(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】異なる構成を有する同じレベルのMRAMスタック
(51)【国際特許分類】
H10B 61/00 20230101AFI20240226BHJP
H10N 50/10 20230101ALI20240226BHJP
H10N 50/80 20230101ALI20240226BHJP
【FI】
H10B61/00
H10N50/10 U
H10N50/80 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555365
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2022055765
(87)【国際公開番号】W WO2022194598
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】ミグノット、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル シュトラテン、オスカー
(72)【発明者】
【氏名】ハウッサメッディン、ディミトリ
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA05
4M119AA06
4M119AA11
4M119AA20
4M119BB01
4M119DD60
5F092AA12
5F092AA20
5F092AB06
5F092AC12
5F092BC04
5F092EA04
(57)【要約】
半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、ベース層と、ベース層上に形成された第1のMRAMデバイスと、ベース層上に形成された第2のMRAMデバイスとを含む。第1のMRAMデバイスは、第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
ベース層(102)と、
前記ベース層(102)上に形成された第1の磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスと、
前記ベース層(102)上に形成された第2のMRAMデバイスと、
を備え、
前記第1のMRAMデバイスが前記第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のMRAMデバイスがキャッシュ・デバイスであり、前記第2のMRAMデバイスが永続メモリ・デバイスである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1のMRAMデバイスが第1の底部電極(106)と、第1のMRAMスタック(108)と、第1の頂部電極(110)とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが第2の底部電極(118)と、第2のMRAMスタック(120)と、第2の頂部電極(122)とを含む、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1の底部電極(106)の厚さが前記第2の底部電極(118)の厚さとは異なる、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の頂部電極(110)の厚さが前記第2の頂部電極(122)の厚さとは異なる、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のMRAMデバイスの限界寸法(CD)が前記第2のMRAMデバイスのCDとは異なる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のMRAMデバイスの全高が前記第2のMRAMデバイスの全高とは異なる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のMRAMスタック(108)の厚さが前記第2のMRAMスタック(120)の厚さとは異なる、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1のMRAMデバイスが、前記第1の底部電極(106)と、前記第1のMRAMスタック(108)と、前記第1の頂部電極(110)の側壁上に形成されたスペーサ層とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが、前記第2の底部電極(118)と、前記第2のMRAMスタック(120)と、前記第2の頂部電極(122)の側壁上に形成された第2のスペーサ層とを含む、
請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のMRAMデバイスおよび前記第2のMRAMデバイスがそれぞれ、固定磁化層と、絶縁障壁層と、自由磁化層とを含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスを製造する方法であって、
ベース層(102)を形成することと、
前記ベース層(102)上に第1のMRAMデバイスを形成することと、
前記ベース層(102)上に第2のMRAMデバイスを形成することと、
を含み、
前記第1のMRAMデバイスが前記第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する、
方法。
【請求項12】
前記第1のMRAMデバイスがキャッシュ・デバイスであり、前記第2のMRAMデバイスが永続メモリ・デバイスである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のMRAMデバイスを形成することが、第1の底部電極(106)を形成することと、前記第1の底部電極(106)上に第1のMRAMスタック(108)を形成することと、前記第1のMRAMスタック(108)上に第1の頂部電極(110)を形成することとを含み、
