(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】二相注入可能電極
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20240226BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/52 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/18 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/02 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/04 20060101ALI20240226BHJP
A61L 27/50 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/40
A61L27/16
A61L27/52
A61L27/18
A61L27/02
A61L27/20
A61L27/04
A61L27/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023554030
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2022055558
(87)【国際公開番号】W WO2022184896
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523336974
【氏名又は名称】キューブイ・バイオエレクトロニクス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QV Bioelectronics Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100230640
【氏名又は名称】高山 望
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フー,リチャード ジーミン
(72)【発明者】
【氏名】ムニル,ニムラー
【テーマコード(参考)】
4C053
4C081
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C053LL14
4C053LL20
4C081AB11
4C081BA13
4C081CA03
4C081CA05
4C081CA08
4C081CA18
4C081CA27
4C081CD02
4C081CD03
4C081CD04
4C081CF16
4C081CG07
4C081CG08
4C081DA16
4C081DC15
(57)【要約】
本明細書は、一般に、複数の固体粒子およびトランスポーター相を有し、固体粒子およびトランスポーター相の両方がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する二相注入可能電極に関する。脳の外科的切除空洞で使用される二相注入可能電極は、腫瘍切除マージン(4)を有する脳の外科的切除空洞に二相注入可能電極(3)を挿入することを有する。電極にはプローブ(1)が挿入され、周囲の脳組織には4つの対極(2)が埋め込まれている。電荷供給装置(6)は、ワイヤー(5)を介してプローブに電荷を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固体粒子およびトランスポーター相を備え、
前記固体粒子および前記トランスポーター相の両方は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する、二相注入可能電極。
【請求項2】
前記固体粒子は、4mmの最大寸法を有する、請求項1に記載の二相注入可能電極。
【請求項3】
前記固体粒子は、ゲルから構成される、請求項1または2に記載の二相注入可能電極。
【請求項4】
前記固体粒子は、少なくとも90%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項5】
前記固体粒子は、注入可能電極の40-85%v/vを占める、請求項1から4のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項6】
前記トランスポーター相は、シアシニングゲルから構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項7】
前記トランスポーター相は、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、グアーガム、プルロニックF-127、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAM)、カッパ-カラギーナン、シクロデキストリン、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)および/またはポリビニルアミンをさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項8】
前記トランスポーター相は、メチルセルロースをさらに有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項9】
前記二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<2kPaである、請求項1から8のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項10】
ファラデー反応を誘発することなく、容量性電荷転送方式下でヒト組織に±1Vを供給可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の二相注入可能電極。
【請求項11】
電気療法で使用する装置であって、
請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極と、
対極と、
プローブと、
電荷供給装置と、を備える、装置。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極を有する、電気療法。
【請求項13】
外科的切除後に、固形腫瘍の治療のために、請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極を有する、電気療法の使用。
【請求項14】
ヒト等の恒温動物における外科的切除後に、多形神経膠芽腫を治療する方法であって、
請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極を有する前記動物に電気療法を提供することを含む、方法。
【請求項15】
請求項12または13に記載された使用または電気療法、または請求項14に記載の方法であって、
治療は、化学療法および/または放射線療法と組み合わせて提供される、使用または電気療法または方法。
【請求項16】
a)請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)プローブと、
d)電荷供給装置と、を有する、キット。
【請求項17】
軟組織に埋め込まれた複数の協働する電極を有する、電気療法の方法。
【請求項18】
少なくとも4つの電極を有する、請求項17に記載の電気療法の方法。
【請求項19】
請求項1から10のいずれか一項に記載の二相注入可能電極と、
白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマーおよび/または導電性複合材を有する電極と、を備える、請求項17または18に記載の電気療法の方法。
【請求項20】
固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強のための、請求項17から19のいずれか一項に記載の電気療法の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二相注入可能電極に関する。より具体的には、本発明は、複数の固体粒子およびトランスポーター相を有し、固体粒子およびトランスポーター相の両方がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する二相注入可能電極、および疾患の電気療法治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
国立がん研究センターによると、固形腫瘍は「細胞が必要以上に分裂すること、または死ぬべき時に死なないことによって生じる組織の異常な塊」である。骨、筋肉、臓器など様々な場所に発生し、良性であってもよく、悪性であってもよい。様々なタイプの固形腫瘍は、肉腫、癌腫、リンパ腫など、それを形成する細胞のタイプにちなんで命名され、治療は一般的に手術、化学療法、放射線療法を含む複数の種類の治療を組み合わせて行われる。
【0003】
腫瘍の外科的切除は、腫瘍と、必要に応じてその周囲の正常組織を取り除くために行われる処置である。腫瘍、特に悪性腫瘍の外科的部分切除(デバルキングと呼ばれることもある)は、この手術の派生形式であり、外科的に治癒不可能な腫瘍を部分的に切除することで、その後の化学療法、放射線療法、その他の補助的手段による治療をより効果的なものにし、生存期間を長くするものである。外科的部分切除は、精巣や卵巣のがん、リンパ腫、肉腫、腎細胞がん、副腎などの内分泌関連腫瘍、中枢神経系のがん(例えば多形神経膠芽腫)、その他固形腫瘍などを含むいくつかのがんに対して臨床的に行われている。
【0004】
腫瘍の外科的切除の目的は、安全に切除できる最大量の腫瘍を切除することである。空洞が残るが、その大きさ、形状、位置は患者によって異なる。手術中にがんと健康な組織を区別することは非常に困難であり、周囲の組織にがん細胞が残ってしまうことは避けられず、これを腫瘍切除断マージン(TRM)と呼ぶ。これはグレードIV神経膠腫、多形神経膠芽腫(GBM)、で特に問題となっている。
【0005】
電気療法はGBMに有効な治療法であることが証明されている。フェーズIII多施設臨床試験において、電気療法は、手術、化学療法、放射線療法に追加して使用された場合、患者の全生存期間を21カ月まで延長することが示されている(Stupp et al;JAMA;2017;318(23):2306-16;doi:10.1001/jama.2017.18718.)。これは、電界の正弦波を特定の周波数(50~300 kHz)で頭部に交互に供給することによって実現される。これらの周波数では、電界ががん細胞の有糸分裂を妨げ、それによって再発腫瘍の増殖を遅らせ、患者の生存期間を延長することが示されている(Kirson et al.;PNAS;2007;104(24):10152-7;doi:10.1073/プナス.0702916104)。
【0006】
現在、がん治療のために臨床使用されている電気療法装置は1つしかない。この装置では、頭皮に取り付けられたトランスデューサアレイによって、治療電界が患者の頭部に送られる。これらのトランスデューサは、患者が持ち歩かなければならない外部バッテリーと刺激装置パックに接続されており、推奨される1日の治療時間は18時間である。しかし、この外部刺激アプローチにはいくつかの問題がある。まず、脳の中心部(腫瘍切除断マージンがある場所)で発生する電界は、電界が発生している皮膚表面の電界よりも指数関数的に弱いため、治療効果が制限される。これを考慮し、治療部位に効果的な強さの電界を確実に発生させるために、大きな重いバッテリーが使用され、その結果、患者の自立性と移動性に影響を与える非常に厄介な装置となっている。さらに、頭皮に貼り付けるトランスデューサは非常に目立ち、毎朝頭部に貼り付けるのに約50分かかり、患者の頭を2日ごとに剃る必要がある。これは患者のQOLに大きく影響し、頭皮にトランスデューサを置き続けることで、深刻な皮膚刺激をもたらす可能性があり、皮膚を横切る大きな電流の結果として、痛みをもたらす可能性がある。このような患者のQOLへの影響は、推奨される1日の投与時間を遵守する患者の割合がわずかであることを意味する(Toms et al.;Journal of Neuro-Oncology;2019;141(2):467-473;doi:10.1007/sll060-018-03057-z)。GBM患者が毎日電気療法を投与されている時間と全生存率との間には明確な相関関係があり、連続投与(24時間/日)が最大の全生存率をもたらすことがデータから強く示唆されており、患者のコンプライアンスの問題が治療効果を直接的に制限している。
【0007】
腫瘍切除後の電気療法をより効果的にするためには、いくつかの課題を克服しなければならない。第一に、(手術によって生じた)空隙の存在が抵抗障壁となり、TRMにおける有効電界強度を低下させる。第二に、残存がん細胞は切除空洞の中心からどの方向にも3次元的に存在する。第三に、術前スキャンで推定はできても、空洞の正確なサイズと形状は術中にならないとわからない。第四に、どのような手術でも患者にはある程度のリスクが伴い、費用も高額になるため、理想的には既存の腫瘍切除手術中に電気療法装置の移植を行うべきである。第五に、多くの患者は切除手術後に放射線治療を受ける。放射線治療直後は組織が一時的に腫れることが多く、腫瘍切除空洞の寸法は縮小する。硬い埋め込み電極の導入など、空洞の収縮能力を制限するようなものは、頭蓋内圧の上昇の結果、脳のような臓器に致命的な結果をもたらす可能性がある。最後に、埋め込まれた電極は、患者の残りの人生(数年に及ぶ可能性もある)の間、その場所に留まることが予想されるため、材料は生体適合性があり、有害反応を引き起こさないものでなければならない。生体適合性の要件は、埋め込まれたままの材料と、分解生成物を含む経時的変化の両方に適用される。すべての製品は、無毒性かつ非発熱性でなければならず、組織液との腐食反応の結果、組織内にイオン種を放出してはならない。これらの反応は、多くの腐食反応に必要な活性化エネルギーを供給する電界によって悪化する可能性があり、その結果として放出されるイオン種は、細胞毒性および炎症誘発性を有する可能性がある。生体適合性の要件には、電極自体の機械的特性も含まれる。例えば、脳組織は非常に柔らかく、2kPa未満のオーダーであり、機械的にミスマッチな硬い材料を導入すると、局所的な瘢痕やその他の有害な生物学的反応を引き起こす可能性がある。したがって、使用する材料は、宿主組織と同じ程度の硬さか、より柔らかいことが望ましい。
【0008】
提案されている電気療法装置で解決する必要があるさらなる問題は、電極から治療部位に電気刺激を与えることができる電荷移動のメカニズムには2つの系列、ファラデー的電荷移動と容量性電荷移動と、があるということである。ファラデー的電荷移動のメカニズムは、電解液の化学組成に局所的な変化を引き起こし、組織の損傷や電極の劣化を引き起こす(SF Cogan;Neural Stimulation and recording electrodes;Annual Review of Biomedical Engineering;2008)。従って、埋め込まれた電気療法装置の良好な性能、生体適合性、および長期間の機能性を確保するためには、体内の容量性電荷注入方式下で大量の電荷を供給できる電極を採用する必要がある。容量性電荷注入は、組織への化学種の放出をもたらさないので、害を引き起こす可能性ははるかに少ないが、同じ印加電圧でファラデー電荷注入式と比較して、周辺組織への電流供給は通常約10倍低い。これには、容量性電荷注入システムのための高い電圧の印加によって対抗できる。
