IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】フルオロポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 27/16 20060101AFI20240226BHJP
   C08L 71/00 20060101ALI20240226BHJP
   C09D 127/16 20060101ALI20240226BHJP
   C09D 127/12 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
C08L27/16
C08L71/00
C09D127/16
C09D127/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554787
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 EP2022055473
(87)【国際公開番号】W WO2022189266
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】21161877.2
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513092877
【氏名又は名称】ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ル グルチ, アン-シャルロット
(72)【発明者】
【氏名】コラドン, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】アブスレメ, ジュリオ ア.
【テーマコード(参考)】
4J002
4J038
【Fターム(参考)】
4J002BD141
4J002BD153
4J002BE043
4J002CH002
4J002CH012
4J002FD010
4J002FD020
4J002FD090
4J002GH00
4J002GJ02
4J002GL00
4J002GM00
4J002GQ00
4J002GQ01
4J002GQ05
4J038CD091
4J038CD111
4J038NA01
4J038NA11
4J038NA14
(57)【要約】
本発明は、ポリマー成分Aの90~100重量%の量での1種以上のフッ化ビニリデン(VDF)ホモポリマーから、且つ、任意選択的に、ポリマー成分Aの0~10重量%の量で存在している1種以上のVDFコポリマーからなるポリマー成分Aと、ポリマー成分Aの重量を基準として0.05~2重量%の量で、1種以上の(パー)フルオロポリエーテルからなる、ポリマー成分Bと、ポリマー成分Aの重量を基準として0.1~10重量%の量で、1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーからなる、ポリマー成分Cとを含むポリマー組成物に関する。本組成物は、容易に加工可能であり、且つ極めて高い機械的特性を高温で有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリマー組成物であって、
a)フッ化ビニリデン(VDF)ベースのポリマー成分A、
b)ポリマー成分Aの重量を基準として0.05~2重量%の量での、1種以上の(パー)フルオロポリエーテルからなる、ポリマー成分B、
c)ポリマー成分Aの重量を基準として0.1~10重量%の量での、1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーからなる、ポリマー成分C
を含み、
前記組成物が、前記ポリマー成分Aが前記ポリマー成分Aの90~100重量%の量で1種以上のフッ化ビニリデン(VDF)ホモポリマーから、且つ、任意選択的に、前記ポリマー成分Aの0~10重量%の量で存在する1種以上のVDFコポリマーからなり、前記1種以上のVDFコポリマーが、存在する場合、80~99モル%のVDFに由来する繰り返し単位と、1~20モル%のVDFとは異なるコモノマーに由来する繰り返し単位とを含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
成分A、B及びCの総量は前記組成物中に含有されるポリマーの総重量の少なくとも80%を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマー成分Aは、230℃で21.6Kgのピストン荷重下にASTM D-1238に従って測定されるように20未満、好ましくは10未満、より好ましくは8g/10分未満、更により好ましくは7g/10分未満、最も好ましくは5g/10分未満、及び少なくとも0.01、好ましくは少なくとも0.05、より好ましくは少なくとも0.1g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する請求項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
VDFとは異なる前記コモノマーは、フッ化ビニル(VF1),クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)、(パー)フルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルキルエチレン、(パー)フルオロジオキソール又はそれらの混合物から好ましくは選択される、フッ素化モノマーである請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、
(I)-CFX-O-(式中、Xは、-F又は-CFである);
(II)-CF-CFX-O-(式中、Xは、-F又は-CFである);
(III)-CF-CF-CF-O-;
(IV)-CF-CF-CF-CF-O-;
(V)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0及び1から選ばれる整数であり、Zは、本明細書で上のクラス(I)~(IV)の中から選ばれる1~10の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖である)
からなる群から選択される繰り返し単位を含む1種以上の(パー)フルオロポリエーテル
及びそれらの混合物
からなる請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、式(I):
-(CFX)-O-R-(CFX)p’-T (I)
[式中:
- Xのそれぞれは、独立して、F又はCFであり;
- 互いに等しいか若しくは異なる、p及びp’は、0~3の整数であり;
- Rは、
(i)-CFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(ii)-CFCFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(iii)-CFCFCFO-、
(iv)-CFCFCFCFO-、
(v)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0及び1から選ばれる整数であり、Zは、一般式-OR’Tの基であり、ここで、
-R’は、0~10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、前記繰り返し単位は、下記:
-CFXO-、-CFCFXO-、-CFCFCFO-、-CFCFCFCFO-
(各Xは、独立して、F又はCFである)の中から選ばれ;Tは、C~Cパーフルオロアルキル基、及びそれらの混合物である)
