(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】被試験体の表面の試験のための試験装置、および、方法
(51)【国際特許分類】
G01N 3/56 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G01N3/56 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023548200
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 DE2022100095
(87)【国際公開番号】W WO2022171248
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021103160.5
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523299749
【氏名又は名称】インノヴェプ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインホルト・ヴォルフガング・ペー
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、摩耗ベルト4と負荷体6との使用のもとでの、被試験体201の表面202の試験のための試験装置1に関する。その際、前記摩耗ベルト4が、供給装置2から、前記摩耗ベルト4がこの摩耗ベルト4に対する前記負荷体6の作用のもとで前記被試験体201の前記表面202との接触状態にされることが可能である、試験領域5を通過しつつ、巻上げローラー3へと導かれており、前記巻上げローラー3が、この巻上げローラー3を用いての前記摩耗ベルト4の移動のための駆動装置を有していることは意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩耗ベルト(4)と負荷体(6)との使用のもとでの、被試験体(201)の表面(202)の試験のための試験装置(1)において、
前記摩耗ベルト(4)が、部分的に、供給装置(2)から、
前記摩耗ベルト(4)がこの摩耗ベルト(4)に対する前記負荷体(6)の作用のもとで前記被試験体(201)の前記表面(202)との接触状態にされることが可能である、試験領域(5)を通過しつつ、
巻上げローラー(3)へと導かれており、
前記巻上げローラー(3)が、この巻上げローラー(3)を用いての前記摩耗ベルト(4)の移動のための駆動装置を有している、
ことを特徴とする試験装置(1)。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記摩耗ベルト(4)の巻き上げまたは巻き出しのもとでの、前記巻上げローラー(3)の回転のためのリールモーターであることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記試験装置は、前記摩耗ベルト(4)の摺動長さの決定のための装置を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記試験装置は、更に、ダンサー(11)を有しており、このダンサーが、上側の位置と下側の位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項5】
前記試験装置は、前記ダンサー(11)が前記摩耗ベルトに対して作用する、張り詰め力の調節のための調節装置を有しており、
この調節装置を用いて、前記ダンサー(11)をこのダンサーの下側の位置において保持すべきである、張り詰め力が予調節されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項6】
前記試験装置は、前記ダンサー(11)の位置の検出のための検出装置を有していることを特徴とする請求項4から5のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項7】
前記検出装置は、センサーまたはスイッチであることを特徴とする請求項6に記載の試験装置。
【請求項8】
前記ダンサー(11)はダンサーローラーであり、このダンサーローラーが、
ダンサーローラー保持体(12)において、回転軸線(T
1)を中心として回転可能に支承されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項9】
前記ダンサーローラー保持体は、回転軸線(T
2)を中心として回転可能に支承されており、この回転軸線が、前記ダンサーローラー(11)の回転軸線(T
1)に対して平行に位置し、且つ、この回転軸線(T
1)から離間されていることを特徴とする請求項8に記載の試験装置。
【請求項10】
前記ダンサー(11)は、このダンサーの下側の位置において、垂直方向の第1の平面内において、および、このダンサーの上側の位置の位置において、垂直方向の第2の平面内において位置し、
この垂直方向の第2の平面が、前記垂直方向の第1の平面から離間されていることを特徴とする請求項4から9のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項11】
前記試験装置は、更に、一つまたは複数のガイドローラー(9、10)を有しており、
前記ガイドローラーが、前記試験領域(5)と前記巻上げローラー(3)との間に配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項12】
前記ダンサー(11)、または、少なくとも1つの前記ガイドローラー(9、10)は、計数ローラー(10)であることを特徴とする請求項4から11のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項13】
前記ダンサー(11)は、側方のガイド要素(20)を有しており、
これらガイド要素が、前記ダンサー(11)の回転軸線に関する、軸線方向における前記摩耗ベルト(4)の移動を防止することを特徴とする請求項4から12のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つに従う試験装置(1)の使用のもとでの、被試験体(201)の表面(202)の試験のための方法において、
摩耗ベルト(4)が、部分的に、供給装置(2)から、
前記摩耗ベルト(4)がこの摩耗ベルト(4)に対する負荷体(6)の作用のもとで前記被試験体(201)の前記表面(202)との接触状態にされる、試験領域(5)を通過しつつ、
巻上げローラー(3)へと導かれ、
前記摩耗ベルト(4)が、前記巻上げローラー(3)を駆動する駆動装置を用いて移動可能であることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記巻上げローラー(3)の回転によって、前記摩耗ベルト(4)の張力は変化されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験体の表面の試験のための試験装置に関する。本発明は、更に、この試験装置を用いての、被試験体の表面の試験のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面202の、人によって誘起されるソフト-ケモメカニカル的な(soft-chemomechanische)指もしくは手による摩耗(
図1A参照、この
図1A内において、参照符号指301が、矢印によって記号を付けられているようにして表面202に対して作用する指を示している)は、試験機器を用いてシミュレートされ得、且つ、現実に即しで模擬され得る。従来技術から公知の試験装置は、これら試験装置の構造において、DIN EN ISO 60068-2-70:1996-07の規格に対応している。
図1Bは、試験機器101の概略図を示しており、この試験機器が、従来技術により、試験されるべき表面202を有する被試験体201の摩耗試験のために使用され得る。被試験体201の試験されるべき表面202は、以下で、試験表面202とも称される。
【0003】
試験機器101を用いての摩耗試験は、被試験体201もしくはこの被試験体の試験表面202の、大抵の場合、垂直方向の配置でもって行われる。被試験体201もしくは試験表面202は、垂直方向に保持されて装着されており、その際、固有の負荷工程および摩耗工程が、重力に沿っての垂直方向において行われる。
試験機器101は、負荷体102を有しており、この負荷体が、例えば、45°または60°の角度のもとで、被試験体201もしくは試験表面202に対して衝突し、専ら重力に抗しての滑り移動においての、場合によっては調節可能であり且つ摩擦ストロークとも称される規定されたストロークを移動される。
