IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベリキャップ ホールディング ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2024-509553ヒンジとマウスピースを備える無菌容器クロージャー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】ヒンジとマウスピースを備える無菌容器クロージャー
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20240226BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B65D47/08 130
B65D47/06 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553616
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022055746
(87)【国際公開番号】W WO2022189353
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021105870.8
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021113872.8
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021132116.6
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505353663
【氏名又は名称】ベリキャップ ホールディング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】BERICAP HOLDING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヌスバウム、フィリップ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB01
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DB12
3E084EC03
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA02
3E084FA08
3E084FB01
3E084FC04
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084LC01
(57)【要約】
容器クロージャー(10)は、ベース部(16)と、容器クロージャー(10)の基準軸(100)の周りを囲むように通る周壁(29)を有する注ぎ口領域(28)と、ヒンジ(20)によってベース部(16)に接続されているキャップ部(18)とを備えている。このキャップ部は、底面(36)と、この底面(32)からキャップ部(18)の周方向下端部(41)まで延在する周方向外壁(34)と、アンカー壁(80)とを備えており、このアンカー壁(80)は、外壁(34)に対して半径方向に距離をおいて外壁(34)の外に延在し、キャップ部(18)の下端部(41)から半径方向に外側へ延在するキャップ部(18)のブリッジ(82)によって、キャップ部(18)の下端部(41)に固定接続されており、閉位置において、アンカー壁(80)はべース部(16)とは逆方向にブリッジ(82)から突き出し、ヒンジ(20)はアンカー壁(80)に接続され、かつアンカー壁(80)からベース部(16)の方向に延在している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-ベース部(16)と、
-容器クロージャー(10)の基準軸(100)の周りを囲むように通り、前記ベース部(18)から軸方向に、飲み口開口部(31)を取り囲む注ぎ口領域(28)の周方向上縁部(30)にまで延在する周壁(29)を有する前記注ぎ口領域(28)と、
-ヒンジ(20)によって前記ベース部(16)に接続され、かつ前記基準軸(100)に対して垂直に通る旋回軸(200)を中心として、閉位置と開位置の間で双方向に回転可能であるキャップ部(18)と
を備える容器クロージャー(10)であって、前記キャップ部は底面(36)および周方向外壁(34)を有しており、該周方向外壁(34)は、前記底面(32)の内部面(36)を取り囲み、前記底面(32)から軸方向に、前記キャップ部(18)の周方向下端部(41)にまで延在しており、前記閉位置においては前記キャップ部(18)の前記外壁(34)と前記底面(32)が一緒に前記注ぎ口領域(10)を取り囲んで覆っている容器クロージャー(10)において、
前記キャップ部(18)は、アンカー壁(80)を有しており、該アンカー壁(80)は、前記外壁(34)に対して半径方向に距離をおいて前記外壁(34)の外に延在し、前記キャップ部(18)の下端部(41)から半径方向に外側へ延在する前記キャップ部(18)のブリッジ(82)によって、前記キャップ部(18)の前記下端部(41)に固定接続されており、前記閉位置において、前記アンカー壁(80)は前記べース部(16)とは逆方向に前記ブリッジ(82)から突き出し、前記ヒンジ(20)は前記アンカー壁(80)に接続され、かつ前記アンカー壁(80)から前記ベース部(16)の方向に延在していることを特徴とする容器クロージャー。
【請求項2】
前記ブリッジ(82)は、平坦なコンタクト面を有しており、該コンタクト面は、閉位置において前記ベース部(16)の平坦な面(84)に対向して位置し、好ましくは前記ベース部(16)の前記平坦な面(84)と接触していることを特徴とする、請求項1に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項3】
開位置において前記キャップ部18は、前記容器クロージャー(10)の正放線基準面(300)の、前記注ぎ口領域(28)に対向する側に位置し、前記基準面(300)は、前記旋回軸(20)を含み、前記基準軸(100)に対して平行に通っていることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項4】
前記ヒンジ(20)は、双安定のスナップヒンジであり、特にフィルムであり、特に蝶番であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項5】
