(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】垂直共振器型面発光レーザ及びヘッドジンバル組立品並びに製作プロセス
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20240226BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20240226BHJP
H01S 5/02315 20210101ALI20240226BHJP
G11B 21/21 20060101ALI20240226BHJP
G11B 5/02 20060101ALI20240226BHJP
G11B 5/60 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H01S5/183
H01S5/022
H01S5/02315
G11B21/21 C
G11B5/02 T
G11B5/60 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555660
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 US2022033279
(87)【国際公開番号】W WO2022266001
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】スタイプ、バリー シー.
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC00
5F173AD02
5F173AK21
5F173AP33
5F173AR99
5F173MA10
5F173MC30
5F173MD62
5F173MD74
5F173MD84
(57)【要約】
本開示の実施形態は、概して、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、VCSELを取り付けるためのヘッドジンバル組立品、そのような物品を組み込んだデバイス、及びVCSELを形成するためのプロセスに関する。一実施形態では、VCSELデバイスが提供される。VCSELデバイスは、スライダに取り付けるためのチップであって、チップは、複数の表面及びノッチを有し、複数の表面は、スライダに面する下部表面と、下部表面の反対側の上部表面と、複数の側部表面と、を含む、チップを含み、ノッチは、下部表面からかつ上部表面に向かって間隔を空けた凹状のエッジを形成し、ノッチは、肩部、側部、及び肩部と側部との間の角度(θ1)を有する。VCSELデバイスは、チップの複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイスであって、
スライダ上に取り付けるためのチップであって、前記チップが、複数の表面及びノッチを有し、前記複数の表面が、
前記スライダに面する下部表面と、
前記下部表面の反対側の上部表面と、
複数の側部表面と、を含む、チップと、
前記複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極と、を備え、
前記ノッチが、前記下部表面からかつ前記上部表面に向かって間隔を空けた凹状のエッジを形成し、前記ノッチが肩部、側部、及び前記肩部と前記側部との間の角度(θ1)を有する、VCSELデバイス。
【請求項2】
前記ノッチが、約10μm~約50μmの深さを有するか、
前記角度(θ1)が、90°より大きくかつ180°より小さいか、又は、
それらの組み合わせである、請求項1に記載のVCSELデバイス。
【請求項3】
前記角度(θ1)が、約100°~約160°である、請求項2に記載のVCSELデバイス。
【請求項4】
前記角度(θ1)が180°であり、前記肩部及び前記側部が連続して平らな表面を形成している、請求項1に記載のVCSELデバイス。
【請求項5】
前記肩部が、前記下部表面と実質的に平行であり、前記側部が、前記肩部に実質的に垂直である、請求項1に記載のVCSELデバイス。
【請求項6】
第1のレーザダイオード電極の少なくとも一部が、前記ノッチの前記肩部及び前記側部の上に位置付けられている、請求項1に記載のVCSELデバイス。
【請求項7】
第2のレーザダイオード電極が、前記第1のレーザダイオード電極が位置付けられている側部表面とは異なる側部表面上に位置付けられている、請求項6に記載のVCSELデバイス。
【請求項8】
前記2つのレーザダイオード電極が、同じ側部表面上に位置付けられている、請求項6に記載のVCSELデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のVCSELデバイスを備える、磁気媒体ドライブ。
【請求項10】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイスであって、
スライダ上に取り付けるためのチップであって、前記チップが、複数の表面を有し、前記複数の表面が、
前記スライダに面する前記チップの下部表面と、
前記下部表面の反対側の前記チップの上部表面と、
複数の側部表面と、を含み、前記複数の側部表面のうちの第1の側部表面が、前記下部表面に垂直な直線(α)から角度(θ3)をなして傾斜している、チップと、
前記チップの前記複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極と、を備える、VCSELデバイス。
【請求項11】
前記角度(θ3)が、約10°以下である、請求項10に記載のVCSELデバイス。
【請求項12】
前記角度(θ3)が、約5°以下である、請求項11に記載のVCSELデバイス。
【請求項13】
少なくとも1つのレーザダイオード電極が、前記第1の側部表面上に位置付けられている、請求項10に記載のVCSELデバイス。
【請求項14】
前記2つのレーザダイオード電極が、前記第1の側部表面上に位置付けられている、請求項10に記載のVCSELデバイス。
【請求項15】
前記2つのレーザダイオード電極が、異なる側部表面上に位置付けられている、請求項10に記載のVCSELデバイス。
【請求項16】
請求項10に記載のVCSELデバイスを備える、磁気媒体ドライブ。
【請求項17】
ヘッドジンバル組立品であって、
サスペンションと、
前記サスペンション上に取り付けられたスライダと、
前記スライダ上に取り付けられた垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイスであって、
前記スライダ上に取り付けるためのチップであって、前記チップが、複数の表面及びノッチを有し、前記複数の表面が、
前記スライダに面する前記チップの下部表面と、
上部表面の反対側の前記チップの上部表面と、
複数の側部表面と、を含む、チップと、
前記チップの前記複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極と、を備える、VCSELデバイスと、を備え、
前記ノッチが、前記下部表面からかつ前記上部表面に向かって間隔を空けた凹状のエッジを形成し、前記ノッチが肩部、側部、及び前記肩部と前記側部との間の角度(θ1)を有する、ヘッドジンバル組立品。
【請求項18】
前記2つのレーザダイオード電極が、前記サスペンションの1つ以上の電極に接続されている、請求項17に記載のヘッドジンバル組立品。
【請求項19】
前記2つのレーザダイオード電極が、前記チップの異なる表面上に位置付けられている、請求項17に記載のヘッドジンバル組立品。
【請求項20】
前記2つのレーザダイオード電極が、前記チップの同じ表面上に位置付けられている、請求項17に記載のヘッドジンバル組立品。
【請求項21】
請求項17に記載のヘッドジンバル組立品を備える、磁気媒体ドライブ。
【請求項22】
ヘッドジンバル組立品であって、
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイスであって、
スライダ上に取り付けるためのチップであって、前記チップが、複数の表面を有し、前記複数の表面が、
前記スライダに面する前記チップの下部表面と、
前記下部表面の反対側の前記チップの上部表面と、
複数の側部表面と、を含み、前記複数の側部表面のうちの第1の側部表面が、前記下部表面に垂直な直線(α)から角度(θ3)をなして傾斜している、チップと、
前記チップの前記複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極と、を備える、VCSELデバイスと、
前記チップの前記上部表面に結合された金属パッドと、を備える、ヘッドジンバル組立品。
【請求項23】
前記金属パッドの金属が、前記2つのレーザダイオード電極のうちの少なくとも1つの金属と接合されている、請求項22に記載のヘッドジンバル組立品。
【請求項24】
前記ヘッドジンバル組立品が、サスペンションを更に備え、
前記2つのレーザダイオード電極が、前記サスペンションの1つ以上の電極に接続されている、請求項22に記載のヘッドジンバル組立品。
【請求項25】
請求項22に記載のヘッドジンバル組立品を備える、磁気媒体ドライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国2021年6月16日に提出された米国特許仮出願第63/211,288号及び2021年6月16日に提出された米国仮出願第63/211,302号の優先権を主張し、それらの各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示の実施形態は、概して、垂直共振器型面発光レーザ、垂直共振器型面発光レーザを取り付けるためのヘッドジンバル組立品、そのような物品を組み込んだデバイス、及び垂直共振器型面発光レーザを形成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
熱アシスト磁気記録(Heat-assisted magnetic recording、HAMR)は、磁気記録媒体の記録密度を向上させるエネルギーアシスト記録技術の一種である。HAMRでは、レーザ源は、近接場トランスデューサ(near-field transducer、NFT)を励起して磁気記録媒体の書き込み位置で熱を生成するレーザ源などの熱を生成するために、書き込み要素の隣又は近くに位置する。HAMRに熱を提供する1つのアプローチには、垂直共振器型面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser、VCSEL)を使用して、レーザ光を磁気記録ヘッドを通して磁気媒体に向けることが含まれる。ここで、VCSELはスライダの上部表面に取り付けられ、1つ以上のレーザビームがVCSELの下部表面から放射され、HAMRヘッド内の対応する数の導波管構造に向けられる。導波管構造はマルチモード干渉(multimode interference、MMI)デバイスに送り込まれ、その後、MMIが、近接場トランスデューサ(NFT)に焦点を合わせるための導波管内にレーザを向ける。
【0004】
従来のVCSELは、他のレーザ、例えばエッジ発光レーザダイオードと比較してコストが削減されており、モードホッピングがないが、従来のVCSELでは、導波管とレーザの間の結合を最大化するためのアクティブ位置合わせが可能ではない。このようなアクティブ位置合わせの欠如は、VCSELのレーザダイオード電極がスライダの上部表面に接続されているか、又は面している結果である。更に、VCSELのレーザダイオード電極がスライダに接続されているため、スライダ製作時に複雑な裏面パターン化プロセスが典型的に採用される。
【0005】
