洋廃水(例えば、エマルション除去)、又はこれらの組み合わせからの廃水及び/又は廃液を含む水性組成物であり得る。水性組成物は、環境中の水の天然源、飲料水、産業廃水、産業冷却水、又はそれらの組み合わせを含む源から採取された水を含むことができる。
【0040】
製紙産業は大量の水を消費し、リグニン分解化合物及びタンニンからの懸濁固体及び強い色からなる有機混入成分を多く有する。本発明の方法で処理される水性組成物は、産業パルプ又は紙プロセスからの廃水及び/又は廃液を含むことができる。本発明の方法は、コロイド溶液を不安定化することができ、それによってコロイド溶液を減少又は除去することができる。様々な実施形態において、ガルバニ電池のアノードから形成され得る新たなアモルファスAl(xHO)は、可溶性有機化合物の吸着を向上させる大きな表面積を有し、コロイド状固体を捕捉し、それによってCOD、色、及び/又は濁度の低減をもたらし得る。
【0041】
繊維産業では、Al及びFe電極が電気凝固システムで使用されたときに着色剤が除去されることが報告されている。本発明の方法で処理される水性組成物は、工業織物プロセスからの廃水及び/又は廃液を含むことができる。ガルバニ電池は、不動態化プロセスを大幅に低減し得る外部エネルギー印加の不在、及び電解による電気凝固プロセスに対して少なくとも10倍少ない等のアノードの消費率の低下という利点と同じ効果をもたらすことができる。本発明者らの実験室で実施された実験は、アルミニウムガルバニックプロセスが、メチルオレンジ及びオレンジIIなどのアゾ染料などの染料分子の除去において大きな有効性を有することを証明した。処理プラントからの水サンプルを処理するための方法の使用は、CODの低減及び濁度の低減を引き起こした。
【0042】
本発明の方法で処理される水性組成物は、金属処理プロセス、金属研磨プロセス、又は金属加工プロセスからの廃水及び/又は廃液を含むことができる。ガルバニックMg-Cuプロセスは、高含有量の金属イオンを有する廃水(例えば、軸受産業及び電気めっき産業)の処理に好適であり得る。Mg-Cuガルバニ電池は、2つの方法によって金属イオンを除去することができる:低い電気化学還元電位を有する金属イオンに関して、水のpHの増加は、鉛イオンなどの酸化物又は水酸化物としてのその沈殿物をもたらすことができ;水銀などのより貴である金属は、カソード表面上へのそれらの堆積を介して除去され得る。水銀は、厳しい環境規制を有しており、したがって、その除去には非常に高い価値が伴う。
【0043】
本発明のガルバニック方法は、COD、濁度、及びなめし工業プロセスからの廃棄物及び副生成物の流れの中に存在する金属の濃度を低減することができる。吸着-凝固プロセスは、これらの水中に存在するコロイド粒子の安定性を低下させ、沈殿又は濾過され得るより大きな粒子を生成し、濁度を低下させ得る。同様の効果が、脂肪、グリース、及び一般的な有機物質で起こることがあり、システムにおけるCODの低減を引き起こす。Cr6+及びCr3+などの存在する金属は、カソード表面上で還元することができ、ガルバニックMg電池の使用は、酸性範囲から塩基性へのpHの増加をもたらすことができ、これは金属水酸化物の沈殿を引き起こすことができる。
【0044】
例えば、本発明の方法によって処理される水性組成物は、食品加工、洗濯プロセス(例えば、洗剤廃水)、金属処理プロセス、金属研磨プロセス、金属加工プロセス、石油産業プロセス、海洋廃水(例えば、エマルション除去)、又はそれらの組み合わせからの廃水及び/又は廃液を含むことができる。食品加工、石油、金属加工、及び海洋産業は、従来の除染方法によって処理することができない安定した油-水型エマルションの存在を伴う廃水を生成し得る。本発明の様々な実施形態において、加水分解されたアルミニウム粒子の存在は、エマルションと相互作用して、油/水界面における自由エネルギーの減少をもたらし、それによってその分解を引き起こすことができる。主な不安定化機構は、一度に2つ以上の液滴への吸着高分子の付着(例えば、架橋凝集)であり得る。本方法は、エマルションを安定化させる界面張力の減少を引き起こし、それによってエマルションを減少又は除去することができる。本方法は、大量の廃水中のエマルションを経済的に除去又は減少させるために使用することができる。
【0045】
水性組成物中へのガルバニ電池の浸漬は、水性組成物からの物質(例えば、水性組成物中に元々存在する物質及び/又はガルバニ電池の動作中に形成されるその反応生成物など、塩を形成することができる水性組成物中の任意の好適な物質)と、アノードからの物質(すなわち、ガルバニ電池の動作中にアノードで生成される物質)とを含む塩を形成することができる。塩は、任意の適切な塩であり得る。例えば、塩は水酸化物塩を含むことができる。塩は、水性組成物中で沈殿し得る。本方法は、処理された水性組成物から沈殿した塩を除去することを含むことができる。
【0046】
水性組成物は、溶解した遷移金属、ポスト遷移金属、半金属、又はこれらの組み合わせを含むことができ、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属を含む水酸化物塩を形成することをさらに含む。塩は、水性組成物中で沈殿し得る。本方法は、処理された水性組成物から沈殿した塩を除去することを含むことができる。遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属は、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、又はそれらの組み合わせを含むことができる。遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属は、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0047】
本方法は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、アノードにおいてH及びHOを形成すること(例えば、アノードの表面上で生成する)を含み得る。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、カソードにおいてH及びHOを形成すること(例えば、カソードの表面上で生成する)を含み得る。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、カソードにおいてH、HO 又はそれらの組み合わせを形成すること(例えば、カソードの表面上で生成する)を含み得る。本方法は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、水性組成物にせん断を加えることを含むことができる。せん断は、アノード、カソード、又はそれらの組み合わせの表面から少なくともいくつかの気泡(例えば、H)を取り除くのに十分であり得る。せん断は、アノード及び/又はカソードの表面での酸化物形成を少なくとも部分的に防止又は低減するのに十分であり得る。せん断の適用は、水性組成物を介してガス(例えば、空気)を撹拌及び/又はバブリングすることを含むことができる。様々な実施形態において、ガスの撹拌又はバブリングは、水性組成物中の溶解酸素の濃度を増加させることができ、カソードを少なくとも部分的に分極させることができ、生成される電流の量を増加させることができ、及び/又はアノードから放出される物質(例えば、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせ)の量を増加させることができる。
【0048】
本方法は、ラッピング、ノッキング、撹拌、振動、超音波などの機械的な力を水性組成物及び/又はその中に浸漬されているガルバニ電池に加えることを含むことができる。機械的な力は、アノード、カソード、又はこれらの組み合わせの表面からHを含む少なくともいくつかの気泡を除去する;アノードの表面での酸化物形成を少なくとも部分的に防止する;アノードの表面上でのガルバニ電池による処理中に水性組成物中に形成される塩及び/又は凝固粒子の凝集を少なくとも部分的に防止する、又はこれらの組み合わせに十分であり得る。
【0049】
本方法は、酸、塩基、又はそれらの組み合わせを水性組成物に添加して、そのpHを調整することを含むことができる。酸、塩基、又はこれらの組み合わせは、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する前、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬した後、又はこれらの組み合わせで、水性組成物に添加することができる。
【0050】
本方法は、水性組成物を再循環させて、水性組成物をガルバニ電池と複数回接触させることを含み得る。水性組成物は、塩及び/又は凝固粒子をそこから除去するためなどに、再循環中に任意選択で濾過することができる。
【0051】
ガルバニ電池のカソードは、Cu、Ni、Fe、又はそれらの組み合わせ(例えば、Cu又はCu合金など)を含むことができる。カソードは、主にCu、Ni、Fe、それらの合金、もしくはそれらの組み合わせである中実物質(a solid material)、又は主にCu、Ni、Fe、それらの合金、もしくはそれらの組み合わせでコーティングされた別の物質であり得る。カソードは、Cu、Ni、Fe、それらの合金、又はそれらの組み合わせ以外の物質を実質的に含まなくてもよい。カソードは、Ni-Cu合金、Ni-Fe合金、Cu-Fe合金、又はそれらの組み合わせを含むことができ、いくつかの実施形態では、銅又は鉄合金の使用は、ガルバニ電池において生成される電流を増加させることができ、水素生成を増加させることができる。カソードは、Cu、Ni、Fe、それらの合金、もしくはそれらの組合せが約50重量%~約100重量%である、約90重量%~約100重量%である、又は約50重量%、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99、もしくは約99.999重量%以上、未満、等しい、又はそれより大きい重量%であり得る。いくつかの実施形態では、カソードはCuを含み、アノードはMgを含む。いくつかの実施形態では、カソードはCuを含み、アノードはAlを含む。カソードは、カソードの上に銅を含むなど、その上に堆積された1つ以上の貴金属を含むことができる。1つ以上の貴金属は、微粒子堆積物であり得る。1つ以上の貴金属は、Pt、Pb、又はそれらの組み合わせであり得る。他の実施形態において、カソードは、その上に貴金属堆積物を含まない。
【0052】
アノードは、ほぼ均質な組成の中実物質であってもよいし、別の物質上のコーティングであってもよい。アノードは、カソードとは異なる組成を有する。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの組み合わせを含むことができる。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、又はそれらの合金を含む合金を含むことができる。Mg、Al、Fe、Zn、それらの合金、又はそれらの組合せは、アノードの約50重量%~約100重量%である、又は約50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは約99、99.5、99.9、99.99、もしくは約99.999重量%以上、未満、等しい、又はそれより大きい重量%であり得る。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、それらの合金、又はそれらの組み合わせ以外の物質を実質的に含まなくてもよい。
【0053】
アノードは、Ag、Pt、Au、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる。前記Ag、Pt、Au又はこれらの組み合わせは、約0.0001重量%~約20重量%、約0.0001重量%~約5重量%、又は約0重量%、又は約0.0001重量%以下、又は0.0002、0.0004、0.0006、0.0008、0.0010、0.0012、0.0014、0.0016、0.0018、0.0020、0.0022、0.0024、0.0026、0.0028、0.0030、0.0032、0.0034、0.0036、0.0038、0.0040、0.0045、0.0050、0.0060、0.0080、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、4、6、8、10、12、14、16、18、又は約20重量%以上である。
【0054】
アノードは、Mg又はMg合金を含むことができる。アノードは、Mg又はその合金以外の物質を実質的に含まなくてもよい。アノードは、約90重量%のMg、約9重量%のAl、及び約1重量%のZnであるマグネシウム合金AZ91であり得る。アノードは、MgもしくはMg合金が、約50重量%~約100重量%である、約90重量%~約100重量%である、又は約50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99、もしくは約99.999重量%以上、未満、等しい、又はそれより大きい重量%であり得る。
【0055】
アノードはAlを含むことができる。アノードは、Al以外の物質を実質的に含まなくてもよい。アノードは、Alが約50重量%~約100重量%である、約90重量%~約100重量%である、又は約50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは約99、99.5、99.9、99.99、もしくは約99.999重量%以上、未満、等しい、又はそれより大きい重量%であり得る。
【0056】
ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含むことができる。導電性コネクタは、アノード及びカソードとは異なる組成を有する。導電接続は、均質な組成を有する中実物質であってもよく、又は別の物質上のコーティングであってもよい。導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含むことができる。導電性コネクタはCuを含むことができる。導電性コネクタは、Znを含むことができる。導電性コネクタは、Cu及びZnを含む合金を含むことができる。導電性コネクタは、黄銅を含むことができる。導電性コネクタは、黄銅を含み、他の物質を実質的に含まなくてもよい。導電性コネクタは、黄銅が、約50重量%~約100重量%である、約90重量%~約100重量%である、又は約50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは約99、99.5、99.9、99.99、もしくは約99.999重量%以上、未満、等しい、又はそれより大きい重量%であり得る。
【0057】