からなる群の中から選ばれる繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルキレン鎖であり;
- T及びTは、独立して、
i)H、
ii)ハロゲン原子、
iii)O、S、N及び/又はハロゲン原子の中から選ばれるヘテロ原子を任意選択的に含むC~C30末端基
から選択される]
に従う化合物を含む、且つ好ましくはそれらからなる請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、
(a)HO-CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH-OH(m’及びn’は、比m’/n’が一般に0.1~10、好ましくは0.2~5である、整数である);
(b)HO(CHCHO)CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH(OCHCHOH(m’及びn’は、比m’/n’が0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である、整数であり、nは、1~3の範囲である);
(c)HCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFH(m’及びn’は、比m’/n’が0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である、整数である);
(d)FCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFF(m’及びn’は、比m’/n’が0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である、整数である)
から選択される化合物を含む、且つ好ましくはそれらからなる請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
前記(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、
(a)HO-CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH-OH(m’及びn’は、比m’/n’が一般に0.1~10、好ましくは0.2~5である、整数である);
(b)HO(CHCHO)CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH(OCHCHOH(m’及びn’は、比m’/n’が0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である、整数であり、nは、1~3の範囲である)
から選択される化合物を含む且つ好ましくはそれらからなる請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマー成分Bを構成する前記1種以上の(パー)フルオロポリエーテルの重量平均分子量は、400~100000、好ましくは600~20000に含まれる請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマー成分Cは、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも7重量%、及び最大でも30重量%、好ましくは最大でも20重量%、より好ましくは最大でも13重量%の、
(i)式CF=CFORf1’(式中、Rf1’は、C~Cパーフルオロアルキルである)に従うパーフルオロアルキルビニルエーテル;
(ii)式CF=CFOX、(式中、Xは、1つ以上のエーテル基を有するC~C12パーフルオロオキシアルキルである)に従うパーフルオロ-オキシアルキルビニルエーテル;
(iii)C~Cパーフルオロオレフィン
からなる群の中から選ばれる少なくとも1種のフッ素化コモノマーに由来する繰り返し単位を含むTFEコポリマーから選択される1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーを含む且つ好ましくはそれからなる請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーは、
- 4~25モル%、好ましくは5~20重量%、最も好ましくは10~16モル%のPMVEに由来する繰り返し単位;及び
- 96~75モル%、好ましくは95~80、最も好ましくは90~84モル%のTFEに由来する繰り返し単位
から実質的になるTFE/PMVE(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ-メチルビニルエーテル)コポリマーから選択さされる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物であって、前記組成物がまた、
- セバシン酸ジブチル(DBS)、
- N-n-ブチルスルホンアミド、
- アセチルクエン酸トリ-n-ブチル、
- 少なくとも1500、及び5000を超えない分子量を有する、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸及びジオールから誘導される高分子ポリエステル
から好ましくは選択される1種以上の可塑剤を含み、
ここで、前記可塑剤が、好ましくは、前記ポリマー成分Aの1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~10重量%の量で存在する
組成物。
【請求項13】
請求項1~12に記載の熱可塑性ポリマー組成物の製造方法であって、ポリマー成分A、B及びCを、任意選択的に1種以上の可塑剤及び/又は他の任意選択の原料と混合する工程と、前記ポリマー成分A、B及びC並びに任意選択の原料を連続又は回分装置で溶融配合する工程とを含む方法。
【請求項14】
請求項1~12に記載の熱可塑性ポリマー組成物を含む物品であって、射出成形品、押出成形品、機械加工品、被覆物品又は注型品から好ましくは選択される物品。
【請求項15】
請求項14に記載の物品であって、コーティング、フィルム、膜、造形フィルム、ケーブル被覆材、パイプ、フレキシブルパイプ、中空体、フィッティング、ハウジングから選択される物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、EPO(ヨーロッパ特許庁)において2021年3月10日に出願された欧州特許出願第21161877.2号に対する優先権を主張するものである。この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、フッ化ビニリデン(1,1-ジフルオロエチレン、本出願では「VDF」と示される)をベースとする熱可塑性フルオロポリマー組成物に、前記熱可塑性フルオロポリマー組成物の製造プロセスに及び本発明のフルオロポリマー組成物を含む物品に関する。
【0003】
本発明の組成物は、とりわけ高温で高い機械抵抗を有し、並びに、同時に、成形して及び押し出して表面マーク又はクラックを含まない物品を形成することができる。
【背景技術】
【0004】
フルオロカーボン樹脂、特にフッ化ビニリデン樹脂は、広範囲内の温度での傑出した機械的特性、高温、有機溶媒に対する及び様々な化学的に浸食性の環境に対する良好な耐性を恵まれている。それらの特性のおかげで、それらは、押出又は射出成形によって物品を製造するために、例えばパイプ、チューブ、フィッティング、フィルム、コーティング、ケーブル被覆材、フレキシブルパイプ等を製造するために一般的に使用されている。
【0005】