被試験体201もしくは試験表面202からの負荷体102の引き戻しの際に、この負荷体102は、部分的に、または、完全に、表面202から持ち上がり可能である。
【0004】
負荷体102自体が、異なる幾何学的形状、および、材料的な特性を有していることは可能である。従って、上記された試験機器101において、負荷体102は、大抵の場合、シリコンプランジャーであり、このシリコンプランジャーが、剛性のスリーブ、例えば金属部材または合成物質部材内において把持されており、この剛性のスリーブが、駆動ユニット103と結合されている。負荷体102の一部は、この剛性のスリーブから突出しており、且つ、所定の曲率半径を有している。
駆動ユニット103は、回転可能に支承されたシリンダー108を有しており、このシリンダーが、回転しない、単一指向的(二方向矢印P1)に移動可能なピストン109を備えており、且つ、軸線Pを中心として旋回可能(二方向矢印P2)である。駆動ユニット103は、負荷体102の相対的な移動(矢印F1およびF2)を可能にする。
曲率半径は、存在する試験機器内において、大抵の場合、10から50mmの範囲内にあり、その際、同様に他の曲率半径も使用される。人の指先および、人の組織の弾性を模擬するために、負荷体102の材料は、大抵の場合、シリコン弾性ゴムから成っている。
被試験体201自体が、異なる特性を有していることは可能である。従って、例えば電気プローブのような、平滑なまたは粗い、湾曲されたまたは平坦状の、および、その上さらに移動可能な、サンプルが試験され得る。異なる表面粗さ、異なる表面構造、異なる表面幾何学的形状、および、異なる表面曲率半径を有する負荷体102は存在する。これら負荷体が、異なる材料から成っていることは可能である。
【0005】
試験表面202の固有の接触は、ベルト、織物状の繊維物、スポンジ状の摩擦媒体、または、他の製織された構造物によって行われる。ベルト、織物状の繊維物、スポンジ状の摩擦媒体、または、他の製織された構造物は、以下で、共に、摩耗ベルトと称される。
摩耗ベルト104は、上方から下方へと、懸吊状態で試験表面202と負荷体102との間に位置し、その際、摩耗ベルトの下側の端部が、緩い懸吊状態にある。摩耗ベルトの表面側および裏面側が、異なる材料特性及び/または表面特性を有することは可能である。一方の側だけ、研磨性であるか、または、作用媒体または作用微粒子によって塗布されている摩耗ベルトは公知である。
【0006】
摩耗ベルト104は、摩耗媒体としての役目を果たし、且つ、乾燥した状態においてか、または、作用媒体105によって浸透されて使用され得る。この作用媒体は、例えばピペットを介してまたはへらを用いて、器具により、または、手動で塗布され得る。その際、摩耗ベルト104の下側の端部に小さな錘(107)が取り付けられており、従って、如何なる更に別の力も負荷体102でもってのこの負荷体の負荷の終了の後に作用しない場合、この摩耗ベルト104が下方へと牽引されることは顧慮されるべきである。
作用媒体105が、例えば人造汗、日焼け止めクリーム、練り歯磨き、および、更に別の物質のような、その物質と試験表面が被試験体201の意図された使用の際に接触する可能性がある該物質であることは可能である。作用媒体105が、供給導管106を用いて、摩耗ベルト104へと導かれることは可能である。作用媒体は、所々で、同様に作用液体とも称される。
【0007】
試験工程は、ここで、以下のように経過する:即ち、負荷体102は、
緩く被試験体の手前で懸架状態にある、摩耗ベルト104の方向へと移動し、
この摩耗ベルトを、この負荷体の移動方向に触感的に連行し、
この摩耗ベルト104でもって試験表面202に対して衝突し、および、
重力に抗しての、試験表面202の上での既に説明された滑り移動を実施する。
予め与えられた摩擦ストロークの終端の達成の後、負荷体102は持ち上がり、摩耗ベルト104から解離する。摩耗ベルト104は、この摩耗ベルトの下側の端部に装着された、ベルト重し用錘(Bandbeschwerungsgewicht)とも称される錘によって、下方へと牽引され、且つ、ぴんと張られる。
【0008】
予め与えられた数の試験負荷サイクルの後、摩耗ベルト104は、所定のストロークを下方へと移動され、従って、-摩耗ベルトの平面部分であり、この平面部分でもってこの摩耗ベルトが試験表面と接触する-摩擦接触面が、再び、いまだに汚されていない、研磨的な表面を備えており、この表面が、いまや摩擦接触面を形成する。
このことは必要である。何故ならば、摩擦学的な試験において、常に両方の摩擦ペアリング面、即ち試験表面と摩擦接触面とが摩耗されるからである。摩耗ベルト104のための織物供給は、織物ローラーを介して、または、90°の方向転換部を介して、例えば方向転換ローラーによって水平方向にモーター式または滑り状態で行われる。
【0009】
試験の再現可能性の保障のために、
(i)摩耗ベルト送給が、常に、同じ摩耗サイクル数において行われること:
(ii)摩耗ベルト104が、試験表面202において付着/粘着の状態に留まることが無いこと:
(iii)摩耗ベルト104が、被試験体201においての代わりに、負荷体102において付着するために、負荷体102と摩耗ベルト104との間の摩擦係数が、常に、摩耗ベルト104と被試験体201との間の摩擦係数よりも大きいこと:
を配慮することは必要である。
【0010】
ベルト負荷体が、摩耗ベルトの上で滑動もしくは摩擦する場合、同様に、表面粗さ、幾何学的形状、および、これに伴って現れる摩耗ベルトを貫いての効果的な接触面積も、被試験体に対して連続的に変化される。このことによって、負荷体は、使用不能になり、且つ、試験は、もはや再現可能ではない。
【0011】
特に、補充する作用媒体105として、液体の、水を含む、油を含んだ、または、油脂含有の、それに加えて固体の微粒子を含有する、物質が使用される場合、加えて、試験表面202における摩耗ベルト104の付着の状態になる。
この現象は、それに加えて、予測可能では無しに発生し、従って、欠陥測定を回避するために、全ての試験が、全てのこの試験の試験サイクルと共に、厳密に且つ高いコストで、監視される必要がある。その際、特に、下側で、摩耗ベルト104に連結されたベルト重し用錘が、負荷状態において-即ち負荷体102でもっての摩耗ベルト104の負荷の際に-上方へと牽引され、且つ、摩擦ストロークの通過の後、再び下方へと落下することは、留意されねばならない。
【0012】
更に別の問題は、試験進行過程のために使用される、制限された摩耗ベルト長さによって結果として生じる。摩耗ベルト104の更なる移動のサイクルの数nの後、ベルト重し用錘は、例えば、その実験室的な表面の上で全ての試験機器101が配置されている該実験室的な表面の上で衝突し、且つ、これに伴って、摩耗ベルト104をピンと張ることのこの試験機器の機能が喪失する。
幾人かの使用者は、それ故に、1つの穿孔を、実験室的なプレート内に切断し、従って、摩耗ベルト104が、この摩耗ベルトのベルト重し用錘と共に、床に至るまで移動可能である。この解決策の欠点は、しかしながら、下方への有効な牽引錘が、ベルト重し用錘および摩耗ベルトの自重により条件付けられて、連続的により大きくなる、即ち一定ではないことである。それに加えて、その際、摩耗ベルトは伸展され、従ってこの摩耗ベルトの表面の、摩耗特性および負荷特性が連続的に変化する。それに加えて、摩耗ベルトの揺動長さはより大きくなる。
【0013】
特許文献1は、表面の摩耗耐久性の決定のための装置を開示している。この目的のために、研磨ベルトが、巻出し機から巻上げ機へと導かれている。研磨ベルトは、負荷体によって、ベルト走行の間じゅう、表面に対して押圧される。
特許文献2から、対象物の表面の摩耗の測定のための装置が公知であり、この装置において、摩耗ベルトが、巻出し機から巻上げ機へと導かれている。ベルトは、フィンガープローブ(Fingersonde)を用いて、表面に対して押圧される。試験の間じゅう、このベルトは移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許発明第102 05 435C号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/00990445 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、従来技術による欠点を除去することである。特に、被試験体の表面の試験のための試験装置が提示されるべきであり、この試験装置が、一方では、被試験体の表面における摩耗ベルトの付着を防止し、且つ、他方では、ベルト重し用錘の変化の危険を減少する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、請求項1および請求項14の特徴によって解決される。本発明の合目的な実施形態は、従属請求項の特徴から与えられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に応じて、
