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特表2024-509736電力供給装置およびプラズマシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】電力供給装置およびプラズマシステム
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/40 20060101AFI20240227BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240227BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240227BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H03H7/40
H05H1/46 R
H01L21/31 D
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548814
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022053242
(87)【国際公開番号】W WO2022171738
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202021100710.9
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505169226
【氏名又は名称】トゥルンプフ ヒュッティンガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Huettinger GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Boetzinger Strasse 80,D-79111 Freiburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン マイアー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュプレンガー-ローレンツ
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084CC05
2G084CC08
2G084DD01
2G084DD11
2G084DD55
2G084HH08
2G084HH23
2G084HH24
2G084HH28
2G084HH29
5F004BB13
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA08
5F004CB07
5F045EH19
5F045GB08
5F045GB17
(57)【要約】
発電機(2)と、発電機(2)に接続されたインピーダンス整合装置(6)とを備えた、プラズマ用に電気高周波電力信号を生成するための電力供給装置(1)であり、電力供給装置(1)は、特に、インピーダンス整合装置(6)の入力部(5)において、または発電機(2)の出力部(3)においてインピーダンス量を特定し、あらかじめ設定された期間におけるインピーダンスベースの品質スコア(17)を算出して出力するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機(2)と、前記発電機(2)に接続されたインピーダンス整合装置(6)とを備えた、プラズマ用に電気高周波電力信号を生成するための電力供給装置(1)であって、前記電力供給装置(1)は、特に、前記インピーダンス整合装置(6)の入力部(5)において、または前記発電機(2)の出力部(3)においてインピーダンス量を特定し、あらかじめ設定された期間におけるインピーダンスベースの品質スコア(17)を算出して出力するように構成されている、電力供給装置(1)。
【請求項2】
前記電力供給装置(1)は、インピーダンスベースの品質スコア(17)として、測定したインピーダンス量のインピーダンス平均値、特に幾何平均値、幾何学的重心、算術平均値または中央値を算出するように構成されている、ことを特徴とする、請求項1記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記電力供給装置(1)は、前記インピーダンス整合装置(6)の操作量を生成して、前記品質スコア(17)が、あらかじめ設定された値を取るように構成されている、ことを特徴とする、請求項1または2記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記電力供給装置(1)は、前記品質スコア(17)に基づいて、評価反射電力を算出するように構成されている、ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記インピーダンス整合装置(6)または前記発電機(2)は、前記品質スコア(17)を算出するように構成された測定装置(10,11)を有する、ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記インピーダンス整合装置(6)は、前記品質スコア(17)を算出するように構成された制御器(13)を有する、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記品質スコア(17)が前記発電機(2)に出力される、ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項8】
算出された前記評価反射電力を出力するために表示装置が設けられている、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記発電機(2)が、生成された出力を測定するように構成されている、ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項10】
算出された前記評価反射電力に影響を与えることなく、前記プラズマに最大のエネルギ転送が行われるように、あらかじめ設定された前記期間が決定される、ことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項11】