これらのポリマーの機械的特性を更に改善するために、それらの分子量を上げることがよく知られている。これは、耐衝撃性、高い変形性(巻きを解く-巻き取るための)、高い耐熱性の観点から傑出した性能を要求する、例えば、沖合パイピングなどの、非常に要求の厳しい用途にこれらの材料を使用することを可能にする。したがって、高いモル質量(及びこうして高い溶融粘度)のフルオロポリマーが改善された機械的特性のために好ましいけれども、融解状態でのこれらの材料の加工は、より困難である。特に、押出及び成形プロセスにおいて、それらは、レオロジー問題を示し、押出中のエネルギー消費の増加及び適用されるより厳しい押出条件(ポリマーの熱分解の結果として生じるリスクあり)の主要因である。当業者に公知であるように、より高い分子量のポリマーは、一般に、融解状態においてより高い粘度を有するであろう。そのような高粘度溶融体から(押出又は射出成形によって)完成部品を生成する場合、クラック、シャークスキン、フィッシュアイ等のような表面欠陥が形成され得る。
【0006】
この発明は、したがって、溶融体の比較的低い粘度(したがって高い機械的特性、傑出した表面形態を持った完成部品をもたらす)を、とりわけ高温での極めて高い機械抵抗と組み合わせるフルオロポリマー組成物を提供することを目指している。
【0007】
Solvay Specialty Polymersからの国際公開第2007006645A1号パンフレット及び国際公開第2007006646A1号パンフレットは、VDFベースのホモポリマーとコポリマーとの混合物を含むポリマー組成物であって、コポリマーが、(パー)フルオロポリエーテル及びパー(ハロ)フルオロポリマーなどの加工用添加物と組み合わせて少なくとも25%である組成物を記載している。これらの公文書に記載された組成物は、良好な機械的特性を有し、且つ構造欠陥及び表面欠陥を含まない完成部品を得るために容易に加工することができる。
【0008】
しかしながら、最近、上記の材料の望ましい特性を維持しながら、高温、例えば130℃超の温度で更に改善された機械的特性にまた恵まれている材料に対する需要がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、熱可塑性ポリマー組成物であって、
a)フッ化ビニリデン(VDF)ベースのポリマー成分A、
b)ポリマー成分Aの重量を基準として0.05~2重量%の量での、1種以上の(パー)フルオロポリエーテルからなる、ポリマー成分B、
c)ポリマー成分Aの重量を基準として0.1~10重量%の量での、1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーからなる、ポリマー成分C
を含み、
組成物が、前記ポリマー成分Aがポリマー成分Aの90~100重量%の量で1種以上のフッ化ビニリデン(VDF)ホモポリマーから、及び、任意選択的に、ポリマー成分Aの0~10重量%の量で存在する1種以上のVDFコポリマーからなり、前記1種以上のVDFコポリマーが、存在する場合、80~99モル%のVDFに由来する繰り返し単位と、1~20モル%のVDFとは異なるコモノマーに由来する繰り返し単位とを含むことを特徴とする組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述のように、本発明は、3つのポリマー成分:A、B及びCを含む熱可塑性ポリマー組成物に関する。
【0011】
ポリマー成分Aは、ポリマー成分Aの総重量を基準として90~100重量%、好ましくは95~100重量%の量で1種以上のVDFホモポリマーから、及び、任意選択的に、ポリマー成分Aの総重量を基準として0~10重量%、好ましくは0~5重量%の量で1種以上のVDFコポリマーからなるVDFベースのポリマー成分であって、任意選択の1種以上のVDFのコポリマーが、存在する場合、80~99モル%のVDFに由来する繰り返し単位と、1~20モル%のVDFとは異なるコモノマーに由来する繰り返し単位とを含むポリマー成分である。
【0012】
言い換えれば、ポリマー成分Aは、1種以上のVDFホモポリマーからなるか、又は1種以上のVDFホモポリマーと1種以上のVDFコポリマー(VDFコポリマーは上記のとおり定義される)との混合物からなるかのどちらかであることができ、ここで、VDFコポリマーは、ポリマー成分Aの総重量を基準として10重量%以下、好ましくは5重量%以下を表す。
【0013】
用語VDF「ホモポリマー」は、本質的に全ての繰り返し単位がVDFに由来するポリマーを示す。当業者によって理解されるように、VDFホモポリマーは、VDFとは異なる非常に少量の繰り返し単位を更に含み得る。VDFとは異なる前記繰り返し単位は、これらがポリマーの特性に実質的に影響を及ぼすことなく、モノマー不純物に由来し得るか、或いは重合中に使用されたラジカル開始剤に又は連鎖移動剤に由来する鎖末端であり得る。本発明の目的のためには、VDFポリマーは、VDFとは異なる1モル%未満の繰り返し単位を含む場合、VDFホモポリマーと定義される。
【0014】
本発明のためには、ポリマー成分Aは1種以上のVDFホモポリマーだけからなることが好ましいが、上述したように、ポリマー成分Aはまた、ポリマー成分Aの総重量を基準として、10重量%以下、好ましくは5重量%以下の1種以上のVDFコポリマーを含み得る。
【0015】
本発明に好適なVDFコポリマーは、80~99モル%のVDFに由来する繰り返し単位と、1~20モル%のVDFとは異なる1種以上のコモノマーに由来する繰り返し単位とを含む。
【0016】
本発明のVDFコポリマーのためのコモノマーの選択は、特に限定されず、任意の含水素、部分フッ素化若しくは完全フッ素化コモノマーを使用することができる。
【0017】
好ましくは、VDFとは異なるコモノマーは、フッ素化コモノマーの中から、より好ましくはフッ化ビニル(VF1),クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)、(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(これらの中で式CF2=CFO-CFのパーフルオロメチルビニルエーテルが好ましい)、米国特許第5,597,880号明細書に記載されているような(パー)フルオロジオキソール、又はそれらの混合物の中から選択される。
【0018】
ポリマー成分Aのメルトフローインデックス(MFI)は、20未満、好ましくは10未満、より好ましくは8g/10分未満、更により好ましくは7g/10分未満、最も好ましくは5g/10分未満、及び少なくとも0.01、好ましくは少なくとも0.05、より好ましくは少なくとも0.1g/10分(230℃で21.6kgのピストン荷重下にASTM D-1238標準に従って測定されるときに)であるように好ましくは選択される。
【0019】
ポリマー成分Bは、1種以上の(パー)フルオロポリエーテルからなる。本発明との関連の中で、用語(パー)フルオロポリエーテルは、繰り返し単位(R1)を含むポリマーを意味することを意図し、前記繰り返し単位は、主鎖中に少なくとも1つのエーテル結合と少なくとも1個のフッ素原子とを含む(フルオロポリオキシアルケン鎖)。
【0020】
好ましくは、(パー)フルオロポリエーテルの繰り返し単位R1は、
(I)-CFX-O-(式中、Xは、-F又は-CFである);
(II)-CF-CFX-O-(式中、Xは、-F又は-CFである);
(III)-CF-CF-CF-O-;
(IV)-CF-CF-CF-CF-O-;
(V)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0及び1から選ばれる整数であり、Zは、本明細書で上のクラス(I)~(IV)の中から選ばれる1~10の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖である);