摩耗ベルトと負荷体との使用のもとでの、被試験体の表面の試験のための試験装置が意図されており、
その際、前記摩耗ベルトが、部分的に、供給装置から、
前記摩耗ベルトがこの摩耗ベルトに対する前記負荷体の作用のもとで前記被試験体の前記表面との接触状態にされることが可能である、試験領域を通過しつつ、
巻上げローラーへと導かれている、試験装置は、
前記巻上げローラーが、この巻上げローラーを用いての前記摩耗ベルトの移動のための駆動装置を有していることによって特徴付けられている。
【0018】
本発明に従う試験装置は、巻上げ機を用いての、消費された摩耗ベルトの巻き上げを可能にする。これに伴って、被試験体の表面における、摩耗ベルトの付着は防止可能である。それに加えて、ベルト重し用錘の変化、および、摩耗ベルトの揺動の危険は減少され得る。巻上げ機が、例えば摩擦応力及び/または衝撃応力の後の、被試験体の上での摩耗ベルトの織物張り詰めを引き起こすことは可能である。
本発明に従う試験装置が、巻上げ機が摩耗織物に対して作用する、張り詰め力の調節のための調節装置を有していることは可能である。張り詰め力の調節は、その際、手動で、または、電気モーター式に行われ得る。巻上げ機が前記摩耗ベルトに対して作用する、張り詰め力の調節のための調節装置が、ばね調節装置または錘体調節装置であることは可能である。
ばね調節装置が、張り詰め力の調節を、ばねを用いて生じさせることは可能である。ばね調節装置が、手動または電気モーター式のばね調節装置であることは可能である。錘体調節装置が、張り詰め力の調節を、錘体を用いて生じさせることは可能である。錘体調節装置が、手動または電気モーター式の錘体調節装置であることは可能である。張り詰め力は、摩耗ベルトのそれぞれの織物タイプに応じて、及び/または、それぞれの使用される作用媒体に応じて調節され得る。
【0019】
前記摩耗ベルトは、部分的に、供給装置から、
前記摩耗ベルトが負荷体を用いて、前記被試験体の前記表面との接触状態にされることが可能である、試験領域を通過しつつ、
巻上げ機へと導かれる。
摩耗ベルトは、供給装置から巻上げ機への摩耗ベルトの輸送が中断されている場合にだけ、前記被試験体の前記表面との接触状態にされる。摩耗ベルトが供給装置から巻上げ機へと輸送される場合、摩耗ベルトは、前記被試験体の前記表面との接触状態にない。摩耗ベルトは、これに伴って、不連続的に輸送される。
【0020】
摩耗ベルトが、自体既に公知の摩耗ベルトであることは可能である。摩耗ベルトが、摩耗媒体として利用されることは可能である。この摩耗ベルトが、乾燥しているか、または、作用媒体を浸透されていることは可能である。この作用媒体は、例えばピペットを介してまたはへらを用いて、器具により、または、手動で塗布され得る。
摩耗ベルトは、同様に、被試験体の表面の汚染のために使用され得る。摩耗ベルトは、従って、同様に汚染ベルトとも称され得る。摩耗ベルトは、同様に、被試験体の表面の洗浄のためにも使用され得る。摩耗ベルトは、従って、同様に、洗浄ベルトとも称され得る。
【0021】
本発明に従う試験装置の前記駆動装置が、前記摩耗ベルトの巻き上げまたは巻き出しのもとでの、前記巻上げローラーの回転のためのモーターであることは可能である。モーターは、以下で、同様にリールモーターとも称される。
本発明に従う試験装置が、巻出し機を有していることは可能であり、この巻出し機から、摩耗ベルトが巻き出される。巻出し機が、駆動装置を有していることは可能である。巻出し機が、これに伴って、能動的に駆動されていることは可能である。1つの選択肢において、巻出し機が、滑りクラッチを有していることは可能である。
摩耗ベルトは、巻出し機から、試験領域を通過しつつ、巻上げ機へと導かれ得る。
この目的のために、本発明に従う試験装置が、1つまたは複数のガイドローラーを有していることは可能である。摩耗ベルトは、コイルの形態におけるローラー品物として準備され得る。
【0022】
本発明に従う試験装置が、ダンサーを有しており、このダンサーが、上側の位置と下側の位置との間で移動可能であることは可能である。
ダンサーを用いて、巻上げ機への摩耗ベルトの方向転換は行われ得る。ダンサーが、例えば摩擦応力及び/または衝撃応力の後の、被試験体の上での摩耗ベルトの織物張り詰めを引き起こすことは可能である。ダンサーが、これに伴って、単独に、または、巻上げ機と共に、重し用錘の代用をすることは可能である。
本発明に従う試験装置が、前記ダンサーが摩耗織物に対して作用する張り詰め力の調節のための調節装置を有していることは可能である。この調節装置を用いて、前記ダンサーをこのダンサーの下側の位置において保持すべきである、張り詰め力が予調節されていることは可能である。
ダンサーが摩耗ベルトに対して作用する、張り詰め力の調節のための調節装置が、ばね調節装置または錘体調節装置であることは可能である。ばね調節装置が、張り詰め力の調節を、ばねを用いて生じさせることは可能である。ばね調節装置が、手動または電気モーター式のばね調節装置であることは可能である。錘体調節装置が、張り詰め力の調節を、錘体を用いて生じさせることは可能である。錘体調節装置が、手動または電気モーター式の錘体調節装置であることは可能である。
張り詰め力は、摩耗ベルトのそれぞれの織物タイプに応じて、及び/または、それぞれの使用される作用媒体に応じて、調節され得る。
【0023】
前記ダンサーが、ダンサーローラーであることは可能である。このダンサーローラーが、ダンサーローラー保持体において、回転軸線(T1)を中心として回転可能に支承されていることは可能である。
前記ダンサーローラー保持体は、回転軸線(T2)を中心として回転可能に支承されており、この回転軸線が、前記ダンサーローラーの回転軸線(T1)に対して平行に位置し、且つ、この回転軸線(T1)から離間されていることが意図されていることは可能である。
ダンサーローラーの回転軸線(T1)が、この回転軸線の下側の位置において、垂直方向の第1の平面内において、および、この回転軸線の上側の位置の位置において、垂直方向の第2の平面内において位置し、
この垂直方向の第2の平面が、前記垂直方向の第1の平面から離間されていることが意図されていることは可能である。
ダンサーローラーが、下側の位置に、何かある1つの理由から到達しないことが検出装置を用いて確認された場合、被試験体の試験が停止されることは意図され得る。何故ならば、さもなければ、欠陥試験が行われ、及び/または、摩耗ベルトの終端が達成されているからである。
【0024】
本発明に従う試験装置が、前記ダンサーの位置の検出のための検出装置を有していることは可能である。ダンサーの位置の検出のための前記検出装置が、例えば、位置測定システム、位置センサーまたは位置スイッチであることは可能である。
位置測定システムが、例えば、光学的な位置測定システムであることは可能である。ダンサーの位置は、検出装置を用いて検出され得、且つ、制御装置に転送され得る。特に、ダンサーの位置は、電気的に検出され得る。電気的に検出された位置は、信号として、制御装置に転送され得る。
【0025】
制御装置が、本発明に従う試験装置の制御のための中央の制御装置であることは可能である。選択的に、1つまたは複数の構成要素、例えば巻上げ機及び/またはダンサーの制御のためのローカルの制御装置が設けられていることは可能である。制御装置が、電子式のデータ処理装置、例えばコンピューターであることは可能である。
【0026】
本発明に従う試験装置が、周知の試験機器において使用される複数の負荷体に相応する、1つの負荷体を有していることは可能である。この負荷体を用いて、摩耗ベルトの部分は、被試験体の表面との接触状態にされ得る。
負荷体が摩耗ベルトに対して作用する以前に、巻出し機から巻上げ機への摩耗ベルトの導きは中断されている。即ち、負荷体が摩耗ベルトに対して作用している間じゅう、例えば予め与えられた摩耗サイクル数のあいだ、試験領域内において位置する摩耗ベルトの部分は、この試験領域内において留まる。この数のもとで、負荷体が、試験領域内において位置する摩耗ベルトの部分に対して作用するべきであるサイクルの数が理解される。
予め与えられた摩耗サイクル数の終了の後に初めて、試験領域内において位置する、いまや使用された摩耗ベルトの部分は、新しい、未だに使用されていない部分と置換される。
【0027】
