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特表2024-509757植物材料を分析し、植物材料成分を決定し、植物材料中の植物病害を検出するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】植物材料を分析し、植物材料成分を決定し、植物材料中の植物病害を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3563 20140101AFI20240227BHJP
   G01N 21/359 20140101ALI20240227BHJP
   G01N 21/71 20060101ALI20240227BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20240227BHJP
   G01N 21/65 20060101ALN20240227BHJP
【FI】
G01N21/3563
G01N21/359
G01N21/71
G01N21/27 A
G01N21/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549982
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2022053786
(87)【国際公開番号】W WO2022175309
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】21157702.8
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21157707.7
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21201107.6
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523312118
【氏名又は名称】カーヴェーエス・エスアーアーテー・エスエー・ウント・コー・カーゲーアーアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エルケ・ヒルシャー
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ・ナルテン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・メルダウ
【テーマコード(参考)】
2G043
2G059
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA01
2G043BA07
2G043CA05
2G043DA05
2G043DA09
2G043EA03
2G043EA10
2G043KA02
2G043KA05
2G043KA09
2G043NA02
2G043NA11
2G059AA01
2G059BB08
2G059BB11
2G059CC16
2G059DD12
2G059DD20
2G059EE12
2G059EE13
2G059FF01
2G059FF08
2G059HH01
2G059JJ17
2G059KK04
2G059MM02
2G059MM09
2G059MM10
2G059MM12
2G059MM20
(57)【要約】
本発明は、土壌風袋が付着された対象植物材料、特に土付き植物材料、を含む作物試料を分析するための方法に関する。さらに、本発明は、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための第1のキャリブレーションデータを生成するための方法、および土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための分析アセンブリに関する。それに加えて、本発明は、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための配置構成、製糖施設、および製糖施設における分析アセンブリの使用に関する。さらに、本発明は、製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法に関する。さらに、本発明は、甜菜中の成分を決定するための方法、および製糖施設に関する。さらに、本発明は、甜菜中の成分を決定するためのキャリブレーションデータを生成するための方法、ならびに分析アセンブリおよび/または配置構成および/または方法の使用に関する。さらに、本発明は、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受けやすい生理学的特性を検出するための方法、植物材料中の植物病害を検出するための分析アセンブリ、植物材料中の植物病害を検出するための配置構成、ならびに分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法であって、
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け入れるステップ(110)と、
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料に向けて電磁波を放射するステップ(120)と、
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料から反射された電磁波を受信するステップ(130)と、
- 分析アセンブリを使用して前記受信された電磁波を処理するステップ(140)と、
- 前記対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または前記土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または前記土壌風袋の成分を決定するステップ(150a~c)とを含む方法。
【請求項2】
- 電磁波を処理するステップは、前記対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または前記土壌風袋の質量パーセンテージを決定するために分光法、特に近赤外分光法、および好ましくはデジタル画像分析、特にRGB画像の分析、および/またはハイパースペクトル画像処理を使用することによって実施され、
- 電磁波を処理するステップは、前記土壌風袋の成分を決定するために、分光法、特にレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および好ましくは少なくとも1つの他の分析方法を使用することによって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 第1のキャリブレーションデータを生成するステップ(210)であって、
○ 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料の試料を採取し(220)、前記試料を第1の試料と第2の試料とに分割するステップ、
○ 好ましくは、前記第1の試料の土壌風袋に付着した前記対象植物材料をチョップし(230)、および/または好ましくは、電磁波を受信するように適合されているセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されているカメラに沿って前記第1の試料を移動するステップ、
○ 好ましくは連続的に、前記第1の試料に向けて電磁波を放射し、前記第1の試料から反射された電磁波を受信し、好ましくは前記受信された電磁波を処理することによって前記第1の試料を分析するステップ(240)、
○ 前記第2の試料の第1の質量を決定し、前記第2の試料から前記土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後前記第2の試料の第2の質量を決定することによって前記第2の試料の基準分析(250)を生成し、
・ 前記第2の試料の前記第1の質量および前記第2の試料の前記第2の質量を使用することによって前記第2の試料の前記第1の質量に関して前記土壌風袋の前記質量パーセンテージ、および/または
・ 前記第2の試料の前記第1の質量および前記第2の試料の前記第2の質量を使用することによって前記対象植物材料の前記質量に関して前記土壌風袋の前記質量パーセンテージを、計算するステップ、
○ 前記第1の試料の前記分析の結果と前記第2の試料の前記基準分析の結果とを比較するステップ(260)を含むステップを含む請求項1から2の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
第1のキャリブレーションデータを生成するステップは、
- 前記受信された電磁波を、特に近赤外分光法(NIRS)を使用することによって、スペクトル信号に、および/もしくは少なくとも1つのデジタル画像、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像、および/もしくはハイパースペクトル画像に変換するステップ(240a)、ならびに/または
- オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するために前記スペクトル信号を前処理するステップ(240b)であって、好ましくは、前処理するステップは、乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理するステップは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または
- フィルタを使用して前記少なくとも1つのデジタル画像を前処理するステップ(240c)であって、好ましくは、前記フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される、ステップ、ならびに/または
- 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して前記スペクトル信号を区別することによって前記第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ(240d)、ならびに/または
- スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ(240e)、ならびに/または
- キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行するステップ(260)であって、好ましくは、前記キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/もしくは多重線形回帰(MLR)、および/もしくは部分最小二乗(PLS)回帰、および/もしくは機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップのうちの1つまたは複数のステップをさらに含む請求項1から3の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
- 第2のキャリブレーションデータを生成するステップ(211)であって、
○ 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料の試料を、好ましくは決定された量、たとえば10kgだけ、採取するステップ(221)、
○ 好ましくは土壌風袋に付着した前記対象植物材料をチョップし(231)、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って前記試料を移動するステップ、
○ 前記試料の分光分析(241)を、好ましくは連続的に、電磁波を前記試料に向けて放射し、電磁波を受信し、前記受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、特にレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)および好ましくは少なくとも1つの他の分析方法を使用することによって実行するステップ、
○ 前記土壌風袋の基準分析(251)を、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析o-5フタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法、炉乾法、原子吸光分析法(AAS)、蛍光X線分光法(XRFS)、誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-AES)、および/または他の方法などの測定を実施することによって実行するステップ、
○ 前記分光分析の結果を前記基準分析の結果と比較するステップ(261)、を含むステップを含み、
好ましくは第2のキャリブレーションデータを生成するステップは、
○ オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するために前記スペクトル信号を前処理するステップ(241a)であって、好ましくは、前処理するステップは、乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理するステップは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または
○ 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ(241b)、ならびに/または
○ スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ(241c)、ならびに/または
○ キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行するステップ(261)であって、好ましくは、前記キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/もしくは多重線形回帰(MLR)、および/もしくは部分最小二乗(PLS)回帰、および/もしくは機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップのうちの1つまたは複数のステップをさらに含む請求項1から4の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電磁波を処理するステップから導出されたデータを前記第1のキャリブレーションデータと比較し、前記比較に応じて前記対象植物材料の前記質量パーセンテージおよび/もしくは前記土壌風袋の前記質量パーセンテージを決定するステップ、ならびに/または
- 前記電磁波を分光分析によって処理し、それから導出されたデータを前記第2のキャリブレーションデータと比較し、前記比較に応じて前記土壌風袋の成分を決定するステップ、ならびに/または
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料をチョップするステップ(111)、ならびに/または
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料を、運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されているローラにより、均質に分配するステップ(112)、ならびに/または
- 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料を、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/もしくは電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って移動するステップ(113)であって、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料を移動するステップは、運搬デバイス、好ましくはコンベアベルトを使用して、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから1010m/s、好ましくは0.5m/sから5m/sの範囲内の運搬速度で実施される、ステップをふくむ請求項1から5の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料に向けて電磁波を放射するステップは、連続的に、および/もしくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料が前記センサに沿って、および/もしくは前記カメラに沿って移動している間に実施され、ならびに/または
土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料から反射された電磁波を受信するステップは、連続的に、および/もしくは土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料がセンサに沿って、および/もしくは、前記カメラに沿って移動している間に実施され、ならびに/または
前記電磁波の波長は、赤外スペクトル、好ましくは近赤外スペクトル、および/もしくはマイクロ波領域、および/もしくは可視スペクトル、および/もしくは紫外スペクトル内にあり、ならびに/または
前記スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、中赤外分光法、遠赤外分光法、テラヘルツ分光法、および/もしくは紫外可視分光法(UV-Vis)、および/もしくはラマン分光法、および/もしくはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/もしくは蛍光分光法、および/もしくはハイパースペクトル画像処理、および/もしくは核磁気共鳴、および/もしくはハイパースペクトル画像処理と異なる分光アプローチとの組合せ、および/もしくは異なる分光方法の組合せを使用することによって変換され、ならびに/または
電磁波を受信するステップは、カメラを使用して、および/もしくはカメラと1つもしくは複数の分光方法との組合せ、特にRGBカメラと近赤外分光法および/もしくはハイパースペクトル画像処理との組合せを使用して実施される請求項1から6の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、連続プロセスとして、好ましくは
100ms未満、特に50ms未満の間隔で、好ましくは10ms、30ms、30ms、もしくは40msの間隔で電磁波を放射し、および/もしくは電磁波を受信し、および/もしくは前記受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、ならびに/または
少なくとも2秒間、好ましくは少なくとも10秒間、より好ましくは少なくとも20秒間、より好ましくは少なくとも10分間、特に少なくとも1時間の間、繰り返し、電磁波を放射し、および/もしくは電磁波を受信し、および/もしくは前記受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって実行される請求項1から7の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記対象植物材料の種は根菜作物および/もしくは塊茎作物、特にサトウダイコンおよび/もしくはジャガイモ、もしくはその少なくとも一部であり、ならびに/または
前記対象植物材料は、甜菜を含むか、もしくは甜菜からなる請求項1から8の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
- 前記土壌風袋中の成分を決定するために前記スペクトル信号を処理するステップ、ならびに/または
- 前記スペクトル信号を前記第2のキャリブレーションデータと比較し、前記比較に応じて、好ましくは定量的に、前記土壌風袋中の成分の量および/もしくは質量および/もしくは質量分率および/もしくは体積分率を決定するステップを含む請求項1から9の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための第1のキャリブレーションデータを生成する方法であって、
- 対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料の試料を採取し(610)、前記試料を第1の試料と第2の試料とに分割するステップと、
- 前記第1の試料の土壌風袋に付着した前記対象植物材料をチョップし(620)、および/または好ましくは、電磁波を受信するように適合されているセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されているカメラに沿って前記第1の試料を移動するステップと、
- 好ましくは連続的に、前記第1の試料に向けて電磁波を放射し、前記第1の試料から反射された電磁波を受信し、好ましくは前記受信された電磁波を処理することによって前記第1の試料を分析するステップ(630)と、
- 前記第2の試料の第1の質量を決定し、前記第2の試料から前記土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後前記第2の試料の第2の質量を決定することによって前記第2の試料の基準分析(640)を生成し、
○ 前記第2の試料の前記第1の質量および前記第2の試料の前記第2の質量を使用することによって前記第2の試料の前記第1の質量に関して前記土壌風袋の質量パーセンテージ、および/または
○ 前記第2の試料の前記第1の質量および前記第2の試料の前記第2の質量を使用することによって前記対象植物材料の前記質量に関して前記土壌風袋の質量パーセンテージを、計算するステップと、
- 前記第1の試料の前記分析の結果と前記第2の試料の前記基準分析の結果とを比較するステップ(650)とを含む方法。
【請求項12】
- 前記受信された電磁波をスペクトル信号に、および/もしくは少なくとも1つのデジタル画像に、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像に変換するステップ(640a)、ならびに/または
- オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するために前記スペクトル信号を前処理するステップ(640b)であって、好ましくは、前処理するステップは、乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理するステップは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または
- フィルタを使用して前記少なくとも1つのデジタル画像を前処理するステップ(640c)であって、好ましくは、前記フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される、ステップ、ならびに/または
- 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して前記スペクトル信号を区別することによって前記第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ(640d)、ならびに/または
- スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ(640e)、ならびに/または
- キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行するステップ(640f)であって、好ましくは、前記キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/もしくは多重線形回帰(MLR)、および/もしくは部分最小二乗(PLS)回帰、および/もしくは機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための分析アセンブリであって、
前記分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料に向けて電磁波を放射するように配置構成され、
前記分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む前記作物試料から反射される電磁波を受信するように配置構成され、
前記分析アセンブリは、受信された反射電磁波をスペクトル信号に、および/またはデジタル画像に、好ましくはRGB画像に変換するように配置構成され、
前記分析アセンブリは、前記対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または不要な植物材料の質量パーセンテージおよび/または不要な植物材料中の成分を決定するために前記スペクトル信号および/または前記デジタル画像を処理するように配置構成される、分析アセンブリ。
【請求項14】
生産施設(1300)内で甜菜(1305)の生産加工における成分を決定するための方法(1100)であって、
- 生産用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては生産用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を提供するステップ(1102)と、
- 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分を分析するステップ(1103)であって、
○ 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分に向けて電磁波を放射するステップ(1104)、
○ 電磁波を受信するステップ(1105)、
○ 前記受信された電磁波をスペクトル信号(1400)に変換するステップ(1106)、を含む、ステップと、
- 少なくとも前記生産部分および場合によっては前記分析部分から産物を生産するステップ(1107)とを含む方法(1100)。
【請求項15】
- 少なくとも前記分析部分を分析するステップは、複数の甜菜を受け入れるステップの後、好ましくは複数の甜菜を貯蔵するステップの前に実施され、ならびに/または
- 少なくとも前記分析部分を分析するステップは、前記複数の甜菜を貯蔵した後および/または貯蔵中に、および好ましくは甜菜片を提供する前に、特にスライスすることによって実施され、ならびに/または
- 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分を分析するステップは、特にスライスすることによって、甜菜片を提供した後に、および好ましくは少なくとも前記生産部分から生ジュースを生産する前に実施され、ならびに/または
- 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分を分析するステップは、圧搾パルプを生産した後、好ましくは前記圧搾パルプを乾燥させる前および/もしくは乾燥させた後に実施され、ならびに/または
- 好ましくは、特に100ms未満、または50ms未満の間隔で、好ましくは10ms、20ms、30ms、もしくは40msの間隔で電磁波を放射し、および/もしくは電磁波を受信し、および/もしくは前記受信された電磁波をスペクトル信号(400)に変換することによって、連続プロセスとして実行される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
- 前記分析部分の質量分率は、前記複数の甜菜中の、少なくとも0.001%、もしくは少なくとも0.1%、もしくは少なくとも0.2%、もしくは少なくとも0.5%、もしくは少なくとも1%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも50%、もしくは少なくとも80%であり、ならびに/または
- 前記生産部分は、前記分析部分を含み、ならびに/または
- 前記生産部分および前記分析部分は、少なくとも部分的には、同一である請求項14から15の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
- キャリブレーションデータを生成するステップであって、
○ 好ましくは決定された量、たとえば10kgの甜菜(1305)の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って前記試料を移動するステップ、
○ 好ましくは連続的に、前記試料に向けて電磁波を放射し、電磁波を受信し、前記受信された電磁波をスペクトル信号(1400)に変換することによって前記試料を分光分析するステップ、
○ 好ましくはカッターミルによって、前記試料から甜菜パルプを生産し、好ましくは、硫酸アルミニウムもしくは酢酸鉛溶液もしくは水によって、前記甜菜パルプを抽出するステップ、
○ 偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法、炉乾法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行うステップ、
○ 前記分光分析の結果を前記基準分析の結果と比較するステップを含むステップを含み、
- 好ましくはキャリブレーションデータを生成するステップは、
○ オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するために前記スペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理するステップは、乗法的散乱補正(MSC)、逆MSC、拡張MSCおよび/もしくは導関数、および/もしくは微分、および/もしくは平滑化、および/もしくは標準正規変量(SNV)、および/もしくは正規化および/もしくは前処理方法の組合せを使用して実施され、好ましくは前処理するステップは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または
○ 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して前記スペクトル信号を区別することによって、前記甜菜から反射される、もしくは放射されて前記甜菜を貫通する電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/または
○ スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、ならびに/または
○ キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行するステップであって、好ましくは、前記キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/もしくは多重線形回帰(MLR)、および/もしくは部分最小二乗(PLS)回帰、および/もしくは機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップのうちの1つまたは複数をさらに含む請求項14から16の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
- 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分中の成分を決定するために前記スペクトル信号を処理するステップ、ならびに/または
- 前記スペクトル信号をキャリブレーションデータと比較し、前記比較に応じて、好ましくは定量的に、少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分内の前記成分を決定するステップを含む請求項14から17の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記電磁波の波長は、赤外スペクトル、好ましくは近赤外スペクトル、および/もしくはマイクロ波領域、および/もしくは可視スペクトル、および/もしくは紫外スペクトル内にあり、ならびに/または
前記スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、中赤外分光法、遠赤外分光法、テラヘルツ分光法、および/もしくは紫外可視分光法(UV-Vis)、および/もしくはラマン分光法、および/もしくはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/もしくは蛍光分光法、および/もしくはハイパースペクトル画像処理、および/もしくは核磁気共鳴、および/もしくはハイパースペクトル画像処理と異なる分光アプローチとの組合せ、および/もしくは異なる分光方法の組合せを使用することによって変換され、
分析するステップは、カメラを使用しておよび/もしくはカメラと異なる分光法との組合せを使用して実施される請求項14から18の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
- 少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器内の前記生産部分の持続時間、および/もしくは生ジュース精製における乳状石灰およびCOの適用、および/もしくはジュース精製における石灰処理、炭酸処理、スラッジ分離、および硫酸処理のプロセスの調整を、少なくとも前記分析部分内の前記決定された成分に応じて変更するステップ、ならびに/または
- 圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、少なくとも前記分析部分内の前記決定された成分に応じて変更するステップ、ならびに/または
- 少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、少なくとも前記分析部分内の前記決定された成分に応じて変更するステップを含む請求項14から19の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも前記分析部分に向けて電磁波を放射するステップは、前記分析部分が第1の運搬セクション(1510)に配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送され、および/もしくはバイパスセクション(1540)に配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送される間に実施され、ならびに/または
前記生産部分に向けて電磁波を放射するステップは、前記生産部分が前記第1の運搬セクションに配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送される間に実施される請求項14から20の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
製糖用の甜菜中の成分の決定のためにキャリブレーションデータを生成する方法(1900)であって、
- 好ましくは決定された量、たとえば10kgの甜菜の試料を採取し(1901)、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って前記試料を移動するステップと、
- 好ましくは連続的に、前記試料に向けて電磁波を放射し、電磁波を受信し、前記受信された電磁波をスペクトル信号(400)に変換することによって前記試料を分光分析するステップ(1902)と、
- 好ましくはカッターミルによって、前記試料から甜菜パルプを生産し(1903)、好ましくは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液もしくは水によって、前記甜菜パルプを抽出するステップと、
- 偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法、炉乾法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行うステップ(1904)と、
- 前記分光分析の結果を前記基準分析の結果と比較するステップ(1905)とを含む方法(1900)。
【請求項23】
製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成であって、
- 製糖用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては製糖用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を受け入れるための受け入れステーション(1301)、
- 前記分析部分を実質的に等しいサイズの甜菜片に砕き、および/または切断するように構成されるチョッピングデバイス、ならびに/またはスライシングデバイスであって、前記スライシングデバイス(1310)は、前記分析部分および/または前記生産部分を、スライスおよび/または細長片として形成される甜菜片(1311)に切断するように構成される、チョッピングデバイス、ならびに/またはスライシングデバイス、
- 少なくとも前記分析部分および場合によっては前記生産部分を搬送するための運搬デバイス(1312)、
- 前記運搬デバイス上に配置構成される少なくとも前記分析部分に向けて電磁波を放射するように配置構成される分析アセンブリ(1515)であって、好ましくは、前記分析アセンブリは、電磁波を受信するように配置構成され、および/または好ましくは前記分析アセンブリは、前記受信された電磁波をスペクトル信号(1400)に変換するように配置構成される、分析アセンブリ(1515)、
- 少なくとも前記生産部分から生ジュースを生産するための生ジュース生産デバイス、ならびに/または
- 前記分析アセンブリを制御するための、および/または前記分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットであって、好ましくは前記制御ユニットは、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器内の生産部分の持続時間、および/もしくは生ジュース精製における乳状石灰およびCOの適用、および/もしくはジュース精製における石灰処理、炭酸処理、スラッジ分離、および硫酸処理のプロセスの調整を前記分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、前記分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、前記分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように配置構成される、制御ユニットを含む配置構成。
【請求項24】
製糖施設、特に請求項23に記載の配置構成を含む製糖施設における分析アセンブリの使用、ならびに/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成、特に請求項23に記載の製糖用の甜菜中の成分を、製糖施設内、特に請求項23に記載の配置構成を含む製糖施設内で決定するための配置構成の使用、ならびに/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法、特に請求項14から22のいずれか一項に記載の製糖用の甜菜中の成分を、製糖施設、特に請求項23に記載の配置構成を含む製糖施設内で決定するための方法の使用。
【請求項25】
植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を検出するための方法(2100)であって、
- 植物材料を受け入れるステップ(2101)と、
- 前記植物材料に向けて電磁波を放射するステップ(2102)と、
- 電磁波を受信するステップ(2103)と、
- 前記受信された電磁波をスペクトル信号(400)に変換し(2104)、好ましくは前記スペクトル信号を処理するステップと、
- 前記植物材料中の植物病害および/または前記植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性、特に代謝産物を決定するステップ(2105)とを含む方法(2100)。
【請求項26】
- キャリブレーションデータを生成するステップ(2105a)であって、
○ 植物材料、好ましくは植物病害を有するおよび/もしくは有しないおよび/もしくは環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を有するおよび/もしくは有しない植物材料の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って前記試料を移動するステップ、
○ 前記植物材料中の植物病害を評価することによって、たとえば植物病害の視覚的スコアリングによっておよび/もしくは代謝産物および/もしくは前記植物材料中に存在する成分の分析によって前記植物材料のキャリブレーション分析を行うステップ、
○ 好ましくは連続的に、前記試料に向けて電磁波を放射し、電磁波を受信し、前記受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって前記試料を分光分析するステップ、
○ 前記分光分析の結果を前記キャリブレーション分析の結果と比較するステップを含む、ステップ、
ならびに/または
