(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】コーヒーパネルの予備浸出のための構成を備えたコーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/34 20060101AFI20240227BHJP
A47J 31/46 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A47J31/34
A47J31/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549824
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 IB2022051795
(87)【国際公開番号】W WO2022195388
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021000006356
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517311529
【氏名又は名称】ランチリオ・グループ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ライモンディ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ロカティ,バレリオ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA19
4B104BA16
4B104BA20
4B104BA21
4B104BA35
4B104BA53
4B104BA63
4B104EA30
(57)【要約】
本発明は、1つまたは複数の抽出グループを備え、コーヒーベース飲料を実際に浸出して抽出するステップの前に、コーヒーパネルを予備浸出するステップにおいて低下された圧力下で水を送達するためのシステムを有するコーヒーマシンに関する。本発明によれば、コーヒーマシン(1)の各抽出グループ(3a、3b)に、より高圧下の水が流れる二次供給ダクト(9a、9b)と、低下された圧力下の水が流れる二次バイパスダクト(11a、11b)とを、選択的に、それぞれの抽出グループと連通することができる。コーヒーマシン(1)の予備浸出システムは、各抽出グループで別個に独立して予備浸出を行うことを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水源と、1つまたは複数の抽出グループ(3a、3b)と、前記水源を前記1つまたは複数の抽出グループに接続する液圧回路とを備えるコーヒーマシン(1)であって、
前記液圧回路内を循環する水の圧力を上昇させるためのポンプ(5)と、前記液圧回路内を循環する水の温度を上昇させるためのボイラ(7)とが、前記液圧回路内で、前記水源と前記1つまたは複数の抽出グループとの間に配置され、
各抽出グループが、コーヒーパネルを含むフィルタホルダを受け入れるように配置され、
前記液圧回路が、前記水源に接続された供給ダクト(9)と、前記ポンプ(5)の上流で前記供給ダクトから分岐するバイパスダクト(11)とを備える、コーヒーマシン(1)において、
前記供給ダクト(9)が、前記ポンプ(5)の下流で、前記コーヒーマシンの各抽出グループに1つずつ、1つまたは複数の二次供給ダクト(9a、9b)に分岐し、前記バイパスダクト(11)が、前記コーヒーマシンの各抽出グループに1つずつ、1つまたは複数の二次バイパスダクト(11a、11b)に分岐し、
各二次供給ダクト(9a、9b)および各二次バイパスダクト(11a、11b)が、弁アセンブリ(13a、13b)の入口に接続され、前記弁アセンブリ(13a、13b)が、前記二次供給ダクト(9a、9b)または前記二次バイパスダクト(11a、11b)のいずれかを、それぞれの抽出グループ(3a、3b)に接続されたそれぞれの出口ダクト(15a、15b)と選択的に連通させる
ことを特徴とするコーヒーマシン(1)。
【請求項2】
2つ以上の抽出グループを備える、請求項1に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項3】
各弁アセンブリ(13a、13b)が、三方弁、好ましくは三方電動弁(13a、13b)からなる、請求項1または2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項4】
前記ボイラが、前記液圧回路内で、前記弁アセンブリ(13a、13b)の下流に配置される、請求項1または2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項5】