本発明に従う試験装置が、負荷体のための支承部、並びに、負荷体の移動のための駆動ユニットを有していることは可能である。
駆動ユニットが、回転可能に支承されたシリンダーを有していることは可能であり、このシリンダーが、回転しない、単一指向的に移動可能なピストンを備えており、且つ、負荷体の相対的な移動を可能にする。その際、負荷体は、第1の位置において、摩耗ベルトから離間されており、即ち、この負荷体が摩耗ベルト4に接触していなく、且つ、この摩耗ベルトを同様に、被試験体の表面に対して押圧していない。第2の位置において、負荷体は、この負荷体の方に向けられた摩耗ベルトの平面側と接触状態にあり、その際、この負荷体が、この摩耗ベルトの他方の平面側を、被試験体の表面に対して押圧する。
駆動要素を用いて、負荷体は、第1の位置から、第2の位置へ、および、第2の位置から第1の位置へと移動され得る。負荷体が第2の位置に位置する間じゅう、摩耗ベルトは、巻上げ機を用いて移動されない。
負荷体は、この負荷体の支承部を用いて、この負荷体が、全体で、または、部分的に、試験装置内において位置するように、この試験装置内において配置されている。有利には、負荷体は接触面を有しており、負荷体がこの負荷体6の第2の位置に移動される際、この接触面が、この負荷体の方に向けられた摩耗ベルトの平面側と接触状態に至る。
負荷体がこの負荷体の第2の位置にある場合、この接触面が試験領域内において位置することが意図されていることは可能である。負荷体がこの負荷体の第1の位置にある場合、この接触面が試験領域内において位置することが意図されていることは、付加的に可能である。負荷体は、被試験体と接触状態に無い。
負荷体の接触面が、この負荷体の第2の位置において、被試験体の表面に向かい合って位置することが意図されていることは可能である。この接触面が、その際、被試験体の表面に対して平行に整向されていることは可能である。
【0028】
使用される摩耗ベルトは、この摩耗ベルトが周知の試験機器において使用されるような、自体公知の摩耗ベルトであることは可能である。
本発明に従う試験装置の使用のもとで、摩耗ベルトは、試験領域内において、この摩耗ベルトが、この摩耗ベルトの平面側でもって、被試験体の試験されるべき表面の方に向けられているように導かれる。試験領域内において、被試験体は、有利には、この被試験体の試験されるべき表面が、基本的に、垂直方向に配置されているように配置されている。
試験領域内における被試験体の保持のために、本発明に従う試験装置が、その保持装置内において被試験体が装着されている、該保持装置を有していることは可能である。この保持装置を用いて、被試験体は不動に保持される。被試験体は、試験の間じゅう移動されない。
【0029】
摩耗ベルトが被試験体の表面との接触状態にない場合、検出装置を用いて摩耗ベルトの洗浄だけが行われ得ることは保障され得る。摩耗ベルトが、被試験体の表面との接触状態にない場合、摩耗ベルトと、被試験体の表面との間の間隙は形成されている。摩耗ベルトの洗浄は、例えば吹払いによって、有利には、自動化された吹払いによって行われ得る。
【0030】
本発明に従う試験装置が、摩耗ベルトを導くための、一つまたは複数のガイドローラーを有していることは可能である。一つまたは複数のガイドローラーが、前記試験領域と前記巻上げローラーとの間に配置されていることが意図されていることは可能であり、即ち、摩耗ベルトが、試験領域の後で、一つまたは複数のガイドローラーを用いて、巻上げ機へと導かれ得る。
一つまたは複数のガイドローラーが、ダンサーと巻上げ機との間に配置されていること、即ち、摩耗ベルトが、ダンサーに引き続いて、1つまたは複数のガイドローラーを用いて巻上げ機へと導かれ得ることは可能である。少なくとも1つのガイドローラーが、方向転換ローラーであることは可能である。
本発明に従う試験装置が、これに伴って、1つまたは複数の方向転換ローラーを、摩耗ベルトを導くために有していることは可能である。例えば、1つまたは複数の方向転換ローラーが、ダンサーと巻上げ機との間に配置されていることは可能である。
【0031】
摩耗ベルトは、不連続的に供給装置から巻上げ機へと導かれる。その際、摩耗ベルトは、部分的に、巻上げ機の上に巻き上げられる。巻上げ機の上への部分の巻き上げによって、これまで試験領域内において位置していた摩耗ベルトの部分は、この摩耗ベルトの新しい部分と置換される。
巻き上げられる部分の長さは、以下で、摺動長さと称される。試験領域から導出される部分の長さは、基本的に、摺動長さを有している。試験領域内へと導入される部分の長さは、基本的に、摺動長さを有している。用語「基本的に」は、摺動長さと、試験領域から導出されるもしくは試験領域へと導入される、部分の実際の長さとの間の偏差を特徴付けるべきであり、これら偏差が、例えば、摩耗ベルトの張力の調節から、または、巻上げ機が摩耗ベルトに対して作用する張り詰め力から結果として生じる。
試験領域から導出される、摩耗ベルトの部分は、以下で、同様に、「使用された部分」とも称され、試験領域内へと導入される摩耗ベルトの部分が、同様に、「使用されていない部分」とも称される。
【0032】
本発明に従う試験装置が、前記摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置を有していることは可能である。この装置によって、補充に際の摩耗ベルトの摺動長さが決定されることが意図されていることは可能である。
概念「補充」のもとで、その際、被試験体の表面の試験のために既に使用された摩耗ベルトの部分の、これまで使用されていない摩耗ベルトの部分による置換が理解される。この目的のために、摩耗ベルトの使用された部分は、巻上げ機を用いて試験領域から牽引され、且つ、使用されていない摩耗ベルトの部分と置換される。
巻き上げが、少なくとも1つのローラー、例えばガイドローラーまたはダンサー、の回転と関連付けられていることは可能であり、この回転が、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための調節装置を用いて決定される。例えば、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置を用いて、測定パルスが与えられることは可能であり、これら測定パルスが、本発明に従う中央の制御装置に転送され、及び/または、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置のローカルの電子機器内において処理される。
摩耗ベルトの摺動長さの決定のための調節装置を用いて、付加的に、巻き上げられる摩耗ベルトの全長は検出され得る。巻き上げられた摩耗ベルトの全長、および、摩耗ベルトの全長から、試験のために残っている摩耗ベルトの長さが決定され得る。この長さが予め与えられた値を下回った場合、警報装置を介して警告指示が出力され得る。
警報装置が、例えば、光学的及び/または音響的な警報装置であることは可能である。光学的な警報装置が、例えば、ディスプレイであることは可能であり、このディスプレイ上で、警告指示が出力される。本発明に従う試験装置が、これに伴って、そのような警告指示の出力のためのディスプレイを有していることは可能である。
【0033】
ガイドローラーまたはダンサーが、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置を備えていることが意図されていることは可能である。摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置が、例えば、位置スイッチまたは位置センサーであることは可能であり、この装置により、ガイドローラーまたはダンサーの位置が決定される。このようにして、例えば、ガイドローラーまたはダンサーの回転の数は決定され得る。
この実施形態において、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置は、タコディスクである。このタコディスクが、ガイドローラーまたはダンサーに固定されていることは可能である。
【0034】
少なくとも1つのガイドローラーがガイド要素を有していることが意図されていることは可能であり、これらガイド要素が、ガイドローラーの回転軸に関する、軸線方向における摩耗ベルトの移動を防止することが意図されていることは可能である。選択的または付加的に、前記ダンサーが、ガイド要素を有しており、これらガイド要素が、前記ダンサーの回転軸線に関する、軸線方向における前記摩耗ベルトの移動を防止することが意図されていることは可能である。