【0009】
WO2018/227165には、体内で硬化して製造される電極、ならびに関連する方法および装置が記載され、WO2018/111949には、硬化可能で、身体組織内のターゲットの輪郭に成形可能な電極、ならびにその製造方法および配置方法、ディスペンサーが記載されている。両出願とも、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸の両相を含む二相注入可能電極を開示していない。
【0010】
本明細書では、こうした課題と現在の電気療法の欠点を克服した二相注入可能電極を開示する。本開示の二相注入可能電極は、それが存在する空洞の形状と容積をとることができ、TRMと直接インタフェースし、電界の3次元生成を可能にする。さらに、これらの電極は腫瘍空洞の大きさの変化に動的に反応し、常にTRMの壁に直接接触した状態を保つことができる。腫瘍切除空洞内から電界を供給することで、TRMでの電界の強度が高くなり、患者の転帰が改善されるはずである。さらに、このアプローチでは、上述の既存の装置で経験する痛みを伴う皮膚刺激の問題が取り除かれる(例えば、脳組織内からの感覚はない)。最後に、注入可能電極の技術は電気療法の継続的な治療を可能にし、患者の転帰を大幅に改善する可能性がある。
【0011】
本明細書で説明する二相注入可能電極の特性は、電荷を供給するために必要な付随装置にも利点をもたらす。電界を絞って印加するため、同じ電界の強さを発生させるのに必要な電圧は、既存の装置よりも指数関数的に低くなった。低電圧を使用することで、より小型の(より長持ちする)バッテリーを使用でき、装置の小型化や埋め込みが可能になる。装置を完全に埋め込むことで、いくつかの問題を克服できる。体外に何も見えず、持ち運びも面倒ではなく、(脳腫瘍にとっては)頭を剃る必要もない。
【発明の概要】
【0012】
本明細書は、部分的に、複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極を開示し、固体粒子およびトランスポーター相の両方は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む。
【0013】
本明細書は、部分的に、複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極について開示しており、固体粒子およびトランスポーター相の両方は、治療に使用するためのポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む。
【0014】
本明細書は、部分的に、複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極について開示しており、固体粒子およびトランスポーター相の両方は、電気療法で使用するためのポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む。
【0015】
本明細書は、部分的に、複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極を有する動物に電気療法を投与することを含む、人間などの恒温動物における治療方法を開示し、固体粒子およびトランスポーター相の両方は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む。
【0016】
本明細書は、部分的に、電気療法で使用する装置を開示し、装置は、複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極であって、固体粒子およびトランスポーター相の両方が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む、二相注入可能電極と、対極と、プローブと、電荷供給装置と、を含む。
【0017】
本明細書は、部分的に、
a)複数の固体粒子およびトランスポーター相を含む二相注入可能電極であって、固体粒子およびトランスポーター相の両方が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を含む、二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)プローブと、
d)電荷供給装置と、を含むキットを開示する。
【0018】
[本発明の詳細な説明]
本発明の多くの実施形態は本明細書を通して詳述されており、当業者には明らかであろう。本発明は、引用された実施形態のいずれかに限定して解釈されるものではない。
【0019】
「1つ」は「少なくとも1つ」を意味する。「1つ」がある材料または要素を示すために使用されるいずれの実施形態においても、「1つ」は1つを意味してもよい。
【0020】
「有する」とは、ある材料または要素が、他の材料または要素を含む可能性があることを意味する。「有する」が言及されるいずれの実施形態においても、ある材料または要素は、少なくとも10%のw/w、少なくとも20%のw/w、少なくとも30%のw/w、または少なくとも40%のw/wその材料または要素で形成されてもよい。「有する」が言及されるいずれの実施形態においても、「有する」は、ある材料または要素「からなる」、またはある材料または要素「から本質的になる」ことを意味してもよい。
【0021】
「構成される」とは、ある材料または要素が、その材料または要素のみで形成されていることを意味する。「構成される」が言及されるいずれの実施形態においても、ある材料または要素は、100%w/wその材料または要素で形成されていてもよい。
【0022】
「本質的に構成される」とは、ある材料または要素が、ほとんどその材料または要素から構成されることを意味する。「本質的に構成される」が言及されるいずれの実施形態においても、ある材料または要素は、少なくとも50%のw/w、少なくとも60%のw/w、少なくとも70%のw/w、少なくとも80%のw/w、少なくとも90%のw/w、少なくとも95%のw/w、または少なくとも99%のw/wその材料または要素で形成されてもよい。
【0023】
「である」または「であってもよい」が材料または要素を定義するために使用されるいかなる実施形態においても、「である」または「であってもよい」は、材料または要素がその材料または要素で「構成」または「本質的に構成」されることを意味してもよい。
【0024】
請求項は実施の形態を示す。
【0025】
実施の形態を組み合わせてもよい。
【0026】
[注入可能]
本明細書は、組織、特にヒト組織と界面を形成し、未知の形状の外科空洞を充填できる、本明細書に記載の二相注入可能電極について説明する。本明細書に記載される二相注入可能電極は、注入によって導入されてもよい。
【0027】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、加圧下での空洞への導入に適してもよい。
【0028】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、加圧下での、手術により形成された空洞への導入に適してもよい。
【0029】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、注入による空洞への導入に適してもよい。
【0030】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、注入による、手術により形成された空洞への導入に適してもよい。
【0031】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、注射器による空洞への導入に適してもよい。
【0032】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、注射器による、手術により形成された空洞への導入に適してもよい。
【0033】
[電極]
電極は、ある媒体から別の媒体へ電流を流し、受け取る導体である。電極は、電荷供給装置と人体との間に電流を流す目的で使用されてもよい。
【0034】
[ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸]
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)は、ナトリウムポリスチレンスルホン酸とポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)との導電性ポリマー混合物である。
【0035】
[二相性]
本明細書に記載の二相注入可能電極は、少なくとも2つの相、複数の固体粒子を有する固相と、トランスポーター相と、を有する。
【0036】
ある実施形態では、二相注入可能電極は、2つの相を有する。
【0037】
ある実施形態では、二相注入可能電極は、3つ以上の相を有する。
【0038】
[固体粒子]
本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する複数の固体粒子を有する。固体粒子は、その形状を保持し、定常状態においても、または注入時のせん断力に応じても流動しないという点で、固体である。固体粒子は、粒子の大きさと形状が注射器で注入できるほど小さいため、注入可能である。固体粒子は、トランスポーター相内で分布している。固体粒子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸の鎖の緻密なネットワークによって優れた導電性を有するが、容易に注入できる電極を構成するためには、トランスポーター相の流動性に依存している。
【0039】
ある実施形態では、固体粒子はゲルを有する。ゲルは、粒子、ポリマー、またはその他の分子の非流体コロイドネットワークであり、流体によってその体積全体に膨張するが、流動しない。
【0040】
ある実施形態では、固体粒子はゲルから構成される。
【0041】
ある実施形態では、固体粒子はゲルから本質的に構成される。
【0042】
ある実施形態では、固体粒子は非シアシニングゲルを有する。
【0043】
ある実施形態では、固体粒子は非シアシニングゲルから構成される。
【0044】
ある実施形態では、固体粒子は非シアシニングゲルから本質的に構成される。
【0045】
ある実施形態では、固体粒子は注射器によって注入可能であるように十分に小さい複数の固体粒子を有する。
【0046】
ある実施形態では、固体粒子は4mmの最大寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0047】
ある実施形態では、固体粒子は1.5mmの最大寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0048】
ある実施形態では、固体粒子は0.1mmの最小寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0049】
ある実施形態では、固体粒子は0.1-1.5mmの寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0050】
ある実施形態では、固体粒子は0.1-4mmの寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0051】
ある実施形態では、固体粒子は1-4mmの寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0052】
ある実施形態では、固体粒子は約1-4mmの寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0053】
ある実施形態では、固体粒子は約1mmの寸法を有する複数の固体粒子を有する。
【0054】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の40-85%v/vを占める。
【0055】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の60-85%v/vを占める。
【0056】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の40%v/vを占める。
【0057】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の50%v/vを占める。
【0058】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の60%v/vを占める。
【0059】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の70%v/vを占める。
【0060】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の75%v/vを占める。
【0061】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の80%v/vを占める。
【0062】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の85%v/vを占める。
【0063】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約40-50%v/vを占める。
【0064】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約50-60%v/vを占める。
【0065】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約60-70%v/vを占める。
【0066】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約70-80%v/vを占める。
【0067】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約75-85%v/vを占める。
【0068】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約80-90%v/vを占める。
【0069】
ある実施形態では、固体粒子は注入可能電極の約85-95%v/vを占める。
【0070】
ある実施形態では、固体粒子は少なくとも90%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0071】
ある実施形態では、固体粒子は少なくとも95%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0072】
ある実施形態では、固体粒子はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0073】
ある実施形態では、固体粒子はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸から本質的に構成される。
【0074】
ある実施形態では、固体粒子はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸から構成される。
【0075】
[トランスポーター相]
