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特表2024-509733金属板シートを加工する生産ラインを運転する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】金属板シートを加工する生産ラインを運転する方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/28 20060101AFI20240227BHJP
   B41F 23/04 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B41M1/28
B41F23/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548699
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2022072414
(87)【国際公開番号】W WO2023083509
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129338.3
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390014188
【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Koenig-Str. 4, 97080 Wuerzburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス フォルマン
【テーマコード(参考)】
2C020
2H113
【Fターム(参考)】
2C020CA01
2C020CA03
2H113AA01
2H113BB10
2H113BB22
2H113DA04
(57)【要約】
本発明は、生産ライン(01)を運転する方法であって、生産ライン(01)は、塗装された金属板シート(08)を乾燥させる連続乾燥機(17)を有し、金属板シート(08)の搬送方向(T)で、連続乾燥機(17)の前に、ロードステーション(02)が配置されており、ロードステーション(02)は、回動する複数のワイヤフレーム(22)を有し、これらのワイヤフレーム(22)の各々は、平に寝かされた金属板シート(08)の1つを起立させ、ロードステーション(02)は、金属板シート(08)の搬送平面内に複数のノズル(14)を有し、ノズル(14)からブロー空気が、それぞれ、金属板シート(08)の下面に吹き付けられ、ノズル(14)の少なくとも一部の部分集合をクロック制御式に運転し、当該金属板シート(08)をワイヤフレーム(22)により受け取り、持上げる間、これらのクロック制御式に運転されるノズル(14)は、オンにされており、かつノズル(14)のブロー空気が、後続の金属板シート(08)の前側エッジに当たる前に、これらのクロック制御式に運転されるノズル(14)は、オフにされている、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板シート(08)を加工する生産ライン(01)を運転する方法であって、
前記生産ライン(01)は、
金属板印刷機械(03)および/または塗装機械(06)と、
前記金属板印刷機械(03)により印刷されたかつ/または前記塗装機械(06)により塗装された前記金属板シート(08)を乾燥させる連続乾燥機(17)と、
を有し、
前記金属板シート(08)の搬送方向(T)で、前記連続乾燥機(17)の直前に、印刷および/または塗装された前記金属板シート(08)を前記連続乾燥機(17)に積載するロードステーション(02)が配置されており、
前記ロードステーション(02)は、搬送される前記金属板シート(08)の前記搬送方向(T)に対して横方向で延在する回動軸線(23)回りにそれぞれ回動する複数のワイヤフレーム(22)を有し、
前記ワイヤフレーム(22)は、相前後して寝かせて搬送される金属板シート(08)をそれぞれ個別に、前記金属板シート(08)の搬送平面から持上げるように配置されており、
前記ワイヤフレーム(22)の各々は、前記金属板シート(08)の前記搬送平面を、前記金属板シート(08)が、それぞれ個別に前記ロードステーション(02)に供給される領域内で円状に下から上に通過し、この旋回運動により、平に寝かせて前記連続乾燥機(17)を通して搬送すべき金属板シート(08)の1つを起立させるように形成されており、
前記ロードステーション(02)は、前記金属板シート(08)の前記搬送平面内に複数のノズル(14)を有し、
前記ノズル(14)は、前記ノズル(14)からブロー空気が、それぞれ、金属板シート(08)の下面に吹き付けられるように運転されている、
方法において、
それぞれ前記ブロー空気を吹き出す前記ノズル(14)の少なくとも一部の部分集合をクロック制御式に運転し、
当該前記金属板シート(08)を前記ワイヤフレーム(22)により受け取り、持上げる間、クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、オンにされており、かつ
前記ノズル(14)の前記ブロー空気が、前記ワイヤフレーム(22)によって受け取られ、持上げられている前記金属板シート(08)に直接的に後続する前記金属板シート(08)の前側エッジに当たる前に、クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、オフにされている
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
クロック制御式にブロー空気を吹き出す前記ノズル(14)を、強さの設定が可能なブロー圧力で運転することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロー空気をクロック制御式に吹き出す前記ノズル(14)の前記ブロー圧力の前記強さは、前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の生産速度に応じて、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の判型に応じて、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の金属板厚さに応じて設定されている、または少なくとも設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ノズル(14)の前記ブロー圧力の前記強さを設定すべく、絞り弁(38)が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記絞り弁(38)は、圧縮空気源(41)に接続されており、圧力計(39)が設けられており、前記絞り弁(38)は、遠隔制御されており、かつ/または前記生産ライン(01)の機械制御部(34)において設定可能であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、金属板シート(08)が、予め設定された最低速度より高い生産速度で前記生産ライン(01)を通して搬送されるときだけ、ブロー空気を吐出するようにオンにされていることを特徴とする請求項1または2または3または4または5に記載の方法。
【請求項7】
クロック制御式に運転される前記ノズル(14)を、前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の前記生産速度に関する予め設定された最小値に到達するまでに、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)に関する予め設定された最小判型より小さい判型を有する金属板シート(08)のために、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)に関する予め設定された最小金属板厚さより大きい金属板厚さを有する金属板シート(08)のために、オフにすることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の、金属板シートを加工する生産ラインを運転する方法に関する。
【0002】
独国特許発明第102019118647号明細書において、複数の異なる機械ユニットを有する、金属板シートを加工する生産ラインが公知であり、この生産ラインを通る金属板シートの搬送路は、例えば直線状に形成されており、機械ユニットとして、加工すべき金属板シートの搬送方向で連続して、金属板印刷機械および/または塗装機械および/またはロードステーションおよび/または乾燥機および/またはアンロードステーションが設けられており、少なくとも2つの機械ユニットは、それぞれ、それぞれ個別に搬送平面上に載置されている少なくとも1つの金属板シートを搬送する少なくとも1つの搬送装置を有し、ロードステーションの搬送装置は、金属板シートを持上げるワイヤフレームを有し、このワイヤフレームは、金属板シートの搬送平面を円状に、搬送すべき金属板シートの搬送方向に対して横方向で延在する回動軸線回りに、金属板シートがロードステーションに供給される領域内で、下から上に通過するように形成されている。
【0003】
本発明の根底にある課題は、金属板シートを加工する生産ラインを運転する方法であって、毎時数千の金属板シートの生産速度での金属板シートの大量生産中、金属板シートの障害がない、生産ラインを通る個別搬送が保証されている方法を提供することである。
