(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】投射システム、結合ロッド、プロジェクタシステムの複数の要素を位置合わせするための方法、投射システムの電源を入れるための方法、および、像を投射するための方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023548945
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 CA2022050219
(87)【国際公開番号】W WO2022174336
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516118903
【氏名又は名称】エムティティ イノベーション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MTT INNOVATION INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メラメド、サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ベケット、マーティン グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】クマラン、ラヴェーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ウェイチェン
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA03
2K203GA25
2K203GB08
2K203GB55
2K203GB62
2K203GC09
2K203GC20
2K203HA02
2K203HA08
2K203HA62
2K203HA65
2K203HA82
2K203HA87
2K203HA88
2K203HA92
2K203HB04
2K203HB22
2K203HB24
2K203HB25
2K203HB26
2K203HB27
2K203KA55
2K203MA05
2K203MA35
(57)【要約】
例示的な実施形態は、マルチエミッタ光源によって生成される光ビームの不均一性を補正するためのシステムおよび方法を提供する。幾つかの実施形態において、位相変調器は、不均一性を補正するべくパッチレンズを表示する。幾つかの実施形態において、位相変調器の各領域は、マルチエミッタ光源の1つのエミッタによって生成されるビームによって照明される。位相変調器のそのような領域は、当該領域を照明する対応するビームにおける不均一性を補正するためにパッチレンズを表示してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ビームを放射するよう動作可能な1または複数の光源;
2次元配列の画素を有する位相変調器、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるよう制御可能であり、前記位相変調器は、前記複数の光ビームの光路においてアクティブエリアを有し、前記複数の光ビームのそれぞれは、前記位相変調器の前記アクティブエリアの複数の別個の領域のうちの対応する1つにおける前記位相変調器の前記アクティブエリアに入射する;および、
前記別個の領域に対応するパッチレンズの光学形状を表示するべく前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成されたコントローラ、前記パッチレンズは、前記複数の光ビームのうちの対応する1つに存在する不均一性を補正するよう構成されている、
を備える投射システム。
【請求項2】
前記複数の別個の領域は、複数の行および複数の列を有するアレイに配置される、
請求項1に記載の投射システム。
【請求項3】
前記光源は、少なくとも2行2列の発光素子を含むマルチエミッタ光源を有する、
請求項1または2に記載の投射システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記対応するパッチレンズの前記光学形状と組み合わされた光誘導位相パターンを表示するべく、前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成されている、
請求項1から3の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項5】
前記別個の領域に対応する前記パッチレンズの前記光学形状は、対応する前記光ビームの理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく、
請求項1から4の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項6】
前記別個の領域に対応する前記パッチレンズの前記光学形状は、対応する前記光ビームが前記位相変調器と相互作用した後に、像面に生成された光照射野の理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく、
請求項1から5の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項7】
前記補正された不均一性は、指向平行性、コリメーションおよび強度分布のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から6の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項8】
前記表示された光学形状は、球面レンズの光学形状に対応する、
請求項1から7の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項9】
隣接するパッチレンズは互いに当接する、
請求項1から8の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項10】
前記位相変調器の前記2次元配列の画素のアクティブエリア全体が、パッチレンズによって覆われている、
請求項1から9の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項11】
各パッチレンズの前記光学形状は独立して生成される、
請求項1から10の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項12】
各パッチレンズの前記光学形状は、最適化処理を実行するよう構成された前記コントローラによって生成される、
請求項1から11の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項13】
前記最適化処理は、対応する出力ビームの1または複数の観察された特性が、前記パッチレンズが前記光ビームの理想からの偏差を適切に補正していることを示すまで、前記対応するパッチレンズの前記画素の位相変位を反復して変化させることを含む、
請求項12に記載の投射システム。
【請求項14】
前記最適化処理は、複数の前記パッチレンズのうちの異なるものに対して順次実行される、
請求項12または13に記載の投射システム。
【請求項15】
前記最適化処理は、複数の前記パッチレンズのうちの異なるものに対して、並行して実行される、
請求項12または13に記載の投射システム。
【請求項16】
前記最適化処理は、前記対応するパッチレンズの位相パターンを構築することになる前記領域内の前記画素の位相変位を見出すべく擬似アニーリング法を実行することを含む、
請求項12から15の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項17】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、前記対応するパッチレンズの、焦点距離、光学中心シフト、パラメータ化された非点収差、および傾きのうちの少なくとも1つを特定する、
請求項1から16の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項18】
前記複数の別個の領域のうちの少なくとも1つは、複数のサブ領域へと分割され、前記コントローラは、前記サブ領域に対応する光学形状を表示するように前記複数のサブ領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成される、
請求項1から17の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項19】
単一の光ビームの異なる部分は、前記位相変調器の対応する別個の領域の2つまたはそれより多くのサブ領域を照明する、
請求項1から18の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項20】
複数の前記光学形状のうちの少なくとも1つは、互いに重ね合わされた複数のレンズに対応する、
請求項1から19の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項21】
前記複数の光ビームのうちの少なくとも1つは、前記複数の別個の領域を超えて延びる、
請求項1から20の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項22】
複数の前記光学形状のうちの1または複数はそれぞれ、前記複数の光ビームのうちの対応する1つの変化する特性を考慮に入れるべく、リアルタイムに変化させられる、
請求項1から21の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項23】
前記複数の光ビームのそれぞれに適用される前記光学形状は、光を誘導する光誘導コンポーネントを更に有する、
請求項1から22の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項24】
前記対応するパッチレンズおよび対応する前記光誘導コンポーネントは重ね合わされる、
請求項23に記載の投射システム。
【請求項25】
前記複数の光ビームのうちの異なるものに適用される前記光誘導コンポーネントは同じである、
請求項23または24に記載の投射システム。
【請求項26】
異なる光ビームに適用される前記光誘導コンポーネントは異なる、
請求項24または25に記載の投射システム。
【請求項27】
前記光誘導コンポーネントは、複数の異なるポイントで集中するように前記光ビームを誘導するよう構成される、
請求項23から26の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項28】
前記コントローラは、対応する前記光ビームからの光を誘導する位相変位のパターンを表示するように前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれを個別に制御する、
請求項23から27の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項29】
複数の前記パッチレンズのそれぞれ、および、対応する前記光誘導コンポーネント、の前記光学形状は、互いに独立して算出される、
請求項23から28の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項30】
複数の前記パッチレンズのそれぞれ、および、対応する前記光誘導コンポーネント、の前記光学形状は、一緒に算出される、
請求項23から28の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項31】
前記位相変調器の上流に受光光学系を備え、前記受光光学系は、前記位相変調器をより良く照明するべく、前記光ビームを形作るよう、または修正するよう構成される、
請求項1から30の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項32】
前記受光光学系は、前記光ビームからの光が前記2次元配列の画素のサイズと一致するように、前記光を形作る、
請求項31に記載の投射システム。
【請求項33】
前記コントローラは、前記複数の光ビームの少なくとも一部の鏡面反射を生じさせるべく選択された位相パターンを表示するように、前記位相変調器の複数の前記画素の少なくとも一部を設定するよう構成される、
請求項1から32の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項34】
前記コントローラは、誘導された光に対する誘導されていない光の割合を調整するべく、前記複数の画素の前記一部において画素の数を動的に変化させるよう構成される、
請求項33に記載の投射システム。
【請求項35】
前記コントローラは、画像データを処理することに少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される、
請求項34に記載の投射システム。
【請求項36】
前記コントローラは:前記画像データの黒レベル、前記画像データにおけるハイライトの最大輝度、および、前記画像データのコントラスト、のうちの1または複数に少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される、
請求項35に記載の投射システム。
【請求項37】
前記位相変調器の下流に結合ロッドを更に備え、前記結合ロッドは、入口開口部および出口開口部、および、前記結合ロッドの長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有し、前記結合ロッドは、誘導された光および誘導されていない光を結合し、前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分での繰返し反射によって前記誘導されていない光を均質化するよう構成される、
請求項1から36の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項38】
前記結合ロッドは受動光デバイスである、
請求項37に記載の投射システム。
【請求項39】
前記結合ロッドは中空管を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項40】
前記結合ロッドは透過性材料の固体を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項41】
前記透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである、
請求項40に記載の投射システム。
【請求項42】
前記固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む、
請求項40または41に記載の投射システム。
【請求項43】
前記結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項44】
前記結合ロッドは、前記入口開口部から前記出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有し、前記入口開口部は、前記出口開口部よりも大きい、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項45】
前記結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項46】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項45に記載の投射システム。
【請求項47】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項45に記載の投射システム。
【請求項48】
前記結合ロッドは捻じれロッドを有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項49】
前記捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する、
請求項48に記載の投射システム。
【請求項50】
前記結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項51】
前記出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい、
請求項37から50の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項52】
前記結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される、
請求項37から51の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項53】
前記入口開口部に近接した前記結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを更に備え、前記プリズムは、前記誘導されていない光を集め、且つ、前記誘導されていない光を前記結合ロッド内へと伝達するよう構成される、
請求項37から52の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項54】
前記位相変調器からの前記誘導された光および誘導されていない光を前記結合ロッドへと伝送する光学素子を更に備える、
請求項37から53の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項55】
前記光学素子は、前記位相変調器および前記結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む、
請求項54に記載の投射システム。
【請求項56】
前記物理レンズは、前記物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる、
請求項55に記載の投射システム。
【請求項57】
前記誘導された光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導された光の光路にディフューザを更に備える、
請求項37から56の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項58】
前記結合ロッドの上流における、前記誘導されていない光の光路にディフューザを更に備える、
請求項37から57の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項59】
前記結合ロッドの下流においてディフューザを更に備える、
請求項37から58の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項60】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を更に備える、
請求項37から59の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項61】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、前記位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する、
請求項60に記載の投射システム。
【請求項62】
前記ミラーは、前記位相変調器の前記2次元配列の画素の平面内に位置する、
請求項61に記載の投射システム。
【請求項63】
前記ミラーは、前記位相変調器と平行である、
請求項61または62に記載の投射システム。
【請求項64】
前記ミラーは、前記位相変調器の1または複数のエッジと隣接している、
請求項61から63の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項65】
前記ミラーは部分的に、前記位相変調器の前記2次元配列の画素を覆う、
請求項61に記載の投射システム。
【請求項66】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、ベース照明として使用するべく前記複数の光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する、
請求項60に記載の投射システム。
【請求項67】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項37から59の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項68】
光誘導された像の画像を撮影するよう構成され且つ撮影した前記画像を前記コントローラに提供するべく接続されたカメラを備える、
請求項1から67の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項69】
前記コントローラは、前記光誘導された像の前記撮影した画像を処理して、前記光誘導された像を生成するのに使用された光の特性を決定し、且つ、前記位相変調器によって表示される複数の前記パッチレンズの1または複数の光学形状を変化させるよう構成される、
請求項68に記載の投射システム。
【請求項70】
前記1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有する、
請求項1から69の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項71】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、対応する前記光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項70に記載の投射システム。
【請求項72】
前記1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有し、前記結合ロッドは、前記光の方向および前記光の色のうちの一方又は両方において、異なる波長の誘導されていない光を均質化する、
請求項37から67の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項73】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、対応する前記光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項72に記載の投射システム。
【請求項74】
前記誘導されていない光の強度を増大させるべく、光を前記結合ロッド内へと放射するように位置付けられた異なる波長の1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項72または73に記載の投射システム。
【請求項75】
少なくとも1つの光ビームを放射するように動作可能な光源;
2次元配列の画素を有する位相変調器、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるように制御可能であり、前記位相変調器は、前記少なくとも1つの光ビームの光路においてアクティブエリアを有する;