新規かつ改良されたVCSEL、VCSELを取り付けるためのヘッドジンバル組立品(head gimbal assembly、HGA)、及びそのような部品を組み込んだデバイスが求められている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、概して、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、VCSELを取り付けるためのヘッドジンバル組立品、そのような物品を組み込んだデバイス、及びVCSELを形成するためのプロセスに関連する。
【0007】
一実施形態では、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイスが提供される。VCSELデバイスは、スライダに取り付けるためのチップであって、チップは、複数の表面及びノッチを有し、複数の表面は、スライダに面するチップの下部表面と、上部表面の反対側のチップの上部表面と、複数の側部表面と、を含む、チップを含み、ノッチは、下部表面から上部表面に向かって間隔を空けた凹状のエッジを形成し、ノッチは、肩部、側部、及び肩部と側部との間の角度(θ1)を有する。VCSELデバイスは、チップの複数の表面のうちの1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極を更に含む。
【0008】
一実施形態では、VCSELデバイスが提供される。VCSELデバイスは、スライダに取り付けるためのチップであって、チップは、複数の表面を有し、複数の表面は、スライダに面するチップの下部表面と、下部表面の反対側のチップの上部表面と、複数の側部表面と、を含む、チップを含み、複数の側部表面のうちの第1の側部表面は、下部表面に垂直な線(α)から角度(θ3)をなして傾斜している。VCSELデバイスは、チップの複数の表面の1つ以上の上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極を更に含む。
【0009】
別の実施形態では、ヘッドジンバル組立品が提供される。ヘッドジンバル組立品は、サスペンションと、サスペンションに取り付けられたスライダと、スライダに取り付けられたVCSELデバイスと、を含む。ヘッドジンバル組立品のVCSELデバイスは、スライダに取り付けるためのチップであって、チップは、複数の表面及びノッチを有し、複数の表面は、スライダに面するチップの下部表面と、上部表面の反対側のチップの上部表面と、複数の側部表面と、を含む、チップと、チップの複数の表面のうちの1つ以上に任意の組み合わせで位置付けられた2つのレーザダイオード電極と、を含み、ノッチは、下部表面からかつ上部表面に向かって間隔を空けた凹状のエッジを形成し、ノッチは、肩部、側部、及び肩部と側部との間の角度(θ1)を有する。
【0010】
別の実施形態では、ヘッドジンバル組立品が提供される。ヘッドジンバル組立品は、VCSELデバイスであって、スライダに取り付けるためのチップであって、チップは、複数の表面を有し、複数の表面は、スライダに面するチップの下部表面と、下部表面の反対側のチップの上部表面と、複数の側部表面と、を含む、チップを含み、複数の側部表面のうちの第1の側部表面は、下部表面に垂直な線(α)から角度(θ3)をなして傾斜している、VCSELデバイスと、チップの複数の表面のうちの1つ以上に任意の組み合わせで位置決めされた2つのレーザダイオード電極と、を備える。ヘッドジンバル組立品は、チップの上部表面に結合された金属パッドを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、簡潔に上で要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによってなされ得、それらのいくつかが添付の図面に例示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示し、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、本開示が他の同等に有効な実施形態を認め得ることに留意すべきである。
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による、HAMR磁気書き込みヘッドを含む例示的な磁気媒体ドライブの概略例示図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態による、磁気ディスクに面したHAMR書き込みヘッドの例の断面側面図の一部の実施形態の概略例示図である。
【
図3A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、レーザダイオード電極を含まないVCSELの表面を示している。
【
図3B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、そこに結合されたレーザダイオード電極を有する例示的VCSELの側面図を示している。
【
図3C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、レーザダイオード電極が下部表面に延在している例示的VCSELの底面図を示している。
【
図4A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、そこに例示的VCSELを取り付けた例示的スライダの断面図(ダウントラック方向)の概略例示図である。
【
図4B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図4Aに示した例示的VCSELの断面図(クロストラック方向)である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的熱アシスト磁気記録ヘッドジンバル組立品の一部を斜視図である。
【
図6A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的VCSELが取り付けられた例示的スライダの斜視図の概略例示図である。
【
図6B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図6Aに示された例示的VCSELの底面図である。
【
図6C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、レーザダイオード電極をVCSELの幅よりも小さい幅を有する単一のトレンチ内に配置された例示的VCSELの斜視図である。
【
図6D】本開示の少なくとも1つの実施形態による、レーザダイオード電極をVCSELの幅と実質的に同じサイズの単一のトレンチ内に配置された例示的VCSELの斜視図である。
【
図7A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的VCSELの斜視図である。
【
図7B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図7Aに示された例示的VCSELの底面図である。
【
図8A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、取り付けられた例示的VCSELを有する例示的スライダの断面図の概略例示図である。
【
図8B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的VCSELの斜視図である。
【
図8C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図8Bに示された例示的VCSELの底面図である。
【
図9A】VCSELが取り付けられたスライダの断面図の概略例示図である。
【
図9B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELが取り付けられたスライダの断面図(クロストラック方向)の概略例示図である。
【
図9C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図9Bに示される例示的VCSELの斜視図の概略例示図である。
【
図9D】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELが取り付けられたスライダの断面図(クロストラック方向)の概略例示図である。
【
図9E】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELが取り付けられたスライダの断面図(クロストラック方向)の概略例示図である。
【
図9F】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELが取り付けられたスライダの断面図(クロストラック方向)の概略例示図である。
【
図10A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図10B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセの選択された動作を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的プロセスの選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【
図18A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、加工中に形成された側部壁の可変角度を示すウェハの一部である。
【
図18B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、加工後に形成されたVCSEL内の
図18Aからの角度付き側部壁の場所を示している。
【
図19】本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの異なる側部にトレンチをエッチングするプロセスの変形を示している。
【0012】
理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な限り、同一の参照番号を使用している。一実施形態で開示される要素は、特に断ることなく、他の実施形態に有益に利用され得ることが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態は、概して、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、VCSELを取り付けるためのヘッドジンバル組立品、及びそのような物品、例えば、磁気媒体ドライブ、を組み込んだデバイスに関連する。本明細書で説明されるVCSELを製作するためのプロセスについても説明する。
【0014】
発明者らは、従来のVCSELとは異なり、VCSELのレーザダイオード電極をスライダに接続された表面とは異なるVCSEL表面上に置くなど、アクティブ位置合わせを可能にする新しい改良型VCSELを発見した。簡単に言うと、及びいくつかの実施形態では、本明細書で説明されているVCSELは、スライダに取り付けるための多表面チップを含む。チップの第1の表面はスライダに面し、チップの第2の表面は第1の表面の反対側にあり、側部表面は、その上に2つのレーザダイオード電極が位置付けられるか又はそこに結合され得る。レーザダイオード電極はVCSELの側部表面上に結合又は位置付けられているため、VCSEL及びVCSELを組み込んだデバイスの使用中にアクティブ位置合わせを達成することができる。加えて、本明細書で説明されたVCSELは、VCSELを組み込んだスライダ及びHGAの製造工程を簡素化し、コストを低減することができる。
