(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】携帯型の生理学的パラメータモニタリング及び治療介入のシステムのためのネットワーク物理層構成
(51)【国際特許分類】
A61B 5/145 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
A61B5/145
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544563
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022070518
(87)【国際公開番号】W WO2022174213
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダウド・ゾス
(72)【発明者】
【氏名】バリー・ソロモン
(72)【発明者】
【氏名】カグリ・ヤルチン
(72)【発明者】
【氏名】カール・ホフマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・グレイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・カズンズ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ・スビド
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・プローフ
(72)【発明者】
【氏名】ニール・シャー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】リティック・ゴッシュ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL07
4C038KL09
4C038KX01
(57)【要約】
開示されるある実施形態は、生理学的パラメータモニタリングシステムに関する。システムは、センサと、このセンサに接続されているセンサ電子機器と、を含み得る。システムはまた、センサ電子機器に動作可能に接続されている送信機を含み得る。送信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の外面と隣り合っている及び/又は接触している第1の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、人体通信を使用してセンサ情報をワイヤレスで送信するように更に構成されている。システムはまた、ディスプレイ及び受信機を含む第1のディスプレイデバイスを更に含み得る。受信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中に体の外面と隣り合っている及び/又は接触している第2の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、人体通信を使用して送信機からセンサ情報を受信するように更に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的パラメータモニタリングシステムであって、
センサと、
前記センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、
前記センサ電子機器に動作可能に接続されるように構成されている送信機であって、前記送信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の外面と隣り合っている及び/又は接触している第1の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、前記送信機は、人体通信を使用してセンサ情報をワイヤレスで送信するように更に構成されている、送信機と、
ディスプレイ及び受信機を含む第1のディスプレイデバイスであって、前記受信機は、その少なくとも一部が前記センサセッション中に前記ホストの前記体の前記外面と隣り合っている及び/又は接触している第2の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、前記受信機は、前記送信機から前記センサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように更に構成されている、第1のディスプレイデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記センサは、センサ出力信号を生成するように構成されており、
前記センサ電子機器は、前記センサに有線接続で接続されているか又は接続可能であり、
前記送信機は、前記センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能な一次センサ情報送信機であり、
送信される前記センサ情報は、前記センサ出力信号によって生成されるか又は前記センサ出力信号から導出されるように構成されており、
前記受信機は、一次センサ情報受信機であり、
前記一次センサ情報受信機は、前記一次センサ情報送信機から前記センサ情報を直接ワイヤレスで受信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の場所は前記ホストの手首である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の場所は前記ホストの手である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサはグルコースセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサは、前記ホストに経皮的に埋め込まれるように構成されている体内部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサの前記体内部分は前記ホストの上腕に経皮的に埋め込まれるように構成されており、前記第1の場所は前記ホストの前記上腕であり、前記第2の場所は前記ホストの手首である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサは前記ホストの腹部に経皮的に埋め込まれるように構成されており、前記第1の場所は前記ホストの前記腹部であり、前記第2の場所は前記ホストの手首である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のディスプレイデバイスはスマートウォッチを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第2のディスプレイデバイスを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のディスプレイデバイスはスマートフォンを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のディスプレイデバイスは二次センサ情報送信機を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第2のディスプレイデバイスを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のディスプレイデバイスは、二次センサ情報受信機を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記二次センサ情報送信機及び前記二次センサ情報受信機は、いずれもBluetoothモジュールを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
生理学的パラメータモニタリングシステムであって、
センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、
前記センサに有線接続で接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、
前記センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能な一次センサ情報送信機であって、前記一次センサ情報送信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の表皮と隣り合っている及び/又は接触している第1の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、前記一次センサ情報送信機は、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように更に構成されている、一次センサ情報送信機と、
リレーモジュールであって、
一次センサ情報受信機であり、前記一次センサ情報受信機は、その少なくとも一部が前記センサセッション中に前記ホストの前記体の前記表皮と隣り合っている及び/又は接触している第2の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、前記一次センサ情報受信機は、前記一次センサ情報送信機から前記センサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように更に構成されている、一次センサ情報受信機、及び
前記一次センサ情報受信機に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、前記一次センサ情報受信機によって前記一次センサ情報送信機から先に受信されたセンサ情報をワイヤレスで送信するように構成されている、二次センサ情報送信機、
を含む、リレーモジュールと、
ディスプレイ、及び前記二次センサ情報送信機から前記センサ情報をワイヤレスで受信するように構成されている二次センサ情報受信機を含む、第1のディスプレイデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項17】
前記二次センサ情報送信機及び前記二次センサ情報受信機は、いずれもBluetoothモジュールを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の場所は前記ホストの手首である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のディスプレイデバイスはスマートフォンを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
生理学的パラメータモニタリングシステムであって、
センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、
前記センサに有線接続で接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、
前記センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出された第1のセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、第1の一次センサ情報送信機と、
前記センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出された第2のセンサ情報をワイヤレスで送信するように構成されている、第2の一次センサ情報送信機と、
ディスプレイ、及び前記第1の一次センサ情報送信機から前記第1のセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように構成されている第1の一次センサ情報受信機を含む、第1のディスプレイデバイスと、
ディスプレイ、及び前記第2の一次センサ情報送信機から前記第2のセンサ情報をワイヤレスで受信するように構成されている第2の一次センサ情報受信機を含む、第2のディスプレイデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記第2の一次センサ情報送信機及び前記第2の一次センサ情報受信機は、いずれもBluetoothモジュールを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
生理学的パラメータモニタリング装置であって、
ホストに関連するセンサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、
前記センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、
前記センサ電子機器に動作可能に接続されているか又は接続可能である送信機であって、
前記センサ電子機器の第1の側に位置決めされており前記センサ電子機器に動作可能に接続されている第1の導電コンタクト、及び
前記センサ電子機器の第2の側に位置決めされており前記センサ電子機器に動作可能に接続されている第2の導電コンタクト、
を含む、送信機と、
を備え、
前記センサ電子機器は、前記第1の導電コンタクト及び前記第2の導電コンタクトを通して信号を印加して、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、装置。
【請求項23】
前記センサ電子機器、前記第1の導電コンタクト、及び前記第2の導電コンタクトは、共通の基板に固着されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記共通の基板は接着剤を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記センサ電子機器は、前記第1の導電コンタクトと前記第2の導電コンタクトとの間に位置決めされている、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の導電コンタクトは、前記ホストの表皮に容量結合されているか又は容量結合されるように構成されている金属板を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記第2の導電コンタクトは、前記ホストの表皮に容量結合されているか又は容量結合されるように構成されている金属板を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の導電コンタクトは第1の絶縁膜で覆われており、前記第2の導電コンタクトは第2の絶縁膜で覆われている、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の絶縁膜は前記第2の絶縁膜よりも薄い、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
生理学的パラメータモニタリングシステムであって、
センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、
前記センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であり、人体通信(HBC)送信機を含む、センサ電子機器モジュールであって、前記HBC送信機は、センサセッション中にホストの体の第1の部分に又はこれに隣り合って位置決めされるように構成されており、前記HBC送信機は、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように更に構成されている、センサ電子機器モジュールと、
前記HBC送信機に動作可能に接続されており人体通信を使用して前記HBC送信機から前記センサ情報を受信するように構成されているHBC受信機を含む、ディスプレイデバイスであって、前記HBC受信機は、前記センサセッション中に前記ホストの前記体の第2の部分に又はこれに隣り合って位置決めされるように構成されており、前記第2の部分は前記第1の部分とは異なっている、ディスプレイデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項31】