前記出口ダクト(15a、15b)が、前記ボイラ(7)を通過し、好ましくは前記ボイラのところでそれぞれの熱交換器(19a、19b)を備える、請求項4に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項6】
各出口ダクト(15a、15b)に抽出グループ弁(21a、21b)が設けられ、前記抽出グループ弁(21a、21b)が、それぞれの前記抽出グループ(3a、3b)へのそれぞれの前記出口ダクトの接続を選択的に可能にするまたは阻止する、請求項1または2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項7】
各二次供給ダクト(9a、9b)が、対応する前記二次バイパスダクト(11a、11b)および対応する前記弁アセンブリ(13a、13b)と共に、それぞれの前記抽出グループ(3a、3b)のための予備浸出サブシステムを形成し、前記予備浸出サブシステムが、残りの前記抽出グループ(3b、3a)の前記予備浸出サブシステムとは別個に独立して駆動および制御することができる、請求項2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項8】
前記バイパスダクト(11)に、または前記二次バイパスダクト(11a、11b)のうちの1つまたは複数に減圧器が配置される、請求項1または2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項9】
前記供給ダクト(9)に、または前記二次供給ダクト(9a、9b)のうちの1つまたは複数に減圧器が配置される、請求項1または2に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項10】
前記水源が、リザーバ、または水道管に接続するための接続要素からなる、請求項1から9のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項11】
エスプレッソコーヒーマシン、特に「半自動」エスプレッソコーヒーマシンである、請求項1から10のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のコーヒーマシンを動作させる方法であって、
前記ポンプ(5)および前記ボイラ(7)が電源投入されている間、前記コーヒーマシン(1)の抽出グループ(3a)の抽出サイクルが誘発され、
圧縮されたコーヒー粉末のパネルを含むフィルタホルダが前記抽出グループ(3a)に挿入される
方法において、
前記抽出グループに対応する前記弁アセンブリ(13a)が、その二次バイパスダクト(11a)をその出口ダクト(15a)と連通させる位置に切り替えられ、前記抽出グループの前記抽出グループ弁(21a)が、前記出口ダクト(15a)と前記抽出グループ(3a)との前記連通を可能にする位置に切り替えられる、予備浸出ステップと、
前記弁アセンブリ(13a)が、その二次供給ダクト(9a)をその出口ダクト(15a)と連通させる位置に切り替えられ、前記抽出グループ弁(21a)が、前記出口ダクト(15a)と前記抽出グループ(3a)との前記連通を可能にする前記位置に保たれる、浸出ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記弁アセンブリ(13a)が、その二次バイパスダクト(11a)をその出口ダクト(15a)と連通させる位置に再び切り替えられ、前記抽出グループ弁(21a)が、前記出口ダクト(15a)と前記抽出グループ(3a)との前記連通を可能にする前記位置に保たれる、浸出後ステップを、前記浸出ステップの下流に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたは複数の抽出グループを備えるコーヒーマシン、より詳細にはエスプレッソコーヒーマシンに関する。
特に、本発明は、高圧下で水が送達される実際の浸出ステップの前に上記コーヒーパネルを「蒸らす」ために、コーヒーパネルを予備浸出するステップにおいて低下された圧力下で水を送達するためのシステムを備えるコーヒーマシンに関する。
【0002】
有利には、本発明によるコーヒーマシンはさらに、上記実際の浸出ステップ後に、再び低下された圧力下で水を送達する浸出後ステップを行うことを可能にする。
【背景技術】
【0003】
コーヒーベース飲料を生成するために、高圧下で高温の水流がコーヒー粉末のパネルを通って流れるコーヒーマシン、特にエスプレッソコーヒーマシンが知られている。