【0015】
図1は、HAMR磁気書き込みヘッドを含む磁気媒体ドライブの特定の実施形態の概略例示図である。そのような磁気媒体ドライブは、単一のドライブ/デバイスであり得、複数のドライブ/デバイスを含み得る。例示を容易にするために、実施形態に従って単一のディスクドライブが示されている。ディスクドライブ100は、スピンドル114で支持され、ドライブモータ118で回転可能な磁気ディスク112(少なくとも1つの回転可能な磁気記録媒体と呼ばれることがある)が少なくとも1つ含む。各磁気ディスク112上の磁気記録は、磁気ディスク112上の同心データトラック(図示せず)の環状パターンなどの、データトラックの任意の好適なパターンの形態である。
【0016】
少なくとも1つのスライダ113は、磁気ディスク112の近くに位置付けられる。各スライダ113は、1つ以上の読み取りヘッドとHAMR書き込みヘッドなどの1つ以上の書き込みヘッドを含むヘッド組立品121(読み取り/記録ヘッド組立品など)を支持する。動作において、磁気ディスク112が回転すると、スライダ113はディスク表面122の上を放射状に出入りして移動するため、ヘッド組立品121は、必要なデータが書き込まれる磁気ディスク112の異なるトラックにアクセスし得る。各スライダ113は、サスペンション115によってアクチュエータアーム119に固着されている。サスペンション115は、スライダ113をディスク表面122に向かって付勢するわずかなばね力を提供する。各アクチュエータアーム119は、アクチュエータ127に固着されている。
図1に示されるようなアクチュエータ127は、ボイスコイルモータ(voice coil motor、VCM)であり得る。VCMは、固定磁場内で移動可能なコイルを含み、コイル移動の方向及び速度は、制御ユニット129によって供給されるモータ電流信号によって制御される。
【0017】
ディスクドライブ100の動作中、磁気ディスク112の回転は、スライダ113とディスク表面122との間に空気軸受を生成し、これがスライダ113に上向きの力又は揚力を作用させる。したがって、空気軸受は、サスペンション115のわずかなばね力と相殺し、通常の動作中、スライダ113をディスク表面122から、小さい、実質的に一定の間隔だけ離して、ディスク表面122のわずかに上方で支持する。
【0018】
ディスクドライブ100の各種構成要素は、アクセス制御信号及び内部クロック信号などの、制御ユニット129によって生成された制御信号によって動作制御される。典型的に、制御ユニット129は、論理制御回路、記憶手段、及びマイクロプロセッサを含む。制御ユニット129は、ライン123のドライブモータ制御信号及びライン128のヘッド位置及びシーク制御信号など、様々なシステム動作を制御するための制御信号を生成する。ライン128の制御信号は、スライダ113を磁気ディスク112の目的のデータトラックに最適に移動して位置付けるために、所望の電流プロファイルを提供する。書き込み及び読み取り信号は、記録チャネル125によってヘッド組立品121に、及びヘッド組立品121から通信される。
図1の磁気媒体ドライブの特定の実施形態は、複数の媒体、又はディスク、複数のアクチュエータ、及び/又は複数のスライダを更に含み得る。
【0019】
図2は、磁気ディスク112に面するHAMR書き込みヘッド230の断面側面図の特定の実施形態の概略例示図である。HAMR書き込みヘッド230は、
図1で説明したヘッド組立品121の一部又は他の磁気媒体ドライブに使用される記録ヘッドに対応し得る。HAMR書き込みヘッド230は、磁気ディスク112に面した空気軸受表面(air bearing surface、ABS)やガス軸受表面(gas bearing surface、GBS)などの媒体対向表面(MFS)を含む。
図2に示すように、磁気ディスク112及びHAMR書き込みヘッド230は、矢印282で指し示されている方向に相対的に移動する(方向を変える必要がある)。
【0020】
HAMR書き込みヘッド230は、前方シールド234と後方シールド238との間に配置された主極236を含む。主極236は、MFSにおける主極先端237を含むことができる。主極先端237は、前方テーパ及び/又は後方テーパを含むか又は含まなくてもよい。主極チップ236の周りの260コイルが主極先端237を励起し、磁気ディスク112の磁気媒体に影響を与える書き込み磁場を生成する。磁気ディスク112は回転可能にすることができる。いくつかの実施形態では、コイル260はらせん構造又は1つ以上のパンケーキ構造のセットである。前方シールド234及び/又は後方シールド238は、主極236の戻り極として作用することができる。磁気ディスク112は、HAMR書き込みヘッド230に隣接して、又はその下に位置付けられる。コイル260内の電流によって生成される磁場は、磁気ディスク112内のビットの磁化方向を制御するために使用される。
【0021】
HAMR書き込みヘッド230は、主極先端237が磁気書き込み磁場を記憶媒体に印加する場所に近接した場所に磁気ディスク112を加熱するための構造を含む。導波管242は、主極236と前方シールド234との間に位置付けられている。導波管242は、コア層及びコア層を囲むクラッディング層を含むことができる。導波管242は、例えば、紫外、赤外、可視光であり得る電磁放射の光源278からの光を伝導する。光源278は、例えばレーザダイオード、又は光線を導波管242に向けるための他の好適なレーザ光源であり得る。光源278を導波管242に結合するための様々な好適な技術を使用することができる。例えば、光源278は、光ファイバ及び外部光学系と組み合わせて光線を導波管242に向けるように働き得る。代わりに、光源278を導波管242に取り付けることができ、光線を外部の光学構成を必要とせずに導波管242に直接結合することができる。光線が導波管242に内に結合されると、光は導波管242を通って伝播し、矢印282に示すように、媒体がHAMR書き込みヘッド230に対して移動すると、媒体の一部を加熱する。
【0022】
HAMR書き込みヘッド230は、導波管242の端部付近に熱を集中させるための近接場トランスデューサ(NFT)284を含む。NFT284は、MFSの近く又はMFSにある導波管242の中又は導波管242に隣接して位置付けられる。導波管242からの光はNFT284によって吸収され、NFT284の外側に沿ってMFSに向かって移動し、NFT284の先端に電荷を集中させる表面プラズモンを励起し、これは次に磁気ディスクに容量結合し、ジュール加熱によって磁気ディスク112の正確な領域を加熱する。HAMR書き込みヘッドのNFT284で可能な設計の1つは、ディスク部分とディスクとMFSとの間に延在するペグを有するロリポップ設計である。NFT284は、主極236に近接して配置され得る。NFT284は、相対的に熱的絶縁され得、共振している間にレーザ出力のかなりの部分を吸収することができる。
【0023】
上で論じた磁気媒体ドライブ及びHAMR書き込みヘッドは、以下で説明するVCSEL及びHGAの様々な実施形態を使用することができる。
【0024】
例示的VCSEL及びHGA
本開示の実施形態は、VCSEL及びVCSELを組み込んだHGAにも関連する。VCSELは、エッジ発光レーザダイオード(edge emitting laser diode、EELD)と比較して、HAMRの光源としての使用のための多くの重要な利点を有する。現在使用されているEELDは、レーザのエッジ発光ファセット面をスライダの上部に直接接着するのが難しいため、典型的には、サブマウントに取り付けられる。このサブマウントは次にスライダに接着される。これに対し、従来のVCSELは、表面発光面にスライダの上部表面に対応する電極と一致する結合電極を有する。これらの電極は、レーザ補助はんだリフローによって接着することができ、レーザを通電するための電気接続としても機能する。サブマウントの必要性を排除することにより、光源コストを大幅に低減することができる。
【0025】
従来のVCSELは、他のレーザ、例えばエッジ発光レーザダイオード(EELD)と比較してコストが低減されており、モードホッピングがないが、従来のVCSELでは、アクティブ位置合わせが可能ではない。これは、VCSELのレーザダイオード電極がスライダの上部表面に接続されているか、又は面している結果である。本明細書で説明する実施形態は、最先端のVCSELとは異なり、アクティブ位置合わせを可能にする。
【0026】
図3Aは、いくつかの実施形態によるVCSEL300チップの表面を示す。VCSEL300は長方形のプリズム形態を有するように示されているが、立方体のような他の好適な形態又は形状が企画される。VCSEL300は、スライダに直接的又は間接的に結合できる第1の表面a(例えば、下部表面)と、第1の表面aの反対側の第2の表面b(例えば、上部表面)とを有する。他の面のうちの1つ以上、-第3の表面c(例えば、背部表面)、第4の表面d(例えば、側部表面)、第5の表面e(例えば、側部表面)、及び第6の表面f(例えば、前部表面)-は、1つ以上のレーザダイオード電極(図示せず)をその上に任意の組み合わせで位置付け又は結合するために利用される。第3の表面c、第4の表面d、第5の表面e、第6の表面fは、VCSEL300の側部表面である。VCSELの1つ以上の側部表面上に位置付けられる、又はそこに結合されるレーザダイオード電極の数は、1つ又は2つのレーザダイオード電極など、1、2、3、4、5、又は6つのレーザダイオード電極などの任意の好適な数とすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、2つのレーザダイオード電極が同じ側部表面上に位置付けられるか、又はそこに結合される。例えば、2つのレーザダイオード電極は、第3の表面c上に位置付けられるか、又はそこに結合されることができ、2つのレーザダイオード電極は、第4の表面d上に位置付けられるか、そこに結合されることができ、2つのレーザダイオード電極は、第5の表面e上に位置付けられるか、又はそこに結合することができ、若しくは、2つのレーザダイオード電極は、第6の表面f上に位置付けられるか、又はそこに結合されることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つのレーザダイオード電極は、VCSELの1つの表面上に位置付けられるか、又はそこに結合され、別のレーザダイオード電極が、任意の組み合わせで、VCSELの異なる表面上に位置付けられるか、又はそこに結合される。例えば、非限定的な例として、一方のレーザダイオード電極は、第3の表面c上に位置付けられるか又はそこに結合されることができ、他方のレーザダイオード電極は、第4の表面d上に位置付けられるか又はそこに結合されることができ、又は、1つのレーザダイオード電極は、第3の表面c上に位置付けられるか又はそこに結合されることができ、他方のレーザダイオード電極は、第5の表面e上に位置付けられるか又はそこに結合されることができる。レーザダイオード電極をVCSEL300に結合するための他の配向も企画される。
【0029】
本明細書で説明するVCSELは、様々な寸法を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、VCSELの下部表面(例えば、第1の表面a)及び上部表面(例えば、第2の表面b)は、約75μm~約150μmの高さ及び/又は約100μm~約250μmの長さを有する。VCSELの側部表面は、同じ又は類似の寸法を有し得る。下部表面(例えば、第1の表面a)及び上部表面(例えば、第2の表面b)の幅は、約150μm~約200μmなど、約100μm~約250μmとすることができ、及び/又は下部表面(例えば、第1の表面a)及び上部表面(例えば、第2の表面b)の長さは、約150μm~約200μmなど、約100μm~約250μmとすることができる。VCSELのより小さい又はより大きい寸法が企画される。様々な表面の寸法は、同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