ガイド要素が、周囲に延在するウェブであることは可能であり、これらウェブが、ガイドローラーまたはダンサーの外套部から半径方向に延在している。ガイド要素は、その際、同様に、側方のガイド要素とも称される。何故ならば、摩耗ベルトの長手方向エッジ部が、これらガイド要素の方に向けられているからである。
摩耗ベルトが巻上げ機へと導かれている場合、ガイドローラーまたはダンサーの外套部において、摩耗ベルトは、この摩耗ベルトの平面側でもって当接する。外套部は、それぞれのガイドローラーの軸の外套部、または、ダンサーの外套部である。この軸の長手方向軸線は、ガイドローラーもしくはダンサーの回転軸線である。
【0035】
従来技術により、摩耗ベルトは、単に、試験領域の上方の領域内だけにおいて導かれた。その際、極めてしばしば、摩耗ベルトの側方の揺動運動という事態となり、これら揺動運動の振幅が、同様に、重し用錘によっても増大された。
試験領域と巻上げ機との間に配置されている、ガイドローラー及び/またはダンサーを用いて、摩耗ベルトの側方の揺動運動は防止され得る。この目的のために、少なくとも1つのガイドローラー及び/またはダンサーが、ガイド要素を有している場合、有利であることは可能である。側方の揺動運動の防止は、-従来技術との比較において-より少ない幅を有する摩耗ベルトの使用を可能にし、このことが、材料の節約およびコストの節約を伴う。
【0036】
本発明に従う試験装置がガイド要素を備えるガイドローラーを有している場合、このガイドローラーのこれらガイド要素の間の間隔は、有利には調節可能である。用語「間隔」は、その際、ガイドローラーの回転軸線と関連付けられる。本発明に従う試験装置がガイド要素を有するダンサーを有している場合、このダンサーのこれらガイド要素の間の間隔は、有利には調節可能である。用語「間隔」は、その際、ダンサーの回転軸線と関連付けられる。
本発明に従う試験装置は、ガイドローラー及び/またはダンサーのこれらガイド要素の間の間隔の調節によって、異なる幅の摩耗ベルトに対して適合され得る。
例えば、第1の幅の摩耗ベルトが、この第1の幅よりも大きなまたは小さな第2の幅を有する摩耗ベルトによって置換されるべき場合、ガイド要素を有する全てのガイドローラーにおいて、および、存在する場合には、これらダンサーがガイド要素を有する場合のダンサーにおいて、これらガイド要素の間の間隔が調節される。
【0037】
1つのガイドローラーまたはダンサーの両方のガイド要素の間の間隔の変化のために、両方のガイド要素の内の少なくとも1つのガイド要素が、位置調節可能にガイドローラーまたはダンサーにおいて固定されていることは可能である。
例えば、1つのガイド要素またはダンサーが、ガイドローラーもしくはダンサーにおける解離可能な固定のための固定要素を有していることは可能である。固定要素の解離の後、この固定要素は、ガイドローラーまたはダンサーの回転軸線に関して、軸線方向に予め与えられた位置に移動され得、且つ、この位置において、この固定要素を用いて固定されることは可能である。固定要素が、例えば、ねじであることは可能であり、このねじによって、ガイド要素が、ガイドローラーまたはダンサーの外套部において固定される。
有利には、両方のガイド要素が位置調節可能であることは可能である。この外套部は、それぞれのガイドローラーの軸の外套部、または、ダンサーの外套部である。固定要素、例えばねじを用いて、ガイド要素は、外方から、外套部において固定され得る。
【0038】
選択的に、ガイドローラーまたはダンサーの両方のガイド要素の間の間隔の変化のために、ガイドローラーもしくはダンサーが、1つの軸を有しており、この軸の長さが調節可能であることが意図されていることは可能である。固定要素を用いて、軸の予め与えられた長さは、解離可能に固定され得る。
長手方向に位置調節可能な軸の1つの例は、テレスコープ軸である。両方のガイド要素が、長手方向に位置調節可能な軸の端面において配置されていることは可能である。長手方向に位置調節可能な軸の長さの変化は、両方のガイド要素の間の間隔の変化を伴う。
一つの実施形態において、手方向に位置調節可能な軸は、中空軸であり、この中空軸が、中央で、2つの管半分体に分割可能であり、その際、これら両方の管半分体が、互いの中へと押し入れ可能であり、且つ、適宜の位置において固定され得る。
【0039】
巻上げ機が、巻上げローラーであることは可能である。この巻上げローラーは、同様に連行ローラーとも称され得る。巻上げ機が巻上げローラーである場合、この巻上げローラーが、ガイド要素を有することは可能であり、これらガイド要素が、この巻上げローラーの軸線に関して、軸線方向の摩耗ベルトの移動を防止することは可能である。
ガイド要素が、周囲に延在するウェブであることは可能であり、これらウェブが、巻上げローラーの外套部から半径方向に延在している。外套部は、巻上げローラーの軸の外套部である。この軸線の長手方向軸線は、巻上げローラーの長手方向軸線である。有利には、巻上げローラーのこれらガイド要素の間の間隔は調節可能である。
この目的のために、ガイド要素が、既にガイドローラーとの関連において説明されているように、位置調節可能であることは可能であり、または、巻上げローラーの軸が、同様に既にガイドローラーとの関連において説明されているように、変化可能な軸であることは可能である。
【0040】
本発明に従う試験装置が、巻出し機を有している場合、この巻出し機が巻出しローラーであることは可能である。巻出しローラーは、同様に、供給ローラーとも称され得る。巻出し機が、巻出しローラーである場合、巻出しローラーは、ガイド要素を有していることは可能であり、これらガイド要素が、この巻出しローラーの軸線に関して、軸線方向の摩耗ベルトの移動を防止することは可能である。
ガイド要素が、周囲に延在するウェブであることは可能であり、これらウェブが、巻出しローラーの外套部から半径方向に延在している。外套部は、巻出しローラーの軸の外套部である。この軸線の長手方向軸線は、巻出しローラーの長手方向軸線である。有利には、巻出しローラーのこれらガイド要素の間の間隔は調節可能である。
この目的のために、ガイド要素が、既にガイドローラーとの関連において説明されているように、位置調節可能であることは可能であり、または、巻出しローラーの軸が、同様に既にガイドローラーとの関連において説明されているように、変化可能な軸であることは可能である。
【0041】
本発明に従う試験装置が、如何なる巻出し機も有してなく、むしろトラフフィーダー(Trogzufuehrung)を有している場合、トラフの適合は、摩耗ベルトの幅に対して意図され得る。例えば、トラフ幅が、調節可能であることは可能である。
選択的または付加的に、同様にスペーシングエレメントとも称される、1つまたは複数の間隔要素が設けられていることは可能である。このまたはこれら間隔要素が、トラフ内へと、間隔要素がトラフの内側壁に当接し、このことによってこのトラフの内側室の幅が減少されるように装入されていることは可能である。トラフからの1つまたは複数の間隔要素の除去により、内側室の幅は、再び増大され得る。
間隔要素が当接する、支持体のこのまたはこれら側壁が、摩耗ベルトの長手方向エッジ部の方に向けられた側壁であることは可能である。このまたはこれら間隔要素を用いて、これに伴って、トラフ幅が、側方に必要な幅へと調節可能であることは可能である。
【0042】
既存の試験装置のシステムアップを可能とするために、使用された摩耗織物の巻上げ部が、モジュールとして準備されることが意図されていることは可能である。このモジュールが、既存の試験装置においてインストールされることは可能である。モジュールは、巻上げ機を有している。
このモジュールが、更に、1つまたは複数のガイドローラー及び/またはダンサーを有していることは可能である。このモジュールが、それに加えて、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置を有していることは可能である。
モジュールとしての、使用された摩耗織物の巻上げ部の準備は、摩耗ベルトの供給をローラーによってまたはトラフフィーダーとして意図する既存の試験装置の際に、摩耗ベルトのための公知のガイドシステムの補充を可能にする。摩耗ベルトの巻き上げの組み込みが、直接的に試験装置の中央制御装置内へと、または、ローカル制御装置を介して行われることは可能である。
このモジュールが、フレームを有していることは可能であり、このフレームに、巻上げ機、および、存在する場合には、このモジュールの更に別の要素が固定されている。本発明の1つの実施形態において、モジュールは、巻上げ機の他に、同様に、巻出し機も有している。
このモジュールが、これに伴って、同様に巻出しおよび巻上げユニットとして構成されていることも可能である。この巻出しおよび巻上げユニットが、1つまたは複数のガイドローラー及び/またはダンサーを有していることは可能である。この巻出しおよび巻上げユニットが、それに加えて、摩耗ベルトの摺動長さの決定のための装置を有していることは可能である。
