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特表2024-509779機械学習を活用した室内空気質の診断及び管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】機械学習を活用した室内空気質の診断及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240227BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01N1/00 101Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551195
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 KR2021017555
(87)【国際公開番号】W WO2022181937
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0024693
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105311
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】523318316
【氏名又は名称】エアディープ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ユ シン
(72)【発明者】
【氏名】パク ウン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】シン ジュン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム テ ユン
(72)【発明者】
【氏名】コ クン ウク
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA03
2G052AB22
2G052AB23
2G052AC12
2G052AD02
2G052AD22
2G052AD42
2G052BA17
2G052JA06
2G052JA08
2G052JA18
2G052JA20
2G052JA24
2G052JA26
2G052JA30
(57)【要約】
本発明は、室内空気質の診断及び管理システムに関し、車両あるいは宿泊空間の室内空気質を測定して空気質データを取得及び分析し、そして、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断することによって、喫煙の有無、喫煙タイプ及び異常状況が感知可能な室内空気質の診断及び管理システムに関する。
また、本発明は、室内空気質を効率的に診断することによって宿泊施設の管理を容易にすることができる技術に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得する空気質測定部と、
喫煙の有無による前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された前記空気質データを分析する空気質分析部と、
前記空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断する室内空気診断部とを含み、
前記空気質分析部は、
前記室内喫煙を行ったときの空気質データである喫煙データ、及び前記室内喫煙を行わなかった場合の空気質データである非喫煙データを学習して、前記室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデル、及び、煙草で前記室内喫煙を行ったときの空気質データである煙草データ、及び電子タバコで前記室内喫煙を行ったときの空気質データである巻きタバコ型データを学習して、前記喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成する、探知モデル生成部を含むことを特徴とする、室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項2】
前記探知モデル生成部は、
決定木(decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)及びSVM(Support Vector Machine)を含む教師あり学習モデルから選択された1つ以上のモデルを用いて前記喫煙探知モデルまたは前記喫煙タイプ分類モデルを生成することを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項3】
前記室内空気診断部は、
前記喫煙探知モデルによって、第1設定時間以内に第1設定回数で喫煙として探知された場合、前記室内に喫煙者が存在すると判断し、
前記喫煙タイプ分類モデルによって喫煙タイプを分類して、煙草と分類された回数と電子タバコと分類された回数を合算し、煙草と分類された回数及び電子タバコと分類された回数のうち、過半数を超える回数を基準として喫煙タイプを診断し、
前記室内に喫煙者が存在すると判断した場合には、第1設定回数の喫煙探知後には最初の喫煙探知時点から第2設定時間の間喫煙を探知しないことを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項4】
前記空気質測定部は、
空気質センサ(Air Quality Sensor、AQS)であることを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項5】
前記探知モデル生成部は、
教師あり学習モデルに適用される媒介変数(hyper parameter)において、グリッドサーチ(grid search)及び交差検証(cross validation)のうちの1つ以上の方式で最適の媒介変数を選定することを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項6】
前記室内空気診断部は、
前記空気質測定部を通じて測定されたECO2の数値が第1基準値以上であり、TVOCの数値が第2基準値以上である場合、または、PM10の数値が第3基準値以上であり、PM2.5の数値が第4基準値以上である場合、「空気質悪い」と判断することを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項7】
前記第1基準値は1000μg/mであり、前記第2基準値は1300μg/mであり、前記第3基準値は80μg/mであり、前記第4基準値は35μg/mであることを特徴とする、請求項6に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項8】
前記室内空気診断部は、
前記空気質測定部を通じて測定されたECO2の数値が第5基準値以上、TVOCの数値が第6基準値以上、PM10の数値が第7基準値以上、PM2.5の数値が第8基準値以上として第3設定時間以内に第2設定回数で確認される場合、異常状況と判断することを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項9】
前記第5基準値は3500μg/mであり、前記第6基準値は4000μg/mであり、前記第7基準値は1700μg/mであり、前記第8基準値は1700μg/mであることを特徴とする、請求項8に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項10】
