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特表2024-509617十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法
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  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図1
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  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図4D
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  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図7
  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図8A
  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図8B
  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図9A
  • 特表-十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法 図9B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】十二指腸排除および胃容量低減のためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240226BHJP
   A61B 17/12 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555801
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022026525
(87)【国際公開番号】W WO2022232263
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/180,853
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン トーマス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD02
4C160DD54
4C160DD66
4C160MM46
(57)【要約】
埋め込み可能な流れ制限デバイスは、直線状である必要がない長手方向の広がりに沿って延在し、第1の部分および第2の部分を有し、その間にサドル領域を有している。第1の部分または第2の部分のうちの少なくとも1つは、デバイスの移動に抵抗するために、サドル領域に対して角度を付けられていてよい。第1の部分または第2の部分のうちの少なくとも1つは、そのような部分が配置される解剖学的構造の領域からの距離を維持するように構成されていてよい。拡張可能なオクルーダなどのオクルーダは、流れ制限デバイス、例えば、その第1の部分または第2の部分のうちの一方などと関連付けられていてよい。オクルーダは、サドル領域が配置される解剖学的通路を通る物質の通過を遮断し、(例えば、そのような通路を通る)デバイスの移動を妨げ、および/またはデバイスによって占有される容積を増加させるように機能し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の広がりを有するとともに解剖学的構造内で展開可能な流れ制限デバイスであって、
第1の部分と、
第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在するサドル領域と
を備え、
前記第1の部分は、前記サドル領域と同一直線上にない、流れ制限デバイス。
【請求項2】
前記第1の部分は、選択された解剖学的領域から離隔されたままであるように構成された、前記第1の部分の少なくともある領域にわたる非円形の断面形状を有している、請求項1に記載の流れ制限デバイス。
【請求項3】
前記流れ制限デバイスは、前記サドル領域が、前記第1の部分が配置される第1の解剖学的構造と、前記第2の部分が配置される第2の解剖学的構造との間の通路を通って延在する状態で配置されるように構成されており、
前記第1の部分は、前記第1の解剖学的構造の第1の領域に沿って延在する第1の領域と、前記第1の解剖学的構造の第2の領域に沿って延在する第2の領域とを有し、
前記第1の部分は、前記第1の解剖学的構造に配置されたときに、前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離れる方向に、前記サドル領域に対して角度を付けられている、請求項1または2に記載の流れ制限デバイス。
【請求項4】
前記第1の部分の前記第1の領域は、前記第1の解剖学的構造の前記第1の領域の輪郭に沿うように構成されており、
前記第1の部分の前記第2の領域は、前記第1の部分を前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離すために、前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離隔されるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項5】
前記第1の領域は、その外側が凸状であり、
前記第2の領域は、その外側が実質的に直線状または凹状である、請求項1~4のいずれか1項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、折り畳まれた構成と、拡張された展開構成との間で動くことができ、
前記第1の部分は、前記サドル領域が延在する通路を通る移動に抵抗するような大きさである、請求項1~3のいずれか1項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項7】
前記流れ制限デバイスは、複数の織られたストランドで形成され、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも大きい断面寸法を有するように拡張され、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも少ないストランドで形成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項8】
前記サドル領域が延在する通路を通る物質の通過を制限するように、および/または第1の解剖学的構造内の、前記第1の部分によって占有される容積を増加させるように拡張可能な、前記第1の部分に関連付けられたオクルーダをさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項9】
長手方向の広がりを有するとともに解剖学的構造内で展開可能な流れ制限デバイスであって、
第1の部分と、
第2の部分と、
近位部分と遠位部分との間に延在するサドル領域と、
前記第1の部分に関連付けられたオクルーダと
を備える、流れ制限デバイス。
【請求項10】
前記第1の部分は、ケージの形態であり、
前記オクルーダは、前記第1の部分内に配置されている、請求項9に記載の流れ制限デバイス。
【請求項11】
前記オクルーダは、前記サドル領域に向かう物質の通過を制限するために、前記第1の部分内に配置されている、請求項9または10に記載の流れ制限デバイス。
【請求項12】
前記オクルーダは、選択的に拡張可能である、請求項9~11のいずれか一項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項13】
前記サドル領域は、幽門を横切って展開されるように構成され、
前記第1の部分は、胃内に適合するように構成され、前記幽門を通る遠位移動に抵抗するような大きさであるとともに、前記幽門を通る遠位移動に抵抗するように構成され、
前記第2の部分は、十二指腸内に適合するように構成され、前記幽門を通る近位移動に抵抗するように構成され、
前記オクルーダは、前記胃の中の容積を占有して、満腹感を引き起こし、および/または前記幽門を通る前記流れ制限デバイスの遠位移動に抵抗し、前記幽門を通る物質の通過を閉塞するために、前記第1の部分内で拡張可能である、請求項9~12のいずれか1項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項14】
解剖学的構造を通る物質の流れを制限するためのシステムであって、
管状送達デバイスと、
外部の管状デバイス内のルーメン内に適合するための折り畳まれた構成と、前記外部の管状デバイス内に配置されていない場合の拡張された展開構成との間で移行するように構成された流れ制限デバイスと、
前記流れ制限デバイスに関連付けられたオクルーダと、
前記管状送達デバイスを通って延在するとともに、前記流れ制限デバイスに係合するように構成された内部プッシャと
を備え、
前記内部プッシャと前記外部の管状送達デバイスとの互いに対する動きが、前記管状送達デバイスからの前記流れ制限デバイスの展開を引き起こす、システム。
【請求項15】
前記オクルーダは、拡張可能であり、前記システムは、前記オクルーダを選択的に拡張するために前記オクルーダと流体結合可能な膨張ルーメンをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、身体の通路または管腔を通る物質の通過を減少させる、および/または身体の通路または管腔を閉塞するための埋め込み可能な医療デバイス、ならびに関連するシステムおよび方法の分野に関する。より詳細には、本開示は、幽門などの胃腸管内の身体の通路または管腔を通る物質の通過を減少させる、および/または胃腸管内の身体通路または管腔を閉塞するためのデバイス、システム、および方法に関する。本開示はさらに、幽門を通る物質の通過を減少させる、および/または幽門を閉塞するだけでなく、胃の中に制限効果を生成するためのデバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満、糖尿病、または十二指腸潰瘍などの様々な病状の処置方法は、十二指腸をバイパスすること、または十二指腸を通る物質の流れを制限することを含む。処置が十二指腸の完全なバイパスを必要とする場合、幽門の閉塞(例えば、完全閉塞)が指示され、胃と空腸との間などに吻合が形成され得る。十二指腸排除デバイスは、胃から幽門を通る十二指腸への物質(流体、液体、糜粥など)の通過を阻害または遮断するために、幽門括約筋内に配置され得る。そのようなデバイスによって提示される1つの課題は、小腸の中への遠位の、または胃の中への近位のデバイスの移動を妨げることである。
【0003】
肥満または代謝疾患を処置するための様々な医学的アプローチは、胃の一部を制限すること、および/または胃の内容積を減少させることをさらに含み、これは、満腹感を作り出すことによって食物消費を減少させる有効な方法と考えられてきた。一般に、十二指腸排除デバイスは、胃容量の減少には対処していない。
【0004】