位相変位のパターンを、前記少なくとも1つの光ビームの光に適用するように前記位相変調器の前記画素を制御するよう構成されたコントローラ、前記位相変位は、ハイライト像を生成する前記光を誘導するべく選択される;
前記位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、入口開口部および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送し且つ前記誘導されていない光が前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、前記誘導されていない光を前記結合ロッドの前記入口開口部内へと方向付けるよう配置された光学素子;および、
前記誘導された光が、均質化された状態になることなく前記結合ロッドの前記入口開口部から前記結合ロッドの前記出口開口部を通過し、前記出口開口部で均質化された前記誘導されていない光と混合されるように、前記誘導された光を経路に沿って前記結合ロッドへ伝送するよう配置された光学素子、
を備える投射システム。
【請求項76】
前記結合ロッドは受動光デバイスである、
請求項75に記載の投射システム。
【請求項77】
前記結合ロッドは、断面が長方形である、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項78】
前記結合ロッドは中空管状部材を有し、前記誘導された光は前記中空管状部材の穴を通過する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項79】
前記結合ロッドは、透過性材料の固体を有する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項80】
前記透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである、
請求項79に記載の投射システム。
【請求項81】
前記固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む、
請求項79または80に記載の投射システム。
【請求項82】
前記結合ロッドは、前記入口開口部が前記出口開口部よりも広い面積を有するように、テーパ状になっている、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項83】
前記結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項84】
前記結合ロッドは、前記入口開口部から前記出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有し、前記入口開口部は、前記出口開口部よりも大きい、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項85】
前記結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項86】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項85に記載の投射システム。
【請求項87】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項85に記載の投射システム。
【請求項88】
前記結合ロッドは捻じれロッドを有する、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項89】
前記捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する、
請求項88に記載の投射システム。
【請求項90】
前記結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項91】
前記出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい、
請求項75から90の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項92】
前記結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される、
請求項75から91の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項93】
前記入口開口部に近接した前記結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを更に備え、前記プリズムは、前記誘導されていない光を集め、且つ、前記誘導されていない光を前記結合ロッド内へと伝達するよう構成される、
請求項75から92の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項94】
前記位相変調器からの前記誘導された光および誘導されていない光を前記結合ロッドへと伝送する光学素子を更に備える、
請求項75から93の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項95】
前記光学素子は、前記位相変調器および前記結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む、
請求項94に記載の投射システム。
【請求項96】
前記物理レンズは、前記物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる、
請求項95に記載の投射システム。
【請求項97】
前記誘導された光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導された光の光路にディフューザを更に備える、
請求項75から96の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項98】
前記誘導されていない光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導されていない光の光路にディフューザを更に備える、
請求項75から97の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項99】
結合された誘導された光および誘導されていない光を拡散するべく、前記結合ロッドの下流においてディフューザを更に備える、
請求項75から98の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項100】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を更に備える、
請求項75から99の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項101】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、前記位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する、
請求項100に記載の投射システム。
【請求項102】
前記ミラーは、前記位相変調器の前記2次元配列の画素の平面内に位置する、
請求項101に記載の投射システム。
【請求項103】
前記ミラーは,前記位相変調器と平行である、
請求項101または102に記載の投射システム。
【請求項104】
前記ミラーは、前記位相変調器の1または複数のエッジと隣接している、
請求項101から103の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項105】
前記ミラーは部分的に、前記位相変調器の前記2次元配列の画素を覆う、
請求項101に記載の投射システム。
【請求項106】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、ベース照明として使用するべく複数の前記光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する、
請求項100に記載の投射システム。
【請求項107】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項37から67および72から99の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項108】
位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、前記位相変調器によって位相シフトされた誘導された光と組み合わせるための結合ロッドであり、
入口開口部および出口開口部;および、
前記結合ロッドの長手方向の中心軸の両側における光反射部分、
を備え、
前記光反射部分に入射する誘導されていない光は、前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化される、
結合ロッド。
【請求項109】
請求項76から92の何れか一項に記載の特徴を備える請求項108に記載の結合ロッド。
【請求項110】
プロジェクタシステムの複数の要素を位置合わせするための方法であり、
生成された光パターンの像を撮影する段階;
撮影した画像において前記光パターンの特有の特徴を識別する段階;
識別された前記特有の特徴を1または複数の基準特徴と比較する段階;および、
前記識別された特有の特徴と前記1または複数の基準特徴との比較に基づいて、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階;
を備える方法。
【請求項111】
前記特有の特徴は、前記光パターンの個々の部分の、位置、形状、強度および均一性のうちの少なくとも1つを含む、
請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は:
対応するパッチレンズの焦点距離;
前記対応するパッチレンズの光学中心の位置;
前記対応するパッチレンズのレンズ傾斜;
前記対応するパッチレンズのサイズ;および、
位相変調器の別個の領域内での前記対応するパッチレンズのレンズエリアの位置、
のうちの少なくとも1つを変化させる段階を含む、
請求項110または111に記載の方法。
【請求項113】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は:
対応するパッチレンズの中央を移動して最良の中央位置を見出す段階;および、
前記対応するパッチレンズのレンズ焦点距離およびサイズのうちの一方又は両方を調整する段階、
を含む、
請求項110または111に記載の方法。
【請求項114】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は更に、前記対応するパッチレンズの傾きを調整する段階を含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項115】
複数の前記光学形状は順次変化させられる、
請求項110から114の何れか一項に記載の方法。
【請求項116】
複数の前記光学形状は同時に変化させられる、
請求項110から114の何れか一項に記載の方法。
【請求項117】
光ビームを一度に1つずつオンにする;
前記光ビームを一度に1つずつオフにする;
既知のやり方で複数の前記光ビームのうちの1または複数の強度を変化させる;
前記複数の光ビームのうちの異なるものの異なるビーム特性を変える;
異なる光誘導コンポーネントを、前記複数の光ビームのうちの異なるものに適用する;および、
各パッチレンズの光学形状を変化させて、異なる速度で、および/または、異なる方向に、ビームパターンを変化させる、
のうちの少なくとも1つによって、異なる前記光ビームから生じる前記光パターンの複数の部分間を区別する段階を備える、
請求項110から116の何れか一項に記載の方法。
【請求項118】
請求項1から107の何れか一項に記載の投射システムの電源を入れるための方法であり、
前記位相変調器によって表示される、複数のパッチレンズに対応する複数の光学形状を、データストアから検索する段階;および、
検索された前記光学形状を表示して前記位相変調器に入射する光ビームの不均一性を補正するように前記位相変調器を制御する段階、
を備える方法。
【請求項119】
前記投射システムによって生成された光パターンの像を撮影する段階;および、
撮影した画像における識別された特徴および基準特徴の比較に基づいて、複数の前記検索された光学形状のうちの1または複数を変化させる段階、
を更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
像を投射するための方法であり、
光源からの少なくとも1つの光ビームを放射する段階;
前記少なくとも1つの光ビームを用いて、2次元配列の画素を有する位相変調器のアクティブエリアを照明する段階、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるよう制御可能である;
前記少なくとも1つの光ビームの光に位相変位のパターンを適用するよう前記位相変調器の前記画素を制御する段階、前記位相変位は、前記光を誘導してハイライト像を生成するべく選択される;
前記位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、入口開口部および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送する、および、前記誘導されていない光が前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、前記誘導されていない光を前記結合ロッドの前記入口開口部内へと方向付ける段階;および、
前記誘導された光が、均質化された状態になることなく前記結合ロッドの前記入口開口部から前記結合ロッドの前記出口開口部を通過し、前記出口開口部で均質化された前記誘導されていない光と混合されるように、前記誘導された光を経路に沿って前記結合ロッドへ伝送する段階、
を備える方法。
【請求項121】
本明細書に記載されている何れかの新規性および進歩性のある特徴、複数の特徴の組み合わせ、または、複数の特徴の部分的組み合わせを備える装置。
【請求項122】
本明細書に記載されている何れかの新規性および進歩性のある工程、動作、複数の工程および/または動作の組み合わせ、または、複数の工程および/または動作の部分的組み合わせを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年2月16日に出願された光誘導プロジェクタのパッチ補正と題する米国出願第63/150005号の利益を主張し、これによって、全ての目的で、参照により本明細書に組み込まれる。米国を目的として、本出願は、2021年2月16日に出願された、光誘導プロジェクタのパッチ補正と題する米国出願第63/150005号の35U.S.C.第119条に基づく利益を主張する。
【0002】
本発明は、光ビームにおける不均一性を補正することに関する。本発明の1つの例示的な適用例は、光投射の分野にある。例えば、プロジェクタイメージャを照明すること。
【背景技術】
【0003】
プロジェクタシステムは、望まれる像を生成するべく、光ビームを変調する。光の不均一な光ビームは、プロジェクタシステムによって生成された最終像に存在する、ぼやけ、縞、スペックルなどなどの不要なアーティファクトを引き起こし得る。
【0004】
プロジェクタシステムは、例えば大きな投射スクリーン上に適切な明るい像を提供するべく、多量の光を必要とし得る。幾つかのプロジェクタは、光源から光を集めて均一な光ビームをイメージャへと伝送するビーム調整光学系と共に、単一の非常に高輝度な光源を含む。そのような光源は、望ましくないほど高価であり得る。固体レーザおよび高輝度発光ダイオードなどの固体光源が現在利用可能である。しかしながら、多くの用途において、十分な光を提供するべく、複数の固体光源が必要とされる。これは、適切な方式でイメージャを照明するべく、異なる光源からの光をどのようにコスト効率良く結合するかという問題を生じさせる。
【0005】
様々な製造者が、幾つかの固体光源を単一のユニットに組み合わせた比較的安価なモジュールを製造している。しかしながら、多くの場合、異なる光源から放射される光ビームは異なり、および/または、正確に位置合わせされない。例えば、光源は等間隔に離れて配置されていない可能性がある、異なる光源からの光ビームは異なる方向に放射される可能性がある、異なる光源から放射される光ビームは異なるように発散をする可能性がある、異なる光源からの光ビームは様々な程度の不均一性を有する可能性がある、など。これは、幾つかのプロジェクタシステムにおける使用に適さないそのようなモジュールを製造する。
【0006】
改善されたプロジェクタシステムに対する一般的な要望がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は多くの態様を有する。これらは、
・光を投射する方法および装置;
・シネマプロジェクタ;
・民生用プロジェクタ;
・マルチエミッタ光源によって生成される光ビームにおける不均一性を補正するためのシステムおよび方法;
・プロジェクタシステムの光学素子を位置合わせするためのシステムおよび方法;
・異なる波長の光を像へと結合するためのシステムおよび方法;
・光を均質化するためのシステムおよび方法、
を含む。
【0008】
発明の一態様は、投射システムを提供する。投射システムは、複数の光ビームを放射するように動作可能な1または複数の光源を備えてもよい。投射システムはまた、2次元配列の画素を有する位相変調器を備えてもよい。画素は、画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるように制御可能であってもよい。位相変調器は、複数の光ビームの光路においてアクティブエリアを有してもよい。複数の光ビームのそれぞれは、位相変調器のアクティブエリアの複数の別個の領域のうちの対応する1つにおける位相変調器のアクティブエリアに入射してもよい。投射システムはまた、別個の領域に対応するパッチレンズの光学形状を表示するべく位相変調器の別個の領域のそれぞれの画素を設定するよう構成されたコントローラを備えてもよく、パッチレンズは、複数の光ビームのうちの対応する1つに存在する不均一性を補正するよう構成されている。
【0009】
幾つかの実施形態において、別個の領域は、複数の行および複数の列を含むアレイに配置されている。
【0010】
幾つかの実施形態において、光源は、少なくとも2行2列の発光素子を含むマルチエミッタ光源を有する。
【0011】
幾つかの実施形態において、コントローラは、対応するパッチレンズの光学形状と組み合わされた光誘導位相パターンを表示するべく、位相変調器の別個の領域のそれぞれの画素を設定するよう構成されている。
【0012】
幾つかの実施形態において、別個の領域に対応するパッチレンズの光学形状は、対応する光ビームの理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく。
【0013】
幾つかの実施形態において、別個の領域に対応するパッチレンズの光学形状は、対応する光ビームが位相変調器と相互作用した後に、像面に生成された光照射野の理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく。
【0014】
幾つかの実施形態において、補正された不均一性は、指向平行性、コリメーションおよび強度分布のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、表示された光学形状は、球面レンズの光学形状に対応する。
【0016】
幾つかの実施形態において、隣接するパッチレンズは、互いに当接する。
【0017】
幾つかの実施形態において、位相変調器の2次元配列の画素のアクティブエリア全体が、複数のパッチレンズによって覆われている。
【0018】
幾つかの実施形態において、各パッチレンズの光学形状は独立して生成される。
【0019】
幾つかの実施形態において、各パッチレンズの光学形状は、最適化処理を実行するよう構成されたコントローラによって生成される。
【0020】
幾つかの実施形態において、最適化処理は、対応する出力ビームの1または複数の観察された特性が、パッチレンズが光ビームの理想からの偏差を適切に補正していることを示すまで、対応するパッチレンズの画素の位相変位を反復して変化させることを備える。
【0021】
幾つかの実施形態において、最適化処理は、複数のパッチレンズのうちの異なるものに対して順次実行される。
【0022】
幾つかの実施形態において、最適化処理は、複数のパッチレンズのうちの異なるものに対して、並行して実行される。
【0023】
幾つかの実施形態において、最適化処理は、対応するパッチレンズの位相パターンを構築することになる領域内の画素の位相変位を見出すべく擬似アニーリング法を実行する段階を備える。
【0024】
幾つかの実施形態において、パッチレンズのそれぞれの光学形状は、対応するパッチレンズの、焦点距離、光学中心シフト、パラメータ化された非点収差、および傾きのうちの少なくとも1つを特定する。
【0025】
幾つかの実施形態において、別個の領域のうちの少なくとも1つは、複数のサブ領域へと分割され、コントローラは、サブ領域に対応する光学形状を表示するように複数のサブ領域のそれぞれの画素を設定するよう構成される。
【0026】
幾つかの実施形態において、単一の光ビームの異なる部分は、位相変調器の対応する別個の領域の2つまたはそれより多くのサブ領域を照明する。
【0027】
幾つかの実施形態において、複数の光学形状のうちの少なくとも1つは、互いに重ね合わされた複数のレンズに対応する。
【0028】
幾つかの実施形態において、複数の光ビームのうちの少なくとも1つは、複数の別個の領域を超えて延びる。
【0029】
幾つかの実施形態において、複数の光学形状のうちの1または複数はそれぞれ、複数の光ビームのうちの対応する1つの変化する特性を考慮に入れるべく、リアルタイムに変化させられる。
【0030】
幾つかの実施形態において、複数の光ビームのそれぞれに適用される光学形状は、光を誘導する光誘導コンポーネントを更に備える。
【0031】
幾つかの実施形態において、対応するパッチレンズおよび対応する光誘導コンポーネントは重ね合わされる。
【0032】
幾つかの実施形態において、複数の光ビームのうちの異なるものに適用される光誘導コンポーネントは同じである。
【0033】
幾つかの実施形態において、異なる光ビームに適用される光誘導コンポーネントは異なる。
【0034】
幾つかの実施形態において、光誘導コンポーネントは、複数の異なるポイントで集中するように光ビームを誘導するよう構成される。
【0035】
幾つかの実施形態において、コントローラは、対応する光ビームからの光を誘導する位相変位のパターンを表示するように位相変調器の別個の領域のそれぞれを個別に制御する。
【0036】
幾つかの実施形態において、複数のパッチレンズのそれぞれ、および、対応する光誘導コンポーネント、の光学形状は、互いに独立して算出される。
【0037】
幾つかの実施形態において、複数のパッチレンズのそれぞれ、および、対応する光誘導コンポーネント、の光学形状は、一緒に算出される。