生理学的パラメータモニタリングシステムを使用してセンサ情報を通信する方法であって、
前記生理学的パラメータモニタリングシステムのセンサにおいて、センサ出力信号を生成することと、
ホストの体の第1の部分に又はこれに隣り合って位置決めされている前記生理学的パラメータモニタリングシステムの送信機において、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信することと、
前記ホストの前記体の第2の部分に又はこれに隣り合って位置決めされている前記生理学的パラメータモニタリングシステムの受信機において、前記送信機から前記センサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信することであって、前記第2の部分は前記第1の部分とは異なっている、ワイヤレスで受信することと、
前記生理学的パラメータモニタリングシステムのディスプレイデバイスにおいて、受信された前記センサ情報を表示することと、
を含む方法。
【請求項32】
前記ディスプレイデバイスはスマートウォッチを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
生理学的パラメータモニタリングであって、
センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、
前記センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、
前記センサ電子機器に動作可能に接続されているか又は接続可能である送信機であって、
前記センサ電子機器に動作可能に接続されている第1の導電コンタクトであり、ホストに前記ホストの皮膚から第1のオフセット距離だけ離して適用されるように構成されている第1のエリアを有する、第1の導電コンタクト、及び
前記センサ電子機器に動作可能に接続されている第2の導電コンタクトであり、前記ホストに前記ホストの皮膚から第2のオフセット距離だけ離して適用されるように構成されている第2のエリアを有する、第2の導電コンタクト
を含む、送信機と、
を備え、
前記第2のエリアは前記第1のエリアよりも小さく、前記第2のオフセット距離は前記第1のオフセット距離よりも大きく、
前記センサ電子機器は、前記第1の導電コンタクト及び前記第2の導電コンタクトを通して信号を印加して、前記センサ出力信号によって生成された又は前記センサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、装置。
【請求項34】
前記センサ電子機器は、実質的に前記第1の導電コンタクトと前記第2の導電コンタクトとの間に位置決めされている、請求項33に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2021年2月11日に出願された米国仮出願第63/148,347号の利益を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は一般に、携帯型の生理学的パラメータモニタリング及び治療介入のシステムのためのネットワーク物理層構成を含む、検体センサなどの医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ホストの生理学的パラメータを測定するための様々な携帯型モニタが開発されてきており、家庭での個人使用がいよいよ広まりつつある。これらのモニタのうちのあるものは、完全にホストの体内に埋め込まれる。あるものは、体内に埋め込まれた部分と、ホストの体の表面又は近くに存在する外部電子機器に取り付けられる体外に延びる部分と、を有する。モニタによっては体内構成要素を有さず、全体がホストの皮膚又は衣服上に存在する。携帯型モニタは典型的には、モニタリングされている生理学的状態を示す信号を生成するセンサと、センサ動作に電力を供給しセンサ出力信号を処理するための、センサに動作可能に接続されたセンサ電子機器と、を含む。
【0004】
センサ及びセンサ電子機器を備えるモニタに加えて、自動化又は半自動化された医療介入のための携帯型デバイスの家庭での個人使用も増加している。自由行動下の医療介入としては例えば、電気インパルスの送達(例えば心臓ペースメーカ)、又はスケジュールに基づく若しくは生理学的状態に応じた薬物若しくは他の治療物質の注入(例えばインスリンポンプ)を挙げることができる。携帯型のモニタ及び医療介入デバイスは互いに連携して動作することができ、その場合医療介入はセンサが生成したデータによって全体的又は部分的に制御される。
【0005】
これら携帯型のモニタリング及び介入のシステムはまた、使用中又は使用後にセンサによって生成されるデータを取得及び処理し、感知された生理学的パラメータの現在値又は介入プロセスの状態に関する情報をホストに提供するためのディスプレイを多くの場合に含む、ディスプレイデバイスも含み得る。これらのディスプレイデバイスは、片手持ち式であっても、可搬型であっても、又は固定型であってもよい。
【0006】
これらのシステムの異なる構成要素間のデータ通信は、有線又はワイヤレスであり得る。これらの用途では多くの場合ワイヤレスプロトコルが好まれるが、その理由はそれらが使い勝手が良く、快適であり、ホストの動きをあまり制限しないからである。しかしながら、一般的に使用されるワイヤレス通信技法は、これらの用途においてそれら自体の欠点を有し得る。これらの欠点としては、変動する大きな信号減衰、不十分なセキュリティ、及び所与のデータレートに対する一般的により高い電力消費を挙げることができる。これらの問題に対処するデータ通信物理層設計が必要とされている。
【0007】
この「背景技術」は、請求項の主題の範囲を決定する助けとなることを意図したものでも、上に提示された欠点又は問題のいずれか又は全てを解決する実施態様に請求項の主題を限定するものと見なされることを意図したものでもないことに留意すべきである。本「背景技術」のセクションにおけるいずれの技術、文書、又は参考文献の考察も、説明される題材が本明細書で特許請求される主題のいずれかに対する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8001067号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0027463号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0020187号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0027385号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0119703号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2008/0108942号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0197890号明細書
【特許文献8】米国特許第8565509号明細書
【特許文献9】米国特許第8579690号明細書
【特許文献10】米国特許第8484046号明細書
【特許文献11】米国特許第8512939号明細書
【特許文献12】米国特許第8477395号明細書
【特許文献13】米国特許第8424847号明細書
【特許文献14】米国特許第7310544号明細書
【特許文献15】米国特許第8931327号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0043598号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0032706号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0016381号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2008/0033254号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2005/0203360号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2005/0154271号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2005/0192557号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2006/0222566号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2007/0203966号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2007/0208245号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
人体通信(Human body communication、HBC)及びエネルギーハーベスティング技術は、携帯型の生理学的モニタリング及び治療介入のシステムに適用される。
【0010】
主題の技術の様々な構成が本開示から当業者に明らかになるが、主題の技術の様々な構成は例示として示され説明されることが理解される。認識されるように、全て主題の技術の範囲から逸脱することなく、主題の技術は他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は様々な他の点において修正が可能である。したがって、要約、図面、及び詳細な説明は本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【0011】
一態様は、センサと、センサに動作可能に接続された又は接続可能なセンサ電子機器と、センサ電子機器に動作可能に接続されるように構成されている送信機であって、送信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の外面と隣り合っている及び/又は接触している第1の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、送信機は、人体通信を使用してセンサ情報をワイヤレスで送信するように更に構成されている、送信機と、ディスプレイ及び受信機を含む第1のディスプレイデバイスであって、受信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の外面と隣り合っている及び/又は接触している第2の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、受信機は、送信機からセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように更に構成されている、第1のディスプレイデバイスと、を備える、生理学的パラメータモニタリングシステムである。
【0012】
上記システムにおいて、センサは、センサ出力信号を生成するように構成されており、センサ電子機器は有線接続でセンサに接続されているか又は接続可能であり、送信機はセンサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能な一次センサ情報送信機であり、送信されるセンサ情報はセンサ出力信号によって生成されるか又はセンサ出力信号から導出されるように構成されており、受信機は一次センサ情報受信機であり、一次センサ情報受信機は一次センサ情報送信機からセンサ情報を直接ワイヤレスで受信するように構成されている。
【0013】
上記システムにおいて、第2の場所はホストの手首である。上記システムにおいて、第2の場所はホストの手である。上記システムにおいて、センサはグルコースセンサを含む。上記システムにおいて、センサは、ホストに経皮的に埋め込まれるように構成された体内部分を含む。上記システムにおいて、センサの体内部分はホストの上腕に経皮的に埋め込まれるように構成されており、その場合第1の場所はホストの上腕であり、第2の場所はホストの手首である。上記システムにおいて、センサはホストの腹部に経皮的に埋め込まれるように構成されており、その場合第1の場所はホストの腹部であり、第2の場所はホストの手首である。
【0014】
上記システムにおいて、第1のディスプレイデバイスはスマートウォッチを含む。上記システムは第2のディスプレイデバイスを更に備える。上記システムにおいて、第2のディスプレイデバイスはスマートフォンを含む。上記システムにおいて、第1のディスプレイデバイスは二次センサ情報送信機を備える。上記システムは第2のディスプレイデバイスを更に備える。上記システムにおいて、第2のディスプレイデバイスは二次センサ情報受信機を備える。上記システムにおいて、二次センサ情報送信機及び二次センサ情報受信機はいずれもBluetooth(登録商標)モジュールを含む。
【0015】
別の態様は、センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、センサに有線接続で接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能な一次センサ情報送信機であって、一次センサ情報送信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の表皮と隣り合っている及び/又は接触している第1の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、一次センサ情報送信機は、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように更に構成されている、一次センサ情報送信機と、リレーモジュールであって、一次センサ情報受信機であり、一次センサ情報受信機は、その少なくとも一部がセンサセッション中にホストの体の表皮と隣り合っている及び/又は接触している第2の場所に位置決めされるか又は位置決めされるように構成されており、一次センサ情報受信機は、一次センサ情報送信機からセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように更に構成されている、一次センサ情報受信機、及び、一次センサ情報受信機に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、一次センサ情報受信機によって一次センサ情報送信機から先に受信されたセンサ情報をワイヤレスで送信するように構成されている、二次センサ情報送信機、を含む、リレーモジュールと、ディスプレイ、及びワイヤレス受信を使用して二次センサ情報送信機からセンサ情報をワイヤレスで受信するように構成されている二次センサ情報受信機を含む、第1のディスプレイデバイスと、を備える、生理学的パラメータモニタリングシステムである。
【0016】
上記システムにおいて、二次センサ情報送信機及び二次センサ情報受信機はいずれもBluetoothモジュールを含む。上記システムにおいて、第2の場所はホストの手首である。上記システムにおいて、第1のディスプレイデバイスはスマートフォンを含む。
【0017】
