(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】圧印加工された周縁部端縁を有する金属容器端部及びその関連工法
(51)【国際特許分類】
B65D 8/20 20060101AFI20240227BHJP
B65D 8/04 20060101ALI20240227BHJP
B21D 51/30 20060101ALI20240227BHJP
B21D 51/44 20060101ALI20240227BHJP
B21D 51/26 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B65D8/20
B65D8/04 L
B21D51/30 E
B21D51/44 R
B21D51/26 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547467
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022070519
(87)【国際公開番号】W WO2022170343
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】イアン マッソン キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】セバスティジャン ジュレンディック
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA16
3E061AB08
3E061AC02
3E061BA05
3E061BB07
3E061DB08
(57)【要約】
金属容器(100)用の金属容器端部(102)は、中心部分(116)と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分(118)とを含む。周縁部分は、周縁部分の端縁(122)を含み、端縁(122)は接触部分(126)及び非接触部分(130)を含む。端縁(122)の接触部分(126)は、端縁(122)の非接触部分(130)に対してゼロ以外の角度(132)で延びる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属容器端部であって、
中心部分と、
前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分と
を備え、
前記周縁部分が端縁を含み、
前記端縁が接触部分及び非接触部分を含み、
前記接触部分が前記非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる、
前記金属容器端部。
【請求項2】
前記周縁部分が部分厚さを含み、前記接触部分が、前記端縁での前記部分厚さの少なくとも50%、及び前記端縁での前記部分厚さの100%未満を含む、請求項1に記載の金属容器端部。
【請求項3】
前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、請求項1に記載の金属容器端部。
【請求項4】
前記金属容器端部が外面及び内面を備え、前記端縁が前記外面から前記内面に延び、前記端縁の前記接触部分が前記外面から前記内面に向かって延びる、請求項1に記載の金属容器端部。
【請求項5】
前記非接触部分が前記内面と前記接触部分との間にある、請求項4に記載の金属容器端部。
【請求項6】
前記周縁部分が、前記中心部分と前記端縁との間にカールをさらに備える、請求項1に記載の金属容器端部。
【請求項7】
前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
飲料缶であって、
缶本体と、
前記缶本体に接合された飲料缶端部として、請求項1に記載の金属容器端部と
を備える、前記飲料缶。
【請求項9】
金属容器端部であって、
中心部分と、
前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分と、
外面と、
内面と
を備え、
前記外面から前記内面への距離が前記金属容器端部の厚さであり、
前記周縁部分が、前記外面と前記内面との間に延びる端縁を含み、
前記端縁が接触部分と非接触部分とを含み、
前記端縁の前記接触部分が、前記外面から前記内面に向かって、前記非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる、
前記金属容器端部。
【請求項10】
前記端縁の前記接触部分が、前記端縁での前記厚さの少なくとも50%を含む、請求項9に記載の金属容器端部。
【請求項11】
前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、請求項9に記載の金属容器。
【請求項12】
前記周縁部分が、前記端縁と前記中心部分との間にカールをさらに備える、請求項9に記載の金属容器端部。
【請求項13】
飲料缶であって、
缶本体と、
前記缶本体に接合された飲料缶端部として、請求項9に記載の金属容器端部であって、前記中心部分がタブまたは刻み線の少なくとも1つを含む前記金属容器端部と、
を備える、前記飲料缶。
【請求項14】
前記周縁部分が部分厚さを有し、前記端縁の前記接触部分が、前記端縁での前記部分厚さの少なくとも50%を含み、前記ゼロ以外の角度が、前記非接触部分に対して0°より大きく90°未満である、請求項9に記載の金属容器端部。
【請求項15】
金属容器端部を形成する方法であって、