前記インピーダンス整合装置(6)内の電圧は、作動時に300V以上、特に1000V以上である、ことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項12】
前記インピーダンス整合装置(6)内の電流は、作動時に10A以上、特に100A以上である、ことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の電力供給装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の電力供給装置と、プラズマ処理装置、特にHF励起プラズマ処理装置、好ましくは、建築用ガラス、半導体、太陽電池素子、フラットスクリーン、ディスプレイの製造において使用するのに適した、基板のコーティング(スパッタリング)および/またはエッチングのためのHF励起プラズマ装置とを備えたプラズマシステム。
【請求項14】
プラズマ用に電気高周波電力信号を生成するための電力供給装置(1)を作動させる方法であって、インピーダンス量、特にインピーダンス整合装置(6)の入力部における、または発電機(2)の出力部におけるインピーダンス量を特定し、あらかじめ設定された期間においてインピーダンスベースの品質スコア(17)を算出し、インピーダンスベースの前記品質スコア(17)を出力し、ここでは特に、後続の使用または処理のためにインピーダンスベースの前記品質スコア(17)を出力する、方法。
【請求項15】
インピーダンスベースの品質スコア(17)として、測定した前記インピーダンス量のインピーダンス平均値、特に幾何平均値、幾何学的重心、算術平均値または中央値を算出する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記品質スコア(17)が、あらかじめ設定された値を取るように、前記インピーダンス整合装置(6)に対する操作量を生成する、請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
前記品質スコア(17)に基づいて、評価反射電力を算出し、特に、前記評価反射電力は、前記品質スコア(17)に基づいて計算される出力である、請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
測定装置(10,11)において直接的に、または前記インピーダンス整合装置(6)の制御器によって間接的に前記品質スコア(17)を算出する、請求項14から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記発電機(2)に前記品質スコア(17)を出力する、請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
算出された前記評価反射電力に影響を与えることなく、前記プラズマに最大のエネルギ転送が行われるように、あらかじめ設定された前記期間を決定する、請求項17から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
300V以上、特に1000V以上の電圧において前記インピーダンス整合装置(6)を作動させる、請求項14から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
10A以上、特に100A以上の電流で前記インピーダンス整合装置(6)を作動させる、請求項14から21までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ用に電気高周波電力信号を生成するための電力供給装置と、このような電力供給装置を備えたプラズマシステムとに関する。
【0002】
本発明は、プラズマ用に電気HF電力信号を生成するための電力供給装置と、電力供給装置を作動させる方法とに関する。
【0003】
発電機のインピーダンスに負荷のインピーダンスを整合させるために、インピーダンス整合ネットワークが使用される。
【0004】
インピーダンス整合ネットワークは、HF励起プラズマ処理においてしばしば使用される。周波数は一般的に1MHzまたはそれ以上である。HF励起プラズマ処理は例えば、建築用ガラス、半導体、太陽電池素子、フラットスクリーン、ディスプレイ等の製造において、基板のコーティング(スパッタリング)および/またはエッチングに使用される。このような処理におけるインピーダンスは、しばしば極めて急速に変化し、そのためにインピーダンス整合を極めて急速に(数ミリ秒以内に)行うべきであることも多い。このような処理に一般的に供給される電力は、数100W、例えば300W以上であるが、1キロワット以上であることもまれではなく、10kW以上にもなることも多い。このような電力では、インピーダンス整合装置内の電圧はしばしば数100V、例えば300V以上であり、1000V以上にもなることもまれではない。このような回路における電流は、数アンペア、しばしば10A以上、ときには100A以上にもなることがある。このような電圧および電流においてインピーダンス整合ネットワークを実現することは、以前からの大きな挑戦である。このようなインピーダンス整合ネットワークにおいてリアクタンスを急速に変更できるようにすることは、付加的な極めて大きな挑戦である。このようなインピーダンス整合ネットワークの例は、例えば独国特許出願公開第102015220847号明細書または独国実用新案第202020103539号明細書に開示されている。
【0005】
一般的には、負荷のインピーダンスを50オームに変換するためにインピーダンス整合ネットワークが使用される。インピーダンス整合の品質についての情報を得るためには、しばしば平均反射電力の値が算出されて、整合過程の品質についての指標として使用されることがある。同時に、平均反射電力の値は、プラズマについての安定性判定基準として使用される。パルス式の適用では、それぞれのパルスの開始および終了時に過渡過程および減衰過程が発生し、これらにより、安定したプラズマ処理および最善の整合にもかかわらず、反射電力が生じてしまう。
【0006】