図3B及び
図3Cは、それぞれ、いくつかの実施形態による、VCSEL300の側面図及び底面図の概略例示図である。上で説明したように、VCSEL300は、側部表面上に1つ以上のレーザダイオード電極を有する。
図3Bに示す非制限例示図では、VCSEL300は、側部表面e上に位置付けられるか、又はそこに結合された2つのレーザダイオード電極305(306)を有する。
【0031】
図3Cに示すように、複数のレーザ開口308a~308nがVCSEL300の下部表面a上に配置されている。複数のレーザ開口の代わりに、単一のレーザ開口を利用できると企画されている。レーザ開口の数308a~308nは、スライダのスポットサイズコンバータの数と一致する。各々のレーザ開口308a~308nは、隣接するレーザ開口から約2μm~約10μmなど、約1μm~約20μmの距離312の間隔を空けることができる。より長い又はより短い距離312が企画される。レーザ開口308a~308nは、中心線を中心として位置合わせすることができ、複数のレーザ開口308A~308nは対応する入力レーザに位置合わせすることができる。レーザ開口308a~308nは、キャビティの対応するレーザ開口と位置合わせすることもできる(図に示されていない)。
図3Cに示すように、2つのレーザダイオード電極305、306は、VCSEL300の側部表面eから下部表面aまで延在する。
【0032】
レーザ開口308a~308nの各々は、独立して、約1.5μm~約8μmの直径を有し、2μm~10μmのピッチであり得るが、より大きい又はより小さい直径及びピッチも企画される。レーザ開口308a~308nの中心は、側部から約35μm~約50μmの距離322だけ間隔を空けることができるが、より大きい又はより小さい距離322も企画される。レーザ開口308a~308nの中心は、レーザダイオード電極305、306から約75μm~約90μmの距離324だけ間隔を空けることができるが、より大きい又はより小さい距離324も企画される。
【0033】
図4A及び
図4Bは、いくつかの実施形態による、VCSEL410チップが取り付けられたスライダ404の断面図(それぞれ、ダウントラック方向及びクロストラック方向)の概略例示
図400である。
図4A及び
図4Bに示される概略例示図は、HGAの一部であり得る。明確にするために、
図4Bでは特定の特徴にラベルを付けていない。レーザダイオード電極405は、VCSEL410の側部表面上に結合されるか、又はそこに位置付けられる。側部表面410eに結合されたレーザダイオード電極405が1つだけ示されているが、別のレーザダイオード電極(例えば、
図6Aに示すレーザダイオード電極406)は、VCSEL410の同じ側部表面410eに結合される。レーザダイオード電極405、406は、
図6A及び
図6Bに示すように、VCSEL410の側部表面410eからVCSEL410の下部表面410aまで延在している。
【0034】
図4Aを参照すると、VCSEL410は、パッド401、パッド402、及びはんだ付け材料403を介してスライダ404に取り付けられる。パッド401及びパッド402は、各々独立して、金属含有層であり得る。スライダ404は、基板、例えばAlTiC基板、及び層424、例えばアルミナ含有層を含む。パッド401は、VCSEL410の下部表面410aに結合され、パッド402はスライダ404の上部表面404aに結合される。パッド401、パッド402、及びはんだ付け材料403は、はんだ付け後に集合的に接点を形成することができる。はんだ付け材料403に加えて、又はその代わりに、導電性接着剤を使用することができる。
【0035】
VCSEL410は、1つ以上のキャビティ415a~nを含み、これらを通って1つ以上のレーザビームがVCSEL410を出て、層424内に位置付けられた単一の出力導波管416に入る。例えば約1~約16、例えば約3~約12などの任意の好適な数のキャビティを使用することができる。より多くの又はより少ない数のキャビティも企画される。VCSEL410によって放射される1つ以上のレーザビームの各々は、同じ周波数で動作することができ、位相コヒーレントであることができる。VCSEL410によって放射される1つ以上のレーザビームの各レーザは、約1mW~約10mWなど、約2mW~約8mWなど、約4mW~約6mWなど、約0.5mW~約20mWの出力レベルを有することができる。より多くの又はより少ないパワーレベルも企画される。示されていないが、マルチモード干渉(MMI)デバイスを使用し、スライダ404内に配置することができる。使用される場合、MMIデバイスは、キャビティ415a~414nから供給されるレーザ光を組み合わせ、単一の出力導波管416を介して単一のレーザを放射する。単一の出力導波管416は、MMIデバイスによって受け入れられる複数の入力レーザの組み合わせパワーを含むレーザ光をMMIデバイスから放射することができる。単一出力モードは、光学的パワーを集中させてNFTに結合するために利用することができる。
【0036】
スライダパッド425は、スライダ404の層424の表面に結合される。スライダパッド425は、第1のポリイミド層430、電極409、第2のポリイミド層432、及び湾曲部419を含む多層構造に結合される。スライダパッド425の多層構造への結合は、はんだ付け材料407によって成し遂げることができる。はんだ付け材料407に加えて、又はその代わりに、導電性接着剤を使用することができる。
【0037】
スライダ404を支持するサスペンション(その一部が示されている)は、スライダ404のパッド402と同じ表面、例えば上部表面404a上に配置されている。サスペンションは、湾曲部419及びロードビーム417を含む。ロードビームはサスペンションの本体である。湾曲部419はスライダ404を保持しており、湾曲部419はロードビーム417に固着されている。動作中、ロードビーム417は、ディンプル418を有するディスクに向かってスライダ404を押すことができる。湾曲部419とスライダ404との間には、ワイヤ及び/又は電極(例えば、電極440)を含むポリイミド層420が配置されている。ワイヤを含むポリイミド層420は、スライダ内の構成要素(磁気ヘッド、間隔制御用のヒータなど)に電流又は電圧を印加するため、又はセンサ(リーダ、接触センサ、熱センサ)からの信号をプリアンプに送信するためのものである。
【0038】
図5は、熱アシスト磁気記録ヘッドジンバル組立品500の一部の斜視図である。ヘッドジンバル組立品500は、
図4A及び
図4Bに示されるVCSEL構造を含むが、ヘッドジンバル組立品は、本明細書で説明されて示される他のVCSEL構造とともに使用できることが企画される。ヘッドジンバル組立品500は、上で論じた湾曲部419及びロードビーム417を含むサスペンション501を含む。ワイヤを含むポリイミド層420は、湾曲部419とスライダ404との間に位置付けられる。スライダ404上に取り付けられたVCSEL410は、ポリイミド層420の隣に位置付けられる。湾曲部419は、電極503,505を含む。
図5に示す構成では、VCSELは、レーザダイオード電極405及びレーザダイオード電極406がそれぞれ電極503a及503bに結合することができるように、スライダ上に位置付けられる。電極503a,503bは、レーザダイオード電極に電流を供給するように機能する。電極505は、スライダパッドに結合され、スライダ内の構成要素(例えば、磁気ヘッド、間隔制御用のヒータなど)に電流又は電圧を印加するように又はセンサ(リーダ、接触センサ、温度センサ)からプリアンプに信号を送信するために機能する。
図4Bに示される電極440は電極503aに対応し、
図4Aの電極409は電極505に対応する。
図4Bに示すように、はんだ付け材料434を利用して、電極440をレーザダイオード電極405に結合することができる。
【0039】
図6A及び
図6Bは、
図4A及び
図4Bに示すVCSEL410チップの斜視図及び底面図の概略例示図である。
図6C及び
図6Dは、VCSEL410チップの非制限変形を例示する。
図6A~
図6Dに示す配向では、レーザダイオード電極405、406はVCSEL410の側部表面410e上に位置付けられるか、又はそこに結合される。レーザダイオード電極405、406は、VCSEL410の側部表面410eからVCSEL410の下部表面410aまで延在している。VCSEL410の下部表面410aに配置されたパッド401は、VCSEL410をスライダ、例えば、スライダ404に結合するために利用される。いくつかの実施形態では、VCSEL410の415a~414nのキャビティには、アクティブ層及びアクティブ層を挟む分散ブラッグリフレクタのような2つのリフレクタ層が含まれる。レーザダイオード電極405、406は、リフレクタ層又は基板のうちの1つに接続され得る。
【0040】
VCSEL410、610、620の変形に関しては、電極を配置するトレンチの数と幅が可変であり得る。
図6Aに示すVCSEL410の場合、レーザダイオード電極405の一部が配置される第1のトレンチ601は、レーザダイオード電極406が配置される第2のトレンチ602から分離されている。
【0041】
図6Cに示されるVCSEL610を参照すると、レーザダイオード電極405、406は、VCSEL610の幅よりも小さい幅を有する単一のトレンチ612内に配置される。同様に、
図6Dに示されるVCSEL620に関して、レーザダイオード電極405、406は、VCSEL620の幅と同じサイズ又は実質的に同じサイズの幅を有する単一のトレンチ622内に配置される。VCSEL410と同様に、VCSEL610及び620はパッド401を介してスライダ(例えば、スライダ404)上に位置付けることができる。更に、VCSEL610及び620のレーザダイオード電極405及び406は、VCSEL410のように、HGAの電極503a、503bと結合することができる。
【0042】
図7A及び
図7Bは、それぞれ、VCSEL710チップの斜視図及び底面図の概略例示図である。パッド401、キャビティ415a~n、及びサスペンション上の電極503a、503bなどの
図7A及び
図7Bの様々な要素は、
図4A及び
図4Bに関連して上で説明した要素と同じ又は類似であり得る。
図7A及び
図7Bに示される配向では、レーザダイオード電極705、706は、VCSEL710の2つの異なる表面、-それぞれ側部表面710e及び710d上に位置付け又はそこに結合される。レーザダイオード電極705、706は、VCSEL710のそれらのそれぞれの側部表面から下部表面710aまで延在する。
【0043】
図7Bを参照すると、レーザダイオード電極705は、HGA(例えば、ヘッドジンバル組立品500)のサスペンションの電極503aに結合され、レーザダイオード電極706は、サスペンションの電極503bに結合される。VCSEL710の下部表面710aに配置された、パッド401は、VCSEL710をスライダに結合するために利用される。VCSEL710は、
図4A及び
図4Bに示すスライダ404のようなスライダ上に位置付けることができるが、レーザダイオード電極705、706のスライダに対する配向は異なる。VCSEL710チップの性質、特性、及び用途(例えば、HGA組立品、磁気媒体ドライブなど)は、上記で説明したVCSEL410チップの性質、特性、及び用途と同じか、類似している可能性がある。
