(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】継手およびガスケット
(51)【国際特許分類】
A62C 35/68 20060101AFI20240227BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20240227BHJP
F16L 15/04 20060101ALI20240227BHJP
A62C 31/28 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A62C35/68
F16J15/10 L
F16L15/04 Z
A62C31/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550073
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022022154
(87)【国際公開番号】W WO2022216471
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バーバー, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マダラ, スコット ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン, マシュー エー.
【テーマコード(参考)】
2E189
3H013
3J040
【Fターム(参考)】
2E189CC08
2E189CG09
3H013JC04
3J040AA13
3J040AA17
3J040EA16
3J040FA05
(57)【要約】
継手は、ボアに対して、同軸に位置する軸に対向する表面によって画定される、ボアを伴う、導管を有する。表面は、導管の流入口に近接して位置する、円錐形部分と、導管の流出口に近接して位置する、ねじ山付き部分と、円錐形部分とねじ山付き部分との間に位置する、円筒形部分とを含む、3つの部分を有してもよい。ガスケットは、導管内に位置付けられる。ガスケットは、外側表面と、軸に対向する内側表面とを有する。ガスケットの内側表面は、角度を付けて配向されるランドを有する。ランドのうちの1つは、流出口に対向し、ねじ山付き部分によって受容される、ねじ山付き構成要素によって係合される。構成要素とランドとの間の係合部は、導管内で、半径方向に外方向かつ縦方向にガスケットを圧縮する。角度を付けて配向される肩部は、それが変形されると、円錐形部分によって画定される、方向転換空間(存在する場合)の中にガスケットを誘導する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手であって、前記継手は、
流入口と、流出口とを有する、導管であって、前記流入口と前記流出口とは、その間に延在するボアを介して相互に接続され、前記導管は、前記ボアを囲繞し、画定する、表面を備える、導管と、
前記ボアに沿って延在する、ねじ山を備える、前記流出口に近接して位置付けられる、前記表面の第1の部分と、
前記第1の部分と、円錐台を画定する、前記流入口との間に位置付けられる、前記表面の第2の部分であって、前記円錐部の底辺は、前記流入口に近接して位置付けられ、前記円錐部は、前記ボア内の方向転換空間を画定する、第2の部分と、
前記流入口に位置付けられ、前記ボアの中に突出する、肩部表面であって、前記肩部表面は、前記流出口に対向し、前記ボアと同軸に配列される軸に対して、横方向かつ非垂直方向に配向される、肩部表面と
を備える、継手。
【請求項2】
その前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置付けられる、前記表面の第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、円筒形の形状を画定する、請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記ねじ山は、ストレート状ねじ山を備える、請求項1に記載の継手。
【請求項4】
前記ストレート状ねじ山は、NPSLねじ山を備える、請求項3に記載の継手。
【請求項5】
前記ねじ山は、テーパ状ねじ山を備える、請求項1に記載の継手。
【請求項6】
前記表面の前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記ボア内に位置付けられる、ガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記軸から離れるように対向する外側表面と、前記軸に対向する内側表面とを備える、請求項1に記載の継手。
【請求項7】
前記ガスケットの前記外側表面は、円筒形の形状を有する、請求項6に記載の継手。
【請求項8】
前記ガスケットの前記内側表面は、前記表面の前記第1の部分に近接して位置付けられる、第1のランドを備え、前記第1のランドは、前記ガスケットの内径が、前記表面の前記第1の部分に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、前記軸に対して角度を付けて配向される、請求項6に記載の継手。
【請求項9】