【0004】
上記課題は、本発明において請求項1の特徴により解決される。従属請求項は、見出した解決手段の有利な構成および/または発展形に関する。
【0005】
本発明により達成可能な利点は、特に、毎時数千の金属板シートの生産速度での金属板シートの大量生産中、金属板シートの障害がない、生産ラインを通る個別搬送が、例えば同期点の監視を伴って、かつ/または連続して搬送される金属板シートの意図しない乗り上げおよび/または傾きもしくは引っ掛かりなしに保証されていることにある。
【0006】
本発明の一実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。これにより、見出した解決手段のさらなる利点を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】複数の機械ユニットを有する、金属板シートを加工する生産ラインを示す図である。
図2】金属板シートを示す図である。
図3】搬送装置の平面図である。
図4】搬送装置の斜視図である。
図5】搬送装置の拡大図である。
図6】前置された搬送モジュールを有するロードステーションの斜視図である。
図7図6のロードステーションの平面図である。
図8】アンロードステーションの平面図である。
図9】ロードステーション内に形成される、クロック制御式に運転されるノズルの配置のスケッチである。
図10】ロードステーションにおける同期点を監視および/または設定する制御のスケッチである。
図11】圧縮空気ノズルおよび/または電磁石を用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図12】カムを用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図13a】レバーを用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図13b】レバーを用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図14a】タペットを用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図14b】タペットを用いてワイヤフレームの持上げを補助する持上げ装置を示す図である。
図15】引っ張り手段の下側スパンに懸吊されて連結されるワイヤフレームを有する生産ラインを示す図である。
図16】鉛直に上下に配置される複数の水平平面内に引っ張り手段を有する連続乾燥機を示す図である。
【0008】
工業的な金属板印刷において、金属板シート08(図2)には、通常、生産ライン01内で、金属板印刷機械03を用いた少なくとも1種類の印刷流体の塗工により、少なくとも1つの印刷画像が印刷され、かつ/または金属板塗装機械06内で、例えば金属板シート08の表面または少なくとも印刷画像を保護すべく、かつ/または例えば光沢効果を発生させるべく、それぞれ、全面的にまたは一部の面で塗装がなされる。このように加工すべき金属板シート08は、例えば500mm×650mm~950mm×1,900mmの判型を有し、それぞれ、例えば0.1mm~1.0mm、好ましくは0.14mm~0.5mmの金属板厚さを有している。これらの金属板シート08の1つ1つは、金属板シート08の判型および素材(錫めっきされた鋼板からなるか、またはティンフリーの鋼板からなるか、またはアルミニウムからなるか)により、例えば数百グラム~数キログラム、例えば少なくとも300グラム~5キログラムまたはそれよりも多い質量を有していることがある。特に金属板包装の生産時、すなわち金属板包装印刷時、この種の金属板シート08は、工業的に毎時数千の金属板シート08、例えば毎時少なくとも6,000の金属板シート08の生産速度での大量生産で印刷かつ/または塗装される。
【0009】
図1は、著しく簡略化した概略図で例示的に、このような複数の機械ユニットを有する、金属板シート08を加工する生産ライン01を示しており、この生産ライン01では、これらの機械ユニットは、それぞれ、連続して一列に配置されており、共同で、金属板シート08を加工する生産を実施すべく、協働する。而して、この生産ライン01内には、加工すべき金属板シート08(図2)の搬送方向Tで、例えば金属板印刷機械03および/または金属板塗装機械06が設けられており、その後にロードステーション02、連続乾燥機17およびアンロードステーション07が設けられており、特にロードステーション02および/またはアンロードステーション07は、それぞれ、例えば独立した機械ユニットとして形成される搬送モジュール04と協働することができる。金属板印刷機械03と金属板塗装機械06とは、単一の機械ユニットにまとめられて形成されていてもよい。連続乾燥機17として形成される機械ユニットは、例えば熱風乾燥機として形成されている。
【0010】
実際の使用において、高い速度で生産ライン01を通して搬送される金属板シート08が、金属板シート08の搬送時に障害に至る傾向を示す、具体的には、特に、金属板シート08のそれぞれの搬送平面内の摩擦効果に基づいて、かつ/または金属板シート08のそれぞれの搬送路上の汚れの結果、障害に至る傾向を示すことが判っている。障害となる摩擦効果は、例えば過剰な摩耗時、または金属板シート08の搬送用に使用されるベルト搬送システムの劣化時にも生じる。これらの望ましくない影響の各々は、例えば、相前後して生産ライン01を通して搬送される複数の金属板シート08が、意図せず互いに乗り上げたり、かつ/または傾いたり、もしくは引っ掛かったりしてしまうことを生じさせ得る。金属板シート08は、金属板シート08のそれぞれの搬送平面内で回転され、金属板シート08の直線状な搬送路から外れ、これにより、例えば、別の金属板シート08および/またはこの生産ライン01の複数ある機械ユニットの1つの機械ユニットの部材との衝突を引き起こしてしまうこともある。そしてたとえ衝突が起こらなくても、一定の生産速度にもかかわらず、生産ライン01内で、連続して搬送される金属板シート08間の少なくとも1つの空いた間隔、すなわち、第1の金属板シート08の後側エッジと、次の後続の第2の金属板シート08の前側エッジとの間の間隔が変わってしまうことがあり、その結果、いわゆる同期点がシフトしてしまう。このことは、特に、1つの金属板シート08の前側エッジ位置が、生産ライン01の異なる機械ユニット内に配置される装置に対して相対的にシフトしてしまうことを意味する。同期点のこの種のシフトにより、生産ライン01を通した当該金属板シート08の搬送時、例えば金属板印刷機械03および/または金属板塗装機械06との関連で予定される加速および/または減速工程は、足並みが乱れてしまうことがあり、これにより、特に、生産プロセス中、互いに連鎖される機械ユニット、例えば金属板印刷機械03または金属板塗装機械06、少なくとも1つの搬送モジュール04、ロードステーション02、連続乾燥機17およびアンロードステーション07の協働は、妨げられる。このような事象は、生産に対する望ましくない悪影響および/または損傷に至り、障害に起因した機械停止による生産ダウンにまで至る。
【0011】
少なくとも、それぞれの搬送モジュール04および/またはロードステーション02および/またはアンロードステーション07は、それぞれ、それらの構成ユニットの1つとして、少なくとも1つの固有の搬送装置09(図3)を、金属板シート08の搬送用に有している。この生産ライン01を通した搬送路は、例えば直線状に形成されている。少なくとも、ロードステーション02として、または連続乾燥機17として、またはアンロードステーション07として形成され、かつ金属板シート08の搬送方向Tで連続して配置される機械ユニットは、それぞれ、金属板シート08の搬送用に設けられ、これらの機械ユニットを通して通走する少なくとも1つの共通の引っ張り手段29、例えば、少なくとも1つの循環するチェーンにより、互いに連鎖されている(図1)。引っ張り手段29の循環方向は、図1に方向矢印により略示してある。好ましい一構成において、引っ張り手段29は、鏡面対称に構成される2つのチェーンにより形成されており、これらのチェーンは、それぞれ歯車を有する複数の、例えば2つの軸31を介して、特に電気式のモータとして形成される駆動部32により同期的に駆動されている。これらの軸31の2つは、少なくともチェーンの両偏向点に配置、すなわち、それぞれ、これらのチェーンによって張架される、生産ライン01を通した搬送区間の端部に配置されている。連続乾燥機17内には、好ましくは、レール33が配置されており、これらのチェーンの各々は、それぞれ、側方に取り付けられた転動ロール36を介して、これらのレール33の1つの上に支持されている。
【0012】
図2は、例示的に、生産ライン01を通して導かれる搬送路に沿って相前後して搬送すべき多数の金属板シート08のうちの1つの、長方形に形成され、通例、可撓の金属板シート08を示している。これらの金属板シート08の各々は、金属板シート08のために予定された搬送方向Tで、それぞれ、長さLを有し、かつこの搬送方向Tに対して横方向で、幅Bを有し、それぞれの金属板シート08の判型は、金属板シート08の長さL×金属板シート08の幅Bの表示によって規定されている。
【0013】
図3は、平面図で例示的に、生産ライン01の少なくとも2つの異なる機械ユニット内に配置される搬送装置09の1つを示している。図4は、斜視図で、例えば搬送モジュール04内に配置されているような、これらの搬送装置09の1つを示している。
