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特表2024-509734家具用金具および家具用金具を製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】家具用金具および家具用金具を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/40 20060101AFI20240227BHJP
   B21D 28/10 20060101ALI20240227BHJP
   B21D 19/12 20060101ALI20240227BHJP
   A47B 88/40 20170101ALI20240227BHJP
【FI】
B21D53/40
B21D28/10 Z
B21D19/12 A
A47B88/40
B21D19/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548717
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 AT2022060034
(87)【国際公開番号】W WO2022170375
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】A50087/2021
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ハイト
【テーマコード(参考)】
3B160
4E048
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160EB00
3B160EB75
4E048EA02
(57)【要約】
少なくとも1つの家具部分を家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具(1)を製造するための方法であって、好ましくは記載した順序の時系列で連続する以下の方法ステップ、すなわち、第1の方法ステップで、好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体(2)を準備するステップ、第2の方法ステップで、好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口(3)であって、この開口(3)を取り囲む少なくとも1つのカラー(4)を備えた開口(3)を、少なくとも1つの基体(2)に設け、少なくとも1つのカラー(4)は、少なくとも1つの基体(2)から突出しているステップ、第3の方法ステップで、少なくとも1つのカラー(4)を、少なくとも所定の領域で加熱するステップ、および第4の方法ステップで、少なくとも1つのカラー(4)を、加熱状態で、機械的な変形加工により、少なくとも半径方向に広げて、好ましくはリング状の突出部(6)を形成するステップ、を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの家具部分を家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具(1)を製造するための方法であって、好ましくは記載した順序の時系列で連続する以下のステップ、すなわち、
好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体(2)を準備する第1のステップと、
好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口(3)であって、前記開口(3)を取り囲む少なくとも1つのカラー(4)を備えた開口(3)を、前記少なくとも1つの基体(2)に設ける第2のステップであって、前記少なくとも1つのカラー(4)は、前記少なくとも1つの基体(2)から突出している、ステップと、
前記少なくとも1つのカラー(4)を、少なくとも所定の領域で加熱する第3のステップと、
前記少なくとも1つのカラー(4)を、加熱状態で、機械的な変形加工により、少なくとも半径方向に広げて、好ましくはリング状の突出部(6)を形成する第4のステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの基体(2)を、前記第1のステップの過程で、好ましくは平坦な、好ましくは鋼から成る薄板から打ち抜くことにより準備する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのカラー(4)を、前記第2のステップの過程で、カラー引張り加工により形成し、かつ/または前記少なくとも1つの開口(3)を、前記第2のステップの過程で、前記基体(2)における穿孔により形成する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカラー(4)を、前記第3のステップの過程で、加熱領域において変色させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカラー(4)は、少なくとも1つの端面(13)を有しており、前記少なくとも1つのカラー(4)を、前記第3のステップの過程で、少なくとも前記少なくとも1つの端面(13)で加熱する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのカラー(4)を、前記第3のステップの過程で、少なくとも1つの回転工具(5a)によって加熱する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記工具(5a)を、少なくとも所定の領域で、前記少なくとも1つのカラー(4)および/または前記少なくとも1つの開口(3)内に導入する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記工具(5a)は少なくとも1つのリング状の隆起部(14)を有しており、前記隆起部を、前記第3のステップの過程で、前記少なくとも1つのカラー(4)に接触させる、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記突出部(6)を、前記第4のステップの過程で、少なくとも1つの工具(5a)によって形成し、前記少なくとも1つの工具(5a)によって、前記少なくとも1つのカラー(4)の少なくとも軸方向で圧力を加える、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記突出部(6)を、前記第4のステップの過程で、前記少なくとも1つの基体(2)から離隔された、前記カラー(4)の端部に形成する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記第4のステップの過程で、前記カラー(4)には前記突出部(6)と前記基体(2)との間に、前記突出部(6)よりも小さい直径を有する少なくとも1つの中空円筒形の区分(16)が残される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記家具用金具(1)の少なくとも1つの別の構成部分(11)が、前記少なくとも1つのカラー(4)に、好ましくは回転可能に支持される、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの家具部分を家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具(1)であって、好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体(2)を有しており、前記少なくとも1つの基体(2)は、好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口(3)であって、前記開口(3)を取り囲む少なくとも1つのカラー(4)を備えた開口(3)を有しており、前記少なくとも1つのカラー(4)は、前記少なくとも1つの基体(2)から突出している家具用金具(1)において、
前記少なくとも1つのカラー(4)は、少なくとも半径方向に延びる、好ましくはリング状の少なくとも1つの突出部(6)を有しており、好ましくは、前記家具用金具(1)は、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法によって製造されていることを特徴とする、家具用金具(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの基体(2)は、打抜き加工部品として形成されている、請求項13記載の家具用金具(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの突出部(6)は、前記基体(2)とは異なる着色を有している、請求項13または14記載の家具用金具(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの突出部(6)は、前記少なくとも1つの基体(2)から離隔された、前記カラー(4)の端部に形成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載の家具用金具(1)。
【請求項17】
前記カラー(4)には前記突出部(6)と前記基体(2)との間に、前記突出部(6)よりも小さい直径を有する少なくとも1つの中空円筒形の区分(16)が配置されている、請求項13から16までのいずれか1項記載の家具用金具(1)。
【請求項18】
前記少なくとも1つのカラー(4)に、少なくとも1つの別の構成部分(11)が、好ましくは回転可能に支持されている、請求項13から17までのいずれか1項記載の家具用金具(1)。
【請求項19】