前記ヒンジ(20)は、前記アンカー壁(80)の窪み(86)の中で自立している、好ましくは曲がりやすい突起部(96)に接続されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項6】
前記ヒンジ(20)は、前記ベース部(16)の窪み(88)の中で自立している、好ましくは曲がりやすい突起部(98)に接続されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項7】
前記キャップ部(18)の前記外壁(34)は周方向シール面(42)を有し、該周方向シール面(42)は、閉位置において前記注ぎ口領域(34)と前記ベース部(18)の間の接続領域の周方向シール面(44)に当接していることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項8】
閉位置において、前記キャップ部(18)の前記シール面(42)と前記接続領域の前記シール面(44)の間の周方向接触線が、前記旋回軸(200)を含む、前記基準軸(100)に垂直に通る横断面(400)に対して距離を有しており、該距離は、前記横断面に対する前記注ぎ口領域の前記上縁部(30)の距離の3分の1よりも小さいことを特徴とする、請求項7に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項9】
前記周方向接触線は、前記横断面(400)に対する前記注ぎ口領域(28)の前記上縁部(30)の距離よりも大きい直径を有していることを特徴とする、請求項8に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項10】
前記周方向接触線は、前記旋回軸(200)を含む、前記基準軸に平行に通る正放線基準面(300)に対して距離を有し、該距離は、前記横断面(400)に対する前記周方向接触線の距離よりも大きいことを特徴とする、請求項8または9に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項11】
前記キャップ部(18)が内部の周方向センタリングビード(41)を有しており、該センタリングビード(41)は、閉位置において前記注ぎ口領域(28)の前記上縁部(30)を取り囲み、かつ前記上縁部(30)に接触していることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項12】
閉位置において、前記センタリングビード(41)は、前記注ぎ口領域(28)の前記上縁部(30)との周方向接触面を有していることを特徴とする、請求項11に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項13】
前記キャップ部(18)が内部シールスカート(40)を有しており、該シールスカート(40)は、前記キャップ部(18)の前記底面(32)の前記内部面(36)から軸方向に延在し、閉位置においては、前記注ぎ口領域(28)の前記周壁(29)の内部環状襞に接触し、前記飲み口開口部(31)を密閉していることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項14】
前記キャップ部(18)は、前記ヒンジ(20)および前記ベース部(16)と一体形成されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項15】
前記注ぎ口領域(28)は、前記ベース部(16)と一体形成されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項16】
前記注ぎ口領域(128)は、前記ベース部(16)から分離されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の容器クロージャー(10)。
【請求項17】
前記ベース部(16)は、ベース部品(12.1)と、該ベース部品(16)の環状溝(148)の中にかみ合うアンカーリング(210)とを有しており、該アンカーリング(210)は、前記ヒンジ(20)および前記キャップ部(18)と一体形成されていることを特徴とする、請求項16に記載の容器クロージャー(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の適用領域
本発明は、ベース部、注ぎ口領域、キャップ部を備える容器クロージャーに関し、キャップ部は、ヒンジによってベース部に接続され、かつ基準軸に対して垂直に通る旋回軸を中心として、閉位置と開位置の間で双方向に回転可能である。
【0002】
先行技術
特許文献DE69605288T2から、冒頭で述べた種類の容器クロージャーが公知であり、ここでは、飲み口部分が、容器クロージャーの基準軸の周りを囲むように通り、かつベース部から軸方向に、飲み口開口部を取り囲む注ぎ口領域の周方向上縁部にまで延在する周壁を有している。キャップ部は底面および外壁を有しており、この外壁は、底面から軸方向に、キャップ部の周方向下端部にまで延在している。閉位置において、飲み口部分はキャップ部によって取り囲まれ、覆われている。開位置において、キャップ部は、容器クロージャーの第1の基準面の、飲み口部分に対向する側にあり、この第1の基準面はヒンジの軸を含み、基準軸に対して平行に通っている。ヒンジは、双安定のスナップヒンジとして実施されており、キャップ部の外壁に設けられている溝の中に配置され、この溝がクロージャーの漏れ箇所となる。注ぎ口領域の無菌保護を確保するため、キャップ部は、底面から環状のシールシュラウドまで延在する内部エプロンを有し、閉位置では、内部エプロンが飲み口部分を取り囲み、シールシュラウドがベース部の環状シール面に当接し、一方、キャップ部の周方向下端部は、ベース部の肩状部に対向して位置している。しかし、この構成では、外壁と内部スカートの間に非無菌の環状空洞部が生じ、この空洞部は漏れのあるスナップヒンジを介して汚染されるおそれがあり、洗い流すことが困難である。さらに、キャップ部分の高い内部カーテンは容積を必要とし、これが飲み口部分の設計自由度を制限する。特に、ベース部から注ぎ口領域の上縁部までの距離およびこの上縁部の直径は、キャップ部が閉位置と開位置の間で移行する際に、飲み口部分が障害にならないように、小さく保つ必要がある。さらに、このクロージャーは、大量のプラスチック材料を必要とする。
【0003】
例えば特許文献GB2430667に開示されているように、より短い内部スカートによって、注ぎ口領域の上縁部をより高くより広く形成することもできるが、ヒンジとキャップ部の外壁との間にすき間があることにより、汚染に対する注ぎ口領域の密閉性はもはや保証されていない。
