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特表2024-509650バックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】バックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240227BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20240227BHJP
   G03F 1/00 20120101ALI20240227BHJP
【FI】
F21S2/00 410
G02B5/08 C
G03F1/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576419
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2021137052
(87)【国際公開番号】W WO2023092692
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111429012.2
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 通
【テーマコード(参考)】
2H042
2H195
3K244
【Fターム(参考)】
2H042DA01
2H042DA09
2H042DA22
2H042DC01
2H042DE04
2H195BA12
2H195BC04
3K244AA01
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA16
3K244LA10
(57)【要約】
本発明の実施形態は、バックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュールを開示する。バックライトパネルの製造方法は、透光性ベース基板を提供するステップと、前記透光性ベース基板にパッドを形成するステップと、感光性材料を塗布して、反射層を形成するステップと、前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層に露光処理を施すステップと、前記反射層に現像処理を施すステップとを含む。本発明は、感光性材料の感光量を増加させて、アンダーカットが生じることを防止して、バックライトパネルの全体の反射率を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域及び第2領域を含む透光性ベース基板を提供するステップと、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置にパッドを形成するステップと、
反射層を形成するように、前記透光性ベース基板及び前記パッドに感光性材料を塗布するステップと、
前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施すステップと、
前記反射層の前記第1領域に対応する位置において前記パッドを露出する凹溝を形成するように、前記反射層に現像処理を施すステップと、を含むバックライトパネルの製造方法。
【請求項2】
前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に第1露光強度で露光処理を施すことと、
前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に、前記第1露光強度よりも大きい第2露光強度で露光処理を施すことと、を含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項3】
前記第1露光強度が300ミリジュール以上800ミリジュール以下であり、及び/又は、
前記第2露光強度が300ミリジュール以上800ミリジュール以下である請求項2に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項4】
前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に第1所定時間で露光を施すことと、
前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に、前記第1所定時間よりも長い第2所定時間で露光を施すことと、を含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項5】
前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側及び前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を同時に施すことを含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項6】
前記透光性ベース基板の前記第1領域の光透過率が、前記透光性ベース基板の前記第2領域の光透過率よりも小さい請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項7】
前記透光性ベース基板を提供するステップは、
透光基板を提供することと、
前記透光性ベース基板を形成するように、前記透光基板の遮光領域の一側に遮光層を設けることであって、前記遮光領域が前記第1領域であること、又は、
前記透光性ベース基板を形成するように、前記透光基板の遮光領域の対向する両側に遮光層を設けることであって、前記遮光領域が前記第1領域であることと、を含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項8】
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置に前記パッドを形成する前記ステップは、
前記透光性ベース基板に金属層を形成することと、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置に前記パッドを形成するように、前記金属層の前記第2領域に対応する位置をエッチングすることと、を含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項9】