- 前記スペクトル信号をキャリブレーションデータおよび/もしくは少なくとも1つの基準値と比較し、前記比較に応じて、植物病害の存在および/もしくは定量化および/もしくは定性化および/もしくは植物材料における環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を決定するステップを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
キャリブレーションデータを生成するおよび/または前記少なくとも1つの基準値を生成するステップは、複数の分光分析を実施するステップ、特に複数の基準スペクトル信号を生成するステップを含む、ステップを含み、好ましくは、前記複数の基準スペクトル信号は、植物病害のない植物材料、および/もしくは植物病害のある植物材料、または少なくともその一部から反射された電磁波、および/もしくはそれらを透過した電磁波から変換され、
前記キャリブレーションデータは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を使用して導出され、ならびに/または
前記キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/もしくは多重線形回帰(MLR)、および/もしくは部分最小二乗(PLS)回帰、および/もしくは分類学習法、および/もしくはクラスタリング学習法、および/もしくは機械学習を使用する、特にニューラルネットワークを使用するスペクトル前処理を含む多変量解析から導出され、ならびに/または
前記スペクトル信号は、侵入クラスおよび/または異なる植物病害および/または代謝物の分類に分類される請求項25から26の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/もしくは生理学的特性を決定するステップは、前記植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/もしくは生理学的特性を決定するために前記スペクトル信号を処理するステップを含み、ならびに/または
前記スペクトル信号を処理するおよび/もしくはキャリブレーションデータを生成するステップは、
- オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するために前記スペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理するステップは、標準正規変量(SNV)および/もしくは乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化、および/もしくは導関数とSNVとの組合せを使用して実施され、好ましくは前処理するステップは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップならびに/または
- データを多数のすでに定義されている確定したクラスのうちの1つに分類する学習法として分類するステップであって、これは未知のデータを分類するために、訓練データの事前割り当てを必要とし、したがって分類はいわゆる教師あり学習法であり、教師あり学習に対する関連するアルゴリズムは、K最近傍法(kNN)、決定木/ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)、判別分析(PLS-DA)、クラスアナロジーによるソフト独立モデリング(SIMCA)、ナイーブベイズ(NB)、さらにはニューラルネットワークおよび機械学習に基づく分類器である、ステップ、ならびに/または
- 教師なし技術としての、未知のデータを探索するのに適している、クラスタリングを行うステップであって、クラスタリングアルゴリズムは、入力データをそれらの間の類似性に従ってクラスタにマッピングするかまたはグループ化し、そのようなグループ化は、密度ベース、階層ベース、パーティショニングまたはグリッドベースの手法によって行われるが、機械学習もしくはディープラーニングアプローチによっても達成されるものとしてよく、一般的なアルゴリズムは、K平均法、平均シフト、ガウス混合、隠れマルコフモデル(HMM)、およびノイズのあるアプリケーションの密度ベース空間クラスタリング(DBSCAN)である、ステップ、
- 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して前記スペクトル信号を区別することによって、前記植物材料から反射される、もしくは放射されて前記植物材料を貫通する電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/または
- スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、のうちの1つまたは複数を含む請求項25から27の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記植物材料に向けて電磁波を放射しながら、前記植物材料は運搬デバイス(2)上に配置構成され、および/もしくは前記運搬デバイスを使用して搬送され、ならびに/または
前記電磁波の波長は、紫外線(UV)スペクトルおよび/もしくは可視光線スペクトルおよび/または赤外線スペクトルおよび/もしくはマイクロ波スペクトルおよび/もしくはテラヘルツスペクトル内にあり、好ましくは、前記電磁波の前記波長は、10nmから3000μmの範囲内にあり、ならびに/または
前記電磁波は、少なくとも1つの分光計および/または少なくとも1つの分光光度計から受信される請求項25から28の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記植物材料の種は根菜作物および/もしくは塊茎作物、特にサトウダイコンおよび/もしくはジャガイモ、もしくはその少なくとも一部であり、ならびに/または
前記植物材料は、甜菜を含むか、もしくは甜菜からなり、ならびに/または
前記植物材料は、加工産業において前記植物材料を加工するための生産プロセスに導入され、ならびに/または
前記植物材料は、育成プロセスに導入される請求項25から29の少なくともいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
植物材料中の病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を決定するためのキャリブレーションデータを生成する方法(2500)であって、
- 植物材料、好ましくは植物病害を有するおよび/もしくは有しないおよび/もしくは環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を有するおよび/もしくは有しない植物材料の試料を採取し(2501)、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って前記試料を移動するステップと、
- 前記植物材料において環境ストレスの影響を受け得る、植物病害および/もしくは生理学的特性、特に代謝産物を評価することによって、たとえば、前記植物材料中に存在する環境ストレスの影響を受け得る、植物病害の成分および/もしくは代謝および/もしくは生理学的特性、特に代謝産物の視覚的スコアリングおよび/もしくは分析を行うことによって前記植物材料のキャリブレーション分析(2502)を実行するステップと、
- 好ましくは連続的に、前記試料に向けて電磁波を放射し、電磁波を受信し、前記受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって前記試料を分光分析するステップ(2503)と、
- 前記分光分析の結果を前記キャリブレーション分析の結果と比較するステップ(2504)とを含む方法(2500)。
【請求項32】
植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を検出するための分析アセンブリ(4)であって、
- 前記分析アセンブリは、植物材料片に向けて電磁波を放射するように配置構成され、
- 前記分析アセンブリは、反射されたおよび/または放射された電磁波を受信するように配置構成され、
- 前記分析アセンブリは、前記受信された反射電磁波をスペクトル信号(2400)に変換するように配置構成され、
- 前記分析アセンブリは、前記植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性、特に代謝産物を決定するために前記スペクトル信号を処理している、分析アセンブリ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌風袋(soil tare)が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析する第1のキャリブレーションデータを生成するための方法、および土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための分析アセンブリに関する。さらに、本発明は、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための配置構成、製糖施設、および製糖施設における分析アセンブリの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業において、典型的には、根菜作物、特に甜菜などの植物材料は、生産施設、たとえば製糖施設に搬入される。甜菜は、典型的には、製糖施設での製糖に使用される。甜菜は地面から取り出され、製糖施設に直接搬入されるか、あるいは後で製糖施設に搬入するために圃場に貯蔵される。甜菜が製糖施設に搬入されるときに、たとえば甜菜に付着した土壌、固形塊、葉の破片、雑草、サラサラした土、石、および甜菜と一緒に拾い上げられた物質を含む土壌風袋(土壌風袋または風袋土壌とも呼ばれる)の量である、いわゆる風袋分が決定される。甜菜はトラックで受け入れステーションに運ばれ、そこで甜菜を積んだトラックの重量が測定される。甜菜はグラブロールに移される。グラブロールは、収穫後の甜菜に付着している、茎葉部、雑草、土の実質的部分を擦り、つまんで取り除く。土壌風袋は、多くの場合に、風袋土壌または土壌風袋と称され(たとえば、Vermeulen、G.D:「Reduction of soil tare by improving uproot of sugar beet, a soil dynamic approach」、Dissertation Wageningen University 2001年において説明されている)、甜菜および土壌風袋の合計質量(すなわち、総土壌風袋)のパーセントまたは洗われた甜菜の質量(すなわち、正味土壌風袋)のパーセントで表され得る。風袋土壌の相対質量は、通常、土壌風袋と称され、甜菜と土壌風袋の合計質量(総土壌風袋)または汚れを落とした甜菜の質量(正味土壌風袋)のパーセントで表される。受け入れステーションに受け入れられる甜菜のトン数を決定する際に、トラックは、到着後に満載状態で計量され、次いで搬入物を降ろした後に空の状態で再度計量され得る。
【0003】
不要材料、風袋土壌、および土壌風袋という用語は、本明細書では同義語として使用される。
【0004】
土壌風袋の量を決定するために、搬入された甜菜、または搬入された甜菜の一部は、たとえば搬入された甜菜の20重量%~25重量%の範囲内で、計量され、サンプリングされる。まず最初に、試料が計量され、次いで、甜菜は洗浄され清浄化される。それによって、典型的には、材料は手で取り出される必要がある。次いで、清浄化された試料は計量され、土壌風袋の質量パーセンテージ(%風袋)は、未清浄化試料の質量(W1)と清浄化試料の質量(W2)との差を決定し、この差を未清浄化試料の質量(W1)で除算することによって計算される。パーセントで表されるその結果は、「風袋パーセンテージ」と称されることが多く、これは植物材料および土壌風袋を含む搬入物全体の質量に関する土壌風袋の質量のパーセンテージである。上で説明されている計算の式は、以下のように表すことができる。
%風袋=([W1-W2]/W1)×100
【0005】
「Beet-Sugar Handbook」、Mosen Asadi、John Wiley & Sons, 23.06.2006-800頁、94~96頁に、甜菜総重量(甜菜と風袋の重量)は、積載車両の重量(積載重量)から未積載車両の重量(未積載重量)を引いた重量に等しいと記述されている。
総重量=積載重量-未積載重量
【0006】
そして、毎日の特定の栽培者に対するすべての風袋が平均されて、甜菜総重量に適用され、それにより甜菜正味重量を計算することができる。
正味重量=(総重量)×(100-%風袋)/100
【0007】
風袋パーセンテージにより、搬入された甜菜の正味質量が決定され得る。正味質量に基づき、搬入者に支払いを行うことができる。典型的には、搬入に対する支払いは、決定された土壌風袋質量パーセンテージと、好ましくは甜菜の糖含量などの他のパラメータとを考慮して計算される。
【0008】
しかしながら、既存の解決方法は、土壌風袋の質量パーセンテージを決定することが、搬入植物材料の計量および/またはサンプリングおよび/または準備、特に清浄化、手作業による不要物除去、および乾燥にかなりの量の機器を必要とするという欠点を有する。それに加えて、これらのプロセスでは大量の水が必要である、たとえば、洗浄機1台当たり毎分600~1000ガロンの水が必要になることがあり、多くの検査室は各ラインに洗浄機を有する複数のラインを稼動させている。したがって、大半の検査室にとっての課題は、まず、比較的清浄である必要があり、安定した水源から供給される必要がある大量の水を調達しなければならないことである。さらに、典型的に汚れおよび他の汚染物質を含む水を処分することが可能でなければならず、したがって、典型的には、水は処理される必要がある。それに加えて、質量パーセンテージを決定することは、比較的時間と労力とを要する。したがって、土壌風袋の質量パーセンテージの決定は、比較的大きな費用を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,695,566B2号
【特許文献2】米国特許第8,328,948B2号
【特許文献3】米国特許第8,691,306B2号
【特許文献4】米国特許出願公開第2020/0208227A1号
【特許文献5】国際公開第WO2004/055219A1号
【特許文献6】ドイツ特許第2611636B1号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Vermeulen、G.D:「Reduction of soil tare by improving uproot of sugar beet, a soil dynamic approach」、Dissertation Wageningen University 2001年
【非特許文献2】「Beet-Sugar Handbook」、Mosen Asadi、John Wiley & Sons, 23.06.2006-800頁、94~96頁
【非特許文献3】Balmerら、The Plant Journal (2013年) 74、213~225頁
【非特許文献4】Yangら、J. Agric. Food Chem. 2019年、67、19、5465~5476頁
【非特許文献5】Karssemeijerら、Plant Cell Environ.2020、43:775~786頁
【非特許文献6】J. Buddemeyer、B. Marlander、Journal of Plant Diseases and Protection Vol. 112、No. 2、105~117頁、2005年
【非特許文献7】I. Yordanov、V. Velikova、T. Tsonev、「Plant response to drought, acclimation, and stress tolerance」、Photosyntetica 38(1)、171~186頁、2000年
【非特許文献8】B. Shaw、T.H. Thomas、D.T. Cooke、「Responses of sugar beet (Beta vulgaris L.) to drought and nutrient deficiency stress」、Plant Growth Regulation (37) 77~83頁、2002年
【非特許文献9】Buchholz、K.、Marlander、B.、Puke、H.、Glattkowski、H.:Neubewertung des technischen Wertes von Zuckerruben. Zuckerind.120(1995年)113~121頁
【非特許文献10】Bruhns、M.、Sievers、C.、Bliesener、K.-M.、Miehe、D.: Neue Technikumsanlage zur Rubenverabeitung am Zuckerinstitut Braunschweig. Zuckerind. 118 (1993年)450~454頁
【非特許文献11】Burba、M.、Schiweck、H.: Nichtzuckerbilanz und Ionenbilanz im Dicksaft als Grundlage einer Qualitatsbewertung von Zuckerruben. Zuckerind. 118(1993年) 680~689頁および924~936頁
【非特許文献12】Oltmann、W.、Burba. M、Bolz、G.: Die Qualitat der Zuckerrube. Bedeutung, Beurteilungskriterien and Masnahmen to their Verbesserung. Berlin und Hamburg 1984年
【非特許文献13】Burba、M.: Perspectives and Limits of current beet quality evaluation. Zuckerind. 123(1998年)5、365~374頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための改善された方法を提供すること、ならびに/または土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するキャリブレーションデータを生成するための改善された方法を提供すること、ならびに/または土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための改善された分析アセンブリおよび/もしくは改善された配置構成を提供することである。特に、本発明の目的は、土壌風袋の量を確実に決定するための、および/または土壌風袋の成分を確実に決定するための解決策を提供することである。
【0012】
さらに、本発明は、生産施設内の甜菜の生産加工における成分を決定するための方法、製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成、製糖施設、および製糖用の甜菜中の成分を決定するためのキャリブレーションデータを生成するための方法に関する。さらに、本発明は、製糖施設における分析アセンブリの使用、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成の使用、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法の使用に関する。
【0013】
甜菜は、典型的には、製糖施設での製糖に使用される。いくつかのステップからなる製糖プロセスで、甜菜から糖が抽出される。特に甜菜から糖を抽出するための既存の解決方法は、たとえば米国特許第7,695,566B2号、米国特許第8,328,948B2号、米国特許第8,691,306B2号、米国特許出願公開第2020/0208227A1号、および国際公開第WO2004/055219A1号において説明されている。
【0014】
甜菜中の成分を決定するために、また製糖施設で受け取った甜菜の品質管理のために、典型的には、搬入された甜菜の副試料が分析される。したがって、通常、たとえばドイツ特許第2611636B1号において説明されているようなビートソー(beet saw)が使用され、これにより甜菜から細かく均質な甜菜パルプが調製され得る。甜菜パルプは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液または水を使用して抽出され、次いで、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法または他の方法などの測定を実施することによって分析される。
【0015】
製糖用の甜菜中の成分および甜菜の品質管理を決定することは、比較的時間がかかり、さらには大きな労働およびコストを要する。さらに、品質管理のために分析されるのは、製糖施設に受け入れられた甜菜のごく一部だけである。甜菜パルプからは、通常、甜菜パルプの0.3~2重量%、たとえば26gの試料のみが成分を決定するために使用される。サンプリングから分析まで多くのプロセスステップが必要であり、これらのステップは分析結果の精度に対して影響を有し、したがって限定的にしか代表しない。そのような非代表サンプリングおよび分析の結果として、成分分析において著しい歪み、したがって信頼性欠如が生じ、その結果、甜菜からの製糖は最適とは言えない場合がある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、製糖用の甜菜中の成分を決定するための改善された方法を提供すること、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するためのキャリブレーションデータを生成するための改善された方法を提供すること、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための改善された配置構成を提供すること、および/または改善された製糖施設を提供することである。特に、本発明の目的は、製糖プロセスにおける甜菜の品質管理を改善するための、および製糖用の甜菜中の成分を決定するための解決方法を提供することである。
【0017】
本発明は、さらに、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受けやすい生理学的特性を検出するための方法、植物材料中の植物病害を検出するための分析アセンブリ、植物材料中の植物病害を検出するための配置構成、ならびに分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットに関する。
【0018】
育成、フィールドトレイル、および/または製糖産業などの植物加工産業では、そこで使用される植物材料中に植物病害が発生することがある。植物病害は植物材料の特性を劇的に変化させ得るので、植物材料が植物病害に感染することは一般的に有害である。ウイルス、菌類、細菌、線虫、昆虫、軟体動物、哺乳類、節足動物などの多くの生物因子は、欠くことのできない植物材料の部分の生理機能の不均衡を引き起こし得る。これらの生物因子は、植物材料の組織を攻撃し、直接的に影響を受けない全身組織中に化学変化を引き起こし得る。たとえば、菌類によるトウモロコシ葉感染は、植物材料の根が感染していないとしても、植物材料の根に生理学的変化を引き起こすことがある(Balmerら、The Plant Journal (2013年) 74、213~225頁)。それに加えて、害虫による葉への侵入は、茶樹の根代謝産物の変化を引き起こし得る(Yangら、J. Agric. Food Chem. 2019年、67、19、5465~5476頁)。さらに、異なる葉害虫は、キャベツ植物の根代謝応答に影響を及ぼす(Karssemeijerら、Plant Cell Environ.2020、43:775~786頁)。土壌病原菌である紋枯病菌(Rhizoctonia solani)によって誘発される、甜菜の根腐病は、甜菜の品質成分に影響を及ぼす。紋枯病菌の侵入は、グルコースおよびフルクトースなどの還元糖の莫大な増加をもたらした。糖蜜生成成分であるナトリウムおよびアミノ-Nは、侵入に対して最小限度の反応を示すか、まったく反応を示さなかったが、カリウムは病気の重症度が増すにつれて増加した(J. Buddemeyer、B. Marlander、Journal of Plant Diseases and Protection Vol. 112、No. 2、105~117頁、2005年)。これらの例は、局部組織の感染後、植物材料全体を通して化学変化が測定され得ることを示している。寄生虫病および非寄生虫病は両方とも、大きな損害の原因となり、しおれ、かさぶた、カビ被覆、さび、できもの、穴、および腐敗組織を特徴とする。
【0019】
植物全体レベルでは、干ばつストレス、熱ストレス、塩ストレスなどのすべてのストレス状態は、通常、光合成および成長の低下として認識される。植物は、光化学および生化学系が環境内のネガティブな変化に対処することを可能にするいくつかの適応メカニズムを進化させてきた(I. Yordanov、V. Velikova、T. Tsonev、「Plant response to drought, acclimation, and stress tolerance」、Photosyntetica 38(1)、171~186頁、2000年)。
【0020】
干ばつおよび栄養不足ストレスに対する甜菜遺伝子型の応答は、葉RWC(相対含水比)、グリシンベタイン蓄積、芽/根比の変化、および髭根の生成を含んでいた(B. Shaw、T.H. Thomas、D.T. Cooke、「Responses of sugar beet (Beta vulgaris L.) to drought and nutrient deficiency stress」、Plant Growth Regulation (37) 77~83頁、2002年)。
【0021】
植物材料中の植物病害を決定することは、比較的時間がかかり、さらには大きな労働およびコストを要する。さらに、植物病害が植物材料中に存在するかどうかを決定するためには、典型的には、植物材料のごく一部しか分析されない。しかしながら、植物材料の一部のみが植物病害に感染している場合、そのような植物感染は見過ごされることがあり、その結果、植物病害の検出の信頼性が欠如することになる。
【0022】
本発明のさらなる目的は、植物材料中の植物病害を検出するための改善された方法を提供すること、ならびに/または植物材料中の植物病害を検出するための改善された分析アセンブリを提供すること、ならびに/または植物材料中の植物病害を検出するための改善された配置構成を提供すること、ならびに/または分析アセンブリを制御するための、および/もしくは分析アセンブリからデータを受信するための改善された制御ユニットを提供することである。特に、本発明の目的は、植物材料中の植物病害の信頼できる自動化された検出のための解決方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の態様によれば、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法であって、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け取ることと、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射することと、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信することと、分析アセンブリを使用して受信された電磁波を処理することと、対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の成分を決定することとを含む方法が提供される。
【0024】
好ましくは、方法ステップは、列挙されている順序で、特に、1つずつ実施される。しかしながら、列挙されている順序から逸脱する順序で方法を実行することも可能である。
【0025】
ここで、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料と同義に使用される。これは、好ましくは、土壌風袋と一緒に対象植物材料として理解される。好ましくは、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む、または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料は、直接的に収穫された植物材料、特に製糖施設に搬入された状態の植物材料と理解され得る。特に、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む、または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料は、完全には清浄化されていない収穫済み植物材料と理解され得る。土壌風袋が付着した対象植物材料を含む、または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料は、対象植物材料および土壌風袋を含む。本明細書において使用されるような風袋土壌は特に土壌風袋の存在を指す。
【0026】
土壌風袋は、好ましくは、生産プロセス、たとえば製糖プロセスにおいて不要な物質であると理解される。土壌風袋または不要物質は、好ましくは、対象植物材料に付着する土壌、固形塊、葉の破片、雑草、サラサラした土、石、および対象植物材料と一緒に拾い上げられたその他の物質の群からの1つまたは複数を含む。
【0027】
対象植物材料は、根菜作物および/または塊茎作物、特にサトウダイコン(Beta vulgaris)種および/またはジャガイモ(Solanum tuberosum)種とすることができる。対象植物材料は、好ましくは、生産プロセスにおける加工、たとえば糖の抽出のために望まれる植物材料の部分または複数の部分であると理解され、特に製糖プロセスでは、葉を除いた甜菜植物が対象植物材料であり得る。植物材料は、たとえば、根菜作物および/または塊茎作物、特にサトウダイコン種および/またはジャガイモ種とすることができる。好ましくは、植物材料は、甜菜、フダンソウ、スイスチャード、ビートルート、マンゴルト、またはジャガイモの群からの1つもしくは複数を含むか、または1つもしくは複数である。ここで、対象材料は、対象植物材料であると理解される。
【0028】
好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の受け取ることは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料のトラック積荷、および/または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料のコンテナ、および/または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の貨物車両を受け取ることによって実施される。好ましくは、土壌風袋の分光分析は、製糖施設の受入セクションにおいて行われる。
【0029】
好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて放射される電磁波は、赤外スペクトル、特に近赤外スペクトルおよび/または可視スペクトルおよび/または紫外スペクトル内にある。好ましくは、電磁波は、少なくとも1つの波長を有し、電磁波の波長は、170nmから1,000,000nmの範囲内、特に750nmから2,500nmの範囲内、好ましくは780nmから1800nmの範囲内にある。好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、および/または中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/またはテラヘルツ分光法、および/または紫外-可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/または画像、さらにはハイパースペクトル画像、および/または画像の組合せ、および/または分光法を使用するハイパースペクトル画像、および/または異なる分光法の組合せを使用することによって変換される。
【0030】
好ましくは、受信された電磁波は、スペクトル信号に変換され、スペクトル信号は、受信された電磁波に応じて生成される。
【0031】
好ましくは、電磁波は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射され、反射された電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサにより受信される。好ましくは、電磁波は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、またはその一部から反射される。電磁波は、少なくとも部分的に、放射されて植物材料を貫通することもでき、電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサを用いて受信され得る。好ましくは、電磁波は、放射されて植物材料を貫通するか、またはその一部を貫通することができる。
【0032】
分析アセンブリは、好ましくは、スペクトル信号を処理するように適合される。好ましくは、受信された電磁波を処理することは、受信された電磁波がスペクトル信号に変換されることを含み、スペクトル信号は、受信された電磁波に応じて生成される。
【0033】
好ましくは、この方法は、対象植物材料の質量パーセンテージを決定するため、および/または土壌風袋の質量パーセンテージを決定するためにスペクトル信号を処理することを含む。
【0034】
土壌風袋の質量パーセンテージは、好ましくは、スペクトル信号から、特にスペクトル信号中の情報から、特にキャリブレーションデータを考慮することによって予測され得る。
【0035】
土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の特性は、特に、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の任意の特性として理解され得る。特に、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の特性は、対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の成分を含むと理解され得る。
【0036】
第1の利点は、土壌風袋の質量パーセンテージの予測が比較的正確であり、したがって分光法、好ましくはRGB(赤、緑、および青)画像を使用することによって質量パーセンテージを決定できる点である。したがって、質量パーセンテージを決定するためのプロセスは自動化さるものとしてよく、質量パーセンテージの決定に必要な労力が少なくて済む。
【0037】
それに加えて、土壌風袋の質量パーセンテージを決定するための知られているプロセスでは、検査室および計量機器が必要である。本明細書において説明されている方法の利点は、土壌風袋の質量パーセンテージを決定するための従来の方法と比較したときに必要な機器およびスペースが少なくて済む点である。
【0038】
別の利点は、土壌風袋の質量パーセンテージを決定するための従来の方法と比較したときに土壌風袋の質量パーセンテージを決定するために必要な水の量が少なくて済む点である。
【0039】
別の利点は、従来の方法と比較したときに本明細書において説明されている方法では手作業のステップが少ないことに起因して人的ミスが最小限度に抑えられる得るので、本方法では、より信頼性の高い結果が取得され得る点である。
【0040】
さらに、方法は、製糖プロセス、特に製糖施設において、製糖プロセスを停止しなくても実装され得ることも利点である。特に、この方法では、コンベアベルト上で移動する土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に対して分光計測を実施しおよび/または撮像することが可能である。したがって、この方法は、連続プロセスとして実行され得る。したがって、この方法は、従来の方法と比較したときに、時間を短縮し、コスト効率を高めることができる。
【0041】
別の利点は、従来の方法の場合と同様に間欠的試料がこの方法で調査され得るだけでなく、この方法を連続的に実行し、したがって、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む搬入された作物試料の少なくとも一部または全部を分析することも可能であり、その結果、より適切な代表サンプリングが得られる点である。したがって、説明されている方法により、土壌風袋の質量パーセンテージのより信頼性の高い、より正確な決定が達成され得る。
【0042】
好ましくは、電磁波は、コンベアベルトなどの、運搬デバイス上に配置構成された、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射され、反射された電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサにより受信される。好ましくは、電磁波は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から連続的に反射される。
【0043】
別の利点は、本方法により土壌風袋を分析することが可能である点である。この方法は、土壌風袋の成分を決定するためにスペクトル信号を処理することを含むことができる。土壌風袋の成分を決定することによって、土壌風袋に関する有益な情報が取得され得る。
【0044】
たとえば、土壌風袋の一部として土壌のマクロおよび微量栄養素に関する情報を取得することが可能である。土壌には多数の元素が天然に存在しているけれども、作物植物の適切な成長および発育に重要な元素は、現在17種が知られている。窒素(N)、リン(P)、カリ(K)、カルシウム、硫黄(S)、およびマグネシウム(Mg)は、マクロ栄養素(比較的多量に必要)として知られているが、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ホウ素(B)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、塩化物(Cl)、および他の元素は、作物植物の成長および発育に必要なミクロ栄養素(少量必要)である。この情報は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料が収穫された土壌品質を決定するために使用され得る。この情報に基づき、植物材料が収穫された圃場に関するさらなる農作業の決定が行われ得る。土壌は、化学的、物理学的、および生物学的土壌特性の不均一な分布を有し得る。したがって、土壌中の成分に関する情報には特に価値があり得る。
【0045】
好ましい一実施形態によれば、電磁波を処理することは、分光法、特に近赤外分光法、および好ましくはデジタル画像分析、特にRGB画像の分析、および/またはハイパースペクトル画像処理を使用することによって実施され、それにより対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の質量パーセンテージを決定する。
【0046】
好ましい一実施形態において、近赤外分光法が、対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の質量パーセンテージを決定するために使用される。特に、近赤外分光法のみを使用することによって、土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または対象材料の質量パーセンテージが決定され得ることも可能である。しかしながら、それに加えて、さらなる分析法が使用されることが好ましい場合がある。
【0047】
好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の画像、特にRGB画像は、好ましくは近赤外分光デバイスである、分光デバイスのセンサヘッドの隣りまたは背後に捕捉される。したがって、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料は、RGB画像を使用することによって分析され得る。RGB画像を撮影することおよび近赤外分光法を使用することにより分析を実行することは同時に行うことができる。
【0048】
好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料は、光を照射され、影の少なくとも一部、特に最大量の影を除去し、カメラで土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の少なくとも1つの画像、好ましくは複数の画像をキャプチャする。キャプチャされた画像は、土壌風袋から対象植物材料を区別する可能性をもたらすようにフィルタリングされ得る。フィルタは、対象材料であるか土壌風袋であるかを区別するように訓練されるようにセットアップされ得る。そのようなフィルタは、また、たとえば甜菜の茎葉部などの、土壌風袋中の特定の部分を決定するようにセットアップされ得る。したがって、土壌風袋中の特定部分の相対量を決定することも可能である。