【0004】
特許文献EP2250102B1から、飲み口部分の無菌シールに互換性のある容器クロージャーが公知である。このクロージャーは、ベース部、キャップ部、外部ヒンジ装置を有しており、外部ヒンジ装置は、クロージャーの閉位置において、クロージャーのキャップ部およびベース部から半径方向に外側へ突き出しており、それぞれ半径方向に延在するブリッジによってキャップ部およびベース部と接続されるように配置されている。これにより、ヒンジとキャップ部の間の接続部に漏れがないようにすることができる。しかし、このヒンジ構成は、半径方向に非常に多くのスペースを必要とする。さらに、衝撃に弱く、充填機への取付けも困難である。
【0005】
特許文献EP0590325から、ベース部とキャップ部を備える容器クロージャーが公知であり、キャップ部は、2つの側面ヒンジタブと1つの中央ヒンジを有するスナップヒンジによってベース部に接続されている。ヒンジタブは、それらの終端部が、キャップ部またはベース部の外壁の段状の切欠き内に自立している突起部に当たっており、これらの突起部は、ヒンジタブの過度なねじれを回避するために曲りを元に戻すことができる。しかし、中央ヒンジは、キャップ部の外壁に直接取り付けられており、漏れ箇所であるため、このクロージャーは無菌用途には適していない。さらに、ヒンジの旋回軸は外壁の近くにあり、それによって到達可能なキャップ部の旋回運動は、軸方向に飲み口部分が延在する容器クロージャーには適していない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、前述した先行技術の欠点の少なくとも1つを解消する冒頭に述べた種類の容器クロージャーを提供するという課題に基づいている。
【0007】
ベース部と、容器クロージャーの基準軸の周りを囲むように通り、かつベース部から軸方向に、飲み口開口部を取り囲む注ぎ口領域の周方向上縁部にまで延在する周壁を有する注ぎ口領域と、ヒンジによってベース部に接続されており、かつ基準軸に対して垂直に通る旋回軸を中心として、閉位置と開位置の間で双方向に回転可能であるキャップ部とを備える容器クロージャーであって、キャップ部は底面および周方向外壁を有しており、この周方向外壁は、底面の内部面を取り囲み、底面から軸方向に、キャップ部の周方向下端部にまで延在しており、閉位置においてはキャップ部の外壁と底面が一緒に注ぎ口領域を取り囲んで覆っている容器クロージャーにおいて、この課題は、キャップ部がアンカー壁を有し、このアンカー壁は外壁の外で外壁に対して半径方向に距離をおいて延在し、かつ半径方向に延在するキャップ部のブリッジによってキャップ部の下端部に固定接続されており、閉位置において、このアンカー壁はべース部とは逆方向にブリッジから突き出し、ヒンジはアンカー壁に接続され、かつアンカー壁からベース部の方向に延在していることによって解決される。
【0008】
アンカー壁をキャップ部の外壁に接続するブリッジは、ヒンジと外壁を分離するために用いられているので、外壁は、中断することなく注ぎ口領域を取り囲み、注ぎ口領域の無菌保護を確保することが可能である。アンカー壁が半径方向に外壁の外に延在していることにより、基準軸に対する旋回軸の間隔は基準軸に対する外壁の間隔よりも大きくなることから、注ぎ口領域の十分な設計自由度が確保される。外壁の下端部にブリッジが位置することにより、衝撃による損傷のリスクが軽減され、充填機における容器への容器クロージャーの取付けが容易になる。アンカー壁と、ブリッジと、外壁の対向する面とによって形成されている溝は、簡単に洗い流すことができる。
【0009】
好ましい実施形態によれば、ブリッジは平坦なコンタクト面を有しており、このコンタクト面は、閉位置においてベース部の平坦な面に対向して位置しており、好ましくはベース部の平坦な面と接触している。ブリッジは、ベース部によって保護される。
【0010】
好ましくは、快適なユーザー体験のため、ヒンジは、開位置において、キャップ部が、容器クロージャーの正放線基準面の、注ぎ口領域に対向する側にあるように設計されており、この基準面はヒンジの軸を含み、基準軸に対して平行に通っている。好適な実施形態によれば、ヒンジは、好ましくは180°よりも大きく双方向に旋回可能である双安定のスナップヒンジである。特に、ヒンジは、フィルムヒンジまたは蝶番として形成されていてよい。
【0011】
閉位置において、ヒンジは部分的にアンカー壁の窪みの中にあり、必要に応じて、側面でアンカー壁に囲まれた状態で保護されていてよい。好適な実施形態によれば、ヒンジは、アンカー壁の窪みの中で自立している、好ましくは曲がりやすい突起部に接続されており、この突起部がヒンジの過度なねじれを回避する。
【0012】
同様に、閉位置において、ヒンジは部分的にベース部の窪みの中にあってもよく、必要に応じて、側面でベース部に囲まれた状態で保護されていてよい。好適な実施形態によれば、ヒンジは、ベース部の窪みの中で自立している、好ましくは曲がりやすい突起部に接続されており、この突起部がヒンジの過度なねじれを回避する。
【0013】
注ぎ口領域の確実な無菌保護を確保するため、キャップ部の外壁は周方向シール面を有し、この周方向シール面は、閉位置において注ぎ口領域の周壁の周方向シール面に当接している。2つのシールのうち一方はシールシュラウドであってよく、他方はシールシートであってよい。形状は、好ましくは、閉位置においてシール面の間の周方向接触線が、旋回軸を含む、基準軸に垂直に通る横断面に対して距離を有しており、この距離が、第2の基準面に対する注ぎ口領域の上縁部の距離の3分の1よりも小さくなるように、設計されている。好ましくは、周方向接触線が、横断面に対する注ぎ口領域の上縁部の距離よりも大きい直径を有している。好ましくは、周方向接触線が、ヒンジの軸を含む、基準軸に平行に通る正放線基準面に対して距離を有し、この距離は、横断面に対する周方向接触線の距離よりも大きい。
【0014】
好適な実施形態によれば、キャップ部は内部の周方向センタリングビードを有し、このセンタリングビードは、閉位置において注ぎ口領域の上縁部を取り囲み、注ぎ口領域の上端部に接触する。これにより、閉鎖されている容器の輸送中および保管中における側面の衝撃によるクロージャーの損傷または漏れの発生が回避される。センタリングビードは、閉位置において、注ぎ口領域の上縁部との周方向接触面を有することができ、この周方向接触面は飲み口開口部をシールすることに役立つ。
【0015】
飲み口開口部を密閉するために、キャップ部は内部シールスカートを有することができ、このシールスカートは、キャップ部の底面の内部面から軸方向に延在し、閉位置においては、注ぎ口領域の周壁の内部環状襞に接触している。
