IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイティー インターナショナル エス.エイ.の特許一覧

特表2024-509665エアロゾル発生装置のための、開放したレセプタクルを有する消耗品
<>
  • 特表-エアロゾル発生装置のための、開放したレセプタクルを有する消耗品 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置のための、開放したレセプタクルを有する消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240227BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240227BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541654
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022055385
(87)【国際公開番号】W WO2022189248
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】21161891.3
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 健
(72)【発明者】
【氏名】深町 征臣
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
消耗品(1)は、エアロゾル発生装置(3)を備え、及び- エアロゾル形成物質(6)であって、それが加熱され、且つ空気と混合されるときにエアロゾルを発生させるように配置されたエアロゾル形成物質(6)を収容するレセプタクル(4)と、- 第1の管状部材(5)であって、このレセプタクル(4)の開放端部(13)に接続された第1の端部(10)と、レセプタクル開放端部(13)への供給のために第1の管状部材(5)内への空気の流入を可能にする少なくとも1つの空気入口(12)と、この第1の端部(10)と反対側の第2の端部(11)であって、発生したエアロゾルを吐出するための出口(14)を含む第2の端部(11)とを含む周壁(9)を有する第1の管状部材(5)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(3)のための消耗品(1)であって、
エアロゾル形成物質(6)であって、それが加熱され、且つ空気と混合されるときにエアロゾルを発生させるように配置されたエアロゾル形成物質(6)を収容するレセプタクル(4)を含み、前記消耗品(1)は、第1の管状部材(5)であって、i)前記レセプタクル(4)の開放端部(13)に接続された第1の端部(10)と、ii)前記レセプタクル開放端部(13)への供給のために前記第1の管状部材(5)内への空気の流入を可能にする少なくとも1つの空気入口(12)と、iii)前記第1の端部(10)と反対側の第2の端部(11)であって、前記発生したエアロゾルを吐出するための出口(14)を含む第2の端部(11)とを含む周壁(9)を有する第1の管状部材(5)をさらに含む、消耗品(1)。
【請求項2】
前記レセプタクル(4)は、前記エアロゾル発生装置(3)の誘導加熱装置(7)によって誘導加熱されるように意図された誘導加熱可能材料を含む、請求項1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記レセプタクル(4)は、前記エアロゾル発生装置(3)の加熱装置によって加熱されるように意図された熱伝導性材料を含む、請求項1に記載の消耗品。
【請求項4】
前記第2の端部(11)と各空気入口(12)との間の前記第1の管状部材(5)の内側に取り付けられた第2の管状部材(16)であって、各空気入口(12)から到来する前記空気が前記レセプタクル(4)の開放端部(13)を通して前記レセプタクル(4)に向かって流れることができる第1の流路(17)を、前記第1の管状部材(5)の前記周壁(9)の内表面と共に画定する外表面を含む第2の管状部材(16)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項5】
前記第2の管状部材(16)は、前記レセプタクル(4)内で発生した前記エアロゾルが前記第1の管状部材(5)の前記第2の端部(11)に向かって流れることができる第2の流路(18)を画定する内表面を含む、請求項4に記載の消耗品。
【請求項6】
前記エアロゾル形成物質(6)は、前記レセプタクル(4)の内表面に付着しているペーストであって、前記第1の管状部材(5)に向かって開放している凹状空洞(19)の境界を定めるペーストである、請求項1~5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項7】