カソードは、アノードの仕事関数よりも大きい仕事関数を有することができる。例えば、Cuは約4.53~5.10eVの仕事関数を有し、Mgは約3.66eVの仕事関数を有し、Alは約4.06~4.26eVの仕事関数を有する。導電性コネクタは、カソードの仕事関数とカソードの仕事関数との間の仕事関数を有することができる。
【0058】
水性組成物は、水性組成物中へのガルバニ電池の浸漬中の導電率が、約100μS~約1,000,000μSである、又は約300μS~約100,000μSである、又は約100μS~約1,200μSである、又は約100μS、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,500、2,000、4,000、6,000、10,000、15,000、20,000、50,000、100,000、150,000、200,000、250,000、500,000、750,000、もしくは約1,000,000μS以上、未満、等しい、又はそれより大きいμSなどの、任意の好適な導電率を有し得る。本方法は、水性組成物の導電率の調節がなくてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、導電率が約100μS~約1,000,000μSに、又は約300μS~約100,000μSに、又は約100μS~約1,200μSに、又は約100μS、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,500、2,000、4,000、6,000、10,000、15,000、20,000、50,000、100,000、150,000、200,000、250,000、500,000、750,000、もしくは約1,000,000μS以上、未満、等しい、又はそれより大きいμSなどに維持されるように、水性組成物の導電率を調節することを含むことができる。水性組成物の導電率を調節することは、新しい水性組成物をガルバニ電池に導入する速度を調節することを含むことができる。水性組成物の導電率を調節することは、1つ以上の塩を水性組成物に添加することを含むことができる。塩は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する前、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬している間、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬した後、又はこれらの組み合わせで、水性組成物に添加することができる。水性組成物の導電率を調節するために水性組成物に添加される1つ以上の塩は、ハロゲン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又はそれらの組み合わせを含むことができる。水性組成物の導電率を調節するために水性組成物に添加される1つ以上の塩は、塩化ナトリウムを含むことができる。
【0059】
ガルバニ電池は、水性組成物中に浸漬されたときに電流を発生させることができる。ガルバニ電池によって生成される電流の量は、約0.001mA/cm~約10mA/cmである、0.01mA/cm~約0.5mA mA/cmである、又は約0.001mA/cm、0.005、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、もしくは約10mA/cm以上、未満、等しい、又はそれより大きいmA/cmなどの任意の好適な電流量であり得る。
【0060】
本方法は、処理された水性組成物のpHを調整するためのいかなるステップも実施しなくてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、処理された水性組成物のpHを、約6~8に、もしくは約7に、又は約6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、もしくは約8以上、未満、等しい、又はそれより大きいpHに調整することを含むことができる。
【0061】
本方法は、水性組成物からの物質(例えば、沈殿物、塩、及び/又は凝固粒子)を含む固体を形成するために、水性組成物を収容している容器内に複数のガルバニ電池のうちの1つ以上を浸漬することを含み得る。本方法は、ガルバニ電池を浸漬する水性組成物中に少なくとも部分的に浸された1つ以上のフィルタを介して、処理された水性組成物から固体を濾過することを含み得る。フィルタは、ガラスフリット、織物フィルタ、紙フィルタ、ディスクフィルタ、回転フィルタ、ドラムフィルタ、スクリーン、ふるい、微粒子濾過媒体、濾過助剤、又はそれらの組み合わせを含むことができる。フィルタは回転ディスクフィルタであってもよい。濾過は、フィルタ上にろ過ケークを形成することを含むことができ、ろ過ケークは、水性組成物からの物質を含む固体を含む。濾過は、フィルタを逆洗してフィルタからろ過ケークを除去し、除去されたろ過ケークを含む逆洗液を形成することを含むことができる。任意の好適な水、例えば沈殿物を含む水性組成物の一部を使用して、フィルタを逆洗することができる。
【0062】
1つ以上のガルバニ電池は、容器の側部において水性組成物中に配置することができ、フィルタは、フィルタが複数のガルバニ電池の中間にあるように、水性組成物中において容器のほぼ中央部に配置される。本方法は、複数のフィルタを使用することを含むことができる。複数のフィルタは、複数の回転ディスクフィルタを含むことができる。
【0063】
ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含む。導電性コネクタは、亜鉛を含むことができる。導電性コネクタは、黄銅を含むことができる。アノードとカソードとの間の直接接触(例えば、Mg/Cu又はAl/Cu)は、電気抵抗を増加させ、したがって、その場所で電極によって形成されるイオン(例えば、Mg又はAlイオン)の量を減少させる、接触点に金属膜(例えば、保護膜)を生成し得る。アノードとカソードとの間のフェルミ準位を有する金属は、この問題を低減又は完全に回避することができ、それによって、ガルバニ電池において、より高く、より一貫性があり、より長く持続する電流及びイオン生成を提供し、電極において使用されるアルミニウム又はマグネシウムのより均質で一貫性のある溶解を提供することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、アノード及びカソードは、互いに直接接触し、ガルバニ電池は、電極が「無電解」構成であるように、導電性コネクタがない。無電解構成では、犠牲アノード物質は、非犠牲カソード物質上に電気化学的にめっき又は堆積されることができ、アノードとカソードとを電気的に接続するための導電性コネクタの必要性を除去する。無電解構成の様々な実施形態の1つの利点は、導電性コネクタを含む構成と比較して、より少ない金属銅を使用することができ、電極間の電気降下を減少させることができることである。
【0065】
ガルバニ電池は、1つのカソード又は複数のカソードを含むことができる。ガルバニ電池は、1つのアノード又は複数のアノードを含むことができる。ガルバニ電池は、導電性コネクタを含まなくてもよく、1つの導電性コネクタを含んでもよく、複数の導電性コネクタを含んでもよい。ガルバニ電池は、複数の導電性コネクタを含むことができ、各導電性コネクタは、アノードとカソードとを独立して電気的に接続する(例えば、直列構成ではなく並列構成で)。複数の導電性コネクタは、ガルバニ電池の外周部にほぼ均等に配置され得る。導電性コネクタは、ねじ、ボルド、ナット、ワッシャ、又はそれらの組み合わせなどのコネクタ又は締結具を含むことができる。
【0066】
ガルバニ電池は、水性組成物の単位体積当たりのガルバニ電池(複数可)の表面積が、1つ以上のガルバニ電池内の水性組成物の滞留時間中に1つ以上のガルバニ電池が水性組成物に対して所望の処理効果を有するのに十分であるような、任意の好適なサイズ又は構成であり得る。ガルバニ電池は、ガルバニ電池当たりの任意の好適な総表面積が、又は電池当たりの水性組成物に露出する総アノード表面積が、約1cm~約1,000,000cmである、約5cm~約200,000cmである、約10cm~約50,000cmである、約20cm~約40,000cmである、又は約1cm以下である、又は2cm、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、500、750、1,000、1,500、2,000、2,500、5,000、7,500、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、75,000、100,000、150,000、200,000、500,000、750,000、又は約1,000,000cm以上、未満、等しい、又はそれより大きいcmなどを有することができる。ガルバニ電池は、水性組成物に露出するアノード表面積対水性組成物に露出するカソード表面積の比などの、アノード表面積対カソード表面積の比が、約0.001~約10、0.01~1、0.5~2、又は約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.8、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、もしくは約10以上などの任意の好適な比を有することができる。いくつかの実施形態では、電池は、Al表面積よりも大きいCu表面積を有するCu-Al電池であり得る。Cuナノ粒子、Cuスポンジ、Cuスクリーン、多孔質若しくはエッチングされたCu、又はこれらの組み合わせなどの高表面積カソード物質を使用することができる(例えば、Alアノードを有するCuカソードに対して)。いくつかの実施形態では、アノード、カソード、又はそれらの組み合わせは、表面積を増大させるために粗面又はエッチングされた表面を含む。本明細書に記載される方法では、1、1~1,000,000、1~1,000、1~20、又は2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、300、400、500、750、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、4,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、250,000、500,000、もしくは1,000,000以上、未満、等しい、又はそれより多い任意の適切な数のガルバニ電池を使用することができる。これら電池は、直列又は並列の電気的配置で使用することができる。
【0067】
ガルバニ電池は、アノードの表面とカソードの表面との間の間隔が(例えば、カソードとアノードの表面積のうち少なくとも約50%~100%、又は約80%~約100%、又は約50%、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は約99%以上、未満、等しい、又はそれより大きい%の表面積間の間隔が)、約1mm~約110mm、又は約2mm~約30mm、又は約1mm、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、又は約110mm以上、未満、等しい、又はそれより大きい間隔を含み得る。
【0068】
ガルバニ電池は、高さ及び幅よりも小さい厚さを有する平面的な形状であり得る。ガルバニ電池は、ガルバニ電池の平面状フレームと、フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とを含むことができ、カソード物質は、(例えば、フレームへの直接接触を介して)フレームに電気的に接続される。フレームは、ガルバニ電池の構成部材であってよい。フレームは、アノードのいずれか又は全てが存在しなくてもその形状を維持するのに構造的に十分であり得る。平面状フレーム及びそのフレームの外周部の内側に備えられるカソード物質は、両方ともカソードであり得る。
【0069】
平面状フレームは、非多孔性中実物質であり得る。平面状フレームは、フレームを形成するように組み立てられた、カソード物質製の1つ以上の帯状体であり得る。平面状フレームは、正方形又は長方形などの多角形の外周部を有することができる。平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質は、多孔質カソード物質を含むことができ、それにはワイヤ、メッシュ、スクリーン、1つ以上の貫通孔を含むシート、又はそれらの組み合わせが含められる。多孔質カソード物質は、多孔質カソード物質を含むワイヤメッシュ又はワイヤスクリーンを含むことができる。平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質カソード物質は、2つの平面状フレームの間に挟まれた縁部を有することができ、その2つの平面状フレームは、圧縮を介して、又は多孔質カソード物質の1つ以上の貫通孔を通過する導電性コネクタを介して、又はそれらの組合せなどを介して、1つ以上の導電性コネクタを用いて合体されかつそれらの間に多孔質カソード物質を固定する。
【0070】
ガルバニ電池は、複数対の平面状フレーム(例えば、2対~20対、又は2対~10対、又は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以上、未満、等しい、又はそれより多い数の対)を含むことができ、各対は、1つ以上の導電性コネクタを用いて合体されかつそれらの間に多孔質カソード物質を固定し、各対は、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質カソード物質を横切って広がる1つ以上のアノードによって分離される。各対の平面状フレームを互いに分離させる1つ以上のアノードは、当該アノードによって分離された各対の平面状フレームのうちの一面に直接接触することができる。各対の平面状フレームを互いに分離させる1つ以上のアノードは、当該アノードによって分離された各対の平面状フレームの一方の面と直接接触してもよく、かつ、当該アノードによって分離された各対の平面状フレームの他方の面と直接接触しなくてもよい。
【0071】
アノードは、平面状フレームの2つの縁部において平面状フレームに締結された帯状体とすることができ、アノードは、平面状フレームの2つの縁部のそれぞれで、少なくとも1つの導電性コネクタを用いて平面状フレームに固定され、アノードは、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がり、かつ、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とアノード帯状体との間に間隙を形成する。アノードとカソードとは、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状フレームに固定される平面状フレームの縁部のそれぞれにおいて互いに直接接触することができる。