したがって、本発明全体の課題は、整合過程の品質について、より信頼性の高い情報を的確に表すことができる電力供給装置を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明により、発電機と、発電機に接続されたインピーダンス整合装置とを備えた、プラズマ用に電気HF電力信号を生成するための電力供給装置によって解決され、電力供給装置は、特にインピーダンス整合装置の入力部において、または発電機の出力部において、インピーダンス量を特定し、あらかじめ設定された期間におけるインピーダンスベースの品質スコアを算出し、特に後続の処理および/または使用のために出力するように構成されている。
【0008】
インピーダンス量は、複素インピーダンス、複素反射係数、インピーダンスの絶対値および位相、またはこれらから導出される値、例えばアドミタンスまたは公称インピーダンスであってよい。基本的には、インピーダンス量として複素の、または2次元の実数の量を検出することも考えられる。特に、これが、インピーダンス整合装置と発電機とが統合されている統合型システムである場合に有利であるのは、インピーダンス量が発電機の出力部において検出される場合である。
【0009】
平均反射電力とは異なり、インピーダンスベースの品質スコアは、あらかじめ設定された期間において算出される。あらかじめ設定された期間は、過渡過程および減衰過程が、インピーダンスベースの品質スコアの算出に含まれてないように選択可能である。これにより、整合過程についての説得力のある品質スコアが算出可能である。インピーダンスベースの品質スコアは、無次元量であってよい。
【0010】
電力供給装置は、インピーダンスベースの品質スコアとして、測定したインピーダンス量のインピーダンス平均値、特に、幾何平均値、幾何学的重心、算術平均値または中央値を算出するように構成可能である。特に、幾何平均値は、特に容易な仕方で算出可能である。
【0011】
電力供給装置は、インピーダンス整合装置の操作量を生成して、品質スコアが、あらかじめ設定された値を取るように構成可能である。これにより、インピーダンス整合装置は、品質スコアに基づいてインピーダンス整合を行うことができる。例えば、インピーダンス整合が行われるように、操作量を介し、インピーダンス整合装置の変更可能なリアクタンスを設定することができる。
【0012】
インピーダンス整合装置が調整可能でない場合に考えられるのは、算出された品質スコアに基づいて、発電機によって出力される電力を変化させ、これにより、より良好な品質スコアが得られ、ひいてはより良好なインピーダンス整合が得られるようにすることである。例えば、HF電力信号の周波数を変化させることができる。
【0013】
電力供給装置は、品質スコアに基づいて、評価反射電力を算出するように構成可能である。評価反射電力とは、ユーザが慣れているため、ユーザが判定しかつ分類することができる量のことである。算出される評価反射電力は、以下では(仮想)反射電力とも称され、実際の(測定可能な)反射電力には対応しない。算出される評価反射電力はまた、品質スコアとも理解することができる。
【0014】
インピーダンス整合装置は、品質スコアを算出するように構成されている測定装置を有していてよい。これにより、品質スコアを直接的に算出することができる。
【0015】
択一的には、インピーダンス整合装置が、品質スコアを算出するように構成された制御器を有することが考えられる。特に、制御器の積分部分により、期間にわたって、検出したインピーダンス量を暗黙的に平均化することができる。この際に制御器は、品質スコアを可能な限りに目標値に整合させるか、もしくは制御するために使用される。
【0016】
品質スコアは、発電機に出力可能である。これによって可能であるのは、発電機が、検出した進行波電力により、評価(仮想)反射電力を算出できることである。特に、整合化のための制御アルゴリズムが変換されない場合、このことにより、大きな反射電力が生じる。したがって一般に、反射電力は、制御もしくは整合化が成功したか否かについての尺度として使用される。しかしながら、過渡インピーダンスでは、特にパルス周波数が高い場合、このことは当てはまらない。制御アルゴリズムにより、最善の整合化が実現されている場合でも反射電力が発生する。品質スコア、特にインピーダンス量の幾何平均値は、本発明では、評価(仮想)反射電力を計算するために使用される。これは、実際の反射電力の代わりに、またはこれに付加的に示すことができ、したがってユーザにとって慣れかつ既知の量が提供される。
【0017】
品質スコアは、例えば、アナログ信号として出力可能である。しかしながら特に有利であるのは、算出される評価反射電力を出力するために表示装置が設けられている場合である。
【0018】
発電機は、生成した(進行波)電力を測定するように構成可能である。測定され生成されるこの電力は、評価(仮想)反射電力を算出するために使用可能である。
【0019】
あらかじめ設定された期間は、算出される評価(仮想)反射電力に影響を与えることなく、プラズマに最大のエネルギ転送が行われるように決定可能である。特に、期間はパルス持続時間よりも短くてよい。さらに、期間は、パルス開始が期間の外にあるように選択可能である。
【0020】
本発明の枠内にはさらに、プラズマ用に電気高周波(HF)電力信号を生成するための電力供給装置を作動させる方法が含まれ、インピーダンス量、特にインピーダンス整合装置の入力部における、または発電機の出力部におけるインピーダンス量を特定し、あらかじめ設定された期間においてインピーダンスベース品質スコアを算出し、インピーダンスベースの品質スコアを出力する。特に、後続の使用または処理のためにインピーダンスベースの品質スコアを出力することができる。インピーダンスベースの品質スコアは、デジタル信号またはアナログ信号として出力可能である。
【0021】
インピーダンスベースの品質スコアとして、測定したインピーダンス量のインピーダンス平均値、特に幾何平均値、幾何学的重心、算術平均値または中央値を算出することができる。
【0022】
インピーダンス整合装置に対する操作量は、品質スコアが、あらかじめ設定された値を取るように生成可能である。
【0023】
品質スコアに基づき、評価(仮想)反射電力を算出可能である。評価(仮想)反射電力は、測定した実際の反射電力とは異なる、品質スコアに基づいて計算した出力である。
