(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】パワーバンクを介した充電式デバイスの充電効率の統合的監視
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549950
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021065139
(87)【国際公開番号】W WO2022191896
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、トドロフ、ブーリルコフ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、コロナド、ホルタル
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ、ホセ、レストレポ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ロトンド
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA10
5G503CB09
5G503DB01
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
充電式デバイスを充電するためのポータブルパワーバンクが記載され、パワーバンクが充電式デバイスを充電している間、動的な充電効率が監視される。特に、パワーバンクのバッテリの瞬時電力出力を、充電式デバイスのバッテリが受け取る電力と比較して、効率を判定する。パワーバンクによる充電式デバイスの充電は、任意の所与の時点での充電効率に基づいて中断及び/又は再開され、それによって、パワーバンクの非効率的な使用を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーバンクデバイスであって、
バッテリであって、前記パワーバンクデバイスの外部の充電式デバイスのバッテリに、前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の電気的接続を介して電荷を供給するためのバッテリと、
前記充電式デバイス及びリモートサーバと通信信号を交換するように構成された1つ以上の送受信機と、
1つ以上のプロセッサと、
非一時的メモリであって、前記1つ以上のプロセッサを介して実行されるときに、前記パワーバンクデバイスに、
前記充電式デバイスバッテリに電荷を供給しながら、前記パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を判定することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記充電式デバイスから通信信号を取得することであって、前記取得された信号が、前記充電式デバイスバッテリで受信された電力量を示す、取得することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバに、(i)前記充電式デバイスバッテリで受信された前記電力量、及び(ii)前記パワーバンクバッテリの前記瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバから、前記リモートサーバが、動的な充電効率が閾値以下であると判定することに応答して、中断信号を受信することであって、前記動的な充電効率が、前記充電ステータス信号に基づいて判定される、受信することと、
前記中断信号を受信することに応答して、前記充電式デバイスバッテリへの前記電荷の供給を中断することと、を行わせるコンピュータ可読命令を記憶する、非一時的メモリと、を備える、パワーバンクデバイス。
【請求項2】
前記充電式デバイスから前記通信信号を取得するために、前記命令が、実行されるときに、前記パワーバンクデバイスに、
前記充電式デバイスに前記電荷を供給するために使用される前記1つ以上の送受信機のうちの送受信機を介して、前記通信信号を取得させる、請求項1に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項3】
前記リモートサーバから前記中断信号を受信するために、前記命令が、実行されるときに、前記パワーバンクデバイスに、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバから、前記リモートサーバが、前記電荷の供給を中断するためのユーザインタラクションの指標を受信することに応答して、前記中断信号を受信させる、請求項1又は2に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項4】
前記ユーザインタラクションの前記指標が、前記充電式デバイスによって生成される、請求項3に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項5】
前記パワーバンクデバイスが、1つ以上のパーソナル電子デバイスを含むユーザプロファイルと関連付けられており、
前記ユーザインタラクションの前記指標が、前記1つ以上のパーソナル電子デバイスのうちのパーソナル電子デバイスによって生成される、請求項3に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項6】
前記パワーバンクバッテリの前記瞬時電力出力を判定するために、前記命令が、実行されるときに、前記パワーバンクデバイスに、
(i)前記パワーバンクバッテリの動的な電圧、及び(ii)前記パワーバンクバッテリからの動的な流出電流、のうちの少なくとも1つを測定させる、請求項1~5のいずれか一項に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項7】
充電式デバイスバッテリで受信された前記電力を示す前記取得された信号が、(i)前記充電式デバイスバッテリの電圧に対応する値、及び(ii)前記充電式デバイスバッテリへの流入電流量に対応する値、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項8】
前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の前記電気的接続が、前記パワーバンクデバイスと前記充電式デバイスとの間の有線の電気的接続を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項9】
前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の前記電気的接続が、前記パワーバンクデバイスと前記充電式デバイスとの間のワイヤレスの電気的接続を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のパワーバンクデバイス。
【請求項10】
コンピュータ実装方法であって、
電気的接続を介して充電式デバイスのバッテリに電荷を供給しながら、パワーバンクデバイスの1つ以上のプロセッサによって、前記パワーバンクデバイスのバッテリの瞬時電力出力を判定することと、
1つ以上の送受信機を介して、前記充電式デバイスから通信信号を取得することであって、前記取得された信号が、前記充電式デバイスバッテリで受信された電力量を示す、取得することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、リモートサーバに、(i)前記充電式デバイスバッテリで受信された前記電力量、及び(ii)前記パワーバンクバッテリの前記瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバから、前記リモートサーバが、動的な充電効率が閾値以下であると判定することに応答して、中断信号を受信することであって、前記動的な充電効率が、前記充電ステータス信号に基づいて判定される、受信することと、
前記中断信号を受信することに応答して、前記充電式デバイスバッテリへの前記電荷の供給を中断することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記充電式デバイスから前記通信信号を取得することが、
前記充電式デバイスに前記電荷を供給するために使用される前記1つ以上の送受信機のうちの送受信機を介して、前記通信信号を取得することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リモートサーバから前記中断信号を受信することが、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバから、前記リモートサーバが、前記電荷の供給を中断するためのユーザインタラクションの指標を受信することに応答して、前記中断信号を受信することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザインタラクションの前記指標が、前記充電式デバイスによって生成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パワーバンクデバイスが、1つ以上のパーソナル電子デバイスを含むユーザプロファイルと関連付けられており、
前記ユーザインタラクションの前記指標が、前記1つ以上のパーソナル電子デバイスのうちのパーソナル電子デバイスによって生成される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記パワーバンクバッテリの前記瞬時電力出力を判定することが、
(i)前記パワーバンクバッテリの動的な電圧、及び(ii)前記パワーバンクバッテリからの動的な流出電流、のうちの少なくとも1つを測定することを含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
充電式デバイスバッテリで受信された前記電力を示す前記取得された信号が、(i)前記充電式デバイスバッテリの電圧に対応する値、及び(ii)前記充電式デバイスバッテリへの流入電流量に対応する値、のうちの少なくとも1つを含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の前記電気的接続が、前記パワーバンクデバイスと前記充電式デバイスとの間の有線の電気的接続を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の前記電気的接続が、前記パワーバンクデバイスと前記充電式デバイスとの間のワイヤレスの電気的接続を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
充電式デバイスであって、
前記充電式デバイスのための電源として作用するように構成された内部バッテリであって、前記充電式デバイスの前記内部バッテリが、前記パワーバンクバッテリと前記充電式デバイスバッテリとの間の電気的接続を介して、前記充電式デバイスの外部のポータブルパワーバンクデバイスのバッテリから電荷を受け取るように構成されている、内部バッテリと、
前記ポータブルパワーバンクデバイス及びリモートサーバと通信信号を交換するように構成された1つ以上の送受信機と、
1つ以上のプロセッサと、
非一時的メモリであって、前記1つ以上のプロセッサを介して実行されるときに、前記充電式デバイスに、
前記充電式デバイスバッテリが前記パワーバンクバッテリから電荷を受け取りながら、前記1つ以上の送受信機を介して、前記ポータブルパワーバンクデバイスから通信信号を取得することであって、前記取得された信号が、前記パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を示す、取得することと、
前記パワーバンクバッテリから前記充電式デバイスバッテリで受信された電力量を判定することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバに、(i)前記充電式デバイスバッテリで受信された前記電力量、及び(ii)前記パワーバンクバッテリの前記瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信することと、
前記1つ以上の送受信機を介して、前記リモートサーバから、前記リモートサーバが、動的な充電効率が閾値以下であると判定することに応答して、中断信号を受信することであって、前記動的な充電効率が、前記充電ステータス信号に基づいて判定される、受信することと、
前記中断信号を受信することに応答して、前記充電式デバイスバッテリへの前記電荷の供給を中断することと、を行わせるコンピュータ可読命令を記憶する、非一時的メモリと、を備える、充電式デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、パワーバンクによる充電式デバイスの充電中に瞬時充電効率を判定し、より具体的には、低充電効率に応答して充電を中断する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーバンクは、主に、1つ以上の充電式デバイスに電気的に接続可能である充電式バッテリを含む、ポータブル電子デバイスである。パワーバンクは、電気的接続を使用して、充電式デバイスのそれぞれのバッテリに電荷を供給する。スマートフォンのユーザは、例えば、スマートフォンのバッテリ充電レベルが低いときに、ユーザが、(例えば、USB又はワイヤレス充電手段によって)スマートフォンをパワーバンクに接続することができるように、パワーバンクを携帯し得る。パワーバンクがスマートフォンのバッテリを部分的に又は完全に再充電すると、ユーザは、ユーザのスマートフォンのバッテリを枯渇させることをあまり心配せずに、スマートフォンを使用し続けることができる。
【0003】
パワーバンクバッテリの容量は、典型的には、電荷の単位(例えば、ミリアンペア時間(mAh))又はエネルギーの単位(例えば、ワット時(Wh))のいずれかで表される。例として、パワーバンクは、12000mAhの規定容量を有し得、このパワーバンクは、3000mAhのバッテリ容量を有するスマートフォンを充電するために使用され得る。容量に単純な数学を適用すると、スマートフォンのユーザは、全容量から始動するパワーバンクが、パワーバンクが枯渇し、かつ再充電されなければならなくなる前に、スマートフォンに4回の完全な再充電(又は場合によっては、8回の半充電)を提供することができると仮定し得る。
【0004】
しかしながら、パワーバンクバッテリは、経時的に、パワーバンクバッテリの容量の少なくとも一部を失うことが理解される。したがって、例示的なパワーバンクバッテリの実容量は、12000mAhの規定容量を実質的に下回り(例えば、11000mAh、10000mAh、及び/又は9000mAhなどよりも低くあり)得る。更に、パワーバンクバッテリから充電式デバイスバッテリへの充電の移送は、100%効率ではない。すなわち、少なくともいくらかのエネルギー損失(又は「効率損失」)が、充電中にパワーバンクバッテリとモバイルコンピューティングデバイスバッテリとの間で確実に発生する。効率損失は、経時的に常に一定とは限らず、かつ多くの場合、パワーバンクとモバイルコンピューティングデバイスとの間の同じ充電セッション中でも一定ではない、多くの要因によって引き起こされる。
【0005】