前記金属容器端部が中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備えるように材料を打ち抜いて、前記金属容器端部を形成することと、
前記周縁部分の端縁を圧印加工し、前記端縁の非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる前記端縁の接触部分を形成することと、
前記周縁部分が前記中心部分と前記端縁との間にカールを備えるように前記金属容器端部を成形することと
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記金属容器端部を成形することが、前記カールがゼロ以外の曲率を有するように前記金属容器端部を成形することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記金属容器端部が第1の金属容器端部であり、前記方法が、前記周縁部分の前記接触部分が第2の金属容器端部に接触するように、前記第2の金属容器端部上に前記第1の金属容器端部を積み重ねることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記端縁の前記接触部分が、前記端縁での前記金属容器端部の厚さの少なくとも50%を含み、前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備え、前記金属容器端部が飲料缶端部である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
飲料缶を形成する方法であって、
請求項19に記載の方法によって前記飲料缶端部を形成することと、
前記飲料缶端部を缶本体に接合することと
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年2月5日に出願され、「METAL CONTAINER END WITH COINED PERIPHERY EDGE AND RELATED METHODS」と題する米国仮出願第63/199,964号の利益を主張する。
【0002】
本出願は金属容器に関し、より具体的には、容器本体と接合して、金属容器を形成することのできる金属容器端部に関する。また、金属容器を製造する方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
食品または飲料を保持することを目的としたものなどの金属容器(例えば、アルミニウム飲料缶)は、一般に、一端に画定された開口部を有する容器本体と、容器本体の開口部を閉じるように設計された閉止部(「容器端部」または「缶端部」と呼ばれる)とを含む。容器本体及び缶端部は、通常、その周縁部で(例えば、互いに圧着されるか、または巻かれることによって)接合されて、液密または気密の接合部を形成する。一部の容器端部は平坦な円板であるが、より一般的には、容器端部には、接合プロセスを容易にする隆起し、輪郭が付けられたか、またはカールした周縁端縁が具備されている。
【0004】
装飾目的で、及び/または所望の他の目的のために、容器端部(及び容器本体)にはコーティングまたはラッカーが提供される場合がある。例えば、容器端部は、様々なラッカーで様々な色(例えば、青、赤、緑など)になるように着色され得る。容器端部製造プロセス中、ラッカーは、切断されるか、削り取られるか、またはそれ以外の場合損傷を受ける場合がある。アルミニウム基材(場合によっては周囲の5~50%の間)が非常に目立つようになるため、このような損傷は缶端部の外観を損ない、消費者は、容器及び/または容器の内容物の品質が劣っていると結論付ける場合がある。このラッカー層摩耗の可能性により、現在では、一部のブランド所有者は、製品により色のついた端部を使用することを抑えている。このような損傷はまた、端部製造プロセス全体でラッカー粉塵を発生させ、これにより、機器が損傷する、及び/または健康上のリスクが生じる場合がある。例えば、シェルプレスと、輸送用の紙スリーブへの端部の梱包との間の(おもにシェルをバランサーに、次にコンバージョンプレスに輸送する軌道での)摩耗によって生じる粉塵は、空気汚染及び微粒子による職場の汚染を防ぐために回収する必要がある。発生した粉塵はまた、端部の飲料側に付着したまま残り、飲料自体の清浄度を損なう場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本特許で使用される用語「発明」、「本発明(the invension)」、「本発明(this invention)」及び「本発明(the present invention)」は、本特許の主題の全て及び以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図する。これらの用語を含有する記述は、本明細書に記載の主題を限定しない、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定しないことが理解されるべきである。本特許の適用を受ける本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な実施形態の高水準の概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションにさらに説明する概念の一部を紹介している。この発明の概要は、特許を請求する主題の主要なまたは必須の特徴を特定することを意図しておらず、特許を請求する主題の範囲を決定するために独立して使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、図面のいずれかまたは全て、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