【0014】
図5は、搬送装置09を拡大平面図で示している。好ましい一構成において、搬送装置09は、搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する中央領域M内にのみ、少なくとも1つ、好ましくは2つの搬送ベルト11を有し、1つまたは複数の搬送ベルト11は、それぞれ、例えば、特にフレキシブルな材料からなるフラットベルトとして、エンドレスループの形態で形成されている。例えば1mm~5mm、好ましくは約2mmの厚さのフラットベルトは、例えば30mm~250mm、好ましくは約40mmまたは80mmの幅B11を有している。例えばテーブル状に形成される搬送装置09は、好ましくは、金属板シート08の搬送平面内で定置に配置される平坦なプレート12を有しており(図4)、プレート12の、金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在する幅B12は、搬送装置09により搬送すべき金属板シート08の最大の判型の幅Bと少なくとも同じ大きさである。搬送装置09の、通例、ストリップ状に形成される中央領域Mは、その短辺でもって、例えば、この搬送装置09のプレート12の幅B12の最大60%にわたって、好ましくは最大30%にわたって、特に、搬送装置09のプレート12の幅B12の10%~20%、特に好ましくは、搬送装置09のプレート12の幅B12の約15%にわたって延在し、かつその長辺でもって、搬送すべき金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在している。この搬送装置09のプレート12は、長さL12を有し、長さL12は、好ましくは、搬送装置09により搬送すべき金属板シート08の最大の判型の長さLと少なくとも同じ大きさである。
【0015】
搬送装置09のそれぞれの搬送ベルト11は、好ましくは、偏向ロールに巻き掛かるようにして、搬送ベルト11のそれぞれの張り側スパンでもって搬送平面に沿って、金属板シート08であって、搬送ベルト11のそれぞれの張り側スパン上に載置されていて、当該搬送ベルト11上に例えば保持もされている各金属板シート08が、定置に配置されている当該プレート12に対して相対的に、直線状な搬送区間に沿って搬送可能であるように配置されており、この搬送区間は、例えば少なくとも搬送装置09の長さL12にわたって延在している。当該搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08を保持するために必要な保持力は、例えば吸引により実施され、必要な吸引は、例えば、搬送装置09のプレート12の下に配置されるサクションボックスと、サクションボックスに接続されるサクションポンプと、の連結により生成される。サクションポンプは、好ましくは、必要に応じてオンおよび/またはオフにされているか、または少なくともオンおよび/またはオフにすることができる。代替的または付加的に、当該搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08を保持するために、磁気式の保持手段が設けられていてもよく、磁気式の保持手段は、好ましくは、同じくオンオフ可能である。当該搬送装置09は、それぞれ互いに平行に配置される複数の、例えば2つの搬送ベルト11を有していてもよい。
【0016】
生産ライン01内には、好ましくは、これらの搬送装置09の少なくとも2つが、それぞれ、互いにセパレートに、すなわち、それぞれ独立した構成ユニットとして、異なる機械ユニット内に配置されており、それぞれ、これらの搬送装置09の1つは、特にロードステーション02内またはアンロードステーション07内に配置されている。当該搬送装置09の搬送ベルト11は、それぞれ、電気式の駆動部16により、それぞれ異なる搬送装置09内に配置される搬送ベルト11が、搬送ベルト11のそれぞれの循環速度に関し、好ましくは、それぞれ互いに同期されているように駆動されており、その結果、これらの搬送ベルト11により搬送される金属板シート08は、それぞれ、許容可能な僅かな公差は除いて数値的に同じ直線状の速度で搬送され、これらの金属板シート08は、これらの搬送ベルト11上にそれぞれ、例えば吸引によりかつ/または磁気式に保持されている。その際、搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08の搬送は、金属板シート08の搬送平面内で、すなわち、特に搬送装置09のプレート12に関して、それぞれ、実質的にエアクッション上で浮動式に実施され、これにより、概ね摩擦フリー、もっとも、少なくとも極めて低摩擦であり、かつ事実上スリップフリーである。それというのも、それぞれの金属板シート08は、比較的細い搬送ベルト11としか接触状態にないからである。当該搬送装置09のそれぞれの電気式の駆動部16は、例えば、それぞれ、電気モータとして形成されており、かつ好ましくは、それぞれ、生産ライン01の、個々の機械ユニットの上位に配置される機械制御部34に、少なくとも情報技術的に接続され、例えばこの生産ライン01の中央管理機構に接続されている。
【0017】
それぞれ異なる搬送装置09内に配置される搬送ベルト11は、これらが、搬送装置09のそれぞれの電気式の駆動部16により、好ましくは、例えば連続的に、特に等速で循環するように駆動されている。代替的には、これらの搬送ベルト11は、クロック制御式に駆動されていてもよい。例えばロードステーション02内に配置される搬送装置09の搬送ベルト11は、好ましくは、機械制御部34によりクロック制御式に駆動されており、かつ/またはこの搬送装置09の搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08は、金属板シート08の直線状の速度に関して、一時的に制動するように駆動されており、これに対して、例えばアンロードステーション07内に配置される搬送装置09の搬送ベルト11は、好ましくは、機械制御部34によりクロック制御式に駆動されており、かつ/またはこの搬送装置09の搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08は、金属板シート08の直線状の速度に関して、一時的に加速するように駆動されているようになっていてもよい。異なる搬送装置09内に配置される搬送ベルト11の同期運転、ひいては、とりわけ、これらの搬送ベルト11により保持される金属板シート08の同期運転は、特にこの生産ライン01の機械ユニットの立ち上げ時またはシャットダウン時に有利である。生産ライン01を通した金属板シート08の障害なしの搬送のために、異なる搬送装置09内に配置される搬送ベルト11の同期運転は、ひいては金属板シート08の同期運転も、もっとも、特に、この生産ライン01の、生産プロセスに関与する機械ユニット間の移行部においても、保証されていなければならない。
【0018】
当該搬送装置09のプレート12は、搬送装置09のそれぞれの中央領域Mの両側に、それぞれ1つのベルトフリーの縁部領域R1;R2を有し、これらの縁部領域R1;R2は、金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在する、好ましくは同じ大きさの幅を有し、かつ当該搬送装置09の長手方向延在に関して、好ましくは対称に配置されている。少なくとも、ベルトフリーの縁部領域R1;R2内に、例えばしかし、付加的に、当該搬送装置09の中央領域M内にも、それぞれ、少なくとも1つのノズルフィールド13が形成されており、ノズルフィールド13は、それぞれ複数のノズル14を有している。そこに配置されるノズル14は、ノズル14から、エアクッションを形成すべく、それぞれブロー空気が、金属板シート08であって、当該搬送装置09の少なくとも1つの搬送ベルト11上に載置されていて、1つまたは複数の当該搬送ベルト11上に保持される金属板シート08の下面に吹き付けられるように運転されている。有利な一構成において、ノズルフィールド13の複数あるノズル14の少なくとも幾つかは、例えばそれぞれベンチュリノズルとして形成されている。それぞれのノズルフィールド13内には、例えば個々のノズル14の第1の部分集合および/または個々のノズル14の第2の部分集合が、それぞれ、ノズル14の第1の部分集合が、ブロー空気をそれぞれ金属板シート08の搬送方向Tで鋭角に斜め外に向けて、すなわち、それぞれ、当該搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する最寄りの縁部に向けて、かつ/またはノズル14の第2の部分集合が、ブロー空気をそれぞれ垂直に上向きに吹き出すように配置されている。
【0019】
図6は、例示的に斜視図で、生産ライン01内に配置されるロードステーション02を、金属板シート08の搬送方向Tで直接的に前置される搬送モジュール04とともに示している。本実施変化態様において、ロードステーション02も、搬送モジュール04も、それぞれ固有の架構19;21を有し、これらの両機械ユニットは、シームレスに互いに接合されており、その結果、ロードステーション02の架構21と、搬送モジュール04の架構19とは、1つの共通の接合箇所を形成している。搬送モジュール04は、例えばプレート12を有する搬送装置09を有し、プレート12上には、方向矢印により略示する搬送方向Tで搬送すべき金属板シート08が、その最大の判型と、その最小の判型とにおいて図示してある。金属板シート08は、加えて、搬送ベルト11であって、搬送方向Tに沿って延在し、偏向ロールに巻き掛かる搬送ベルト11上にのみ載置されており、そのほかに、ノズル14により生成されるエアクッションにより、プレート12の上方に浮動式に保持される。図3および4による搬送モジュール04の構成とは異なり、図6に示す搬送装置09の実施変化態様は、プレート12の中央に長手方向で配置される単一の搬送ベルト11しか有していない。