簡単に言えば、パワーバンクを介した充電式デバイスの充電中の効率損失の結果として、充電式デバイスバッテリによって取得されるよりも多くの充電がパワーバンクバッテリによって消耗される。したがって、完全な充電時のパワーバンクは、パワーバンクのユーザが想定するであろうよりも実質的に小さい「現実の」充電能力を有し得る。パワーバンクユーザは、ユーザが期待するよりも実質的に少ない充電を充電式デバイスバッテリに提供した後、ユーザのパワーバンクがバッテリ充電を使い果たしたときに失望し得る。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態は、ポータブルパワーバンクデバイス(「パワーバンク」)を含む。パワーバンクは、パワーバンクの外部の充電式デバイスのバッテリに電荷を供給するためのバッテリ(「パワーバンクバッテリ」)を含む。特に、パワーバンクバッテリは、パワーバンクバッテリと充電式デバイスのバッテリ(「充電式デバイスバッテリ」)との間の電気接続を介して電荷を供給する。パワーバンクは、充電式デバイス及びリモートサーバと通信信号を交換するための1つ以上の送受信機を更に含む。パワーバンクは、1つ以上のプロセッサ及び非一時的メモリをなお更に含む。このメモリは、1つ以上のプロセッサを介して実行されるときに、パワーバンクデバイスに、(1)充電式デバイスバッテリに電荷を供給しながら、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を判定することと、(2)1つ以上の送受信機を介して、充電式デバイスから通信信号を取得することであって、取得された信号が、充電式デバイスバッテリで受信された電力量を示す、取得することと、(3)1つ以上の送受信機を介して、リモートサーバに、(i)充電式デバイスバッテリで受信された電力量、及び(ii)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信することと、(4)1つ以上の送受信機を介して、リモートサーバから、リモートサーバが、動的な充電効率が閾値以下であると判定することに応答して、中断信号を受信することであって、動的な充電効率が、充電ステータス信号に基づいて判定される、受信することと、(5)中断信号を受信することに応答して、充電式デバイスバッテリへの電荷の供給を中断することと、を行わせるコンピュータ可読命令を記憶する。
【0007】
別の実施形態は、充電式デバイスを含む。充電式デバイスは、充電式デバイスの電源として作用するように構成された内部バッテリを含む。充電式デバイスの内部バッテリはまた、充電式デバイスの外部のポータブルパワーバンクデバイスのバッテリから電荷を受け取るように構成されている。特に、充電式デバイスバッテリは、パワーバンクバッテリと充電式デバイスバッテリとの間の電気的接続を介して電荷を受け取る。充電式デバイスは、パワーバンク及びリモートサーバと通信信号を交換するための1つ以上の送受信機を更に含む。充電式デバイスは、1つ以上のプロセッサ及びコンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読メモリをなお更に含む。この命令は、1つ以上のプロセッサを介して実行されるときに、充電式デバイスに、(1)充電式デバイスバッテリがパワーバンクバッテリから電荷を受け取りながら、1つ以上の送受信機を介して、ポータブルパワーバンクデバイスから通信信号を取得することであって、取得された信号が、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を示す、取得することと、(2)パワーバンクバッテリから充電式デバイスバッテリで受信された電力量を判定することと、(3)1つ以上の送受信機を介して、リモートサーバに、(i)充電式デバイスバッテリで受信された電力量、及び(ii)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信することと、(4)1つ以上の送受信機を介して、リモートサーバから、リモートサーバが、動的な充電効率が閾値以下であると判定することに応答して、中断信号を受信することであって、動的な充電効率が、充電ステータス信号に基づいて判定される、受信することと、(5)中断信号を受信することに応答して、充電式デバイスバッテリへの電荷の供給を中断することと、を行わせる。
【0008】
本開示の教示によれば、装置又は方法の前述の態様のうちのいずれか1つ以上は、以下の任意選択の形態のうちのいずれか1つ以上を更に含んでもよい。
【0009】
任意選択の形態では、動的な充電効率の指標は、パーソナル電子デバイスで表示される。パワーバンクデバイスは、動的な充電効率の指標を表示するパーソナル電子デバイスを含む、1つ以上のパーソナル電子デバイスを含むユーザプロファイルと関連付けられている。いくつかの実施形態では、パーソナル電子デバイスは、充電式デバイスである。グラフィカルユーザインターフェースが、例えば、パーソナル電子デバイスのユーザに、電荷の供給を中断及び/又は再開させるかどうかのオプションを提供してもよい。電荷の供給の中断は、部分的に、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザインタラクションに基づいてもよく、又は1つ以上の所定の条件(例えば、効率閾値)に基づいて自動的にトリガされてもよい。充電の供給が既に中断されている場合、グラフィカルユーザインターフェースは、充電の供給を再開させるオプションを提供してもよい。
【0010】
別の任意選択の形態では、電荷の供給は、電荷の供給の中断に続くある時点で再開される。例えば、充電の供給は、充電式デバイスのバッテリ充電レベルが減少し、充電効率が閾値を上回って再び増加した後に再開してもよい。
【0011】
なお他の任意選択の形態では、様々な技法を使用して、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力及び/又は充電式デバイスバッテリが受け取る電力を計算する。特に、様々な技法を使用して、パワーバンクバッテリ及び/又は充電式デバイスバッテリの電圧値、電流値、及び/又は電力値を判定する。追加的に、様々な技法を使用して、パワーバンク、充電式デバイス、及び/又はリモートサーバに判定された値を通信する。
【0012】
また他の任意選択の形態では、通信手段及び充電手段の様々な組み合わせが、充電式デバイス及びパワーバンクによって使用される。通信手段は、有線通信手段及び/又は無線通信手段(例えば、USBデータ通信、無線高周波(RF)通信など)を含んでもよい。充電手段は、パワーバンクをモバイルコンピューティングデバイスに電気的に接続するための様々な有線構造及び/又はワイヤレス構造(例えば、USB充電、ライトニング充電、Qi規格又はAirFuel規格を使用するワイヤレス充電手段など)を含んでもよい。
【0013】
実施形態は、本明細書に記載される装置の動作を含む方法、及び/又は、プロセッサに本明細書に記載される装置を介して方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を更に含んでもよい。
【0014】
例示によって示され、記載されている好ましい実施形態の以下の説明から、当業者には利点がより明らかになるであろう。理解されるように、本実施形態は、他の及び異なる実施形態が可能であり得、それらの詳細は、様々な点での修正が可能である。したがって、図面及び明細書は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下に記載される図は、本明細書に開示されたシステム及び方法の様々な態様を描示している。各図は、開示されたシステム及び方法の特定の態様を描示しており、図の各々は、その可能な態様と一致することが意図されている。更に、可能な限り、以下の説明は、以下の図に含まれる参照番号を参照し、複数の図に描示された特徴は、一貫した参照番号で呼称されている。
【0016】
現在考察されている図配置に示されているが、本実施形態は、示された配置及び手段そのものに限定されない。
【0017】
【
図1A】本開示の一態様による、パワーバンク及びモバイルコンピューティングデバイスを含む例示的なコンピューティング環境を例示するものである。
【
図1B】本開示の一態様による、パワーバンク、充電式デバイス、パーソナル電子デバイス、及びリモートサーバを含む、例示的なコンピューティング環境を例示するものである。
【
図2】本開示の一態様による、
図1A及び1Bのパワーバンク並びに充電式デバイス及び/又はモバイルコンピューティングデバイスの例示的な構成要素を例示するものである。
【
図3】本開示の一態様による、パワーバンクを介して充電式デバイスを充電している間に観測される電圧と関連付けられた例示的なチャートを例示するものである。
【
図4】本開示の一態様に従って、パワーバンクを介して充電式デバイスを充電している間に観測される電圧及び電流と関連付けられた別のチャートを例示するものである。
【
図5】本開示の一態様による、パワーバンクを介して充電式デバイスを充電している間に観測される電力及び効率と関連付けられたまた別の例示的なチャートを例示するものである。
【
図6A-6C】本開示の一態様による、パーソナル電子デバイスの例示的なグラフィカルユーザインターフェースを例示するものである。
【
図7】本開示の一態様による、例示的なフロー図を例示するものである。
【
図8】本開示の一態様による、パワーバンクと関連付けられた例示的な方法を例示するものである。
【
図9】本開示の一態様による、リモートサーバと関連付けられた例示的な方法を例示するものである。
【0018】
図は、例示のみを目的とした好ましい実施形態を描示している。本明細書に例示されたシステム及び方法の代替実施形態を、本明細書に記載される本発明の原理から逸脱することなく採用してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の本文は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載するが、本明細書の法的な範囲は、本特許及び均等物の、末尾に記載される特許請求の範囲の文言によって定義されることを理解されたい。詳細な説明は、単に例示的なものとして解釈されるものであり、あらゆる可能な実施形態について記載することは非実用的であろうことから、あらゆる可能な実施形態について記載してはいない。多数の代替的な実施形態が、現在の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して実装されてもよく、これらは、依然として特許請求の範囲の範囲内に収まるであろう。
【0020】
本開示の実施形態は、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)又は充電式リチウム若しくはアルカリバッテリなどの、ポータブルパワーバンクデバイス(「パワーバンク」)及び充電式デバイスを含む。パワーバンク及び充電式デバイスの各々は、それぞれの内部バッテリ(それぞれ「パワーバンクバッテリ」及び「充電式デバイスバッテリ」)を含む。パワーバンクは、パワーバンクのバッテリを使用して、パワーバンクと充電式デバイスとの間の電気的接続を介して、充電式デバイスバッテリに電荷を供給するように構成されている。電気的接続は、例えば、USB-C接続、マイクロUSB接続、ライトニング充電接続、Qi規格ワイヤレス接続、AirFuelワイヤレス接続など、及び/又は充電式デバイスをパワーバンクに電気的に接続するための別の有線構造又はワイヤレス構造を含み得る。
【0021】
本開示の実施形態は、パワーバンクバッテリが充電式デバイスバッテリに充電を供給している間に、動的な充電効率を判定する(「充電式デバイスを充電する」)ことを含む。特に、本開示の実施形態は、(1)パワーバンクバッテリからの瞬時電力出力を判定することと、(2)充電式デバイスバッテリが受け取る瞬時電力量(「電力入力」)を判定することと、を含む。瞬時電力出力と電力入力とを比較して、パワーバンクバッテリと充電式デバイスバッテリとの間の動的な充電効率を判定する。本明細書に記載される実施形態では、動的な充電効率は、パワーバンクと充電式デバイスとの間の充電セッションの過程で監視される(例えば、パワーバンク及び/又はリモートサーバによって繰り返し計算される)。
【0022】
本開示の様々な実施形態では、瞬時電力出力、瞬時電力入力、及び動的な充電効率を判定するための計算が、パワーバンクによって、かつ/又はリモートサーバによって実行される。更に、本開示の様々な実施形態では、様々な技法を利用して、パワーバンクバッテリの出力及び/又は充電式デバイスバッテリが受け取る電力を計算する。より具体的には、様々な技法を適用して、パワーバンクバッテリの、及び充電式デバイスバッテリの電圧及び/又は電流の測定を実行し得、電圧値及び/又は電流値を使用して、電力出力及び/又は電力入力を判定する。
【0023】
いずれの場合でも、動的な充電効率が閾値(例えば、80%、70%、60%、50%など)以下であるとき、パワーバンクのバッテリ充電を無駄にし得る非効率的な充電を防止するためのアクションが取られる。いくつかの実施形態では、これらのアクションは、1つ以上の所定の条件に基づいて自動的に、又は(例えば、プッシュ通知を介して)動的な充電効率をユーザに通知した後のユーザ入力に応答して、パワーバンクバッテリから充電式デバイスのバッテリへの電荷の供給を中断することを含む。ユーザに通知することは、例えば、パワーバンク及び充電式デバイスが、例えば、USB充電ケーブルによって、又はワイヤレス充電接続を介して、電気的に接続されたままであり得る場合であっても、ユーザがパーソナル電子デバイスとインタラクトして、充電の供給の中断を引き起こすことを可能にし得る。いくつかの実施形態では、有線充電(例えば、USB充電ケーブル)が使用される場合、代替的に、ユーザは、ユーザが充電効率を通知されたときにパワーバンクを充電式デバイスから物理的に切り離し(例えば、USB充電ケーブルをパワーバンク又は充電デバイスのうちのいずれかの充電ポートから取り外すことによって)、それによって、パワーバンクバッテリから充電デバイスバッテリへの充電の供給を中断することができる。同様に、いくつかの実施形態では、ワイヤレス充電が使用される場合(例えば、Qi規格又はAirFuel規格のワイヤレス充電)、代替的に、ユーザは、ユーザが動的な充電効率を通知されたときに、充電式デバイスをワイヤレス充電パッドから物理的に取り外し、それによって、パワーバンクバッテリから充電式デバイスバッテリへの充電の供給を中断することができる。更に、いくつかの実施形態では、ユーザに低充電効率を通知するためのプッシュ通知又は全画面アプリケーションディスプレイがパーソナル電子デバイスに提供され、ユーザは、電気的接続を切断し、又はワイヤレス充電パッドから充電式デバイスを取り外すことなく、プッシュ通知又は全画面アプリケーションとインタラクトして、充電の供給の中断を引き起こすことができる。
【0024】
本開示の実施形態は、リモートサーバで充電効率を監視することを含む。リモートサーバは、それぞれのパワーバンクユーザの複数のユーザアカウントとそれぞれ関連付けられた複数のユーザデータを記憶するように構成され得る。したがって、リモートサーバは、特定のパワーバンクを、リモートサーバで維持される特定のユーザアカウントと関連付け得る。いくつかの実施形態では、ユーザアカウントはまた、ユーザと関連付けられた充電式デバイスの指標を含む。したがって、ユーザアカウントは、パワーバンク及び1つ以上の充電式デバイスの両方を互いに関連付け得る。充電セッション中、パワーバンク及び/又はパーソナル電子デバイスは、リモートサーバに充電効率データをリモートサーバでの監視のために報告し得る。追加的に、パワーバンク及び/又は充電式デバイス(及び/又はそれら上で実行動作するアプリケーション)は、パワーバンクが充電式デバイスを充電するために使用されるときに、充電式デバイスの指標を含むように、パワーバンクと関連付けられたユーザアカウントを更新するように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、リモートサーバは、ユーザがパーソナル電子デバイス(例えば、デスクトップコンピュータなどの充電式デバイス及び非充電式デバイス)を利用し得るインターフェース(例えば、ウェブポータル)を提供し、これを介してユーザプロファイル情報(例えば、充電効率データ)を映示することができ、ユーザプリファレンスを設定することができ(例えば、アラートを受信すべきパーソナル電子デバイス)、及びパワーバンク充電をリモート制御することができる(例えば、リモートサーバに、中断信号及び/又は再接続信号をパワーバンクに送信させることによって)。
【0025】
