(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】短焦点近眼表示システム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240227BHJP
G02B 27/28 20060101ALI20240227BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20240227BHJP
H04N 5/70 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B27/28 Z
H04N5/66 103
H04N5/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547683
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2022071795
(87)【国際公開番号】W WO2022166555
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110154039.9
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110746124.4
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523298188
【氏名又は名称】光感(上海)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGGAN(SHANGHAI)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】R 1602A―3761,No.11 Of Lane 803,Shuangcheng Road,Baoshan District,Shanghai 201900 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 建明
【テーマコード(参考)】
2H199
5C058
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA30
2H199CA37
2H199CA38
2H199CA42
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA58
2H199CA64
2H199CA65
2H199CA69
2H199CA70
2H199CA86
5C058AA12
5C058AA13
5C058AB06
5C058AB07
5C058BA25
(57)【要約】
短焦点近眼表示システムは、近眼表示技術分野に関し、従来のAR技術に存在する大視野角、大射出瞳径及びエネルギ-効率と体積の矛盾などの問題を解決し、当該システムは、マイクロディスプレイ(4)、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)、及び凹面部分反射鏡(3)を含み、マイクロディスプレイ(4)は、凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、又はマイクロディスプレイ(4)は、平面部分反射鏡(17)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、且つ瞳位置(1)に向かって発光し、瞳位置(1)に近づくのは、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)であり、瞳位置(1)から離れるのは、凹面部分反射鏡(3)であり、マイクロディスプレイ(4)は、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイである。2回の反射により、光学的にマイクロディスプレイ(4)の寸法を大きくし、マイクロディスプレイ(4)の製造難易度を低下させ、回転に必要な精度を低下させ、且つより高い解像度をサポ-トする。平面鏡の屈折作用を使用することにより、眼鏡の厚さを最大限に減少させて、軽薄化を実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短焦点近眼表示システムであって、
マイクロディスプレイ(4)と、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)と、凹面部分反射鏡(3)とを含み、前記マイクロディスプレイ(4)は、凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、又は、マイクロディスプレイ(4)は、平面部分反射鏡(17)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、瞳位置(1)に近づくのは、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)であり、瞳位置(1)から離れるのは、凹面部分反射鏡(3)であり、前記マイクロディスプレイ(4)は、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置(1)に向かって発光し、発した光線は、まず凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)によって反射され、反射された光線は、凹面部分反射鏡(3)によって反射され、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)を通過した後、瞳位置(1)に到達し拡大望遠の機能を実現し、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)が一部の光を透過可能に配置されることで、環境光が同時にはっきりと人間の目に到達する、ことを特徴とする短焦点近眼表示光学システム。
【請求項2】
瞳位置(1)、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の間に位相遅延波長板又は偏光素子が任意に配置されることで、光エネルギ-の利用率を向上させ、且つ迷光を低減させる、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【請求項3】
前記凸面部分反射鏡(2)の表面に光学フィルム層を有し、p直線偏光を反射し、且つs直線偏光を透過することが可能であり、前記凹面部分反射鏡(3)の表面に光学フィルム層がメッキされ、マイクロディスプレイ(4)の画素の発光波長に対して、最高の反射率を有し、マイクロディスプレイ(4)の発光波長以外の波長に対して、最高の透過率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項4】
線状ディスプレイは、多段の直線状のマイクロ表示ユニット(4b-3)がつなぎ合わせることにより構成することができ、隣接する直線状の表示ユニット(4b-3)の間に無表示領域(4b-4)が設けられ、隣接する2周の直線状の表示ユニット(4b-3)のつなぎ合わせ位置に表示重畳領域(4b-5)が予め確保されて、組立の誤差を補償する、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項5】
前記線状ディスプレイの縁に回転リング(4b-6)が接続され、部分反射鏡(3)の中心に細軸(18)が固定されることで、線状ディスプレイ(4b)の径方向の移動を制限し、線状ディスプレイ(4b)は、前記細軸周りに回転し、
前記回転リング(4b-6)の外側に内磁気リング(10)が固定され、内磁気リング(10)の外側に、鏡フレ-ムに固定された外磁気リング(12)が設けられ、内磁気リング(10)と外磁気リング(12)は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有することで、摩擦を防止し、磁気閉じ込めを形成し、
回転リング(4b-6)の左側又は右側に対応する鏡フレ-ムに駆動コイル又はPCB(11)が設けられ、前記駆動コイル又はPCB(11)は、回転リング(4b-6)を回転駆動させ、且つ線状ディスプレイ(4b)にワイヤレス給電するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項6】
線状ディスプレイの回転リング(4b-6)の外輪にスライドリング(16)が嵌設され、前記スライドリング(16)の上方の鏡フレ-ムの対応位置に束縛磁気リング(19)、磁気伝導リング(13)及び耐摩耗リング(14)が固定され、耐摩耗リング(14)とスライドリング(16)との間に潤滑隙間(15)を有し、前記束縛磁気リング(19)は、磁気伝導リング(13)により、磁場を潤滑隙間(15)の周囲に伝送し、潤滑隙間(15)内に磁性流体が入っていることで、液体潤滑の安定的な密封構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項7】
凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)及び鏡フレ-ムが構成する密閉空間の内部に窒素ガス又は不活性ガスが充填され、又は真空にすることで、内部デバイスが酸化されることを防止し、且つ回転抵抗を低下させる、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項8】
前記凹面部分反射鏡(3)は、ストリップ状の凹面反射鏡であり、マイクロディスプレイ(4)と同期して回転する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項9】
短焦点近眼表示光学システムであって、
マイクロディスプレイ(4)、凸面部分反射鏡(2)及び凹面部分反射鏡(3)を含み、
前記マイクロディスプレイ(4)は、回転する線状ディスプレイ又は透明ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置(1)の方向に向かって発光し、マイクロディスプレイ(4)が回転する線状ディスプレイとして配置される場合、その外側に透明保護ケ-ス(26)が配置され、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)は、前記瞳位置(1)からマイクロディスプレイ(4)までの間に順に配置され、
前記マイクロディスプレイ(4)の発した光が、凹面部分反射鏡(3)を通過した後、凸面部分反射鏡(2)によって反射され、その後、前記光が前記凹面部分反射鏡(3)によって反射され、且つ凸面部分反射鏡(2)を通過した後、瞳位置(1)に到達することで、マイクロディスプレイ(4)の画像を拡大望遠する作用を実現し、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)は、一部の光を透過可能に配置されることで、環境光が同時にはっきりと人間の目に到達する、ことを特徴とする短焦点近眼表示光学システム。
【請求項10】
瞳位置(1)、凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の間に位相遅延波長板又は偏光素子が任意に配置されることで、光エネルギ-の利用率を向上させ、且つ迷光を低減させる、ことを特徴とする請求項9に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【請求項11】
前記凹面部分反射鏡(3)は、ストリップ状の凹面反射鏡(25)であり、前記ストリップ状の凹面反射鏡(25)は、外側マイクロディスプレイ(4d)に接続され、且つ一緒に回転する、ことを特徴とする請求項9に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年02月04日に中国の特許庁へ出願した、出願番号202110154039.9、発明の名称「短焦点近眼表示システム」の中国特許出願、及び2021年07月01日に中国の特許庁へ出願した、出願番号202110746124.4、発明の名称「短焦点近眼表示システム」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は、援用により本願に組み入れられる。
【0002】
本願は、近眼表示技術分野に関し、具体的に短焦点近眼表示システムに関する。
【背景技術】
【0003】
拡張現実(ARと略称する)は、第3世代計算プラットフォ-ムと呼ばれ、それは、小体積の眼鏡により、マイクロディスプレイの画像を拡大することができ、使用者に超巨大な3D画面を提供し、また、表示画像が現実環境と融合することができ、日常生活及び工業分野でいずれも非常に広く適用されている。
【0004】
現在、自由曲面プリズム、軸外反射構造、導波眼鏡などを含む様々なAR技術が存在し、各種の制約要因のため、いずれも大視野角、大射出瞳径、エネルギ-効率と体積の矛盾を解決できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来のAR技術に存在する大視野角、大射出瞳径及びエネルギ-効率と体積の矛盾などの問題を解決し、短焦点近眼表示システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイ、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡、及び凹面部分反射鏡を含み、前記マイクロディスプレイは、凸面部分反射鏡と凹面部分反射鏡との間に位置し、又はマイクロディスプレイは、平面部分反射鏡と凹面部分反射鏡との間に位置し、瞳位置に近づくのは、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡であり、瞳位置から離れるのは、凹面部分反射鏡であり、前記マイクロディスプレイは、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置に向かって発光し、発した光線は、まず凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡によって反射され、反射された光線は、凹面部分反射鏡によって反射され、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡を通過した後、瞳位置に到達し拡大望遠の機能を実現し、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡及びマイクロディスプレイの面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡と凹面部分反射鏡は、一部の光を透過可能に配置されることで、環境光が同時にはっきりと人間の目に到達する、
短焦点近眼表示システムである。
【0007】
短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイ、凸面部分反射鏡及び凹面部分反射鏡を含み、
前記マイクロディスプレイは、回転する線状ディスプレイ又は透明ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置の方向に向かって発光し、マイクロディスプレイが、回転する線状ディスプレイとして配置される場合、その外側に透明保護ケ-スが配置され、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡は、前記瞳位置からマイクロディスプレイまでの間に順に配置され、
前記マイクロディスプレイの発した光が、凹面部分反射鏡を通過した後、凸面部分反射鏡によって反射され、その後、前記光が前記凹面部分反射鏡によって反射され、且つ凸面部分反射鏡を通過した後、瞳位置に到達することで、マイクロディスプレイの画像を拡大望遠する作用を実現し、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡及びマイクロディスプレイの面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡は、一部の光を透過可能に配置されることで、環境光が同時にはっきりと人間の目に到達する、
短焦点近眼表示システムである。
【発明の効果】
【0008】
本願の有益な効果は、以下の通りである。本願は、眼鏡の全体的な厚さを短縮し、射出瞳径を大きくし、ユ-ザの装着をより快適にし、より美観的にすることができる、短焦点近眼表示システムを提供する。
【0009】
2回の反射により、光学的にマイクロディスプレイの寸法を大きくし、マイクロディスプレイの製造難易度を低下させ、回転に必要な精度を低下させ、且つより高い解像度をサポ-トする。
【0010】
平面鏡の屈折作用を使用することにより、眼鏡の厚さを最大限に減少させることができ、軽薄化を実現する。
【0011】
本願において、前記マイクロディスプレイの位置は、前後にシフトすることができ、ズ-ム機能を実現する。反射鏡のうちの1つの表面曲率は、装着者の度数に適応するように、調節することができる。
【0012】
最後に、本願のディスプレイは、人間の目に向かって発光し、表示情報の漏洩を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願に記載の短焦点近眼表示システムの部分反射鏡の1つの表面反射方式の光路図である。
【
図2】
図1とは別の短焦点近眼表示システムの部分反射鏡の他の表面反射方式の光路図である。
【
図3】本願に記載の短焦点近眼表示システムにおいて採用されるフラットディスプレイの光路図である。
【
図4】本願に記載の平面部分反射鏡が採用される短焦点近眼表示システムの光路図である。
【
図6】本願に記載の短焦点近眼表示システムに採用される透明ディスプレイの組立模式図である。
【
図7】マイクロディスプレイが線状ディスプレイである場合の基本構成図である。
【
図8】多段の直線状ディスプレイを線状ディスプレイにつなぎ合わせる原理図である。
【
図9】線状ディスプレイを使用し、且つ磁気閉じ込めを採用する組立模式図である。
【
図10】線状ディスプレイを使用し、且つ滑り軸受を採用する組立模式図である。
【
図11】直線状ディスプレイを使用し、且つ磁気閉じ込めを採用する組立模式図である。
【