【0038】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは、位相変調器の上流に受光光学系を備える。受光光学系は、位相変調器をより良く照明するべく、光ビームを形作るよう、または修正するよう構成される。
【0039】
幾つかの実施形態において、受光光学系は、光ビームからの光が2次元配列の画素のサイズと一致するように、当該光を形作る。
【0040】
幾つかの実施形態において、コントローラは、複数の光ビームの少なくとも一部の鏡面反射を生じさせるべく選択された位相パターンを表示するように、位相変調器の複数の画素の少なくとも一部を設定するよう構成される。
【0041】
幾つかの実施形態において、コントローラは、誘導された光に対する誘導されていない光の割合を調整するべく、複数の画素の当該一部において画素の数を動的に変化させるよう構成される。
【0042】
幾つかの実施形態において、コントローラは、画像データを処理することに少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される。
【0043】
幾つかの実施形態において、コントローラは:画像データの黒レベル、画像データにおけるハイライトの最大輝度、および、画像データのコントラスト、のうちの1または複数に少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される。
【0044】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは、位相変調器の下流に結合ロッドを更に備える。結合ロッドは、入口および出口開口部、および、結合ロッドの長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有してもよい。結合ロッドは、誘導された光および誘導されていない光を結合し、出口開口部に到達する前に反射部分での繰返し反射によって誘導されていない光を均質化するよう構成されてもよい。
【0045】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは受動光デバイスである。
【0046】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは中空管を有する。
【0047】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは透過性材料の固体を有する。
【0048】
幾つかの実施形態において、透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである。
【0049】
幾つかの実施形態において、固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む。
【0050】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する。
【0051】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、入口開口部から出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有する。入口開口部は、出口開口部よりも大きくてもよい。
【0052】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている。
【0053】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている。
【0054】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている。
【0055】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは捻じれロッドを有する。
【0056】
幾つかの実施形態において、捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する。
【0057】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する。
【0058】
幾つかの実施形態において、出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい。
【0059】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される。
【0060】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、入口開口部に近接した結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを備える。プリズムは、誘導されていない光を集め、且つ、誘導されていない光を結合ロッド内へと伝達するよう構成されてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、位相変調器からの誘導された光および誘導されていない光を結合ロッドへと伝送する光学素子を備える。
【0062】
幾つかの実施形態において、光学素子は、位相変調器および結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む。
【0063】
幾つかの実施形態において、物理レンズは、物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる。
【0064】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導された光を拡散するべく、結合ロッドの上流における、誘導された光の光路にディフューザを備える。
【0065】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、結合ロッドの上流における、誘導されていない光の光路にディフューザを備える。
【0066】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、結合ロッドの下流においてディフューザを備える。
【0067】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を備える。
【0068】
幾つかの実施形態において、ベース照明を生成するよう構成された光学系は、位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する。
【0069】
幾つかの実施形態において、ミラーは、位相変調器の2次元配列の画素の平面内に位置する。
【0070】
幾つかの実施形態において、ミラーは、位相変調器と平行である。
【0071】
幾つかの実施形態において、ミラーは、位相変調器の1または複数のエッジと隣接している。
【0072】
幾つかの実施形態において、ミラーは部分的に、位相変調器の2次元配列の画素を覆う。
【0073】
幾つかの実施形態において、ベース照明を生成するよう構成された光学系は、ベース照明として使用するべく複数の光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する。
【0074】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を備える。
【0075】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは、光誘導された像の画像を撮影するよう構成され且つ撮影した画像をコントローラに提供するべく接続されたカメラを備える。
【0076】
幾つかの実施形態において、コントローラは、光誘導された像の撮影した画像を処理して、光誘導された像を生成するのに使用された光の特性を決定し、且つ、位相変調器によって表示される複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させるよう構成される。
【0077】
幾つかの実施形態において、1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有する。
【0078】
幾つかの実施形態において、複数のパッチレンズのそれぞれの光学形状は、対応する光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される。
【0079】
幾つかの実施形態において、1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有する。結合ロッドは、光の方向および光の色のうちの一方又は両方において、異なる波長の誘導されていない光を均質化してもよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、複数のパッチレンズのそれぞれの光学形状は、対応する光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される。
【0081】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導されていない光の強度を増大させるべく、光を結合ロッド内へと放射するように位置付けられた異なる波長の1または複数の追加の光源を備える。
【0082】
本発明の別の態様は、投射システムを提供する。投射システムは、少なくとも1つの光ビームを放射するように動作可能な光源を備えてもよい。投射システムはまた、2次元配列の画素を有する位相変調器を備えてもよい。画素は、画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるように制御可能であってもよい。位相変調器は、少なくとも1つの光ビームの光路においてアクティブエリアを有してもよい。投射システムはまた、位相変位のパターンを、少なくとも1つの光ビームの光に適用するように位相変調器の画素を制御するよう構成されたコントローラを備えてもよい。位相変位は、ハイライト像を生成する光を誘導するべく選択されてもよい。投射システムはまた、位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、入口および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送し且つ誘導されていない光が出口開口部に到達する前に光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、誘導されていない光を結合ロッドの入口開口部内へと方向付けるよう配置された光学素子を備えてもよい。投射システムはまた、誘導された光が、均質化された状態になることなく結合ロッドの入口開口部から結合ロッドの出口開口部を通過し、出口開口部で均質化された誘導されていない光と混合されるように、誘導された光を経路に沿って結合ロッドへ伝送するよう配置された光学素子を備えてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは受動光デバイスである。
【0084】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、断面が長方形である。
【0085】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは中空管を有し、誘導された光はその中空管状部材の穴を通過する。
【0086】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、透過性材料の固体を有する。
【0087】
幾つかの実施形態において、透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである。
【0088】
幾つかの実施形態において、固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む。
【0089】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、入口開口部が出口開口部よりも広い面積を有するように、テーパ状になっている。
【0090】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する。
【0091】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、入口開口部から出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有する。入口開口部は、出口開口部よりも大きくてもよい。
【0092】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている。
【0093】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている。
【0094】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている。
【0095】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは捻じれロッドを有する。
【0096】
幾つかの実施形態において、捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する。
【0097】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する。
【0098】
幾つかの実施形態において、出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい。
【0099】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される。
【0100】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、入口開口部に近接した結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを備える。プリズムは、誘導されていない光を集め、且つ、誘導されていない光を結合ロッド内へと伝達するよう構成されてもよい。
【0101】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、位相変調器からの誘導された光および誘導されていない光を結合ロッドへと伝送する光学素子を備える。
【0102】
幾つかの実施形態において、光学素子は、位相変調器および結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む。
【0103】
幾つかの実施形態において、物理レンズは、物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる。
【0104】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導された光を拡散するべく、結合ロッドの上流における、誘導された光の光路にディフューザを備える。
【0105】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導されていない光を拡散するべく、結合ロッドの上流における、誘導されていない光の光路にディフューザを備える。
【0106】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、結合された誘導された光および誘導されていない光を拡散するべく、結合ロッドの下流においてディフューザを備える。
【0107】
幾つかの実施形態において、プロジェクタは更に、誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を備える。
【0108】
幾つかの実施形態において、ベース照明を生成するよう構成された光学系は、位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する。
【0109】
幾つかの実施形態において、ミラーは、位相変調器の2次元配列の画素の平面内に位置する。
【0110】
幾つかの実施形態において、ミラーは,位相変調器と平行である。
【0111】
幾つかの実施形態において、ミラーは、位相変調器の1または複数のエッジと隣接している。
【0112】
幾つかの実施形態において、ミラーは部分的に、位相変調器の2次元配列の画素を覆う。
【0113】
幾つかの実施形態において、ベース照明を生成するよう構成された光学系は、ベース照明として使用するべく複数の光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する。
【0114】
幾つかの実施形態において、本明細書において記述される投射システムは更に、誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を備える。
【0115】
本発明の別の態様は、位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、位相変調器によって位相シフトされた誘導された光と組み合わせるために結合ロッドを提供する。結合ロッドは、入口および出口開口部を有してもよい。結合ロッドはまた、結合ロッドの長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有してもよい。反射部分に入射する誘導されていない光は、出口開口部に到達する前に反射部分で繰返し反射されることによって均質化されてもよい。
【0116】
幾つかの実施形態において、結合ロッドは、本明細書における他の箇所で記述される任意の特徴を有する。
【0117】
別の態様は、プロジェクタシステムの複数の要素を位置合わせするための方法を提供する。方法は、生成された光パターンの像を撮影する段階を備えてもよい。方法はまた、撮影した画像において光パターンの特有の特徴を識別する段階を備えてもよい。方法はまた、識別された特有の特徴を1または複数の基準特徴と比較する段階を備えてもよい。方法はまた、識別された特有の特徴と1または複数の基準特徴との比較に基づいて、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階を備えてもよい。
【0118】
幾つかの実施形態において、特有の特徴は、光パターンの個々の部分の、位置、形状、強度および均一性のうちの少なくとも1つを含む。
【0119】
幾つかの実施形態において、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は、以下のうちの少なくとも1つを変化させる段階を含む:
対応するパッチレンズの焦点距離;
対応するパッチレンズの光学中心の位置;
対応するパッチレンズのレンズ傾斜;
対応するパッチレンズのサイズ;および、
位相変調器の別個の領域内での対応するパッチレンズのレンズエリアの位置。
【0120】
幾つかの実施形態において、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は:対応するパッチレンズの中央を移動して最良の中央位置を見出す段階;および、対応するパッチレンズのレンズ焦点距離およびサイズのうちの一方又は両方を調整する段階を含む。
【0121】
幾つかの実施形態において、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は更に、対応するパッチレンズの傾きを調整する段階を含む。
【0122】
幾つかの実施形態において、複数の光学形状は順次変化させられる。
【0123】
幾つかの実施形態において、複数の光学形状は同時に変化させられる。
【0124】
幾つかの実施形態において、方法は、以下のうちの少なくとも1つによって、異なる光ビームから生じる光パターンの複数の部分間を区別する段階を備える:
光ビームを一度に1つずつオンにする;
光ビームを一度に1つずつオフにする;
既知のやり方で複数の光ビームのうちの1または複数の強度を変化させる;
複数の光ビームのうちの異なるものの異なるビーム特性を変える;
異なる光誘導コンポーネントを、複数の光ビームのうちの異なるものに適用する;および、
各パッチレンズの光学形状を変化させて、異なる速度で、および/または、異なる方向に、ビームパターンを変化させる。
【0125】
別の態様は、本明細書で記述される任意の特徴を備えるプロジェクタシステムの電源を入れるための方法を提供する。方法は、位相変調器によって表示される、複数のパッチレンズに対応する複数の光学形状を、データストアから検索する段階を備えてもよい。方法はまた、検索された光学形状を表示して位相変調器に入射する光ビームの不均一性を補正するように位相変調器を制御する段階を備えてもよい。
【0126】
幾つかの実施形態において、投射システムの電源を入れるための方法はまた、プロジェクタシステムによって生成された光パターンの像を撮影する段階を備えてもよい。方法はまた、撮影した画像における識別された特徴および基準特徴の比較に基づいて、複数の検索された光学形状のうちの1または複数を変化させる段階を備えてもよい。
【0127】
別の態様は、像を投射するための方法を提供する。方法は、光源からの少なくとも1つの光ビームを放射する段階を備えてもよい。方法はまた、少なくとも1つの光ビームを用いて、2次元配列の画素を有する位相変調器のアクティブエリアを照明する段階を備えてもよい。画素は、画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるよう制御可能であってもよい。方法はまた、少なくとも1つの光ビームの光に位相変位のパターンを適用するよう位相変調器の画素を制御する段階を備えてもよい。位相変位は、光を誘導してハイライト像を生成するべく選択されてもよい。方法はまた、(位相変調器によって鏡面反射された光、および/または、他の誘導されていない光であり得る)誘導されていない光を、入口および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送する段階、および、誘導されていない光が出口開口部に到達する前に光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、誘導されていない光を結合ロッドの入口開口部内へと方向付ける段階を備えてもよい。方法はまた、誘導された光が、均質化された状態になることなく結合ロッドの入口開口部から結合ロッドの出口開口部を通過し、出口開口部で均質化された誘導されていない光と混合されるように、誘導された光を経路に沿って結合ロッドへ伝送する段階を備えてもよい。
【0128】
更なる態様及び例示的な実施形態は、添付図面に示され、および/または以下の説明に記述される。
【0129】
本発明は、たとえ上記の特徴が異なる請求項に述べられている場合でも、これらの特徴の全ての組み合わせに関することが強調される。
【図面の簡単な説明】
【0130】
添付図面は、本発明の非限定的な例示的な実施形態を示している。
【0131】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0132】
【
図1A】
図1の光学配置の位相変調器の例示的な照明の概略図である。
【0133】
【
図2A】位相変調器の例示的な照明の概略図である。
【0134】
【0135】
【