本明細書に記載される方法及びパワーバンクの使用は、パワーバンクのより効率的な使用を促進する。パワーバンクのユーザは、典型的には、いつ最も深刻な効率損失が生じているかを知らず、したがって、ユーザは、バッテリ充電を不所望に無駄にする様式でパワーバンクパワーバンクを使用し得る。パワーバンクから充電式デバイスへの充電の供給は、典型的には、充電式デバイスが充電を終了したとき(すなわち、モバイルコンピューティングデバイスバッテリが100%充電レベルに達し、かつより多くの充電を受け入れることができないとき)にのみ中断される。対照的に、本明細書に記載される方法及びパワーバンクの使用は、有利なことに、充電式デバイスバッテリが100%充電に達していない場合でも、動的な充電効率に基づいて充電の中断を可能にする。本明細書に記載される方法及びパワーバンクは、充電がより効率的である(例えば、USB充電には少なくとも70%、又はワイヤレス充電には少なくとも50%)ときにパワーバンクによる充電式デバイスの充電を可能にする一方、充電が実質的に非効率的である(例えば、USB充電には50%以下、又はワイヤレス充電には30%以下)ときに、充電及び/又は充電の供給を自動的に中断することを防止するためのユーザアクションを容易にする。パワーバンクの蓄積された充電のより効率的な利用を促進することによって、本明細書に開示される方法及びパワーバンクは、パワーバンク自体の再充電を必要とする前に、より多くの充電可能なデバイスにより多くの充電を効果的に提供するために、パワーバンクの単一の完全な充電(又はパワーバンクの部分的な充電)を可能にする。
【0026】
更なる説明の前に、特定の用語の定義が提供され、これらの用語は、この詳細な説明を通して使用される。
【0027】
本明細書で使用される場合、「パワーバンク」という用語は、1つ以上の充電式デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、及び/又はポータブルメディアプレーヤ若しくはポータブルメディアプレーヤのような、モバイルコンピューティングデバイス、充電式AAAバッテリ、AAバッテリ、Aバッテリなどのような、消費者充電式バッテリによって駆動されるデバイス、又はドアロック、自動トイレ、ペーパータオルディスペンサ、ハンドドライヤなどのような、統合された充電式バッテリを有する充電式産業デバイス)に電荷を供給するために使用可能なポータブル電子デバイスを指す。したがって、「パワーバンク」という用語は、充電式バッテリパック及び使い捨てバッテリパックを含む、充電式デバイスの外部のバッテリパックを包含する。本明細書における「モバイルコンピューティングデバイス」という用語の任意の使用は、他のタイプの「充電式デバイス」の代替的な実装態様を想定していることを理解されたい。パワーバンクは、主に、充電式リチウムイオンバッテリ又はリチウムポリマーバッテリなどの、充電式バッテリ(「パワーバンクバッテリ」)を含む。より具体的には、パワーバンクバッテリは、直列に、並列に配置され得るか、又は代替的な態様では、直列及び並列に配列されたセルを含み得る、1つ以上のセル(例えば、電気化学セル)を含む。パワーバンクは、パワーバンクを充電式デバイスに電気的に接続するための有線手段(例えば、USB又はライトニングケーブル接続)を介して、かつ/又はそのためのワイヤレス手段(例えば、Qi規格又はAirFuel規格ワイヤレス充電手段)を介して、充電式デバイスを充電し(すなわち、充電式デバイスバッテリに電荷を供給し)得る。パワーバンクを充電式デバイスに電気的に接続するための手段は、本明細書では、パワーバンクバッテリとモバイルコンピューティングデバイスバッテリとの間の「電気的接続」と総称される。
【0028】
バッテリ(例えば、充電式パワーバンクバッテリ)の容量は、一般に、バッテリによって保持され得る最大の電荷又はエネルギーを指す。バッテリの測定された容量は、電荷の単位(例えば、アンペア秒、クーロン(C)、ミリアンペア時(mAh)、及び/又は他の好適な単位)で、又はエネルギーの単位(例えば、ワット時(Wh)、ジュール(J)、及び/又は他の好適な単位)で表され得る。「公称容量」は、バッテリの初期の規定容量を指す(例えば、製造業者又は小売業者によって規定され、製造時の最適容量に対応する)。「実容量」は、所与の時間におけるバッテリの「現実の」又は「真の」容量を指し、実容量は、典型的には、公称容量よりも小さくなり、したがって特に一定期間にわたって変動することとなることが理解されよう。実容量は、典型的には、公称容量と同じ単位で測定される(例えば、バッテリの公称容量が電荷の単位で定められる場合、実容量は、同じ単位で測定される)。実容量を特定の時間と組み合わせて使用して、その特定の時間にバッテリによって保持される充電又はエネルギーを伝達し得、したがって、異なる時間に決定された2つの実容量を使用して、一定時間間隔にわたってバッテリによって保持される充電又はエネルギーの分散を伝達し得る。「現在の実容量」(又は単に「現在の容量」)は、現在の(現時点の)時間におけるバッテリの実容量を指す。本明細書で使用されるバッテリの「健全性の状態」は、バッテリの実容量とバッテリの公称容量との比較(例えば、実容量を公称容量で除し、比率又はパーセンテージで表される)である。電荷の単位で表される容量を有するバッテリに関連する技術が本明細書に記載されている場合、(本明細書に記載する)適切な修正が与えられて、エネルギーの単位で表される容量を有するバッテリに関連する同様の技術が適用され得ることを理解されたい。
【0029】
「充電レベル」は、本明細書では「フューエルゲージ」とも称され、所与の時点でバッテリ(例えば、充電式パワーバンクバッテリ、充電式スマートフォンバッテリなど)によって保持される測定/判定された充電量又はエネルギー量を指す。充電レベルは、パーセンテージ、すなわち、バッテリの容量と比較してバッテリによって保持される充電量のパーセンテージ表現として、表され得る。スマートフォン又は他のモバイルコンピューティングデバイスなどの充電式デバイスは、典型的には、充電式デバイスの充電レベルをパーセンテージ形態(例えば、51%)で表示する。典型的には、バッテリの充電レベルは、バッテリの公称容量ではなく、バッテリの現在の容量を基準にしていることに留意されたい。例えば、所与のデバイスバッテリの現在の容量が、10000mAhの公称容量と比較して8000mAhであり、かつデバイスが「100%」の現在の充電レベルを示す場合、このことは、バッテリが8000mAh(10000mAhではない)の充電を保持することを意味する。
【0030】
本明細書で使用される、所与のデバイスの「充電」又は「再充電」は、デバイスの充電式バッテリへの電荷の供給であり、それによって、デバイスの充電レベルを増加させる。充電は、例えば、デバイス充電レベルを0%~100%、0%~40%、51%~63%、55%~100%などに増加させ得る。経時的な充電の作用は、本明細書では「充電セッション」と称される。逆に、所与のデバイスの(例えば、パワーバンクの)「枯渇」は、デバイスによる電荷の消耗であり、この消耗がデバイスの充電レベルを減少させる。デバイスの枯渇は、例えば、デバイス充電レベルを100%~0%、100%~65%、80%~20%、33%~0%などに低減し得る。
【0031】
本明細書で使用される「瞬時」という用語は、所与の時間(例えば、変数の測定時又は計算時)における変数の値を指す。例えば、パワーバンクバッテリの「瞬時電力出力」は、所与の時点でバッテリによって出力される電力量を指し、電力出力は、経時的に変動し得る(例えば、ワット(W)で表される)。充電式デバイスバッテリの「瞬時電力入力」(又は「充電式バッテリで受け取られた電力」)は、所与の時間にモバイルデバイスバッテリで受け取られた電力量を指し、電力入力はまた、経時的に変動し得る。「動的な充電効率」は、同時に、又はほぼ同時に、第1のデバイスバッテリからの瞬時電力出力と、第2のデバイスバッテリでの対応する瞬時電力入力と、の比較に基づいて、第1のデバイスから第2のデバイスへ(例えば、パワーバンクバッテリからモバイルコンピューティングデバイスバッテリへの)充電の効率値を指す。充電効率は、本開示から理解されるであろうように、経時的に変動し得る。
【0032】
「パワーバンク」は、より具体的にはパワーバンクバッテリを指すために本明細書における各箇所で使用され得、したがって、適切なコンテキストが与えられると、これらの用語は、交換可能であるとみなされ得る。例えば、「パワーバンク」という用語が、電気、容量、充電の供給などに関連して記載される場合、この用語は、パワーバンクのバッテリをより具体的に指すものとして理解されるべきである(例えば具体的にはパワーバンクのバッテリを指す、「パワーバンクの容量」、「パワーバンクから充電を受け取る」、「パワーバンクの充電レベル」など)。同様の用語を使用して、パワーバンクによって充電されるモバイルコンピューティングデバイス(例えば、パワーバンクによって充電されるスマートフォン)が記載され得る。例えば、「モバイルコンピューティングデバイスを充電する」又は「モバイルコンピューティングデバイスの充電レベル」などの用語は、より具体的には、モバイルコンピューティングデバイスのバッテリを指し得る。
【0033】
本開示によるパワーバンクは、マイクロコントローラ(MCU)を含み得る。非常に高いレベルでは、パワーバンクMCUのコンピューティング機能性は、典型的には、(1)パワーバンクから充電式コンピューティングデバイスへの充電の供給(例えば、充電が供給されることを可能にし、充電の供給を中断するなど)、(2)充電の供給を促進するために使用され得る電気の特性に関連する計算(例えば、電力、エネルギー、電流、電圧、抵抗、容量、及び効率の測定又は計算)、及び/又は(3)計算を他のコンピューティングデバイスに伝達すること、に関連する機能性に限定される。
【0034】
本開示によるパワーバンクは、いくつかの表示能力(例えば、点滅するLEDライト、又はパワーメータメトリックバー、又はパワーバンクバッテリの充電レベルを示す表示グラフィック)を有し得るが、本開示によるパワーバンクは、一般に、実質的なディスプレイを含まない。例えば、パワーバンク表示画面のサイズは、表示画面が25cm2超、及び/又は16cm2超の視認表面積を有さないように制限され得る。追加的又は代替的に、パワーバンク表示画面の機能性は、典型的には、(例えば、スマートフォン、タブレット、ノートブックコンピュータなどに典型的に存在するHD画面機能性がない)単純な数値表示のみに限定される。その結果、本開示によるパワーバンクバッテリからの主電力引き出しは、モバイルコンピューティングデバイスの充電である(実質的により小さい電力を必要とする制限されたパワーバンク表示自体の動作ではない)。同様に、本明細書に記載されるパワーバンクは、いくつかの通信能力(例えば、Bluetooth Low Energyなどを介したRF通信)を含み得るが、パワーバンクが通信するデバイスに応じて、異なる有線及び/又は無線通信機能性が利用されてもよい。例えば、充電式デバイスとの通信は、低電力及び/又は低計算通信プロトコル(例えば、Bluetooth Low Energy又はWiFi)を介して実装されてもよい。とは言え、パワーバンクは、リモートサーバとの通信のために、より複雑なプロトコル(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)又は新無線(NR)などのセルラ通信)を実装してもよい。
【0035】
パワーバンクは、典型的には、モバイルコンピューティングデバイスのユーザがパワーバンクを(例えば、ポケット、財布、バックパックなどに)容易に携帯することができるように、物理的なサイズ、重量、及び/又は寸法が制限される。多くの場合、パワーバンクは、スマートフォンのものに匹敵する物理的なサイズ及び重量を有する。しかしながら、他の物理的な形態のパワーバンクが可能である。例えば、いくつかのパワーバンクは、サイズ及び容量が実質的により大きく、したがって、より多くの充電を供給するにはより効果的であり、例えば、より多くの回数、デバイスを充電することが可能であり、ラップトップコンピュータなどのより大きなデバイスを実質的に充電することが可能である(例えば、ラップトップコンピュータバッテリを10%~30%、40%、50%、60%、又はより多く充電するのに十分な充電を提供する)。
【0036】
更に、パワーバンクの機能性が上に記載される機能性に限定される結果として、パワーバンクは、一般に、限定された入力/出力(I/O)機能性を有する。例えば、パワーバンクは、専用のキーボード又はタッチパッドを含まなくてもよい。追加的に、パワーバンクは1つ以上のポート(例えば、充電及び/又はデータ通信を容易にし得る、USBポート、マイクロUSBポートなど)を含み得るが、典型的には、パワーバンクに含まれるいずれのポートも、キーボード、マウス、周辺タッチパッド、モニタ、又は他の周辺I/Oデバイスを受容するようには適合されていない。
【0037】
例示的なコンピューティング環境
図1Aは、本明細書に記載される技法が実装され得る、本開示によるパワーバンク140を例示する例示的なコンピューティング環境100を例示している。環境100は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルコンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、及び/又は他の好適なコンピューティングデバイスであり得る、モバイルコンピューティングデバイス120を含む。別途明示的に開示されない限り、モバイルコンピューティングデバイス120の任意の説明は、充電式デバイスでの説明の代替の実装態様を想定している。環境100は、一般に1つ以上の充電式デバイスに(例えば、モバイルコンピューティングデバイス120に)電荷を供給するように構成された、パワーバンク140を更に含む。
【0038】
パワーバンク140からモバイルコンピューティングデバイス120に電荷が供給され得るように電気的に接続されることに加えて、モバイルコンピューティングデバイス120及びパワーバンク140は、1つ以上の通信可能な接続144を介して通信可能に接続されてもよい。1つ以上の通信可能な接続144は、無線高周波(RF)接続(例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)、Zigbee、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、WiFi低電力、6LoWPAN、LoRa、及び/又は他の好適なプロトコルを介して)を含み得る。追加的又は代替的に、1つ以上の通信可能な接続は、パワーバンク140とモバイルコンピューティングデバイス120との間の有線接続によって(例えば、有線USB又はライトニングケーブル接続を介して)実装されてもよい。いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス120とパワーバンク140との間の単一の接続(例えば、USBデータ/充電有線接続)は、パワーバンク140をモバイルコンピューティングデバイス120に電気的及び通信的に接続し、それによって、モバイルコンピューティングデバイス120とパワーバンク140との間の通信能力と充電能力との組み合わせを容易にし得る。
【0039】
モバイルコンピューティングデバイス120は、メモリ152(すなわち、1つ以上のメモリ152、例えば、RAM、ROMなど)を含む。メモリ152は、1つ以上のアプリケーション154(「アプリ」)を記憶するように構成されており、アプリケーション154の各々は、非一時的コンピュータ実行可能命令の1つ以上のセットを含む。特に、1つ以上のアプリケーション154は、パワーバンクアプリケーション156(「PBアプリ」)を含み、パワーバンクアプリケーション156は、例えば、動的な充電効率の測定、監視、及び映示、及び/又はモバイルコンピューティングデバイス120への電荷の供給の意図的な中断を容易にし得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のアプリケーション154は、モバイルコンピューティングデバイス120の内部回路を介して測定されたモバイルコンピューティングデバイス120の電気特性(例えば、電圧、電流、抵抗など)へのアクセスを提供するアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用する。
【0040】
モバイルコンピューティングデバイス120は、メモリ152に含まれる非一時的コンピュータ実行可能命令を実行し得るプロセッサ158(すなわち、1つ以上のプロセッサ、例えば、CPU、GPUなど)を更に含む。モバイルコンピューティングデバイスは、1つ以上の通信可能な接続144を介してパワーバンク140との通信を確立し、かつパワーバンク140と通信信号を交換し得る、通信モジュール160(「通信モジュール」)を追加的に含む。より具体的には、通信モジュール160は、外部デバイスとの通信接続を介して通信信号を送信及び/又は受信するように構成された1つ以上の送受信機を含む。通信モジュール160への及び/又は通信モジュール160からの通信信号は、無線信号(RF信号)又は有線通信信号(例えば、USBデータ接続を介して)を含み得る。通信モジュール160はまた、1つ以上の送受信機を介して受信/送信される信号と、プロセッサ158及び/又はPBアプリ156によって解釈される信号と、の間で変換するように構成された、1つ以上のモデムを含んでもよい。モバイルコンピューティングデバイス120は、1つ以上の入力デバイス及び/又は1つ以上の出力デバイス(例えば、タッチスクリーンなどの専用ディスプレイ画面)を接続するためのI/O162を追加的に含んでもよい。