前記反射層の厚さが70ミクロン以下である請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項10】
前記反射層における凹溝の側壁と前記バックライトパネルの前記パッドとの間に30ミクロン以下の隙間を有する請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項11】
前記パッドの前記隙間に対応する領域が前記第1領域である請求項10に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項12】
前記方法は、
ライトパネルを前記パッドと接続するステップをさらに含む請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載のバックライトパネルの製造方法により製造されたバックライトパネルであって、
第1領域及び第2領域を含む透光性ベース基板と、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置に設けられるパッドと、
前記透光性ベース基板に設けられる反射層であって、前記反射層の前記パッドに対応する位置に凹溝が設けられ、前記凹溝から前記パッドが露出される反射層と、を含むバックライトパネル。
【請求項14】
前記バックライトパネルは、間隔をおいて設けられる複数の前記パッドを含み、前記凹溝から複数の前記パッドが露出される請求項13に記載のバックライトパネル。
【請求項15】
前記バックライトパネルは、複数の前記パッドを含み、前記反射層に複数の前記凹溝が設けられ、複数の前記凹溝が複数の前記パッドと一対一に対応する請求項13に記載のバックライトパネル。
【請求項16】
前記凹溝の側壁が前記透光性ベース基板と垂直である請求項13に記載のバックライトパネル。
【請求項17】
前記透光性ベース基板は、遮光領域を含む透光基板と、前記遮光領域の少なくとも一側に設けられる遮光層と、を含み、前記遮光領域が前記第1領域である請求項13に記載のバックライトパネル。
【請求項18】
前記遮光領域の対向する両側に前記遮光層が設けられる請求項17に記載のバックライトパネル。
【請求項19】
前記バックライトパネルは、前記パッドに接続されるライトパネルをさらに含む請求項13に記載のバックライトパネル。
【請求項20】
請求項13に記載のバックライトパネルを含むバックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、具体的にバックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、表示輝度を向上させるために、Mini-LED表示技術において、バックライトパネルのリアプレートの表面に反射層を塗布して、露光現像の方式によりウインドウ切り出しを形成してリアプレートにおけるパッド構造を露出する。従来の製造技術において、反射層にアンダーカットが生じやすいことで、バックライトパネルの反射率が低くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、従来技術において反射層にアンダーカットが生じやすいことで、バックライトパネルの反射率が低くなってしまうという問題点を解消することができる、バックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、
第1領域及び第2領域を含む透光性ベース基板を提供するステップと、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置にパッドを形成するステップと、
反射層を形成するように、前記透光性ベース基板及び前記パッドに感光性材料を塗布するステップと、
前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施すステップと、
前記反射層の前記第1領域に対応する位置において前記パッドを露出する凹溝を形成するように、前記反射層に現像処理を施すステップと、を含むバックライトパネルの製造方法を提供する。
【0005】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に第1露光強度で露光処理を施すことと、
前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に、前記第1露光強度よりも大きい第2露光強度で露光処理を施すことと、を含む。
【0006】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記第1露光強度が300ミリジュール以上800ミリジュール以下であり、及び/又は、
前記第2露光強度が300ミリジュール以上800ミリジュール以下である。
【0007】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に第1所定時間で露光を施すことと、
前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に、前記第1所定時間よりも長い第2所定時間で露光を施すことと、を含む。
【0008】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板の対向する両側において前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を施す前記ステップは、
前記反射層の前記透光性ベース基板から遠い側及び前記透光性ベース基板の前記反射層から遠い側において、前記反射層の前記第2領域に対応する位置に露光処理を同時に施すことを含む。
【0009】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板の第1領域の光透過率が、前記透光性ベース基板の第2領域の光透過率よりも小さい。
【0010】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板を提供するステップは、
透光基板を提供することと、