本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有するトランスポーター相を有する。二相注入可能電極のトランスポーター相は、空洞の正確な容量を(患者間の差に関係なく)数秒で充填できる。その結果、切除壁との電気的接触が密になり、注入のスピードが速いため、手術時間が大幅に長くなることはない(患者の安全にとって重要)。二相注入可能電極のトランスポーター相は、定常状態下、または、例えばシアシニングジェルや強粘液のように、注入の際に加えられるせん断力に応じて流動できる物質を有するが、周囲の組織に著しく拡散すべきではない。周囲の組織への拡散は、潜在的に生体適合性の問題につながり、および/またはトランスポーター相の不安定化を引き起こす可能性がある。「シアシニング」は、せん断ひずみによって粘度が低下する流体の非ニュートン挙動を説明する。トランスポーター相のポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸は可溶化されている。トランスポーター相におけるポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸のより緻密でない分子ネットワークは、いくらかの導電性を付与するが、固体粒子よりは比較的少ない。トランスポーター相の重要な機能は、流動性を補助し、注入しやすい電極を作ることである。
【0076】
ある実施形態の場合、トランスポーター相は溶解しにくいものでなければならない。
【0077】
ある実施形態では、トランスポーター相は粘性液体を有する。
【0078】
ある実施形態では、トランスポーター相は粘性液体から構成される。
【0079】
ある実施形態では、トランスポーター相は粘性液体から本質的に構成される。
【0080】
ある実施形態では、トランスポーター相はシアシニングゲルを有する。
【0081】
ある実施形態では、トランスポーター相はシアシニングゲルから構成される。
【0082】
ある実施形態では、トランスポーター相はシアシニングゲルから本質的に構成される。
【0083】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の15-60%v/vを占める。
【0084】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の15-40%v/vを占める。
【0085】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の60%v/vを占める。
【0086】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の50%v/vを占める。
【0087】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の40%v/vを占める。
【0088】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の30%v/vを占める。
【0089】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の25%v/vを占める。
【0090】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の20%v/vを占める。
【0091】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の15%v/vを占める。
【0092】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の60-70%v/vを占める。
【0093】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の50-60%v/vを占める。
【0094】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の40-50%v/vを占める。
【0095】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の30-40%v/vを占める。
【0096】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の20-30%v/vを占める。
【0097】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の15-25%v/vを占める。
【0098】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の10-20%v/vを占める。
【0099】
ある実施形態では、トランスポーター相は注入可能電極の5-15%v/vを占める。
【0100】
ある実施形態では、トランスポーター相は<5%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0101】
ある実施形態では、トランスポーター相は0.05-0.25%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0102】
ある実施形態では、トランスポーター相は約0.15%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0103】
ある実施形態では、トランスポーター相は0.15%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0104】
ある実施形態では、トランスポーター相は、注入後に部分架橋を受けることができるポリマーを有する。これは、UV架橋、温度依存性架橋(例えば、体温で起こる架橋)、および/または塩依存性架橋を介してもよい。注入後の部分的な架橋は、トランスポーター相を安定させるのに役立つかもしれない。
【0105】
[追加の構成]
本明細書に記載の二相注入可能電極のトランスポーター相と固体粒子とは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を、単体で有してもよく、または、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、シクロデキストリンおよび/またはポリビニルアミンなどの他の材料との混合物または複合物として有してもよく、または、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸.メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、グアーガム、プルロニック(登録商標)F-127、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAM)、カッパカラギーナン、シクロデキストリン、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)および/またはポリビニルアミンなどの他の材料との混合物または複合物として有してもよい。
【0106】
混合物とは、2つ以上の材料から作られた材料で、構成材料が全体に完全に分布しているものをいう。分布はランダムで、決まった構造はない。
【0107】
複合物とは、物理的または化学的性質が著しく異なる2つ以上の材料から作られた材料のことで、組み合わせると、個々の成分とは異なる特性を持つ材料ができる。これらの構成材料は、全体の中で決まった構造と組織を有してもよい。構成材料のこれらの決まった構造が全体に分布することで、2つの材料のランダムな混合物には存在しない特性が複合材料に付与される可能性がある。
【0108】
粘土は、層状ケイ酸塩から形成される材料であって、アルミニウム、鉄、マグネシウム、ナトリウムから形成される種を含む金属や金属酸化物と複合化してもよい。粘土が言及されている実施形態では、粘土はヘクトライトを指してもよい。ヘクトライトは、化学式が「Na0.3(Mg,Li)3Si4O10(OH)2」で表される、柔らかく油性の白色粘土鉱物である。粘土が言及されている実施形態では、粘土は粘土ナノ粒子を指してもよい。粘土が言及されるいずれの実施形態においても、粘土はスメクタイト粘土、特に酸化マグネシウムとシリカを有するスメクタイト粘土ナノ粒子、例えばラポナイト(登録商標)を指してもよい。ラポナイト(登録商標)は、天然の粘土鉱物ヘクトライトによく似た構造と組成を持つ合成スメクタイト粘土である。これは、(2:1)フィロケイ酸塩族に属する層状含水ケイ酸マグネシウムであり、正八面体配位した酸化マグネシウムのシートが、正四面体配位したシリカの2枚の平行なシートに挟まれた構造をしている。
【0109】
ポリエチレングリコール(PEG)はエチレングリコールを重合させた合成ポリマーである。
【0110】
ポリ(エチレングリコール)メタクリレートは、メタクリル酸とエチレングリコールの縮合により形成されるジエステルである。
【0111】
ポリエチレングリコールジアクリレートは長鎖の親水性架橋モノマーである。
【0112】
ポリビニルアルコール(PVA)は、ポリ酢酸ビニルの加水分解によって調製される水溶性の合成ポリマーである。
【0113】
ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、シリコーンとして知られる高分子有機シリコーン化合物のグループに属する、無毒のジメチルシリコーン系有機ポリマーである。
【0114】
キサンタンガムは、細菌発酵または合成によって生産され、ゲル化剤や増粘剤として食品に使用される物質である。キサンタンガムは、グルコース、マンノース、グルクロン酸からなる多糖類である。
【0115】
メチルセルロースとヒドロキシメチルセルロースは、例えば天然木材や綿花のリンターのようなセルロース系原料から得られるセルロースエステルである。通常、様々な食品や化粧品に増粘剤や乳化剤として使用される。水溶性メチルセルロースは、水酸化ナトリウム、塩化メチルおよび/または酸化プロピレンで処理して得られる。
【0116】
グアーガムはグアー豆から抽出され、食品業界で一般的に使用されている増粘剤、安定剤である。
【0117】
プルロニックF-127は、両親媒性のコポリマーである酸化エチレンと酸化ポリプロピレンからなる非イオン性コポリマー界面活性剤である。
【0118】
カッパ-カラギーナンは、天然の直鎖硫酸化多糖類カラギーナンの一部で、特定の紅藻類から抽出される。カッパ-カラギーナンは、通常、安定剤、増粘剤、ゲル化剤として使用される。
【0119】
シクロデキストリンは環状オリゴ糖の一群である。シクロデキストリンは、グルコースサブユニットがa-1,4グリコシド結合で結合した大環状環である。シクロデキストリンは、酵素変換によってデンプンから製造されてもよい。シクロデキストリンは、アミロース(デンプンの断片)と同様に、5個以上のα-D-グルコピラノシド単位が1->4結合したものである。
【0120】
ポリビニルアミンは通常、N-ビニルホルムアミドの重合によって製造されるポリマーである。ポリビニルアミンはビニルアミンの繰り返しモノマーを有する。
【0121】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、シクロデキストリンおよび/またはポリビニルアミンを追加的に有してもよい。
【0122】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、粘土を追加的に有してもよい。
【0123】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリエチレングリコール(PEG)を追加的に有してもよい。
【0124】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートを追加的に有してもよい。
【0125】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリエチレングリコールジアクリレートを追加的に有してもよい。
【0126】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリビニルアルコール(PVA)を追加的に有してもよい。
【0127】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を追加的に有してもよい。
【0128】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、キサンタンガムを追加的に有してもよい。
【0129】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランを追加的に有してもよい。
【0130】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、エチレングリコールを追加的に有してもよい。
【0131】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ドデシルベンゼンスルホン酸を追加的に有してもよい。
【0132】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、メチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0133】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ヒドロキシメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0134】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、メチルセルロースとヒドロキシメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0135】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、グアーガムを追加的に有してもよい。
【0136】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、プルロニックF-127を追加的に有してもよい。
【0137】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、リン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0138】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、カッパ-カラギーナンを追加的に有してもよい。
【0139】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、シクロデキストリンを追加的に有してもよい。
【0140】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ポリビニルアミンを追加的に有してもよい。
【0141】
ある実施形態では、固体粒子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸およびポリビニルアルコール(PVA)、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランおよび/またはエチレングリコールを有する。
【0142】
