(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】最適化された組立体を用いた再生可能エネルギープラットフォーム
(51)【国際特許分類】
B63B 35/44 20060101AFI20240227BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20240227BHJP
【FI】
B63B35/44 Z
B63B35/00 T
B63B35/00 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546015
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022056391
(87)【国際公開番号】W WO2022189657
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114529
【氏名又は名称】マリン パワー システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】フォスター グラハム デヴィッド
(57)【要約】
沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームは、水域において、再生可能エネルギー変換装置を位置決めするために設けられる。プラットフォームは、嵌合接合部において互いに隣接して配置される第1構造部材及び第2構造部材を有するフレームと、つなぎ位置においてフレームを固定し、使用中構成において、フレームを水域の底につなぐように構成される少なくとも1つの係留部材と、を備え、第1及び第2構造部材の少なくとも1つは、浮力を備え、使用中構成において、係留部材の張力は、嵌合接合部において第1及び第2構造部材が合わさるように促す且つ/或いは付勢するために浮力に反作用するように構成される。本開示は、広いサプライチェーンにおいて、1組の組立て式に作られたモジュール部品として製造されることができるプラットフォームを提供することを目的とし、これは、造船専門施設の必要性なく、非専門の屋外ヤード施設で、完成したプラットフォームに、その後、組み立てられ、配置されると最適な安定性を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水域における再生可能エネルギー変換装置を位置決めするための沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームであって、
第1構造部材及び第2構造部材を有し且つ前記第1及び第2構造部材が嵌合接合部において互いに隣接して位置決めされるフレームと、
つなぎ位置において前記フレームに固定され、使用中構成において、前記フレームを水域の底につなぐように構成される少なくとも1つの係留部材と、を備え、
前記第1及び第2構造部材の少なくとも1つは、浮力を備え、
前記使用中構成において、前記係留部材の張力が、前記嵌合接合部において、前記第1及び第2構造部材が合わさるように促すために前記浮力に反作用するように構成される、
ことを特徴とするプラットフォーム。
【請求項2】
前記使用中構成において、前記フレームの少なくとも一部が水域に沈められる、請求項1に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項3】
前記フレームは、前記嵌合接合部において前記第1及び第2構造部材を一緒に固定するように構成された一時的な又は永久的な機械的固定を更に備える、請求項1又は2に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項4】
前記固定は、前記使用中構成への前記プラットフォームの配置の前及び/又は配置中に発生するように構成される、請求項3に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項5】
前記第1構造部材は、前記フレームのベース部分を形成し、前記第2構造部材は、前記フレームの上部分を形成し、前記つなぎ位置は、前記第2構造部材上に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項6】
前記第1構造部材は、前記浮力を備える、請求項5に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項7】
