(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】皮膚処置装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20240227BHJP
A61B 18/18 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61B18/18 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549853
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 GB2022050654
(87)【国際公開番号】W WO2022195267
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516165778
【氏名又は名称】アイパルス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPULSE LIMITED
【住所又は居所原語表記】Office Block A, Bay Studios Business Park, Fabian Way, Swansea, SA1 8QB, GB
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【氏名又は名称】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート ジョーンズ
【テーマコード(参考)】
4C082
4C160
【Fターム(参考)】
4C082PA02
4C082PC05
4C082PE02
4C082PG15
4C082PG17
4C082PJ04
4C082PJ21
4C160KK41
4C160MM22
(57)【要約】
本発明は、皮膚処置装置に関し、典型的にはIPL装置であるが、これに限定されるものではない。この装置は、ハウジングと、光エネルギーパルスを放出する光源と、光源の放出を制御する制御システムと、光源によってハウジングの外部に放出された光エネルギーパルスを皮膚処置領域に伝達するためにハウジング内に設けられたハウジングの出力窓とを備え、1つ以上のセンサが出力窓に隣接してハウジング内に配置されて感知ゾーンを形成し、制御システムは1つ以上のセンサ出力を受信するように配置され、これらの出力に基づいて装置の動作を制御する。また、ヘッドがハウジングに解放可能に係合するように設けられ、このヘッドは、シールド部分とヘッド窓部分とを有し、係合状態では、シールド部分が出力窓を部分的に遮蔽して皮膚処置領域を縮小し、1つ以上の感知ゾーンを露出したままにする。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ハウジングと、
- 前記ハウジング内に収容され、光エネルギーパルスを放出する光源と、
- 前記光源の放出を制御する制御システムと、
- 前記光源によって前記ハウジングの外部に放出された光エネルギーパルスを皮膚処置領域に伝達するため前記ハウジング内に設けられたハウジング出力窓と、
- 複数の感知ゾーンを提供するために、前記ハウジング出力窓に隣接してハウジング内に配置された1つ以上のセンサであって、前記制御システムが、1つ以上のセンサから1つ以上のセンサ出力を受信し、1つ以上センサ出力に基づいて装置の動作を制御するように配置された、1つ以上のセンサと、
- 前記ハウジングに解放可能に係合するように配置され、シールド部分とヘッド窓部分とを有するヘッドであって、係合状態では、シールド部分が出力窓を部分的に遮蔽して皮膚処置領域を縮小し、複数の感知ゾーンの1つ以上を露出したままにするヘッドとを備えた
皮膚処置装置。
【請求項2】
ヘッドが、使用者の身体部分を受け入れるように配置されたへこみ部分を備えている請求項1に記載の皮膚処置装置。
【請求項3】
へこみ部分が凹面状である請求項2に記載の皮膚処置装置。
【請求項4】
へこみ部分が相対する肩部の間に配置されている請求項2及び3のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項5】
凹面状のへこみ部分の曲率が、曲率半径によって少なくとも部分的に規定される請求項1乃至4のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項6】
曲率半径が、遮蔽されたヘッド窓の幅に所定値を加えて定められた数値を有し、前記所定値が20■60mm、更に好ましくは30■50mm、更に好ましくは40mmである請求項5に記載の皮膚処置装置。
【請求項7】
ヘッドが剛性を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項8】
ヘッドの窓部が開口部から成っている請求項1乃至7のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項9】