ある実施形態では、トランスポーター相は、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、グアーガム、プルロニックF-127、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAM)、カッパ-カラギーナン、シクロデキストリン、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)および/またはポリビニルアミンをさらに有する。
【0143】
ある実施形態では、トランスポーター相は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸および粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランおよび/またはエチレングリコールを有する。
【0144】
ある実施形態では、トランスポーター相は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸およびポリビニルアルコール(PVA)、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランおよび/またはエチレングリコールを有する。
【0145】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、粘土、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、シクロデキストリンおよび/またはポリビニルアミンを追加的に有してもよい。
【0146】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、粘土を追加的に有してもよい。
【0147】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリエチレングリコール(PEG)を追加的に有してもよい。
【0148】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートを追加的に有してもよい。
【0149】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリエチレングリコールジアクリレートを追加的に有してもよい。
【0150】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリビニルアルコール(PVA)を追加的に有してもよい。
【0151】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を追加的に有してもよい。
【0152】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、キサンタンガムを追加的に有してもよい。
【0153】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランを追加的に有してもよい。
【0154】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、エチレングリコールを追加的に有してもよい。
【0155】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ドデシルベンゼンスルホン酸を追加的に有してもよい。
【0156】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、メチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0157】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、5-10%w/vメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0158】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、7-9%w/vメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0159】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、約8%w/vメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0160】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、8%w/vメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0161】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ヒドロキシメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0162】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、メチルセルロースとヒドロキシメチルセルロースを追加的に有してもよい。
【0163】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、グアーガムを追加的に有してもよい。
【0164】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、プルロニックF-127を追加的に有してもよい。
【0165】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、リン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0166】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、0.5-5%v/vリン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0167】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、0.5-3%v/vリン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0168】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、約1%v/vリン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0169】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、1%v/vリン酸緩衝生理食塩水を追加的に有してもよい。
【0170】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、カッパ-カラギーナンを追加的に有してもよい。
【0171】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、シクロデキストリンを追加的に有してもよい。
【0172】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、ポリビニルアミンを追加的に有してもよい。
【0173】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、メチルセルロース、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、リン酸緩衝生理食塩水、および水を有する。
【0174】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、メチルセルロース、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、リン酸緩衝生理食塩水、および水から本質的に構成される。
【0175】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、メチルセルロース、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、リン酸緩衝生理食塩水、および水から構成される。
【0176】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、
65-85%v/v、10%w/vメチルセルロース、
10-20%v/v、1%w/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、および
5-15%v/v、10xリン酸緩衝生理食塩水を有する。
【0177】
「65-85%v/v、10%w/vメチルセルロース」は、トランスポーター相が、メチルセルロースの10%w/v水溶液を65-85%v/v含むことを意味する。「10-20%v/v、1%w/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸」は、トランスポーター相が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸の1%w/v水溶液を10-20%v/v含むことを意味する。10xリン酸緩衝生理食塩水は、例えば、1.37MのNaCl、27mMのKCl、100mMのNa2HPO4、及び18mMのKH2PO4を有する標準等張液である。
【0178】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、
約75%v/v、10%w/vメチルセルロース、
約15%v/v、1%w/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、および
約10%v/v、10xリン酸緩衝生理食塩水を有する。
【0179】
ある実施形態では、本明細書に記載のトランスポーター相は、
75%v/v、10%w/vメチルセルロース、
15%v/v、1%w/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸、および
10%v/v、10xリン酸緩衝生理食塩水を有する。
【0180】
[柔らかい]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、柔らかい二相注入可能電極であってもよい。ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極を脳に使用する場合、脳組織と同等の弾性率を有する柔らかいものであってもよい。本明細書に記載されているように、二相注入可能電極が脳組織よりも著しく高い剛性を持たないようにすることは、組織の膨張に動的に対応する(空洞の壁との接触を維持する)能力を向上させる。
【0181】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<5kPaである。
【0182】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<4kPaである。
【0183】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<3kPaである。
【0184】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<2kPaである。
【0185】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で0.1-2kPaである。
【0186】
[高レベルの電荷注入]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ファラデー反応を誘発することなく、容量性電荷注入を高レベルで供給できる材料を有する。
【0187】
容量性電荷注入は、すべての材料-電解質界面において印加電圧下で起こるが、ファラデー反応が起こるのを防ぐためには、印加電圧がその系で最も反応性の高いファラデー過程の活性化電圧以下であることを保証する必要がある。水の水素と酸素への加水分解は約±1.1Vの印加電位で起こり、すべての生体組織は水をベースとしているので、これは、移植医療装置で使用する容量性電荷注入方式下で印加できる最大電位を示している。したがって、電気療法のインプラントは、容量性電荷注入方式の下で安全に可能な限り高い電圧を印加できる必要がある。
【0188】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、ファラデー反応を誘発することなく、容量性電荷転送方式下でヒト組織に±1Vを供給できる。
【0189】
[低い電気インピーダンス]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気インピーダンスの低い材料を有する。これにより、(組織に損傷を与える)過度の加熱を招くことなく、二相注入可能電極から組織への効率的な電荷の移動が保証される。
【0190】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気化学インピーダンス分光法が1000Hzで測定したとき、界面電気インピーダンスが200Ω未満である。
【0191】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気化学インピーダンス分光法が1000Hzで測定したとき、界面電気インピーダンスが250Ω未満である。
【0192】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気化学インピーダンス分光法が1000Hzで測定したとき、界面電気インピーダンスが300Ω未満である。
【0193】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気化学インピーダンス分光法が1000Hzで測定したとき、界面電気インピーダンスが350Ω未満である。
【0194】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、電気化学インピーダンス分光法が1000Hzで測定したとき、界面電気インピーダンスが約350Ωである。
【0195】
[生体適合性]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極は、生体適合性を有する材料を有する。生体適合性を有する材料は、埋込後の急性または慢性の時点で、有害な生物学的反応を避けるために重要である。
【0196】
[電気療法での使用]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極に供給される電荷は、刺激装置/バッテリーパックであってもよい電荷供給装置から供給される。ある実施形態では、電荷供給装置は外科的に埋め込まれてもよい。ある実施形態では、電荷供給装置は胸部空洞に外科的に埋め込まれてもよい。適切な電荷供給装置には、例えばパーキンソン病の振戦緩和のために脳深部刺激で使用されているような埋込型パルス発生器(IPG)が含まれる。
【0197】