前記第2構造部材は、前記浮力を備える、請求項6に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項8】
前記第1構造部材は、1又はそれ以上の第1支柱の半組立体を備える、請求項5~7のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項9】
前記1又はそれ以上の第1支柱の各々は、前記それぞれの第1支柱の各端に位置する嵌合部を備え、各々の前記嵌合部は、前記嵌合接合部を提供するように、隣接する第1支柱の対応する嵌合部に係合するように構成される、請求項8に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項10】
各々の前記第1支柱は、第1端に位置する第1嵌合部タイプと、第2端に位置する異なる第2嵌合部タイプと、を備え、前記第1嵌合部タイプは、前記第2嵌合部タイプを有する隣接する第1支柱の端部に係合するように構成される、請求項9に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項11】
前記第2構造部材は、1又はそれ以上の第2支柱を備え、前記1又はそれ以上の第2支柱の各々は、前記嵌合接合部において前記第1構造部材に係合するように構成された嵌合部を備える第1端を有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項12】
前記使用中構成における前記フレームは、4面体の形状を備え、
前記第1構造部材は、3つの前記第1支柱によって画定される3角形のベース部分を形成し、
前記第2構造部材は、各々が前記3角形のベースの嵌合接合部から延びる3つの前記第2支柱によって画定される上部分を形成する、
請求項8~11のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項13】
前記フレームは、前記3角形のベース部分に対して遠位側の一端において、前記第2支柱の各々を結合するように構成される移行部材を更に備える、請求項12に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項14】
前記移動部材は、前記再生可能エネルギー変換装置を支持するように構成される、請求項13に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記第1支柱は、前記浮力を備える、請求項8~14のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項16】
少なくとも1つの前記第2支柱は、前記浮力を備える、請求項11~15のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項17】
全ての前記第1支柱及び前記第2支柱は、前記浮力を備える、請求項11~16のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項18】
全ての前記第1支柱は、同一である、請求項8~17のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項19】
全ての前記第2支柱は、同一である、請求項11~18のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項20】
前記プラットフォームは、前記プラットフォームが自己支持及び自立するように構成されるように、別々のステップにおいて且つ各前記別々のステップ中に組み立てられるように構成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項21】
前記部品は、隣接する前記部品の相補的な嵌合部を受け入れる又はそれに係合するように構成される嵌合部を、各々備える、請求項1~20のいずれか1項に記載の沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォーム。
【請求項22】
水域において、再生可能エネルギー変換装置を位置決めするための沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームであって、
4面体のフレームを備え、前記フレームは、
3角形のベース部分であって、前記3角形のベース部分の各々の頂点において嵌合接合部を形成する3つの細長い第1支柱を備え、前記第1支柱の少なくとも1つが浮力を備える、前記3角形のベース部分と、