透光性ベース基板を形成するように、前記透光基板の遮光領域の一側に遮光層を設けることであって、前記遮光領域が第1領域であること、又は、
透光性ベース基板を形成するように、前記透光基板の遮光領域の対向する両側に遮光層を設けることであって、前記遮光領域が第1領域であることと、を含む。
【0011】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置にパッドを形成する前記ステップは、
前記透光性ベース基板に金属層を形成することと、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置にパッドを形成するように、前記金属層の前記第2領域に対応する位置をエッチングすることと、を含む。
【0012】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記バックライトパネルの反射層の厚さが70ミクロン以下である。
【0013】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記反射層における凹溝の側壁と前記バックライトパネルのパッドとの間に30ミクロン以下の隙間を有する。
【0014】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記パッドの前記隙間に対応する領域が前記第1領域である。
【0015】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記方法は、
ライトパネルを前記パッドと接続するステップをさらに含む。
【0016】
したがって、本発明の実施形態は、上記のいずれか一つに記載のバックライトパネルの製造方法により製造されたバックライトパネルをさらに提供し、前記バックライトパネルは、
第1領域及び第2領域を含む透光性ベース基板と、
前記透光性ベース基板の前記第1領域に対応する位置に設けられるパッドと、
前記透光性ベース基板に設けられる反射層であって、前記反射層の前記パッドに対応する位置に凹溝が設けられ、前記凹溝から前記パッドが露出される反射層と、を含む。
【0017】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記バックライトパネルは、間隔をおいて設けられる複数の前記パッドを含み、前記凹溝から複数の前記パッドが露出される。
【0018】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記バックライトパネルは、複数の前記パッドを含み、前記反射層に複数の前記凹溝が設けられ、複数の前記凹溝が複数の前記パッドと一対一に対応する。
【0019】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記凹溝の側壁が前記透光性ベース基板と垂直である。
【0020】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記透光性ベース基板は、遮光領域を含む透光基板と、前記遮光領域の少なくとも一側に設けられる遮光層と、を含み、前記遮光領域が前記第1領域である。
【0021】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記遮光領域の対向する両側に前記遮光層が設けられる。
【0022】
所望により、本発明のいくつかの実施形態において、前記バックライトパネルは、前記パッドに接続されるライトパネルをさらに含む。
【0023】
したがって、本発明の実施形態は、前記バックライトパネルを含むバックライトモジュールをさらに提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態におけるバックライトパネルの製造方法は、透光性ベース基板をキャリア基板として用い、透光性ベース基板の透光性を利用し透光性ベース基板の対向する両側において反射層に露光処理を施すことで、反射層の感光性材料における各感光性分子の感光量を増加させ、各感光性分子間の結合度を向上させ、反射層の厚さが厚いことにより、一部の感光性分子の感光量が低くてアンダーカットが生じてしまうことを防止し、反射層の構造安定性を確保し、バックライトパネルの全体反射率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態における技術的手段をより明確に説明するために、以下の実施形態の説明で必要となる図面を簡単に紹介し、以下の説明における図面は、本発明の幾つかの実施形態に過ぎなく、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
図1図1は本発明の実施形態に係るバックライトパネルの製造方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施形態に係る図1におけるステップS400のフローチャートである。
図3図3は本発明の実施形態に係る他の図1におけるステップS400のフローチャートである。
図4図4は本発明の実施形態に係るバックライトパネルの構造概略図である。
図5図5は本発明の実施形態に係る他のバックライトパネルの構造概略図である。
図6図6は本発明の実施形態に係る図1におけるステップS200の構造概略図である。
図7図7は本発明の実施形態に係る図1におけるステップS300の構造概略図である。
図8図8は本発明の実施形態に係る図1におけるステップS400の構造概略図である。
図9図9は本発明の実施形態に係る図1におけるステップS500の構造概略図である。
図10図10は本発明の実施形態に係る他の図1におけるステップS500の構造概略図である。
図11図11は本発明の実施形態に係るバックライトモジュールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態における技術的手段を明確かつ完全に説明するが、説明した実施形態は本発明の実施形態のすべてではなく、単に実施形態の一部であることは明らかである。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属している。また、ここで記載する具体的な実施形態は本発明を説明や解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。本発明において、反対の説明がなされない場合、「上」及び「下」などの使用される方向語は、通常、装置が実際に使用されている状態又は稼働している状態における上及び下を意味し、具体的に図面における図面方向であるが、「内」及び「外」は、装置の輪郭について示すものである。