【0072】
ガルバニ電池は、複数のアノードを含むことができ、各アノードは、フレームの面上の平面状フレームの2つの縁部において平面状フレームに締結された帯状体であり、アノードのそれぞれは、平面状フレームの2つの縁部のそれぞれで少なくとも1つの導電性コネクタを用いて平面状フレームに固定され、複数のアノードのそれぞれは、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がり、かつ、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とアノード帯状体との間に間隙を形成し、複数のアノードは、互いに物理的に接触しないように、その全面が空間をおいて離れている。複数のアノードの各々は、平面状フレームの面上において、互いにほぼ平行な平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がることができ、平面状フレームの別の面上のアノードは、第1の面上のアノードに対して平行又は垂直であり得る。各アノードが固定される平面状フレームの2つの縁部は、平面状フレームの対向する縁部であり得る。ガルバニ電池は、平面状フレームの単一個の主面上にそのアノードの全てを有することができ、又はアノードの一部が平面状フレームの1つの主面上にあり、他のアノードがフレームの別の主面上にあることができる。
【0073】
図1Aは、様々な実施形態による、主面から見たガルバニ電池110を示す。ガルバニ電池110はカソードを含み、カソードは、多角形の外周部を有するガルバニ電池の平面状フレーム120と、当該フレームの外周部の内側に備えられた、当該フレームと直接接触しているワイヤメッシュ又はワイヤスクリーンである多孔質物質130とを含む。ガルバニ電池110は、複数のアノード140を含んでおり、各アノードは、平面状フレームの面上の平面状フレームの2つの対向する縁部において平面状フレームに締結された帯状体である。アノードの各々は、アノードの各々が互いにほぼ平行であり、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質物質を横切って広がり、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質物質とアノード帯状体との間に間隙(図示無し)を形成するように、平面状フレームの2つの縁部の各々において導電性コネクタ150の少なくとも1つを用いて平面状フレームに固定される。各アノードは、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状フレームに固定される平面状フレームの縁部の各々においてカソードフレームに直接接触する。平面状フレーム120を通過するだけの導電性コネクタ(図示無し)を使用して、それらの間に多孔質物質130を固定することもできる。複数のアノードは、互いに物理的に接触しないようにその全面が空間をおいて離れており、その間隙(図示無し)は、約1mm~約110mmである。
【0074】
図1Bは、図1Aの右側に示された視点に沿って見た、ガルバニ電池110の拡大切断部端面図を示す。ガルバニ電池は、複数の対の平面状フレーム120を含むことができ、各対は、1つ以上の導電性コネクタ(図示無し)を用いて合体されかつそれらの間に多孔質カソード物質130を固定する。アノード140は、平面状フレーム120の外周部の内側に備えられる多孔質カソード物質130を横切って広がる。平面状フレーム120の各対は、アノード140によって分離される(そのような1つのアノードのみが図1Bに示される)。平面状フレームの各対を互いに分離する1つ以上のアノード140は、それによって分離された平面状フレーム120の各対の面に直接接触する。
【0075】
本方法は、過酸化水素などの酸化剤を水性組成物に添加することを含むことができる。0.1ppm~1000ppmの過酸化水素(すなわち、水性組成物中で測定される濃度で)、1ppm~500ppm、1ppm~200ppm、又は1000ppm以下及び0.1ppm以上、0.5、1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、400、500、600、700、800、又は900ppmなどの任意の好適な量の酸化剤、例えば過酸化水素が、水性組成物中に存在してもよく、又は水性組成物に添加されてもよい。
【0076】
カソードは、ワイヤメッシュ又はスクリーンなどの多孔質物質を含んでもよく、又は多孔質物質でもよい。カソードは平面形状を有することができる。アノードは、棒状物、板状物、又は帯状物などの平面状非多孔質体を含むことができる。ガルバニ電池は、1つのカソード又は2つ以上のカソードを含むことができる。ガルバニ電池は、1つ及び1つ以下のカソードを含むことができる。ガルバニ電池は、2つ及び2つ以下のカソードを有することができる。ガルバニ電池は、1つ及び1つ以下のアノードを含むことができる。
【0077】
カソードは、少なくとも1つの導電性コネクタを介してアノードに取り付けることができる。導電性コネクタは、溶接部、締結具、ねじ締結具、又はこれらの組み合わせなどの、本明細書に記載の任意の導電性コネクタであり得る。導電性コネクタは、ねじ、ボルト、ブラケット、ナット、ワッシャ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。導電性コネクタは、締結用アセンブリであり得る。導電性コネクタは、カソードとアノードとの間の間隙を維持することができる。この間隙は、約1mm~約110mm、又は約2mm~約30mm、又は約110mm以下、及び約1mm、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、又は約105mm以下であり得る。この間隙は、ガルバニ電池全体にわたって実質的に均一であってよい。ガルバニ電池は、アノードと、1つ以上の導電性コネクタを介してそこに固定された1つ以上のカソードとの間で直接の接触がなくてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のガルバニ電池の導電性コネクタは、同様の物理的形態(例えば、ボルト、ナット、及び/又はワッシャ)を有するが、プラスチックなどの非導電性物質から形成された非導電性コネクタによって置き換えられ、そのような実施形態では、アノードからカソードへの別の適切な電気的接続を、例えば、ポテンショスタット又はワイヤを介して行うことができる。
【0078】
ガルバニ電池はアノードを含むことができ、アノードは平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池はカソードを含むことができ、カソードはワイヤメッシュを含む。カソードは、アノードの平面状非多孔質体の主面とカソードとの間に間隙が形成されるように、アノードの平面状非多孔質体の主面に平行に配置することができる。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0079】
ガルバニ電池は、単一個のアノード(例えば、1つを超えないアノード)を含むことができ、アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、2つのカソードを含むことができ、各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにしてよい。ガルバニ電池は、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0080】
ガルバニ電池は、単一個のアノードを含むことができ、アノードは、Mgを含み、アノードは、平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、2つのカソードを含むことができ、カソードはCuを含み、各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにしてよい。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0081】
ガルバニ電池は、単一個のアノードを含むことができ、アノードはAlを含み、アノードは平面状非多孔質体を含む。ガルバニ電池は、2つのカソードを含むことができ、カソードはCuを含み、各カソードはワイヤメッシュを含む。両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにしてよい。ガルバニ電池はまた、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0082】
図2は、様々な実施形態によるガルバニ電池200の側面図を示す。ガルバニ電池は、平面状非多孔質アノード210を含み、ワイヤメッシュカソード220が、カソードとアノードにおける主面との間の間隙を維持するために導電性コネクタ230を介して平行な構成でアノードに取り付けられている。アノードはアルミニウムプレートであってもよい。カソードは銅線メッシュであり得る。導電性コネクタは、ボルト、ナット、及びワッシャなどの黄銅締結用アセンブリであり得る。
【0083】
図3は、様々な実施形態によるガルバニ電池200の主面を示す。ガルバニ電池は、平面状非多孔質アノード(図示無し)を含み、ワイヤメッシュカソード220が、カソードとアノードにおける主面との間に間隙を維持するために導電性コネクタ230を介して平行な構成でアノードに取り付けられている。ガルバニ電池は、ガルバニ電池を貫通する孔240を含む。
【0084】
図4は、様々な実施形態による、ガルバニ電池200の側面図及び主面図を示す。ガルバニ電池は、平面状非多孔質アノード210を含み、ワイヤメッシュカソード220が、導電性コネクタ230を介して平行な構成でアノードに取り付けられている。ガルバニ電池は、ガルバニ電池を貫通する孔240を含む。
【0085】
本方法は、複数のガルバニ電池を水性組成物中に浸漬することを含み得る。複数のガルバニ電池はそれぞれ、1つ以上の構造コネクタに取り付けられ得る。構造コネクタは、ロッド、パイプ、梁、ハンガー、ブラケット、フック、又はそれらの組み合わせを含むことができる。構造コネクタは、プラスチック(例えば、ナイロン、PVC、ポリエチレン、又はそれらの組み合わせ)等の非導電性物質を含むことができる。構造コネクタは、金属合金(例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、又は別の合金鋼)などの導電性物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、導電性物質は、非導電性塗料(例えば、エポキシ系塗料)などの非導電性物質でコーティングされるか、又はプラスチックチューブもしくはパイプなどの非導電性物質で包まれる。構造コネクタは、エポキシ系塗料でコーティングされた炭素鋼ロッドを含むことができる。ガルバニ電池は、1つ以上の構造コネクタに取り外し可能に取り付けられ得る。ガルバニ電池はそれぞれ、1つ以上の構造コネクタから吊り下げられ得る。
【0086】
様々な実施形態において、ガルバニ電池は、それを貫通する1つ以上の孔を含むことができ、1つ以上の構造コネクタは、各ガルバニ電池内の1つ以上の孔を介してガルバニ電池に取り付けられる。
【0087】
ガルバニ電池は、複数のガルバニ電池を水性組成物に浸漬させることを含むことができ、ガルバニ電池はそれぞれ、1つ以上の構造コネクタに取り付けられる。各ガルバニ電池は、単一個のアノードを含むことができ、アノードは、Mg、Al、又はそれらの組み合わせを含み、アノードは、平面状非多孔質体を含む。各ガルバニ電池は、2つのカソードを含むことができ、カソードはCuを含み、各カソードはワイヤメッシュを含み、両カソードは、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成するようにする。各ガルバニ電池は、カソードをアノードに接続する少なくとも1つの導電性コネクタを含むことができ、導電性コネクタは、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する。
【0088】
図5は、様々な実施形態による複数のガルバニ電池500の側面図を示す。図5は、合計で11個のガルバニ電池を示しており、各ガルバニ電池は、平面状非多孔質アノードと、カソードとアノードとの間の間隙を維持する3つの導電性コネクタを介してアノードの両側に平行な構成で取り付けられた2つのワイヤメッシュカソードとを含む。複数のガルバニ電池は、各電池の孔を貫通する支持ロッド510を含む。複数のガルバニ電池は、支持ロッドによって固定され、支持ロッドから吊り下げられ得る。
【0089】
図6は、電池の主面を示す、図5からの複数のガルバニ電池の側面図を示す。図6において、複数の電池の端部のフレームは、電池を支持する支持ロッドを保持する。
図7は、図6からの複数のガルバニ電池の図を示し、電池の側面、上面、及び主面を示す。電池群は、その電池群を支持する支持ロッドを持ち上げることによって、メンテナンスのために容易に取り外すことができる。
【0090】
採用される用語及び表現は、用語が限定ではなく説明として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示され、記載される特徴又はその部分の任意の均等物を除く意図はないが、本発明の実施形態の範囲内で、様々な変更が可能であることは認識される。従って、本発明は、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書で開示される概念の変更及び変形は、当業者によって再分類可能であり、そのような変更及び変形は、本発明の実施形態の範囲内であると考えられることを理解されたい。
【0091】
実施例。
本発明の様々な実施形態は、実例として提供される以下の実施例を参照することによってより良く理解することができる。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0092】
PCT/US2020/037405及びPCT/US2020/037407の実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
パートI アルミニウム帯状アノードを有する銅フレーム/メッシュカソードを有するガルバニ電池。
【0093】