前記家具用金具(1)は、家具フラップを動かすための家具駆動装置として、家具部分を可動に支持するための家具ヒンジとして、または引出し用引出しガイドとして形成されている、請求項13から18までのいずれか1項記載の家具用金具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの家具部分を家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具を製造するための方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、記載する形式の家具用金具に関する。
【0003】
家具用金具の2つの構成部品間の枢着的な接続部は、これらの構成部品にそれぞれ1つの開口を設け、両構成部品の開口にピンを差し込み、次いでピンの少なくとも一方の端部を揺動加工により広げることにより製作されることが多い。このようにして、両構成部品は、ピンの軸方向で互いに相対的に固定されている。
【0004】
この場合、欠点は、ピンを多数配置する場合には特に、家具用金具の製造コストが上がるということにある。さらに、揺動加工のような冷間変形法では、ピンに亀裂が生じるおそれがあるという危険がある。このような亀裂が光学式検出システムや抜き取り検査によって早期に検出された場合は、ピンを直ちに交換することができる。これに対し、ピンの小さな亀裂は気づかれずに残っていることが多く、より遅れた時点で、家具用金具の構成部品間の接続部の破損につながるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、上述した欠点を回避する、家具用金具を製造するための方法ならびに改善された家具用金具を提供することである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1および13に記載の特徴により解決される。
【0007】
少なくとも1つの家具部分を家具キャビネットに可動に支持するための家具用金具を製造するための方法は、好ましくは記載した順序の時系列で連続する以下の方法ステップ、すなわち、
-第1の方法ステップで、好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体を準備するステップ、
-第2の方法ステップで、好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口であって、この開口を取り囲む少なくとも1つのカラーを備えた開口を、少なくとも1つの基体に設け、少なくとも1つのカラーは、少なくとも1つの基体から突出しているステップ、
-第3の方法ステップで、少なくとも1つのカラーを、少なくとも所定の領域で加熱するステップ、および
-第4の方法ステップで、少なくとも1つのカラーを、加熱状態で、機械的な変形加工により、少なくとも半径方向に広げて、好ましくはリング状の突出部を形成するステップ、を含む。
【0008】
したがって、第1の方法ステップで、基体を準備する。好ましくは平坦な、好ましくは鋼から成る薄板から打ち抜くことにより、基体を製作することができる。
【0009】
平坦な基体の材料厚は、好ましくは、0.5mm~1.0mmであってよい。
【0010】
第2の方法ステップでは、基体に開口を設け、この際にカラーを引張り加工する。このカラーは、拡大された支持面積を有する回転軸受を形成する。カラーを、例えばカラー引張り加工(Kragenziehen)により製作することができる。基体における開口は、例えば、穿孔により形成されていてよい。
【0011】
第3の方法ステップでは、カラーを、好ましくはカラーの自由端部を、局所的に加熱する。この加熱は、例えば、カラーに押し付けられる高速回転工具によりもたらされてよい。生じる摩擦により、カラーの材料は可塑化され、すなわち変形可能状態または流動可能状態となる。
【0012】
第4の方法ステップでは、カラーを加熱状態で変形加工し、この際に、広げられた突出部が形成される。カラーに加えられる軸方向の力によって、および回転工具の高い回転数によって、カラーの材料は、半径方向に押しのけられ、この際に特徴的な突出部が生じる。この突出部によって、家具用金具の互いに接続すべき構成部品は、カラーの軸方向で互いに相対的に固定可能である。
【0013】
提案した方法により、いくつかの利点が得られる。まず、家具用金具の両構成部品を接続するための(例えば、ピンのような)付加的な取付け手段を省くことができ、これにより、家具用金具の大量生産における製造コストを著しく減じることができる。その結果、工場では、付加的な取付け手段、特にピンを準備するための固有の供給ステーションも省くことができる。
【0014】
行われる熱処理によって、規定された非切削の変形加工、カラーのより高い強度、ならびに製作された突出部の平滑な表面が得られる。結果として、カラーの自由端部には、特徴的なトーラス状の突出部が存在し得る。
【0015】
第3の方法ステップの過程で、熱を供給することにより、カラーを加熱領域で(例えば、黒色または青色に)変色させることができ、これにより、特別な視覚的な効果も得られる。例えば、家具用金具の基体は、通常の亜鉛色を有していてよいが、これに対し、家具駆動装置の回転軸は、両端部において加熱により黒色になっている。