3つの細長い第2支柱を備える上部分であって、前記3つの細長い第2支柱の各々が第1端において、対応する前記嵌合接合部から延び且つ対応する前記嵌合接合部に係合される、前記上部分と、
前記第2支柱の各々の第2端に係合されて位置決めされ且つ前記4面体のフレームの上部先端を形成し、再生可能エネルギー変換装置を支持するように構成される移行部材と、
を有する4面体のフレームを含み
前記プラットフォームは、更に、
前記上部分及び/又は前記移行部材上に位置決めされるつなぎ位置に固定され、使用中構成において、前記フレームを前記水域の底につなぐように構成される係留部材を備え、
前記使用中構成において、前記係留部材によって提供される張力が、前記嵌合接合部において前記ベース部分及び前記上部分が合わさるように促すために前記浮力に反作用するように構成される、
ことを特徴とするプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームに関し、特に、プラットフォームの少なくとも一部及び/又は再生可能エネルギー利用装置が、水域に沈められる間、再生可能エネルギー利用装置を支持するように構成されるプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
世界が、再生可能エネルギーへと移り変わり、この移り変わりは、全てのエネルギー形態の又は再生可能なエネルギーの開発に、地球が必要とするエネルギーを地球に提供することを必要とするであろう。
【0003】
1つの可能性のある再生可能エネルギー資源は、波力であり、全世界の広大な海洋及び海で利用可能な豊富な及び安定したエネルギー資源である。もう一つは、風力であり、風速は陸と比較して海洋及び海上ではより高くより安定している。
【0004】
これらの理由により、深海において波及び/又は風力を利用する再生可能エネルギー装置を取付けるための手段を提供する沖合のプラットフォームが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラットフォームのコストは、装置によって生産されるエネルギーのコストに直接影響し、それゆえに、製造及び組立に対して費用効果のあるプラットフォームの必要性がある。
【0006】
特に、広いサプライチェーンにおいて、1組の組立式モジュール部品として製造できるプラットフォームの必要性があり、このプラットフォームは、その後、造船専門施設の必要性なく非専門の屋外ヤード施設で完成したプラットフォームにその後組み立てられ、配置されるときに安定性を妥協しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水域において、再生可能エネルギー変換装置の位置決めをするための沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームを提供し、プラットフォームは、複数の別々の組立式の部品を備え、部品は、部品の1又はそれ以上によって提供される浮力の反作用力のもとで、部品の大部分に作用する重力と水域の底にプラットフォームをつなぐ係留部材によって加えられる係留力との影響で、互いに係合して保持される。プラットフォームの別々の部品は、好ましくは、製造、組立及びメンテナンスを簡単にするために数及び種類において最小限である。部品は、好ましくは、嵌合接合部を強化するために適用される永久的な固定の前の随意的な段階的組立工程の間、重力及び/又は反作用力のみのもとで互いに部品を保持する嵌合接合部において相互作用するように、製造される。
【0008】
本発明の第1態様によれば、水域において再生可能エネルギー変換装置を位置決めするための沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームが提供され、プラットフォームは、嵌合接合部において互いに隣接して位置決めされる第1構造部材及び第2構造部材を有するフレームと、つなぎ位置にフレームを固定し且つ使用中構成において水域の底にフレームをつなぐように構成される少なくとも1つの係留部材と、を備え、少なくとも1つの第1及び第2構造部材は、浮力を備え、使用中の構成において、係留部材の張力は、嵌合接合部において第1及び第2構造部材が合わさるように促し及び/又は付勢するために浮力を打ち消すように構成される。
【0009】