前記室内空気診断部の空気診断結果による報知信号を生成及び出力する報知信号出力部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項11】
宿泊施設の各客室別の空気質データを取得する空気質測定部と、
喫煙探知モデル及び喫煙タイプ分類モデルを生成し、前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、前記取得した空気質データを分析する空気質分析部と、
前記宿泊施設に対する管理データを構築する管理データ構築部と、
前記管理データ及び前記空気質データの分析結果に基づいて、前記宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類する顧客タイプ分類部とを含み、
前記顧客タイプ分類部は、
前記顧客を喫煙顧客群、非喫煙顧客群及びその他の顧客群のいずれかに該当するように分類し、前記喫煙顧客群に該当する顧客を第1喫煙顧客または第2喫煙顧客に細分類し、そして、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を通じて各顧客群に該当する顧客を細分類することを特徴とする、室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項12】
前記管理データ構築部は、
前記顧客の宿泊施設の利用履歴及び前記顧客の喫煙履歴のうちの1つ以上に基づいて前記管理データを構築することを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項13】
前記顧客タイプ分類部は、
前記非喫煙顧客群に該当する顧客を正常顧客、注意顧客及び危険顧客に細分類することを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項14】
前記顧客タイプ分類部は、
前記管理データから抽出される独立変数を適用して前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項15】
前記顧客タイプ分類部は、
前記顧客を細分類するための基準を従属変数に設定して、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項16】
前記顧客タイプ分類部は、
前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間に該当する顧客を前記第2喫煙顧客に細分類し、そして
前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を前記第1喫煙顧客に細分類することを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項17】
前記顧客タイプ分類部は、
前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の3倍数以上である区間に該当する顧客を前記喫煙顧客に細分類し、標準偏差の1倍数以上である区間に該当する顧客を前記注意顧客に細分類し、そして
前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の1倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を前記正常顧客に細分類することを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【請求項18】
前記分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の各客室に対する管制警報を前記顧客に伝達する管制警報伝送部と、
前記分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の管理者にレポーティング型分析情報を提供する分析情報提供部とをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の室内空気質の診断及び管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2021年02月24日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0024693号及び2021年08月10日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0105311号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、室内空気質の診断及び管理システムに関し、車両あるいは宿泊空間の室内空気質を測定して空気質データを取得及び分析し、そして、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断することによって、喫煙の有無、喫煙タイプ及び異常状況が感知可能な室内空気質の診断及び管理システムに関する。
【0003】
また、本発明は、室内空気質を効率的に診断することによって宿泊施設の管理を容易にすることができる技術に関する。
【背景技術】
【0004】
最近、喫煙による肺癌などの健康上の問題により禁煙が勧められている傾向にある。特に、車両や部屋のような限られた室内空間での喫煙は、間接喫煙により非喫煙者に大きな苦痛となっており、空気質にも悪影響を及ぼすようになる。
【0005】
そのため、車両や部屋のような室内での喫煙を厳しく禁止しているにもかかわらず、まだ一部の喫煙者は、人目を避けて室内で喫煙をしている。
【0006】
タバコの煙は、空気の流れに沿ってかなり広い範囲に広がり、室内で誰かがタバコを吸っても、これを直ぐに把握し難く、他人がこれに気づいて喫煙者を探すと、既に喫煙者がタバコを吸い終えていなくなった後である場合がほとんどである。すなわち、人力を用いて喫煙を探知する場合、これを迅速に把握し難いため、実効性に限界がある。
【0007】
そのため、喫煙者が室内でタバコを吸うと、これを直ちに把握し、通知できるシステムに対する必要性が求められている。
【0008】
一方、従来の喫煙感知システムの場合には、電子タバコが登場する前の煙草に対してのみ感知可能であり、電子タバコ(巻きタバコ型及び液状型の両方を含む)の場合には、煙の成分が異なるため、感知できない場合が多かった。そのため、煙草、電子タバコをいずれも探知できるシステムに対する要求も増加している。
【0009】
さらに、宿泊施設の客室管理において、顧客が利用する期間中には、室内で喫煙が行われるとしても使用者側で迅速に介入して管理措置を行うことが困難であるという特徴があり、そのため、客室状態の悪化または異常状況の発生などの客室管理を行わなければならない状況に対して発見及び措置が遅れるという問題がある。
【0010】