図2C】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0136】
【
図2D】パッチレンズが位相変調器のある領域の異なるサブ領域において異なるレンズ特性をどのように有し得るのかを示す概略図である。
【
図2E】パッチレンズが位相変調器のある領域の異なるサブ領域において異なるレンズ特性をどのように有し得るのかを示す概略図である。
【0137】
【
図2F】光ビームが2つまたはそれより多くのパッチレンズとどのように相互作用し得るのかを示す概略図である。
【0138】
【
図3】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略的なブロック図である。
【0139】
【
図4】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0140】
【
図5】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0141】
【
図6】本発明の例示的な実施形態による、均質化および/または再結合光学系の概略的なブロック図である。
【0142】
【
図7】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0143】
【
図7A】本発明の例示的な実施形態による結合ロッドの概略図である。
【0144】
【
図7B】本発明の例示的な実施形態による結合ロッドの概略図である。
【0145】
【
図7C】本発明の例示的な実施形態による結合ロッドの概略図である。
【0146】
【
図8】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0147】
【
図8A】本発明の例示的な実施形態による光学配置の、
図8のミラーの概略図である。
【0148】
【
図9】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略的なブロック図である。
【0149】
【
図10】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略的なブロック図である。
【0150】
【
図11】本発明の例示的な実施形態による光学素子位置合わせシステムの概略的なブロック図である。
【0151】
【
図12】本発明の例示的な実施形態による方法を示すブロック図である。
【0152】
【
図13】本発明の例示的な実施形態による方法を示すブロック図である。
【0153】
【
図14】本発明の例示的な実施形態による光学配置の概略図である。
【0154】
【
図15】例示的な制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0155】
以下の説明全体を通して、本発明のより完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの特定の事項に限定されずに実施することができる。他の例では、本発明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の要素は詳細に示されていないか、または記載されていない。従って、本明細書および図面は、制限する意味よりもむしろ、例示的な意味でみなされるべきである。
[定義]
【0156】
本明細書において使用される「誘導された光」とは、空間位相変調器(または位相変調器)に入射する光の一部を意味し、当該光の一部が位相変調器に適用される位相パターンによって決定される像面上の位置に方向付けられるようにさせるべく、当該光の位相は位相変調器によって制御可能に変調されている。当該位相パターンを変えることによって、当該光の一部は、像面上の異なる位置を照明するように方向付けられてもよい。誘導された光は、位相変調器の制御可能な異なる要素(画素)によって位相シフトされた光の干渉によって方向付けられる。
【0157】
本明細書において使用される「誘導されていない光」とは、誘導された光ではない、位相変調器に入射する光の一部を意味する。誘導されていない光は、空間位相変調器によって鏡面反射される、空間位相変調器に入射する光の一部を含んでもよい。
【0158】
本明細書において使用される「望ましい光照射野」とは、一般的な光学システム(例えば像形成光学系)と効率的に連結するのに望ましい形状、伝搬方向および/または角度を有する光照射野を意味する。
【0159】
本明細書において使用される「出力光学系」とは、スクリーン上に最終像を形成する空間振幅変調器および/またはそれと関連付けられる投影光学系、または中間像を与えるリレーシステムを有し得る像形成光学系を意味する。
【0160】
本明細書において使用される「光誘導された像」とは、誘導された光が出力光学系に提供された場合に出力光学系によって生成される像を意味する。光誘導された像の例は、最終のスクリーン上の像および中間像を含む。
【0161】
本明細書において使用される「ハイライト像」とは、誘導された光によって形成された像、または、光誘導された像を含む光の一部を意味する。
【0162】
本明細書において使用される「パッチレンズ」とは、レンズとして機能する、位相変調器の特定の領域によって適用される位相パターンを意味する。幾つかの実施形態において、特定のパッチレンズは、単一の光ビームによって照明される。パッチレンズは、単一の光ビームに望ましい光照射野を提供させるよう構成されてもよい。複数の別個の光ビームの組に対応する複数のパッチレンズの組は、複数の別個の光ビーム間の差を補償するよう構成されてもよい。
【0163】
パッチレンズの「光学形状」とは、パッチレンズに対応する、空間位相変調器のあるエリアにおける画素に適用される特定の位相変位を意味する。光学形状は、パッチレンズの焦点距離、光学中心シフト、非点収差、傾き、サイズなどのような特性によって特徴づけられてもよい。
【0164】
図1は、例示的な光学配置10を示す。光学配置10は、プロジェクタイメージャまたは他の下流の光学系を照明する、望ましい光ビームを生成するように設計されてもよい。光学配置10は、空間位相変調器14を照明するマルチエミッタ光源12を備える。マルチエミッタ光源12は、複数の個別の発光素子12-1、12-2、12-3、…、12-N-1、12-Nを有する。個別の発光素子のそれぞれは、対応する光ビーム13-1、13-2、13-3、…、13-N-1、13-Nをそれぞれ(まとめてビーム13)を生成する。マルチエミッタ光源12は、位相変調器14へのビーム13の入射を最大化するように位相変調器14に対して配置されてもよい。
【0165】
幾つかの実施形態において、マルチエミッタ光源12は、少なくとも2行2列の発光素子を有する。幾つかの実施形態において、マルチエミッタ光源12は、複数の発光ダイオード(LED)エミッタ、複数のレーザーダイオードなどを有する。
【0166】
1または複数のマルチエミッタ光源12の複数の発光素子12-1、…、12-Nからの光を結合するのが望ましい可能性がある。この配置は、例えば、大きな映画スクリーン上に明るい像を生成する際に、および/または、工業処理用に非常に高い光強度の像を生成する際に役立ち得る大量の光を提供できる。
【0167】
マルチエミッタ光源12は、不均一なビーム13を出力し得る。例えば、個々のビーム13は、異なる指向平行性、コリメーション、強度分布などを有し得る。高品質な像が必要とされる用途において、これらの不均一性は重大な問題をもたらし得る。
【0168】
位相変調器14は、回折光学系素子を有する。回折光学系素子は、画素の2次元(2D)アレイを含み、これらは各々、選択された量だけ、画素に入射する光の位相を遅延させるよう制御可能である。
【0169】
個々のビーム13の理想からの偏差は、位相変調器14の非理想的な照明という結果になり得る(例えば
図1Aを参照されたい)。例えば、正しい方向を向いていない、適切にコリメートされていない、および/または、望ましくない強度分布を有する、個々のビーム13は、位相変調器14上に所望の光照射野を提供しない可能性がある。位相変調器14の非理想的な照明は、位相変調器14の下流にある光学システム(例えばプロジェクタイメージャ)の非理想的な照明という結果になり得る。
【0170】
幾つかの実施形態において、理想的なビーム13は:
・各々、位相変調器14の特定の対応する領域を照明するであろう;および/または、
・各々、特定の光分布(例えば、均一な光分布)を用いて対応する領域を照明するであろう;および/または、
・位相変調器14上の重複していない複数の領域をまとめて照明するであろう。
【0171】
位相変調器14は、本明細書において記述されるように、下流の光学システムを照明するべく複数のビーム13を結合するよう制御されてもよい。そうする際、位相変調器14は、上述の、ビーム13の理想からの偏差の幾つかまたは全てを補償するよう制御されてもよい。
【0172】
本明細書において記述される技術の一態様は、ビーム13の不均一性を補正するためのシステムおよび方法を提供する。幾つかの実施形態において、各ビーム13は、位相変調器14の対応する分離領域を照明する。位相変調器14の各領域は、対応するビーム13に存在する特定の不均一性を補正する光学形状を有するパッチレンズを提供するよう制御されてもよい。異なるビーム13を補正するべく適用される光学形状は、異なるものであってもよい。
【0173】
各ビーム13用のパッチレンズの光学形状は、対応するビーム13の理想からの測定された偏差、および/または、ビーム13が位相変調器14と相互作用した後に像面に生成される光照射野の理想からの偏差、に基づいてもよい。
【0174】
個々のビーム13は、指向平行性における変化、および/または、視準均一性における変化を有してもよい。個々のビーム13の理想からの偏差は、各ビームについて測定されてもよい。測定された偏差に基づいて、測定された不均一性を補正するべく設計されるパッチレンズの光学形状が生成されてもよい。位相変調器14は、生成された光学形状を表示するよう制御されてもよい。
【0175】
図2Aに示されるように、各個々のビーム13は、位相変調器14のアクティブ面14Aの対応する領域を照明する。1または複数のマルチエミッタ光源12がN個の光源を備え、したがって、N個の対応するビーム13が存在するならば、その後、アクティブ面14Aは、N個の対応する領域(例えば、領域15-1、15-2、15-3、…、15-N-1、15-N(まとめて領域15))へと分割されてもよい。各領域15は、対応するビーム13に存在する理想からの偏差を補正するべく設計された対応する光学形状を有する「パッチレンズ」15Aを表示するよう個別に制御されてもよい。異なる領域15によって表示されるパッチレンズ15Aは、同じであってもよく、または、異なってもよい。図において、複数のパッチレンズ15Aは時々、離間した複数の円形状として概略的に示される。しかしながら、パッチレンズ15Aは、他の形状のエリア(例えば長方形領域15)を覆ってもよく、隣接するパッチレンズ15Aは互いに当接してもよい。幾つかの実施形態において、位相変調器14のアクティブエリア全体14Aは、複数のパッチレンズ15Aによって覆われてもよい。
【0176】
図2Bは、パッチレンズ15Aを表示する位相変調器14のアクティブ面14Aの領域15を概略的に示す。
【0177】
各パッチレンズ15Aの光学形状は、独立して生成されてもよい。各パッチレンズ15Aの光学形状を独立して生成することによって、光学形状は、光学形状が生成される個々のビーム13に存在する不均一性のような、理想からの偏差を有利に補正することができる。光学形状は例えば、ビーム13の変化する指向平行性および/または変化する視準均一性を補正するべく設計されてもよい。
【0178】
個々のパッチレンズ15Aに対応する位相パターンは、例えば、本明細書において記述される最適化処理によって生成されてもよい。これらの処理は、例えば、複数のビーム13のうちの特定の1つに対応する出力ビームまたは出力ビームの一部の特性を観察してもよい。処理は、パッチレンズ15Aが個々のビーム13の理想からの偏差を適切に補正していることを出力ビームの観察された特性が示すまで、対応するパッチレンズ15Aの位相変位を反復して変化させてもよい。そのような処理は、個々のビーム13の全てについて、順番に、および/または、並行して、実行されてもよい。パッチレンズ15Aの位相パターンを生成するための例示的な処理が、
図12を参照して以下に記述される。
【0179】
最適化処理は、もしあるならば、パッチレンズ15Aに対応する位相変位についてどのような形態が想定されるかに応じて変わり得る。幾つかの実施形態において、パッチレンズ15Aは、予め定義された形状を有しない。そのような実施形態において、最適化は、領域15の全ての画素について、対応する個々のビーム13の理想からの偏差を適切に補正する位相変位のパターンを見出すべく、複数の可能な位相変位に対して実行されてもよい。そのような処理は、対応するパッチレンズ15の位相パターンを作り上げるであろう、領域15の位相変位を見出すべく、擬似アニーリング法のような最適化アプローチを適用してもよい。
【0180】
幾つかの実施形態において、パッチレンズ15Aは、パラメータ化されたレンズモデルによって特定される。パラメータ化されたモデルは、対応するパッチレンズ15Aについて、焦点距離、光学中心シフト、パラメータ化された非点収差、傾きなどのような要因を特定するパラメータを含んでもよい。これらのパラメータの特定の組について、モデルは、対応するパッチレンズ15Aの位相パターンを出力してもよい。位相パターンは、位相変調器14の対応する領域15の各画素に適用される位相変位を特定してもよい。
【0181】
パッチレンズがパラメータ化されたレンズモデルによって特定されるケースでは、最適化は、対応する個々のビーム13の理想からの偏差を適切に補正するパッチレンズ15Aを特定するパラメータの組を見出すべく、レンズモデルの複数のパラメータに対して実行されてもよい。
【0182】
幾つかの実施形態において、個々の領域15は、複数のサブ領域へと分割されてもよく、パッチレンズ15Aは、複数のサブ領域のそれぞれについて、パラメータ化されたレンズモデルにより特定される。そのような領域に適用されるパッチレンズ15Aは、各サブ領域(例えば、
図2Dおよび
図2Eにおける部分15A-1および15A-2)に対応する異なる部分を有してもよい。幾つかのそのような実施形態において、サブ領域の境界もまたパラメータ化される。そのような実施形態において、最適化は:異なるサブ領域について別々のパラメータ化されたレンズモデルを特定するかしないかを決定すること、サブ領域の1または複数の境界の位置を決定するパラメータを決定すること、および、複数の領域のそれぞれに対応するパラメータ化されたレンズモデルのパラメータを決定すること、のうちの1または複数を含んでもよい。
【0183】
そのような実施形態において、単一のビーム13の異なる部分は、対応する領域15の2つまたはそれより多くのサブ領域を照明してもよい。複数のサブ領域のそれぞれにおける位相パターンは、異なる特性を有するレンズをエミュレートするよう設定されてもよい。
図2Dおよび
図2Eは、非限定的な例である。レンズモデルのパラメータ(例えば焦点距離、中央位置、サイズ、傾き)は、1または複数の境界19によって定義される2つまたはそれより多くのサブ領域について独立して特定されてもよい。境界19は、複数のエンドポイントの位置、または、複数のエンドポイント間の境界の形態、などのパラメータによって定義されてもよい。幾つかの実施形態において(
図2Eを参照されたい)、境界19は閉じた形状を含む。そのような境界19について、パラメータは、中央位置、境界の形状を特定するパラメータ(例えば偏心の程度)、境界19内のサブ領域の直径またはサイズを特定するパラメータ、などを含んでもよい。
【0184】
図2Eは、2つのサブ領域が単一のサブ領域によって定義され得るケースの例である。一のレンズモデルのパラメータは、境界19の内部に適合してもよく、別のレンズモデルのパラメータは、境界19の外側のサブ領域に適合してもよい。
【0185】
幾つかケースにおいて、一のサブ領域における光学形状(位相変位のパターン)は、互いに重ね合わされた複数のレンズ(例えば球面レンズ)に対応すると見做され得る(例えば、サブ領域の位相パターンは、相対的に大きなレンズの一部に重ね合わされる相対的に小さなレンズに到達されてもよく、またはそれとして理解されてもよい)。幾つかケースでは、複数の表示された光学形状は、同じビーム13によって照明される複数の別個のレンズ(例えば、互いに隣接する複数のサブ領域における複数のレンズ)に対応する。
【0186】
図2Fは、レンズモデルが単一のビーム13の異なる部分の理想からの偏差を補正するのに適合し得る別の例示的なケースを示す。
図2Fに示される実施形態では、幾つかのビーム13は、2つの領域15を覆って延在するのに十分大きい(例えばビーム13-3を参照されたい)。これらのビーム13について、2つまたはそれより多くのパッチレンズ15Aのそれぞれは、ビーム13の対応する部分において理想からの偏差を補正するよう構成されてもよい。
【0187】
特定の領域15に対応する位相変調器14のアクティブ面14Aの画素は、以下のことを行うように制御されてもよい:
・(任意で、複数の位相パターンが個別に最適化される2つまたはそれより多くのサブ領域を有する)パッチレンズ15Aに対応する光学形状を表示する;および/または、
・異なる画素のグループについて、異なるパッチレンズ15Aに対応する異なる光学形状を表示する(例えばビーム13は2つまたはそれより多くのパッチレンズ15Aを照明する)。
【0188】
複数のパッチレンズ15Aは、本明細書において記述される装置の寿命における異なる時間に特定されてもよい。例えば、複数のパッチレンズ15Aは、装置が新しいときに、または、未だ製造中のときに実施される初期較正中に特定されてもよい。複数のパッチレンズ15Aはまた、本明細書において記述される装置が新しい位置に最初にインストールされたときに、現場較正の一部として特定されてもよい。現場較正は、出荷または設置の結果として起き得るずれ、および/または、装置がインストールされる環境から結果として生じるビーム13の問題、を補正してもよい。パッチレンズ15Aは、本明細書において記述される装置の電源投入ルーチンの一部として、および/または、選択可能な較正ルーチンの一部として、リファインされてもよい。
【0189】
幾つかの実施形態において、1または複数のパッチレンズ15Aの光学形状は、ビーム13の変化する特性(例えば、位相変調器14を伴う、光源12の時間変化するずれ)を考慮に入れるべくリアルタイムに制御される。
[補正および光誘導の組み合わせ]
【0190】
ビーム13を補正し且つ結合することに加えて、位相変調器14は、像面における望まれる位置に光を誘導するよう制御可能であってもよい。光誘導は、位相変調器14の異なる画素に入射する光に、選択された位相遅延のパターンを適用することによって実行されてもよい。1または複数の望まれる方向に回折された、または「誘導された」、ビーム13からの光の一部は、誘導された光16として位相変調器14を出る。
【0191】
上述した、ビーム13の理想からの偏差は、補正されずに残されているならば、結果として、適切に位置合わせされていない異なるビーム13から生じる誘導された光16の複数の部分となり得る。例えば、像面における同じ小さなエリアまたはスポットに複数のビーム13の全てから誘導された光を集中させるよう位相変調器14を制御することによって、非常に明るいハイライトを生成することが望まれるケースを考えられたい。
【0192】
図1に示されるように、理想からのビーム13の偏差は、複数の異なるビーム13から生じる誘導された光16を、その全てを像面における同じ位置に同じやり方で集束させる代わりに、像面から異なる距離に集束させることができ、および/または、像面上の異なる位置に方向付けさせることができる。焦点の変化は、誘導された光16の全体的に大きなポイントスプレッドファンクション(PSF)をもたらす結果となり得、且つ、最終的な像が、焦点から外れている、または望ましくないアーティファクトを含んでいる結果となり得る。像面上の複数の異なる位置に光を誘導することが意図されている、および/または、幾つかのビーム13から生じた光を複数の他のビーム13に生じる光とは異なるように誘導することが意図されている場合には、同じ問題が存在する。
【0193】
光誘導が望まれる場合には、複数のビーム13のそれぞれに適用される光学形状は追加的に、望まれる誘導された光を生成する位相変位を含んでもよい。光学形状は例えば、対応するビーム13を補正するパッチレンズコンポーネント15A、および、光誘導コンポーネントを含んでもよい。パッチレンズコンポーネントおよび光誘導コンポーネントは重ね合わされてもよい(例えば、パッチレンズコンポーネントおよび光誘導コンポーネントのそれぞれによって特定される位相変位を追加することによって。当該追加は、結果として生じる位相変位が位相変調器14の範囲内にあるように、モジュロ2πまたは2πの倍数であってもよい)。故に、位相変調器14によって提供される光学形状は、同時に、複数のビーム13における不均一性を補正し且つ複数の光ビーム13を誘導してもよい。
【0194】
複数の異なるビーム13に適用される複数の光誘導コンポーネントは、同じであってもよく、または異なってもよい。例えば、幾つかの実施形態において、1または複数のハイライトに光を誘導することが望まれ、複数のビーム13のそれぞれ用の複数の光誘導コンポーネントが、1または複数のハイライトのそれぞれに光を誘導するよう構成される。別の例として、幾つかの実施形態において、複数の異なるハイライトに光を誘導することが望まれ、複数のビーム13のうちの異なる複数のもの用の複数の光誘導コンポーネントが、複数のハイライトの異なるサブセットに光を誘導するよう構成される。幾つかの実施形態において、複数のハイライトの異なるサブセットは別個のものである。幾つかの実施形態において、複数のハイライトの異なるサブセットの少なくとも幾つかは、共通のハイライトを含む。幾つかの実施形態において、複数の光誘導コンポーネントは、複数の異なるポイントに集中するように複数のビーム13を誘導するよう構成される。例えば、複数のビーム13の幾つかは、第1のポイントに集中するよう誘導されてもよく、複数のビーム13の幾つかは、第2のポイントに集中するよう誘導されてもよく、複数のビーム13の幾つかは、第3のポイントに集中するよう誘導されてもよく、第1のポイント、第2のポイントおよび第3のポイントは異なるポイントである。
【0195】
幾つかの実施形態において、各領域15は、誘導された光16を生成するべく対応するビーム13からの光を誘導する位相変位のパターンを表示するよう個別に制御される。ビーム13からの光は、光が像面の特定のエリアに集中されるように誘導されてもよい(そのようなエリアに向かって光が誘導されると言える)。ビーム13からの光はまた、像面の特定のエリアに提供される光が少なくなるように誘導されてもよい(そのようなエリアから離れるように光が誘導されると言える)。光が誘導されて向かうエリアは、複数のビーム13からの光の全てが像面の像域を覆って均一に分配されるならば可能であろう最大強度を十分上回る光強度を有してもよい。複数のビーム13は、1または複数の異なるエリアに誘導されてもよい。例えば、複数のビーム13は、同じエリアに誘導されてもよい。例えば、複数のビーム13の幾つかは、第1のエリアに誘導されてもよく、他のビーム13は、第2の異なるエリアに誘導される。
【0196】