ハウジングの出力窓が幅と高さで規定され、幅が高さより大きく、シールド部分が出力窓を遮蔽して、係合状態における光透過領域の幅を減少させる請求項1乃至8のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項10】
ヘッドの出力窓が係合状態においてハウジングの出力窓の幅及び高さにそれぞれ整合した幅及び高さによって規定され、ヘッドの出力窓の幅がヘッドの出力窓の高さよりも小さい請求項9に記載の皮膚処置装置。
【請求項11】
ヘッドの出力窓の高さがハウジングの出力窓の高さよりも大きい請求項9乃至10のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサが、ハウジングの出力窓の直径方向に相対する第1と第2の側部でハウジング内に配置された少なくとも第1と第2のセンサから成り、この第1と第2のセンサが、係合状態において露出したままである請求項1乃至11のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項13】
前記の複数のセンサは、前記ハウジングの出力窓の径方向に相対する第3と第4の側部で前記ハウジング内に配置された第3と第4のセンサを備えている請求項12に記載の皮膚処置装置。
【請求項14】
前記制御システムは、前記ヘッドが前記係合状態にあるとき、前記1つ以上のセンサを不動作状態にするように構成されている請求項1乃至13のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項15】
前記シールド部分は、前記係合状態において前記1つ以上のセンサを更に遮蔽する請求項1乃至14のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項16】
前記シールド部分によって遮蔽された1つ以上のセンサが近接センサであり、前記シールド部分が、遮蔽された1つ以上の近接センサに隣接して配置されている請求項13に記載の皮膚処置装置。
【請求項17】
前記ヘッドがセンサを含んでいない請求項1乃至16のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項18】
前記ヘッドがハウジングに磁気的に結合している請求項1乃至17のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項19】
前記ヘッドが係合状態にあるか否かを決定するための係合センサアレンジメントを更に含み、前記制御システムは、前記係合センサアレンジメントの出力に依存して装置の動作パラメータを修正するように動作可能である請求項1乃至18のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項20】
前記装置は、強力パルスライト(IPL)装置である請求項1乃至19のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項21】
前記ヘッドが前記ハウジングに係合した状態でも、また係合していない状態でも操作可能である請求項1乃至20のいずれかに記載の皮膚処置装置。
【請求項22】
:
- ハウジングと、
- 前記ハウジング内に収容され、光エネルギーパルスを放出する光源と、
- 前記光源の放出を制御する制御システムを備え、
- 前記ハウジングは、相対する肩部の間に形成されて、使用者の身体部分を受容するためのへこみゾーンを含むヘッド部分を有し、前記へこみゾーンには、前記光源によって前記ハウジングの外部に放出された光エネルギーパルスを皮膚処置領域に伝達するための出力窓が設けられ、前記出力窓は、幅と高さを有し、幅は、第1端部と第2端部によって規制され、前記の相対する肩部の間の方向に延在しており、
- 前記出力窓の相対する側で使用者の身体部分を感知するためにハウジング内に配置されているが、前記出力窓の第1と第2の端部を越えて幅方向に延びてない1つ以上のセンサを更に備え、
- 前記制御システムは、前記1つ以上のセンサからセンサ出力を受信し、このセンサ出力に基づいて装置の動作を制御するように整えられている
皮膚処置装置。
【請求項23】
ヘッド部分がハウジングと一体化されている請求項22に記載の皮膚処置装置。
【請求項24】
前記へこみ部分が凹面状である請求項23に記載の皮膚処置装置。
【請求項25】
凹面状のへこみ部分の曲率が、曲率半径によって少なくとも部分的に規定されている請求項24に記載の皮膚処置装置。
【請求項26】
前記曲率半径は、前記出力窓の幅に所定値を加算した数値を有し、前記所定値は40mmである請求項25に記載の皮膚処置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚処置装置に関し、好ましくは、ムダ毛を処置するための皮膚処置装置であって、好ましくは、強力パルス光(IPL)装置を含む皮膚処置装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚処置装置は、例えば、脱毛、皮膚のシミの最小化又は皮膚の若返りなどの美容用途の処置のため、及びにきび又は酒さ様皮膚炎の如き皮膚状態の皮膚科学的処置の分野で知られている。皮膚は、フラッシュランプやレーザーの如き光源から照射される放射線に晒され、放射線は、皮膚に照射され、エネルギー強度やパルス間隔が制御される。脱毛では、放射線源が毛根を加熱することによって毛根を死滅させるような照射が行われる。