また、大型宿泊施設の場合を説明すると、大型宿泊施設を訪ねる数多くの顧客の利用履歴と連携された客室管理及び客室管制システムは、未だに適用されていないため、各顧客の特性別に客室管理を体系的に行うことができず、多発的に措置が必要な状況が発生する場合、管理者が迅速に各状況を判断して対応するのも難しいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、車両あるいは宿泊空間の室内空気質を測定して空気質データを取得及び分析し、そして、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断することによって、喫煙の有無、喫煙タイプ及び異常状況が感知可能な室内空気質の診断及び管理システムを提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、宿泊施設に対して構築される管理データ及び宿泊施設の空気質データを分析して、宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類し、各顧客のタイプによる分析情報を管理者に提供することができ、宿泊施設の客室状態のリアルタイム管制及び顧客の宿泊施設の利用履歴による管理を可能にする室内空気質の診断及び管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムは、限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得する空気質測定部と、喫煙の有無による前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された前記空気質データを分析する空気質分析部と、前記空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断する室内空気診断部とを含んで構成される。
【0014】
好ましくは、前記空気質測定部は、空気質センサ(Air Quality Sensor、AQS)であってもよい。
【0015】
好ましくは、前記空気質分析部は、前記室内で喫煙を行ったときの空気質データである喫煙データ、及び前記室内で喫煙を行わなかった場合の空気質データである非喫煙データを学習して、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデルを生成したり、前記室内で煙草で喫煙を行ったときの空気質データである煙草データ、及び電子タバコで喫煙を行ったときの空気質データである巻きタバコ型データを学習して、喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成したりする、探知モデル生成部を含むことができる。
【0016】
好ましくは、前記探知モデル生成部は、決定木(decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)及びSVM(Support Vector Machine)を含む教師あり学習モデルから選択された1つ以上のモデルを用いて前記喫煙探知モデルまたは前記喫煙タイプ分類モデルを生成することができる。
【0017】
好ましくは、前記探知モデル生成部は、前記教師あり学習モデルに適用される媒介変数(hyper parameter)において、グリッドサーチ(grid search)及び交差検証(cross validation)のうちの1つ以上の方式で最適の媒介変数を選定することができる。
【0018】
好ましくは、前記室内空気診断部は、前記喫煙探知モデルによって、第1設定時間以内に第1設定回数で喫煙として探知された場合、前記室内に喫煙者が存在すると判断し、前記喫煙タイプ分類モデルによって喫煙タイプを分類して、煙草と分類された回数と電子タバコと分類された回数を合算し、煙草と分類された回数及び電子タバコと分類された回数のうち、過半数を超える回数を基準として喫煙タイプを診断することができる。
【0019】
好ましくは、前記室内空気診断部は、前記室内に喫煙者が存在すると判断した場合には、第1設定回数の喫煙探知後には最初の喫煙探知時点から第2設定時間の間喫煙を探知しないことができる。
【0020】
好ましくは、前記室内空気診断部は、前記空気質測定部を通じて測定されたECO2の数値が第1基準値以上であり、TVOCの数値が第2基準値以上である場合、または、PM10の数値が第3基準値以上であり、PM2.5の数値が第4基準値以上である場合、「空気質悪い」と判断することができる。
【0021】
好ましくは、前記第1基準値は1000μg/mであり、前記第2基準値は1300μg/mであり、前記第3基準値は80μg/mであり、前記第4基準値は35μg/mであってもよい。
【0022】
好ましくは、前記室内空気診断部は、前記空気質測定部を通じて測定されたECO2の数値が第5基準値以上、TVOCの数値が第6基準値以上、PM10の数値が第7基準値以上、PM2.5の数値が第8基準値以上として第3設定時間以内に第2設定回数で確認される場合、異常状況と判断することができる。
【0023】
好ましくは、前記第5基準値は3500μg/mであり、前記第6基準値は4000μg/mであり、前記第7基準値は1700μg/mであり、前記第8基準値は1700μg/mであってもよい。
【0024】
好ましくは、前記室内空気質の診断及び管理システムは、前記室内空気診断部の空気診断結果による報知信号を生成及び出力する報知信号出力部をさらに含むことができる。
【0025】
本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法は、限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得する空気質測定ステップと、喫煙の有無による前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された前記空気質データを分析する空気質分析ステップと、前記空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断する室内空気診断ステップとを含んで構成される。
【0026】
好ましくは、前記空気質分析ステップは、前記室内で喫煙を行ったときの空気質データである喫煙データ、及び前記室内で喫煙を行わなかった場合の空気質データである非喫煙データを学習して、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデルを生成したり、前記室内で煙草で喫煙を行ったときの空気質データである煙草データ、及び電子タバコで喫煙を行ったときの空気質データである巻きタバコ型データを学習して、喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成したりする、探知モデル生成ステップを含むことができる。
【0027】
好ましくは、前記探知モデル生成ステップは、決定木(decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)及びSVM(Support Vector Machine)を含む教師あり学習モデルから選択された1つ以上のモデルを用いて前記喫煙探知モデルまたは前記喫煙タイプ分類モデルを生成するステップを含むことができる。
【0028】
好ましくは、前記探知モデル生成ステップは、前記教師あり学習モデルに適用される媒介変数(hyper parameter)において、グリッドサーチ(grid search)及び交差検証(cross validation)のうちの1つ以上の方式で最適の媒介変数を選定するステップをさらに含むことができる。
【0029】
好ましくは、前記室内空気診断ステップは、前記喫煙探知モデルによって、第1設定時間以内に第1設定回数で喫煙として探知された場合、前記室内に喫煙者が存在すると判断するステップと;前記喫煙タイプ分類モデルによって喫煙タイプを分類して、煙草と分類された回数と電子タバコと分類された回数を合算し、煙草と分類された回数及び電子タバコと分類された回数のうち、過半数を超える回数を基準として喫煙タイプを診断するステップを含むことができる。