前記ガスケットの前記内側表面はさらに、前記表面の前記第2の部分に近接して位置付けられる、第2のランドを備え、前記第2のランドは、前記ガスケットの内径が、前記流入口に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、前記軸に対して角度を付けて配向される、請求項8に記載の継手。
【請求項10】
前記第2のランドは、前記第1のランドの表面積よりも大きい表面積を有する、請求項9に記載の継手。
【請求項11】
前記流出口において、前記ボア内に螺合式に受容される、スプリンクラまたは他の流体制御構成要素をさらに備え、前記スプリンクラの端部は、前記第1のランドに係合する、請求項8に記載の継手。
【請求項12】
前記スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、ストレート状ねじ山を備える、請求項11に記載の継手。
【請求項13】
前記ストレート状ねじ山は、NPSLねじ山を備える、請求項12に記載の継手。
【請求項14】
前記スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、テーパ状ねじ山を備える、請求項11に記載の継手。
【請求項15】
前記スプリンクラの前記端部は、面取部を備え、前記面取部は、前記第1のランドのものと同一の角度配向を有する、請求項11に記載の継手。
【請求項16】
前記スプリンクラと前記第1のランドとの間の係合部は、前記肩部表面に対して、前記ガスケットを圧縮する、請求項11に記載の継手。
【請求項17】
前記表面の前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記ボア内に位置付けられる、ガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記軸から離れるように対向する外側表面と、前記軸に対向する内側表面とを備える、請求項2に記載の継手。
【請求項18】
前記ガスケットの前記外側表面は、円筒形の形状を有する、請求項17に記載の継手。
【請求項19】
前記ガスケットの前記外側表面は、前記表面の前記第3の部分の長さよりも長い、長さを有する、請求項18に記載の継手。
【請求項20】
前記継手は、径違い継手、エルボ型継手、T字型継手、または十字型継手を備える、請求項1に記載の継手。
【請求項21】
継手であって、
流入口と、流出口とを有する、導管であって、前記流入口と前記流出口とは、その間に延在するボアを介して相互に接続され、前記導管は、前記ボアを囲繞し、画定する、表面を備える、導管と、
前記ボアに沿って延在する、ねじ山を備える、前記流出口に近接して位置付けられる、前記表面の第1の部分と、
前記第1の部分と、円筒形の形状を画定する前記流入口との間に位置付けられる、前記表面の第2の部分と、
前記流入口に位置付けられ、前記ボアの中に突出する、肩部表面であって、前記肩部表面は、前記流出口に対向し、前記ボアと同軸に配列される軸に対して、横方向かつ非垂直方向に配向される、肩部表面と
を備える、継手。
【請求項22】
前記ねじ山は、テーパ状ねじ山を備える、請求項21に記載の継手。
【請求項23】
前記ねじ山は、ストレート状ねじ山を備える、請求項21に記載の継手。
【請求項24】
前記ストレート状ねじ山は、NPSLねじ山を備える、請求項23に記載の継手。
【請求項25】
前記表面の前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記ボア内に位置付けられる、ガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記軸から離れるように対向する外側表面と、前記軸に対向する内側表面とを備える、請求項21に記載の継手。
【請求項26】
前記ガスケットの前記外側表面は、円筒形の形状を有する、請求項25に記載の継手。
【請求項27】
前記ガスケットの前記内側表面は、前記表面の前記第1の部分に近接して位置付けられる、第1のランドを備え、前記第1のランドは、前記ガスケットの内径が、前記表面の前記第1の部分に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、前記軸に対して角度を付けて配向される、請求項25に記載の継手。
【請求項28】
前記ガスケットの前記内側表面はさらに、前記表面の前記第2の部分に近接して位置付けられる、第2のランドを備え、前記第2のランドは、前記ガスケットの内径が、前記流入口に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、前記軸に対して角度を付けて配向される、請求項27に記載の継手。
【請求項29】
前記第2のランドは、前記第1のランドの表面積よりも大きい表面積を有する、請求項28に記載の継手。
【請求項30】
前記流出口において、前記ボア内に螺合式に受容される、スプリンクラまたは他の流体制御構成要素をさらに備え、前記スプリンクラの端部は、前記第1のランドに係合する、請求項27に記載の継手。
【請求項31】
前記スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、ストレート状ねじ山を備える、請求項30に記載の継手。