前記第2のMRAMデバイスを形成することが、第2の底部電極(118)を形成することと、前記第2の底部電極(118)上に第2のMRAMスタック(120)を形成することと、前記第2のMRAMスタック(120)上に第2の頂部電極(122)を形成することとを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の底部電極(106)の厚さが前記第2の底部電極(118)の厚さとは異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の頂部電極(110)の厚さが前記第2の頂部電極(122)の厚さとは異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のMRAMデバイスの限界寸法(CD)が前記第2のMRAMデバイスのCDとは異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のMRAMデバイスの全高が前記第2のMRAMデバイスの全高とは異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のMRAMスタック(108)の厚さが前記第2のMRAMスタック(120)の厚さとは異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のMRAMデバイスが、前記第1の底部電極(106)と、前記第1のMRAMスタック(108)と、前記第1の頂部電極(110)の側壁上に形成されたスペーサ層とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが、前記第2の底部電極(118)と、前記第2のMRAMスタック(120)と、前記第2の頂部電極(122)の側壁上に形成された第2のスペーサ層とを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のMRAMデバイスおよび前記第2のMRAMデバイスがそれぞれ、固定磁化層と、絶縁障壁層と、自由磁化層とを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気、電子、およびコンピュータの分野に関する。詳細には、本開示は、異なる構成を有する磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(「MRAM」)デバイスのセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ある特定のMRAMデバイスは、底部電極と、MRAMスタックと、頂部電極とを含むように製造されることがある。一般に、MRAMデバイスは、様々な用途で使用することができる。1つの例示的な用途は、組み込みストレージ(例えば、eFlashの置換え)である。別の例は、キャッシュ(例えば、組み込みダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(eDRAM)、またはスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM))である。ある特定のMRAMデバイスは、28nmまたは22nmレベルの組み込みMRAM(eMRAM)であってもよい。同じチップ上に両方のタイプのMRAM(例えば、組み込みストレージおよびキャッシュ)を提供する必要がある場合があり、異なるタイプのMRAMのこの組合せは、システム性能の面で利益をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によると、ベース層と、ベース層上に形成された第1の磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスと、ベース層上に形成された第2のMRAMデバイスとを備える半導体デバイスが提供され、第1のMRAMデバイスは、第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する。
【0004】
本発明の別の態様によると、半導体デバイスを製造する方法が提供され、本方法は、ベース層を形成することと、ベース層上に第1のMRAMデバイスを形成することと、ベース層上に第2のMRAMデバイスを形成することとを含み、第1のMRAMデバイスは、第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する。
【0005】
本開示の実施形態は、半導体デバイスに関する。半導体デバイスは、ベース層と、ベース層上に形成された第1のMRAMデバイスと、ベース層上に形成された第2のMRAMデバイスとを含む。第1のMRAMデバイスは、第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する。
【0006】
本開示の特定の実施形態は、半導体デバイスを製造する方法に関する。本方法は、ベース層を形成することと、ベース層上に第1のMRAMデバイスを形成することと、ベース層上に第2のMRAMデバイスを形成することとを含む。第1のMRAMデバイスは、第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する。
【0007】
上記の概要は、本開示のそれぞれの例示された実施形態またはすべての実施態様を説明することは意図されていない。
【0008】
本出願に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を形成する。これらの図面は、本開示の実施形態を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明する。図面は、ある特定の実施形態の例示に過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態による、製造プロセスの中間段階におけるMRAMデバイスを含む半導体デバイスの側断面図である。
【
図2】実施形態による、追加の製造工程後の
図1の半導体デバイスの側断面図である。
【
図3】実施形態による、追加の製造工程後の
図2の半導体デバイスの側断面図である。
【
図4】実施形態による、追加の製造工程後の
図3の半導体デバイスの側断面図である。
【
図5】実施形態による、追加の製造工程後の
図4の半導体デバイスの側断面図である。
【
図6】実施形態による、追加の製造工程後の
図5の半導体デバイスの側断面図である。
【
図7】実施形態による、追加の製造工程後の
図6の半導体デバイスの側断面図である。
【
図8】実施形態による、追加の製造工程後の
図7の半導体デバイスの側断面図である。
【
図9】実施形態による、追加の製造工程後の
図8の半導体デバイスの断面側面図である。
【
図10】実施形態による、追加の製造工程後の