嵌合接合部は、いくつかの実施形態において、反作用力の1又はそれ以上が取り除かれるとき、第1及び第2構造部材が係合解除されるようになっていてもよい。張力は、いくつかの実施形態において、プラットフォームの部品の重力の影響及び/又は再生可能エネルギー変換装置によって補われ又は取り替えられてもよい。
【0010】
好ましい実施形態において、使用中構成では、フレームの少なくとも一部が、好ましくは、水域に沈められてもよい。沈められたとき、第1構造部材及び/又は第2構造部材の浮力は、好ましくは、プラットフォームに安定性を提供し且つ嵌合接合部において第1及び第2構造部材が合わさるように促し及び/又は付勢するために、係留部材の張力に反して作用する。
【0011】
フレームは、好ましくは、嵌合接合部において第1及び第2構造部材を互いに固定するために構成される、一時的な又は永久的な機械的固定を更に備える。一時的な又は永久的な機械的固定は、嵌合接合部を強化するために適用されてもよく、使用中のプラットフォームにより長い期間の剛性及び安定性を提供してもよい。好ましい実施形態において、固定は、使用中構成に対するプラットフォームの配置の前及び/又は配置中に起こるように構成される。
【0012】
第1構造部材は、好ましくは、フレームのベース部分を形成し、第2構造部材は、フレームの上部分を形成し、つなぎ位置は、好ましくは、第2構造部材上に位置する。最も好ましい実施形態において、第1構造部材は、浮力を備える。いくつかの好ましい実施形態においては、第2構造部材もまた、又は代わりに、浮力を備えてもよい。第2構造部材状に位置するつなぎ位置を有する最も好ましい実施形態において、第1構造部材は、好ましくは、浮力を備える。したがって、浮力及び張力の反作用力は、プラットフォームが使用中構成であるとき、嵌合接合部において第1及び第2構造要素が合わさるようにより促し及び/又は付勢する。
【0013】
最も好ましい実施形態において、第1構造部材は、1又はそれ以上の第1支柱の半組立体を備える。1又はそれ以上の第1支柱の各々は、好ましくは、それぞれの第1支柱の各々の端に配置される嵌合部を備え、各々の嵌合部は、嵌合接合部を提供するように隣接した第1支柱の対応する嵌合部に係合するように構成される。
【0014】
好ましいそのような実施形態において、各々の第1支柱は、1端に配置される第1嵌合部タイプと、第2端に配置される第2の異なる嵌合部タイプと、を備え、第1嵌合部タイプは、第2嵌合部タイプを有する隣接する第1支柱の端部に係合するよう構成される。第1嵌合部タイプは、それゆえに、第2嵌合部タイプに相補的であり、各々の第1支柱の嵌合部が隣接する支柱の嵌合部の一方又は両方に重なる重複嵌合を可能にする。相補的な係合は、例えば重力のみのもとで、隣接する第1支柱を一緒に保持するように構成され、第1支柱は、互いに対して少なくとも単一平面内で固定的に保持され、重力や、支持される再生可能エネルギー変換装置の重さ及び/又は浮力に反作用する係船索の張力、又はそのいずれの組み合わせによって提供される荷重のような荷重のもとで、より固く合わさるように促され及び/又は付勢されてもよい。係合は、支柱が、単一平面に対して垂直に且つ荷重に対して反対方向に作用する揚力によって係合解除されるように構成されてもよい。単一の第1支柱上に相補的な嵌合部タイプを有するそのような実施形態では、複数の同一の第1支柱が、好ましくは、製造、組立、及びメンテナンスが簡単になるように、第1構造部材を形成してもよい。
【0015】
第2構造部材は、好ましくは、1又はそれ以上の第2支柱を備え、1又はそれ以上の第2支柱の各々は、嵌合接合部において第1構造部材に係合するように構成された嵌合部を備える第1端を有する。係合は、好ましくは、相補的である。いくつかの実施形態において、第1構造部材の第1及び第2嵌合部タイプの組み合わせ係合は、第2支柱の嵌合部に対して相補的である組み合わせ嵌合部を提供してもよく、これらの間の係合は、例えば重量のみのもとで、隣接する支柱を一緒に保持する。係合は、好ましくは、隣接する支柱が互いに対して少なくとも単一平面内で固定的に保持されるようになっていてもよく、隣接する支柱は、重力、支持される再生可能エネルギー変換装置の重さ及び/又は浮力に反作用する係船索の張力、又はそのいずれの組み合わせによって提供される荷重のような荷重のもとで、より固く合わさるように促され及び/又は付勢されてもよい。係合は、支柱が単一平面に対して垂直に且つ荷重に対して反対方向に作用する揚力によって係合解除されるように構成されているものであってもよい。
【0016】