【0027】
本発明の実施形態は、バックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュールを提供する。以下、それぞれについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明順序は、実施形態の好ましい順序を限定するものではない。
【0028】
本発明の実施形態は、バックライトパネルの製造方法を提供し、図1及び図4に示すように、バックライトパネル100の製造方法は、主にステップS100~ステップS500を含む。
【0029】
S100:第1領域S1及び第2領域S2を含む透光性ベース基板110を提供する。
【0030】
本発明の実施形態における透光性ベース基板110は、光透過機能を有するキャリア基板であり、バックライトパネル100における他の構造を支持する一方、バックライトパネル100の製造においてフォトマスク工程の光の流れの設計を容易にし、実際の需要に応じてバックライトパネル100の製造工程を調整設計する。
【0031】
透光性ベース基板110の材質がガラス基板又は他の複合材などであってもよく、このベース基板が光透過性を有するものであればよく、ここでは特に限定するものではない。
【0032】
所望により、透光性ベース基板110は第1領域S1及び第2領域S2を含む。第1領域S1及び第2領域S2は透光性ベース基板110上に設けられたフィルム層のタイプによって分割されてもよいし、又は透光性ベース基板110の光透過率によって分割され、又は透光性ベース基板110の異なる領域の機能によって分割され、具体的な分割方式は実際の状況によって適宜調整設計することができる。
【0033】
なお、第1領域S1及び第2領域S2の形状、大きさ及び相互間の位置関係などの具体的な構造は、バックライトパネル100の製造工程及びバックライトパネル100の具体的な構造に応じて適宜調整設計することができ、ここでは特に限定するものではない。
【0034】
S200:透光性ベース基板110の第1領域S1に対応する位置にパッド120を形成する。透光性ベース基板110の領域を分割した後、後続の他の構造と透光性ベース基板110との間を容易に接続するために、透光性ベース基板110上にパッド120を形成する必要がある。
【0035】
なお、本発明の実施形態において、パッド120を第1領域S1に設けることは、パッド120の設置位置を位置決めするのに有利であり、後続の他の構造とパッド120との間の正確な接続を容易にする。そして、パッド120の設計要件は、透光性ベース基板110全体の構造設計を容易にするために、透光性ベース基板110における第1領域S1の分割を選択する根拠とすることもできる。即ちパッド120の特定の構造と透光性ベース基板110における第1領域S1の特定の構造とは互いに定義される関係にある。
【0036】
具体的には、図6に示すように、透光性ベース基板110にパッド120構造を形成するときに、透光性ベース基板110に金属層を形成した後、第1領域S1及び第2領域S2の分割パターンによって金属層をエッチングして、第2領域S2に位置する金属層をエッチングにより除去し、第1領域S1に位置する金属層を保留することにより、パッド120構造を形成する。
【0037】
S300:反射層130を形成するように、透光性ベース基板110及びパッド120に感光性材料を塗布する。透光性ベース基板110における第1領域S1にパッド120を形成した後、透光性ベース基板110における第2領域S2が露出する状態にあり、透光性ベース基板110が光透過機能を有するため、透光性ベース基板110に光が照射すると、光の一部が透光性ベース基板110を直接透過して、バックライトパネル100の反射率が低くなる。
【0038】
図7に示すように、本発明の実施形態において、透光性ベース基板110及びパッド120に感光性材料を塗布して反射層130を形成することにより、透光性ベース基板110に光が照射すると、反射されることにより、バックライトパネル100の全体の反射率を向上させることができる。
【0039】
なお、反射層130に使用される材質は感光性材料であり、即ち反射層130の性質がフォトマスク条件と直接関連付けされ、感光性材料を用いて反射層130を製造することにより、バックライトパネル100の製造においてフォトマスク工程の調整により反射層130構造の調整を実現するのに役立ち、異なる反射層130構造の要件を満たし、さらにバックライトパネル100の反射効果を改善する。
【0040】
S400:透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す。透光性ベース基板110の対向する両側とは、反射層130の透光性ベース基板110から遠い側と、透光性ベース基板110の反射層130から遠い側とを意味する。
【0041】
反射層130に使用される材質は感光性材料であり、感光性材料が塗布されると、ある流動性を有して、感光性材料における各感光性分子間の結合度が相対的に弱く、反射層130による光の反射に不利であるため、本発明の実施形態は、反射層130に露光処理を施すことにより、感光性材料が光の照射下で、各感光性分子間の結合度が徐々に強まり、反射層130の硬化を実現し、反射層130の高い反射率を確保する。
【0042】
所望により、図8に示すように、透光性ベース基板110は光透過性を有するため、反射層130に露光処理を施す際に、本発明の実施形態は、感光性材料における各感光性分子の感光量を増加させるために、透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130に露光処理を施し、反射層130の厚さが厚いことにより、一部の感光性分子の感光量が低くなり、結合度が相対的に弱くなり、反射層130の構造安定性が低下し、それによって、反射層130の全体の反射率に影響を与えることを防止する。