図9の半導体デバイスの側断面図である。
【
図11】実施形態による、追加の製造工程後の
図10の半導体デバイスの断面側面図である。
【
図12】実施形態による、追加の製造工程後の、化学気相堆積酸化物再充填層を含む
図2の半導体デバイスの側断面図である。
【
図13】実施形態による、複数の異なるタイプのMRAMスタックを同じレベルに製造する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図中の要素は、簡単および明瞭にするために示されていることを理解されたい。商業的に実現可能な実施形態において有用または必要である可能性のあるよく理解されている要素は、簡単にするために、および図示された実施形態の理解を助けるために示されていないことがある。
【0011】
本開示は、磁気トンネル接合(「MTJ」)スタックを含むMRAMデバイス、およびMRAMデバイスを製造する方法について説明する。特に、本開示は、異なるタイプのMRAMデバイス(例えば、組み込みメモリ(例えば、永続メモリ・デバイス)およびキャッシュ)を同じレベルに含む(例えば、BEOLベース層上の同じレベルに形成された)MRAMデバイスについて説明する。異なるタイプのMRAMデバイスのそれぞれは、限界寸法が異なり(CD)、全高が異なり、MRAMデバイスの構成層に対する厚さが異なり、またはMRAMデバイス層のうちの1つもしくは複数の材料組成が異なり、あるいはその組合せである場合がある。
【0012】
一般に、ストレージ・ビットは、より大きなCD(60~80nm)および高保持スタックを有する(保磁力(high-Hc)が高く、バイアス磁場(high-Eb)が高いだけでなく、スイッチング電流(Ic)が高い)場合がある。このようなデバイスは、高い保持力および磁場耐性を提供することができるが、プログラミングが遅く(>100ns)、大量の電流を必要とする場合がある。また、キャッシュ・ビットは、より小さいCD(30~50nm)および高速スイッチングのために最適化されたスタックを有する場合がある。Hc、Ebは、はるかに低いが、プログラミング速度は10~50倍速くなる。スタックの違いという点では、ストレージ・ビットとキャッシュ・ビットの全体的なスタック構造は、非常に似ている場合があるが、構造および組成の詳細は、全く異なる場合がある(例えば、トンネル障壁層の厚さおよび自由層の組成)。
【0013】
本実施形態のある特定の実施形態によると、異なるタイプのMRAMデバイス(例えば、キャッシュおよびストレージ)を同じレベルに形成することによって、製造コストを下げることができ、製造プロセスを簡略化することができる。例えば、関連するMRAMデバイスが異なるレベルに形成されている場合、キャッシュ・ビットとストレージ・ビットを2つの異なる金属レベルに形成することが可能である場合があるが、追加の層間誘電体(ILD)堆積、平坦化、およびエッチング・ステップ(ならびに追加のマスク数)が必要になる場合がある。
【0014】
一般に、フラッシュなどの他の不揮発性メモリ(NVM)技術と比較してMRAMデバイスを使用する利点の1つは、必要な追加のマスクの数が少ない(例えば、3~5のみ)ことである。この点に関して、(すなわち、異なるレベル上に異なるMRAMタイプを形成するために)必要なマスクの数を倍増させることは、MRAMデバイスの価値提案を損なうことになる。
【0015】
本実施形態では、キャッシュ型MRAMデバイスを記憶領域(またはその逆)に組み込んで、相互接続長を短縮し、応答時間を改善することができる。例示的なレイアウトでは、キャッシュ・アレイは、ストレージ・ビットによって囲まれることになる。一般に、ストレージ・ビットは、CDが比較的小さいキャッシュ・ビットと比較して、CDがより大きく、通常、非常に大きなプロセス・ウィンドウを提供する。このように、本実施形態では、このレイアウトにより、キャッシュ・ビットのアレイ均一性が向上し、したがって、プロセス・ウィンドウを改善することができる。したがって、上述したように、本実施形態は、製造プロセス効率の改善(すなわち、より少ない半導体処理ステップおよびより少ないマスク)を実現することができ、それに関連するコスト削減を実現することができる。
【0016】
本明細書では、関連する図面を参照して本開示の様々な実施形態について説明する。本開示の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態を考案することができる。以下の説明および図面において、要素間の様々な接続および位置関係(例えば、上、下、隣接など)が記載されていることに留意されたい。これらの接続または位置関係あるいはその両方は、別段の指定がない限り、直接的または間接的であってもよく、本開示は、この点において限定することは意図されていない。したがって、エンティティの結合は、直接的または間接的な結合のいずれかを指すことができ、エンティティ間の位置関係は、直接的または間接的な位置関係とすることができる。間接的な位置関係の例として、本明細書における層「B」の上に層「A」を形成することへの言及は、層「A」および層「B」の関連する特性および機能性が中間層によって実質的に変化しない限り、1つまたは複数の中間層(例えば、層「C」)が層「A」と層「B」との間にある状況を含む。
【0017】
以下の定義および略語は、特許請求の範囲および明細書の解釈のために使用される。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」もしくは「含有している(containing)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含むことができる。
【0018】
以下の説明の目的のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、記載された構造および方法に関するものとする。「上にある(overlying)」、「の上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置する(positioned on)」または「の上に位置する(positioned atop)」という用語は、第1の構造などの第1の要素が、第2の構造などの第2の要素上に存在し、界面構造などの介在要素が第1の要素と第2の要素との間に存在し得ることを意味する。「直接接触」という用語は、第1の構造などの第1の要素と、第2の構造などの第2の要素とが、2つの要素の界面において中間の導電層、絶縁層または半導体層なしに接続されることを意味する。例えば、「第2の要素に対して選択的な第1の要素」のような「に対して選択的な」という用語は、第1の要素をエッチングすることができ、第2の要素がエッチ・ストップとして作用することができることを意味することに留意されたい。