別の態様は、センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、センサに有線接続で接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出された第1のセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、第1の一次センサ情報送信機と、センサ電子機器に有線接続で接続されているか又は接続可能であり、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出された第2のセンサ情報をワイヤレスで送信するように構成されている、第2の一次センサ情報送信機と、ディスプレイ、及び第1の一次センサ情報送信機から第1のセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信するように構成されている第1の一次センサ情報受信機を含む、第1のディスプレイデバイスと、ディスプレイ、及び第2の一次センサ情報送信機から第2のセンサ情報をワイヤレスで受信するように構成されている第2の一次センサ情報受信機を含む、第2のディスプレイデバイスと、を備える、生理学的パラメータモニタリングシステムである。
【0018】
上記システムにおいて、第2の一次センサ送信機及び第2の一次センサ情報受信機はいずれもBluetoothモジュールを含む。
【0019】
別の態様は、ホストに関連するセンサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、センサ電子機器に動作可能に接続されているか又は接続可能である送信機であって、センサ電子機器の第1の側に位置決めされておりセンサ電子機器に動作可能に接続されている第1の導電コンタクト、及びセンサ電子機器の第2の側に位置決めされておりセンサ電子機器に動作可能に接続されている第2の導電コンタクト、を含む、送信機と、を備え、センサ電子機器は、第1及び第2の導電コンタクトを通して信号を印加して、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、生理学的パラメータモニタリング装置である。
【0020】
上記装置において、センサ電子機器、第1の導電コンタクト、及び第2の導電コンタクトは、共通の基板に固着されている。上記装置において、共通の基板は接着剤を含む。上記装置において、センサ電子機器は、第1の導電コンタクトと第2の導電コンタクトとの間に位置決めされている。上記装置において、第1の導電コンタクトは、ホストの表皮に容量結合されているか又は容量結合されるように構成されている金属板を含む。上記装置において、第2の導電コンタクトは、ホストの表皮に容量結合されているか又は容量結合されるように構成されている金属板を含む。上記装置において、第1の導電コンタクトは第1の絶縁膜で覆われており、第2の導電コンタクトは第2の絶縁膜で覆われている。上記装置において、第1の絶縁膜は第2の絶縁膜よりも薄い。
【0021】
別の態様は、センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であり、人体通信(HBC)送信機を含む、センサ電子機器モジュールであって、HBC送信機は、センサセッション中にホストの体の第1の部分に又はこれに隣り合って位置決めされるように構成されており、HBC送信機は、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように更に構成されている、センサ電子機器モジュールと、HBC送信機に動作可能に接続されており人体通信を使用してHBC送信機からセンサ情報を受信するように構成されているHBC受信機を含む、ディスプレイデバイスであって、HBC受信機は、センサセッション中にホストの体の第2の部分に又はこれに隣り合って位置決めされるように構成されており、第2の部分は第1の部分とは異なっている、ディスプレイデバイスと、を備える、生理学的パラメータモニタリングシステムである。
【0022】
別の態様は、生理学的パラメータモニタリングシステムを使用してセンサ情報を通信する方法であって、生理学的パラメータモニタリングシステムのセンサにおいて、センサ出力信号を生成することと、ホストの体の第1の部分に又はこれに隣り合って位置決めされている生理学的パラメータモニタリングシステムの送信機において、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信することと、ホストの体の第2の部分に又はこれに隣り合って位置決めされている生理学的パラメータモニタリングシステムの受信機において、送信機からセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで受信することであって、第2の部分は第1の部分とは異なっている、ワイヤレスで受信することと、生理学的パラメータモニタリングシステムのディスプレイデバイスにおいて、受信されたセンサ情報を表示することと、を含む、方法である。
【0023】
上記方法において、ディスプレイデバイスはスマートウォッチを含む。
【0024】
別の態様は、センサ出力信号を生成するように構成されているセンサと、センサに動作可能に接続されているか又は接続可能であるセンサ電子機器と、センサ電子機器に動作可能に接続されているか又は接続可能である送信機であって、センサ電子機器に動作可能に接続されている第1の導電コンタクトであり、ホストにホストの皮膚から第1のオフセット距離だけ離して適用されるように構成されている第1のエリアを有する、第1の導電コンタクト、及びセンサ電子機器に動作可能に接続されている第2の導電コンタクトであり、ホストにホストの皮膚から第2のオフセット距離だけ離して適用されるように構成されている第2のエリアを有する、第2の導電コンタクトを含む、送信機と、を備え、第2のエリアは第1のエリアよりも小さく、第2のオフセット距離は第1のオフセット距離よりも大きく、センサ電子機器は、第1及び第2の導電コンタクトを通して信号を印加して、センサ出力信号によって生成された又はセンサ出力信号から導出されたセンサ情報を人体通信を使用してワイヤレスで送信するように構成されている、生理学的パラメータモニタリング装置である。
【0025】
上記装置において、センサ電子機器は、実質的に第1の導電コンタクトと第2の導電コンタクトとの間に位置決めされている。
【0026】
ある態様の特徴のうちの任意のものを、本明細書で特定される全ての態様に適用可能である。また更に、ある態様の特徴のうちの任意のものを個々に、本明細書に記載される他の態様と任意の方法で一部を又は全体を組み合わせ可能であり、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の態様の全体又は一部が組み合わせ可能であり得る。更に、ある態様の特徴のうちの任意のものを、他の態様にとって任意選択のものとすることができる。方法の任意の態様は、生理学的パラメータモニタリングシステム/装置の別の態様を含むことができ、生理学的パラメータモニタリングシステム/装置の任意の態様は、別の態様の方法を実行するように構成され得る。
【0027】
様々な実施形態が、有利な特徴を強調することに重点を置いて、以下で説明される図面と併せて詳細に論じられる。これらの実施形態は例示のみを目的としており、そこに示され得るいかなる縮尺も、開示される技術の範囲を限定するものではない。これらの図面は以下の図を含み、そこでは同様の数字は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】本開示の実施形態を実装することによって改善され得る、例示の検体センサシステムの態様を示す。
【
図1B】
図1Aの検体データをワイヤレスで通信するように構成されている検体センサシステムの概略ブロック図を示す。
【
図2A】いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムに関連する電気経路及び/又は電磁経路を示す。
【
図2B】同じく、いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムに関連する電気経路及び/又は電磁経路を示す。
【
図3A】いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムの概略ブロック図を示す。
【
図3B】
図3Aのアーキテクチャを実装するいくつかの実施形態に係る、センサ電子機器モジュールに関する構成要素及び接続レイアウトの例を示す。
【
図3C】いくつかの実施形態に係る、ホストの組織を通して検体データをワイヤレスで通信するように構成されているセンサ電子機器モジュールの上面図を示す。
【
図3D】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第1の検体センサシステムを示す。
【
図3E】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第2の検体センサシステムを示す。
【
図3F】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第3の検体センサシステムを示す。
【
図3G】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第4の検体センサシステムを示す。
【
図3H】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第5の検体センサシステムを示す。
【
図4A】いくつかの実施形態に係る、人体通信のために利用され得る絶縁送信電極の複数の異なる構成の表である。
【
図4B】送信機電極が
図4Aの表にまとめられた構成を有するときの、人体通信受信機における受信信号の相対強度を示すグラフである。
【
図5A】いくつかの実施形態に係る、別のHBC検体センサシステムの概略ブロック図である。
【
図5B】いくつかの実施形態に係る、センサ電子機器モジュールと、ディスプレイデバイスと、人体通信を行うように構成されている他の構成要素とを備える、第6の検体センサシステムを示す。
【
図5C】いくつかの実施形態に係る、センサ電子機器モジュールと、ディスプレイデバイスと、人体通信を行うように構成されている他の構成要素とを備える、第7の検体センサシステムを示す。
【
図5D】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第8の検体センサシステムを示す。
【
図5E】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第9の検体センサシステムを示す。
【
図6A】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第10の検体センサシステムを示す。
【
図6B】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第11の検体センサシステムを示す。
【
図6C】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第12の検体センサシステムを示す。
【
図6D】いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第13の検体センサシステムを示す。
【
図6E】いくつかの実施形態に係る、センサユニットと、人体通信を行うように構成されているディスプレイデバイスとを備える、第14の検体センサシステムを示す。
【
図6F】いくつかの実施形態に係る、センサユニットと、人体通信を行うように構成されているディスプレイデバイスとを備える、第15の検体センサシステムを示す。
【
図7A】いくつかの実施形態に係る、センサユニットと、人体通信を行うように構成されているディスプレイデバイスと、更に注入ポンプとを備える、第16の検体センサシステムを示す。
【
図7B】いくつかの実施形態に係る、センサユニットと、人体通信を行うように構成されているディスプレイデバイスと、更に注入ポンプとを備える、第17の検体センサシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図は以下の説明及び例においてより詳細に説明されているが、それらは例示のみを目的として提供されており、本開示の典型的な又は例示の実施形態を示しているに過ぎない。図は網羅的であること、又は本開示を開示されている厳密な形態に限定することは意図していない。本開示を修正又は変更を伴って実施できること、及び、本開示は特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定され得ることも理解されたい。
【0030】
以下の説明及び例は、開示されている技術のいくつかの例示的な実施態様、実施形態、及び構成を詳細に示す。当業者は、本発明の範囲によって包含される本発明の多くの変化形及び修正形があることを認識するであろう。したがって、ある特定の例示の実施形態の説明を、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0031】
本明細書に記載される技術の実施態様は一般に、携帯型の生理学的モニタリング及び治療介入のシステムの構成要素間の通信に向けられている。記載される様々な実施形態の理解を容易にするために、本明細書で使用される特定の用語を以下に定義する。
【0032】
定義
有線送受信:信号源場所と信号受信場所が導電性固体金属又は半導体信号伝搬媒体によってガルバニック接続されているときの、信号源場所から信号受信場所への信号伝搬。有線伝搬媒体としては、金属ワイヤ、プリント回路基板上のトレース、ソリッドステート電子構成要素、及び集積回路などが挙げられる。
【0033】
ワイヤレス送受信:信号源場所と信号受信場所が導電性固体金属又は半導体信号伝搬媒体によってガルバニック接続されていないときの、信号源場所から信号受信場所への信号伝搬。例えば、空気又は何らかの他の気体、導電性又は非導電性の液体、絶縁膜、生物学的材料又は生物を介した信号伝搬は全て、ワイヤレス送受信の例である。
【0034】
高周波送受信:本質的に全ての信号エネルギーが送信アンテナと受信アンテナを分離する空隙を通って伝搬する、送信アンテナと受信アンテナとの間のワイヤレス通信の一形態。この形態の通信は、信号搬送波の波長が通信中のデバイス間の距離と比較して相対的に小さい遠方場、又は、信号搬送波の波長が通信中のデバイス間の距離と比較して相対的に大きい近接場であり得る。遠方場高周波通信は典型的には、パッチアンテナ又はその変形を使用して実装され、例としてWi-Fi及びBluetooth(登録商標)が挙げられる。近接場高周波通信は典型的にはコイルアンテナを使用して実装され、例としてNFC及びNFMIが挙げられる。搬送波周波数はいずれも典型的には約1MHz~100GHzである。
【0035】
有線接続:所与の信号源と所与の信号受信機が有線送受信を使用して通信するように構成及び配備されるとき、それらの間には有線接続が存在する。
【0036】
ワイヤレス接続:所与の信号源と所与の信号受信機がワイヤレス送受信を使用して通信するように構成及び配備されるとき、それらの間にはワイヤレス接続が存在する。
【0037】
センサ:センサ場所に、センサ場所の付近に、又はそれ以外でセンサ場所に関連する場所に存在する、生理学的な、環境的な、化学的な、又は他の物質若しくは状態の存在及び/又は量を示す出力信号を生成するように構成された装置であり、検体センサ、温度センサ、圧力センサ、及び運動センサを含むが、それらに限定されない。
【0038】
センサ情報:1つ以上のセンサと関連付けられた任意の情報。センサ情報は、検体センサから出力される測定信号(又は別のセンサから受信される他の信号)に直接関連するアナログ又はデジタル信号の生データストリーム又は単にデータストリーム、並びに、生データを較正及び/又はフィルタリングしたものを含む。センサ情報は、較正したデータ、平滑化したデータ、フィルタリングしたデータ、変換したデータ、及び/又は、センサID値、較正コード、製造情報などのセンサと関連付けられた任意の他の情報を含み得る。
【0039】