本開示の特定の実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを含む。周縁部分は端縁を含み、端縁は、接触部分及び非接触部分を含む。接触部分は、非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って帯びる周縁部分と、外面と、内面とを含む。外面から内面までの距離は、金属容器端部の厚さである。周縁部分は、外面と内面との間に延びる端縁を含み、端縁は、接触部分及び非接触部分を含む。端縁の接触部分は、外面から内面に向かって、非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる。
【0008】
本開示の様々な実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを含む。周縁部分は、部分厚さを有し、端縁を含む。端縁は、接触部分及び非接触部分を含み、端縁の接触部分は、端縁での部分厚さの少なくとも50%を含み、非接触部分に対して約0°より大きく約90°未満である角度で延びる。
【0009】
本開示の特定の実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを含む。周縁部分は、中心部分と、周縁部分の端縁との間にカールを含み、端縁の接触部分は、カールの形成前に垂直軸に対してゼロ以外の角度で延びる。
【0010】
本開示の特定の実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って帯びる周縁部分と、外面と、内面とを含む。外面から内面までの距離は、金属容器端部の厚さである。周縁部分は、外面と内面との間に延びる端縁を含み、端縁と中心部分との間にカールも含む。端縁の接触部分は、カールの形成前に、外面から内面に向かって、垂直軸に対してゼロ以外の角度で延びる。
【0011】
本開示の特定の実施形態によれば、金属容器端部は、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを含む。周縁部分は、部分厚さを有し、中心部分と、周縁部分の端縁との間にカールを含む。端縁での部分厚さの少なくとも50%を含む端縁の接触部分は、カールの形成前に、垂直軸に対して約0°より大きく約90°未満である角度で延びる。
【0012】
本開示の特定の実施形態によれば、金属容器端部を形成する方法は、金属容器端部が、中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分を含むように、材料を打ち抜いて金属容器端部を形成することを含む。方法は、周縁部分の端縁を圧印加工し、垂直軸に対してゼロ以外の角度で延びる端縁の接触部分を形成することを含む。方法はまた、周縁部分が、中心部分と端縁との間にカールを含むように金属容器端部を成形することを含む。
【0013】
本開示に説明される様々な実施態様は、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の発明を実施するための形態及び添付の図面を検討すると当業者に明らかになる追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができる。全てのこのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0014】
以下の図の特徴及び構成要素は、本開示の一般的な原理を強調するために示されている。図全体を通して、対応する特徴及び構成要素を、一貫性を持たせ明解にするために、参照文字を一致させることによって指定する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の態様による、容器本体及び容器端部を有する金属容器の斜視図である。
【
図2】端部製造プロセス中の容器端部の断面図である。
【
図3】周縁部分内でのカールの形成前の
図2の容器端部の周縁部分の拡大図である。
【
図4】カールの形成後の
図2の容器端部の周縁部分の拡大図である。
【
図5】2つの容器端部が積み重ねられたときの
図4の2つの周縁部分の拡大図である。
【
図6】端部製造プロセス中の容器端部の積み重ねを示す。
【
図7】本開示の態様による容器端部の積み重ねを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性を用いて本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも、特許請求の範囲を制限することを意図していない。特許請求される主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存の技術または将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に説明されるときを除き、様々なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。
【0017】