別段の指示がない限り、銅カソード及びアルミニウムアノードを有する、実施例のこの部分で使用される小型電池については、最終サイズは5cm×20cmであり、厚さは約4mmであり、それぞれ約1mmの厚さを有する銅メッシュ及びアノードを使用した。アルミニウムアノードは、99.9重量%の純アルミニウム(6061アルミニウム合金)であった。銅フレーム及び銅メッシュに使用した銅は、99.9重量%の純銅であった。小型電池は、アノードが間に挟まれた一対の銅メッシュを含み、銅メッシュとアノードは、電気絶縁性プラスチックねじを使用して銅メッシュから0.5cmだけ隔てられた。銅メッシュは、銅線を介して互いに電気的に接続された。アノード及びカソードは、互いに電気的に接続されなかった(マルチメータ及び周囲の水を介する以外)。水に露出する犠牲アノードのもたらされた表面積は、電池当たり約400mmであった。
【0094】
実施例1 電極の相対表面積の効果。
小型のAl-Cuガルバニ電池を使用して、実験室での実験は、Cu電極の表面を一定に保ちながらAl表面を増加させても、電池内を循環する電流に目立った変化は生じないことを示した。しかし、Al電極の表面を一定に維持しながらCu電極の表面を増加させると、電池内の電流は増加する。使用した電池の側面写真を図8に示す。
【0095】
これらの結果は、銅表面上の反応が、電池内で起こる化学プロセス全体の開始剤であることを示唆している(例えば、これらの反応は、プロセス全体の律速段階である)。したがって、この結果は、Cuのナノ粒子又はCuスポンジ電極、銅スクリーニング又は銅の他の高表面積形態を有する設計が、ガルバニ電池の同じ電位差(電圧)に対して生成されるアルミニウムイオンの量を増加させ得る(又は電流を増加させ得る)ので、非常に実用上重要である。
【0096】
図9Aは、1面Cuスクリーン、2面Cuスクリーン、3面Cuスクリーン、及び4面Cuスクリーンを有する4つの異なるAl-Cuガルバニ電池についての電流対時間を示すプロットを示す。図9Bは、時間に対する図9Aのグラフにおける電流から計算された、時間に対して生成されたアルミニウムイオンのミリグラムを示す。結果は、Cu電極の表面積を増加させると、ガルバニ電池内の電流が増加し、したがって、時間当たりに生成されるアルミニウムイオンの量が増加することを実証する。
【0097】
実施例2 空気撹拌の効果。
小型のAl-Cuガルバニ電池に関する実験室規模及びパイロット規模(50GPM)のデータは、空気による撹拌が、水中の溶解酸素の増加に起因してカソード電極の脱分極を引き起こすことを示した。カソードでの水の分解と共に分子酸素の還元は、電流を20~30%増加させ、したがって、溶液から放出されるアルミニウムイオンの量を増加させる。図10は、電流対導電率のプロットを示し、空気撹拌の使用により同じ導電率で電流が増加したことを示す。
【0098】
実施例3 繊維産業。
繊維産業では、Al及びFe電極が電解による電気凝固システムで使用されたときに着色剤が除去されることが報告されている。ガルバニ電池は、外部エネルギー印加がないという利点を伴って同じ効果を生じ、これは、不動態化プロセスを著しく低減し、はるかに少ないアノード消費(例えば、約10分の1以下の消費)で動作する。本発明者らの実験室で実施された実験は、Al-Cuガルバニ電池による処理が、メチルオレンジ及び2-ナフトールオレンジ(すなわち、オレンジII又はアシッドオレンジ7)などのアゾ染料などの染料分子の除去において大きな有効性を有することを検証した。加えて、織物処理プラントからの水サンプルをAl-Cu電池によるガルバニック処理に供することは、化学的酸素要求量(COD)の減少及び濁度の減少を引き起こした。
【0099】
アゾ染料化合物オレンジIIは、繊維産業において広く使用されている。繊維産業からの様々な廃水は、環境規制によって許容されるよりも高い濃度でこの化合物の残留量を含有する。以下の実験作業は、ガルバニックAl-Cu電池を利用した水からのオレンジII染料の除去を実証する。
【0100】
12ppmのオレンジII及び1g/LのNaClを含有する溶液を実験室で調製して、Al-Cuガルバニ電池の除去効率を実証した。図11は、小型のガルバニAl-Cu電池と接触させながら、この溶液中で時間に応じて記録された紫外-可視(UV-VIS)スペクトルを示す。ガルバニ電池は、染料を含有する溶液中に完全には浸されなかった。アルミニウムプレートの表面は160cm2であり、溶液の体積に対するアルミニウム表面積の比は0.162cm/cmであった。各分光測定を行う前に、溶液を0.45μmフィルタで濾過した。
【0101】
図11において、ガルバニ電池におけるアルミニウムプレートの酸化の生成物である新たに加水分解されたアルミニウム粒子上へのオレンジII分子の吸着に起因して、時間に応じて記録されたスペクトルにおいて吸光度の減少が観察される。図12は、時間に応じて除去されたオレンジIIのパーセント(紫外-可視スペクトルにおける486nmでのシグナルから得られる)を示し、これは、懸濁液中のアルミニウム粒子上のオレンジII染料の吸着についての一次関係を示す。オレンジII染料の除去速度は、生成されたアルミニウム粒子の数に依存し、アルミニウム表面積/溶液体積比及び溶液の導電率に依存するので、グラフから計算された速度定数は見かけの速度定数である。
【0102】
可溶性染料の除去のためのガルバニックプロセスは、吸着が懸濁液中の加水分解されたアルミニウム粒子上で起こり、アルミニウムプレートの表面上では起こらないので、オレンジII染料のための従来の除去プロセスに対して著しい進歩を示す。これにより、従来のプロセスで使用されたような定置洗浄プロセス又は吸着物質の除去及び再生の必要性が無くなる。測定されたガルバニック電流に基づいて、生成されたアルミニウムの量は5~6ppmであり、初期オレンジII染料濃度の80%を除去するのに十分であると推定した。これは、例えば、アルミニウム塩の化学的添加によって、又は電解による電気凝固のプロセスを介して生成される凝固物と比較して、アルミニウムの消費が少ないことを示す。
【0103】
実施例4 化学的酸素要求量(COD)の低減。
表1は、ガルバニックプロセスによる処理の様々な水性組成物の化学的酸素要求量に対する効果を示す。ガルバニック処理の間、空気を組成物に通して泡立てた。
【0104】
【表1】
【0105】
小型のAl/Cu電池を、以下のガルバニ電池で処理された処理プラント廃水以外の全ての水性組成物に使用した:電池は、銅カソード及びアルミニウムアノードを含み、最終サイズは、10cm×160cmであり、厚さは約6mmであり、銅メッシュを使用した。アルミニウムアノードは6061アルミニウム合金であった。銅メッシュは99.9%の純銅であった。電池は、アノードが間に挟まれた一対の銅メッシュを含み、銅メッシュとアノードは、黄銅ねじを使用して銅メッシュから0.5cmだけ隔てられた。合計192個の電池を使用した。水に露出する犠牲アノードのもたらされた表面積は、電池当たり約3200cmであった。
【0106】
実施例5 水からのシリカの除去。
その多様な形のシリカは動物及び人間の命に有害ではないが、いくつかの工業プロセスはその除去を必要とする。例えば、冷却塔及び蒸発塔に溶解したコロイドシリカのスケールの蓄積は、シリカファウリングのために大きな問題であり、これは、高いメンテナンスコスト、処理水の排出、ファウリング防止化学添加剤の使用、及びダウンタイムをもたらす。淡水又は飲料水処理プロセスなどの逆浸透を使用するプロセスでは、逆浸透膜へのシリカの付着は、高価な化学処理を必要とし、膜の使用時間を短くする。ガルバニ電池は、水からシリカを除去するための経済的かつ効率的な方法である。表2は、小型のAl/Cu電池を用いたガルバニックプロセスを使用する合成水からのシリカ除去を示す。合成水は、5gのNaCl及び様々な量のNaSiOを1000mLの水道水に添加することによって形成した。合成水のpHは8~8.5であった。
【0107】
【表2】
【0108】
実施例6 油/水型エマルションの濁度の減少。
表3は、小型のAl/Cu電池を用いたガルバニックプロセスを使用した合成油/水型エマルションの濁度の減少を示す。切削油と自動車エンジン油の1:1の比(wt)の1mL混合物を1000mLの水道水と合わせ、5gのNaClを添加することによって合成油/水型エマルションを形成した。得られた合成油/水型エマルションはpH6.6であった。ガルバニックプロセスを使用した後、得られた水を、濁度試験の前に1ミクロンの布フィルタで濾過した。表3において濁度に使用される単位は、比濁分析濁度単位(NTU)である。濁度は、入射ビームに対して90度で単一個の検出器を使用して測定した。
【0109】
【表3】
【0110】
パートII アルミニウム帯状アノード及び銅メッシュカソードを有するガルバニ電池。
アルミニウムアノードは、97.9重量%のAl、0.6重量%のSi、1重量%のMg、0.2重量%のCr、及び0.28重量%のCuである6061アルミニウム合金であった。銅メッシュに使用した銅は、99.9重量%の純銅であった。
【0111】
実験は、Al-Cuガルバニ電池の挙動に対する過酸化水素の影響を測定するために、オキーチョービー湖を原水として用いて行われた。オキーチョービー湖は、フロリダで最大の湖であり、州の南部に位置する。この湖は、他の多くの湖と同様に、過剰な栄養素で高度に汚染されている。
【0112】
2つの電極及びAutolab Potentiostat/Galvanostat Model PGSTAT302Nを用いる線形ボルタンメトリー法を使用して、研究を行った。このガルバニ電池は、導電性コネクタの代わりに、プラスチックボルト、プラスチックナット、及びプラスチックワッシャがカソードをアノードに固定するために使用されたことを除いて、図2~4に示されたガルバニ電池と同じ物理的形態及び配置を有する。ガルバニ電池は、カソードとして働く2つの銅メッシュスクリーンと、1.8cm×1.1cm×0.5cmの寸法を有し、各主面の表面積が約2cmの中実アルミニウム棒であるアノードとを含んでいた。銅メッシュスクリーンがアノードの主面に平行になるように、かつ銅メッシュスクリーンとアノードの主面との間に3mmの間隙が維持されるように、銅メッシュスクリーンを、プラスチックボルト、プラスチックナット、及びプラスチックワッシャを使用して2つの位置でアルミニウム棒に固定した。実施例のこの部分では、バッチプロセスが実施され、水の撹拌は実施されず、使用された水は、約400μSの導電率を有するS-191カナルからのオキーチョービー湖水であった。実施例のこの部分では、これらのガルバニ電池のうちの1つを試験した。実施例のこの部分では、カソードとアノードとを電気的に接続するポテンショスタットの使用により、本明細書に記載の導電性コネクタの代わりに非導電性プラスチックコネクタアセンブリを使用したが、ガルバニ電池の使用中に、ポテンショスタットを省略することができ、本明細書に記載の導電性コネクタをプラスチックコネクタアセンブリの代わりに使用することができる。
【0113】
線形ボルタンメトリー法は、2つの電極を使用し、(1)ガルバニ電池によって生成される電位の反対方向の印加電位差、及び(2)2つの電極間を循環する電流の順次走査に従う。印加電位が0であるとき、記録された電流は、電池内の電位差の増加が循環電流の減少を引き起こす研究条件下でのガルバニ電池の自然電流又は固有電流に対応する。外部電気抵抗を増加させることによって、電流は、印加された電位差が動作条件下のガルバニ電池の電位差に等しい状況から0値をとる。
【0114】
図13は、様々な量の過酸化水素が添加された水中のガルバニ電池の線形ボルタモグラムを示す。図13において、電極間に印加される電位差が0の場合、電流は過酸化水素の添加とともに直線的に増加することが観察される。また、ガルバニ電池の0電流動作電位のオフセット又は変位が、より正の電位に向かってシフトすることが観察される。過酸化水素の最初の添加は、過酸化水素の非存在下での同じ測定と比較して、約0.2Vのオフセット又は変位を生じる。過酸化水素をさらに添加すると、より正の電位に向かってさらに大きなオフセット又は変位が生じる。過酸化水素の添加と増加する正電位との間のこの関係は、ネルンストの式によって定義される。この挙動は、一度過酸化水素が添加されると、主なカソード反応はこの化合物の還元であり、過酸化水素の非存在下で起こる水の分解ではないことを示す。水に対する過酸化水素のより大きな酸化電位は、正の電位変位を正当化する。全ての曲線において、異なる電流対電位勾配を有する2つの領域を展開することができ、低電流における勾配は、2つの電極間の水の電気抵抗によって決定され、高電流における別の勾配は、電極の表面内又は表面上の反応速度、特にカソード反応によって決定される。過酸化水素の添加の増加は、水の抵抗に関連する区域を拡大する。電流対電位関係における律速反応が電極間の溶液の抵抗によって決定される場合、過酸化水素の添加は、一定の導電率でのガルバニ電池の電流に変化を生じない。逆に、律速段階がカソードによる過酸化水素の還元である場合、溶液中の過酸化水素の添加又は量の増加は、ガルバニ電池の電位の増加をもたらす。図13から、過酸化水素の添加は、ガルバニ電池の電位を増加させることが明らかであり、したがって、反応のメカニズムは、水の分解とは対照的に、カソードと溶液中の過酸化水素との間にあるに違いない。
【0115】
ファラデーの法則を利用して、溶液に放出されたアルミニウムイオンの量は、ガルバニ電池内を循環する電流から計算することができる。図14は、添加された過酸化水素の様々な量における、電極表面積の平方フィート当たりのガルバニ電池のアノード反応において生成されたアルミニウムイオンの量を示す。図14は、図13の最大電流値から計算された単位面積当たりに生成されたアルミニウムイオンの流量を過酸化水素の添加に応じて示す。従来の線形回帰によって得られた傾き(1.62の正の値)は、1ppmの過酸化水素の各添加について表面単位によって生成されたアルミニウムイオンの流れを示す。この関係は、過酸化水素の添加を制御することによって、溶液中のアルミニウムイオンの濃度の完全な制御を可能にする。
【0116】
図15は、様々な量のOCl又はHが添加されたガルバニ電池における電流を示す。図15は、次亜塩素酸塩及びほぼ同等に強力な酸化剤を過酸化水素に等量置換した場合にガルバニ電池で得られた電流の比較を示す。理論的には、化合物のモル濃度に応じてH及びOClの添加について得られたグラフの勾配と、移動した電子の数との間の関係は、約3までの値を有さなければならないが、過酸化水素について得られた実験値は、5.75の値を示す。行われた実験は、ガルバニ電池において測定された電流から計算された値と、過酸化水素の添加を変えた場合の溶液中のアルミニウムイオンの濃度との比が、ほとんど100%の一致を表すことを示す。導き出すことができる結論は、添加された過酸化水素が、銅電極の表面上でのその還元(ガルバニック反応)に起因してガルバニックプロセスを介して消費されるということであり、OClを用いて実施された同じ測定は、ガルバニックプロセスを介するその消費に加えて、アルミニウム電極の直接腐食及び天然水中に存在する有機物との反応を介してさらなる消費が生じることを示す。これは、これら2つの化合物の反応生成物の回帰分析において得られた勾配値の間の差から明らかである。追加の競合反応を有するOCl化合物を利用することと比較して、過酸化水素との直接的な一次関係のために、過酸化水素に対するカソード還元における動力学的選好性は、ガルバニックプロセスを用いて反応速度及び溶液中のアルミニウムイオンの生成を制御することを可能にする。