検体センサ:検体の量又は濃度を定量化できる任意の機構(例えば、酵素学的なもの又は非酵素学的なもの)を組み込んだ構造体。糖尿病患者のグルコース濃度をモニタリングするために使用されるグルコースセンサが一般的な例である。グルコースセンサのなかには、酸素及びグルコースから過酸化水素及びグルコン酸への変換を触媒するグルコース酸化酵素を含有する膜を利用するものがある。この反応を使用して、過酸化水素生成に起因する導電率を電極を使用してモニタリングすることで、グルコース濃度を測定することができる。グルコース濃度依存性の蛍光を有する蛍光分子を使用してグルコース濃度を定量化するべく、蛍光検出も使用され得る。乳酸塩、ホルモンなどの他の検体を、類似の化学的及び/又は光学的方法で定量化することができる。
【0040】
センサ電子機器:1つ以上のセンサへの有線接続を有するか又は有するように構成され、センサ動作のための電力を提供する、並びに/又は、1つ以上のセンサからの出力信号を受信して処理する、及び/若しくは記憶する、及び/若しくは別のデバイスに送信する、アナログ及び/又はデジタル回路。検体センサの場合、センサ電子機器は、ポテンショスタットと、スイッチ、バッファ、フィルタなどの他のセンサ電流取得回路と、A/D変換器と、センサ電流の大きさを示すデジタルデータを記憶するためのメモリと、を含み得る。
【0041】
一次センサ情報送信機:センサ電子機器への有線接続を有するか又は有するように構成される通信デバイスであって、センサ電子機器への有線接続を有するか又は有するように構成される1つ以上のセンサから出力された信号によって生成されるか又は同信号から導出されるセンサ情報をワイヤレス送信を使用して送信するように構成及び配備される、通信デバイス。
【0042】
センサ電子機器モジュール:センサ電子機器と、1つ以上の一次センサ情報送信機と、それらの間の1つ以上の有線接続との組み合わせ。センサ電子機器モジュールの構成要素は、必ずではないが一般に、ホストの体又は衣服に固定するための特徴を有する筐体又は他の装着構造体に封入される、結合される、又はそれ以外で機械的に関連付けられる。
【0043】
一次センサ情報受信機:一次センサ情報送信機からワイヤレス受信を使用してセンサ情報を受信するように構成及び配備される通信デバイス。
【0044】
二次センサ情報送信機:一次センサ情報送信機によって先に送信されたセンサ情報をワイヤレス送信を使用して送信するように構成及び配備される通信デバイス。二次センサ情報送信機はまた、それが有線接続されていてよい1つ以上のセンサから出力された信号によって生成されるか又は同信号から導出されるセンサ情報のための、一次センサ情報送信機でもあり得る(そして逆も成り立つ)。
【0045】
二次センサ情報受信機:二次センサ情報送信機からセンサ情報をワイヤレス受信を使用して受信するように構成及び配備される通信デバイス。二次センサ情報受信機はまた、二次センサ情報送信機及び一次センサ情報送信機の両方と通信するように構成及び配備される場合、一次センサ情報受信機でもあり得る(そして逆も成り立つ)。
【0046】
リレーモジュール:1つ以上の一次センサ情報受信機と、1つ以上の二次センサ情報送信機と、それらの間の1つ以上の有線接続のセットとの組み合わせ。センサ電子機器モジュールと同様に、リレーモジュールは、必ずではないが一般に、ホストの体又は衣服に固定するための特徴を有する筐体又は他の装着構造に封入される、結合される、又はそれ以外で機械的に関連付けられる。
【0047】
送電機:別のデバイスによるエネルギーハーベスティングに適したワイヤレス信号を送信するように構成及び配備される装置。信号は更に、一次及び二次センサ情報送信機も送電機となり得るように、電力伝送機構に加えてデータ伝送機構として機能してもよく、又はしなくてもよい。
【0048】
受電機:受け取られた電界及び/又は磁界のエネルギーのうちの少なくとも一部を、キャパシタ及び/又は充電式バッテリなどのエネルギー貯蔵デバイスに導くように構成及び配備される装置。受電機は、エネルギー捕捉機能を実行するために、一次センサ情報受信機又は二次センサ情報受信機の全部又は一部を利用することができる。
【0049】
ディスプレイデバイス:間に有線接続を有する、ディスプレイと1つ以上の一次センサ情報受信機及び/又は1つ以上の二次センサ情報受信機との組み合わせであって、一次センサ情報受信機及び/又は二次センサ情報受信機によって受信されたセンサ情報を表示するように構成される、組み合わせ。ディスプレイデバイスは例えば、多機能スマートフォン若しくはスマートウォッチであってもよく、又は、モニタリングシステムとともに使用するために特別に製作された専用デバイスであってもよい。
【0050】
動作可能に接続される:あるデバイス又はシステムの1つ以上の構成要素が、そのデバイス又はシステムの別の構成要素に、構成要素間の信号の送信を可能にする様式でリンクされていること。動作可能に接続されるという用語は、機械的接触(例えば有線接続)を伴う、又は機械的接触を伴わない(例えばワイヤレス接続)、信号送信又は交換のための能力を含む。
【0051】
決定すること:計算すること、演算すること、処理すること、導出すること、調査すること、取り込むこと、ルックアップすること(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造をルックアップすること)、確認すること、推定すること、検出すること、など。「決定すること」はまた、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、計算すること、導出すること、確立すること、などを含み得る。決定することはまた、パラメータ又は条件が存在する若しくは存在しないとして分類することを含み、かつ/又は、閾値を満たしている、閾値に合格している、閾値を上回っているなどを含む、予め定められた基準を満たす。
【0052】
実質的に:必ずしも完全に特定されている通りではなくいがほぼ特定されている通りであり特定されていることの実際上の効果又は目的の少なくとも大部分は維持されるようになっている。
【0053】
経皮的な:対象者の表皮下に位置し、真皮、皮下組織、及び/又は下層の筋肉組織中の場所を含むが、静脈内又は動脈内の場所を除く。
【0054】
経皮センサ:経皮的な場所にあるときに測定を行うように構成されるセンサであり、センサを経皮的な場所に設置する方法は問わない。
【0055】
非侵襲的な:表皮を貫通しない。
【0056】
非侵襲センサ:表皮を貫通することなく測定を行うことのできるセンサ。非侵襲的センサという用語には、口などの自然腔内で使用されるように構成されるセンサが含まれる。
【0057】
スマートフォン:音声及びテキストの一方又は両方並びにインターネットアクセス機能を含む通信サービスをワイヤレスにサポートする、可搬型電子デバイス。
【0058】
Bluetooth(BLE)モジュール-動作時に、Bluetooth Special Interest Group又は任意の後継規格開発団体によって採用されているBluetooth Core Specification(又はIEEE802.15.1などの派生した関連仕様)の任意のバージョンの通信に関連する相互運用性要件を満たす様式で、高周波送受信を使用して他の電子回路とワイヤレスで通信するように構成される、1つ以上の物理パッケージ内の電子回路。
【0059】
近接場通信(Near field communication、NFC)モジュール及び近接場磁気誘導(Near field magnetic induction、NFMI)モジュール:近接場高周波送受信を使用して誘導結合を使用する他の電子回路とワイヤレスで通信するように構成される、1つ以上の物理パッケージ内の電子回路。NFCは13.56MHzで動作する。NFMIは10.5MHzで動作する。
【0060】
人体通信(HBC):ホストの体の表面又は近くの送信場所から、同じくホストの体の表面又は近くの受信場所への信号通信であって、送信場所から受信場所への信号エネルギー伝搬は実質的に、ホストの体組織に侵入する及び/又はホストの体組織を貫通する電流、電界束、及び/又は磁界束によって行われる。HBCはワイヤレス送受信の一形態である。HBCは、IEEE802.15.6に記載されているいわゆるボディエリアネットワークで使用するための3つの標準化された物理層構成のうちの1つである。このIEEE規格におけるHBC物理層は、21MHzの搬送波を使用する。HBC信号は、ガルバニック、容量性、誘導性、又はハイブリッドであってもよい。
【0061】
ガルバニックHBC:ホストの体組織内の電荷移動を、ホストの体組織に形成された往路及び復路の電流経路によってHBC送信機とHBC受信機が動作可能に結合されるように調整することに主として依存するHBC。
【0062】
容量性HBC:HBC送信機とHBC受信機を動作可能に結合するために、ホストの体組織内の電界束を調整することに主に依存するHBC。
【0063】
誘導性HBC:HBC送信機とHBC受信機を動作可能に結合するために、ホストの体組織内の磁界束を調整することに主に依存するHBC。
【0064】
ハイブリッドHBC:ガルバニックHBCと容量性HBCと誘導性HBCとの組み合わせを利用して、HBC送信機とHBC受信機を動作可能に結合するHBC。
【0065】
モバイルアプリケーション:モバイルアプリケーションは、iOS及びAndroidなどのスマートフォンのオペレーティングシステム上で実行可能なソフトウェアプログラムである。モバイルアプリケーションは一般に、片手持ち式のスマートフォン上で動作するように設計されているが、モバイルアプリケーションは、適切なオペレーティングシステムを実行している非モバイルデバイス上で実行することができる。
【0066】
サーバ:ネットワークリソースが記憶されているか又はネットワークリソースにアクセス可能なコンピュータネットワークに結合されており、記憶されているネットワークリソースの使用又は取り込みのためのクライアントアクセス要求に応答するためのソフトウェアを有して構成される、処理ハードウェア。同じ処理ハードウェア上で、サーバソフトウェアプログラムの複数の独立したインスタンスを同時に実行することができる。場合によってはこのようなインスタンスの各々がサーバを構成する。
【0067】
インターネット:TCP/IPネットワーク通信プロトコルを利用し得る、1980年代後半及び1990年代前半にわたってARPANET及びNSFNETから進化した、コンピュータ及びコンピュータネットワークの世界規模で相互接続されたシステム。
【0068】
ウェブサイト-共通のネットワークリソース識別子部分を共有する少なくともいくつかのウェブページを含むネットワークリソースの集合、例えば、共通のドメイン名を共有するがパス名が異なるURLを有するウェブページのセット。
【0069】
ウェブサーバ-例えばウェブページなどのネットワークリソースを受信する要求を含む、ブラウザによってネットワークに発行された要求に応答するための機能を含むサーバ。現状では、ブラウザ及びウェブサーバはこれらの要求及びそれらに対する応答を、IETF及びW3Cによって公表されたハイパーテキスト転送プロトコル(HyperText Transfer Protocol、HTTP)に従ってフォーマットする。いくつかの実施形態では、ウェブサーバはコンテンツサーバであってもよい。
【0070】
ワールドワイドウェブ-内部リンク構文による互いへの参照を含む、インターネットに接続されたブラウザを実行するコンピュータによって記憶されそこからアクセス可能なウェブページの集合。
【0071】
概要
本明細書に記載されるシステム及びデバイスは、人体に埋め込まれる及び/又は固着される生理学的パラメータのセンサを使用し、人体通信(HBC)を利用してセンサ情報を通信するように構成される。例えば、いくつかの図に関連して記載されるように、1つ以上のシステムが、システム内の送信機と受信機との間の信号伝搬のための主要媒体として、ホストの体組織を使用する。
【0072】
携帯型モニタリングシステムにおいて従来使用されてきた多くの通信プロトコルは、HBCには適していない。例えば、Bluetooth、Zigbee、ANTなどの遠方場プロトコルは典型的には、2ギガヘルツ(gigahertz、GHz)以上の変調搬送波を使用する。人体はこれらの周波数の電磁放射をよく吸収する。これらのプロトコルを用いた送信機から受信機への伝搬は体を通って伝搬することはなく、体から離れて又は体の周囲を伝搬するのみであり、このためこれらのプロトコルは信号送信媒体として体組織を使用するには適さないものとなる。更に、そのような比較的高い周波数での通信はかなりの電力を必要とし、大きなバッテリ消耗を生じさせ、このことが高プロファイルのアンテナの関連要件と相まって、ホストの装着具の比較的大きいサイズを余儀なくさせる。
【0073】
スマートクレジットカード、インベントリRFIDタグなどで通常使用されるNFC技術が提案され、センサ情報通信のために商業利用されている。NFCは2つのコイルをそれぞれ送信アンテナ及び受信アンテナとして使用する。データ転送のための結合機序は、13.56メガヘルツ(megahertz、MHz)の搬送波を通常使用する、送信コイルから受信コイルへの磁気誘導である。データ通信中、受信アンテナは典型的には10cm以下の空隙によって送信アンテナから分離され、この空隙を通って信号が伝搬する。したがってこの技術も、人体を信号伝搬媒体とする用途には利用されていない。
【0074】
NFMIは、商品名MiGlo(商標)で、人間の頭部を通した補聴器とオーディオイヤホンとの間のワイヤレス通信のためのHBCシステムにおいて実装されている。NFCと同様に、NFMIもコイルアンテナを磁気誘導で結合するが、周波数は約10.5MHzである。NFMIプロトコルは生理学的モニタリングシステムには使用されていない。
【0075】
以下では、様々な形態のHBCを使用する生理学的モニタリングの装置及びシステムの実施形態について説明する。生理学的モニタリングシステムにおける送信機及び受信機のための新規な物理的構成が提供される。システムの実施形態は、特定の実装に応じて、例えば約120MHz未満、いくつかの実施形態では約8MHz~約32MHz、いくつかの実施形態では約5MHz~約25MHz、及びいくつかの実施形態では約10MHz又は20MHz~21MHzの周波数で動作し得る。これらの周波数は単なる例であり、他の周波数も可能である。これらの範囲は、ホストの体組織を通る望ましい低い経路損失を有し、そのような通信中の低いエネルギー消費を可能にする。その結果、そのようなHBC構成は、より低いバッテリ出力電流、ユーザの皮膚に追従する可撓性の装身具、及び構成要素間の確実なセンサ情報通信を実現し得る。これらの特徴は、バッテリがより小さいか又はバッテリを有さない生理学的モニタリングシステム及び構成要素の構築、並びにユーザの装身具の低減された高さ及び/又はフォームファクタを可能にする。
【0076】
実施形態
本明細書に記載される多くの特定の生理学的モニタリングシステムの実施形態は、糖尿病であるホストの血糖濃度をモニタリングするためのシステムに関する。この目的のために、血糖値を持続的に検出及び/又は定量化するための、非侵襲性の、経皮的な、及び/又は埋め込み型の様々な電気化学センサが開発され、市販されている。これらのデバイスは一般に、(1)経皮グルコースセンサと、(2)ホストの皮膚に取り付けられている経皮センサに接続された又は接続可能なセンサ電子機器モジュールと、(3)ディスプレイデバイスと、を含む。センサ電子機器モジュールは、更なる処理(必要な場合)及びホストへの表示のために、生の、最小限に処理した、又は完全に処理し較正したセンサ情報を送信し得る。センサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスはワイヤレス通信プロトコルによって動作可能に接続されてもよく、Bluetoothが最も一般的である。この形態の生理学的モニタリングシステムは以下の検討のための例を提供するが、記載される装置及び動作方法はモニタリングされる任意のホストの特性に適用可能である。
【0077】
図1Aは、本開示の実施形態を実装することによって改善され得る、例示の検体センサシステムの態様を示す。
図1Bは、
図1Aの検体データをワイヤレスで通信するように構成されている検体センサシステムの概略ブロック図を示す。ここで
図1A及び