【0043】
巻上げ機を用いての摩耗ベルトのガイドと、および、設けられている場合に、1つまたは複数のガイドローラー及び/またはダンサーとを除いて、本発明に従う試験装置が、従来技術から公知の試験機器に相応することは可能である。本発明に従う試験装置が、特に、従来技術から公知の試験機器を有する、1つまたは複数の装置を有していることは可能である。
本発明に従う試験装置は、しかしながら、如何なる錘も、摩耗ベルトの端部において有していない。本発明に従う試験装置が、例えば、負荷体の移動のための駆動ユニットを有していることは可能であり、この駆動ユニットが、従来技術から公知の駆動ユニットに相応する。
本発明に従う試験装置が、同様に、他の、従来技術から自体公知の、負荷体の移動のための駆動ユニットを有していることは可能である。本発明に従う試験装置が、更に、作用媒体のための供給導管を有していることは可能であり、この供給導管が、従来技術から公知の供給導管に相応する。
【0044】
計数ローラーを用いて、巻上げ機の上に巻き上げられた、摩耗ベルトの長さが決定され得る。計数ローラーが、前記ダンサーであることは可能である。選択的または付加的に、少なくとも1つの前記ガイドローラーが、計数ローラーであることは可能である。
【0045】
本発明に応じて、
本発明に従う試験装置の使用のもとでの、被試験体の表面の試験のための方法が意図されており、
その際、摩耗ベルトが、部分的に、供給装置から、
前記摩耗ベルトが負荷体の作用のもとで前記被試験体の前記表面との接触状態にされる、試験領域を通過しつつ、
巻上げローラーへと導かれ、
その際、前記摩耗ベルトが、前記巻上げローラーを駆動する駆動装置を用いて移動可能である。
【0046】
前記巻上げローラーの回転によって、前記摩耗ベルトの張力が変化されることが意図されていることは可能である。巻上げ機の第1の方向への回転によって、摩耗ベルトは、巻上げ機の上に巻き上げられ得る。
摩耗ベルトの巻き上げによって、試験領域内において位置し、且つ、通常は、既に試験のために使用された摩耗ベルトの部分は、この試験領域から牽引され、且つ、新しい、使用されていない摩耗ベルトの部分と置換され得る。
第1の方向への、または、この第1の方向に対して反対の方向への巻上げ機の回転によって、しかしながら、同様に、摩耗ベルトの張力も調節され得る。
【0047】
供給装置が、例えば、巻出し機、または、トラフフィーダーの場合にトラフであることは可能である。
【0048】
本発明に従う方法、および、本発明に従う装置は、供給装置から巻上げ機へのこの摩耗ベルトの張力調節のもとでの、摩耗ベルトの導きを可能にする。摩耗ベルトの端部に装着されている錘は省略され得る。本発明に従う方法の更なる詳細は、既に、本発明に従う装置との関連において、説明されている。これらの詳細を参照して頂きたい。
【0049】
本発明に従う方法および本発明に従う装置は、被試験体の表面の試験の再現可能性を保障する。
特に、摩耗ベルト送給が、常に、同じ摩耗サイクル数において行われ、且つ、摩耗ベルトが被試験体の表面において付着または粘着の状態に留まることがないことは保障され得る。
この目的のために、試験領域内における摩耗ベルトの張力の変化によって、摩耗ベルトと被試験体の表面との間の間隙は調節され得る。
【0050】
被試験体の表面が、予め与えられた摩耗サイクル数において、摩耗ベルトとの接触状態にされた後で、この被試験体の表面は、自体公知の方法でもって判定され得る。例えば、表面の粗面性は、例えば粗面性測定プローブの使用のもとで、または、光学的な方法を用いて判定され得る。
【0051】
本発明を、以下で、本発明を限定するべきでない実施例に基づいて、図との関連のもとで詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1A】指によって接触されるべき表面の概略図である。
【
図1B】従来技術による、例示的な試験機器の概略図である。
【
図2A】本発明に従う試験装置1の第1の実施形態の概略図である。
【
図2B】試験の際の、負荷体の移動経過の概略図である。
【
図3】本発明に従う試験装置1の第2の実施形態の概略図である。
【
図4】本発明に従う試験装置1の第3の実施形態の概略図である。
【
図5B】
図5Aの、断面線A-Aに沿っての、
図5A内において示されたローラーの断面図である。
【
図6】摩耗ベルト4の巻き上げのためのモジュールの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図2A内において示された、本発明の試験装置1の第1の実施形態は、巻出しローラー2と巻上げローラー3とを有している。巻出しローラー2から、摩耗ベルト4は巻き出され、且つ、試験領域5を通って、巻上げローラー3へと導かれ、この巻上げローラーに、この摩耗ベルト4が巻き上げられる。
試験領域5内において、被試験体201は、この被試験体の試験されるべき表面202が、垂直の姿勢で位置するように配置されている。
試験領域5内において位置する摩耗ベルト4の部分は、-負荷体6が摩耗ベルト4に対して作用していない間-、摩耗ベルト4の平面側が、垂直方向の平面内において平行に、且つ、間隙7の形成のもとで、被試験体201の試験表面202から離間されて延びるように整向されている。
【0054】
巻出しローラー2は、回転軸線Dを有している。巻上げローラー3は、回転軸線Eを有している。これら回転軸線DおよびEは、水平方向内において位置し、且つ、互いに平行に延びている。回転軸線Eは、回転軸線Dから離間されており、且つ、回転軸線Dよりも下方に位置している。
巻出しローラー2と巻上げローラー3とが、共通のフレームにおいて、それぞれに回転可能に支承されていることは可能である。巻出しローラー2と巻上げローラー3とが、摩耗ベルト4が試験領域5内において垂直の姿勢において位置するように、配置されていることは可能である。
【0055】
摩耗ベルト4は、被試験体201の試験表面202の試験のために、部分的に、巻出しローラー2から巻き出される(矢印A)。この目的のために、巻上げローラー3は、モーター(図示されていない)を有している。
第1の方向(矢印B)における巻上げローラー3の回転によって、摩耗ベルト4は、部分的に、巻上げローラー3の上に巻き上げられる。その際、試験領域5内において位置する摩耗ベルト4の部分は、有利には、試験表面202の試験のためのこの部分の使用の後、試験領域5から導かれる。
同時に、新しい、未だに使用されていない摩耗ベルト4の部分は、試験領域5内へと送り込まれる。新しい、未だに使用されていない摩耗ベルト4の部分が試験領域5内へと送り込まれるやいなや、巻上げローラー3の上への摩耗ベルト4の巻き上げは停止される。
必要な場合、しかしながら、摩耗ベルトの張力は調節され得る。この目的のために、巻上げローラー3は、第1の方向(矢印B)、または、反対の方向(矢印C)に、この巻上げローラーの回転軸線(E)を中心として、摩耗ベルト4が予め与えられた張力を有するまで回転される。張力の調節のために、巻上げローラー3は、数回にわたって、第1の方向または第2の方向、または、交互に一方の方向および他方の方向に回転され得る。
【0056】
新しい、未だに使用されていない摩耗ベルト4が、試験領域5内において位置し、且つ、この摩耗ベルト4が予め与えられた張力を有する場合、被試験体201の試験表面202の試験は開始可能である。摩耗ベルト4が試験の間じゅう、巻上げローラー3を用いて移動されないことは意図されている。
【0057】
試験は、従来技術から公知の方法で実施され得る。この目的のために、負荷体6は、被試験体201の試験表面202と反対側の、摩耗ベルト4の平面側に対して作用する。その際、負荷体6は、駆動ユニット8を用いて、この負荷体が角度αにおいて表面202への方向に移動され且つその際に摩耗ベルト4が表面202に対して押圧するように移動され得る。
駆動ユニット8は、回転可能に支承されたシリンダー22を有しており、このシリンダーが、回転しない、単一指向的(二方向矢印P
1)に移動可能なピストン21を備えており、且つ、水平方向の軸線Pを中心として旋回可能(二方向矢印P
2)である。駆動ユニットは、負荷体6の相対的な移動(矢印F
1およびF
2)を可能にする。負荷体6は、滑り移動を、専ら重力に抗して実施可能である。この負荷体は、その際、場合によっては調節可能であり且つ摩擦ストロークとも称される、規定されたストロークを移動され得る。
引き続いて、負荷体6は、摩耗ベルト4から離れるように移動され得、このことによって、摩耗ベルト4が表面202から解離される。負荷体6の例示的な移動は、