ある実施形態では、残りの電子機器との接続を容易にし、回路を完成させるため、本明細書に記載の二相注入可能電極の中心には、その場でプローブが挿入される。プローブは直流条件下で二相注入可能電極に電荷を供給する。交流条件下では、プローブは、電荷の供給と二相注入可能電極からの電荷の受取との両方を行う。このプローブは、本明細書に記載の二相注入可能電極に接触する可能性のある露出した導電性領域を有する絶縁ロッドから構成されてもよい。露出した導電性領域は、白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマーおよび/または導電性複合材から製造されてもよい。プローブは、電気ケーブルで電荷供給装置に接続されてもよい。ある実施形態では、電気ケーブルを皮下に埋め込んでもよい。
【0198】
ある実施形態では、1つまたは複数の対極を腫瘍切除空洞の周囲の組織に移植してもよい。これらは電気回路を完成させ、直流条件下で二相注入可能電極から注入された電流を集める。交流条件下では、対極は、二相注入可能電極から電荷を受け取り、二相注入可能電極に電荷を供給する。二相注入可能電極と対極は協働している。ある実施形態では、対極が1つあってもよい。ある実施形態では、対極が2つあってもよい。ある実施形態では、対極が3つあってもよい。ある実施形態では、対極が4つあってもよい。ある実施形態において、対極は、白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマーおよび/または導電性複合材を有してもよい。ある実施形態では、対極は白金を有してもよい。ある実施形態では、対極はプラチナ合金を有してもよい。ある実施形態では、対極がプラチナワイヤーを有してもよい。ある実施形態では、対極が酸化イリジウムを有してもよい。ある実施形態では、対極がプラチナイリジウム合金を有してもよい。ある実施形態では、対極はカーボンある実施形態では、対極がグラフェンを有してもよい。ある実施形態では、対極が導電性ポリマーを有してもよい。ある実施形態では、対極が導電性複合材を有してもよい。
【0199】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極、対極、プローブおよび電荷供給装置を有する、電気療法に使用するための装置が提供される。
図1は、この装置を脳内で使用するための一つの可能な配置を示している。
【0200】
外科的切除後の脳腫瘍の治療において二相注入可能電極を利用する可能な手術プロトコールは、以下のステップから構成されてもよい:
1.頭皮を切開し、皮膚フラップを折り返す。
2.頭蓋ウィンドウを開ける。
3.硬膜を切開し、腫瘍を切除する。
4.本明細書に記載の二相注入可能電極を注入し、切除空洞を充填する。
5.硬膜を閉じるために縫合する。
6.頭蓋ウィンドウを覆う適切な補綴物を装着する。
7.二相注入可能電極にセンタープローブを挿入する。
8.対極を埋め込む。
9.プローブと対極をメインリードに接続する。
10.皮膚フラップを元に戻し、縫合して閉じる。
【0201】
[プロセス]
二相注入可能電極の固体粒子は、PEDOT:PSSをDMSOと混合し、任意に合成ポリマー(例えばPVA、PEG、キサンタムガム、および/またはラポナイトなど)および/または安定剤(例えばエチレングリコール、DBSAおよび/またはGOPS)を添加することで製造されてもよい。PEDOT:PSS/DMOS/ポリマー混合物は、PEDOT:PSS/DMSO/ポリマーの固体シートを形成するように、加熱下で円筒形の型内で硬化されてもよい。過剰なDMSOは、一連の洗浄(蒸留水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、およびエタノール)で除去でき、その後、球状パンチを用いてシートを打ち抜き、所望のサイズの粒子を形成する。
【0202】
二相注入可能電極のトランスポーターゲル相は、PEDOT:PSSをDMSOと混合し、任意に合成ポリマー(PVA、PEG、キサンタムガム、ラポナイト)及び/又は安定剤(例えばエチレングリコール、DBSA、GOPS)を添加することで製造されてもよい。あるいは、トランスポーター相は、PEDOT:PSSの溶液を、メチルセルロースおよび/またはリン酸緩衝生理食塩水のような追加成分の溶液と混合することによって製造されてもよい。この溶液は、ゲル状/粘稠度が達成されるまで定期的に混合しながら加熱されてもよい。過剰なDMSOはいずれも、蒸留水、PBSおよびエタノールでの一連の洗浄を伴う透析膜を使用した透析によってゲルから除去されてもよい。透析後、ゲルの安定性と粘度を向上させるように、加熱しながら合成ポリマーをゲルに添加してもよい。
【0203】
固体粒子とトランスポーター相とは、二相注入可能電極を形成するように混合される。
【0204】
[使用]
ある実施形態では、本明細書に記載のように、電気療法に使用する二相注入可能電極が提供される。電気療法は、治療としての電気エネルギーの利用である。
【0205】
ある実施形態では、複数の固体粒子およびトランスポーター相を有し、治療に使用するための二相注入可能電極が提供される。固体粒子およびトランスポーター相の両方がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0206】
ある実施形態では、複数の固体粒子およびトランスポーター相を有し、電気療法に使用するための二相注入可能電極が提供される。固体粒子およびトランスポーター相の両方がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する。
【0207】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0208】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、以下の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0209】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、以下の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0210】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、固形腫瘍の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0211】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0212】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、グレードI神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0213】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、毛様細胞性星細胞腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0214】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、グレードII神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0215】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、びまん性星状細胞腫または乏突起膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0216】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、グレードIII神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0217】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0218】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、グレードIV神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0219】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、びまん性正中神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0220】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、脳転移の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0221】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0222】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0223】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後の、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0224】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に、以下の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0225】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に、以下の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0226】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に固形腫瘍の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0227】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にグレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0228】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にグレードI神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0229】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に毛様細胞性星細胞腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0230】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にグレードII神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0231】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にびまん性星状細胞腫または乏突起膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0232】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にグレードIII神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0233】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0234】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にグレードIV神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0235】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後にびまん性正中神経膠腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0236】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に脳転移の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0237】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0238】
ある実施形態では、本明細書に記載のように、外科的切除後に多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0239】
本明細書で使用される場合、「治療」および「治療する」という用語は、本明細書に記載される疾患もしくは障害、またはそれらの1つもしくは複数の症状を元の状態に戻すこと、緩和すること、発症を遅延させること、または進行を抑制することを指す。ある実施形態では、治療は1つ以上の症状が発現した後に実施されてもよい。他の実施形態では、症状がなくても治療を行ってもよい。例えば、症状の発現前に(例えば、症状の既往歴を参照して、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子を参照して)感受性の高い個体に対して治療を実施してもよい。また、症状が治まった後も、再発を予防したり遅らせたりするために治療を続けてもよい。治療は、再発性疾患、例えば再発性GBMに対して、または以前は低いグレード(例えばグレードII)であった神経膠腫が高いグレード(例えばグレードIIIまたはIV)になる形質転換性疾患に対して、または形質転換性疾患を予防するために実施されてもよい。
【0240】
[治療方法]
ある実施形態では、本明細書に記載のように、治療によるヒトまたは動物の身体の治療方法に使用する二相注入可能電極が提供される。
【0241】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物における電気療法の方法が提供される。方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を動物に与えることを有する。