【0049】
好ましくは、土壌風袋の質量パーセンテージおよび対象材料の質量パーセンテージは合計して100%になる。土壌風袋の質量パーセンテージが知られている場合、対象材料の質量パーセンテージは計算で求められ、またその逆も可能である。
【0050】
対象材料の正味質量は、対象材料の質量パーセンテージおよび土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の質量から計算され得る。また、対象材料の正味質量は、土壌風袋の質量パーセンテージおよび土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の質量から計算され得ることも可能である。
【0051】
好ましくは、電磁波を処理することは、土壌風袋の成分を決定するために、分光法、特にレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および好ましくは少なくとも1つの他の分析方法を使用することによって実施される。
【0052】
好ましくは、他の分析法は、分光法、特に近赤外分光法、デジタル画像分析、特にRGB画像の分析、またはハイパースペクトル画像処理の群からの少なくとも1つである。
【0053】
ここで、土壌風袋の成分を決定することは、特に、土壌風袋のパラメータ、特に化学的土壌パラメータを決定することと理解され得る。
【0054】
そのような化学的土壌パラメータは、好ましくは、たとえばカリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素、およびリンなどの主要栄養素の総含有量、ならびに/またはたとえば鉄およびマンガンなどの微量栄養素の総含有量、ならびに/またはこれらの栄養素の植物利用性、ならびに/または腐植含有量、ならびに/または土壌pH値を含む。
【0055】
レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は、光学発光分光法技術として理解することができ、好ましくは、典型的には、ナノ秒持続時間のレーザ放射の強いパルスが試料に集光され、これは表面から材料をアブレーションし、マイクロプラズマを発生する。プラズマは、次いで、試料の元素組成に特有の放射線を放出する原子および原子イオンを励起する。認証標準物質を使用することで、検出スペクトルは、元素の総濃度に関係付けられ得る。したがって、この技術は、同時多元素分析に使用され得る。高速土壌分析のための方法としても関心を持たれている、蛍光X線分析法(XRF)と比較して、軽元素を含む、あらゆる種類の元素が、LIBSによってアクセス可能である。これは、試料の準備が不要であるか、または最小限度の準備のみでよいので、マクロおよび微量栄養素の直接(in situ)分析を可能にする。
【0056】
たとえば、製糖施設では、LIBSシステムは、搬入された甜菜を甜菜片にチョップするチョッパーの後ろのコンベアベルト上にセットアップされるものとしてよく、チョップされた甜菜は、LIBSを使用して分析される。スペクトルデータ処理は、次の例で説明されているように行うことができる。まず、プロットの全スペクトルがフィルタリングされ、それにより情報量のないスペクトルを排除する。フィルタ波長は、656.6nmのHα線に設定された。1500カウントの閾値未満のすべてのスペクトルが除去された。各プロットの残りのスペクトルは平均され、平均プロットスペクトルとなった。第2のステップにおいて、平均プロットスペクトルが110個未満の個別のスペクトルを含むプロットが除去され、それによりデータセット中の非代表プロットを回避した。第3のステップにおいて、プロット平均スペクトルは、バックグラウンド補正され、正規化される(検体に応じてバックグラウンド、Hα、N/O線に対して)。第4のステップにおいて、波長範囲は、検体に応じて選択される。第5のステップにおいて、外れ値検査および除去が実施される。そして第6ステップにおいて、データは、キャリブレーションおよびバリデーションに分割される。
【0057】
ファイバLIBSシステムに対する特定のパラメータとして、たとえば次の値が使用され得る。
【0058】
【表1】
【0059】
LIBSシステムのレーザに対する特定のパラメータとして、たとえば次の値が使用され得る。
【0060】
【表2】
【0061】
これはLIBSシステムが高出力レーザを備える場合に好ましい。
【0062】
この例において、高出力レーザを印加すれば、システムの分析性能が向上し得るであろう。しかしながら、高出力LIBSシステムは、追加の次の利点を有することができる。第1の利点は、試料までの距離がより大きく取ることができるので、より良好な実用的実装形態を達成することができ、これはシステムの実装および設置をより容易にし、それに加えて、レーザの隣の窓の汚染を軽減する。別の利点は、高出力でないLIBSシステムと比較したときに、2倍広い測定スポットおよび約4.5倍高いパルスエネルギーを達成できることが可能である点である。別の利点は、より多くの光が検出器に到達し得、このことは複数の検出器を使用してたとえば対象波長範囲を拡大する機会を与える点である。特に、そのような高出力LIBSシステムでは、カリウム(K)およびナトリウム(Na)を決定することが可能である。
【0063】
スペクトルの強度とは別に、ファイバレーザの印加と比較したときに、パルスパワーが大きければ大きいほど、また測定スポットが広ければ広いほど、プロットあたりの測定スペクトルの量が増える。高出力LIBSでは、ファイバレーザと比較したときに、プロットあたりの平均スペクトルは2倍以上高くなり得る。このことは、プロットあたりのより多くの材料が測定され得る(試料断面積の増加)ことを意味し、これは特に土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料などの不均質材料の場合に有利であり得る。
【0064】
一例において、カリウムを決定するために、スペクトルは、565.5nmのHα線上で正規化され、範囲はカリウムを決定するために764から772nmに限定された。信号の高さは正規化に起因して同じレベルであったけれども、ノイズは高出力スペクトルにおいて低かった。数字で表すと、信号対雑音比は、高出力LIBSについて約8倍よかった。したがって、高出力LIBSを使用することが好ましい場合がある。
【0065】
一例において、ナトリウムを決定するために、スペクトルは、565.5nmのHα線上で正規化され、範囲は586から591nmに、すなわちナトリウム輝線に限定された。ノイズは、高出力スペクトルにおいて低かった。ナトリウムに対しては、信号対雑音比は、高出力LIBSについて約2倍よかった。キャリブレーションさらにはクロスバリデーションにおいて、高出力LIBSは、ファイバLIBSよりも約20%よい性能を発揮することができる。高出力LIBSは、たとえば、0.83のR、および甜菜100gあたり0.38mmol/100gの二乗平均平方根誤差(RMSE)に達することができる。
【0066】
この例の結果は、ナトリウムおよびカリウムについて例示的に、LIBSが土壌風袋中の化学的土壌パラメータの分析、特にカリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素、およびリンなどの主要栄養素の含有量の分析に適しており、好ましくは鉄およびマンガンなどの微量栄養素の総含有量の分析にも適していることを示している。土壌風袋、特に土壌中の特定のマクロおよびミクロ栄養素のこのような直接的分析により、栽培地域の土壌風袋のパラメータを決定することが可能である。
【0067】
好ましい一実施形態によれば、この方法は、第1のキャリブレーションデータを生成することであって、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取して、試料を第1の試料と第2の試料とに分割する、好ましくは第1の試料の土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、および/または好ましくは、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って、第1の試料を移動することを含む、生成することと、好ましくは連続的に、第1の試料に向けて電磁波を放射し、第1の試料から反射された電磁波を受信し、好ましくは受信された電磁波を処理することによって第1の試料を分析することと、第2の試料の第1の質量を決定し、第2の試料から土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後第2の試料の第2の質量を決定することによって第2の試料の基準分析を生成することと、第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって第2の試料の第1の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージ、および/または第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって対象植物材料の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージを計算することと、第1の試料の分析の結果と第2の試料の基準分析の結果とを比較することとを含む。
【0068】
土壌風袋の少なくとも一部を除去することは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から土壌風袋の好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも98重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%を除去することを含む。
【0069】
土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料は、甜菜片の試料であり得る。土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料は、たとえば、土壌風袋に付着させた対象植物材料を含む作物試料の10kgまたは20kgまたは30kgを含むことができ、これは好ましくは甜菜および/または甜菜片を含む。土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の他の量も使用することができる。好ましくは、電磁波を受信することは、試料から反射される電磁波を受信することと理解され得る。基準分析は、少なくとも1つまたは複数の測定を含むことができる。好ましくは、分光分析から得られた結果を基準分析から得られた結果と比較することによって、キャリブレーションデータが生成され得る。
【0070】
好ましくは、分光分析は、連続的に実行される。好ましくは、第1のキャリブレーションデータは、繰り返し試料を採取し、試料の分光分析を実施することによって生成される。好ましくは、キャリブレーションデータは、分光分析の結果を基準分析からの結果と繰り返し比較することによって生成される。これはこの手順が数回、特に100回超、好ましくは1000回超繰り返された場合に好ましい。好ましくは、この手順は、異なる成分を有する土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む比較的湿っている作物試料、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む比較的乾燥している作物試料、土壌風袋の質量パーセンテージが比較的高い土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、土壌風袋の質量パーセンテージが比較的低い土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に対して実施される。
【0071】
好ましくは、第1のキャリブレーションデータは、少なくとも数日、特に少なくとも数週間、および/または少なくとも数か月、および/または数年の期間にわたって生成される。
【0072】
第1のキャリブレーションデータを生成することも、土壌風袋に付着された対象植物材料を含む作物試料がセンサに沿って移動されない、静的プロセスで実行され得る。好ましくは、そのような静的プロセス内では、試料は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサの下の、規定された位置に配置される。
【0073】
説明されている方法で第1のキャリブレーションデータを生成する利点は、キャリブレーションデータが土壌風袋の質量パーセンテージを確実に決定するために使用され得る点である。
【0074】
カメラを使用することによって生成され得る、フィルタリングされた画像から、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料中の土壌風袋の予測された量を提供することができるキャリブレーションが実行され得る。そのようなキャリブレーションを行うために、好ましくは、試料は、2つの部分に分割され、それにより、対象材料と土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料との間の比較が実行され得る。
【0075】
好ましくは、同定または適格性確認に使用される定性的NIRS手順に対するキャリブレーションモデルを開発し、最適化し、バリデートするために、キャリブレーションセット(すなわち、モデルパラメータを構築するために使用される試料の群)、クロスバリデーションセット(すなわち、モデル開発から一時的に除外されるが、それでも最終的にモデルの開発に関与する試料)、および独立バリデーションセット(すなわち、モデルの開発への入力を有しない試料)の試料のセットが必要である。これは試料のバリデーションセット(外部バリデーション用)が、キャリブレーションセットから完全に独立している場合に好ましい。結果の比較は、NIRS手順による試料の同じセットの分析によって得られ得、基準方法は、中間精度などの独立して決定されたパラメータとともにNIRSのバリデーションの一部を成す。
【0076】
好ましい一実施形態において、第1のキャリブレーションデータを生成することは、受信された電磁波を、特に近赤外分光法(NIRS)を使用することによって、スペクトル信号に、および/もしくは少なくとも1つのデジタル画像、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像、および/もしくはハイパースペクトル画像に変換するステップ、ならびに/またはオーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは除去するためにスペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは、前処理することは、多重および/または多変量および/または線形回帰分析が実行される前に実施され、および/またはフィルタを使用して少なくとも1つのデジタル画像を前処理し、好ましくは、フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して、対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される、ステップ、ならびに/または、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/またはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、ならびに/またはキャリブレーションデータを生成するために多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を実行するステップであって、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される、ステップのうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0077】
好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)を使用することによって変換される。特に、異なる分光法の組合せさらにはハイパースペクトル画像および/またはRGB画像との組合せが使用されるものとしてよく、好ましくは、異なる分光法または異なる方法を使用することによって変換されたスペクトル信号は組み合わされ得る。
【0078】
好ましくは、この方法は、第2のキャリブレーションデータを生成することであって、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を、好ましくは決定された量だけ、たとえば、10kgだけ採取し、好ましくは土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動することを含む、生成することと、試料の分光分析を、好ましくは連続的に、電磁波を試料に向けて放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、特にレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)および好ましくは少なくとも1つの他の分析方法を使用することによって実行することと、土壌風袋の基準分析を、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析o-5フタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法、炉乾法、原子吸光分析法(AAS)、蛍光X線分光法(XRFS)、誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-AES)、および/または他の方法などの測定を実施することによって実行することと、分光分析の結果を基準分析の結果と比較することとを含み、好ましくは第2のキャリブレーションデータを生成することは、オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するためにスペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/またはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、ならびに/またはキャリブレーションデータを生成するために多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を実行するステップであって、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される、ステップのうちの1つまたは複数をさらに含む。
【0079】
好ましくは、分光分析は、連続的に実行される。好ましくは、第2のキャリブレーションデータは、繰り返し試料を採取し、試料の分光分析を実施することによって生成される。好ましくは、キャリブレーションデータは、分光分析の結果を基準分析からの結果と繰り返し比較することによって生成される。これはこの手順が数回、特に100回超、好ましくは1000回超繰り返された場合に好ましい。好ましくは、この手順は、異なる成分を有する土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む比較的湿っている作物試料、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む比較的乾燥している作物試料、土壌風袋の質量パーセンテージが比較的高い土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、土壌風袋の質量パーセンテージが比較的低い土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に対して実施される。
【0080】
好ましくは、第2のキャリブレーションデータは、少なくとも数日、特に少なくとも数週間、および/または少なくとも数か月、および/または数年の期間にわたって生成される。
【0081】
第2のキャリブレーションデータを生成することも、土壌風袋に付着された対象植物材料を含む作物試料の試料がセンサに沿って移動されない、静的プロセスで実行され得る。好ましくは、そのような静的プロセス内では、試料は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサの下の、規定された位置に配置される。
【0082】
説明されている方法で第2のキャリブレーションデータを生成する利点は、キャリブレーションデータが土壌風袋の成分を確実に決定するために使用され得る点である。
【0083】
好ましくは、LIBSをさらなる分析方法と組み合わせることによって、土壌密度および/または土質および/または土壌pH値および/または肥料の品質および/または土壌の腐植化および/または土壌肥沃度を分析することを含む、詳細な土壌分析が実施され得る。
【0084】
好ましい一実施形態によれば、この方法は、電磁波を処理することから導出されたデータを第1のキャリブレーションデータと比較し、その比較に応じて対象植物材料の質量パーセンテージおよび/もしくは土壌風袋の質量パーセンテージを決定すること、ならびに/または電磁波を分光分析によって処理し、それから導出されたデータを第2のキャリブレーションデータと比較し、その比較に応じて土壌風袋の成分を決定することを含む。
【0085】
説明されている方法により、好ましくは、土壌風袋の質量パーセンテージの決定および土壌風袋の成分の決定は両方とも達成され得る。
【0086】
さらに好ましい一実施形態によれば、方法は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料をチョップすることを含む。
【0087】
土壌風袋の質量パーセンテージを決定するために、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射する前に土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料がチョップされることが好ましい。
【0088】
土壌風袋に付着した対象植物材料を含むチョップされた作物試料上で分光分析を実施する利点は、対象材料および土壌風袋の均質性が良好であることに起因して、得られる結果の信頼性がより高い点である。
【0089】
たとえば、異なるセンサで甜菜全体に対する土壌風袋の分析では、センサが典型的には1次元で動作し、土壌は通常甜菜表面に不均一に付着するので、精度の誤差が高く出ることがある。土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料をチョップすることに起因して、土壌風袋および対象植物材料は両方とも試料中に均等に分布され得る。
【0090】
好ましくは、この方法は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されているローラにより、均質に分配することと、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って移動させることとを含み、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の移動は、運搬デバイス、好ましくはコンベアベルトを使用して、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから1010m/s、好ましくは0.5m/sから5m/sの範囲内の運搬速度で実施される。
【0091】
さらなる好ましい一実施形態によれば、受信電磁波を処理することは、受信された電磁波をスペクトル信号に変換すること、および/または受信された電磁波を少なくとも1つのデジタル画像、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像に変換することを含む。
【0092】
好ましくは、1つまたは複数のスペクトル信号と1つまたは複数のデジタル画像との組合せにより、土壌風袋の質量パーセンテージおよび土壌風袋の成分が決定され得る。
【0093】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に光を当てて、影を低減するおよび/もしくは最小にすること、ならびに/または少なくとも1つのデジタル画像をフィルタリングすることであって、フィルタは、好ましくは少なくとも1つの色閾値を使用することによって、対象植物材料と土壌風袋とを区別するように適合される、フィルタリングすることを含む。
【0094】
好ましくは、光源が、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に光を当てるために使用される。土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に光を当てることによって、影は、除去され、および/または最小にされ得る。
【0095】
これは、フィルタが1つまたは複数のデジタル画像に適用される場合に好ましい。好ましくは、そのようなフィルタを適用することによって、対象材料と土壌風袋とを区別することが可能である。そのようなフィルタは、たとえば、閾値を含むことができる。
【0096】
さらに好ましい一実施形態において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射することは、連続的に、および/もしくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料がセンサに沿って、および/もしくはカメラに沿って移動している間に行われ、ならびに/または土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信することは、連続的に、および/もしくは土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料がセンサに沿って、および/もしくは、カメラに沿って移動している間に行われる。
【0097】
好ましくは、本明細書において説明されている方法は、連続的に実施される。分光分析は、分光分析を実施するための分光デバイスを備える分析アセンブリに沿って移動される、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、特に土壌風袋に付着した対象植物材料を含むチョップされた作物試料上で実行され得る。分光分析は、分光デバイスに関する土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の移動速度に適合され得る。好ましくは、分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む移動する作物試料の画像をキャプチャするためのカメラなどの少なくとも1つの追加の分析デバイスを備える。
【0098】
電磁波の波長が赤外スペクトル、好ましくは近赤外スペクトル、および/もしくはマイクロ波領域、および/もしくは可視スペクトル、および/もしくは紫外スペクトル内にあること、ならびに/またはスペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、中赤外分光法、遠赤外分光法、テラヘルツ分光法、および/もしくは紫外可視分光法(UV-Vis)、および/もしくはラマン分光法、および/もしくはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/もしくは蛍光分光法、および/もしくはハイパースペクトル画像処理、および/もしくは核磁気共鳴、および/もしくはハイパースペクトル画像処理と異なる分光アプローチとの組合せ、および/もしくは異なる分光方法の組合せを使用することによって変換されること、ならびに/または電磁波を受信することは、カメラを使用して、および/もしくはカメラと1つもしくは複数の分光方法との組合せ、特にRGBカメラと近赤外分光法および/もしくはハイパースペクトル画像処理との組合せを使用して実施されることが好ましい。
【0099】
好ましくは、赤外スペクトルは、750nmから1,000,000nmの範囲内の波長を含む。好ましくは、近赤外スペクトルは、750nmから2,500nmの範囲内の波長を含む。好ましくは、可視スペクトルは、400nmから750nmの範囲内の波長を含む。さらに好ましくは、電磁波20の波長は紫外スペクトルの範囲内にあり、好ましくは、紫外スペクトルは、10nmから400nmの範囲内の波長を含む。
【0100】
好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、および/または中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/または紫外可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を使用することによって変換される。特に、異なる分光法の組合せさらにはハイパースペクトル画像との組合せが使用されるものとしてよい。好ましくは、核磁気共鳴も、上述の分光法のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0101】
さらなる好ましい一実施形態において、この方法は、好ましくは、100ms未満、特に50ms未満の間隔で、好ましくは10ms、20ms、30ms、もしくは40msの間隔で電磁波を放射し、および/もしくは電磁波を受信し、および/もしくは受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、ならびに/または少なくとも2秒間、好ましくは少なくとも10秒間、より好ましくは少なくとも20秒間、より好ましくは少なくとも10分間、特に少なくとも1時間の間、繰り返し、電磁波を放射し、および/もしくは電磁波を受信し、および/もしくは受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、連続プロセスとして実行される。
【0102】
好ましくは、これらの間隔は、最適な結果が得られるような仕方で選択される。特に、間隔は、センサに関する土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の移動速度に応じて選択され得る。
【0103】
特に、これは測定サイクルが10~20秒の範囲にある場合に好ましい。他の測定サイクルも、最適な結果を得るために他のパラメータによっては好ましい場合がある。
【0104】
好ましくは、対象植物材料の種は、根菜作物および/もしくは塊茎作物、特にサトウダイコンおよび/もしくはジャガイモ、および/もしくはその一部であり、ならびに/または対象植物材料は、甜菜を含むか、または甜菜からなる。
【0105】
対象植物材料は、根菜作物および/または塊茎作物の一部、特にサトウダイコン種および/またはジャガイモ種とすることができる。好ましくは、対象植物材料は、甜菜、フダンソウ、スイスチャード、ビートルート、マンゴルト、またはジャガイモの群からの1つもしくは複数を含むか、または1つもしくは複数である。
【0106】
さらなる好ましい一実施形態において、方法は、土壌風袋中の成分を決定するためにスペクトル信号を処理すること、ならびに/またはスペクトル信号を第2のキャリブレーションデータと比較し、比較に応じて、好ましくは定量的に、土壌風袋中の成分の量および/もしくは質量および/もしくは質量分率および/もしくは体積分率を決定することを含む。
【0107】
好ましくは、土壌風袋中の異なる成分および成分の相対量は、スペクトル信号および第2のキャリブレーションデータを使用することによって決定することができる。
【0108】
さらなる好ましい一実施形態によれば、土壌風袋中の成分は、ミネラル、特にカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素、リン、微量栄養素、たとえば鉄および/またはマンガン、腐植含量、土壌pH値、窒素含有化合物、有機物、炭水化物、デンプン、芳香族化合物、脂肪酸、葉、根端、先端を切り取られた甜菜、甜菜片、雑草、土壌密度、少なくとも1つの肥料の土質品質、腐植化、土壌肥沃度の群からの1つまたは複数を含む。
【0109】
好ましくは、土壌風袋中の異なる成分が同定され、分析され得る。特に、本明細書において説明されている方法により、注目する成分を決定することが可能である。特に、成分を決定することによって、土壌風袋の一部である土壌に関する情報が取得され得る。
【0110】
たとえば腐植含有量、土壌pH値、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素、リン、微量栄養素、他の項目などの土壌に関する情報を取得することは、植物材料が収穫された圃場の土壌の状態を分析するために有益であり得る。土壌に関するこのような情報があれば、圃場における栽培状態を改善すること、および/または栽培状態が改善されるように圃場を処理することが可能である。それに加えて、そのような情報は、製糖工場に提供され、したがって、甜菜の栽培地域およびそこから期待され得る品質に関する情報を受け取ることができる。
【0111】
好ましくは、この方法は、土壌風袋中の決定された成分の少なくとも1つの量に応じて少なくとも1つの育成パラメータおよび/または施肥を変更することを含む。
【0112】
好ましくは、土壌風袋中の成分に関して取得された情報により、植物材料が収穫された圃場に対する好適な施肥が、圃場内の栽培条件を最適化するように決定され得る。
【0113】
また、圃場における育成条件を最適化するために、土壌風袋中の決定された成分に応じて育成パラメータを変更することも可能であり得る。
【0114】
さらなる態様によれば、提供されるのは、土壌風袋が付着された対象植物材料を含む作物試料を分析するため第1のキャリブレーションデータを生成することであって、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取し、試料を第1の試料と第2の試料とに分割する、好ましくは第1の試料の土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、および/または好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って第1の試料を移動することを含む、生成することと、好ましくは連続的に、第1の試料に向けて電磁波を放射し、第1の試料から反射された電磁波を受信し、好ましくは受信された電磁波を処理することによって第1の試料を分析することと、第2の試料の基準分析を、第2の試料の第1の質量を決定することによって作成すること、第2の試料から土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後、第2の試料の第2の質量を決定することと、第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって第2の試料の第1の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージ、および/または第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって対象植物材料の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージを計算することと、第1の試料の分析の結果と第2の試料の基準分析の結果とを比較することとを行うための方法である。
【0115】
方法は、受信された電磁波をスペクトル信号に、および/もしくは少なくとも1つのデジタル画像、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像に変換すること、ならびに/またはオーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは除去するためにスペクトル信号を前処理することを行うことであって、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、行うこと、ならびに/またはフィルタを使用して少なくとも1つのデジタル画像を前処理することであって、好ましくは、フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して、対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される、前処理すること、ならびに/または、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去すること、ならびに/またはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化すること、ならびに/またはキャリブレーションデータを生成するために多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を実行することであって、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される、実行することを含むことが好ましい。
【0116】
さらなる態様によれば、提供されるのは、土壌風袋が付着された対象植物材料を含む作物試料を分析するための分析アセンブリであり、分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射するように配置構成され、分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射される電磁波を受信するように配置構成され、分析アセンブリは、受信された反射電磁波をスペクトル信号に、および/またはデジタル画像に、好ましくはRGB画像に変換するように配置構成され、分析アセンブリは、対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または不要な植物材料の質量パーセンテージおよび/または不要な植物材料中の成分を決定するためにスペクトル信号および/またはデジタル画像を処理するように配置構成される。
【0117】
好ましくは、分析アセンブリは、分光デバイス、特に近赤外分光デバイスを備える。これは分析アセンブリが、画像、特にRGB画像を撮影するためのカメラを備える場合に好ましいものとしてよい。
【0118】
そのような分析アセンブリは、好ましくは、所望の位置に装着され得る。特に、分析アセンブリは、別の位置に移動できるように設計され得る。
【0119】
さらなる態様によれば、提供されるのは、土壌風袋が付着された対象植物材料を含む作物試料を分析するための配置構成であり、この配置構成は、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料、特に土付き甜菜を受け入れるための、好ましくは生産施設、特に製糖施設の受け入れセクション、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料をチョップして断片にするためのチョッピングデバイス、前項に記載の分析アセンブリを備え、好ましくは、分析アセンブリは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の断片が分析アセンブリに関して移動される運搬デバイスより上に配置構成される。
【0120】
さらなる態様によれば、提供されるのは、本明細書において説明されている配置構成を含む製糖施設である。
【0121】
製糖は、好ましくは、そのような製糖施設内で実施される。特に、製糖施設は、製糖工場または甜菜加工工場であると理解される。
【0122】
好ましくは、製糖施設は、1日あたり少なくとも500トンの甜菜、または1日あたり少なくとも1,000トンの甜菜、好ましくは1日あたり少なくとも5,000トンの甜菜、特に1日あたり少なくとも10,000トンの甜菜を加工するように適合される。甜菜は数トンの甜菜を含むことができる。好ましくは、甜菜は、トラックまたは列車によって製糖施設に搬入される。好ましくは、複数の甜菜は、受け入れステーションおよび/または貯蔵ステーションから提供され得る。
【0123】
好ましくは、糖は製糖施設内で生産される。好ましくは、製糖は、甜菜をスライスして薄切り甜菜にすることと、好ましくは、薄切り甜菜から生ジュースを生産することとを含み、これは抽出プロセスにおいて薄切り甜菜から糖を抽出することを含み、薄切り甜菜は熱湯中に配置構成され、熱湯は薄切り甜菜が運搬される方向と反対の方向に流れ、糖は薄切り甜菜から取り出されて熱湯中に入り、生ジュースは抽出された糖を含む熱湯から作られる。好ましくは、生ジュースは、甜菜に含まれる糖と、甜菜由来の非糖と称され得る有機成分および無機成分とを約98重量%含む。
【0124】
さらなる態様によれば、土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するために本明細書において説明されているような製糖施設内で分析アセンブリを使用することが提供される。
【0125】
個別の異なる態様の利点、好ましい実施形態、および詳細ならびにそれらの好ましい実施形態に関し、それぞれの他の態様を参照しつつ説明されている対応する利点、好ましい実施形態、および詳細も参照される。