図2B内において、定角軌道として示されている。
角度α内における、表面202への負荷体の記載された前進移動と、この負荷体が摩耗ベルト4を表面202に対して押圧する間じゅうの、負荷体の滑り移動と、および、その戻り移動によって摩耗ベルト4が表面202から解離される、引き続いての負荷体の該戻り移動とは、1つのサイクルを形成する。このサイクルは、数回にわたって、繰り返され得る。角度αは、例えば、45°または60°である。
【0058】
表面202の負荷は、予め与えられた数のサイクルの間、実施される。その際、試験領域5内において位置する、摩耗ベルト4の部分は交換されない。
予め与えられた数のサイクルの実施の後、摩耗ベルト4の部分が巻上げローラー3の上に巻き上げられることによって、ここで使用された摩耗ベルト4の部分は、新しい、使用されていない部分に置換される。この巻き上げられた部分は、摺動長さと称される、予め与えられた長さを有している。
この摺動長さは、新しい、使用されていない部分が試験領域5内へと到達し、且つ、この試験領域5を、表面202の試験が、いまや、この新しい、使用されていない部分によって実施され得るように占めるために、巻き上げられる必要のある摩耗ベルト4の長さに相応する。
摺動長さの決定のために、位置センサー(図示されていない)が設けられていることは可能であり、この位置センサーにより、巻上げ機の位置が決定される。このようにして、位置データは得られ、これら位置データが、中央のまたはローカルの制御装置(図示されていない)へと伝送され得る。制御装置は、巻上げローラー3(矢印B)の回転を、モーターを介して生じさせる。摩耗ベルト4の張力の調節のために、制御装置は、更に、巻上げローラー3の回転を、矢印BまたはCの方向に生じさせる。
【0059】
摩耗ベルト4は、乾燥してか、または、作用媒体24を浸透されて使用され得る。この作用媒体24は、例えばピペットを介してまたはへらを用いて、器具により、または、手動で塗布され得る。
作用媒体24が、例えば人造汗、日焼け止めクリーム、練り歯磨き、および、更に別の物質のような、その物質と試験表面が被試験体201の意図された使用の際に接触する可能性がある該物質であることは可能である。作用媒体24が、供給導管23を用いて、摩耗ベルト4へと導かれることは可能である。
【0060】
図3内において示された、本発明の試験装置1の第2の実施形態は、付加的に、摩耗ベルト4を導くための、2つのガイドローラー9、10が設けられていることを除いて、
図2A内において示された第1の実施形態に相応する。
両方のガイドローラー9、10は、試験領域5から走出する摩耗ベルト4を巻上げローラー3へと導くために利用される。これら両方のガイドローラーは、水平方向の回転軸線を有しており、これら回転軸線が、巻出しローラー2および巻上げローラー3の回転軸線D、Eに対して平行に延びている。
両方のガイドローラー9、10が、同様に、そのフレームに既に巻出しローラー2と巻上げローラー3とが回転可能に支承されている該フレームにおいて、これらガイドローラーの回転軸線を中心として回転可能に支承されていることも可能である。
【0061】
第1のガイドローラー9は、方向転換ローラーであり、且つ、摩耗ベルト4が垂直の姿勢において、試験領域5を通って導かれるように配設されている。このことは、巻出しローラー2に対する相応する配置によって達成され得る。
第1の実施形態とは異なり、試験領域5内における摩耗ベルト4の垂直の姿勢は、巻出しローラー2に対する巻上げローラー3整向によって達成されない。第1のガイドローラー9は、
図3内において示された第2の実施形態において、巻上げローラー3よりも下方に配置されている。
【0062】
摩耗ベルト4は、巻出しローラー2から試験領域5を通って第1のガイドローラー9へと到達する。第1のガイドローラー9から、摩耗ベルト4は、第2のガイドローラー10へと導かれ、この第2のガイドローラーの回転軸線が、第1のガイドローラー9の回転軸線と同じ水平方向の平面内において位置している。
第2のガイドローラー10は、計数ローラーとして利用される。この第2のガイドローラーは、摩耗ベルト4の摺動長さの決定のための装置として利用される。この計数ローラーを用いて、巻上げ機の上に巻き上げられた、摩耗ベルト4の長さは決定される。計数ローラーを用いて決定された長さは、中央のまたはローカルの制御装置(図示されていない)へと伝送され得る。
制御装置は、巻上げローラー3の回転(矢印B)を、モーターを介して生じさせ得る。摩耗ベルト4の張力の調節のために、制御装置は、更に、巻上げローラー3の回転を矢印BまたはCの方向において生じさせる。摩耗ベルト4は、被試験体201の表面202の方に向けられたこの摩耗ベルトの平面側でもって、第1のガイドローラー9と同様に第2のガイドローラー10においても当接している。
【0063】
図4内において示された、本発明に従う試験装置1の第3の実施形態は、付加的に、摩耗ベルト4を導くための、ダンサーローラー11が設けられており、且つ、摩耗ベルト4が、両方のガイドローラー9と10との間で形成されている間隙を通って導かれていることを除いて、
図3内において示された第2の実施形態に相応する。
ダンサーローラー11は、ダンサーローラー保持体12に、回転可能に支承されている。このダンサーローラー保持体12は、回転軸線(T
2)を中心として回転支承されており、この回転軸線が、ダンサーローラーの回転軸線(T
1)に対して平行に位置しており、且つ、このダンサーローラーの回転軸線(T
1)から離間されている。この目的のために、ダンサーローラー保持体12は、共通のフレームに、回転可能に固定されている。
回転軸線(T
1)と回転軸線(T
2)とは、水平方向に位置しており、且つ、巻出しローラー2と、ガイドローラー9および10と、並びに、巻上げローラー3の回転軸線とに対して、平行に延びている。
【0064】
ダンサーローラー11は、このダンサーローラー11がこのダンサーローラーの下側の位置に位置する場合、摩耗ベルト4が垂直の姿勢において、試験領域5を通って導かれるように配置されている。このことは、巻出しローラー2に対するダンサーローラー11の相応する配置によって達成され得る。
第2の実施形態とは異なり、試験領域5内における摩耗ベルト4の垂直の姿勢は、第1のガイドローラー9の整向によって達成されない。
図4内において示された実施形態において、ダンサーローラー11は、第1のガイドローラー9の上方に配置されている。
【0065】
摩耗ベルト4は、巻出しローラー2から試験領域5を通ってダンサーローラー11へと、および、このダンサーローラーから第1のガイドローラー9へと到達し、該第2のガイドローラー10を通過し、その際、この第2のガイドローラーが計数ローラーとして利用され且つこの第2のガイドローラーから、前記摩耗ベルトが巻上げローラー3へと導かれる。
その際、摩耗ベルト4は、被試験体201の表面202と反対側の、この摩耗ベルトの平面側でもって、第1のガイドローラー9に当節しており、および、被試験体201の表面202の方に向けられたこの摩耗ベルトの平面側でもって、第2のガイドローラー10に当節している。
【0066】
ダンサーローラー11は、下側の位置と上側の位置との間で移動され得る。上側の位置は、
図4内において破線によって示されている。下側の位置から上側の位置へ、または、上側の位置から下側の位置への、ダンサーローラー11の移送のために、このダンサーローラー11は、ダンサーローラー保持体12を用いて、回転軸線T
2を中心として旋回される。
下側の位置において、ダンサーローラー11の回転軸線T
1は、水平方向の第1の平面内および垂直方向の第1の平面内において位置する。上側の位置において、ダンサーローラー11の回転軸線T
1は、垂直方向の第1の平面から離間されており、且つ、垂直方向の第1の平面の上方に位置する水平方向の第2の平面内および垂直方向の第1の平面から離間されている垂直方向の第2の平面内において位置する。
ダンサーローラー11の回転軸線T
1と、ダンサーローラー保持体12の回転軸線T
2との間の間隔は、旋回の際に不変の状態に留まる。
【0067】
試験装置1が、ダンサー11が摩耗ベルト4に対して作用する張り詰め力の調節のための調節装置(図示されていない)を有することは可能である。調節装置を用いて、張り詰め力は予調節されており、この張り詰め力が、このダンサーを、このダンサーの下側の位置において保持するべきである。張り詰め力は、調節装置を用いて、ダンサーローラー保持体12に対して作用される。
【0068】
本発明に従う試験装置は、ダンサーローラー11の位置の検出のための検出装置(図示されていない)を有している。