【0030】
好ましくは、前記室内空気診断ステップは、前記室内に喫煙者が存在すると判断した場合には、第1設定回数の喫煙探知後には最初の喫煙探知時点から第2設定時間の間喫煙を探知しないステップをさらに含むことができる。
【0031】
好ましくは、前記室内空気診断ステップは、前記空気質測定ステップを通じて測定されたECO2の数値が第1基準値以上であり、TVOCの数値が第2基準値以上である場合、または、PM10の数値が第3基準値以上であり、PM2.5の数値が第4基準値以上である場合、「空気質悪い」と判断するステップを含むことができる。
【0032】
好ましくは、前記第1基準値は1000μg/mであり、前記第2基準値は1300μg/mであり、前記第3基準値は80μg/mであり、前記第4基準値は35μg/mであってもよい。
【0033】
好ましくは、前記室内空気診断ステップは、前記空気質測定ステップを通じて測定されたECO2の数値が第5基準値以上、TVOCの数値が第6基準値以上、PM10の数値が第7基準値以上、PM2.5の数値が第8基準値以上として第3設定時間以内に第2設定回数で確認される場合、異常状況と判断するステップを含むことができる。
【0034】
好ましくは、前記第5基準値は3500μg/mであり、前記第6基準値は4000μg/mであり、前記第7基準値は1700μg/mであり、前記第8基準値は1700μg/mであってもよい。
【0035】
好ましくは、前記室内空気質診断方法は、前記室内空気診断ステップの空気診断結果による報知信号を生成及び出力する報知信号出力ステップをさらに含むことができる。
【0036】
また、本発明の他の実施例に係る、室内空気質の診断及び管理システムは、宿泊施設の各客室別の空気質データを取得する空気質測定部と;喫煙探知モデル及び喫煙タイプ分類モデルを生成し、前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、前記取得した空気質データを分析する空気質分析部と;前記宿泊施設に対する管理データを構築する管理データ構築部と;前記管理データ及び前記空気質データの分析結果に基づいて、前記宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類する顧客タイプ分類部と;を含み、前記顧客タイプ分類部は、前記顧客を喫煙顧客群、非喫煙顧客群及びその他の顧客群のいずれかに該当するように分類し、前記喫煙顧客群に該当する顧客を第1喫煙顧客または第2喫煙顧客に細分類し、そして、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を通じて各顧客群に該当する顧客を細分類することができる。
【0037】
好ましくは、前記管理データ構築部は、前記顧客の宿泊施設の利用履歴及び前記顧客の喫煙履歴のうちの1つ以上に基づいて前記管理データを構築することができる。
【0038】
好ましくは、前記顧客タイプ分類部は、前記非喫煙顧客群に該当する顧客を正常顧客、注意顧客及び危険顧客に細分類することができる。
【0039】
好ましくは、前記顧客タイプ分類部は、前記管理データから抽出される独立変数を適用して前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことができる。
【0040】
好ましくは、前記顧客タイプ分類部は、前記顧客を細分類するための基準を従属変数に設定して、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことができる。
【0041】
好ましくは、前記顧客タイプ分類部は、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間に該当する顧客を前記第2喫煙顧客に細分類し、そして、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を前記第1喫煙顧客に細分類することができる。
【0042】
好ましくは、前記顧客タイプ分類部は、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の3倍数以上である区間に該当する顧客を前記危険顧客に細分類し、標準偏差の1倍数以上である区間に該当する顧客を前記注意顧客に細分類し、そして、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、前記非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の1倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を前記正常顧客に細分類することができる。
【0043】
好ましくは、前記分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の各客室に対する管制警報を前記顧客に伝達する管制警報伝送部と;前記分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の管理者にレポーティング型分析情報を提供する分析情報提供部と;をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明の一態様によれば、限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得し、喫煙の有無による空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された空気質データを分析し、空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断することによって、室内空気質の測定を通じて、室内での喫煙の有無だけでなく、煙草、電子タバコなどの喫煙タイプも把握することができ、さらに、火災などの異常状況も感知可能になる。
【0045】
また、本発明の他の態様によれば、宿泊施設の各客室に対する異常発生履歴と関連する顧客群に含まれる顧客及び当該客室に関する情報を管制サービスを介して管理者に提供するので、管理者が各客室の異常発生履歴を容易に確認して顧客及び客室を管理できるという効果がある。
【0046】
また、本発明の他の態様によれば、客室での喫煙などの異常行動が探知される場合、顧客に管制警報をリアルタイムで伝達して宿泊施設の不正使用行為を抑制させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムを概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデルのうち、SVM(Support Vector Machine)を説明するための図である。
図3】本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデルに適用される最適の媒介変数を選定するための方式のうち、交差検証(cross validation)を説明するための図である。
図4】本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデル及び媒介変数を評価するための評価指標のうち、混同行列(confusion matrix)を説明するための図である。