前記凹状空洞(19)は、前記第2の流路(18)の入口(21)を含む前記第2の管状部材(16)の第1の端部(20)を受け入れる、請求項5及び6の組み合わせに記載の消耗品。
【請求項8】
前記第2の管状部材(16)は、前記第1の流路(17)を部分的に画定する環状部(22)であって、各空気入口(12)から到来する前記空気が、前記レセプタクル(4)に入る前に、前記第1の管状部材(5)の前記第2の端部(11)に直接到達することを防止するために、前記第1の管状部材(5)の内表面に固定して接続される環状部(22)を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項9】
前記第2の管状部材(16)は、成形紙で作製される、請求項4~8のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項10】
前記第1の管状部材(5)は、成形紙で作製される、請求項1~9のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項11】
前記第1の管状部材(5)の前記第2の端部(11)は、ユーザが蒸気吸入セッション中に前記発生したエアロゾルを吸引するマウスピース(23)を形成する、請求項1~10のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項12】
前記エアロゾル形成物質(6)は、タバコ材料を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項13】
前記エアロゾル形成物質(6)は、少なくとも1種のポリオールを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項14】
電気及び制御装置(2)を含むエアロゾル発生装置(3)であって、前記電気及び制御装置(2)に連結されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の消耗品(1)をさらに含み、好ましくは、前記電気及び制御装置(2)は、電気エネルギーを蓄積する電源(8)を含む、エアロゾル発生装置(3)。
【請求項15】
前記電源(8)は、充電式電池である、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に関し、より正確には、エアロゾル発生装置を備えるように意図された消耗品に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のエアロゾル発生装置は、電源、場合により充電式電池をさらに含む電気及び制御装置の専用空洞にユーザにより手動で挿入される消耗品を含む。このタイプのエアロゾル発生装置は、概して、携帯型であり、すなわちユーザにより保持されたときに使用可能である。
【0003】
特許文献欧州特許第3364793B1号明細書及び国際公開第2018/224339A1号パンフレットで説明されているように、一部の消耗品は、エアロゾル形成物質であって、それが加熱され、且つ空気と混合されるときにエアロゾルを発生させるように配置されたエアロゾル形成物質を収容するレセプタクル(又は容器)を含む。初めに、レセプタクルは、ユーザが蒸気吸入セッション中に発生したエアロゾルを吸引してエアロゾルを吸入するマウスピースを含むノズル又は先端に連結される前に、エアロゾル発生装置の電気及び制御装置の専用空洞に挿入され得るカプセルを形成するように蓋により閉鎖される。使用前に、蓋は、ユーザにより引き剥がされるか、又は発生したエアロゾルがマウスピースに向かって流れることができる流路を画定するノズル(若しくは先端)の管状部材により穿刺されなければならない。
【0004】
エアロゾル形成物質の加熱は、概して、エアロゾル発生装置の電気及び制御装置の加熱装置による伝導、対流及び/又は放射により実行される。このような加熱装置は、電気作動式の1つ又は複数の抵抗加熱要素及び/又は誘導加熱要素を含み得る。
【0005】
以下の説明では、「エアロゾル形成物質」(又は「物質」)という用語は、ペースト又は場合により流体を指し得る。(エアロゾル形成)物質は、エアロゾルを形成するようにエアロゾル発生装置の加熱により処理可能であり得、1種以上のニコチノイド、1種以上のポリオール、1種以上のカンナビノイド又はカフェインなどの成分を含み得る。(エアロゾル形成)物質には香料が存在し得る。香料は、例えば、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナ油)又は類似物を含み得る。