一般に、上記エスプレッソコーヒーマシンは、1つまたは複数の抽出グループを備え、フィルタを含むフィルタホルダユニットが、上記抽出グループのそれぞれに関連付けられる。コーヒー豆を挽くことによって得られる所定用量のコーヒー粉末がフィルタホルダに導入され、次いでタンパによって圧縮され、それによってコーヒー粉末のパネルが得られる。
【0004】
上記エスプレッソコーヒーマシンは、低圧下で低温の水源を備え、またはそのような水源に接続され、水の温度を上昇させるための1つまたは複数のボイラと、水の圧力を上昇させるための1つまたは複数のポンプを備え、それにより高圧下で高温の水流を、コーヒーマシンの抽出グループ(または抽出グループの1つ)に送り、コーヒーパネルに通すことができる。
【0005】
上記コーヒーマシンは、ボイラと、ポンプと、水源を抽出グループに接続する液圧回路との動作パラメータの調整を可能にする制御ユニットをさらに備え、それにより、水圧、温度、および流量の値を、調製される飲料の所望の官能特性に応じて毎回設定することができる。特に高度な解決策では、抽出グループに到達する水の圧力、温度、および流量のうちの1つまたは複数の値が、抽出時間全体にわたって一定ではなく、制御ユニットに記憶されている所定のプロファイルに従って変化することも想定することができる。
【0006】
いずれにせよ、コーヒーベース飲料の抽出は、高温(例えば約93°)で高圧下(例えば約900kPa(9バール))の水流によって行われる。
しかし、コーヒーパネルに高圧の水流を直接導入すると、得られる飲料の品質に悪影響を及ぼすおそれがあるいくつかの欠点が生じることがわかっている。
【0007】
特に、高圧の水流が、圧縮された乾燥したコーヒー粉末のパネルと接触すると、選好経路を確立してそこを伝って流れる傾向があることが観察されており、それにより、コーヒー粉末の全用量から香気物質が均質に抽出されない。言い換えると、上記選好経路に沿って、抽出ステップの第1の部分中にのみ抽出が行われ、上記抽出ステップの第2の部分中には、水流はさらなる香気物質を抽出することができない。上記経路から離れたコーヒーパネルの領域では、抽出ステップの最後での香気物質の抽出は部分的にすぎず、最適化されていない。
【0008】
上記の欠点を克服するために、知られている解決策は、実際の浸出ステップの上流に予備浸出ステップを提供することを想定しており、この予備浸出ステップにおいて、高温であるが低圧下の水流がコーヒーパネルに通される。
【0009】
そのような低圧下の水流により、コーヒー粉末からの香気物質の抽出のプロセスを開始することなく、コーヒーパネルを均一に「蒸らす」ことが可能である。
そのようにして「蒸らされた」コーヒーパネルに高圧下の水流が通されると、パネル内での水の均質な拡散、したがってコーヒー粉末からの均質であり最適化された香気物質の抽出が観察される。
【0010】
低圧の水を用いた予備浸出ステップは、コーヒー粉末パネルに存在し得る気体(特に、焙煎中にコーヒー豆の内部で生成され得る二酸化炭素)の放出を引き起こす効果をさらに有する。
【0011】
コーヒーパネルからの気体の放出は、水とコーヒー粉末粒との接触面を増加させるという有益な効果を有し、したがって上記コーヒー粉末からの香気物質の抽出効率を高める。
予備浸出ステップと実際の浸出のステップとを含む上述したプロセスを実施するために、従来、様々な技術的解決策が実施されている。
【0012】
しかし、知られている解決策は、非常に複雑であるという共通点がある。
例として、本出願人名義の特許出願EP2642903には、様々な圧力レベルで水を送達することができる抽出グループを備えるコーヒーマシンが記載されている。このために、上記コーヒーマシンは、互いに並列に配置された第1のダクトと第2のダクトとが設けられた液圧回路を備え、水圧を上げるように配置されたポンプが、上記ダクトの一方(一方のみ)に設けられている。
【0013】
上記の文献に記載されている解決策では、第1のダクトと第2のダクトとの両方に専用の弁が設けられており、上記弁は、単純な遮断弁ではなく、各ダクト内の圧力を動的に制御するように設計された弁である。
【0014】
この解決策および他の知られている解決策において、そのような複雑さは一般に、製造コストの増加、液圧回路のためのスペース要件の増大、および(多数の構成要素の存在および/または高度な構成要素の存在による)故障の危険の増大をもたらす。
【0015】
前述の欠点は、通常複数の抽出グループを備える業務用エスプレッソコーヒーマシン(カフェ、レストラン、ホテルなどで一般に使用される)の場合に、より当てはまる。
この場合、各抽出グループは、専用の予備浸出システムを有さなければならず、その結果、全体としてコーヒーマシンの複雑さが増し、それに関連する欠点が増す。
【0016】