【0016】
1つの実施形態によれば、キャップ部は、ヒンジおよびベース部と一体形成されている。このとき、注ぎ口領域は、ベース部と一体形成されていてもよく、あるいはベース部から分離されていてもよい。1つの変形形態によれば、ベース部は、ベース部品と、このベース部品の環状溝の中にかみ合うアンカーリングとを有しており、このアンカーリングは、ヒンジおよびキャップ部と一体形成されている。
【0017】
注ぎ口領域は、ベース部と一体形成されていてよい。その代替として、容器クロージャーは、ベース部から分離している注ぎ口部品を有することもでき、この注ぎ口部品は、容器クロージャーの注ぎ口領域および飲み口開口部を形成しており、注ぎ口部品は、閉位置においてキャップ部によって覆われている。
【0018】
好適な実施形態によれば、べース部は、容器ネックと接続するための接続箇所、特にねじ山を有している。しかし、その他の固定手段も考えられ、例えば、1つの周方向固定シュラウド、またはベース部の周囲に配分され、容器ネックに取り付ける際に、容器ネックの固定シュラウドの後ろに係合する一連の弾性のあるロックフックなどがある。
【0019】
ベース部は、好ましくは半径方向に外側へ向くシールシュラウドを有することで、容器ネックへの密着した接続を確保することができる。
【0020】
キャップ部は、ベース部の開口部を閉じる底面を有している。好ましくは、キャップ部の外壁は、溝から底面に向かって先細りしている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態について、添付の図を使用して説明する。
図1】射出成形金型から作られた開位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの第1の斜視図である。
図2】射出成形金型から作られた開位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの第2の斜視図である。
図3】初回の開口前の閉位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーを上から見た図である。
図4図3の切断面A‘-A‘による断面図である。
図5図3の切断面A-Aによる断面図である。
図6】射出成形金型から作られた開位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの表示部の詳細図である。
図7】閉位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの表示部の詳細図である。
図8】初回の開口時における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの表示部の詳細図である。
図9】初回の開口時における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの斜視図である。
図10】初回の開口後の開位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーを上から見た図である。
図11図10の切断面B‘-B‘による断面図である。
図12図10の切断面B-Bによる断面図である。
図13】初回の開口前の閉位置における本発明の第1の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図14図13の切断面に対して横方向に通る第2の長手方向切断面による、初回の開口前の閉位置における第2の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図15】射出成形金型から成形された直後の開位置における、第2の実施例による容器クロージャーの射出成形部品の断面図である。
図16図15の射出成形部品を上から見た図である。
図17】第2の実施例による容器クロージャーの安全リングの斜視図である。
図18】閉位置になった後の図16の射出成形部品と、閉じられた射出成形部品の上に取り付ける前の図17の安全リングの断面図である。
図19】初回の開口後の開位置における、第2の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図20】初回の開口後の閉位置における第2の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図21】初回の開口前の閉位置における本発明の第3の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図22】初回の開口後の閉位置における本発明の第3の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図23】初回の開口前の閉位置における本発明の第4の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図24図3の実施例による容器クロージャーを一緒に形成する個々の射出成形部品の組立て前の断面図である。
図25】本発明の第5の実施例による容器クロージャーの3つの部品の斜視図である。
図26】本発明の第5の実施例による容器クロージャーの3つの部品の断面図である。
図27】初回の開口前の閉位置における本発明の第5の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図28図27の切断面に対して横方向に通る第2の長手方向切断面による、初回の開口前の閉位置における第5の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図29】初回の開口後の閉位置における第5の実施例による容器クロージャーの断面図である。
図30】初回の開口後の閉位置における第5の実施例による容器クロージャーの斜視図である。
【0022】
すべての図において、個々の符号は同一または類似の要素を示す。
【0023】
実施例の詳細な説明
図1から12に関連して、本発明の容器クロージャーの第1の好適な実施例が符号10によって示されている。クロージャー10は、容器のネックに取り付けるものとして規定されている。
【0024】
この実施例において、容器クロージャー10は、図1および2の開位置において、射出成形金型内の唯一の射出成形部品12から製造されている。容器クロージャー10は、プラスチックから、または容器内容物に適合するその他の材料から製造することができる。ここでは、ポリマー、特にポリエチレンまたはポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックが好ましい。この場合、特に、不透明なポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン(HDPE)などの不透明な材料を使用することができる。透明な材料も使用可能である。