及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0021】
(パー)フルオロポリエーテルが、異なるタイプの繰り返し単位R1を含む場合、有利には前記繰り返し単位は、フルオロポリオキシアルキレン鎖に沿ってランダムに分布している。
【0022】
好ましくは、(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、本明細書で下の式(I):
-(CFX)-O-R-(CFX)p’-T (I)
[式中:
- Xのそれぞれは、独立して、F又はCFであり;
- 互いに等しいか若しくは異なる、p及びp’は、0~3の整数であり;
- Rは、
(i)-CFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(ii)-CFCFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(iii)-CFCFCFO-、
(iv)-CFCFCFCFO-
(v)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0及び1から選ばれる整数であり、Zは、一般式-OR’Tの基であり、ここで、
- R’は、0~10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、前記繰り返し単位は、下記:
-CFXO-、-CFCFXO-、-CFCFCFO-、-CFCFCFCFO-
(各Xは、独立して、F又はCFである)の中から選ばれ;Tは、
~Cパーフルオロアルキル基、及びそれらの混合物である)
からなる群の中から選ばれる繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルキレン鎖であり;
- T及びTは、独立して、
i)H、
ii)ハロゲン原子、
iii)O、S、N及び/又はハロゲン原子の中から選ばれるヘテロ原子を任意選択的に含むC~C30末端基
から選択される]
に従う化合物を含む且つ好ましくはそれらからなる。
【0023】
好ましくは、T及びTは、
(j)-Y’(ここで、Y’は、-H、-F、-Clなどの、ハロゲン、-CF、-C、-CFCl、-CFCFClなどの、C~C過ハロゲン化アルキル基の中で選ばれる鎖末端である);
(jj)-E-A-Y”(式中、k、r及びqは整数であり、q=0又は1、r=0又は1であり、kは1~4、好ましくは1~2であり、Eは、O、S、Nの中から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む官能性連結基を意味し、Aは、C~C20二価連結基を意味し;Y’’は、官能性末端基を意味する)
からなる群から選択される。
【0024】
官能基Eは、アミド、エステル、カルボン酸、チオカルボン酸、エーテル、ヘテロ芳香族、スルフィド、アミン、及び/又はイミン基を含み得る。
【0025】
官能性連結基Eの非限定的な例は、とりわけ、-CONR-(R=H、C~C15の置換若しくは非置換の線状若しくは環状脂肪族基、C~C15の置換若しくは非置換芳香族基である);-COO-;-COS-;-CO-;-O-;-S-;-NR’-(R=H、C~C15の置換若しくは非置換の線状若しくは環状脂肪族基、C~C15の置換若しくは非置換芳香族基である)などのヘテロ原子;N、O、S、互いに同じ若しくは異なるものの中で選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含有する5若しくは6員芳香族複素環、特に
【化1】
などの、トリアジンである。
【0026】
二価C~C20連結基Aは、好ましくは、以下のクラス:
1)ヘテロ原子をアルキレン鎖中に任意選択的に含有する、線状の置換若しくは非置換C~C20アルキレン鎖;好ましくは式-(CH-(mは、1~20の整数である)の部分を含み、並びにアミド、エステル、エーテル、スルフィド、イミン基及びその混合物を任意選択的に含む線状脂肪族基;
2)ヘテロ原子をアルキレン鎖中に又は環中に任意選択的に含有し、並びにアミド、エステル、エーテル、スルフィド、イミン基及びそれらの混合物を任意選択的に含む、(アルキレン)脂環式C~C20基又は(アルキレン)芳香族C~C20基;
3)特に、アミド、エステル、エーテル、スルフィド、イミン基及びそれらの混合物を任意選択的に含む、-CHCHO-、-CHCH(CH)O-、-(CHO-、-(CHO-から選択される繰り返し単位を含む、線状若しくは分岐ポリアルキレンオキシ鎖
から選択される。
【0027】
好適な官能基Y”の例は、とりわけ、-OH、-SH、-OR’、-SR’、-NH、-NHR’-NR’、-COOH、-SiR’3-d、-CN、-NCO、
【化2】
、そのようなものとして又は環状アセタール及びケタール(例えば、ジオキソラン又はジオキサン)としての1,2-及び1,3-ジオール、-COR’、-CH(OCH、-CH(OH)CHOH、-CH(COOH)、-CH(COOR’)、-CH(CHOH)、-CH(CHNH、-PO(OH)、-CH(CN)であり、ここで、R’は、1個以上のフッ素原子を任意選択的に含む、アルキル基、脂環式若しくは芳香族置換若しくは非置換基であり、Qは、OR’(R’は、上で定義されたものと同じ意味を有する)であり、dは、0~3の整数である。
【0028】
1つ以上の官能性末端基Y’’は、基A及び/又はEに連結させることができる:例えば、Aが(アルキレン)芳香族C~C20基である場合、2つ以上のY’’基を基Aの芳香環に連結させることが可能である。
【0029】
より好ましくは、本発明の(パー)フルオロポリエーテルは、本明細書で上の式(I)[式中、T及びTは、-H;-F及び-Clなどのハロゲン;-CF、-C、-CFCl、-CFCFClなどの、C~C過ハロゲン化アルキル基;-CHOH;-CH(OCHCHOH(nは、1~3の整数である);-C(O)OH;-C(O)OCH;-CONH-R-OSi(OC(ここで、Rは、C~C10アルキル基である);-CONHC1837;-CHOCHCH(OH)CHOH;-CHO(CHCHO)n*PO(OH)(1~3のnの);
【化3】

及びこれらの混合からなる群から選択される]に従う。
【0030】
最も好ましくは、(パー)フルオロポリエーテルポリマー成分Bは、
(a)HO-CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH-OH(m’及びn’は整数であり、ここで、比m’/n’は、0.1~10、好ましくは0.2~5である);
(b)HO(CHCHO)CHCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFCH(OCHCHOH(m’及びn’は整数であり、ここで、比m’/n’は、0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲であり、nは1~3の範囲である);
(c)HCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFH(m’及びn’は整数であり、ここで、比m’/n’は、0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である);
(d)FCFO(CFO)n’(CFCFO)m’CFF(m’及びn’は整数であり、ここで、比m’/n’は、0.1~10、好ましくは0.2~5の範囲である)
からなる群の中から選ばれる化合物を含む且つ好ましくはそれらからなる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、熱可塑性フルオロポリマー組成物は、本明細書で上のタイプ(a)及び(b)の中から選ばれる(パー)フルオロポリエーテルを含む。末端ヒドロキシル基の存在は、本発明の組成物の加工性にとって特に有益であることが分かった。