【0003】
皮膚処置装置の安全性は最も重要であり、家庭用に設計された装置では特に重要である。そのため、装置が使用者の皮膚に接触していない限り、装置が放射線を放出することがないように安全機能が実装され、作動中の装置からの迷光放射を最小限に抑えている。これは、典型的には、出力窓の両側(例えば、長方形の出力窓の上方、下方及び両側)に隣接して複数のセンサを装置のヘッドに設けることによって達成され、放射線が放射されるための要件として、各センサによって表面が検出されなければならない。一つのセンサが閾値を測定しない場合、装置の制御システムによって皮膚接触がないと判断され、発射が阻止される。これは、皮膚との良好な接触が達成されない場合に、潜在的に有害なレベルの迷走放射線が放出される危険性を伴う装置の発射を防止することである。
【0004】
装置の安全機能が迷走放射線を制限する一方、使用性にも影響がある。広い平坦面を有する身体部位では、使用者は、すべてのセンサが身体に接触するように装置を容易に配置することができ、従って、放射線の放出と処置の容易さが可能になるので、使用性は良好である。しかし、体の角張った部分や骨ばった部位では、すべてのセンサが体に接触し、放射線の放射が妨げられるようにヘッドを方向付けることは一層困難である。そのため、使用者の不満が募り、処置が困難な身体部位を見逃すことになり、処置効果が低下する。従って、使いやすさが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の種々の態様は、これらの問題に対処するか、少なくとも有用な代替手段を提供するものである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
- ハウジングと、
- 光エネルギーパルスを放射ためハウジング内に収容された光源と、
- 光源の放射を制御する制御システムと、
- 光源によって放出された光エネルギーパルスをハウジングの外部に伝達して皮膚処置領域にあてるためにハウジング内のハウジング出力窓と、
- 複数の感知領域を設けるように、前記ハウジング出力窓に隣接してハウジング内に配置された1つ又は複数のセンサであって、前記制御システムが、前記の1つ又は複数のセンサから1つ又は複数のセンサ出力を受信し、この1つ又は複数のセンサ出力に基づいて装置の動作を制御するように配置された、1つ又は複数のセンサと
- 前記ハウジングに解放自在に係合するように配置され、シールド部分とヘッド窓部分とを有するヘッドであって、係合状態では、前記シールド部分が前記出力窓を部分的に遮蔽して皮膚処置領域を減少させ、前記複数の感知ゾーンの1つ以上を露出させたままにするヘッドとを
備えた皮膚処置装置が提供される。
【0007】
従って、本発明は、骨部の如き幾つかの身体部位を処置する際に、如何にして迷光放射を低減するかという問題に対して、費用効果が高く簡単な方法で、なおかつ使いやすさを維持するという簡単で効果的な解決手段を提供するものである。従って、係合状態では、出力窓が遮蔽されるので、皮膚処置領域が減少する。1つ以上の感知領域は、露出したままであり、従って、1つ以上(1つ又は複数)のセンサは、装置の動作を制御するためのセンサ出力を提供するように動作可能である。これにより、ヘッドにセンサや複雑な電子機器を追加する必要がなく、迷光放射を最小限に抑えて装置を安全に作動させることができるシンプルで効果的な装置が提供される。この皮膚処置装置は、ヘッドがハウジングに係合した状態でも、係合していない状態でも、有益に操作可能である。
【0008】
装置の作動を制御することは、フラッシュランプがパルスを放射することができるか否かを決定することと、そのパルスの特性(例えばフルエンス)を決定することのいずれか一方又は両方である。
【0009】
好ましくは、ヘッドは、使用者の身体部分を受け入れるように配置されたへこみ部分を含んでいる。このへこみ部分が皮膚接触面を有することは理解されることと思う。へこみ部分を設けることにより、処置が困難な身体形状を受け入れることができ、迷光を最小限に抑えることができる。この身体形状は、例えば、脛骨上の皮膚の如き骨領域である。
【0010】
へこみ部分は、好ましくは、凹面状であり、好ましくは、相対する肩部の間に配置される。相対する肩部は、好ましくは、ヘッド出力窓の両側に鏡面状に設けられる。相対する肩部は、好ましくは、互いにほぼ平行に延びている。これらの肩部は、好ましくは、出力窓の高さに平行な方向にほぼ直線的に延びている。
【0011】