【0016】
本発明による家具用金具は、好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体を有しており、少なくとも1つの基体は、好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口であって、この開口を取り囲む少なくとも1つのカラーを備えた開口を有しており、少なくとも1つのカラーは、少なくとも1つの基体から突出している。少なくとも1つのカラーは、少なくとも半径方向に延びる、好ましくはリング状の少なくとも1つの突出部を有している。好ましくは、この家具用金具は、上述した方法により製造されていることが想定されている。
【0017】
本発明のその他の詳細および利点は、以下の図面の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】家具用金具を製造するための方法を、連続する方法ステップのうちの1つの方法ステップで示す概略図である。
図1b】家具用金具を製造するための方法を次の方法ステップで示す概略図である。
図1c】家具用金具を製造するための方法をさらに次の方法ステップで示す概略図である。
図1d】家具用金具を製造するための方法をさらに次の方法ステップで示す概略図である。
図2】引出し前板を引出し側壁に取外し可能に取り付けるための例示的な家具用金具を示す斜視図である。
図3a図2の家具用金具を示す斜視図である。
図3b図3aの詳細図である。
図3c図3aの詳細図である。
図4a】変形加工されていない状態のカラーを備えた家具用金具の基体を示す図である。
図4b】変形加工された状態のカラーであって、カラーの自由端部が広げられた突出部を有しているカラーを備えた家具用金具の基体を示す図である。
図5a】回転可能な構成部分の取付け後に初めて突出部が形成される、僅かに変更された実施形態の家具用金具を示す斜視図である。
図5b図5aの拡大詳細図である。
図5c図5aの拡大詳細図である。
【0019】
図1a~図1dは、家具用金具1を製造するための方法を、様々な方法ステップで示しており、すなわち、
-第1の方法ステップ(A)では、好ましくはプレート状の少なくとも1つの基体2を準備し(図1a)、
-第2の方法ステップ(B)では、好ましくは円筒形の少なくとも1つの開口3であって、この開口3を取り囲む少なくとも1つのカラー4を備えた開口3を、少なくとも1つの基体2に設け、少なくとも1つのカラー4は、少なくとも1つの基体2から突出していて、好ましくは、カラー4は端面13を有しており(図1b)、
-第3の方法ステップ(C)では、少なくとも1つのカラー4を、好ましくは熱源5によって、特に好適には回転工具5aによって、少なくとも所定の領域で加熱し(図1c)、
-第4の方法ステップ(D)では、少なくとも1つのカラー4を、加熱状態で、機械的な変形加工により、好ましくは回転工具5aによって、少なくとも半径方向に広げて、好ましくはリング状の突出部6を形成する(図1d)。
【0020】
家具用金具1は、図1dによると、家具用金具1の構成部分11(図2)のための、好ましくは所定の領域で円筒形の支持個所7を形成している。家具用金具1の構成部分11は、組付け状態で基体2と突出部6との間の所定の領域で、カラー4の中空円筒形の区分16に受容されており、カラー4によって形成された軸を中心として旋回可能に支持されている。
【0021】
したがって、取付け手段、特にピンの付加的な配置を省くことができる。
【0022】
図2は、家具用金具1の斜視図を示しており、この家具用金具は、図示の実施例では、引出し前板を引出し側壁に取外し可能にロックするために形成されている。
【0023】
家具用金具1は、組付け状態で、引出し側壁の前端部に配置されていて、典型的には、回転軸8を中心として旋回可能な、捕捉開口12を備えた捕捉エレメント9を有している。図示の実施例では、捕捉エレメント9は基体2に相当する。
【0024】
引出し前板の背面には、(ここには図示されていない)保持部分を取り付けることができる。捕捉エレメント9は、保持部分が捕捉開口12内に進入することにより作動可能となり、この場合、捕捉エレメント9を(捕捉エレメントに連結された保持部分と共に)、蓄力器10の力によって引き込むことができる。このようにして、引出し前板を、引出し側壁の前端面に対して押し付けることができる。このような家具用金具1の構造は基本的に知られており、ここで詳細に説明する必要はない。
【0025】
例えば、圧縮ばねとして形成されたコイルばねの形態の蓄力器10は、構成部分11を介して、家具用金具1の支持個所7を押圧する。構成部分11は、支持個所7で旋回可能に支持されている。構成部分11が所定の領域で、基体2(すなわち、捕捉エレメント9)と突出部6との間に受容されていることが認められる。このようにして、構成部分11の位置は、支持個所7の軸方向で固定されている。
【0026】