図5】本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムの室内空気診断部で室内空気質を診断する過程の一例を説明するための図である。
図6】本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の他の実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムを説明するための参照図である。
図8】本発明に係るサービス提供装置10の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の他の実施例によって宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類する過程を説明するための参考図である。
図10】本発明の他の実施例によって宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類する過程を説明するための参考図である。
図11】本発明の他の実施例によって宿泊施設を利用する顧客に伝達される管制警報を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明を添付の図面を参照して詳細に説明すると、次の通りである。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不要に曖昧にする可能性がある公知の機能、及び構成に関する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0049】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0050】
また、明細書に記載された「...部」という用語は、1つ以上の機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアの結合で具現され得る。
【0051】
図1は、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムを概略的に示した図である。
【0052】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システム100は、使用者のモバイル200と通信接続されて信号を授受することができる。本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システム100は、空気質測定部110、空気質分析部120、室内空気診断部130及び報知信号出力部140を含んで構成される。図1に示された室内空気質の診断及び管理システム100は一実施例に係るものであり、図1に示された構成要素が図1に示された実施例に限定されるものではなく、必要に応じて付加、変更または削除されてもよい。
【0053】
空気質測定部110は、限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得することができる。一実施例において、前記限られた空間は、車両、部屋などの内部のように壁、ドアなどによって区画されている空間を意味する。空気質測定部110は、空気質センサ(Air Quality Sensor、AQS)であってもよい。空気質センサは、空気に含まれているECO2、TVOC、PM10、PM2.5などの有害物質の数値を測定するセンサである。空気質測定部110で室内空気質を測定して生成された空気質データは、空気質分析部130での機械学習に用いられたり、空気質データを分析するのに用いられる。
【0054】
空気質分析部120は、喫煙の有無による前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された前記空気質データを分析することができる。一実施例において、空気質分析部120は、前記室内で喫煙を行ったときの空気質データである喫煙データ、及び前記室内で喫煙を行わなかった場合の空気質データである非喫煙データを学習して、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデルを生成したり、前記室内で煙草で喫煙を行ったときの空気質データである煙草データ、及び電子タバコで喫煙を行ったときの空気質データである巻きタバコ型データを学習して、喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成したりする、探知モデル生成部121を含むことができる。
【0055】
探知モデル生成部121は、空気質測定部110で測定された空気質データを分析し、機械学習して、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデル、及び喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルのうちの1つ以上を生成することができる。このとき、探知モデル生成部121は、決定木(decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)及びSVM(Support Vector Machine)を含む教師あり学習モデルから選択された1つ以上のモデルを用いて、喫煙探知モデルまたは喫煙タイプ分類モデルを生成することができる。探知モデル生成部121で用いられるモデルを説明すると、下記の通りである。
【0056】
決定木
決定木(decision tree)は、全データを条件に応じて小さな集団に分類あるいは予測する教師あり学習モデルであって、その形態がツリー構造である。決定木は、視覚化を通じて、どのような具体的な基準を通じてデータを分けたかを知ることができるので、条件及び分岐を説明しやすいという利点がある。
【0057】
ツリー構造に対して、全く分けられていないデータの場合を根ノードと呼び、条件に応じて分けられた集団を子ノードと呼び、これ以上分けられない集団を最終ノードと呼ぶ。
【0058】
最終的に導出しようとするクラス(モデルを通じて得ようとする解)の形態が離散型(ex.0,1,2...)である場合には分類木と呼び、そうではなく、連続型(ex.10.23,14.56...のような連続した数字の形態)である場合には回帰木と呼ぶ。
【0059】
本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121が、教師あり学習モデルのうち決定木を用いる場合、1件の空気質データに対して、喫煙であるか否か、電子タバコであるか煙草であるかを分類することが目的であるため、分類木を使用する。
【0060】
分類木の場合、データを継続して分割する際には、用いる変数の値のカイ二乗統計量のp値(p-value)、ジニ指数、エントロピー指数などの指標のうちの1つを用いる。
【0061】
p値が小さいほど、分割されたノード間の異質性が大きくなり、ジニ指数とエントロピー指数の値が小さいほど、ノード内のデータ間の異質性が小さくなる。モデルは、ノード間の異質性が高く、ノード内のデータ間の異質性が小さい方向に条件を定める。
【0062】
ノードを分ける基準に対するオプションが様々であるため、研究者は自分が願う方向に合わせて選択することができる。
【0063】
但し、決定木は、学習データに応じてモデル間の偏差が大きいため、むしろ、その結果を一般化して使用しにくいという欠点があり、これを克服したものがランダムフォレスト技法である。
【0064】
ランダムフォレスト