【0043】
なお、透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130に露光処理を施す際に、露光において使用される露光強度及び露光時間等は反射層130の具体的な構造に応じて適宜調整することができ、ここでは特に限定されない。
【0044】
S500:反射層130の第1領域S1に対応する位置においてパッド120を露出する凹溝131を形成するように、反射層130に現像処理を施す。
【0045】
透光性ベース基板110及びパッド120に反射層130を形成した後、パッド120における反射層130を除去するために、反射層130に処理を施して、パッド120を露出させ、後続の他の構造とパッド120との接続を容易にし、バックライトパネル100の正常な動作を確保する必要がある。
【0046】
露光処理において、主に反射層130の第2領域S2に対応する位置に処理を施すことにより、反射層130の第2領域S2に対応する感光量が反射層130の第1領域S1に対応する感光量よりも大きくなり、即ち反射層130の第2領域S2に対応する感光性分子の結合度が反射層130の第1領域S1に対応する感光性分子の結合度よりも大きくなり、同一の処理条件下において、反射層130の第1領域S1及び第2領域S2に対応する安定性が大きく異なる。
【0047】
図9に示すように、本発明の実施形態において現像するように反射層130に処理を施し、反射層130の第1領域S1に対応する感光性分子の結合度が小さいため、反射層130の第1領域S1に対応する構造安定性が相対的に低く、反射層130に現像液を噴霧した後、第1領域S1に対応する反射層130が現像液に溶解し、第2領域S2に対応する反射層130が相対的に安定して維持し、反射層130の第1領域S1に対応する位置に凹溝131を形成することができる。パッド120が透光性ベース基板110における第1領域S1に形成されるため、現像処理によって凹溝131をパッド120構造から露出させることにより、後続の他の構造とパッド120との接続を容易にすることができる。
【0048】
本発明の実施形態におけるバックライトパネル100の製造方法は、透光性ベース基板110をキャリア基板として用い、透光性ベース基板110の光透過性を利用し透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130に露光処理を施すことで、反射層130の感光性材料における各感光性分子の感光量を増加させ、各感光性分子間の結合度を向上させ、反射層130の厚さが厚いことにより、一部の感光性分子の感光量が低くてアンダーカットが生じてしまうことを防止し、反射層130の構造安定性を確保し、バックライトパネル100の全体反射率を向上させる。
【0049】
所望により、図2に示すように、ステップS400において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す際に、主にステップS410~S420を含む。
【0050】
S410:反射層130の透光性ベース基板110から遠い側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に第1露光強度で露光処理を施す。
【0051】
S420:透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に、第1露光強度よりも大きい第2露光強度で露光処理を施す。
【0052】
反射層130の透光性ベース基板110から遠い側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す際に、反射層130の対応する位置に直接光が照射し、第1露光強度を調整することによって、反射層130が所定の厚さ範囲内で十分な感光量を有するとともに、反射層130自体の構造にダメージを与えないように保証することができる。
【0053】
透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す場合に、光が透光性ベース基板110を先に透過する必要があり、透光性ベース基板110が光透過性を有するにもかかわらず、光線が透過する際に所定のエネルギーロスがあるため、同じ露光強度において、透光性ベース基板110に近い側の反射層130の感光量が透光性ベース基板110から遠い側の反射層130の感光量よりも小さくなり、反射層130の位置によって性能に差が生じる。
【0054】
本発明の実施形態は、反射層130に露光処理を施す際に、第2露光強度を第1露光強度よりも大きく設定し、光が透光性ベース基板110を透過する際のエネルギーロスを補い、反射層130の対向する両側の露光効果を近似させることにより、反射層130の構造均一性を向上させる。
【0055】
所望により、透光性ベース基板110から遠い側の反射層130の感光性材料における各感光性分子が十分な感光量を有するように保証するために、感光性材料における感光性分子の感光要件を満たすように第1露光強度を300ミリジュール以上に設定する。第1露光強度が大きすぎる場合に、光エネルギーが高すぎるため、感光性材料における有機成分が分解又は破損されて反射層130の構造が破損され、反射層130の反射効果に影響を与える恐れがあるので、第1露光強度を800ミリジュール以下に設定する。
【0056】
具体的には、実際の製造において、第1露光強度を300ミリジュール、400ミリジュール、500ミリジュール、600ミリジュール又は800ミリジュール等に設定することができ、その具体的な設定値は実際の状況に応じて適宜調整することができ、ここで特に限定されるものではなく、反射層130の対応する位置の感光性材料が十分な感光量を有することを確保して、露光強度が高すぎることにより反射層130の構造が破損されることを防止すればよい。
【0057】
同様に、透光性ベース基板110に近い側の反射層130の感光性材料における各感光性分子が十分な感光量を有するように保証するために、感光性材料における感光性分子の感光要件を満たすように第2露光強度を300ミリジュール以上に設定する。露光強度が高すぎることにより反射層130の構造が破損されることを防止するために、第2露光強度を800ミリジュール以下と設定する。