【0242】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物における、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強の方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0243】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、以下を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0244】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、以下を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0245】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、固形腫瘍を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0246】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0247】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードI神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0248】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、毛様細胞性星細胞腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0249】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0250】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、星状細胞腫または乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0251】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードIII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0252】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0253】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0254】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、びまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0255】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、脳転移を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0256】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0257】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物における、外科的切除後の、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強の方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0258】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0259】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に以下を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0260】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に以下を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0261】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に固形腫瘍を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0262】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にグレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0263】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にグレードI神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0264】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に毛様細胞性星細胞腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0265】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にグレードII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0266】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にびまん性星状細胞腫または乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0267】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にグレードIII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0268】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0269】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にグレードIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0270】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後にびまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0271】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に脳転移を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0272】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0273】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、外科的切除後に多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを有する。
【0274】
[多電極電気療法]
ある実施形態では、軟組織に埋め込まれた複数の協働する電極を有する電気療法の形態が提供される。これらの協力電極は、直流条件下では一方向に、交流条件下では両方向に、電極間に電流を流す。これを「多電極電気療法」という。
【0275】
例えば腫瘍または腫瘍切除断マージンの円周または周辺に沿って、複数の協働する埋め込み電極を使用することで、腫瘍または切除断マージン内の3D空間の任意の点と、最も近い埋め込み電極との間の最大距離を短縮することが可能である。その結果、腫瘍または切除断マージンの総容積内の電界強度の最小値が増加する。その結果、臨床的に効果的な電界を生成するために必要な入力電圧とエネルギー需要が減少し、その結果、バッテリーの寿命と刺激装置の総サイズに利点がもたらされる。その結果、電荷供給装置を完全に埋め込むことが可能になり、治療効果に影響を与えることなく、患者のQOLに利益をもたらす可能性がある。
【0276】
ある実施形態では、複数の電極を埋め込むことによって、多電極電気療法を提供できる。
【0277】
ある実施形態では、複数の電極を埋め込む/または注入することによって、多電極電気療法を提供できる。
【0278】
ある実施形態では、多電極電気療法は2つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は3つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は4つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は5つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は6つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は少なくとも2つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は少なくとも3つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は少なくとも4つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は少なくとも5つの電極を有する。ある実施形態では、多電極電気療法は少なくとも6つの電極を有する。
【0279】
ある実施形態では、多電極電気療法は、白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマー、導電性複合材および/または本明細書に記載の二相注入可能電極を有する電極を有する。
【0280】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極と、白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマーおよび/または導電性複合材を有する電極を有する。
【0281】
ある実施形態では、多電極電気療法は、白金を有する電極を有する。
【0282】
ある実施形態では、多電極電気療法は、プラチナ合金を有する電極を有する。
【0283】
ある実施形態では、多電極電気療法は、プラチナワイヤーを有する電極を有する。
【0284】
ある実施形態では、多電極電気療法は、酸化イリジウムを有する電極を有する。
【0285】
ある実施形態では、多電極電気療法は、プラチナイリジウム合金を有する電極を有する。
【0286】
ある実施形態では、多電極電気療法は、カーボンを有する電極を有する。
【0287】
ある実施形態では、多電極電気療法は、グラフェンを有する電極を有する。
【0288】
ある実施形態では、多電極電気療法は、導電性ポリマーを有する電極を有する。
【0289】
ある実施形態では、多電極電気療法は、導電性複合材を有する電極を有する。
【0290】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する。
【0291】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極と白金を有する電極とを有する。
【0292】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極とプラチナ合金を有する電極とを有する。
【0293】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極とプラチナワイヤーを有する電極とを有する。
【0294】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極と酸化イリジウムを有する電極とを有する。
【0295】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極とプラチナイリジウム合金を有する電極とを有する。
【0296】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極とカーボンを有する電極とを有する。
【0297】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極とグラフェンを有する電極とを有する。
【0298】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極と導電性ポリマーを有する電極とを有する。
【0299】
ある実施形態では、多電極電気療法は、本明細書に記載の二相注入可能電極と導電性複合材を有する電極とを有する。
【0300】
ある実施形態では、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強のための多電極電気療法が提供される。
【0301】
ある実施形態では、以下の治療のための多電極電気療法が提供される。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0302】
ある実施形態では、以下の治療のための多電極電気療法が提供される。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0303】
ある実施形態では、固形腫瘍の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0304】
ある実施形態では、グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0305】
ある実施形態では、グレードI神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0306】
ある実施形態では、毛様細胞性星細胞腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0307】
ある実施形態では、グレードII神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0308】
ある実施形態では、びまん性星状細胞腫または乏突起膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0309】
ある実施形態では、グレードIII神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0310】
ある実施形態では、未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0311】
ある実施形態では、グレードIV神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0312】
ある実施形態では、びまん性正中神経膠腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0313】
ある実施形態では、脳転移の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0314】
ある実施形態では、巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0315】
ある実施形態では、多形神経膠芽腫の治療のための多電極電気療法が提供される。
【0316】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物における、固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強の方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0317】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、以下を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