ランダムフォレスト(random forest)は、決定木をベースとして作られた教師あり学習モデルであって、複数個の決定木を通じて出た結果のうち、最も多く登場する結果を選択する方式(アンサンブル技法のうちのバギング)に従う。
【0065】
既存の決定木のデータ依存性を克服するために、ランダムフォレストは、学習データに対して復元抽出を通じてN個のデータを選択し、予測又は分類を行うために考慮する変数(例)空気質センサの測定値)をランダムにd個選択して学習をする方式である。このようにして、K個の決定木を通じて予測及び分類を行う。各K個の結果に対する平均あるいは最も多く登場する結果を最終値として決定する。
【0066】
一実施例において、パイソン3(Python 3)言語を用いてランダムフォレスト及びその他の様々な機械学習モデルを生成するとき、いくつかのハイパーパラメータ(モデルの設定値)に応じて予測及び分類の結果が変わり得る。複数回の学習(実験)を通じて最も良い結果を出すハイパーパラメータを選択することによって、モデルを最適化する。
【0067】
本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121で利用可能な教師あり学習モデルは、決定木の個数、最大に抽出できる変数の個数、決定木の深さ、一つのノードを構成するデータの最小個数、最終ノードを構成するのに必要な最小限のデータ数などのハイパーパラメータを検討することができ、グリッドサーチ(Grid Search)技法を通じて選定することができる。下記の表は、本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121で利用可能な教師あり学習モデルのハイパーパラメータの一例を示したものである。
【0068】
【表1】
【0069】
XGBOOST
XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)とは、決定木をベースとして勾配ブースティング(Gradient Boosting)技法を適用し、分散環境でも実行できるように具現して比較的速いという利点を有している教師あり学習モデルである。
【0070】
このとき、ブースティングは、アンサンブル技法の一つであって、複数個のモデルに順次に学習及び予測/分類を行いながら、誤予測されたデータに対して重みを付与してエラーを改善する方法である。勾配ブースティングは、重みをアップデートする際に、勾配降下法を用いる。勾配降下法は、初期値から費用関数を微分した値を引く方法で値を初期化し、微分した値が最小になるまで繰り返す。
【0071】
XGBOOSTは、学習パラメータに応じて性能が変わる可能性が大きいため、様々なパラメータに対する実験を進行しながら最適化を行うことができる。
【0072】
SVM
SVM(Support Vector Machine)とは、データの分類のために基準線を定義する教師あり学習モデルであって、属性の個数に応じて、分類のための基準線を引く方式も変わる。このとき、基準線を決定境界と呼ぶこともある。
【0073】
図2は、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデルのうち、SVM(Support Vector Machine)を説明するための図である。
【0074】
図2を参照すると、例えば、図2の(a)のように、分類に用いる変数の値が2個(ex.PM2.5、PM10のみを用いれば)であれば、2次元のグラフで分類することができる。また、図2の(b)のように、変数の値が3個(ex.PM2.5、PM10、TVOC)に増えれば、3次元のグラフで分類しなければならない。このとき、決定境界は、線ではなく、平面となってしまう。本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121で利用可能な教師あり学習モデルの場合、3つの特性(feature)を用いて学習することができ、視覚化すれば、図2の(b)のような図に分類されたはずである。
【0075】
図2に示されたように、属性の個数が増えるほど、モデルも複雑になるという特性を有し、分類する基準‘線’(決定境界)も次第に高次元に変わるようになる(これを超平面と呼ぶ)。
【0076】
SVMは、基本的にマージン(margin)を最大化しようとする方向に学習する。マージンとは、図2の(c)に示されたように、分けられた範疇の間の距離を意味する。図2の(c)のように、余裕をもって2つの範疇間の距離が大きいほど、よく分けられたものである。本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121で利用可能な教師あり学習モデルも、マージンの最大化を目的として学習を行うことができ、結果的に、実施例のモデルは、SVMで最も良い正確度(Accuracy)を示した。
【0077】
再び図1に戻り、探知モデル生成部121は、教師あり学習モデルに適用される媒介変数(hyper parameter)において、グリッドサーチ(grid search)及び交差検証(cross validation)のうちの1つ以上の方式で最適の媒介変数を選定することができる。探知モデル生成部121で媒介変数を選定するのに用いられる方式を説明すると、下記の通りである。
【0078】
グリッドサーチ
グリッドサーチ(grid search)は、最適のモデルのハイパーパラメータを探索するための方法論の一つである。迅速に探索可能であり、効率性が高いという利点がある。グリッドサーチは、使用者が任意に指定したハイパーパラメータの候補を、可能な全ての組み合わせを適用して、最も良い点数(評価指標に基づいて)を出すことができる最適の媒介変数を探索する方法論である。
【0079】
交差検証
交差検証は、利用可能なデータセットが少ない際に過剰適合を防止するための最適化方法論である。
【0080】
図3は、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデルに適用される最適の媒介変数を選定するための方式のうち、交差検証(cross validation)を説明するための図である。
【0081】
図3に示されたように、全データセットを一定の値K個に分け、K回評価する方式であって、検証するデータが固定されず、全てのデータセットに対する評価及び検証を行うことができる方式で、正確度を高めることができる。
【0082】
再び図1に戻り、探知モデル生成部121は、喫煙探知モデルまたは喫煙タイプ分類モデルを生成するのに用いられた教師あり学習モデル及び媒介変数を評価するために、混同行列(Confusion matrix)を用いて正確性(auccuracy)を評価することができる。混同行列について説明すると、下記の通りである。
【0083】
混同行列
混同行列は、分類問題をどれほどうまく解いたかを確認する際に用いる表である。
【0084】
図4は、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムで用いられる教師あり学習モデル及び媒介変数を評価するための評価指標のうち、混同行列(confusion matrix)を説明するための図である。
【0085】
図4の列は、分類モデルが予測した結果であり、行は、実際の当該値である。仮に予測した値がうまく当たった場合に、TN、TP、間違った場合に、FP、FNと表示される。
【0086】