【0058】
実際の製造において、第2露光強度を300ミリジュール、400ミリジュール、500ミリジュール、600ミリジュール又は800ミリジュール等に設定することができ、その具体的な設定値は実際の状況に応じて適宜調整することができ、ここで特に限定されるものではなく、反射層130の対応する位置の感光性材料が十分な感光量を有することを確保して、露光強度が高すぎることにより反射層130の構造が破損されることを防止すればよい。
【0059】
なお、反射層130の両側の露光効果を近づけるために、第2露光強度を第1露光強度よりも大きく設計する必要がある。実際の製造において、第1露光強度を300ミリジュールとし、第2露光強度を450ミリジュールとするか、又は、第1露光強度を450ミリジュールとし、第2露光強度を550ミリジュールとするか、又は第1露光強度を600ミリジュールとし、第2露光強度を650ミリジュールとし、製造の要求、透光性ベース基板110の光透過性、透光性ベース基板110における光のエネルギーロス状況に応じて、その具体的な大きさ及び相互間の差分関係を適宜調整することができ、ここでは限定されるものではない。
【0060】
所望により、図3に示すように、ステップS400において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す際に、さらにステップS430~S440を含むことができる。
【0061】
S430:反射層130の透光性ベース基板110から遠い側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に第1所定時間で露光を施す。
【0062】
S440:透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に第1所定時間よりも長い第2所定時間で露光を施す。
【0063】
露光光は透光性ベース基板110を透過する際に所定のエネルギーロスを受けるため、反射層130の対向する両側の露光効果の差を小さくするために、第1露光強度と第2露光強度との大小関係を調整する以外に、本発明の実施形態は反射層130の対向する両側の露光時間を適宜調整して、反射層130の構造の均一性を高めることができる。
【0064】
所望により、本発明の実施形態は、透光性ベース基板110の反射層130から遠い側の露光時間を向上させ、反射層130の透光性ベース基板110に近い側の感光量を増加させるために、第2所定時間を第1所定時間よりも長く設定して、同じ露光強度で反射層130の対向する両側の感光量を均一に維持することにより、反射層130の構造の均一性を高めることができる。
【0065】
製造の要求、透光性ベース基板110の光透過性、透光性ベース基板110における光のエネルギーロス状況に応じて、第1所定時間及び第2所定時間の具体的な長さ及び相互間の差分関係を適宜調整することができ、ここでは限定されるものではない。
【0066】
所望により、透光性ベース基板110の対向する両側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施す場合に、反射層130の透光性ベース基板110から遠い側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施すか、又は透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に露光処理を施すか、又は反射層130の透光性ベース基板110から遠い側及び透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において、反射層130の第2領域S2に対応する位置に同時に露光処理を施すかを選択することができる。
【0067】
反射層130の一方の側において反射層130の第2領域S2に対応する位置に先に露光処理を施すと、露光側に近い反射層130の方が感光性材料の感光量が多く、その分感光性材料の結合度が高くなる。反射層130の厚さが厚いと、露光側から遠い反射層130における感光性材料の感光量が相対的に少なくなり、その分感光性材料の結合度が低くなって効率的な結合硬化ができなくなる。
【0068】
このとき、反射層130の他方の側において反射層130の第2領域S2に対応する位置にさらに露光処理を施すと、結合度の低い又は効率的に結合されていない感光性材料は、感光量の増加により結合硬化を継続するが、その部分の感光性材料と先に結合硬化した感光性材料との接着強度が弱くなり、反射層130内に境界線が発生し、反射層130全体の構造安定性に影響を及ぼす恐れがある。
【0069】
実際の製造において、本発明の実施形態は、反射層130の透光性ベース基板110から遠い側と、透光性ベース基板110の反射層130から遠い側とにおいて反射層130の第2領域S2に対応する位置に同時に露光処理を施すことにより、反射層130における感光性材料を同期に結合硬化させて、感光性材料の相互間の接着強度を増加させ、反射層130全体の構造安定性を確保して、反射層130の反射効果を向上させることができる。
【0070】
なお、露光処理を施す際には、まず、マスクを製造しておく必要があり、反射層130における一部の領域の感光量を大きくし、一部の領域の感光量を小さくするように、領域に対応する感光性材料の結合度に差を持たせ、後続の現像やエッチング等の工程の進行を容易にする。
【0071】
所望により、バックライトパネル100の製造方法は、ライトパネル140をパッド120に接続するステップをさらに含む。バックライトパネル100は、表示装置にバックライトを提供し、表示装置の様々な表示画面の需要を満たすことができる。バックライトパネル100の発光光源は主にライトパネル140であり、ライトパネル140がパッド120に接続されて、ライトパネル140の固定を実現することができる。
【0072】
ライトパネル140は、複数のストリングを含み、ストリングの色や配置方式を相互に合わせて設計することにより、表示装置の異なる光源のニーズを満たすように、ライトパネル140の発光状況を調整して、表示装置の表示画面の多様化を図ることができる。
【0073】