図12】平面部分反射鏡を使用し、且つ滑り軸受を採用する組立模式図である。
【
図13】回転リング上の永久磁石の配列形態である。
【
図14】回転リング上の永久磁石がhalbachアレイを採用する配置形態である。
【
図15】
図2に記載の短焦点近眼表示システムに位相遅延波長板及び偏振デバイスを加えた模式図である。
【
図16】
図4に記載の短焦点近眼表示システムに位相遅延波長板及び偏振デバイスを加えた模式図である。
【
図17】
図1に記載の短焦点近眼表示システムに位相遅延波長板を加えた光路の偏光変化の模式図である。
【
図18】
図1に記載の短焦点近眼表示システムに位相遅延波長板を加えた他の光路の偏光変化の模式図である。
【
図19】
図1に記載の短焦点近眼表示システムに前置動的遮光器を加えた模式図である。
【
図20】本願に記載の第3種類のマイクロディスプレイが凹面部分反射鏡の外表面に貼り合わせる光路図である。
【
図21】マイクロディスプレイと凹面部分反射鏡の外表面の間に間隔を有する光路図である。
【
図22】マイクロディスプレイがフラットディスプレイとして外側に配置された光路図である。
【
図23】
図20に記載の短焦点近眼表示システムに位相遅延波長板及び偏振デバイスを加えた模式図である。
【
図24】ストリップ状の反射鏡を使用してマイクロディスプレイと同時に回転させた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願において、用語「第一」、「第二」等は説明の目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術的特徴の数量、順序を暗示するとは理解できない。これにより、「第一」、「第二」と限定された特徴は、明示的又は暗に1つ又は複数の前記特徴を含むことができる。本願の説明において、「複数」は、明確に具体的に限定されない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ等を意味する。
【0015】
本願において、用語「含む」と「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的でない包含をカバ-することを意図する。例えば、一連のユニットを含むシステム、製品或いは設備は明確に列挙されたものに限らず、明確に列挙されていない或はこれらの製品或いは設備に固有である他のユニットを含むことができる。
【0016】
本願において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されるべきであり、例えば固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、または一体になってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続または相互通信であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの素子内部の連通または2つの素子の相互作用関係を可能にする。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0017】
具体的な実施形態1として、
図1乃至
図19を参照して本実施形態を説明する。
図1に示すように、短焦点近眼表示システムは、主にマイクロディスプレイ4、凸面部分反射鏡2及び凹面部分反射鏡3により構成され、また、マイクロディスプレイ4は、凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3との間に位置し、且つ目に向かって発光する。マイクロディスプレイ4は、透明ディスプレイ4aであってもよく、回転する線状ディスプレイ4bであってもよい。目に近づく部分反射鏡は、凸面鏡であり、目から離れる部分反射鏡は、凹面鏡である。マイクロディスプレイ4は、凹側にて光を発し、凸面部分反射鏡2における1つの表面、即ち凸面部分反射鏡内側面2-1又は凸面部分反射鏡外側面2-2によって反射され、マイクロディスプレイ4を通過した後、凹面部分反射鏡3によって反射され、再びマイクロディスプレイを通過する。凸面部分反射鏡2が同時に光を透過可能であるため、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡2を通過した後、人間の視認のために、瞳位置1に到達する。マイクロディスプレイ4の発した光が2回反射されると、拡大望遠の効果を実現する。好ましくは、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、凸面部分反射鏡2、凹面部分反射鏡3及びマイクロディスプレイ4は、同心の球面上に分布し、球心位置は、瞳位置1の中心となる。人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材の位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することにある。例として、以下の表には、そのうちの1つの光学設計パラメ-タが示されている。
【0018】
【0019】
図2に示すように、凸面部分反射鏡2における1つの面は、反射膜がメッキされて仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率を変化させて近視矯正の表面とすることができ、それにより、使用者の度数に適応する。凹面反射鏡の2つの表面は、同様な処理をされて度数を調節することができる。
【0020】
凹面部分反射鏡3における1つの面に部分反射膜層がメッキされ、通常、反射フィルタ膜と呼ばれ、当該膜層は、マイクロディスプレイ4の発光波長に応じて設計される。例えば、部分反射膜層は、マイクロディスプレイ4の発光の中心波長に対して高い反射率を有し、例えば、90%よりも大きく反射する一方、発光の中心波長以外の波長域に対して高い透過率を有し、例えば、90%透過する。このような設計は、環境光の輝度を向上させることができる。反射フィルタ膜は、誘電体膜層、誘電体金属組合膜層、ホログラム膜層及びマイクロ構造膜層であってもよい。
【0021】
図3に示すように、前記マイクロディスプレイ4は、フラットマイクロディスプレイであり、なお、フラットマイクロディスプレイ4cは、凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3の間に位置し、且つ目に向かって発光する。前記フラットマイクロディスプレイ4cは、フラットな透明ディスプレイであってもよく、回転する直線状ディスプレイであってもよい。その形状がフラットであるため、従来技術の条件で加工しやすい。目に近づく部分反射鏡は、凸面鏡であり、目から離れる部分反射鏡は、凹面鏡である。フラットマイクロディスプレイ4cは、凸面部分反射鏡2へ光を発し、凸面部分反射鏡2における1つの表面、即ち凸面部分反射鏡内側面2-1又は凸面部分反射鏡外側面2-2によって反射され、フラットマイクロディスプレイ4を通過した後、凹面部分反射鏡3によって反射される。凸面部分反射鏡2が同時に光を透過可能であるため、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡2を通過した後、人間の目が視認できるように、瞳位置1に到達する。フラットマイクロディスプレイ4cの発した光が2回反射されることにより、拡大望遠の効果を実現する。フラットマイクロディスプレイ4cを使用するため、光路の全体構成は、球対称性を有しない。非対称的な矯正を実現するために、好ましくは、凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3のうちの少なくとも1つは、非球面である。人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することにある。例として、以下の表に、そのうちの2つの光学面がいずれも偶数次非球面を使用する場合の設計パラメ-タが示されている。
【0022】
【0023】
前記凸面部分反射鏡2における1つの面は、反射膜がメッキされて仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率を変化させて近視矯正の表面とすることができ、それにより、使用者の度数に適応する。凹面反射鏡の2つの表面は、同様な処理されて度数を調節することができる。
【0024】
前記凹面部分反射鏡3における1つの面に部分反射膜層がメッキされ、通常反射フィルタ膜と呼ばれ、当該膜層は、マイクロディスプレイ4の発光の波長に応じて設計され、マイクロディスプレイ4の発光の中心波長に対して高い反射率を有し、例えば90%よりも大きく反射する一方、発光の中心波長以外の波長域に対して高い透過率を有し、例えば90%透過する。このような設計は、環境光の輝度を向上させることができる。反射フィルタ膜は、誘電体膜層、誘電体金属組合膜層、ホログラム膜層及びマイクロ構造膜層であってもよい。
【0025】