【0025】
射出成形部品12は、ベース部16、キャップ部18、キャップ部18をベース部16に接続するヒンジ20を備える。明細書全体において、上方向は、容器クロージャー10の閉位置において容器クロージャー10の基準軸100が鉛直であり、キャップ部18がベース部16の上にある方向(例えば図4および5を参照)に該当することが暗に示される。
【0026】
ベース部16は、容器クロージャー10の基準軸100を取り囲む取付け領域22を有しており、この領域には、容器ネックに取り付けるための取付け突出部24、例えばねじ山などが設けられている。取付け領域22には、必要に応じてシールスカート26もあり、このシールスカート26は、容器クロージャー10が容器ネック上に取り付けられている場合に、容器ネックの内部に係合するためのものである。シールスカート26は、周方向ビードまたは湾曲部を有していてよい。さらに、ベース部16は、軸方向に取付け領域22の反対方向に突き出ている注ぎ口領域28を有している。この注ぎ口領域28は周壁29を有しており、この周壁29は容器クロージャー10の基準軸100の周りを囲むように通り、取付け領域22から軸方向に、注ぎ口領域28の周方向上縁部30にまで延在し、かつ先細りしており、注ぎ口領域28の上縁部で、飲み口開口部31を取り囲む、半径方向に内側を向く襞を形成している。
【0027】
キャップ部18は、底面32と、底面32の内部壁面36を取り囲む外壁34と、外壁34から半径方向に外側へ延在するグリップ38とを備えている。
【0028】
底面32は平坦であっても、湾曲していてもよい。底面32の内部壁面36から、環状シールスカート40が延在し、このシールスカート40は、半径方向に距離をおいて外壁34によって取り囲まれている。このシールスカート40は、キャップ部18が閉位置のとき、注ぎ口領域28の飲み口開口部31の内側に係合するためのものとして規定されている。シールスカート40は、周方向ビードまたは湾曲部を有していてよい。キャップ部18は、底面32の縁部に内部の周方向センタリングビード41を有しており、このセンタリングビード41は、閉位置において注ぎ口領域28の上縁部30を取り囲み、かつ上縁部30に外側で接触している。必要に応じて、センタリングビード41は、注ぎ口領域28の上縁部30との周方向接触面を有していてもよい。
【0029】
外壁34は、自由な周方向下端部41を有しており、この下端部は、好ましくは180°を超える角度で、この例では260°を超える角度で、容器クロージャー10の基準軸100の周りを囲むように1つの平面上を通り、好ましくは30°を超える残りの角度、この例では90°を超える残りの角度にかけて、ほぼ矩形の切欠き141を画定している。この切欠き141には、プルクリップ156とフック領域162を有している表示部114が収納されており、詳細が図6に示されている。半径方向に外側へ突出しているフック領域162は、プルクリップ156の下側にあり、引離し線160または破断突起部によってプルクリップ156に接続されている。プルクリップ156およびフック領域162は、円周方向に切欠きの全幅にわたって延在しいているので、これらは切欠き全体を占めている。プルクリップ156は、一方の端部が切欠き141の側縁部に固定されており、プルクリップ156の自由な反対側の端部157は切欠き141から突き出しているので、ユーザーがそれを掴んで、引っ張ることができる。必要に応じて、プルクリップ156は、引離し線260または破断突起部によって切欠き141の上縁部に接続されている。さらに、外壁の下端部41は突出部262を有していてもよく、この突出部262は切欠き141に隣接し、かつ外側へ突き出している。
【0030】
外壁34は、内側に、切欠き141に対して軸方向に一定の距離をおいて存在する環状の下部シールビード42を有し、このシールビード42は、クロージャー部品12が閉位置にあるとき、注ぎ口領域28とべース部14の取付け領域22との間の接続領域において、例えば円筒形または円錐形の、半径方向に外側へ向く座面44に、半径方向に当接する。これにより、キャップ部18は、閉位置において注ぎ口領域28を取り囲む。シールビード42とシールスカート40により、キャップ部18とベース部14によって取り囲まれるスペースの液密性および気密性が可能になる。このことは、無菌充填のためのクロージャーの使用に対する利点である。必要に応じて、シールビードが注ぎ口部にあり、座面がキャップ部にあってもよい。
【0031】
座面44は、部分的に湾曲したフック壁46によって取り囲まれており、このフック壁は、取付け領域22から軸方向に突き出しており、好ましくは30°を超える角度、例えば90°を超える角度にわたって、容器クロージャー10の基準軸100の周りに延在している。座面44とフック壁46は、半径方向に互いに離れており、アーチ形の空洞部48を画定し、この空洞部内には、閉位置において表示部58のフック領域ならびに突出部が入り込む。フック壁46は、半径方向に内側に突き出している肩状部52を有しており、この肩状部52の下で、表示部58と突出部262のフック領域162が係合する。
【0032】
キャップ部18は、さらに、アンカー壁80を有しており、このアンカー壁18は、外壁34に対して半径方向に距離をおいて外壁34の外に延在し、キャップ部18の下端部41から半径方向に外側へ延在するキャップ部18のブリッジ82によって、キャップ部18の下端部41に固定接続されている。閉位置において、アンカー壁は、取付け領域22とは反対の軸方向にブリッジ82から突き出し、一方、ブリッジ82自体は、ベース部16の平坦な面84に対向して位置しており、好ましくはベース部16の平坦な面84と接触している。アンカー壁80は、ヒンジ20をキャップ部18に固定するために用いるものであり、この目的のために窪み86を有し、この中にヒンジ20の一部が収容される。閉位置において、この窪み86は、同様にヒンジ20の一部を収容しているベース部の窪み88と軸方向に対向して位置している。前述したように、アンカー壁80をキャップ部18の外壁34に接続するブリッジ82は、ヒンジ20と外壁34を分離するために用いられているので、外壁34は、中断することなく注ぎ口領域28を取り囲み、注ぎ口領域の無菌保護を確保することが可能である。アンカー壁80が半径方向に外壁34の外に延在していることにより、さらに、基準軸100に対する旋回軸200の間隔が基準軸100に対する外壁34の間隔よりも大きくなることから、注ぎ口領域28の十分な設計自由度が確保される。外壁34の下端部41にブリッジ80が位置することにより、衝撃による損傷のリスクが軽減され、充填機における容器への容器クロージャー10の取付けが容易になる。アンカー壁80と、ブリッジ82と、外壁34の対向する面とによって形成されている溝は、簡単に洗い流すことができる。