使用中構成におけるフレームは、好ましくは、4面体の形状を備え、第1構造部材は、3つの第1支柱によって画定される3角形のベース部分を形成し、第2構造部材は、各々が3角形のベースの嵌合接合部から延びる3つの第2支柱によって画定される上部分を形成する。4面体の形状は、プラットフォームに最適な安定性を提供する。第1支柱の3角形のベースは、好ましくは、プラットフォームの浮力の安定中心が、4面体のフレームの上側の頂点の下方に位置決めされるように、第1支柱の浮力で構成され、好ましくは、使用中のプラットフォームに対して最大限の安定性与える。
【0017】
フレームは、好ましくは、第2支柱の各々を3角形のベース部分から遠い端部において結合するように構成される移行部材を更に備える。移行部材は、好ましくは、再生可能エネルギー変換装置を支持するように構成される。移行部材は、好ましくは、第2構造要素の一部として設けられ、移行部材を備える実施形態において、つなぎ位置は、好ましくは、移行部材上に位置し、それによって、好ましくは、第1及び第2構造部材が互いに保持されるように、係留部材から移行部材に下向きの張力を与え、浮力に反作用する。
【0018】
最も好ましい実施形態において、第1支柱の少なくとも1つは、浮力を備える。いくつかの実施形態において、第2支柱の少なくとも1つもまた、又は代わりに、浮力を備える。いくつかの好ましい実施形態において、全ての第1支柱及び随意的に全ての第2支柱は、浮力を備える。
【0019】
好ましい実施形態において、全ての第1支柱は、同一である。いくつかの実施形態において、全ての第2支柱は、同一である。同一の支柱の供給は、好ましくは、製造、組立及びメンテナンスを簡単にし、より少ない工具を必要とし、より少ない製造及び組立エラーを提供する。
【0020】
プラットフォームは、好ましくは、別々のステップにおいて組み立てられるように構成され、別々のステップの各々を通して、プラットフォームは、好ましくは重力のみのもとで、自己支持及び自立するように構成される。
【0021】
プラットフォームの部品は、好ましくは、各々が、隣接する部品の相補的な嵌合部を受け入れる又はこれに係合するように旺盛される嵌合部を備える。
【0022】
相補的な嵌合部の間の受け入れ又は係合は、好ましくは、互いに平面内で固定的に保持されるように、隣接する部品を一緒に保持してもよく、補完的な嵌合部は、浮力に反作用する係船索の張力によって提供される荷重のような荷重のもとで、より固く合わさるように促され且つ/又は付勢されてもよい。受け入れ又は係合は、部品が平面に対して垂直且つ荷重に対して反対の方向に作用する揚力によって係合解除されてもよいようになっていてもよい。部品は、その後、使用中構成において、永久的な固定によって互いに永久的に固定されてもよい。
【0023】
更なる実施形態によれば、沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームが、水域において再生可能エネルギー変換装置を位置決めするために提供されてもよく、プラットフォームは、4面体のフレームであって、3角形のベース部分の各々の頂点において、嵌合接合部を形成する3つの細長い第1支柱を備える3角形のベース部分と、浮力を有する少なくとも1つの第1支柱と、を有する4面体のフレームと、上部分であって、3つの細長い第2支柱を備え、3つの細長い第2支柱の各々が、対応する嵌合接合部と共に、第1端から延び且つそこに係合される、上部分と、位置決めされる移行部材であって、第2支柱の各々の第2端に係合され、4面体のフレームの上部先端を形成する移行部材と、を備え、移行部材は、再生可能エネルギー変換装置を支持するように構成され、プラットフォームは、係留部材を更に備え、係留部材は、上部分及び/又は移行部材に位置決めされたつなぎ位置に固定されるとともに、使用中構成において、フレームを水域の底につなぐように構成され、係留部材によって提供される張力は、使用中構成において、嵌合接合部においてベース部分及び上部分が合わさるように促し且つ/又は付勢するように浮力に反作用するように構成される。
【0024】
本開示の1又はそれ以上の態様又は実施形態への組み込みに対して適切であるように、本明細書で説明される任意の特徴が、開示の任意の且つ全ての態様及び実施形態にわたって一般化されるということは理解されるであろう。
【0025】
本開示の実施形態が、例示のみのために且つ添付の図面に関し、以下に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】使用中構成において配置された状態で示される第1態様によるプラットフォームの実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図1のプラットフォームのフレームの近接斜視図を示す。