図4に示すように、マイクロディスプレイ4、平面部分反射鏡17及び凹面部分反射鏡3によって構成され、なお、マイクロディスプレイ4は、平面部分反射鏡17と凹面部分反射鏡3の間に位置し、且つ目に向かって発光する。マイクロディスプレイ4は、透明ディスプレイ4aであってもよく、回転する線状ディスプレイ4bであってもよい。目に近づく部分反射鏡は、平面鏡であり、目から離れる部分反射鏡は、凹面鏡である。マイクロディスプレイ4は、凸側にて光を発し、平面部分反射鏡17における1つの表面、即ち平面部分反射鏡内側面17-1又は平面部分反射鏡外側面17-2によって反射され、一部の光は、マイクロディスプレイ4の表示部分を通過し、一部の光は、マイクロディスプレイ4の縁部分を通過した後、凹面部分反射鏡3によって反射され、再びマイクロ表示スクリ-ンを通過する。平面部分反射鏡17が同時に光を透過可能であるため、反射されて戻った光線は、平面部分反射鏡17を通過した後、人間の目が視認できるように、瞳位置1に到達する。マイクロディスプレイ4の発した光は、凹面部分反射鏡3によって反射された後、拡大望遠の効果を実現する。
【0026】
本実施形態では、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、凹面部分反射鏡3は、球面であり、その球心が、瞳位置1の中心と重ね合わせる。マイクロディスプレイ4も球面上に分布し、平面部分反射鏡17が鏡面を展開した後、球心位置も瞳位置1の中心となる。人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材位置のある程度の移動又は面型の変形が許容される。このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することにある。例として、以下の表にそのうちの1つの光学設計パラメ-タが示されている。
【0027】
【0028】
前記平面部分反射鏡17における1つの面は、反射膜がメッキされて仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率を変化させて近視矯正の表面とすることができ、それにより、使用者の度数に適応する。凹面反射鏡の2つの表面は、同様な処理されて度数を調節することができる。
【0029】
前記凹面部分反射鏡3における1つの面に部分反射膜層がメッキされ、通常反射フィルタ膜と呼ばれ、当該膜層は、マイクロディスプレイ4の発光波長に応じて設計され、マイクロディスプレイ4の発光の中心波長に対して高い反射率を有し、例えば90%よりも大きく反射する一方、発光の中心波長以外の波長域に対して高い透過率を有し、例えば90%透過する。このような設計は、環境光の輝度を向上させることができる。反射フィルタ膜は、誘電体膜層、誘電体金属組合膜層、ホログラム膜層及びマイクロ構造膜層であってもよい。
【0030】
図5に示すように、前記マイクロディスプレイ4が透明ディスプレイ4aである場合、その構成は、一般的に透明保護層4a-1、透明発光画素層4a-2、透明駆動層4a-3により構成され、迷光を防止するために、動的遮光層4a-4を加えることができる。なお、透明保護層4a-1は、一般的に透明材質のガラス又は樹脂により製造される。透明発光画素は、OLED, Micro-LEDなどの構成であってもよく、液晶制御の方式によって実現することも可能である。透明駆動層4a-3は、ITO、カ-ボンナノチュ-ブ及びグラフェンなどの透明導電材料によってアレイに製造された駆動ユニットより構成される。動的遮光層4a-4上にも複数の画素があり、染料液晶、エレクトロウェッテイングなどの方式によってグレ-スケ-ル調節を実現して、発光画素が人間の目に背向して発した光を遮断する。動的遮光層4a-4上の画素は、発光画素よりもはるかに大きくなってもよく、例えば直径0.5mm~2mmの円形画素又は0.5mm*20mmの長尺状の画素であってもよい。その目的は、発光を遮断するためであり、そのため、画素寸法が一方向において人間の目の瞳孔よりも小さければ、光が人間の目に入ることを保証することができる。当然ながら、0.5mm以下に保つことが好ましく、それにより、より多い光が人間の目に入ることができる。フラットマイクロディスプレイ4cが透明ディスプレイである場合、その構成は、透明ディスプレイ4aと同じであるが、異なる点は、その形状が平面であることにある。
図6に示すように、透明表示スクリ-ンの縁に透明ディスプレイ外側ホルダ4a-5を設けることにより、鏡フレ-ムとの組立に便利である。なお、凸面部分反射鏡2の縁に凸面部分反射鏡延伸端2-3を設け、当該延伸端は、凹面部分反射鏡3及び鏡フレ-ムと密閉空間を構成することができ、粉塵を防止する効果を奏するとともに、密閉空間中に窒素ガス又は不活性ガスを充填し、又は真空とすることで、内部デバイスの酸化を防止し、耐久年数を延ばすことができる。
【0031】
図7に示すように、
図7は、線状ディスプレイの模式図であり、駆動及び弧線状ホルダ4b-2上に1列又は複数列の発光画素4b-1が分布し、全体の幅は、人間の目の瞳孔の直径を超えてはならず、且つ細いほど好適となる。
図8に示すように、弧線状の加工難易度を考慮すると、多段の直線状の表示ユニット4b-3がつなぎ合わせる方式で全体の線状ディスプレイ4bを構成することができる。
図8は、そのうちの1つのつなぎ合わせの方式を示し、上半段及び下半段の組み合わせによって、全体に1枚の完全な画面を形成することができる。そのメリットは、直線状の表示ユニット4b-3の間に無表示領域4b-4があり、前記無表示領域4b-4の領域も駆動回路を設置可能なことにある。隣接する2周の直線状の表示ユニット4b-3のつなぎ合わせ位置は、一般的に表示重畳領域4b-5を予め確保することができ、組立の誤差を補償する。フラットマイクロディスプレイ4cが回転する線状ディスプレイである場合、その構成は、線状ディスプレイ4bと同じであるが、異なる点は、その形状が直線状であることにあるため、
図8に示すようなセグメント配置方式が必要としない。
【0032】
図9に示すように、
図9は、線状ディスプレイの回転構造の模式図であり、線状ディスプレイ4bの中心の発光画素4b-1に背向する側に回転小孔が設けられ、その寸法が一般的に0.2~1mmであり、凹面部分反射鏡3の中心に細軸18が固定され、細軸18の直径は、線状ディスプレイ4bの径方向の移動を制限するように、小孔に合わせ、線状ディスプレイ4bは、当該軸周りに回転することができる。凹面部分反射鏡3の前方に回転ホルダ21を設置することができ、その中心に細軸18が固定され、回転ホルダに透明材料で製造されたレンズ又は金属ストリップであってもよい。中心軸の長さが短いため、細軸18と小孔との間の微小な隙間は、線状ディスプレイ4bの軸方向における揺動を引き起こし、この揺動を制限するために、磁力による制約の方式を採用することができる。回転リング4b-6の外側に内磁気リング10が固定され、内磁気リング10は、回転リング4b-6とともに回転し、内磁気リング10の外側に、鏡フレ-ム上に固定された外磁気リング12が設けられ、内磁気リング10と外磁気リング12は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有して摩擦を防止する。内磁気リング10は、外磁気リング12と磁化方向が逆である場合、磁気閉じ込めを形成し、同一の平面に保持する力が存在する。パルスモ-タを使用するとき、回転リング上の磁体がいずれも同一の方向に配置されるため、外磁気リング12と組み合わせて同様に安定的な構造を構成することができるため、内磁気リング10は、この場合、省略することができる。回転リング4b-6の左側又は右側に駆動コイル又はPCBが設けられ、それが鏡フレ-ム上に固定されている。前記駆動コイル又はPCBは、回転リング4b-6を回転駆動させ、且つ線状ディスプレイ4bにワイヤレス給電することができる。
【0033】
図10に示すように、他の1種類の回転構造の模式図である。回転リング4b-6の外輪にスライドリング16が嵌設され、それが、摩擦抵抗の小さい特性を有し、一般的に金属又はテフロンなどであり、対応する位置の上方に、鏡フレ-ム上に固定されて束縛磁気リング19、磁気伝導リング13及び耐摩耗リング14などが位置する。また、耐摩耗リング14とスライドリング16の間に潤滑隙間15を有する。この構造の原理は、束縛磁気リング19が磁気伝導リング13を介して磁場を潤滑隙間15の周囲に伝送し、潤滑隙間15内に磁性流体が充填されると、液体潤滑を形成することができるとともに、磁力による制約により、磁性流体が外へ漏れることができず、安定的な密封構造を形成することにある。
【0034】