なお、透光性ベース基板110における第1領域S1を分割することにより、パッド120の設置位置を限定して、ライトパネル140の配置方式を限定することができ、同様に、バックライトパネル100の製造において、ライトパネル140の配置需要に応じてパッド120の設置位置を調整して、透光性ベース基板110における第1領域S1の分割方式を設計することにより、バックライトパネル100全体の発光要件を実現することができる。
【0074】
本発明の実施形態における透光性ベース基板110の第1領域S1の光透過率が透光性ベース基板110の第2領域S2の光透過率よりも小さく、即ち透光性ベース基板110のパッド120に対応する位置の光透過率が反射層130に対応する位置の光透過率よりも小さい。反射層130に現像を施す際に、反射層130の第1領域S1に対応する部分を除去する必要があり、即ち反射層130のパッド120の表面を覆う部分を除去することにより、パッド120とライトパネル140とを容易に接続する。透光性ベース基板110の第1領域S1の光透過率を第2領域S2の光透過率よりも小さく設計することにより、透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において直接透光性ベース基板110をマスクとして反射層130に露光処理を施すことにより、製造工程を簡略化させ、製造効率を向上させることができる。
【0075】
所望により、透光性ベース基板110の材質は、透光性を有する複合構造材料であり、即ち、透光性ベース基板110を製造する際に、光透過率の異なる材料を選択し、第1領域S1と第2領域S2との分割要件に応じて、光透過率の異なる材料を配合して、形成された透光性ベース基板110の第1領域S1の光透過率を第2領域S2の光透過率よりも小さくする。
【0076】
いくつかの実施形態において、ステップS100において透光性ベース基板110を提供するステップは主に、
図5に示すように、バックライトパネル100における他の構造を載置するための、ガラス基板などの各領域の光透過率がそれぞれ等しい透光基板111を提供する。次に、透光性ベース基板110を形成するように、透光基板111の遮光領域の一側に遮光層112を設け、遮光領域が第1領域S1であり、透光性ベース基板110の反射層130から遠い側において露光処理を施す際に、該領域の光を遮蔽し、露光光の透過率を低下させることを含む。
【0077】
なお、本発明の実施形態において設けられる遮光層112は、光透過率が小さいフィルム層又は光透過率が0の光不透過性フィルム層であり、遮光層112を設けることにより、対応する領域の露光光の透過率を効果的に低下させることができればよく、ここに限定されるものではない。
【0078】
遮光層112は、透光基板111の反射層130に近い側に設けられてもよいし、透光基板111の反射層130から遠い側に設けられてもよく、即ち、透光基板111の少なくとも一方の側に遮光層112が設けられ、遮光層112がパッド120に対応して、パッド120の上方の反射層130の感光量を低減しつつ、他の領域の反射層130の感光量に影響を与えないように保証する。
【0079】
実際の製造において、パッド120の設置位置は、遮光層112の設置方式を基準とするか、又はライトパネル140の配置需要に応じてパッド120の設置位置を決定した後、第1領域S1の分割方式を限定することにより、遮光層112の設置位置を決定することができ、その具体的な設置方式は、実際の需要に応じて適宜調整することができる。
【0080】
他のいくつかの実施形態において、透光性ベース基板110を形成するように、透光基板111の遮光領域の対向する両側に遮光層112が設けられ、遮光領域が第1領域S1であり、第2領域S2に位置する反射層130の感光量を確保しつつ、第1領域S1に位置する反射層130の感光量をより少なくすることができ、現像時にパッド120の上方に位置する反射層130が現像液に溶解しやすくなり、パッド120の上方に反射層130が残存するため、ライトパネル140とパッド120との接続に影響を与えることで、バックライトパネル100の発光効果に影響を与えることを防止する。
【0081】
所望により、バックライトパネル100の反射層130の厚さは70ミクロン以下である。反射層130の厚さが厚すぎると、反射層130の中間領域の感光量が相対的に少なくなり、その分感光性材料の結合度も相対的に低くなり、反射層130に現像処理を施す際に、その部分の反射層130が現像されてしまう恐れがあり、反射層130の構造の安定化に不利であるとともに、反射層130の反射率を低下させる。
【0082】
また、露光強度を増加させたり、露光時間を増加させたりして反射層130の中間領域の感光量を大きくすると、他の領域の反射層130の構造にダメージを与える恐れがあり、反射層130の構造安定性や反射効果にも影響を及ぼす。
【0083】
本発明の実施形態において、反射層130の厚さを10ミクロン、30ミクロン、50ミクロン、70ミクロン等とすることにより、透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130に露光処理を施す際に、反射層130が厚さ方向に十分な感光量を有し、反射層130における感光性材料の結合度が高く、反射層130の構造安定性を確保し、反射層130の反射率を向上させ、バックライトパネル100の全体の表示効果を改善することができる。
【0084】
所望により、図10に示すように、反射層130における凹溝131の側壁とバックライトパネル100のパッド120との間には隙間132を有し、即ち反射層130とパッド120とは透光性ベース基板110において間隔をおいて設けられ、パッド120と隙間132とが共同で対応する領域は第1領域S1である。この構造を設けることにより、反射層130に露光現像を施した後、パッド120を完全に露出させることができ、現像の際に、露光効果の相違により、設けられた凹溝131の大きさの実際値が設計値よりも小さくて、パッド120の表面に現像されていない反射層130が残ってしまい、後続のパッド120とライトパネル140との接続に不利であることを防止する。
【0085】