【0044】
図8Aは、いくつかの実施形態による、VCSEL810チップを取り付けたスライダ804の側面
図800の概略例示図である。概略例示
図800は、HGAの一部であり得る。
図8B及び
図8Cは、
図8Aに示すVCSEL810の斜視図及び底面図である。
図8A~
図8Cは、VCSEL810の前部表面810fにレーザダイオード電極が位置するVCSELの特殊なケースである。これらの実施形態では、サスペンションは、
図8Aに示すように二重層電極を含むことができるが、VCSEL410、VCSEL610、VCSEL620、及びVCSEL710は、サスペンション上に単一層の電極を含む。
【0045】
図8Aを参照すると、VCSEL810は、パッド801、パッド802、及びはんだ付け材料803を介してスライダ804に取り付けられる。パッド801及びパッド802は、各々独立して、金属含有層であり得る。スライダ804は、基板、例えばAlTiC基板、及び層824、例えばアルミナ含有層を含む。パッド801は、VCSEL810の下部表面810aに結合され、パッド802はスライダ804の上部表面804aに結合される。パッド801、パッド802、及びはんだ付け材料803は、はんだ付け後に集合的に接点を形成することができる。はんだ付け材料803に加えて、又はその代わりに、導電性接着剤を使用することができる。
【0046】
レーザダイオード電極805は、VCSEL810の前部表面(例えば、前部表面810f)上に結合されるか、又はそこに位置付けられる。1つのレーザダイオード電極805のみが前部表面810fに結合されて示されているが、別のレーザダイオード電極(例えば、
図8Bに示されるレーザダイオード電極806)は、VCSEL810の同じ前部表面810fに結合される。レーザダイオード電極805、806は、
図8B及び
図8Cに示すように、VCSEL810の前部表面810fからVCSEL810の下部表面810aまで延在している。
【0047】
VCSEL810は、1つ以上のキャビティ815a~nを含み、これらを通って1つ以上のレーザビームがVCSEL810を出て、層824内に位置付けられた単一の出力導波管816に入る。例えば約1~約16、例えば約3~約12などの任意の好適な数のキャビティを使用することができる。より多くの又はより少ない数のキャビティも企画される。VCSEL810によって放射される1つ以上のレーザビームの各々は、同じ周波数で動作することができ、位相コヒーレントであることができる。VCSEL810によって放射される1つ以上のレーザビームの各レーザは、約0.5mW~約20mW、例えば約1mW~約10mW、例えば約2mW~約8mW、例えば約4mW~約6mW出力レベルを有することができる。より多くの又はより少ないパワーレベルも企画される。示されていないが、マルチモード干渉(MMI)デバイスを使用し、スライダ804内に配置することができる。使用される場合、MMIデバイスは、キャビティ815a~814nから供給されるレーザ光を組み合わせ、単一の出力導波管816を介して単一のレーザを放射する。単一の出力導波管816は、MMIデバイスによって受け入れられる複数の入力レーザの組み合わせパワーを含むレーザ光をMMIデバイスから放射することができる。単一出力モードは、光学的パワーを集中させてNFTに結合するために利用することができる。
【0048】
図8Aを参照すると、スライダパッド825は、スライダ804の層824の表面に結合される。スライダパッド825及びレーザダイオード電極805は、下部電極809aを含む積層構造と、下部電極809aの上に配置されたポリイミド層811と、ポリイミド層811上に配置された上部電極809bと、に結合されている。スライダパッド825及びレーザダイオード電極805を多層構造に結合することは、それぞれはんだ付け材料807aと807bにより成し遂げられ得る。はんだ付け材料807a、807bに加えて、又はその代わりに、導電性接着剤を使用することができる。また、レーザダイオード電極806は、レーザダイオード電極805と同じ、又は類似の方式で多層構造に結合される。
【0049】
スライダ804を支持するサスペンション(その一部が示されている)は、スライダ804のパッド802と同じ表面、例えば上部表面804a上に配置されている。サスペンションの一部を
図8Aに示す。サスペンションは、湾曲部819及びロードビーム817を含む。ロードビームはサスペンションの本体である。湾曲部819はスライダ804を保持しており、湾曲部819はロードビーム817に固着されている。動作中、ロードビーム817は、ディンプル818を有するディスクに向かってスライダ804を押すことができる。湾曲部819とスライダ804との間には、ワイヤを含むポリイミド層820が配置されている。ワイヤ層は、スライダ内の構成要素(磁気ヘッド、間隔制御用のヒータなど)に電流又は電圧を印加するため、又はセンサ(リーダ、接触センサ、熱センサ)からの信号をプリアンプに送信するためのものである。VCSEL810の底面図(
図8C)には、サスペンション上に電極821a、821bが示されている。
図8Cでは、821a及び821bの電極が上側電極809bに対応する。
図8Cは、例えばVCSEL810のクロストラック方向及びダウントラック方向の方向移動も示す。
【0050】
図4Aとの1つの違いは、
図4Aに示すものと同じ形式でレーザダイオード電極805、806が多層構造に結合していないことである。VCSEL810は、
図5に示すものと同様の好適な方式でHGA上に位置付けられ得る。VCSEL810チップの性質、特性、及び用途(例えば、HGA組立品、磁気媒体ドライブなど)は、上記で説明したVCSEL410チップの性質、特性、及び用途と同じか、類似している可能性がある。
【0051】
本明細書で説明されているVCSELは、例えば、使用中に導波管(例えば、導波管242又は単一出力導波管816)とレーザとの間の結合を最大化するためのアクティブ位置合わせを可能にする。本明細書で説明されているVCSELは、EELDの出力ビームよりも大きく、より円形である出力ビームを有し、これにより位置合わせ公差及びスライダスポットサイズコンバータへの結合効率が増加する。更に、本明細書で説明されているVCSELは、例えば、1つの縦モード及びDBRミラー選択性を有する非常に短いキャビティ長により、モードホップのない動作を有するが、EELDはモードホップを蒙る。モードホッピングにより、記録プロセス中にレーザ出力のわずかな変化(典型的に1~2%)が突然生じる可能性がある。VCSELは製造時にバーンインを必要としないため、コストを更に削減する。VCSELのキャビティ長はEELDよりも短く、レーザはスライダの上部に取り付けられているため、全体の高さが低くなり、ディスク間の間隔が低減し、ディスクの数がし、HDDの容量を増加させる。
【0052】
はんだ付けのために金属パッド(例えば、パッド401)の周りにトレンチ又は突起を利用し得る。VCSELとスライダ(例えば、スライダ404)と間のはんだは、はんだ付けプロセス中に膨張し、VCSELのレーザダイオード電極に接触する場合がある。いくつかの実施形態では、かつはんだ(例えば、はんだ付け材料403)がVCSELのレーザダイオード電極に接触するのを防ぐ(又は少なくとも緩和する)ために、はんだ付けのためにパッドの周囲にトレンチ又は突起が形成され得る。トレンチの深さは、例えば約10μmであり得るが、それはより大きくてもより小さくてもよい。突起の高さは、金属層の厚さにはんだの厚さを加えたものに等しくすることができるが、それはより大きくてもより小さくてもよい。いくつかの実施形態では、絶縁層がトレンチ又は突出領域の上又は近くに堆積されている場合がある。
【0053】
いくつかの実施形態では、パッドが電気的に絶縁又は接地されている場合に、取り付けのために、レーザダイオード電極のうちの少なくとも1つをパッドと接合することができる。例えば、レーザダイオード電極と取り付け用パッドの間隔はほぼゼロであり得る。
【0054】
凹状特徴又はノッチを備えた例示的VCSEL
本明細書で説明されている実施形態は、概して、凹状の特徴(ノッチ)を有するVCSEL、及びそのようなVCSELを組み込んだHGAにも関する。
図9AのVCSEL910チップなど、下部表面が平らなVCSELは、時々電気的短絡を起こし得る。
図9Aの概略例示
図900に示すように、レーザダイオード電極905のエッジ908は、スライダ904の上に位置付けられた絶縁層901に接触している。はんだ付け材料934を利用して、レーザダイオード電極905をサスペンションの電極903に結合する。絶縁層901にピン穴や亀裂を有する場合、はんだ付け材料がスライダ904に接触し、電気的短絡を引き起こす可能性がある。
【0055】
発明者らは、凹状の特徴又はノッチを有するVCSELが、電気的短絡の発生を排除するか、又は少なくとも緩和することができることを見出した。
図9Bは、いくつかの実施形態による、VCSEL410チップが取り付けられたスライダ404の断面図(クロストラック方向)の概略例示
図950である。
図9Bに示される概略例示図は、HGAの一部であり得る。更に、
図9Bの実施形態に示される様々な特徴は、本明細書で説明される他の実施形態とともに使用することができる。レーザダイオード電極405は、VCSEL410チップの側部表面上に結合されるか、又はそこに位置付けられる。レーザダイオード電極405が1つだけ示されているが、別のレーザダイオード電極(例えば、
図6Aに示すレーザダイオード電極406)は、VCSEL410の同じ側部表面に結合され得る。レーザダイオード電極405、406は、
図6A及び6Bに示すように、VCSEL410の側部表面410eからVCSEL410の下部表面410aまで延在し得る。VCSEL410は、はんだ付け材料954以外にパッド及びはんだ付け材料などによってスライダ404に取り付けられる(図には示されていない)。
図9Bに示すように、スライダ404とVCSEL410との間に絶縁層951が位置付けられる。はんだ付け材料954を利用して、レーザダイオード電極905をサスペンションの電極903に結合する。
【0056】
VCSEL410チップは、高さ(H1)及び深さ(D1)を有するノッチ952を含む。ノッチ952は、少なくとも側部表面410eの一部に沿って延在する幅W1(
図9Cに示す)を有する。ノッチ952は、深さD1の肩部952aと、スライダ404及び絶縁層951から間隔を空けた凹状のエッジ956を形成する高さH1の側部952bとを有する。ノッチ952は、肩部952aと側部952bとの間の角度θ1を有する。肩部952aは、VCSEL410チップの下部表面410aと平行にすることも、又は実質的に平行にすることもできる。側部952bは、VCSEL410チップの側部表面410eと平行にすることも、又は実質的に平行にすることもできる。したがって、肩部952a及び側部952bは、垂直にすることも又は実質的に垂直にすることもできる。肩部952a及び側部952bの各々は、必要に応じてテーパにすることも又は実質的にテーパにすることもできる。他の例では、ノッチ952は、他の好適な形状又はプロファイルを有し得る。
【0057】
いくつかの例では、
図9D及び
図9Eに関連して以下で更に説明するように、肩部952aは、VCSEL410チップの下部表面410aと平行でなくてもよいか、若しくは実質的に平行でなくてもよく、及び/又は肩部952a及び側部952bは、互いに垂直でなくてもよいか、若しくは実質的に垂直でなくてもよい。
【0058】