【0041】
代替の充電式デバイスは、I/O162を含まなくてもよいことを理解されたい。例えば、充電式デバイス120が消費者用バッテリを含む実施形態では、代わりに、リモートサーバとインターフェース接続するパーソナル電子デバイスのI/Oは、充電式デバイスに関する情報を表示するように構成されてもよい。
【0042】
モバイルコンピューティングデバイス120は、電荷を受け取り、かつ電荷をモバイルコンピューティングデバイス120の充電式バッテリ166(「モバイルコンピューティングデバイスバッテリ166」)に導くように主に構成された、充電モジュール164(例えば、USB充電器)を含む。バッテリ166は、モバイルコンピューティングデバイス120の主電源である。通常、バッテリ166は、モバイルデバイス120の内部にある(例えば、モバイルコンピューティングデバイス120の空洞の内部に固定的又は取り外し可能に置設されている)。
【0043】
モバイルコンピューティングデバイス120の充電モジュール164はまた、充電モジュール164の充電性能を測定及び/又は処理する回路を含んでもよい。例えば、充電モジュール164は、モバイルコンピューティングデバイス120における電圧、電流、抵抗、及び/又は他の電気特性のアナログ測定値をデジタル値に変換するように構成された、アナログデジタルコンバータ(ADC)を含んでもよい。デジタル値は、通信モジュール160を介して、1つ以上の通信可能な接続144を介して(例えば、無線RF接続を介して)パワーバンク140に、又は代替の通信可能な接続を介してリモートサーバに送信され得る。
【0044】
充電モジュール164は、充電モジュール164が外部電源(すなわち、電荷の供給源)から電荷を受け取るときに、電荷を受け取り、かつバッテリ166に導くための1つ以上の充電ポート(例えば、USBポート又はライトニングポート)及び/又は追加の回路を含み得る。外部電源は、本開示によるパワーバンク140、及び/又は別の外部電源(例えば、壁コンセント、車両充電ポートなど)であり得る。
【0045】
プロセッサ158の動作は、充電モジュール164を介してバッテリ166への電荷の供給を管理するための動作を含み得る(例えば、スイッチを動作させて、バッテリ166への電荷の供給を中断及び/又は再開する)。
【0046】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、充電モジュール164は、電圧レギュレータ(例えば、DC-DC電圧コンバータ)を含む。電圧レギュレータは、例えば、モバイルコンピューティングデバイス120の充電ポートの電圧をバッテリ166の電圧に変換するように構成され得る。例えば、5ボルト(5V)USB充電ポートを介して電力を受け取るように構成されるモバイルコンピューティングデバイス120において、電圧レギュレータは、USB電圧を3.6V又はバッテリ166に対応する別の好適な電圧に低減するように構成されたステップダウンコンバータ(「バックコンバータ」)を含み得る。同様の電圧変換は、(1)使用される充電手段(例えば、ライティング充電、Qi規格ワイヤレス充電手段など)に基づいて変動し得る、充電モジュール164の構成要素の電圧、及び(2)モバイルコンピューティングデバイスバッテリ166の電圧に基づいて実行され得る。充電モジュール164の構成要素の追加の説明は、
図2に関して提供される。
【0047】
更に
図1Aを参照すると、パワーバンク140は、充電式バッテリ180を含む。パワーバンクバッテリ180は、パワーバンク140自体の主電源であり、パワーバンク140がモバイルコンピューティングデバイスに充電を供給する電源でもある。パワーバンクバッテリ180は、例えば、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、及び/又は別のタイプの二次バッテリであり得る。パワーバンクバッテリ180は、並列及び/又は直列に接続された1つ以上の電気化学セルを含み得る。
【0048】
パワーバンク140は、少なくとも1つの充電モジュール182(例えば、USB充電器)を含み、充電モジュール182は、一般に、(1)電荷を受け取り、パワーバンクバッテリ180に導き(例えば、AC壁コンセント、車両充電ポートなどから受け取られる充電)、かつ(2)1つ以上のモバイルコンピューティングデバイスに電気的接続を介して電荷を供給するように構成されている。パワーバンクが3つの充電モジュール182を含む1つの特定の実装態様では、充電モジュール182のうちの1つが、バッテリの再充電を可能にするように構成され得る一方、残りの2つの充電モジュール182が、同時に2つのモバイルコンピューティングデバイスの充電を可能にするように構成されている。可能な実施形態では、電気的接続は、有線及び/又はワイヤレス手段(例えば、USB充電、ライトニング充電、Qi規格ワイヤレス充電手段、AirFuelワイヤレス充電手段、及び/又は他の好適な手段)を介して実装され得る。
【0049】
充電モジュール182は、電圧レギュレータ183(例えば、DC-DC電圧コンバータ)に結合され得る。電圧レギュレータ183は、例えば、パワーバンク140の電源(例えば、120V AC壁コンセント)と関連付けられた第1の電圧を、パワーバンク140が再充電されている間に、パワーバンクバッテリ180の第2の電圧(例えば、3V、3.6V、又は4.2V)に変換するように構成され得る。追加的又は代替的に、電圧レギュレータ183は、パワーバンク140がモバイルコンピューティングデバイス120に充電を供給している間に、パワーバンクバッテリ180の電圧をモバイルコンピューティングデバイス120への充電接続のなお別の電圧に変換するように構成され得る(例えば、電圧レギュレータ183は、パワーバンク電圧をUSB充電接続のために5Vに変換するように構成されたステップアップ又は「ブースト」コンバータを含み得る)。パワーバンク140内の電圧変換は、(1)パワーバンクバッテリ180の電圧、及び(2)充電がモバイルコンピューティングデバイス120に提供される充電手段と関連付けられた電圧(例えば、ライティング充電、Qiワイヤレス充電など)に基づいて変動し得る。充電モジュール182の構成要素の追加の説明は、
図2に関して提供される。
【0050】
パワーバンク140は、メモリ186及びプロセッサ188を備えるマイクロコントローラ184(MCU、本明細書では制御モジュールとも称される)を含む。メモリ186(すなわち、1つ以上のメモリ)は、ROM、RAM、及び/又は他の好適なタイプのコンピュータメモリを含み得る。プロセッサ188(すなわち、1つ以上のプロセッサ)は、メモリ186に記憶された非一時的命令を実行するCPU及び/又は他の好適な処理ユニットを含み得る。様々な実施形態では、MCU184は、充電モジュール182を介して電気特性の測定(例えば、バッテリ180の電圧の測定、バッテリ180からの流出電流、及び/又は本明細書に記載される他の測定)を実行し、実行された測定を介して取得された値に基づいて計算を実行する。メモリ186は、環境100及び/又はバッテリ180の温度に基づいて前述の測定値を補正するための1つ以上のルックアップテーブルを記憶するように構成され得る。更に、MCU184は、充電モジュール182の動作を制御し得る(例えば、例えばパワーバンク140のエネルギー効率を向上させるために動的な充電効率に基づいて、充電モジュール182中のスイッチを動作させて、外部電源からパワーバンクバッテリ180への電荷の供給、及び/又はパワーバンク140からモバイルコンピューティングデバイスバッテリ166への電荷の供給を中断及び/又は再開し得る)。
【0051】
パワーバンク140は、1つ以上の通信可能な接続144(例えば、Bluetooth Low Energy、WiFi、LoRaなどを使用するRFデジタル通信)を介したモバイルコンピューティングデバイス120との、及び/又は追加の通信可能な接続を介したリモートサーバとの、有線及び/又は無線通信信号を交換するように構成された1つ以上の送受信機を含む、通信モジュール190(「通信モジュール」)を追加的に含む。また、通信可能な接続を介して実装された特定の通信プロトコルに応じて、通信モジュール190は、1つ以上の送受信機を介して受信/送信される信号と、MCU184によって解釈される信号と、の間で変換するように構成された1つ以上のモデムを含んでもよい。パワーバンクメモリ186に記憶された非一時的命令は、プロセッサ188によって実行されるときに、通信モジュール190に、測定された電気特性の指標及び/又はMCU184によって実行された他の計算(例えば、電圧、電流、抵抗、瞬時電力出力などの指標)をモバイルコンピューティングデバイス120及び/又はリモートサーバ(描示せず)に送信させる命令を含み得る。
【0052】
MCU184又は充電モジュール182は、パワーバンク140における電圧及び/又は他の電気特性のアナログ測定値をデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタルコンバータ(ADC)を特に含み得る。デジタル値は、通信モジュール190を介して、1つ以上の通信可能な接続144を介して(例えば、無線RF接続を介して)モバイルコンピューティングデバイス120に送信され得る。
【0053】
任意選択で、パワーバンクは、1つ以上の入力デバイス及び/又は1つ以上の出力デバイスを接続するためのI/O192を含む。特に、I/O192は、パワーバンクバッテリ180からモバイルコンピューティングデバイスのバッテリへの(例えば、モバイルコンピューティングデバイス120のバッテリ166への)充電の供給の中断/再開を制御するパワーボタンを含み得る。いくつかの実施形態では、I/O192は、例えば、パワーバンクバッテリ180の充電レベル及び/又は充電がアクティブに行われているかどうかの指標を提供するアイコンであり得る、1つ以上の発光ダイオード(LED)及び/又は他のグラフィカル出力を含み得る。
【0054】
いくつかの追加の実施形態では、パワーバンク140はまた、環境100及び/又はバッテリ180の温度を感知するように構成された温度センサ187を含む。例えば、温度センサ187は、サーミスタであり得る。MCU184は、温度センサ187から温度の指標を取得するように構成され得る。以下に記載するように、実際のバッテリ容量は、温度に依存する。したがって、MCU184がパワーバンクバッテリ180及び/又はモバイルコンピューティングデバイスバッテリ166と関連付けられた測定値を決定するとき、MCU184は、温度センサ187によって感知された温度に基づいて補正因子を適用し得る。
【0055】
環境100は、様々な実施形態では、追加のコンピューティングデバイス及び/又は構成要素を含み得る。その上、本明細書に記載されるデバイスの構成要素が別個に参照される場合、いくつかの実施形態では、構成要素を組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0056】
図1Bは、パワーバンク140、充電式デバイス120(
図1Aに関して記載されるモバイルコンピューティングデバイス120など)、パーソナル電子デバイス121、及びリモートサーバ130を含む、例示的なコンピューティング環境150を例示している。パワーバンク140、充電式デバイス120、パーソナル電子デバイス121、及びリモートサーバは、1つ以上のネットワーク124を介して通信可能に結合されている。
図1Bは、単一のパワーバンク140、単一の充電式デバイス120、及び単一のパーソナル電子デバイス121のみを描示しているが、環境150は、ネットワーク124を介してリモートサーバ130と通信可能に結合された任意の数のパワーバンク140、充電式デバイス120、及びパーソナル電子デバイス121を含んでもよい。
【0057】
ネットワーク124は、
図1Aの通信可能な接続144を容易にし、1つ以上の長距離通信ネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク、イーサネットネットワーク、セルラ通信ネットワークなど)及び短距離通信ネットワークを含み得る。この目的のために、いくつかの実施形態では、パワーバンク140は、パワーバンク140と充電式デバイス120との間の通信可能な接続144を利用して、パワーバンク140とリモートサーバ130との間の通信を容易にする。他の実施形態では、パワーバンク140の通信モジュール190は、リモートサーバ130と直接通信することができる1つ以上の送受信機を含むように構成されている。これらの実施形態では、充電式デバイス120がリモートサーバ130と通信することができる送受信機を含まない場合(例えば、充電式デバイス120が消費者用充電式バッテリを含むいくつかの実施形態で)、充電式デバイス120は、通信可能な接続144を利用して、データをリモートサーバ130に中継するパワーバンクデバイス140にデータを送信し得る。
【0058】
パーソナル電子デバイス121は、パワーバンク140のユーザと関連付けられた電子デバイスである。パーソナル電子デバイス121は、スマートテレビ、スマートホームハブ、モバイルコンピューティングデバイス、又は他の好適なタイプのパーソナル電子デバイスであり得る。パーソナル電子デバイス121は、パワーバンク140及び/又は充電式デバイス120の動作に関するアラートをリモートサーバ130から受信するように、かつパワーバンク140及び/又は充電式デバイス120に関してリモートサーバ130に記憶されたデータを照会するように構成され得る。いくつかの実施形態では、パーソナル電子デバイス121は、充電式デバイス120である。これらの実施形態では、パーソナル電子デバイス121は、パワーバンク140から充電を受け取り、リモートサーバ130からアラートを受信する。
【0059】
リモートサーバ130は、メモリ134(すなわち、1つ以上のメモリ134、例えば、RAM、ROMなど)を含む。メモリ134は、パワーバンク140及び/又はバッテリ180と関連付けられた環境の温度に基づいて、パワーバンク140及び/又は充電式デバイス120と関連付けられた測定値を補正するための1つ以上のルックアップテーブルを記憶するように構成され得る。追加的に、メモリ134は、非一時的コンピュータ実行可能命令の1つ以上のセットを含む1つ以上のアプリケーション136(「アプリ」)を記憶するように構成されている。特に、1つ以上のアプリケーション136は、パワーバンク140及び/又は充電式デバイス120から受信されたデータを分析するための様々なアプリケーションを含む。例えば、1つ以上のアプリケーション136は、パワーバンク140の健全性の状態を監視するように構成されたアプリケーション、パワーバンクが1つ以上の充電式デバイス120を再充電することができる回数を決定するように構成されたアプリケーション、パワーバンク140が非効率的に動作するときにパワーバンク140を中断するように構成されたアプリケーション、パーソナル電子デバイス121を介してパワーバンク140及び/若しくは充電式デバイスの動作を監視するためのウェブダッシュボードを生成するためのアプリケーション、並びに/又はパワーバンク140及び/若しくは充電式デバイス120から受信されたデータに対して動作するように構成された他のアプリケーションを含み得る。いくつかの実施形態では、アプリケーション136は、それらの間でパワーバンク140に関するデータを交換するために、充電式デバイス120上で実行動作するPBアプリ156とAPIインターフェースを共有するように構成されている。
【0060】