【0024】
品質スコアは、測定装置において直接的に、またはインピーダンス整合装置の制御器によって間接的に算出可能である。
【0025】
品質スコアは、発電機に出力可能である。品質スコアに基づき、発電機において(仮想)反射電力を算出可能である。評価反射電力は、表示装置において出力可能である。
【0026】
あらかじめ設定された期間は、算出される評価(仮想)反射電力に影響を与えることなく、プラズマに最大のエネルギ転送が行われるように決定可能である。
【0027】
本発明の枠内にはさらに、前に説明したような電力供給装置と、プラズマ処理装置、特にHF励起プラズマ処理装置、すなわちプラズマ処理を実行するための装置とを備えたプラズマシステムが含まれている。プラズマ装置は好ましくは、例えば、基板のコーティング(スパッタリング)および/またはエッチングに使用される。プラズマ装置は好適には、建築用ガラス、半導体、太陽電池素子、フラットスクリーンまたはディスプレイの製造において使用するのに適している。
【0028】
高周波電力信号の高周波は、1MHzまたはそれ以上であってよい。
【0029】
プラズマ処理の給電に必要でありかつその供給のために電力供給装置が設計されている電力は、300W以上、特に1キロワット以上であってよい。
-プラズマ処理装置は、別の複数の電力供給部を接続するように設計されていてよく、これらの電力供給部のうち、例えば、次の1つまたは複数が使用可能である。すなわち、同じまたは別の高周波を有するHF電力供給部。
-DC電力供給部、特にパルス式のDC電力供給部
-1MHzを下回る周波数を有するMF電力供給部が使用可能である。
【0030】
本発明の別の利点は、説明および図面から得られる。同様に、上述しかつさらに引き続いて説明する特徴的構成は、本発明により、それぞれ個別にそれ自体で、または複数の任意の組み合わせで使用可能である。図示しかつ説明する複数の実施形態は、完全な列挙と理解するべきではなく、むしろ本発明を記述するための例示的な特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】電力供給装置を示す図である。
図2a】アドミタンス平面に基づいて、品質スコアを算出するやり方を示す図である。
図2b】アドミタンス平面に基づいて、品質スコアを算出するやり方を示す別の図である。
図2c】アドミタンス平面に基づいて、品質スコアを算出するやり方を示すさらに別の図である。
図2d】アドミタンス平面に基づいて、品質スコアを算出するやり方を示すさらに別の図である。
図3】品質スコアを算出する方法についての流れ図である。
【0032】
図1には、例えば60MHzで(パルス式の)電気HF電力信号を生成するための発電機2を備えた電力供給装置1が示されている。発電機2は、HFケーブル4を介してインピーダンス整合装置6の入力部5に接続されている出力部3を有する。インピーダンス整合装置6は、負荷7に接続されている。発電機2とインピーダンス整合装置6とはさらに、信号接続部8を介して互いに接続されている。負荷7は、プラズマ処理の、特にHF励起プラズマ処理のプラズマ、例えば、建築用ガラス、半導体、太陽電池素子、フラットスクリーン、ディスプレイの製造において、基板のコーティング(スパッタリング)および/またはエッチングのためのプラズマであってよい。
【0033】
インピーダンス整合装置6は、負荷7のインピーダンスと、入力部3における発電機2のインピーダンスとを整合させるために使用される。発電機2は、パルス式のHF電力を負荷7に供給するように構成されていてよい。負荷7のインピーダンスは、特に、これがプラズマである場合には、しばしばかつ急速に変化することがあるため、インピーダンス整合装置6には、負荷7のインピーダンスと発電機2のインピーダンスとを整合させるという特別な要求がある。
【0034】
インピーダンス整合装置6の入力部5の領域には、インピーダンス量を検出するために測定装置10を設けることができる。択一的または付加的には、インピーダンス量を検出するために、発電機2の出力部3の領域に測定装置11を設けることができる。インピーダンス量とは、複素インピーダンス、複素反射係数、インピーダンスの絶対値および位相等であってよい。検出したこのインピーダンス量に基づいて、あらかじめ設定された期間に、インピーダンス整合がどの程度良好であるかの情報を示す、インピーダンスベースの品質スコアを算出することができる。
【0035】
図2に基づいてこれを説明する。図2aには、発電機2の高周波パルスの間の負荷7のインピーダンスの軌跡15(時間経過)が示されている。ここから見て取れるのは、負荷7のインピーダンスが、パルスの間に大きく変化することである。
【0036】
図2bによって識別することができるのは、パルス開始に対応する第1部分15aが、品質スコアの算出に考慮されない、すなわちほぼ無視されることである。軌跡15の第2部分15bだけが考慮される。
【0037】
図2cにおいて識別できるのは、離散のインピーダンス点16、すなわち、軌跡15の部分15b上にある、異なる時点におけるインピーダンス量が、測定装置10,11の1つによって測定されることである。図2dによって識別できるのは、インピーダンスベースの品質スコア17として幾何学的重心が算出されることである。
【0038】
インピーダンス整合装置6の制御器13には、品質スコア17が最小化されひいてはより良好な整合が行われるように操作量が供給される。
【0039】
さらに、評価(仮想)反射電力を計算するために品質スコア17が使用可能である。このために、例えば信号接続部8を介して発電機2に品質スコアを出力することができ、これにより、発電機2では、算出装置14により、評価(仮想)反射電力が算出可能である。
【0040】
図3には、本発明による方法の流れ図が示されている。ステップ100では、インピーダンス量を測定する。ステップ101では、あらかじめ設定された期間にわたって測定したインピーダンス量からインピーダンスベースの品質スコアを算出する。ステップ102では、インピーダンスベースの品質スコアを出力し、これにより、これを後続処理することができる。
図1
図2a)】
図2b)】
図2c)】
図2d)】
図3
【国際調査報告】