代替として、全ての抽出グループに共通の予備浸出システムが提供された場合、ある抽出グループが既に使用されているときには、別の抽出グループの抽出サイクルを開始することが不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、より少数の構成要素で、コーヒーパネルの予備浸出のための簡単で信頼性の高いシステムを備えたコーヒーマシンを提供することによって、上述した従来技術の問題を克服することである。
【0018】
本発明の別の目的は、コーヒーマシン自体の構造の全体的な複雑さを過度に増す必要なく、コーヒーマシンの各抽出グループにコーヒーパネルの予備浸出のために個別のサブシステムを装備することができるコーヒーマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらおよび他の目的は、添付の特許請求の範囲に記載のコーヒーマシンによって実現される。
それ自体知られている様式で、本発明によるコーヒーマシンは、1つまたは複数の抽出グループと、低圧下および低温の水源と、上記水源を上記1つまたは複数の抽出グループに接続する液圧回路と、上記液圧回路内で上記水源と上記1つまたは複数の抽出グループとの間に配置され、上記液圧回路内を循環する水の圧力を上昇させるように適合されたポンプと、上記液圧回路内で上記水源と上記1つまたは複数の抽出グループとの間に配置され、上記液圧回路内を循環する水の温度を上昇させるように適合されたボイラとを備え、高温で高圧下の水量を上記1つまたは複数の抽出グループに通すことができる。
【0020】
コーヒーマシンの1つまたは複数の抽出グループはそれぞれ、圧縮されたコーヒー粉末のパネルを含むフィルタホルダを受け入れるように適合され、コーヒーベース飲料の抽出を行うために、高温で高圧下の上記水流がパネルを通って流れる。
【0021】
本発明によるコーヒーマシンは、上記コーヒーパネルの予備浸出のためのシステムを備える。
それに対応して、液圧回路は、水源に接続された供給ダクトと、ポンプの上流で上記供給ダクトから分岐するバイパスダクトとを備える。
【0022】
上記供給ダクトは、ポンプの下流で、コーヒーマシンの各抽出グループに1つずつ、1つまたは複数の二次供給ダクトに分岐する。同様に、上記バイパスダクトは、コーヒーマシンの各抽出グループに1つずつ、1つまたは複数の二次バイパスダクトに分岐する。
【0023】
各抽出グループに、本発明によるコーヒーマシンの予備浸出システムは弁アセンブリを備え、弁アセンブリは、その入口で、対応する二次供給ダクトおよび対応する二次バイパスダクトを受け入れ、上記二次供給ダクトまたは上記二次バイパスダクトを、選択的に、それぞれの抽出グループに水流を運ぶ出口ダクトと連通させる弁アセンブリを備える。
【0024】
弁アセンブリが二次供給ダクトまたは二次バイパスダクトのどちらをそれぞれの出口ダクトに連通させるかに応じて、ポンプによって決定される圧力(高圧)下の水流、またはポンプの上流の液圧回路での圧力に等しい圧力(低圧)下の水流のいずれかが、対応する抽出グループに送られる。
【0025】
本発明の最も単純な実施形態では、弁アセンブリは、単一の三方弁、例えば三方電動弁からなる。
したがって、本発明によるコーヒーマシンは、非常に単純であり限られた数の構成要素のみを備える、コーヒーパネルの予備浸出のためのシステムを備えることが明らかである。特に、このシステムは、各抽出グループに個別のポンプを提供する必要がなく、各抽出グループに単一の弁を提供することができる。
【0026】
同時に、本発明によるコーヒーマシンは、複数の抽出グループが互いに同時にかつ独立して動作することを可能にするコーヒーパネルの予備浸出のためのシステムを備える。二次供給ダクト、対応する二次バイパスダクト、および上記ダクトが収束する弁アセンブリが、それぞれの抽出グループのための予備浸出サブシステムを形成し、上記予備浸出サブシステムの動作は、残りの抽出グループの予備浸出サブシステムの動作から完全に独立している。
【0027】
有利には、本発明によるコーヒーマシンの予備浸出システムは、高圧の水による実際の浸出ステップの前にコーヒーパネルを均一に「蒸らす」ことを効果的に可能にするだけでなく、前述した実際の浸出ステップの後に浸出後ステップを行うためにも使用することができる。上記浸出後ステップでは、弁アセンブリが、二次バイパスダクトをそれぞれの出口ダクトと再び連通させ、それにより、低圧水流が対応する抽出グループに送られる。
【0028】
本発明の特徴および利点は、添付の
図1を参照して非限定的な例として与えられる好ましい実施形態の説明からより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるコーヒーマシンの液圧回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、この図は、本発明によるコーヒーマシンの液圧回路を示す。上記コーヒーマシンは、例えば、いわゆる「半自動」タイプのエスプレッソコーヒーマシンであり得る。