メモリ134はまた、ユーザプロファイルデータ138を含む。この目的のために、リモートサーバ130は、それぞれのパワーバンク140の複数のユーザについてのユーザプロファイルを維持するように構成され得る。したがって、それぞれのパワーバンク140の各ユーザについて、ユーザプロファイルデータ138は、特定のパワーバンク140の識別子、1つ以上の関連付けられた充電式デバイス120の識別子、ユーザがアラートを受信したい1つ以上のパーソナル電子デバイス121の識別子、パワーバンク140及び充電式デバイス120と関連付けられた複数の動作データ(本明細書における他の箇所に記載される動作データを含む)、ユーザプリファレンスデータ(ユーザ定義の閾値を含む)、並びに/又はユーザと関連付けられた他のデータを含み得る。様々な識別子は、それぞれのデバイス(例えば、MACアドレス、シリアル番号、MEID、UICC、又は他の一意の識別子)を一意に識別し得る。いくつかの実施形態では、ユーザプリファレンスデータは、ユーザが充電式デバイス120のPBアプリ156と対話することに基づいて、及び/又はパーソナル電子デバイス121を介してアクセスされるウェブインターフェースを介して、設定される。
【0061】
リモートサーバ130は、メモリ134に含まれる非一時的コンピュータ実行可能命令を実行し得るプロセッサ133(すなわち、1つ以上のプロセッサ、例えば、CPU、GPUなど)を更に含む。いくつかの実施形態では、リモートサーバ130は、クラウドコンピューティング構成で動作する。これらの実施形態では、1つ以上のプロセッサ133及び1つ以上のメモリ134は、異なるハードウェアユニットに物理的に位置し得る。したがって、
図1Bは、リモートサーバ130の様々な構成要素間の論理的関係を表すと理解されたい。
【0062】
リモートサーバ130は、1つ以上のネットワーク124を介して通信を確立し、かつ通信信号を交換し得る、通信モジュール131(「通信モジュール」)を追加的に含む。より具体的には、通信モジュール131は、外部デバイスとの通信接続を介して送信及び/又は受信するように構成された1つ以上の送受信機を含む。通信モジュール131はまた、1つ以上の送受信機を介して受信/送信される信号を、プロセッサ133によって解釈される信号に変換するように構成された1つ以上のモデムを含んでもよい。通信モジュール131は、
図1Bに示されていない追加の又は代替的なデバイスと通信するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、アプリケーション136は、パワーバンク140が1つ以上の充電式デバイス120に提供することができる再充電の回数を含む、パワーバンク140の動作に関連する1つ以上のアラートを生成するように構成され得る。したがって、通信モジュール131は、プッシュメッセージングプロトコルを介して、充電式デバイス120及び/又はパーソナル電子デバイス121にアラートをプッシュするプッシュサーバにメッセージを送信するように構成され得る。
【0063】
リモートサーバ130は、1つ以上の入力デバイス及び/又は1つ以上の出力デバイス(例えば、リモートサーバ130の監視及び/又は構成を可能にするための、リモートサーバ130の1つ以上の物理ポートに接続されたデバイス)を接続するためのI/O132を追加的に含んでもよい。
【0064】
図2は、本明細書に記載されるポータブルパワーバンクデバイスでの使用に好適な、
図1Bの充電式デバイス120(
図1Aのモバイルコンピューティングデバイス120を含む)及び
図1A~1Bのパワーバンク140の、例示的な従来知られている電気部品を例示している。限られた数の電気部品が
図2に関して記載されているが、これらは、本明細書に記載されるパワーバンク140及び方法の一般の例示のために提供されているに過ぎず、したがって、モバイルコンピューティングデバイス120及び/又はパワーバンク140は、様々な実施形態(例えば、他の電気回路、及び/又は
図1に関して記載される構成要素のうちのいずれか)において、本明細書に記載されるものに対する追加の、より少ない、及び/又は代替の構成要素を含んでもよいことを理解されたい。したがって、本明細書に一般に記載される電気部品の配置は、
図2に示された配置とは異なり得る。
【0065】
高レベルでは、
図2に描示された電気部品は、パワーバンクバッテリ180と充電式デバイスバッテリ166との間の電気的接続を介して、パワーバンクバッテリ180から充電式デバイスバッテリ166への電荷の供給を容易にする。パワーバンクバッテリ180と充電式デバイスバッテリ166との間の電気的接続は、それらのそれぞれのバッテリを電気的に接続して、パワーバンクバッテリ180から充電式デバイスバッテリ166への充電の供給を容易にする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される少なくともいくつかの電気部品は、充電式デバイス120における、及び/又はパワーバンク140における1つ以上の集積回路に配設され得る。
【0066】
図2に示された実施形態では、電気的接続210は、パワーバンク140の電気ポート212をモバイルコンピューティングデバイス120の電気ポート214に接続する有線の電気的接続(例えば、USB-C充電ケーブル、マイクロUSBケーブル、ライティングケーブル、又は他の物理的接続構造)である。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、電気的接続210は、ワイヤレスの電気的接続(例えば、Qi規格ワイヤレス充電接続)を含んでもよい。その上、いくつかの実施形態では、電気的接続210は、
図1に関して記載されるような通信可能な接続144を提供するのと同じ構造によって実装されてもよい。すなわち、モバイルコンピューティングデバイス120とパワーバンク140との間の単一の接続(例えば、USB有線データ/充電有線接続)が、モバイルコンピューティングデバイス120とパワーバンク140とを電気的にも通信的にも接続し得る。
【0067】
パワーバンクバッテリ180は、パワーバンクバッテリ180から流出する電流を介して電荷を供給する。パワーバンクバッテリ180の瞬時電力出力は、流出電流の瞬時値にパワーバンクバッテリ180の瞬時電圧を乗じることによって(例えば、パワーバンクMCU184によって)計算され得る。パワーバンクバッテリ180の電圧(例えば、パワーバンクバッテリ180の2つの端子間の電圧)は、例えば、パワーバンクバッテリ180に配設された電圧計を介してMCU184によって測定され得る。流出電流は、パワーバンクバッテリ180と直列に電気的に配置され、かつ既知の抵抗を有する、抵抗器226(例えば、シャント抵抗器)の使用を介してMCU184によって測定され得る。電流が抵抗器226を通過するとき、MCUは、電圧計228を介して抵抗器226全体にわたる電圧降下を測定する。パワーバンクMCU184におけるADCは、アナログ電圧測定値をデジタル電圧測定値に変換し得る。MCU184は、抵抗器226全体にわたる電圧降下を抵抗器228の既知の抵抗によって除して、抵抗器226を通過する電流の値、それゆえ、パワーバンクバッテリ180の流出電流の値を判定し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、パワーバンクバッテリ180からの電荷の供給の制御は、パワーバンクスイッチ232を介して容易にされる。開放状態(
図2に示されたような)のスイッチ232は、パワーバンクバッテリ180からの電荷の供給を防止するのに対して、閉鎖状態のスイッチ232は、電荷の供給を可能にする。スイッチ232は、例えば、パワーバンクMCU184によって制御され得る(例えば、スイッチは、本明細書に記載されるように、動的な充電効率に基づいて自動的に閉鎖され得る)。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、スイッチ232は、
図1Bの充電式デバイス120及び/又はリモートサーバ130によってパワーバンク140に送信される通信に基づいて制御されてもよく、その通信は、対応するユーザ入力に基づいてもよい。
【0069】
パワーバンク140は、電圧レギュレータ183a(例えば、
図1に示されたような電圧レギュレータ183、例えば、DC-DC電圧コンバータ)を含む。電圧レギュレータ183aは、パワーバンクバッテリ180の第1の電圧(例えば、3V、3.6V、又は4.2V)を電気的接続210の第2の構成された電圧(例えば、USB充電のための5V)に変換するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ183aは、電圧を増加させるように構成されたステップアップ又は「ブースト」コンバータを含む。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ183aは、(例えば、パワーバンクバッテリ180の電圧が電気的接続210の電圧よりも大きい場合に)電圧を減少させるためのステップダウン又は「バック」コンバータを含む。実質的には、電圧レギュレータ183aによる電圧調節は、(1)パワーバンクバッテリ180の電圧、及び(2)電気的接続210と関連付けられた電圧に基づいて変動し得る。(例えば、電圧レギュレータ183aを通過した)調節された電流は、パワーバンク電気ポート212を介して電気的接続部210に供給され得る。特に、バッテリ180と電圧レギュレータ183aとの間の流出電流の測定を実行することによって、流出電流測定は、バッテリ180自体からの流出電流(例えば、バッテリ180の端子からの流出電流)を反映し、それによって、エネルギーの損失及び/又は電圧レギュレータ183aで生じる電流の値の変化によって引き起こされ得る不正確さを回避する。
【0070】
パワーバンク140は、パワーバンクバッテリ180への流入電荷の供給を容易にするための第2の別個の電気経路(例えば、AC壁コンセント、車両充電ポート、及び/又はパワーバンク140のための他の充電源からの流入電荷)を追加的に含んでもよい。この第2の経路の要素は、一般に、パワーバンクバッテリ180から流出する電荷を導くための本明細書に記載される要素に類似し得る。したがって、第2の経路は、例えば、電圧レギュレータ183b(例えば、パワーバンク140に充電を供給する電気的接続の第1の電圧を、パワーバンクバッテリ180の第2の電圧に変換するための)を含み得る。電流は、電圧レギュレータ183bを通過すると、抵抗器246(例えば、シャント抵抗器)を通過し得る。抵抗器246を通過する電流は、抵抗器226を通過する流出電流に関して(例えば、電圧計248を介してMCU184によって)本明細書に記載されるものと同様の様式で測定され得る。バッテリ180への流入電荷の供給は、スイッチ252を介して制御されてもよい。
【0071】
電流は、充電式デバイスポート214を介して、電気的接続210から充電式デバイス120で受け取られる。受け取られた電流は、充電式デバイス120の電圧レギュレータ262に流れ得る。電圧レギュレータ262は、電気的接続210の電圧(例えば、USB充電のための5V)を、充電式デバイスバッテリ166の別の電圧(例えば、3V、3.6V、又は4.2V)に変換するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ262は、電圧を減少させるように構成されたステップダウンコンバータを含む。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ262は、電圧を増加させるように構成されたステップアップコンバータを含む。
【0072】
電荷は、流入電流によって充電式デバイスバッテリ166で受け取られる。充電式デバイスバッテリ166の電圧は、例えばバッテリ166における電圧計によって、測定され得る。流入電流の値は、モバイルコンピューティングデバイスバッテリ166と電気的に直列に配置され、かつ既知の抵抗を有する、抵抗器270(例えば、シャント抵抗器)を介して測定され得る。電流が抵抗器270を通過するとき、モバイルコンピューティングデバイス120は、電圧計272を介して抵抗器270全体にわたる電圧降下を測定する。充電式デバイスプロセッサにおけるADCは、充電式デバイス120における電圧のアナログ測定値をデジタル電圧値に変換し得る。充電式デバイスのプロセッサ(例えば、プロセッサ158)は、抵抗器270全体にわたる電圧降下を抵抗器270の既知の抵抗によって除して、抵抗器270を通過する電流の値、それゆえ、充電式デバイスバッテリ166への流入電流の値を判定し得る。特に、電圧レギュレータ262とバッテリ166との間で流入電流の測定を実行することによって、流入電流測定は、充電式デバイスバッテリ166自体への流入電流(例えば、充電式デバイスバッテリ166の端子への流入)を反映し、それによって、電圧レギュレータ262で発生する潜在的なエネルギーの損失及び/又は電流の値の変化を考慮する。充電式デバイス120のプロセッサは、流入電流の瞬時値に充電式デバイスバッテリ166の対応する瞬時電圧を乗じることによって、充電式デバイスバッテリ166への瞬時電力入力を計算し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、充電式デバイスバッテリ166への電荷の供給の制御は、充電式デバイススイッチ276を介して実行される。開放状態(
図2に示されたような)のスイッチ276は、充電式デバイスバッテリ166への電荷の供給を防止するのに対して、閉鎖状態のスイッチ276は、電荷の供給を可能にする。スイッチ276は、例えば充電式デバイス120によって(例えば、動的な充電効率に基づいて、パワーバンクアプリ156からの命令に従って、プロセッサ158によって)、制御され得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、スイッチ276は、パワーバンク140によって充電式デバイス120に送信される通信に基づいて制御されてもよい。
【0074】
図2に示されたような電気的配置を介して、この詳細な説明から理解されるように、パワーバンクバッテリ180からモバイルコンピューティングデバイスバッテリ166への電荷の供給は、パワーバンク140の効率的な使用を容易にする様式で実行及び制御され得る。
【0075】
動的な充電効率の変動の原因
パワーバンクが充電式デバイスに充電を提供している間の一定時間間隔にわたる任意の時点で(「充電セッション」)、パワーバンクバッテリと充電式デバイスバッテリとの間の動的な充電効率は、パワーバンクバッテリによって出力された電力量と、充電式デバイスバッテリへの受け取られた電力量(「電力入力」)と、の比較に基づいて測定され得る。より具体的には、電力入力(Pin)を、対応する時間で電力出力(Pout)で除して、充電効率を判定する。充電効率は、0と1.0との間の比率として(又は代替的に、0%と100%との間のパーセンテージとして)表され得る。例えば、対応する時間における10.5WのPout及び7WのPinを考慮すると、その時間における充電効率は、およそ0.67又は67%である。
【0076】
少なくともいくらかの損失が任意のエネルギー移送中に発生するため、パワーバンクバッテリと充電式デバイスバッテリとの間の動的な充電効率は、常に、100%未満である。しかしながら、特定の条件は、特に、充電効率を低減するものとして観測され得るが、これらの効率損失の大きさは、経時的に変動し得る。
【0077】
1つには、効率は、充電が実行される電気的接続に基づいて著しく変動する。例えば、USB接続を使用して充電する最適な条件は、70%の効率(すなわち、モバイルコンピューティングデバイスバッテリで受け取られる電力は、パワーバンクバッテリの電力出力の70%である)を生成し得、効率損失は、USBケーブル自体を介した1%~20%の範囲の損失を含む。対照的に、ワイヤレス充電の最適な条件は、50%の効率のみを生み出し得、この場合に、充電式デバイス及びパワーバンクが保持される任意の場合の厚さ、充電式デバイスとパワーバンクとの間の距離などによって損失が影響を受ける。様々な異なる電気的接続による典型的な充電効率の違いを考慮するために、異なる電気的接続に対して異なる充電効率閾値が想定される(例えば、USB2.0充電に特有の第1の効率閾値、USB3.0充電に特有の第2の効率閾値、及びいくつか又は全てのQi規格又はAirFuel規格ワイヤレス充電手段に特有の第3の効率閾値)。
【0078】