光誘導は、映画の高ダイナミックレンジイメージを生成すること、技術的または医療的画像を表示すること、および/または、工業処理に適用されてもよい。光誘導は、画像データがより高い輝度を指定しているエリアに向かって光が誘導されるように、および/または、画像データがより低い輝度レベルを指定しているエリアから離れるよう光が誘導されるように、画像データに応答して制御されてもよい。光誘導は有益にも、画像の複数の異なる位置に対して指定される輝度に大きなばらつきがある画像を正確に生成する一助となり得る。例えば、光誘導は、水面に輝く太陽光、暗い夜空にある様々なサイズの明るい星、前景に影のある夕日などのようなシーンの自然な画像を生成する一助となってもよい。
【0197】
図2Cは、位相変調器14が、複数のビーム13の理想からの偏差を補正するよう、且つ、複数のビーム13の全てからの光が焦点18に集束されるように各ビーム13からの光を誘導するよう、制御される光学配置10を示す。
図2Cに示されるように、パッチレンズによって適用される補正は、複数のビーム13の全てから生じた誘導された光16に、焦点18に集中させることを(または、より一般的には、像面上で任意の他の望まれる分布を有するように誘導させることを)、容易化する。ビーム13の理想からの偏差がより包括的に補正されるほど、異なるビーム13から生じる誘導された光16は、(例えば、単一の焦点18に集中するべく、または、像面上の特定の位置における異なるハイライトに正確に誘導されるべく)より正確に一緒に登録されることができる。異なるビーム13から生じた誘導された光16を正確に登録させることは、そのような光でプロジェクタイメージャ(または他の下流の光学系)を照明することによって十分に集束した且つ正確なハイライト像が生成され得るので、有利である。
【0198】
パッチレンズ15Aの光学形状および光誘導のための位相変位は、互いに独立して算出されてもよい。他の実施形態において、パッチレンズ15Aの光学形状および光誘導のための位相変位は、一緒に算出されてもよい。パッチレンズ15Aおよび光誘導コンポーネントのための位相変位は重ねられてもよい。故に、ビーム13に存在する理想からの偏差の補正、および、ビーム13の光誘導は、同時に起きてもよい。
【0199】
図3は、例示的な光学配置20を概略的に示すブロック図である。マルチエミッタ光源12は、生の照明光照射野21(例えばビーム13)を生成する。本明細書における他の箇所で記述されるように、生の照明光照射野21は、変化する指向平行性、変化する視準均一性などのような変化する特性を有する、複数の非理想的な光ビームを含んでもよい。生の照明光照射野21は、光再分配器モジュール22内へと方向付けられる。
【0200】
光再分配器モジュール22は、生の照明光照射野21によって照明される位相変調器14を備える。位相変調器14は入力として、特定された位相パターンを提供するべく位相変調器14の個々画素によって適用される位相遅延を設定する制御信号を受け取る。コントローラ25は、光再分配スキーム23による位相パターンの光誘導コンポーネントを生成する。光再分配スキーム23は、例えば、画像データを処理して、画像データにおいて定義されるより高い輝度領域に向けて光を誘導することになる、および/または、画像データにおいて定義されるより低い輝度領域から離れるように光を誘導することになる、位相変位のパターンを生成してもよい。
【0201】
光再分配器モジュール22は、誘導された光を、下流の光学システムの入力へと(例えば、プロジェクタイメージャのイメージングプレーンを照明するべくプロジェクタイメージャに向けて)方向付けてもよい。光再分配スキーム23は、例えば、光照射野プロジェクタおよび方法と題する国際PCT出願公開WO2015054797A1号、自由形状レンズのための数値的アプローチ:エリアパラメータ化自由形状レンズと題する国際PCT出願公開WO2016015163A1号、および、イメージング、照明および投射の用途で効率的、動的、高コントラストなレンズと題する国際PCT出願公開WO2015184549A1号、に記述される方法を組み込んでもよく、これらは、これによって、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0202】
加えて、コントローラ25は好ましくは、位相変調器14を照明する光照射野(例えば生の照明光照射野21)の特性を提供する光源特性データ24を受け取る又は取得する。特性は、光照射野の向いている方向性および/またはコリメーション情報を含んでもよい(例えば、光照射野に貢献するビーム13の特性)。コントローラ25は、光源特性データ24を処理して、位相変調器14を照明する光照射野21の理想からの偏差を補正するべく位相変調器14によって表示されるパッチレンズ15Aの光学形状を生成してもよい。光源特性データ24は、較正手順中に、および/または、光再分配器モジュール22が動作しているときにリアルタイムで、光源12から放射される光照射野(例えばビーム13)の特性を測定することによって取得されてもよい。
【0203】
パッチレンズ15Aおよび光誘導の位相変位は、重ねられてもよい。故に、生の照明光照射野21の補正、および、生の照明光照射野21の誘導は、同時に起きてもよい。
【0204】
生の照明光照射野21の一部は、(例えば、プロジェクタイメージャのイメージングプレーンを照明するべく)誘導された光16として出力される。本明細書における他の箇所で議論されるように、生の照明光照射野21の一部は、1または複数の異なるポイントまたはエリアに誘導されてもよい。生の照明光照射野21の別の部分は、誘導されていない光17として光再分配器モジュール22を出る。
【0205】
幾つかの実施形態において、光再分配器モジュール22は、位相変調器14の上流に受光光学系26を備える。受光光学系26は、位相変調器14をより良く照明するべく生の照明光照射野21を形作ってもよく又は修正してもよい。例えば、生の照明光照射野21は、位相変調器14のアクティブ面14Aよりも幅広くてよい。受光光学系26は、生の照明光照射野21が位相変調器14のアクティブ面14Aのサイズと一致するように、生の照明光照射野21を形作ってもよい。加えて、または代替的に、受光光学系26は、生の照明光照射野21を位相変調器14のアクティブ面14Aと位置合わせしてもよい。そのような実施形態において、形作られた照明光照射野27は、位相変調器14を照明する。
[誘導されていない光の利用]
【0206】
殆ど又は全ての実際の位相変調器は、全ての入射光を位相変調できない。位相変調器が少なくとも幾つかの誘導されていない光を出力することは事実上避けられない。例えば、位相変調器14が反射型位相変調器である場合、幾つかの光は、一般的には、位相変調器の複数の面で鏡面反射されることになる。これにより、誘導されていない光17がもたらされる結果となる。誘導された光16および誘導されていない光17の間の割合は、位相変調器14の回折効率に依存し得る。
【0207】
幾つかの実施形態において、ビーム13からの幾つかの又は全ての光の鏡面反射を生じさせるべく選択される位相パターンは、利用可能な誘導されていない光の量を増加させるべく表示されてもよい。これは、例えば、ハイライト像が必要でない時間に、および/または、ハイライト像がそれほど多くの光学パワーを必要としない時間に、および/または、追加の背景照明が必要とされる時間に、行われてもよい。
【0208】
例えば、ハイライト像が必要でない場合、アクティブエリア14Aにおける全ての画素、または、ビーム13によって照明される、アクティブエリア14Aの一部における全ての画素は、ビーム13からの光の鏡面反射を生じさせる位相変位のパターンを表示するよう設定されてもよい。
【0209】
幾つかの誘導された光を保持することが望まれるケースでは、個々の領域15、または、幾つか又は全ての領域15の一部は、それらに入射する光の鏡面反射を生じさせる位相変位のパターンを表示するよう設定されてもよい。保持している領域15および/または領域15の一部は、誘導された光コンポーネントの望まれる光誘導を生じさせる位相パターンを表示するよう設定されてもよい。誘導されていない光の量を増加させることにより、ベース照明の強度が増加してもよい。これにより、投射システムの、効率性が増加、消費電力が低減、などがもたらされてもよい。幾つかの実施形態において、1または複数のパッチレンズ15Aのサイズ(例えば表面積)が低減され、パッチレンズ15Aと関連付けられた光学形状をもはや表示しない、対応する領域15の画素は、誘導されていない光の量を増加させるべく鏡面反射を生じさせる位相変位のパターンを表示するよう設定される。
【0210】
幾つかの実施形態において、誘導されていない光として反射される入射光の割合(および、これによりどれだけの光が誘導された光になるか)は、較正段階中に決定される。幾つかケースでは、当該割合は、個別の発光素子12のパワーレベルに少なくとも部分的に基づく。
【0211】
誘導された光を誘導されていない光から分離することが望ましいかもしれない。そうすることによって、誘導された光および誘導されていない光の別々の制御が容易化され得る。例えば、光路に誘導されていない光を集めること、および、誘導された光16が誘導されていない光17の光路に入らないよう誘導された光16の方向をシフトすることが望ましいかもしれない。
【0212】
幾つかの実施形態において、誘導された光および誘導されていない光の分離は、生成されるか、または、誘導されていない光17に対して誘導された光16の方向をシフトすることによって増加される。そのようなシフトは、位相変調器14によって適用される位相パターンの光誘導コンポーネントおよび/またはパッチレンズコンポーネントによって生成されてもよい。
【0213】
本明細書における他の箇所で記述されるように、誘導されていない光17は、均質化および/または再結合光学系42の入力の近くにある入力ディフューザ(例えば、本明細書の他の箇所で記述される入力ディフューザ47)に隣接するスポットに集束されてもよい。位相変調器14によって光の誘導角度を増加させることは、一般的には、効率性を低減させるので、誘導された光16および誘導されていない光17の間の角度分離を比較的小さくすることが望ましい。
【0214】
幾つかの実施形態において、誘導された光16および誘導されていない光17が集束される複数のポイント間の横方向の分離は、100mm未満、または、60mm未満、または、10mm未満、である。
【0215】
幾つかの実施形態において、誘導された光16および誘導されていない光17の両方が、像面に方向付けられる。例えば、誘導されていない光17は、像面の像域にベースレベルの照明を提供してもよく、誘導された光16は、ハイライトに対応する像域の一部における光強度を増大させるハイライト像を提供してもよい。
【0216】
図4は、誘導された光16および誘導されていない光17の両方を像面に方向付けるべく適用され得る光学配置30を概略的に示す。光学配置30は、光学配置30が物理レンズ32を備える点を除いて、光学配置10および20と同じである。物理レンズ32は、誘導された光16および誘導されていない光17の物理レンズ32への入射を最大化する位置に配置されてもよい。物理レンズ32は、誘導されていない光17を焦点33Aに集束させる。誘導された光16は、焦点33Bに集束される。
【0217】
光学配置30において:
・誘導されていない光17の方向性は物理レンズ32の特性に依存する;および、
・誘導された光16の方向性は、物理レンズ32の特性、および、位相変調器14によって表示される位相パターン(例えば、位相変調器14によって表示されるパッチレンズ15A、および、位相変調器14によって表示される光誘導コンポーネント)の両方に依存する。
【0218】
一旦、誘導された光16および誘導されていない光17の両方が集束されると、これらは一緒に単一の光照射野へと結合され得る。誘導された光16および誘導されていない光17を結合することによって、有利にも、以下の結果がもたらされ得る:
・投射された像における全体輝度の向上;
・光源12から放射される光の使用効率の向上;
・光源12によって放射される未使用の光からのエネルギーを消散(例えば吸収)するための性能要件の低減;
・など。
【0219】
図5は、誘導された光16および誘導されていない光17を結合するよう構成された光学配置40を概略的に示す。光学配置40は、光学配置40が追加的に、出力光学系光照射野43を生成する均質化および/または再結合光学系42を備える点を除いて、本明細書における他の箇所で記述された光学配置20と同じであってもよい。
【0220】
均質化および/または再結合光学系42は、誘導された光16および誘導されていない光17を受け取り、誘導された光16および誘導されていない光17を、均質化および/または再結合光学系42から出力光照射野43として出力される光照射野へと結合する。
【0221】
出力光照射野43は、例えば、プロジェクタイメージャ(または、像を生成するための他の下流の光学系)を照明してもよい。幾つかの実施形態において、均質化および/または再結合光学系42によって生成される出力光照射野43は、プロジェクタイメージャまたは他の下流の光学系に効率的に連結する。幾つかの実施形態において、均質化および/または再結合光学系42は、出力光学系光照射野43が下流の光学系に効率的に連結するために、適切な形状、伝搬方向、入射角などを有する光照射野を生成するよう構成される。好ましくは、均質化および/または再結合光学系42は、光損失を最小化する、出力光学系光照射野43のビーム品質を最大化する、下流の光学系における光学コンポーネントの数を最小化する、などのために最適化される。
【0222】
均質化および/または再結合光学系42は、誘導された光16および誘導されていない光17を結合するべく動作する。均質化および/または再結合光学系42はまた:
・誘導されていない光17を均質化すること;
・出力光学系光照射野43を形作ること;および、
・誘導された光16および誘導されていない光17のうちの一方又は両方を拡散すること、
のうちの1または複数を実行してもよい。
【0223】
例示的な均質化および/または再結合光学系42が
図6に概略的に示される。
図6の実施形態では、結合ロッド44は、誘導された光16および誘導されていない光17を受け取って結合するよう機能する。結合ロッド44は追加的に、誘導されていない光17を均質化するよう機能してもよい。
【0224】
均質化および/または再結合光学系42は、任意で、誘導された光16および/または誘導されていない光17を拡散するよう動作可能な1または複数のディフューザを含む。例えば、均質化および/または再結合光学系42は:
・誘導された光46Aを拡散するべく、結合ロッド44の上流の誘導された光16の光路におけるディフューザ46;
・誘導されていない光47Aを拡散するべく、結合ロッド44の上流の誘導されていない光17の光路におけるディフューザ47;および/または、
・結合された光照射野43を拡散するべく、結合ロッド44の下流のディフューザ48、
のうちの1または複数を含んでもよい。
【0225】
ディフューザ46、47および48のうちの1または複数を含むことは有利にも、レーザースペックルを除去すること、より均一な光照射野を生成すること、望まれる発散角(すなわち、均質化および/または再結合光学系42を出る光の、望まれる発散角)を生成すること、などを支援してもよい。
【0226】
図7は、光学配置50を概略的に示す。光学配置50は、光学配置50が結合ロッド44を含む均質化および/または再結合光学系42を備える点を除いて、本明細書における他の箇所で記述される光学配置30と同様である。結合ロッド44は、誘導されていない光17を均質化し、且つ、誘導された光16を出力光照射野43に通過させるよう配置される。
【0227】
誘導された光16は、結合ロッド44の端部44A(たとえ端部44Aが物理的に穴(hole)または穴(bore)を有さなくても、「入口開口部」と呼ばれ得る)へと方向付けられ、結合ロッド44のボディ44Bを通過し、結合ロッド44の第2の端部44C(たとえ端部44Cが物理的に穴(hole)または穴(bore)を有さなくても、「出口開口部」と呼ばれ得る)を通って出る。誘導された光16は、誘導された光16が結合ロッド44の反射面に入射しないことを保証する方向において、結合ロッド44に向けて方向付けられる。この例では、誘導された光16は結合ロッド44内で反射されない。例えば、誘導された光16は、結合ロッド44の中心軸に沿って方向付けられてもよい。そのような実施形態において、結合ロッド44は誘導された光16を変調しない。誘導された光16を誘導することによって生じる、高輝度エリアおよび低輝度エリアのパターンは、出力光照射野43で保持される。
【0228】
誘導された光16とは対照的に、誘導されていない光17は、誘導されていない光17に結合ロッド44内で複数回内部反射させるやり方で結合ロッド44へと方向付けられる。これらの反射は、誘導されていない光17を均質化する傾向を有する。
【0229】
図7の実施形態において、結合ロッド44はテーパ状であり、レンズ32は、第1の端部44Aのエッジ近くに入るように、および/または、結合ロッド44の側44Dに向かって角度を有する方向に、誘導されていない光17を方向付け、その結果として、誘導されていない光は、側44Dによって内部反射され、続いて、第2の端部44Cを出る前に、結合ロッド44の内側を何度か内部反射される。
【0230】
誘導されていない光17は任意で、結合ロッド44に到達する前に、ディフューザ47によって拡散される。
【0231】
誘導されていない光17は、結合ロッド44において誘導された光16と結合される。結合ロッド44の内面からの誘導されていない光17の反射は、誘導されていない光17の伝搬軸を変化させ、その結果として、誘導されていない光17の伝搬軸は、誘導された光16の伝搬軸と位置合わせされる。
【0232】
結合された、誘導された光16および誘導されていない光17は、任意で、下流の出力のために所望の光照射野43を生成するべく、出力ディフューザ48で拡散されてもよい。幾つかの実施形態において、レンズ52は、結合された、誘導された光16および誘導されていない光17を、プロジェクタイメージャまたは他の下流の光学系に集束させる。
【0233】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、受動光デバイスである。結合ロッド44は、反射の数、入力および出力ビーム角などのような光学特性を変化させて、誘導されていない光17用のより均一な光パターンを生成しつつ、誘導された光16とほぼ同じ方向に誘導されていない光17を方向付けるよう構成されてもよい。
【0234】
結合ロッド44は、位相変調器14から受け取り得る光の量を最大化するよう設計されてもよい。受け取り得る光の量を最大化することは、システムの光利用の効率性を増加させるので有利である。結合ロッド44の反射および/または散乱内側面の形状および/またはプロファイルは、誘導されていない光17の所望の度合いの均質化を達成するべく少なくとも閾値数の反射を提供するよう設計されてもよい。
【0235】
幾つかの実施形態において、ロッド44は、(別々の、誘導された光16および誘導されていない光17が、集められることを可能にする)より大きな入力面から、入力面よりも小さな出力面へとテーパ状になっている2つの反射平面を有し、その結果として、誘導された光16および誘導されていない光17は空間的に重ねられる。
【0236】
結合ロッド44の出口開口部(例えば端部44C)は、望ましい出力光照射野を生成するべく適切な角度範囲で光を出力するよう設計されてもよい。出力光の出射角は、何れの下流の集光光学系のサイズも低減するために、小さく保持されてもよい(例えば45°未満)。例えば、結合ロッド44の出口開口部は、下流の出力光学系の受光角内の入射角の範囲で下流の出力光学系へと入射される光を出力するよう設計されてもよい。
【0237】
結合ロッド44の設計は:
・光が結合ロッド44に入射する円錐体;および/または、
・光の入射角;および/または、
・結合ロッド44の長さ;および/または、
・結合ロッド44の角度(例えば、結合ロッド44がテーパ状になっている角度);および/または、
・光の出射角、
を含む要因に基づいてもよい。これらの要因は、(例えば結合ロッド44をより短く作ることによって)コストおよび/またはサイズを低減するよう、および/または、結合ロッド44の出力での光の品質(例えば、発散が比較的少ない対称的な出力)のために、最適化されてもよい。
【0238】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、略対称的な出力を提供するよう構成される(例えば、結合ロッド44を出る光の出射広がりの軸は、結合ロッド44の軸(例えば中心縦軸)と(例えば平行に)位置合わせされる。
【0239】
結合ロッド44を出る光の発散を小さくすることが望まれるならば、結合ロッド44はより長くされてもよい。
【0240】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、比較的小さい結合ロッド44の出口開口部での光の出射角(例えば
図7Aに示される角度θ)を有しつつ、結合ロッド44に入る誘導されていない光17が、結合ロッド44を出る前に多数回の反射を受ける(故に、誘導されていない光17の均質化を促進する)ように構成される。出口開口部での光の出射角を最小化することは、有利にも、下流の光学系によって捉えられる出力光の量を増加することを容易化し得る。出口開口部での光の出射角をより小さく低減する(したがって、より安価にする)ことによって、下流の光学系(例えば光学系52)は、出力光を捉えるのに用いられてもよい。
【0241】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、中空管を備える(例えば
図7Aを参照されたい)。結合ロッド44の壁の内側面は、反射性金属の堆積層または誘電体コーティングのような反射性材料を含んでもよい。
【0242】
誘導された光16は、中空管を通って延在する長手方向の中心軸と平行な方向に方向付けられてもよく、その結果として、結合ロッド44は誘導された光16に大きな影響を及ぼさない。対照的に、誘導されていない光17は、壁の内側面の反射性材料によって、増倍、反射および/または散乱されてもよい。繰返し反射および/または散乱を通じて、誘導されていない光17は、均質化され、且つ、誘導された光16と結合された結合ロッド44を出るように再方向付けされてもよい。
【0243】
図7Aに示されるように、プリズム45は、結合ロッド44の第1の面44Aの近くに光学的に連結されてもよい。プリズム45は、誘導されていない光17を集め、誘導されていない光17を結合ロッド44へと効率的に伝達してもよい。
【0244】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、ガラス、石英、または適切な透明プラスティックのような透過性材料の固体を備える。そのような実施形態において、誘導されていない光17は、固体の複数の面で内部的に全反射されてもよく、および/または、固体は光反射および/または光散乱の層またはコーティングを含んでもよい。誘導されていない光17は、誘導されていない光17が結合ロッド44の側面に垂直なベクトルに対して鋭角で当該側面に入射するように、ある角度で結合ロッドの第1の端部44A(例えば「入口開口部」)へ入るよう方向付けられる。誘導された光16は、結合ロッド44のボディ44Bに入って、結合ロッド44の複数の側面と相互作用することなく結合ロッド44を通過してもよく、その結果として誘導された光は、プロジェクタイメージャおよび/または他の下流の光学系に向かってそのまま結合ロッド44を出る。そのような実施形態において、結合ロッド44は、誘導されていない光17を、誘導された光16とほぼ同じ方向に伝播して結合ロッド44を(例えば第2の端部44Cまたは「出口開口部」から)出るよう再方向付けする。幾つかの実施形態において、そのような結合ロッド44の断面は、長方形であり、誘導された光16から生成される像のアスペクト比と一致するアスペクト比を有する。