凹面状のへこみ部分の曲率は、好ましくは、曲率半径によって少なくとも部分的に定められる。この曲率半径は、ヘッドが特に適合している典型的な身体部位の形状を反映している。曲率半径自体は、処置されるべき身体部位に依存しており、異なる身体部位にはサイズパラメータを有する異なるヘッドを利用することができる。一例として、曲率半径は、遮蔽された出力窓の有効幅に所定値を加えた数値によって定められる数値を有しており、この所定値は、20■60mm、更に好ましくは、30■50mm、一層好ましくは、40mmである。この凹面状へこみ部分の全体が曲率半径を有していなくてもよく、曲率半径は、例えば、より直線的であってもよいし、より小さい曲率を有してもよい湾曲部分を有してもよい中間部分を伴って、肩部からヘッド出力窓に向かって延びてもよいことが理解されることと思う。
【0012】
へこみ部分、特に、出力窓の幅に所定値を加えた曲率半径を有するへこみ部分には大きな利点がある。出力窓の幅に対してこのような大きな湾曲部分を設けることにより、迷光が最小化されるが、出力窓の第1と第2の端部を超えて幅方向に延びるセンサを設ける必要がなくなる。
【0013】
ヘッドは、剛性が高いのが有利であり、従って、通常の操作では、ヘッド、特にその肩部分は、使用者の身体部分に適合するように変形することがない。
【0014】
ヘッドの窓部分は、好ましくは、開口部から成っている。従って、この開口部には、物理的な窓はない。
【0015】
ハウジング出力窓は、好ましくは、幅と高さとによって画定されており、幅は、高さよりも大きく、遮蔽部が出力窓を遮蔽して、係合状態(engaged configuration)おける光透過領域の幅を減少している。
【0016】
ヘッド出力窓は、好ましくは、係合状態におけるハウジング出力窓の幅及び高さにそれぞれ整合した幅及び高さによって画定されており、ヘッド出力窓の幅は、ヘッド出力窓の高さよりも小さくなっている。
【0017】
ヘッド出力窓の高さは、好ましくは、ハウジング出力窓の高さよりも大きい。
【0018】
この皮膚処置装置は、好ましくは、複数のセンサを備えている。これらの複数のセンサは、必要とされる特定の機能に応じて、(静電容量式センサの如き)近接センサ及び/又は光学式近接センサから構成することができる。しかし、いずれにしても、センサは、センサに対する表面(皮膚)の近接を決定するのに使用できることが有益である。光学式近接センサが利用される場合、センサ出力(反射率)を肌色(skin tone)の判定に使用し、従って肌色に基づいて光源によるエネルギー出力を制御する能力の如き追加機能を提供することができる。
【0019】
1つ又は複数のセンサは、好ましくは、ハウジング出力窓の直径方向に相対する第1と第2の側でハウジング内に配置された少なくとも第1と第2のセンサから成っており、これらの第1と第2のセンサは、係合状態において露出したままである。
【0020】
第1と第2のセンサは、好ましくは、ハウジング出力窓の上方と下方の第1と第2の側面に配置される。第1と第2のセンサは、好ましくは、これらの第1と第2のセンサの少なくとも一部がへこみ部分の最深部に配置されるように、ヘッドのへこみ部分に配置される。
【0021】
出力窓の形状は、図示の実施形態では、ほぼ長方形である。複数のセンサは、好ましくは、出力窓の周縁の周りでハウジング内に配置されている。
【0022】
複数のセンサは、好ましくは、ハウジング出力窓の直径方向に相対する第3と第4の側面でハウジング内に配置された第3と第4のセンサを含んでいる。
【0023】
制御システムは、好ましくは、ヘッドが係合状態にあるとき、センサの1つ以上を不動作状態(非活性化)とするように構成されている。好ましくは、ヘッドが係合状態にあるとき、第3と第4のセンサが不動作状態とされることが理解されることと思う。
【0024】
シールド部分は、好ましくは、係合状態において、1つ以上のセンサを更に遮蔽する。従って、係合状態では、第3と第4のセンサは、好ましくは、シールド部分によって隠ぺいされる。
【0025】
シールド部分によって遮蔽された1つ以上のセンサは、好ましくは、近接センサ(好ましくは容量性センサ)であり、このシールド部分は、1つ以上の遮蔽された近接センサに隣接して配置される。このシールド部分は、第3と第4のセンサを不動作状態とすることが必須ではないように、係合状態において、近接センサに十分に近接していてもよい。それに代えて、近接センサは、機能的であってもよく、従って表面への近接を指示する信号を制御システムに出力する。この制御システムは、近接センサが表面への所定の近接を指示することに部分的に基づいて、光源がエネルギーパルスを放出できるか否かの如き装置の動作を制御するように設けられていうるのが有利であり、これは、係合状態において、近接センサが制御システムに表面近接の肯定的な決定を出力することを意味する。1つ以上の遮蔽されたセンサは、好ましくは、第3と第4のセンサである。
【0026】
ヘッドは、センサを含んでいないのが好ましい。これは、複雑な電子回路を必要としないので、ヘッドの製造が簡単であることを意味する。また、比較的小型のアタッチメントの堅牢性が向上することを意味する。
【0027】
ヘッドは、ハウジングに磁気的に結合しているのが好ましい。
【0028】