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態において、検体感知システムは、ホストの検体の濃度を示す信号を連続的又は周期的に生成するように構成された、検体センサ10を含み得る。いくつかの実施形態では、検体センサ10は持続グルコースセンサ、例えば、皮下、経皮、又は血管内デバイスを含む。
【0078】
グルコースセンサは、本明細書で使用される場合、グルコースの濃度を測定できる任意のデバイスであり得る。ホストにおけるグルコースの濃度を示すデータストリームを提供するために、グルコースセンサは、侵襲性、最小侵襲性、及び非侵襲性の検知技術(例えば蛍光モニタリング)を含む、任意の既知の方法を使用することができる。このデータストリームは典型的には生データ信号であり、この信号は、患者又は世話人(例えば、親、親族、保護者、教師、医者、看護師、又はホストの健康に関心を有する任意の他の個人)などのユーザに有用なグルコース値を提供するために使用される、較正及び/又はフィルタリングされたデータストリームに変換される。
【0079】
特定の実施形態では、検体センサ10は、米国特許第8,001,067号及び米国特許出願公開第US-2005-0027463(A1)号を参照して記載されているような、埋め込み型検体センサである。いくつかの実施形態では、検体センサ10は、米国特許出願公開第US-2006-0020187(A1)号を参照して記載されているような、体内部分と体外部分とを有する経皮検体センサである。いくつかの実施形態では、検体センサ10はホストの血管内又は体外に埋め込まれるように構成され、これは例えば、米国特許出願公開第US-2007-0027385(A1)号、同時係属中の2006年10月4日に出願された米国特許出願公開第US-2008-0119703(A1)号、2007年3月26日に出願された米国特許出願公開第US-2008-0108942(A1)号、及び2007年2月14日に出願された米国特許出願公開第US-2007-0197890(A1)号に記載されている。いくつかの実施形態では、検体センサは例えば、Sayらの米国特許第8,565,509号に記載されているような経皮センサを含む。いくつかの実施形態では、検体センサ10は、例えば、Bonnecazeらの米国特許第8,579,690号又はSayらの米国特許第8,484,046号を参照して記載されているような皮下センサを含む。いくつかの実施形態では、検体センサは例えば、Colvinらの米国特許第8,512,939号を参照して記載されているような補充可能な皮下センサを含む。検体センサ10は例えば、Schulmanらの米国特許第8,477,395号を参照して記載されているような血管内センサを含み得る。検体センサ10は例えば、Mastrototaroらの米国特許第8,424,847号を参照して記載されているような血管内センサを含み得る。この段落に記載された全ての米国特許及び刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
システムは、有線接続212で遠隔測定モジュール220に動作可能に接続されたセンサ電子機器12を含む、センサ電子機器モジュール8を更に含み得る。センサ電子機器モジュール8は、センサセッション中に少なくとも1つの検体センサ10に動作可能に接続される。特定の実施形態では、センサ電子機器12は、センサデータの処理及び較正に関連付けられた予測アルゴリズムを含み得る、検体センサデータの測定及び処理に関連付けられた電子回路を含む。センサ電子機器12は、有線接続202によって経皮検体センサ10に接続され得る。センサ電子機器12は、経皮検体センサ10と一体であっても、経皮検体センサ10に取り外し不可能に取り付けられても、経皮検体センサ10に取り外し可能に取り付けられるか又は取り付け可能であってもよい。センサ電子機器モジュールの構成要素は、センサセッション中にホストの皮膚又は衣服に取り付けられるように構成された筐体又はホルダ230に封入されるか、又は他の方法で取り付けられてもよい。
【0081】
センサ電子機器12は、検体のレベルの測定を可能にするハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含み得る。例えば、センサ電子機器12は、ポテンショスタット(図示せず)と、センサ電子機器の構成要素に電力を提供するためのバッテリ216と、信号処理に有用な他の構成要素(例えばプロセッサ、及び場合によっては、少なくともアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)変換回路を含むアナログフロントエンド(analog front end、AFE))と、データ記憶装置(例えばメモリ)と、を含み得る。
【0082】
遠隔測定モジュール220(例えば、高周波送信機又は送受信機)は、有線接続212によってセンサ電子機器12に動作可能に接続可能であり、このことによって、センサ電子機器モジュール12から、4G LTE、Wi-Fi、NFC、及び/又はBLEなどの高周波送信回路220を用いて、1つ以上のディスプレイデバイス120、140にデータを送信できるようになっている。
【0083】
センサ電子機器12は、剛性又は可撓性を有するプリント回路基板(printed circuit board、PCB)などに固着することができ、様々な形態をとることができる。例えば、センサ電子機器12は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)などの集積回路(integrated circuit、IC)、マイクロコントローラ、及び/又は他のタイプのプロセッサ204の形態を、少なくとも部分的にとることができる。いくつかの実施形態では、センサ電子機器12は信号処理アルゴリズム(プログラミング)を有して構成され、例えば、センサデータをフィルタリングする、較正する、変換する、及び/又はセンサデータに対して他のアルゴリズムを実行するように構成される。センサ検体データを処理するためのシステム及び方法の例は、本明細書並びに米国特許第7,310,544号及び同第8,931,327号、並びに米国特許出願公開第2005/0043598号、同第2007/0032706号、同第2007/0016381号、同第2008/0033254号、同第2005/0203360号、同第2005/0154271号、同第2005/0192557号、同第2006/0222566号、同第2007/0203966号、及び同第2007/0208245号により詳細に記載されており、これらの全ては、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。遠隔測定モジュール220の構成要素のうちのいくつか又は全てを、センサ電子機器12と同じPCBに固着することができ、有線接続212は、回路構成要素と、PCBの表面又は中にあって構成要素同士を接続する導電性トレースとによって形成される。
【0084】
センサ電子機器モジュール8は更に、接着を確実にするための、及び任意選択で、創傷出口部位(又はセンサ挿入部位)(図示せず)の周囲の気密封止又は水密封止を確実にするための、センサ10の挿入前、挿入中、又は挿入後に設置される、接着パッドを含み得る。適切な接着パッドは、その領域(例えば、ホストの皮膚)に合わせて伸張する、延伸する、追随する、及び/又はその領域を曝気するように選択及び設計することができる。本明細書に記載される装着ユニット/センサ電子機器モジュールの実施形態と関連付けられた耐水性、防水性、及び/又は気密封止の特性を、構成及び配置によって実現することができる。
【0085】
検体センサシステムはまた、本開示の特定の態様に係る1つ以上のディスプレイデバイス120及び140も含み得る。ディスプレイデバイス120、140は、高周波受信機242を含む遠隔測定モジュールと、ディスプレイ122、142と、プロセッサ又はコントローラ244と、バッテリ246と、を含み得る。有線接続248、249はプロセッサ244とディスプレイ122、142と一次受信機242とを接続し、これらの全てが共通の筐体250内に含まれ得る。センサ電子機器モジュール8は、1つ以上のディスプレイデバイス120、140とワイヤレス通信を行うことができる。
【0086】
ディスプレイデバイス120、140のうちの1つ以上を、1つ以上の他のデバイス、例えばその他のディスプレイデバイス120、140のうちの1つ以上にデータを送信するように更に構成することができ、このデータは場合によっては生の、又は代替として処理された、検体データ又は他のセンサ情報であり得る。
【0087】
ディスプレイデバイス120、140は、(例えば、適切なディスプレイデバイスに送信される一連のデータパッケージ内の)センサ電子機器モジュール8によって送信されるデータから少なくとも部分的に導出されるセンサ情報を表示(及び/又は警告)するように構成される。したがって、そのように構成されたディスプレイデバイス120、140の各々はまた、センサ情報、検体データ、及び/又は他のデータ若しくはアラームをユーザに表示するための、並びに/あるいはユーザから入力を受信するための、タッチスクリーンディスプレイ122、142などの、対応するディスプレイも含み得る。例えば、そのような目的のために、ユーザにグラフィカルユーザインターフェースを提示することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、センサ情報をディスプレイデバイスのユーザに通信する及び/又はユーザ入力を受信するために、タッチスクリーンディスプレイの代わりに又はそれに加えて、音声ユーザインターフェースなどの他のタイプのユーザインターフェースを含み得る。
【0088】
図1A及び
図1Bのシステムは、センサ電子機器モジュール8から1つ以上のディスプレイデバイス120、140にセンサ情報を転送するために、Bluetoothなどの高周波送信及び受信110、112を使用する。これらの回路は動作するためにかなりの電力を必要とする可能性があり、したがって比較的大きなバッテリ216が必要となり得る。
【0089】
図2Aは、いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムに関連する電気経路及び/又は電磁経路を示す。
図2Bもまた、いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムに関連する電気経路及び/又は電磁経路を示す。本明細書で記載されるいくつかの実施形態では、
図2A及び
図2Bに概念的に示されているように、
図1A及び
図1Bの実施形態よりも必要とし得る電力がはるかに少ない構成要素間の通信のいくつかの部分に関して、異なるワイヤレス通信方法が使用され得る。これらの実施形態では、検体センサシステムは、ホストの組織に密に近接して配設された第1の絶縁送信電極313と、第1の絶縁コンタクト313と比較して予め定められた距離だけホストの組織からずらされた第2の絶縁送信電極314とを有する、送信機312を含む。検体センサシステムは、ホストの組織に押し付けるように配設された第1の絶縁受信電極306と、第1の受信電極306と比較して予め定められた距離だけホストの組織からずらされた第2の絶縁受信電極307とを有する、受信機305を更に含む。
【0090】
図2A及び
図2Bに示すように、検体センサシステムは人体通信(HBC)技術を利用するが、その理由は、ホストの組織が送信機312と受信機305との間のワイヤレス信号用の主伝送媒体を形成するからであり、このときワイヤレス信号が通過する特定の経路は、送信機312、受信機305の電極の、ホストの組織の、及び局所外部環境の他の容量に関する様相の、特定の構成に依存する。
図2Aに示すように、容量結合構成は、送信機312の第1の絶縁電極313と受信機305の第1の絶縁電極306との間の組織を通る経路330と、送信機312の送信電極314と受信機305の受信電極307との間のホストにとって局所的な外部環境、例えば地面320などとより強く結合される第2の経路340とを含む、ワイヤレス信号用の送信経路を確立する。
図3Aにおいて送信電極314から受信電極307へと延びる線状の矢印は、容量結合に関連付けられた静電電位によって生成され、送信機312と受信機305との間の局所的な外部環境と、それらの間の共通の外部接地とを通過する、例示の電界線を示す。これに応じて、送信機312(例えば一次送信機)及び受信機305のそれぞれの第1の絶縁コンタクト313及び306は信号電極として機能し、一方で、一次送信機312及び受信機305のそれぞれの第2の絶縁コンタクト314及び307は接地電極として機能する。
【0091】
いくつかの実施形態では、受信機305は代替として、第1及び第2の受信電極306、307を、送信機312によって生成されホストの組織を通して伝搬される静電電位信号の影響下で、その端子にわたって好適な電位を生成するように構成される、絶縁された高Q磁気アンテナ又はピックアップコイルで置き換えることができる。これらの実施形態では、第1及び第2の受信電極306、307の代わりに絶縁された高Q磁気ピックアップコイルを使用することにより、受信機305によって受信される信号の信号対雑音比を大きくすることができ、低信号レベルに関連する潜在的な問題が軽減される。これらの実施形態は、受信機305が送信機312と比較して同じ腕の更に上に若しくは反対の腕に配設されるとき、又は受信機305が送信機312から更に離れてホストの腹部上に配設されるときでさえ、ホスト及び/又は絶縁された高Q磁気ピックアップコイルの物理的寸法に応じて、HBC信号の適切な感知及び/又はピックアップを可能にし得る。
【0092】
送信機312と受信機305との間の達成可能な通信範囲及びデータレートは様々であり得、動作周波数、データシンボルレート、変調タイプ、ホストの生理学的要因、送信機312の送信電力に対する制限、及び局所的な外部環境の環境容量要因に依存し得る。これに応じて、そのような容量結合はより高いデータレートに好適であり得るが、すぐ近くの環境内の容量結合可能なデバイス又は物体に高い感度を有し得る。一般に、そのような通信のための例示の周波数範囲は約120MHz以下、いくつかの実施形態では約8MHz~約32MHz、いくつかの実施形態では約5MHz~約25MHz、及びいくつかの実施形態では、約20MHz~約21MHzであり得る。
【0093】
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、HBC検体センサシステムの概略ブロック図を示す。
図3Bは、
図3Aのアーキテクチャを実装するいくつかの実施形態に係る、センサ電子機器モジュールに関する構成要素及び接続レイアウトの例を示す。
図3Cは、いくつかの実施形態に係る、ホストの組織を通して検体データをワイヤレスで通信するように構成されているセンサ電子機器モジュールの上面図を示す。
図3D~
図3Hはそれぞれ、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを各々備える、第1~第5の検体センサシステムを示す。ここで、HBC通信のために構成された検体感知システムの特定の実施態様について、
図3A~
図3Hに関連してより詳細に説明する。
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、HBC通信を使用して組織を通してセンサ情報をディスプレイデバイス120’、140’にワイヤレスで通信するように構成された、センサ電子機器モジュール8’の一例を示す。
【0094】
図3Aに示されるように、センサ電子機器モジュール8’は、
図1Bに示されるものと同様の有線接続202を用いて、検体センサ10に動作可能に結合される。ただし
図3Aでは、センサ電子機器モジュール8’とディスプレイデバイス120’、140’との間のワイヤレス通信のための通信チャネル110’、112’は、
図2A及び
図2Bを参照して上記した原理に従って構成され得るHBC通信チャネルである。