【0031】
それ自体知られている様式で、本発明によるコーヒーマシン1は、水源(図示せず)と、1つまたは複数の抽出グループ、図示される実施形態では特に2つの抽出グループ3a、3bと、上記水源を上記抽出グループに接続する液圧回路とを備える。
【0032】
水源は、例えば、コーヒーマシンに組み込まれたもしくは接続されたリザーバ、または外部の水道管に接続するための接続要素からなり得る。
上記液圧回路内を循環する水の圧力を上昇させるためのポンプ5と、上記液圧回路内を循環する水の温度を上昇させるためのボイラ7とが上記液圧回路内に配置され、それにより、高圧下で高温の水流を各抽出グループ3a、3bに通すことができる。
【0033】
各抽出グループ3a、3bは、所定用量の圧縮されたコーヒー粉末(コーヒーパネル)を含むフィルタホルダを受け入れ、それにより、コーヒーパネルを通る高圧下で高温の上記水流の通過によって、浸出およびコーヒーベース飲料の抽出を行うことができる。
【0034】
上述した理由により、実際の浸出ステップの前に予備浸出ステップが行われることが好ましく、予備浸出ステップ中、低圧下の水流が、抽出グループに挿入されたフィルタホルダ内のコーヒーパネルを通過する。
【0035】
この目的のために、本発明によるコーヒーマシン1の液圧回路は、水源に接続された供給ダクト9と、ポンプ5の上流で上記供給ダクトから分岐するバイパスダクト11とを備える。
【0036】
供給ダクト9は、ポンプ5の下流で、各抽出グループ3a、3bに1つずつ、2つの二次供給ダクトまたは浸出ダクト9a、9bに分岐する。
一方、バイパスダクト11は、2つの二次バイパスダクトまたは予備浸出ダクト11a、11bに分岐する。
【0037】
第1の二次供給ダクト9aおよび第1の二次バイパスダクト11aは、第1の弁アセンブリに向かって収束する。特に、図示される実施形態では、第1の二次供給ダクト9aおよび第1の二次バイパスダクト11aは、第1の三方電動弁13aのそれぞれの入口に接続される。
【0038】
同様に、第2の二次供給ダクト9bおよび第2の二次バイパスダクト11bは、第2の弁アセンブリに向かって収束し、より具体的には、第2の三方電動弁13bのそれぞれの入口に接続される。
【0039】
各三方電動弁13a、13bの出口は、それぞれの出口ダクト15a、15bに接続される。
図1に示されるように、各出口ダクト15a、15bに流量計17a、17bを設けることもできる。
【0040】
各出口ダクト15a、15bはボイラ7を通過し、上記出口ダクトを流れる水の温度が上昇する。このために、各出口ダクトは、ボイラ7の内部に配置された部分に熱交換器19a、19bを設けられ得る。
【0041】
ボイラ7の下流で、各出口ダクト15a、15bは、対応する抽出グループ3a、3bに達する。それ自体知られている様式で、各抽出グループ3a、3bには、それぞれの出口ダクト15a、15bに配置された各々の抽出グループ弁21a、21bが設けられ、抽出グループ自体への水流の進入を選択的に可能にするまたは阻止する。
【0042】
各三方電動弁13a、13bが、対応する二次供給ダクト9a、9bまたは対応する二次バイパスダクト11a、11bを代替的に、それぞれの出口ダクト15a、15b、したがってそれぞれの抽出グループ3a、3bと連通させることができることが当業者には明らかであろう。
【0043】
したがって、三方弁13a、13bが二次バイパスダクト11a、11bを出口ダクト15a、15b、したがってそれぞれの抽出グループ3a、3bと連通させる場合、高温であるが低圧(ポンプ5の上流の液圧回路での圧力)下の水流が、上記抽出グループに送達される。このようにして、コーヒーパネルの予備浸出を行うことができる。
【0044】
代わりに、三方電動弁13a、13bが二次供給ダクト9a、9bを出口ダクト15a、15b、したがってそれぞれの抽出グループ3a、3bと連通させる場合、高温であり高圧(ポンプ5の動作条件によって決定される圧力)下の水流が、上記抽出グループに送達される。このようにして、コーヒーパネルの実際の浸出を行うことができ、香気物質の抽出およびコーヒーベース飲料の抽出が行われる。
【0045】
バイパスダクト11、または二次バイパスダクト11a、11bの1つもしくは複数(場合によっては全ての二次バイパスダクト11a、11b)に減圧器を配置することができ、それにより、全ての抽出グループまたは各抽出グループの予備浸出ステップに関して所望の圧力値を設定することができることに留意されたい。
【0046】