追加的に、充電効率は、典型的には、充電を受け取るデバイスのフューエルゲージが増加するにつれて減少する。例えば、充電式デバイスが100%フューエルゲージに近付くほど、充電効率は、典型的には、低くなる(例えば、充電式デバイス及び/又はパワーバンクにおける電圧レギュレータでのエネルギー損失の結果として)。充電式デバイスフューエルゲージが低い(例えば、20%、30%、40%)とき、充電式デバイスは、典型的には、比較的効率的な充電を受け入れることができる。しかしながら、充電式デバイスが完全な充電(100%フューエルゲージ)に近付くにつれて、充電電流は、典型的には、先細りし、充電式デバイスに充電の最後の部分(例えば、充電の最後の20%、最後の10%、5%、1%など)を提供するためにより多くの時間及びエネルギーが必要とされる。この現象について、この詳細な説明の後続の部分における
図3~5の考察と併せて更に詳細に説明する。
【0079】
更に、任意のデバイスと関連付けられた充電効率は、典型的には、デバイスバッテリ(例えば、充電を提供するパワーバンクバッテリ、又は充電を受け取る充電式デバイスバッテリ)の健全性の状態によって影響を受ける。バッテリが経時し、かつバッテリの実容量が減少するにつれて、バッテリに内部抵抗が蓄積される。その結果、充電中に熱に失われるエネルギー量が増えている。本明細書における方法及び装置に適用すると、パワーバンクバッテリの内部抵抗の増加が充電式デバイスの内部抵抗の増加によって複合化されると、著しい効率損失に遭遇する。
【0080】
また別の要因として、充電効率は、バッテリ及び/又はバッテリに近接する環境の温度に依存し得る。一般に、バッテリ容量(それゆえ、充電効率)は、温度が上昇するにつれて増加する。とは言え、閾値温度(約45℃)の後に、バッテリ劣化と関連付けられた内部抵抗の上昇に起因して、追加の充電が失われて熱になり、充電容量を一般に減少させる。したがって、パワーバンクMCU及び/又はリモートサーバは、感知された温度値に基づいて温度補正因子を適用して、判定された充電効率を調整し得る。感知された温度を考慮してバッテリ測定値を補正するための技法の追加の説明が、2021年3月11日に出願された米国特許出願第17/198,991号に提供されており、その開示の全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0081】
ほとんどの充電式デバイスユーザは、充電式デバイスが静止電源(例えば、充電式デバイスが必要とするよりも指数関数的に多くの充電を提供することができるAC壁コンセント、車両充電ポートなど)によって充電されているときに、特に効率損失を見出さないが、効率損失は、パワーバンクで経験されたときに特に懸念される。これらの効率損失は、パワーバンクが単一の完全な充電又は部分的な充電で提供することができる充電の有効量又は「実際の」量を大幅に低減する。
【0082】
電力出力及び電力入力の計算
パワーバンク(例えば、
図1及び2からのパワーバンク140)と充電式デバイス(例えば、
図1Aからのモバイルコンピューティングデバイス120を含む、
図1B及び2からの充電式デバイス120)との間の充電セッション中の任意の時点における動的な充電効率は、充電式デバイスバッテリ(P
in)への電力入力をパワーバンクバッテリの電力出力(P
out)で除することによって判定され得る。動的な充電効率は、比率又はパーセンテージとして表される。
【0083】
瞬時電力出力P
outは、パワーバンクバッテリの2つの端子間の電圧(例えばボルト(V)での、V
out)に、パワーバンクバッテリの流出電流(例えばアンペア(A)での、I
out)を乗じることによって計算される。いくつかの実施形態では、パワーバンクMCU及び/又はリモートサーバは、パワーバンクバッテリと電気的に直列に配置された抵抗器(例えば、
図2に関して記載されるような、シャント抵抗器226)を介して、瞬時流出電流I
outを測定する。抵抗器は、既知の電気抵抗(例えば、0.01オーム(Ω))を有し、抵抗器の電気抵抗は、パワーバンクMCU及び/又はリモートサーバのメモリに含まれている。パワーバンクMCU及び/又はリモートサーバは、電圧計を介して、電流がバッテリから抵抗器を通過するときの抵抗器全体にわたる電圧降下を測定する。例えば、0.01Ωシャント抵抗器について、MCU及び/又はリモートサーバは、シャント抵抗器全体にわたって20ミリボルト(mV)の降下を測定し得る。MCU及び/又はリモートサーバは、電圧降下をシャント抵抗器の既知の抵抗で除して、抵抗器を通過する電流、それゆえ、パワーバンクバッテリからの流出電流の値を判定する)。例えば、MCU及び/又はリモートサーバが0.01Ωシャント抵抗器全にわたって20mVの降下を測定する場合、MCU及び/又はリモートサーバは、2Aの電流を判定する。流出電流I
outに、パワーバンクバッテリの対応する電圧を乗じて、電力出力P
outを判定する。例えば、2Aの電流及び3.9Vの対応するパワーバンクバッテリ電圧が与えられると、P
outは、7.8Wであると判定される。MCUは、流出電流の決定された量をリモートサーバでの監視のためにリモートサーバに送信し得る。
【0084】
同様の測定及び計算が、充電式デバイスバッテリでの瞬時電力入力(Pin)の計算に適用され得る。電力入力Pinは、充電式デバイスバッテリの瞬時電圧(Vin)に、充電式デバイスバッテリで受け取られた対応する電流(Iin)を乗じた積として計算され得る。例として、3.6VのVin及び1.5AのIinが与えられると、電力入力Pinは、5.4Wである。対応するPoutが7.8Wである上の例に続いて、動的な充電効率は、5.4W/7.8W、又はおよそ0.69(69%)である。
【0085】
いくつかの実施形態では、充電式デバイスバッテリの電流I
inは、パワーバンクに関して本明細書に記載される同様の回路を介して(例えば、
図2に関して記載されるように、既知の抵抗を有する抵抗器全体にわたる電圧降下を測定することによって)測定される。いずれの場合も、最新の充電式デバイス(例えば、スマートフォン)は、典型的には、充電式デバイスの電圧、電流、電力、及び/又は他の電気的特性を測定するための機能を含むAPIを公開している。したがって、充電式デバイスの電気的特性(例えば、V
in、I
in、及び/又はP
in)の値を取得することは、1つ以上のAPI関数呼び出し、例えば、パワーバンクを使用するための充電式デバイスでの専用ソフトウェアアプリケーション(例えば、
図1に関して記載されるようなパワーバンクアプリケーション156)が実行されることを含み得る。充電式は、判定された流入電流量をリモートサーバでの監視のためにリモートサーバに送信し得る。
【0086】
充電セッションを通した効率の変動
図3~5は、パワーバンクが充電式デバイス(特に、スマートフォンであるが、他の充電式デバイスが等しく可能である)に電荷を供給する例示的なUSB充電セッションを通した電気特性の変動を例示している。特に、
図3~5は、充電セッションを通した電圧、電流、電力、及び充電効率の変動を例示している。本開示の技法を例示的な充電セッションに適用して、例えば、充電セッションの終了前に充電の中断を引き起こして、それによって、パワーバンクの相対的に非効率的な使用を防止し得る。
【0087】
図3~5の例示的な充電セッションは、およそ120分の持続時間を有する一定時間間隔によって定義され、充電セッションは、本明細書で更に詳細に記載される定電流定電圧(CC/CV)充電プロトコルを使用する。他の充電プロトコルが可能である。いずれの場合でも、充電セッションを通して(例えば、120分の時間間隔を通して)、スマートフォンバッテリは、充電を獲得する一方、パワーバンクバッテリは、充電を失う。具体的には、この例では、スマートフォンが分0で0%の充電で開始し、かつおよそ分120で100%の充電に達する、「完全な充電」が示されている。パワーバンクのフューエルゲージの対応する減少は、例えば、100%~60%、80%~35%、50%~10%などへの減少であり得る。
図3に示すように、充電セッションを通したスマートフォンの充電レベルの増加は、典型的には、線形ではない。
【0088】
とは言え、
図3~5における例示的な充電セッションは、連続的な120分間の時間間隔を通したスマートフォンの完全な充電である(すなわち、中断することなく)と、簡略化のために仮定され得る。しかしながら、充電セッションは、スマートフォンへの充電の供給が意図的に中断される場合(例えば、スマートフォンからUSBケーブルを物理的に切断することによって、又はワイヤレス充電パッドからスマートフォンを取り外すことによって)、任意の時間に終了し得る。別の充電セッションは、後続の時間で充電が再開されるとき(例えば、USBケーブルがスマートフォンのポート及びパワーバンクスマートフォンに再挿入されるとき、又はスマートフォンがワイヤレス充電パッドに戻されるとき)に始まり得る。したがって、本明細書に記載される充電セッションは、任意の好適な時間間隔(例えば、1分、10分、25分、150分など)に対応し得、充電セッションは、スマートフォンを、0%~30%、10%~55%、38%~64%、53%~100%、又は任意の開始パーセンテージから開始パーセンテージよりも大きい任意の最終パーセンテージに充電し得る。
【0089】
なお更に、
図3~5に示されるような電気特性の挙動(例えば、結果として生じる効率)は、有線USB充電セッションに最も密接に対応することに留意されたい。しかしながら、本明細書に記載される電気特性は、ライトニング充電、Qi規格又はAirFuel規格のワイヤレス充電手段などの他の充電手段について同様の挙動を呈し得ることを理解されたい。したがって、本明細書に記載される技法は、本明細書に記載される任意の充電手段を含む任意の好適な充電手段を介して行われる充電セッション中に適用され得る。
【0090】
最初に
図3及び4を参照すると、CC/CV充電プロトコルを理解することができる。一般に、CC/CVは、2つのフェーズ、具体的には、第1の「定電流」(CC)充電フェーズ及び第2の「定電圧」(CV)充電フェーズからなる。第1の「定電流」(CC)充電フェーズでは、充電を提供するデバイスバッテリは、概して安定した量(例えば、2.5A)の流出電流(I
out)を供給し、充電を受け取っているデバイスバッテリ(例えば、スマートフォンバッテリ)は、概して安定した量(例えば、公称2.5A)の流入電流(I
in)を受け取る(例えば、公称2.5Aであるが、潜在的には、パワーバンクバッテリとスマートフォンバッテリとの間のエネルギー損失に基づいて、より少ない)。スマートフォンバッテリがCCフェーズで充電を受け取る間、スマートフォンバッテリ(V
in)の電圧は、最小電圧(例えば、リチウムバッテリで一般的であるように、0%フューエルゲージで3V)から最大電圧(例えば、リチウムバッテリで一般的であるように、4.2V)に向かって増加し得る。逆に、充電を供給するデバイスバッテリ(すなわち、パワーバンクバッテリ)が充電を失うにつれて、パワーバンクバッテリの電圧(V
out)は、減少し得る。
図3に示されるように、スマートフォンバッテリの最大電圧は、例えば、スマートフォンバッテリがおよそ70%フューエルゲージであるときに達成され得る。代替的に、最大電圧は、50%バッテリフューエルゲージ、60%フューエルゲージ、80%フューエルゲージなどで達成されてもよい。
【0091】
いずれの場合でも、スマートフォンバッテリが最初の時間(T
1)で最大電圧に達すると、「CC/CVクロスオーバ」が発生し、第2の「定電圧」(CV)充電フェーズが始まる。CVフェーズでは、
図3及び4から観測され得るように、スマートフォンフューエルゲージが100%に近付くにつれて、パワーバンクバッテリの流出電流I
out(及びひいては、モバイルコンピューティングデバイスのバッテリの流入電流I
in)が、初期値(例えば、クロスオーバの直後の瞬間の2.5Aの流出電流)から0Aに向かって減少する間、スマートフォンバッテリの最大電圧は、維持される(すなわち、一定又はほぼ一定)。
【0092】
典型的な充電方法によれば、流入電流Iinが、充電が十分に先細りしたことを示す所定の閾値(例えば、分120で0.05A、又は異なるほぼゼロの電流値)以下であるとき、第2の最終充電フェーズが完了する。結果的に、スマートフォン及び/又はパワーバンクMCUは、パワーバンクバッテリへの充電の供給の遮断を引き起こす(例えば、パワーバンクにおける、又は充電源の充電アダプタにおけるスイッチを介して)。対照的に、本開示の技法は、有利なことに、電流がほぼゼロの電流に先細りする前に、電荷の供給の中断が起こり得る充電効率に基づいて、電荷の供給の中断を促進する。
【0093】
パワーバンクバッテリのV
out及びI
outは、経時的に変動するため、パワーバンクバッテリの電力出力P
outも変動する。同様に、スマートフォンのバッテリのV
in及びI
inは経時的に変動するため、電力入力P
inは、変動する。P
out及びP
inの変動は、
図5で観測され得る。CCフェーズ中の分0からおよそ分55まで、効率は、およそ70%で相対的に安定したままである。しかしながら、T
1でのCVフェーズへのクロスオーバに続いて、効率は、徐々に低下する。特に、効率は、およそ分80での第2の時間(T
2)で60%の第1の効率マーク(E
1)に降下する。続いて、充電セッションが継続するにつれて、効率は、およそ分105での第3の時間(T
3)で50%の第2の効率マーク(E
2)に降下する。戻って
図3を参照すると、分105で、スマートフォンフューエルゲージが100%未満であることが観測される。第1及び第2の効率マークは、例えば、スマートフォンがそれぞれ90%フューエルゲージ及び95%フューエルゲージであるときに達せられ得る。
【0094】
本明細書における方法及び装置は、効率を監視し、かつ低効率に基づいて充電セッションの中断を提供することによって、既存の充電方法を改善し、それによって、パワーバンクの充電供給を節約する。充電は、例えば、効率が閾値以下の値に降下したとき(例えば、
図5に示されるように、第1の効率マークE
1又は第2の効率マークE
2に対応する)、中断され得る。使用される効率閾値は、使用される充電の手段に基づいて変動するであろう。例えば、70%の効率が多くの場合達成されるUSB充電セッションでは、60%又は50%の効率で充電の中断をもたらすことが合理的であり得る。対照的に、50%よりも高い効率がめったに達成されないワイヤレス充電セッションでは、より合理的な閾値は、45%、40%、35%などであり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの充電手段の効率閾値は、モバイルコンピューティングデバイスで実行動作する命令(例えば、専用ソフトウェアアプリケーション)を介してユーザによって設定される(すなわち、ユーザは、閾値を割り当てる)。追加的又は代替的に、効率閾値は、パワーバンクMCUにプログラム及び記憶された値、及び/又はリモートサーバに維持されるユーザプロファイルデータを更に含んでもよい。
【0095】
例示的なユーザインターフェース
図6A、6B、及び6Cは、パワーバンク(すなわち、図示されていないパワーバンクバッテリ)が充電式デバイス610に(すなわち、充電式デバイス610のバッテリに)充電を供給する充電セッションのコンテキストでパーソナル電子デバイス610に表示され得る例示的なユーザインターフェースを例示している。パーソナル電子デバイス610は、例えば、
図1Bに関して記載されるパーソナル電子デバイス121であり得る。上に記載されるように、いくつかのシナリオでは、パーソナル電子デバイス121は、
図1Bに関して記載されるモバイルコンピューティングデバイス120、
図1B及び2に関して記載される充電式デバイス120、
図3~5に関して記載されるようなスマートフォン、又は別の好適なパーソナル電子デバイスであり得る。例示されたシナリオでは、パーソナル電子デバイス610は、充電式デバイスであり得る。しかしながら、他のシナリオでは、このことは当てはまらない。枠組みにこれらの代替的なシナリオを提供するために、このセクションでは、「パーソナル電子デバイス610」という用語は、
図6A、6B、及び6Cのユーザインターフェースを表示するように構成されたデバイスとしてのパーソナル電子デバイス610を指し、「充電式デバイス」という用語は、パワーバンクによって再充電されているデバイスとしてのパーソナル電子デバイス610を指す。これらの代替のシナリオでは、充電式デバイスのフューエルゲージは、一般に、パーソナル電子デバイス610のフューエルゲージと同じではない。
【0096】
図6A及び6Bに表示された値は、一般に、充電式デバイスによって、パワーバンク、リモートサーバによって、又はそれらのいくつかの組み合わせによって実行される判定に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、
