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  • 特表-航空機の航空推進システム 図
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】航空機の航空推進システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 35/08 20060101AFI20240226BHJP
   F16D 9/06 20060101ALI20240226BHJP
   F16D 1/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B64D35/08
F16D9/06
F16D1/00 210
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554836
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2022056193
(87)【国際公開番号】W WO2022194669
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021202487.4
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523306553
【氏名又は名称】エアバス ヘリコプターズ テヒニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リツバ,ヨルク
(57)【要約】
本発明は、2つのエンジン4、5がそれぞれエンジン4の一方により回転駆動可能である連結シャフト10、11を備える航空機の航空推進システムであって、連結シャフト10、11の両方の相互に向かい合う端部が回転駆動可能に互いに連結されている又は互いに連結可能である航空推進システムに関する。連結シャフト10、11の両方は、連結シャフト10、11の相互に向かい合う端部の一方に開閉式継手8を介して回転駆動可能に相互に向かい合う端部を介して連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのエンジン(4、5)がそれぞれ前記エンジン(4)の一方により回転駆動可能である連結シャフト(10、11)を備える航空機の航空推進システムであって、
前記連結シャフト(10、11)の両方の相互に向かい合う端部が、回転駆動可能に互いに連結されている又は互いに連結可能であり、
前記連結シャフト(10、11)の両方が、前記連結シャフト(10、11)の前記相互に向かい合う端部の一方に開閉式継手(8)を介して回転駆動可能に前記相互に向かい合う端部を介して連結されている、航空推進システム。
【請求項2】
一方の前記連結シャフト(10)の一端が、前記開閉式継手(8)にギアボックスユニット(7)を介して回転駆動可能に連結されており、
前記開閉式継手(8)が、第2の前記連結シャフト(11)の一端に回転駆動可能に連結されている、請求項1の航空推進システム。
【請求項3】
一方の前記連結シャフト(11)に作用する所定のトルクを上回るときに開く過負荷保護素子(9)が、前記一方の連結シャフト(11)の前記一端と前記ギアボックスユニット(7)又は前記継手(8)との間に配置されている、請求項1の航空推進システム。
【請求項4】
前記継手(8)及び/又は前記ギアボックスユニット(7)及び/又は前記過負荷保護素子(9)が、構造ユニット(6)を形成する、請求項1の航空推進システム。
【請求項5】
前記継手(8)及び前記ギアボックスユニット(7)及び、該当する場合に前記過負荷保護素子(9)が、前記航空機の胴体の翼の中央に又は前記胴体の領域の翼構造内に配置されている、請求項1の航空推進システム。
【請求項6】
前記2つの連結シャフトが、互いに対して同軸に配置されている、請求項1の航空推進システム。
【請求項7】
前記2つの連結シャフト(10、11)が、互いに対する同軸性から逸脱するように延在する、請求項2の航空推進システム。
【請求項8】
前記ギアボックスユニット(7)が、ベベルギアユニットである、請求項7の航空推進システム。
【請求項9】
前記過負荷保護素子(9)が、せん断ボルトである、請求項3の航空推進システム。
【請求項10】
前記航空機の補助供給装置が、前記ギアボックスユニットにより駆動可能である、請求項2の航空推進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、2つのエンジンを有する航空機の航空推進システムであって、エンジンがそれぞれ一方のエンジンにより回転駆動可能である連結シャフトを備え、連結シャフトの両方の相互に向かい合う端部が回転駆動可能に互いに連結されている又は互いに連結可能である航空推進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] このタイプの航空推進システムがEP0448672B1から知られている。これに関連して、航空機の補助供給装置が、連結シャフト間のギアボックスアセンブリによって駆動可能である。航空機は、例えば連結シャフトにより互いに連結される2つのエンジンを有する飛行機である場合がある。しかしながら、本発明は有利なことに、連結シャフトによって互いに連結される2つのエンジンを有する回転翼航空機で使用されることもある。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明の目的は、複数の運転モードを可能にし、コンポーネント要件が低いより高い運転安全性をもたらす上記のタイプの航空推進システムを提供することである。
【0004】
[0004] 本発明によれば、この目的は、2つの連結シャフトがその相互に向かい合う端部によって回転駆動可能に開閉式継手を介して連結シャフトの相互に向かい合う端部の一方に連結されることによって達成される。