図1Bのシステムと同様に、いくつかの実施形態では、バッテリ(1)216’は、1回のセンサセッション後にセンサ電子機器モジュール8’の残りとともに使い捨て可能であって、新しいセンサ10で更に使用するべく再充電されるように意図されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、バッテリ(2)246’は、ディスプレイデバイス120’、140’が多くのセンサセッションに対して再利用可能となるように、再充電可能であり得る。いくつかの実施形態では、バッテリ(1)216’は、センサ電子機器モジュール8’が1つ以上の新しい交換可能センサ10とともに再利用可能となるように、再充電可能であってもよい(例えば、有線又はワイヤレス充電のために充電デバイスに周期的に接続される)。
【0095】
図3Bは、
図3Aのセンサ電子機器モジュール8’の構成要素レイアウトの1つの可能な実施形態を示す。
図3Bにおいて、センサ電子機器モジュール8’はセンサ10に動作可能に結合されているものとして示されており、センサ10はPCB480の開口406を通して配設されてもよく、ホスト内の検体(例えばグルコース)の検出レベルに比例する電気信号を提供する。コンタクト及び電気トレース202は、センサ10から、
図1Bに関連して先に記載したようなプロセッサ204に部分的に類似したプロセッサ、マイクロコントローラ、ASICなど204’への、アナログ信号用の有線接続を提供するように構成され、この204’は、センサ10からのアナログ信号を、HBCを介してホストの組織を通る、第1及び第2の送信電極313、314を介したディスプレイデバイス120’、140’への送信に適した信号へと変換するのに必要な電子機器を含み得る。信号は、可撓性PCB480の表面又は中に配設された対応する電気トレース450を介して、第1及び第2の送信電極313、314に提供され得る。
【0096】
センサ電子機器モジュール8’はバッテリ216’を更に含み得る。バッテリ216’は任意の好適なタイプのバッテリ(例えばコインバッテリ)であり得るが、いくつかの実施形態では、バッテリ216’は、PCB480上にプリントされる更に小型で低プロファイルのバッテリを含み得る。他の実施形態では、バッテリ216’は、実質的に平坦な上側表面及び/又は下側表面を有してもよく、開口406及びPCB480上に配設された電子機器の少なくとも大部分を覆ってPCB480の上側表面に取り付けられてもよく、以ってその上の物理的カバーとしても機能する。
【0097】
それぞれの第1及び第2のバッテリトレース488はまた、PCB480上に配設されてもよく、バッテリ216’から、バッテリ電力を必要とするセンサ電子機器モジュール8’のありとあらゆる電気構成要素に、直接的又は間接的に電力を提供するように構成される。
【0098】
第1の送信電極313は、センサ電子機器204’の第1の側で、PCB480の中及び/又は表面に配設されるものとして示されており、第2の送信電極314は、センサ電子機器204’の第2の側で、PCB480の中及び/又は表面に配設されるものとして示されている。いくつかの実施形態では、この第2の側は、第1の側と比較して、センサ電子機器204’に関して反対方向に配設され得る。いくつかの実施形態では、PCB480の底面は、少なくとも第1及び第2の送信電極313、314が中又は表面に配設される部分の上に配設される、接着層を含み得る。そのような接着層は、センサ電子機器モジュール8’をホストの皮膚又は衣服に取り付けることを可能にするように構成され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1の送信電極313が中又は表面に配設されるPCB480の第1の部分は、第1の送信電極313とホストの組織との間に第1の所望のオフセット又は絶縁間隔を提供するように構成された第1の所定の厚さを有するように製造されてもよく、以って第1の送信電極313とホストの組織との間に第1の量の容量結合がもたらされる。第2の送信電極314が中又は表面に配設されるPCB480の第2の部分は、第2の送信電極とホストの組織との間に第2の所望のオフセット又は絶縁間隔を提供するように構成された第2の所定の厚さを有してもよく、以って第2の送信電極314とホストの組織との間に第2の量の容量結合がもたらされる。他の実施形態では、第2の送信電極314の上又は下の第2の予め定められた厚さは、第1の送信電極313の上又は下の第1の予め定められた厚さよりも大きく、
図2A及び
図2Bに示されるように、第2の送信電極314とホストの組織との間に、第1の送信電極313とホストの組織との間に存在するよりも大きい所望の間隙を提供する。
【0100】
全ての回路を接着剤付きのPCB480の単一層上に配置することによって、特に市販の薄型可撓性バッテリ216’(例えば、より大きいコインセルバッテリと対照的な、ほぼ小さいガーゼパッドのサイズのプリントされたバッテリ)が利用されるとき、いくつかの他の設計と比較して、センサ電子機器モジュール8’のコスト及び厚さが低減される。接着剤と接触するPCB480のエリアは、例えば21MHzのIEEE802.15.6のHBCプロトコル又は類似のものを介して適切に構成された受信機に信号を伝搬するための、誘電体又は絶縁結合機構を形成する。
【0101】
この実施形態の動作において、センサ10は、ホスト内で検出された検体(例えばグルコース)のレベルを示すアナログ電気信号を生成する。このアナログ電気信号はセンサ10からセンサ電子機器へと提供され、センサ電子機器は、容量結合ベースのHBCプロトコルを利用して、アナログ信号を、ホストの組織を通した通信に適したデジタル信号に変換する。このデジタル信号は搬送波信号を変調するために使用され、次いで、先に記載したようにホストの皮膚及び/又は組織上に配設されている、第1及び第2の送信電極313、314にわたって適用される。受信機305(ディスプレイデバイス120’、140’など)の第1及び第2の受信電極306、307(例えば、
図2A、
図2Bを参照)もセンサ電子機器モジュール8’とは異なる場所でホストの皮膚及び/又は組織上に適切に配設されると、第1及び第2の電極313、314にわたる変調搬送波信号の提供によって、直接経路330及び戻り経路340(例えば
図2Aを参照)を介したHBC及び信号伝搬が引き起こされる。
【0102】
ホストの組織を通るHBC送信は、BLE及びWi-Fiなどの他のワイヤレスプロトコルと比較して実質的により低い周波数で動作し、ホストの組織を通り通過中に実質的に減衰することなく容易に伝搬するので、並びにまた、センサ電子機器で信号の処理、較正、及び/又は記憶を行う必要がほとんど又は全くなく、代わりにそれらを1つ以上の受信機(例えば受信機305)で行うことができるので、センサ電子機器モジュール8’の製造は、必要なハードウェア構成要素がより少なく、それら必要な構成要素を、軽減された処理及び/又は記憶要件に起因してより低いコストで選択できるという点で、より安価となり得る。更に、HBCを利用した処理の軽減及びワイヤレス送信の効率の向上はまた、バッテリ216’からの電力及び/又は電流の引き込みの低減ももたらし、このことによって、バッテリ216’をより小さくより安価にすること、並びに/又は、
図1Bのバッテリ216に使用できるものよりも便利な製造方法、例えば先に記載したような基板上でのバッテリのプリント及び/若しくは接着を利用することが可能になる。またこれらの要因の全てによって、通常可能であるよりも動作がより効率的かつより低プロファイルであり得るセンサ電子機器モジュールが実現される。
【0103】
図3Cは、いくつかの実施形態に係る、センサ電子機器モジュール8’の有利な物理的実装のハードウェアのいくつかの特徴の上面図である。この実施形態では、センサ電子機器モジュール8’は、可撓性を有するか、又は、例えばポリイミド若しくは任意の他の好適な可撓性絶縁材料を含む可撓性部分を有する、PCB480を含んでもよい。送信電極313、314は、
図3A及び
図3Bのセンサ電子機器モジュール8’に関連して先に記載したように、電気トレース及び/又は電子機器の両側にある対応するPCB480の可撓性部分の中及び/又は表面に配設され得る。電極313、314の間に位置する電子機器は、PCB480の可撓性又は剛性部分上に配設され得る。センサ電子機器モジュール8’のこの実施形態は、同様の様式で適用及び除去し使用後に処分することのできる、目立たない可撓性接着包帯に似ている場合がある。
【0104】
図3Cの実施態様では、検体センサ10は、実質的に又は完全に非侵襲性であってもよく、センサ電子機器モジュールをホスト上に設置してセンサセッションを開始する前に、センサ電子機器モジュールに動作可能に結合されてもよい。そのようなセンサ設計によって、センサ電子機器モジュールの適用が、現時点で一般的なやり方である経皮的センサ挿入器を必要としない、設置に関して非常にユーザフレンドリなものになる。これはバンドエイドを適用するのと同じくらい簡単であり得る。あるいは、最初にセンサ10を表面に導電コンタクトを有する基部に取り付けられる従来の方式で挿入してもよく、その上にセンサ電子機器モジュール8’が、センサ10がセンサ電子機器モジュール8’と動作可能に接続されるように設置される。
【0105】
図3Dは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第1の検体センサシステムを示す。
図3Dは、検体濃度モニタリングシステムの文脈で本明細書に記載される概念の実施態様を示す。このシステムは、センサ(図示せず)と、HBC通信を行うように構成された一次センサ情報送信機を含むセンサに動作可能に接続されたセンサ電子機器モジュール8’と、HBC通信を行うように構成された一次センサ情報受信機を含むディスプレイデバイス140’と、を備える。スマートウォッチ150はいくつかの実施形態のための例示のディスプレイデバイスであるが、その理由は、これがディスプレイ152を含み、また、時計本体の背面上に又は(
図3Dに示されているように)バンドの内側に、HBC信号受信用の電極として機能する受信電極306、307も含み得るからである。いくつかの実施形態では、電極306、307の代わりに、ディスプレイデバイス150は、ホストの組織からHBC信号を受信するための、絶縁された高Q磁気アンテナ又はピックアップコイルを含んでもよい。スマートウォッチはHBC通信を行うように構成された一次センサ情報受信機を有する有利なディスプレイデバイスであり得るが、その理由はこれが、ホストの組織との長期接触に対して設計された内部データ処理能力を有するデバイスだからである。ただし、以下の実施形態で説明するように、ディスプレイデバイス150は多種多様な異なる形態をとることができる。
【0106】
これに応じて、同じくHBCを利用してホストの組織を通して検体データを通信するように構成される検体センサシステムのいくつかの例示の実施形態について、以下で少なくとも
図3E~
図3Hに関連して記載する。
【0107】
図3Eは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第2の検体センサシステムを示す。
図3Eでは、受信機は、スマートウォッチの代わりに「スマートリング」160、160’として形成されている。リングは、検体濃度などのセンサ情報をホストに提示するために、英数字ディスプレイ162又はLEDライト162’などのより単純な表示機構を含み得る。
【0108】
図3Fは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第3の検体センサシステムを示す。
図3Fにおいて、ディスプレイデバイスは、一方側にHBCコンタクト306、307を、他方側にLEDディスプレイインジケータ172を有する、医療警告ブレスレット又はネックレス170として形成されている。
【0109】
図3Gは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第4の検体センサシステムを示す。
図3Gに示される実施形態では、ディスプレイデバイス180は、ホストによって取り上げられたときに単一点グルコースモニタに類似した様式で動作するように構成され得るが、これには指穿刺血液サンプルを必要としない。
図3Gのシステムにおいて、ディスプレイデバイス180はその外部表面上に、HBC受信電極306、307を有する。センサ電子機器モジュール8’は、その最も新しく取得されたセンサ情報を、その送信電極を用いて周期的に(例えば、5秒毎、10秒毎、15秒毎、20秒毎、又は30秒毎、など)送信するように構成され得る。上記の数は単なる例示の周期時間であり、他の時間も可能である。ユーザがディスプレイデバイス180を取り上げると、ディスプレイデバイス180の外側表面上の受信電極306、307がホストの皮膚と接触する。次いでディスプレイデバイス180は、センサ電子機器モジュール8’からの送信をリッスンするが、これはディスプレイデバイス180を取り上げてから10秒以内に発生するものとされる。送信されたセンサ情報を受信した後で、ディスプレイデバイス180は、受信されたセンサ情報又はそこから導出された情報(例えば、現在のEGVデータポイント)をディスプレイ182上に表示する。
【0110】
図3Gのディスプレイデバイス180は、様々な方法で実装され得る。図示された特定の例は、試験紙の血液サンプルを受け取りその試験紙から読み取ったグルコース値を出力することになる従来の単一点グルコースモニタとフォームファクタが類似した、専用デバイスである。別の実施形態では、USBドングルはその外側表面上にHBC電極を有することができる。USBドングルは、スマートフォン、タブレット、PC、又は他のディスプレイ/コンピューティングデバイス上のI/Oポートに差し込むことができる。USBドングルは、HBCを介して受信電極とのホストの指の接触を通して検体データ通信を受信し、それらをコンピューティングデバイスに送達することができる。ダウンロード可能なスマートフォンアプリケーションなどの適切なソフトウェアが、ドングルからドングル上に表示するためのデータを受信し得る。
【0111】
そのような実施形態は、センサ電子機器モジュール8’’とディスプレイデバイス180との間のユーザごとのペアリングを行わずに、推定検体値のオンデマンド取得を可能にし得る。ユーザごとのペアリングが必要とされない少なくとも1つの理由は、容量結合又はガルバニック結合されたHBC送信機及び受信機が、HBCを介してホストの組織を通してのみ互いに通信することができ、したがって、(容量結合されたデバイスの場合にはコンタクト若しくはピックアップコイルを通した、又はガルバニック結合されたデバイスの場合には導電コンタクトを通した)送信電極及び受信電極と皮膚/組織の直接接触を必要とするが、このこと自体がある程度のプライバシー及びセキュリティを提供するからである。
【0112】
図3Gに示すように、また先に記載したように、センサ電子機器モジュール8’’は、HBCを利用してホストの組織を通してディスプレイデバイス180と通信するように構成される。
図3Gのシステムのいくつかの実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’は、任意の好適な周波数(例えば20MHz)を利用して、ホストの組織を通してデータパケットを周期的又は連続的に変調及び送信するように構成され得る。