【0006】
以下の説明において、「エアロゾル」という用語は、固体粒子、液滴及び気体の1つ又は複数として物質の懸濁液も含み得る。そのような懸濁液は、空気を含む気体の状態であり得る。本明細書中のエアロゾルは、概して、蒸気を指し得るか、又は蒸気を含み得、物質の1種以上の成分を含み得る。
【0007】
実際には、ユーザが蒸気吸入セッションの継続を望むときにレセプタクルが空である場合、このユーザは、エアロゾル発生装置の電気及び制御装置の本体から(マウスピース付き)ノズルを分離しなければならならず、その後、レセプタクルが依然として(非常に)熱いうちにこの本体の専用空洞から空のレセプタクルを回収しなければならない。そのため、ユーザが火傷を負う場合があり、及び/又はエアロゾル形成物質の残り部分若しくは発生したエアロゾルが本体内、特に加熱装置上に落下し得るため、ユーザは、定期的な清掃を行わなければならない。
【0008】
その上、当技術分野のエアロゾル発生装置において、カプセルと(マウスピース付き)ノズルとの間の非常に簡単な構成では、エアロゾル発生後に安定した蒸気移動を得ることができない。そのため、製品性能が最適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、その状況を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
提案される本発明は、特に、エアロゾル発生装置を備えるように意図された消耗品であって、エアロゾル形成物質であって、それが加熱され、且つ空気と混合されるときにエアロゾルを発生させるように配置されたエアロゾル形成物質を収容するレセプタクルを含む消耗品の実施形態を提供する。
【0011】
この消耗品は、第1の管状部材であって、
- レセプタクルの開放端部に接続された第1の端部と、
- レセプタクル開放端部への供給のために第1の管状部材内への空気の流入を可能にする少なくとも1つの空気入口と、
- 第1の端部と反対側の第2の端部であって、発生したエアロゾルを吐出するための出口を含む第2の端部と
を含む周壁を有する第1の管状部材をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
そのため、本発明は、ユーザが熱いレセプタクルに触れる必要がなく、したがって火傷を負うリスクがないだけでなく、エアロゾル形成物質の残り部分又は発生したエアロゾルが電気及び制御装置内に落下するため、ユーザによる定期的な清掃が妨げられ得るリスクもないことを確実にする、第1の管状部材に接続されたレセプタクルを有する新たなタイプの消耗品を提供する。
【0013】
消耗品の実施形態は、以下で定義するように、別個に又は組み合わせて考慮される他の態様又は特徴を含み得る。
・実施形態の第1の例では、レセプタクルは、エアロゾル発生装置の誘導加熱装置によって誘導加熱されるように意図された誘導加熱可能材料を含み得、
・実施形態の第2の例では、レセプタクルは、エアロゾル発生装置の加熱装置によって加熱されるように意図された熱伝導性材料を含み得、
・消耗品は、第2の端部と各空気入口との間の第1の管状部材の内側に取り付けられた第2の管状部材であって、各空気入口から到来する空気がレセプタクルの開放端部を通してレセプタクルに向かって流れることができる第1の流路を、第1の管状部材の周壁の内表面と共に画定する外表面を含む第2の管状部材をさらに含み得、
・第2の管状部材は、レセプタクル内で発生したエアロゾルが第1の管状部材の第2の端部に向かって流れることができる第2の流路を画定する内表面を含み得、
・エアロゾル形成物質は、レセプタクルの内表面に付着しているペーストであって、第1の管状部材に向かって開放している凹状空洞の境界を定めるペーストであり得、
・凹状空洞は、第2の流路の入口を含む第2の管状部材の第1の端部を受け入れ得、
・第2の管状部材は、第1の流路を部分的に画定する環状部であって、各空気入口から到来する空気が、レセプタクルに入る前に、第1の管状部材の第2の端部に直接到達することを防止するために、第1の管状部材の内表面に固定して接続される環状部を含み得、
・第2の管状部材は、成形紙で作製され得、
・第1の管状部材は、成形紙で作製され得、
・第1の管状部材の第2の端部は、ユーザが蒸気吸入セッション中に発生したエアロゾルを吸引するマウスピースを形成し得、
・エアロゾル形成基材は、タバコ材料又は少なくとも1種のポリオールを含み得る。
【0014】
提案される本発明は、電気及び制御装置と、この電気及び制御装置に導入及び連結された上記の消耗品などの消耗品とを含むエアロゾル発生装置の実施形態も提供する。
【0015】
エアロゾル発生装置の実施形態は、以下で定義するように、別個に又は組み合わせて考慮される他の特徴を含み得る。