【0126】
さらなる有利な実施形態は、本明細書において説明されている好ましい特徴のうちの個別の特徴、いくつかの特徴、またはすべての特徴を組み合わせた結果得られる。
【0127】
さらなる態様によれば、生産施設内の甜菜の生産加工において成分を決定するための方法であって、生産用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては生産用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を提供することと、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することとを含み、分析することは少なくとも分析部分および場合によっては生産部分に向けて電磁波を放射することと、電磁波を受信することと、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することと、少なくとも生産部分および場合によっては分析部分から産物を生産することとを含む。
【0128】
製糖は、好ましくは、製糖施設内で実施される。特に、製糖施設は、製糖工場または甜菜加工工場であると理解される。好ましくは、製糖施設は、1日あたり少なくとも500トンの甜菜、または1日あたり少なくとも1,000トンの甜菜、好ましくは1日あたり少なくとも5,000トンの甜菜、特に1日あたり少なくとも10,000トンの甜菜を加工するように適合される。複数の甜菜は数トンの甜菜を含むことができる。好ましくは、複数の甜菜は、トラックまたは列車によって製糖施設に搬入される。好ましくは、複数の甜菜は、受け入れステーションおよび/または貯蔵ステーションから提供され得る。
【0129】
複数の甜菜は、製糖用の甜菜の生産部分と、成分分析用の甜菜の分析部分とを含む。生産部分は、好ましくは、複数の甜菜の少なくとも99重量%、特に少なくとも99.9重量%または99.999重量%である。生産部分は、複数の甜菜の100重量%であり得る。製糖プロセスにおいて、糖が生産部分から抽出される。
【0130】
分析部分は、生産部分の一部であるか、または少なくとも部分的もしくは完全に、生産部分と同一であり得る。分析部分は、生産部分の一部ではない複数の甜菜の一部とすることができる。甜菜の分析部分はまた、生産部分の一部および/または生産部分の一部ではない複数の甜菜の一部であり得る。特に、分析部分は、少なくとも主として、成分分析に使用され、好ましくは、いくつかの成分が決定され得る。さらに、分析部分は、製糖に使用することもできる。分析部分はランダムに、または選択的に選ばれ得る。好ましくは、分析部分は、生産部分から試料提供者によって連続的に選択され得る。
【0131】
本明細書において説明されている分析は、分析部分全体または分析部分の少なくとも一部について実行され得る。特に、複数の分析が実行される場合、分析の各々は、分析部分の全体または一部に対して実行され得る。たとえば、分析部分の異なるまたは重複するまたは同一の部分が、異なる分析に使用され得る。したがって、分析部分への本明細書における言及は、分析部分の少なくとも一部への言及とも理解され得る。
【0132】
甜菜中の成分は、全糖含量、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖の含量、スクロース、ラクトース、マルトースなどの二糖の含量、ラフィノース、マルトデキストリン、セロデキストリンなどのオリゴ糖の含量、イヌリン、フルクタンなどの多糖の含量、糖の抽出効率、乾物含量、粗タンパク質、粗繊維、アミノ酸、デンプン、全糖含量、回収可能糖含量、タンパク質、ベタイン、ベタレイン、アミド、アミノ酸などの可溶性窒素化合物、不溶性タンパク質などの不溶性窒素化合物、ペクチン、サポニン、有機酸などの無窒素有機物質、絞りかす含量、脂肪分;アルコール含量、フェノール化合物、NDF(中性デタージェント繊維)、ADF(酸性デタージェント繊維)、ADL(酸性デタージェントリグニン)またはヘミセルロース、セルロース、リグニンの含量などの構造性炭水化物の含量、灰分、ナトリウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属元素およびその無機化合物の含量、カルシウム、炭酸カルシウム、マグネシウム、酸化マグネシウムなどの金属元素および無機化合物の含量、ホウ素、ホウ酸塩鉱物、セレン、ケイ素などの半金属元素および無機化合物の含量、炭素、炭酸塩、リン、リン酸塩などの非金属元素および無機化合物の含量、硫黄、ヨウ素の群からの1つまたは複数の物質であってよい。
【0133】
以下でより詳細に説明されるように、生産部分および/または分析部分は、チョッピングおよび/またはスライスによって甜菜片にされて提供され得る。生産部分および/または分析部分を甜菜片で提供した後も、甜菜片からなる生産部分は生産部分と称され、甜菜片からなる分析部分は分析部分と称される。分析部分および生産部分は、同じデバイス、たとえばスライスデバイス、または異なるデバイス、たとえばスライスデバイスおよびチョッピングデバイスを使用して甜菜片にチョップされおよび/またはスライスされ得る。
【0134】
好ましくは、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分に向けて放射される電磁波は、赤外スペクトル、特に近赤外スペクトルおよび/または可視スペクトルおよび/または紫外スペクトル内にある。好ましくは、電磁波は、少なくとも1つの波長を有し、電磁波の波長は、170nmから1,000,000nmの範囲内、特に750nmから2,500nmの範囲内、好ましくは780nmから1800nmの範囲内にある。好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、および/または中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/または紫外可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を使用することによって変換される。
【0135】
好ましくは、電磁波は、少なくとも運搬デバイス上に配置構成されている分析部分から反射され、反射された電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサにより受信される。好ましくは、電磁波は、分析部分および生産部分から連続的に反射される。好ましくは、受信された電磁波は、分析部分および場合によっては生産部分から反射される。
【0136】
好ましくは、受信された電磁波は、スペクトル信号に変換され、スペクトル信号は、受信された電磁波に応じて生成される。
【0137】
好ましくは、製糖は、少なくとも生産部分および場合によっては分析部分から生ジュースを生産することを含み、これは抽出プロセスにおいて少なくとも生産部分から糖を抽出することを含み、少なくとも生産部分は、熱湯中に配置構成され、熱湯は少なくとも生産部分が運搬される方向と反対の方向に流れ、糖は少なくとも生産部分から取り出されて熱湯中に入り、生ジュースは抽出された糖を含む熱湯から作られる。好ましくは、生ジュースは、生産部分に含まれる糖と、甜菜由来の非糖と称され得る有機成分および無機成分とを約98重量%含む。
【0138】
方法ステップは、列挙されている順序から逸脱する順序で実施されてもよい。しかしながら、これは方法ステップが列挙されている順序で、特に、1つずつ実施される場合に好ましい。
【0139】
本明細書において説明されている解決方法は、スペクトル信号を使用することによって製糖プロセスにおける甜菜の分析が自動化され得るという利点を有する。この解決方法を使用すると、労力およびコストをあまりかけず、さらには時間もあまり要することなく甜菜中の成分を決定できる。甜菜中の成分を決定することは、製糖プロセスと同時に行うことができる。成分が遅滞なく決定され得ることは特に有利である。本明細書において説明されている解決方法により、成分のリアルタイム決定が達成され得る。
【0140】
さらに、本明細書において説明されている解決方法は、現在製糖プロセスに入っているか、または製糖プロセスに導入される甜菜片の成分に応じて、スペクトル信号の情報から製糖パラメータが調整され得るので、製糖プロセスが改善され、特により効率的にされ得るという利点を有する。スペクトル信号から導出される情報により、改良された(およびリアルタイムの)分析データが利用可能であり得、これにより、改良された製糖プロセスに対して製糖パラメータをより正確に調整することが可能である。
【0141】
典型的には、甜菜パルプからのスクロースの抽出は、製糖プロセスのうちで最も重要なプロセスの1つである。これは、たとえば、甜菜片中のスクロースの損失、糖蜜、エネルギーコストおよび生ジュース品質を決定することができる。通常、製糖用の甜菜および製糖施設で加工された甜菜に対する成分を決定するために、典型的には、少量の薄切り甜菜および/または乾燥パルプが、特にスライスの形態の甜菜片について分析される。スライスおよび/または乾燥パルプは、カッターミルによって磨りつぶされて均質な甜菜パルプにされる。甜菜パルプは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液または水を使用して抽出され、次いで、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法または他の方法などの測定を実施することによって分析される。新鮮な甜菜および/または乾燥パルプのスライスは、糖分、乾物、絞りかす含量について分析され、正しい抽出条件(温度、時間、圧力)を評価することができる。生ジュースは、糖の他に、水分、ペクチン、タンパク質、顔料、および他の成分などの非糖を含むことができる。生ジュース糖は、好ましくはさらに精製される。好ましくは、製糖の重要な段階は生ジュースの精製であり、ジュース純度は非糖物質を除去することに直接的に関係し得る。抽出プロセスそれ自体は、生ジュースの組成に大きな影響を及ぼすことがある。清澄化ジュースの純度は、生ジュースの純度よりも高いものとしてよく、清澄化ジュース中の純度の増大および非糖の対応する減少は、沈殿剤および吸着剤が使用されるときに清澄化プロセス中において非糖が除去されるか、または大幅に減らされることが確実にされたことを指示し得る。好ましくは、蒸発および結晶化プロセスは、非糖の濃度を下げ、シロップおよび糖蜜の純度を高めることができる。好ましくは、糖およびすべての非糖成分を含むすべての甜菜品質パラメータに関する知識は、製糖施設におけるすべての加工およびジュース精製ステップの調整を確実にすることを可能にする。
【0142】
したがって、本明細書において説明されている解決方法のさらなる利点は、製糖用の甜菜中の成分を決定するためのリアルタイム品質検査、製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成、および製糖施設に対する方法が開発される点である。さらに、本発明は、製糖施設内のプロセス分析技術(PAT)機器の応用、および/または製糖施設内の製糖用の甜菜中の成分を判定するためのオフラインからリアルタイムまでの品質検査の配置構成、および/または製糖施設内の製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法の使用を可能にする。本明細書において説明されている解決方法により、甜菜の新しい品質の態様が決定されるものとしてよく、製糖施設内のプロセス効率を高めるように生産プロセスが調整されおよび/または調節され得る。
【0143】
さらなる利点は、製糖施設に受け入れられる著しく大量の甜菜が分析され得る点、および甜菜生産のために甜菜中の成分を決定することが、製糖のために、たとえば品質管理のために決定される甜菜を分析するのに使用される既存の分析方法の使用と比較して著しく大量の甜菜に対して実施され得る点である。
【0144】
本明細書において説明されている解決方法は、ごく少量の甜菜しか分析されず、製糖のために甜菜中の成分を決定することが、甜菜生産プロセスにおけるごく少量の甜菜に対してのみ実施される、既存の解決策の欠点を克服する。
【0145】
さらなる利点は、本明細書において説明されている解決方法では、成分分析の前に甜菜がチョップされて甜菜片にされるので、甜菜のすべての部分が分析され得る点である。これは、甜菜中の成分の濃度および含有量が単一の甜菜内および異なる甜菜間で不規則に分布されるので甜菜パルプを分析することによる成分分析と比較されたときに成分を決定する精度を高くすることができる。
【0146】
本明細書において説明されている解決方法のさらなる利点は、製糖施設内では典型的には甜菜の偏光および/または糖含量のみが分析されるという事実にある。この情報は、甜菜の品質を推定するために使用され、農家は推定された品質に応じて支払いを受ける。しかしながら、これらの分析は、ナトリウム、カリウム、α-アミノ-N、糖含量などの非常に少ない数のパラメータに基づいており、甜菜の化学的複雑さ、および甜菜から糖がどれだけよく抽出され得るかを十分に反映していない。本明細書において説明されている解決方法により、甜菜中の有機化合物の範囲全体が検出され得る。したがって、本明細書において説明されている解決方法により、古典的な分析を超えて、甜菜の品質をより正確に推定することが可能である。
【0147】
本明細書において説明されている解決方法のさらなる利点は、甜菜がその成分に関して不均一な組成を有しているという事実に起因する甜菜を分析する際の問題点が克服され得るという事実にある。特に、分析に使用される試料の構造および組成は、品質パラメータなどの、成分を決定する精度に対して極めて重要であり得る。ゲノムパラメータ、作物栽培、および環境条件は、甜菜の成長および成分の含量に影響を及ぼし得る。甜菜内の、たとえば、スクロース、乾物、α-アミノ態窒素、可溶性窒素、全窒素、グルコース、フルクトース、ナトリウム、およびカリウムの分布などの、甜菜内の成分の濃度および含量は、甜菜内および異なる甜菜間で不規則に分布され得る。成分を決定するための古典的な成分分析は、通常、代表的なビートパルプが生産され得る、実験室内で行うことができる。60年以上にわたって、これは甜菜分析に対して十分な量および品質の必要とされる純度が高く均質な甜菜パルプを供給することができるビートソーを使用して行われてきた。生産および貯蔵の後に、この甜菜パルプは、その後の分析のために、清澄剤として硫酸アルミニウム(ICUMSA GS 6-3)を用いる冷水性蒸解によって水性濾液に変換され得る。国際砂糖分析法統一委員会(ICUMSA)は、砂糖の分析のための詳細な実験室手順を公開している国際標準化機構である。これらの手順には、具体的なステップが関わっている。品質パラメータは自動甜菜ラボによって分析され、スクロースは偏光計(ICUMSA GS 6-3)を使用することによって分析され、カリウムおよびナトリウムは炎光光度計(ICUMSA GS 6-7)を使用することによって分析され、α-アミノ-Nは蛍光分析OPA法を使用することによってまたは銅法(「Blue Number」)(ICUMSA GS6-5)を使用することによって分析され得る。グルコースの濃度は、固定化酵素バイオセンサ法(ICUMSA GS6-8)によって測定され得る。そのような古典的成分分析の範囲内では、通常、生産されたパルプ全体から、たとえば約0.3~2重量%の試料のみが成分分析それ自体に使用され得る。サンプリングから分析までの多くのプロセスステップが典型的には必要であり、限定的にのみ代表的であり得る成分分析の結果の精度に影響を及ぼし得る。非代表サンプリングの結果として、著しい歪みが原材料の測定において生じ得る。しかしながら、本明細書において説明されている解決方法を適用することで、試料誤差を減少させることができ、したがって試料全体に対する予測誤差を減少させることができる。本明細書において説明されている解決方法は、かなり大きい試料および/またはかなり大量の甜菜が分析され得るという点で、上で指摘されたこれらの欠点を克服する。この結果、有利には、試料誤差を減少させ、したがって分析された甜菜に対する予測誤差を減少させることができる。
【0148】
甜菜からの糖の生産の成功は、甜菜中の全糖含量に影響されるだけでなく、甜菜の非糖成分などの、製糖プロセスを妨害する成分にも影響され得る。たとえば、非糖成分が糖抽出性に及ぼす影響は、いくつかの研究の対象となっており、異なる公式が開発されている。たとえば、Buchholzら(Buchholz、K.、Marlander、B.、Puke、H.、Glattkowski、H.:Neubewertung des technischen Wertes von Zuckerruben. Zuckerind.120(1995年)113~121頁)は、甜菜60品種および糖蜜分析に基づき甜菜の品質推定に対する公式を確立している。甜菜および糖蜜のベタイン含量を基準値として使用する半技術的糖蜜からの糖蜜の量の間接的決定を得る一貫した方法は、試験工場での甜菜の広範な加工を必要とした(Bruhns、M.、Sievers、C.、Bliesener、K.-M.、Miehe、D.: Neue Technikumsanlage zur Rubenverabeitung am Zuckerinstitut Braunschweig. Zuckerind. 118 (1993年)450~454頁)。ナトリウム、カリウム、およびアミノ態窒素などの変数の使用に起因して、この式は、甜菜の品質評価および農家への支払いにおいて適用され得る。甜菜を品質に応じて現実的に評価するために、これは還元糖(転化糖)の分解からの酸形成も考慮される場合に好ましい。知られている公式のさらなる問題点は、糖加工中に濃厚ジュースに達する可溶性窒素化合物(いわゆる有害窒素)およびすべてのα-アミノ態窒素化合物(甜菜において分析される)の検出が、有害窒素全体の35~40%しか占めないことであり得る。糖加工および甜菜の品質評価における有害窒素の重要性に起因して、工場評価においてこれらの化合物を考慮することが本質的になっている。甜菜中の予備アルカリ度を予測する公式がBurbaおよびSchiweckによって開発された(Burba、M.、Schiweck、H.: Nichtzuckerbilanz und Ionenbilanz im Dicksaft als Grundlage einer Qualitatsbewertung von Zuckerruben. Zuckerind. 118(1993年) 680~689頁および924~936頁)。BurbaおよびSchiweckの公式は、追加の分析パラメータとして転化糖の分析を必要とした。これらの公式はすべて、濃厚ジュース中の全窒素に対する分析法を欠いている。これまで、有害窒素を分析する一般的な方法は、全有害可溶性窒素との高い相関性があるという事実に起因してα-アミノ-Nを測定することによって行われている。甜菜の品質計算にベタインなどの高窒素供給源を含めることは非常に重要であるが、現在までのところ、これを達成するために利用可能な高速分析アプローチはない。
【0149】
窒素含有量の他にも、次の表に示されているように甜菜および甜菜から抽出された技術的ジュースの様々な品質パラメータを決定するために、多くの科学的努力がなされてきた(Oltmann、W.、Burba. M、Bolz、G.: Die Qualitat der Zuckerrube. Bedeutung, Beurteilungskriterien and Masnahmen to their Verbesserung. Berlin und Hamburg 1984年)。
【0150】
【表3】
【0151】
これまで、各パラメータの重要性を説明し、それらを1つの公式または1つの項で表現する、この問題に対する一般的に受け入れられた拘束力のある解決方法に到達することは可能ではなかった(Burba、M.: Perspectives and Limits of current beet quality evaluation. Zuckerind. 123(1998年)5、365~374頁)。
【0152】
これらの欠点を克服できるのが、本明細書において説明されている解決方法の一利点である。たとえば、近赤外領域などの、特定の波長の光は、C-H、N-H、S-H、O-H基(脂肪、炭水化物、有機酸、構造性炭水化物、水、アルコール、フェノール)を含む分子によって吸収され得る。スペクトル信号中に存在する情報は、これらが反射され、その結果反射された電磁波から得られるスペクトル信号の強度および/または波長に有意な変化を引き起こすことができるときに試料中の所与の物質の濃度を推定するために、またはバルクもしくは物理的特性を推定するために使用され得る。
【0153】
本明細書において記載されている解決方法のさらなる利点は、甜菜の品質に応じて農家への支払いが行われ得るという事実にある。典型的には、製糖施設において、甜菜の品質を推定し、これらの計算に基づき農家への支払いを計算するために、いわゆるBraunschweiger式に基づき偏光および/または回収可能糖含量のみが分析される。しかしながら、これらの計算は、非常に少ない数のパラメータ(Na、K、α-アミノ-N、糖)に基づいており、甜菜の化学的複雑さ、および甜菜から糖がどれだけよく抽出され得るかを十分に反映していない。本明細書において説明されている解決方法により、古典的な分析を超えて甜菜の品質を推定するために使用され得る甜菜中のあらゆる有機化合物を検出することが可能であり得る。ニューラルネットワークなどの、数学的モデルを使用することは、甜菜の抽出効率とよく相関することができるスペクトル信号の特定の特徴を同定するのに役立ち得る。この情報は、農家による搬入の品質を評価するのに使用することができ、これは少数のパラメータのみの古典的な分析よりもかなりよく、次いで、農家の決済システムを最適化するために使用され得る。このようにして、甜菜加工工場は、高品質の甜菜と低品質の甜菜とをよりよく区別することから恩恵を受けることができ、農家は、甜菜からの糖の抽出効率に対して最良の品質のものを納入するインセンティブを得ることができる。
【0154】
本明細書において説明されている解決方法のさらなる利点は、製糖工場内の受け入れセクションにおける甜菜の成分分析から得られる甜菜の品質情報がこれらの甜菜がどの1つまたは複数の圃場から収穫されたか、およびこの1つまたは複数の圃場がどのように農学的に管理されたかの情報と組み合わされ得るという事実にある。情報のそのような組合せにより、甜菜の栽培状態が向上し、将来の甜菜出荷のために甜菜の品質向上につながり得る。農家が、甜菜に含まれる成分に関する、および糖抽出用の甜菜の品質向上につながり得る栽培状態に関するより多くの情報を取得することができることはさらなる利点である。たとえば、甜菜の品質に関する情報は、農家との間で交換され、および/または農家は、栽培状態および農業慣行に関する情報(たとえば、農場管理ソフトウェアを使用して取得され、収集され、および分析される情報)を、製糖施設および/または農場管理ソフトウェアプロバイダまたは種子生産者もしくは小売業者などの他の第三者と交換することができる。
【0155】
好ましい一実施形態によれば、生産施設は、製糖のための、および/もしくは動物飼料の生産のための、および/もしくはバイオガス生産のための、および/もしくはエタノール生産のための、および/もしくは生分解性プラスチックの生産のための、および/もしくは燃料の生産のための、および/もしくは燃料バイオ成分の生産のための生産施設であり、ならびに/または生産は、製糖および/もしくは動物飼料の生産および/もしくはバイオガスの生産および/もしくはエタノールの生産および/もしくは生分解性プラスチックの生産および/もしくは燃料の生産および/もしくは燃料バイオ成分の生産であり、ならびに/または生産物は、砂糖および/もしくは動物飼料および/もしくはバイオガスおよび/もしくはエタノールおよび/もしくは生分解性プラスチックおよび/もしくは燃料および/もしくは燃料バイオ成分である。
【0156】
好ましくは、甜菜の生産加工では、スクロースは、熱水を使用して甜菜から抽出され、結果として、生ジュースが得られ、これは、次いで、循環洗浄および蒸発により、精製され、濾過され、濃縮され得る。最終生産物を取得するために、濃厚ジュースは、結晶化され、その結果、白砂糖が得られ、これは再結晶化され、最終的に高品質精製糖の生産につながり得る。様々な甜菜産物が、甜菜加工の様々な段階で生産され得る。多量の水分を含み得る、副産物は、最大75%の甜菜パルプを含み得る。甜菜パルプは、熱源として使用されてよく、閉鎖システム内で循環させることにより、製糖施設の熱需要の大部分を賄うために繰り返し使用され得る。他の副産物は、ベタイン、ベタレイン、ベタシアニン、ベタキサンチンを含む、食品製造または製薬産業でサプリメントとして使用される成分であり得る。スクロースの抽出後、甜菜パルプおよび甜菜破片は、好ましくは動物飼料生産および/またはバイオガス生産に使用される。甜菜の葉はメタノールの生産にも使用され得る。製糖プロセスにおける濃厚シロップを遠心分離した後、取得された糖蜜は、アルコールの生産、動物飼料の生産、および/または酵母バイオマス生産の培地として使用され得る。生甜菜ジュースは、エタノール発酵の原料として使用することができる。オゾン処理は、バイオテクノロジーによる液体燃料添加剤の生産に使用される新しい種類の発酵培地を安定させるために使用され得る。このようにして取得されるエタノールは、比較的安価であり、燃料または燃料添加剤として使用され得る。スクロースの加水分解物は、生分解性プラスチック、燃料、および/または燃料バイオ成分の生産のための原料として使用され得る。
【0157】
好ましい一実施形態によれば、この方法は、製糖用の甜菜の生産部分と成分分析および場合によっては製糖用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を受け取ること、ならびに/または生産部分および/もしくは分析部分から甜菜片を提供すること、ならびに/または少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成すること、ならびに/または少なくとも1つの運搬デバイスを使用して少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから10m/s、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内の運搬速度で搬送することをさらに含む。
【0158】
好ましくは、この方法は、好ましくは圧搾機を使用して、少なくとも生産部分および/または少なくとも分析部分から液体物質を除去することによって圧搾パルプを生産することを含む。
【0159】
好ましくは、複数の甜菜を受け入れることは、甜菜のトラック積荷および/または甜菜のコンテナおよび/または甜菜の商品ワゴンを製糖施設、特に製糖施設の受け入れセクションで受け入れることによって実施される。
【0160】
この方法は、少なくとも分析部分を少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成することを含む。好ましくは、この方法は、分析部分および生産部分を少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成することを含む。少なくとも1つの運搬デバイスは、甜菜および/または甜菜片、特に分析部分を搬送するためのデバイスであると理解される。少なくとも1つの運搬デバイスは、分析部分および生産部分を搬送するように適合され得る。好ましくは、少なくとも1つの運搬デバイスは、コンベアベルトを備えるか、またはコンベアベルトである。
【0161】
好ましくは、少なくとも1つの運搬デバイスを使用して少なくとも分析部分を搬送することは、搬送方向に沿って実施され、少なくとも分析部分の流れが生成される。好ましくは、少なくとも分析部分の流れは、運搬方向に沿って移動する。好ましくは、方法は、少なくとも1つの運搬デバイスを使用して分析部分および生産部分を搬送することを含む。少なくとも1つの運搬デバイスは、受け入れステーション、特に甜菜が受け入れられる位置に配置構成され得る。少なくとも1つの運搬デバイスは、甜菜を貯蔵するように適合された貯蔵ステーションの隣りに、および/または貯蔵ステーションに配置構成され得る。少なくとも1つの運搬デバイスは、製糖施設内の別の運搬デバイスの隣り、特に、甜菜および/または甜菜片を搬送するように適合された運搬デバイスの隣りに配置構成され得る。少なくとも1つの運搬デバイスは、複数の運搬サブデバイス、特に互いに隣り合って配置構成される運搬サブデバイスを備えることができ、運搬サブデバイスの少なくとも一部は、製糖施設内に配置構成される。少なくとも1つの運搬デバイスは、甜菜および/または甜菜片を搬送するように適合され得る。
【0162】
好ましくは、製糖することは、少なくとも生産部分から生ジュースを生産すること、および/または好ましくは少なくとも生ジュースから、薄いジュースを生産すること、および/または好ましくは少なくとも薄いジュースから、濃厚ジュースを生産すること、および/または好ましくは少なくとも濃厚ジュースから、砂糖を生産することを含む。
【0163】
好ましくは、薄いジュースは、生ジュースを清浄化し続いて清浄化済みジュースを濾過することによって生ジュースから生産され、生ジュースを清浄化することは、石灰および炭酸ガスを使用して非糖を抽出し除去することを含む。好ましくは、清浄化済みジュースの濾過は、凝集可能な不溶性の非糖および石灰を濾過することを含む。
【0164】
好ましくは、濃厚ジュースは、薄いジュースから液体を蒸発させることを含む、好ましくは多段階の、蒸発プロセスで薄いジュースを濃厚化することによって生産される。このようにして、濃厚ジュースは、薄いジュースから作ることができる。
【0165】
好ましくは、砂糖は、特に真空条件下で、濃厚ジュースをさらに濃厚化するステップであって、砂糖結晶の結晶化工プロセスが起こる、ステップと、さらに濃厚化された濃厚ジュースを遠心分離するステップであって、砂糖結晶は遠心力によりシロップから分離される、ステップとによって濃厚ジュースから生産される。好ましくは、生産された砂糖は、少なくとも99.7%のスクロースを含む。その後、生産された砂糖は、特に空気流を使用することによって乾燥させられ得る。砂糖を乾燥させることによって、糖含量は増大し、水分は減少することができる。
【0166】
本方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも分析部分を分析することは、複数の甜菜を受け入れるステップの後、好ましくは複数の甜菜を貯蔵するステップの前に実施される。好ましくは、分析部分は、少なくとも分析部分を分析する前に砕かれ、および/または甜菜片に切断される。好ましくは、生産部分を甜菜片にスライスしおよび/または切断することは、少なくとも分析部分を分析した後に実施される。少なくとも分析部分を分析することは、受け入れステーションで実施することができ、好ましくは、受け入れステーションで甜菜が受け入れられる。好ましくは、少なくとも分析部分を分析することが、複数の甜菜を受け入れるステップの後に、好ましくは複数の甜菜を貯蔵するステップの前に実施されるときに、運搬速度は、0.05m/sから20m/sの範囲内、特に0.05m/sから10m/sの範囲内、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内にある。
【0167】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも分析部分を分析することは、複数の甜菜を貯蔵した後および/または貯蔵中に、ならびに好ましくは甜菜片を提供する前に、特にスライスすることによって実施される。好ましくは、生産部分を甜菜片にスライスしおよび/または切断することは、少なくとも分析部分を分析した後に実施される。少なくとも分析部分を分析することは、貯蔵ステーションで実施することができ、好ましくは貯蔵ステーションに甜菜が貯蔵される。好ましくは、少なくとも分析部分を分析することが、複数の甜菜を貯蔵した後および/または貯蔵中に、ならびに好ましくは甜菜片を提供する前に、特にスライスすることによって実施されるときに、運搬速度は、0.05m/sから20m/sの範囲内、特に0.05m/sから10m/sの範囲内、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内にある。
【0168】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することは、特にスライスすることによって、甜菜片を提供した後に、ならびに好ましくは少なくとも生産部分から生ジュースを生産する前に実施される。好ましくは、分析部分は、少なくとも分析部分を分析する前にスライスされ、および/または甜菜片に切断される。少なくとも分析部分を分析することは、製糖プロセス内で、特に製糖施設内で実施され得る。少なくとも分析部分を分析することは、好ましくは、製糖施設内で、スライスされおよび/または切断された甜菜片に対して実施され得る。好ましくは、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することが甜菜片を提供した後に実施されるときに、運搬速度は、0.05m/sから20m/sの範囲内、特に0.05m/sから10m/sの範囲内、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内にある。分析が、少なくとも1つの運搬デバイス上に甜菜片を均質に分配することなく実施され得ることが特に有利である。好ましくは、少なくとも分析部分は、甜菜片が搬送されている間に、少なくとも1つの運搬デバイス上に甜菜片をさらに配置構成する必要なく分析され得る。
【0169】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することは、圧搾パルプを生産した後、好ましくは圧搾パルプを乾燥させる前および/または乾燥させた後に実施される。好ましくは、分析部分は、圧搾パルプを含み、および/または圧搾パルプである。好ましくは、分析部分は、少なくとも分析部分を分析する前にスライスされ、および/または甜菜片に切断される。好ましくは、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することが圧搾パルプを生産した後に実施されるときに、運搬速度は、0.05m/sから20m/sの範囲内、特に0.05m/sから10m/sの範囲内、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内にある。好ましくは圧搾パルプは、好ましくは圧搾機を使用して、少なくとも生産部分および/または少なくとも分析部分から液体物質を除去することであって、圧搾パルプは、分析部分を含む、除去すること、および/または分析部分に向けて電磁波を放射すること、および/または特に分析部分から反射された反射電磁波を受信することであって、好ましくは電磁波の波長は赤外線スペクトル、特に近赤外線スペクトルおよび/または可視スペクトル内にある、受信すること、および/または反射電磁波をスペクトル信号に変換することによって生産される。好ましくは、製糖プロセスにおいて、少なくとも生産部分から砂糖が抽出された後、砂糖が抽出された甜菜片は、特に、甜菜片中の液体が抽出され得る圧搾機を使用して機械的に圧搾される。好ましくは、甜菜片の体積含水率および/または重量含水率の少なくとも20%、特に少なくとも44%が、圧搾機を使用することによって、および/または少なくとも生産部分から液体物質を除去することによって抽出される。体積含水率は、材料の総体積に対する水の体積の比率として理解され得る。重量含水率は、材料の総質量に対する水の質量の比率として理解され得る。好ましくは、抽出された液体は糖を含むので、抽出された液体は製糖プロセス内に再導入される。その後、圧搾パルプは乾燥させることができる。圧搾パルプ中の成分を決定するために、本明細書において説明されている方法が適用され得る。スペクトル信号から、成分分析が実行され得る。特に、スペクトル信号から、圧搾パルプ中の体積含水率および/または重量含水率および/または糖含量が決定され得る。
【0170】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、分析することは、連続プロセスとして、好ましくは、100ms未満、特に50ms未満、好ましくは1ms、10ms、20ms、30ms、または40msの間隔で電磁波を放射し、および/または電磁波を受信し、および/または受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって実行される。これらの間隔は、また、1秒、10秒、20秒、30秒、もしくは40秒、または数分もしくは数時間とすることもできる。
【0171】
好ましくは、スペクトル信号を生成する間隔は、100ms未満、特に50ms未満、好ましくは10ms、20ms、30msまたは40msである。好ましくは、受信された電磁波をスペクトル信号に変換する間隔は、100ms未満、特に50ms未満、好ましくは10ms、20ms、30msまたは40msである。
【0172】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、分析部分の質量分率は、複数の甜菜中の、少なくとも0.001%、または少なくとも0.1%、または少なくとも0.2%、または少なくとも0.5%、または少なくとも1%、または少なくとも10%、または少なくとも25%、または少なくとも50%、または少なくとも80%である。
【0173】
好ましくは、生産部分は、分析部分を含む。好ましくは、生産部分および分析部分は、少なくとも部分的には、同一である。生産部分および分析部分は、同じ甜菜および/または甜菜片を含むことができる。生産部分および分析部分は、同じ甜菜および/または甜菜片からなるものとしてよい。
【0174】
分析部分の質量分率が少なくとも0.001%であることの利点は、特に製糖プロセスにおいて、通常、調査される分析部分の質量分率がかなり小さいという事実にある。したがって、分析された甜菜および/または甜菜片の質量分率をかなり高くすることができる。
【0175】
分析部分の質量分率が、複数の甜菜中の大きな分率、たとえば複数の甜菜中の50%または80%の質量分率であることも可能である。分析部分の質量分率は、複数の甜菜中で100%であってもよい。この場合、複数の甜菜のすべての甜菜について成分分析が実行される。分析部分の体積分率は、複数の甜菜中で少なくとも0.001%または少なくとも0.1%または少なくとも0.2%または少なくとも0.5%または少なくとも1%または少なくとも10%とすることができる。分析部分の体積分率は、複数の甜菜中で少なくとも50%、特に100%であってもよい。複数の甜菜中の分析部分の質量分率は、複数の甜菜の全質量に対する分析部分の質量の比率として理解されてよく、質量分率は質量パーセンテージとして表すことができる。複数の甜菜中の分析部分の体積分率は、複数の甜菜の全体積に対する分析部分の体積の比率として理解されてよく、体積分率は体積パーセントとして表すことができる。
【0176】
この方法の好ましい一実施形態によれば、生産部分は分析部分を含む。これは、生産部分の少なくとも一部が分析部分である場合に好ましい。この場合、生産部分に属し、製糖施設内で製糖に使用される甜菜の少なくとも一部および甜菜片の少なくとも一部は成分分析に使用される。これは、成分分析が実施される甜菜も製糖に使用できるので、特に有利である。したがって、成分分析用の甜菜は廃棄される必要があまりまたは全くないので、製糖の効率を高められ得る。
【0177】
この方法の好ましい一実施形態によれば、この方法は、キャリブレーションデータを生成することであって、好ましくは決定された量、たとえば10kgの甜菜の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動させることを含む、生成することと、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析することと、好ましくはカッターミルによって、試料から甜菜パルプを生産し、好ましくは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液もしくは水によって、甜菜パルプを抽出することと、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行うことと、分光分析の結果を基準分析の結果と比較することとを含み、好ましくはキャリブレーションデータを生成することは、オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するためにスペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって、甜菜から反射される、もしくは放射されて甜菜を貫通する電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/またはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、ならびに/またはキャリブレーションデータを生成するために多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を実行するステップであって、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップのうちの1つまたは複数のさらに含む。