【請求項32】
前記ストレート状ねじ山は、NPSLねじ山を備える、請求項31に記載の継手。
【請求項33】
前記スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、テーパ状ねじ山を備える、請求項30に記載の継手。
【請求項34】
前記スプリンクラの前記端部は、面取部を備え、前記面取部は、前記第1のランドのものと同一の角度配向を有する、請求項30に記載の継手。
【請求項35】
前記スプリンクラと前記第1のランドとの間の係合部は、前記肩部表面に対して、前記ガスケットを圧縮する、請求項30に記載の継手。
【請求項36】
前記継手は、径違い継手を備える、請求項21に記載の継手。
【請求項37】
前記継手の前記流出口に位置付けられる、補強座金をさらに備える、請求項36に記載の継手。
【請求項38】
導管内に位置付けられるガスケットを使用して、ねじ山付きスプリンクラを、ねじ山付き流出口を有する前記導管を画定する継手にシールする方法であって、前記方法は、
前記スプリンクラを、前記ガスケットの角度を付けて配向されるランドとの係合部の中に前進させるように、前記ねじ山付きスプリンクラを、前記ねじ山付き流出口内で回転させることと、
前記導管内で縦方向かつ前記導管に対して半径方向に外方向の両方において、前記ガスケットを圧縮するように、前記ねじ山付きスプリンクラを回転させ続けることと
を含む、方法。
【請求項39】
前記ねじ山付きスプリンクラのねじ山を前記ランドと係合することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その出願が、本明細書で参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年4月6日に出願された、米国仮出願第63/171,103号に基づき、その利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、流体密な継合を形成するためのガスケットおよびねじ山付き継手に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
消火システム内のテーパ状ねじ山付き継手へのスプリンクラ等のねじ山付き流体制御構成要素の接続は、従来的に、継手と構成要素との間のねじ山付き係合部において、流体密な継合を確実にするために、(「パイプドープ」として公知である)シーリング合成物が、構成要素のオス型ねじ山に適用されることを要求する。流体密な継合を確実にするためのより現代的なアプローチは、構成要素を継手と係合する前に、ポリテトラフルオロエチレンを含む、シーリングテープ内に、オス型ねじ山を巻着することを伴う。一部の当業者は、パイプドープを、テープで留められた継手に適用することさえ行っている。
【0004】
流体密な継合を生産することが意図される、これらのステップは、結果をもたらすために、付加的な時間、労力、および費用を要求する。さらに、これらのステップの実装において注意が払われる場合であっても、継手へのスプリンクラの取設は、依然として、ある比率の漏出継合を結果としてもたらし、これは、補正を要求する。そのようなステップを排除しながらも、依然として、流体密な継合を維持することによって、ねじ山付き構成要素の配設を改良する機会が、明確に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
本発明は、継手に関する。例示的継手は、径違い継手、エルボ型継手、T字型継手、または十字型継手を備えてもよい。ある例示的実施形態では、継手は、その間に延在するボアを介して相互に接続される、流入口と、流出口とを有する、導管を備える。導管は、ボアを囲繞し、画定する、表面を備える。表面の第1の部分が、流出口に近接して位置付けられる。第1の部分は、ボアに沿って延在する、ねじ山を備える。ねじ山は、ストレート状ねじ山を備えてもよく、ストレート状ねじ山は、例えば、NPSLねじ山を備えてもよい。別の実施例では、ねじ山は、テーパ状ねじ山を備えてもよい。表面の第2の部分が、第1の部分と流入口との間に位置付けられる。第2の部分は、円錐台を画定する。円錐部の底辺が、流入口に近接して位置付けられる。円錐部は、ボア内の方向転換空間を画定する。肩部表面が、流入口に位置付けられる。肩部表面は、ボアの中に突出する。肩部表面は、流出口に対向し、ボアと同軸に配列される軸に対して、横方向かつ非垂直方向に配向される。
【0006】
さらなる実施例では、継手は、その第1の部分と第2の部分との間に位置付けられる、表面の第3の部分をさらに備える。第3の部分は、円筒形の形状を画定する。
【0007】