【0245】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、少なくとも1つのテーパー面を有する中空の長方形管を備える(例えば、
図7Bを参照されたい)。中空の長方形管は、下流の光学系に向かってテーパ状になっていてもよい(すなわち、中空の長方形管の穴の断面積が、中空の長方形管の入口開口部から中空の長方形管の出口開口部に向かうに連れて小さくなるようにテーパ状になっていてもよい)。中空の長方形管は、出口開口部よりも大きな入口開口部を有してもよい。より大きな入口開口部を有することによって、結合ロッド44によって受け取られ得る入射光(例えば、誘導されていない光17、誘導された光16など)の量を増加させる。入口開口部より小さな出口開口部を有する結果として、結合ロッド44は、入口および出口開口部が同じサイズであるケースと比較して、より集中された出力光照射野を生成することになる。
【0246】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、(例えば結合ロッド44の横軸または結合ロッド44の垂直軸の何れかに沿って)一平面内でテーパ状になっている。光は、一方または両方の光学軸から結合ロッド44に入ってもよい。誘導されていない光17は、結合ロッド44の反射側壁に入射するよう方向付けられ、側壁の組の間で反射される。幾つかの実施形態において、結合ロッド44は、水平軸および垂直軸の両方においてテーパ状になっている。そのような実施形態において、誘導されていない光17は、結合ロッド44の何れかの軸に沿って結合ロッド44に入ってもよい。複数の水平内面および垂直内面での反射によって、誘導されていない光17の均質性が増加されてもよい。
【0247】
幾つかの実施形態において、結合ロッド44は捻じれロッドである。そのような実施形態において、誘導されていない光17は、捻じれた結合ロッド44の複数の異なる内面で反射されてもよい。複数の異なる内面での反射は、誘導されていない光17の均質性を増加させてもよい。そのような捻じれロッドにおいては、誘導された光16は、修正されていないロッドの中心軸を通過する。捻じれた部分の断面は、誘導された光16の範囲よりも大きい。捻じれの範囲は、誘導されていない光17の均質性を増加するべく、例えば、約4分の1回転(例えば90°)から数回転(例えば180°、270°、360°など)であってもよい。
【0248】
幾つかの実施形態において、結合ロッドの内壁は、カスタムフリーフォームの凹形状である(例えば、
図7Cを参照されたい)。カスタムフリーフォームの凹形状は、下流の光学系によって受け取られる、適切な角度範囲にある結合ロッドの出口開口部に存在する入射光(誘導された光16および誘導されていない光17の両方)の量を最大化しつつ、誘導されていない光17の所望の量の均質性を提供するべく、適切な反射角を生成するよう最適化されてもよい。
【0249】
幾つかの実施形態において、追加の光(例えば「ベース照明ビーム」)が誘導された光16および/または誘導されていない光17と結合されてもよい。ベース照明ビームからの光は、プロジェクタイメージャ(または他の下流の光学系)に入射する光の強度を増大させてもよい。例えば、ベース照明ビームは、結合ロッド44へと方向付けられてもよい。ベース照明ビームは、結合ロッド44において誘導されていない光17と結合されてもよい。幾つかの実施形態において、ベース照明ビームは、出力光照射野43における照明に均一に加わる。
【0250】
幾つかの実施形態において、ベース照明ビームの強度は調整可能である。調整は、例えば:ベース照明ビームの光を提供する1または複数の光源の出力強度を調整すること;調整可能な開口部にベース照明ビームを通過させること;可変デューティサイクルでベース照明ビームをパルス化すること;ベース照明ビームを回転可能な偏光子に通過させること;および、光変調器によってベース照明ビームを変調すること、のうちの1または複数によって達成されてもよい。幾つかの実施形態において、ベース照明ビームは、再構成可能なセパレータデバイス(例えば可変偏光子またはビームスプリッタ)で変調される。幾つかの実施形態において、ベース照明ビームは、再構成可能な光照明デバイスで変調される。
【0251】
幾つかの実施形態において、ベース照明ビーム、誘導された光16および誘導されていない光17は、複数のプロジェクタシステムの駆動スキームの最適化と題するPCT出願公開WO2015172236A1号に記述されるようなスキームに従って画像データの特性に基づいて制御され、これは、これによって、全ての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0252】
位相変調器14を含まない光路によりベース照明ビームを提供することは、位相変調器14のみからの光を用いて確実に提供され得るものよりも大きな平均輝度で投射される像を表示する一助となり得る。これは、一般的には、位相変調器14が扱え得る光学パワーに対する制限が存在するためである。典型的な位相変調器は、幾らかの入射光を吸収する。これは、位相変調器の加熱という結果になり得る。そのような位相変調器を強過ぎる光で照明することは、損傷を引き起こす温度まで位相変調器を加熱し得る。高輝度光はまた、光化学効果によって特定のタイプの位相変調器を劣化させ得る。一般的に、位相変調器14に伝送される光を、実際の最大光強度以下を有するように制限することが望ましい。最大光強度は、位相変調器14の熱特性、入射光の波長、および/または、位相変調器14の望まれる寿命に基づいて選択されてもよい。
【0253】
幾つかの実施形態において、ベース照明ビームは、位相変調器14を照明する光よりも大きな光学パワーを有する。
【0254】
幾つかの実施形態において、ビーム13からの幾らかの光は、ベース照明ビームを提供するのに用いられる。
【0255】
図8は、例示的な光学配置60を概略的に示す。光学配置60は、位相変調器14に隣接して位置するミラー62(または他の光偏向器)を備える(例えば
図8Aを参照されたい)。ミラー62は、位相変調器14のアクティブ面14Aの平面内に配置されてもよい。位相変調器14のアクティブ面14Aの平面内にミラー62を配置することによって、ミラー62で反射される光は、位相変調器14によって反射された誘導されていない光17と同一方向を有する。ミラー62は、位相変調器14と平行であってもよい。ミラー62は、位相変調器14の1または複数のエッジに隣接してもよい。幾つかの実施形態において、ミラー62は、位相変調器14のアクティブ面14Aを部分的に覆う。
【0256】
ミラー62は、ミラー62に入射する光ビーム13を反射する。ミラー62によって反射される光は、ベース照明ビーム64として用いられてもよい。ベース照明ビーム64は、誘導されていない光17と略平行に方向付けられてもよい。
【0257】
幾つかの実施形態において、ミラー62は、ベース照明ビーム64として用いるべくビーム13から幾らかの光を引き出すプリズムのような別の光学素子と置き換えられる。そのような光学素子は、必ずしも、位相変調器14のアクティブ面14Aの平面内にある必要がない。しかしながら、ベース照明ビーム64および誘導されていない光17は、好ましくは同一方向を有する。
【0258】
幾つかの実施形態において、ベース照明ビーム64は、結合ロッド44において誘導されていない光17と結合される。結合ロッド44は、ベース光64、誘導されていない光17および誘導された光16を一緒に結合してもよい。幾つかの実施形態において、ミラー62の面は、ベース照明ビーム64を結合ロッド44へと所望の角度で導入する、またはそうでなければベース照明ビーム64からの光を出力光照射野43へと混合する光路へとベース照明ビーム64を方向付けるべく、位相変調器14に対して形作られ、および/または位置付けられる。
【0259】
図9は、例示的な光学配置70を概略的に示すブロック図である。光学配置70は、光学配置70が光セパレータ65を備える点を除いて、光学配置40と同様である。光セパレータ65は、生の照明光照射野21(例えばビーム13)を受け取り、生の照明光照射野21をベース照明ビーム64および処理済照明光照射野66へと分割する。処理済照明光照射野66は、光再分配器22を照明する。均質化および再結合光学系42は、ベース光64、誘導された光16および誘導されていない光17を結合する。
【0260】
光セパレータ65は、例えば、生の照明光照射野21の一部を遮るよう配置されたミラーであってもよい。幾つかの実施形態において、光セパレータ65は、半反射ミラーまたはプリズムである。幾つかの実施形態において、光セパレータ65は、一の偏光状態の光をベース照明64へと、および、他の偏光状態の光を処理済照明光照射野66へと再方向付けする反射偏光子である。
【0261】
幾つかの実施形態において、ベース照明ビーム64は、1または複数の別々の光源67から生じる。幾つかのそのような実施形態において、光源67は、均質化および再結合光学系42に向かってベース照明ビーム64をそのまま放射するよう配置される。これにより、例えば、光源12とは異なるタイプの光源を光源67として用いることが容易化され得る(例えば、光源67は、より安価であり得る、より広い光スペクトルを有し得る、またはそうでなければ、光源12として用いるのに適さないものであり得る、など)。
【0262】
図10は、光学配置72を概略的に示すブロック図である。光学配置72は、光学配置70と同様である。しかしながら、光学配置72は、ベース照明ビーム64を生成するための光源67を備える。光源67は、例えば、LEDまたはレーザー光源であってもよい。
【0263】
幾つかの実施形態において、パッチレンズ15Aは、光誘導システムの光学コンポーネントの小さなずれを補正してもよい。この可能性を利用することによって、光学コンポーネントを正確に位置合わせする必要性が緩和され得る。これにより、製造および/または維持コストが大きく低減する結果になり得る。さらに、パッチレンズ15Aの光学形状を調整することによって光学コンポーネントの位置合わせの変化を補償するよう適合された装置は、別な方法で装置の寿命に亘って光学コンポーネントの正確な位置合わせを維持することが必要とされる巨大で高剛性な構造よりも、より軽量で且つより安価に製造される構造を有してもよい。
【0264】
以下のうちの1または複数を達成するのに効果的なパッチレンズ15Aは、本明細書において記述されるシステムによって生成される光照射野を分析することによって決定されてもよい:
・光学コンポーネントのずれを補償する;
・ビーム13の理想からの偏差を補償する;および/または、
・位相変調器14上の複数のパッチ15の位置の差を補償する。例えば、特定のコンピュータアルゴリズムと組み合わされた自動化されたイメージングシステムは、上記で記述された補正を提供するパッチレンズ15Aの光学形状を生成してもよい。そのような画像は、プロジェクタシステムの製造中の較正段階で、または、プロジェクタシステムの使用中に撮影されてもよい。そのような補正により、全体的により鮮明な像をプロジェクタシステムによって投射することが可能になり得る。
【0265】
図11は、位置合わせシステム90を概略的に示すブロック図である。出力光照射野43は、像93を生成するべく出力光学系92(例えばプロジェクタイメージャ)を照明する。出力光照射野43は、本明細書における他の箇所で記述される光学配置を用いて生成されてもよい。
【0266】
出力光学系92は、例えばスクリーン上に最終像93を形成する、振幅変調器およびこれと関連付けられる投影光学系を備えてもよい。幾つかの実施形態において、出力光学系92は、中間光誘導像を生成するリレーシステムを備える。中間光誘導像は、例えば、自動化されたイメージングシステムを用いて監視されてもよい。
【0267】
光誘導された像93の特徴(例えば、鮮明さ、強度分布、特定のアーティファクトの存在、など)は、パッチレンズ15Aの光学形状に依存する。
【0268】
システム90は、像93(および/または中間の光誘導された像)の画像を集めるよう配置されたセンサ94(例えばカメラ)を備える。画像は、像93の1または複数の特性を測定するべく処理される。撮影した画像および/または像93に対応するデータは、制御システム(例えば制御システム25)または位置合わせアルゴリズム95を実行するコンピュータに、入力として提供される。位置合わせアルゴリズム95は、撮影されたデータを処理して、像93を生成するのに用いられた光の特性を測定し、像93の品質を改善するであろうパッチレンズ15Aの光学形状を決定する。位置合わせアルゴリズム95は、上記で記述された複数の問題のうちの1または複数を補正するパッチレンズ15Aの光学形状を出力する。そのような光学形状は、光源特性データ24の一部として制御システム25に提供されてもよい。パッチレンズ15Aの光学形状は、本明細書における他の箇所で記述される光再分配器22の一部として光誘導のための位相変位を重ね合わされてもよい。
【0269】
幾つかの実施形態において、空間光誘導コンポーネントは、像93を表示している間に位相変調器の対応する領域に適用される。空間「較正光誘導位相パターン」は、異なるビーム13から生じた光を区別するのを支援するべく、および/または、対応するパッチレンズが対応するビーム13の理想からの偏差を補正している度合いを明らかにする、像93における光パターン(「テストパターン」)を生成するべく、選択されてもよい。幾つかの実施形態において、較正光誘導位相パターンは、制御システム25がアクセス可能なデータストアに格納される。幾つかの実施形態において、較正光誘導位相パターンは、較正ルーチンの過程で位相変調器の異なる領域に適用される異なる較正光誘導位相パターンの順序を含む。
【0270】
図12は、例示的な位置合わせアルゴリズム95における工程を示すブロック図である。ブロック100において、方法95は、各パッチレンズ15Aの最初の光学形状を生成する。最初の光学形状は、特定の光源12を特徴づける情報(例えば、モデル番号、エミッタ数、エミッタタイプ、パワーレベル、波長など)、および/または、位相変調器14を特徴づける情報(例えば、画素の数およびサイズ、領域15の位置、アスペクト比など)に基づいてもよい。
【0271】
ブロック102において、生成されたパターン93の像(および/または、本明細書における他の箇所で記述される中間の光誘導された像)が(例えばカメラ94を用いて)撮影される。パターン93は、例えば、ビーム13用の特定の光誘導コンポーネントを含む較正像であってもよい。パッチレンズ15Aは個々の光ビーム13に対応するので、一般的には、異なるビーム13から生じたパターン93の部分間を区別可能であることが望ましい。以下のものを含めて、これを達成できる様々なやり方が存在する:
・ビーム13を一度に1つずつオンにする;
・ビーム13を一度に1つずつオフにする;
・既知のやり方で(例えば既知の頻度で)複数のビーム13のうちの1または複数の強度を変化させる;
・異なるビーム特性などを変えることによって;
・異なる光誘導コンポーネントを、異なる光ビーム13に対応する位相変調器14の異なる領域に適用する;および、
(例えば、光ビーム13から生じるパターン93の複数の部分を既知のやり方で移動させる又は歪ませる又は修正させるべく)パッチレンズ15A、または、ビーム13に対応する位相変調器14の領域15に適用される位相パターンを生成するのに用いられる別の構成要素を変化させる。変化は周期的であってもよい。異なるパッチレンズは、各パッチレンズの光学形状を変化させてビームパターンを異なる速度および/または異なる方向に変化させることによって識別されてもよい。
【0272】
像93の特徴は、ブロック104において識別される。特有の特徴は、パターン93の複数の部分の位置、形状、強度および均一性を含む。
【0273】
ブロック104で識別される特有の特徴は、ブロック106で基準特徴と比較される。パッチレンズ15Aは、ブロック104で検出される特有の特徴が、対応する基準特徴と所望のレベルの精度で一致するまで、ループ109にて調整される。特有の特徴が基準特徴と一致する場合、光源特性データ(すなわちパッチレンズの光学形状)は、ブロック110において格納され、および/または、位相変調器14に伝達される。
【0274】
所望のレベルの精度に到達しなかったならば、パッチレンズの光学形状および/または位置はブロック107で更新される。所望のレベルの精度は通常、特定のマーケットセグメントによって必要とされる像品質に依存する。例えば、所望のレベルの精度は、小型のホームエンターテイメントプロジェクタ用のものよりもプロ仕様の大型シネマシステム用のものの方が高いかもしれない。
【0275】
パッチレンズは:
・X方向の焦点距離;
・Y方向の焦点距離;
・レンズの光学中心の位置;
・X方向のレンズ傾斜;
・Y方向のレンズ傾斜;
・レンズのサイズ;および/または、
・位相変調器14の領域15内のレンズエリアの位置、
のような要因によって特徴づけられてもよい。
【0276】
ブロック107では、パッチレンズに対応する上記の複数の要因のうちの1または複数が変更され得る。通常、1または複数の要因が、パッチレンズを最適化するべく段階的に変更される。各反復は、好ましくは、より望ましいポイントスプレッドファンクション(PSF)形状およびサイズを生成する。パッチレンズの最適化されたパラメータの検索は、十分なパラメータが少ないならば総当たり検索であってもよく、または、勾配検索であってもよく、または、擬似アニーリング法アプローチを使用してもよく、または、ある順序の中で複数のパラメータに対処してもよい。
【0277】
幾つかの実施形態において、パッチレンズのパラメータは:基準パッチレンズ構成(例えば、選択された焦点距離を有する球面レンズ)を用いて開始し、最良の中央位置を見出すべくパッチレンズの中央を移動し、任意でパッチレンズの傾きを調整し、続いて、レンズ焦点距離およびサイズのうちの一方又は両方を調整する、ことによって最適化される。
【0278】
更新された光学形状は、ブロック108において位相変調器14に伝達され、方法95は、パターン93の新しい像が撮影されるブロック102に戻る。新しい像は、パッチレンズ15Aの更新された光学形状および/または位置を用いて生成される。ループ109は、所望のレベルの精度に到達されるまで繰り返すことになる。
【0279】
幾つかの実施形態において、各パッチレンズは、順次決定される(すなわち、一度に1つのパッチレンズ)。
【0280】
幾つかの実施形態において、異なるパッチレンズは、同時に決定される(すなわち、2つまたはそれより多くのパッチレンズが同時に決定される)。これにより、効率性が増加し且つ計算時間が低減する。各パッチレンズは、特定のパッチレンズに入射する光ビーム13からの光のみに影響を与え、したがって、そのパッチに起因するスクリーン上の光分布のみに影響を与える。どのパッチレンズがどのスクリーン上のスポットに対応するかを識別することによって、複数のパッチレンズのうちの異なる複数のもののパラメータを同時に変更することが可能である。どのパッチレンズがどのスクリーン上のスポットに対応するかを識別することは、例えば、異なる方向に、または異なる速度で、複数の異なるパッチレンズを更新し、且つ、当該変化を、スクリーン上のパターン93において観察される変化と相関させることによって行われてもよい。
【0281】
図13は、プロジェクタシステム内の複数の光学素子の位置合わせを改善するための例示的な方法115を概略的に示す。方法115は、方法115が複数のパッチレンズを同時に最適化してもよく、これにより時間効率性を増加させ得る点を除いて、方法95と同様である。
【0282】
方法115は、例えば上記で記述された複数のアプローチの何れかを用いることによって、パターン93のどの特徴が各パッチレンズ15Aに対応するかを決定する。
【0283】
ブロック116では、複数のパッチレンズ(例えばパッチレンズ15A)の最初の光学形状が生成される。複数のパッチレンズの最初の光学形状は、製品設計の既知の光学的パラメータから決定されてもよい。例えば、光学形状は、照明パッチの初期位置および設計された焦点距離を仮定して決定されてもよい。
【0284】
パターン93の像がブロック117で(例えばカメラ94を用いて)撮影される。ブロック118では、撮影した画像データを処理し、複数のパッチレンズ15Aのうちの個々のもの、または複数のパッチレンズの組、に対応する特徴を識別する。ブロック119では、識別された特徴を対応するパッチレンズ15Aに一致させる。
【0285】
本明細書における他の箇所で記述されたように、どのパッチレンズがどのスクリーン上のスポットに対応するかを識別することは、例えば、異なる方向に、または異なる速度で、複数の異なるパッチレンズを更新し、且つ、当該変化を、スクリーン上の像において観察される変化と相関させることによって行われてもよい。幾つかの実施形態において、単一のパッチレンズが変更され、対応する変化が観察される。
【0286】
単一のパッチレンズは潜在的に、スクリーン上の任意のポイントに光を方向付けてもよい。したがって、スクリーン上の(スクリーン全体に亘る)どの特徴がどのパッチレンズに対応するのかを識別することが必要であるかもしれない。
【0287】
識別された特徴は、対応する基準特徴と比較される。ブロック120は、識別された特徴が閾値精度で対応する基準特徴に一致するかどうかを決定する。閾値精度目標に到達したならば、パッチレンズの光学形状がブロック124の一部として格納される。閾値精度目標に到達していないならば、パッチレンズの位置および/または光学形状はブロック121においてリファインされる。パッチレンズの新しい光学形状は、ブロック122において伝達され(例えば位相変調器14に伝達され)、方法115は、新しいパッチレンズを用いて生成される像93の新しいデータがカメラ94によって撮影されるブロック117へと戻る。ループ123は、望まれる閾値精度に到達するまで繰り返す。
【0288】
像93の画像を処理する場合、カメラ94の位置および光学特性が考慮されてもよい。カメラ94は例えば:
・プロジェクタ装置に対して既知の位置に搭載されてもよい;
・像93を投射するのに用いられる投射レンズを通して像93が投射されるスクリーンを観察してもよい;
・本明細書において記述されるシステムとデータ通信する携帯電話のような別のデバイスの一部であってもよい。
【0289】
幾つかの実施形態において、光源12は、多色光(例えば赤、緑および青)を放射するエミッタを含んでもよい。そのような実施形態において、各パッチレンズ15Aは、対応する入射ビーム13の波長に基づいて構成されてもよい。これは、単一の位相変調器14が、異なる波長を有する光ビームを誘導するのに用いられることを可能にする。通常、光源12における発光素子の配置は、既知であるか、または、特徴づけられ得、これにより、個々のパッチレンズ15Aが特定の波長で生成されることを可能にする。
【0290】