【0019】
簡潔にするために、半導体デバイスおよび集積回路(IC)の製造に関連する従来の技術については、本明細書で詳細に説明する場合もあれば、説明しない場合もある。さらに、本明細書に記載される様々なタスクおよびプロセス・ステップは、本明細書で詳細に説明されない追加のステップまたは機能を有するより包括的な手順またはプロセスに組み込むことができる。特に、半導体デバイスおよび半導体ベースのICの製造における様々なステップはよく知られており、したがって、簡潔にするために、多くの従来のステップは、本明細書では簡潔に言及されるだけであり、またはよく知られているプロセスの詳細を提供することなく完全に省略される。
【0020】
一般に、ICにパッケージングされるマイクロチップを形成するために使用される様々なプロセスは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、膜堆積、除去/エッチング、半導体ドーピング、およびパターニング/リソグラフィに分類される。
【0021】
堆積は、ウエハ上に材料を成長させ、コーティングし、またはその他の方法で転写する任意のプロセスである。利用可能な技術としては、とりわけ、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、電気化学堆積(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、およびより最近では原子層堆積(ALD)が挙げられる。別の堆積技術は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)であり、これは、プラズマのエネルギーを使用して、普通ならば従来のCVDに関連付けられたより高い温度が必要とされるウエハ表面での反応を誘発するプロセスである。PECVD堆積中のエネルギー・イオン衝撃も、膜の電気的および機械的特性を改善することができる。
【0022】
除去/エッチングは、ウエハから材料を除去する任意のプロセスである。例としては、エッチング・プロセス(湿式または乾式のいずれか)、化学機械平坦化(CMP)などが挙げられる。除去プロセスの一例は、イオン・ビーム・エッチング(IBE)である。一般に、IBE(またはミリング)は、遠隔ブロード・ビーム・イオン/プラズマ源を利用して、物理的不活性ガス手段または化学反応性ガス手段あるいはその両方によって基板材料を除去するドライ・プラズマ・エッチング法を指す。他のドライ・プラズマ・エッチング技術と同様に、IBEは、エッチング速度、異方性、選択性、均一性、アスペクト比、および基板損傷の最小化などの利点を有する。ドライ除去プロセスの別の例は、反応性イオン・エッチング(RIE)である。一般に、RIEは、化学反応性プラズマを使用して、ウエハ上に堆積した材料を除去する。RIEでは、プラズマは、電磁場によって低圧(真空)下で生成される。RIEプラズマからの高エネルギー・イオンは、ウエハ表面を攻撃し、ウエハと反応して材料を除去する。
【0023】
半導体ドーピングは、一般に拡散またはイオン注入あるいはその両方によって、例えばトランジスタのソースおよびドレインをドーピングすることによって電気的特性を変更することである。これらのドーピング・プロセスに続いて、炉アニーリングまたは急速熱アニーリング(「RTA」)が行われる。アニーリングは、注入されたドーパントを活性化させる働きをする。導体(例えば、ポリシリコン、アルミニウム、銅など)および絶縁体(例えば、様々な形態の二酸化ケイ素、窒化ケイ素など)の両方の膜を使用して、トランジスタとそれらの構成要素を接続および分離する。半導体基板の様々な領域を選択的にドーピングすることにより、電圧の印加によって基板の導電度を変えることができる。これらの様々な構成要素の構造を作成することによって、何百万ものトランジスタを構築し、一緒に配線して、現代のマイクロ電子デバイスの複雑な回路を形成することができる。
【0024】
半導体リソグラフィは、半導体基板上に3次元レリーフ像またはパターンを形成し、その後そのパターンを基板に転写することである。半導体リソグラフィでは、パターンは、フォトレジストと呼ばれる感光性ポリマによって形成される。トランジスタを構成する複雑な構造と、回路の何百万ものトランジスタを接続する多数のワイヤとを構築するために、リソグラフィおよびエッチング・パターン転写ステップが複数回繰り返される。ウエハ上に印刷される各パターンは、以前に形成されたパターンに位置合わせされ、導体、絶縁体および選択的にドープされた領域が徐々に構築されて、最終的なデバイスが形成される。
【0025】
ここで、本開示の態様により具体的に関連する技術の概要に目を向けると、組み込みDRAM(eDRAM)は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはマイクロプロセッサの同一ダイもしくはマルチチップ・モジュール(MCM)上に集積されたダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)である。eDRAMは、半導体製造において従来のシリコン基板の代わりに層状のシリコン・絶縁体・シリコン基板を使用することを指すシリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術で実装されてきた。eDRAM技術は、様々な程度の成功を収めてきたが、サーバ・メモリの選択肢としてのSOI技術に対する需要は、近年減少している。
【0026】
磁気トンネル接合(MTJ)を用いた磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスは、既存のeDRAM技術に取って代わる1つの選択肢である。MRAMは、不揮発性メモリであり、電源を入れ直した後でも記憶された情報を取り出すことができるコンピュータ・メモリの一種である。電源を入れ直しても情報を記憶することができるというこの利点が、このメモリ技術の開発を加速させている原動力である。
【0027】
磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の主要な記憶素子である磁気トンネル接合(MTJ)デバイスは、2つの強磁性層が薄い絶縁障壁(例えば、酸化アルミニウム)によって分離されて積層構造を形成する磁気記憶およびスイッチング・デバイスである。強磁性層の一方は、磁化が固定されているため、固定層またはピン止め層または基準層と呼ばれる。しかしながら、もう一方の強磁性層は、磁化が変化することができるため、自由層と呼ばれる。MTJデバイスにバイアスが印加されると、強磁性層によってスピン偏極された電子が、量子トンネリングとして知られるプロセスを通じて絶縁障壁を横切り、大きさが強磁性層の磁化の配向に依存する電流を生成する。MTJデバイスは、自由層の磁気モーメントが固定層の磁気モーメントと平行な場合に低抵抗を示し、自由層の磁気モーメントが固定層の磁気モーメントと反平行に配向している場合に高抵抗を示す。
【0028】
MTJデバイスを形成する異なる層のスタックを構築するために使用される材料および幾何学形状は、速度(すなわち、スイッチング時間)および消費電力(例えば、デバイスをある状態から別の状態に切り替えるために必要な電圧または電流あるいはその両方)の点で、デバイスの特性に影響を及ぼす要因である。上記で簡潔に説明したように、ある特定のMTJデバイスは、円柱形状を有するピラー構造(すなわち、材料のスタック)を有し、1つの強磁性層の磁化を切り替えるために、電流が最上層から最下層に、またはその逆に流れる。これらのタイプのMTJデバイスは、一般に、スピン・トランスファー・トルク(STT)MTJデバイスと呼ばれる。ある特定のSTT MRAMデバイスは、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)デバイス(すなわち、電力が供給されている限り、メモリ内のデータ・ビットを保持するランダム・アクセス・メモリ)と比較して、スイッチング速度および耐久性に限界がある場合がある。他のタイプのMTJデバイスは、スピン軌道トルク(SOT)デバイスと呼ばれる。SOTタイプのデバイスでは、積層ピラー構造はやはり円柱形であるが、重金属導体の上にスタックを堆積させている。SOTタイプのMTJデバイスでは、電流がこの導体内を水平方向に流れ、界面において強磁性層の磁化を切り替える。
【0029】
STT型MRAMデバイスでは、デバイスの製造は、中間工程(MOL)層または後工程(BEOL)層の形成と併せて行われることが多い。これは、組み込みMRAMと呼ばれることがあり、MRAMデバイスは、これらの層に組み込まれるか、またはこれらの層とともに形成される。一般に、前工程(FEOL)とは、トランジスタおよび他の回路素子(抵抗器およびコンデンサなど)を形成し、これらを後で中間工程(MOL)層および後工程(BEOL)層と電気的に接続する一連のプロセス・ステップを指す。一般に、MOLとは、トランジスタ間の局所的な電気的接続(例えば、ゲート・コンタクト形成)を提供する構造を形成するために使用される一連のウエハ処理ステップを指す。MOL処理は、一般に、FEOLプロセスの後およびBEOLプロセスの前に行われる。一般に、BEOLは、個々のデバイス(トランジスタ、コンデンサ、抵抗器など)がウエハ上の配線と相互接続されるIC製造の一部である。
【0030】
上述したように、MRAMデバイスは、組み込みストレージおよびキャッシュなどの様々な異なる用途に有用である可能性がある。本明細書に記載される実施形態は、複数の異なるタイプ/構成がチップの同じレベル上に存在することができるMRAMデバイスおよびMRAMデバイスを製造する方法を提供する。
【0031】
ここで、同様の数字が同一または同様の要素を表す図面を参照し、最初に
図1を参照すると、実施形態による、製造プロセスの中間段階におけるある特定の半導体デバイス100を示す断面図が示されている。
図1では、ベース層102が設けられている。ベース層102は、ある特定の電気的相互接続、配線ライン、または他のデバイスを含むことができる。例えば、ベース層102は、前工程(FEOL)素子(例えば、トランジスタ、回路素子、抵抗器、コンデンサなど)または中間工程(MOL)素子(例えば、トランジスタ間の電気的接続、ゲート・コンタクト形成構造など)を含むことができる。ベース層102は、任意の適切な数の異なる構成要素を含むことができ、異なる構成要素を有する複数のサブ層を含むことができることを理解されたい。一般に、ベース層102は、組み込みMRAMデバイスを形成することができる開始構造として機能することができる任意の適切な層である。
【0032】
図1に示すように、MRAMピラーは、底部電極106と、MRAMスタック108と、頂部電極110とを含む。底部コンタクト104は、ベース層102と接触して形成されている。MRAMピラーについては、底部コンタクト104(およびベース層102の一部)上に底部電極106が形成されている。次に、
図1に示すように、底部電極106上にMRAMスタック108が形成されている。ある特定の実施形態では、MRAMスタックは、基準層と、トンネル障壁層と、磁化自由層と、頂部電極とを含むことができ、これらは、説明を簡単かつ容易にするために
図1には示されていない。トンネル障壁層は、基準層上に形成されてもよい。トンネル障壁層を形成した後、トンネル障壁層上に磁化自由層が形成される。次に、MRAMスタック108の磁化自由層上に頂部電極110が形成される。このMRAMスタック108構造は、一例に過ぎず、当業者に知られている任意の他の適切なMRAMスタック構造が利用され得ることを理解されたい。この例示的なMRAMスタック構造は、1つまたは複数の追加の層を含むことができ、介在層を含むことができ、MRAMスタック構造に関して説明した層のいずれも、複数のサブ層を含むことができることも理解されたい。
【0033】
図1に示すように、MRAMスタック構造(すなわち、底部電極106、MRAMスタック108、および頂部電極110)に対してパターニングが行われ、MRAMデバイス・ピラーが形成されている。当業者によって理解されるように、MRAMデバイス・ピラーは、任意の適切なパターニングおよびエッチング技術(例えば、イオン・ビーム・エッチング)によって形成することができる。ある特定の実施形態では、誘電体ライナ層112が、MRAMデバイス・ピラーを封入するように形成される。誘電体ライナ層112は、SiN材料または任意の他の適切な誘電体材料で構成することができる。