ある実施例では、継手はさらに、表面の第1の部分と第2の部分との間のボア内に位置付けられる、ガスケットを備える。ガスケットは、軸から離れるように対向する外側表面と、軸に対向する内側表面とを備える。ガスケットの外側表面は、表面の第3の部分の長さよりも長い、長さを有してもよい。ガスケットの外側表面は、円筒形の形状を有する。ある例示的実施形態では、ガスケットの内側表面は、表面の第1の部分に近接して位置付けられる、第1のランドを備える。第1のランドは、ガスケットの内径が、表面の第1の部分に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、軸に対して角度を付けて配向される。さらに、一例として、ガスケットの内側表面はさらに、表面の第2の部分に近接して位置付けられる、第2のランドを備えてもよい。第2のランドは、ガスケットの内径が、流入口に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、軸に対して角度を付けて配向される。ある例示的実施形態では、第2のランドは、第1のランドの表面積よりも大きい表面積を有する。
【0008】
一例として、本発明による継手はさらに、流出口において、ボア内に螺合式に受容される、スプリンクラまたは他の流体制御構成要素を備え、スプリンクラの端部は、第1のランドに係合してもよい。スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、ストレート状ねじ山を備えてもよく、ストレート状ねじ山は、NPSLねじ山を備えてもよい。別の実施例では、スプリンクラまたは他の流体制御構成要素は、テーパ状ねじ山を備えてもよい。ある例示的実施形態では、スプリンクラの端部は、面取部を備えてもよい。面取部は、第1のランドのものと同一の角度配向を有してもよい。スプリンクラと第1のランドとの間の係合部は、肩部表面に対して、ガスケットを圧縮する。
【0009】
本発明による別の例示的継手は、その間に延在するボアを介して相互に接続される、流入口と、流出口とを有する、導管を備える。導管は、ボアを囲繞し、画定する、表面を備える。表面の第1の部分が、ボアに沿って延在する、ねじ山を備える、流出口に近接して位置付けられる。第1の部分と流入口との間に位置付けられる、表面の第2の部分が、円筒形の形状を画定する。肩部表面が、流入口に位置付けられ、ボアの中に突出する。肩部表面は、流出口に対向し、ボアと同軸に配列される軸に対して、横方向かつ非垂直方向に配向される。例示的継手は、径違い継手と、継手の流出口に位置付けられる、補強座金とを備えてもよい。
【0010】
本発明はまた、導管内に位置付けられるガスケットを使用して、ねじ山付きスプリンクラを、ねじ山付き流出口を有する導管を画定する継手にシールする方法を包含する。ある例示的実施形態では、本方法は、
スプリンクラを、ガスケットの角度を付けて配向されるランドとの係合部の中に前進させるように、ねじ山付きスプリンクラを、ねじ山付き流出口内で回転させることと、
導管内で縦方向かつ導管に対して半径方向に外方向の両方において、ガスケットを圧縮するように、ねじ山付きスプリンクラを回転させ続けることと
を含む。
【0011】
本方法はさらに、ねじ山付きスプリンクラのねじ山をランドと係合することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、スプリンクラと係合される、本発明による例示的継手およびガスケットの縦方向断面図である。
【0013】
【
図2】
図2は、拡大された尺度での、
図1に示される継手の一部の縦方向断面図である。
【0014】
【
図3】
図3は、拡大された尺度での、
図1に示される例示的ガスケットの縦方向断面図である。
【0015】
【
図4】
図4-7は、
図1に示される、本発明による継手の中への構成要素の配設を図示する、縦方向断面図である。
【
図5】
図4-7は、
図1に示される、本発明による継手の中への構成要素の配設を図示する、縦方向断面図である。
【
図6】
図4-7は、
図1に示される、本発明による継手の中への構成要素の配設を図示する、縦方向断面図である。
【
図7】
図4-7は、
図1に示される、本発明による継手の中への構成要素の配設を図示する、縦方向断面図である。
【0016】
【
図8】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図9】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図10】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図11】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図12】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図13】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【
図14】
図8-14は、本発明による、継手の異なる例示的実施形態の縦方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
図1は、本発明による、継手10の例示的実施形態を示す。本実施例では、継手10は、配管延設域(図示せず)内で、例示的スプリンクラ12等の流体制御デバイスを接続するために、「T字型」である。例示的継手10は、ボア20を介して相互に接続される、流入口16と、流出口18とを有する、導管14を備える。