・電気及び制御装置は、電気エネルギーを蓄積する電源を含み得、
・電源は、充電式電池であり得、
・エアロゾル発生装置は、電子タバコを構成し得る。
【0016】
本発明及びその利点は、非限定的な例としてのみ挙げられ、且つ添付の図面を参照して記述される以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による消耗品の実施形態の例を含むエアロゾル発生装置の実施形態の例を概略的且つ機能的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、特に、電気及び制御装置2に連結されて一緒になってエアロゾル発生装置3を画定するように意図された消耗品1を提供することを目的とする。
【0019】
以下の説明では、エアロゾル発生装置3が電子タバコであると考えられる。しかし、本発明によるエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が本発明による消耗品1を含み、エアロゾル形成物質を加熱することにより、エアロゾルの発生を可能にすると直ちに、別のタイプのものであり得る。そのため、例えば、エアロゾル発生装置3は、吸入器であり得る。
【0020】
「エアロゾル形成物質」は、ペースト又は好ましくはないが、場合により流体(例えば、液体)であり得、ニコチノイド、ポリオール、カンナビノイド若しくはカフェイン及び/又は香料などの1種以上の成分を含み得ることが想起される。例えば、エアロゾル形成物質は、タバコ材料を含み得る。例えば、エアロゾル前駆体であるポリオールは、グリセリン又はプロピレングリコールでもあり得る。
【0021】
エアロゾル形成物質が液体である場合、エアロゾル形成物質は、多孔質構造又は海綿状構造を有する吸収性材料中に保持され得る。このような吸収性材料は、例えば、多孔質セラミック、耐熱性ポリマー発泡体又は多孔質セルロースビーズを含み得る。
【0022】
「エアロゾル」という用語は、物質の懸濁液を固体(非常に微細な)粒子、液滴、蒸気及び気体の1つ又は複数として含み得ることと、空気を含む気体中にそのような懸濁液が存在し得ることも想起される。
【0023】
図1に示すように、エアロゾル発生装置3を備えるように意図された本発明による消耗品1は、互いに連結されたレセプタクル4及び第1の管状部材5を少なくとも含む。かかる消耗品1は、エアロゾル発生装置3の完全に再使用可能な部分である電気及び制御装置2の本体に連結されるように意図される。この趣旨で、電気及び制御装置2の本体は、少なくともレセプタクル4を一時的に収納するように配置された専用空洞15を含む。
【0024】
レセプタクル4は、エアロゾル形成物質6であって、それが加熱され、且つ空気と混合されるときにエアロゾルを発生させるように配置されたエアロゾル形成物質6を収容する。この加熱は、電気及び制御装置2に属する加熱装置7により行われ、電気及び制御装置2の電源8から生じる電気エネルギーを供給される。
【0025】
例えば、電源8は、充電式電池であり得る。この場合、電気及び制御装置2の本体は、充電式電池8の充電セッション中に充電器ケーブルが接続され得る電気コネクタを含み得る。そのような充電器ケーブルは、(AC)アダプタ又は壁ソケットに連結され得る。充電器ケーブル及び/又は(AC)アダプタは、エアロゾル発生装置3に属し得る。
【0026】
第1の管状部材5は、第1の端部10と、反対側の第2の端部11と、少なくとも1つの空気入口12とを含む周壁9を有する。
【0027】
周壁9の第1の端部10は、レセプタクル4の開放端部13に接続される。新たな消耗品1では、レセプタクル4が蓋を全く含まず、これは、レセプタクル4が永久的に開放しており、そのため、ユーザが、消耗品1を電気及び制御装置2の本体に連結する前にレセプタクル4に対して何らかの操作を行う必要がないことを意味することに留意することが重要である。
【0028】
第1の端部10とレセプタクル開放端部13との接続は、貼り付け(すなわち例えば接着剤を用いた接着)、圧着、リベット接合又はねじ止めにより実行され得る。ねじ止めは、新たな充填済みのレセプタクルによる空のレセプタクル4の置き換え及び/又は空のレセプタクル4の容易な再利用を可能にし得るために興味深い。
【0029】
各空気入口12は、レセプタクル開放端部13への供給のために第1の管状部材5内への空気の流入を可能にするように周壁9内に画定される。例えば、周壁9は、周方向に分配されたいくつかの空気入口12、特に2つ、3つ又は4つの空気入口12を含み得る。
【0030】
第1の管状部材5の第2の端部11は、レセプタクル4から到来する発生したエアロゾルを吐出するための出口14を含む。
【0031】