【0032】
(パー)フルオロポリエーテルの重量平均分子量は、好ましくは400~100000、より好ましくは600~20000に含まれる。
【0033】
本発明の(パー)フルオロポリエーテルは、米国特許第3,665,041号明細書に記載されているように、パー(ハロ)フルオロモノマーの光開始酸化的重合(光酸化反応)によってとりわけ製造することができる。典型的には、(パー)フルオロポリエーテル構造体は、3,000Å未満の波長での、UV照射下に、一般に、-40℃未満の、低温でのヘキサフルオロプロピレン及び/又はテトラフルオロエチレンと酸素との結合によって得ることができる。米国特許第3,847,978号明細書及び同第3,810,874号明細書に記載されているような末端基のその後の変換は、とりわけ、光酸化反応からの粗生成物に関して実施される。
【0034】
上で記載されたようなタイプ(a)、(b)、(c)、及び(d)の(パー)フルオロポリエーテルは、とりわけ、FOMBLIN(登録商標)ZDOL、FOMBLIN(登録商標)ZDOL TX、H-GALDEN(登録商標)及びFOMBLIN(登録商標)Z又はFOMBLIN(登録商標)MとしてSolvay Solexis S.p.A.から入手可能である。
【0035】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物中のポリマー成分Bの量は、ポリマー成分Aの重量を基準として、0.05%~2重量%、好ましくは0.06%~1.5重量%、より好ましくは0.07%~1重量%、最も好ましくは0.1%~0.8重量%である。
【0036】
ポリマー成分Cは、1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーからなる。本発明の目的のためには、用語「パー(ハロ)フルオロポリマー」は、水素原子を実質的に含まないフルオロポリマーを意味することを意図する。パー(ハロ)フルオロポリマーは、1つ以上の他のハロゲン原子(Cl、Br、I)を更に含むことができる。
【0037】
用語「水素原子を実質的に含まない」は、パー(ハロ)フルオロポリマーが、少なくとも1個のフッ素原子を含み、且つ水素原子を含まないエチレン系不飽和モノマー(パー(ハロ)フルオロモノマー)から調製されることを意味すると理解される。当業者によって理解されるように、パー(ハロ)フルオロポリマーは、これらがポリマーの特性に実質的に影響を及ぼすことなく、モノマー不純物に由来し得るか、或いは重合中に使用されたラジカル開始剤に又は連鎖移動剤に由来する鎖末端であり得る水素原子を含有する非常に少量の繰り返し単位を更に含み得る。
【0038】
パー(ハロ)フルオロポリマーは、パー(ハロ)フルオロモノマーのホモポリマー、又は2種以上のパー(ハロ)フルオロモノマーに由来する繰り返し単位を含むコポリマーであり得る。
【0039】
好適なパー(ハロ)フルオロモノマーの非限定的な例は、とりわけ:
- テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロペンなどの、C~Cパーフルオロオレフィン;
- クロロトリフルオロエチレンのような、クロロ-及び/又はブロモ-及び/又はヨード-C~Cフルオロオレフィン;
- 一般式CF=CFORf3(式中、Rf3は、-CF、-C、-Cなどの、C~Cパー(ハロ)フルオロアルキルである)に従うパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル;
- CF=CFOX01パー(ハロ)フルオロ-オキシアルキルビニルエーテル(式中、X01は、パーフルオロ-2-プロポキシ-プロピル基のような、1つ以上のエーテル基を有するC~C12パー(ハロ)フルオロオキシアルキルである);
- 一般式CF=CFOCFORf4(式中、Rf4は、-CF、-C、-Cなどの、C~C若しくはパー(ハロ)フルオロアルキル、又は1つ以上のエーテル基を有するC~Cパー(ハロ)フルオロオキシアルキル、-C-O-CFである)に従うパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル;
- 式CF=CFOY01(式中、Y01は、C~C12パー(ハロ)フルオロアルキル、又は1つ以上のエーテル基を有するC~C12パー(ハロ)フルオロオキシアルキルであり、Y01は、カルボン酸又はスルホン酸基を、その酸、酸ハロゲン化物又は塩形態で含む)に従う官能性パー(ハロ)フルオロ-オキシアルキルビニルエーテル;
- パー(ハロ)フルオロジオキソール
である。
【0040】
本発明による組成物において有用なパー(ハロ)フルオロポリマーの好適な例は、とりわけ、TFEコポリマー及びCTFEコポリマーである。
【0041】
好ましいパー(ハロ)フルオロポリマーは、とりわけ、TFEコポリマーである。
【0042】
好ましい実施形態において、前記ポリマー成分Cは、
(i)式CF=CFORf1’(式中、Rf1’は、C~Cパーフルオロアルキル、例えばCF、C、Cである)に従うパーフルオロアルキルビニルエーテル;及び/又は
(ii)式CF=CFOX(式中、Xは、パーフルオロ-2-プロポキシ-プロピルのような、1つ以上のエーテル基を有するC~C12パーフルオロオキシアルキルである)に従うパーフルオロ-オキシアルキルビニルエーテル;及び/又は
(iii)ヘキサフルオロプロピレンなどの、C~Cパーフルオロオレフィン
からなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素化コモノマーに由来する少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも7重量%、及び最大でも30重量%、好ましくは最大でも20重量%、より好ましくは最大でも13重量%の繰り返し単位を含むTFEコポリマーから選択される1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーを含む且つ好ましくはそれからなる。
【0043】
好適なTFEコポリマーは、例えばTFE/PAVEポリマーである。これらのポリマーは、本業界ではPFA及びMFAポリマーとして公知であり、例えば、ブランド名Hyflon(登録商標)でSolvay Specialty Polymersによって商品化されている。そのようなポリマーは、文献に記載されている公知の重合技術を用いて製造することができる。例えば、両方ともSolvay Specialty Polymersによる、欧州特許第633274B1号明細書及びPCT出願国際公開第2016096961号パンフレットを参照されたい。
【0044】
一般に、ポリマー成分Cとして本発明に使用するためのポリマーは、加圧反応器中で乳化重合技術及び/又は懸濁重合技術を用い、そのような反応器中にモノマーを供給し、ラジカル開始剤を使用して重合を開始する、水性重合媒体中で調製することができる。フッ素化界面活性剤及び/又は非フッ素化界面活性剤などの界面活性剤が、エマルジョンを安定させるのに役立つために重合中に使用され得る。従来の連鎖移動剤も、ポリマーの分子量及び粘度を制御するために使用され得る。
【0045】
典型的には、本発明に好適なポリマーの調製はエマルジョンで行われ、結果として生じた材料は、ラテックスの形態で水性媒体中に微細分散したポリマーである。後続の処理のために、ポリマーは、公知の技術(例えば、凍結による凝固など)を用いて、ラテックスから抽出される。抽出されたポリマーは、脱塩水で洗浄され、残留水分を除去するために高温(例えば150.160℃)で乾燥させられる。