ノッチ952の深さD1は、約10μm以下など、約8μm以下など、約5μm以下など、約3μm以下など、例えば約20μm以下とすることができるが、深さD1はそれより大きくても小さくてもよい。いくつかの実施形態では、D1は、VCSEL410チップ上で必ずしも均一ではない。D1は、D1がいくつかの場所でVCSEL410チップの幅全体に延在し得る場合などでは、約10μm~約300μmなど、約20μm~約250μm、約15μm~約150μm、又は約50μm~約200μmなど、10μmより大きくてもよい。ノッチ952の高さH1は、約5μm~約15μmなど、又は約20μm~約40μmなどの、約5μm以上及び/又は約50μm以下とすることができるが、高さH1はそれより大きくても小さくもよい。いくつかの実施形態では、レーザダイオード電極405、406の各々の高さH1は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、レーザダイオード電極405の高さH1は、レーザダイオード電極406の高さH1より大きくてもよく、その逆でもよい。
【0059】
レーザダイオード電極405の少なくとも一部はVCSEL410チップの表面上に配置されるため、レーザダイオード電極405はノッチを有する。すなわち、レーザダイオード電極405は、ノッチ952の肩部952a上に配置された表面を有し、ノッチ952の側部952b上に位置付けられた異なる表面を有する。
【0060】
図9Bに示されるように、VCSEL410チップ及びそれに取り付けられたレーザダイオード電極405は、
図9Aに示される位置に対して凹状である。図示されていないが、パッド(パッド401など)がVCSEL410の下部表面410a上に配置され、VCSELをスライダ404に結合するために使用される。そのような配列を
図4Bに示す。加えて、レーザダイオード電極405は、パッド401に対してわずかに凹状であってもよい(
図4Bにも示されている)。
図9Bに示すように、VCSEL410の下部表面410a上に配置されたパッド401は、VCSEL410をスライダ、例えば、スライダ404に結合するために利用される。サスペンション電極953をレーザダイオード電極405に結合するはんだ付け材料954は、はんだ付け材料が絶縁層951に触れないように、凹部エッジ956の一部を充填する。はんだ付け材料954と絶縁層951との間に存在する負の空間(又は空の空間)は、電気的短絡の発生を防止又は少なくとも緩和することができる。高さH3は、サスペンション電極953の上部表面と絶縁層951又はスライダ404の上部表面との間の高さ、又は距離を指す。いくつかの例では、ノッチの高さ(H1)は、高さH3と同じか、又はそれに近い。ノッチ(H1)の高さは、H3より大きくても小さくてもよく、H1は約H3±10μm~約H3±30μmなど、約H3±10μm~約H3±20μmなどの場合である。しかしながら、ノッチ(H1)の高さは、例えば、サスペンション電極953の高さ又ははんだ付け材料934のサイズに基づいて、より大きくてもより小さくてもよい。
【0061】
レーザダイオード電極405の下部表面と絶縁層951、又はスライダ404の上部表面との間の間隔は、同じであっても異なっていてもよい。
図9Bに示すように、レーザダイオード電極405の下部表面(最下表面)は、絶縁層951又はスライダ404の上部表面に触れる。場合によっては、レーザダイオード電極405の下部表面と絶縁層951又はスライダ404の上部表面との間に間隔が存在してもよい。VCSEL410チップは、接触パッド(例えば、パッド801)を用いてスライダに固着されており、レーザダイオード電極405は、接触パッドに対してわずかに凹状であってもよい。
【0062】
いくつかの例では、例えば、レーザと導波管(例えば、導波管242又は単一出力導波管816)との間の結合効率を増加させるために、レーザ開口(例えば、複数のレーザ開口308a~308n)とスライダ(例えば、スライダ404)との間の距離を最小化することができる。すなわち、レーザダイオード電極405と絶縁層901又はスライダ404との間に間隔がないことを利用して、レーザと導波管との間の結合効率を増加させることができない。
【0063】
他の例では、レーザダイオード電極405が絶縁層901(又はスライダ404)に触れる場合など、接触パッド(例えば、パッド801)と絶縁層901(又はスライダ404)との間にギャップがあってもよく、パッド801と絶縁層901(又はスライダ404)との間の接着強度が低下する可能性がある。この問題を緩和又は回避するために、レーザダイオード電極405の最下表面は、パッド801に対してわずかに凹状であってもよく(例えば、約0.2μm~約2μm、例えば約0.5μm~約1μm)、したがって、レーザダイオード電極405の最下表面は常にパッド801にある。そのような場合、例えば、レーザダイオード電極405と絶縁層951(又はスライダ404)の上部表面との間に小さな間隔が存在してもよい。加えて、又は代わりに、レーザダイオード電極405、406の各々の下部表面と絶縁層901(又はスライダ404)の上部表面との間の間隔は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、レーザダイオード電極405が上部反射層に接続され、レーザダイオード電極406が下部反射層又は基板に接続される場合、レーザダイオード電極405とスライダ404との間の間隔は、レーザダイオード電極406とスライダ404との間の間隔よりも小さくてもよく、あるいはその逆でもよい。
【0064】
図9Cは、
図9Bに示されるVCSEL410チップの斜視図の概略例示
図980である。
図9Cに示す配向では、レーザダイオード電極405、406はVCSEL410の側部表面410e上に位置付けられるか、又はそこに結合されている。レーザダイオード電極405、406は、VCSEL410の側部表面410eからVCSEL410の下部表面410aまで延在している。
図9Bに示すように、VCSEL410の下部表面410a上に配置されたパッド401は、VCSEL410をスライダ、例えば、スライダ404に結合するために利用される。レーザダイオード電極405、406は、VCSEL410の幅と同じサイズ又は実質的に同じサイズの幅W1を有する単一のトレンチ982内に配置される。代替的に、レーザダイオード電極405、406を異なるトレンチに配置することもできる。幅W2は、レーザダイオード電極405、406の中心間を表す。いくつかの例では、幅W2は、W1の、W1の約35%~約55%など、約40%~約50%など、約25%~約65%とすることができるが、幅W2はより大きくても小さくてもよい。高さH5は、約50μm~約250μmなど、約75μm~約200μmなど、約100μm~約150μmなど、約20μm~約300μmとすることができるが、高さH5は大きくても小さくてもよい。本明細書で説明する他のVCSELと同様に、VCSEL410のレーザダイオード電極405及び406は、HGAの電極503a、503bに結合することができる。
【0065】
上で説明したように、ノッチ952は、肩部952a、側部952b、及び角度θ1を有する。
図9D及び
図9Eは、それぞれ、
図9Bに示されるVCSEL410チップの概略例示
図985及び990であり、肩部952a及び側部952bが垂直でないか、又は実質的に垂直ではない。すなわち、角度θ1は90°でなくてもよく、あるいは実質的に90°でなくてもよい。いくつかの例では、角度θ1は、約90°~約180°など、約95°~約170°など、約100°~約160°など、約110°~約150°など、約120°~約140°約90°以上及び/又は約180°以下であり得る。明確にするために、
図9D及び
図9Eでは特定の特徴のみにラベルを付けている。
図9Eはまた、肩部952aがVCSEL410チップの下部表面410aに対して平行でないか、又は実質的に平行でなくてもよいことを指し示している。
【0066】
他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、
図9B~
図9Eのいずれかに示される角度θ1は、任意の好適な角度、約0°~270°など、0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、95°、100°、105°、110°、115°、120°、125°、130°、135°、140°、145°、150°、155°、160°、165°、170°、175°、180°、185°、190°、195°、200°、205°、210°、215°、220°、225°、230°、235°、240°、245°、250°、255°、260°、265°、270°など、又はそれらの範囲であり得る。前述の数値の各々前に、「約」、「少なくとも約」、「約未満」、又は「約以上」という単語を付けることができ、前述の数値はいずれも、オープンエンド範囲を説明するために単独で使用することも、クローズエンド範囲を説明するために組み合わせて使用することもできる。
【0067】
少なくとも1つの実施形態では、肩部952a及び側部952bは、肩部952a及び側部952bが区別されないように、連続した平らな表面である。そのような例では、角度θ1は180°である。
【0068】
少なくとも1つの実施形態では、角度θ1は180°を超え、約180°以上及び/又は約270°以下など、約190°~約260°など、約200°~約250°など、約210°~約240°など、約220°~約230°などである。
【0069】
図9Fは、2つ以上のノッチを有するVCSEL410チップの一例の概略例示
図995である。2つのノッチが示されているが、VCSEL410チップは、3つのノッチ又は4つのノッチなど、3つ以上のノッチを有してもよい。明確にするために、
図9Fでは特定の特徴のみにラベルを付けている。ノッチ952が示されている。第2のノッチ955も、ノッチ952と同じ一般的な特徴を有するように示されている。例えば、第2のノッチ955は、深さD2の肩部955aと、スライダ404及び絶縁層951から間隔を空けた凹状のエッジ957を形成する高さH2の側部952bとを有する。第2のノッチ955は、角度θ2を有する。肩部955aは、VCSEL410チップの下部表面410aと平行にすることも、又は実質的に平行にすることもできる。側部955bは、VCSEL410チップの側部表面410eと平行にすることも、又は実質的に平行にすることもできる。したがって、肩部955a及び側部955bは、垂直にすることも又は実質的に垂直にすることもできる。肩部955a及び側部955bの各々は、必要に応じてテーパにすることも又は実質的にテーパにすることもできる。他の例では、第2のノッチ955は、他の好適な形状又はプロファイルを有し得る。
【0070】
いくつかの例では、ノッチ952(
図9D及び
図9E)に関して上で説明したものと同様の方法で、肩部955aは、VCSEL410チップの下部表面410aと平行でなくてもよく、又は実質的に平行でなくてもよく、及び/又は肩部955a及び側部955bは、互いに垂直でなくてもよく、又は互いに実質的に垂直でなくてもよい。すなわち、角度θ2は90°でなくてもよく、あるいは実質的に90°でなくてもよい。
【0071】
いくつかの例では、角度θ2は、約90°~約180°など、約95°~約170°など、約100°~約160°など、約110°~約150°など、約120°~約140°など、約90°以上及び/又は約180°以下であり得る。他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、