胃腸疾患または肥満または代謝疾患を処置するための既存のアプローチに代わる低侵襲性の代替手段を提供することがますます望まれている。特に、切開外科処置を必要とせず、代わりに内視鏡処置(例えば、自然開口経管的内視鏡手術アプローチ)などの経管的または経カテーテル的アプローチを用いるデバイス、システム、および方法を提供することがますます望まれている。上記の考察を念頭に置いて、本開示のデバイス、システム、および/または方法によって、様々な有利な医療成果を実現することができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示のこの概要は、理解を助けるために与えられており、当業者は、本開示の様々な態様および特徴の各々が、いくつかの例において別々に、または他の例において本開示の他の態様および特徴と組み合わせて有利に使用され得ることを理解するであろう。この概要における要素、構成要素などの包含または非包含による、請求される主題の範囲に関するいかなる限定も意図されていない。
【0006】
本開示の様々な原理によれば、長手方向の広がりを有するとともに解剖学的構造内で展開可能な流れ制限デバイスは、第1の部分と、第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に延在するサドル領域とを含む。
【0007】
本開示の一態様によれば、流れ制限デバイスの第1の部分は、サドル領域と同一直線上にない。
いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスの第1の部分は、選択された解剖学的領域から離隔されたままであるように構成された、第1の部分の少なくともある領域にわたる非円形の断面形状を有している。
【0008】
いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスは、サドル領域が、第1の部分が配置される第1の解剖学的構造と、第2の部分が配置される第2の解剖学的構造との間の通路を通って延在する状態で配置されるように構成されている。第1の部分は、第1の解剖学的構造の第1の領域に沿って延在する第1の領域と、第1の解剖学的構造の第2の領域に沿って延在する第2の領域とを有していてよい。第1の部分は、第1の解剖学的構造に配置されたときに、第1の解剖学的構造の第2の領域から離れる方向に、サドル領域に対して角度を付けられていてよい。いくつかの実施形態では、第1の部分の第1の領域は、第1の解剖学的構造の第1の領域の輪郭に沿うように構成され、第1の部分の第2の領域は、第1の部分を第1の解剖学的構造の第2の領域から離すために、第1の解剖学的構造の第2の領域から離隔されるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の領域は、その外側が凸状であり、第2の領域は、その外側が実質的に直線状または凹状である。いくつかの実施形態では、第1の部分の第1の領域および第2の領域を通る断面積は、デバイス断面積が延在する第1の解剖学的構造の断面積よりも小さい。
【0009】
いくつかの実施形態では、デバイスは、折り畳まれた構成と、拡張された展開構成との間で動くことができ、第1の部分は、サドル領域が延在する通路を通る移動に抵抗するような大きさである。
【0010】
いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスは、複数の織られたストランドで形成され、第1の部分は、第2の部分よりも大きい断面寸法を有するように拡張され、第1の部分は、第2の部分よりも少ないストランドで形成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスは、同一直線上にない第1の部分と関連付けられたオクルーダを含む。いくつかの実施形態では、オクルーダは、第1の解剖学的構造内の、第1の部分によって占有される容積を増加させるように拡張可能である。
【0012】
本開示の別の態様によれば、流れ制限デバイスは、第1の部分に関連付けられたオクルーダを含む。いくつかの実施形態では、オクルーダは選択的に拡張可能である。いくつかの実施形態では、第1の部分はケージの形態であり、オクルーダは第1の部分内に配置されている。いくつかの実施形態では、オクルーダは、サドル領域に向かう物質の通過を制限するために、第1の部分内に配置されている。いくつかの実施形態では、オクルーダは、第1の部分によって占有される容積を増加させるように拡張可能である。
【0013】
本開示のさらに別の態様によれば、サドル領域は、幽門を横切って展開されるように構成され、第1の部分は、胃内に適合するように構成され、幽門を通る遠位移動に抵抗するような大きさであるとともに、幽門を通る遠位移動に抵抗するように構成され、第2の部分は、十二指腸内に適合するように構成され、幽門を通る近位移動に抵抗するように構成され、拡張可能なオクルーダは、幽門を通る流れ制限デバイスの遠位移動に抵抗し、幽門を通る物質の通過を閉塞するように第1の部分内に配置されている。
【0014】
本開示のさらに別の態様によれば、解剖学的構造を通る物質の流れを制限するためのシステムは、管状送達デバイスと、外部の管状デバイス内のルーメン内に適合するための折り畳まれた構成と、外部の管状デバイス内に配置されていない場合の拡張された展開構成との間で移行するように構成された流れ制限デバイスと、流れ制限デバイスに関連付けられたオクルーダと、管状送達デバイスを通って延在するとともに、流れ制限デバイスに係合するように構成された内部プッシャとを備える。内部プッシャと外部の管状送達デバイスとの相対移動は、管状送達デバイスからの流れ制限デバイスの展開を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、オクルーダは、拡張可能であり、システムは、オクルーダを選択的に拡張するためにオクルーダと流体結合可能な膨張ルーメンをさらに含む。
【0015】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになり、請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。以下の開示は、態様または実施形態に関して提示されるが、個々の態様は、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて請求され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明されるが、これらの図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。添付の図面は、例示のみを目的として提供され、図面内の図に反映される寸法、位置、順序、および相対的なサイズは、異なり得る。例えば、デバイスは、細部が識別できるように拡大され得るが、例えば、送達カテーテルまたは内視鏡の作業チャネル内に収まるように縮小されることが意図されている。なお、各図において、同一または略同一もしくは均等である要素には、同一の符号を付することがあり、また、同様の要素には、100ずつ異なる同様の符号を付すことがあり、重複する説明は省略する。明確かつ簡潔にするために、すべての要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態のすべての要素が示されているわけではない。詳細な説明は、以下のように、同様の参照符号が同様の要素を表す添付の図面と併せてより良く理解されるであろう。
図1図1は、本開示の様々な態様による、閉塞デバイスの一実施形態の斜視図である。
図2図2は、本開示の様々な態様に従って形成され、胃腸環境の概略図に配置された閉塞デバイスの一実施形態の斜視図である。
図3図3は、本開示の様々な態様に従って形成され、胃と小腸の一部との間の吻合を伴う胃腸環境の概略図に配置された閉塞デバイスの一実施形態の斜視図である。
図4A図4A図4B図4C、および図4Dは、図3のIV-IV線を通る断面図の代替的な実施形態を示す図である。
図4B図4A図4B図4C、および図4Dは、図3のIV-IV線を通る断面図の代替的な実施形態を示す図である。
図4C図4A図4B図4C、および図4Dは、図3のIV-IV線を通る断面図の代替的な実施形態を示す図である。
図4D図4A図4B図4C、および図4Dは、図3のIV-IV線を通る断面図の代替的な実施形態を示す図である。
図5図5は、本開示の様々な態様に従って形成された閉塞デバイスおよび関連する送達デバイスの一実施形態を示す図であり、閉塞デバイスは、折り畳まれたコンパクトな送達構成にある。
図6図6は、本開示の様々な態様に従って形成された閉塞デバイスおよび関連する送達デバイスの一実施形態を示す図であり、閉塞デバイスは、展開された拡張構成にある。
図7図7は、本開示の様々な原理に従って閉塞デバイスのバルーンに動作可能に結合された膨張カテーテルの斜視図である。
図8A図8Aは、図7のVIII-VIII線に沿った断面図の一例を示す図である。
図8B図8Bは、図8Aと同様の図であるが、図示の膨張カテーテルの例は、図示の弁の例から分離されている。
図9A図9Aおよび図9Bは、本開示の様々な原理による閉塞デバイスのバルーンの弁シールの代替的な実施形態の立面図である。
図9B図9Aおよび図9Bは、本開示の様々な原理による閉塞デバイスのバルーンの弁シールの代替的な実施形態の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、変動し得ることを理解されたい。本明細書で説明するすべての装置およびシステムおよび方法は、本開示の1つまたは複数の原理に従って実装される装置および/またはシステムおよび/または方法の例である。実施形態の各例は、説明のために提供され、これらの原理を実施する唯一の方法ではなく、単なる例である。したがって、図面の要素または構造または特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として認識されなければならず、本開示を図示された特定の要素、構造または特徴に限定するものとして理解されるべきではない。開示された原理を実装する方法の他の例は、本開示を読んだ当業者に想起されるであろう。実際、本主題の範囲または技術思想から逸脱することなく、本開示において様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、さらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るそのような修正および変形を包含することが意図されている。
【0018】
本開示は、本出願において様々なレベルの詳細で説明されていることが理解されるであろう。特定の例では、当業者が本開示を理解するのに必要ではない詳細、または他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとして理解されるべきである。本明細書で開示され、請求されるデバイスおよび/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、製造および実行することが可能である。
【0019】