【0005】
[0005] 航空機は、例えば飛行機又は回転翼航空機である場合がある。
【0006】
[0006] この構成の結果として、1つのエンジンが継手を開くことによって停止される可能性がある。これには、このエンジンをエンジンの故障の場合に停止できるという利点が含まれる。他のエンジンの機能はこれらの影響を受けず、更なる運航は脅かされない。
【0007】
[0007] エンジンの一方はまた、例えば1つのエンジンのみを使用することによって、ジェット燃料などの燃料を節約するために運航中に停止される可能性がある。
【0008】
[0008] 更なる可能な運用のタイプが、地上運用中、例えば着陸後に、両方のエンジンを停止する必要がないという事実で構成される。地上運用中により柔軟かつより迅速に動き、更に燃料を節約できるように、エンジンの一方を停止し継手を開くことで十分である。これに関連して、好ましくは貨物口の側に位置するエンジンが停止される。
【0009】
[0009] 継手が1つしか存在しないため、コンポーネントの数は少なく抑えられる。これは必要な設置スペース及び重量の両方を節約する。更にこれは、複数の継手を使用する可能性と比較した航空推進システムのコストの削減、及び航空推進システムの信頼性の向上につながる。
【0010】
[0010] 設置スペース及び重量を節約するために別個のドライブを必要としないように、更なる装置にエンジンの回転駆動を与えることができるように、一方の連結シャフトの一端が、開閉式継手にギアボックスユニットを介して回転駆動可能に連結されることがあり、開閉式継手は、第2の連結シャフトの一端に回転駆動可能に連結されることがある。
【0011】
[0011] 一方の連結シャフトに作用する所定のトルクを上回るときに開く過負荷保護素子が、一方の連結シャフトの一端とギアボックスユニット又は継手との間に配置される場合に、この連結シャフトに連結されたエンジンの故障及びこの連結シャフトの過負荷が発生した際に、過負荷保護素子を開くことによって故障したエンジンの分離がすぐに行われ、その結果、他方のエンジンはこの故障による影響を受けずに稼働し続けることができる。
【0012】
[0012] 小さな設置スペースしか要求しないコンパクトな設計が、継手及び/又はギアボックスユニット及び/又は過負荷保護素子が構造ユニットを形成するときに生じる。
【0013】
[0013] 継手及びギアボックスユニット及び、該当する場合には過負荷保護素子が、航空機の翼の中央に配置されることがあり、それらは例えば航空機の胴体に配置されることがある。代替的に及び好ましくは、継手及びギアボックスユニットは、胴体の領域の翼の構造内に配置されることもある。どちらの場合も環境の影響から十分に保護され、保守及び修理のために容易にアクセス可能である。
【0014】
[0014] 2つの連結シャフトは互いに対して同軸に配置されることがある。
【0015】
[0015] ただし、2つの連結シャフトは互いに対する同軸性から逸脱するように延在することも可能である。
【0016】
[0016] これに関連して、2つの連結シャフトを互いに回転駆動可能かつ単純な方法で連結できるように、ギアボックスユニットはベベルギアユニットである場合がある。
【0017】
[0017] 単純な実施形態では、過負荷保護素子はせん断ボルトである場合がある。
【0018】
[0018] 一方のエンジンにより駆動され得る更なる装置が、航空機のギアボックスユニットにより駆動可能であり得る補助供給装置である場合がある。
【0019】
[0019] 補助供給装置の例は、油圧ポンプ、圧縮機又は発電機である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0020]
図1】本発明の例示的な実施形態が図面に示されており、以下でより詳細に説明される。図面の単一の図は、航空機の平面図のあるセクションの図式的表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0021] 第1の翼2及び第2の翼3が、航空機の胴体1から互いに反対側に延在する。
【0022】
[0022] 第1の翼2は第1のエンジン4を搭載し、第2の翼3は第2のエンジン5を搭載する。
【0023】
[0023] ギアボックスユニット7、開閉式継手8及び過負荷保護素子9から構成される構造ユニット6が、2つの翼2及び3の間の胴体1のハウジング内に配置されている。
【0024】
[0024] 第1のエンジン4からの第1の連結シャフト10がギアボックスユニット7につながることで、ギアボックスユニット7は第1のエンジン4によって回転駆動可能であり、その第1の連結シャフト10とは反対の出力は継手8に連結されている。
【0025】
[0025] 第2の連結シャフト11が、第2のエンジン5から過負荷保護素子9を介して継手8につながる。
【0026】
[0026] したがって、第1の連結シャフト10及び第2の連結シャフト11は、ギアボックスユニット7、通常運転時に係合される継手8、及び過負荷保護素子9を介して回転不能に互いに結合されている。
【0027】
[0027] 回転しないように固定されるこの連結は、一方で継手8を解放することによって解放される可能性がある。
【0028】
[0028] ただし一方で、回転しないように固定されるこの連結はまた、連結に作用するトルクが所定のトルクを上回るときに過負荷保護素子9によって遮断される可能性もある。
【0029】
[0029] 2つの連結シャフト10及び11は、互いに対してある角度で延在する。すなわちそれらは互いに対して同軸でない。このため、ギアユニット7はベベルギアユニットである。
【符号の説明】
【0030】
1 胴体
2 第1の翼
3 第2の翼
4 第1のエンジン
5 第2のエンジン
6 構造ユニット
7 ギアボックスユニット
8 継手
9 過負荷保護素子
10 第1の連結シャフト
11 第2の連結シャフト
【図
【国際調査報告】