図14は、(例えば赤、緑および青の)異なる波長の光を生成する発光素子を有するマルチエミッタ光源12を備える例示的な光学配置130を概略的に示す。光学配置130は、マルチエミッタ光源12が複数の波長の発光素子を備える点を除いて、光学配置50と同じである。そのような実施形態において、位相変調器14は、特定の波長であるパッチレンズ15Aを表示し、その結果として、光源12により放射される光は、(例えば複数の特定の波長の位相変調器14を用いなければならないのとは対照的に、)単一の位相変調器14を用いて、望まれるように誘導され得る。
【0291】
幾つかの実施形態において(例えば
図14を参照されたい)、複数の異なる波長のそれぞれの誘導されていない光(例えば、誘導されていない赤色光、誘導されていない緑色光および誘導されていない青色光)は、結合ロッド44の均質化入力へ方向付けられる。そのような実施形態において、結合ロッド44は、光の両方向において異なる波長の誘導されていない光を均質化し、異なる光の波長(または色)の誘導されていない光を一緒に混合し(例えば、赤色、緑色および青色光を白色光へと混合し)、誘導された光を、均質化されて色混合された誘導されていない光と結合する。これにより、有利にも、必要とされる下流の光学素子の数が低減され得る(例えば、色結合する光学素子の必要性がなくなる)。
【0292】
誘導されていない光(および異なる波長の誘導された光)は、本明細書における他の箇所で記述されるように、結合ロッド44の入力へ方向付けられてもよい。結合ロッド44は、本明細書における他の箇所で記述される任意の結合ロッドであってもよい。
【0293】
幾つかの実施形態において、異なる波長の1または複数の代替的な光源(例えば、赤色光源、緑色光源および/または青色光源)が、誘導されていない光17の強度を増大させるべく結合ロッド44に光を放射するよう位置付けられてもよい。
【0294】
マルチエミッタ光源12の複数の波長の発光素子は、任意の方式で配置されてもよい。幾つかの実施形態において、複数の発光素子はランダムに配置される。幾つかの実施形態において、発光素子は、波長に基づく行または列に配置される(例えば、赤色エミッタの行または列、緑色エミッタの行または列、および、青色エミッタの行または列)。
【0295】
図15は、本明細書において記述されるような装置に提供され得るタイプの例示的な制御システム150を示すブロック図である。
【0296】
コントローラ25は、光源12および位相変調器14を制御するよう構成される。本明細書における他の箇所で記述されるように、コントローラ25は、カメラ94からの入力を受け取ってもよい。幾つかの実施形態において、位相変調器14は、コントローラ25にフィードバックを提供する。
【0297】
コントローラ25は、ユーザインタフェース151からユーザ入力を受け取ってもよい。コントローラ25はまた、本明細書において記述される装置に関する情報を、インタフェース151を介してユーザに提供してもよい。
【0298】
位相変調器14によって表示される各パッチレンズに関するデータは、データストア152に格納されてもよい。データストア152は、例えば、位相変調器14によって表示されるパッチレンズに対応する各光学形状について1つのデータエントリを含んでもよい(例えば、データエントリ152A-1、152A-2、…、152A-N)。
【0299】
幾つかの実施形態において、データストア152は、最初のパッチデータ153を含む。最初のパッチデータ153は、例えば、パッチレンズが本明細書における他の箇所で記述される任意の方法を用いて最適化される前に、位相変調器14によって表示されるパッチレンズの最初の光学形状を含んでもよい。
【0300】
本明細書において記述される装置、および、コントローラ25によって実行される較正ルーチンは、プログラム記憶部154に格納されてもよい。例えば、プログラム記憶部154は、コントローラ25によって実行され、且つ、新品の装置を製造時に較正するよう構成された、機械実行可能命令を含む、完全な較正ルーチン154Aを有してもよい。加えて、または代替的に、プログラム記憶部154は、コントローラ25によって実行され、且つ、本明細書において記述される装置が電源をオンにされると(例えば、電源をオンにする複数のサイクルの間に発生した可能性がある何らかのずれを較正するべく)当該装置を較正するよう構成された、機械実行可能命令を含む、スタートアップ較正ルーチン154Bを有してもよい。
【0301】
本明細書において記述されるシステムおよび方法は、単一のタイプのプロジェクタシステムにおける使用に限定されない。幾つかのケースでは、本明細書において記述されるシステムおよび方法は、映画館で使用するための、プロ仕様の商業シネマシステムに組み込まれる。幾つかのケースでは、本明細書において記述されるシステムおよび方法は、例えば家庭での使用のための、消費者向け投射システムに組み込まれる。
[用語の解釈]
【0302】
文脈上他の解釈を明らかに要求していない限り、本明細書および請求項の全体を通じて:
・「備え」、「備える」および同様のものは、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、つまり、「を含むがそれらに限定されない」という意味で解釈されるべきである;
・「接続され」、「結合され」またはそれらのあらゆる変形は、直接または間接いずれであれ、2つまたはそれより多くの素子の間のあらゆる接続または結合を意味し、当該素子間の結合または接続は、物理的、論理的またはそれらの組み合わせであり得る;
・「本明細書に」、「上記」、「以下」および類似の趣旨の語は、本明細書を説明するために用いられている場合、本明細書全体を指すものとし、本明細書のいかなる特定の部分も指さないものとする;
・2つまたはそれより多くの項目のリストを参照する際、「または」は、この語の以下の解釈、つまり、当該リストにおける当該項目のいずれか、当該リストにおける当該項目の全て、および当該リストにおける当該項目のあらゆる組み合わせの全てを包含する;
・「1つ」、「一」および「その」という単数形は、あらゆる適切な複数形の意味も含む。
【0303】
本明細書及び任意の添付の請求項で使用されている「垂直」、「横断方向」、「水平」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「内向き」、「外向き」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「下」、「上」及び「~の下」などといった方向を示す語(存在する場合)は、記載及び図示されている装置の特定の配向に依存する。本明細書に記載される主題は、様々な代替的な方向を想定してよい。従って、これら方向に関する用語は厳密に定義されず、狭く解釈されるべきではない。
【0304】
本願発明の複数の実施形態(例えば、制御システム、較正システム、など)は、特定的に設計されたハードウェア、構成可能なハードウェア、データプロセッサに対して実行可能な(任意で「ファームウェア」を含み得る)ソフトウェアの提供により構成されるプログラマブルデータプロセッサ、本明細書において詳細で説明されている方法における1または複数の工程を実行するよう特定的にプログラミングされ、構成され、または構築された特定用途向けコンピュータまたはデータプロセッサ、および/またはこれらの2つまたはそれより多くの組み合わせを用いて実装され得る。特定的に設計されたハードウェアの例としては、論理回路、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、大規模集積回路(「LSI」)、超大規模集積回路(「VLSI」)等がある。構成可能なハードウェアの例としては、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などの1または複数のプログラマブルロジックデバイスがある。構成可能なハードウェアの例としては、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などの1または複数のプログラマブルロジックデバイスがある。プログラマブルデータプロセッサの例としは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、埋め込みプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、数値演算コプロセッサ、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ、メインフレームコンピュータ、コンピュータワークステーション等がある。例えば、デバイスのための制御回路における1または複数のデータプロセッサが、それらプロセッサがアクセス可能なプログラムメモリにおける複数のソフトウェア命令を実行することによって本明細書において記載される複数の方法を実装してよい。
【0305】
処理は集中化されても、分散化されてもよい。処理が分散化されるとき、ソフトウェアおよび/またはデータを含む情報は、集中化されたままであってもよく、または分散化されてもよい。そのような情報は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネット、有線または無線データリンク、電磁気信号、または他のデータ通信チャネルなどの通信ネットワークを介して複数の異なる機能ユニット間で交換され得る。
【0306】
例えば、処理またはブロックが所与の順番で提示されているが、複数の代替例が、異なる順番で、複数の工程を有する複数のルーチンを実行してもよく、または複数のブロックを有する複数のシステムを採用してもよい。または、代替または部分的組み合わせを提供するよう幾つかの処理またはブロックが削除され、動かされ、追加され、細分化され、組み合わせられ、および/または変更される。これら処理またはブロックのそれぞれが、様々な異なる方法で実装されてよい。また、複数の処理またはブロックが時々、連続して実行されるものとして示されるが、これらの処理またはブロックは代わりに、並行して実行されてよく、または異なる時点で実行されてもよい。
【0307】
加えて、複数の要素が時々、順次実行されるものとして示されているが、それらは代わりに、同時に、または異なる順序で実行され得る。したがって、以下の請求項は、そのような変形例全てが、意図されている範囲内にあるものとして解釈されることが意図されている。
【0308】
上記において構成要素(例えば、位相変調器、光源、結合ロッドなど)が言及されているとき、異なることが示されていない限り、その構成要素についての言及(「手段」についての言及を含む)は、本願発明の示が示されている例示的な実施形態において機能を実行する開示されている構造物と構造的に同等ではない構成要素を含む、説明されている構成要素の機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)いずれかの構成要素をその構成要素の同等物として含むものとして解釈されるべきである。
【0309】
例示を目的として、システム、方法、及び装置の具体的な例が、本明細書に記載されている。これらは、単に例である。本明細書で提供されている技術は、上記で説明された例示的なシステム以外の複数のシステムに適用され得る。多くの変更、修正、追加、省略、および順列が本発明の実施内で可能である。本発明は、当業者にとって明らかであろう、説明された実施形態の変形例を含む。それらは、特徴、要素、および/または動作を同等の特徴、要素、および/または動作で置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素、および/または動作をミックスし、一致させること、本明細書に記載されているような実施形態からの特徴、要素、および/または動作を、他の技術の特徴、要素、および/または動作と組み合わせること、ならびに/もしくは、説明された実施形態から、特徴、要素、および/または動作を省略するまたは組み合わせること、によって得られる変形例を含む。
【0310】
様々な特徴が、「幾つかの実施形態」に存在するものとして本明細書に記載される。そのような特徴は、必須ではなく、全ての実施形態に存在していなくてもよい。本発明の実施形態は、そのような特徴を含まなくてもよいし、そのような特徴の任意の1つを含んでもよいし、又はそのような特徴のうちの2つ若しくはそれ以上の任意の組み合わせを含んでもよい。このことは、そのような特徴のうちの特定の特徴が、そのような特徴の他の特徴と両立しない限りにおいてのみ限定されるが、それはそのような両立しない特徴を組み合わせた実用的な実施形態を構築することが、当業者には不可能であるという意味である。その結果、「幾つかの実施形態」が特徴Aを有し、「幾つかの実施形態」が特徴Bを有するという記載は、発明者らが特徴AとBとを組み合わせた実施形態も企図していることの明示的な指標として解釈されるべきである(ただし別段の記載のある場合、または特徴AとBとが根本的に両立しない場合を除く)。
【0311】
したがって、以下の添付の請求項及び今後導入される請求項は、合理的に推測可能なそのような修正、置換、追加、省略、及び部分的組み合わせの全てを含むものとして解釈されることが意図される。請求項の範囲は、複数の例において説明される複数の好ましい実施形態により限定されるべきではなく、全体として説明と一貫している最も幅広い解釈が与えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ビームを放射するよう動作可能な1または複数の光源;
2次元配列の画素を有する位相変調器、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるよう制御可能であり、前記位相変調器は、前記複数の光ビームの光路においてアクティブエリアを有し、前記複数の光ビームのそれぞれは、前記位相変調器の前記アクティブエリアの複数の別個の領域のうちの対応する1つにおける前記位相変調器の前記アクティブエリアに入射する;および、
前記別個の領域に対応するパッチレンズの光学形状を表示するべく前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成されたコントローラ、前記パッチレンズは、前記複数の光ビームのうちの対応する1つに存在する不均一性を補正するよう構成されている、
を備える投射システム。
【請求項2】
前記複数の別個の領域は、複数の行および複数の列を有するアレイに配置される、
請求項1に記載の投射システム。
【請求項3】
前記光源は、少なくとも2行2列の発光素子を含むマルチエミッタ光源を有する、
請求項1または2に記載の投射システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記対応するパッチレンズの前記光学形状と組み合わされた光誘導位相パターンを表示するべく、前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成されている、
請求項1から3の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項5】
前記別個の領域に対応する前記パッチレンズの前記光学形状は、対応する前記光ビームの理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく、
請求項1から4の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項6】
前記別個の領域に対応する前記パッチレンズの前記光学形状は、対応する前記光ビームが前記位相変調器と相互作用した後に、像面に生成された光照射野の理想からの測定された偏差に、少なくとも部分的に基づく、
請求項1から5の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項7】
前記補正された不均一性は、指向平行性、コリメーションおよび強度分布のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から6の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項8】
前記表示された光学形状は、球面レンズの光学形状に対応する、
請求項1から7の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項9】
隣接するパッチレンズは互いに当接する、
請求項1から8の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項10】
前記位相変調器の前記2次元配列の画素のアクティブエリア全体が、パッチレンズによって覆われている、
請求項1から9の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項11】
各パッチレンズの前記光学形状は独立して生成される、
請求項1から10の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項12】
各パッチレンズの前記光学形状は、最適化処理を実行するよう構成された前記コントローラによって生成される、
請求項1から11の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項13】
前記最適化処理は、対応する出力ビームの1または複数の観察された特性が、前記パッチレンズが前記光ビームの理想からの偏差を適切に補正していることを示すまで、前記対応するパッチレンズの前記画素の位相変位を反復して変化させることを含む、
請求項12に記載の投射システム。
【請求項14】
前記最適化処理は、複数の前記パッチレンズのうちの異なるものに対して順次実行される、
請求項12または13に記載の投射システム。
【請求項15】
前記最適化処理は、複数の前記パッチレンズのうちの異なるものに対して、並行して実行される、
請求項12または13に記載の投射システム。
【請求項16】
前記最適化処理は、前記対応するパッチレンズの位相パターンを構築することになる前記領域内の前記画素の位相変位を見出すべく擬似アニーリング法を実行することを含む、
請求項12から15の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項17】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、前記対応するパッチレンズの、焦点距離、光学中心シフト、パラメータ化された非点収差、および傾きのうちの少なくとも1つを特定する、
請求項1から16の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項18】
前記複数の別個の領域のうちの少なくとも1つは、複数のサブ領域へと分割され、前記コントローラは、前記サブ領域に対応する光学形状を表示するように前記複数のサブ領域のそれぞれの前記画素を設定するよう構成される、
請求項1から17の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項19】
単一の光ビームの異なる部分は、前記位相変調器の対応する別個の領域の2つまたはそれより多くのサブ領域を照明する、
請求項1から18の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項20】
複数の前記光学形状のうちの少なくとも1つは、互いに重ね合わされた複数のレンズに対応する、
請求項1から19の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項21】
前記複数の光ビームのうちの少なくとも1つは、前記複数の別個の領域を超えて延びる、
請求項1から20の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項22】
複数の前記光学形状のうちの1または複数はそれぞれ、前記複数の光ビームのうちの対応する1つの変化する特性を考慮に入れるべく、リアルタイムに変化させられる、
請求項1から21の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項23】
前記複数の光ビームのそれぞれに適用される前記光学形状は、光を誘導する光誘導コンポーネントを更に有する、
請求項1から22の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項24】
前記対応するパッチレンズおよび対応する前記光誘導コンポーネントは重ね合わされる、
請求項23に記載の投射システム。
【請求項25】
前記複数の光ビームのうちの異なるものに適用される前記光誘導コンポーネントは同じである、
請求項23または24に記載の投射システム。
【請求項26】
異なる光ビームに適用される前記光誘導コンポーネントは異なる、
請求項24または25に記載の投射システム。
【請求項27】
前記光誘導コンポーネントは、複数の異なるポイントで集中するように前記光ビームを誘導するよう構成される、
請求項23から26の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項28】
前記コントローラは、対応する前記光ビームからの光を誘導する位相変位のパターンを表示するように前記位相変調器の前記複数の別個の領域のそれぞれを個別に制御する、
請求項23から27の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項29】
複数の前記パッチレンズのそれぞれ、および、対応する前記光誘導コンポーネント、の前記光学形状は、互いに独立して算出される、
請求項23から28の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項30】
複数の前記パッチレンズのそれぞれ、および、対応する前記光誘導コンポーネント、の前記光学形状は、一緒に算出される、
請求項23から28の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項31】
前記位相変調器の上流に受光光学系を備え、前記受光光学系は、前記位相変調器をより良く照明するべく、前記光ビームを形作るよう、または修正するよう構成される、
請求項1から30の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項32】
前記受光光学系は、前記光ビームからの光が前記2次元配列の画素のサイズと一致するように、前記光を形作る、
請求項31に記載の投射システム。
【請求項33】
前記コントローラは、前記複数の光ビームの少なくとも一部の鏡面反射を生じさせるべく選択された位相パターンを表示するように、前記位相変調器の複数の前記画素の少なくとも一部を設定するよう構成される、
請求項1から32の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項34】
前記コントローラは、誘導された光に対する誘導されていない光の割合を調整するべく、前記複数の画素の前記一部において画素の数を動的に変化させるよう構成される、
請求項33に記載の投射システム。
【請求項35】
前記コントローラは、画像データを処理することに少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される、
請求項34に記載の投射システム。
【請求項36】