本明細書で使用される場合、「近位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザ(医療専門家または臨床医または技術者またはオペレータまたは医師など、そのような用語は、限定する意図なしに本明細書で互換的に使用され、自動コントローラシステムなどを含む)などに最も近い方向または位置を指し、「遠位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザから最も遠い方向または位置を指す。「長手方向」は、要素のより長い、またはより大きい寸法に沿って延在することを意味する。「中心」は、中心点を少なくとも概ね二等分することを意味し、「中心軸」は、開口部に関して、開口部の中心点を少なくとも概ね二等分する線であって、開口部が、例えば、管状要素、チャネル、キャビティ、またはボアを備える場合、開口部の長さに沿って長手方向に延在する線を意味する。
【0020】
本開示の様々な原理に従って、身体の通路または管腔を通る物質の通過を低減または妨げるためのデバイスならびに関連するシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態では、デバイス、システム、および方法は、身体の通路または管腔を通る物質の通過を(完全にまたは実質的に完全に)閉塞する。身体の通路および管腔という用語は、限定することを意図することなく、本明細書において交換可能に使用される可能性があり、本開示の広範な原理は、身体の通路/管腔の種々の形状およびサイズに適用可能であることが理解されるであろう。便宜上、本開示の様々な原理に従って形成されたデバイスは、本明細書では、限定することを意図なく、流れ制限デバイスとして参照され得る。「流れ制限(flow-restricting)」としてのデバイスへの言及は、物質の流れを部分的に制限すること(例えば、物質の流れを阻害または低減すること)および物質の流れを完全に制限すること(例えば、物質の流れを妨げるまたは遮断すること)を含むことが理解されるであろう。さらに、制限する、阻害する、閉塞する、遮断する、妨げるなどの用語(ならびにそれらの活用形および他の文法的形態)は、限定する意図なく、本明細書において互換的に使用され得ることが理解されるであろう。
【0021】
身体の通路が異なる解剖学的構造の間に限られた広がりの通路を含む場合、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスは、近位の解剖学的構造内に適合するか、または設置されるように構成された近位部分と、遠位の解剖学的構造内に適合するか、または設置されるように構成された遠位部分と、近位の解剖学的構造と遠位の解剖学的構造との間に延在する通路内に適合するか、または設置されるように構成された、それらの間のサドル領域とを有すると考えることができる。適合(fit)または設置(seat)または配置(position)などの用語(およびその活用形)は、別段の指示がない限り、限定することを意図することなく、本明細書において互換的に使用され得ることが理解されるであろう。さらに、解剖学的構造という用語は、本明細書では、器官、血管、管腔、腔などの体内の任意の構造またはセクションまたは領域またはエリアを指すために使用されてよく、「解剖学的構造」という用語は、簡略化のために使用されており、限定する意図はないことが理解されるであろう。
【0022】
流れ制限デバイスの様々な部分は、流れ制限デバイスが患者の処置のために配置される展開部位からの移動(migration)に抵抗する、および/または移動を阻害する、および/または移動を妨げるために、様々な追加の特徴を有するように成形され、構成され、または提供され得る。移動に関して、抵抗する、阻害する、妨げるなどの用語は、別段の指示がない限り、限定することを意図せずに、単独でまたは組み合わせて本明細書で互換的に使用され得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスのいくつかの領域は、被覆されていなくてもよく、またはそうでなければ、組織の内部成長を促進して、デバイスを安定させ、および/またはデバイスの移動を阻害するように処理されていてもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスの形状および構造は、デバイスを所望の展開場所または位置に維持することに寄与する。例えば、より大きい解剖学的構造内に配置されるように構成されたデバイスの一部は、より狭い通路内に配置されるように構成されたデバイスの少なくとも隣接するセクション(例えば、デバイスのサドル領域)に対して、撓むか、オフセットされるか、湾曲されるか、曲げられるか、または他の方法で整列していない場合がある。追加的または代替的に、デバイスの近位部分および/または遠位部分は、デバイスの移動に抵抗するような大きさ、形状、および構成とされていてよい。例えば、近位部分または遠位部分のうちの少なくとも1つは、それらの間のサドル領域よりも大きい少なくとも断面寸法(例えば、断面積)を有し、サドル領域が配置される解剖学的通路を通過することに抵抗することができる。いくつかの実施形態では、オクルーダ(occluder)が、近位部分または遠位部分のうちの少なくとも1つと関連付けられ、流れ制限デバイスの移動に抵抗するような大きさ、形状、および構成とされてよい。
【0023】
本開示の一態様によれば、流れ制限デバイスの一部分の少なくとも1つの領域は、デバイスのそのような部分が配置される解剖学的構造の輪郭または形状に沿うかまたは対応するように、例えば実質的に一致するように輪郭が形成されていてよい。いくつかの実施形態では、デバイスのそのような部分は、デバイスのそのような部分が配置される解剖学的構造内の領域を回避するように輪郭が形成された少なくとも1つの領域を含んでいてもよい。
【0024】
上述の態様のうちの1つまたは複数と併せて任意選択的に適用され得る本開示の別個の独立した態様によれば、別個のオクルーダが、流れ制限デバイスの少なくとも一部分と関連付けられ得る。オクルーダは、物質の流れを閉塞または遮断するプラグまたは壁または他の構造である。オクルーダは、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスを用いて送達可能である。オクルーダは、流れ制限デバイスとともに展開されると、折り畳まれた送達構成から拡張可能であるように構成されていてよい。オクルーダの一例は、膨張可能なバルーンであるが、他の流れ閉塞構造も本開示の範囲および趣旨に含まれる。オクルーダは、それが関連付けられている流れ制限デバイス部分の機能に寄与するか、またはそれを強化することができる。例えば、オクルーダは、流れ制限デバイスを通る物質の流れ、例えば、そのサドル領域を通る物質の流れを閉塞することに寄与し得る。追加的または代替的に、オクルーダは、流れ制限デバイスの移動に抵抗することを補助してもよい。追加的または代替的に、オクルーダは、容積を占有するように構成されていてもよく、したがって、流れ制限デバイスによって占有される解剖学的構造の機能的容積を減少させるようにも機能し得る。いくつかの実施形態では、オクルーダの体積は、オクルーダを有するデバイスの部分を通過する(デバイスが配置されている通路を通るなど)物質の流量を調整するために、および/またはオクルーダによって占有される容積を調整するために、デバイスの配置中および/または処置の過程中などに調整可能である。いくつかの実施形態では、オクルーダは、流れ制限デバイスの一部内のその位置によって解剖学的構造の所望の位置に維持される(例えば、流れ制限デバイスの一部内に「捕捉」されるか、または他の方法で保持もしくは拘束される)。したがって、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスとは別個に使用され得るオクルーダは、患者内の所望の展開位置からのデバイスの移動に抵抗するように提供された設計または特徴または構造などの流れ制限デバイスの特徴から利益を得ることができる。
【0025】
本開示のデバイス、システム、および方法が使用され得る環境の例は、胃腸系である。幽門は胃の遠位領域の狭くなった構造であるため、いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスの胃セクションは、幽門を通る遠位移動に抵抗するように、幽門内に配置するように構成されたサドル領域よりも著しく大きくてもよい。例えば、胃は、その最も広い部分で直径約10cmであってよく、幽門は、直径約2cm以下(典型的には約1cmであり、0cm近くまで収縮することができる)であってよく、幽門に隣接する十二指腸の部分は、直径約2~3cmであってよい。したがって、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスの胃セクションは、デバイスの十二指腸セクションの径の約2~2.5倍の直径を有していてよい。本開示の様々な原理に従って形成される流れ制限デバイスのサドル領域(幽門を通って延在する)の直径は、概して、本開示にとって重要ではなく、幽門の直径よりも小さくてもよく(例えば、直径1~2mmほど小さく、完全に閉鎖されてもよい)、したがって、本開示の他の態様に影響を及ぼすことなく、デバイスの他のセクションに対して非常に小さくてよい。
【0026】
本開示の種々の原理によるデバイス、システム、および方法は、肥満治療などの胃の処置などのために、または他の胃腸状態を処置するために、幽門を通る物質の通過速度を低減および/もしくは遅くするため、および/または胃から幽門を閉塞/排除するために使用されてよい。本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスの胃部分および/またはサドル領域は、それを通る流れを(部分的にまたは全体的に/完全に)閉塞し、その結果、幽門を通る物質の流れを閉塞するような構造とされていてよい。
【0027】
いくつかの例では、幽門を(完全にまたはほぼ完全に)閉塞すること、および胃を空腸と接合する吻合を作成することなどによって、十二指腸をバイパスすることが望ましい場合がある。例えば、十二指腸アクセスを閉塞し、食物、液体、および他の栄養素を、代替経路を通るように経路変更すること、小腸をさらに下るまで胃の内容物と消化酵素との相互作用を遅延させること(および任意選択で膵臓を効果的にバイパスすること)は、肥満および/または患者の2型糖尿病のリスクを低減し得る。本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスが幽門を横切って配置される場合、デバイスの胃部分は、デバイスの十二指腸部分よりも大きくてよい(十二指腸に対して胃のサイズが概して大きいことなどを考慮すると)。本開示の一態様によれば、デバイスは、幽門などの解剖学的通路を閉塞するだけでなく、解剖学的通路をバイパスする吻合に干渉しない、妨害しない、あるいは相互作用しないように構成されている。本開示の種々の原理に従って形成された流れ制限デバイスの胃セクションは、吻合から離隔されたままであるように、または吻合の周囲に延在するように、または吻合に係合もしくは干渉もしくは遮断しないように、撓むか、またはその他の輪郭を形成されていてよい。
【0028】