【0020】
図7は、図6に示すロードステーション02の平面図を示している。ロードステーション02は、それぞれ個別にこの搬送装置09の搬送平面内に平に寝かされる金属板シート08を連続乾燥機17へ供給する搬送装置09を有し、ロードステーション02は、少なくとも1つのワイヤフレーム22を有し、それぞれのワイヤフレーム22は、それぞれ、通例、円状に、搬送すべき金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在する回動軸線23回りに旋回可能である。その際、ワイヤフレーム22の各々は、搬送平面内に平に寝かされる金属板シート08の搬送平面を、旋回運動中、下から上に通過し、この旋回運動により、平に寝かされており、連続乾燥機17を通して搬送すべき金属板シート08を、金属板シート08のこれまでの搬送平面から、鉛直に起立させるように形成されている。ロードステーション02の好ましい構成において、ロードステーション02の搬送装置09の中央領域M内に、互いに平行に、例えばクロック制御式に、かつ制動するように駆動される2つの搬送ベルト11が配置されており、搬送ベルト11は、例えば吸引および/または磁気的な保持力により、これらの搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08を保持し、かつ平に載置されている金属板シート08を、例えば、搬送すべき金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在するストッパ24に突き当たるまで送る。このストッパ24は、例えば、回動軸線23に配置されるゴム緩衝器により形成されている。ロードステーション02の搬送装置09は、好ましくは、先に図5との関連で説明したように、2つのそれぞれベルトフリーの縁部領域R1;R2も有し、縁部領域R1;R2内には、それぞれノズルフィールド13が形成されている。それぞれのノズルフィールド13内には、搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08を担持するエアクッションを形成すべく、複数のノズル14が配置されており、複数のノズル14の例えば第1の部分集合は、ブロー空気をそれぞれ金属板シート08の搬送方向Tで鋭角に斜め外に向けて吐出し、かつ/または例えば第2の部分集合は、ブロー空気をそれぞれ垂直に上向きに、搬送ベルト11上に載置されている金属板シート08の下面に向かって吹き出す。それぞれのワイヤフレーム22には、例えば側方に、それぞれ、当該搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する最寄りの縁部に向かって張り出すアーム26が配置されており、アーム26は、それぞれ、縁部領域R1;R2の1つの中に設けられた切欠き27内に係合する。その際、これらの切欠き27は、搬送装置09により搬送すべき金属板シート08の掛止を回避すべく、好ましくは、それぞれ鋭角に金属板シート08の搬送方向Tとは反対方向に、当該搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する最寄りの縁部に向かって延びる斜面28を、例えば相応に延びる少なくとも1つのエッジの形態で有している。
【0021】
図8は、例示的に、生産ライン01内に配置されるアンロードステーション07の平面図を示している。アンロードステーション07の搬送装置09は、ロードステーション02の搬送装置09に類似して構成されており、そのため、以下では、同じ部材には、やはり同じ符号を使用する。アンロードステーション07も、少なくとも1つのワイヤフレーム22を有し、それぞれのワイヤフレーム22は、通例、円状に、搬送すべき金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在する回動軸線23回りに旋回可能であり、ワイヤフレーム22の各々は、搬送装置09により搬送すべき金属板シート08の搬送平面を、旋回運動中、上から下に通過し、この旋回運動により、鉛直に起立されて連続乾燥機17を通して搬送された金属板シート08のそれぞれ1つを、アンロードステーション07の搬送装置09の搬送平面内に平に下ろすように形成されている。アンロードステーション07の好ましい構成において、アンロードステーション07の搬送装置09の中央領域M内に、互いに平行に、例えば等速で、またはクロック制御式に、かつ加速するように駆動される2つの搬送ベルト11が配置されており、搬送ベルト11は、例えば吸引および/または磁気的な保持力により、これらの搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08を保持する。アンロードステーション07の搬送装置09は、先に図5との関連で説明したように、好ましくは、2つのそれぞれベルトフリーの縁部領域R1;R2も有し、縁部領域R1;R2内には、それぞれノズルフィールド13が形成されている。それぞれのノズルフィールド13内には、搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08を担持するエアクッションを形成すべく、複数のノズル14が配置されており、複数のノズル14の例えば第1の部分集合は、ブロー空気をそれぞれ金属板シート08の搬送方向Tで鋭角に斜め外に向けて吐出し、かつ/または例えば第2の部分集合は、ブロー空気をそれぞれ垂直に上向きに、搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08の下面に向かって吹き出す。ワイヤフレーム22には、例えば側方に、それぞれ、当該搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する最寄りの縁部に向かって張り出すアーム26が配置されており、アーム26は、それぞれ、縁部領域R1;R2の1つの中に設けられた切欠き27内に係合する。その際、これらの切欠き27は、搬送装置09により搬送すべき金属板シート08の掛止を回避すべく、好ましくは、それぞれ鋭角に金属板シート08の搬送方向Tで、当該搬送装置09の、金属板シート08の搬送方向Tに沿って延在する最寄りの縁部に向かって延びる斜面28を、例えば相応に延びる少なくとも1つのエッジの形態で有している。
【0022】
要約すれば、金属板シート08を加工する生産ライン01、およびこの生産ライン01を運転する方法であって、この生産ライン01は、複数の異なる機械ユニットを有し、これらの機械ユニットの少なくとも1つは、連続乾燥機17として形成されている、生産ライン01および方法が得られる。連続乾燥機17は、乾燥させるべき金属板シート08が、この連続乾燥機17を、鉛直に起立されて、かつ通例、互いに離間されて、通り抜けるように形成されており、連続乾燥機17には、搬送装置09の搬送平面内に平に位置する金属板シート08を鉛直に起立させるロードステーション02が前置され、かつ連続乾燥機17を通して鉛直に起立されて搬送された金属板シート08を搬送装置09の搬送平面内に平に下ろすアンロードステーション07が後置されている。隣接して、連続乾燥機17を通して鉛直に起立されて搬送される金属板シート08間の間隔は、数センチメートル、例えば1cm~5cm、特に3cm未満にすぎない。連続乾燥機17内で乾燥させるべき金属板シート08のそれぞれ少なくとも1つの表面、すなわち片面または両面には、予め、金属板印刷機械03として形成される少なくとも1つの機械ユニットおよび/または金属板塗装機械06として形成される少なくとも1つの機械ユニット内で、それぞれ少なくとも1種類の印刷流体が塗工されている。印刷および/または塗装された金属板シート08は、連続乾燥機17に相前後して個別に供給され、これらの金属板シート08は、金属板シート08の、この生産ライン01内でさもなくば金属板シート08の搬送平面内に平に寝かされている姿勢から、ロードステーション02内で、連続乾燥機17への金属板シート08の供給前に、鉛直に起立される。鉛直の起立とは、ここでは、例えば、予め、それぞれの搬送装置09の搬送平面内に平に寝かされている個々の金属板シート08の、それぞれ鉛直線に対して±30°未満、好ましくは、±15°未満の公差を伴った起立であり、この鉛直線は、好ましくは、それぞれの搬送装置09の搬送平面に対するものである。金属板シート08を鉛直に起立させて連続乾燥機17を通して搬送した後、金属板シート08は、アンロードステーション07内で相前後して個別に再び搬送装置09の搬送平面内に平に下ろされる。生産ライン01内には、加工すべき金属板シート08の搬送方向Tで、連続乾燥機17とアンロードステーション07との間に、さらに特に、例えば冷却装置の形態の冷却ゾーン18(図1)が形成されており、これにより、連続乾燥機17を通り抜ける間に強く加熱された金属板シート08を、大幅に低い温度に冷却することができる。
【0023】