本装置は、好ましくは、ヘッドが係合状態にあるかどうかを判定するための係合センサアレンジメント(仕組み)を備えている。制御システムは、係合センサアレンジメントの出力に基づいて装置の動作パラメータを変更するように動作することができる。この動作パラメータは、a)ヘッドが係合状態にあるときに1つ以上のセンサが不動作状態とされること、b)光エネルギーパルス放出の周波数、c)放出される光エネルギーパルスのエネルギー値、のうちの1つ以上とすることができる。係合センサアレンジメントは、1つ以上のホール効果センサとすることができる。
【0029】
装置は、強力パルス光(intense pulse light)(IPL)装置であるのが好ましい。
【0030】
- 本発明の更に他の態様によれば、:
- ハウジングと、
- 光エネルギーパルスを放出するためにハウジング内に収容された光源と、
- 光源の放出を制御するための制御システムを備えており、
- 前記ハウジングは、相対する肩部の間に画定されて、使用者の身体部分を受容するためのへこみゾーンを含むヘッド部分を有し、前記へこみ領域には、前記光源によって前記ハウジングの外部に放出された光エネルギーパルスを皮膚処置領域に伝達するための出力窓が設けられ、前記出力窓は、幅及び高さを有し、前記幅は、第1と第2の端部によって画定され、前記相対する肩部の間の方向に延びており
- 前記出力窓の相対する側で使用者の身体部分を感知するために前記ハウジング内に配置され、前記出力窓の第1と第2の端部を超えて幅方向に延びることがない1つ又は複数のセンサを更に備えており、
- 前記制御システムは、前記1つ又は複数のセンサからセンサ出力を受信するように配置され、且つ、前記装置のセンサ出力に基づいて装置の動作を制御する
皮膚処置装置が提供される。
【0031】
装置の動作を制御することは、フラッシュランプがパルスを放出することができるか否かを決定することと、そのパルスの特性(例えばフルエンスfluence)を決定することの一方又は両方を含むことができる。
【0032】
ヘッド部分は、ハウジングと一体化されているのが好ましい。これは、ヘッド部分は、好ましくは、ハウジングから取り外し不可能であることを意味する。
【0033】
ヘッド部分の形状は、好ましくは、本発明の第1の態様に関して説明したものと同じである。好ましくは、へこみ部分は、凹面状であり、この凹面状のへこみ部分の曲率は、少なくとも部分的に曲率半径によって規定される。曲率半径は、シリンダがへこみ部分内に配置された状態で、シリンダとへこみ部分の接触面との間に複数の接触点が存在することを必要とすることは、理解されることと思う。
【0034】
この曲率半径は、出力窓の幅に所定値を加えた数値とすることができ、この所定値は40mmとすることができる。従って、例示的な実施形態では、出力窓の幅は10mmとし、曲率半径は50mmとすることができる。
【0035】
1つ以上のセンサは、好ましくは、出力窓に隣接して配置される。好ましくは、第1と第2のセンサがハウジング内に配置される。この第1と第2のセンサは、好ましくは、出力窓の相対する側に整列される。好ましくは、第1と第2のセンサは、へこみ部分の最下部に設けられる。へこみ部分は、使用者接触面を構成することは、理解されることと思う。
【0036】
ヘッドは、剛性を有することが好ましい。これは、通常の操作においては、ヘッドがたわまないことを意味する。
【0037】
次に、本発明の態様を、添付の図を参照して例示的にのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1a】ヘッドが配置されていない状態の本発明の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【
図1b】ヘッドが配置されていない状態の本発明の例示的な実施形態の概略部分水平断面図である。
【
図1c】ヘッドが配置されていない状態の本発明の例示的な実施形態の概略垂直断面図である。
【
図2a】ヘッド100がハウジング50の前端に固定されている透視図で示された本発明の例示的な実施形態の概略図である。
【
図2b】ヘッド100がハウジング50の前端に固定されている平面図で示された本発明の例示的な実施形態の概略図である。
【
図2c】ヘッド100がハウジング50の前端に固定されている側面図で示された本発明の例示的な実施形態の概略図である。
【
図3】ヘッドの例示的な湾曲を示す本発明の例示的な実施形態の概略図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態によるヘッドの後方図である。
【
図5a】本発明の例示的な実施形態の概略的な上方透視図である。
【
図5b】本発明の例示的な実施形態の概略的な正面図である。
【
図5c】本発明の例示的な実施形態の概略的な平面図である。
【