本開示の特定の態様及び特徴は、金属容器端部、ならびに金属容器端部を製造するためのシステム及び方法に関する。金属容器端部は、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、鋼系材料、マグネシウム、マグネシウム系材料、銅、銅系材料、任意の他の適切な材料、または材料の組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な金属基材であってよい。本開示の金属容器端部は、一般に、容器本体と接合されて、飲料缶、食品缶、エアロゾル缶、化学薬品貯蔵缶、または他の製品用の容器及び缶を含むが、これらに限定されない様々なタイプの金属容器を形成し得る。
【0018】
本明細書に説明される金属容器端部はそれぞれ、一般に中心部分と、中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを含む。周縁部分は端縁を含み、成形時、周縁部はまた、端縁と中心部分との間にカールも含む。周縁部分の端縁は、カールの形成前に、金属容器端部の垂直軸に対してゼロ以外の角度で延びる接触部分を含む。端縁の接触部分により、端部製造プロセス中に隣接する金属容器端部に接触する周縁部分の端縁の量または表面積は増加する。この接触の増加によって、隣接する金属容器端部に伝達される力はよりよく分散し得る、及び/または隣接する金属容器端部に対する損傷は最小限に抑えられ得るもしくは減少し得る。本明細書に説明される金属容器端部は、端部製造プロセス中の隣接する金属容器端部上のラッカーまたはコーティングに対する損傷を最小限に抑えるまたは減少させるために特に適している場合がある。損傷(例えば、ラッカーの摩耗)を最小限に抑えるか、または減少させることによって、損傷により端部製造プロセス中に発生する粉塵の量を最小限に抑えるか、減少させ、それによって機器に対する潜在的な損傷及び/またはオペレータに対する健康リスクを最小限に抑え得るか、または減少し得る。
【0019】
図1は、容器端部102及び容器本体104を有する金属容器100の一例を示す。容器端部102は、圧着、圧延、または所望の他の適切な技術を含むが、これらに限定されない様々な適切な技術を通じて容器本体104に接合され得る。ラッカー及び/またはコーティングは、所望されるように、容器端部102及び容器本体104に提供され得る。一部の非限定例では、容器端部102は、容器端部102が所望の色の外観(例えば、緑、赤、青、黄色など)を有するように容器端部102を着色するラッカーを含む。
【0020】
図1の例では、金属容器100は飲料缶であり、任意選択で、容器端部102の中心部分116に、刻み目106と、一体型タブ108と、ポップタブ110とを含む。金属容器端部102は外面112を含む。所望の最終製品に応じて、金属容器端部102は、任意選択で周縁部分118に近接する中心部分116に設けられる周縁溝120を含み得る。金属容器100は飲料容器として示されているが、他の例では、金属容器100は、食品缶、エアロゾル缶、化学薬品貯蔵缶、または所望される他の製品用の容器及び缶などの他のタイプの金属缶及び/または他の金属容器であってもよい。特定のタイプの金属容器100に応じて、所望されるように容器端部102上にまたは容器端部102とともに追加の特徴が画定され得ることが理解される。
【0021】
図2は、容器本体104と接合される前の容器端部102を示す。容器端部102は、外面112と、内面114と、中心部分116と、周縁部分118とを含む。周縁部分118は、中心部分116の周縁部に沿って延び、外面112から内面114に延びる端縁122を含む。カール124は、端縁122と中心部分116との間に画定され得、カール124は丸みを帯びていてよい(つまり、ゼロ以外の曲率を有し得る)。外面112から内面114への距離129(
図3を参照)は、容器端部102の厚さである。言及したように、容器端部102は、ラッカー及び/またはコーティングを含み得る。いくつかの場合、ラッカー及び/またはコーティングは、所望のように内面114及び/または外面112の上に提供され得る。いくつかの場合、外面112は、容器端部102が着色された外観を有するようにカラーラッカーを含む。
【0022】
図3及び
図4は、容器端部102の周縁部分118をより詳細に示す。
図3は、カール124を形成する成形プロセスの前の周縁部分118を示し、
図4は、カール124が形成された後の周縁部分118を示す。
図3及び
図4に示されるように、端縁122は、外面112から内面114に向かって距離128延びる接触部分126を含む。いくつかの例では、距離128は、距離129の少なくとも約30%である。特定の場合、距離128は、例えば距離129の少なくとも50%、例えば距離129の約80%から約100%など、距離129の約30%~約100%であってよい。様々な例では、距離128は距離129とほぼ同じであってよいが、他の例では、距離128は距離129に満たなくてもよい(つまり、距離129の100%未満)。距離128が距離129に満たないとき、端縁122はまた、接触部分126と内面114との間に非接触部分130を含む。
図3及び
図4に示されるように、非接触部分130は、接触部分126に対してゼロ以外の角度で延び得る。
【0023】