【0117】
過酸化水素の添加は、直接反応及び銅電極の表面上でのOHラジカルの生成による酸化-滅菌プロセスに有利である。
例示的な実施形態。
【0118】
以下の例示的な実施形態が提供され、その番号付けは、重要度のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
実施形態1は、水性組成物を処理する方法であって、Mg、Al、Fe、Zn、又はこれらの組み合わせを含むアノードと、アノードとは異なる組成を有し、Cu、Ni、Fe、又はこれらの組み合わせを含むカソードとを含むガルバニ電池を水性組成物に浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む方法を提供する。
【0119】
実施形態2は、ガルバニ電池がガルバニ電池として動作される、実施形態1に記載の方法を提供する。
実施形態3は、ガルバニ電池のアノードとカソードとの間に外部電位を印加しないことを含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0120】
実施形態4は、アノードとカソードとの間に印加される外部電位が0Vである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態5は、アノードとカソードとの間の電位が、ガルバニ電池のガルバニック腐食電位に等しい、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0121】
実施形態6は、水性組成物中のエマルションを除去又は減少させるか、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させるか、水性組成物中の1つ以上の有機化合物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の無機化合物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の染料及び/又はインクを除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の金属を除去又はその濃度を低下させるか、1つ以上の重金属を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中のフッ化物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中の硫化物を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物中のヒ素を除去又はその濃度を低下させるか、水性組成物の化学的酸素要求量(COD)を減少させるか、水性組成物の濁度を減少させるか、水性組成物中のシリカ(例えば、SiO 2-)を除去又はその濃度を低下させるか、又はこれらの組み合わせである、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法を提供する。例えば、本方法は、水性組成物中のSiO 2-の濃度を、1%~100%、又は20%~90%、又は30%~80%、又は40%~70%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低下させることができる。
【0122】
実施形態7は、水性組成物が、食品加工、埋立地、洗濯プロセス(例えば、洗剤廃水)、工業パルプもしくは紙プロセス、工業採掘プロセス、工業織物プロセス、金属処理プロセス、金属研磨プロセス、金属加工プロセス、なめし産業における工業プロセス、石油工業プロセス、海洋廃水、又はこれらの組み合わせからの廃水及び/又は廃液を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0123】
実施形態8は、水性組成物が、環境中の水の天然源、飲料水、産業廃水、産業冷却水、又はそれらの組み合わせを含む源から採取された水を含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0124】
実施形態9は、水性組成物中のエマルションを除去又は減少させる、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態10は、水性組成物が油/水型エマルション、水/油型エマルション、及び/又はラテックスエマルションを含み、処理された水性組成物が、水性組成物より少ない油/水型エマルション、水/油型エマルション、及び/又はラテックスエマルションを含む、実施形態9の方法を提供する。
【0125】
実施形態11は、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させる、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態12は、水性組成物が懸濁固体粒子を含み、処理された水性組成物が水性組成物よりも低い濃度の懸濁固体粒子を有する、実施形態11に記載の方法を提供する。
【0126】
実施形態13は、処理された水性組成物から凝固した物質及び/又は沈殿物を除去することをさらに含む、実施形態11~12のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態14は、除去することが、デカンテーション、沈降、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態13に記載の方法を提供する。
【0127】
実施形態15は、水性組成物中の1つ以上の有機化合物を除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態16は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の有機化合物を有する、実施形態15に記載の方法を提供する。
【0128】
実施形態17は、有機化合物を化学的に変換し、有機化合物を分解し、有機化合物を酸化し、有機化合物を還元し、有機化合物を沈殿させ、有機化合物を凝固させ、有機化合物を酸素と反応させ、有機化合物を塩素と反応させ、有機化合物をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はこれらの組み合わせである、実施形態15~16のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0129】
実施形態18は、水性組成物中の1つ以上の無機化合物を除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態19は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の無機化合物を有する、実施形態18に記載の方法を提供する。
【0130】
実施形態20は、無機化合物を化学的に変換し、無機化合物を分解し、無機化合物を酸化し、無機化合物を還元し、無機化合物を沈殿させ、無機化合物を凝固させ、無機化合物を酸素と反応させ、無機化合物を塩素と反応させ、無機化合物をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はこれらの組み合わせである、実施形態18~19のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0131】
実施形態21は、水性組成物中の1つ以上の染料及び/又はインクを除去するか、又はその濃度を減少させる、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態22は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の染料及び/又はインクを有する、実施形態21に記載の方法を提供する。
【0132】
実施形態23は、1つ以上の染料及び/又はインクを化学的に変換し、1つ以上の染料及び/又はインクを分解し、1つ以上の染料及び/又はインクを酸化し、1つ以上の染料及び/又はインクを還元し、1つ以上の染料及び/又はインクを沈殿させ、1つ以上の染料及び/又はインクを凝固させ、1つ以上の染料及び/又はインクを酸素と反応させ、1つ以上の染料及び/又はインクを塩素と反応させ、1つ以上の染料及び/又はインクをアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はそれらの組み合わせである、実施形態21~22のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0133】
実施形態24は、水性組成物中の1つ以上の金属を除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態25は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の金属を有する、実施形態24に記載の方法を提供する。
【0134】
実施形態26は、1つ以上の金属を化学的に変換し、1つ以上の金属を分解し、1つ以上の金属を酸化し、1つ以上の金属を還元し、1つ以上の金属を沈殿させ、1つ以上の金属を凝固させ、1つ以上の金属を酸素と反応させ、1つ以上の金属を塩素と反応させ、1つ以上の金属をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はそれらの組み合わせである、実施形態24~25のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0135】
実施形態27は、1つ以上の重金属を除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態28は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の重金属を有する、実施形態27に記載の方法を提供する。
【0136】
実施形態29は、1つ以上の重金属を化学的に変換し、1つ以上の重金属を分解し、1つ以上の重金属を酸化し、1つ以上の重金属を還元し、1つ以上の重金属を沈殿させ、1つ以上の重金属を凝固させ、1つ以上の重金属を酸素と反応させ、1つ以上の重金属を塩素と反応させ、1つ以上の重金属をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はそれらの組み合わせである。実施形態27~28のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0137】
実施形態30は、水性組成物中の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態31は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度の1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を有する、実施形態30に記載の方法を提供する。
【0138】
実施形態32は、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を化学的に変換し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を分解し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を酸化し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を還元し、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を沈殿させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を凝固させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を酸素と反応させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質を塩素と反応させ、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させる、又はそれらの組み合わせである、実施形態30~31のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0139】
実施形態33は、水性組成物中のフッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを除去するか、又はその濃度を低下させる、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0140】
実施形態34は、処理された水性組成物が、水性組成物よりも低い濃度のフッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを有する、実施形態33に記載の方法を提供する。
実施形態35は、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを化学的に変換し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを分解し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを酸化し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを還元し、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを沈殿させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを凝固させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを酸素と反応させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを塩素と反応させ、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせをアノード及び/又はカソードで発生した1つ以上のイオンと反応させる、又はこれらの組み合わせである、実施形態33~34のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0141】