【0178】
甜菜の試料は、甜菜片の試料とすることができる。甜菜の試料は、たとえば、10kgまたは20kgまたは30kgの甜菜および/または甜菜片を含むことができる。他の量の甜菜および/または甜菜片も使用され得る。好ましくは、電磁波を受信することは、試料から反射される電磁波を受信することと理解され得る。甜菜パルプは、磨りつぶされた甜菜の柔らかい塊として理解され得る。基準分析は、少なくとも1つまたは複数の測定を含むことができ、少なくとも1つの測定は、甜菜パルプに対して実施され得る。好ましくは、分光分析から得られた結果を基準分析から得られた結果と比較することによって、キャリブレーションデータが生成され得る。
【0179】
好ましくは、分光分析は、連続的に実行される。好ましくは、キャリブレーションデータは、繰り返し試料を採取し、試料の分光分析を実施し、試料から甜菜パルプを生産することによって生成される。好ましくは、キャリブレーションデータは、分光分析の結果をキャリブレーション分析からの結果と繰り返し比較することによって生成される。これはこの手順が数回、特に100回超、好ましくは1000回超繰り返された場合に好ましい。好ましくは、この手順は異なる成分を有する甜菜について、好ましくは比較的湿った甜菜について、比較的乾燥した甜菜について、糖含量の高い甜菜について、糖含量の低い甜菜について、および/または成分が可変である甜菜について実施される。
【0180】
好ましくは、キャリブレーションデータは、バイパス流上の甜菜片を分析することによって、および/またはプロセスにおいて、特に製糖施設内で、好ましくは規則正しい時間間隔で、定義された量の分析部分をサンプリングすることによって生成される。好ましくは、キャリブレーションデータは、少なくとも数日、特に少なくとも数週間、および/または少なくとも数か月、および/または数年の期間にわたって生成される。
【0181】
キャリブレーションデータを生成することも、静的プロセスで実施されるものとしてよく、甜菜の試料は、センサに沿って移動されない。好ましくは、そのような静的プロセス内では、試料は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサの下の、規定された位置に配置される。
【0182】
説明されている方法でキャリブレーションデータを生成する利点は、キャリブレーションデータが、甜菜および/または甜菜片中の成分を、特に、異なる成分および/または特性を有する甜菜についてであっても、確実に決定するために使用され得る点である。
【0183】
好ましくは、キャリブレーションデータを生成することは、キャリブレーションモデルを開発することおよび/または最適化することおよび/またはバリデートすることを含み、キャリブレーションモデルを開発することおよび/または最適化することおよび/または妥当性確認することは、キャリブレーションセット、クロスバリデーションセット、および独立バリデーションセットを生成することを含む。好ましくは、キャリブレーションセットは、甜菜の試料の第1の部分の分光分析から取得された結果を含む。好ましくは、クロスバリデーションセットは、甜菜の試料の第2の部分の分光分析から取得された結果を含む。好ましくは、独立バリデーションセットは、甜菜の試料の第3の部分の分光分析から取得された結果を含む。これは試料の第1の部分、第2の部分、および第3の部分が、甜菜の試料の異なる部分である場合に好ましい。好ましくは、第1の部分、第2の部分、および第3の部分は、甜菜の異なる試料からのもの、特に異なる場所で収穫された甜菜の試料からのものである。キャリブレーションモデルは、キャリブレーションセットから生成され得る。クロスバリデーションセットは、キャリブレーションモデルを開発する、特に改善するために使用され得る。独立バリデーションセットは、キャリブレーションモデルをバリデートするために使用され得る。バリデーションセットにおける、外れ値は、または試料も、キャリブレーションモデルを修正するかまたは開発するために使用され得る。好ましくは、独立バリデーションセットは、キャリブレーションモデルを変更しおよび/または開発するために使用されない。
【0184】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分における成分を決定するためにスペクトル信号を処理すること、および/またはスペクトル信号をキャリブレーションデータと比較すること、および比較に応じて、好ましくは定量的に、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分における成分を決定することを含む。スペクトル信号を処理することは、少なくとも分析部分における、好ましくは分析部分および生産部分の少なくとも一部における成分を決定するために実施される。少なくとも分析部分における、好ましくは生産部分の少なくとも一部における成分は、たとえば、全糖含量、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖の含量、スクロース、ラクトース、マルトースなどの二糖の含量、ラフィノース、マルトデキストリン、セロデキストリンなどのオリゴ糖の含量、イヌリン、フルクタンなどの多糖の含量、糖の抽出効率、乾物含量、粗タンパク質、粗繊維、アミノ酸、デンプン、全糖含量、回収可能糖含量、タンパク質、ベタイン、ベタレイン、ベタシアニン、ベタキサンチン、アミド、アミノ酸などの可溶性窒素化合物、タンパク質などの不溶性窒素化合物、ペクチン、サポニン、有機酸などの無窒素有機物質、絞りかす含量、脂肪分;アルコール含量、NDF(中性デタージェント繊維)、ADF(酸性デタージェント繊維)、ADL(酸性デタージェントリグニン)またはヘミセルロース、セルロース、リグニンの含量などの構造性炭水化物の含量、灰分、ナトリウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属元素およびその無機化合物の含量、カルシウム、炭酸カルシウム、マグネシウム、酸化マグネシウムなどの金属元素および無機化合物の含量、ホウ素、ホウ酸塩鉱物、セレン、ケイ素などの半金属元素および無機化合物の含量、炭素、炭酸塩、リン、リン酸塩などの非金属元素および無機化合物の含量、硫黄、ヨウ素の群からの1つまたは複数の物質であってよい。成分は、定性的におよび/または定量的に決定され得る。
【0185】
この方法のさらなる好ましい一実施形態によれば、電磁波の波長は、赤外スペクトル、好ましくは近赤外スペクトル、および/もしくはマイクロ波領域、および/もしくは可視スペクトル、および/もしくは紫外スペクトル内にあり、ならびに/またはスペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、中赤外分光法、遠赤外分光法、テラヘルツ分光法、および/もしくは紫外可視分光法(UV-Vis)、および/もしくはラマン分光法、および/もしくはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/もしくは蛍光分光法、および/もしくはハイパースペクトル画像処理、および/もしくは核磁気共鳴、および/もしくはハイパースペクトル画像処理と異なる分光アプローチとの組合せ、および/もしくは異なる分光方法の組合せを使用することによって変換され、分析することは、カメラを使用しておよび/またはカメラと異なる分光法との組合せを使用して実施される。
【0186】
好ましくは、赤外スペクトルは、750nmから1,000,000nmの範囲内の波長を含む。好ましくは、近赤外スペクトルは、750nmから2,500nmの範囲内の波長を含む。好ましくは、可視スペクトルは、400nmから750nmの範囲内の波長を含む。さらに好ましくは、電磁波の波長は紫外スペクトルの範囲内にあり、好ましくは、紫外スペクトルは、10nmから400nmの範囲内の波長を含む。
【0187】
好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、および/または中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/または紫外可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を使用することによって変換される。特に、異なる分光法の組合せさらにはハイパースペクトル画像との組合せが使用されるものとしてよく、好ましくは、異なる分光法を使用することによって変換されたスペクトル信号は、成分分析のために組み合わされ得る。好ましくは、核磁気共鳴も、上述の分光法のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0188】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器における生産部分の持続時間を少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更すること、ならびに/または圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更すること、ならびに/または少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更することを含む。
【0189】
甜菜ジュースの精製において、乳状石灰およびCOが使用され得る。コークスおよび石灰石が、CaOおよびCOの生産に使用され得る。従来のプロセスにおける石灰使用量は、甜菜の約2%であり得る。古典的なジュース精製は、石灰処理、炭酸処理、スラッジ分離、および硫酸処理からなるものとしてよい。この精製プロセスにより、非糖の部分が糖から除去され得る。甜菜の品質に関する知識は、精製プロセスを調整する、特に加えられる石灰石の量を調整することに役立ち得る。石灰石の追加を最適化する利点は、石灰石の削減が可能であればコストも削減され得るという事実にある。さらに、甜菜の貯蔵時の甜菜の品質低下の分析結果が、石灰石の追加を調整するために使用され得る。それに加えて、抽出時に加えられる水の量は、甜菜の品質決定に基づき調整され得る。関連するパラメータは、スクロースの含量、ならびにタンパク質、ペクチン、無機塩、有機酸、グルコースおよび/またはフルクトースのような着色物質、アミノ酸窒素のような非糖成分の含量であるものとしてよく、すべての可溶性窒素化合物は、ジュース色修正およびアルカリ度の低減があるので甜菜根の加工にマイナスの影響を及ぼし得る。
【0190】
損傷した解凍甜菜または他の何らかの形で損傷した甜菜であり得る、損傷甜菜は、糖分抽出時の濾過プロセスに影響を及ぼし得る品質変化を有することがある。糖分抽出時にデキストラナーゼを添加すると、濾過プロセスを改善することができる。損傷甜菜の存在およびその量を分析することは、デキストラナーゼ添加/補充の量を最適化するために使用され得る。デキストラナーゼ添加の最適化により、甜菜抽出に対するコスト効率を高めることができる。
【0191】
それに加えて、甜菜の密度を分析することは、たとえば、切断ナイフの鋭利さを調整することによって、および/または切断ナイフを交換することによって、切断および/またはスライスプロセスを最適化するのに役立ち得る。
【0192】
甜菜は、収穫の際に頭部を除去されるものとしてよく、甜菜の頭部は、甜菜の他の部分と比較したときに、糖分が少なく、たとえば窒素化合物などの、製糖プロセスに悪影響を及ぼし得る成分が多いことがある。特に、甜菜の頭部は、緑色物質および葉を含むことができる。好ましくは、甜菜の頭部の量または甜菜の試料中の緑色物質の量の決定は、甜菜の試料の品質を推定するために、したがって、甜菜の試料の品質に応じて製糖プロセスを調整するために使用することができる。
【0193】
製糖では、電界パルスが電気反応チャンバー内に印加され、これは電流および/または電界が対象材料、特に甜菜片、好ましくは甜菜片の少なくとも生産部分に作用するデバイスの一部として理解される。電気反応チャンバーはエレクトロポレーションデバイスとして理解され、電界パルスが細胞に印加されて、細胞膜の透過性を高め、少なくとも生産部分から糖を抽出するプロセスを改善する。パルス数は、一定時間内に電気反応チャンバー内に印加される電界パルスの数、特に1秒あたりの電界パルスの数を指す。プロセス温度は、チャンバーまたは反応器内の、好ましくは電気反応チャンバー内の液体、特に水の温度、またはチャンバー、好ましくは電気反応チャンバー内に導入される水の温度であり得る。搬送速度は、少なくとも分析部分の流れの速度とすることができ、少なくとも生産部分の流れは、運搬デバイスを使用して搬送方向に沿って少なくとも分析部分を搬送することによって生成される。反応器内の生産部分の持続時間は、好ましくは、少なくとも生産部分が反応器、特に電気反応チャンバー内に配置構成される継続時間である。圧搾パルプを乾燥させるための乾燥プロセスパラメータは、圧搾パルプを乾燥させる持続時間および/または圧搾パルプを乾燥させるために適用される温度とすることができる。
【0194】
甜菜が製糖プロセスに導入される順序は、有利には、製糖効率が向上するように調節され得る。特に、異なる甜菜および/または異なる複数の甜菜および/または異なる甜菜片における決定された成分に応じて待ち行列が作成され得る。好ましくは、甜菜は、甜菜の分析された成分に応じて選別される。したがって、有利には、類似する品質の甜菜が選別され、製糖施設内の製糖プロセスにおいて一緒に処理されるものとしてよく、製糖パラメータは、甜菜から最も効率的に砂糖を抽出するように調整され得る。
【0195】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、分析部分から甜菜片を提供することは、チョッピングデバイスを使用して実施され、チョッピングデバイスは、分析部分を実質的に等しいサイズの甜菜片に砕き、および/もしくは切断するように構成され、ならびに/または分析部分および/もしくは生産部分から甜菜片を提供することは、スライシングデバイスを使用して実施され、スライシングデバイスは、分析部分および/または生産部分を、スライスおよび/または細長片として形成される甜菜片に切断するように構成される。
【0196】
分析部分および/または生産部分を甜菜片にチョップすることは、チョッピングデバイスを使用して実施されるものとしてよく、チョッピングデバイスは、分析部分および/または生産部分を実質的に等しいサイズの甜菜片に切断し、および/または砕くように構成される。
【0197】
好ましくは、甜菜片は、甜菜を甜菜片に砕くことによって、特に、甜菜を切断するのではなくむしろ甜菜を甜菜片に砕くように適合されたフックを使用してチョップされる。甜菜片を砕くことによって、甜菜片は、甜菜から切り離されて断片に砕かれ、砕かれた甜菜片は、むしろ乾燥しており、特に、平坦で湿った切断表面を含まない。
【0198】
甜菜片を提供することは、また、スライシングデバイスを使用して分析部分および/または生産部分を甜菜片にスライスすることを含むものとしてよく、スライシングデバイスは、分析部分および/または生産部分を、スライスおよび/または細長片として形成される甜菜片に切断し、および/またはスライスするように構成される。
【0199】
好ましくは、生産部分は、スライシングデバイスを使用することによって甜菜片にスライスされおよび/または切断されるものとしてよく、スライシングデバイスは、分析部分および/または生産部分を、細長片として形成される甜菜片に切断するように構成される。好ましくは、甜菜片は切断され、スライシングデバイスは、甜菜を甜菜片に切断し、および/またはスライスするためのブレードおよび/またはナイフを備える。細長片として形成される甜菜片は、コセットとも称され得る。甜菜を細長片として形成される甜菜片に切断することは、甜菜片の表面積が比較的広く、その結果、細長片として形成されるこれらの甜菜片からの糖の良好な抽出性をもたらし得るので、特に有利である。好ましくは、細長片として形成される甜菜片の長さは、細長片として形成される甜菜片の厚さの少なくとも3倍、特に少なくとも5倍大きい。
【0200】
この方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの運搬デバイスは、第1の運搬セクション、主運搬セクション、および第2の運搬セクションを備え、主運搬セクションは、第1の運搬セクションの下流および第2の運搬セクションの上流に配置構成され、ならびに/または少なくとも1つの運搬デバイスは、第1の運搬セクションの下流および第2の運搬セクションの上流に配置構成されたバイパスセクションを備える。好ましくは、この方法は、生産部分および分析部分を第1の運搬セクションに沿って搬送すること、ならびに/または少なくとも分析部分をバイパス部に沿って搬送すること、ならびに/または生産部分の少なくとも一部、特に分析部分の一部ではない甜菜片を主運搬セクションに沿って搬送すること、ならびに/または生産部分を第2の運搬セクションに沿って搬送すること、ならびに/または分析部分を第2の運搬セクションに沿って搬送すること、ならびに/または分析部分を廃棄することをさらに含む。
【0201】
下流および上流は、少なくとも1つの運搬デバイスを使用して少なくとも分析部分を運搬方向に沿って搬送するときに、少なくとも分析部分の流れが生成され、少なくとも分析部分の流れは運搬方向に沿って上流から下流に移動するという意味で理解される。特に、少なくとも分析部分の流れは、上流から下流へ移動する。
【0202】
好ましくは、第1の運搬セクションは上流端と下流端とを備え、主運搬セクションは上流端と下流端とを備え、第2の運搬セクションは上流端と下流端とを備え、第1の運搬セクションの下流端は、主運搬セクションの上流端に接続され、主運搬セクションの下流端は、第2の運搬セクションの上流端に接続される。第1の運搬セクション、主運搬セクション、および第2の運搬セクションは、同じ運搬デバイスのいくつかのセクションであり得る。第1の運搬セクション、主運搬セクション、および第2の運搬セクションは、特に電気モーターを使用して、別々に駆動され得る。
【0203】
運搬デバイスは、第1の運搬セクションの下流および第2の運搬セクションの上流に配置構成されたバイパスセクションを備えることがさらに好ましい。
【0204】
好ましくは、バイパスセクションは、上流端と下流端とを備え、上流端は、第1の運搬セクションの下流端に接続される。好ましくは、分析セクションは、バイパスセクションに沿って、バイパスセクションの上流端からバイパスセクションの下流端まで搬送される。バイパスセクションの下流端は、第2の運搬セクションの上流端に接続され得る。
【0205】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、生産部分および分析部分を第1の運搬セクションに沿って搬送すること、ならびに/または少なくとも分析部分をバイパスセクションに沿って搬送すること、ならびに/または生産部分の少なくとも一部、特に分析部分の一部ではない甜菜片を主運搬セクションに沿って搬送することを含む。
【0206】
好ましくは、甜菜片は分割され、分析部分は、第1の運搬セクション上の甜菜片の流れからバイパスセクション上のバイパスの流れに誘導される。好ましくは、バイパスの流れは、第2の運搬セクションで他の甜菜片の流れと合流する。バイパスセクションは、第1の運搬セクションの下流、特に隣接して配置構成され、第2の運搬セクションの上流、特に隣接して配置構成され得る。特に、バイパスセクションは、代替的運搬経路として第1の運搬セクションおよび第2の運搬セクションを接続する。したがって、甜菜片の一部、特に分析部分を含まない部分は、主運搬セクションに沿って運搬されるものとしてよく、甜菜の一部、特に分析部分は、バイパス運搬セクションに沿って運搬されるものとしてよい。
【0207】
好ましくは、バイパスセクション上に配置構成される甜菜片の運搬速度は、主運搬セクションおよび/または第1の運搬セクションおよび/または第2の運搬セクション上に配置構成される甜菜片の運搬速度よりも遅く、特に半分以下である。
【0208】
好ましくは、この方法は、生産部分を第2の運搬セクションに沿って搬送すること、および/または分析部分を第2の運搬セクションに沿って搬送すること、および/または分析部分を廃棄することを含む。
【0209】
好ましくは、生産部分および分析部分は、第2の運搬セクションの上流端から第2の運搬セクションの下流端まで第2の運搬セクションに沿って搬送される。分析部分が第2の運搬セクションに搬送されない場合、分析部分は、特に、バイパスセクションで分析部分の成分分析を行った後に、廃棄され得る。
【0210】
本方法のさらに好ましい一実施形態によれば、少なくとも分析部分に向けて電磁波を放射することは、分析部分が第1の運搬セクションに配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送され、および/もしくはバイパスセクションに配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送される間に実施され、ならびに/または生産部分に向けて電磁波を放射することは、生産部分が第1の運搬セクションに配置構成され、好ましくはそれに沿って搬送される間に実施される。
【0211】
好ましくは、少なくとも分析部分の成分を分析することは、バイパスセクション上に配置構成されている少なくとも分析部分上で実施される。少なくとも分析部分の成分を分析することは、代替的にまたはそれに加えて、第1の運搬デバイス上または第2の運搬デバイス上に配置構成された少なくとも分析部分上で実施され得る。
【0212】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、甜菜片を少なくとも1つの運搬デバイス上に、好ましくは少なくとも1つの運搬デバイスより上に配置構成されるローラを用いて、またはローラを用いずに、均質に、および/または不均一に分配することを含む。
【0213】
好ましくは、少なくとも1つの運搬デバイス上に甜菜片を均質に分配することは、少なくとも分析部分がバイパスセクション上に配置構成されているときに少なくとも分析部分上で実施される。
【0214】
甜菜片を均質に分配することは、甜菜片を均等に分配することであり得る。好ましくは、甜菜片を均質に分配することは、少なくとも1つの運搬デバイス上の甜菜片の高さが一定であるか、または好ましくは±5cmの範囲で変化するように甜菜片を分配することを指す。均質に分配された甜菜片は、少なくとも1つの運搬デバイス上に、定められた一定の高さおよび/または幅を有するように配置構成されるものとしてよく、好ましくは±5cmの範囲で変動が生じ得る。特に、運搬デバイスから生成される甜菜片の流れは、定められた一定の高さおよび/または幅を有し、幅の方向は、運搬方向に直交し、甜菜片が少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成される平面に対して平行な方向を指し、高さの方向は、運搬方向に直交し、甜菜片が少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成される平面に対して直交する方向を指す。説明されているプロセスは、たとえばコセットまたは乾燥パルプの直接的な測定のように、甜菜片を不均一に分配する場合にも同様に実施され得る。好ましくは、定義されたおよび/または一定の高さもしくは幅は必要ではない。好ましくは、ローラを使用することによって甜菜を均質に分配すること、および/またはローラを使用せずに甜菜を不均質に分配することが実施され得る。
【0215】
好ましくは、均質に分配することは、ローラを使用することによって実施され、好ましくは、ローラは、少なくとも1つの運搬デバイスより上で固定された一定の距離のところにローラ軸とともに配置構成される。好ましくは、少なくとも分析部分は、ローラを使用して一定の高さまで圧縮され、特に少なくとも分析部分の表面は滑らかで均一である。ローラは、少なくとも分析部分の流れによって、および/またはモーターによって回転するように駆動されるものとしてよく、ローラは、運搬方向に沿って移動する少なくとも分析部分の流れとともに、またはその反対の方向に駆動され得る。
【0216】
この方法のさらに好ましい実施形態によれば、分析部分内の成分は、好ましくは、特に、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することが圧搾パルプを生産した後に実施されるときに、乾物含量、タンパク質含量、炭水化物含量、繊維含量、セルロース含量、ヘミセルロース含量、中性デタージェント繊維(NDF)含量、酸性デタージェント繊維(ADF)含量、ADL(酸性デタージェントリグニン)含量、リグニン含量、アミノ酸含量、デンプン含量、全糖含量、単糖含量、オリゴ糖含量、多糖含量、および/または総エネルギー含量、乳生産飼料単位(UFL)、代謝エネルギー(ME)、灰分含量の群からの1つまたは複数を含む。好ましくは、分析部分内の成分は、好ましくは、特に、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析することが、甜菜片を提供した後に、特にスライスすることによって、好ましくは少なくとも生産部分から生ジュースを生産する前に、実施されるときに、全糖含量、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖の含量、スクロース、ラクトース、マルトースなどの二糖の含量、ラフィノース、マルトデキストリン、セロデキストリンなどのオリゴ糖の含量、イヌリン、フルクタンなどの多糖の含量、糖の抽出効率、乾物含量、粗タンパク質、粗繊維、アミノ酸、デンプン、全糖含量、回収可能糖含量、タンパク質、ベタイン、ベタレイン、ベタシアニン、ベタキサンチン、アミド、アミノ酸などの可溶性窒素化合物、タンパク質などの不溶性窒素化合物、ペクチン、サポニン、有機酸などの無窒素有機物質、絞りかす含量、脂肪分;アルコール含量、NDF(中性デタージェント繊維)、ADF(酸性デタージェント繊維)、ADL(酸性デタージェントリグニン)またはヘミセルロース、セルロース、リグニンの含量などの構造性炭水化物の含量、灰分、ナトリウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属元素およびその無機化合物の含量、カルシウム、炭酸カルシウム、マグネシウム、酸化マグネシウムなどの金属元素および無機化合物の含量、ホウ素、ホウ酸塩鉱物、セレン、ケイ素などの半金属元素および無機化合物の含量、炭素、炭酸塩、リン、リン酸塩などの非金属元素および無機化合物の含量、硫黄、ヨウ素の群からの1つまたは複数を含む。
【0217】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器における生産部分の持続時間を圧搾パルプ分析部分における決定された成分に応じて変更すること、ならびに/または圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、圧搾パルプ分析部分における決定された成分に応じて変更すること、ならびに/または少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、圧搾パルプ分析部分における決定された成分に応じて変更することを含む。製糖パラメータに関して、これは上で説明されているような定義および好ましい実施形態を指す。
【0218】
さらなる一態様によれば、製糖用の甜菜中の成分の決定のためにキャリブレーションデータを生成するための方法であって、好ましくは決定された量、たとえば10kgの甜菜の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動させることと、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析することと、好ましくはカッターミルによって、試料から甜菜パルプを生産し、好ましくは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液もしくは水によって、甜菜パルプを抽出することと、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行うことと、分光分析の結果を基準分析の結果と比較することとを含む方法が提供される。
【0219】
上で説明されている方法のさらなる有利な実施形態は、本明細書において説明されている好ましい特徴のいくつかまたはすべてを組み合わせることによって実現され得る。
【0220】
さらなる一態様によれば、製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成であって、製糖用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては製糖用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を受け入れるための受け入れステーション、チョッピングデバイスであって、チョッピングデバイスは、分析部分を実質的に等しいサイズの甜菜片に砕き、および/または切断するように構成される、チョッピングデバイス、ならびに/またはスライシングデバイスであって、スライシングデバイスは、分析部分および/または生産部分を、スライスおよび/または細長片として形成される甜菜片に切断するように構成される、スライシングデバイス、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を搬送するための運搬デバイス、運搬デバイス上に配置構成される少なくとも分析部分に向けて電磁波を放射するように配置構成される分析アセンブリであって、好ましくは、分析アセンブリは、電磁波を受信するように配置構成され、および/または好ましくは分析アセンブリは、受信された電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される、分析アセンブリ、少なくとも生産部分から生ジュースを生産するための生ジュース生産デバイス、ならびに/または分析アセンブリを制御するための、および/もしくは分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットであって、好ましくは制御ユニットは、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/またはパルス数および/またはプロセス温度および/または搬送速度および/または反応器内の生産部分の持続時間、および/または生ジュース精製における乳状石灰およびCOの適用、および/またはジュース精製における石灰処理、炭酸処理、スラッジ分離、および硫酸処理のプロセスの調整を分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように配置構成される制御ユニットを含む配置構成が提供される。
【0221】
製糖プロセスにおいて、アンモニウムは、窒素化合物から生成されるものとしてよく、アンモニウムは揮発性であり、製糖施設の内側および製糖施設の外側の空気品質を低下させ得る。好ましくは、甜菜の品質の分析により、製糖パラメータは、空気中のアンモニウム含有量が減少し、空気品質が高められるように調整されるものとしてよく、これは、製糖工場内の人にとって有益であり、また製糖施設の環境影響にとっても有益であり得る。好ましくは、製糖パラメータを調整することによって、CO排出量が削減され得る。砂糖の抽出中に、たとえば、水を加えること、および/または甜菜の切断プロセスを変更すること、および/または砂糖抽出の時間を変更することは調整され得る。
【0222】
この配置構成は、好ましくは、甜菜片から液体を抽出するために、圧搾機、特に甜菜片を圧搾するように特別に設計されているパルプ圧搾機を含む。受け入れセクションは、たとえばトラックおよび/または列車などの、運搬車両から甜菜を受け入れるためのセクションおよび/またはステーションであってよい。受け入れステーションは、チョッピングデバイスの入口とすることができ、甜菜は、入口を通ってチョッピングデバイスに導入される。受け入れステーションは、スライシングデバイスの入口とすることができ、甜菜は、入口を通ってスライシングデバイスに導入される。好ましくは、分析アセンブリは、少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成される少なくとも分析部分に向けて電磁波を放射するための電磁波源を備える。好ましくは、分析アセンブリは、反射された電磁波を受信するためのセンサを備える。好ましくは、分析アセンブリは、分光計、特に、近赤外分光法(NIRS)、および/または中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/または紫外可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/またはハイパースペクトル画像処理、および/またはその組合せを実行するように適合された分光計を備える。電磁波源は、分光計の一部であっても、分光計の一部でなくてもよい。センサは、分光計の一部であっても、分光計の一部でなくてもよい。核磁気共鳴も、上述の分光法のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0223】
好ましい一実施形態によれば、この配置構成は、分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットであって、好ましくは制御ユニットは、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器における生産部分の持続時間を、分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように、ならびに/または少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、分析アセンブリによって決定された成分に応じて変更するように配置構成される、制御ユニットを含む。
【0224】
制御ユニットは、分析アセンブリからデータおよび/または信号を受信することができる。制御ユニットは、受信されたデータおよび/または受信された信号に応じて、少なくとも1つの、好ましくはいくつかの、製糖パラメータを変更するように適合される。したがって、製糖パラメータは、現在製糖施設内にある甜菜片に合わせて手直しされた製糖パラメータを変更することによって調整され得る。このように製糖パラメータを変更することの利点は、甜菜片から砂糖がより効率的に抽出され得る点である。
【0225】
さらなる態様によれば、提供されるのは、本明細書において説明されている配置構成を含む製糖施設である。
【0226】
さらなる態様によれば、提供されるのは、製糖施設、特に本明細書において説明されているような製糖施設における分析アセンブリの使用、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成、特に本明細書において説明されているような製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成の、製糖施設、特に前記請求項に記載の製糖施設における使用、および/または製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法、特に本明細書において説明されているような製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法の、製糖施設、特に本明細書において説明されているような製糖施設における使用である。
【0227】
上で説明されているさらなる態様およびそれらのそれぞれの可能な実施形態は、本明細書において説明されている方法およびその好ましい実施形態とともに使用され、および/またはそれらと接続されるのに特に好適な特徴および/または方法ステップを含む。
【0228】
個別の異なる態様およびそれらの好ましい実施形態の利点、好ましい実施形態、および詳細については、本明細書、特に、それぞれの他の態様を参照しつつ説明されている利点、好ましい実施形態、および詳細も参照される。
【0229】
さらなる有利な実施形態は、本明細書において説明されている好ましい特徴のうちの個別の特徴、いくつかの特徴、またはすべての特徴を組み合わせた結果得られる。
【0230】
さらなる態様によれば、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受ける可能性のある生理学的特性を検出するための方法が提供され、この方法は植物材料を受け取ることと、植物材料に向けて電磁波を放射することと、電磁波を受信することと、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することと、好ましくはスペクトル信号を処理することと、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受ける可能性のある生理学的特性、特に代謝産物を決定することとを含む。
【0231】
本発明において使用され得る「植物材料」は、限定はしないが、葉、根、ビート、塊茎、茎、果実、および植物の任意の部位の他の植物組織、カルスまたは不定胚様組織(以下、「カルスなど」または単に「カルス」と称される)、または完全な植物を含む、植物の様々な実施形態を包含する。本発明の方法において使用される植物材料の好ましい形態は、根、ビートまたは塊茎である。
【0232】
植物材料は、根菜作物および/または塊茎作物、特にサトウダイコン種および/またはジャガイモ種とすることができる。植物材料は、根菜作物および/または塊茎作物、特にサトウダイコン種および/またはジャガイモ種の一部とすることができる。好ましくは、植物材料は、甜菜、フダンソウ、スイスチャード、ビートルート、マンゴルト、ジャガイモの群からの1つもしくは複数を含むか、または1つもしくは複数である。植物材料は、植物材料部分の小または大部分、特に生産プロセスおよび/または育成プロセスに使用される植物材料部分の一部であり得る。植物材料は、植物の1つまたはいくつかの部分を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。植物材料は、たとえば、葉またはその一部、特に葉の打ち抜かれた部分を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。植物材料は、たとえば、数枚の葉またはその一部、特に数枚の葉の打ち抜かれた部分を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。
【0233】
好ましくは、植物材料を受け取ることは、植物材料のトラック積荷および/または植物材料のコンテナおよび/または植物材料の商品ワゴンおよび/または育成プロセスに対する区画からの植物材料の量および/またはフィールドトレイルに対する植物材料の量および/または温室の植物材料を受け取ることによって実施される。
【0234】
好ましくは、植物材料から放射される電磁波は、赤外スペクトル(0,7μm~1000μm)内および/またはマイクロ波領域(2cm-1~130cm-1)内および/または可視スペクトル(380nm~750nm)内および/または紫外スペクトル(10nm~380nm)内にある。
【0235】
好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法(NIRS)、中赤外分光法、および/または遠赤外分光法、および/またはテラヘルツ分光法、および/または紫外-可視分光法(UV-Vis)、および/またはラマン分光法、および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、および/または蛍光分光法、および/または画像、さらにはハイパースペクトル画像、および/または画像の組合せ、および/または分光法を使用するハイパースペクトル画像、および/または異なる分光法の組合せ、および/または蛍光画像処理を使用することによって変換される。
【0236】
好ましくは、電磁波は、植物材料から反射され、反射された電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサにより受信される。好ましくは、電磁波は、植物材料、またはその一部から反射される。電磁波は、少なくとも部分的に、放射されて植物材料を貫通することもでき、電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサを用いて受信され得る。好ましくは、電磁波は、放射されて植物材料、またはその一部を貫通する。
【0237】
好ましくは、受信された電磁波は、スペクトル信号に変換され、スペクトル信号は、受信された電磁波に応じて生成される。
【0238】
好ましくは、この方法は、植物材料中の植物病害を決定するためにスペクトル信号を処理することを含む。植物材料中の植物病害を決定するためにスペクトル信号を処理することは、植物材料中の、または植物材料の少なくとも一部の中の植物病害を決定するために実行され得る。好ましくは、植物病害は、スペクトル信号に応じて、特にスペクトル信号の情報に応じて決定される。
【0239】