しかしながら、構成部分11が支持個所7を、特に中空円筒形の区分16(図1d)を完全に取り囲み、ひいては取外し不能に支持個所7に接続されている必要はない。そうではなく、構成部分11は、クランプ状の区分を有していてよく、この区分によって構成部分11は支持個所7に取外し可能に接続可能である。構成部分11と支持個所7との間の接続を解除するためには、構成部分11を、蓄力器10の力に抗して動かし、構成部分11のクランプ状の区分を支持個所7から分離するだけでよい。
【0027】
図3a~図3cは、図2の家具用金具1を斜視図ならびに2つの異なるその詳細図で示している。
【0028】
図3aには、家具用金具1が示されており、この場合、基体2から横方向に突出するカラー4は、第1および第2の方法ステップの過程で既に製作されている。カラー4は、所定の領域で円筒形に形成されていて、基体2とは反対側の端面13を有している。
【0029】
第3の方法ステップの過程で、カラー4が、少なくとも端面13で、熱源5によって、好ましくは回転工具5aによって加熱される。
【0030】
図3bは、図3aの円で取り囲んだ領域を拡大図で示している。回転工具5aは、中心ピン15と、リング状の隆起部14とを有している。このような工具5aは、例えば、いわゆるフロードリルを有していてよく、フロードリルは高速で回転し、少なくとも所定の領域で、少なくとも1つのカラー4および/または開口3内に導入される。
【0031】
工具5aのリング状の隆起部14は、第3の方法ステップの過程で、少なくとも1つのカラー4と、好ましくはカラー4の端面13と接触させられる。
【0032】
図3cは、カラー4内に導入された工具5aを示しており、突出部6(図2)が、第4の方法ステップの過程で、工具5aによって形成される。工具5aによって、カラー4の軸方向で圧力が加えられる。このようにして、突出部6は、第4の方法ステップの過程で、少なくとも1つの基体2から離隔された、カラー4の端部に形成される。
【0033】
カラー4には突出部6と基体2との間に、突出部6よりも小さい直径を有する少なくとも1つの円中空筒形の区分16(図1d、図4b)が残されている。カラー4のこの中空円筒形の区分16は、家具用金具1の構成部分11の、好ましくは旋回可能な支持のために利用される。
【0034】
図4aは、基体2から横方向に突出する、変形加工されていない状態のカラー4を備えた基体2(捕捉エレメント9)を示している。カラー4の材料が可塑化状態に移行可能であるように、回転工具5aによって、カラー4の端面13が加熱される。
【0035】
図4bは、基体2から横方向に突出する、変形加工された状態のカラー4を備えた基体2(捕捉エレメント9)を示している。工具5aをカラー4の端面13に押し付けることにより、そして工具5aの高い回転数によって、カラー4は半径方向で広がり、好ましくはリング状の突出部6が形成される。
【0036】
突出部6と基体2との間には、突出部6よりも小さい直径を有する少なくとも1つの中空円筒形の区分16が残されている。
【0037】
旋回可能な構成部分11を、カラー4の製作直後に、支持個所7に配置することができ、この場合、続いて突出部6が製作される。組付け状態で、構成部分11は所定の領域で、基体2と突出部6との間に受容されている。
【0038】
代替的に、構成部分11は、突出部6の製作後に、支持個所7に配置されてもよい。これは、例えば、構成部分11の、中空円筒形の区分16を部分的にのみ取り囲むクランプによって可能とすることができ、この場合、構成部分11は、突出部6の製作後にも、支持個所7に取外し可能に接続可能である。
【0039】
図5aは、僅かに変更された実施形態の家具用金具1の斜視図を示しており、この場合、支持個所7の突出部6は、回転可能な構成部分11を取り付けた後に初めて形成される。
【0040】
蓄力器10は、回転軸8を中心として旋回可能な構成部分11に、ジョイント軸17を介して旋回可能に接続されている。
【0041】
第1および第2の方法ステップでは、まず、カラー4を備えた基体2が準備される。さらなる方法ステップで、構成部分11がカラー4に回転可能に配置される。
【0042】
図5bは、図5aの円で取り囲んだ領域を拡大図で示しており、構成部分11は、支持個所7のカラー4に予め位置決めされている。
【0043】
図5cは、第3の方法ステップでカラー4が加熱され、第4の方法ステップで半径方向に変形加工されて好ましくはリング状の突出部6が形成された後の支持個所7の領域を示している。回転可能な構成部分11は、組付け状態で、支持個所7の回転軸8を中心として回転可能に支持されていて、所定の領域で基体2と突出部6との間に受容されている。
【0044】
本発明は、引出し前板を引出し側壁に取外し可能に取り付けるための家具用金具1に基づき、図面において説明された。もちろん、家具用金具1は、家具フラップを動かすための家具駆動装置として、家具部分を可動に支持するための家具ヒンジとして、または引出し用引出しガイドとして形成されていてもよい。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
【国際調査報告】