本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスは、患者の満腹感を増加させることを含む肥満治療において使用されてもよく、食欲を減少させ、結果としてカロリー摂取量を減少させることを意図する。満腹感を増加させるための様々なアプローチは、食物が胃内に留まる時間を増加させること、および/または胃内容排出速度(胃から十二指腸への糜粥などの物質の流れ)を減少させるかまたは遅くすることを含む。上述した幽門閉塞デバイスおよび方法は、このような付加的な目的のために有利に使用することができる。満腹感を増大させる別のアプローチは、胃の中の容積を占めるデバイスを埋め込むことである。上述したような本開示の原理に従って形成されたオクルーダを有する流れ制限デバイスは、幽門を横切って配置されてよく、オクルーダは、胃内に配置されたデバイスの近位部分と関連付けられている。したがって、オクルーダは、胃の一部を満たして、胃の見かけの容積を減少させ、その結果、膨満感または満腹感を誘発し、これは、食物摂取の減少およびそれに伴う体重減少をもたらし得る。いくつかの実施形態では、流れ制限デバイスの近位部分は、オクルーダの周りにフレームまたはケージを形成し、オクルーダを捕捉してオクルーダを胃内の所望の位置に維持することができる。そのような構成は、この形態の処置が胃バイパスと併せて使用される場合に特に有利であり得る。流れ制限デバイスは、オクルーダを胃空腸吻合から離して保持することができる(例えば、吻合から離れるようにそらされるかまたは撓ませられた流れ制限デバイスの構成に関して上述したように)。そのような構成は、流れ制限デバイスの拡大された近位部分の移動防止効果に寄与することもでき、近位部分が幽門を通って遠位に移動する可能性をさらに低減する。
【0029】
いくつかの実施形態では、患者に埋め込まれている間でも、流れ制限デバイスおよび/またはオクルーダなどのその一部を調整することが望ましい場合がある。例えば、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスに関連付けられた拡張可能なオクルーダの体積は、調節可能であってよい。流れ制限デバイスの一部内にオクルーダを配置することは、流れ制限デバイスが所望の展開部位に設置されたままである間、オクルーダをその調節のためにアクセス可能な位置に有利に維持することができる。追加的または代替的に、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスを取り除くことが望ましい場合がある。例えば、幽門閉鎖デバイスは、取り外し可能または調節可能であってよい。
【0030】
本明細書に開示されるようなデバイス、システム、および方法は、内視鏡、腹腔鏡、および/または切開外科手術処置において使用され得ることが理解されるであろう。好ましくは、医療専門家は、デバイスを内視鏡的に送達および/または除去することが可能であってよい。有利には、本明細書に開示されるデバイスおよびシステムは、自然開口経管的内視鏡手術(NOTES)などの低侵襲性処置において使用され得る。
【0031】
本開示の原理に従って形成される埋め込み可能な処置デバイスは、処置システムの一部として提供されてもよい。例えば、送達デバイスは、切開手術を回避するために、患者内の内部通路を通ってナビゲートすることが可能な細長い可撓性送達デバイスとして構成され得る。流れ制限デバイスは、送達デバイス内で折り畳まれた構成で展開部位に送達され得る。プッシャなどの追加の展開デバイスが、(例えば、流れ制限デバイスを送達デバイスと共にその位置から押し出すことによって)送達デバイスからの流れ制限デバイスの展開を容易にするために設けられてもよい。いったん展開されると、流れ制限デバイスは、拡張された展開構成へと動く、またはシフトする。拡張可能なオクルーダが提供される場合、処置システムは、オクルーダに結合可能な膨張ルーメンをさらに含んでいてよい。膨張可能なオクルーダは、最初の展開後の処置の過程の間の後の時点での調整などのために、展開後に膨張ルーメンと結合可能であるように構成されていてよい。
【0032】
埋め込み可能なデバイスを利用する処置方法は、デバイスを展開部位に送達すること、送達デバイスを近位に引き抜くことによって、またはプッシャを利用してデバイスを送達デバイスから遠位に移動させることによって、あるいはそれらの組み合わせなどによって、デバイスを展開することを含む。任意選択的に、処置方法は、オクルーダを提供し、任意選択的に拡張して、処置プロトコルの所望の態様を達成することを含む。デバイスは、展開後および処置の過程の間の任意の時点で調節され得る。処置が成功したとみなされ、流れ制限デバイスの使用がもはや指示されない場合、デバイスを除去することができる。
【0033】
デバイス、システム、および方法は、胃腸系に関して本明細書で説明されるが、本開示によるデバイス、システム、および方法の実施形態は、他の処置および/または解剖学的構造における使用に有利であり得ることを理解されたい。本明細書では、埋め込み可能なデバイス、デバイス、ステントなどが参照される場合があり、そのような用語は、限定することを意図せずに本明細書で互換的に使用可能である。
【0034】
次に、流れ制限デバイスの様々な実施形態を、添付の図面に示す例を参照して説明する。本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、本開示の原理による1つまたは複数の特定の特徴、構造、および/または特性が、実施形態に関連して含まれ得ることを示す。しかしながら、そのような言及は、すべての実施形態が特定の特徴、構造、および/または特性を含むこと、または、1つの実施形態がすべての特徴、構造、および/または特性を含むことを必ずしも意味しない。いくつかの実施形態は、1つまたは複数のそのような特徴、構造、および/または特性を、それらの様々な組み合わせで含むことができる。さらに、本明細書の様々な箇所における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、別個のまたは代替的な実施形態は、必ずしも他の実施形態と相互排他的ではない。特定の特徴、構造、および/または特性が一実施形態に関連して説明される場合、そのような特徴、構造、および/または特性は、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して使用されてもよいことを理解されたい。さらに、そのような特徴、構造、および/または特性は、特徴、構造、および/または特性の多数の可能な組み合わせおよび部分的組み合わせのすべてを説明するには煩雑すぎるので、本開示の一部と考えられる代替実施形態を作成するために、単独で、または互いに様々に組み合わせて使用または提示され得ることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態によって示され得るが、他の実施形態によっては示され得ない様々な特徴、構造、および/または特性が説明される。同様に、いくつかの実施形態の特徴、構造、および/または特性もしくは要件であってもよいが、他の実施形態の特徴、構造、および/または特性もしくは要件でなくてもよい、様々な特徴、構造、および/または特性もしくは要件が説明される。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載された実施形態のみに限定されない。
【0035】
ここで図面を参照すると、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイス100の例が図1に示されており、流れ制限デバイス100は、近位部分110と、遠位部分120と、それらの間のサドル領域130とを有している。図1を参照して理解され得るように、流れ制限デバイス100の断面寸法は、その長手方向の広がり(extent)L(流れ制限デバイス100の近位端101と遠位端103との間の方向に延在する)に沿って変化し、サドル領域130は、近位部分110および遠位部分120よりも狭い。流れ制限デバイス100の少なくとも一部は、流れ制限デバイス100を通る、または流れ制限デバイス100が配置される通路を通る物質の流れを制限または妨げるように構成されている。流れ制限デバイス100の所望の流れ制限構成をもたらすために、当技術分野で知られているまたはこれまでに知られている様々な構造または特徴を使用することができる。例えば、流れ制限デバイス100の近位部分110および遠位部分120よりも狭いサドル領域130を有する実施形態では、サドル領域130は、概して中空の構成を有していてよく、ねじれまたは回転されてキンクまたは閉鎖要素を形成してもよく、またはサドル領域130の壁を形成する材料の密度を増加させて、そこを通る物質の流れを閉塞してもよい。他の実施形態では、サドル領域130は概して中実であってもよい。いくつかの実施形態では、サドル領域130は、近位部分110および遠位部分120に対して幅が無視できるほど狭い。
【0036】
図示の実施形態では、近位部分110の構成は、遠位部分120の構成とは異なっているが、他の構成も本開示の範囲内である。さらに、図示された実施形態の近位部分110および遠位部分120は、サドル領域130の断面寸法(例えば、概ね同じ方向の幅などの対応する断面寸法)よりも概ね大きい断面寸法(例えば、幅または面積)を有する。そのような実施形態では、サドル領域130は、流れ制限デバイス100の近位部分110が配置される近位の解剖学的構造と、流れ制限デバイス100の遠位部分120が配置される遠位の解剖学的構造との間の通路を横切って配置され得る。近位および遠位の解剖学的構造は、異なる断面形状または寸法または容積を有し得る。したがって、近位部分110および遠位部分120は、対称でなくてもよく、および/または同じ寸法(例えば、断面または長手方向寸法)を有していなくてもよい。近位部分110および遠位部分120の少なくとも1つ、好ましくは両方は、サドル領域130が配置または展開される身体の通路を通る流れ制限デバイス100の移動を阻害するように成形され、構成され、および/またはそのための1つまたは複数の特徴を備える。配置される(positioned)、展開される(deployed)などの用語(それらの活用形を含む)は、限定する意図なしに本明細書で互換的に使用され得ることが理解されるであろう。
【0037】
本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイス100の様々な特徴が、本明細書において、本開示の原理に従って形成された流れ制限デバイス100が使用され得る環境の図および例を参照して説明される。しかしながら、本開示の原理は、図示された例およびその説明よりも広い用途を有することが理解されるであろう。
【0038】