図11に示すように、フラットマイクロディスプレイ4cの中心の発光画素に背向する側に回転小孔が設けられ、その寸法が一般的に0.2~1mmであり、凹面部分反射鏡3に近づく側に回転ホルダ21が配置され、回転ホルダ21の中心に細軸18が固定され、細軸18の直径は、フラットマイクロディスプレイ4cの径方向の移動を制限するように、小孔に合わせ、フラットマイクロディスプレイ4cは、当該軸周りに回転することができる。中心軸の長さが短いため、細軸18と小孔との間の微小な隙間は、フラットマイクロディスプレイ4cの軸方向における揺動を引き起こし、この揺動を制限するために、磁力による制約の方式を採用することができる。フラットマイクロディスプレイ4cの先端は、フラットマイクロディスプレイ延伸端4c-1に接続され、前記フラットマイクロディスプレイ延伸端4c-1は、フラットマイクロディスプレイ回転リング4c-2に固定接続されている。フラットマイクロディスプレイ回転リング4c-2の外側に内磁気リング10が固定され、内磁気リング10は、フラットマイクロディスプレイ回転リング4c-2とともに回転し、内磁気リング10の外側に、鏡フレ-ム上に固定された外磁気リング12が設けられ、内磁気リング10と外磁気リング12は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有して摩擦を防止する。内磁気リング10は、外磁気リング12と磁化方向が逆である場合、磁気閉じ込めを形成、同一の平面に保持する力が存在する。パルスモ-タを使用するとき、回転リング上の磁体がいずれも同一の方向に配置されるため、外磁気リング12と組み合わせて同様に安定的な構造を構成することができるため、内磁気リング10は、この場合、省略することができる。
【0035】
細軸18のフラットマイクロディスプレイ4cに近づく側に、中心永久磁石23が配置可能であり、中心永久磁石23と細軸18の間に一般的に一定の中心隙間22があり、この中心隙間22中に磁性流体が充填されると潤滑の作用を果たすことができる。
【0036】
図12に示すように、
図12は、平面部分反射鏡17の回転方法であり、回転リング4b-6の外輪にスライドリング16が嵌設され、それが摩擦抵抗の小さい特性を有し、一般的に、金属又はテフロンなどであり、対応する位置の上方に、鏡フレ-ム上に固定されて束縛磁気リング19、磁気伝導リング13及び耐摩耗リング14などが位置し、また、耐摩耗リング14とスライドリング16の間に潤滑隙間15を有する。当該構造の原理は、束縛磁気リング19が磁気伝導リング13を介して磁場を潤滑隙間15の周囲に伝送し、潤滑隙間15内に磁性流体が充填されると、液体潤滑を形成することができるとともに、磁力による制約により、磁性流体が外へ漏れることができず、安定的な密封構造を形成することにある。
図20に示す構造に類似し、回転ホルダ21を加えて中心の軸周りに回転する方式を採用することもできる。
【0037】
凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3及び鏡フレ-ムにより構成された密閉空間の内部に窒素ガス又は不活性ガスを充填して酸化を防止することで耐久性を向上させ、また、真空にすることで回転抵抗をさらに低下させることができる。
【0038】
図13に示すように、回転リング4b-6又はフラットマイクロディスプレイ回転リング4c-2上の永久磁石の配置方式は、NS交互配置であってもよい。
図14に示すように、回転リング4b-6又はフラットマイクロディスプレイ回転リング4c-2上の永久磁石の配置は、halbachアレイの配置方式であってもよい。上記の2種類の配置が採用されたモ-タは、一般的にブラシレス直流モ-タの範疇に属する。回転リングの左側又は右側の対応する位置に駆動及給電コイル又はPCB11が配置され、それが、電力により回転リングの回転を駆動することができ、同時にマイクロディスプレイに給電することができる。
【0039】
上記の設計により、本実施形態に記載の光学システムは、眼鏡の全体的な厚さを短縮することができ、射出瞳径を大きくすることができ、ユ-ザの装着をより快適、より美観的にすることができる。2回の反射により、光学的にマイクロディスプレイの寸法を大きくすることにより、マイクロディスプレイの製造難易度を低下させ、回転に必要な精度を低下させ、且つより高い解像度をサポ-トする。
【0040】
本実施形態は、光路を折りたたむことにより、光学システムの全体の構造を薄くし、快適度を向上させるとともに、低摩擦、安定的な回転方案を案出する。
【0041】
図15及び16に示すように、本実施形態において、位相遅延波長板、偏光素子及び動的遮光器が加えられ、前記位相遅延波長板は、一般的に1/4波長板及び1/2波長板を含み、前記偏光素子は、主に吸收型偏光板、メタルワイヤグリッド偏光板及び誘電体膜偏光板などがある。位相遅延波長板と偏光素子の協同使用により光エネルギ-の利用率を向上させ、迷光干渉を低減させることができる。
【0042】
前記凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17とマイクロディスプレイ4の間に位相遅延波長板5を加え、又はマイクロディスプレイ4と凹面部分反射鏡3の間に位相遅延波長板5を加える。
【0043】
マイクロディスプレイ4と凹面部分反射鏡3の間にさらに位相遅延波長板5が配置可能であり、当該位相遅延波長板5は、凹面反射鏡3に付着可能であり、マイクロディスプレイ4と凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17の間にも位相遅延波長板5が挿入可能であり、それが凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17に付着可能である。
【0044】
凹面部分反射鏡3に外側偏光素子8が付着可能であり、凸面部分反射鏡2にも内側偏光素子9が付着可能である。
【0045】
前記凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17の一方側に前置動的遮光層20が配置される。
【0046】
図17に示すように、位相遅延波長板5が凹面部分反射鏡3とマイクロディスプレイ4の間に位置する場合の光路原理図である。マイクロディスプレイ4は、第1p直線偏光7a-1を発し、凸面部分反射鏡2にp光を反射し且つs光を透過する膜層がメッキされ、反射された光線は、依然として第2p直線偏光7a-2であり、位相遅延波長板5を通過した後、第1円又は楕円偏光7a-3に変わり、そして凹面部分反射鏡3によって反射された後、光線は、依然として第2円又は楕円偏光7a-4であり、当該光線は、再び位相遅延波長板5を通過した後、第1s直線偏光7a-5に変わり、当該光線は、最大限に凸面部分反射鏡2を透過して人間の目に入ることができ、同時に迷光の干渉を回避できた。
【0047】
図18に示すように、位相遅延波長板5が凸面部分反射鏡2とマイクロディスプレイ4の間に位置する場合の光路原理図である。マイクロディスプレイ4は、第3円又は楕円偏光7b-1を発し、位相遅延波長板5を通過した後、第3p直線偏光7b-2に変わり、凸面部分反射鏡2にp光を反射し且つs光を透過する膜層がメッキされ、反射された光線は、依然として第4p直線偏光7b-3であり、位相遅延波長板5を通過した後、第4円又は楕円偏光7b-3に変わり、そして凹面部分反射鏡3によって反射された後、光線は、依然として第5円又は楕円偏光7b-4であり、当該光線は、再び位相遅延波長板5を透過した後、第2s直線偏光7b-5に変わり、当該光線は、最大限に凸面部分反射鏡2を透過して人間の目に入ることができ、同時に迷光の干渉を回避できた。
【0048】
当該システムの両側に外側偏光素子8及び内側偏光素子9を加えることができ、偏光方向を調節することにより、環境光による迷光を解消し、よりよい効果を得る。
図19に示すように、凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17の人間の目に近づく側に前置動的遮光器20を配置することができ、その作用は、マイクロディスプレイ4が発した、直接的に凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17を透過した光を遮断することである。それは、グレ-スケ-ル画素により構成され、マイクロディスプレイ4が走査して発光する時、動的遮光層20は、マイクロディスプレイの発した光線が直接的に凸面部分反射鏡2又は平面部分反射鏡17を透過して人間の目に入った位置で黒状態になり、他の位置で白状態であってもよく、それにより直接的に人間の目に入った迷光を遮断して、画像のコントラストを向上させる。動的遮光器20は、マイクロディスプレイ4と凸面部分反射鏡2の間に配置されてもよい。その画素寸法は、少なくとも一方向において人間の目の瞳孔よりも小さい必要がある。強調すべきなのは、位相遅延波長板5、外側偏光素子8、内側偏光素子9及び動的遮光層20は、面型が限定されず、曲面であってもよく、平面であってもよい。
【0049】
本実施形態において、位相遅延波長板、偏光素子及び動的遮光器を加えることにより、光エネルギ-の利用率を向上させ、輝度を向上させるとともに、迷光干渉を低下させることができる。
【0050】
具体的な実施形態2として、
図20乃至
図24を参照しながら本実施形態を説明する。本実施形態のマイクロディスプレイ4の構成及び回転方法は、具体的な実施形態1に類似し、ここで繰り返し述べない。
【0051】
図20に示すように、短焦点近眼表示システムは、主に外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4f、凸面部分反射鏡2及び凹面部分反射鏡3により構成され、また、外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fは、凹面部分反射鏡3の人間の目から離れる方向の外側に位置し、且つ目に向かって発光する。