【0033】
ヒンジ20は、好ましくはスナップヒンジであり、安定した閉位置と安定した開位置との間で、容器クロージャーの基準軸に対して垂直に通る旋回軸200を中心とするキャップ部18の旋回運動を可能にする。特に図9に示されているように、スナップヒンジ20は、2つの平行な側面ヒンジタブ92の間にある中央ヒンジタブ90を有することができ、3つのヒンジタブ90、92、92は、ベース部16とキャップ部18の間に延在している。中央ヒンジタブ90は、旋回軸200に沿って延在する唯一の折り畳み線を有している。2つの側面ヒンジタブ92は、それぞれ1つの台形の中央部94を有しており、この中央部94は、斜めの折り畳み線によって、ベース部の窪み88の中で自立している突起部98と共に、またアンカー壁80の窪み86の中で自立している突起部86と共に配置されている。折り畳み線は、ヒンジタブ90、92のその他の箇所よりもかなり厚みの小さい薄い箇所である。自立している突起部96、98は、好ましくは柔軟に変形可能である。
【0034】
スナップヒンジ20は、好ましくは180°を超えて双方向に旋回可能であるので、開位置においてキャップ部18は、容器クロージャーの正放線基準面300の、注ぎ口領域に対向する側に位置し、この基準面は、ヒンジ20の旋回軸200を含み、基準軸100に対して平行に通っている。
【0035】
閉位置において、容器クロージャー10の特徴的な寸法を観察することができる。シールビード42と座面44の間の周方向接触線は、旋回軸200を含む、基準軸100に垂直に通る横断面400に対して距離を有しており、この距離は、この横断面400に対する注ぎ口領域の上縁部30の距離の3分の1よりも小さい。周方向接触線は、横断面400に対する注ぎ口領域28の上縁部400の距離よりも大きい。周方向接触線は、正放線基準面300に対して距離を有しており、この距離は、横断面400に対する周方向接触線の距離よりも大きい。
【0036】
容器クロージャー10は、図1および2の開位置において射出成形法によって製造され、その後、取付け工程において図3から5の閉位置になり、表示部114と突出部262のフック領域162は、弾性変形によって肩状部52の下に入り込み、形状結合する。アンカー壁80をキャップ部18の外壁34に接続するブリッジ82は、ヒンジ20と外壁34を分離するために用いられているので、外壁34は、中断することなく注ぎ口領域28を取り囲み、注ぎ口領域28の無菌保護を確保することが可能である。
【0037】
容器クロージャー10を開けるには、使用者がプルクリップ156を引き(図8および9を参照)、それによって引離し線260、160または破断突起部が、一方ではプルクリップ156とフック領域162の間で、他方ではプルクリップ156と切欠き141の上縁部の間で分離される(図8を参照)。このとき、プルクリップ156は、キャップ部の外壁に終端側で固定されたままであり、分離されたフック領域162は、フック壁46と外壁34の間のアーチ形の空間48に把持された状態のままである。グリップ38を軽く引っ張る力は、ロック突出部262と肩状部52間の抵抗に打ち勝つので、キャップ部18は、図10から12に示されているように開位置になる。初回の開口後、キャップ部18を再び閉位置に戻す場合、プルクリップは、図9に示しているように、その変形した位置にとどまっている。
【0038】
最初の実施例と共に、その他のすべての実施例は、外壁34から分離されたアンカー壁80に固定されているヒンジ20を有しており、アンカー壁は、外壁の下端部にブリッジ82によって固定されている。これらの実施例は、主に、表示装置、容器クロージャーを構成する射出成形部品の数、それらの部品間のさまざまな機能の配分という点において異なっている。繰り返しを避けるため、以下の説明では、相違点に重点が置かれ、第1の実施例において説明された共通の特徴は必ずしも繰り返されない。
【0039】
図13から20に関連して、本発明の容器クロージャーの第2の好適な実施例が符号10によって示されている。
【0040】
この実施例では、容器クロージャー10が2つの独立した射出成形部品、すなわちクロージャー部品12と安全リング14から構成されている。クロージャー部品12は、プラスチックまたは容器内容物に適合するその他の材料から製造することができる。ここでは、ポリマー、特にポリエチレンまたはポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックが好ましい。この場合、特に、不透明なポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン(HDPE)などの不透明な材料を使用することができる。安全リング14はプラスチックから製造することができ、特に、好ましくはクロージャー部品との任意のカラーコントラストを生む色を用いた不透明なプラスチックから製造されてよい。
【0041】
図15および16に個別に示されているクロージャー部品12は、ベース部16、キャップ部18、ベース部16をキャップ部18に接続するヒンジ20を備えている。ここでは、ヒンジ20がスナップヒンジとして示されており、図13の切断面に対して垂直に通る旋回軸を中心とするキャップ部18の旋回運動を可能にする。その他の種類のヒンジも使用可能である。ベース部16、キャップ部18、ヒンジ20は、図15および16から明らかなように、開位置において一体形成で鋳造される。
【0042】
ベース部16は、容器クロージャー10の基準軸100を取り囲む取付け領域22と、容器ネックに取り付けるための手段、この実施例ではねじ山24を有している。取付け領域には、シールスカート26もあり、これは、容器クロージャー10が容器ネック上に取り付けられている場合に、容器ネックの内部に係合するためのものである。シールスカート26は、周方向ビードまたは湾曲部を有していてよい。この実施例では、ベース部16がさらに注ぎ口領域28を有しており、この注ぎ口領域28は、軸方向に取付け領域とは反対の方向に突き出し、かつ飲み口開口部31を取り囲んでいる。
【0043】
キャップ部18は、底面32と、底面32の内部壁面36を取り囲む外壁34と、外壁34から半径方向に外側へ延在するグリップ38とを備えている。