図2に示されるように、導管14は、ボア20を囲繞し、画定する、表面22を備える。流出口18に近接して位置付けられる、表面22の第1の部分24は、ボア20に沿って延在する、メス型ねじ山26を備える。本実施例では、ねじ山26は、NPSLねじ山等のストレート状ねじ山であり、これは、有利なこととして、継手10を、ストレート状オス型ねじ山を有し得る、スプリンクラ等の流体制御デバイスと接続するために使用されてもよい。しかしながら、ねじ山26はまた、テーパ状ねじ山であり得る。表面22の第2の部分28が、第1の部分24と流入口16との間に位置付けられる。表面22の第3の部分30が、第1の部分と第2の部分(24と28)との間に位置付けられてもよい。表面22の第2の部分28は、有利なこととして、円錐台32を画定する。円錐部32の底辺34は、流入口16に近接して位置付けられる。存在するとき、第3の部分30は、略円筒形の形状36を画定する。
【0018】
肩部表面38が、流入口16に位置付けられる。肩部表面38は、ボア20の中に突出し、流出口18に対向する。肩部表面38は、ボア20と同軸に配列される軸40に対して横方向かつ非垂直方向に配向され、それによって、
図1および2に示されるように、縦方向断面において視認されるとき、表面22の第2の部分28にありつぎ形状を提供する。肩部表面38の本角度配向は、下記に説明されるように、表面22の第1の部分と第2の部分(24と28)との間のボア20内に位置付けられる、ガスケット42の変形挙動を誘導する。
【0019】
ガスケット42は、有利なこととして、EPDM等のエラストマから形成され、
図3に示されるように、軸40から離れるように対向する外側表面44と、軸に対向する内側表面46とを備える。本例示的実施形態では、外側表面44は、表面22の第3の部分30のものと実質的に合致される、曲率半径を伴う、円筒形の形状を有する。
図1に示されるように、外側表面44は、表面22の第3および第2の部分(30および28)の両方と重合し、ガスケット42の外側表面44の長さは、表面22の第3の部分30の長さよりも長い。ガスケット42は、肩部表面38と、表面22の第1の部分と第3の部分(24と30)との間の境界をマーキングする、アンダーカット48との間に着座する。第2の部分28によって画定される、円錐台32が、圧縮されるとき、その中でガスケットが変形し得る、方向転換空間50を画定することに留意されたい。
【0020】
図3に示されるように、ガスケット42の内側表面46は、ボア20内に配設されるとき、表面22の第1の部分24に近接して位置付けられる、第1のランド52を備える。第1のランド52は、ガスケットの内径54が、第1の部分24に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、軸40に対して角度を付けて配向される。実践的な設計に関して、第1のランド52の配向角度度56は、25°~50°の範囲であり、約30°~45°の角度が、有利であると見なされ得る。
【0021】
図3にさらに示されるように、ガスケット42の内側表面46はさらに、表面22の第2の部分28に近接して位置付けられる、第2のランド58を備えてもよい。本実施例では、第2のランド58もまた、軸40に対して角度を付けて配向されるが、ガスケット42の内径60が、流入口16に近接する点において、それより遠位の点よりも大きいように、第1のランドと反対の傾きを伴う。ガスケット42に対する圧力応答性を提供するために、第2のランド58は、第1のランド52の表面積64よりも大きい表面積62を有する。第2のランドの配向角度66は、20°~60°の範囲であり、約25°の角度が、実践的な設計に関して有利であると見なされ得る。
【0022】
図1に示されるように、継手10およびガスケット42は、例えば、消火システムの配管網内で、テーパ状ねじ山付きスプリンクラ12または別の流体制御構成要素を取り付けるために使用されてもよい。スプリンクラ12は、流出口18において、ボア20内に螺合式に受容され、スプリンクラの端部68は、第1のランド52に係合する。スプリンクラ12の端部68は、通常、面取部70を備え、面取部が、第1のランド52のものと同一の角度配向を有する場合、有利であると考えられる。
【0023】
下記に説明されるように配設されるとき、テーパ状ねじ山付きスプリンクラ12と継手10との間の流体密なシールが、パイプテープまたはパイプドープの必要性を伴うことなく、ストレート状ねじ山26に関して達成されるであろうことが予期される。
【0024】
テーパ状ねじ山付きスプリンクラ12を、本発明による継手10にシールする例示的方法が、
図1および4に示されるように、スプリンクラを、ガスケット42の角度を付けて配向される第1のランド52との係合部の中に前進させるように、ストレート状ねじ山付流出口18内で、ねじ山付きスプリンクラ12を回転させることによって、開始される。
図4は、スプリンクラ12とガスケット42との間の第1の接触を詳細に示す。本実施例では、面取部70が、実質的に同一の配向角度において、第1のランド52に係合することに留意されたい。
【0025】
次いで、
図5に示されるように、ねじ山付きスプリンクラ12の回転は、ガスケット42を、導管14内で、縦方向(肩部表面38に対する圧縮)かつ導管の表面22に対して半径方向に外方向の両方において、圧縮するように継続する。第1のランド52の角度配向は、スプリンクラ-ガスケット界面における、力ベクトルの解から明白であるように、スプリンクラ12が、前進するにつれて、ガスケット42の半径方向の圧縮に関与する。