図20に示すように、その位置は、凹面部分反射鏡外側面3-2に密着することができる。
図21及び
図22に示すように、一定の間隔、例えば3mmを置いてもよい。外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fは、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイであってもよく、仮想現実のために使用される、非透明ディスプレイであってもよい。目に近づく部分反射鏡は、凸面鏡であり、目から離れる部分反射鏡は、凹面鏡である。外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fは、人間の目に向かって発光し、光線は、凹面部分反射鏡3を通過した後、凸面部分反射鏡2における1つの表面、即ち凸面部分反射鏡内側面2-1又は凸面部分反射鏡外側面2-2によって反射され、その後、光は、凹面部分反射鏡3によって反射され、凸面部分反射鏡2が同時に光を透過可能であるため、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡2を通過した後、人間の目が視認できるように、瞳位置1に到達する。外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fの発した光は、凸面部分反射鏡2及び凹面部分反射鏡3によって反射されると、拡大望遠の効果を実現する。
【0052】
本実施形態では、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、凸面部分反射鏡2、凹面部分反射鏡3及び外側マイクロディスプレイ4dは、同心球面上に分布し、球心位置は、瞳位置1の中心となる。
図22に示すように、外側マイクロディスプレイ4dの製造難易度を低下させるために、外側フラットマイクロディスプレイ4fを使用する場合、光路の全体構成は、球対称性を有しない。非対称的な矯正を実現するために、好ましくは、凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3のうちの少なくとも1つは、非球面である。外側フラットマイクロディスプレイ4fの前方に動的遮光器20を加えることができ、外側フラットマイクロディスプレイ4fが直接的に人間の目に入る光路で前置動的遮光器黒状態画素20-1に調節することにより、直接的に人間の目に入る迷光24を減少させる。
【0053】
人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することであり。例として、以下の表にそのうちの1種類の対称設計の光学パラメ-タが示されている。
【0054】
【0055】
凸面部分反射鏡2における1つの面は、反射膜がメッキされて仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率を変化させて近視矯正の表面とすることができ、使用者の度数に適応する。凹面反射鏡の2つの表面は、同様な処理をされて度数を調節することができ、環境光がはっきりと人間の目に到達するようにことができる。
【0056】
図23に示すように、当該実施例に記載の外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fが凹面部分反射鏡3の外側に位置する場合、外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fの前方に外側偏光素子8が配置され、さらに外側位相遅延波長板5-2が配置され、同時に、凸面部分反射鏡2と凹面部分反射鏡3の間にさらに内側位相遅延波長板5-1が加えられることができる。各位相遅延波長板は、凸面部分反射鏡2及び凹面部分反射鏡3の表面に付着可能である。前記位相遅延波長板、偏光素子及び動的遮光器は、いずれもよりよい効果を実現するためのものであるが、必須のデバイスではない。
【0057】
以下の表に虚像距離が2mm、環境光、ディオプトリ-なし、近視度数がない場合に適用される設計パラメ-タ表が示されている。
【0058】
【0059】
図24に示すように、光エネルギ-の利用率を向上させ、また迷光干渉を減少させるために、ストリップ状の凹面反射鏡25を使用することができ、ストリップ状の凹面反射鏡前面25-1又はストリップ状の凹面反射鏡裏面25-2に一定の反射率の膜層がメッキされ、幅が一般的に1mm~10mmである。ストリップ状の凹面反射鏡25と外側マイクロディスプレイ4dは、固定接続され、且つ一緒に回転する。外側マイクロディスプレイ4dの外側に外透明保護ケ-ス26が設けられ、それが鏡フレ-ムに固定接続される。外側マイクロディスプレイ4dの表示スクリ-ンホルダ27に回転小孔が設けられ、その寸法が一般的に0.2~5mmであり、外透明保護ケ-ス26の中心に細軸18が固定され、細軸18の直径は、外側マイクロディスプレイ4dの径方向の移動をするように、小孔に合わせ、外側マイクロディスプレイ4dは、当該軸周りに回転することができる。中心軸の長さが短いため、細軸18と小孔の間の微小な隙間は、外側マイクロディスプレイ4dの軸方向における揺動を引き起こする。この揺動を制限するために、磁力による制約の方式を採用することができる。外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1の外側に内磁気リング10が固定され、内磁気リング10は、外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1とともに回転する。内磁気リング10の外側に、鏡フレ-ム上に固定された外磁気リング12が設けられ、内磁気リング10と外磁気リング12は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有して摩擦を防止する。内磁気リング10は、外磁気リング12と磁化方向が逆である場合、磁気閉じ込めを形成し、同一の平面に保持する力が存在する。パルスモ-タを使用する場合、回転リング上の磁体がいずれも同一の方向に配置されるため、外磁気リング12と組み合わせて同様に安定的な構造を構成することができるため、内磁気リング10は、この場合、省略することができる。外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1の左側又は右側に駆動コイル又はPCBが設けられ、それが鏡フレ-ム上に固定されている。前記駆動コイル又はPCBは、外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1を回転駆動させ、且つ線状ディスプレイ4bにワイヤレス給電することができる。細軸18の外側マイクロディスプレイ4dに近づく側に、中心永久磁石23を配置することができ、中心永久磁石23と細軸18の間に一般的に一定の中心隙間22があり、この中心隙間22に磁性流体が充填されると潤滑の作用を果たすことができる。
【0060】
以上、ストリップ状の反射鏡を用いてマイクロディスプレイと同時に回転させる方式を実施形態1に適用することもできる。
【0061】
本実施形態のメリットは、光線が外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fを複数回通過する必要がなく、マイクロディスプレイが一定の吸収を有する場合、外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fを複数回通過することによる光エネルギ-の損失を回避することができる。なお、外側マイクロディスプレイ4d又は外側フラットマイクロディスプレイ4fと凹面部分反射鏡3の間に位相遅延波長板及び偏光素子を配置することができ、自由度を向上させる。
【0062】
上述した実施例の各技術的特徴は任意の組み合わせを行うことができ、説明を簡潔にするために、上記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせに対して説明は行われていないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、すべて本明細書記載の範囲と見なすべきである。
【0063】
上述した実施例は本出願のいくつかの実施形態のみを表し、その説明は比較的に具体的かつ詳細であるが、これによって特許請求の範囲に対する制限と理解することはできない。なお、当業者にとって、本願の構想から逸脱しない前提の下で、さらに若干の変形と改良を行うことができ、それらはいずれも本願の保護範囲に属する。そのため、本願の特許の保護範囲は添付の請求項を基準とする。
【符号の説明】
【0064】
1 瞳位置
2 凸面部分反射鏡
2-1 凸面部分反射鏡内側面
2-2 凸面部分反射鏡外側面
2-3 凸面部分反射鏡延伸端
3 凹面部分反射鏡
3-1 凹面部分反射鏡内側面
3-2 凹面部分反射鏡外側面
4 マイクロディスプレイ
4a 透明ディスプレイ
4a-1 透明保護層
4a-2 透明発光画素層
4a-3 透明駆動層
4a-4 動的遮光層
4a-5 透明ディスプレイ外側ホルダ
4b 線状ディスプレイ