実施形態36は、水性組成物の化学的酸素要求量(COD)を低減する、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法を提供する。例えば、本方法は、水性組成物のCODを、1%~100%、又は1%~99%、又は3%~95%、又は5%~85%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低減することができる。
【0142】
実施形態37は、水性組成物の濁度を低下させる、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法を提供する。例えば、本方法は、水性組成物(例えば、油/水型又は水/油型エマルション)の濁度を、1%~100%、又は1%~99.99%、又は80%~99.999%、又は90%~99.999%、又は100%以下及び1%、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又は99.99%以上低減させることができる。
【0143】
実施形態38は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬が、水性組成物からの物質とアノードからの物質とを含む塩を形成する、実施形態1~37のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0144】
実施形態39は、塩が水酸化物塩を含む、実施形態38に記載の方法を提供する。
実施形態40は、処理された水性組成物から塩を除去することをさらに含む、実施形態38~39のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0145】
実施形態41は、水性組成物が、溶解した遷移金属、ポスト遷移金属、半金属、又はこれらの組み合わせを含み、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属を含む水酸化物塩を形成することをさらに含む、実施形態1~40のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0146】
実施形態42は、処理された水性組成物から塩を除去することをさらに含む、実施形態41に記載の方法を提供する。
実施形態43は、遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属が、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、又はそれらの組み合わせである、実施形態41~42のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0147】
実施形態44は、遷移金属、ポスト遷移金属、又は半金属が、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、又はそれらの組み合わせである、実施形態41~43のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0148】
実施形態45は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、アノードにおいてH及びHOを形成することを含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0149】
実施形態46は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、カソードにおいてH及びHOを形成することを含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0150】
実施形態47は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、カソードにおいてH、HO 、又はそれらの組み合わせを形成することを含む、実施形態1~46のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0151】
実施形態48は、酸、塩基、又はそれらの組み合わせを水性組成物に添加して、そのpHを調整することをさらに含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0152】
実施形態49は、酸、塩基、又はそれらの組み合わせが、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する前、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬した後、又はそれらの組み合わせで、水性組成物に添加される、実施形態48に記載の方法を提供する。
【0153】
実施形態50は、水性組成物を再循環させて、水性組成物をガルバニ電池と複数回接触させることをさらに含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態51は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬が部分的浸漬を含む、実施形態1~50のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0154】
実施形態52は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬が完全浸漬を含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態53は、複数のガルバニ電池を水性組成物に浸漬することを含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0155】
実施形態54は、カソードがCuを含み、アノードがMgを含む、実施形態1~53のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態55は、カソードがCuを含み、アノードがAlを含む、実施形態1~54のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0156】
実施形態56は、カソードがCuを含む、実施形態1~55のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態57は、カソードが実質的にCu以外の物質を含まない、実施形態1~56のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0157】
実施形態58は、カソードが約50重量%~約100重量%のCuである、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態59は、カソードが約90重量%~約100重量%のCuである、実施形態1~58のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0158】
実施形態60は、カソードが、Cu合金、Fe合金、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態61は、カソードが、Ni-Cu合金、Ni-Fe合金、Cu-Fe合金、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~60のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0159】
実施形態62は、アノードがAlを含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態63は、アノードが実質的にAl以外の物質を含まない、実施形態1~62のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0160】
実施形態64は、アノードが約50重量%~約100重量%のAlである、実施形態1~63のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態65は、アノードが約90重量%~約100重量%のAlである、実施形態1~64のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0161】
実施形態66は、アノードが、Mg及びAlを含む合金を含む、実施形態1~65のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態67は、Mg及びAlがアノードの約50重量%~約100重量%である、実施形態1~66のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0162】
実施形態68は、アノードが実質的にMg、Mg合金、及びAl以外の物質を含まない、実施形態1~67のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態69は、アノードが、Ag、Pt、Au、又はそれらの組み合わせをさらに含む、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0163】
実施形態70は、Ag、Pt、Au、又はそれらの組み合わせが、アノードの約0.0001重量%~約20重量%である、実施形態69に記載の方法を提供する。
実施形態71は、Ag、Pt、Au、又はそれらの組み合わせが、アノードの約0.0001重量%~約5重量%である、実施形態69~70のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0164】
実施形態72は、アノードがMgを含む、実施形態1~71のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態73は、アノードが実質的にMg又はその合金以外の物質を含まない、実施形態1~72のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0165】
実施形態74は、アノードが約50重量%~約100重量%のMg又はその合金である、実施形態1~73のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態75は、アノードが約90重量%~約100重量%のMg又はその合金である、実施形態1~74のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0166】
実施形態76は、ガルバニ電池のアノード及びカソードが互いに直接接触する、実施形態1~75のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態77は、カソードが、アノードの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する、実施形態1~76のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0167】
実施形態78は、ガルバニ電池が、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに備え、導電性コネクタが、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~77のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0168】
実施形態79は、導電性コネクタが、アノードの仕事関数とカソードの仕事関数との間の仕事関数を有する、実施形態78に記載の方法を提供する。
実施形態80は、導電性コネクタがCuを含む、実施形態78~79のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0169】
実施形態81は、導電性コネクタがZnを含む、実施形態78~80のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態82は、導電性コネクタが、Cu及びZnを含む合金を含む、実施形態78~81のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0170】
実施形態83は、導電性コネクタが黄銅を含む、実施形態78~82のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態84は、導電性コネクタが黄銅を含み、導電性コネクタが実質的に他の物質を含まない、実施形態78~83のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0171】
実施形態85は、ガルバニ電池が複数の導電性コネクタを備え、各導電性コネクタが独立してアノードとカソードとを電気的に接続する、実施形態78~84のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0172】
実施形態86は、複数の導電性コネクタがガルバニ電池の外周部にほぼ均等に配置される、実施形態85に記載の方法を提供する。
実施形態87は、導電性コネクタが、ねじ、ボルト、ナット、ワッシャ、又はそれらの組み合わせを備える、実施形態78~86のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0173】
実施形態88は、導電性コネクタが、ねじ又はボルトを備える、実施形態78~87のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態89は、ガルバニ電池が複数のカソードを備える、実施形態1~88のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0174】
実施形態90は、ガルバニ電池が複数のアノードを備える、実施形態1~89のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態91は、ガルバニ電池のカソード表面積に対するアノード表面積の比が約0.001~約10である、実施形態1~90のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0175】
実施形態92は、ガルバニ電池のカソード表面積に対するアノード表面積の比が約0.01~約1である、実施形態1~91のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態93は、カソードが、粗面又はエッチングされた表面を含む、実施形態1~92のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0176】