図1に示すように、誘電体ライナ層112は、底部電極106、MRAMスタック108、および頂部電極110の側壁表面の少なくとも一部を覆う。
図1には示されていないが、誘電体ライナ層112は、最初に、ウエハの表面全体を共形に覆うように形成され、その後第2の層間誘電体層(図示せず)の一部を任意で形成し、その後誘電体ライナ層112および第2の層間誘電体層の頂部をCMPプロセスによって除去して、頂部電極110の上面を露出させる。半導体デバイス100は、第2の層間誘電体層を含まなくてもよく、または他の適切な層を含んでもよいことを理解されたい。誘電体ライナ層112の1つの機能は、MRAMスタック108を酸化から保護することであってもよい。誘電体ライナ層112の形成に続いて、半導体デバイス100を保護または被覆あるいはその両方を行うために酸化物層114が設けられる。最初に、ベース層102の表面全体にわたって酸化物層114を設けることができ、次いで、カット・マスクを使用して、2つの異なるMRAMスタック108に近接していない酸化物層114の部分を除去することができる。
図1に示す例では、同じ第1のタイプの2つの異なるMRAMスタック108が、いずれかの隣に存在することを理解されたい。しかしながら、所与の用途またはデバイスに適切なように、任意の他の適切な数のMRAMスタック108が存在してもよいことを理解されたい。一例では、2つのMRAMスタック108は、約200nm~約1μm離間されていてもよい。他の例では、隣接するMRAMスタック108間の間隔は、MRAMピラーの全高の約10倍であってもよい。
【0034】
ここで
図2を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図1の半導体デバイス100の断面図である。
図2に示すように、これは、製造プロセスにおいて、
図1に示した2つのMRAMピラーとは異なる構成を有する別のMRAMピラーが追加される点であり、この追加のMRAMピラーは、
図1に関して上述したものと同じレベルに(すなわち、同じベース層102上に)形成される。コンタクト104の上に第2の底部電極118が形成され、第2のMRAMスタック120および第2の頂部電極122を半導体デバイス100の表面全体に共形に堆積させる。このように、少なくとも最初に、第2のMRAMピラーを形成する層(すなわち、第2の底部電極118、第2のMRAMスタック120、および第2の頂部電極122)がMRAMスタック108の頂部の上に形成される。
【0035】
ここで
図3を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図2の半導体デバイス100の断面図である。
図3に示すように、第2の頂部電極122上に酸化物層124が形成され、第2のMRAMピラーが形成される領域の酸化物層124上にマスク126が形成される。
【0036】
ここで
図4を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図3の半導体デバイス100の断面図である。
図4に示すように、マスク126を用いてエッチング・プロセスを行い、第2のMRAMピラー(第2の底部電極118、第2のMRAMスタック120、および第2の頂部電極122)をパターニングする。しかしながら、ある特定の例では、
図4に示すように、この特定の領域におけるスタックの高さに起因して、エッチング動作後にスタックの残留部分(すなわち、第2の底部電極118’の残留部分、第2のMRAMスタック120’の残留部分、および第2の頂部電極122’の残留部分)が一部残ることがある。言い換えれば、MRAMスタック108のエッジ近傍の領域から段差があるところでは、以前に堆積させた層(第2の底部電極118、第2のMRAMスタック120、および第2の頂部電極122)の高さは、例えば、他の領域よりも2倍または3倍厚い。理論的には、エッチング材料が、第2の底部電極118、第2のMRAMスタック120、および第2の頂部電極122層と比較して、ベース層102および底部コンタクト104に対して完全な(またはほぼ完全な)選択性を有する場合は、ベース層102を過度にエッチングすることなく残留部分を除去することが可能である場合がある。
【0037】
ここで
図5を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図4の半導体デバイス100の断面図である。
図5に示すように、第2のMRAMスタック120を覆うように、第2の誘電体ライナ層128が半導体デバイス100全体の上に形成されている。この第2の誘電体ライナ層128(または第2のスペーサ層)は、SiN材料で構成されてもよく、誘電体ライナ層112と同じ材料であってもよく、または異なる材料であってもよい。
【0038】
ここで
図6を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図5の半導体デバイス100の断面図である。
図6に示すように、第2の誘電体ライナ層128の不要な部分を除去するために、エッチング・プロセスが行われる。
図6に示すように、第2の誘電体ライナ層128の残った部分は、第2のMRAMピラーの側壁上に存在する。ある特定の例では、第2の誘電体ライナ層128’の残留部分も、第2の底部電極118’の残留部分、第2のMRAMスタック120’の残留部分、および第2の頂部電極122’の残留部分の隣にまだ残っている可能性があることを理解されたい。
【0039】
ここで
図7を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図6の半導体デバイス100の断面図である。製造プロセスのこの段階で、第1のMRAMピラーH1の全高は、第2のMRAMピラーH2の全高とは異なっていることが分かる。また、第1のMRAMピラーCD1の限界寸法(CD)(例えば、ピラーが円柱状である場合の直径)は、第2のMRAMピラーCD2のCDとは異なる。こうして、上述したように、MRAMデバイスのうちのあるものは、1つのタイプの用途(例えば、ストレージ)に適した構造特性を有することができ、MRAMデバイスのうちの他のものは、第2のタイプの用途(例えば、キャッシュ)に適した構造特性を有することができる。底部電極106の材料組成は、第2の底部電極118の材料組成と同じであっても異なっていてもよく、MRAMスタック108の材料組成は、第2のMRAMスタック120の材料組成と同じであっても異なっていてもよく、頂部電極110の材料組成は、第2の頂部電極122の材料組成と同じであっても異なっていてもよいことを理解されたい。対応する層(例えば、底部電極106と第2の底部電極118)の高さ(または厚さ)は、第1のMRAMピラーと第2のMRAMピラーとの間で異なっていてもよいことも理解されたい。より広い意味では、第1および第2のMRAMデバイス(またはピラー)は、(すなわち、上述した異なる物理的または化学的特性のうちの1つまたは複数に起因して)互いに異なる性能特性を有することを理解すれば十分である場合がある。