・脳腫瘍(グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、乏突起膠腫、乏突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、未分化乏突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、ピロミキソイド星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、乏突起膠星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、IIまたはIII髄膜腫と髄膜に関連するその他の新生物(例えば血管周囲細胞腫)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、頭蓋内奇形腫、および多層ロゼットを含む胎児腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(例えば松果体芽腫)、および下垂体領域の腫瘍(例えば、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、および脊索腫)
・あらゆるがん由来の転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からのものを含む脳転移)
・肺がん(中皮腫、悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がんを含む)
・膵臓がん(例えば局所進行性膵腺がん)
・卵巣がん(例えば、化学療法に耐性を有する卵巣がん)
・肝臓がん(例えば、進行性肝細胞がん)
・乳がん
・子宮頸がん
・結腸直腸がん
・胃がん(胃腺がんを含む)
・脊髄神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節腫を含む)
・悪性黒色腫
・腎腺がん、および
・尿路移行上皮がん
【0318】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、以下を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
・脳転移、および
・びまん性正中神経膠腫
【0319】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、固形腫瘍を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0320】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードI、II、IIIまたはIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0321】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードI神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0322】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、毛様細胞性星細胞腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0323】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0324】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、星状細胞腫または乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0325】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードIII神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0326】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、未分化星状細胞腫または未分化乏突起膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0327】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、グレードIV神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0328】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、びまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0329】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、脳転移を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0330】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、巨細胞膠芽腫または多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0331】
ある実施形態では、ヒト等の恒温動物において、多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、方法は、多電極電気療法を提供することを有する。
【0332】
[組み合わせ]
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する電気療法は、化学療法および/または放射線療法と組み合わせて提供されてもよい。
【0333】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する電気療法は、化学療法および放射線療法と組み合わせて提供されてもよい。
【0334】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する電気療法は、化学療法と組み合わせて提供されてもよい。
【0335】
ある実施形態では、本明細書に記載の二相注入可能電極を有する電気療法は、放射線療法と組み合わせて提供されてもよい。
【0336】
ここで、「組み合わせ」という用語が使用される場合、これは同時提供、分離提供、または逐次提供を指すと理解されたい。本開示の他の態様において、「組み合わせ」とは同時提供を指す。本開示の一態様において、「組み合わせ」とは別々の提供を指す。本開示の他の態様において、「組み合わせ」とは逐次提供を指す。提供が逐次または別々である場合、第2の要素の提供の遅れは、組み合わせの利点を失うようなものではない。
【0337】
[キット]
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)プローブと、
d)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0338】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)プローブと、
c)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0339】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0340】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)プローブとを有するキットが提供される。
【0341】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)プローブとを有するキットが提供される。
【0342】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0343】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)対極とを有するキットが提供される。
【0344】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0345】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)対極とを有するキットが提供される。
【0346】
ある実施形態では、
a)本明細書に記載の二相注入可能電極と、
b)プローブとを有するキットが提供される。
【0347】
ある実施形態では、
a)2つ以上の電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0348】
ある実施形態では、
a)3つ以上の電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0349】
ある実施形態では、
a)4つ以上の電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【0350】
ある実施形態では、
a)5つ以上の電極と、
b)電荷供給装置とを有するキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0351】
【
図1】脳の外科的切除空洞に使用される、本明細書に記載の二相注入可能電極の透過図である。電荷供給装置も示されている。二相注入可能電極(3)は、腫瘍切除断マージン(4)を伴う脳における外科的切除空洞に挿入される。電極にはプローブ(1)が挿入され、周囲の脳組織には4つの対極(2)が埋め込まれている。電荷供給装置(6)は外科的に埋め込まれ、同じく埋め込まれたワイヤー(5)を介してプローブに電荷を供給する。
【
図2】実験1の結果であるサンプルの静電容量と電荷注入の特性を示している。電位は+1~-1Vの間で印加し、500mVs
-1のスキャン速度での結果を示した。これらのサイクリックボルタンモグラムはいずれも、滑らかな曲線を示し、ファラデーピークがない容量性電荷注入を示している。±1Vの容量ポテンシャル・ウィンドウは、水の電気分解を誘発することなく印加可能な最大電圧であり、すべてのサンプルは、このポテンシャル・ウィンドウの環境において容量性電荷転送方式下で動作できた。
【
図3】実験1の結果である試料カソード電荷蓄積容量(CSC)を示している。500mVs
-1のスキャン速度での結果を示す。いくつかの異なるサンプルのCSCデータを示す。電荷蓄積容量はサイクリックボルタンメトリーの結果から計算した。この実験におけるCSCの結果は、現在臨床で使用されている設計(SF Cogan;Neural Stimulation and recording electrodes;Annual Review of Biomedical Engineering;2008)を上回るものであった。これは、すべてのサンプルが、現在臨床で使用されている設計と比較して、電圧入力あたりにより多くの電荷を供給できることを意味する。
【
図4】実験2の結果である機械的特性を示している。サンプルの機械的特性は振動レオメトリーを通して測定した。結果は、サンプルが非常に柔らかく、低KPaの範囲内の貯蔵弾性率を持つことを示す。いくつかのサンプルは、脳組織自体の剛性範囲(0.5~2KPa)に収まっており、測定されたサンプルはすべて、現在の臨床電極材料(通常数100GPaの範囲)よりも何桁も柔らかい(剛性が低い)(例えば、Kostarelosら;Graphene in design and engineering of next generation neural interfaces;Advanced Materials;2017.https://doi.org/10.1002/adma.201700909)。
【
図5】実験3の結果である、細胞生存率の検出を通じて示すU251ヒトアストロサイト様細胞に対するサンプルの生体適合性を示している。ポジティブコントロールは、サンプルを添加せずにウェルプレートで培養した健常細胞からなる。ネガティブコントロールは、試料を添加せずに培養ウェルプレートで増殖させた細胞からなるが、細胞は培養液中の5%ジメチルスルホキシドにさらされ、これはこれらの細胞に細胞毒性作用を及ぼすことが知られている。細胞生存率は試料とポジティブコントロールで同様であり、試料の生体適合性を実証した。
【
図6】実験3の結果である、細胞生存率の検出を通じて示すU251ヒトアストロサイト様細胞に対するサンプルの生体適合性を示している。ポジティブコントロールは、サンプルを添加せずにウェルプレートで培養した健常細胞からなる。ネガティブコントロールは、試料を添加せずに培養ウェルプレートで増殖させた細胞からなるが、細胞は培養液中の5%ジメチルスルホキシドにさらされ、これはこれらの細胞に細胞毒性作用を及ぼすことが知られている。細胞生存率は試料とポジティブコントロールで同様であり、試料の生体適合性を実証した。
【
図7】
図7は、実験1で3電極サイクリックボルタンメトリーを行うために使用した試験セルの概略図である。検査対象の二相注入可能電極サンプル(1)は、ポリテトラフルオロエチレンの固体ブロックからこの目的のために作成されたサンプルホルダー(3)内のウェル内に収容される。試料(1)は作用電極として機能し、グラファイト複合材から形成された導電性ベース(4)を介してポテンショスタットに接続されている。電解液(2)を試料の上にピペットによって滴下し、試料を浸す。対極(5)を電解液に挿入する。測定は非通電の参照電極(6)によって行われる。
【発明を実施するための形態】
【0352】
[実施例]
[全体的な処置]
後続の実施例で使用された材料及び装置は、以下のサプライヤーから購入したものである。
【0353】
【0354】
二相注入可能電極は、固体粒子とトランスポーター相の2つを有し、固体粒子はトランスポーター相に分布される。実施例1と実施例2は二相注入可能電極の固体粒子の製造について、実施例3と実施例4はトランスポーター相の製造について述べている。実施例5は、二相注入可能電極を製造するように両方の物質の組み合わせについて概略的に説明している。
【0355】
[実施例1]
二相注入可能電極のためのPEDOT:PSS固体粒子の製造
1A)PEDOT:PSS溶液を、DMSO追加前にガラスバイアルで室温で5時間混合した。一定時間混合した後、PEDOT:PSS/DMSO懸濁液を直径127.76mmまたは5mmの円筒モールドに鋳込む。サンプルを室温または60℃に設定したホットプレート上で一晩放置した後、固体構造が形成されるまで60℃に設定したオーブンに入れた。一部のサンプルでは、EG、GOPS、およびDBSAを安定剤として添加した。
【0356】
過剰なDMSOを除去するため、固体構造を蒸留水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、一連のエタノール濃度(30、50、70、および100%)で洗浄し、使用するまでPBS中で保存した。PEDOT:PSSビーズを作るためには、所望のサイズの球状パンチを使用して構造を打ち抜いた。ビーズサイズは0.1mから1.5mmの間である(ただし、これに限定されない)。
【0357】
【0358】