好ましい構成において、この生産ライン01の少なくとも2つの機械ユニットは、それぞれ、固有の架構19;21内に形成されている。その際、これらの機械ユニットの少なくとも2つは、それぞれ、それぞれ個別にそれぞれの搬送平面内に平に載置されている少なくとも1つの金属板シート08を搬送する少なくとも1つの搬送装置09を有し、互いにセパレートに配置されるこれらの搬送装置09の各々は、当該金属板シート08の搬送用に、それぞれ少なくとも1つの搬送ベルト11を有している。その際、当該搬送装置09の搬送ベルト11は、それぞれ、好ましくは、電気式の駆動部16により、特に、それぞれ異なる搬送装置09内に配置される搬送ベルト11が、搬送ベルト11のそれぞれの循環速度に関して、それぞれ互いに同期されているように駆動されており、その結果、これらの搬送ベルト11により搬送される金属板シート08は、それぞれ、少なくとも数値的に略同じ、すなわち、僅かな許容可能な公差は除いて同じ直線状の速度で搬送される。搬送ベルト11上に平に載置されている金属板シート08の搬送平面内には、これらの金属板シート08の下に、好ましくは、エアクッションが形成されており、これらの金属板シート08は、金属板シート08の搬送平面内に、エアクッションにより浮動式に配置されている。
【0024】
生産ライン01内に、ロードステーション02、連続乾燥機17、冷却ゾーン18およびアンロードステーション07の、加工されるまたは加工すべき金属板シート08の搬送方向で順番に配置される機械ユニットは、常に互いに連鎖、具体的には、当該搬送装置09の機能的な、すなわち制御技術的な連鎖によってのみならず、物理的に、すなわち機械的に、金属板シート08の搬送用に設けられた少なくとも1つの引っ張り手段29であって、例えば、好ましくは、これらのすべての機械ユニットを通して通走する少なくとも1つのチェーンの形態の引っ張り手段29によっても、連鎖されている。その際、当該機械ユニットを通り抜ける少なくとも1つの引っ張り手段29は、ロードステーション02の旋回可能なワイヤフレーム22にも、アンロードステーション07の旋回可能なワイヤフレーム22にも作用し、その結果、当該ワイヤフレーム22の、引っ張り手段29との連結が実施され、引っ張り手段29は、例えば少なくとも1つの連結要素37を有し(図1)、連結要素37には、それぞれのワイヤフレーム22が、連結時に取り付けられている。当該機械ユニットを通り抜ける少なくとも1つの引っ張り手段29は、これにより、ロードステーション02の当該旋回可能なワイヤフレーム22にも、アンロードステーション07の当該旋回可能なワイヤフレーム22にも作用するように、かつ当該ワイヤフレーム22の、当該引っ張り手段29との連結を形成するように、形成されている。当該機械ユニットを通り抜ける引っ張り手段29の循環速度と、生産ライン01のそれぞれの搬送装置09内の、金属板シート08を搬送する搬送ベルト11のそれぞれの直線状の速度とは、特に機械制御部34により互いに調整、特に互いに同期されている。
【0025】
特に、生産速度が高く、毎時数千の金属板シート08、例えば毎時少なくとも6,000の金属板シート08のとき、かつ/または生産ライン01内で加工すべき金属板シート08の判型が大きく、例えば700mm×1,000mm超のとき、かつ/または金属板シート08の金属板厚さが薄く、例えば0.3mm未満のとき、当該金属板シート08には、金属板シート08がロードステーション02の搬送装置のそれぞれのワイヤフレーム22によって持上げられる瞬間、高められた加速力が作用する。この加速力は、ワイヤフレーム22により持上げられた金属板シート08の後側エッジの領域における、それぞれのワイヤフレーム22上に載置されておらず、前述の事情の下では不安定に形成される金属板シート08の角隅が、慣性モーメントの結果、重力にしたがって下方に撓み、ひいては、搬送路の領域、特に後続の金属板シート08の領域内に達することを生じさせる。持上げられた金属板シート08の角隅は、この領域内では、ロードステーション02の搬送装置のそれぞれのワイヤフレーム22によって支持されていないので、それゆえ垂れてしまうことがある。このことは、それぞれのワイヤフレーム22によってまさに持上げるべき金属板シート08に直接的に後続する金属板シート08の前側エッジとの衝突を生じさせることがあり、このことは、生産ライン01内で生産中断および/または金属板シート08の不良品を生じさせかねないことを結果として伴う。
【0026】
この潜在的な運転障害を回避すべく、金属板シート08を加工する生産ライン01を運転する方法であって、生産ライン01は、金属板印刷機械03および/または塗装機械06を有し、金属板シート08の搬送方向Tで、金属板印刷機械03および/または塗装機械06の後に、ロードステーション02が配置され、ロードステーション02の直後に、印刷および/または塗装された金属板シート08を乾燥させる連続乾燥機17が配置されている、方法を提案する。その際、ロードステーション02は、搬送される金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で延在する回動軸線23回りにそれぞれ回動する複数のワイヤフレーム22を有し、これらのワイヤフレーム22は、相前後して、それぞれ寝かせてロードステーション02に供給される金属板シート08をそれぞれ個別に、金属板シート08の搬送平面から持上げるように配置されており、これらのワイヤフレーム22の各々は、金属板シート08の搬送平面を、これらの金属板シート08が、それぞれ個別にロードステーション02に供給される領域内で円状に下から上に通過し、この旋回運動により、平に寝かせて連続乾燥機17を通して搬送すべき金属板シート08の1つを起立させるように形成されている。ロードステーション02は、加えて、例えば、金属板シート08の搬送平面内で金属板シート08の搬送方向Tに沿って形成される縁部領域R1;R2内に、それぞれ、それぞれ複数のノズル14を有する少なくとも1つのノズルフィールド13を有し、そこに配置されるノズル14は、ノズル14からブロー空気が、それぞれ、好ましくは垂直に上向きに、金属板シート08の下面に吹き付けられるように運転されている。ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14の少なくとも一部の部分集合は、クロック制御式に運転されており、当該金属板シート08をワイヤフレーム22により受け取り、持上げる間、これらのクロック制御式に運転されるノズル14は、ブロー空気を吐出するようにオンにされており、かつノズル14のブロー空気が、ワイヤフレーム22によってまさに受け取られ、持上げられた金属板シート08に直接的に後続する金属板シート08の前側エッジ46に当たる前に、これらのノズル14は、オフにされている。
【0027】
図9は、簡略化した断面図で、ロードステーション02内に形成される、クロック制御式に運転され、それぞれブロー空気を好ましくは垂直に上向きに吹き出す少なくとも1つのノズル14の配置を示している。好ましくは、複数のこの種のノズル14が設けられている。図9には、ロードステーション02の搬送装置のワイヤフレーム22を、このワイヤフレーム22が、回動軸線23回りのワイヤフレーム22の旋回運動中に占める3つの異なるポジションで示してある。ロードステーション02に供給される金属板シート08は、金属板シート08の搬送方向Tで、当該金属板シート08が平に載置されている少なくとも1つの搬送ベルト11により、好ましくは、金属板シート08がこの金属板シート08の前側エッジ46でもってストッパ24に到達するまで、搬送される。特に、前側エッジ46がストッパ24に到達するこの時点で、当該金属板シート08は、ワイヤフレーム22により収容され、少なくとも1つの搬送ベルト11が存在する搬送平面から上方に旋回される。これにより、当該金属板シート08は、連続乾燥機17に供給される前に、金属板シート08のこれまでの搬送平面から、好ましくは、少なくとも略鉛直に起立させられる。
【0028】
好ましい一構成において、ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14は、強さの設定が可能なブロー圧力で運転されている。その際、ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14のブロー圧力の強さは、例えば、この生産ライン01内で加工すべき金属板シート08の生産速度に応じて、かつ/または生産ライン01内で加工すべき金属板シート08の判型に応じて、かつ/または生産ライン01内で加工すべき金属板シート08の金属板厚さに応じて設定されている、または少なくとも設定可能である。ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14のブロー圧力の強さを設定すべく、好ましくは、出力側がこれらのノズル14に接続され、かつ入力側が圧縮空気源41に接続される絞り弁38であって、絞り弁38の通流横断面は、例えば遠隔制御され、特に、例えばこの生産ライン01の中央管理機構として形成される機械制御部34において設定可能である絞り弁38と、圧力計39とが設けられている。
【0029】
ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14は、特に、金属板シート08が、予め設定された最低速度より高い生産速度で生産ライン01を通して搬送されるときだけ、ブロー空気を吐出すようにオンにされている。ブロー空気をそれぞれ好ましくは垂直に上向きに吹き出すノズル14は、例えば、この生産ライン01内で加工すべき金属板シート08の生産速度に関する予め設定された最小値に到達するまでに、かつ/または生産ライン01内で加工すべき金属板シート08に関する予め設定された最小判型より小さい判型を有する金属板シート08のために、かつ/または生産ライン01内で加工すべき金属板シート08に関する予め設定された最小金属板厚さより大きい金属板厚さを有する金属板シート08のために、オフにされている。これにより、金属板シート08の不安定に形成された角隅が実際に撓むときだけ、生産ライン01の前述の運転形態が作動することが保証され得る。而して、生産ライン01内の運転障害および/または運転中断および/または金属板シート08の不良品の生産は、回避され得る。加えて、説明する解決手段は、新設の生産ライン01にも、既に客先で使用されている生産ライン01に後付けするためにも使用可能である。
【0030】
既に言及したように、一定の生産速度のときでさえ、生産ライン01内で、障害影響、例えば、搬送すべきそれぞれの金属板シート08と、当該金属板シート08を担持する少なくとも1つの搬送ベルト11と、の間の変化するトラクション挙動の結果、連続して搬送される金属板シート08間の空いた間隔、すなわち、第1の金属板シート08の後側エッジと、第1の金属板シート08に直接的に後続する第2の金属板シート08の前側エッジ46と、の間の間隔が変わってしまうことがあり、その結果、同期点がシフトしてしまう。このことは、特に、ロードステーション02に目下供給される金属板シート08の前側エッジ位置も、このロードステーション02の搬送装置のワイヤフレーム22であって、目下供給される金属板シート08の受け取りが予定されていて、まさにワイヤフレーム22の旋回運動に基づいて、目下ロードステーション02に供給される金属板シート08を受け取ろうとする領域へ動くワイヤフレーム22の、この金属板シート08に面した端部に対して、相対的にシフトしてしまうことを意味する。なぜならば、ロードステーション02に供給されるすべての金属板シート08は、相前後してそれぞれ個別に、それぞれ回動軸線23回りに回動する複数のワイヤフレーム22の1つにより確実に受け取られ、かつそれぞれのワイヤフレーム22の旋回運動の結果、適時に持上げられ、その後で、目下持上げられる金属板シート08に直接的に後続する金属板シート08は、別のワイヤフレーム22の作用領域内に進入する必要があるからである。さもなくば、金属板シート08の搬送中に障害が生じ、その結果、生産ライン01内での生産中断が生じてしまう。
【0031】
この障害原因を回避するために提案するのは、図10から看取可能であるように、ロードステーション02内にまたはロードステーション02に接して、第1の検出装置42および第2の検出装置43が設けられ、第1の検出装置42および第2の検出装置43が、それぞれ、好ましくはデジタルの制御ユニット44に信号技術的に接続されていることである。第1の検出装置42は、ロードステーション02の搬送装置のワイヤフレーム22の1つが、金属板シート08の搬送平面に対する所定の回転角度ポジションを占める第1の時点を検出し、第1の検出装置42は、検出した第1の時点を表す第1の信号を制御ユニット44に送信する。第1の検出装置42は、ロードステーション02内の様々な位置に配置されていることができ、このことは、図10に第2の代替的な組み込み位置により略示してある。第2の検出装置43は、ロードステーション02に目下供給される金属板シート08の前側エッジ46が、所定の位置に到達する第2の時点を検出し、この位置は、この金属板シート08の搬送平面内において、この金属板シート08の搬送方向Tで、この金属板シート08の受け取りが予定されているワイヤフレーム22の、この金属板シート08に面した端部の手前にあり、第2の検出装置43は、検出した第2の時点を表す第2の信号を制御ユニット44に送信する。制御ユニット44は、第1の時点と第2の時点との間の時間差ΔTの実際値を求め、この実際値を、時間差ΔTに関して予め与えられた、好ましくは、制御ユニット44内に記憶された目標値と比較し、目標値からの実際値の偏差を求めるように形成されており、制御ユニット44は、許容可能な公差範囲から外れた、目標値からの実際値の偏差を報知し、かつ/または表示装置48に例えば画像としてかつ/または数値として表示する。この制御ユニット44は、例えば生産ライン01の機械制御部34内に統合されて形成されていてもよい。第1の検出装置42および第2の検出装置43は、好ましくは、それぞれ、非接触式に作業するセンサとして形成されている。
【0032】
好ましい一構成において、制御ユニット44に信号技術的に接続され、回動軸線23回りのワイヤフレーム22の旋回運動を駆動する、例えば電気式のモータとして形成される駆動部47が設けられており、制御ユニット44は、目標値からの実際値の偏差が許容可能な公差範囲から外れている場合、少なくともこの駆動部47を、ロードステーション02に供給される次の金属板シート08の受け取りが予定されているワイヤフレーム22が、この次の金属板シート08のために、時間差ΔTの実際値が再び許容可能な公差範囲内に収まるような時点で、この次の金属板シート08の搬送平面内に旋回するように、制御するように形成されている。許容可能な公差範囲は、例えば目標値から1桁のパーセント領域またはそれ以下にある。特に好ましい一形態において、ワイヤフレーム22を回動軸線23回りに旋回させる駆動部47は、引っ張り手段29を駆動する駆動部32と同一であり、引っ張り手段29は、少なくともロードステーション02と、ロードステーション02に後置される連続乾燥機17と、を通り抜けるように配置されている。この最後の構成は、引っ張り手段29が、ロードステーション02の当該旋回可能なワイヤフレーム22に作用するように、かつ当該ワイヤフレーム22の、当該引っ張り手段29との好ましくは機械的な連結を形成するように、形成されているとき、極めて有利である。
【0033】
制御ユニット44は、第1の時点と第2の時点との間の時間差ΔTに関する複数の実際値を求め、実際値を、時間差ΔTに関して予め与えられた目標値と比較する前に、妥当でない実際値を選別するように形成されていてもよい。制御ユニット44は、さらに、好ましくは、生産ラインの、駆動部47に前置されるコンポーネント、例えばロードステーション02、または塗装機械06、または生産ラインの複数の機械ユニットに作用する仮想の駆動軸線にも作用するように形成されていてもよい。
【0034】
説明する解決手段は、生産条件が変更されたとき、ロード機械02への金属板シート08の送給のための最適な同期点の設定を容易にする。この解決手段は、ワイヤフレーム22との金属板シート08の衝突を回避することも助け、これにより、他方、生産中断および金属板シート08の不良品が回避される。さらに、この解決手段を、既存設備に後付けすることができる。
【0035】
既述のように、生産プロセスに関して残念ながら極めて障害が起こりやすい箇所が、生産ライン01内で、連続乾燥機17に前置されるロード機械02に存在する。それというのも、生産ライン01を通して搬送される金属板シート08の各々が、ロード機械02においてワイヤフレーム22の1つにより適時に受け取られ、そして持上げられ、その後で、次の金属板シート08が、ワイヤフレーム22の旋回領域内に進入する必要があるからである。これがうまくいかないと、まさに収容される金属板シート08に後続する金属板シート08の少なくとも1つが、直接的に先行する金属板シート08を収容したワイヤフレーム22の、上記後続する金属板シート08の前側エッジに面した端部にぶつかってしまう。あいにく、このような衝突、ひいては障害は、この生産ライン01の生産プロセス中、同期点が、前置される金属板印刷機械03または金属板塗装機械06に対して最適に設定されているときでさえ、生じてしまうことがある。
【0036】
同時に、ロード機械02のそれぞれのワイヤフレーム22の旋回領域内では、比較的最高の力が当該ワイヤフレーム22に作用し、これらのワイヤフレーム22の各々は、その繊細な構造に基づいてそれぞれフレキシブルに形成されている。ワイヤフレーム22がこのようにフレキシブルに形成されている結果、本来は回動軸線23回りに回動するこれらのワイヤフレーム22の1つが、1つの位置に、具体的には、金属板シート08の搬送平面内において、当該ワイヤフレーム22がまさにロード機械02に供給される金属板シート08を受け取った時点で存在する位置に、居座ることが起こり得る。既に言及したように、この場合、金属板シート08の衝突、ひいては、この生産ライン01の生産プロセス中の障害が生じてしまうことがある。
【0037】
まさにワイヤフレーム22の1つにより収容された金属板シート08の遅延した持上げの1つの原因は、いくつかのワイヤフレーム22が僅かに撓んでいることであり得る。ロード機械02と、ロード機械02に後置される連続乾燥機17とを通して通走する、搬送チェーンとして形成される引っ張り手段29に設けられた、例えばそれぞれ収容孔として形成される連結要素37内における、摩耗または製造不正確性の結果としてのワイヤフレーム22の僅かな遊びも、個々のワイヤフレーム22の遅延した持上げを生じさせることがある。同じく、引っ張り手段29の案内部または偏向部における僅かな不均一性も、ワイヤフレーム22の持上げが、不均一にかつがたつきながら実施され、個々の金属板シート08がこれにより遅れて持上げられることを生じさせることがある。運転障害に関して挙げた原因は、特に、おまけに突然の荷重の変化および負荷がワイヤフレーム22に作用したときに顕在化する。このことは、収容される金属板シート08の付加的な重量と、それとともに、ロード機械02における逆向きの加速力とによる場合等である。