【0044】
底面32は平坦であっても、湾曲していてもよい。底面32の内部壁面36から、環状シールスカート40が延在し、このシールスカート40は、半径方向に距離をおいて外壁34によって取り囲まれている。このシールスカート40は、キャップ部18が閉位置のとき、注ぎ口領域28の飲み口開口部31の内側に係合するためのものとして規定されている。シールスカート40は、周方向ビードまたは湾曲部を有していてよい。
【0045】
外壁34は、円筒形または僅かに円錐形の下縁部領域42を有し、この縁部領域42は、クロージャー部品12が閉位置にあるとき、注ぎ口領域28とベース部14の取付け領域22との間の接続領域において、円筒形または僅かに円錐形の、半径方向に外側へ向く座面44に、半径方向に当接する。これにより、キャップ部18は、閉位置において注ぎ口領域28を取り囲む。縁部領域42とシールスカート40により、場合によっては、キャップ部18とベース部14によって取り囲まれるスペースの液密性および気密性が可能になる。このことは、無菌充填のためのクロージャーの使用に対する利点である。
【0046】
座面44は、部分的に湾曲した周壁46によって取り囲まれており、この周壁は、取付け領域22から軸方向に、ねじ山24の反対方向に突き出しており、好ましくは90°を超える角度、例えば180°を超える角度にわたって、容器クロージャー10の基準軸100の周りに延在している。座面44と周壁46は、半径方向に互いに離れており、アーチ形の空洞部48を画定し、この空洞部内には、閉位置においてキャップ部18の周壁34の下縁部領域42が入り込む。アーチ形の空洞部48は、図16に示されているように、円周方向に2つのストッパー50によって画定されている。周壁46は、半径方向に内側に突き出している肩状部52を有し、この肩状部52は中央の中断部53を持っており、従ってこの中断部は、図14の切断面では確認できるが、図13の切断面では確認できない。
【0047】
キャップ部18の外壁34は、半径方向に外側を向く環状の溝54を有し、この溝54は、好ましくは、軸方向に底面32と下縁部領域42の間のキャップ部18の中央の領域にあり、かつ閉位置ではベース部16の湾曲した周壁46によって覆われていない。
【0048】
図17および18に示されている安全リング14は、半径方向に内側に突き出ている閉じられた環状ビード56と、アーチ形の表示部58と、ビード56と表示部58の間にある破断箇所60とを有している。破断箇所60は、好ましくは破断突起部または引離し線、必要に応じて引離し帯を有していてよい。表示部58は、中央の中断部63を持つ、半径方向に外側へ突き出しているフック領域62を有している。
【0049】
第1の実施例のように、キャップ部18は、アンカー壁80を有しており、このアンカー壁80は、外壁34に対して半径方向に距離をおいて外壁34の外に延在し、キャップ部18の下端部41から半径方向に外側へ延在するキャップ部18のブリッジ82によって、キャップ部18の下端部41に固定接続されている。
【0050】
容器クロージャー10は、以下のように製造される。クロージャー部品12は、図15および16の開位置における射出成形法により製造され、第1の取付け工程において、図18の閉位置にされる。第2の取付け工程において、図13および14で分かるように、環状のビード56が環状の溝54の中に入り込み、キャップ部18への形状結合が確立される一方、表示部品58は、部分的に空洞部48の中に入り込み、フック領域62がベース部16の周壁46の肩状部52の後ろに係合するまで、安全リング14が弾性変形によってキャップ部18の上に取り付けられる。表示部58の中央の中断部63が、肩状部52の中央の中断部53と一致することで、円周方向において表示部の位置を正確に指標化することができる。1つの変形形態によれば、中断部53、63は、場合によっては省略することもできる。
【0051】
表示部58は、部分的に空洞部48の上領域において、半径方向にフック壁46とキャップ部18の下縁部領域42の間にあり、かつ円周方向にストッパー50の間にあり、かつ軸方向に空洞部48から突き出しているので、初回の開口前は表示部の一部分が半径方向に見えるように残っている。ヒンジ20と表示部58は、環状のシュラウド56を通る横断面500の同一面上にある。
【0052】
容器クロージャー10が、初めて図13および14の閉位置から図19の開位置にされる場合、表示部58は、肩状部52によって保持され、シュラウド56は溝54によって保持される。破断箇所60が破断すると、シュラウド56は溝54の中に残り、表示部58は重力により空洞部48の下領域に落ちる。
【0053】
容器クロージャー10が、初回の開口後に再び図20の閉位置にされると、表示部58は空洞部48の下領域に残り、そこでべース部16のフック壁46によって完全に覆われる。それにより、容器クロージャー10の不可逆的かつ可視的変更が確保される。表示部58は、空洞部48内に把持されたままである。
【0054】
第3の実施例による容器クロージャー10が図21および22に示されており、第2の実施例と異なっているのは、空洞部48を半径方向に外側へ画定しているベース部16のフック壁46が、下領域に窓64を有しており、表示部58が初回の開口後に空洞部48の下領域内に落ちた後で、この窓64から表示部が見えるようになるという点である。この実施例では、表示部58のフック領域62に中断部がなく、フック領域62は、中央の中断部も有していないフック壁46の肩状部52の後ろに係合している。
【0055】
第4の実施例による容器クロージャー10が図23および24に示されており、第2の実施例と異なるのは、容器クロージャー10が、クロージャー部品12から分離されている注ぎ口部品128を有しており、この注ぎ口部品128は、ベース部16の取付け領域22の内側に取り付けられ、シールシュラウド70を有する取付け領域肩状部68に当接しているという点である。この注ぎ口部品128は、容器クロージャーの注ぎ口領域28を形成する。注ぎ口部品128の取付けは、安全リング14の取付け前か、後か、または同時に行うことができる。
【0056】
第5の実施例による容器クロージャー10は、図25から30に示されており、3つの独立した部品、すなわちベース部品12.1、ヘッド部品12.2、安全リング14を備え、ベース部品12.1とヘッド部品12.2は、図27から30の取付け状態では1つのコンポーネント12.3を形成しており、このコンポーネントの形状および機能は、第1の実施例のクロージャー部品12とほぼ同じである。
【0057】