ダンサーローラー11が、下側の位置に、何かある1つの理由から到達しないことが検出装置を用いて確認された場合、被試験体201の表面202の試験が停止されることは意図され得る。何故ならば、さもなければ、欠陥試験が行われ、及び/または、如何なる更なる摩耗ベルト4も巻出しローラー2から巻き出され得ず、それによって、摩耗ベルト4の終端が達成されているからである。
検出装置は、位置センサーであり、この位置センサーが、ダンサーローラー11の位置を検出し、且つ、制御装置に転送する。
【0069】
図5Aと5Bとの内において、ローラー13が示されており、このローラーは、ガイドローラー、巻出しローラー、巻上げローラー、および、ダンサーローラーである。
このローラー13は、回転軸線Yを有する軸14と、外套部15とを有している。ローラー13は、それに加えて、2つのガイド要素20を有しており、これらガイド要素が、回転軸線Yに関して、間隔zだけ互いに離間されている。
間隔zは、その際、摩耗ベルト4の幅に対して適合されており、従って、この摩耗ベルトの移動が、軸の回転軸線Yに対して軸線方向に防止される。例えば、一方または両方のガイド要素20が軸14の上で移動されるか、または、この軸14の長さが変化されることによって、両方のガイド要素20の間の間隔zは、変化され得る。
【0070】
図6は、モジュール16を示しており、このモジュール内において、巻上げローラー3と、第1のガイドローラー9と、および、第2のガイドローラーとが、フレーム17に固定されている。この巻上げローラー3と、第1のガイドローラー9と、および、第2のガイドローラーとは、
図3内において示された試験装置1の第2の実施形態に相応し、且つ、試験領域5の退出の後の摩耗ベルト4の巻き上げのために必要とされる。
モジュール16が、更に、巻上げローラー3の回転のためのモーターと、摩耗ベルト4の摺動長さの検出のための少なくとも1つの装置とを有していることは可能であり、これらが、フレーム17に固定されたケーシング19内において配置されている。ケーシング19は、同様に、モジュール16の1つの構成要素である。
【0071】
モジュール16は、既存の試験機器のシステムアップのために利用可能である。モジュール16の電流供給のため、および、制御装置を有するモジュール16の電気的な構成要素の間のデータ交換のために、このモジュール16は、接続部18を有している。
【符号の説明】
【0072】
1 試験装置
2 巻出しローラー
3 巻上げローラー
4 摩耗ベルト
5 試験領域
6 負荷体
7 間隙
8 駆動ユニット
9 第1のガイドローラー
10 第2のガイドローラー
11 ダンサー、ダンサーローラー
12 ダンサーローラー保持体
13 ローラー
14 軸
15 外套部
16 モジュール
17 フレーム
18 接続部
19 ケーシング
20 ガイド要素
21 ピストン
22 シリンダー
23 供給導管
24 作用媒体
101 試験機器
102 負荷体
103 駆動ユニット
104 摩耗ベルト
105 作用媒体
106 供給導管
107 錘
201 被試験体
202 試験表面
301 指
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩耗ベルト(4)と負荷体(6)との使用のもとでの、被試験体(201)の表面(202)の試験のための試験装置(1
)であって、
前記試験装置(1)が、
前記摩耗ベルト(4)と、
前記負荷体(6)と、
供給装置(2)と、
試験領域(5)と、
巻上げ機(3)と、
前記試験装置(1)の制御のための制御装置と、
を有している、前記試験装置(1)において、
前記摩耗ベルト(4)が、部分的に
、前記供給装置(2)から、
前記摩耗ベルト(4)がこの摩耗ベルト(4)に対する前記負荷体(6)の作用のもとで前記被試験体(201)の前記表面(202)との接触状態にされることが可能である
、前記試験領域(5)を通過しつつ
、
前記巻上げローラー(3)へと導かれており、
前記巻上げローラー(3)が、この巻上げローラー(3)を用いての前記摩耗ベルト(4)の移動のための駆動装置を有している、
ことを特徴とする試験装置(1)。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記摩耗ベルト(4)の巻き上げまたは巻き出しのもとでの、前記巻上げローラー(3)の回転のためのリールモーターであることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記試験装置は、前記摩耗ベルト(4)の摺動長さの決定のための装置を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記試験装置は、更に、一つまたは複数のガイドローラー(9、10)を有しており、
前記ガイドローラーが、前記試験領域(5)と前記巻上げローラー(3)との間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項5】
前記試験装置は、更に、ダンサー(11)を有しており、このダンサーが、上側の位置と下側の位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1
から4のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項6】
前記試験装置は、前記ダンサー(11)が前記摩耗ベルトに対して作用する張り詰め力の調節のための調節装置を有しており、
この調節装置を用いて、前記ダンサー(11)をこのダンサーの下側の位置において保持すべきである、張り詰め力が予調節されていることを特徴とする
請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記試験装置は、前記ダンサー(11)の位置の検出のための検出装置を有していることを特徴とする
請求項5または6に記載の試験装置。
【請求項8】
前記検出装置は、センサーまたはスイッチであることを特徴とする
請求項7に記載の試験装置。
【請求項9】
前記ダンサー(11)はダンサーローラーであり、このダンサーローラーが、
ダンサーローラー保持体(12)において、回転軸線(T
1)を中心として回転可能に支承されていることを特徴とする
請求項5から8のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項10】
前記ダンサーローラー保持体は、回転軸線(T2)を中心として回転可能に支承されており、この回転軸線が、前記ダンサーローラー(11)の回転軸線(T1)に対して平行に位置し、且つ、この回転軸線から離間されていることを特徴とする
請求項9に記載の試験装置。
【請求項11】
前記ダンサー(11)は、このダンサーの下側の位置において、垂直方向の第1の平面内において、および、このダンサーの上側の位置の位置において、垂直方向の第2の平面内において位置し、
この垂直方向の第2の平面が、前記垂直方向の第1の平面から離間されていることを特徴とする
請求項5から10のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項12】
前記ダンサー(11)、または、少なくとも1つの前記ガイドローラー(9、10)は、計数ローラー(10)であることを特徴とする
請求項5から11のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項13】
前記ダンサー(11)は、側方のガイド要素(20)を有しており、
これらガイド要素が、前記ダンサー(11)の回転軸線に関する、軸線方向における前記摩耗ベルト(4)の移動を防止することを特徴とする
請求項5から12のいずれか一つに記載の試験装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つに従う試験装置(1)の使用のもとでの、被試験体(201)の表面(202)の試験のための方法において、
摩耗ベルト(4)が、部分的に、供給装置(2)から、
前記摩耗ベルト(4)がこの摩耗ベルト(4)に対する負荷体(6)の作用のもとで前記被試験体(201)の前記表面(202)との接触状態にされる、試験領域(5)を通過しつつ、
巻上げローラー(3)へと導かれ、
前記摩耗ベルト(4)が、前記巻上げローラー(3)を駆動する駆動装置を用いて移動可能であることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記巻上げローラー(3)の回転によって、前記摩耗ベルト(4)の張力は変化されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】