正確度(accuracy)は、実際のデータに予測データがどれくらい近いかを判断する指標であって、本発明の一実施例に係る室内空気診断システム100の探知モデル生成部121で利用可能な教師あり学習モデルの場合、誤探知に対する圧迫よりは、実際に、どれくらい探知をしたかがさらに重要であるため、正確度を用いることができる。正確度を示す数式は、以下の通りである。
【0087】
【数1】
【0088】
上述したように、空気質分析部120の探知モデル生成部121は、機械学習を通じて、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデル、または喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成することによって、室内空気診断部130が室内空気質を診断するのにこれを活用できるようにする。
【0089】
室内空気診断部130は、空気質分析部120の空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断する。一実施例において、室内空気診断部130は、喫煙探知モデルによって、第1設定時間以内に第1設定回数で喫煙として探知された場合、室内に喫煙者が存在すると判断することができる。例えば、室内空気診断部130は、喫煙探知モデルによって喫煙の有無を探知できるが、2分以内に3回以上喫煙として探知された場合、室内に喫煙者が存在すると判断することができる。ここで、第1設定時間又は第1設定回数は、室内に喫煙者が存在するものと判断するために適切な値に設定され得、必要に応じて使用者が設定することができる。
【0090】
一実施例において、室内空気診断部130は、前記喫煙タイプ分類モデルによって喫煙タイプを分類して、煙草と分類された回数と電子タバコと分類された回数を合算し、煙草と分類された回数及び電子タバコと分類された回数のうち、過半数を超える回数を基準として喫煙タイプを診断することができる。例えば、室内空気診断部130は、2分以内に煙草と分類された回数が3回、電子タバコと分類された回数が1回である場合、喫煙タイプを煙草として診断することができる。
【0091】
また、一実施例において、室内空気診断部130は、前記室内に喫煙者が存在すると判断した場合には、第1設定回数の喫煙探知後には最初の喫煙探知時点から第2設定時間の間喫煙を探知しないことができる。例えば、2分以内に3回以上喫煙として探知されて、室内に喫煙者が存在すると判断された場合、最初の喫煙探知時点から6分間喫煙を探知しないことができる。このように一定時間の間喫煙を探知しない理由は、一度の喫煙行為に対して重複して喫煙の探知が起こることを防止するためである。一実施例において、第2設定時間は6分に設定されたが、これは、平均喫煙時間4分及び正常空気質回復時間2分を考慮して設定されたものである。しかし、第2設定時間は、これに限定されず、適切な値に設定可能であり、必要に応じて使用者が設定することができる。
【0092】
室内空気診断部130は、空気質測定部110を通じて測定されたECO2の数値が第1基準値以上であり、TVOCの数値が第2基準値以上である場合、または、PM10の数値が第3基準値以上であり、PM2.5の数値が第4基準値以上である場合、「空気質悪い」と判断することができる。すなわち、室内空気診断部130は、空気質測定部110を通じて測定された測定値が所定の閾値を超える場合には、単純に喫煙によるものではなく、空気質が悪いと判断することができる。例えば、前記第1基準値は1000μg/mであり、前記第2基準値は1300μg/mであり、前記第3基準値は80μg/mであり、前記第4基準値は35μg/mであってもよい。PM10の第3基準値の例である80μg/m及びPM2.5の第4基準値の例である35μg/mは、気象庁で指定した空気質基準に従って選定した値を例として挙げたものである。一方、ECO2及びTVOCの場合には、気象庁や国際標準基準によって等級が別途に定められていないため、実験を通じて収集された空気質観測値でPM10及びPM2.5が「空気質悪い」レベルであるとき、TVOC、ECO2の観測値の平均集計を出して算出した値を基準として、ECO2の第1基準値及びTVOCの第2基準値の例を定めた。このような第1~第4基準値は、例として挙げた値に限定されず、第1~第4基準値は、使用者の必要に応じて設定可能である。
【0093】
また、室内空気診断部130は、空気質測定部110を通じて測定されたECO2の数値が第5基準値以上、TVOCの数値が第6基準値以上、PM10の数値が第7基準値以上、PM2.5の数値が第8基準値以上として第3設定時間以内に第2設定回数で確認される場合、異常状況と判断することができる。ここで、異常状況とは、火災などにより室内有害物質の濃度が非常に高くなる状況を意味することができる。例えば、前記第5基準値は3500μg/mであり、前記第6基準値は4000μg/mであり、前記第7基準値は1700μg/mであり、前記第8基準値は1700μg/mであってもよい。前記第5~第8基準値の例は、実際に二酸化炭素警報が鳴るほどの異常状況であるときの実験測定値を例として定めたものである。このような第5~第8基準値は、例として挙げた値に限定されず、第5~第8基準値は、使用者の必要に応じて設定され得る。このとき、第5基準値は、第1基準値よりも大きい値であり、第6基準値は、第2基準値よりも大きい値であり、第7基準値は、第3基準値よりも大きい値であり、第8基準値は、第4基準値よりも大きい値である。ここで、第3設定時間又は第2設定回数は、異常状況を判断するために適切な値に設定可能であり、必要に応じて使用者が設定することができる。例えば、第3設定時間は2分、第2設定回数は3回であってもよい。
【0094】
以上のように、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システム100の室内空気診断部130が室内空気質を診断する過程を実施例を通じて説明した。下記図5を参照して、室内空気診断部130が室内空気質を診断する過程をより具体的に説明する。
【0095】
図5は、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムの室内空気診断部で室内空気質を診断する過程の一例を説明するための図である。
【0096】
図5を参照すると、室内空気診断部130に空気質測定部110で測定された空気質データが入力されると、まず、ECO2の数値が第5基準値(X)以上、TVOCの数値が第6基準値(Y)以上、PM10の数値が第7基準値(Z)以上、PM2.5の数値が第8基準値(W)以上として第3設定時間以内に第2設定回数であるかを判断する(S501)。そして、第3設定時間以内に第2設定回数である場合、異常状況として探知する(S502)。
【0097】
異常状況として探知されない場合、空気質データは喫煙探知モデルを経るようになる(S503)。その結果、喫煙として探知されると(S504)、係数を1ずつ増加させ(S505)、係数が3以上になると(S506)、空気質データは喫煙タイプ分類モデルに入るようになる(S507)。これによって、喫煙タイプが煙草であるか、電子タバコであるかが分類される(S508)。
【0098】
ステップ(S505)で喫煙として探知されない場合、空気質データは、ECO2の数値が第1基準値(X)以上であり、TVOCの数値が第2基準値(Y)以上であるか、または、PM10の数値が第3基準値(Z)以上であり、PM2.5の数値が第4基準値(W)以上であるかを判断する(S509)。そして、第1~第4基準値以上である場合、「空気質悪い」と判断し(S510)、そうでない場合には空気質診断プロセスが終了する。