【0040】
また、
図7に示すように、酸化物層114の追加の材料を追加して、MRAMデバイス間のすべての空間を充填し、酸化物層114は、平坦化層として機能することができる。ある特定の例では、酸化物層114は、CMPまたは何らかの他の平坦化プロセスに供されてもよい。
図7に示すように、酸化物層114上に第2のマスク132が形成される。具体的には、第2のマスク132は、残留部分(すなわち、第2の誘電体ライナ層128’の残留部分、第2の底部電極118’の残留部分、第2のMRAMスタック120’の残留部分、および第2の頂部電極122’の残留部分)を除く領域に形成され、これらの残留部分をその後のエッチング動作において除去することができるようにする。
【0041】
ここで
図8を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図7の半導体デバイス100の断面図である。
図8に示すように、第2の誘電体ライナ層128’の残留部分、第2の底部電極118’の残留部分、第2のMRAMスタック120’の残留部分、および第2の頂部電極122’の残留部分を除去するために、エッチング・プロセスが実行されている。次いで、第2のマスク132を除去する。ある特定の例では、ベース層102および底部コンタクト104(追加のMRAMデバイスが形成される場合)と残留部分との間の不完全なエッチング選択性に起因して、これらのエッチング動作中に、ある特定の量の凹部(すなわち、
図8に示す深さD3、および追加のMRAMデバイスが形成される場合には底部コンタクト104に対する深さD4)がベース層102内に存在する場合があることを理解されたい。
【0042】
ここで
図9を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図8の半導体デバイス100の断面図である。
図9に示すように、酸化物層114の追加の材料が追加され、MRAMデバイス間のすべての空間を充填し、酸化物層114は、再び平坦化層として機能することができる。ある特定の例では、酸化物層114は、CMPまたは何らかの他の平坦化プロセスに供されてもよい。
【0043】
ここで
図10を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図9の半導体デバイス100の断面図である。
図10に示すように、メータライゼーション層134が第1および第2のMRAMデバイスと電気的に接触するように形成される。
図10に示すメータライゼーション層134は一例に過ぎず、任意の他の適切な構成が使用されてもよいことを理解されたい。
【0044】
ここで
図11を参照すると、この図は、実施形態による、その後の製造プロセス後の
図10の半導体デバイス100の断面図である。
図11に示すように、第2のMRAMピラーについて上述したプロセスと同様の方法で第3のMRAMピラーを形成することができる。第3のMRAMピラーは、第3のコンタクト104と、第3の底部電極138と、第3のMRAMスタック140と、第3の頂部電極142と、第3の誘電体ライナ層144とを含むことができる。第3のMRAMピラーを形成するプロセスは、第2のMRAMピラーを形成するプロセスと同様であり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。これらの異なるタイプのMRAMピラーをベース層102およびコンタクト104上に形成するプロセスを任意の回数繰り返して、特定の用途に望まれるだけの数のタイプのMRAMピラーを形成することができることを理解されたい。
【0045】
ここで
図12を参照すると、この図は、実施形態による、追加の製造工程後の、化学気相堆積酸化物再充填層を含む
図2の半導体デバイスの側断面図である。
図12に示すように、
図3に示す酸化物層124の共形堆積(すなわち、よりライナ層に近い)とは異なり、ここでは、酸化物層124は、CVD酸化物再充填プロセスに従って形成され、その後表面を平坦化するためのCMPプロセスが行われている。この違い以外は、残りのプロセスは、
図3~
図11に関して上述したプロセスと同様であり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0046】
図13は、実施形態による、複数の異なるタイプのMRAMスタックを同じレベルに製造する方法を示す流れ図である。
図13に示すように、動作202において、MRAMスタック堆積が実行される。この動作は、
図1に示す第1のMRAMピラーのパターニングの前のものであり、
図2に示す第2の底部電極118層、第2のMRAMスタック120層、および第2の頂部電極122の形成にも対応する。動作204において、MRAMスタックのパターニングが実行され、これは、
図3に関して上述したプロセスに対応する。動作206において、MRAMピラー構造を形成するためにエッチングが実行され、これは、
図4に関して上述したプロセスに対応する。動作208において、MRAMピラーの封入が実行され、これは、
図5~
図9に関して上述したプロセスに対応することができる。動作210において、別のMRAMデバイス・タイプ(例えば、
図10に示す第3のMRAMピラーなど)が形成される場合は、プロセスは、動作202に戻る。動作210において、別のMRAMデバイス・タイプが形成されない場合、プロセスは、金属スペーサ除去のための動作212に進み、次いで、当業者に知られているような追加の下流フロー・プロセスのための動作214に進む。
【0047】