図3を参照すると、様々な例では、カール124の形成前に、接触部分126は、非接触部分130によって画定された軸134に対してゼロ以外の角度132で延びる。非接触部分130が省略されている例では、接触部分126は、内面114及び/または外面112に対して、直角または直角以外の角度を含むが、これらに限定されない任意の角度で延び得る。いくつかの例では、カール124の形成前に、軸134は実質的に垂直であってよいが、他の例では直角である必要はない。いくつかの例では、ゼロ以外の角度132は、約0°より大きく約90°までである。特定の例では、ゼロ以外の角度132は、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約16°、約17°、約18°、約19°、約20°、約21°、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、及び/または約30°など、約5°~約30°であってよい。他の例では、ゼロ以外の角度132は、約5°未満または約30°を超えてもよい。いくつかの非限定的な例では、ゼロ以外の角度は、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、約30°、約31°、約32°、約33°、約34°、約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、及び/または約42°など、約22°~約42°であってよい。角度132及び距離128は、端部処理中(例えば、容器端部102が他の容器端部102に接触し得るとき)、接触部分126が隣接する容器端部102の周縁部分118に接触するように構成されるように制御される。様々な例では、非接触部分130が含まれるとき、カール124の形成前に、非接触部分130は、垂直軸134に実質的に平行である角度で延び得る。
【0024】
接触部分126は、線状または平面状として示されているが、他の例では、接触部分126が所望される様々な適切な形状または輪郭を有し得ることが理解される。1つの非限定的な例として、接触部分126は、任意選択で隣接する容器端部のカールの形状または輪郭に一致する場合がある曲線状またはアーチ状の輪郭を有し得る。
【0025】
図4は、カール124の形成後の周縁部分118を示す。
図4に示されるように、接触部分126は、カール124が形成された後も非接触部分130に対してゼロ以外の角度で延びる(つまり、接触部分126は、非接触部分130と平行ではない、及び/または同一平面上にない)。
【0026】
図5及び
図6は、端部製造プロセス中に積み重ねられた容器端部102を示す。
図5及び
図6に示されるように、一方の容器端部102の接触部分126は、隣接する容器端部102の周縁部分118に選択的に接触し得る。接触部分126と周縁部分118との間の選択的な接触により、隣接する容器端部間の接触が増え、処理中に容器端部102に作用する力がよりよく分散され、それによって端縁122と周縁部分118との間の接触によって引き起こされる潜在的な損傷(例えば、ラッカーの摩耗)が減少するか、または最小限に抑えられる。
【0027】
金属容器端部102を形成する方法は、金属容器端部102が、中心部分116と、中心部分116の周縁部に沿って延びる周縁部分118を含むように、材料を打ち抜いて金属容器端部を形成することを含み得る。方法は、周縁部分118の端縁122を圧印加工し(例えば、打ち抜き)、軸134に対してゼロ以外の角度で延びる端縁122の接触部分126を形成することを含む。いくつかの非限定的な例では、端縁122を圧印加工することは、容器端部102を支持体の上に置き、(端縁122の所望の輪郭を有する)金型またはプレス機に、強制的に容器端部102を係合させ、端縁122を形成させることを含み得る。様々な例では、端縁122の圧印加工は、容器端部102が通常の軌道を通る輸送のために積み重ねられる前に行われる場合がある。これは、どの軌道でも、入れ子状の容器端部102を移動させるために多大な力を必要とするためである。入れ子状の容器端部102を移動させるための力は、軌道に使用される材料(つまり、表面摩擦)、任意の垂直軌道の高さ、軌道の個々のセグメント間の偏位/不一致、及び軌道の方向に変化あるときはつねに軌道の半径に依存する場合がある。いくつかの例では、通常、押圧力が高くなるほど、ラッカーの摩耗の程度が高くなる。端縁122の圧印加工は、任意選択で、金型工具でのシェル形成操作中に回転カーラーの入口側/出口側で、及び/またはカーラー自体の中で行われ得る。いくつかの場合、容器端部の鋭利な端縁は、圧印加工、フライス加工、レーザー処理、または任意の他の機械的な技術もしくはアブレーション技術によって、打ち抜き中にまたは打ち抜き後に除去できる。
【0028】
いくつかの例では、端縁122は、周縁部分118が中心部分116と端縁122との間にカール124を含むように容器端部102を成形する前に圧印加工される。他の例では、端縁122は、周縁部分がカール124を含むように容器端部102を成形した後に圧印加工される。所望のように端縁122を形成するために、他の適切な技術及び工具が利用され得、端縁122は、圧印加工を介して形成される必要はない。特定の実施形態では、容器端部102に対する修正は、工具を調整することによって達成され得る。1つの非限定的な例では、缶端部シェル形成工具は、入ってくる材料シートが、打ち抜き処理前に端縁122の所望の傾斜角に相当する角度で下方に曲げられるように修正され得る。このようなプロセスは、缶端部の端縁にある材料が下向きに曲げられるように、打ち抜き及び絞り金型で材料のシートを固締するステップと、カットエッジを使用して材料を分離することによって傾斜した端縁を作り出すステップと、打ち抜き及び絞り金型を使用して材料を絞り、材料を真っすぐにし、材料のひずみをとることによって端部を形成するステップとを含むが、これらに限定されないステップを含み得る。このような非限定的な例では、材料が形成操作全体を経た後に、缶端部の端縁122は、ここで缶端部の外面に垂直な線に対してある角度で傾斜する。