流れ制限デバイス100は、複数のストランドまたはワイヤまたはフィラメントから少なくとも部分的に形成されてもよく、これらは、編組されているか、織られているか、撚られているか、巻き付けられているか、絡み合わされているか、編まれているか、ループ状にされているか(例えば、ボビン式)、結ばれているか、または他の方法で自己支持構造(self-supporting structure)に形成されていてよい。代替的に、流れ制限デバイス100は、少なくとも部分的に、レーザ切断されたチューブもしくはスキャフォールド(scaffold)もしくは接着された細長い要素、または自己拡張型(self-expanding)金属ステントおよびレーザ切断されたチューブもしくはスキャフォールドの組み合わせ、または別の自己支持構造から形成されてもよい。そのような構造は、限定を意図することなく、ステントまたはフレームワークまたはスキャフォールドと称され得る。流れ制限デバイス100は、生体適合性金属またはポリマー材料または合金から少なくとも部分的に形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール)などの形状記憶材料または熱成形可能材料である。本開示の様々な原理によれば、流れ制限デバイス100は、経管的または経カテーテル的または内視鏡的送達のための大きさおよび構成とされていてよい。したがって、本開示の一態様によれば、流れ制限デバイス100は、(切開外科手術とは対照的に)低侵襲性処置で使用される管状送達デバイスを通り抜けるように、折り畳まれるか、または他の方法で断面寸法が縮小されてもよい。流れ制限デバイス100は、展開される(deployed)と拡張する(expand)ことができる。例えば、流れ制限デバイス100は、自己拡張型であるように形成されてもよく(そのような場合、有利には、送達デバイス内に保持または拘束されなくなると、デバイスを拡張させる形状記憶材料から形成される)、または拡張可能バルーンなどの別の拡張可能デバイスの補助を伴って拡張されてもよい。展開部位からの除去のオプションを可能にするために、流れ制限デバイス100は、その拡張された展開構成(図1に示される)から選択的に折り畳み可能(collapsible)であるように形成されてもよい。流れ制限デバイス100は、好ましくは、近位部分110の断面寸法X(拡張構成)および遠位部分120の断面寸法X(拡張構成)、ならびに流れ制限デバイス100を折り畳むための機構が、流れ制限デバイス100がつぶれること(collapse)および流れ制限デバイス100の遠位または近位移動を阻害または妨げるように構成されている。ポリマーコーティング、エラストマーコーティング、シリコーンコーティング、潤滑性コーティング、またはこれまで知られているコーティングなどの種々な既知のシースまたはコーティングが、流れ制限デバイス100の選択された領域に適用されて、構造安定性を付与する、および/または組織の内部成長を阻害するなどのために、デバイスの機構に寄与し得る。流れ制限デバイス100の選択された領域は、組織の内部成長が流れ制限デバイス100の移動に抵抗することを可能にするために被覆されないままであってもよく、被覆された領域は、被覆されていない領域への組織の内部成長のための時間を可能にするために十分な不動性を促進するための構造的安定性を有している。
【0039】
図2に、人体内の胃腸(「GI」)管の例の概略図の適所にある、図1に示されているような本開示の原理に従って形成された流れ制限デバイス100の例が示されている。図2に示される非限定的な例では、流れ制限デバイス100は、幽門Pを横切って配置され、近位部分110は胃S内に配置され、遠位部分120は十二指腸D内に配置され、サドル領域130は近位部分110と遠位部分120との間に延在し、幽門P内に配置されている。
【0040】
流れ制限デバイス100の実施形態の図示された例では、遠位部分120は、サドル領域130の対応する断面寸法X(例えば、同じ全体的な方向における面積またはリニア寸法)よりも大きい断面寸法Xを有している。したがって、流れ制限デバイス100が展開されると、遠位部分120は、十二指腸D内にしっかりと適合し、幽門Pを通って容易に意図せずに近位に通過または移動することができない。いくつかの実施形態では、追加の移動防止特徴部が、遠位部分120に関連して提供されてもよい。例えば、幽門Pに対して設置された近位に面するセクションなどの遠位部分120の領域またはエリアは、そのような領域への組織成長を可能にするために被覆されていなくてもよい。遠位部分120の他の領域は、組織の内部成長を阻害するために、および/または遠位部分120の構造を強化するために(例えば、それがつぶれることおよび幽門Pを通って近位移動することに抵抗するために)、当技術分野において既知である、またはこれまで既知であった生体適合性コーティングなどで被覆され得る。流れ制限デバイス100の遠位端103にある遠位部分120の最遠位端は、流れ制限デバイス100を形成するワイヤの先端または端部を被覆するように、被覆されていてよい。
【0041】
遠位部分120は、十二指腸Dの中へさらに延在する、図示されるよりも長い広がりを有していてもよい。代替的に、概して可撓性のスリーブ部分(例えば、当技術分野で既知またはこれまでに知られているような、編まれたまたは編組された材料から形成される)は、流れ制限デバイス100の遠位部分120から遠位に延在し、物質が流れ制限デバイス100および幽門Pを通過する場合には、十二指腸の部分を排除することができる(流れ制限デバイス100の展開後の最初になど)。流れ制限デバイス100は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、または当技術分野で既知もしくはこれまでに知られている他の生体適合性金属、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAX(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン、または当技術分野で既知もしくはこれまでに知られている他の生体適合性プラスチックなどの様々なプラスチックのうちの任意のもの、または当技術分野で既知もしくはこれまでに知られている他の適切な材料で作製され得る。流れ制限デバイス100は、シリコーンもしくは別のエラストマー材料、またはPTFEもしくは別の薄いポリマー材料で被覆されていてよい。
【0042】
本開示の様々な原理によれば、幽門Pを横切って(または異なるサイズの解剖学的領域間の別の解剖学的通路を横切って)配置するために構成された流れ制限デバイス100は、遠位部分120の対応する断面寸法Xよりも著しく大きい断面寸法Xを有する近位部分110を有している。近位部分110は、近位部分110の断面寸法Xが、流れ制限デバイス100の幽門Pを通る遠位方向の通過または移動を阻害または妨げるように形成されていてよい。近位部分110は、ここで説明されるように、幽門Pを通る流れ制限デバイス100の遠位移動をさらに阻害または妨げる追加の特徴を有していてもよい。
【0043】
図1および図2に示す流れ制限デバイス100の実施形態は、複数のワイヤまたはストランドまたはフィラメント(本明細書では、便宜上、限定を意図することなくワイヤと呼ぶ)から形成されている。ワイヤは、流れ制限デバイス100の近位部分110から遠位部分120まで連続的に延在していてよい。代替的にまたは追加的に、流れ制限デバイス100の近位部分110および遠位部分120に別個のワイヤが使用されていてもよく、ワイヤは、溶接、接着、または他の方法で互いに取り付けられるか、または他の方法で(例えば、サドル領域130に沿った別個のセクションに)結合されて、流れ制限デバイス100を形成する。流れ制限デバイス100の(少なくとも断面において)より大きい近位部分110のワイヤ間の間隔は、流れ制限デバイス100の(少なくとも断面において)より小さい遠位部分120のワイヤ間の間隔より大きくてよい。そのように形成することにより、近位部分110は、送達のために折り畳まれた構成において十分に小さい断面寸法を有するが、胃S(または流れ制限デバイス100が配置される身体の通路の端部における他の体腔または解剖学的構造)内に設置されたままにするのに十分に大きい断面寸法を有することが可能になる。近位部分110のワイヤ間の間隔が遠位部分120のワイヤ間の間隔と同じである場合、折り畳まれた近位部分110は、体管腔(例えば、患者を切開することとは対照的に、口および食道)を通過させることができる管状送達デバイス内に適合するのに十分に小さい断面直径を有するにはあまりにも多くのワイヤを有している可能性がある。代替的にまたは追加的に、流れ制限デバイス100の近位部分110におけるワイヤの直径は、流れ制限デバイス100の遠位部分120におけるワイヤの直径と異なっていてもよい(例えば、より大きくてもよい)。例えば、近位部分110および遠位部分120の両方を通って延在する連続ワイヤは、(流れ制限デバイス100の異なる部分110,120に配置するために)その長さに沿って異なる研削直径を有していてよい。代替的または追加的に、流れ制限デバイス100の各セクション110,120において異なるワイヤが使用されてもよい。
【0044】
本開示の一態様によれば、図3に示すように、本開示の原理に従って形成された流れ制限デバイス100の長手方向の広がりLは、線状(例えば、直線)である必要はない。様々な解剖学的通路は正確に直線状であるわけではないので、本開示の様々な態様に従って形成された流れ制限デバイス100の長手方向の広がりLは、流れ制限デバイス100が配置される解剖学的通路の直線でない構成に沿っていてよい。例えば、少なくともサドル領域130は、いくらか湾曲していてよい。本開示のさらなる態様によれば、流れ制限デバイス100の少なくとも一部分が、胃Sのような体腔などの拡大された解剖学的領域に配置される場合、流れ制限デバイス100のそのような部分は、サドル領域130からオフセットされていてよく、またはサドル領域130と整列されていなくてもよい。より具体的には、サドル領域130は、流れ制限デバイス100の長手方向の広がりLに沿って、かつサドル領域130が幽門を通って延在する方向に(概してサドル領域130の最大/最長寸法に沿って)延在する主軸または長手方向軸を有すると考えることができる。流れ制限デバイス100の近位部分110および/または遠位部分120は、サドル領域130の主軸または長手方向軸に対してある角度で延在していてよい/サドル領域130の主軸または長手方向軸にから斜めになっていてよい。そのような構成は、そのような近位部分110または遠位部分120が、サドル領域130が延在する身体の通路を通って移動する能力を低減させることができる。特に、流れ制限デバイス100のそのような部分が拡大され、サドル領域130に対して角度を付けられるか、または整列されていない場合、そのような部分は、そのような部分がサドル領域130と同一線上にある(例えば、位置合わせされ、同一の広がりを持ち、実質的に平行である)場合よりも、身体の通路を通って移動することがより困難になる。
【0045】
流れ制限デバイス100が幽門Pを横切って配置するために構成されている図3に示す実施形態では、サドル領域130に対する近位部分110の角度は、近位部分110を吻合A(胃空腸吻合など)からある距離に維持する働きもすることができる。特に、近位部分110は、吻合Aから離れる方向に、サドル領域130に対して角度を付けられていてよい。いくつかの実施形態では、流れ制限デバイス100の近位部分110の少なくとも一部分の外側の輪郭は、胃Sの輪郭に概ね沿っていてよい(例えば、概ね一致または対応していてよい)。胃Sの典型的な自然の輪郭を考慮して、流れ制限デバイス100の第1の領域112が胃Sの小彎LC(食道括約筋と幽門括約筋との間で概して凹状の輪郭を有する胃の上部領域)に従う場合、そのような第1の領域112は、流れ制限デバイス100の長手方向の広がりLに沿って概して凹状であると考えることができる。そのような第1の領域112が吻合Aに向かって回転させられる場合、近位部分110のそのような領域の凹状湾曲は、概して、近位部分110の壁と吻合Aとの間の空間を維持するであろう。また、胃Sの典型的な自然の輪郭を考慮すると、凹状領域112およびサドル領域130に対するその傾斜は、流れ制限デバイス100が幽門内で回転することを抑制または妨げることに寄与し得る。特に、胃Sの大彎GCの概して凸状の湾曲のために、胃Sのそのような部分の内部の対応する凹状の湾曲は、胃Sの小彎LCに沿った反対側よりも大きく内向きに延在し、流れ制限デバイス100の凹状領域112が胃Sのそのような領域に移動するための余地をほとんどまたは全く残さない。流れ制限デバイス100の少なくとも近位部分110は、大彎GCに沿った胃Sの内側に接触したときに近位部分110が曲がって定位置から外れるように回転することをさらに阻害するように、曲げに対して十分に抵抗し得る。放射線不透過性マーキングまたは他のマーキング、あるいは蛍光透視法または当業者に知られている他の撮像技術で視認可能な他の技術(例えば、白金コアワイヤ)を使用して、近位部分110が所望の初期配向にある状態で流れ制限デバイス100を配置し得ることが理解されるであろう。