【0046】
良好な結果は、フッ素化コモノマーがC-Cパーフルオロオレフィン及び/又は上で明記されたようなパーフルオロアルキルビニルエーテルであるTFEコポリマーで得られ;特に良好な結果は、フッ素化モノマーがヘキサフルオロプロピレン及び/又はパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)(式CF=CFOCFの)であるTFEコポリマーで達成された。
【0047】
パー(ハロ)フルオロポリマーが、フッ素化コモノマーが上で明記されたようなパーフルオロアルキルビニルエーテルであるTFEコポリマーである場合、前記TFEコポリマーは、280℃の温度で有利には最大でも100Pa×秒、好ましくは最大でも50Pa×秒、より好ましくは最大でも30Pa×秒、最も好ましくは最大でも10Pa×秒の1s-1のせん断速度での動的粘度を有する。
【0048】
動的粘度は、変形歪みをサンプルに加えるためのアクチュエータ及び試料内に発現した合応力を測定するための分離型トランスデューサを用い、平行板固定具(parallel plate fixture)を用いる、制御歪みレオメーターで典型的には測定される。
【0049】
本発明のある実施形態によれば、本発明のパー(ハロ)フルオロポリマーは、
- 4~25モル%、好ましくは5~20重量%、最も好ましくは10~16モル%のPMVEに由来する繰り返し単位と;
- 96モル%~75モル%、好ましくは95~80,最も好ましくは90~84モル%のTFEに由来する繰り返し単位と
から実質的になるテトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル(TFE/PMVE)コポリマーから選択される。
【0050】
好ましくはポリマー成分Cは溶融加工可能である。
【0051】
本発明の目的のためには、用語「溶融加工可能な」とは、ポリマー成分Cが、従来の溶融押出、射出又はキャスティング手段によって加工することができる(すなわち、フィルム、繊維、チューブ、電線被覆等の造形品に二次加工することができる)ことを意味する。そのようなことは、典型的には、変形歪みをサンプルに加えるためのアクチュエータ及びサンプル内に発現した合応力を測定するための分離型トランスデューサを用い、及び平行板固定具を使用する、応力制御型レオメーターで測定される場合に、1s-1のせん断速度及び融点を約30℃超える温度で、好ましくはTm2+(30±2℃)の温度での動的粘度が10Pa×s未満のものであることを要求する。
【0052】
融点(Tm2としての)は、ASTM D 3418に従って、10℃/分の加熱速度でDSCによって測定される。
【0053】
ポリマー成分Cが溶融加工可能である場合、それは、2,000Pa×s未満の、より好ましくは700Pa×s未満の上で明記された条件下で1s-1のせん断速度での動的粘度を有する。
【0054】
ポリマー成分Cが溶融加工可能である場合、ポリマー成分Cのメルトフローインデックスとポリマー成分Aのメルトフローインデックスとの比は、有利には少なくとも5、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20である。
【0055】
ポリマー成分Cのメルトフローインデックスは、ASTM試験No.1238に従って測定される。
【0056】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物中のポリマー成分Cの量は、ポリマー成分Aの0.1%~10重量%、好ましくは0.2%~8重量%、より好ましくは0.3%~5重量%、最も好ましくは0.5%~4重量%である。
【0057】
末端鎖、不純物、欠陥及び少量の他のコモノマーは、これらがポリマー成分の特性に実質的に影響を及ぼすことなしに、ポリマー成分A、B及びC中に存在し得る。
【0058】
本発明の組成物は、任意選択的に、可塑剤を含み得る。本発明の組成物に好適な可塑剤は、フルオロポリマー用の通常の単量体又は高分子可塑剤から選ばれ得る。
【0059】
米国特許第3541039号明細書(PENNWALT CORP)に記載されている可塑剤及び米国特許第4584215号明細書(INST FRANCAIS DU PETROL)に記載されているものが、本発明の組成物に好適である。
【0060】
可塑剤は、上で定義された本発明の組成物にいかなる困難もなしに組み入れられ、とりわけ低温での、それらの衝撃強度が有利に改善される組成物を生成する。言い換えれば、可塑剤は、発明組成物から製造された最終部品の低温挙動を、とりわけこれらの部品が極端な動作温度に供される場合に、改善するために本発明の組成物に有利に使用することができる。
【0061】
単量体可塑剤の中で、とりわけ、セバシン酸ジブチル(DBS)、N-n-ブチルスルホンアミド、式
【化4】
のアセチルクエン酸トリ-n-ブチル
及び式:
【化5】
のアジピン酸ジブトキシエチルを挙げることができる。
【0062】
本発明との関連内で特に有利であることがそれ自体示されている可塑剤は、DBS:
(C-OOC-(CH-COO-C
である。
【0063】
高分子可塑剤の中に、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸及びジオール、並びにそれらの混合物から誘導されるものなどの高分子ポリエステルを挙げることができるが、それらの分子量は、少なくとも約1500、好ましくは少なくとも1800であり、及び約5000を超えず、好ましくは2500未満であるという条件にて、である。過度に高い分子量のポリエステルは、実際には、より低い衝撃強度の組成物をもたらす。
【0064】
本発明の組成物が可塑剤を含む場合、可塑剤の量は、ポリマー成分Aの好ましくは1%~20重量%、より好ましくは2%~10重量%である。
【0065】
任意選択的に、上記の組成物は、顔料、充填材、導電性粒子、平滑剤、離型剤、熱安定剤、帯電防止剤、増量剤、補強剤、TiO2のような有機及び/又は無機顔料、カーボンブラック、MgOなどの、酸捕捉剤、難燃剤、煙抑制剤等を更に含むことができる。
【0066】
充填材の非限定的な例として、マイカ、アルミナ、タルク、カーボンブラック、ガラス繊維、炭素繊維、繊維の又は粉末の形態のグラファイト、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、高分子化合物等が挙げられ得る。
【0067】
組成物に有用な顔料は、下記:Whittaker,Clark & Daniels、South Plainfield、New Jersey,USAから入手可能な二酸化チタン;Shepard Color Company,Cincinnati,Ohio,USAから入手可能なArtic blue #3、Topaz blue #9、Olympic blue #190、Kingfisher blue #211、Ensign blue #214、Russet brown #24、Walnut brown #10、Golden brown #19、Chocolate brown #20、Ironstone brown #39、Honey yellow #29、Sherwood green #5、及びJet black #1;Ferro Corp.,Cleveland,Ohio,USAから入手可能なblack F-2302、blue V-5200、turquoise F-5686、green F-5687、brown F-6109、buff F-6115、chestnut brown V-9186、及びyellow V-9404並びにEnglehard Industries,Edison,New Jersey,USAから入手可能なMETEOR(登録商標)顔料の1種以上をとりわけ含むか、又は含むであろう。