【0038】
生産速度が高く、毎時数千の金属板シート08、例えば毎時少なくとも6,000の金属板シート08のとき、当然のことながら、金属板シート08が重く、質量が例えば2キログラム超のときと同じく、これらの金属板シート08の収容の時点で、短時間ワイヤフレーム22に作用する力は上昇する。このことは、フレキシブルなワイヤフレーム22の弾性的な変形を生じさせ、続いて、ワイヤフレーム22の機械的な振動を生じさせる。最悪の場合、これらの振動は、これらの金属板シート08の、それぞれ、印刷および/または塗装がなされたばかりの表面を傷付けてしまうことがある。同時に、速度がより高いとき、ロード工程のために利用できる時間は、短くなり、このことは、フレキシブルなワイヤフレーム22の変形の問題性および/または生じる振動をさらに強めてしまう。
【0039】
ロード機械02における機能信頼性を改善すべく、かつこれにより、生産ライン01の障害が起こりにくい運転を保証すべく、ロード機械02内に、ロード機械02のワイヤフレーム22のために持上げ装置を設けることを提案する。この持上げ装置は、フレキシブルなワイヤフレーム22を、受け取られた金属板シート08の持上げ時、それぞれ支持し、当該ワイヤフレーム22に作用する加速力の一部を受け持ち、ひいては、ワイヤフレーム22の弾性的な変形と、ワイヤフレーム22の機械的な振動と、を少なくとも大幅に防止するという利点を有している。このような持上げ装置は、ワイヤフレーム22の重量をさらに減少させることができ、これにより、結局のところ、連続乾燥機17におけるエネルギ節減が達成され得ることに寄与する。
【0040】
ワイヤフレーム22により受け取られた金属板シート08の持上げを補助する持上げ装置は、図11から看取可能であるように、第1の構成では、例えばクロック制御式の圧縮空気ノズル49により形成されており、これらの圧縮空気ノズル49は、ロード機械02内に、送給する、すなわちロード機械02に供給される金属板シート08の搬送平面の下に配置されており、かつ持上げるべき金属板シート08の下面に、好ましくは、垂直に上向きに短い圧力サージで、当該金属板シート08が、当該ワイヤフレーム22により受け取られる瞬間に、吹き付けるように運転されている。持上げ装置の本構成は、確かに、ワイヤフレーム22に直接的には作用せず、間接的にしか作用しないが、当該金属板シート08の持上げを補助する。
【0041】
持上げ装置の第2の構成は、同じく図11に例示的に示してあり、例えば、送給する金属板シート08の搬送平面の上に近接して配置されるクロック制御式の電磁石51が、特に、少なくとも1つのスペーサ52の領域内に設けられており、当該スペーサ52は、各ワイヤフレーム22の、回動軸線23から背離した端部に配置されている。これらの電磁石51は、制御ユニット53によりクロック制御式に切り換えられ、ワイヤフレーム22を、ワイヤフレーム22を引き寄せる磁力によって支持する。これらのクロック制御式の電磁石51は、代替的には、送給する金属板シート08の搬送平面の下に配置されていて、ワイヤフレーム22を突き放す磁力によって支持するように作用してもよい。電磁石51を切り換える制御ユニット53は、例えば生産ライン01の機械制御部34内に統合されて形成されている。
【0042】
持上げ装置の第3の構成では、図12に例示的に示すように、送給する金属板シート08の搬送平面の上に、例えば回動する少なくとも1つのカム54が設けられており、当該カム54は、当該ワイヤフレーム22を機械的に持上げ、当該カム54は、周期的に、金属板シート08がロード機械02内に進入する間、外に旋回されている。
【0043】
図13a(縦断面図)および13b(横断面図)ならびに図14a(縦断面図)および14b(横断面図)に、それぞれ、スケッチとしてのみ例示的に示す第4の構成によれば、持上げ装置は、リフト装置として形成されており、リフト装置は、送給する金属板シート08の搬送平面の下に、ロード機械02に配置されており、ワイヤフレーム22の複数ある長手方向ロッド59あるいは長手方向ビーム59の少なくとも1つを、好ましくは、中央の領域で形状結合式に持上げる。このリフト装置は、例えば、レバー57であって、周期的に動かされ、特にその自由端部にロール56が設けられていて、回転軸線61回りに、好ましくは、金属板シート08の搬送方向Tで回動するレバー57、またはタペット58であって、当該ワイヤフレーム22により持上げるべき金属板シート08の下面に対して斜めに動かされ、その自由端部に同じく例えばロール56が設けられているタペット58の形態で形成されていることができ、好ましくは、レバー57またはタペット58の、金属板シート08の搬送方向Tに対して横方向で周期的な横行が予定されており、これにより、レバー57またはタペット58を、目下持上げられるワイヤフレーム22を持上げた後、後続のワイヤフレーム22の旋回領域の外に動かすことが可能である。レバー57の周期的な軸方向の横行は、図13bに双方向矢印により略示してある。図14aおよび14bには、タペット58のリフト運動をそれぞれ双方向矢印により略示してある。
【0044】
挙げた持上げ装置の主な利点は、フレキシブルなワイヤフレーム22が、金属板シート08を持上げる力を単独で加える必要がないことにある。
【0045】
金属板シート08の搬送、特に連続乾燥機17を通した搬送を、さらに効率的なものにすべく、説明する、金属板シート08を加工する生産ライン01内で、ロードステーション02を、ロードステーション02に相前後して供給される金属板シート08が、それぞれ個別に、ロードステーション02内においてばらばらに提供される複数のワイヤフレーム22のうちの1つのワイヤフレーム22内に配置されるように形成し、かつエンドレスに循環する、少なくとも連続乾燥機17を通り抜ける引っ張り手段29に、少なくとも1つの連結要素37を設け、例えばハンギングループとして形成される当該連結要素37が、複数ある金属板シート08の1つが収容された当該ワイヤフレーム22に作用するように、かつ当該ワイヤフレーム22の、引っ張り手段29との連結を形成するように、形成されており、提案する、生産ライン01のより効率的な本構成では、ワイヤフレーム22が連続乾燥機17を通して通り抜ける運転状態で、金属板シート08が収容された当該ワイヤフレーム22は、引っ張り手段29の下側スパンに懸吊されて連結されているとともに、ワイヤフレーム22の下側の端部では、台架62に支持されて配置されており、このように懸吊され、かつ支持されて配置されるワイヤフレーム22は、垂線に対して10°~45°の範囲の角度Wを有する傾斜姿勢で配置されていることを提案する。その際、懸吊され、かつ支持されて配置されるワイヤフレーム22の傾斜姿勢は、ワイヤフレーム22が連続乾燥機17を通して通り抜ける運転状態で、この連続乾燥機17を通した搬送区間に沿って変化していくように形成されていて、この搬送区間の様々な位置で互いに異なる角度Wを取ってもよい。引っ張り手段29の下側スパンに懸吊するように連結すべきワイヤフレーム22は、例えば引っ張り手段29のハンギングループ内に係止される受容ピンを有している。それぞれ、金属板シート08が収容されたワイヤフレーム22の下側の端部を支持する台架62は、例えば、固定に設置されるレールとして、または引っ張り手段29と好ましくは同期的に循環するキャリアシステム、例えばベルトの形態のキャリアシステムとして形成されている。懸吊され、かつ支持されて配置されるワイヤフレーム22の傾斜姿勢は、このように搬送される金属板シート08の安定性を保証、具体的には、これらの金属板シート08が、それぞれの傾斜姿勢で窪んだり、膨らんだりしないという点において保証する。生産ライン01のここで提案する特に効率的な形成は、例示的に図15に示してある。
【0046】
生産ライン01の本構成は、回動軸線23回りに回動するように形成されるワイヤフレーム22とは異なり、引っ張り手段29の下側スパンに懸吊されて連結されるワイヤフレーム22が、極めて繊細に形成されていることができ、その結果、極めて低い質量が動かされるだけで済み、このことは、生産ライン01の運転時、エネルギ節減に至るという利点を有している。さらに、ロードステーション02に供給される金属板シート08は、引っ張り手段29の下側スパンに懸吊されて連結されるワイヤフレーム22によって搬送される場合、回動軸線23回りに回動するように形成されるワイヤフレーム22によって搬送されるのとは異なり、金属板シート08の搬送速度に関して、当該ワイヤフレーム22による金属板シート08の受け取り前に完全には制動する必要がなく、その結果、生産ライン01は、金属板シート08のより高いスループットで運転することができる。さらに、引っ張り手段29の下側スパンに懸吊されて連結されるワイヤフレーム22は、ワイヤフレーム22により搬送される金属板シート08が、印刷および/または塗装がなされた表面に、例えばバイブレーションにより、当該金属板シート08とワイヤフレーム22との間の接触領域において損害をもたらす危険性を減じる。
【0047】