様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されており、網羅的であることも、開示された実施形態に限定されることも意図されていない。記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正形態および変形形態が明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の適用または技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択された。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
ベース
層と、
前記ベース
層上に形成された第1の磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)デバイスと、
前記ベース
層上に形成された第2のMRAMデバイスと、
を備え、
前記第1のMRAMデバイスが前記第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1のMRAMデバイスがキャッシュ・デバイスであり、前記第2のMRAMデバイスが永続メモリ・デバイスである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1のMRAMデバイスが第1の底部電
極と、第1のMRAMスタッ
クと、第1の頂部電
極とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが第2の底部電
極と、第2のMRAMスタッ
クと、第2の頂部電
極とを含む、
請求項1
または2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1の底部電
極の厚さが前記第2の底部電
極の厚さとは異なる、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の頂部電
極の厚さが前記第2の頂部電
極の厚さとは異なる、請求項3
または4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のMRAMデバイスの限界寸法(CD)が前記第2のMRAMデバイスのCDとは異なる、請求項1
~5のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のMRAMデバイスの全高が前記第2のMRAMデバイスの全高とは異なる、請求項1
~6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のMRAMスタッ
クの厚さが前記第2のMRAMスタッ
クの厚さとは異なる、請求項3
~5のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1のMRAMデバイスが、前記第1の底部電
極と、前記第1のMRAMスタッ
クと、前記第1の頂部電
極の側壁上に形成されたスペーサ層とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが、前記第2の底部電
極と、前記第2のMRAMスタッ
クと、前記第2の頂部電
極の側壁上に形成された第2のスペーサ層とを含む、
請求項3
~5、8のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のMRAMデバイスおよび前記第2のMRAMデバイスがそれぞれ、固定磁化層と、絶縁障壁層と、自由磁化層とを含む、請求項1
~9のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスを製造する方法であって、
ベース
層を形成することと、
前記ベース
層上に第1のMRAMデバイスを形成することと、
前記ベース
層上に第2のMRAMデバイスを形成することと、
を含み、
前記第1のMRAMデバイスが前記第2のMRAMデバイスとは異なる性能特性を有する、
方法。
【請求項12】
前記第1のMRAMデバイスがキャッシュ・デバイスであり、前記第2のMRAMデバイスが永続メモリ・デバイスである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のMRAMデバイスを形成することが、第1の底部電
極を形成することと、前記第1の底部電
極上に第1のMRAMスタッ
クを形成することと、前記第1のMRAMスタッ
ク上に第1の頂部電
極を形成することとを含み、
前記第2のMRAMデバイスを形成することが、第2の底部電
極を形成することと、前記第2の底部電
極上に第2のMRAMスタッ
クを形成することと、前記第2のMRAMスタッ
ク上に第2の頂部電
極を形成することとを含む、
請求項11
または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の底部電
極の厚さが前記第2の底部電
極の厚さとは異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の頂部電
極の厚さが前記第2の頂部電
極の厚さとは異なる、請求項13
または14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のMRAMデバイスの限界寸法(CD)が前記第2のMRAMデバイスのCDとは異なる、請求項11
~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のMRAMデバイスの全高が前記第2のMRAMデバイスの全高とは異なる、請求項11
~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のMRAMスタッ
クの厚さが前記第2のMRAMスタッ
クの厚さとは異なる、請求項13
~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のMRAMデバイスが、前記第1の底部電
極と、前記第1のMRAMスタッ
クと、前記第1の頂部電
極の側壁上に形成されたスペーサ層とを含み、
前記第2のMRAMデバイスが、前記第2の底部電
極と、前記第2のMRAMスタッ
クと、前記第2の頂部電
極の側壁上に形成された第2のスペーサ層とを含む、
請求項13
~15、18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のMRAMデバイスおよび前記第2のMRAMデバイスがそれぞれ、固定磁化層と、絶縁障壁層と、自由磁化層とを含む、請求項11
~19のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】