図5d】本発明の例示的な実施形態の概略的な下方透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1a乃至1cを参照すると、皮膚の障害やコンディションを処置するのに使用することができ、更に有益には、脱毛の如き美容目的に好適な皮膚処置装置が提示されている。この装置は、ハウジング(50)と、このハウジングに収容された放電ランプ又はフラッシュランプの如き光源(22)とを備えている。フラッシュランプは、高強度の光放射パルスを発生するように配置されている。ハウジング(50)は、ハンドル(52)を有しており、従って、ハウジング(50)は、これを操作して使用者に適切に位置せしめることができ、特に、装置を手保持したり、比較的小さく、携帯したりするのに適している。ハウジング(50)は、使用時に、使用者の皮膚に隣接して又は好ましくは皮膚上に位置するように、ヘッドを設けることなく、配置された皮膚接触エレメント(54)を含む。この皮膚接触エレメント(54)は、高強度の光放射パルスの通過を可能にする光出力窓又は透過窓(56)を含んでおり、この出力窓又は透過窓は、通常、幅30mm、高さ10mmの大きさであり、この光出力窓又は透過窓(56)と発光エレメント(22)との間には光ガイド(55)がある。光出力開口/透過/出力窓(56)の断面領域は、処置領域であるのが効果的である。光パイプと称することもできる光ガイド(55)を設けると、光出力開口/透過/出力窓(56)から光を指向させることである。リフレクタ(図示せず)は、光出力開口/透過窓(56)を通る光の反射を助けるために、光ガイド(55)の壁の少なくとも一部に形成するように含せることが好ましい。それに応じて、発光エレメント(22)は、光出力開口/透過窓(56)に対してくぼんでいる。光ガイド(55)を設けると、装置から皮膚に出る光の発散を減少させることにより安全性を向上させる効果がある。
【0040】
皮膚接触エレメント(54)は、関連する感知ゾーンを提供するために、以下に更に説明するが、第1、第2、第3、第4のセンサ(58a、58b、58c、58d)を更に含んでいる。例えば、押しボタンの形態のアクチュエータ(62)は、フラッシュランプ(22)から光放射のパルスを放射させるように、使用者がコンデンサ(20)の如き電荷蓄積器からのエネルギーを放出せしめるために設けられている。
【0041】
図1bを参照すると、ハンドル(52)と光出力開口部(56)とセンサ(58c、58d)を示すハウジング(50)の横断面が再び示されている。更に、主印刷基板上の制御回路(28)を冷却するためのファン(66)が示されている。
図1bは、ハウジング(50)内に固定されたランプ(22)を示している。ランプ(22)から皮膚への紫外線の透過をフィルタリングするためのフィルタ(68)が設けられている。ランプ(22)によって生成された処置用光パルスは、フィルタを通過し、光出力窓(56)を通って使用者の皮膚に照射される。
【0042】
特に
図1cを参照すると、
図1bで見て実質的に垂直な軸線でなされた断面図が示されている。
図1cには、充電器回路(26)、印刷回路板に実装された制御回路(28)、ランプ(22)、フィルタ(68)及び光出力窓(56)が示されている。更に、光放射パルスを反射するための反射器(70)が示されており、ハウジング(50)のハンドル部分(52)内には、コンデンサ(20)から成るエネルギー蓄積装置が収容されている。ハンドルは、主電源入力用の開口部(72)を形成している。
【0043】
本装置は、使用者がアクチュエータ(62)に入力を付与し、その後、すべてのセンサ(58)から閾値応答が受信されたか否かの判定が行われ、各センサが閾値応答を有するとすると、コンデンサ(20)がフラッシュランプ(22)に放電することによって効果的に機能する。
【0044】
センサは、それが利用される装置に応じて異なる形態をとることができる。例えば、センサは、単純に、感知ゾーンを各々有する容量性近接/接触センサの形態の複数の近接センサから成っていてもよく、制御システムは、使用者の皮膚との接触を示す各感知ゾーンから所定の静電容量が測定される必要がある。閾値が測定されると、制御システムは、フラッシュランプを発光して光エネルギーパルスを放出することができる。しかし、1つ以上の他の又は追加の皮膚パラメータを感知することもできる。例えば、1つ又は複数のセンサは、しばしば肌色センサと称される光学センサ、又は時にはまた近接センサから成っていてもよく、静電容量式センサの如き1つ又は複数の他のセンサタイプの代替として、又はこれらと並行して使用することができる。提示された実施形態では、3つの静電容量式近接センサと1つの光学式近接センサ(又は「肌色センサ」(58a))がある。肌色センサは、センサ窓を通して処置されるべき皮膚上に感知放射線を送信するように配置された送信機を含んでいる。センサ(58a)は、更に、皮膚表面から反射された放射線を受信するように配置されたフォトダイオードの如き受信機を含んでいる。受信された放射線の強度は、皮膚の色調を表していることが分かっており、例えば、明るい肌色は暗い肌色よりも多く反射する。受信された放射線の強度は、制御回路(28)に設けられたプロセッサを用いて制御回路によって処理され、感知された肌色を決定する強度校正セットを有する強度であり、この強度は、制御回路のメモリに記憶される。その後、皮膚に出力される処置用光パルスエネルギーは、制御することができ、従って、感知された肌色に依存するので、処置されるべき特定の肌色に対して最適化された処置が保証される。
【0045】