1B)粒子を作るために、PEDOT:PSSのみ、またはPEDOT:PSSとともに追加の安定剤(EG、GOPS、DBSA)および/またはPBSを使用した。任意で追加成分を含むPEDOT:PSSの溶液を液体窒素に滴下し、粒子を形成させた。液体窒素を除去し、凍結粒子を一晩凍結乾燥した。アニールするために、粒子を180℃に設定したオーブンに1時間入れた。完全に形成された粒子はPBSに8~24時間浸漬し、使用するまでPBS中で保存した。
【0359】
ビーズサイズは、0.1m~3mmの間であって(ただし、これに限定されない)、使用するシリンジ/ニードルや溶液の流量に依存する。
【0360】
【0361】
[実施例2]
合成ポリマーを追加した二相注入可能電極のためのPEDOT:PSS固体粒子の製造
2A)1つ以上のポリマーをPEDOT:PSS溶液に直接追加し、60℃で1時間、次いで室温で4時間混合した。一部のサンプルでは、EG、GOPSおよびDBSAが安定剤として追加された。その後、DMSOをPEDOT:PSS/ポリマー溶液に加え、一定時間混合した。溶液を円筒形のモールド(直径127.76mm)に流し込み、構造が完全に硬化するまで60℃に設定したオーブンに入れた。完全に硬化した後、固体構造は室温で24時間放置された。構造を蒸留水、PBS、一連のエタノール希釈液(30、50、70、および100%)で洗浄して過剰なDMSOを除去し、使用するまでPBS中で保存した(室温)。その後、球状パンチを使用して構造を打ち抜き、0.1~1mmサイズのビーズを得た。
【0362】
【0363】
2B)1つ以上のポリマーをPEDOT:PSS溶液に直接追加し、60℃で1時間、次いで室温で4時間混合した。一部のサンプルEGでは、GOPSとDBSAが安定剤として追加された。溶液を液体窒素に滴下し、粒子を形成させた。液体窒素を除去し、凍結粒子を一晩凍結乾燥した。アニールするために、粒子を180℃に設定したオーブンに1時間入れた。完全に形成された粒子はPBSに8~24時間浸漬し、使用するまでPBS中で保存した。
【0364】
ビーズサイズは、0.1m~4mmの間であって(ただし、これに限定されない)、使用するシリンジ/ニードルや溶液の流量に依存する。
【0365】
【0366】
[実施例3]
二相注入可能電極のためのPEDOT:PSSトランスポーター相の製造
3A)PEDOT:PSS溶液を室温で5時間混合した。一部のサンプルEGでは、GOPSとDBSAが安定剤として追加された。DMSOをPEDOT:PSS溶液に加え、室温で24時間混合した。溶液を60℃に設定したオーブンに入れて、ゲル状の粘度が達成されるまで定期的に混合した。サンプルを、室温で少なくとも24時間放置した。
【0367】
過剰なDMSOを除去するため、サンプルの透析を実行した。透析は、PEDOT:PSS/ポリマー/DMSOサンプルを透析チューブに入れることを含む。サンプルが入ったチューブを、蒸留水600mlを収容したビーカーに24時間入れて、PBS600mlを収容したビーカーに24時間入れた後、それぞれ1時間かかる一連のエタノール洗浄(30、50、70%、それぞれ600ml)を行い、最後にチューブを、PBS600mlを収容したビーカーに24時間入れた。その後、サンプルを透析チューブから除去し、PBSの浸入によってサンプルの粘度が減少する。
【0368】
【0369】
3B)ガラスバイアルで、PBS緩衝液(10x)を脱イオン水と10秒間激しく混合した。PEDOT:PSS溶液を加え、すぐに10秒以上激しく混合した。サンプルを入れたバイアルを密封し、90℃のオーブンに一定時間入れた。オーブンから取り出したサンプルを、室温で冷却させた。
【0370】
【0371】
[実施例4]
合成ポリマーを追加した二相注入可能電極のためのPEDOT:PSSトランスポーター相の製造
4A)1つ以上のポリマーをPEDOT:PSS溶液に溶解させながら、60℃で1時間攪拌した後、室温で4時間攪拌した。いくつかのサンプルでは、EGとGOPSを含む安定剤をPEDOT:PSS/ポリマー溶液に追加した。DMSOを溶液に加え、室温で24時間攪拌した。その後、溶液を60℃に設定したオーブンに移し、粘性のある混合物ができるまで定期的に混合した。サンプルを室温で少なくとも24時間放置した。
【0372】
過剰なDMSOは透析を使ってサンプルから除去した。透析とは、透析チューブをサンプルにロードし、一連の600ml洗浄を行うことを含む(蒸留水で24時間、PBSで24時間、30、50、70%を含む一連のエタノール洗浄を各1時間、PBSで24時間)。その後、サンプルは透析チューブからガラスバイアルに移された。
【0373】
【0374】
4B)メチルセルロースストックを調製するため、ガラスバイアルに水を加え、撹拌しながら90℃に加熱した。加熱した水にメチルセルロースを徐々に加え、完全に分散させた後15分間撹拌した。攪拌を続けながら、溶液を室温まで冷却した。その後、バイアルを密封し、氷浴に移して1時間静置した。その後、サンプルを入れたバイアルを冷蔵庫(4℃)に24時間入れた。
【0375】
トランスポーター相を作るために、メチルセルロースストックを室温でPBSと1分間混合した。PEDOT:PSS溶液を加え、完全に混合するまで撹拌した。
【0376】
【0377】
[実施例5]
二相注入可能電極の製造のための固体粒子とトランスポーター相との組み合わせ
5A)実施例3Aおよび実施例4Aにおける上記トランスポーター相のいずれかを、実施例1Aおよび実施例2Aにおける上記固体粒子のいずれかと混合して、二相注入可能電極を作ることができる。任意で、機械的特性を最適化するために、1種以上のポリマーをトランスポーター相に混合し、固体粒子を添加する前に、120℃に設定したオーブンで20分間加熱してもよい。この混合物に固体粒子を加える。
【0378】
【0379】
5B)実施例3Bおよび実施例4Bにおける上記トランスポーター相のいずれかを、実施例1Bおよび実施例2Bにおける上記固体粒子のいずれかと混合して、二相注入可能電極を作ることができる。
【0380】
ある場合では、二相性ゲル電極を製造するために、すべての実施例における上記トランスポーター相のいずれかを、すべての実施例における上記固体粒子のいずれかと混合してもよい。
【0381】
【0382】
[結果]
[実験1]
サンプルの静電容量と電荷注入特性
電荷注入のメカニズムは、Bio-Logic Instruments(フランス)のSP200ポテンショスタットを用いた3電極サイクリックボルタンメトリーによって評価した。装置の配置を
図5に示す。サンプル0.4gを作用電極とする。電解液は137mM NaCリン酸緩衝生理食塩水である。対極はA-002222プラチナ対極(Biologic Instruments、フランス)であって、外径0.5mm、長さ5cmを有する。これを電解液中に0.5mmの深さまで挿入し、対極と試料の間の距離が0.5mmになるようにする。測定は非通電の参照電極によって行われる。参照電極はRE-IB Ag/AgCI参照電極(Biologic Instruments、フランス)であって、外径は6mm、長さは80mmである。これを電解液中に0.5mmの深さまで挿入し、サンプルとの距離を0.5mmにする。参照電極は対極から物理的に離れている。サンプルは、作用電極、A-002222白金対極(Biologic Instruments、フランス)として使用され、外径0.5mm、長さ5cmのものを使用した。電位は+1~-1Vの間で500mVs
-1のスキャン速度で印加した。いずれの場合も、作用電極(サンプル)の面積は0.169cm
2であった。スキャン速度500mVs
-1でのサイクリックボルタンメトリー結果を
図2に示す。これらの結果からカソード電荷貯蔵容量を計算し、
図3に示した。
【0383】
[実験2]
機械的特性
サンプルの貯蔵弾性率は、「FIR-2 Discovery rheometer」(TA instruments社製)を用いて測定した。使用した平行平板の形状は20mmで、ギャップは500μmであった。設定浸漬時間180秒、温度37℃、周波数1.0Hzで、1サンプルあたり3回の振幅掃引試験を行った。振動ひずみが20%に達した時点でテストは終了した(当初の0.01%から)。G’の値は線形粘弾性領域から取られ、0.1%ひずみのデータ点に対応する。
【0384】
このデータから、サンプルは非常に柔らかく、貯蔵弾性率は低KPaの範囲にあることがわかる。いくつかのサンプルは、脳組織自体の剛性範囲(0.5~2KPa)に収まっている。測定されたサンプルはすべて、現在の臨床電極材料(通常数100GPaの範囲)よりも何桁も柔らかい(剛性が低い)。結果を
図4に示す。
【0385】
[実験3]
サンプル生体適合性
U251ヒトアストロサイト様細胞を、標準的な培養条件(10%ウシ胎児血清および100単位/mLペニシリン-ストレプトマイシンを添加した改変イーグル培地、すべてGibco、英国が供給)を用いて、24ウェルプレート(Corning、英国)に直接播種した。
図5の結果では、1ウェル当たり20,000細胞の播種密度を用いた。各ウェルにサンプル2A.5の0.7mmx0.1mmのディスクを2枚配置する前に、細胞を3時間接着させた。
図6では、1ウェル当たり50,000細胞の播種密度を用いて、細胞を24時間接着させた。直径3mmの粒子(サンプル1B.1およびサンプル2B.1)5個を適切なウェルに加え、サンプル3B.2を1ml適切なウェルに加えた。 サンプルは、細胞培養に理想的な環境と考えられる、サンプルディスクのないウェルプレートで培養された細胞からなる、細胞の健全性に関するポジティブコントロールと比較された。ネガティブコントロールも利用し、電極サンプルのないウェルプレートで細胞を増殖させたが、培地にはさらに、5%の濃度で細胞毒性活性が知られている化合物である5%ジメチルスルホキシドを添加した。細胞生存率は、レサズリン還元アッセイ(Alamar Blue(登録商標)、Thermofisher Scientific、英国)を用いて測定し、測定はメーカーの指示に従って行った。
図5では、培養24時間後、3日後、5日後、7日後で記憶したデータによって、4つの異なる実験を行った。
図6では、培養24時間後、3日後、7日後で記憶したデータによって、3つの異なる実験を行った。結果を
図5と
図6に示す。
【0386】
[ステートメント]
ステートメント1. 複数の固体粒子およびトランスポーター相を備え、固体粒子およびトランスポーター相の両方は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する、二相注入可能電極。
【0387】
ステートメント2. 固体粒子は、1.5mmの最大寸法を有する、ステートメント1に記載された二相注入可能電極。
【0388】
ステートメント3. 固体粒子は、ゲルから構成される、ステートメント1または2に記載された二相注入可能電極。
【0389】
ステートメント4. 固体粒子は、少なくとも90%v/vポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸を有する、ステートメント1から3のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0390】
ステートメント5. 固体粒子は、注入可能電極の60-85%v/vを占める、ステートメント1から4のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0391】
ステートメント6. トランスポーター相は、シアシニングゲルから構成される、ステートメント1から5のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0392】
ステートメント7. トランスポーター相は、粘土、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン、キサンタンガム、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、エチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸、シクロデキストリン、および/またはポリビニルアミンを有する、ステートメント1から6のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0393】
ステートメント8. ポリビニルアルコール、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、および/またはエチレングリコールを有する、ステートメント1から7のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0394】
ステートメント9. 二相注入可能電極の貯蔵弾性率は、振動レオメトリーが温度37℃、周波数1Hzで評価した場合、振動ひずみが0.1%で<2kPaである、ステートメント1から8のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0395】
ステートメント10. ファラデー反応を誘発することなく、容量性電荷転送方式下でヒト組織に±1Vを供給可能である、ステートメント1から9のいずれか1つに記載された二相注入可能電極。
【0396】
ステートメント11. 電気療法で使用する装置であって、ステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極と、対極と、プローブと、電荷供給装置と、を備える、装置。
【0397】
ステートメント12. 外科的切除後に、固形腫瘍の電気療法治療に使用するステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極。
【0398】
ステートメント13. 電気療法に使用するステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極。
【0399】
ステートメント14. ヒト等の恒温動物における外科的切除後に、多形神経膠芽腫を治療する方法であって、ステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極を有する動物に電気療法を提供することを含む、方法。
【0400】
ステートメント15. 治療は、化学療法および/または放射線療法と組み合わせて提供される、ステートメント12から14のいずれか1つに記載の方法、またはステートメント15に記載の方法。
【0401】
ステートメント16. a)ステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極と、
b)対極と、
c)プローブと、
d)電荷供給装置と、を有する、キット。
【0402】
ステートメント17. 軟組織に埋め込まれた複数の協働する電極を有する、電気療法の方法。
【0403】
ステートメント18. 少なくとも4つの電極を有する、ステートメント17に記載の電気療法の方法。
【0404】
ステートメント19. ステートメント1から10のいずれか1つに記載の二相注入可能電極と、白金、プラチナ合金、プラチナワイヤー、酸化イリジウム、プラチナイリジウム合金、カーボン、グラフェン、導電性ポリマーおよび/または導電性複合材を有する電極と、を備える、ステートメント17または18に記載の電気療法の方法。
【0405】
ステートメント20. 固形腫瘍の治療、脳深部刺激、脊髄刺激、末梢神経刺激、視力回復のための網膜インプラント、脳、脊髄、末梢神経を含む神経組織の再生、脳/脊髄/末梢神経のインタフェース形成(interfacing)、傷の治癒、感染症の治療(抗菌/抗ウイルス/抗真菌)、または薬剤供給/遺伝子治療の増強のための、ステートメント17から19のいずれか1つに記載の電気療法の方法。
【国際調査報告】