同様に、供給ダクト9、または二次供給ダクト9a、9bの1つもしくは複数(場合によっては全ての二次供給ダクト9a、9b)に減圧器を配置することができ、それにより、全ての抽出グループまたは各抽出グループの予備浸出ステップに関して(ポンプ5によって決定される圧力値とは異なる)所望の圧力値を設定することができる。
【0047】
本発明によるコーヒーマシンの予備浸出システムは、より低い第1の圧力値またはより高い第2の圧力値のいずれかで水流をコーヒーパネルに供給することを、単純な形で可能とすることが、上記のことから明らかである。
【0048】
コーヒーマシンへの上記予備浸出システムの導入は、さらなるポンプまたはボイラの導入を伴わず、それにより、上記予備浸出システムに関連する唯一の追加の構成要素は、各抽出グループの三方電動弁である。その結果、多数の抽出グループを備えるコーヒーマシンの場合でも、液圧回路の構造の複雑さ(したがってその製造コスト)の増加が、いずれにせよ制限される。
【0049】
有利には、第1の二次供給ダクト9a、第1の二次バイパスダクト11a、および第1の電動弁13aは、第1の抽出グループ3aのための予備浸出サブシステムを形成し、上記予備浸出サブシステムは、第2の抽出グループ3bのためのものであり、第2の二次供給ダクト9b、第2の二次バイパスダクト11b、および第2の電動弁13bからなる予備浸出サブシステムとは別個であり独立している。したがって、各抽出グループは、他の抽出グループとは独立して動作することができる。
【0050】
すなわち、三方電動弁13a、13bを作動させることによって、高圧の水流を抽出グループの1つに送達し、それと同時に低圧の水流を他の抽出グループに送達することができる。
【0051】
本発明によるコーヒーマシンの動作は、以下のように要約することができる。
- ポンプ5およびボイラ7が電源投入されている間、コーヒーマシン1の抽出グループ3aの抽出サイクルが誘発される。
【0052】
- 圧縮されたコーヒー粉末のパネルを含むフィルタホルダが上記抽出グループ3aに挿入される。
- 対応する電動弁13aが、二次バイパスダクト11aを出口ダクト15aと連通させる位置に切り替えられ、対応する抽出グループ弁21aが、出口ダクト15aと抽出グループ3aとの連通を可能にする位置に切り替えられる。このようにして、抽出グループに高温で低圧下の水が供給され(予備浸出)、コーヒーパネルが「蒸らさ」れる。
【0053】
- 所定の時間間隔の後、電動弁13aは、二次供給ダクト9aを出口ダクト15aと連通させる位置に切り替えられる。このようにして、抽出グループに高温で高圧下の水が供給され(浸出)、コーヒーベース飲料が抽出される。
【0054】
- さらなる所定の時間間隔の後、抽出グループ電動弁21aは、出口ダクト15aと抽出グループ3aとの連通を阻止する位置に切り替えられ、コーヒーベース飲料の抽出が終了される。
【0055】
コーヒーマシン1が、上記コーヒーマシンで選択可能な様々なコーヒーベース飲料を調製するために必要な全てのパラメータを含むメモリを有する制御ユニットを備えており、またはそのような制御ユニットに接続されており、上記制御ユニットの上記メモリは、とりわけ、各飲料に予備浸出ステップの時間間隔に関する値および浸出ステップの時間間隔の値を含むことが当業者には明らかであろう。
【0056】
用途によっては、およびコーヒーベース飲料の種類によっては、コーヒーパネルに低圧下で水を供給することによって調製を完了することが有利であり得る。
有利には、低圧下でのそのような浸出後ステップが、本発明によるコーヒーマシンにおいて得ることができる。
【0057】
実際、高温で低圧下の水を抽出グループに再び供給するために、抽出グループ弁21aを。出口ダクト15aと抽出グループ3aとの連通を可能にする位置に保ちながら、電子弁13aを、二次バイパスダクト11aを出口ダクト15aに連通させる位置に再び切り替えれば十分である。
【0058】
この浸出後ステップも、コーヒーマシンの制御ユニットのメモリに(各飲料に)記憶された所定の期間を有する。
明らかに、添付図面に関連して上述した実施形態は、限定的な意味を持たずに単に例として提供されており、添付の特許請求の範囲で定義される保護範囲から逸脱することなく、当業者の考えられる範囲内のいくつかの修正および変形を施すことができる。
【0059】
特に、三方電動弁の使用は、液圧回路の簡素化および使用される構成要素の総数の削減の面で特に有利であるが、予備浸出システムの弁アセンブリは、それら各々の出口ダクトをそれぞれの二次供給ダクトまたはそれぞれの二次バイパスダクトと選択的に連通させるのに適した任意の他の構造を有することができ、直列および/または並列に配置されたいくつかの弁の組合せを備えることができることは明らかである。
【国際調査報告】