【0029】
方法は、任意選択で、周縁部分118の各接触部分126が別の容器端部102に接触するように、複数の容器端部102を積み重ねることを含み得る。
【0030】
図7は、様々な実施形態による容器端部702の積み重ねの別の例を示す。
図7の例では、端縁122全体が接触部分126であり、接触部分126は、内面114及び外面112の隣接する部分に実質的に垂直である。端縁122が中心軸736を有する容器端部102と比較すると、周縁部分118は、容器端部702の端縁122が、偏位角度740分、中心軸736から偏位している中心軸738を有するように異なる形状を有する。様々な場合、偏位角度は、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、約30°、約31°、約32°、約33°、約34°、約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、及び/または約42°など、約22°~約42°である。様々な例では、偏位角度740分、周縁部分118の形状を変更すると、隣接する容器端部702に接触する接触部分126の割合または量が増加し得る。様々な態様では、偏位角度740は、容器端部702を横切る端縁122間の直径または距離の所定の増加をもたらす。このような場合、端縁122間の直径は、従来の容器端部と比較して増加する。言い換えると、
図2を参照すると、偏位角度740は、図の左側の端縁122と、図の右側の端縁122との間の直径または距離の所定の増加をもたらす。いくつかの非限定的な例の場合、角度740によって、直径は約0.14mm~約0.20mm増加する。1つの非限定的な例の場合、角度740によって、直径は約0.16mm分、増加する。
【0031】
本明細書に説明された概念による、様々な例示的なタイプのさらなる説明を提供する「実施例」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態の集合体が以下に提供される。これらの例は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意味しておらず、本発明は、これらの例示的な例に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びその均等物の範囲内の考えられる全ての修正及び変形を包含する。
【0032】
実施例1.金属容器端部であって、中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備え、前記周縁部分が端縁を含み、前記端縁が接触部分及び非接触部分を含み、前記接触部分が前記非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる、前記金属容器端部。
【0033】
実施例2.前記周縁部分が部分厚さを含み、前記接触部分が、前記端縁での前記部分厚さの少なくとも50%を含む、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0034】
実施例3.前記接触部分が、前記端縁での前記部分厚さの100%未満を含む、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0035】
実施例4.前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0036】
実施例5.前記金属容器端部が外面及び内面を備え、前記端縁が前記外面から前記内面に延び、前記端縁の前記接触部分が前記外面から前記内面に向かって延びる、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0037】
実施例6.前記非接触部分が前記内面と前記接触部分との間にある、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0038】
実施例7.前記周縁部分が、前記中心部分と前記端縁との間にカールをさらに備える、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0039】
実施例8.前記接触部分が、前記カールの形成前に、前記非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0040】
実施例9.前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備える、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0041】
実施例10.飲料缶であって、缶本体と、前記缶本体に接合された飲料缶端部として、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部とを備える、前記飲料缶。
【0042】
実施例11.金属容器端部であって、中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分と、外面と、内面とを備え、前記外面から前記内面への距離が前記金属容器端部の厚さであり、前記周縁部分が、前記外面と前記内面との間に延びる端縁を含み、前記端縁が接触部分と非接触部分とを含み、前記端縁の前記接触部分が、前記外面から前記内面に向かって、前記非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる、前記金属容器端部。