植物病害は、たとえば、甜菜において決定され得る。好ましくは、植物病害を決定することは、次に示す植物病害、特に甜菜病害の1つまたは複数が植物材料中に存在するかどうかを決定すること、および/または次に示す植物病害、特に甜菜病害の1つまたは複数の侵入率を決定することを含む。
- リゾマニア(Rhizomania)、
- ビート土壌伝染性ウイルス感染、
- ビート軽度黄化ウイルス感染、
- アファノミセス(Aphanomyces)根腐病、
- リゾクトニア(Rhizoctonia)根腐および菌核病、
- 紫紋羽病、
- フィマトトリクム(Phymatotrichum)根腐病、
- フィトフトラ(Phytophthora)根腐病、
- フハイカビ(Pythium)根腐病、
- フォーマ(Phoma)根腐病、
- ビート脈管壊死および腐敗、
- クラウンゴール、
- かさぶた、
- 糖含量低下症
【0240】
コメツキムシの幼虫、ヨトウムシ、蛾、アブラムシ、ピグミーマンゴールドカブトムシ、シルバーY蛾、マダラヘビヤスデ、ビートゾウムシ、カメノコハムシ、ミトビ甲虫、セミ、蛾の種、コフキコガネ、ガガンボ、トビムシ、ゴミムシダマシ、アカザモグリハナバエ、ビートリーフマイナー、ビート蛾、ガーデンまたは温室のコムカデ、トビムシ、ミナミ甜菜ゾウムシ、真正ゾウムシ、リクサス・サブティリス・シュトゥルム(Lixus subtilis Sturm)、カスミカメムシ、ヒメヨトウ、アフリカワタ、ヨトウムシ、グレービートゾウムシ、ナミハダニ、アザミウマの群からの1つまたは複数によって引き起こされる害虫侵入。
【0241】
好ましくは、植物病害および害虫侵入を決定することは、次の表に示されている植物病害および害虫侵入、特に甜菜病害の1つまたは複数が植物材料中に存在するかおよび/もしくは植物材料中に変化を誘発したかどうかを決定すること、ならびに/または次に示す植物病害、特に甜菜病害の1つまたは複数の侵入率を決定することを含む。
【0242】
【表4A】
【0243】
【表4B】
【0244】
【表4C】
【0245】
【表4D】
【0246】
植物病害は、たとえば、ジャガイモにおいて決定され得る。好ましくは、次に示す植物病害、特にジャガイモ病害の1つまたは複数が植物材料中に存在するかどうかを決定する、および/または次に示す植物病害、特にジャガイモ病害の1つまたは複数の侵入率を決定する。
- 黒点根腐病(コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes))、
- 植物材料の茎および/または植物材料の葉巻で観察され得る、黒斑病(リゾクトニア・ソラニ-(Rhizoctonia solani))および/または枝枯れ病、
- そうか病(ストレプトマイセス・スキャビーズ(Streptomyces scabies))、
- コルキーリングスポット(タバコ茎えそウイルス(Tobacco rattle virus[TRV]))、特に土壌伝染性線虫を媒介として広がる、
- 乾燥腐敗および皮膚染色症状(フザリウム(Fusarium spp)、
- 夏疫病(アルテルナリア・ソラニー(Alternaria solani)およびアルテルナリア・アルテルナ(Alternaria alternata))、
- 壊疽(ホーマ・エキシグア変種ホベアタ(Phoma exigua var. foveta))、
- 晩枯病(ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans))、
- 葉巻(ジャガイモ葉巻ウイルス[PLRV])、特にこのウイルスは植物をリゾクトニア・ソラニー(Rhizoctonia solani)にかかりやすくもする、
- 落葉縞、縮葉モザイク病(ポテトウイルスY[PVY])、
- モップトップ(ジャガイモモップトップウイルス[PMTV])、
- ピンクアイ(未知の病原体、細菌性と考えられる)、
- 緋色腐敗病(フィトフトラ・エリスロセプチカ(Phytophthora erythroseptica))、
- 粉状そうか病(ジャガイモ粉状そうか病(Spongospora subterranea))、
- ピシウムリーク病(ピシウム(Pythium spp)、
- 輪紋病(クラビバクター ミシガネンシス subsp.ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus))、
- 銀か病(ヘルミントスポリウム・ソラニー(Helminthosporium solani))、
- スキンスポット病(ポリスキタルム・プスツランス(Polyscytalum pustulans))、
- 軟腐病(エルウィニア・カロトボラsubsp.アトロセプティカ(Erwinia carotovora subsp. atroseptica))、特にこの病原菌は根朽ち病の原因となり得、植物材料の茎葉において観察される、
- スプレイングー(タバコ茎えそウイルス(Tobacco Rattle Virus)[TRV])、
- ジャガイモがんしゅ病(シンキトリウム・エンドビオティクム(Synchytrium endobioticum))、
- ゼブラチップ病(カンジダツス・リベリバクテル・ソラナセアル(Candidatus Liberibacter solanacearum))、
- 根こぶ線虫(メロイドジンspp.(Meloidogyne spp.[線虫]))、
- 根腐れ線虫(プラティレンカス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans[線虫]))、
- ジャガイモシストセンチュウ(グロボデラspp.(Globodera spp.[線虫]))、
- ジャガイモ腐敗線虫(ディティレンクス・デストラクター(Ditylenchus destructor[線虫]))、
- ジャガイモガの幼虫(ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)[蛾の幼虫])、
- 線虫(リモニウスsupp.(Limonius spp.)、アグリオテスsupp.(Agriotes spp.)およびクテニセラspp.(Ctenicera spp.)[甲虫の幼虫])。
【0247】
本発明によれば、成長または貯蔵状態に起因する根菜作物の生理学的変化さらにはストレスも検出され得る。そのような変化には特に以下を含む。
- 特に貯蔵中の酸素不足によって引き起こされ、組織が内側から死んで黒くなる黒色心腐れ、
- 褐色の中心部、特に死んだ髄細胞の領域が褐色になり、非常に湿った状態によって引き起こされ得る、
- 象皮、特に、荒れたまたは厚い皮が存在することがあり、高温、土壌肥沃度、土壌水分、および/または化学処理によって引き起こされ得る、
- 緑化、特に塊茎が露光に起因して緑色になる、
- 成長ひび割れ、特に皮のひび割れは、環境ストレス、栄養不均衡、疾病、および/または除草剤傷害によって引き起こされ得る、
- 空洞病、特に塊茎の中心部の星型またはレンズ型の中空領域は、塊茎発達中の不均一な水分量または他の環境要因の組合せによって引き起こされ得る、
- ゼラチン質/糖末端、特に生理学的状態は、塊茎発達中の高温および/または水分ストレスによって引き起こされることがあり、その結果、塊茎のヘタが尖って萎びる。
【0248】
植物材料において環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性は、好ましくは、植物材料における環境ストレスにより変化し得る、および/または影響を受け得る生理学的特性であると理解される。
【0249】
好ましくは、植物材料において環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性は、植物材料における環境ストレスによって変化し、および/または影響を受ける生理学的特性であると理解される。植物材料における環境ストレスにより変化する、および/または影響を受ける生理学的特性は、特に、植物材料の生理学的特性であると理解され、生理学的特性は、環境ストレスによって変化しており、および/または環境ストレスの影響を受けている。
【0250】
植物材料における環境ストレスによる影響を受け得る生理学的特性は、特に、次に示すリストの1つまたはいくつかの影響によって変化し得る。
- 干ばつ、塩分、熱さ、寒さ、霜、UV、風、土壌硬度、栄養素制限、または過剰摂取(たとえば、N、K、P、Na、Mgなど、マクロおよび微量栄養素)などの非生物的ストレス状態、
- 土壌のpH値、
- たとえば重金属による、土壌汚染、
- 有益な生物:生物製剤、
- 除草剤誘発変化(たとえば、Conviso、Glyphosateなど)
- 農薬誘発変化(殺菌剤、除草剤、殺虫剤、アジュバント)
- 農業慣行誘発変化(非化学的雑草防除による損傷、農業機械による損傷、収穫損傷(たとえば先端切り取り)、
- 貯蔵損傷、
- 特定の発育状態にある植物の存在(たとえば、ボルター)。
【0251】
方法ステップは、列挙されている順序から逸脱する順序で実施されてもよい。しかしながら、これは方法ステップが列挙されている順序で、特に、1つずつ実施される場合に好ましい。
【0252】
本明細書において説明されている解決方法は、分光法が、植物病害などの生物ストレスを示す、栄養素および二次代謝産物などの植物生化学的成分を予測する潜在的可能性を有するという利点を有する。したがって、分光法を使用することで、植物病害は、自動化方式で確実に決定されおよび/または検出され得る。分光法は特に有利であるが、それは感染植物材料が、健全な植物材料とは異なるスペクトル情報を有し得るからである。病原体さらには昆虫および/または環境ストレス要因によって引き起こされる症状およびストレスは、色素沈着を変化させ、表面温度を変化させ、および/または代謝産物もしくは代謝産物含量を変化させ得る。たとえば、甜菜は、昆虫、菌類、線虫、種子および/または物理的接触によって伝染され得る多くの異なるウイルスに感染しやすい。これらのウイルスはすべて、根菜作物の潜在的な収量を減少させることがあり、たとえば、製糖プロセス内の糖の抽出性に影響を及ぼし得る。
【0253】
さらに、本明細書において説明されている解決方法は、いくつかの植物病害が、植物材料の特定の部分においてのみ、またはより正確に、決定されおよび/または検出されるものとしてよく、本明細書において説明されている解決方法により、たとえば植物材料の一部である葉など、植物材料の特定の部分を分析することが可能であるという利点を有する。
【0254】
さらに、本明細書において説明されている解決方法は、環境ストレスの影響を受け得る疾病および/または生理学的特性を決定することから、さらなる重要な情報が、たとえば植物材料中の成分の貯蔵損失に関して導出され得る利点を有する。たとえば、植物病害を有する甜菜は、植物病害を有しない甜菜と比較して糖含量の損失が高く、および/または貯蔵挙動が悪いことがあり得る。さらに、植物病害は、植物材料の粘稠度に影響を及ぼし得る。このことは、植物材料のチョッピングおよび/またはスライシングの際に問題になり得る。そのようなさらなる情報を得ることによって、生産プロセス、農業慣行、または育成プロセスにおけるステップなどの、さらなるステップが改善され得る。
【0255】
それに加えて、本明細書において説明されている方法の利点は、取得される情報に基づき、たとえば次のものを含む措置が講じられ得ることである。
- 栽培状態を最適化すること、
- 地域の状況に合わせて正しい品種を選択すること、
- 農業慣行を改善すること、
- 貯蔵状態を改善すること、
- そのような状態に基づき育成を改善すること、
- 生産工場におけるプロセスを調整すること、
- 生産工場状態を改善すること、
- 栽培状態を改善すること。
【0256】
好ましい一実施形態によれば、この方法は、キャリブレーションデータを生成することであって、植物材料、好ましくは植物病害を有するおよび/または有しないおよび/または環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を有するおよび/または有しない植物材料の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動することを含む、生成することと、植物材料中の植物病害を評価することによって、たとえば植物病害の視覚的スコアリングによってならびに/または代謝産物および/もしくは植物材料中に存在する成分の分析によって植物材料のキャリブレーション分析を行うことと、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析することと、分光分析の結果をキャリブレーション分析の結果と比較することとを含む。
【0257】
植物材料の試料は、たとえば、10kgまたは20kgまたは30kgの植物材料を含むことができる。他の量の植物材料も使用され得る。好ましくは、電磁波を受信することは、試料から反射されるおよび/または試料を透過するおよび/または試料によって放射される電磁波を受信することと理解され得る。キャリブレーション分析は、たとえば視覚的スコアリングなどの、少なくとも1つまたはいくつかの測定を含むことができ、少なくとも1つの測定は、植物材料に対して実施され得る。好ましくは、分光分析から得られた結果をキャリブレーション分析から得られた結果と比較することによって、キャリブレーションデータが生成され得る。植物病害の視覚的スコアリングは、また、サンプリング前の圃場内の作物などの植物材料、特にサーコスポラ(Cercospora)による葉感染について実施され得る。
【0258】
好ましくは、分光分析は、連続的に実行される。好ましくは、キャリブレーションデータは、繰り返し試料を採取し、試料の分光分析を実施することによって生成される。好ましくは、キャリブレーションデータは、分光分析の結果をキャリブレーション分析からの結果と繰り返し比較することによって生成される。これはこの手順が数回、特に100回超、好ましくは1000回超繰り返された場合に好ましい。好ましくは、この手順は、比較的湿った植物材料、比較的乾燥している植物材料、変化する成分および/または含有物を有する植物材料など、異なる植物病害を有する植物材料、および/または異なる植物材料状態を有する植物材料で実施される。
【0259】
キャリブレーションデータを生成することも、植物材料の試料がセンサに沿って移動されない、静的プロセスで実行され得る。好ましくは、そのような静的プロセス内では、試料は、特に、電磁波を受信するように適合されたセンサの下の、および/または上の、規定された位置に配置される。
【0260】
説明されている方法でキャリブレーションデータを生成する利点は、異なる成分および/または特性および/または異なる状態を有する植物材料であっても、植物材料中の植物病害を確実に決定するためにキャリブレーションデータが使用され得る点である。
【0261】
好ましくは、キャリブレーションデータを生成することは、キャリブレーションモデルを開発することおよび/または最適化することおよび/またはバリデートすることを含み、キャリブレーションモデルを開発することおよび/または最適化することおよび/または妥当性確認することは、キャリブレーションセット、クロスバリデーションセット、および独立バリデーションセットを生成することを含む。好ましくは、キャリブレーションセットは、植物材料の試料の第1の部分の分光分析から取得された結果を含む。好ましくは、クロスバリデーションセットは、植物材料の試料の第2の部分の分光分析から取得された結果を含む。好ましくは、独立バリデーションセットは、植物材料の試料の第3の部分の分光分析から取得された結果を含む。これは試料の第1の部分、第2の部分、および第3の部分が、植物材料の異なる独立した試料の部分である場合に好ましい。キャリブレーションモデルは、キャリブレーションセットから生成され得る。クロスバリデーションセットは、キャリブレーションモデルを開発する、特に改善するために使用され得る。独立バリデーションセットは、キャリブレーションモデルをバリデートするために使用され得る。独立バリデーションセットは、キャリブレーションモデルを変更しおよび/または開発するために使用されないことは好ましい。しかしながら、キャリブレーションを拡張するかまたは改善するために、独立バリデーションセットからの例を使用することも可能である。
【0262】
好ましい一実施形態によれば、この方法は、スペクトル信号をキャリブレーションデータおよび/または少なくとも1つの基準値と比較し、比較に応じて、植物病害の存在および/または定量化および/または定性化および/または植物材料における環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を決定することを含む。
【0263】
好ましくは、たとえばスペクトル信号の特定の波長における特定の値が、基準値と比較され得る。植物に加えられるストレス(たとえば疾病)に基づく特徴的な反射スペクトルに応じて、特定の値と基準値との比較により、環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性が植物材料に存在するかどうかが決定され得る。スペクトル信号は、キャリブレーションデータと比較され、キャリブレーションデータとスペクトル信号との比較に応じて、環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性が植物材料中に存在するかどうかが決定され得る。前記基準値は、当業者によって理解され、たとえば、これは植物材料の試料の定性的および/または定量的成分分析および/またはスコアリング分析および/または評価数および/または気候データに基づき生成される値である。定性的および定量的方法は、画像システムによる検出などの、視覚的評価を含む。たとえば、画像解析技術は、1つまたは複数の基準値を作成するためのアジャイルシステム生物学的アプローチのための道を開くことができ、特徴選択と成長モデリングとの組合せは、植物成長、生理学的変化、およびストレス耐性の生物学的解釈を支援する際に使用され得る。
【0264】
これは、スペクトル信号とキャリブレーションデータおよび/または少なくとも1つの基準値との比較が、植物材料における環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性の存在を決定するために使用され得る場合にさらに好ましい。これは、スペクトル信号とキャリブレーションデータおよび/または少なくとも1つの基準値との比較が、植物病害の定量化および/または植物材料における環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性、特に植物病害の数および/または植物材料中に存在する1つまたは複数の植物病害の強度および/または環境要因の強度を決定するために使用され得る場合にさらに好ましい。これは、スペクトル信号とキャリブレーションデータおよび/または少なくとも1つの基準値との比較が、植物病害または植物材料中の環境要因の定性的分析を、特に植物病害の重症度および/もしくはクラスまたは植物材料中に存在する環境ストレス要因のクラスを決定することによって実施するために使用され得る場合にさらに好ましい。
【0265】
この比較のためにキャリブレーションデータおよび/または基準値を使用することが特に有利であり、そのような方法では、植物病害および/または環境影響は、自動化された信頼できる方法で決定され得る。
【0266】
さらなる好ましい実施形態によれば、キャリブレーションデータを生成すること、および/または少なくとも1つの基準値を生成することは、複数の基準スペクトル信号を実施することを含み、好ましくは、複数の基準スペクトル信号は、植物病害のない植物材料、および/または植物病害のある植物材料、および/または異なる環境地域からの植物材料、または少なくともその一部から反射された電磁波、および/またはそれらを透過した電磁波から変換される。
【0267】
好ましくは、キャリブレーションデータは、多重および/または多変量および/または線形回帰分析を使用して導出され、ならびに/またはキャリブレーションデータは、好ましくは数学的分類オプションおよび/またはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング法を使用してスペクトル信号を区別すること、および/もしくはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に対して平均化すること、および/もしくはキャリブレーションデータを生成するために多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析を実行することによるスペクトル前処理を含む多変量分析から導出され、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される。
【0268】
好ましくは、スペクトル信号は、侵入クラスおよび/または異なる植物病害および/または代謝物の分類に分類される。そのようにして、スペクトル信号内の情報から植物材料中に存在する植物病害および環境ストレス要因を分類することが可能である。
【0269】
この方法の好ましい一実施形態によれば、植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性を決定することは、植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/もしくは生理学的特性を決定するためにスペクトル信号を処理することを含み、ならびに/または、スペクトル信号を処理することおよび/もしくはキャリブレーションデータを生成することは、オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するためにスペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理は標準正規変量(SNV)および/もしくは乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化、および/もしくは導関数とSNVとの組合せを使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって、植物材料から反射されるか、もしくは放射されて植物材料を貫通する電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/またはスペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0270】
この方法のより好ましい一実施形態によれば、植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性を決定することは、植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/もしくは生理学的特性を決定するためにスペクトル信号を処理することを含み、ならびに/または
スペクトル信号を処理することおよび/もしくはキャリブレーションデータを生成することは、
- オーバーレイ効果を補正しおよび/もしくは排除するためにスペクトル信号を前処理するステップであって、好ましくは、前処理は標準正規変量(SNV)および/もしくは乗法的散乱補正(MSC)、および/もしくは一次導関数、および/もしくは二次導関数、および/もしくは平滑化、および/もしくは導関数とSNVとの組合せを使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される、ステップ、ならびに/または
- データを多数のすでに定義されている確定したクラスのうちの1つに分類する学習方法として分類するステップであって、これは、未知のデータを分類するために、訓練データの事前割り当てを必要とし、したがって分類はいわゆる教師あり学習法である。教師あり学習に対する関連するアルゴリズムは、K最近傍法(kNN)、決定木/ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)、判別分析(PLS-DA)、クラスアナロジーによるソフト独立モデリング(SIMCA)、ナイーブベイズ(NB)、さらにはニューラルネットワークおよび機械学習に基づく分類器である、ステップ、ならびに/または
- 教師なし技術としての、未知のデータを探索するのに適している、クラスタリングを行うステップであって、クラスタリングアルゴリズムは、入力データをそれらの間の類似性に従ってクラスタにマッピングするかまたはグループ化する。そのようなグループ化は、密度ベース、階層ベース、パーティショニングまたはグリッドベースの手法によって行われるが、機械学習もしくはディープラーニングアプローチによっても達成され得る。一般的なアルゴリズムは、K平均法、平均シフト、ガウス混合、隠れマルコフモデル(HMM)、およびノイズのあるアプリケーションの密度ベース空間クラスタリング(DBSCAN)である、ステップ、
- 好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって、植物材料から反射される、もしくは放射されて植物材料を貫通する電磁波から変換されないスペクトル信号を除去するステップ、ならびに/または
- スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化するステップ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0271】
このような前処理の利点は、スペクトル信号が補正され得、記録されたスペクトル信号における失敗が悪い結果または間違った結果をもたらさない点である。不要なオーバーレイ効果が記録されたスペクトル信号中に存在する場合、これらの効果は、そのような前処理を使用することによって除去され得る。
【0272】
乗法的散乱補正(MSC)は標準正規化技術であり、スペクトル信号のスケールおよびオフセットを変更することによって、スペクトル信号が基準スペクトル、一般的にはデータセットの平均、にできる限り近くなるようにスペクトル信号を補正することを目的としている。
【0273】
一次導関数および/または二次導関数の計算は、取得されたスペクトル信号を前処理するためにも使用され得る。
【0274】
回帰分析は、しばしば「結果変数」と呼ばれる従属変数と、しばしば「予測変数」、「共変量」、または「特徴量」と呼ばれる1つまたは複数の独立変数との間の関係を推定するための統計プロセスのセットである。回帰分析の最も一般的な形式は線形回帰であり、直線またはより複雑な線形結合が決定され、その直線は特定の数学的基準に従ってデータに最も密接に適合する。
【0275】
スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化することは、キャリブレーションデータを生成する間に取得された複数のスペクトル信号を、複数のスペクトル信号の平均を示す1つのスペクトル信号に平均化することによって実施され得る。
【0276】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、植物材料の代謝産物および/または成分を検出すること、および/または植物材料中の甜菜病害を決定することを含む。代謝産物は、特に、代謝の中間産物または最終産物であると理解される。
【0277】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、植物材料を植物材料片にチョップしおよび/またはスライスすること、および/または植物材料を運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されるローラで、均質に分配すること、および/または植物材料を、特に植物材料の高さを調整することによって、および/または植物材料を圧搾することによって、および/または好ましくはローラで植物材料の表面を平滑化することによって、調整することを含む。
【0278】
好ましくは、植物材料を植物材料片にチョップすることは、植物材料を植物材料片に切断するかおよび/または砕くことによって行われる。植物材料を植物材料片にチョップした後も、植物材料片はいぜんとして植物材料と称され得る。好ましくは、植物材料を植物材料片にスライスすることは、植物材料を植物材料片にスライスするかおよび/または切断することによって行われる。植物材料を植物材料片にスライスした後も、植物材料片はいぜんとして植物材料と称され得る。
【0279】
好ましくは、運搬デバイスを使用して植物材料の搬送することは、運搬方向に沿って行われ、植物材料の流れが生成される。好ましくは、植物材料の流れは、運搬方向に沿って移動する。
【0280】
好ましくは、運搬デバイスは、植物材料を搬送するためのデバイスであると理解される。運搬デバイスは、植物材料を搬送するように適合され得る。好ましくは、運搬デバイスは、コンベアベルトを備える。
【0281】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、好ましくは均質に分配された、植物材料を運搬デバイス上に配置構成すること、および/または運搬デバイスを用いて植物材料を搬送することを含み、好ましくは、植物材料は、センサの方へ搬送され、センサは電磁波を受信するように適合される。
【0282】
好ましくは、植物材料に向けて放射される電磁波は、赤外スペクトル、特に近赤外スペクトルおよび/または可視スペクトルおよび/または紫外スペクトル内にある。好ましくは、電磁波は、少なくとも1つの波長を有し、電磁波の波長は、10nmから3,000,000nmの範囲内、特に780nmから2500nmの範囲内、好ましくは850nmから1650nmの範囲内にある。好ましくは、スペクトル信号は、分光法、特に近赤外分光法および/または中赤外分光法および/または遠赤外分光法および/またはテラヘルツ分光法および/またはマイクロ波分光法および/または紫外可視分光法(UV-Vis)および/またはラマン分光法および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、ならびに/またはハイパースペクトル画像、および/または蛍光画像、および/またはハイパースペクトル画像と分光法との組合せ、および/または異なる分光法の組合せを使用することによって変換される。
【0283】
好ましくは、電磁波は、運搬デバイス上に配置構成されている植物材料から反射され、および/または放射されて植物材料を貫通する。好ましくは、電磁波は、特に、電磁波を受信するように適合されているセンサを用いて受信される。好ましくは、電磁波は、植物材料から反射され、および/または放射されて植物材料を貫通する。好ましくは、受信された電磁波は、スペクトル信号に変換され、スペクトル信号は、受信された電磁波に応じて生成される。
【0284】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、受信された電磁波を連続的に記録すること、および/または受信された電磁波をスペクトル信号に連続的に変換することを含む。
【0285】
受信された電磁波を連続的に記録することは、特に有利であり、そのようにして、本明細書において説明されている方法は、たとえば甜菜片がコンベアベルト上で連続的に搬送される製糖工場内の連続プロセスなどの、連続プロセスに適用され得る。
【0286】
受信された電磁波をスペクトル信号に連続的に変換することは、特に有利であり、そのようにして、本明細書において説明されている方法は、たとえば甜菜片がコンベアベルト上で連続的に搬送される製糖工場内の連続プロセスなどの、連続プロセスに適用され得る。
【0287】
この方法の好ましい一実施形態によれば、植物材料に向けて電磁波を放射しながら、植物材料は、運搬デバイス上に配置構成され、および/または運搬デバイスを使用して搬送され、および/または電磁波の波長は、紫外線(UV)スペクトルおよび/または可視光線スペクトルおよび/または赤外線スペクトルおよび/またはマイクロ波スペクトルおよび/またはテラヘルツスペクトル内にあり、好ましくは、電磁波の波長は、10nmから3000μmの範囲内にある。
【0288】
この方法の好ましい一実施形態によれば、電磁波は、少なくとも1つの分光計および/または少なくとも1つの分光光度計から受信される。
【0289】
好ましくは、少なくとも1つの分光計および/または少なくとも1つの分光光度計は、好ましくは、紫外可視(UV/Vis)分光光度計、近赤外(NIR)分光光度計、ラマン分光光度計の群のものである。近赤外分光法および/または中赤外分光法および/または遠赤外分光法および/またはテラヘルツ分光法および/またはマイクロ波分光法および/または紫外可視分光法(UV-Vis)および/またはラマン分光法および/またはレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)、ならびに/またはハイパースペクトル画像および/またはハイパースペクトル画像と分光法との組合せおよび/または異なる分光法の組合せが使用される。
【0290】
この方法の好ましい一実施形態によれば、植物材料を植物材料片にチョップすることは、チョッピングデバイスを使用して実施され、チョッピングデバイスは、植物材料を実質的に等しいサイズの植物材料片に切断し、および/または砕くように構成され、および/または植物材料を植物材料片にスライスすることは、スライシングデバイスを使用して実施され、スライシングデバイスは、植物材料を、細長片および/またはスライスとして好ましくは形成される植物材料片に切断し、および/またはスライスするように構成される。
【0291】
植物材料は、チョッピングデバイスを用いて切断されおよび/もしくは砕かれ、ならびに/またはスライシングデバイスを用いて切断されおよび/もしおくはスライスされるものとしてよく、チョッピングデバイスおよび/またはスライシングデバイスは、植物材料を植物材料片に切断するためのブレードおよび/またはナイフを備える。植物材料片は、たとえば、細長片として形成されるものとしてよく、これは、また、しばしば、特に、製糖産業において、コセットと称される。
【0292】
この方法の好ましい一実施形態によれば、植物材料の種が根菜作物および/もしくは塊茎作物、特にサトウダイコン(Beta vulgaris)および/もしくはジャガイモ(Solanum tuberosum)、もしくはその少なくとも一部であり、ならびに/または植物材料は、甜菜を含むか、もしくは甜菜からなり、ならびに/または植物材料は、加工産業において植物材料を加工するための生産プロセスに導入され、ならびに/または植物材料は、育成プロセスに導入される。
【0293】
加工産業は、たとえば、製糖産業、ジャガイモ加工産業、または他の植物加工産業であり得る。育成プロセスは、特に植物材料を育成するための、植物育成プロセスであると理解される。
【0294】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、植物材料を育成プロセスに導入すること、ならびに/または植物材料中の植物病害および/もしくは植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性の決定に応じて、少なくとも1つの育成パラメータを変更することを含む。育成プロセスは、たとえば、本明細書において説明されている方法による分析の結果を使用して特定のストレス条件に対する抵抗性および/または耐性を高めた植物を選択することによって変更されることも可能であろう。育成プロセスは、たとえば、分光分析から得られたデータによって明らかにされたストレス状態(たとえば、疾病)の存在に関する情報に基づき育成プログラムを開始するかまたは強化するかまたは育成プログラムへの投入を弱めることによって、変更されることもあり得、たとえばストレス状態が経済的に重要な特定の数の市場内に存在している場合に、育成により多くを投資することには意味がある。育成プロセスは、たとえば品種情報(たとえば、品種の遺伝子および/またはゲノム配列)とストレス状態(たとえば、疾病)の検出に関する情報とを組み合わせることによって変更されることもあり得、たとえば、データは、特定のゲノム配列を有する特定の品種/遺伝子型が、高いまたは低いレベルのストレス状態を有していることを示し(たとえば、キャリブレーションに基づく疾病スコアリング)、次いで、その情報は、特定のゲノム配列を有する品種/遺伝子型を選択し、これらの特定のゲノム部分を、これらのゲノム部分を欠く他の品種/遺伝子型に導入するために使用される。
【0295】
分光分析から受け取ったデータに基づき、植物の成長/栽培条件(圃場または温室)は、植物に対するストレス状態を軽減するように改善され得る。たとえば、以下の通りである。
- 特定のストレス状態になりやすい場所(たとえば疾患ホットスポット)を識別し、ストレス状態に対して適応/耐性/抵抗性のある正しい品種を選択するかまたは推奨することによってこれらの場所で栽培される植物の収量または品質を改善すること、
- これらの場所での農業慣行を改善すること(たとえば、病害圧力を最小化するための殺虫剤/殺菌剤/生物学的製剤などの農薬の使用、ストレスを軽減するための特定の整地、植物への散水、栄養剤の散布、ストレス状態を軽減するための特定の農機具/技術の使用、農業従事者の研修など)、
- 貯蔵状態を改善すること、
- 運搬状態を改善すること、
- 種子調製を改善すること(たとえば、殺菌剤による種子コーティングを調整し、かび抵抗を高める)、および/または
- 輪作を調整すること。
【0296】
分光分析から受け取ったデータに基づき、地理的位置および他の環境情報と組み合わされば、製品(たとえば、砂糖)のカーボンフットプリントを改善(すなわち、CO排出量の削減)することが可能であり得る。この情報は消費者に公開されることがあり、したがって植物/作物生産物に対する価格を上昇させる。分光分析から受け取ったデータに基づき、地理的位置および他の環境情報と組み合わされると、栽培条件を識別し、サプライチェーン全体を通してそのような情報のトレーサビリティを高めることが可能になり得る。この情報は消費者に公開されることがあり、したがって植物/作物生産物に対する価格を上昇させる。
【0297】
分光分析から受け取り、地理的位置および他の環境情報と組み合わされたデータは、農産業および/または食品業界および/または保険業および/またはデータ業界および/または政治的意思決定者および/または法人の特定の利害関係者および/または他の利害関係者にとって有益なものとなる可能性がある。そのような情報は、デジタル農業経営プラットフォームによって利用可能にされるか、または実装され、および/または他のデータと組み合わされて付加価値を生み出すことができるであろう。
【0298】
この方法は、ストレス状態に適応/耐性/抵抗性を有する正しい品種を選択するかまたは推奨することによって種子会社または農産物供給者向けのマーケティングおよび販売を改善し得る。
【0299】
さらなる好ましい一実施形態によれば、この方法は、植物材料から製品、好ましくは生ジュースおよび/または糖および/またはデンプンを生産すること、植物材料における環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性の決定に応じて、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に抽出パラメータ、および/または添加剤の投与量、および/または電界パルス、および/またはパルス数、および/またはプロセス温度、および/または搬送速度、および/または反応器内の植物材料片の持続時間、および/または少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータを変更することとを含む。
【0300】
好ましくは、生ジュースは、砂糖が甜菜から生産される、製糖プロセス内の製品である。植物材料中の植物病害の決定に応じて少なくとも1つの製糖パラメータを変更することが好ましく、特に、そのような方法で製糖プロセス、特に糖抽出が改善され得るからである。たとえば、甜菜片から糖を抽出するための糖抽出プロセスは、甜菜中の植物病害の決定に応じて適合され得る。したがって、砂糖抽出プロセスは、現在製糖プロセス内にある決定された植物病害に適合させることができ、これは、たとえば、砂糖収量の改善につながり得る。
【0301】
さらなる態様によれば、提供されるのは、植物材料中の病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を決定するためのキャリブレーションデータを生成することであって、植物材料、好ましくは植物病害を有するまたは有しないおよび/または環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を有するまたは有しない植物材料の試料を採取し、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動することを含む、生成することと、植物材料において環境ストレスの影響を受け得る、植物病害および/または生理学的特性、特に代謝産物を評価することによって、たとえば、植物材料中に存在する環境ストレスの影響を受け得る、植物病害の成分および/または代謝および/または生理学的特性、特に代謝産物の視覚的スコアリングおよび/または分析を行うことによって植物材料のキャリブレーション分析を行うことと、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析することと、分光分析の結果をキャリブレーション分析の結果と比較することとを行うための方法である。