【
図4】
図2及び
図3のフレーム内に設けられる別個の部品の各々の斜視図を示す。
【
図5A】
図2のフレームの組立のための段階的な組立工程を示す。
【
図5B】
図2のフレームの組立のための段階的な組立工程を示す。
【
図5C】
図2のフレームの組立のための段階的な組立工程を示す。
【
図5D】
図2のフレームの組立のための段階的な組立工程を示す。
【
図6】
図2のフレームの第1及び第2支柱の間の嵌合接合部に適用される永久的な機械的固定の近接斜視図を示す。
【
図7】
図2のフレームの第2支柱及び移行部材の間の嵌合接合部に適用される永久的な機械的固定の近接斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、第1態様による、水域14における再生可能エネルギー変換装置を位置決めするための、沖合の再生可能エネルギーシステム取り付けプラットフォームの実施形態が示される。プラットフォーム10は、第1構造部材16及び第2構造部材18を有するフレームを備える。第1及び第2構造部材16、18は、嵌合接合部20において互いに隣接して位置決めされる。少なくとも1つの係留部材22が、つなぎ位置24においてフレームに固定されて設けられ、少なくとも1つの係留部材22は、
図1で示される使用中構成において、フレームを水域14の底につなぐように構成される。示された実施形態において、第1構造部材16は、浮力Bを備え、示された使用中構成において、係留部材22の張力Tは、嵌合接合部20において、第1及び第2構造部材が合わさるように促す浮力Bに反作用するように構成される。
【0028】
図1に示される特定の実施形態において、プラットフォーム10は、3角形のベース部分を有する4面体のフレームを備え、3角形ベース部分は、3角形ベース部分の各々の頂点において、その間に嵌合接合部20を形成する3つの細長い第1支柱16を備える。
図1に示される例において、全ての第1支柱16は、浮力Bを含み、示される使用中構成において、プラットフォーム10の一部は、水域14の表面26の下方に沈められ、浮力Bは、水域14の上方に向かうように第1支柱16を促すように作用する。フレームは、3つの細長い第2支柱18を有する上部分であって、3つの細長い第2支柱18の各々は、対応する嵌合接合部20から延びて第2支柱18の第1端で嵌合接合部20に係合する、上部分と、第2支柱の各々の第2端に係合され且つ4面体のフレームの上部先端を形成する、位置決めされた移行部材28と、を更に備える。示される実施形態において移行部材18は、示される例においては風力タービンである、再生可能エネルギー変換装置12を支持するように構成される。示される特定の実施形態において、係留部材22のつなぎ位置24は、移行部材28上に位置決めされ、水域14の表面26の下に沈められるベース部分と共に示される使用中構成において、係留部材22によって提供される張力Tは、嵌合接合部20において、ベース部分と上部分が合わさるように促すために、ベース部分の正の浮力Bに反作用するように構成される。反作用する浮力B及び張力Tの力は、圧縮力Cを常時フレームの上部分の第2支柱18に与えるように作用し、それによって、上部分及びベース部分が接合する嵌合接合部20を維持する。示される実施形態において浮力Bに反作用する係留部材22の張力Tは、プラットフォーム10及び風力タービン12の部品の質量にかかる重力Gの影響により補われる。いくつかの実施形態において、張力Tは、重力Gの影響によって取って代わる又は代用されてもよい。
【0029】
図2を参照すると、係留部材が取り除かれた、
図1のプラットフォーム10の近接図が示される。4面体のフレームは、示される例においては各々同一である、3つの細長い第1支柱16を備えるベース部分によって形成される。各々の第1支柱16の第1端には、第1嵌合部タイプ30があり、第1端と反対の第1支柱16の第2端においては、第2嵌合部タイプ32が位置決めされている。第1嵌合部タイプ30は、第2嵌合部タイプ32に対して補完的であり、したがって、第2嵌合部タイプ32は、フレームの組立中に第1嵌合部タイプ30に係合するように構成される。3つの第1支柱16の第1及び第2嵌合部タイプ30、32の係合は、第1支柱16の各々が他の2つの第1支柱16と係合しているとき、第1支柱16が、少なくとも1つの平面で互いに対して固定的に保持されるようになっている。