実施形態94は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬の間の水性組成物の導電率が約100μS~約1,000,000μSである、実施形態1~93のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0177】
実施形態95は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬の間の水性組成物の導電率が約300μS~約100,000μSである、実施形態1~94のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0178】
実施形態96は、導電率が約100μS~約1,200μSであるように水性組成物の導電率を調節することをさらに含む、実施形態1~95のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0179】
実施形態97は、水性組成物の導電率を調節することが、新しい水性組成物のガルバニ電池への導入速度を調節することを含む、実施形態96に記載の方法を提供する。
実施形態98は、水性組成物の伝導率を調節することが、1つ以上の塩を水性組成物に添加することを含む、実施形態96~97のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0180】
実施形態99は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する前、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬した後、又はこれらの組み合わせで、塩が水性組成物に添加される、実施形態98に記載の方法を提供する。
【0181】
実施形態100は、水性組成物の導電率を調節するために水性組成物に添加される1つ以上の塩が、ハロゲン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態98~99のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0182】
実施形態101は、水性組成物の導電率を調節するために水性組成物に添加される1つ以上の塩が、塩化ナトリウムを含む、実施形態98~100のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0183】
実施形態102は、処理された水性組成物をガルバニ電池から分離することをさらに含む、実施形態1~101のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態103は、アノードが犠牲アノードである、実施形態1~102のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0184】
実施形態104は、ガルバニ電池を水性組成物に浸漬する間に、水性組成物にせん断を加えることをさらに含む、実施形態1~103のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態105は、水性組成物にせん断を加えることが、水性組成物を介して空気をバブリングすることを含む、実施形態104に記載の方法を提供する。
【0185】
実施形態106は、せん断が、アノード、カソード、又はそれらの組み合わせの表面からHを含む少なくともいくつかの気泡を除去するのに十分である、実施形態104~105のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0186】
実施形態107は、せん断が、アノード及び/又はカソードの表面における酸化物形成を少なくとも部分的に防止するのに十分である、実施形態104~106のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0187】
実施形態108は、せん断が、アノード及び/又はカソードの表面上の1つ以上の物質の凝集を少なくとも部分的に防止するのに十分である、実施形態104~107のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0188】
実施形態109は、ガルバニ電池が平面状である、実施形態1~108のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態110は、ガルバニ電池が、ガルバニ電池の高さ及び幅よりも小さい厚さを有する、実施形態1~109のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0189】
実施形態111は、カソードが、ガルバニ電池の平面状フレームと、フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とを含み、カソード物質がフレームに電気的に接続されている、実施形態1~110のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0190】
実施形態112は、フレームが、ガルバニ電池の構成部材であり、フレームは、カソード物質を含み、フレームは、アノードのいずれか又は全てが存在しなくてもその形状を維持するのに構造的に十分である、実施形態111に記載の方法を提供する。
【0191】
実施形態113は、平面状フレームが非多孔質中実物質である、実施形態111~112のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態114は、平面状フレームがカソード物質の1つ以上の帯状体である、実施形態111~113のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0192】
実施形態115は、平面状フレームが多角形の外周部を有する、実施形態111~114のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態116は、平面状フレームが正方形又は長方形である、実施形態111~115のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0193】
実施形態117は、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質が、多孔質カソード物質を含む、実施形態111~116のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0194】
実施形態118は、多孔質カソード物質が、ワイヤ、メッシュ、スクリーン、1つ以上の貫通孔を含むシート、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態117に記載の方法を提供する。
【0195】
実施形態119は、多孔質カソード物質が、多孔質カソード物質を含むワイヤメッシュ又はワイヤスクリーンを含む、実施形態117~118のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0196】
実施形態120は、ガルバニ電池は、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに備え、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含み、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質カソード物質は、2つの平面状フレームの間に挟まれた縁部を有し、その2つの平面状フレームは、1つ以上の導電性コネクタを用いて合体されかつそれらの間に多孔質カソード物質を固定する、実施形態117~119のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0197】
実施形態121は、ガルバニ電池が、複数の対の平面状フレームを備え、各対は、1つ以上の導電性コネクタを用いて合体されかつそれらの間に多孔質カソード物質を固定し、各対は、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質カソード物質を横切って広がる1つ以上のアノードによって分離される、実施形態117~120のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0198】
実施形態122は、平面状フレームの各対を互いに分離する1つ以上のアノードが、それによって分離される平面状フレームの各対の面に直接接触する、実施形態121に記載の方法を提供する。
【0199】
実施形態123は、平面状フレームの各対を互いに分離する1つ以上のアノードが、それによって分離される平面状フレームの各対の一方の面に直接接触し、それによって分離される平面状フレームの各対の他方の面と直接接触しない、実施形態121~122のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0200】
実施形態124は、ガルバニ電池が、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに備え、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含み、アノードは、平面状フレームの2つの縁部において平面状フレームに締結された帯状体であり、アノードは、平面状フレームの2つの縁部のそれぞれにおいて導電性コネクタの少なくとも1つを用いて平面状フレームに固定され、アノードは、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がり、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とアノード帯状体との間に間隙を形成する、実施形態117~123のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0201】
実施形態125は、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状フレームに固定される平面状フレームの縁部のそれぞれにおいて、アノード及びカソードが互いに直接接触する、実施形態124に記載の方法を提供する。
【0202】
実施形態126は、ガルバニ電池が、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに備え、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、又はそれらの組み合わせを含み、ガルバニ電池は、複数のアノードを備え、各アノードはフレームの面上の平面状フレームの2つの縁部において平面状フレームに締結された帯状体であり、アノードの各々は平面状フレームの2つの縁部の各々において導電性コネクタの少なくとも1つを用いて平面状フレームに固定され、アノードの各々は平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がり、平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質とアノード帯状体との間に間隙を形成し、複数のアノードが互いに物理的に接触しないようにその全面が空間をおいて離れている、実施形態117~125のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0203】
実施形態127は、アノードの各々が、面上で互いにほぼ平行な平面状フレームの外周部の内側に備えられるカソード物質を横切って広がる、実施形態126に記載の方法を提供する。
【0204】
実施形態128は、各アノードが固定される平面状フレームの2つの縁部が、平面状フレームの対向する縁部である、実施形態126~127のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0205】
実施形態129は、アノードの全てが、平面状フレームの単一の主面上にある、実施形態126~128のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態130は、いくつかのアノードが、平面状フレームの一方の主面上にあり、他のアノードが、フレームの別の主面上にある、実施形態126~129のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0206】
実施形態131は、ガルバニ電池が、カソードであって、カソードは多角形の外周部を有するガルバニ電池の平面状フレームと、フレームに直接接触するワイヤメッシュ又はワイヤスクリーンである、フレームの外周部の内側に備えられる多孔質材料とを含むカソードと、複数のアノードであって、各アノードが平面状フレームの面上の平面状フレームの2つの対向する縁部において平面状フレームに締結された帯状体であり、アノードの各々が平面状フレームの2つの縁部の各々において導電性コネクタの少なくとも1つによって平面状フレームに固定され、その結果、アノードの各々が互いにほぼ並行であり、平面フレームの外周部の内側に備えられる多孔質物質を横切って広がり、平面状フレームの外周部の内側に備えられる多孔質物質とアノード帯状体との間に間隙を形成し、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状フレームに固定された平面状フレームの縁部の各々において、各アノードがカソードフレームに直接接触し、複数のアノードは互いに物理的に接触しないように平面状フレームの全面で、空間をおいて離れており、その間隙は約1mm~約110mmである複数のアノードとを備える、実施形態126~130のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0207】
実施形態132は、過酸化水素を水性組成物に添加することをさらに含む、実施形態1~131のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態133は、0.1ppm~1000ppmの過酸化水素を水性組成物に添加することを含む、実施形態132に記載の方法を提供する。
【0208】
実施形態134は、1ppm~500ppmの過酸化水素を水性組成物に添加することを含む、実施形態132~133のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態135は、1ppm~200ppmの過酸化水素を水性組成物に添加することを含む、実施形態132~134のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0209】