出力窓(56)に隣接して複数の感知ゾーンを有する単一のセンサを利用することができることは理解されることと思う。単一のセンサは、例えば、出力窓(56)の上、下、及び出力窓(56)の両側に感知ゾーンを有して、出力窓(56)の全体の周りに延びていることができる。しかし、出力窓(56)に隣接して複数のセンサを設けることが好ましい。
【0046】
上記したように、例示的な実施形態では、複数の個々のセンサが出力窓(56)の周囲に配置されている。典型的には、4つあり、第1のセンサ(58a)は、上方に配置され、第2のセンサ(58b)は、下方に配置され、第3のセンサ(58c)と第4のセンサ(58d)は、出力窓(56)の相対する側部に配置され、4つの個別の感知ゾーンを形成している。他の実施形態では、センサの数が異なっており、例えば、単一のセンサが複数の感知ゾーンを有していてもよいことが理解されることと思う。
【0047】
次に、
図2を参照すると、本発明の装置の透視図、平面図及び側面図のそれぞれにおける概略的な例示的な実施形態が示されており、この実施形態では、ハウジング(50)の前端に、ヘッド(100)が固定されている。ヘッド(100)は、ハウジング(50)の前端部を受け、
図4に最もよく示されるように、1つ以上の磁石を介してハウジングに対して固定することができる。
【0048】
ヘッド(100)は、窓部分(102)とシールド部分(104)とを備えている。窓部分(102)を通して、出力窓(56)及び第1と第2のセンサ(58a,58b)は露出したままであり、一方、第3と第4のセンサ(58c,58d)は遮蔽されている。ハウジング(50)の出力窓(56)の有効幅は、縮小され、図示されている場合では、幅が30mmから10mmに縮小されている。高さは、同じままであるので、第1と第2のセンサ(58a、58b)は、露出したままである。
【0049】
ヘッド(100)は、相対する肩部(108)の間に形成されたへこみ部分(106)を更に備え、このへこみ部分の形状は、凹面状である。この形状は、(脛、腕、指の如き)小さく及び/又は高度に湾曲した使用者の身体部分を効果的に受け入れる。この凹面状のへこみ部分(106)の曲率は、
図3に模式的に示すように曲率半径によって定められ、此処では、幅10mmのヘッド出力窓(102)を有する半径50mmのシリンダが示されている。この曲率は、半径50mmのシリンダ(110)が、少なくとも肩部(108)から窓部(102)に向けて延びる部分において、ヘッドの半径の曲率に着座するようになっている。ヘッド出力窓の幅を20mmに拡大した場合、凹面状へこみ部分の曲率半径は、60mmとなる。この定めは、ヘッド出力窓から漏れる迷走放射線を最小限に抑えるためになされる。
【0050】
相対する肩部(108)は、へこみ部分(106)の相対する側で鏡面加工され、ほぼ長手方向に延び、出力窓(56)の高さに平行にほぼ延びている。装置が作動するためには、第1と第2のセンサ(58a、58b)が使用者の皮膚への近接を示す入力信号を受信しなければならず、へこみ部分(106)とともに迷光が最小化されることは、理解されることと思う。
【0051】
ヘッド(100)がハウジング(50)に係合するとき、制御システムが第3と第4のセンサ(58c、58d)の作動を停止させることは、任意的な特徴である。このためには、制御システムは、ヘッド(100)が係合していることを示す入力を受け取らなければならない。
図4を参照すると、ヘッド(100)の後方部分が示されている。ヘッド(100)には、ハウジング(50)との磁気結合を可能にするための一対の磁石(110)がある。ハウジング(50)は、通常の使用中にヘッドが外れないように十分に確実に結合を確保するために、磁石(110)と適切に位置合わせされた対応する金属エレメントを含んでいるとよい。更に、磁石からの磁界を介して係合状態におけるヘッド(100)の存在を検出することができる1つ以上のホール効果センサ(図示せず)の如き係合センサアレンジメントが設けられる。このホール効果センサ(単数又は複数)は、ヘッド(100)との係合を示す出力を制御システムに供給し、センサ(58c、58d)を不動作状態にする(非活性化させる)ことができ、それによって、センサ(58a、58b)からの閾値信号のみが光エネルギー線量を放出させる必要がある。
【0052】
係合センサアレンジメントは、係合している特定のヘッドを識別する更なる機能を有することができる。例えば、半径の曲率が異なる場合に、異なる使用者接触表面状態をそれぞれ有する異なる身体部位の処置のために、複数のヘッドサイズが用意されてもよい。係合センサアレンジメントは、どのヘッドが係合しているかを(例えば、複数のホール効果センサ及び各ヘッドサイズ毎に異なる磁石構成を介して)決定し、従って、情報に基づいて出力パラメータを適宜制御するように設けられる。
【0053】
本発明の実施形態では、単一のセンサを設けてもよいが、この単一のセンサは、典型的には、出力窓(56)の全周囲に延びていることは必須ではないが、この場合、ヘッド(100)が係合した状態では、特定の感知ゾーンのみが露出したままになる。例えば、出力窓の上下の感知ゾーンは、露出したままであり、出力窓の両側の感知ゾーンは、遮蔽されたままであってもよい。この実施形態では、ヘッドが装着された状態で、センサ出力の閾値レベルは、出力窓の両側の感知ゾーンが遮蔽されているため皮膚の近接を判定できないという事実を補償するために、より低い値に変更してもよい。これは、係合センサアレンジメントからの出力によってヘッドが係合位置にあると制御システムが判断することによって自動化することができる。