このタイプの係合は、好ましくは、フレームの段階的な組立を助け、第2支柱18の取付けのための安定した嵌合接合部を形成する。示される実施形態において、第1支柱16の同一の性質もまた、好ましくは、第1支柱16の製造、供給及び取替を簡単にする。第2支柱18の各々の1端には、結合された第1及び第2嵌合部タイプ30、32に対して相補的な第3嵌合部タイプ34が位置決めされており、嵌合接合部20において係合されるとき、第2支柱18の一端が、少なくとも1つの平面で第1支柱16に対して固定的に保持され、第1支柱16に対して動きが規制される。このタイプの係合は、好ましくは、フレームの任意の段階的な組立を助ける。第2支柱18は、各々同一であり、好ましくは、第2支柱16の製造、供給及び取替を簡単にする。
【0030】
示されるプラットフォームの実施形態において、第2支柱18の嵌合接合部端の近くには、チャネル36が位置決めされており、チャネル36は、対応する第2支柱18に沿って且つ水域の底につながれるプラットフォーム10の側面にわたってつなぎ位置(図示せず)から係留部材(図示せず)を案内するように構成される。示される実施形態において、移行部材28は、再生可能エネルギー変換装置が支持されるように、再生可能エネルギー変換装置(図示せず)の対応する固定を受け入れるように構成されるソケット部38を備える。移行部材28が再生可能エネルギー変換装置を支持するように構成される任意の適切な固定を備える実施形態が理解されるであろう。
【0031】
図2で示され、半組立体のフレームの形態をとる、プラットフォーム10は、
図1で示される使用中構成で係留部材(図示せず)によって沈められるとき、第1支柱16と対応する第2支柱18との間の3つの単一の嵌合接合部20の各々と、3つの第2支柱18と移行部材28との間の単一の嵌合接合部の各々が、浮力Bの反力によって、及び重力Gの影響及び/又は係留部材(図示せず)により誘発される張力Tによって支持されている状態にある。説明される個々のフレーム部品の係合は、部品がそのような反作用力のみのもとで安定し、固定的に、一緒に保持されるようになっており、随意的な場合では最後の組立段階として、迅速且つ単純な方法で、永久的な固定が、部品間の接合を強化するために使用されてもよい。したがって、最後のプラットフォームの段階的な組立は、より単純に行なわれ、組立時間及び組立ミスの発生率を減じ、これは、多くのプラットフォームが展開される適用において非常に重要である。
【0032】
図3は、
図1及び
図2で示されるプラットフォーム10の分解図を示す。この特定の実施形態で示されるように、第1支柱16の第1嵌合部タイプ30は、ベース40と、ベース40から延びるピン42と、を備える。第2嵌合部タイプ32は、ベース40の平面から垂直にオフセットされた平面に位置するソケット44を備え、ソケット44は、ベース40に重なり、組立中重力のもとでベース40の上で安定的に静止する。ソケット44は、ピン42がソケット44の厚さを通過し突き出て且つそれを越えて延びるようにピン42を受け入れるように構成される。第2支柱の第3嵌合部タイプ34は、第2嵌合部タイプのソケット44から突出する第1嵌合部タイプ30のピン42の部分を受け入れるように構成されるソケット(図示せず)を備える。嵌合接合部20に対して遠位の第2支柱18の端部は、移行部品28の下面に位置決めされる対応するソケット(図示せず)に係合するように構成されたピン46を有する第4嵌合部タイプを備える。単一の嵌合接合部20における第1支柱16及び対応する第2支柱18の係合は、したがって、使用中構成で配置されるとき、浮力Bの反作用、重力Gの影響及び/又は係留部材(図示せず)のみにより誘発される張力Tによって支持される。浮力Bの反作用、重力の影響G及び/又は係留部材の張力Tのもとで嵌合部が合わさるように促すことを可能にする任意の適切な嵌合部を有する実施形態が理解されるであろう。
【0033】
説明されるプラットフォーム10の実施形態例は、それゆえに、
図4に示される3つの別個の部品のみを備え、第1支柱16と、第2支柱18と、移行部品28の合計で7つの個々の部品を備える。最小限の数の別個の部品は、製造するために最小限の工具を必要とし、多くの場合で製造においてより少ないミスで製造し、組立工程に技能を有しないように作用するので、この単純化された構造は、好ましくは、フレームの製造及び組み立てを助ける。
【0034】
図5Aから
図5Dを参照すると、プラットフォーム10のフレームの段階的な組立工程が示される。