図6A及び6Bのグラフィカルユーザインターフェースは、パーソナル電子デバイス610で実行動作する専用のパワーバンクアプリケーション(例えば、
図1Aのパワーバンクアプリケーション156)を介して表示される。
【0097】
図6Aは、パーソナル電子デバイス610の画面612(例えば、タッチ画面ディスプレイ)を例示しており、画面612は、第1のグラフィカルユーザインターフェース620を表示する。グラフィカルユーザインターフェース620は、充電効率が60%の第1の効率閾値以下の値まで降下したことを示している。グラフィカルユーザインターフェース620は、充電セッションの中断(すなわち、パワーバンクバッテリから充電式デバイスのバッテリへの充電の供給の中断)を引き起こすか否かのオプションを提供する。
【0098】
パーソナル電子デバイス610が充電セッションを中断するためのユーザインタラクション(「はい」)を検出することに応答して、充電セッションが中断される(例えば、充電式デバイス610での、及び/又はパワーバンクでの充電制御スイッチを介して)。代替的に、パーソナル電子デバイス610が充電セッションを継続させるためのユーザインタラクション(「NO」)を検出することに応答して、充電セッションを中断するアクションは実行されず、グラフィカルユーザインターフェース620が閉じられる。当然のことながら、ユーザがグラフィカルユーザインターフェース620を見たときに意図的に充電式デバイスをパワーバンクから切断する(例えば、充電を実行するために使用されるUSBケーブルを抜く、又はワイヤレス充電パッドから充電式デバイスを取り外す)場合、充電セッションは、それによって、中断される。
【0099】
図6Bは、モバイルコンピューティングデバイス610の画面612を例示しており、画面612は、第2のグラフィカルユーザインターフェース640を表示する。グラフィカルユーザインターフェース640は、充電効率が「極めて低い」こと、及び極めて低い効率に起因して充電セッションが中断されたことを示している。充電セッションは、例えば、パワーバンク及び充電式デバイスが電気的及び通信的に接続されたままであっても、中断され得る。充電セッションの中断を受け入れるためのユーザインタラクション(「了解」)に応答して、グラフィカルユーザインターフェース640が閉じられる。代替的に、パーソナル電子デバイス610が異なるユーザインタラクション(「再接続」)を検出することに応答して、充電効率の継続的な減少の潜在性にかかわらず、電荷の供給が再開される。
【0100】
様々な実施形態では、任意の数の効率閾値が、パワーバンクバッテリの効率的な使用を促進するために設定され得る。更に、様々な実施形態では、追加的又は代替的なグラフィカルユーザインターフェースが可能である。例えば、
図6A及び6Bのプッシュ通知は、パワーバンクアプリケーションによって全画面ディスプレイで置き換えられてもよく、又は補完されてもよい。
【0101】
図6Cは、パーソナル電子デバイス610の画面612を例示しており、画面612は、第3のグラフィカルユーザインターフェース660を表示する。グラフィカルユーザインターフェース660は、パーソナル電子デバイス610のユーザが、パワーバンク及び充電式デバイスをともに充電するための充電終了設定を構成することを可能にする。ユーザは、例えば、充電式デバイスがユーザによって構成された特定の充電レベル(例えば、80%、70%、60%、85%、90%など)にあるときに、充電を自動的に終了させるためのラジオボタン(又は別の好適なグラフィカルユーザインターフェース要素)を選択し得る。追加的又は代替的に、ユーザは、動的な充電効率がユーザによって構成された閾値(例えば、60%、55%、40%、65%など)以下であるときに、充電を自動的に終了させるための別のラジオボタンを選択してもよい。グラフィカルユーザインターフェース660は、パーソナル電子デバイス610のユーザが通知設定を管理することを更に可能にする。「オン」ラジオボタンの選択は、例えば、
図6A及び/又は6Bに関して記載されるように、パワーバンクアプリケーション及び/又はリモートサーバが通知を提供することを可能にし得る。代替的に、「オフ」ラジオボタンの選択が、通知を無効にしてもよい(例えば、充電が自動的に終了された場合でも、通知がユーザに提供されない)。
【0102】
追加の又は代替的なユーザインターフェースは、
図6A~6Cに示されるものと同様の情報及び同様の制御を提供してもよく、かつ/又は本明細書に記載される他の充電関連情報を提供してもよい。更に、様々な実施形態では、音声プッシュ通知を伝達するために、パーソナル電子デバイス610のマイクロフォン及び/又はスピーカを介した音声入力/出力を使用するユーザインターフェース技法が実装されてもよい。
【0103】
例示的なフロー図
図7は、パワーバンクと充電式デバイスと(例えば、
図1Aのモバイルコンピューティングデバイスを含む、
図1B及び2に関して記載されるようなパワーバンク140及び充電式デバイス120)の間の充電セッションを通して充電効率を監視することと関連付けられたフロー
図700を描示している。本明細書に記載するように、フロー
図700のアクションは、パワーバンク(例えば、パワーバンクMCU及び/又は通信)の動作、充電式デバイス(例えば、充電式デバイスプロセッサ及び通信モジュール)の動作、リモートサーバ(例えば、
図1Bに関して記載されるようなリモートサーバ)、又はそれらの組み合わせに対応し得る。充電セッションは、有線充電セッション又はワイヤレス充電セッションであり得る。本明細書に記載又は暗示されるパワーバンク、モバイルコンピューティングデバイス、及びリモートサーバ間の通信は、有線通信(例えば、共有USB充電/データ接続経由)及び/又は無線通信(例えば、無線RF通信)を含み得る。
【0104】
パワーバンクとモバイルコンピューティングデバイスとの間で充電セッションが始まる(702)。充電セッションは、例えば、パワーバンクのバッテリとモバイルコンピューティングデバイスのバッテリとの間に電気的接続(例えば、USBケーブル接続、ライトニングケーブル接続、他の有線の電気的接続、Qi規格ワイヤレス充電接続、他のワイヤレスの電気的接続など)が形成されているときに始まる。追加的に、パワーバンクとモバイルコンピューティングデバイスとの間に通信可能な接続が形成される。通信可能な接続は、電気的接続の形成前、形成と同時、又は形成後に形成され得る。いくつかの実施形態では、通信可能な接続は、RF通信接続である。代替的に、いくつかの実施形態では、通信可能な接続は、有線通信接続(例えば、USBデータ接続)である。いくつかの実施形態では、通信可能な接続及び電気的接続は、同じ構造(例えば、USBデータ/充電接続)によって提供される。
【0105】
充電セッション中に、動的な充電効率が判定される(704)。具体的には、動的な充電効率は、充電式デバイスバッテリでの瞬時電力入力をパワーバンクバッテリの対応する電力出力で除したものに基づいて判定される。
【0106】
動的な充電効率の判定は、パワーバンクによって、モバイルコンピューティングデバイスによって、リモートサーバによって、又はこれらの組み合わせによって実行される様々なアクションを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、パワーバンクは、(1)パワーバンク自体の瞬時バッテリ電力出力、及び(2)充電式デバイスバッテリでの瞬時電力入力を示す受信信号に基づいて、動的な充電効率を判定する。代替的に、他の実施形態では、充電式デバイスは、(1)充電式デバイスバッテリへの瞬時電力入力、(2)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を示す受信信号に基づいて、動的な充電効率を判定する。なお更なる実施形態では、リモートサーバは、(1)充電式デバイスバッテリへの瞬時電力入力を示す第1の受信信号、及び(2)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を示す第2の受信信号に基づいて、動的な充電効率を判定する。これらの実施形態では、リモートサーバは、パワーバンク又は充電式デバイスのいずれかから第1及び第2の信号の両方を受信してもよく、又は充電式デバイスから第1の信号を、及びパワーバンクから第2の信号を受信してもよい。実効的には、(1)本明細書に記載されるアプリケーションが充電式デバイス又はパワーバンクでの計算を可能にすることができるように、又は(2)特定の実施形態に応じて、値をリモートサーバにリモートサーバでの計算のために送信することができるように、いずれのデバイスも、デバイス自体のバッテリ電力入力又は電力出力を判定し、2つのデバイスのうちの他方からのバッテリ電力入力又は電力出力(すなわち、パワーバンク及びモバイルコンピューティングデバイスのうちの他方からの、電力入力及び電力出力のうちの他方)の指標を受信することができる。
【0107】
更に、充電セッションが特定の充電プロトコルを使用する実施形態では、電流及び/又は電圧の一定性を利用して、電力値を判定することができる。例えば、CC/CV充電を開始するときに、充電式デバイスは、パワーバンクバッテリから初期出力電流の指標を受信し得る。電流は、CC/CVクロスオーバまでCCフェーズで概して一定に保持されるため、充電式デバイスは、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を判定するための、瞬時パワーバンクバッテリ電圧の指標を受信するだけでよい。すなわち、定電流値は、CC/CVクロスオーバまで電力出力判定に使用され得る。同様に、パワーバンクがCC/CV充電のCVフェーズが発生したという指標を受信する場合、パワーバンクは、充電式デバイスバッテリの入力電流の指示を充電式デバイスバッテリの定電圧と組み合わせて受信することによって、充電式デバイスバッテリの電力入力を判定することができる。
【0108】
いずれの場合でも、パワーバンク、充電式デバイス、及びリモートサーバのいずれも、動的な充電効率を判定することができる。充電式デバイス又はパワーバンクが動的な充電効率を計算する実施形態では、充電式デバイス又はパワーバンクは、リモートサーバで維持される対応するユーザプロファイルを更新するための、動的な充電効率を示す信号をリモートサーバに送信し得る。
【0109】
動的な充電効率を閾値と比較して、動的な充電効率が閾値以下であるかどうかを判定する(706)。比較は、パワーバンクで、モバイルコンピューティングデバイス、及び/又はリモートサーバで実行され得る。
【0110】
動的な充電効率が閾値以下でない(「いいえ」、すなわち、効率が閾値を上回っている)場合、充電セッションを継続させる(708)。充電効率の監視は、更なる効率損失が最終的に発生した場合にこの効率損失が検出されるように、継続し得る。
【0111】
アクション706で動的な充電効率が閾値以下である(「はい」)場合、パーソナル電子デバイス(例えば、
図1Bのパーソナル電子デバイス121、又は
図6A~6Cのパーソナル電子デバイス610)のユーザに通知するための、かつ/又は充電セッションを中断するための、後続のアクションが取られる(710)。具体的には、パワーバンク、充電式デバイス、又はリモートサーバが、動的な充電効率が閾値を下回っていると判定した場合、パワーバンク、充電式デバイス、又はリモートサーバは、(1)充電セッションを中断し、かつ/又は(2)動的な充電効率の指標をパーソナル電子デバイスに送信及び/又はプッシュする(例えば、充電が中断されたことを示すパーソナル電子デバイスアプリケーションのプッシュ通知画面の表示を引き起こすか、又はそうするかどうかの選定をユーザに提供する)。パワーバンク又は充電式デバイスが、動的な充電効率が閾値を下回っていると判定した場合、パワーバンク又は充電式デバイスは、充電が中断されたことを示す信号をリモートサーバに送信し得、これにより、リモートサーバは、(1)対応するユーザプロファイルデータを更新し、(2)パーソナル電子デバイスに通知を送信及び/又はプッシュする。
【0112】
充電の供給が中断された場合(例えば、自動的に、又はユーザインタラクションに応答して)、充電セッションの中断後に充電式デバイスの継続的な使用が起こり得る(712)。充電式デバイスの継続的な使用の結果として、充電式デバイスのフューエルゲージは、再び枯渇し得る。これらの場合、充電式デバイス及びパワーバンクが電気的に接続されたままである場合(例えば、USB充電ケーブルが両方のデバイスに差し込まれたままである場合)、充電式デバイスのバッテリが部分的に枯渇すると、後で充電を再開する(714)ことが許可され得ることが可能である。すなわち、充電は、一般に、充電式デバイスフューエルゲージが低くなると、より効率的になるため、充電が効率閾値よりも高い効率で実行され得る場合、充電を再開することが可能である。充電を再開することができるかどうかを判定するために、パワーバンクは、本明細書に記載される技法を介して効率を測定するために、充電式デバイスバッテリへの充電の供給を一時的にかつ短時間、再開し得る。効率が閾値を上回っている場合、充電の供給が再開され、動的な充電効率の監視は、アクション704で継続する。
【0113】
フロー
図700のアクションの順序は、本明細書に記載される順序とは異なり得る。更に、フロー
図700は、様々な実施形態では、追加のアクション、より少ないアクション、及び/又は代替のアクションを含んでもよい。例えば、パワーバンクが充電を使い果たした場合、フロー
図700のアクションは、パワーバンクが少なくともいくらかの充電を受け取るまで停止するようになっている。
【0114】
例示的な方法
図8は、パワーバンク(例えば、
図1又は2に関して記載されるようなパワーバンク140)を介して動的な充電効率を判定するための例示的な方法800に対応するブロック図を描示している。方法800の少なくともいくつかのアクションは、
図7のフロー
図700におけるアクションに対応し得る。方法800におけるパワーバンクのアクションは、パワーバンクMCU(例えば、
図1におけるMCU184)及び/又は通信モジュール(例えば、
図1における通信モジュール190)によって実行され得る。
【0115】
方法800は、パワーバンクが充電を供給する充電式デバイスとの電気的接続に対するパワーバンクバッテリの瞬時電力出力を判定する(802)ことを含む。具体的には、パワーバンクが充電式デバイスに充電を供給している間、電力出力が判定される。出力は、(1)パワーバンクバッテリの2つの端子間の電圧、及び(2)パワーバンクバッテリの出力電流を測定することによって判定され得る。電気的接続は、例えば、USBケーブル、ライトニングケーブル、ワイヤレス充電接続などを含み得る。方法800は、モバイルコンピューティングデバイスから通信信号を取得する(804)ことを更に含む。取得された信号は、充電式デバイスバッテリで受け取られた電力量を示す。電力量の指標は、充電式デバイスバッテリの電圧の指標、充電式デバイスバッテリへの入力電流、又は充電式デバイスバッテリで受け取られた電力量を示すそれらの積を含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスバッテリで受け取られた電力量の指標は、(1)瞬時充電式デバイスバッテリ電圧、又は(2)充電式デバイスバッテリへの瞬時入力電流のいずれかを含むだけでよい。例えば、CC/CV充電プロトコルが使用される場合、定電流充電が生じていると判定され得、したがって、充電式デバイスバッテリで受け取られた瞬時電力量を判定するために、充電式デバイスから瞬時充電式デバイスバッテリ電圧の指標のみを取得する必要がある(ここで、以前に測定された、又は別様に既知の電流値、例えば2.5Aを第2の構成要素として使用して、モバイルコンピューティングデバイスバッテリで受け取られた瞬時電力量を計算する)。同様に、定電圧充電が生じていると判定された場合、モバイルコンピューティングデバイスバッテリで受け取られた瞬時電力を判定するために、瞬時入力電流の指標のみを充電式デバイスから取得する必要がある(及び、以前に測定された、又は別様に既知の電圧値、例えばモバイルコンピューティングデバイスバッテリの最大電圧を第2の構成要素として使用して、モバイルコンピューティングデバイスバッテリで受け取られた瞬時電力量を計算し得る)。
【0117】
方法800は、追加的に、リモートサーバ(