図3Gに関連するいくつかの実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’は、内部プロセッサを利用してグルコース値の較正、処理、及び推定を行うように、内部メモリを利用してセンサデータ及び推定検体濃度データのうちの1つ以上を記憶するように、並びにそこから導出されたデータ又は情報をHBCを介してホストの組織を通して連続的又は周期的に送信するように、構成される。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは一連の検体データ点を、場合によっては関連付けられたタイムスタンプとともに受信してもよく、この結果、CGMデバイスと類似した検体濃度データのグラフ出力の表示が可能であり得る。いくつかの実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’は、生センサデータ又は最小限に処理されたセンサデータ(例えば、A-D変換、フィルタリング)を測定し、ディスプレイデバイス180に送信することが諒解されるであろう。そのような実施形態では、ディスプレイデバイス180は、センサ電子機器モジュール8’’から受信したデータを更に処理して、推定グルコース値又はユーザが理解するのに適した何らかの他の意味のある値を提供することになる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス180は、センサ電子機器モジュール8’’によって組織50を通して通信される推定グルコース値又は他の検体データを記憶しないが、ホストが(例えば、ホストの手の中に)保持しているときに、単一の最も新しく生成された推定グルコース値を表示するように構成され得る。例えば、センサ電子機器モジュール8’’は、推定検体濃度値を含むデータパケットをホストの組織を通して連続的又は周期的に送信するように構成されてもよい。少なくとも
図2A、
図2B、及び
図3Aに関連して先に説明したように、ホストがディスプレイデバイス180を取り上げて保持することにより、組織を通してセンサ電子機器モジュール8’’とディスプレイデバイス180との間のHBC回路が完成し、ディスプレイデバイス180によって推定検体濃度値を有するデータパケットが受信され、ディスプレイ182上でホストに提示される。
【0114】
いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス180は、例えば片手持ち式の血中グルコースメータの統合プロセスを模倣するべく、センサ電子機器モジュール8’’からの次の推定グルコース値送信を復号するのを待つ間、カウントダウン又は他のアニメーションをそのディスプレイ上に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス180は、例えば確立された容量性感知技術を利用して、ホストがディスプレイデバイス180に接触した及び/又はこれを取り上げたことの感知に基づいて、低電力スリープモードから復帰するように構成され得る。
【0115】
図3Gに示されるシステムのいくつかの実施形態は、例えば家庭又は診療所内での、システム構成要素の共有を可能にするが、その理由は、全てのセンサ電子機器モジュール8’’がペアリング手順を伴わずに全てのディスプレイデバイス180と通信するように構成されてもよく、少なくともこれらの実施形態では、推定グルコース値がディスプレイデバイス180内に記憶されなくてもよいためである。
【0116】
先に記載したように、いくつかの実施形態では、BLE通信をHBC通信に置き換えることによって、センサ電子機器モジュール8’、8’’及びディスプレイデバイス150、160、170、180の両方がBLE高周波モジュールを省略又はオフにすることが可能になり、このことによって、BLEベースの送信機と比較して、ピーク電力需要及び連続電力需要が低減される。BLE高周波モジュールが省略される場合、通信性能を維持するためにホストの体からの分離が最小限であることを要求するBLEアンテナを省略することによって、装身具のより小さい最小高さも可能になる。これらの全てによって、より低い電力消費及び増加したバッテリ寿命を更に享受する、目立たず超低プロファイルで超低コストのセンサ電子機器モジュールが可能になる。
【0117】
図3Hは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第5の検体センサシステムを示す。検体センサシステムの他の例示の実施形態が
図3Hに関連して記載されている。本明細書で記載される容量結合及びガルバニック結合のHBCの実施形態の両方に適合するいくつかの実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’’は、先に記載したようにスマートウォッチなどの第1のディスプレイデバイス150にHBCを介してホストの組織を通してデータを送信するための、第1の一次送信機回路を含むことに加えて、ホストの組織を主要な伝送媒体として利用しない第2の通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、4G LTE)を利用して別のディスプレイデバイス125と通信するように構成された、第2の一次送信機回路(図示せず)も含み得る。第2のより高出力の一次送信機回路は、例えばディスプレイデバイス150からセンサ電子機器モジュール8’’’に戻るHBC ACKメッセージが存在しないことによって決定されるような、第1のディスプレイデバイス150がセンサ電子機器モジュール8’’’から組織を通してHBC信号を受信していない場合にのみ使用されてもよい。
【0118】
いくつかのそのような実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’’は、センサ電子機器モジュール8’’’と第1のディスプレイデバイス150との間の通電したHBCリンクが維持される限り、第2の一次送信機回路を出力低下又は低電力スリープの状態に維持するように構成される。ただしそのような実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’’は、ディスプレイデバイス150がセンサ電子機器モジュール8’’’から組織を通してHBC信号を受信していないと決定するように構成されてもよい。センサ電子機器モジュール8’’’は、そのような決定に基づいて、第2のワイヤレス通信モジュールをオンにし、その出力を上げ、又は低電力スリープモードから抜けさせて、第2の通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、4G LTE)を利用して、1つ以上の検体データ信号(例えば、アナログの、生のデジタルの、一部若しくは全部を処理された検体データ、推定グルコース値、又は警告)を、別のディスプレイデバイス125に通信するように構成されてもよい。このようにして、他のより電力集約的な及び/又はより高い周波数のワイヤレス通信プロトコルに対する、HBCを利用することの利点のうちの多くが実現され得ると同時に、そのようなHBCプロトコルが機能しないかさもなければ利用できない又は不適切である場合に検体データを通信するための、代替経路も提供される。
【0119】
同様の技術が水泳又は入浴の特定の状況において使用され得る。水泳及び/又は水中に沈められていることは、検体センサシステムのユーザに固有の課題をもたらし得る。水泳中、ホストのセンサ電子機器モジュール8’’は、少なくともある程度の時間必然的に水没する。BLE及びWi-Fiなどの通信プロトコルを利用する送信機及び受信機を使用する検体モニタリングシステムは、2.4GHzの高周波が水中をそれほど伝播しないので、水中で通信することができない。その結果、当該患者の受信機140、120(
図1A及び
図1B)を定期的に調べるために、小児患者の親は当該患者を水泳プールから出させなければならず、成人患者はプールから出なければならない。このことは反復的な指穿刺の使用ほど不便ではないものの、それでもこのような要件は、そのような検体センサシステムのユーザにかなりの負担を与え得る。
【0120】
対照的に、ホストの組織を例えば約20MHz~約21MHz、又はより低い周波数がより望ましい場合には約10MHzで通過するHBCは、ホスト又はホストの世話人が容易に見ることのできる身体の場所まで、水中にあるホストの体組織を通って到達することができる。
【0121】
これに応じて、いくつかの実施形態では、センサ電子機器モジュール8’’’及びディスプレイデバイス150は、実質的に防水性であり得る。ディスプレイデバイス150は、少なくとも1つの発光源(例えば発光ダイオード(light emitting diode、LED))を含んでもよく、センサ電子機器モジュールからHBCを介してホストの組織50を通して受信された推定検体濃度値を示す複数の色のうちの1つで、LEDを発光又は点滅させるように構成されてもよい。例えば、ディスプレイデバイス150はLEDを、受信した推定検体濃度値が安全範囲外であるときに赤色光で、受信した推定検体濃度値がそのような安全範囲の端縁又は外側境界付近の予め定められた範囲内にあるときに黄色光で、及び受信した推定検体濃度値が十分にそのような安全範囲内にあるときに緑色光で、発光又は点滅させるように構成され得る。ディスプレイデバイス150は、推定検体濃度値の異なるレベルを示す任意のパターン及び/又は色の光でLEDを発光させるように構成され得ることが諒解されよう。このようにして、ホスト、ホスト自身、又はホストの介護人のいずれかが、水中にある間に又は水の外のある距離からディスプレイデバイス150上のLEDを見て、ホストの推定検体濃度値が十分に安全範囲内にあるのか、安全範囲の端縁に近づいているのか、それとも安全範囲外にあるのかを、一目で決定することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは更に、又は代替として、ディスプレイLEDに、センサ電子機器モジュール8’’’とディスプレイデバイス150との間のHBC通信セッションがもはや存続していないかどうか、及びいつから存続していないかを示すための、固有のパターン及び/又は色の光を放射させ、以ってそのような状態の同様の通知をホスト又はホストの介護者に提供させるように構成される。ディスプレイデバイス150が防水性であり得るリストバンド及び/又はスマートウォッチとして示されているが、本開示はそのように限定されず、ディスプレイデバイス150は、任意の好適なウェアラブルデバイスであり得るか、又は衣類に組み込まれ得る、例えばスイムキャップに組み込まれ得る。
【0122】
図4Aは、いくつかの実施形態に係る、人体通信のために利用され得る絶縁送信電極の複数の異なる構成の表である。
図4Bは、送信機電極が
図4Aの表にまとめられた構成を有するときの、人体通信受信機における受信信号の相対強度を示すグラフである。驚くべきことに、組織への容量結合がより大きい送信電極313が、組織への容量結合がより小さい送信電極314よりも大きい表面積を有する場合、受信信号強度が改善されることが見出された。このことが
図4A及び
図4Bに示されている。
図4Aは、適用される搬送波周波数、送信電極313及び314の各々の電極面積、並びに電極313と314との間の距離によって変わる、送信電極及びドライバ回路の18個の異なる構成を示す。
図4Bは、
図4Aの表にある様々な構成を用いて得られた信号強度の結果を示す。
【0123】
構成3(黒色の円)の結果を構成15(赤色の円)と比較すると、他の全てのパラメータが等しい場合、電極313が大きいほど及び電極314が小さいほど、その他の場合よりも良好な性能を有することが分かる。したがって、両方の電極間の所与の総電極面積に対して、電極313により大きい面積を割り当てることが有利である。
【0124】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る、別のHBC検体センサシステムの概略ブロック図である。
図5B~
図5Bはそれぞれ、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール、ディスプレイデバイス、及び他の構成要素を各々備える、第6~第9の検体センサシステムを示す。いくつかの実施形態では、
図5A~
図5Dに示すように、一次センサ情報受信機として機能するリレーモジュール9を利用することができる。一次センサ情報受信機は、二次センサ情報送信機として機能するように、例えば主たる伝送媒体としてホストの組織を利用しない、HBCとは異なる第2の通信プロトコル、例えば、BLE、Wi-Fi、4G LTE、又は任意の他の類似の好適なワイヤレス通信プロトコルを利用して通信するように構成された、1つ以上のワイヤレス通信モジュール及び/又は送受信機を含み得る。これらの実施形態では、一次センサ情報受信機9は、第1のHBCチャネル及び/又は通信セッションを介してセンサ電子機器モジュール8’からセンサ情報を受信することができ、また、第2の通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、4G LTE)を利用してリレーモジュール9と別の周辺デバイス120、140との間の第2のチャネル上に通信ブリッジを提供して、センサ情報を周辺デバイス120、140に周期的にリレーすることができる。いくつかのそのような実施形態では、センサ電子機器モジュール8’からリレーモジュール9に送信されるセンサ情報の較正及び/又は処理の一部又は全部は、リレーモジュール9によって、元の及び/又は処理された形態のセンサ情報をディスプレイデバイス120にリレーする前に実行することができる。他の実施形態では、代わりに、リレーモジュール9に送信されるセンサ情報の較正及び/又は処理の一部又は全部をディスプレイデバイス120によって実行することができ、一方で、リレーモジュール9は、一次送信機312からHBCを介して第1の通信チャネル上で受信された元のセンサ情報を、第2の通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、4G LTE、又は任意の他のセルラー通信プロトコル)を介して、ディスプレイデバイス120、140に単にリレーするように構成される。
【0125】
図5A~
図5Eに示される実施形態では、少なくとも1つのリレーモジュール9は、本明細書で定めたそれぞれの定義に従って、一次センサ情報受信機として機能し、また二次センサ情報送信機としても機能する。これに応じて、
図5B、
図5C、
図5D、及び
図5Eに示されるディスプレイデバイス120は、本明細書で定めた定義に従って、検体データの二次センサ情報受信機として機能するように構成される。
【0126】
図5Bでは、リレーモジュール9としてリストバンドが使用されている。
図5Cでは、リレーモジュール9及びディスプレイデバイス140’の両方として、スマートウォッチが使用されている。
【0127】
図5Dでは、リレーデバイス9とディスプレイデバイス127は別個のデバイスであるが接続可能であり、リレーデバイス9を構成するリストバンドに受信電極が含まれている。リストバンドにはディスプレイデバイス127を取り付けることができる。リストバンドは、センサ電子機器モジュール8’からセンサ情報を受信するためにHBCを使用することができ、そのセンサ情報をBLEなどの異なるワイヤレス通信プロトコルによってディスプレイ構成要素に送信することができる。リストバンドは、スマートウォッチに関する従来の方法でディスプレイ構成要素が充電されるのと同時にリストバンドをワイヤレスで充電するための、充電コイルを含み得る。いくつかのスマートウォッチによって提供される他の生体信号モニタリングの目的でディスプレイデバイスの底部に装着されたコンタクト134(図示せず)が、充電コイルを包含するリストバンドの中央を通してユーザの皮膚に接触することが可能になるように、ディスプレイ構成要素用の装着ハードウェアに開口部130が設けられてもよい。
図5Eは、手首装着型ディスプレイデバイスが別のディスプレイデバイス125へのリレーデバイス9として機能することを除いて、
図5Dと同様である。
【0128】
図6Aは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを備える、第10の検体センサシステムを示す。
図6B~
図6Fはそれぞれ、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサ電子機器モジュール及びディスプレイデバイスを各々備える、第11~第15の検体センサシステムを示す。HBCを使用してホストの組織を通して通信し、ホストの組織を通してワイヤレスで通信される電力を回収するように構成された検体センサシステムの更に別の例示の実施形態について、以下で