ベース部品12.1は、容器ネックに接続するためのねじ山24を備える接続領域22と、容器クロージャー10の飲み口開口部31を形成する注ぎ口領域28と、湾曲したフック壁146とを備え、このフック壁146は、取付け領域22の平坦な上当たり面122から軸方向に、ねじ山24の反対方向に突き出し、容器クロージャー10の基準軸100の周りに好ましくは180°、例えば270°を超える角度にわたって延在している。周方向に対向するフック壁146の2つの終端部は、ベース部品の切欠き120を周方向に画定する2つの側面のストッパー150を形成する。フック壁146は、半径方向に内側へ突き出している肩状部152を有し、取付け領域22の上当たり面122によって溝148を画定している。
【0058】
ヘッド部品12.2は、キャップ部18、ヒンジ20、アンカーリング210を有し、このアンカーリング210は、ヒンジの下接合部212に接続されている。
【0059】
アンカーリング210は、環状の平坦な下当たり面222、環状の平坦な上当たり面224、アーチ形のアンカー突出部248を備え、アンカー突出部の寸法は当たり面122またはフック壁146、およびその肩状部152の寸法に一致しているので、取付け後はアンカー突出部248が形状結合または摩擦結合によって肩状部152の後ろに係合し、とりわけ、もはやアンカーリング210とベース部品12.1との間に移動の可能性がなくなるように、当たり面222が当たり面122上に幅広く当接し、アンカーリング210とベース部品12.1は一緒に、第1の実施例のベース16と同じ外形を持つベース部16を形成する。
【0060】
ここでは、ヒンジ20がスナップヒンジとして示されており、図28の切断面に対して垂直に通る旋回軸200を中心とするキャップ部18の旋回運動を可能にする。ヒンジ20の接合部212は、切欠き120内で当たり面122上にあり、半径方向に切欠き120の当たり面124上にあり、円周方向に側面のストッパー150に対して保持される。旋回軸200は、閉位置においてキャップ部18の当たり面122と環状の溝54の間を通る横断面400と、ベース部16の基準軸100に対して平行に通り、かつフック壁146の外面よりも基準軸からさらに離れている正放線面300との交線である。
【0061】
その他の実施例のように、キャップ部18は、アンカー壁80を有しており、このアンカー壁は、外壁34に対して半径方向に距離をおいて外壁34の外に延在し、キャップ部18の下端部41から半径方向に外側へ延在するキャップ部18のブリッジ82によって、キャップ部18の下端部41に固定接続されており、ヒンジ20はこのブリッジに接続されている。
【0062】
取付け後、ヘッド部品12.2とベース部品12.1は一緒に、第1の実施例のクロージャー部品12と同じ外形および機能を持つコンポーネント12.3を形成するが、例外として、これら2つの部品12.1、12.2は、必要に応じて2つの異なる材料からなるか、または異なる色を持っている。例えば、ヘッド部品12.2を透明または不透明なポリプロピレン(PP)から製造し、ベース部品12.1を高密度ポエチレン(HDPE)から製造することも可能である。
【0063】
アンカーリング210は、湾曲したフック壁46を有しており、このフック壁46は、好ましくは180°を超える角度、例えば270°を超える角度にわたり、容器クロージャー10の基準軸100の周りに延在する。フック壁46は、半径方向に内側へ突き出している肩状部52を有し、この肩状部52は、第1の実施例の肩状部52と同じ形状および機能を持ち、取付け後、半径方向にキャップ部18の外壁34の下縁部領域42に対向し、この下縁部領域と上当たり面224と共に空洞部48を画定している。
【0064】
安全リング14は、詳細な説明のために参照されている第1の実施例のものと同一である。
【0065】
容器クロージャー10は、以下のように製造される。3つの部品12.1、12.2、14は、射出成形によって別々に製造され、ヘッド部品12.2は図13の開位置になっている。第1の取付け工程において、キャップ部18は閉位置にされる。次に、アンカーリング210のアンカー突出部248が肩状部52の後ろに固定されるまで、閉じられたヘッド部品12.2がベース部品12.1の上に取り付けられる。第3の取付け工程において、図15および16で分かるように、環状のシュラウド56が環状の溝54の中に入り込み、キャップ部18への形状結合が確立される一方、表示部品58は、部分的に空洞部48の中に入り込み、フック領域62がアンカーリング16のフック壁46の肩状部52の後ろに係合するまで、安全リング14が弾性変形によってキャップ部18の上に取り付けられる。
【0066】
必要に応じて、3つの取付け工程の順番は変更してもよい。例えば、開いているヘッド部品12.2をベース部品12.1に取り付けた後で、キャップ部18を閉位置にすることもできる。安全リング14は、必要に応じて、開いているヘッド部品12.2に取り付けてもよい。
【0067】
取付け後、表示部58は、部分的に空洞部48の上領域において、半径方向にフック壁46とキャップ部18の下縁部領域42の間にあり、かつ部分的に空洞部48の外へ突き出しているので、初回の開口前は表示部の一部分が半径方向に見えるように残っている。容器クロージャー10が、初めて図27および28の閉位置から開位置にされる場合、表示部58は、肩状部52によって保持され、シュラウド56は溝54によって保持される。破断箇所60が破断すると、シュラウド56は溝54の中に残り、表示部58は重力により空洞部48の下領域に落ちる。容器クロージャー10が、初回の開口後に再び図29および30の閉位置にされると、表示部58は空洞部48の下領域においてアンカーリング210の上当たり面224上に残り、そこでべース部16のフック壁46によって完全に覆われる。それにより、容器クロージャー10の不可逆的かつ可視的変更が確保される。表示部58は、空洞部48内に把持されたままである。
【0068】
必要に応じて、アンカーリングのフック壁は、場合によりベース部品のフック壁の凹部と一致する凹部または窓を有していてもよく、それらを通して、破断箇所の分離前には空洞部を、破断箇所の分離後には表示部を見ることができる。
【0069】
その他の変更形態が予定されている。本発明に基づく外部安全リング12は、クロージャー部品12および注ぎ口部品128を備える容器クロージャー上に取り付けることができ、クロージャー部品12は、ベース部16ならびにキャップ部18を有し、これらは閉位置において射出成形され、注ぎ口部品128は、閉じられたクロージャー部品12の中に挿入される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】