この新たなタイプの消耗品1、すなわち第1の管状部材5に(気密に)接続されたレセプタクル4を有する消耗品1により、ユーザが蒸気吸入セッションの継続を望むときにレセプタクル4が空である場合、ユーザは、電気及び制御装置2の本体から消耗品1全体を分離するのみでよい。換言すれば、ユーザは、レセプタクル4に触れる必要がなく、そのため、火傷を負うリスクがない。その上、この(気密)接続のため、エアロゾル形成物質6の残り部分又は発生したエアロゾルが専用空洞15内に落下するリスクがないため、ユーザは、専用空洞15の定期的な清掃を行う必要がない。
【0032】
例えば、消耗品1と電気及び制御装置2の本体との間の連結は、2つの対応するねじ部分によるねじ止め若しくは又は強制嵌合又はさもなければ磁化により行うことができる。そのため、消耗品1は、電気及び制御装置2の本体に機械的に連結され得るが、これは、必須ではない。ねじ止めの場合、レセプタクル4の外表面又は周壁9の第1の端部10の外表面は、電気及び制御装置2の専用空洞15の対応する第2のねじ部分に対してねじ込まれるように配置された第1のねじ部分を含み得る。強制嵌合の場合、レセプタクル4又は周壁9の第1の端部10は、電気及び制御装置2の専用空洞15内に嵌め込まれ得る。磁化の場合、レセプタクル4は、電気及び制御装置2の専用空洞15の磁石と相互作用する磁石を含み得る。
【0033】
例えば、レセプタクル4は、エアロゾル発生装置3の誘導加熱装置7によって誘導加熱されるように意図された誘導加熱可能材料を含み得る。例えば、誘導加熱可能材料は、金属であり得る。例えば、図1の非限定的な例に示すように、誘導加熱装置7は、専用空洞15を取り囲むコイルであって、コイルに電流が供給されると専用空洞(15)に電磁場を発生させるコイルも含み得る。この電磁場は、全く接触せずにレセプタクル(4)を加熱するレセプタクル4の誘導加熱可能材料に電磁誘導を引き起こす。
【0034】
実施形態の変形形態では、レセプタクル4は、エアロゾル発生装置3(より正確には電気及び制御装置2)の加熱装置によって加熱されるように意図された熱伝導性材料を含み得る。この実施形態の変形形態では、加熱装置は、抵抗コイルなどの抵抗ヒータであり得る。
【0035】
例えば、図1の非限定的な例に示すように、消耗品1は、第2の端部11と各空気入口12との間の第1の管状部材5の内側に取り付けられた第2の管状部材16もさらに含み得る。図示のように、この第2の管状部材16は、各空気入口12から到来する空気がレセプタクル4の開放端部13を通してレセプタクル4に向かって流れることができる第1の流路17を、第1の管状部材5の周壁9の内表面と共に画定する外表面を含む。流入空気が空気入口12とレセプタクル4との間で第1の流路17を通して辿る経路は、白色の矢印で表示されている。
【0036】
例えば、図1の非限定的な例に示すように、第2の管状部材16は、レセプタクル4内で発生したエアロゾルが第1の管状部材5の第2の端部11に向かって流れることができる第2の流路18を画定する内表面を含み得る。発生したエアロゾルがレセプタクル4と第1の管状部材の出口14との間で第2の流路18を通して辿る経路は、灰色の矢印で表示されている。
【0037】
好ましい実施形態では、エアロゾル形成物質6は、レセプタクル4の内表面に付着しているペーストであって、第1の管状部材5に向かって開放している凹状空洞19の境界を定めるペーストである。これにより、加熱中の空気とエアロゾル形成物質6との混合、したがって発生したエアロゾルの安定性を最適化することが可能となる。
【0038】
この凹状空洞19は、第2の流路18の入口21を含む第2の管状部材16の第1の端部20を受け入れ得る。これにより、エアロゾルを発生させる場所の極めて近傍でエアロゾルを収集し、したがって空気入口から到達した依然として加熱されていない空気との混合を最小限に抑えることが可能となる。
【0039】
例えば、図1の非限定的な例に示すように、第2の管状部材16は、第1の流路17を部分的に画定する環状部22であって、第1の管状部材5の内表面に固定して接続される環状部22も含み得る。この構成により、各空気入口12から到来する空気が、レセプタクル4に入る前に、第1の管状部材5の第2の端部11に直接到達することが防止され、そのため、空気入口12から到達した空気と発生したエアロゾルとの、濃度の低下を引き起こす混合が回避される。
【0040】
図1の非限定的な例では、環状部22は、第1の管状部材5の下流部と連通する第2の管状部材16の出口27の高さで第2の管状部材16を延在させることに留意すべきである。しかし、実施形態の変形形態では、環状部22は、第2の管状部材16をその出口27の手前(すなわち第2の管状部材16の入口21と出口27との間)まで延在し得る。