図6A~
図6Cに関連して記載する。
【0129】
いくつかの実施形態では、オンボードのバッテリを利用する代わりに、検体センサシステムの一次センサ情報送信機及び一次センサ情報受信機のうちの1つ以上は、代わりに、エネルギーを貯蔵するためのコンデンサを含むことができる。コンデンサに蓄積されるエネルギーは、検体センサシステムの別のデバイスによってホストの組織を通してワイヤレスで送信される信号から回収することができる。その場合、検体センサシステムのそのようなエネルギーハーベスティング構成要素は、充電されたコンデンサによって電力供給され得る。オンボードの化学貯蔵バッテリセルが存在しないことにより、そのような検体センサシステムはより安価で、より低プロファイルで、より環境に優しいものとなる。人体組織は、GHz範囲で放射されるエネルギーを実質的に遮断するが、人体組織はMHz範囲で放射されるエネルギーの良好な導体である。したがって、ホストの組織を通して一次センサ情報送信機と一次センサ情報受信機との間で、電力伝送を除きHBCプロトコルと同様の又は同じ周波数で放射されるRFエネルギーは、ホストの組織を通過して一次送信機と一次受信機との間の1メートル~2メートルの距離を容易に伝搬し、更に、ホストの体から目立って放射されることはない。
【0130】
図6Aに示されている実施形態などのいくつかの実施形態では、検体センサシステムは、センサ電子機器モジュール17によって回収可能なHBC信号エネルギーのための電源として機能する、バッテリを包含するリストバンド290を含む。この実施形態では、使い捨てセンサ電子機器モジュール17はバッテリを必要とせず、このことが
図6Aにおいてバッテリ1(
図5Aで216’と指定されている)の上のXで示されている。代わりに、リストバンド内のバッテリ、バッテリ2(
図5Aにおいて246’’と指定され、再充電可能であってもなくてもよい)が、センサ電子機器モジュール17に電力を間接的に供給する。センサ電子機器モジュール17は、ディスプレイデバイス125にセンサ情報を送信するための、一次BLE送信機を含み得る。
図6Bにおいて、リストバンドは、電源として機能する時計バンド293として構成されている。スマートウォッチ本体129は、この例では、センサ電子機器モジュール17からのセンサ情報をセンサ電子機器モジュールからBLE通信を介して受信する、ディスプレイデバイスとして機能し得る。
図6(C)において、リストバンド287は、電源及びリレーモジュールの両方として機能する。
図6Dにおいて、時計バンド295は、電源及びリレーモジュールの両方として機能する。
図6Eにおいて、リストバンド271はスマートフォン125から電力を受け取り、したがってバッテリを必要としない。この実施形態では、リストバンド271は、送電部、受電部、及びリレーモジュールとして機能する。
図6Fにおいて、時計バンド297は、時計本体309から電力を受け取り、したがってやはりバッテリを必要としない。HBC送電機は
図6A~
図6Fではウェアラブルリストバンドに組み込まれているものとして示されているが、本開示は、そのような送電機がキーフォブ又はペンダントを含むがこれらに限定されない任意の適切なデバイスに組み込まれることを企図している。
【0131】
図7Aは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサユニット及びディスプレイデバイスと、更に注入ポンプとを備える、第16の検体センサシステムを示す。
図7Bは、いくつかの実施形態に係る、人体通信を行うように構成されているセンサユニット及びディスプレイデバイスと、更に注入ポンプとを備える、第17の検体センサシステムを示す。
図7A及び
図7Bは、感知能力だけでなく治療能力も含むシステムに上記した原理を適用する実施形態を示す。一般的な例は、同時に使用されるグルコースセンサ及びインスリン注入ポンプである。
図7Aのシステムにおいて、リストバンド403は、センサ電子機器モジュール19及び注入ポンプ402の両方に、HBCを使用して電力を供給する。リストバンド403は、センサ電子機器モジュール19からHBCを介して受信されたセンサ情報のための、ディスプレイデバイス125へのリレーモジュールとして機能し得る。リストバンド403はまた、注入ポンプ402から注入ポンプ状態情報を受信してもよい。リストバンド403は更に、センサ電子機器モジュール19から受信されたセンサ情報を処理し、その情報を使用して注入ポンプ402の動作をインテリジェントに制御するための処理能力を含んでもよい。
【0132】
図7Bの実施形態は
図7Aの実施形態と同様に機能し得るが、
図7Bの実施形態では、リストバンドは、リレーモジュール及び電源にディスプレイデバイスを追加したものとして実装される。
【0133】
本開示に関する一般的な解釈指針
添付の図面を参照して、この新規なシステム、装置、及び方法の様々な態様について、以下でより十分に説明する。ただし本教示の開示は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本開示の全体にわたって提示される何らかの特定の構造又は機能に限定されるものとして解釈されるべきではない。そうではなくこれらの態様は、本開示が周到かつ完全となり本開示の範囲を当業者に十分に伝えるものとなるように提供されている。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本開示の任意の他の態様から独立して実施されるかそれともそれらと組み合わせて実施されるかにかかわらず、本開示の範囲が、本明細書に開示されている新規なシステム、装置、及び方法の、あらゆる態様を包含するように意図されていることを諒解すべきである。例えば、本明細書に提示される態様のうちの任意の1つ以上を使用して、システム若しくは装置が実装されてもよく、又は方法が実行されてもよい。更に、本開示の範囲は、本明細書に提示される本開示の様々な態様に加えて又はそれら以外に、他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施されるようなシステム、装置、又は方法を包含するように意図されている。本明細書で開示される任意の態様が、ある請求項の1つ以上の要素において提示され得ることが理解されるべきである。好ましい態様のいくつかの利益及び利点が述べられるが、本開示の範囲は特定の利益、使用、又は目的に限定されることを意図していない。詳細な説明及び図面は、付属の特許請求の範囲及びその等価物によって規定される本開示の範囲を限定するものではなく、単に本開示を例示するものであるに過ぎない。
【0134】
本明細書における用語の複数と単数の使用に関して、当業者は文脈及び/又は用途に適宜応じて、複数から単数へと、及び/又は単数から複数へと読み替えることができる。明確にするために、本明細書では様々な単数/複数の置換を明示的に記載する場合がある。
【0135】
本明細書に記載される物又は行為の特徴又は特性の絶対値を記載する場合、「実質的な」、「実質的に」、「本質的に」、「ほぼ」という用語、及び/又は程度に関する他の用語若しくは語句は、数値範囲の具体的な列挙なしに使用され得る。本明細書に記載される物又は行為の特徴又は特性に適用される場合、これらの用語は、その特徴又は特性と関連付けられる所望の機能を提供することと矛盾しない特徴又は特性の範囲を指す。
【0136】
特徴又は特性について単一の数値が与えられる場合、それは、その与えられた数値の1つの有効数字内のその値の偏差を少なくとも包含すると解釈されることが意図されている。
【0137】
数値又は数値の範囲が本明細書に記載される物又は行為の特徴又は特性を定義するために提供される場合、その値又は範囲が程度に関する用語で修飾されているか否かにかかわらず、その特徴又は特性を測定する特定の方法もまた本明細書において定義される場合がある。本明細書において特徴又は特性を測定する特定の方法が定義されておらず、その特徴又は特性について一般的に受け入れられている異なる測定方法が存在する場合には、測定方法は、その特徴又は特性の説明及び文脈が与えられた場合に当業者によって採用される可能性の最も高い測定方法として解釈されるものとする。更に、その特性又は性質を測定するために当業者によって採用される可能性の等しく高い測定方法が2つ以上存在する場合、いずれの測定方法が選択されるかにかかわらず、その値又は値の範囲が満足されていると解釈されるものとする。
【0138】
本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の請求項のボディ)で使用される用語は、別段の具体的な指示がない限り、「オープンな」用語として意図されていることが、当業者には理解されるであろう(例えば、用語「~を含んでいる(including)」は「~を含んでいるがそれに限定されない」として解釈すべきであり、用語「~を有する(having)」は「~を少なくとも有する」として解釈すべきであり、用語「~を含む(includes)」は「~を含むがそれに限定されない」と解釈すべきである、など)。
【0139】
導入される請求項の記述で特定の数が意図される場合、そのような意図は請求項において明示的に記述されることになり、そのような記述が存在しない場合にはそのような意図が存在しないことが、当業者には更に理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の請求項は、請求項の記述を導入するための導入句「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」の使用を含む場合がある。ただし、そのような句の使用は、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」によって請求項の記述を導入することが、そのように導入された請求項の記述を含む任意の特定の請求項を、そのような記述を1つしか含まない実施形態に限定することを示唆するものと解釈されるべきではなく、このことは、導入句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」、及び不定冠詞、例えば「1つの(a)」又は「1つの(an)」が、同じ請求項に含まれる場合ですら当てはまる(例えば、「1つの(a)」及び/又は「1つの(an)」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈するべきである)。同じことが、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入される請求項の記述で特定の数が明示的に記述されている場合、そのような記述は通常、少なくとも記述された数であることを意味するものと解釈すべきであることを、当業者は認識するであろう(例えば、他の修飾語句のない「2つの記述事項」という最小限の記述は通常、少なくとも2つの記述事項、又は2つ以上の記述事項を意味する)。
【0140】
「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」に類する慣用的表現(convention)が使用される場合、そのような構成は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、Cを除くAとBの両方、Bを除くAとCの両方、Aを除くBとCの両方、Aを除くBとCの両方、並びにA、B、及びCの全部を有するシステムを含むであろう。2つ以上の択一的な用語を提示する選言的な単語及び/又は句は事実上いずれも、明細書、特許請求の範囲、又は図面を問わず、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図していると理解すべきであることを、当業者は更に理解するであろう。例えば、「A又はB」という句は、Bを除くA、Aを除くB、及びAとBの両方を含むものと理解されることになる。
【0141】
本開示に記載されている実施態様に対する様々な修正は当業者には容易に明らかとなり得、本明細書で定義される一般原理は本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用可能である。したがって、本開示は、本明細書に示されている実施態様に限定されることを意図しておらず、本明細書で開示されている請求項、原理、及び新規な特徴と合致する最も広い範囲を与えられることを意図している。「例示的な」という単語は、本明細書では専ら、「実例、事例、又は例示として機能する」という意味で使用される。本明細書で「例示的」であるとして記載されるいかなる実施態様も、必ずしも他の実施態様に比べて好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0142】
本明細書において別々の実施態様の文脈で記載されている特定の特徴を、単一の実施態様として組み合わせて実施することも可能である。逆に、単一の実施態様の文脈で記載されている様々な特徴を、複数の実施態様において別々に、又は任意の好適な下位組み合わせで、実施することもできる。また更に、特定の組み合わせで作用するものとして特徴が上記されている場合があり、最初にそのように特許請求されることさえあり得るが、場合によっては特許請求される組み合わせから1つ以上の特徴が削除される場合あり、その特許請求される組み合わせが下位組み合わせ又は下位組み合わせの変形に向けられる場合がある。
【0143】
本明細書で開示される方法は、記載されている方法を達成するための1つ以上のステップ又はアクションを含む。これらの方法ステップ及び/又は動作は、特許請求の範囲を逸脱することなく、互いに交換することができる。言い替えると、ステップ又は動作の特定の順番が特段指定されない限り、特定のステップ及び/又は動作の順番及び/又は使用は、特許請求の範囲を逸脱することなく、修正することができる。
【符号の説明】
【0144】
8,8’,8’’,8’’’ センサ電子機器モジュール
9 リレーモジュール
10 検体センサ
12 センサ電子機器
13 センサ電子機器モジュール
17 センサ電子機器モジュール
19 センサ電子機器モジュール
110 無線通信チャネル
110’ 人体通信(HBC)
112 無線通信チャネル
112’ HBC
120,120’ ディスプレイデバイス
122 (タッチスクリーン)ディスプレイ
125 ディスプレイデバイス
127 ディスプレイデバイス
129 スマートウォッチ本体
130 開口部
134 コンタクト
140,140’ ディスプレイデバイス
142 (タッチスクリーン)ディスプレイ
150 スマートウォッチ
152 ディスプレイ
160,160’ スマートリング
162 英数字ディスプレイ
162’ LEDライト
170 医療警告ブレスレット又はネックレス
172 LEDディスプレイインジケータ
180 ディスプレイデバイス
182 ディスプレイ
202 有線接続
204,204’ プロセッサ
212 有線接続
216,216’ バッテリ1
220 遠隔測定モジュール
230,230’ 筐体又はホルダ
232 高周波送信機
240 筐体
242 高周波受信機
244,244’,244’’ プロセッサ
246,246’,246’’ バッテリ2
248 有線接続
249,249’,249’’ 有線接続
250,250’ 筐体
262 バッテリ3
271 リストバンド
287 リストバンド
290 リストバンド
293 時計バンド
295 時計バンド
297 時計バンド
305 受信機
306 第1の絶縁受信電極
307 第2の絶縁受信電極
309 時計本体
312 送信機
313 第1の絶縁送信電極
314 第2の絶縁送信電極
320 地面
330 直接経路
340 戻り経路
402 注入ポンプ
403 リストバンド
405 スマートウォッチ
406 開口
450 電気トレース
480 プリント回路基板(PCB)
488 バッテリトレース
【国際調査報告】