【0302】
さらなる態様によれば、提供されるのは、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を検出するための分析アセンブリであって、分析アセンブリは、植物材料片に向けて電磁波を放射するように配置構成され、分析アセンブリは、反射されたおよび/または放射された電磁波を受信するように配置構成され、分析アセンブリは、受信され反射された電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成され、分析アセンブリは、植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る植物病害および/または生理学的特性、特に代謝産物を決定するためにスペクトル信号を処理している、分析アセンブリである。
【0303】
さらなる態様によれば、植物材料中の植物病害および/または植物材料中の環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性を検出するための配置構成が提供され、このシステムは植物材料を受け入れるための受け入れセクションと、植物材料を植物材料片にチョップするためのチョッピングデバイスと、本明細書において説明されている分析アセンブリとを備える。
【0304】
受け入れセクションは、たとえばトラックおよび/または列車などの、運搬車両から植物材料を受け入れるためのセクションおよび/またはステーションであってよい。受け入れステーションは、チョッピングデバイスおよび/またはスライシングデバイスの入口とすることができ、植物材料は、入口を通ってチョッピングデバイスおよび/またはスライシングデバイスに導入される。
【0305】
さらなる態様によれば、提供されるのは、本明細書において説明されているような分析アセンブリを制御するための、および/または本明細書において説明されているような分析アセンブリからデータを受信し、植物材料における植物病害および/または植物材料における環境ストレスの影響を受け得る生理学的特性の決定に応じて、少なくとも1つの生産パラメータ、特に抽出パラメータ、および/または添加剤の投与量、および/または電界パルス、および/またはパルス数、および/またはプロセス温度、および/または搬送速度、および/または反応器内の植物材料片の持続時間、および/または少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータを制御するための制御ユニットである。
【0306】
上で説明されているさらなる態様およびそれらのそれぞれの可能な実施形態は、本明細書において説明されている方法およびその好ましい実施形態とともに使用され、および/またはそれらと接続されるのに特に好適な特徴および/または方法ステップを含む。
【0307】
個別の異なる態様およびそれらの好ましい実施形態の利点、好ましい実施形態、および詳細については、本明細書、特に、それぞれの他の態様を参照しつつ説明されている利点、好ましい実施形態、および詳細も参照される。
【0308】
さらなる有利な実施形態は、本明細書において説明されている好ましい特徴のうちの個別の特徴、いくつかの特徴、またはすべての特徴を組み合わせた結果得られる。
【0309】
そこで好ましい実施形態は、添付図面を参照しつつ、以下で説明されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0310】
図1】土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法の一例の概略図である。
図2a】土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法の一例の概略図である。
図2b】土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法の一例の概略図である。
図3】甜菜を受け入れるための受け入れステーションおよび土壌風袋が付着した対象植物材料を含む作物試料を分析するための分析アセンブリの一例の概略図である。
図4】甜菜片上で近赤外分光法を使用することから取得されるスペクトル信号の一例を示す図である。
図5】土壌風袋の近赤外分光(NIRS)分析によって取得される値を示した図である。
図6a】土壌風袋の質量パーセンテージの予測値および基準値を伴うキャリブレーションデータに対する図である。
図6b図6aに示されている基準値の絶対値を示した図である。
図7】第1のキャリブレーションデータを決定するための方法の一例の概略図である。
図8】製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法の一例の概略図である。
図9】製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成を備える製糖施設の好ましい一例の図である。
図10】製糖用の甜菜片上で近赤外分光法を使用することから取得されるスペクトル信号の一例を示す図である。
図11a】バイパスセクションを備える製糖施設内の運搬デバイスの第1の例を示す図である。
図11b】バイパスセクションを備える製糖施設内の運搬デバイスの第2の例を示す図である。
図11c】バイパスセクションを備える製糖施設内の運搬デバイスの第3の例を示す図である。
図12】近赤外分光法で測定された偏光と基準方法で測定された偏光との対比を示す図である。
図13】成分分析のための異なる分光法の組合せを示す図である。
図14】甜菜中の不均一性を調べるための甜菜の11個のセグメントを示す図である。
図15】製糖用の甜菜中の成分の決定に使用するキャリブレーションデータを生成するための方法の一例の概略図である。
図16】植物材料中の植物病害を検出するための方法の一例の概略図である。
図17】植物材料中の植物病害を検出するための方法の一例の概略図である。
図18】植物材料中の植物病害を検出するための分析アセンブリの一例の図である。
図19】甜菜片上で近赤外分光法を使用することから取得されるスペクトル信号の一例を示す図である。
図20】植物材料における疾病の決定に使用するキャリブレーションデータを生成するための方法の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0311】
図中、同じまたは似ている機能を有する要素は、同じ参照番号で示されている。
【0312】
図1は、土壌風袋が付着された対象植物材料、特に土付き植物材料、を含む作物試料を分析するための方法100を示している。この方法は次の段落で説明されているステップを含む。ステップ110において、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け入れる。ステップ120において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射する。ステップ130において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信する。ステップ140において、分析アセンブリを使用して受信された電磁波を処理する。次いで、次のステップのうちの1つまたはいくつかが可能である。ステップ150aにおいて、対象植物材料の質量パーセンテージを決定し、および/またはステップ150bにおいて、土壌風袋の質量パーセンテージを決定し、および/またはステップ150cにおいて、土壌風袋の成分を決定する。
【0313】
図2aは、土壌風袋が付着された対象植物材料、特に土付き植物材料、を含む作物試料を分析するための方法100を示している。この例では、対象植物材料の質量パーセンテージおよび/または土壌風袋の質量パーセンテージが決定され得る。この方法は次の段落で説明されているステップを含む。最初に、キャリブレーションが実行される。ステップ210において、第1のキャリブレーションデータを生成し、これは次のステップを含む。ステップ220において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取し、その試料を第1の試料と第2の試料とに分ける。ステップ230において、第1の試料の土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って第1の試料を移動する。ステップ240において、連続的に第1の試料に向けて電磁波を放射し、第1の試料から反射された電磁波を受信し、受信された電磁波を処理することによって第1の試料を分析する。
【0314】
第1のキャリブレーションデータを生成することは、次のステップのうちの1つまたはいくつかをさらに含むことができる。ステップ240aにおいて、受信された電磁波を、好ましくはNIRSを使用することによって、スペクトル信号に、および/またはデジタル画像、好ましくはRGB画像に変換する。ステップ240bにおいて、オーバーレイ効果を補正しおよび/または排除するためにスペクトル信号を前処理し、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される。ステップ240cにおいて、フィルタを使用して少なくとも1つのデジタル画像を前処理し、好ましくは、フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して、対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される。ステップ240dにおいて、好ましくは分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して、スペクトル信号を区別することによって、第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去する。ステップ240eにおいて、スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化する。
【0315】
ステップ250において、第2の試料の基準分析を、第2の試料の第1の質量を決定することによって行い、第2の試料から土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後、第2の試料の第2の質量を決定し、第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって第2の試料の第1の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージを計算し、および/または第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって対象植物材料の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージを計算する。ステップ260において、キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行し、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出されるステップのうちの1つまたは複数のさらに含む。さらにステップ260において、第1の試料の分析の結果と第2の試料の基準分析の結果とを比較する。
【0316】
このキャリブレーションを実行した後に、次に示すステップが実行される。ステップ110において、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け入れる。ステップ111において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を細かくチョップする。ステップ112において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されているローラにより、均質に分配する。ステップ113において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って移動し、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の移動は、運搬デバイス、好ましくはコンベアベルトを使用して、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから1010m/s、好ましくは0.5m/sから5m/sの範囲内の運搬速度で実施される。
【0317】
ステップ120において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射する。ステップ130において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信する。ステップ140において、分析アセンブリを使用して受信された電磁波を処理する。次いで、次のステップのうちの1つまたはいくつかが可能である。ステップ150aにおいて、対象植物材料の質量パーセンテージを決定し、および/またはステップ150bにおいて、土壌風袋の質量パーセンテージを決定する。
【0318】
図2bは、土壌風袋が付着された対象植物材料、特に土付き植物材料、を含む作物試料を分析するための方法100を示している。この例では、土壌風袋の成分が決定され得る。この方法は次の段落で説明されているステップを含む。最初に、キャリブレーションが実行される。ステップ211において、第2のキャリブレーションデータを生成し、ステップ211は次のステップを含む。ステップ221において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を、好ましくは決定された量、たとえば10kgだけ、採取する。ステップ231において、土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、好ましくは電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って試料を移動する。ステップ241において、試料の分光分析を、好ましくは連続的に、電磁波を試料に向けて放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって、特にレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)および好ましくは少なくとも1つの他の分析方法を使用することによって実行する。
【0319】
第2のキャリブレーションデータを生成することは、次のステップのうちの1つまたはいくつかをさらに含むことができる。ステップ241aにおいて、オーバーレイ効果を補正しおよび/または排除するためにスペクトル信号を前処理し、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される。ステップ241bにおいて、好ましくは、分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用してスペクトル信号を区別することによって土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去する。ステップ241cにおいて、スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化する。
【0320】
ステップ251において、土壌風袋の基準分析を、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析o-5フタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法、炉乾法、原子吸光分析法(AAS)、蛍光X線分光法(XRFS)、誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-AES)、および/または他の方法などの測定を実施することによって実行する。ステップ261において、キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行し、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される。さらにステップ261において、分光分析の結果を基準分析の結果と比較する。
【0321】
このキャリブレーションを実行した後に、次に示すステップが実行される。ステップ110において、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け入れる。ステップ111において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を細かくチョップする。ステップ112において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されているローラにより、均質に分配する。ステップ113において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/または電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って移動し、好ましくは、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の移動は、運搬デバイス、好ましくはコンベアベルトを使用して、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから1010m/s、好ましくは0.5m/sから5m/sの範囲内の運搬速度で実施される。
【0322】
ステップ120において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射する。ステップ130において、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信する。ステップ140において、分析アセンブリを使用して受信された電磁波を処理する。次いで、次のステップのうちの1つまたはいくつかが可能である。ステップ150cにおいて、土壌風袋の成分を決定する。
【0323】
図3は、土壌風袋の成分を決定し、土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または対象材料の質量パーセンテージを決定するための配置構成を有する製糖施設の一セクションの好ましい例を示している。対象材料である、甜菜305は、それに付いている土壌風袋、特に土壌と一緒に、トラック302によって受け入れセクション301に運搬される。受け入れセクション301において、甜菜305は、トラック302から取り出されて、任意選択で、一定期間貯蔵される。次いで、トラック302から直接的に、または任意選択の貯蔵の後に、甜菜305は、甜菜ホッパ308を使用してホッピング方向Hに沿ってチョッピングデバイス310に搬送される。チョッピングデバイス310により、甜菜305は、甜菜片に切断され、チョッピングデバイスは、甜菜305を甜菜片311に切断する。
【0324】
甜菜片311は、コンベアベルトであってよい、運搬デバイス312上に配置構成される。甜菜片311は、運搬デバイスの上流端から運搬デバイスの下流端まで運搬方向Tに運搬され、運搬デバイス312は、運搬方向Tに沿って移動する甜菜片の流れを生み出す。ローラ313が運搬デバイスより上に配置構成され、これは運搬方向Tに沿って運搬デバイス312上を移動する甜菜片を均質に分配し、圧密するように適合されている。運搬デバイス312より上に、分析アセンブリが配置構成される。分析アセンブリは、電磁波源314を使用することによって運搬デバイス312上に配置構成される甜菜片311に向かって電磁波を放射するように配置される。さらに、分析アセンブリは、ローラ313の直接的に下流に配置されているセンサ315を使用することによって反射電磁波を受信するように配置構成される。センサ315は、たとえば850nmから1650nmの波長範囲内の、甜菜片312の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。さらに、分析アセンブリは、受信され反射された電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。
【0325】
センサ315は、反射電磁波を連続的に記録し、光ファイバ316を介して、スペクトル分解された反射電磁波波長をスペクトル信号に変換する、分光計317にデータを伝送することができる。土壌風袋を有する甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサ318によってフィルタリングされ、平均化され得る。好適なキャリブレーションデータと比較することにより、土壌風袋の成分が決定され、土壌風袋の質量パーセンテージおよび/または対象材料の質量パーセンテージが決定され得る。
【0326】
次いで、土壌風袋を有する甜菜片311は、付いている土壌風袋を、少なくとも大部分、除去するために清浄化されるかまたは洗浄され、次いで、製糖施設における製糖プロセス(図示せず)に導入される320。
【0327】
図4は、製糖用の甜菜片上で近赤外分光法を使用することから取得される2つのスペクトル信号401、402の一例を示している。そのようなスペクトル信号401、402を生成するために、まず、電磁波が、電磁波源を使用することによって運搬デバイス上に配置構成されている甜菜片に向けて放射される。次いで、反射電磁波が、センサを使用することによって受信され、センサは、甜菜片の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。次いで、受信された反射電磁波は、近赤外分光計を使用してスペクトル信号に変換される。図示されている例では、約850nmから1650nmの波長範囲内の反射電磁波が受信される。図示されている図では、強度Iが波長W(nm)に対してプロットされている。スペクトル信号は、洗浄され、したがって予備清浄化されチョップされた甜菜片(これは信号401である)、および予備清浄化されておらず、したがってより多くの土壌風袋を含むチョップされた甜菜片(これは信号402である)に対するスペクトル信号を表す典型的な曲線を示す。甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサによってフィルタリングされ、平均化され得る。清浄化された甜菜片と清浄化されていない甜菜片からのスペクトル信号の違いに起因して、土壌風袋の量を決定することが可能であり、したがって、分光法を使用することによって取得された情報を使用することによってのみ土壌風袋の質量パーセンテージを決定することが可能である。
【0328】
図5は、土壌風袋の近赤外分光(NIRS)分析によって取得される値を示した図を示している。実際の値が予測値に対してプロットされている。図を見ると各々測定を表す点が相関していることがわかる。平均して、実際の値は、比較的正確に予測され得る。
【0329】
図6aは、土壌風袋の質量パーセンテージの予測値および基準値を伴うキャリブレーションデータに対する図を示している。この図では、パーセント単位の予測された土壌風袋は、近赤外分光法(NIRS)分析を使用することによって決定された土壌風袋の予測された質量パーセンテージであると理解される。パーセント単位の基準土壌風袋は、基準分析によって決定された土壌風袋の質量パーセンテージであると理解される。各々測定を表す点はR=0.9の高い相関を示していることがわかる。これは、これらの決定された値に基づき、土壌風袋の質量パーセンテージが近赤外分光法(NIRS)分析を使用して取得された情報を使用することにより、比較的正確に予測され得ることがわかることを意味している。
【0330】
図6bは、図6aに示されている基準値の絶対値を示した図である。数百回の測定が実施され、そのほとんどが土壌風袋の6~9質量%の範囲内であった。
【0331】
図7は、第1のキャリブレーションデータを決定するための方法600の一例の概略図である。この方法は、次に示すステップを含む。ステップ610において、対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取し、その試料を第1の試料と第2の試料とに分ける。ステップ620において、第1の試料の土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップし、ならびに/または好ましくは、電磁波を受信するように適合されたセンサに沿って、および/もしくは電磁波を受信するように適合されたカメラに沿って第1の試料を移動する。ステップ630において、好ましくは連続的に、第1の試料に向けて電磁波を放射し、第1の試料から反射された電磁波を受信し、好ましくは受信された電磁波を処理することによって第1の試料を分析する。ステップ640において、第2の試料の基準分析を、第2の試料の第1の質量を決定することによって行い、第2の試料から土壌風袋の少なくとも一部を除去し、その後、第2の試料の第2の質量を決定し、第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって第2の試料の第1の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージ、および/または第2の試料の第1の質量と第2の試料の第2の質量とを使用することによって対象植物材料の質量に関する土壌風袋の質量パーセンテージを計算する。
【0332】
ステップ640aにおいて、受信された電磁波をスペクトル信号に、および/または少なくとも1つのデジタル画像に、好ましくは複数のデジタル画像、特にRGB画像に変換する。ステップ640bにおいて、オーバーレイ効果を補正しおよび/または排除するためにスペクトル信号を前処理し、好ましくは、前処理することは、乗法的散乱補正(MSC)、および/または一次導関数、および/または二次導関数、および/または平滑化を使用して実施され、好ましくは前処理することは、多重および/もしくは多変量および/もしくは線形回帰分析が実行される前に実施される。ステップ640cにおいて、フィルタを使用して少なくとも1つのデジタル画像を前処理し、好ましくは、フィルタは、少なくとも1つの色閾値を使用して、対象植物材料と土壌風袋とを区別するように配置構成される。ステップ640dにおいて、好ましくは分類および/もしくはフィルタリングを使用して、特に数学的フィルタリング方法を使用して、スペクトル信号を区別することによって、第1の試料から反射される電磁波から変換されないスペクトル信号を除去する。ステップ640eにおいて、スペクトル信号を1つのスペクトル信号に平均化する。
【0333】
そしてステップ650において、キャリブレーションデータを生成するために多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行し、好ましくは、キャリブレーションデータは、主成分分析(PCA)、および/または多重線形回帰(MLR)、および/または部分最小二乗(PLS)回帰、および/または機械学習、特にニューラルネットワークを使用して導出される。さらにステップ650において、第1の試料の分析の結果と第2の試料の基準分析の結果とを比較する。
【0334】
次の段落では、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)分析の仕様および機能に関するさらなる例と説明が取り上げられる。
【0335】
スペクトルの強度とは別に、高いパルス電力および大きな測定スポットは、プロットあたりの測定スペクトルの量を増やす。高出力LIBSのプロット測定は1回で、平均値は51個あったけれども(おそらく手動で測定をトリガーしたからである)、1プロットあたりの平均スペクトルはファイバLIBSより>2倍高い。これは、1プロットあたりより多くの試料が測定され(試料断面積の増大)、これは不均一な試料に起因して役立つことを意味する。マクロ栄養素を予測するシステムの性能の例が、カリウムとナトリウムについて示された。
【0336】
【表5】
【0337】
カリウムの決定のために、スペクトルは565.5nmのHα線(空気中の656.28nmの波長を有するバルマー系列の特定の深紅可視スペクトル線)上で正規化され、範囲は764から772nmまでに、すなわち2つのカリウムに、制限される。信号の高さは正規化に起因して同じレベルであるけれども、ノイズは高出力スペクトルにおいて低い。数字で表すと、信号対雑音比は、高出力LIBSについて~8倍よい。
【0338】
【表6】
【0339】
ナトリウムの決定に対しては、スペクトルは、565.5nmのHα線上で正規化され、範囲は586から591nmに、すなわちナトリウム輝線に制限された。ノイズは、高出力スペクトルにおいて低い。ナトリウムについては、信号対雑音比は、高出力LIBSに対して~2倍よい。キャリブレーションさらにはクロスバリデーションにおいて、高出力LIBSは、ファイバLIBSよりも~20%よい性能を発揮する。高出力LIBSは、0.83のR、および新鮮なビート100gあたり0.38mmolのRMSEに達する。
【0340】
【表7】
【0341】
ナトリウムおよびカリウムの例で示された結果は、LIBSは、カリウム、マグネシウム、カルシウム、窒素、およびリンなどの主栄養素の含有量、ならびに鉄およびマンガンなどの微量栄養素の総含有量として化学土壌パラメータの分析に使用され得ることを示している。風袋における特定のマクロ栄養素と微量栄養素の直接的分析については、異なる場所に基づく特定の風袋含有量分析が可能であり、製糖工場では栽培地域に関してよく理解できるようになる。
【0342】
図8は、製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法1100の一例の概略図である。方法1100は、次の段落で説明されているステップを含む。ステップ1101において、製糖用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては製糖用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を受け入れる。ステップ1102において、製糖用の甜菜の生産部分と、成分分析用および場合によっては製糖用の甜菜の分析部分とを含む複数の甜菜を提供する。好ましくは、生産部分および/または分析部分は、チョッピングおよび/またはスライスによって甜菜片にされて提供される。ステップ1103において、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を分析する。ステップ1104において、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分に向けて電磁波を放射する。ステップ1105において、電磁波を受信する。ステップ1106において、受信された電磁波をスペクトル信号に変換する。ステップ1107において、少なくとも生産部分および場合によっては分析部分から砂糖を生産する。
【0343】
製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法の一例は、次の通りとすることができ、これらのステップの順序は、ステップが次に説明されている順序と異なり得る。この方法は、図8において説明されているステップと、次に説明されているステップのうちの1つまたは複数とを含むことができ、これらのステップの順序は、ステップが次に説明されている順序と異なり得る。一ステップにおいて、生産部分および/または分析部分から甜菜片および/またはスライスを提供する。一ステップにおいて、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を少なくとも1つの運搬デバイス上に配置構成する。一ステップにおいて、少なくとも1つの運搬デバイスを使用して少なくとも分析部分および場合によっては生産部分を、好ましくは0.05m/sから20m/s、特に0.05m/sから10m/s、好ましくは0.05m/sから5m/sの範囲内、より好ましくは0.05m/sから1m/sの範囲内の運搬速度で搬送する。一ステップにおいて、好ましくは圧搾機を使用して、少なくとも生産部分および/または少なくとも分析部分から液体物質を除去することによって圧搾パルプを生産する。一ステップにおいて、キャリブレーションデータを生成し、これは甜菜の試料を、好ましくは決定された量だけ、たとえば10kgだけ採取することを含み、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析し、好ましくはカッターミルによって、試料から甜菜パルプを生産し、好ましくは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液もしくは水によって、甜菜パルプを抽出し、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行い、分光分析の結果を基準分析の結果と比較する。一ステップにおいて、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分における成分を決定するためにスペクトル信号を処理する。一ステップにおいて、スペクトル信号をキャリブレーションデータと比較し、比較に応じて、好ましくは定量的に、少なくとも分析部分および場合によっては生産部分における成分を決定する。一ステップにおいて、少なくとも1つの製糖パラメータ、特に電界パルスおよび/もしくはパルス数および/もしくはプロセス温度および/もしくは搬送速度および/もしくは反応器における生産部分の持続時間を少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更する。一ステップにおいて、圧搾パルプを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥プロセスパラメータ、特に圧搾パルプを乾燥させるための乾燥時間および/もしくは乾燥温度を、少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更する。一ステップにおいて、少なくとも甜菜が製糖プロセスに導入される順序を、少なくとも分析部分における決定された成分に応じて変更する。一ステップにおいて、生産部分および分析部分を第1の運搬セクションに沿って搬送する。一ステップにおいて、少なくとも分析部分をバイパスセクションに沿って搬送し、バイパスセクションは、分析部分を分析するために、および/または生産部分を分析するために、および/またはキャリブレーションプロセスにおけるステップとして使用され得る。一ステップにおいて、生産部分の少なくとも一部、特に分析部分の一部ではない甜菜片を主運搬セクションに沿って搬送する。一ステップにおいて、生産部分を第2の運搬セクションに沿って搬送する。一ステップにおいて、分析部分を第2の運搬セクションに沿って搬送し、および/または分析部分を廃棄する。一ステップにおいて、甜菜片を少なくとも1つの運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されるローラを用いて均質に分配するか、またはローラを使用せずに甜菜片を少なくとも1つの運搬デバイス上に不均質に分配する。
【0344】
図9は、製糖用の甜菜中の成分を決定するための配置構成を備える製糖施設1300の好ましい一例の図である。収穫された甜菜は、製糖施設の受け入れセクション1301に受け入れられる。甜菜は、トラック1302によって受け入れセクション1301に運搬される。受け入れセクション1301において、甜菜1305は、水源1303から発生するウォータジェット1304を用いてトラック1302から取り出される。受け入れセクション1301において、甜菜は、第1の分析位置P1で分析され得る。第1の分析位置P1において、甜菜は、本明細書において説明されている方法で分析され得る。次いで、甜菜1305は、土、石、泥、および砂を除去するために甜菜洗浄機1306を使用して洗浄される。甜菜洗浄機1306は、金属部分を除去するために磁石を収容することもできる。その後、甜菜1305は、甜菜ホッパ1308を使用して、ホッピング方向Hに沿ってスライシングデバイス1310に搬送される。スライシングデバイス1310により、甜菜1305は、甜菜片に切断され、スライシングデバイスは、甜菜1305を、細長片として形成される甜菜片1311に切断する。甜菜片1311は、コンベアベルトであってよい、運搬デバイス1312上に配置構成される。甜菜片1311は、運搬デバイスの上流端から運搬デバイスの下流端まで運搬方向Tに運搬され、運搬デバイス1312は、運搬方向Tに沿って移動する甜菜片の流れを生み出す。ローラ1313が運搬デバイスより上に配置構成されるものとしてよく、これは運搬方向Tに沿って運搬デバイス1312上を移動する甜菜片を均質に分配し、圧密するように適合されている。しかしながら、本明細書において説明されている方法をローラなしで使用することも可能である。
【0345】
第2の分析位置P2において、甜菜片は、本明細書において説明されている方法で分析され得る。運搬デバイス1312より上に、分析アセンブリが配置構成される。分析アセンブリは、電磁波源1314を使用することによって運搬デバイス1312上に配置構成される甜菜片1311に向かって電磁波を放射するように配置される。さらに、分析アセンブリは、ローラ1313の直接的に下流に配置されている光学系1315を使用することによって反射電磁波を受信するように配置構成される。光学系1315は、甜菜片1312の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。さらに、分析アセンブリは、受信され反射された電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。光学系1315は、反射電磁波を連続的に記録し、光ファイバ1316を介して、たとえば850nmから1650nmの波長範囲内の、スペクトル分解された反射電磁波波長をスペクトル信号に変換する、分光計1317にそれらを伝送することができる。甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサ1318によってフィルタリングされ、平均化され得る。好適なキャリブレーションデータとの比較により、たとえば、抽出可能な糖含量およびいくつかの他のものなどの甜菜片の成分が正確に決定され得る。プロセッサ1318は、分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットを備えることができる。制御ユニットは、分析アセンブリによって決定された成分に応じて少なくとも1つの製糖パラメータを変更するように配置構成される。したがって、製糖プロセスは、製糖プロセスにおいて製糖施設内に現在ある甜菜片の成分に直接的に適合され得る。したがって、成分のそのようなインプロセス分析により、製糖プロセスは、砂糖が抽出されるものとする甜菜片に応じて最適に調整され得る。
【0346】
次いで、甜菜片1311は、甜菜片ミキサ1319に運搬され、そこで甜菜片が熱いジュースと混合される。その後、甜菜片は、ディフューザ1320の底部にポンプで送り込まれる。ディフューザ内の熱水(たとえば、水温約70℃)を用いて甜菜片から砂糖が抽出される。ディフューザ1320において、甜菜片は、上向き方向Uに移動し、熱水は下向き方向Dに移動し、熱水は甜菜片の移動の方向と反対の方向に移動する。ディフューザにおいて、砂糖は、甜菜片から抽出され、熱水から得られる。この結果、生ジュースが得られる。生ジュースは、甜菜の全糖含量の約98重量%と、甜菜からの、非糖と呼ばれる、有機および無機成分を含むことができる。生ジュース中の非糖は、ジュース清浄化配置構成1330内の石灰釜で、天然物質の石灰と炭酸ガスを用いて結合され抽出される。その後、凝集可能な不溶性非糖および石灰は、フィルタユニット1340内で濾過される。濾液は、薄いジュースと称され、フィルタ残渣は炭酸石灰と称される。薄いジュースは、蒸発器1350による多段蒸発プロセスの過程で濃縮される。その結果、濃厚ジュースが得られる。濃厚ジュースは、真空下の蒸発器内でさらに濃縮される。その後、結晶化プロセスが、結晶化デバイス360内で細かく磨りつぶされた砂糖を濃厚ジュースに加えることによってトリガーされる。この結果シロップが得られる。次いで、砂糖結晶が、遠心分離機1370を使用して遠心分離によりシロップから分離される。この結果、砂糖が得られる。砂糖は、砂糖に空気流を当てる乾燥デバイス1375を使用することによって乾燥される。その後、乾燥した砂糖は、サイロ1380内に貯蔵され得る。
【0347】