【0068】
ポリマー成分A、B及びCの総量は本発明の熱可塑性組成物中に含有されるポリマーの総量の少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量を構成することが好ましい。
【0069】
本発明の別の態様は、上記の本発明の熱可塑性フルオロポリマー組成物の製造プロセスであって、ポリマー成分A、B及びCを、任意選択的に1種以上の可塑剤及び/又は任意選択の原料と混合する工程を含む前記プロセスに関する。
【0070】
溶融配合は、連続又は回分装置で行うことができる。そのような装置は、当業者に周知である。
【0071】
本発明の熱可塑性フルオロポリマー組成物を溶融配合するために好適な連続装置の例は、とりわけスクリュー押出機である。この場合に、ポリマー成分A、B及びC並びに他の任意選択の原料は、押出機において供給され、熱可塑性フルオロポリマー組成物は押し出される。好ましくは、押出機は、二軸スクリュー押出機である。本発明のプロセスに良く適合した好適な押出機の例は、Werner and Pfleidererから及びFarrelから入手可能なものである。
【0072】
この操作方法は、例えば、中空体、パイプ、積層体、カレンダー(calendared)物品などの完成製品を製造することを目的として、又は完成品へのその後の変換を容易にする、ペレットの形態で好適な割合で、所望の組成物、任意選択的に添加剤及び充填材を含有する利用可能な顆粒を有することを目的としてまた適用することができる。この後者の目的では、本発明の熱可塑性フルオロポリマー組成物は、有利には、ストランドへと押し出され、ストランドはペレットへと切り刻まれる。
【0073】
本発明の熱可塑性フルオロポリマー組成物は、射出成形、押出、熱成形、機械加工、及びブロー成形のための標準方法に従って加工することができる。
【0074】
更に本発明の目的は、上記のような又上記のようなプロセスによって得られる熱可塑性フルオロポリマー組成物を含む物品である。
【0075】
有利には、物品は、射出成形品、押出成形品、機械加工品、被覆物品又は注型品である。
【0076】
物品の非限定的な例は、コーティング、フィルム、膜、造形フィルム、ケーブル被覆材、パイプ、フレキシブルパイプ、中空体、フィッティング、ハウジングである。
【0077】
好ましくは、物品はパイプである。本発明によるパイプは、有利には、熱可塑性フルオロポリマー組成物を含む少なくとも1つの層を含む。
【0078】
本発明の物品は、有利には、石油・ガス産業で応用することができる。石油分野用途向けの物品には、ショックチュービング、封入された注入管材料、被覆ロッド、被覆制御ケーブル、油井穴ケーブル、フレキシブルフローライン及びライザーが含まれる。
【0079】
本発明の物品の特定の例は、油田で設備間の回収流体の輸送のために、及び海面に配置された設備と海面下に配置された設備との間のプロセス液体の輸送のために石油産業においてとりわけ使用される、補強フレキシブルパイプによって提供される。本発明の補強フレキシブルパイプは、典型的には、本発明の組成物を含む、好ましくはそれから実質的になる少なくとも1つの層を含む。本発明の補強フレキシブルパイプは、本発明の組成物を含む(好ましくはそれから実質的になる)1つ又は2つ以上の層を含み得る。
【0080】
上述の補強フレキシブルパイプの普通形は、一般に、本発明の組成物を含むタイトな内側バリア層を有し、その内側上に、カーカスと呼ばれることが多い、崩壊抵抗層が配置され、その目的は、外圧衝撃のために内側バリア層が崩壊するのを防ぐことである。
【0081】
1つ以上の荷重支持補強層が、内側崩壊抵抗層及び内側ライナー上で外側に配置される。これらの荷重支持補強層は、時として、圧力補強層、張力補強層又はクロス補強層とも言われる。これらの層は、本明細書では以下、「外側補強層」と呼ばれる。一般に、外側補強層は、互いの最上部上に配置された2つの層からなり、ここで、内側ライナーに最も近い層は、それがパイプにおける半径方向の力を吸収するような性質のもの(圧力補強層)であり、一方、上を覆う補強層は、主に、パイプにおける軸方向の力を吸収するような性質のもの(張力補強層)である。最後に、外側補強層は、外部でその上に、外側補強層が環境に自由に曝されるのを避ける及び断熱を確実にするタイトなジャケット又は外部流体バリアを配置していてもよい。また、前記外部流体バリアは、本発明の組成物を含み得る。
【0082】
本発明の物品はまた、CPI(化学プロセス工業)市場に特に好適であり、ここで、典型的には、
- 本発明の組成物を含む耐腐食性内張りは、粉体塗装、シート内張り、押し出し内張り、回転内張り又は他の標準的な技法によって適用することができる;
- 本発明の組成物を含む膜は、様々な程度の多孔性で及び水精製、食料品脱水、化学物質の濾過等において使用するための製造方法で製造することができる;
- 上で記載されたような組成物を含むパイプ、バルブ、ポンプ及びフィッティングは、優れた耐温度性及び耐化学薬品性が要求される場合に化学プロセス装置において使用することができる。小さいピースは、本発明の組成物で完全に経済的に製造することができる。押し出された又は成形された構成部品には、チューブ、パイプ、ホース、カラムパッキング、ポンプ、バルブ、フィッティング、ガスケット、及びエクスパンジョンジョイントが含まれる。
【0083】
また、本発明の物品は、有利にも、ビルディング及びアーキテクチャ用途に好適であり;このドメインにおいて、典型的には:
- 本発明の組成物を含むフレキシブル波形導管は、有利にも、SO2及び住宅煙突の煙道における燃焼の他の生成物からの腐食を防ぎ;
- 本発明の組成物を含むパイプ及びフィッティングは、有利にも、長寿命の温水サービスを提供する。
【0084】
更に、本発明の物品は、有利にも、半導体産業で応用することができ、ここで、本発明の組成物は、例えば、ウェットベンチ及びウェハー加工装置における構造材料として日常的に使用される強い、頑丈な、高純度材料として機能することができる。同じ分野で、本発明の組成物はまた、耐火性のウェットベンチの構築に好適である。
【0085】
選択されたVDFホモポリマーに富んでいるVDFポリマーベースを、加工助剤として機能する少量の選択された(パー)フルオロポリエーテル及びパー(ハロ)フルオロポリマーの添加と一緒に組み合わせる本発明の組成物中の成分の特定の組合せは、組成物を穏和な温度条件下で加工すること並びに傑出した表面形態及び良好な均質性及び一貫性を持った最終部品であって、クラック若しくはマーク又は表面欠陥を含まない最終部品をもたらすことを可能にする優れたレオロジー挙動と組み合わせて、150℃などの高温でとりわけ傑出した機械的特性を有するポリマー材料を得ることを可能にする。
【0086】
低温及び高温の両方での容易な加工性と機械的特性との傑出した組合せは、本発明の組成物及び物品を、例えば、石油・ガス採取用のパイピングなどの高温への暴露が要求される用途向けに特に好適なものにする。
【0087】
参照により本明細書に援用される任意の特許、特許出願、及び刊行物の開示が、ある用語を不明確にし得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0088】
本発明は、これから、以下の実施例に関連してより詳細に記載されるが、その目的は単に例示的であり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例
【0089】
DSC
示差走査熱量測定法(DSC)測定は、ASTM D3418に従って10℃/分の加熱速度で行った。
【0090】
MFI:試験材料のメルトフローインデックスは、230℃で21.6kgのピストン荷重下にASTM D-1238標準に従って測定した。