既述のように、連続乾燥機17に、印刷および/または塗装された金属板シート08を積載するロードステーション02は、金属板シート08の搬送方向Tで連続乾燥機17の直前に配置されている。さらに、連続乾燥機17の直後に、好ましくは、連続乾燥機17を通して搬送された金属板シート08を荷下するアンロードステーション07が配置されており、アンロードステーション07は、金属板シート08を搬送する当該ワイヤフレーム22を、引っ張り手段29の下側スパンから懸吊解除するように形成されている。さらに、好ましい一発展形において、引っ張り手段29とは独立した搬送機構63が設けられており、この搬送機構63は、アンロードステーション07において、引っ張り手段29の下側スパンから懸吊解除、ひいては外されたワイヤフレーム22を個別に、または積み重ねて、またはずれ重なり状態でロードステーション02に戻し搬送するように形成されている。図15には、アンロードステーション07内で懸吊解除され、アンロードされたワイヤフレーム22の戻し搬送を、方向矢印により略示してある。アンロードステーション07内で、連続乾燥機17を通して搬送されたワイヤフレーム22は、引っ張り手段29の下側スパンから自動で懸吊解除され、搬送機構63によりロードステーション02に戻し案内される。金属板シート08は、アンロードステーション07内で選択的に、金属板シート08の印刷および/または塗装がなされた表面を上向きまたは下向きにして下ろされ、そこから生産ライン01内で引き続き搬送することができる。
【0048】
ワイヤフレーム22を懸吊して搬送する引っ張り手段29は、例えば、鏡面対称に構成される2つのチェーンにより形成されており、これらのチェーンは、それぞれ歯車を有する複数の軸31を介して同期的に駆動されており、これらの軸31の2つは、それぞれ、これらのチェーンによって張架される、生産ライン01を通した搬送区間の端部に配置されている。
【0049】
生産ライン01の特に効率的な一構成において、例示的に図16に示すように、鉛直に上下に配置され、それぞれ、少なくとも連続乾燥機17を通り抜ける少なくとも2つの引っ張り手段29が設けられており、これらの引っ張り手段29は、当該連続乾燥機17を通して好ましくは水平に延在する異なる平面内に配置されており、これらの引っ張り手段29の少なくとも1つは、引っ張り手段29により懸吊されて搬送されるワイヤフレーム22をそれぞれ支持する台架62を有している。生産ライン01の本構成では、ロードステーション02は、分岐器64を有し、この分岐器64は、ロードステーション02に供給される金属板シート08を選択的に、鉛直に上下に配置される引っ張り手段29の1つに供給するように形成されている。分岐器64は、例えばロードステーション02に前置されているか、またはロードステーション02の構成部分として形成されている。分岐器64により実施可能な、鉛直に上下に配置される個々の引っ張り手段29に対する金属板シート08の割り振りは、図16に矢印により略示してある。鉛直に上下に配置される少なくとも2つの引っ張り手段29を有する連続乾燥機17のこの特別な形成は、当該連続乾燥機17を通した搬送区間の長さが、当該連続乾燥機17を特に水平に通り抜ける単一の平面内にしか引っ張り手段29を有しない形成と比較して、短縮されて形成され得るという利点を有している。
【符号の説明】
【0050】
01 生産ライン
02 ロードステーション
03 金属板印刷機械
04 搬送モジュール
05 -
06 金属板塗装機械
07 アンロードステーション
08 金属板シート
09 搬送装置
10 -
11 搬送ベルト
12 プレート
13 ノズルフィールド
14 ノズル
15 -
16 駆動部
17 連続乾燥機
18 冷却ゾーン
19 架構
20 -
21 架構
22 ワイヤフレーム
23 回動軸線
24 ストッパ
25 -
26 アーム
27 切欠き
28 斜面
29 引っ張り手段
30 -
31 軸
32 駆動部
33 レール
34 機械制御部
35 -
36 転動ロール
37 連結要素
38 絞り弁
39 圧力計
40 -
41 圧縮空気源
42 第1の検出装置
43 第2の検出装置
44 制御ユニット
45 -
46 前側エッジ
47 駆動部
48 表示装置
49 圧縮空気ノズル
50 -
51 電磁石
52 スペーサ
53 制御ユニット
54 カム
55 -
56 ロール
57 レバー
58 タペット
59 長手方向ロッド;長手方向ビーム
60 -
61 回転軸線
62 台架
63 搬送機構
64 分岐器
B 幅
B11 幅
B12 幅
L 長さ
L12 長さ
M 中央領域
R1;R2 縁部領域
T 搬送方向
W 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板シート(08)を加工する生産ライン(01)を運転する方法であって、
前記生産ライン(01)は、
金属板印刷機械(03)および/または塗装機械(06)と、
前記金属板印刷機械(03)により印刷されたかつ/または前記塗装機械(06)により塗装された前記金属板シート(08)を乾燥させる連続乾燥機(17)と、
を有し、
前記金属板シート(08)の搬送方向(T)で、前記連続乾燥機(17)の直前に、印刷および/または塗装された前記金属板シート(08)を前記連続乾燥機(17)に積載するロードステーション(02)が配置されており、
前記ロードステーション(02)は、搬送される前記金属板シート(08)の前記搬送方向(T)に対して横方向で延在する回動軸線(23)回りにそれぞれ回動する複数のワイヤフレーム(22)を有し、
前記ワイヤフレーム(22)は、相前後して寝かせて搬送される金属板シート(08)をそれぞれ個別に、前記金属板シート(08)の搬送平面から持上げるように配置されており、
前記ワイヤフレーム(22)の各々は、前記金属板シート(08)の前記搬送平面を、前記金属板シート(08)が、それぞれ個別に前記ロードステーション(02)に供給される領域内で円状に下から上に通過し、この旋回運動により、平に寝かせて前記連続乾燥機(17)を通して搬送すべき金属板シート(08)の1つを起立させるように形成されており、
前記ロードステーション(02)は、前記金属板シート(08)の前記搬送平面内に複数のノズル(14)を有し、
前記ノズル(14)は、前記ノズル(14)からブロー空気が、それぞれ、金属板シート(08)の下面に吹き付けられるように運転されている、
方法において、
それぞれ前記ブロー空気を吹き出す前記ノズル(14)の少なくとも一部の部分集合をクロック制御式に運転し、
当該前記金属板シート(08)を前記ワイヤフレーム(22)により受け取り、持上げる間、クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、オンにされており、かつ
前記ノズル(14)の前記ブロー空気が、前記ワイヤフレーム(22)によって受け取られ、持上げられている前記金属板シート(08)に直接的に後続する前記金属板シート(08)の前側エッジに当たる前に、クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、オフにされている
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
クロック制御式にブロー空気を吹き出す前記ノズル(14)を、強さの設定が可能なブロー圧力で運転することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロー空気をクロック制御式に吹き出す前記ノズル(14)の前記ブロー圧力の前記強さは、前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の生産速度に応じて、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の判型に応じて、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の金属板厚さに応じて設定されている、または少なくとも設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ノズル(14)の前記ブロー圧力の前記強さを設定すべく、絞り弁(38)が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記絞り弁(38)は、圧縮空気源(41)に接続されており、圧力計(39)が設けられており、前記絞り弁(38)は、遠隔制御されており、かつ/または前記生産ライン(01)の機械制御部(34)において設定可能であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
クロック制御式に運転される前記ノズル(14)は、金属板シート(08)が、予め設定された最低速度より高い生産速度で前記生産ライン(01)を通して搬送されるときだけ、ブロー空気を吐出するようにオンにされていることを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項7】
クロック制御式に運転される前記ノズル(14)を、前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)の前記生産速度に関する予め設定された最小値に到達するまでに、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)に関する予め設定された最小判型より小さい判型を有する金属板シート(08)のために、かつ/または前記生産ライン(01)内で加工すべき前記金属板シート(08)に関する予め設定された最小金属板厚さより大きい金属板厚さを有する金属板シート(08)のために、オフにすることを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【国際調査報告】