【0046】
代替的または追加的に、本開示の様々な態様によれば、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイス100は、流れ制限デバイス100の壁と解剖学的構造の別の領域との間の距離を避けるまたは維持するために、他の輪郭または輪郭成形されたセクションもしくは領域を有するように構成されてもよい。そのような輪郭または輪郭成形されたセクションもしくは領域は、流れ制限デバイス100の周囲領域とは異なるように成形されてもよい(例えば、流れ制限デバイス100の壁)。例えば、流れ制限デバイス100の近位部分110の長手方向の広がりLの少なくとも一部は、近位部分110が配置される解剖学的セクションの第1のエリアまたは領域の輪郭に沿うように構成された第1の領域112(例えば、凸状外側断面形状)と、近位部分110が配置される解剖学的セクションの第2のエリアまたは領域から離隔されるように構成された第2の領域114とを有する断面形状を有していてよい。第2の領域114は、実質的に直線状(少なくとも第1の領域112に対して)であってよく、または凹状であってよく、あるいは、第2の領域114と、流れ制限デバイス100がそれに沿って配置される回避すべき解剖学的領域との間に空間を残すように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の領域114を通って延在する流れ制限デバイス100の外側断面は、非円形である。
【0047】
図3に示す実施形態では、流れ制限デバイス100は、吻合A(例えば、胃空腸吻合)が形成された胃Sの幽門Pを横切って配置されている。図3を参照して理解することができるように、流れ制限デバイス100の近位部分110は、吻合Aから離れた方を向く第1の領域112と、吻合Aから離隔されるように輪郭形成または成形された第2の領域114とを有している。第1の領域112は、図示されるように、胃Sの内壁の輪郭に沿うように輪郭形成または成形されていてよい。胃Sは、食道括約筋と幽門括約筋との間の胃の長手方向の広がりに沿った所与の位置において、外周に沿って概して凹状の内壁を有する概して円形の断面形状を有している。したがって、図3に示される流れ制限デバイス100の近位部分110の第1の領域112は、流れ制限デバイス100の長手方向の広がりLに沿って(胃Sの小彎LCの内部形状に沿うように)概して凹状の湾曲を有し、さらに、胃Sの凹状の断面形状に沿うために概して凸状の外側断面形状を有する。流れ制限デバイス100の近位部分110の第2の領域114は、本開示の様々な原理に従って、胃Sのある領域を避けるように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の領域114は、凸状でない外側断面形状を有していてもよい。図3のIV-IV線に沿うものなど、流れ制限デバイス100の断面形状の様々な実施形態が、図4A,4B,4C,4Dに示されている。理解されるように、回避されるべき解剖学的領域(例えば、吻合A)のエリアにおける流れ制限デバイス100の近位部分110の断面積は、それが配置される解剖学的領域の断面積全体を占有しなくてもよい。例えば、近位部分110は、回避されるべき解剖学的領域を除くエリアを占有してもよい。近位部分110の断面積は、回避されるべき解剖学的領域の断面積(例えば、回避されるべきエリアがある平面に沿って取られた断面)の半分以下であってもよい。
【0048】
図4Aに示す例では、胃Sのある領域を回避するために図3に示すように構成された流れ制限デバイス100の近位部分110Aは、IV-IV線に沿った断面形状を有し、回避されるべき胃Sの領域(胃空腸吻合Aなど)から離隔された第2の領域114Aを有している。この実施形態の第2の領域114Aは、概して少なくとも線状である外側断面形状を有する。図3の流れ制限デバイス100のIV-IV線に沿った断面の別の実施形態を示す図4Bを参照して理解することができるように、第2の領域114Bは、回避されるべき解剖学的領域から離隔されたままであるように概して凸状である外側断面形状を有していてよい。図4Aおよび図4Bの実施形態を参照して理解することができるように、図3におけるような流れ制限デバイス100の、それぞれ近位部分110A,110Bの断面積は、回避されるべき解剖学的領域を除く領域を占有することができ、回避されるべき領域と交差する平面に沿った断面積の半分または半分未満を占有し得る。第2の領域114A,114Bは、回避されるべき解剖学的領域から十分に離隔されている場合、概して線状である必要はなく、さらには凹状である必要もないことが理解されるであろう。
【0049】
図4Cおよび図4Dに示されるような他の実施形態では、近位部分110C,110Dは、回避されるべき領域と交差する流れ制限デバイス100の断面にわたってより長い距離を延在していてもよく、回避されるべき領域を回避するためにより明確に成形された第2の領域114C,114Dを有していてもよい。例えば、図4Cに示されるように、近位部分110Cの断面積は、第2の領域114Cの外側断面形状が凹状であり、図4Cに示されるように、回避されるべき領域から十分に離れている場合、解剖学的領域の断面積の半分以上を占有していてもよい。理解されるように、第1の領域112は、IV-IV線に沿った近位部分110の外周の大部分と同様に、実質的に凸状の外側断面形状を有している。図4Dに示される別の実施形態では、近位部分110Dの断面積は、回避されるべき解剖学的領域と交差する解剖学的構造の断面積の半分未満を占有し得るが、第2の領域114Dの外側断面形状が十分に凹状である場合、依然として断面の半分超にわたって延在し得る。図示されるように、第2の領域114Dの外側輪郭は、第1の領域112Dの外側輪郭に実質的に沿っていてもよく、これらの部分の壁は、互いから実質的に等距離のままであってもよく、それによって、第2の領域114Dの外側表面は、回避されるべき解剖学的領域から十分に離隔されたままである。上記の議論を考慮すると、流れ制限デバイス100の近位部分110C,110Dが胃Sの小彎に従うように湾曲される場合、近位部分110C,110Dの回転は、胃Sの大彎の領域において胃Sの概して凹状の内側輪郭に接触するそのような湾曲によって概して阻害される。
【0050】
図3に示されるような流れ制限デバイス100の近位部分110のIV-IV線に沿った断面形状のさらなる変形例は、本開示の範囲内であることが理解されるであろう。図3に示される実施形態では、近位部分110は、凹状湾曲(例えば、流れ制限デバイス100の長手方向の広がりに沿って凹状である)を伴って長手方向に延在する第1の領域112、ならびに回避されるべき解剖学的領域から離隔されるように構成された断面形状を有する第1の領域114を有してもよいことに留意されたい。しかしながら、他の実施形態では、近位部分110は、そのような特徴または輪郭のうちの1つのみを有していてもよい。
【0051】
本開示の別個の独立した態様によれば、オクルーダ140が、図3に示すように、近位部分110などの流れ制限デバイス100と関連付けられていてもよい。オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の一部がサドル領域130に対して角度を付けられている、および/または流れ制限デバイス100の一部が、流れ制限デバイス100のそのような部分が配置されている解剖学的構造のある領域を回避するように構成されているなど、上述の態様の任意の組み合わせ(何も含まないことを含む)を備え得ることが理解されるであろう。図3に示す実施形態では、オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の近位部分110と関連付けられている。理解されるように、オクルーダ140は、つぶれることに抵抗し、幽門Pを通る遠位移動に抵抗するように、近位部分110の体積および/または構造的完全性に寄与することができる。オクルーダ140は、流れ制限デバイス100(例えば、そのサドル領域130)が配置される身体の通路を通る物質の通過を閉塞するように配置され得る。追加的または代替的に、オクルーダ140は、それが種々の処置効果を達成するように配置される解剖学的領域内の容積を占有してもよい。オクルーダ140は、近位部分110に対して大きさおよび/または位置が調整可能であることが好ましい。例えば、オクルーダ140は、オクルーダ140が物質の通過を遮断する程度を変化させるために、および/またはオクルーダ140によって占有される容積を変化させるために、異なる範囲に選択的に拡張可能であってよい。
【0052】
上述したように、図3に示す流れ制限デバイス100の実施形態は、幽門Pを通る物質の流れを制限するために、幽門Pを横切って配置されている。いくつかの実施形態では、サドル領域130は、それを通るルーメンを有し、ルーメンは、サドル領域130が配置される通路よりも狭く、ルーメンを通る物質の流れを制限する。いくつかの実施形態では、サドル領域130を通るルーメンは、実質的に完全に閉鎖されて、そこを通る物質の流れを閉塞してよい(例えば、完全に塞ぐ)。他の実施形態では、サドル領域130を通るルーメンは、そこを通る流れを部分的にのみ低減し、および/またはサドル領域130は、幽門Pを通る流れを部分的にのみ低減し、近位部分110は、物質の流れを制限するさらなる特徴を含んでいてもよい。オクルーダ140は、幽門Pへの物質の流れを妨げることによって、幽門Pを通る物質の流れを制限することに寄与することができる。上述したように、いくつかの例では、肥満治療などにおいて、流れ制限デバイス100が配置される胃Sの容積を減少させることが望ましい場合がある。オクルーダ140は、そのような処置モードのために胃S内の追加の容積を占有する。
【0053】
本開示の一態様によれば、オクルーダ140は、指示された量の閉塞を達成および付与するために、および/または指示された容積を占有するために、選択的に拡張可能であってよい。例えば、オクルーダ140は、流れ制限デバイス100(例えば、流れ制限デバイス100のサドル領域130)が配置される通路(例えば、幽門P)への入口を完全に閉塞するように完全に拡張されてもよく、または通路を縮小するが完全には閉塞しないように部分的に拡張されてもよい。オクルーダ140が肥満治療の過程で使用される場合、オクルーダ140の体積は、患者が首尾よく減量している場合(および膨張したオクルーダ140によって生成される胃容積の大幅な減少を必要としない場合)、または減量の増加が指示されている場合(およびオクルーダ140の体積を増加させることによって胃容積の充填の増加が望ましい場合)、治療の過程で調整され得る。
【0054】