4b-1 発光画素
4b-2 駆動及び弧線状ホルダ
4b-3 直線状の表示ユニット
4b-4 無表示領域
4b-5 表示重畳領域
4b-6 回転リング
4b-6-1 回転リングS極外側永久磁石
4b-6-2 回転リングN極外側永久磁石
4b-6-3 回転リング外向き永久磁石
4b-6-4 回転リング内向き永久磁石
4b-6-5 回転リング時計周り向き永久磁石
4b-6-6 回転リング反時計回り向き永久磁石
4c フラットマイクロディスプレイ
4c-1 フラットマイクロディスプレイ延伸端
4c-2 フラットマイクロディスプレイ回転リング
4d 外側マイクロディスプレイ
4d-1 外側マイクロディスプレイ回転リング
4f 外側フラットマイクロディスプレイ
5 位相遅延波長板
5-1 内側位相遅延波長板
5-2 外側位相遅延波長板
6 偏光偏光子
7 光線
7a-1 第1p直線偏光
7a-2 第2p直線偏光
7a-3 第1円又は楕円偏光
7a-4 第2円又は楕円偏光
7a-5 第1s直線偏光
7b-1 第3円又は楕円偏光
7b-2 第3p直線偏光
7b-3 第4円又は楕円偏光
7b-4 第5円又は楕円偏光
7b-5 第2s直線偏光
8 外側偏光素子
9 内側偏光素子
10 内磁気リング
11 駆動及給電コイル又はPCB
12 外磁気リング
13 磁気伝導リング
14 耐摩耗リング
15 潤滑隙間
16 スライドリング
17 平面部分反射鏡
17-1 平面部分反射鏡外側
17-2 平面部分反射鏡内側
18 細軸
19 束縛磁気リング
20 動的遮光器
20-1 前置動的遮光器黒状態画素
21 回転ホルダ
22 中心隙間
23 中心永久磁石
24 迷光
25 ストリップ状の凹面反射鏡
25-1 ストリップ状の凹面反射鏡前面
25-2 ストリップ状の凹面反射鏡裏面
26 外透明保護ケ-ス
27 表示スクリ-ンホルダ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイ、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡、及び凹面部分反射鏡を含み、前記マイクロディスプレイは、凸面部分反射鏡と凹面部分反射鏡との間に位置し、又はマイクロディスプレイは、平面部分反射鏡と凹面部分反射鏡との間に位置し、瞳位置に近づくのは、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡であり、瞳位置から離れるのは、凹面部分反射鏡であり、前記マイクロディスプレイは、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置に向かって発光し、発した光線は、まず凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡によって反射され、反射された光線は、凹面部分反射鏡によって反射され、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡又は平面部分反射鏡を通過した後、瞳位置に到達し、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡及びマイクロディスプレイの面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡と凹面部分反射鏡は、一部の光を透過可能に配置される、
短焦点近眼表示システムである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイ、凸面部分反射鏡及び凹面部分反射鏡を含み、
前記マイクロディスプレイは、回転する線状ディスプレイ又は透明ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置の方向に向かって発光し、マイクロディスプレイが、回転する線状ディスプレイとして配置される場合、その外側に透明保護ケ-スが配置され、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡は、前記瞳位置からマイクロディスプレイまでの間に順に配置され、
前記マイクロディスプレイの発した光が、凹面部分反射鏡を通過した後、凸面部分反射鏡によって反射され、その後、前記光が前記凹面部分反射鏡によって反射され、且つ凸面部分反射鏡を通過した後、瞳位置に到達し、
前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡及びマイクロディスプレイの面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡、凹面部分反射鏡は、一部の光を透過可能に配置される、
短焦点近眼表示システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図4に示すように、
短焦点近眼表示システムは、マイクロディスプレイ4、平面部分反射鏡17及び凹面部分反射鏡3によって構成され、なお、マイクロディスプレイ4は、平面部分反射鏡17と凹面部分反射鏡3の間に位置し、且つ目に向かって発光する。マイクロディスプレイ4は、透明ディスプレイ4aであってもよく、回転する線状ディスプレイ4bであってもよい。目に近づく部分反射鏡は、平面鏡であり、目から離れる部分反射鏡は、凹面鏡である。マイクロディスプレイ4は、凸側にて光を発し、平面部分反射鏡17における1つの表面、即ち平面部分反射鏡内側面17-1又は平面部分反射鏡外側面17-2によって反射され、一部の光は、マイクロディスプレイ4の表示部分を通過し、一部の光は、マイクロディスプレイ4の縁部分を通過した後、凹面部分反射鏡3によって反射され、再びマイクロ表示スクリ-ンを通過する。平面部分反射鏡17が同時に光を透過可能であるため、反射されて戻った光線は、平面部分反射鏡17を通過した後、人間の目が視認できるように、瞳位置1に到達する。マイクロディスプレイ4の発した光は、凹面部分反射鏡3によって反射された後、拡大望遠の効果を実現する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図7に示すように、
図7は、線状ディスプレイの模式図であり、駆動及び弧線状ホルダ4b-2上に1列又は複数列の発光画素4b-1が分布し、全体の幅は、人間の目の瞳孔の直径を超えてはならず、且つ細いほど好適となる。
図8に示すように、弧線状の加工難易度を考慮すると、多段の直線状の表示ユニット4b-3がつなぎ合わせる方式で全体の線状ディスプレイ4bを構成することができる。
図8は、そのうちの1つのつなぎ合わせの方式を示し、上半段及び下半段の組み合わせによって、全体に1枚の完全な画面を形成することができる。そのメリットは、直線状の表示ユニット4b-3の間に無表示領域4b-4があり、前記無表示領域4b-4の領域も駆動回路を設置可能なことにある。隣接する2周の直線状の表示ユニット4b-3のつなぎ合わせ位置は、一般的に表示重畳領域4b-5を予め確保することができ、組立の誤差を補償する。フラットマイクロディスプレイ4cが回転する
直線状ディスプレイである場合、その構成は、線状ディスプレイ4bと同じであるが、異なる点は、その形状が直線状であることにあるため、
図8に示すようなセグメント配置方式が必要としない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図12に示すように、
図12は、
平面部分反射鏡を用いた短焦点近眼表示システムの構成模式図であり、回転リング4b-6の外輪にスライドリング16が嵌設され、それが摩擦抵抗の小さい特性を有し、一般的に、金属又はテフロンなどであり、対応する位置の上方に、鏡フレ-ム上に固定されて束縛磁気リング19、磁気伝導リング13及び耐摩耗リング14などが位置し、また、耐摩耗リング14とスライドリング16の間に潤滑隙間15を有する。当該構造の原理は、束縛磁気リング19が磁気伝導リング13を介して磁場を潤滑隙間15の周囲に伝送し、潤滑隙間15内に磁性流体が充填されると、液体潤滑を形成することができるとともに、磁力による制約により、磁性流体が外へ漏れることができず、安定的な密封構造を形成することにある。
図20に示す構造に類似し、回転ホルダ21を加えて中心の軸周りに回転する方式を採用することもできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
図24に示すように、光エネルギ-の利用率を向上させ、また迷光干渉を減少させるために、ストリップ状の凹面反射鏡25を使用することができ、ストリップ状の凹面反射鏡前面25-1又はストリップ状の凹面反射鏡裏面25-2に一定の反射率の膜層がメッキされ、幅が一般的に1mm~10mmである。ストリップ状の凹面反射鏡25と外側マイクロディスプレイ4dは、固定接続され、且つ一緒に回転する。外側マイクロディスプレイ4dの外側に外透明保護ケ-ス26が設けられ、それが鏡フレ-ムに固定接続される。外側マイクロディスプレイ4dの表示スクリ-ンホルダ27に回転小孔が設けられ、その寸法が一般的に0.2~5mmであり、外透明保護ケ-ス26の中心に細軸18が固定され、細軸18の直径は、外側マイクロディスプレイ4dの径方向の移動を