実施形態136は、カソードが多孔質物質を含む、実施形態1~135のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態137は、ガルバニ電池が2つ以上のカソードを備える、実施形態1~136のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0210】
実施形態138は、ガルバニ電池が2つ以下のカソードを備える、実施形態1~137のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態139は、カソードがワイヤメッシュを含む、実施形態1~138のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0211】
実施形態140は、アノードが平面状非多孔質形態を含む、実施形態1~139のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態141は、アノードが帯状体を含む、実施形態1~140のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0212】
実施形態142は、ガルバニ電池が1つ以下のアノードを含む、実施形態1~141のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態143は、カソードが少なくとも1つの導電性コネクタを介してアノードに取り付けられる、実施形態1~142のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0213】
実施形態144は、導電性コネクタが、溶接部、締結具、ねじ締結具、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態143に記載の方法を提供する。
実施形態145は、導電性コネクタが、ねじ、ボルト、ブラケット、ナット、ワッシャ、又はそれらの組み合わせを備える、実施形態143~144のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0214】
実施形態146は、導電性コネクタがカソードとアノードとの間に間隙を維持し、間隙が約1mm~約110mmである、実施形態143~145のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0215】
実施形態147は、ガルバニ電池が、平面状非多孔質体を含むアノードと、ワイヤメッシュを含むカソードであって、アノードの平面状非多孔質体の主面とカソードとの間に間隙が形成されるようにアノードの平面状非多孔質体の主面に平行に配置されるカソードと、カソードをアノードに接続し、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、実施形態1~146のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0216】
実施形態148は、ガルバニ電池が、平面状非多孔質体を含む単一個のアノードと、2つのカソードであって、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードが、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面上に配置されることでそれらが間隙を形成する、2つのカソードと、カソードをアノードに接続し、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、実施形態1~147のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0217】
実施形態149は、方法が複数のガルバニ電池を水性組成物に浸漬することを含む、実施形態1~148のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態150は、ガルバニ電池がそれぞれ1つ以上の構造コネクタに取り付けられる、実施形態149に記載の方法を提供する。
【0218】
実施形態151は、構造コネクタが、ロッド、パイプ、梁、ハンガー、ブラケット、フック、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態150に記載の方法を提供する。
実施形態152は、構造コネクタが、非導電性物質を含むか、又は非導電性物質でコーティングされるか、又は非導電性物質によって包まれた導電性物質を含む、実施形態150~151のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0219】
実施形態153は、構造コネクタが、非導電性塗料でコーティングされた鋼ロッドを含む、実施形態150~152のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態154は、ガルバニ電池が、1つ以上の構造コネクタに取り外し可能に取り付けられる、実施形態150~153のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0220】
実施形態155は、ガルバニ電池がそれぞれ、1つ以上の構造コネクタから吊り下げられている、実施形態150~154のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態156は、ガルバニ電池が、ガルバニ電池を貫通する1つ以上の孔を有し、1つ以上の構造コネクタが、各ガルバニ電池の1つ以上の孔を介してガルバニ電池に取り付けられる、実施形態150~155のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0221】
実施形態157は、ガルバニ電池が、Mgを含み、平面状非多孔質体を含む単一個のアノードと、2つのカソードであって、カソードはCuを含み、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードが、アノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する2つのカソードと、カソードをアノードに接続し、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、実施形態1~156のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0222】
実施形態158は、ガルバニ電池が、ALを含み、平面状非多孔質体を含む単一個のアノードと、2つのカソードであって、カソードはCuを含み、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードがアノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する2つのカソードと、カソードをアノードに接続し、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、実施形態1~156のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0223】
実施形態159は、方法が、複数のガルバニ電池を水性組成物に浸漬することを含み、ガルバニ電池はそれぞれ1つ以上の構造コネクタに取り付けられ、ガルバニ電池が、Mg、Al又はそれらの組み合わせを含み、平面状非多孔質体を含む単一個のアノードと、2つのカソードであって、カソードはCuを含み、各カソードがワイヤメッシュを含み、両カソードがアノードの平面状非多孔質体の対向する両主面に平行に配置されることでそれらが間隙を形成する2つのカソードと、カソードをアノードに接続し、カソードとアノードにおける平面状非多孔質体の主面との間の間隙を維持する少なくとも1つの導電性コネクタとを含む、実施形態1~158のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0224】
実施形態160は、水性組成物からの物質を含む固体を形成するために、水性組成物を備える容器内に1つ以上のガルバニ電池を浸漬することと、1つ以上のガルバニ電池を浸漬する水性組成物内に少なくとも部分的に沈められた1つ以上のフィルタを介して、処理された水性組成物から固体を濾過することとを含む、実施形態1~159のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0225】
実施形態161は、フィルタが、ガラスフリット、織物フィルタ、紙フィルタ、ディスクフィルタ、回転フィルタ、ドラムフィルタ、スクリーン、ふるい、微粒子濾過媒体、濾過助剤、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態160に記載の方法を提供する。
【0226】
実施形態162は、フィルタが回転ディスクフィルタである、実施形態160~161のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態163は、濾過することが、フィルタ上にろ過ケークを形成することを含み、ろ過ケークが固体を含む、実施形態160~162のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0227】
実施形態164は、フィルタを逆洗してフィルタからろ過ケークを除去し、除去されたろ過ケークを含む逆洗液を形成することをさらに含む、実施形態163に記載の方法を提供する。
【0228】
実施形態165は、固体を含む水の一部が、フィルタを逆洗するために使用される、実施形態164に記載の方法を提供する。
実施形態166は、1つ以上のガルバニ電池が、容器の側部において水性組成物中に配置され、フィルタは、水性組成物中において容器のほぼ中央部に配置される、実施形態160~165のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0229】
実施形態167は、複数のフィルタを使用して水性組成物から固体を濾過することを含む、実施形態160~166のいずれか1つに記載の方法を提供する。
実施形態168は、1つ以上のフィルタが、複数の回転ディスクフィルタを含む、実施形態160~167のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0230】
実施形態169は、水性組成物を処理する方法であって、水性組成物に、Alを含み、約90重量%~約100重量%のAlであるアノードと、Cuを含み、約90重量%~約100重量%のCuであるカソードと、アノードとカソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタとを含むガルバニ電池を浸漬することで、処理された水性組成物を形成することを含む方法を提供する。
【0231】
実施形態170は、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬が、水性組成物中の物質を除去又はその濃度を低減し、物質は、1つ以上の有機化合物、1つ以上の無機化合物、1つ以上の染料及び/又はインク、1つ以上の金属、1つ以上の重金属、1つ以上の毒性化合物及び/又は物質、フッ化物、硫化物、ヒ素、又はそれらの組み合わせを含み、水性組成物へのガルバニ電池の浸漬が、物質を化学的に変換し、物質を分解し、物質を酸化し、物質を還元し、物質を沈殿させ、物質を凝固させ、物質を酸素と反応させ、物質を塩素と反応させ、物質をアノード及び/又はカソードで生成された1つ以上のイオンと反応させ、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態169に記載の方法を提供する。
【0232】
実施形態171は、水性組成物から懸濁固体を凝固及び/又は沈殿させる方法であって、水性組成物に、Alを含み、約90重量%~約100重量%のAlであるアノードと、Cuを含み、約90重量%~約100重量%のCuであるカソードと、アノードとカソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタとを含むガルバニ電池を浸漬することで、水性組成物から、凝固及び/又は沈殿した懸濁固体を含む処理された水性組成物を形成することと、処理された水性組成物から、凝固及び/又は沈殿した懸濁固体を除去することとを含む方法を提供する。
【0233】
実施形態172は、水性組成物からエマルションを低減又は除去する方法であって、油/水型及び/又は水/油型エマルションを含む水性組成物中に、Alを含み、約90重量%~約100重量%のAlであるアノードと、Cuを含み、約90重量%~約100重量%のCuであるカソードと、アノードとカソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタとを含むガルバニ電池を浸漬することで、水性組成物からエマルションを低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む方法を提供する。
【0234】
実施形態173は、水性組成物の濁度を80%~99.999%減少させる、実施形態172に記載の方法を提供する。
実施形態174は、水性組成物の化学的酸素要求量を減少させる方法であって、水性組成物中に、Alを含み、約90重量%~約100重量%のAlであるアノードと、Cuを含み、約90重量%~約100重量%のCuであるカソードと、アノードとカソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタとを含むガルバニ電池を浸漬することで、水性組成物の化学的酸素要求量を低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む方法を提供する。
【0235】
実施形態175は、水性組成物の化学的酸素要求量を3%~95%減少させる、実施形態174の方法を提供する。
実施形態176は、水性組成物からシリカを低減又は除去する方法であって、水性組成物に、Alを含み、約90重量%~約100重量%のAlであるアノードと、Cuを含み、約90重量%~約100重量%のCuであるカソードと、アノードとカソードとを電気的に接続し、Cu及びZnを含む合金を含む導電性コネクタとを含むガルバニ電池を浸漬することで、水性組成物中のシリカを低減又は除去し、処理された水性組成物を形成することを含む方法を提供する。
【0236】
実施形態177は、水性組成物中のSiO 2-の濃度を20%~90%減少させる、実施形態176に記載の方法を提供する。
実施形態178は、記載される全ての要素又は選択肢が使用可能又は選択可能であるように、任意選択で構成される、実施形態1~177に記載のいずれか1つ又は任意の組み合わせの方法を提供する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】