図9Fに示される角度θ2は、任意の好適な角度、約0°~270°など、0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、95°、100°、105°、110°、115°、120°、125°、130°、135°、140°、145°、150°、155°、160°、165°、170°、175°、180°、185°、190°、195°、200°、205°、210°、215°、220°、225°、230°、235°、240°、245°、250°、255°、260°、265°、270°など、又はそれらの範囲であり得る。前述の数値の各々前に、「約」、「少なくとも約」、「約未満」、又は「約以上」という単語を付けることができ、前述の数値はいずれも、オープンエンド範囲を説明するために単独で使用することも、クローズエンド範囲を説明するために組み合わせて使用することもできる。
【0072】
いくつかの例では、角度θ1及び角度θ2は同じであっても異なっていてもよい。必要に応じて、
図9A、9B、9C、9D、及び9Fの様々な特徴を組み合わせることができる。
【0073】
凹状の特徴、又はノッチは、以下で説明する1つ以上の製作プロセスによって、本明細書で説明するVCSEL内に製作することができる。例えば、
図15の浅いトレンチ1505aは、
図9Cのトレンチ982に対応することができる。
【0074】
例示的製作プロセス
本開示は、本明細書で説明される1つ以上のVCSELの一部を形成するための製作プロセスにも関する。
図10Aは、VCSELの側部表面上に電極を形成するための例示的なプロセス1050(
図10B)中の基板上での選択された動作を示すプロセスフロー図である。
【0075】
このプロセスは、基板1000aを選択することから始まる。基板は、好適な基板材料1001から形成され得る。基板材料1001に好適な材料には、Ga、As、Al、In、それらの合金、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例示的な、基板材料1001に好適な材料の例としては、GaAs、AlAs、AlGaAs、InGaAs、InGaAsN、GaAsN、GaAsP、InP、InGaAsPが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
次いで、動作1055において、基板材料1001が好適な方法によってエッチングされてトレンチ1005が形成される。ウェハ1000bを形成するためのこのエッチングプロセスは、単一段階エッチング処理又は多段階エッチング処理(例えば、2段階エッチング処理、3段階エッチング処理、又はそれ以上の段階)とすることができる。多エッチング処理の各段階でエッチングされる領域は異なり得る。エッチングは、ウェットエッチャント、イオンミリング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング、又はそれらの組み合わせを利用したドライエッチングプラズマによって実施することができる。動作1055のエッチングプロセスは、n個の深さのn個のトレンチを形成するために実施することができる。例えば、第1の深さを有する第1のトレンチが形成され得、第2の深さを有する第2のトレンチが形成され得、第3の深さを有する第3のトレンチが形成され得るなどである。トレンチの深さは、同じであっても異なっていてもよい。動作1055の非限定的な例として、エッチングプロセスは、塩素含有材料(例えば、HCl及び/又はCl2)などの好適なエッチャント材料を利用する反応性イオンエッチングによって達成することができるが、任意の数のガス又はそれらの混合物を使用することもできる。動作1055のエッチングプロセス中に、非反応性ガス、例えばアルゴンなどのキャリアガスを利用することができる。
【0077】
好適な導電性材料、例えば、銅(Cu)、クロム(Cr)、チタン、ニッケル(Ni)、貴金属(例:ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び/又は金(Au))、又はそれらの組み合わせを含むシード層1010は、次に、動作1060で堆積させてウェハ1000cを形成することができる。他の金属も企画される。いくつかの実施形態では、シード層1010は、単一層として、又は複数の層として堆積され得る。ここで、例えば、シード層1010の複数の層の個々の層ごとに異なる金属を使用することができる。加えて、又は代わりに、シード層1010の単一層又は複数の層は、2つ以上のそのような金属の合金を含むことができる。シード層1010は、トレンチ1005内、トレンチ1005の1つ以上の側部壁、及び/又はトレンチ1005上に延在する基板の表面上に堆積される。動作1060で形成されたシード層は、VCSELの電極となり得る。金属電極がめっき以外の方法で堆積される場合、シード層は典型的に、下層と呼ばれる。
【0078】
動作1060の堆積は、スパッタリング、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、及び/又はイオンビーム堆積(ion beam deposition、IBD)などの好適な技術によって実施することができる。スパッタリング、ALD、及び/又はIBDに加えて、又はその代替として、電子ビーム及び/又は抵抗蒸着など、シード層1010を堆積するための他の好適な金属堆積技術を利用することができる。堆積の方向性は、IBDを使用する場合に制御することができ、その例は、以下で論じる
図13~16の様々な例示的プロセススキームに示される(それぞれの図の矢印1307、1407、1507、及び1607により指し示されるように)。一般に、IBDは、トレンチ全体に材料の層を形成したくない場合に使用することができる。IBDは様々なプロセススキームで示されているが、本明細書で説明されているものには、付加的な又は代替的な堆積技術を利用することができる。角度付き堆積は電極堆積にも使用することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、シード層1010を堆積する前に、絶縁層(例えば、SiO2及び/又はAl2O3)を、例えばトレンチ1005、トレンチ1005の1つ以上の側部壁、及び/又はトレンチ1005の上に延在する基板の表面など内のウェハ1000bの少なくとも一部の上に堆積することができる。次いで、必要に応じて、この絶縁層の少なくとも一部の上にシード層1010を堆積することができる。絶縁層は、例えば、レーザダイオード電極の隔離を可能にすることができる。
【0080】
次いで、動作1065において、フォトレジスト材料1015を、シード層1010の少なくとも一部上で好適なフォトリソグラフィプロセスによってウェハ1000c上にパターン化することができる。フォトレジスト材料1015は、スプレーコーティング、スピンコーティング、及び/又は他の好適な方法を使用して形成することができる。その上にフォトレジスト材料が配置されたウェハ1000dは、以下に論じる後続の動作において金属含有層のめっきを制御するために利用される。いくつかの実施形態では、フォトレジスト材料1015の厚さは、フォトレジスト材料1015が後続の動作(例えば、めっき後の動作)で除去されるように選択することができ、例えば、約3μm~約15μm、例えば約4μm~約12μmの厚さの範囲とすることができる。より大きい又はより小さい厚さを有するフォトレジスト材料1015が企画される。必要に応じて、例えばO2及び/又は水を水酸化アンモニウム(NH4OH)と組み合わせて使用するプラズマ洗浄を実施して、シード層1010の望ましくない部分に残ったフォトレジストの一部又は全てを洗浄することができる。
【0081】
フォトレジスト材料1015によって画定される開放領域が形成されると、次いで、動作1070において、金属プレート1020が好適な方法によってウェハ1000dの少なくとも一部の上に堆積され、ウェハ1000eが形成される。例えば、金属プレート1020は、トレンチ1005上のシード層1010の表面上だけでなく、トレンチ内のシード層の一部又はその側部壁などのシード層1010の少なくとも一部上にめっきすることができる。金属プレート1020は、非金属を含むことができる。動作1070に有用な金属の例示的な例としては、非限定的な例として、Au、Cu、Pd、Pt、又はそれらの組み合わせなどのシード層について上で論じた金属が挙げられるが、他の金属も企画される。金属プレート1020の厚さは変えることができる。いくつかの実施形態では、金属プレート1020の厚さは、約2μm~約10μmなど、約3μm~約5μmなど約1μm~約15μmである。金属プレート1020のより大きい又はより小さい厚さが企画される。
【0082】
金属プレート1020はめっきによって堆積することができるが、スパッタリング、真空蒸着、及び/又はイオンビーム堆積(IBD)などの他の堆積方法を使用することもできる。スパッタリング、真空蒸着、及び/又はIBDが使用される場合、必要に応じて、動作1060(シード層1010の形成)をスキップすることができる。上で説明したように、IBDを使用して金属プレート1020の堆積の方向性を制御することができる。例えば、
図13~
図16に示すように、IBDの方向性は、シード層の堆積について示したものと同じ又は類似の方向(それぞれの図の矢印1307、1407、1507、及び1607で指し示す)とすることができる。
【0083】
次いで、動作1075で、フォトレジスト材料1015の少なくとも一部及び/又はシード層1010の少なくとも一部が、ミリングなどの好適な方法によってウェハ1000eから除去される。ウェハ1000fによって示されるように、動作1075中に除去されるシード層1010の部分には、フォトレジスト材料1015の下に以前に配置された部分が含まれ得る。
【0084】
動作1075のミリングプロセスは、溶媒、プラズマ洗浄、又はそれらの組み合わせを利用して実施することができる。ここで形成されたウェハ1000fは、基板材料1001の露出表面、金属プレート1020の露出表面、及び/又はシード層1010の露出表面などの様々な露出表面を含む。必要に応じて、動作1075は、フォトレジスト材料1015の少なくとも一部がシード層1010の少なくとも一部よりも前に除去される、複数の動作で実施することができる。いくつかの実施形態では、金属プレート1020の一部は、シード層1010の除去中又は除去後に、例えばミリングによって除去することができる。金属プレート1020の厚さはシード層1010よりも厚いため、金属プレート1020の領域の外側のシード層1010は除去されるが、金属プレート1020は残る。
【0085】
代わりに、いくつかの実施形態では、VCSELを形成するための例示的なプロセス1050がシード層1010をミリングする必要がないように、金属プレート1020のめっきの前に、シード層1010をフォトリソグラフィを使用してパターン化することができる。
【0086】
次に、任意選択の動作1080を実施して、ウェハ1000fの1つ以上の露出部分上にレジストコーティング1025を堆積させて、ウェハ1000gを形成することができる。レジストコーティング1025は、スプレーコーティング、スピンコーティング、及び/又は他の好適な方法を使用して形成することができる。レジストコーティング1025に使用されるフォトレジストタイプの非限定的な例示的な例としては、UVネガレジスト、g/i線ポジレジスト、KrFポジレジスト、及び/又はArFポジレジストが挙げられ得る。ウェハ1000gによって例示されるように、堆積により、金属プレート1020の少なくとも一部、シード層1010の少なくとも一部、基板材料1001の少なくとも一部、又はそれらの組み合わせ上にレジストコーティング1025が形成される。レジストコーティング1025は、例えば、後続のダイシング動作中に、金属プレート1020、シード層1010、基板材料1001、又はそれらの組み合わせを保護するように機能する。