【0091】
機械的特性:引張試験(弾性率、降伏応力及び破断時歪み)は、ASTM D638タイプIVに従って23℃及び150℃でMPa単位で測定した。
【0092】
原材料:
ポリマー成分A:VDFポリマー
Solef(登録商標)6015、3~4g/10分(230℃/21.6kg)のMFIを有する、Solvay Specialty Polymersから入手可能なVDFホモポリマー。
Polymer1は、Solvay Specialty Polymersから入手可能な、16%のHFPを含む且つ3~4g/10分(230℃/21.6kg)のMFIを有するVDF-HFPコポリマーである。
【0093】
ポリマー成分B:
以下の一般式に従ったフルオロポリマー:
HO-CH2CF2O-(CF2O)q(CF2CF2O)p-CF2CH2-OH
ここで:
【0094】
【表1】
【0095】
ポリマー成分C:
溶融加工可能なパーフルオロポリマーT:
次のとおり調製されたテトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロメチルビニルエーテル(PVME)コポリマー:
500rpmで作動する攪拌機を備えた22リットルのAISI 316オートクレーブをパージし、以下の原料:
- 14.5lの脱塩水
- 127gのマイクロエマルジョン:
式:
CFO-(CFCF(CF)O)(CFO)-CF
(ここで、m/n=20及び450の平均分子量)
を有する、20重量%のGALDEN(登録商標)D02
式:
Cl-(CO)-(CFCF(CF)O)m1-(CF(CF)O)-(CFO)n1-CFCOO-NH
(ここで、n1=1.0%m1、q=9.1%m1及び550の平均分子量)
を有する30重量%の界面活性剤;
Oによって形成される残りの部分
によって形成される
を導入した。
【0096】
オートクレーブを真空にし、次いで75℃の反応温度に加熱した。次いでエタンを、2.0barのデルタ圧力で連鎖移動剤として装入し、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を6.3barのデルタ圧力で装入し、その後13モル%のMVEを含有するTFE/PMVE混合物を供給して21絶対Barの反応圧力を得た。
【0097】
重合は、14.5gの過硫酸アンモニウム(APS)を1リットルの脱塩水に溶解させることによって得られた、315mlのAPS溶液を導入することによって開始した。
【0098】
13モル%のPMVEを含有するモノマー混合物TFE/PMVEを供給することによって反応圧力を一定に保った。290分の反応後に、重合を停止し、反応器を室温に冷却し、残留圧力を解除した。
【0099】
0.329重量%の固形分を含有するラテックスを排出し、HNOで凝固させ、次いでポリマーを分離し、脱塩水で洗浄し、120℃で約16時間オーブン中で乾燥させた。
得られたポリマーは、280℃で及び1s-1のせん断速度で5Pa×sの動的粘度、205.9℃のTm2、ΔH2f=6.279J/gを有し、13モル%のPMVE及び87モル%のTFEからなる。
【0100】
可塑剤:
DBS:式(C4H9-OOC-(CH2)8-COO-C4H9)のセバシン酸ジブチル。
【0101】
調製実施例
実施例1:
比97/3wt/wtのVDFポリマーSOLEF(登録商標)6015とPolymer1との混合物を形成し、0.35重量%のフルオロポリエーテルF、0.77重量%のパーフルオロポリマーT及び2重量%のDBS可塑剤(VDFポリマーの総重量を基準とする重量%)と混合した。粉末を、Henschelミキサーで混合し、6つの温度帯及び4mmの2穴ダイを備えた、二軸スクリュー30-34押出機(LEISTRITZ)でペレット化した。
ペレット形態でこうして得られた組成物を、次いで、寸法25×5mmのヘッドのBrabender一軸スクリュー押出機を用いて溶融させ、押し出して2mm厚さ及び25mmの幅のテープを製造した。温度プロファイル及び押出パラメータを以下の表に報告する。
【0102】
【表2】
【0103】
押し出しテープは、目に見えるクラック及び又は表面欠陥なしの滑らかな表面を有する。
【0104】
実施例2:
DBS可塑剤が存在しない、及びパーフルオロポリマーTを1.2重量%で使用することを除いては、実施例1の同じ組成及びプロセス。
押し出しテープは、目に見えるクラック及び又は表面欠陥なしの滑らかな表面を有する。
【0105】
実施例3:
SOLEF(登録商標)6015とPolymer1とのブレンドが92/8wt/wtの比においてであることを除いては、実施例2の同じ組成及びプロセス。
押し出しテープは、目に見えるクラック又は表面欠陥なしの滑らかな表面を有する。
【0106】
実施例4:
ブレンドの代わりに、ただ一つのSOLEF(登録商標)6015ホモポリマー(100重量%)を使用することを除いては、実施例2の同じ組成及びプロセス。
押し出しテープは、目に見えるクラック及び又は表面欠陥なしの滑らかな表面を有する。
【0107】
実施例5(比較):
SOLEF(登録商標)6015とPolymer1とのブレンドが80/20wt/wtの比においてである及び0.36重量%のフルオロポリエーテルFを添加することを除いては、実施例2の同じ組成及びプロセス。
押し出しテープは、目に見えるクラック及び又は表面欠陥なしの滑らかな表面を有する。
【0108】
実施例1~5の試験:
機械的特性は、押し出しバンドからの検体に関して評価し、23℃で及び150℃でASTM D638に従って測定した。データを下の表3に与える:
【0109】
【表3】
【0110】
実施例1~5に関するデータは、いかに本発明によるサンプルが対照サンプルと類似した25℃での降伏応力及び破断時歪みを有するが、それらが150℃でこれらの特性に関して予想外にもはるかにより高い値を有するかを示す。弾性率は、全体にわたって対照よりも概して高いように思われ、実施例1を比較例5と比較すると、いかに概して、25℃で匹敵する弾性率を有する材料から出発して、本発明による材料が150℃で予期されるよりも高い弾性率を意外にも有するかを知ることができる。
【0111】
実施例6:
ポリマーSOLEF(登録商標)6015を、0.35重量%のフルオロポリエーテルF及び0.77重量%のパーフルオロポリマーT(VDFポリマーの総重量を基準とする重量%)と混合した。粉末をロータリーブレンダーで混合し、実施例1~5に関するようにペレットで押し出した。
【0112】
実施例7(c)
実施例6におけるようなペレットでの組成物であって、フルオロポリエーテルFが不在であり、その量が等量のパーフルオロポリマーTで置き換えた組成物を調製した。この組成物においてPolymer SOLEF(登録商標)6015を1.12重量%のパーフルオロポリマーT(VDFポリマーの総重量を基準とする重量%)と混合した。
【0113】
サンプル6及び7(比較)の試験:
16gの実施例6及び実施例7cのペレットを、230℃で20分間マイクロ配合機Xploreに入れて様々なrpmで2つの組成物の加工性を検証した。測定される力は、組成物を溶融配合するために、例えばそれを押し出すときに必要とされるエネルギーの指標であり、測定の最後の2分中に記録された力の平均値である。データを下の表4に与える:
【0114】
【表4】
【0115】
表4のデータは、フルオロポリエーテルFが組成物においてパーフルオロポリマーTと組み合わせて使用されるときに力の明らかな減少を示す。1種以上の(パー)フルオロポリエーテル及び1種以上のパー(ハロ)フルオロポリマーの両方を含む、本発明による組成物はまた、一般的な押出条件を用いてより容易に加工可能であるという利点を有する。
【国際調査報告】