図5は、
図4の第1の接触後のスプリンクラ12の1回のフル回転を図示する。
【0026】
図6は、導管14内に、かつシーリング係合部内に着座する、スプリンクラ12を示す。実質的に非圧縮性である、ガスケット42が、内側表面22の円錐部32によって画定される、方向転換空間50の中に変形されていることに留意されたい。方向転換空間50の中へのガスケット42の変形は、それに対してガスケットが圧縮される、肩部表面38の角度方向によって誘導される。さらに、スプリンクラ12のねじ山26が、第1のランド52に係合し、付加的なシーリング効果を提供することが、観察される。
図6は、
図4の第1の接触後のスプリンクラ12の2回のフル回転を図示する。
【0027】
図7は、
図4の第1の接触後の3回の完全な回転における、スプリンクラ12と、ガスケット42と、導管14とを示す。有効なシールが、第1の接触後の1回の回転において、またはその前に達成されるが、本発明による継手10およびガスケット42が、第1の接触を通り過ぎて、少なくとも3回の回転まで、流体密なシールを維持し、本回転の範囲において、付加的なシール効果さえ提供し得ることが、予期される。本発明によるシールおよび継手は、したがって、スプリンクラ12の角度位置の有利な調節性を可能にし、シールの完全性を損なうことなく、スプリンクラのフレームアームおよび偏向器の所望の配向をもたらすことが、予期される。継手10に対するスプリンクラの軸方向の位置もまた、本発明によるシールおよび継手を使用して、調節可能である。
【0028】
図8-12は、2つの導管14およびガスケット42を有する、T字型72(
図8)と、1つの導管14および1つのガスケット42を有する、90°エルボ型継手74(
図9)と、対向して2つの導管14および2つのガスケット42を有する、十字型継手76(
図10)とを含む、本発明による継手の付加的な例示的実施形態を示す。
図11は、その一端80において、スプリンクラ12を受容し得る、径違い継手78の断面を示す。径違い継手78の反対端部82は、可撓性導管に接続されてもよい。
【0029】
図1-12に示される、継手の例示的実施形態に関して、方向転換空間50を備えることは、有利であるが、例示的ガスケット42は、事実上、方向転換空間を有しない継手と併用されてもよい。そのような継手84の例示的実施形態が、
図13および14に示される。例示的継手84は、
図14に示されるように、スプリンクラ12を受容するとき、補強座金86と併用される可能性が高い、径違い継手である。
図13は、径違い84を示し、上記に説明されるように、ランド52および58を有する、例示的ガスケット42が、継手84のボア88内で受容される。ボア88の一部を画定する、表面90が、ガスケット42を囲繞する。表面90は、継手84の流出口94に近接して位置付けられる、第1の部分92を備える。表面部分92は、
図14に示されるように、ねじ山付きスプリンクラ12を受容するために、ねじ山96を備える。先に説明された例示的実施形態と異なり、表面92は、円錐台部分を備えないが、第1の部分92と流入口102との間に位置付けられる、円筒形の形状100を画定する、第2の部分98を備える。肩部表面104が、流入口102に位置付けられ、ボア88の中に突出する。肩部表面104は、流出口94に対向し、ボア88と同軸に配列される軸106に対して、横方向かつ非垂直方向に配向される。肩部表面104は、したがって、
図13および14に示されるように、縦方向断面において視認されるとき、第2の部分98にありつぎ形状を提供する。
図14に示されるように、肩部表面104の角度配向は、スプリンクラ12によって係合されるときのガスケット42の変形挙動を誘導する。
【0030】
図14は、ガスケット42に対して密封的に着座する、スプリンクラ12を示し、スプリンクラの面取部70は、ガスケットの第1のランド52に係合する。ガスケット42は、したがって、肩部表面104に対して圧縮され、ガスケットは、肩部表面104とスプリンクラ12との間に固着して固定される。
【0031】
本発明によるシールおよび継手は、より信頼可能な継合を与え、より少ない漏出傾向を伴うことが予期される一方、シーリングテープまたはパイプドープを伴うことなく、テーパ状およびストレート状ねじ山の両方と併用可能である。さらに、より少ない準備作業が存在し、少ないトルクが、流体密な様式で、構成要素を固着するために要求されるため、より少ない時間および労力が、継合を形成するために必要とされるであろうことが予期される。
【0032】
本明細書に説明される、本主張される発明の実施形態の全ては、単に一例として、明示的に提供される。無数の変形および修正が、本開示の概念から逸脱することなく、本明細書に説明される例示的実施形態に対して行われてもよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書および請求項において説明され、図面に示される、全ての要素、特徴、および側面のあらゆる修正および組み合わせを包含することが意図される。あらゆるそのような修正および組み合わせは、本開示の範囲内にあることが意図される。
【国際調査報告】