前記コントローラは:前記画像データの黒レベル、前記画像データにおけるハイライトの最大輝度、および、前記画像データのコントラスト、のうちの1または複数に少なくとも部分的に基づいて、誘導された光に対する誘導されていない光の所望の割合を決定するよう構成される、
請求項35に記載の投射システム。
【請求項37】
前記位相変調器の下流に結合ロッドを更に備え、前記結合ロッドは、入口開口部および出口開口部、および、前記結合ロッドの長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有し、前記結合ロッドは、誘導された光および誘導されていない光を結合し、前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分での繰返し反射によって前記誘導されていない光を均質化するよう構成される、
請求項1から36の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項38】
前記結合ロッドは受動光デバイスである、
請求項37に記載の投射システム。
【請求項39】
前記結合ロッドは中空管を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項40】
前記結合ロッドは透過性材料の固体を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項41】
前記透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである、
請求項40に記載の投射システム。
【請求項42】
前記固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む、
請求項40または41に記載の投射システム。
【請求項43】
前記結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項44】
前記結合ロッドは、前記入口開口部から前記出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有し、前記入口開口部は、前記出口開口部よりも大きい、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項45】
前記結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項46】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項45に記載の投射システム。
【請求項47】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項45に記載の投射システム。
【請求項48】
前記結合ロッドは捻じれロッドを有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項49】
前記捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する、
請求項48に記載の投射システム。
【請求項50】
前記結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する、
請求項37または38に記載の投射システム。
【請求項51】
前記出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい、
請求項37から50の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項52】
前記結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される、
請求項37から51の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項53】
前記入口開口部に近接した前記結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを更に備え、前記プリズムは、前記誘導されていない光を集め、且つ、前記誘導されていない光を前記結合ロッド内へと伝達するよう構成される、
請求項37から52の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項54】
前記位相変調器からの前記誘導された光および誘導されていない光を前記結合ロッドへと伝送する光学素子を更に備える、
請求項37から53の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項55】
前記光学素子は、前記位相変調器および前記結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む、
請求項54に記載の投射システム。
【請求項56】
前記物理レンズは、前記物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる、
請求項55に記載の投射システム。
【請求項57】
前記誘導された光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導された光の光路にディフューザを更に備える、
請求項37から56の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項58】
前記結合ロッドの上流における、前記誘導されていない光の光路にディフューザを更に備える、
請求項37から57の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項59】
前記結合ロッドの下流においてディフューザを更に備える、
請求項37から58の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項60】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を更に備える、
請求項37から59の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項61】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、前記位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する、
請求項60に記載の投射システム。
【請求項62】
前記ミラーは、前記位相変調器の前記2次元配列の画素の平面内に位置する、
請求項61に記載の投射システム。
【請求項63】
前記ミラーは、前記位相変調器と平行である、
請求項61または62に記載の投射システム。
【請求項64】
前記ミラーは、前記位相変調器の1または複数のエッジと隣接している、
請求項61から63の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項65】
前記ミラーは部分的に、前記位相変調器の前記2次元配列の画素を覆う、
請求項61に記載の投射システム。
【請求項66】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、ベース照明として使用するべく前記複数の光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する、
請求項60に記載の投射システム。
【請求項67】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項37から59の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項68】
光誘導された像の画像を撮影するよう構成され且つ撮影した前記画像を前記コントローラに提供するべく接続されたカメラを備える、
請求項1から67の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項69】
前記コントローラは、前記光誘導された像の前記撮影した画像を処理して、前記光誘導された像を生成するのに使用された光の特性を決定し、且つ、前記位相変調器によって表示される複数の前記パッチレンズの1または複数の光学形状を変化させるよう構成される、
請求項68に記載の投射システム。
【請求項70】
前記1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有する、
請求項1から69の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項71】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、対応する前記光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項70に記載の投射システム。
【請求項72】
前記1または複数の光源は、多色光を放射するエミッタを有し、前記結合ロッドは、前記光の方向および前記光の色のうちの一方又は両方において、異なる波長の誘導されていない光を均質化する、
請求項37から67の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項73】
複数の前記パッチレンズのそれぞれの前記光学形状は、対応する前記光ビームの波長に少なくとも部分的に基づいて構成される、
請求項72に記載の投射システム。
【請求項74】
前記誘導されていない光の強度を増大させるべく、光を前記結合ロッド内へと放射するように位置付けられた異なる波長の1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項72または73に記載の投射システム。
【請求項75】
少なくとも1つの光ビームを放射するように動作可能な光源;
2次元配列の画素を有する位相変調器、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるように制御可能であり、前記位相変調器は、前記少なくとも1つの光ビームの光路においてアクティブエリアを有する;
位相変位のパターンを、前記少なくとも1つの光ビームの光に適用するように前記位相変調器の前記画素を制御するよう構成されたコントローラ、前記位相変位は、ハイライト像を生成する前記光を誘導するべく選択される;
前記位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、入口開口部および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送し且つ前記誘導されていない光が前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、前記誘導されていない光を前記結合ロッドの前記入口開口部内へと方向付けるよう配置された光学素子;および、
前記誘導された光が、均質化された状態になることなく前記結合ロッドの前記入口開口部から前記結合ロッドの前記出口開口部を通過し、前記出口開口部で均質化された前記誘導されていない光と混合されるように、前記誘導された光を経路に沿って前記結合ロッドへ伝送するよう配置された光学素子、
を備える投射システム。
【請求項76】
前記結合ロッドは受動光デバイスである、
請求項75に記載の投射システム。
【請求項77】
前記結合ロッドは、断面が長方形である、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項78】
前記結合ロッドは中空管状部材を有し、前記誘導された光は前記中空管状部材の穴を通過する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項79】
前記結合ロッドは、透過性材料の固体を有する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項80】
前記透過性材料は、ガラス、石英および透明プラスティックのうちの少なくとも1つである、
請求項79に記載の投射システム。
【請求項81】
前記固体は、光反射または光散乱層またはコーティングを含む、
請求項79または80に記載の投射システム。
【請求項82】
前記結合ロッドは、前記入口開口部が前記出口開口部よりも広い面積を有するように、テーパ状になっている、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項83】
前記結合ロッドは、少なくとも1つのテーパー面を含む中空の長方形管を有する、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項84】
前記結合ロッドは、前記入口開口部から前記出口開口部へとテーパ状になっている2つの反射平面を有し、前記入口開口部は、前記出口開口部よりも大きい、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項85】
前記結合ロッドは、1つの平面においてテーパ状になっている、
請求項75から77の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項86】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの横軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項85に記載の投射システム。
【請求項87】
前記結合ロッドは、前記結合ロッドの垂直軸に沿ってテーパ状になっている、
請求項85に記載の投射システム。
【請求項88】
前記結合ロッドは捻じれロッドを有する、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項89】
前記捻じれロッドは、少なくとも1つの約90°の捻じれを有する、
請求項88に記載の投射システム。
【請求項90】
前記結合ロッドは、凹形状を含むボディを有する、
請求項75または76に記載の投射システム。
【請求項91】
前記出口開口部からの光の出射角は、約45°またはそれより小さい、
請求項75から90の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項92】
前記結合ロッドは、略対称的な出力を提供するよう構成される、
請求項75から91の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項93】
前記入口開口部に近接した前記結合ロッドに光学的に連結されているプリズムを更に備え、前記プリズムは、前記誘導されていない光を集め、且つ、前記誘導されていない光を前記結合ロッド内へと伝達するよう構成される、
請求項75から92の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項94】
前記位相変調器からの前記誘導された光および誘導されていない光を前記結合ロッドへと伝送する光学素子を更に備える、
請求項75から93の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項95】
前記光学素子は、前記位相変調器および前記結合ロッドの間に位置する物理レンズを含む、
請求項94に記載の投射システム。
【請求項96】
前記物理レンズは、前記物理レンズへの誘導された光および誘導されていない光の入射を最大化する位置に位置付けられる、
請求項95に記載の投射システム。
【請求項97】
前記誘導された光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導された光の光路にディフューザを更に備える、
請求項75から96の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項98】
前記誘導されていない光を拡散するべく、前記結合ロッドの上流における、前記誘導されていない光の光路にディフューザを更に備える、
請求項75から97の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項99】
結合された誘導された光および誘導されていない光を拡散するべく、前記結合ロッドの下流においてディフューザを更に備える、
請求項75から98の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項100】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大するべく、ベース照明を生成するよう構成された光学系を更に備える、
請求項75から99の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項101】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、前記位相変調器に隣接して位置付けられたミラーを有する、
請求項100に記載の投射システム。
【請求項102】
前記ミラーは、前記位相変調器の前記2次元配列の画素の平面内に位置する、
請求項101に記載の投射システム。
【請求項103】
前記ミラーは,前記位相変調器と平行である、
請求項101または102に記載の投射システム。
【請求項104】
前記ミラーは、前記位相変調器の1または複数のエッジと隣接している、
請求項101から103の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項105】
前記ミラーは部分的に、前記位相変調器の前記2次元配列の画素を覆う、
請求項101に記載の投射システム。
【請求項106】
ベース照明を生成するよう構成された前記光学系は、ベース照明として使用するべく複数の前記光ビームから幾つかの光を引き出すよう構成されたプリズムを有する、
請求項100に記載の投射システム。
【請求項107】
前記誘導された光または誘導されていない光の強度を増大させるべくベース照明を生成するよう構成された1または複数の追加の光源を更に備える、
請求項37から67および72から99の何れか一項に記載の投射システム。
【請求項108】
位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、前記位相変調器によって位相シフトされた誘導された光と組み合わせるための結合ロッドであり、
入口開口部および出口開口部;および、
前記結合ロッドの長手方向の中心軸の両側における光反射部分、
を備え、
前記光反射部分に入射する誘導されていない光は、前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化される、
結合ロッド。
【請求項109】
プロジェクタシステムの複数の要素を位置合わせするための方法であり、
生成された光パターンの像を撮影する段階;
撮影した画像において前記光パターンの特有の特徴を識別する段階;
識別された前記特有の特徴を1または複数の基準特徴と比較する段階;および、
前記識別された特有の特徴と前記1または複数の基準特徴との比較に基づいて、表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階;
を備える方法。
【請求項110】
前記特有の特徴は、前記光パターンの個々の部分の、位置、形状、強度および均一性のうちの少なくとも1つを含む、
請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は:
対応するパッチレンズの焦点距離;
前記対応するパッチレンズの光学中心の位置;
前記対応するパッチレンズのレンズ傾斜;
前記対応するパッチレンズのサイズ;および、
位相変調器の別個の領域内での前記対応するパッチレンズのレンズエリアの位置、
のうちの少なくとも1つを変化させる段階を含む、
請求項109または110に記載の方法。
【請求項112】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は:
対応するパッチレンズの中央を移動して最良の中央位置を見出す段階;および、
前記対応するパッチレンズのレンズ焦点距離およびサイズのうちの一方又は両方を調整する段階、
を含む、
請求項109または110に記載の方法。
【請求項113】
前記表示された複数のパッチレンズの1または複数の光学形状を変化させる段階は更に、前記対応するパッチレンズの傾きを調整する段階を含む、
請求項112に記載の方法。
【請求項114】
複数の前記光学形状は順次変化させられる、
請求項109から113の何れか一項に記載の方法。
【請求項115】
複数の前記光学形状は同時に変化させられる、
請求項109から113の何れか一項に記載の方法。
【請求項116】
光ビームを一度に1つずつオンにする;
前記光ビームを一度に1つずつオフにする;
既知のやり方で複数の前記光ビームのうちの1または複数の強度を変化させる;
前記複数の光ビームのうちの異なるものの異なるビーム特性を変える;
異なる光誘導コンポーネントを、前記複数の光ビームのうちの異なるものに適用する;および、
各パッチレンズの光学形状を変化させて、異なる速度で、および/または、異なる方向に、ビームパターンを変化させる、
のうちの少なくとも1つによって、異なる前記光ビームから生じる前記光パターンの複数の部分間を区別する段階を備える、
請求項109から115の何れか一項に記載の方法。
【請求項117】
請求項1から107の何れか一項に記載の投射システムの電源を入れるための方法であり、
前記位相変調器によって表示される、複数のパッチレンズに対応する複数の光学形状を、データストアから検索する段階;および、
検索された前記光学形状を表示して前記位相変調器に入射する光ビームの不均一性を補正するように前記位相変調器を制御する段階、
を備える方法。
【請求項118】
前記投射システムによって生成された光パターンの像を撮影する段階;および、
撮影した画像における識別された特徴および基準特徴の比較に基づいて、複数の前記検索された光学形状のうちの1または複数を変化させる段階、
を更に備える、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
像を投射するための方法であり、
光源からの少なくとも1つの光ビームを放射する段階;
前記少なくとも1つの光ビームを用いて、2次元配列の画素を有する位相変調器のアクティブエリアを照明する段階、前記画素は、前記画素に入射する光の位相を可変量だけ遅延させるよう制御可能である;
前記少なくとも1つの光ビームの光に位相変位のパターンを適用するよう前記位相変調器の前記画素を制御する段階、前記位相変位は、前記光を誘導してハイライト像を生成するべく選択される;
前記位相変調器によって鏡面反射された誘導されていない光を、入口開口部および出口開口部、および、長手方向の中心軸の両側に光反射部分を有する結合ロッドへと伝送する、および、前記誘導されていない光が前記出口開口部に到達する前に前記光反射部分で繰返し反射されることによって均質化されるように、前記誘導されていない光を前記結合ロッドの前記入口開口部内へと方向付ける段階;および、
前記誘導された光が、均質化された状態になることなく前記結合ロッドの前記入口開口部から前記結合ロッドの前記出口開口部を通過し、前記出口開口部で均質化された前記誘導されていない光と混合されるように、前記誘導された光を経路に沿って前記結合ロッドへ伝送する段階、
を備える方法。
【国際調査報告】