本開示の様々な原理によれば、オクルーダ140は、オクルーダ140の膨張を可能にする弾性材料で形成することができる。例えば、オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の近位部分110の内部容積の全てまたはほんの一部を占めるように、空気または生理食塩水または別の適切な物質(例えば、気体または流体)で選択的に充填可能なバルーンであってよい。材料は、概してオクルーダ140の所望の用途に応じて、柔軟(compliant)であっても非柔軟(non-compliant)であってもよい。いくつかの実施形態では、オクルーダ140は、以下でさらに詳細に説明されるように、経カテーテルまたは経管的送達のためのコンパクトな構成へのその折り畳み、および展開部位に送達された場合の(医学的に示されるような)種々の程度の膨張を促進する、柔軟な材料で形成される。オクルーダ140は、オクルーダ140が配置される流れ制限デバイス100の部分110,120の内側断面形状に一致する外側断面形状、例えば図4A図4B図4C、または図4Dに示す形状のうちの任意のものを有し得ることが理解されるであろう。あるいは、オクルーダ140は、オクルーダ140が配置される流れ制限デバイス100の部分110,120の内側断面形状とは異なる外側断面形状、例えば、部分110,120の総断面積未満を占有する形状(例えば、円形または楕円形)を有していてもよい。
【0055】
オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の近位部分110および遠位部分120の一方または両方に配置されていてよい。図3に示す実施形態では、オクルーダ140は、胃S内の近位部分110にのみ配置されている。オクルーダ140が配置される流れ制限デバイス100の部分の構造は、オクルーダ140を展開部位の所望の位置または場所に保持または維持するケージまたはフレームを形成し得ることが理解されるであろう。例えば、流れ制限デバイス100が展開される解剖学的構造の特定の領域から離して流れ制限デバイス100を維持することが望ましい場合、近位部分110は、そのような領域を回避するように、ならびにそのような領域から離れてオクルーダ140を保持するように、上記のように構成され得る。追加的または代替的に、近位部分110は、他の理由のために流れ制限デバイス100が配置される解剖学的構造の一般的な領域内にオクルーダ140を保持してもよい。例えば、オクルーダ140の体積を調節することが望ましい場合(例えば、処置の過程で)、オクルーダ140が配置される流れ制限デバイス100の部分は、概して、オクルーダ140をそれへのアクセスのために十分に安定に維持することができる。オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の一部内に収容されている場合、大幅にドリフトすることはなく、それによって、その調整などのためのアクセスが容易になる。
【0056】
次に、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイス100の送達および展開について、図5および図6に示す送達デバイス200の例を参照して説明する。上述したように、流れ制限デバイス100(それに含まれるオクルーダ140を含む)は、経カテーテルまたは経管的送達のために折り畳まれるように構成されていてよい。図5に示す実施形態では、送達デバイス200は、身体を通って(例えば、身体に外科的に形成された開口部を通してではなく身体内の通路を通して)延在する送達デバイスのルーメン内に容易に適合し、ルーメンを通して輸送することができる可撓性管状要素210(それを通るルーメン212を有するカテーテルまたは他の可撓性細長部材など)を含む。流れ制限デバイス100は、可撓性管状要素210のルーメン212内で折り畳まれた、またはコンパクトな構成で示されている。図示された実施形態において、オクルーダ140は、流れ制限デバイス100の近位部分110内に配置されている。したがって、オクルーダ140をその中に有する近位部分110の全断面積は、遠位部分120またはサドル領域130のいずれの全断面積より大きくてよい。それにもかかわらず、オクルーダ140をその中に有する近位部分110の全断面積は、送達デバイス200のルーメン212内に適合し、ルーメン212を通して輸送されるような大きさである。
【0057】
流れ制限デバイス100がその中に折り畳まれた状態の送達デバイス200は、好ましくは、(例えば、送達デバイス200の進入および送達を容易にするために患者を切開するなどの外科的介入なしに)患者の自然の身体の通路または管腔を通って送達/展開部位にナビゲートされるのに十分な可撓性を有している。展開部位に到達すると、内側チューブ220(外部または外側可撓性管状要素210内に摺動可能に配置される)は、流れ制限デバイス100を可撓性管状要素210から押し出すのを補助するためのプッシャとして使用されてよい。可撓性管状要素210および内側チューブ220は、医療専門家によるその制御のために患者の外側の位置まで近位に延在する。最終位置における流れ制限デバイス100の配置および/または展開を補助するために使用され得るガイドワイヤのために、ルーメンまたは他の通路が設けられてもよい(例えば、送達デバイス200内に設けられる)。いくつかの実施形態では、図5および図6に示すように、可撓性管状要素210の近位端211は、制御ハンドル214で終端している。同様に、いくつかの実施形態では、図5および図6に示すように、内側チューブ220の近位端221は、制御ハンドル224で終端している。制御ハンドル214,224は、共通の制御ハンドルアセンブリ上に提供されてもよく、または別個に形成されてもよい。好ましくは、制御ハンドル214,224は、流れ制限デバイス100の展開に関する以下の説明を参照して理解されるように、可撓性管状要素210および内側チューブ220の互いに対する移動を別々に制御するように構成されている。
【0058】
可撓性管状要素210の遠位端213が所望の送達部位に到達すると、流れ制限デバイス100は、そこから遠位方向に前進して、可撓性管状要素210のルーメン212から出て送達部位に入る。内側チューブ220は、内側チューブ220に対して可撓性管状要素210を近位に後退させることによって、または可撓性管状要素210に対して内側チューブ220を遠位に前進させることによって、またはそのような動きの組み合わせによって、流れ制限デバイス100を前進させるためのプッシャとして使用することができる。制御ハンドル214,224は、上述したように、可撓性管状要素210および内側チューブ220をそれぞれ動かすために使用することができる。流れ制限デバイス100は、図6において、可撓性管状要素210から出て前進した状態で示されている。流れ制限デバイス100が自己拡張型である場合、流れ制限デバイス100は、図6に示すように、拡張を開始して、図1に示すような拡張された展開構成になることができる。流れ制限デバイス100が拡張可能なオクルーダ140などの拡張可能なデバイスによって拡張される場合、拡張可能なデバイスを膨張させて流れ制限デバイス100を膨張させることができる。流れ制限デバイス100がオクルーダ140を含む場合、流れ制限デバイス100が可撓性管状要素210から前進して所望の展開部位に配置されると、オクルーダ140を膨張させることができる(例えば、流れ制限デバイス100を拡張するため、および/または流れ制限デバイス100が配置される通路を通る物質の通過を遮断または制限するのに寄与するため、および/またはオクルーダ140が配置される解剖学的構造内の容積を占有するため)。
【0059】
図5および図6に示すように、膨張チューブ230は、上述したような本開示の様々な原理に従って、流れ制限デバイス100を拡張するため、および/または流れ制限デバイス100の一部内で膨張(または部分的に膨張)した状態を維持するために設けられた拡張可能なデバイスのために設けられていてよい。膨張チューブ230は、制御ハンドル214,224の一方または両方と共通の制御ハンドルアセンブリ上に設けられ得るか、または制御ハンドル214,224のいずれかまたは両方とは別個に形成され得る膨張制御ハンドル234に連結されることができる近位端231を有している。ルアーロック236などの膨張弁またはポートは、膨張媒体(例えば、ガスまたは流体、さらには半固体の膨張材料)の供給源と結合するために、膨張制御ハンドル234上に設けられ得る。
【0060】
膨張チューブ230の遠位端233は、図7の詳細図に示すように、ポート142などを介してオクルーダ140に結合されている。膨張チューブ230は、その遠位端233に、ポート142を通って延在するとともに、膨張チューブ230を通したオクルーダ140の中への充填媒体の通過を促進するように構成された注入チューブ232を含んでいてよい。図7のVIII-VIII線に沿った図8Aおよび図8Bのさらなる詳細図(図8Bは、図8Aに示されるよりも後の膨張段階を示す)を参照して理解することができるように、ポート142は、クリップ挿入構成要素234と嵌合するように構成されたフレームまたはクリップ受容構成要素144を含んでいてよい。クリップ受容構成要素144は、膨張中にポート142に対して定位置にクリップ挿入構成要素234を保持するための保持構造146を含んでいてよい。クリップ挿入構成要素234は、図8Bに図示されるように、膨張チューブ230を近位に引き抜いて、クリップ受容構成要素144をクリップ挿入構成要素234から取り外すことによって、クリップ受容構成要素144から取り外されることができる。図8Bを参照して理解することができるように、ポート142は、オクルーダ140を膨張媒体で充填するために、膨張チューブ230および/または注入チューブ232がオクルーダ140の内部にアクセスすることを選択的に可能にする、弁シール等のシール148を含んでいてよい。シール148は、オクルーダ140が所望のまたは医学的に示された程度まで膨張された後、膨張チューブ230および/または注入チューブ232を引き抜く際にオクルーダ140の内部をシールするための自己閉鎖型一方向弁であるように構成されていてよい。いくつかの実施形態では、シール148は、ポート142内の開口部を横断して延在するとともに、そこを通る選択的なアクセスを可能にするためのスリットをその中に有するエラストマー要素(例えば、エラストマーディスク)の形態であってもよい。スリットは、当業者に許容可能な任意の構成で設けられていてよく、その例が図9Aおよび図9Bに示されている。例えば、図9Aに示すように、シール148Aに複数のスリット149Aが設けられていてもよいし、図9Bに示すように、シール148Bに1つのスリット149Bのみが設けられていてもよい。複数のスリット149Aは、実質的に直線であり、互いから実質的に等距離であるものとして示されているが、他の構成も本開示の範囲および技術思想に含まれる。
【0061】
上記を考慮して、図面に示される様々な実施形態は、いくつかの別個の独立した特徴を有し、これらの各々は、少なくとも単独で、本開示の流れ制限デバイスにとって望ましいが必須ではない固有の利点を有することを理解されたい。したがって、本明細書に記載される所望の特性および/または利点の少なくともいくつかを達成するために、本明細書に記載される様々な別個の特徴のすべてが存在する必要はない。様々な特徴のうちの1つのみが、本開示の様々な原理に従って形成された流れ制限デバイスに存在してもよい。あるいは、一実施形態を参照して記載される特徴のうちの1つまたは複数は、本明細書で提供される他の実施形態のいずれかの特徴のうちの1つまたは複数と組み合わせることができる。すなわち、本明細書で説明される特徴のうちの任意のものは、混合および調和されてハイブリッド設計を作成することができ、そのようなハイブリッド設計は、本開示の範囲内である。さらに、本開示全体を通して、参照番号は、開示された実施形態の包括的な要素または特徴を示すために使用される。同じ参照番号は、形態、形状、構造などが同一ではないが、同様の機能または利点を提供する要素または特徴を示すために使用され得る。同様の要素または特徴を互いに区別するために、追加の参照符号(数字ではなく文字など)が使用され得る。