【0054】
図4には、更に、リフレクターシールド(112)が設けられているのが示されている。これらのリフレクターシールド(112)は、ヘッド(100)のシールド部分(104)を提供しており、従って、ハウジングの皮膚透過窓を減少させ、それに応じて皮膚処置領域を減少させる。これらのシールド(112)は、ヘッド(100)が多量のエネルギーを吸収したり過度に加熱することがないように、反射性でかつ断熱性である。
【0055】
係合センサアレンジメントを設けると、更なる有益な用途を有することができる。例えば、係合センサアレンジメントからの出力は、制御システムに装置の動作パラメータを修正させることができ、動作パラメータは、光源からのパルス放射率、各パルスからのエネルギー出力、及び/又は、上述のように1つ以上のセンサの動作状態とすることができる。パルス放射率は、ヘッドが過熱する可能性を低減するように変更することができるので、制御システムは、ヘッド(100)が係合状態にあるときに放射率を自動的に低減することができる。更に、光源からのエネルギー出力は、ヘッド(100)が所定位置になかったかのように、フルエンス(単位面積当たりのエネルギー)を皮膚上で維持するように変更することができる。
【0056】
次に、
図5を参照すると、同図は、本発明の第2の態様による実施形態の概略透視図であり、ハウジング(50)は、一体化されたヘッド部分を含み、このヘッド部分は、使用者の身体部分を受容するためのへこみ部分ゾーンを有する上記の第1の実施形態と同じへこみ部分(106)を有する。
図5aは、本発明のこのような例示的な実施形態の概略上方透視図であり、
図5bは、その正面図であり、
図5cは、その平面図であり、
図5dは、その下方透視図である。
【0057】
この実施形態では、ヘッド部(110)は、着脱可能ではなく、光出力窓(56)の領域、従って処置領域は、変更されないままである。第1の実施形態に類似する構成エレメントには同じ参照符号が付されている。装置の機能は、
図1に関して説明した第1の実施形態と同じであり、相違点は、ヘッド部分(110)である。
【0058】
ヘッド部分(110)は、相対する肩部(108)の間に形成されたへこみ部分(106)を含んでおり、このへこみ部分の形状は、凹面状である。この形状は、リムの形態の皮膚接触部(109)を構成する。従って、このへこみ部分(106)は、(脛、腕、指の如き)小さく及び/又は高度に湾曲した使用者の身体部分を効果的に受け入れる。凹面状のへこみ部分(106)の皮膚接触部分(109)の曲率は、少なくとも部分的に曲率半径によって規定され、これは、
図3に示すのと同様に明示することができる。
図5の例示的な実施形態では、出力窓(56)は、30mmの幅を有し、従って、半径又は曲率は、有益には。70mmである。図に明確に示されているように、曲率半径は、相対する肩部(108)間の全寸法にわたっては延びていないことは、理解されることと思う。その代わりに、この曲率半径は、肩部(108)から皮膚接触部(109)の中間位置(112)に向かって内側に延び、中間位置(112)に向かって曲率率が減少する。
【0059】
相対する肩部(108)は、へこみ部分(106)の相対する側で鏡面加工され、ほぼ長手方向に延び、ほぼ出力窓(56)の高さに平行に延びている。装置が動作するためには、第1と第2のセンサ(58a、58b)は、使用者の皮膚への近接を示す入力信号を受信する必要があり、へこみ部分(106)とともに迷光が最小化されることが理解されることと思う。第1と第2のセンサ(58a、58b)は、出力窓(56)の相対する側の皮膚接触部(109)の中間位置(112)に設けられている。これらのセンサは、出力窓(56)の第1と第2の端部を越えて幅方向に延びることはない。実際には、出力窓(56)は、肩部(108)に隣接して延びている。
【0060】
図5に示されるような装置の機能性は、ヘッド部分の形状及び身体の湾曲部に対するセンサの位置決めにより著しく向上し、一方、迷光エネルギーの放出を最小限に抑えることにより安全性が確保される。ヘッド部分のへこみゾーンにより、出力窓の両側にセンサを設ける必要はなく、このようなセンサを設けないことにより、出力窓の上下のセンサが、装置がエネルギーパルスを放射するために皮膚の存在を判定するだけでよいので、使い勝手が向上するが、湾曲により迷光が最小限に抑えられるので、安全性は損なわれることがない。更に、必要なセンサや感知ゾーンが少なくなるので、装置の複雑さが軽減される。
【0061】
本発明の態様は、例示としてのみ説明されており、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって与えられる保護範囲から逸脱することなく、修正及び変形がなされ得ることが理解されることと思う。
【国際調査報告】