【0087】
次いで、ウェハ1000gは、動作1085において、ダイシング、スライス、劈開、又はその他の方法で1つ以上の個別のチップ1000hに切断される。ここで、及びいくつかの実施形態では、ウェハは、ブレード、鋸、スクライブ、レーザダイシング、ステルスダイシング、及び/又は好適な方法を使用する他の好適な装置を用いて、トレンチ1005に沿って個別のダイに切断される。
【0088】
1つ以上の個々のチップ1000hがレジストコーティング1025(例えば、任意選択の動作1080中に形成される)を含む場合、レジストコーティング1025は、ウェハ1000iを形成するダイシング動作後に除去することができる。レジストコーティング1025の除去は、例えば、ウェハをレジスト除去溶液に浸漬すること、ウェハをO2アッシャ内に置くこと、及び/又は他の好適な方法によって実施することができる。
【0089】
他の動作は、例示的なプロセス1050の1つ以上の動作の前及び/又は後にウェハを洗浄することを含むことができる。洗浄は、洗浄液への浸漬、超音波洗浄、UV/O3洗浄、ブラシ洗浄、研磨、及び/又はCO2洗浄などの好適な方法によって実施することができる。
【0090】
VCSELの1つ以上の側部表面上にレーザダイオード電極を形成するための他の例示的であるが非限定的な例示的なプロセスフロー図が、
図11~
図17に示されている。
図11~
図17のプロセスは、概して、
図10Bに例示されるフローチャートに従うが、しかしながら、任意選択の動作1080の任意選択の堆積プロセス(例えば、ウェハ1000gのレジストコーティング1025を形成するため)の後に形成されるウェハは、
図11~
図17には例示されていない。
【0091】
図11~
図17に示される一般的なプロセススキームには、次の動作が含まれる:トレンチをエッチングすること、シード層を堆積すること、フォトレジスト層をパターン化すること、金属にめっきをすること、フォトレジスト層及び/又はシード層の少なくとも一部を除去すること、及びウェハをダイシング/切断すること。これらの動作の実施形態及び実装形態については、本出願の他の箇所で説明する。
【0092】
表Iは、いくつかの実施形態による処理中に形成された様々なウェハ及び特徴についての、
図11~
図17に対応する数値リストを示す。上で論じたしたように、シード層堆積(動作1060)の方向性は、IBDを使用して制御することができる。それぞれの
図13~
図16の矢印1307、1407、1507、及び1607は、VCSEL加工中に使用される場合のIBDの方向性を例示する。IBDは様々なプロセススキームで示されているが、本明細書で説明されているようなシード層の堆積には、付加的な又は代替的な堆積技術を利用することができる。
【0093】
【0094】
図11に示すように、金属プレート1120(例えば、電極)は、レーザダイオード電極から絶縁されている(例えば、
図6Bのレーザダイオード電極405及び/又はレーザダイオード電極406、
図7Bのレーザダイオード電極705及び/又はレーザダイオード電極706、又は
図8Cのレーザダイオード電極805及び/又はレーザダイオード電極806)。いくつかの実施形態では、金属プレート1120は、レーザダイオード電極まで延在することができ、又は追加の構造を介してレーザダイオード電極に接続することができる。
【0095】
いくつかのプロセス例に例示するように、例えばレーザダイオード電極の下部エッジ及び/又は側部エッジの位置を制御するために、複数のトレンチを形成することができる。例えば、
図15に示すように、2段階エッチングを実施して、浅いトレンチ1505a及び深いトレンチ1505bを形成することができる。別の例では、及び
図16に示すように、3段階エッチングを実施して、浅いトレンチ1605a、第1の深いトレンチ1605b、及び第2の深いトレンチ1605cを形成することができる。多段階エッチングは、好適な方法によって実施することができる。プロセスフロー図に示される基板/ウェハの形状は正方形又は実質的に正方形であるが、他の形状も企画される。同様に、様々な形状のトレンチ及び層が企画される。
【0096】
図18A及び
図18Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による加工の変形例を全体的に例示する。具体的には、
図18Aは、加工中の側部壁1807の可変角度を示すウェハ1800の一部であり、
図18Bは、加工後に形成されたVCSEL1850の側部壁1807の場所を示す。角度のついた側部壁は、本明細書で説明される1つ以上のエッチングプロセスによって形成することができる。
【0097】
加工中に、及び
図18Aに示すように、基板をエッチングしてウェハ1800を形成することができる。エッチングにより、側部壁1807を有するトレンチ1805が形成される。側部壁1807の角度θ3は、例えば、エッチング、シード層1810の堆積、フォトレジスト材料1815を形成するためのフォトレジストのパターン化、金属堆積、並びに他のプロセス動作のより単純化を行うように選択することができる。例えば、角度θ3がゼロである場合、側部壁へのフォトレジストの露光が困難になる可能性がある。角度θ3に対しゼロ以外の値を選択すると、側部壁1807をフォトリソグラフィ及び/又は他のプロセス動作により適したものにすることができる。一例として、角度θ3は、約5°~約10°など、約1°~約10°とすることができるが、角度θ3のより大きな又はより小さな値も企画される。代わりに、角度θ3は、0であり得る。
図18A及び
図18Bに示される構成では、側部壁1807の角度θ3は、それぞれウェハ1810又はVCSEL1850の垂直線αから測定される。垂直線αは、VCSELの下部表面410aに対して垂直である(明確にするために、パッド401は下部表面410a上に配置されている)。
【0098】
図18Bは、加工後のVCSEL1850の側部壁1807の場所を示す。側部壁1807は、本明細書のプロセスによって説明されるように、トレンチ1805をエッチングすることによって形成することができる。トレンチ1805は、下部表面1805a、上部表面1805b、下部表面1805aから上部表面1805bまでの高さH4、及び深さD3を有する。深さD3は、約8μm以下など、約5μm以下など、約3μm以下など、例えば約10μm以下とすることができるが、深さD3はそれより大きくても小さくてもよい。高さH4は、約30μm~約100μmなど、約50μm~約90μmなど、約60μm~約80μmなど、約30μm以上とすることができるが、高さH4は大きくても小さくてもよい。
【0099】
例示されるように、レーザダイオード電極405、406は、側部壁1807上及びトレンチ1805内に位置付けられる。側部壁1807は、VCSEL410の側部表面410eの一部、又は本明細書で説明したVCSELの他の表面であり得る。レーザダイオード電極405、406は、VCSEL410の下部表面410aまで延在することができる。パッド401は、下部表面410a上に配置されている。上で説明したように、レーザダイオード電極405、406は、例えばめっき、スパッタリング、真空蒸着、及び/又はIBDによってシード層1810上に金属を堆積した後に形成することができる。スパッタリング、真空蒸着、及び/又はIBDが使用される場合、必要に応じて、シード層堆積をスキップすることができる。
【0100】
角度のついた側部壁は、本明細書で説明される1つ以上の実施形態も用いて利用することができる。
【0101】
図19は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、VCSELの異なる側部上にトレンチ1925をエッチングするプロセスの変形1900を示している。ここで、VCSELの反対側(レーザダイオード電極1908のない側部1920)は、VCSEL加工中にエッチングされてトレンチ1925を形成することができる。この追加のエッチングは、例えば、基板のより簡単なダイシングを可能にするトレンチの幅を増加させるために実施することができる(ダイシング鋸の幅は数字1910及び1915で例示されている)。加えて、又は代わりに、追加のエッチングを実施して、堆積されるフォトレジスト材料の厚さを低減させることができ、それによってフォトレジスト材料のより等角のコーティングが可能になる。更に、追加のエッチングは、フォトリソグラフィプロセス中に側部壁をフォトレジスト材料に対する簡単な露光を可能にすることができる。
図19に示されるプロセスの変形は、本明細書で説明される1つ以上のプロセスフロー図とともに利用され得る。
【0102】
本明細書では、VCSEL、VCSELを取り付けるためのHGA、及び磁気媒体ドライブなどのそのような物品を組み込んだデバイスが提供される。VCSELを製作するためのプロセスについても提供される。角度付き側部壁及び凹状の特徴を有するVCSELについても説明される。本明細書で説明される実施形態は、従来のVCSELとは異なり、例えば、使用中に導波管とレーザとの間の結合を最大化するためのアクティブ位置合わせを可能にする。
【0103】
前述では、本開示の実施形態を参照する。しかしながら、本開示は、具体的に説明される実施形態に限定されないことを理解されたい。その代わりに、異なる実施形態に関連するか否かにかかわらず、前述の特徴及び要素の任意の組み合わせが、本開示を実装及び実践するために企画される。更に、本開示の実施形態は、他の可能な解決策に勝る、及び/又は先行技術に勝る利点を達成し得るが、特定の利点が所与の実施形態によって達成されるか否かは、本開示を限定するものではない。したがって、前述の態様、特徴、実施形態及び利点は単なる例示であり、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は制限とはみなされない。同様に、「本開示」への言及は、本明細書に開示される任意の発明の主題の一般化として解釈されるものではなく、請求項に明示的に記載されている場合を除いて、添付の特許請求の範囲の要素又は限定であると見なされるべきではない。
【0104】
本開示の目的では、特に明記しない限り、本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲内の全ての数値は、示された値の「約」又は「およそ」によって修飾され、当業者によって予想される実験誤差及び変動を考慮する。簡潔にするために、ある特定の範囲のみが本明細書に明示的に開示されている。しかしながら、任意の下限からの範囲は、明示的に列挙されていない範囲を列挙するために任意の上限と組み合わされてもよく、同様に、任意の下限からの範囲は、明示的に列挙されていない範囲を列挙するために任意の他の下限と組み合わされてもよく、同じ方法で、任意の上限からの範囲が、明示的に列挙されていない範囲を列挙するために任意の他の上限と組み合わされてもよい。加えて、範囲内では、明示的に列挙されていなくても、その終点間の全ての点又は個々の値が含まれる。したがって、全ての点又は個々の値は、明示的に列挙されていない範囲を列挙するために、任意の他の点又は個々の値又は任意の他の下限又は上限と組み合わされた独自の下限又は上限として機能し得る。
【0105】
本明細書で使用されるとき、不定冠詞「a」又は「an」は、別段の指定がない限り、又は文脈に別途明確に示されていない限り、「少なくとも1つの」を意味するものとする。
【0106】
上記は本開示の実施形態を目的とするが、本開示の他の及び更なる実施形態が、その基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】