【0062】
一般に、本明細書に記載されるように、「実施形態」(添付の図面に示されるような)は、開示される概念または特徴が提供または具現化され得る環境または物品または構成要素の例示的な表現、あるいは概念または特徴のみが提供または具現化され得る様式の表現を指し得ることを理解されたい。しかしながら、そのような図示された実施形態は、(別段の記載がない限り)例として理解されるべきであり、当業者が本開示から概念または特徴を習得すると理解することができるような、説明された概念または特徴を具現化する他の様式は、本開示の範囲内である。加えて、図面は、概念または特徴の1つまたは複数の実施形態を、そのような概念または特徴を組み込んだ環境、物品、または構成要素の単一の実施形態において一緒に示す場合があるが、そのような概念または特徴は、(別段の指定がない限り)互いに独立かつ別個のものとして理解されるべきであり、便宜上、一緒に示されており、一緒に存在または使用されることに限定する意図はないことが理解されるであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別個に、または1つまたは複数の他の特徴とともに使用されて、さらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るそのような修正および変形を包含することが意図されている。
【0063】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図していない。上記開示の様々な態様は、身体内の他の通路に適用されて、そのような通路を通る流れを低減し得ることが理解されるであろう。本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、技術思想、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の態様、実施形態、または構成に、一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の種々の別個の特徴は、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理または技術思想または範囲から逸脱することなく、多くの修正、または特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの修正とともに使用され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、または変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。同様に、動作またはアクションまたは手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきではなく、あるいはすべての動作またはアクションまたは手順が実行されるべきであると理解されるべきではない。加えて、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。したがって、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、または本明細書で説明もしくは図示されている特定の実施形態もしくは構成に限定されない。上記を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて請求されてもよく、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0064】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という語句は、動作において接続的および選言的の両方であるオープンエンド表現である。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」エンティティは、本明細書で使用される場合、そのエンティティの1つまたは複数を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、または使用に関して関連する要素を限定するものではない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも示唆するものではない。識別に関する参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を含意することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0065】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「備える/備えている」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、有利に組み合わせられる可能性があり、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを意味するものではない。加えて、単数の参照は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確にする例として提供されており、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の広がりを有するとともに解剖学的構造内で展開可能な流れ制限デバイスであって、
第1の部分と、
第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に延在するサドル領域と
を備え、
前記第1の部分は、前記サドル領域と同一直線上にない、流れ制限デバイス。
【請求項2】
前記第1の部分は、選択された解剖学的領域から離隔されたままであるように構成された、前記第1の部分の少なくともある領域にわたる非円形の断面形状を有している、請求項1に記載の流れ制限デバイス。
【請求項3】
前記流れ制限デバイスは、前記サドル領域が、前記第1の部分が配置される第1の解剖学的構造と、前記第2の部分が配置される第2の解剖学的構造との間の通路を通って延在する状態で配置されるように構成されており、
前記第1の部分は、前記第1の解剖学的構造の第1の領域に沿って延在する第1の領域と、前記第1の解剖学的構造の第2の領域に沿って延在する第2の領域とを有し、
前記第1の部分は、前記第1の解剖学的構造に配置されたときに、前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離れる方向に、前記サドル領域に対して角度を付けられている、請求項1に記載の流れ制限デバイス。
【請求項4】
前記第1の部分の前記第1の領域は、前記第1の解剖学的構造の前記第1の領域の輪郭に沿うように構成されており、
前記第1の部分の前記第2の領域は、前記第1の部分を前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離すために、前記第1の解剖学的構造の前記第2の領域から離隔されるように構成されている、請求項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項5】
前記第1の領域は、その外側が凸状であり、
前記第2の領域は、その外側が実質的に直線状または凹状である、請求項3または4に記載の流れ制限デバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、折り畳まれた構成と、拡張された展開構成との間で動くことができ、
前記第1の部分は、前記サドル領域が延在する通路を通る移動に抵抗するような大きさである、請求項1または3に記載の流れ制限デバイス。
【請求項7】
前記流れ制限デバイスは、複数の織られたストランドで形成され、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも大きい断面寸法を有するように拡張され、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも少ないストランドで形成されている、請求項に記載の流れ制限デバイス。
【請求項8】
前記サドル領域が延在する通路を通る物質の通過を制限するように、および/または第1の解剖学的構造内の、前記第1の部分によって占有される容積を増加させるように拡張可能な、前記第1の部分に関連付けられたオクルーダをさらに備える、請求項1または3に記載の流れ制限デバイス。
【請求項9】
長手方向の広がりを有するとともに解剖学的構造内で展開可能な流れ制限デバイスであって、
第1の部分と、
第2の部分と、
近位部分と遠位部分との間に延在するサドル領域と、
前記第1の部分に関連付けられたオクルーダと
を備える、流れ制限デバイス。
【請求項10】
前記第1の部分は、ケージの形態であり、
前記オクルーダは、前記第1の部分内に配置されている、請求項9に記載の流れ制限デバイス。
【請求項11】
前記オクルーダは、前記サドル領域に向かう物質の通過を制限するために、前記第1の部分内に配置されている、請求項9または10に記載の流れ制限デバイス。
【請求項12】
前記オクルーダは、選択的に拡張可能である、請求項9または10に記載の流れ制限デバイス。
【請求項13】
前記サドル領域は、幽門を横切って展開されるように構成され、
前記第1の部分は、胃内に適合するように構成され、前記幽門を通る遠位移動に抵抗するような大きさであるとともに、前記幽門を通る遠位移動に抵抗するように構成され、
前記第2の部分は、十二指腸内に適合するように構成され、前記幽門を通る近位移動に抵抗するように構成され、
前記オクルーダは、前記胃の中の容積を占有して、満腹感を引き起こし、および/または前記幽門を通る前記流れ制限デバイスの遠位移動に抵抗し、前記幽門を通る物質の通過を閉塞するために、前記第1の部分内で拡張可能である、請求項9または10に記載の流れ制限デバイス。
【請求項14】
解剖学的構造を通る物質の流れを制限するためのシステムであって、
管状送達デバイスと、
外部の管状デバイス内のルーメン内に適合するための折り畳まれた構成と、前記外部の管状デバイス内に配置されていない場合の拡張された展開構成との間で移行するように構成された流れ制限デバイスと、
前記流れ制限デバイスに関連付けられたオクルーダと、
前記管状送達デバイスを通って延在するとともに、前記流れ制限デバイスに係合するように構成された内部プッシャと
を備え、
前記内部プッシャと前記外部の管状送達デバイスとの互いに対する動きが、前記管状送達デバイスからの前記流れ制限デバイスの展開を引き起こす、システム。
【請求項15】
前記オクルーダは、拡張可能であり、前記システムは、前記オクルーダを選択的に拡張するために前記オクルーダと流体結合可能な膨張ルーメンをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【国際調査報告】