所望により、凹溝131の側壁とパッド120との間の隙間132が30ミクロン以下である。なお、この隙間132の大きさは、反射層130の開口精度に直接関わり、隙間132が大きいほど反射層130の開口精度が低くなることを示す。この隙間132が大きすぎると、透光性ベース基板110における反射層130の被覆面積が小さくなり、バックライトパネル100全体の反射率が小さくなり、バックライトパネル100の表示効果に影響を与える。
【0086】
実際の製造において、この隙間132を2ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、20ミクロン、30ミクロン等とすることにより、パッド120に反射層130が残存することを防止しつつ、バックライトパネル100全体の反射率を向上させ、その具体的な設計値は実際の状況に応じて適宜調整し、ここに特に限定されるものではない。
【0087】
さらに、本発明の実施形態は、上記の製造方法により製造されたバックライトパネルをさらに提供し、このバックライトパネルは上記の全ての実施形態の全部の技術的手段を用いるため、上記実施形態の技術的手段による全ての有益な効果を少なくとも有する。ここでは、詳しい説明を省略する。
【0088】
図4に示すように、バックライトパネル100は順次設けられる透光性ベース基板110、パッド120、反射層130及びライトパネル140を含む。透光性ベース基板110は第1領域S1及び第2領域S2を含み、パッド120が第1領域S1に対応する位置に設けられ、反射層130が第2領域S2に対応する位置に設けられ、ライトパネル140がパッド120に接続されて、ライトパネル140の固定を実現することができる。第1領域S1と第2領域S2との分割方式を調整することにより、パッド120の設置位置の調整を実現可能にし、バックライトパネル100の様々な発光要件を満たすように、ライトパネル140の配置方式の調整を実現する。
【0089】
所望により、反射層130のパッド120に対応する位置に凹溝131が設けられ、凹溝131がパッド120から露出され、後続のパッド120とライトパネル140との接続を容易にする。透光性ベース基板110には間隔をおいて設けられる複数のパッド120が設けられ、パッド120とライトパネル140との接続方式を調整することにより、ライトパネル140の配置方式を容易に調整し、バックライトパネル100の様々な表示要件を満たす。
【0090】
いくつかの実施形態において、反射層130に1つの凹溝131のみが設けられ、該凹溝131に複数のパッド120が同時に露出され、即ち隣り合う2つのパッド120の間に反射層130が設けられることなく、このような構造設計により、ライトパネル140の発光方式を調整するように、ライトパネル140が複数のパッド120と同時に容易に接続される。
【0091】
他のいくつかの実施形態において、反射層130に複数の凹溝131が設けられ、複数の凹溝131が複数のパッド120と一対一に対応し、複数のパッド120を独立に離間するように、隣り合う2つのパッド120の間に反射層130が充填され、このような構造設計により、異なるパッド120に接続されるライトパネル140の間に干渉が発生することを防止して、バックライトパネル100の発光効果を確保する。
【0092】
バックライトパネル100の製造において、透光性ベース基板110の対向する両側において反射層130に露光処理を施すことにより、第2領域S2に位置する反射層130は厚さ方向における感光量が補正され、反射層130における感光性材料の結合度が高く、現像処理時に、第2領域S2に対応する反射層130が現像されにくく、第2領域S2に対応する反射層130にアンダーカットが生じることがなく、反射層130における凹溝131の側壁が透光性ベース基板110と垂直であるか又はほぼ垂直であり、即ち反射層130における凹溝131の側壁の透光性ベース基板110の表面に対する傾きが小さく、反射層130の側面と透光性ベース基板110との間に空隙を有することを防止して、反射層130の全体の反射率を向上させる。
【0093】
最後に、本発明の実施形態は、バックライトパネルを含むバックライトモジュールさらに提供し、このバックライトパネルの具体的な構造は上記の実施形態を参照し、このバックライトモジュールは上記の全ての実施形態の全部の技術的手段を用いるため、上記実施形態の技術的手段による全ての有益な効果を少なくとも有する。ここでは、詳しい説明を省略する。
【0094】
図11に示すように、バックライトモジュール10は、リアプレート200と、リアプレート200に設けられるバックライトパネル100と、バックライトパネル100に積層して設けられる光学フィルムシート群300とを含む。リアプレート200にはタイリングするように複数のバックライトパネル100が設けられることで、単一のバックライトパネル100の面積が大きすぎることを防止し、製造難度を低減する。
【0095】
なお、リアプレート200に位置決め溝が設けられてもよく、バックライトパネル100及び光学フィルムシート群300が位置決め溝に設けられ、位置決め溝構造がリアプレート200及び光学フィルムシート群300の位置を規制することに役立ち、バックライトモジュール10の組み付けを容易にする。
【0096】
以上、本発明の実施形態に係るバックライトパネルの製造方法、バックライトパネル及びバックライトモジュールについて詳細に説明したが、本明細書では具体的な実施形態を用いて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施形態の説明は本発明の方法及びその核心的な思想を理解するためのものに過ぎず、一方、当業者であれば、本発明の構想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を加えることがあり、要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0097】
10 バックライトモジュール
100 バックライトパネル
110 透光性ベース基板
111 透光基板
112 遮光層
120 パッド
130 反射層
131 凹溝
132 隙間
140 ライトパネル
200 リアプレート
300 光学フィルムシート群
S1 第1領域
S2 第2領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】