図5Aで示される工程の第1ステップは、3角形のベース部分の頂点に位置決めされる3つの嵌合接合部20を備える4面体のフレームの3角形のベース部分を提供するために、前述のように、第1支柱16の相補的な嵌合部の係合を含む。この示される工程例は、相補的な嵌合部の単純な重なり合いを必要とし、嵌合部は、重力のもとで、固定的な係合状態で保持される。
図5Bで示されるその次のステップでは、第2支柱18の各々は、3角形のベース部分の係合された第1支柱16によって形成される対応する嵌合接合部20と係合する。
図5Bで示されるように、説明される工程例において、第2支柱18は、垂直支柱48によって所定位置で一時的に支持され、対応する嵌合接合部20における第1支柱16との係合は、重力のもとで所定位置に保持される。
図5Cで示されるその次のステップでは、移行部材28は、フレームの上部分を完成させるために第2支柱18の対応する端部と係合し、重力のもとで所定位置に保持される。
図5Dで示されるその次のステップでは、垂直支柱は取り除かれ、組み立てられた要素の各々は、重力のみのもとで係合状態のままである。実際には、
図5Dで示される半組立体のプラットフォーム10は、水域の表面上で所望の配置位置に移動させられる。つなぎ位置に取り付けされた係留部材が、説明される実施形態において移行部材28上に位置決めされるので、フレームは、水域の表面より下に部分的に沈められ、浮揚性第1支柱に作用する浮力は、説明されるように、係留部材によって誘発される張力に反作用する。
【0035】
図1に示される使用中構成に配置されると、プラットフォームの組立の最終ステップが、いくつかの実施形態において、
図6の近接図で示される第1及び第2支柱16,18の間の嵌合接合部及び
図7の近接図で示される第2支柱18及び移行部材28の間の嵌合接合部に永久的な固定50の適用を含んでいてもよい。そのような機械的固定50は、いくつかの実施形態において、プラットフォームの移動及び/又は配置の前に適用される。機械的固定50が移動及び/又は配置の前に適用される実施形態では、機械的固定50は、一時的であってもよく、組立ステップとして移動又は配置のあとに取り除かれてもよい。
【0036】
示される実施形態例における浮揚性の第1支柱16によって形成される3角形のベースは、3角形のベースの平面上に位置決めされ且つ移行部材28によって画定される4面体のフレームの先端と整列する、プラットフォームのための浮力の中心を提供する。係留部材22によって提供される張力Tは、フレームの3つの頂点の各々に均等に作用し、浮力の中心との組み合わせで、水域内でのプラットフォームの最適な安定性が提供され、水域内でのプラットフォームの移動は、
図1により例示される使用中構成で配置されると最小限になる。
【0037】
本開示の範囲内の更なる実施形態は、上記で説明されなかったことが認識されてもよく、例えば、本明細書で説明されるようなプラットフォーム上の再生可能エネルギー変換装置のいずれの組み合わせがあってもよい。実施形態例では、風力タービンを支持することが示されるが、任意の適切な再生可能エネルギー変換装置が支持されてもよく、例えば、波エネルギー変換装置又は適切な再生可能エネルギー変換装置の任意の組み合わせであってもよい。プラットフォームの1つの、複数の又は全ての頂点が、再生可能エネルギー変換装置を支持してもよい。説明されるプラットフォームの実施形態において、第1支柱は浮力を備える。他の実施形態において、任意の数の第1支柱及び第2支柱は、浮力を備えてもよい。説明される例において、プラットフォームは、全て同一である第1支柱を有する第1構造部材と、全て同一である第2支柱を有する第2構造部材と、を備える。プラットフォームが、間に嵌合接合部を有する任意の適切な第1及び第2構造部材を備え、接合部が、浮力の反作用、重力の影響及び/又は係留部材によって誘発される張力によって支持される実施形態が理解されるであろう。説明される例におけるフレームは、4面体の形態をとり、そのような形態に固有の剛性及び安定性を与える。フレームが、添付の請求の範囲内で任意の適切な形態をとる実施形態が理解されるであろう。説明される実施形態は最後の組立ステップとして永久的な固定の適用を含んでいたが、浮力の反作用力、重力及び/又は張力によって支持される第1及び第2構造部材の間の嵌合接合部が、説明される適用にとって安定した方法で構造が合わさるように保持するには十分である実施形態が理解されるであろう。本開示は、説明される特定の例又は構造に限定されない。
【国際調査報告】