制限するように、小孔に合わせ、外側マイクロディスプレイ4dは、当該軸周りに回転することができる。中心軸の長さが短いため、細軸18と小孔の間の微小な隙間は、外側マイクロディスプレイ4dの軸方向における揺動を引き起こする。この揺動を制限するために、磁力による制約の方式を採用することができる。外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1の外側に内磁気リング10が固定され、内磁気リング10は、外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1とともに回転する。内磁気リング10の外側に、鏡フレ-ム上に固定された外磁気リング12が設けられ、内磁気リング10と外磁気リング12は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有して摩擦を防止する。内磁気リング10は、外磁気リング12と磁化方向が逆である場合、磁気閉じ込めを形成し、同一の平面に保持する力が存在する。パルスモ-タを使用する場合、回転リング上の磁体がいずれも同一の方向に配置されるため、外磁気リング12と組み合わせて同様に安定的な構造を構成することができるため、内磁気リング10は、この場合、省略することができる。外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1の左側又は右側に駆動コイル又はPCBが設けられ、それが鏡フレ-ム上に固定されている。前記駆動コイル又はPCBは、外側マイクロディスプレイ回転リング4d-1を回転駆動させ、且つ線状ディスプレイ4bにワイヤレス給電することができる。細軸18の外側マイクロディスプレイ4dに近づく側に、中心永久磁石23を配置することができ、中心永久磁石23と細軸18の間に一般的に一定の中心隙間22があり、この中心隙間22に磁性流体が充填されると潤滑の作用を果たすことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短焦点近眼表示システムであって、
マイクロディスプレイ(4)と、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)と、凹面部分反射鏡(3)とを含み、前記マイクロディスプレイ(4)は、凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、又は、マイクロディスプレイ(4)は、平面部分反射鏡(17)と凹面部分反射鏡(3)との間に位置し、瞳位置(1)に近づくのは、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)であり、瞳位置(1)から離れるのは、凹面部分反射鏡(3)であり、前記マイクロディスプレイ(4)は、透明ディスプレイ又は回転する線状ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置(1)に向かって発光し、発した光線は、まず凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)によって反射され、反射された光線は、凹面部分反射鏡(3)によって反射され、反射されて戻った光線は、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)を通過した後、瞳位置(1)に到達
し、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)が一部の光を透過可能に配置され
る、ことを特徴とする短焦点近眼表示光学システム。
【請求項2】
瞳位置(1)、凸面部分反射鏡(2)又は平面部分反射鏡(17)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の間に位相遅延波長板又は偏光素子が任意に配置され
る、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【請求項3】
前記凸面部分反射鏡(2)の表面に光学フィルム層を有し、p直線偏光を反射し、且つs直線偏光を透過することが可能であり、前記凹面部分反射鏡(3)の表面に光学フィルム層がメッキされ、マイクロディスプレイ(4)の画素の発光波長に対して、最高の反射率を有し、マイクロディスプレイ(4)の発光波長以外の波長に対して、最高の透過率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項4】
線状ディスプレイは、多段の直線状のマイクロ表示ユニット(4b-3)がつなぎ合わせることにより構成することができ、隣接する直線状の表示ユニット(4b-3)の間に無表示領域(4b-4)が設けられ、隣接する2周の直線状の表示ユニット(4b-3)のつなぎ合わせ位置に表示重畳領域(4b-5)が予め確保さ
れる、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項5】
前記線状ディスプレイの縁に回転リング(4b-6)が接続され、部分反射鏡(3)の中心に細軸(18)が固定されることで、線状ディスプレイ(4b)の径方向の移動を制限し、線状ディスプレイ(4b)は、前記細軸周りに回転し、
前記回転リング(4b-6)の外側に内磁気リング(10)が固定され、内磁気リング(10)の外側に、鏡フレ-ムに固定された外磁気リング(12)が設けられ、内磁気リング(10)と外磁気リング(12)は、同心円を構成し、且つその間に空気隙間を有することで、摩擦を防止し、磁気閉じ込めを形成し、
回転リング(4b-6)の左側又は右側に対応する鏡フレ-ムに駆動コイル又はPCB(11)が設けられ、前記駆動コイル又はPCB(11)は、回転リング(4b-6)を回転駆動させ、且つ線状ディスプレイ(4b)にワイヤレス給電するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項6】
線状ディスプレイの回転リング(4b-6)の外輪にスライドリング(16)が嵌設され、前記スライドリング(16)の上方の鏡フレ-ムの対応位置に束縛磁気リング(19)、磁気伝導リング(13)及び耐摩耗リング(14)が固定され、耐摩耗リング(14)とスライドリング(16)との間に潤滑隙間(15)を有し、前記束縛磁気リング(19)は、磁気伝導リング(13)により、磁場を潤滑隙間(15)の周囲に伝送し、潤滑隙間(15)内に磁性流体が入っていることで、液体潤滑の安定的な密封構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項7】
凸面部分反射鏡(2)と凹面部分反射鏡(3)及び鏡フレ-ムが構成する密閉空間の内部に窒素ガス又は不活性ガスが充填され、又は真空にす
る、ことを特徴とする請求項1に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項8】
前記凹面部分反射鏡(3)は、ストリップ状の凹面反射鏡であり、マイクロディスプレイ(4)と同期して回転する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の短焦点近眼表示システム。
【請求項9】
短焦点近眼表示光学システムであって、
マイクロディスプレイ(4)、凸面部分反射鏡(2)及び凹面部分反射鏡(3)を含み、
前記マイクロディスプレイ(4)は、回転する線状ディスプレイ又は透明ディスプレイとして配置され、且つ瞳位置(1)の方向に向かって発光し、マイクロディスプレイ(4)が回転する線状ディスプレイとして配置される場合、その外側に透明保護ケ-ス(26)が配置され、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)は、前記瞳位置(1)からマイクロディスプレイ(4)までの間に順に配置され、
前記マイクロディスプレイ(4)の発した光が、凹面部分反射鏡(3)を通過した後、凸面部分反射鏡(2)によって反射され、その後、前記光が前記凹面部分反射鏡(3)によって反射され、且つ凸面部分反射鏡(2)を通過した後、瞳位置(1)に到
達し、
前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の面型及び相対位置は、ユ-ザの近視度数に適応するように配置され、前記凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)は、一部の光を透過可能に配置され
る、ことを特徴とする短焦点近眼表示光学システム。
【請求項10】
瞳位置(1)、凸面部分反射鏡(2)、凹面部分反射鏡(3)及びマイクロディスプレイ(4)の間に位相遅延波長板又は偏光素子が任意に配置され
る、ことを特徴とする請求項9に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【請求項11】
前記凹面部分反射鏡(3)は、ストリップ状の凹面反射鏡(25)であり、前記ストリップ状の凹面反射鏡(25)は、外側マイクロディスプレイ(4d)に接続され、且つ一緒に回転する、ことを特徴とする請求項9に記載の短焦点近眼表示光学システム。
【国際調査報告】