【0043】
実施例12.前記端縁の前記接触部分が、前記端縁での前記厚さの少なくとも50%を含む、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0044】
実施例13.前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器。
【0045】
実施例14.前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備える、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0046】
実施例15.前記周縁部分が、前記端縁と前記中心部分との間にカールをさらに備える、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0047】
実施例16.飲料缶であって、缶本体と、前記缶本体に接合された飲料缶端部として、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部であって、前記中心部分がタブまたは刻み線の少なくとも1つを含む前記金属容器端部とを備える、前記飲料缶。
【0048】
実施例17.金属容器端部であって、中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備え、前記周縁部分が部分厚さを有し、端縁を含み、前記端縁が接触部分及び非接触部分を含み、前記端縁での前記部分厚さの少なくとも50%を含む前記端縁の前記接触部分が、前記非接触部分に対して約0°より大きく約90°未満の角度で延びる、前記金属容器端部。
【0049】
実施例18.前記角度が約5°~約30°である、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部。
【0050】
実施例19.飲料缶であって、缶本体と、前記缶本体に接合された飲料缶端部として、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の金属容器端部とを備え、前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備える、前記飲料缶。
【0051】
実施例20.金属容器端部を形成する方法であって、前記金属容器端部が中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備えるように材料を打ち抜いて、前記金属容器端部を形成することと、前記周縁部分の端縁を圧印加工し、前記端縁の非接触部分に対してゼロ以外の角度で延びる前記端縁の接触部分を形成することと、前記周縁部分が前記中心部分と前記端縁との間にカールを備えるように前記金属容器端部を成形することとを含む、前記方法。
【0052】
実施例21.前記金属容器端部を成形することが、前記カールがゼロ以外の曲率を有するように前記金属容器端部を成形することを含む、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0053】
実施例22.前記周縁部分の前記接触部分が別の金属容器端部に接触するように、前記別の金属容器端部に前記金属容器端部を積み重ねることをさらに含む、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0054】
実施例23.前記端縁の前記接触部分が、前記端縁での前記金属容器端部の厚さの少なくとも50%を含み、前記ゼロ以外の角度が約5°~約30°である、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0055】
実施例24.前記金属容器端部がアルミニウムまたはアルミニウム合金を備え、前記金属容器端部が飲料缶端部である、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0056】
実施例25.飲料缶を形成する方法であって、任意の先行するもしくは後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法によって前記飲料缶端部を形成することと、前記飲料缶端部を缶本体に接合することとを含む、前記方法。
【0057】
実施例26.金属容器端部であって、中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備え、前記周縁部分が、前記中心部分と前記周縁部分の端縁との間にカールを含み、前記端縁の接触部分が、前記カールの形成前に、垂直軸に対してゼロ以外の角度で延びる、前記金属容器端部。
【0058】
実施例27.金属容器端部であって、中心部分と、前記中心部分の周縁部に沿って延びる周縁部分とを備え、前記周縁部分が部分厚さを有し、前記中心部分と前記周縁部分の端縁との間にカールを含み、前記端縁での前記部分厚さの少なくとも50%を含む前記端縁の接触部分が、前記カールの形成前に垂直軸に対して約0°より大きく約90°未満の角度である角度で延びる、前記金属容器端部。
【0059】
上述の態様は、実施態様の考えられる単なる例であり、単に、本開示の原理を明確に理解するために記述されている。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された発明または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
【国際調査報告】