ディフューザ1320で砂糖が抽出された甜菜片は、ディフューザ1320から圧搾機1390に運搬される。圧搾機1390は、砂糖が抽出された甜菜片を圧搾して、甜菜片から液体を除去する。この結果、圧搾パルプが得られる。圧搾されたパルプは、甜菜片を圧搾する前の甜菜片と比較して含水率が低い。第3の分析位置P3において、圧搾パルプは、本明細書において説明されている方法で分析され得る。圧搾機1390から、圧搾パルプは、別の分析アセンブリに運搬され、この分析アセンブリは、電磁波源1394を使用することによって別の運搬デバイス1392上に配置構成された圧搾パルプ1391に向かって電磁波を放射するように配置される。さらに、分析アセンブリは、ローラ1393の直接的に下流に配置されている光学系1395使用することによって反射電磁波を受信するように配置構成され、この方法は、ローラなしで適用することもできる。光学系1395は、圧搾パルプ1391の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。さらに、分析アセンブリは、受信され反射された電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。光学系1395は、反射電磁波を連続的に記録し、光ファイバ1396を介して、たとえば850nmから1650nmの波長範囲内の、スペクトル分解された反射電磁波波長をスペクトル信号に変換する、分光計1397にそれを伝送することができる。圧搾パルプ1391の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサ1398によってフィルタリングされ、平均化され得る。好適なキャリブレーションデータとの比較により、たとえば、残留水分およびいくつかの他のものなどの圧搾パルプの成分が正確に決定され得る。プロセッサ1398は、分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットを備えることができる。制御ユニットは、分析アセンブリによって決定された圧搾パルプの成分に応じて少なくとも1つの製糖パラメータおよび/または圧搾機の少なくとも1つのパラメータを変更するように配置構成される。
【0348】
この例では、分析位置P2において、すべての甜菜片が成分分析について分析され、すべての甜菜片が製糖に使用される。したがって、この例では、すべての甜菜片が分析部分の一部であり、すべての甜菜片が生産部分の一部である。さらに、この例では、生産された圧搾パルプ全体が圧搾パルプ成分分析について分析される。したがって、この例では、圧搾パルプのすべてが圧搾パルプ分析部分の一部である。
【0349】
分析位置P1、P2、およびP3に加えて、甜菜は、また、甜菜が貯蔵される貯蔵セクションに配置構成される第4の分析位置などの、他の分析位置で本明細書において説明されている方法により分析され得る。
【0350】
図10は、製糖用の甜菜片上で近赤外分光法を使用することから取得されるスペクトル信号1400の一例を示す。スペクトル信号1400を生成するために、まず、電磁波が、電磁波源を使用することによって運搬デバイス上に配置構成されている甜菜片に向けて放射される。次いで、反射電磁波が、センサを使用することによって受信され、センサは、甜菜片の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。次いで、受信された反射電磁波は、近赤外分光計を使用してスペクトル信号に変換される。図示されている例では、850nmから1650nmの波長範囲内の反射電磁波が受信される。図示されている図では、吸光度Aは、波長W(nm)に対してプロットされている。スペクトル信号1400は、甜菜片のスペクトル信号を表す典型的な曲線を表す。甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサによってフィルタリングされ、平均化され得る。そのようなスペクトル信号1400またはスペクトル信号のうちのいくつかから、甜菜片中の成分を決定することが可能である。
【0351】
図11aは、バイパスセクション1540を備える製糖施設内の運搬デバイス1312の第1の例を示している。運搬デバイス1312は、運搬デバイス1312の上流に配置構成され、成分分析用の分析部分および製糖用の生産部分を含む、甜菜片を、第1の運搬セクション1510の上流端1511から第1の運搬セクション1510の下流端1512まで運搬方向Fに沿って搬送するように配置構成された第1の運搬セクション1510を備える。
【0352】
第1の運搬セクション1510に隣接して、主運搬セクション1520が配置構成され、主運搬セクション1520は、上流端1521および下流端1522を有し、主運搬セクション1520の上流端1521は、第1の運搬セクション1510の下流端1512に隣接して配置構成される。任意選択で、ローラが第1の運搬セクションに配置構成されてもよい。主運搬セクション1520は、主運搬セクション1520の上流端1521から主運搬セクション5120の下流端1522まで、運搬方向Mに沿って、分析部分である生産部分の一部を除いて、生産部分の一部を搬送する。
【0353】
バイパスセクション1540は、上流端1541と下流端1542とを有し、分析部分は、バイパスセクション1540の上流端1541からバイパスセクション1540の下流端1542までの運搬方向Bに搬送される。バイパスセクション1540より上に、分析アセンブリ1515が配置構成され、分析アセンブリ1515は、バイパスセクション1540上に配置構成される分析部分に向けて電磁波を放射するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、反射電磁波を受信するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、受信された反射電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。任意選択で、ローラがバイパスセクションに配置構成されてもよい。
【0354】
主運搬セクション1520およびバイパスセクション1540に隣接して、第2の運搬セクション1530が配置構成される。第2の運搬セクション1530は、上流端1531と下流端1532とを有する。分析部分および生産部分を含む甜菜片は、第2の運搬セクション1530の上流端1531から第2の運搬セクション1530の下流端1532まで運搬方向Sに沿って搬送される。
【0355】
この例で説明されているように、分析部分は、第1の運搬セクション1510の下流端1512において、バイパスセクション1540を介して、生産部分と分析部分との流れである、甜菜片の本流から分流される。次いで、分析部分は、分析アセンブリ1515を使用してバイパスセクション1540上で分析される。その後、分析部分は、第2の運搬セクション1530の上流端1531で本流に再導入される。したがって、この例では、分析部分は生産部分の一部である。
【0356】
図11bは、バイパスセクション1540を備える製糖施設内の運搬デバイス1312の第2の例を示している。運搬デバイス1312は、運搬デバイス1312の上流に配置構成され、成分分析用の分析部分および製糖用の生産部分を含む、甜菜片を、第1の運搬セクション1510の上流端1511から第1の運搬セクション1510の下流端1512まで運搬方向Fに沿って搬送するように配置構成された第1の運搬セクション1510を備える。
【0357】
第1の運搬セクション1510に隣接して、主運搬セクション1520が配置構成され、主運搬セクション1520は、上流端1521および下流端1522を有し、主運搬セクション1520の上流端1521は、第1の運搬セクション1510の下流端1512に隣接して配置構成される。主運搬セクション1520は、主運搬セクション1520の上流端1521から主運搬セクション1520の下流端1522まで運搬方向Mに沿って生産部分を搬送する。
【0358】
バイパスセクション1540は、上流端1541と下流端1542とを有し、分析部分は、バイパスセクション1540の上流端1541からバイパスセクション1540の下流端1542までの運搬方向Bに搬送される。バイパスセクション1540より上に、分析アセンブリ1515が配置構成され、分析アセンブリ1515は、バイパスセクション1540上に配置構成される分析部分に向けて電磁波を放射するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、反射電磁波を受信するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、受信された反射電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。バイパス部1540の下流端1542に隣接して、分析部分を収集するためのコンテナ1550が配置構成され、分析部分は、コンテナ1550内に搬送される。コンテナ1550内の分析部分は、たとえば廃棄されるか、または製糖プロセスに再導入されるか、または異なる方法で使用され得る。任意選択で、ローラがバイパスセクションに配置構成されてもよい。
【0359】
主運搬セクション1520に隣接して、第2の運搬セクション1530が配置構成される。第2の運搬セクション1530は、上流端1531と下流端1532とを有する。生産部分は、第2の運搬セクション1530の上流端1531から第2の運搬セクション1530の下流端1532まで運搬方向Sに沿って搬送される。
【0360】
この例で説明されているように、分析部分は、第1の運搬セクション1510の下流端1512でバイパスセクション1540を介して本流から分流され、分析アセンブリ1515を使用してバイパスセクション1540上で分析され、次いで、コンテナ5150内に導入される。したがって、この例では、分析部分は生産部分の一部ではない。
【0361】
図11cは、バイパスセクション1540を備える製糖施設内の運搬デバイス1312の第3の例を示している。運搬デバイス1312は、運搬デバイス1312の上流に配置構成され、成分分析用の分析部分および製糖用の生産部分を含む、甜菜片を、第1の運搬セクション1510の上流端1511から第1の運搬セクション1510の下流端1512まで運搬方向Fに沿って搬送するように配置構成された第1の運搬セクション1510を備える。
【0362】
第1の運搬セクション1510に隣接して、主運搬セクション1520が配置構成され、主運搬セクション1520は、上流端1521および下流端1522を有し、主運搬セクション1520の上流端1521は、第1の運搬セクション1510の下流端1512に隣接して配置構成される。主運搬セクション1520は、主運搬セクション1520の上流端1521から主運搬セクション1520の下流端1522まで運搬方向Mに沿って生産部分を搬送する。
【0363】
バイパスセクション1540は、上流端1541と下流端1542とを有し、分析部分は、バイパスセクション1540の上流端1541からバイパスセクション1540の下流端1542まで運搬方向Bに搬送される。バイパスセクション1540より上に、分析アセンブリ1515が配置構成され、分析アセンブリ1515は、バイパスセクション1540上に配置構成される分析部分に向けて電磁波を放射するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、反射電磁波を受信するように配置構成され、分析アセンブリ1515は、受信された反射電磁波をスペクトル信号に変換するように配置構成される。バイパスセクション1540の下流端1542は、製糖施設の外部に配置構成される。線1590は、製糖施設の境界を示している。任意選択で、ローラがバイパスセクションに配置構成されてもよい。
【0364】
主運搬セクション1520に隣接して、第2の運搬セクション1530が配置構成される。第2の運搬セクション1530は、上流端1531と下流端1532とを有する。生産部分は、第2の運搬セクション1530の上流端1531から第2の運搬セクション1530の下流端1532まで運搬方向Sに沿って搬送される。
【0365】
この例で説明されているように、分析部分は、第1の運搬セクション1510の下流端1512でバイパスセクション1540を介して本流から分流され、分析アセンブリ1515を使用してバイパスセクション1540上で分析され、次いで、製糖施設の外部に搬送される。したがって、この例では、分析部分は生産部分の一部ではない。
【0366】
圧搾パルプを搬送するための運搬デバイス1392は、図11a、図11b、および図11cに示されている例のうちの1つに説明されているようなバイパスセクションも備え、しかるべく設計され得る。
【0367】
図12は、近赤外分光法PNを使用して甜菜片上で測定された偏光が基準方法PRにより測定された偏光に対してプロットされた図である。キャリブレーションは、スライスとして、すなわち細長片として形成された甜菜片の成分分析における性能をチェックするために甜菜片に対して行われた。スライスの形態の甜菜片の10kgからなる試料が、NIRS分析を使用して分析された。したがって、製糖プロセスから10kgの甜菜片が採取され、次いで、コンベアベルト上に高さ100mm、速度0.1m/sのスライスの流れが生み出された。次いで、スライスに対して、電磁波が連続照射された。次いで、波長850~1650nmの反射放射線が45ms毎に連続記録された。次いで、記録された放射線は、スペクトル信号に変換され、スペクトル信号は、甜菜片中の偏光を決定するために処理された。NIRSを使用したそのような分析の後、10kgのスライスからなる試料がカッティングミルで切断され、ミルパルプが試料から生産された。このミルパルプは、均質化され、副次試料が採取され、-25℃で凍結された。凍結されたパルプ試料は、温水(温度約40℃)で抽出され、偏光が偏光計を使用して測定された。NIRS分析PNからの予測された結果は、偏光計PRを使用することによって取得された偏光の値と比較された。NIRSを使用して取得された偏光に対する値は、偏光計を使用して取得された偏光に対する値と一致し得ることがわかる。一次方程式を使用したときに、図に示されているように、相関はR=0.8である。これら2つの異なる分析方法から取得された偏光に対する値を比較することによって、本明細書において説明されているようなキャリブレーションデータが生成され得る。これらの結果は、製糖施設内に存在する甜菜片上で直接的に分光法を使用する成分分析が可能であることを示している。
【0368】
図13は、成分分析のための異なる分光法の組合せに対する一例を示している。図9において説明されている第2の分析位置P2における甜菜片が図示されている。図9に関する違いは、異なる分光法の組合せにある。ここで、3つの光学系1315a、1315b、1315cは、甜菜片1312の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。1つの光学系1315aは、近赤外スペクトルにある波長範囲内の電磁波を検出するように配置構成される。別の光学系1315bは、ラマン分光法に適したスペクトルにある波長範囲内の電磁波を検出するように配置構成される。別の光学系1315cは、LIBS分光法に適したスペクトルにある波長範囲内の電磁波を検出するように配置構成される。光学系1315bおよび1315cについては、個別の光源が使用され得る。受信された反射電磁波は、スペクトル信号に変換される。光学系1315a、1315b、1315cは、反射電磁波を連続的に記録し、光ファイバ1316a、1316b、1316cを介して、スペクトル分解された反射電磁波波長をスペクトル信号に変換する分光計1317a、1317b、1317cにデータを伝送することができる。分光計317aの1つは近赤外分光計であり、別の分光計1317bはLIB分光計であり、別の分光器1317cはラマン分光計である。甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサ1318a、1318b、1318cによってフィルタリングされ、平均化され得る。好適なキャリブレーションデータとの比較により、たとえば、抽出可能な糖含量およびいくつかの他のものなどの甜菜片の成分が正確に決定され得る。プロセッサ1318a、1318b、1318cは、分析アセンブリを制御するための、および/または分析アセンブリからデータを受信するための制御ユニットを備えることができる。
【0369】
甜菜片に対するNIR/ラマン/LIBSセンサ/光学系の組合せにより、たとえば甜菜の抽出効率および品質を監視するために、非糖成分の多くが分析され得る。絞りかす含量および乾物含量に対するNIRSキャリブレーションは、高い性能を示す。Buchholzからの公式に基づき、次の表を見るとわかるように、甜菜片上の回収可能な糖分のモニタリングが可能である。
【0370】
【表8】
【0371】
全窒素含量に基づくNIRキャリブレーションは、甜菜の品質推定に使用され得る。この場合、甜菜中の有機窒素化合物(ベタイン、グルタミン、アスパラギン、ピロリドンも)からのスペクトル情報が、スペクトル信号に記録され、窒素に対する予測値に含まれる。
【0372】
【表9】
【0373】
甜菜中の有害な窒素に関するより多くの情報を得るための別のオプションは、LIBSセンサの応用である。高出力LIBSは、より高い強度のスペクトル信号を生成することができる。また、信号対雑音比も、高出力LIBSを適用することによって高められた。たとえば、窒素を検出するために、分光計において485~640nmの波長範囲が選択された。全Nのキャリブレーションおよびクロスバリデーションは以下の表に示されている。ごく少数の試料に基づき、2,2のRPDで低、中、および高窒素含有量におけるスクリーニングが可能であると要約できる。
【0374】
【表10】
【0375】
使用済みの試料に基づき、2,2のRPDで低、中、および高窒素含有量におけるスクリーニングが可能であると要約できる。この試料の非常に小さい範囲(112~167mg合計-N/gDM)に基づき、よりよい性能が全窒素含量のより高いばらつきによって予想され、これは製糖施設の品質推定において一般的であるからである。
【0376】
上で説明されているような異なる分光法の組合せは、たとえば第1の分析位置または第3の分析位置など、別の分析位置で適用されることも可能であろう。
【0377】
図14は、甜菜中の不均一性を調べるための甜菜のセグメントを示している。甜菜中の不均質は、甜菜中の成分の不均質をよりよく理解するために詳細に調査された。したがって、2品種(高トン数品種と高糖含量品種)からの100個の甜菜が調査された。すべての品種から、100個の均一な甜菜が選択され、サイズ別に選別され、それにより5から7個の甜菜の均質な群を加工した。各品種につき平均16回の複製が生産された。すべてのビートは、6つの水平セクションに分割された。スライスは、指定された円形の維管束に沿って切断され、合計11個のセグメントを生成した。11個のセグメントの各々は、図に示されているように、単一の甜菜の異なる位置に配置される。対応するセグメントはプールされ、ミル内のセラミックナイフによるグラインドおよび均質化によって加工された。甜菜セグメント中の成分の分布を評価するために、異なる分析が実行された。それらの結果は、次の表を見るとわかるように、すべての成分に対してセグメント間の有意な差を示している。たとえば、回収可能な糖の濃度は、通常、単一の甜菜内で根の先端から上側の根部分に向かうにつれ高くなる。中心の絞りかすでは、回収可能な糖含量は、外側の根組織と比較して最大1.5%低かった。回収可能な糖含量が最も高かったのは、中間根組織のところであった。甜菜内において、セグメントに応じて最大2.5%までの糖含量の有意なバラツキがある。これらの結果は、すべての分析された成分について甜菜内の成分の分布に高い不均質を示している。
【0378】
【表11】
【0379】
また、ある甜菜と別の甜菜とを比較したときに、成分の不均質が非常に高くなり得る。したがって、甜菜の1台分のトラック積荷が459個の試料に分割された。各試料は、品質試験室で加工され分析された。たとえば回収可能な糖含量に対する結果は、生産者の1台分のトラック積荷における著しい不均質を示している。回収可能な糖含量は11.9%から16.2%の範囲内であり、平均は14.5%、標準偏差は0.79%であった。試料の間の標準偏差は、試料サイズに依存し、試料サイズの影響を評価するためにランダムな試料の結果を組み合わせて実質的により大きな試料にした。元の平均試料サイズは、1試料あたり甜菜11.5個であった。2つの試料を組み合わせることによって、標準偏差は0.79%から0.56%に減少し、4つの試料を組み合わせることによってさらに0.39%まで減少した。
【0380】
図15は、製糖用の甜菜中の成分の決定に使用するキャリブレーションデータを生成するための方法1900の一例の概略図を示している。方法1900は、次の段落で説明されているステップを含む。ステップ1901において、これは甜菜の試料を、好ましくは決定された量だけ、たとえば10kgだけ採取する。ステップ1902において、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析する。ステップ1903において、好ましくはカッターミルによって、試料から甜菜パルプを生産し、好ましくは、硫酸アルミニウムまたは酢酸鉛溶液もしくは水によって、甜菜パルプを抽出する。ステップ1904において、偏光分析法、炎光光度法、蛍光分析オルトフタルアルデヒド(OPA)法、銅法、固定化酵素バイオセンサ法および/または他の方法などの測定を実施することによって抽出済み甜菜パルプの基準分析を行う。ステップ1905において、分光分析の結果を基準分析の結果と比較する。
【0381】
図16は、植物材料中の植物病害を検出するための方法2100の一例の概略図を示している。方法2100は、次の段落で説明されているステップを含む。ステップ2101において、植物材料を受け入れる。ステップ2102において、植物材料に向けて電磁波を放射する。ステップ2103において、電磁波を受信する。ステップ2104において、受信された電磁波をスペクトル信号に変換する。ステップ2105において、植物材料中の植物病害を決定する。ステップ2105aにおいて、キャリブレーションデータを生成し、生成することは好ましくは植物病害があるおよび/または植物病害がない植物材料の試料を採取することを含み、植物材料中の植物病害を評価することによって、たとえば植物材料中に存在する植物病害の視覚的スコアリングによって植物材料のキャリブレーション分析を行い、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析し、分光分析の結果をキャリブレーション分析の結果と比較する。ステップ106において、スペクトル信号をキャリブレーションデータおよび/または少なくとも1つの基準値と比較し、比較に応じて、植物材料中の植物病害の存在および/または定量化および/または定性化を決定する。
【0382】
図17は、植物材料中の植物病害を検出するための方法2100の一例の概略図を示している。方法2100は、図16において説明されているステップと、次に説明されているステップとを含み、これらのステップの好ましい順序は、図17を見るとわかる。次に、図16に関してまで説明されていないステップのみが説明される。ステップ2101aにおいて、植物材料を植物材料片にチョップしおよび/またはスライスする。ステップ2101bにおいて、植物材料を運搬デバイス上に、好ましくは運搬デバイスより上に配置構成されるローラで、均質に分配する。ステップ2101cにおいて、植物材料を、特に植物材料の高さを調整することによって、および/または植物材料を圧搾することによって、および/または好ましくはローラで植物材料の表面を平滑化することによって、調整する。ステップ2101dにおいて、好ましくは均質に分配された、植物材料を運搬デバイス上に配置構成する。ステップ2101eにおいて、運搬デバイスを使用して植物材料を搬送し、好ましくは、植物材料は、センサの方へ搬送され、センサは反射電磁波を受信するように適合される。ステップ2103aにおいて、受信された反射電磁波を連続的に記録し、および/または受信された電磁波をスペクトル信号に連続的に変換する。ステップ2106aにおいて、植物材料を育成プロセス内に導入し、植物材料中の植物病害の決定に応じて、少なくとも1つの育成パラメータを変更する。
【0383】
図18は、植物材料中の植物病害を検出するための分析アセンブリ4の一例を示している。図示されている例において、たとえばサトウダイコンおよび/またはジャガイモ種、特に甜菜および/またはジャガイモからの、植物材料が、受け入れデバイス13に受け入れられる。植物材料は、ハウジング15内の回転刃部16を備える、切断および/または粉砕デバイス14を使用して植物材料片に切断されおよび/または砕かれる。その後、植物材料片は、運搬デバイス2のコンベアベルト5上に落下する。植物材料片がローラ6に接触すると、植物材料片は、コンベアベルト5上に広がり、ローラ6とコンベアベルト5との間の距離の関数として圧縮力を受ける。そのように圧縮された植物材料片は、滑らかな表面および一定の高さを有する。スクレーパー8、19は、ローラ6およびコンベアベルト5上に設けられ、運転中にローラ表面とベルトとを連続的に清浄化し、それによりたとえば異なる試料からの2つの異なる植物材料片の交差混合を回避する。さらに、コンベアベルト5およびローラ6上の植物材料片の凝集または蓄積は排除され得るが、そうでなければ試料流の比較的均質化を著しく妨げる可能性がある。ローラ6の直下流には、センサヘッド9が光源10およびセンサ11とともに配置構成され、これにより850nmから1650nmの波長範囲内の植物材料片の流れの滑らかな表面からの電磁波を検出する。センサヘッド9は、植物材料片の滑らかな流れの表面に対して200から250mmの固定された距離のところで上昇することができ、植物材料片の流れに関して望み通りに旋回させることができる。このようにして、植物材料片の流れの全幅を感知して記録することが可能である。センサ11は、反射電磁波を連続的に記録し、光ファイバ17を介してそれを分光計18に伝送し、分光計18は、スペクトル分解された放射線波長を2値化された、スペクトル信号に30ミリ秒の規則正しい間隔で変換する。したがって、植物材料片の流れが通過する間に、数百のそのようなスペクトルが短時間内に生成され、プロセッサ12によってフィルタリングされ、平均化される。適切なキャリブレーションデータと比較することにより、植物材料中の植物病害が決定され得る。
【0384】
図19は、植物材料上で近赤外分光法を使用することから取得されるいくつかのスペクトル信号2400の一例を示しており、この例では、植物材料は甜菜片からなる。スペクトル信号400を生成するために、まず、電磁波が、電磁波源を使用することによって運搬デバイス上に配置構成されている甜菜片に向けて放射される。次いで、反射電磁波が、センサを使用することによって受信され、センサは、甜菜片の表面からの反射電磁波を検出するように配置構成される。次いで、受信された反射電磁波は、近赤外分光計を使用してスペクトル信号に変換される。図示されている例では、850nmから1650nmの波長範囲内の反射電磁波が受信される。図示されている図では、吸光度Aは、波長W(nm)に対してプロットされている。甜菜片の流れの間に、そのようなスペクトル信号のいくつかが生成され、これらはプロセッサによってフィルタリングされ、平均化され得る。そのようなスペクトル信号2400またはそのスペクトル信号のうちのいくつかから、甜菜片中の植物病害を検出することが可能である。
【0385】
スペクトル信号2410は、植物病害に感染していない甜菜片のスペクトル信号を表す典型的な曲線を表す。スペクトル信号2421および2422は、特に約850nmから1300nmの範囲内の吸光度の偏差を示している。この領域では、吸光度は、スペクトル信号2410と比較したときにスペクトル信号2421および2422に対してかなり低い。スペクトル信号2421および2422は、植物病害「リゾクトニア」に感染している甜菜片のスペクトル信号を表す典型的な曲線を表す。健全な甜菜および感染した甜菜から取得されたスペクトル信号の偏差から、植物病害が存在するかどうか、また存在する場合にはどの植物病害が存在するかを、自動的に、確実に検出することが可能である。異なる植物病害については、これらの植物病害によって引き起こされるスペクトル信号の偏差が異なり得る。これは、スペクトル信号の情報から、どの1つまたは複数の植物病害が植物材料中に存在するのかを区別することを可能にする。
【0386】
たとえば、植物病害「リゾクトニア」を決定することは、約870nmから910nmの範囲内の波長の領域におけるスペクトル信号の勾配に基づくアプローチにより達成され得る。この領域内の勾配を決定することは、生のスクリーニングも可能にし、このスクリーニングは、基準値、特に吸光度の絶対値からほぼ独立していることによりロバストである。これは、植物病害「リゾクトニア」が、約870nmから910nmの範囲内の波長の領域における勾配に著しい影響を及ぼすので可能である。
【0387】
そのようなスペクトル信号は、たとえば、図18に示されているような分析アセンブリを使用することによって取得され得る。
【0388】
特に、植物病害を決定するための方法は、次の例で説明されているように適用され得る。RHC(リゾクトニア)およびGTSC(ガートスキャッブ(girt scab))の症状を有する甜菜が収集され、視覚的スコアリングによって選別され、視覚的スコアリングは、1から9までであり、1は視覚的に検出可能な植物病害の最低重症度、9は最高重症度である。これらのクラスの各々は、約10~20本の甜菜を含んでいた。試験室では、まず、甜菜全体が測定され、次いで同じ甜菜がチョッピングデバイスを使用してチョップされた。次いで、NIRSで得られたスペクトル信号が生成され、評価された。キャリブレーションは、スペクトル信号と視覚的スコアリングによって行われる評価との間の多変量回帰法によって実行された。チョップされた甜菜の分析から取得されたNIRスペクトル信号は、チョップされていない甜菜全体から取得されたNIRスペクトル信号に比べて視覚的スコアリングとよく一致することを示した。通常のフィルタリングおよび機能内の1つの成分のみによるキャリブレーションは、GTSCに対して良好な結果を示した。RHCについては、キャリブレーションは、低フィルタリングによる良好な結果を示した。これは次の表を見るとわかるが、相関はRで示され、検定の大部分については95より高い。Rは、相関係数である。成分の異なるフィルタリングおよび異なるカウントが実施された。
【0389】
【表12】
【0390】
古典的なPLSアプローチが機能し、生のスクリーニング(低、中、および高感染)を可能にする。また、870nmと910nmとの間のスペクトルの勾配に基づくアプローチは、生のスクリーニングを可能にし、基準値からほぼ独立しているのでロバストである。これは、この低い波長範囲内ではリゾクトニアの影響が著しいので可能である。
【0391】
この方法は、たとえば甜菜に発生し得る次に列挙され説明されている植物病害などの多くの植物病害に対して適用され得る。
1.リゾマニア/ビート壊死性葉脈黄化ウイルス(BNYVV、ベニウイルス(Benyvirus))、甜菜リゾマニアの病原体(Tamada & Baba、1973)。リゾマニア(「ルートマッドネス(root madness)またはベアドネス(beardness)」)は、植物の主根に沿った側細根の広範な増殖、維管束の壊死、激しい成長阻害を特徴とする。BNYVVビリオンは甜菜根系に感染する。根セクションでは、中心柱の赤褐色変色が、腫瘍様症状とともに生じ、そこから根増殖が出現することがある。重症感染の結果、収量、糖含量、および純度が大きく低下することがある。
2.ビート土壌/ビート土壌伝染性ウイルス(BSBV)は、甜菜に明白な症状を引き起こさない。著しく感染した甜菜は、維管束の褐変および壊死を示すことがある。ビート土壌伝染性モザイクウイルス(BSBMV)はベニウイルス属の一員である。BSBMV感染甜菜の根は、一般的に無症状である。
3.VIRUS YELLOWS/現在、甜菜の「軽度」黄化ウイルスは、3つの属ルテオウイルス(Luteovirus)、ポレロウイルス(Polerovirus)、およびエナモウイルス(Enamovirus)があるルテオウイルス(Luteoviridae)科に分類されている。ポレロウイルス属の中には、3つの主要なビート感染種、ビート軽度黄化ウイルス(BMYV)、ビートウエスタンイエローウイルス-USA(BWYV)、ビート退緑ウイルス(BChV)がある。ビートポレロウイルス感染甜菜の初期症状は、完全に展開した葉上のびまん性退緑領域であり、これらの領域は最終的に拡大し、合併する。
4.アファノミセス根腐れ病/豊富な側根が形成され、すぐに黒くなり萎びる。根病斑は、黄褐色から始まり、水に浸ったように見え、後に暗褐色から黒色になる。この菌は主根の下側部分に侵入し、先端腐敗を引き起こすこともある。
5.リゾクトニア根腐および菌核病/根は、様々な程度の黒褐色から黒っぽい腐敗を示し、多くの場合に、冠部から始まり、主根の下まで広がる。冠部または罹患した根の側部には、深い潰瘍または亀裂がよく見られ、茶色がかった菌糸体がそのような空洞内に見えることがある。
6.紫紋羽病/罹病した植物の根は、紫色がかった領域と、フェルト状の赤みがかった紫の菌糸生長を示し、これは先端から冠部まで根の表面上を進み、病気の根にかなりの土壌付着を引き起こす。
7.フィマトトリクム根腐病/この菌は、黄色がかった菌糸体の薄いフェルト状の層として根の表面に広がる。最終的に罹病した根は、かなり表面的な黄色から黄褐色の腐敗を生じる。
8.フィトフトラ根腐病/根元に向かって黒っぽい斑点が現れ、湿った腐敗が主根の上方に広がる。腐敗した組織は褐色であり、健全な領域と病気の領域との間に黒っぽい縁がある。
9.フハイカビ根腐病/灰色から褐色の病斑が主根上に現れ、根は暗色でスポンジ状になる。
10.フォーマ根腐病/冠部付近の根表面に暗褐色の陥凹病変が出現し、これがじゃのめ病菌(Phoma betae)によって引き起こされる腐れの最初の兆候である。これらの病斑の下で、軟らかい水っぽい腐敗が発生し、根の近隣領域に広がる。腐敗組織は暗褐色から黒色であり、その後さらに黒くなり、乾燥して縮んでいく。
11.ビート脈管壊死および腐敗/根の症状は軟腐病から乾腐病まで様々であり、維管束が壊死する。壊死した維管束を露出するように根が切断されたときに、周辺領域が20~30秒以内にピンク色または赤みを帯びる。
12.クラウンゴール/腫瘍状成長が根の側面に生じ、時には根それ自体よりもいっそう大きくなる。1つまたは複数の瘤がコルク状またはイボ状の表面によって覆われる傾向があり、組織の比較的小さい頸部によって根に付着している。
13.かさぶた/茶色、丸形、または楕円形の、コルク状もしくはいぼ状の成長が根表面上に散在しているのがわかる。
14.糖含量低下症(Basses richesses)/罹病株は作物全体に散在するか、または高密度に発生することがあり、その糖含量は2~4%減る。
15.昆虫もまた、直接的または間接的に甜菜の品質に影響を及ぼす可能性がある。
【0392】
図20は、植物材料における疾病の決定に使用するキャリブレーションデータを生成するための方法の一例の概略図を示している。方法2500は、次の段落で説明されているステップを含む。ステップ2501において、植物材料の試料を採取する。ステップ2502において、植物材料中の植物病害を評価することによって、たとえば植物材料中に存在する植物病害の視覚的スコアリングによって植物材料のキャリブレーション分析を行う。ステップ5203において、好ましくは連続的に、試料に向かって電磁波を放射し、電磁波を受信し、受信された電磁波をスペクトル信号に変換することによって試料を分光分析する。ステップ2504において、分光分析の結果をキャリブレーション分析の結果と比較する。
【符号の説明】
【0393】
100 土壌風袋が付着された対象植物材料を含む作物試料を分析するための方法
110 対象植物材料および土壌風袋を含む、土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を受け入れる
111 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料をチョップする
112 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を均質に分配する
113 センサに沿って土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料を移動する
120 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料に向けて電磁波を放射する
130 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料から反射された電磁波を受信する
140 分析アセンブリを使用して受信された電磁波を処理する
150a 対象植物材料の質量パーセンテージを決定する
150b 土壌風袋の質量パーセンテージを決定する
150c 土壌風袋の成分を決定する
210 第1のキャリブレーションデータを生成する
211 第2のキャリブレーションデータを生成する
221 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取する
231 土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップする
241 分光分析
241a スペクトル信号を前処理する
241b スペクトル信号を除去する
241c スペクトル信号を平均化する
251 基準分析
261 多重および/または多変量および/または線形回帰を実行し結果を比較する
220 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取し、試料を分割する
230 土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップする
240 第1の試料の分析
240a 受信された電磁波をスペクトル信号に変換する
240b スペクトル信号を前処理する
240c 少なくとも1つのデジタル画像を前処理する
240d スペクトル信号を除去する
240e スペクトル信号を平均化する
250 第2の試料の基準分析
260 多重および/または多変量および/または線形回帰分析を実行し結果を比較する
301 受け入れセクション
310 チョッピングデバイス
401 事前清浄化されたチョップ済み甜菜片のスペクトル信号
402 事前清浄化されていないチョップ済み甜菜片のスペクトル信号
610 土壌風袋に付着した対象植物材料を含む作物試料の試料を採取する
620 第1の試料の土壌風袋に付着した対象植物材料をチョップする
630 第1の試料の分析
640 第2の試料の基準分析
640a 受信された電磁波をスペクトル信号に変換する
640b スペクトル信号を前処理する
640c フィルタを使用して少なくとも1つのデジタル画像を前処理する
640d スペクトル信号を除去する
640e スペクトル信号を平均化する
640f 多重および/または多変量および/または線形回帰を実行する
650 結果を比較する
1100 製糖用の甜菜中の成分を決定するための方法
1101 複数の甜菜を受け入れる
1102 複数の甜菜を提供する
1103 少なくとも分析部分を分析する
1104 少なくとも分析部分に向けて電磁波を放射する
1105 電磁波を受信する
1106 受信された電磁波をスペクトル信号に変換する
1107 砂糖を生産する
1300 製糖施設
1301 受け入れセクション
1302 トラック
1303 水源
1304 ウォータジェット
1305 甜菜
1306 甜菜洗浄機
1308 甜菜ホッパ
1310 スライシングデバイス
1311 甜菜片
1312 運搬デバイス
1313 ローラ
1314 電磁波源
1315、1315a、1315b、1315c 光学系
1316、1316a、1316b、1316c 光ファイバ
1317、1317a、1317b、1317c 分光計
1318、1318a、1318b、1318c プロセッサ
1319 甜菜片ミキサ
1320 ディフューザ
1330 ジュース清浄化配置構成
1340 フィルタユニット
1350 蒸発器
1360 結晶化デバイス
1370 遠心分離器
1375 乾燥デバイス
1380 サイロ
1390 圧搾機
1391 圧搾パルプ
1392 運搬デバイス
1393 ローラ
1394 電磁波源
1395 光学系
1396 光ファイバ
1397 分光計
1398 プロセッサ
D ディフューザ内の下向き方向
H ホッピング方向
T 運搬方向
U ディフューザ内の上向き方向
P1 第1の分析位置
P2 第2の分析位置
P3 第3の分析位置
1400 スペクトル信号
A 吸光度
W 波長
1510 第1の運搬セクション
1511 第1の運搬セクションの上流端
1512 第1の運搬セクションの下流端
1515 分析アセンブリ
1520 主運搬セクション
1521 主運搬セクションの上流端
1522 主運搬セクションの下流端
1530 第2の運搬セクション
1531 第2の運搬セクションの上流端
1532 第2の運搬セクションの下流端
1540 ハイパスセクション
1541 バイパスセクションの上流端
1542 バイパスセクションの下流端
1550 コンテナ
1590 製糖施設のボーダー
B バイパスセクションに沿った運搬方向
F 第1の運搬セクションに沿った運搬方向
M 主運搬セクションに沿った運搬方向
S 第2の運搬セクションに沿った運搬方向
PN 近赤外分光法で測定された偏光
PR 偏光基準
1900 キャリブレーションデータを生成するための方法
1901 甜菜の試料を採取する
1902 試料の分光分析
1903 甜菜パルプを生産する
1904 抽出された甜菜パルプの基準分析
1905 分光分析の結果を基準分析の結果と比較する
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】