【0041】
消耗品1の再利用を容易にするために、消耗品1の第2の管状部材16は、成形紙で作製され得る。
【0042】
消耗品1の再利用を容易にするために、消耗品1の第1の管状部材5も成形紙で作製され得る。
【0043】
第1の管状部材5及び第2の管状部材16が一体であり得ることに留意すべきである。しかし、変形形態では、第2の管状部材16は、第1の管状部材5内に差し込まれたインサートであり得る。
【0044】
例えば、図1の非限定的な例に示すように、第1の管状部材5の第2の端部11は、ユーザが蒸気吸入セッション中に発生したエアロゾルを吸引してエアロゾルを吸入するマウスピース23も形成し得る。しかし、実施形態の変形形態では、マウスピース23は、場合によりユーザによって第1の管状部材5の第2の端部11に連結されるインサートであり得る。これにより、ユーザが、高い評価を得たマウスピース23を使用及び再使用することが可能となるが、成形中に形成された標準的な一体型マウスピースよりも快適なマウスピース23を第1の管状部材5の第2の端部11に連結することも可能となる。
【0045】
図1に示すように、電気及び制御装置2の本体は、(電気エネルギーを蓄積する)電源8に加えて、コントローラ(又は制御装置)24とユーザインターフェース25とを少なくとも含み得る。
【0046】
コントローラ24は、電源8に電気的に連結され、蒸気吸入セッション中及びまた起こり得る充電セッション中、消耗品1(及び特にその加熱装置7)の動作を制御する。例えば、図1の非限定的な例に示すように、コントローラ24は、プリント回路基板26上に固定され得る。
【0047】
「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び不揮発性記憶装置を限定ではなく黙示的に含み得る。従来型及び/又はカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。コントローラ24の機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御及び専用ロジックのインタラクションを通して又は(ユーザによる)手動でも実行され得る。これらの機能は、専用ハードウェア及び適切なソフトウェアと連携してソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通して提供され得る。
【0048】
ユーザインターフェース25は、コントローラ24と電源8とに連結され、ユーザがコントローラ24を少なくとも部分的に制御することを可能にする。例えば、ユーザインターフェース25は、現在の蒸気吸入セッション又は可能な現在の充電セッションに関する情報を表示し、且つユーザがコントローラ24を制御することを可能にするために配置されたディスプレイ(画面又は発光ダイオード(又はLED)型のインターフェースなど)を含み得る。例えば、表示される情報は、蒸気吸入セッション中の(プログラムされた(若しくは選択された)蒸気吸入継続時間に対する)現在の残りの(若しくは経過した)蒸気吸入時間の割合又は可能な充電セッション中の電源8の(フル充電に対する)現在の充電割合を表す現在の状態でもあり得る。現在の割合は、例えば、直線の長さ若しくは多数の平行棒又は値によって表され得る。
【0049】
例えば、図1の非限定的な例に示すように、ユーザインターフェース25は、コントローラ24との接続を容易且つ単純にするためにプリント回路基板26にも部分的に固定され得る。ユーザインターフェース25は、任意の場所に置かれるようにフレキシブル回路の配線によりプリント回路基板26に接続されたユーザインターフェース25自体のプリント回路基板を有し得る。
【0050】
図1のいくつかのブロック図は、本明細書において本発明の原理を具現化する例示的回路の概念図を表すことが当業者によって理解されるべきである。
【0051】
説明及び図面は、単に本発明の原理を説明する。したがって、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を当業者が考案できることを理解されたい。さらに、本明細書に列挙された全ての例は、主に本発明の原理及び当技術分野を促進するために本発明者が寄与する概念を読み手が理解することを促進する単なる教育的目的のためのものであるように明示的に意図され、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定するものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様及び実施形態を列挙する本明細書の全ての記載並びにそれらの特定の例は、その均等物を包含するように意図される。
図1
【国際調査報告】