図1Bのリモートサーバ130など)に、(i)充電式デバイスバッテリで受け取られた電力量、及び(ii)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信する(806)ことを含む。応答して、リモートサーバは、充電ステータス信号を分析して、動的な充電効率が閾値以下であると判定し、動的な充電効率は、充電ステータス信号に基づいて判定される。方法800は、リモートサーバの判定に応答して、リモートサーバから中断信号を受信する(808)ことを含む。方法800は、追加的に、中断信号を受信することに応答して、充電式デバイスバッテリへの電荷の供給を中断する(810)ことを含む。
【0118】
方法800は、様々な実施形態では、追加のアクション、より少ないアクション、又は代替のアクションを含み得る。
【0119】
図9は、充電式デバイス(例えば、
図1Aのモバイルコンピューティングデバイス120を含む、
図1B及び2に例示されるような充電式デバイス120)を介して動的な充電効率を判定するための例示的な方法900に対応するブロック図を描示している。方法900の少なくともいくつかのアクションは、
図7のフロー
図700におけるアクションに対応し得る。方法900における充電式デバイスのアクションは、例えば、充電式デバイスの1つ以上のプロセッサ及び/又は充電式デバイスの通信モジュールによって実行され得る。
【0120】
方法900は、充電式デバイスの内部バッテリがパワーバンクから電荷を受け取っている間、パワーバンクから通信信号を取得する(902)ことを含む。取得された信号は、パワーバンクバッテリからの瞬時電力出力を示す。電力出力の指標は、パワーバンクバッテリの電圧、パワーバンクバッテリの出力電流、又はパワーバンクバッテリの電力出力を示すそれらの積、の指標を含み得る。方法900は、例えば、モバイルコンピューティングデバイスバッテリの2つの端子間の電圧と、充電式デバイスバッテリへの入力電流と、を測定することによって、充電式デバイスバッテリで受け取られた電力量を判定する(904)ことを更に含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、電力出力の指標は、(1)瞬時パワーバンクバッテリ電圧、又は(2)パワーバンクバッテリの瞬時出力電流のいずれかを含むだけでよい。例えば、CC/CV充電プロトコルが使用される場合、定電流充電が生じていると判定され得、したがって、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を判定するために、瞬時パワーバンクバッテリ電圧の指標のみをパワーバンクから取得する必要がある(ここで、以前に測定された、又は別様に既知の電流値、例えば2.5Aを第2の構成要素として使用して、瞬時電力出力を計算する)。追加的に、パワーバンクがパワーバンクの最小電圧に達したと判定された場合、瞬時バッテリ出力電流のうち、瞬時バッテリ出力を判定するためにパワーバンクから取得する必要がある(及び、以前に測定された、又は別様に既知の電圧値、例えばパワーバンクの最小電圧を第2の構成要素として使用して、パワーバンクバッテリの瞬時電力出力を計算し得る)。
【0122】
方法900は、追加的に、リモートサーバ(
図1Bのリモートサーバ130など)に、(i)充電式デバイスバッテリで受け取られた電力量、及び(ii)パワーバンクバッテリの瞬時電力出力、の指標を含む充電ステータス信号を送信する(906)ことを含む。応答して、リモートサーバは、充電ステータス信号を分析して、動的な充電効率が閾値以下であると判定し、動的な充電効率は、充電ステータス信号に基づいて判定される。方法900は、リモートサーバの判定に応答して、リモートサーバから中断信号を受信する(908)ことを含む。方法900は、追加的に、中断信号を受信することに応答して、充電式デバイスバッテリへの電荷の供給を中断する(910)ことを含む。
【0123】
方法900は、様々な実施形態では、追加のアクション、より少ないアクション、又は代替のアクションを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、例示的な方法800の1つ以上のアクションを、例示的な方法900の1つ以上のアクションと組み合わせて含んでもよい。
【0124】
追加の考慮事項
前述の充電式デバイス及びパワーバンクの全ては、本明細書で考察されるものを含む、追加の機能性、より少ない機能性、又は代替の機能を含み得る。前述の方法の全ては、本明細書で考察されるものを含む、追加のアクション、より少ないアクション、又は代替のアクションを含み得、1つ以上のローカルプロセッサ若しくはリモートプロセッサ及び/又は送受信機を介して、並びに/又は1つ以上のコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を介して実装され得る。
【0125】
本明細書で考察されるプロセッサ、送受信機、モバイルデバイス、及び/又は他のコンピューティングデバイスは、無線通信ネットワーク又は電子通信ネットワークを介して各々と通信し得る。例えば、コンピューティングデバイス間の通信は、1つ以上の無線リンク、又は無線通信チャネル若しくはデジタル通信チャネルを介した無線通信若しくはデータ伝送であり得る。
【0126】
前述の考察には、以下の追加の考慮事項が適用される。本明細書を通して、複数のインスタンスが、単一のインスタンスとして記載される構成要素、動作、又は構造を実装し得る。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として例示及び記載されているが、個々の動作のうちの1つ以上が同時に実行されてもよく、動作が例示される順序で実行されることは必要とされない。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造及び機能性は、組み合わされた構造又は構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として提示される構造及び機能性は、別個の構成要素として実装され得る。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書における主題の範囲内に入る。
【0127】
追加的に、特定の実施形態が、論理、又はいくつかのルーチン、サブルーチン、アプリケーション、若しくは命令を含むものとして本明細書に記載される。これらは、ソフトウェア(例えば、機械可読媒体上又は伝送信号に具現化されたコード)又はハードウェアのいずれかを構成し得る。ハードウェアでは、ルーチンなどは、特定の動作を実行することができる有形のユニットであり、特定の様式で構成又は配置され得る。例示的な実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ又はプロセッサのグループ)は、本明細書に記載されるように特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとしてソフトウェア(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分)によって構成され得る。
【0128】
様々な実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的又は電子的に実装され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの特殊目的プロセッサとして)恒久的に構成された専用回路又はロジックを含み得る。ハードウェアモジュールはまた、特定の動作を実行するためのソフトウェアによって一時的に構成される(例えば、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に包含される)プログラム可能なロジック又は回路を含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に、専用の恒久的に構成された回路で、又は一時的に構成された回路で(例えば、ソフトウェアによって構成された)実装する決定は、コスト及び時間の考慮によって推進され得ることが理解されよう。
【0129】
したがって、「ハードウェアモジュール」という用語は、特定の様式で動作するように、又は本明細書に記載される特定の動作を実行するように物理的に構築された、恒久的に構成された(例えば、ハードワイヤードの)、又は一時的に構成される(例えば、プログラムされた)エンティティである有形のエンティティを包含すると理解されたい。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされた)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、時間的に任意の1つのインスタンスで構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、異なる時間にそれぞれ異なるハードウェアモジュールとして構成され得る。ソフトウェアは、例えば、特定のハードウェアモジュールを1つの時間のインスタンスで構成するように、かつ異なるハードウェアモジュールを異なる時間のインスタンスで構成するようにプロセッサを相応に構成し得る。
【0130】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信し得る。したがって、記載されるハードウェアモジュールは、通信可能に結合されているとみなされ得る。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールを接続する信号伝送を通じて(例えば、適切な回路及びバスを介して)達成され得る。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成又はインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造における情報の記憶及び取り出しを通じて、達成され得る。例えば、1つのハードウェアモジュールが、動作を実行し、その動作の出力を、それが通信可能に結合されたメモリデバイスに記憶してもよい。次いで、更なるハードウェアモジュールは、後で、メモリデバイスにアクセスして、記憶された出力を取り出し及び処理し得る。ハードウェアモジュールはまた、入力デバイス又は出力デバイスとの通信を開始してもよく、リソース(例えば、情報の集合)に対して動作してもよい。
【0131】
本明細書に記載される例示的な方法の様々な動作は、少なくとも部分的に、関連する動作を実行するように一時的に構成される(例えば、ソフトウェアによって)か、又は恒久的に構成された1つ以上のプロセッサによって、実行され得る。一時的に構成されるか、又は恒久的に構成されているかにかかわらず、そのようなプロセッサは、1つ以上の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書で言及されるモジュールは、いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサ実装モジュールを含み得る。
【0132】
同様に、本明細書に記載される方法又はルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサ実装され得る。例えば、方法の動作のうちの少なくともいくつかは、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装ハードウェアモジュールによって実行され得る。特定の動作の性能は、単一の機械内に存在するだけでなく、いくつかの機械にわたって展開された1つ以上のプロセッサ間に分散され得る。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、単一の場所に(例えば、家庭環境内に、オフィス環境内に、又はサーバファームとして)位置してもよい一方、他の実施形態では、プロセッサは、いくつかの場所にわたって分散されてもよい。
【0133】
特定の動作の性能は、単一の機械内に存在するだけでなく、いくつかの機械にわたって展開された1つ以上のプロセッサ間に分散され得る。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的場所に(例えば、家庭環境内に、オフィス環境内に、又はサーバファーム内に)位置してもよい。他の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、いくつかの地理的場所にわたって分散されてもよい。
【0134】
別段断らない限り、「処理する」、「コンピュータ処理する」、「計算する」、「決定する/判定する」、「提示する」、「表示する」などの語を使用する本明細書における考察は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はこれらの組み合わせ)、レジスタ、又は情報を受信、記憶、送信、又は表示する他の機械構成要素内で、物理的(例えば、電子的、磁気的、又は光学的)量として表されるデータを操作又は変換する、機械(例えば、コンピュータ)のアクション又はプロセスを指し得る。
【0135】
本明細書で使用される場合、「一実施形態」又は「実施形態」への任意の言及は、実施形態に関連して記載される特定の要素、特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0136】
いくつかの実施形態は、「結合された」及び「接続された」という表現をそれらの派生語とともに使用して記載され得る。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が直接の物理的接触又は電気的接触にあることを示すために「結合された」という用語を使用して記載され得る。しかしながら、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協働又は相互作用することも意味し得る。実施形態は、この文脈に限定されない。
【0137】
本明細書で使用される場合、「含む/備える(comprises)」、「含む/備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はそれらの任意の他の変化形は、非排他的包含に及ぶ。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明示的にリストされていない、又は固有の他の要素を含み得る。更に、明示的に打ち消さない限り、「又は」は、包含的な又は、を指し、排他的な又は、ではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aは真(又は存在する)であり、かつBは偽(又は存在しない)である、Aは偽(又は存在しない)であり、かつBは真(又は存在する)である、並びにA及びBの両方が真(又は存在する)である。
【0138】
加えて、「a」又は「an」の使用は、本明細書における実施形態の要素及び構成要素について記載するために採用される。このことは、単に、便宜上、及び説明の一般的な意味を与えるために行われる。本明細書及びそれに続く特許請求の範囲は、1つ又は少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、単数形は、それが別様の意味であることが自明でない限り、複数形も含む。
【0139】
本特許出願の末尾の特許請求の範囲は、請求項に明示的に記載されている「ための手段」又は「ためのステップ」という言い回しなどの慣例のミーンズプラスファンクションの言い回しが明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の下で解釈されることを意図していない。
【0140】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、コンピュータ機能性の改善を対象とし、従来のコンピュータの機能性を改善する。
【0141】
この詳細な説明は、単に例示的なものとして解釈されるものであり、あらゆる可能な実施形態について記載することは、不可能ではないにしても、非実用的であろうことから、あらゆる可能な実施形態について記載してはいない。現在の技術又は本出願の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替の実施形態を実装してもよい。
【国際調査報告】