【0099】
再び図1に戻り、報知信号出力部140は、室内空気診断部130の空気診断結果による報知信号を生成及び出力する。例えば、報知信号出力部140は、スピーカーを介して警告音を出して喫煙者がいることを知らせたり、表示板を通じて表示して喫煙者がいることを知らせることができる。または、報知信号出力部140は、管理者や使用者のモバイル200に、無線通信を介して、喫煙者がいることを知らせる短文メッセージやプッシュ(push)メッセージを送信することができる。これによって、周辺にいる管理者や使用者が喫煙者がいることを迅速かつ正確に確認できるようになる。
【0100】
図6は、本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法を説明するためのフローチャートである。図6を参照すると、本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法が開始されると、まず、限られた空間の室内空気質を測定して空気質データを取得する(S610)。そして、喫煙の有無による前記空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得された前記空気質データを分析する(S620)。
【0101】
その次に、前記空気質データの分析結果に応じて、室内喫煙の有無及び喫煙タイプのうちの1つ以上を診断する(S630)。
【0102】
その後、前記室内空気診断ステップの空気診断結果による報知信号を生成及び出力する(S640)。
【0103】
本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法は、上述した室内空気質の診断及び管理システムの各構成要素によって実現され得、本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法は、上述した室内空気質の診断及び管理システムと同様に室内空気質の診断を行うので、本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法についての具体的な説明は、重複説明を防止するために省略する。
【0104】
本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法は、プログラムで実現され、コンピュータ読み取り可能な形態でCD-ROM、RAM、ROM、フロッピーディスク(floppy disk)、ハードディスク(hard disk)、光磁気ディスク、SD(Secure Digital)カード、マイクロ(micro)SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリのような記録媒体に格納され得る。
【0105】
本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法は、ウェブベース(web-based)のプログラムの形態で実現されてもよく、モバイル(mobile)端末にインストールされたアプリケーション(application)の形態で実現されてもよい。また、本発明の一実施例に係る室内空気質診断方法が実現されたプログラムは、本発明の一実施例に係る室内空気質の診断及び管理システムにインストールされた形態であってもよい。
【0106】
図7は、本発明の他の実施例に係る室内空気質の診断及び管理システム(以下、管理システム)を説明するための参照図である。
【0107】
図7を参照すると、管理システムは、一般の宿泊施設に適用されるシステムであって、このような管理システムは、サービス提供装置10と、宿泊施設の各客室に設置され得る空気質測定機器20と、使用者(あるいは管理者)に宿泊施設に関連する情報を伝達するための管理者端末30とを含んで構成され得る。このようなサービス提供装置10は、空気質測定機器20及び管理者端末30とネットワークを介して接続され得る。
【0108】
サービス提供装置10は、空気質分析を用いた宿泊施設管理サービスを提供するサービスプロバイダによって管理されるコンピューティング装置に該当し、サーバーとして実現され得る。ここで、サービス提供装置10は、空気質測定機器20及び管理者端末30とネットワークを介して接続され、接続される空気質測定機器20-1,20-2,20-3...から収集される宿泊施設の空気質データを分析し、分析結果及び前記分析結果による顧客タイプ情報を管理者端末30に伝送することによって、管理者が管理しなければならない宿泊施設の各客室に対する管制を統合的に行うことができる宿泊施設管理サービスを提供することができる。ここで、空気質測定機器20-1,20-2,20-3...のそれぞれは、例えば、宿泊施設の101号、102号及び103号の客室に設置され得る。また、管理者端末30は、宿泊施設管理者によって携帯、管理または操作されるコンピューティング装置である。本発明に係る管理者端末30は、ディスプレイ装置を含み、管理者に空気質管制サービスを提供するための手段として用いられるコンピューティング装置であって、例えば、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップPCなどの電子機器に該当することができる。但し、このような例は、本発明の権利範囲を限定しようとするものではなく、ディスプレイ装置を介して管理者に視覚的情報を提供可能なコンピューティング装置であれば、本発明に係る管理者端末30として解釈されるべきである。
【0109】
図8は、本発明に係るサービス提供装置10の構成を示すブロック図である。
【0110】
図2を参照すると、本発明に係るサービス提供装置10は、管理データ構築部210、空気質測定部220、空気質分析部230及び顧客タイプ分類部240を含んで構成され得る。また、本発明に係るサービス提供装置10は、一実施例によって管制警報伝送部250及び分析情報提供部260をさらに含んで構成されてもよい。
【0111】
管理データ構築部210は、宿泊施設に対する管理データを構築することができる。一実施例において、管理データ構築部210は、顧客の宿泊施設の利用履歴及び喫煙履歴のうちの1つ以上に基づいて管理データを構築することができる。ここで、構築される管理データに含まれる情報は、本発明の一実施例によって行われる顧客タイプ分類過程に用いられ得る。
【0112】
空気質測定部220は、前記宿泊施設の各客室別の空気質データを取得することができる。一実施例において、空気質測定部220は、空気質を測定しようとする宿泊施設の各客室に設置される空気質測定機器20から空気質データを収集することができる。ここで、空気質測定機器20から収集されるデータは、微細粉塵の濃度、二酸化炭素の濃度、及び揮発性有機化合物の濃度のうちの少なくとも1つを含むことができる。また、空気質測定機器20は、空気質センサ(Air Quality Sensor、AQS)を含んで構成され得る。空気質センサは、空気に含まれているECO2、TVOC、PM10、PM2.5などの有害物質の数値を測定するセンサであって、空気質測定機器20から収集される空気質データは、空気質分析部230での機械学習に使用されたり、空気質データを分析するのに使用され得る。
【0113】
空気質分析部230は、空気質データの機械学習の結果に基づいて、取得した空気質データを分析することができる。
【0114】
一実施例において、空気質分析部230は、宿泊施設の各客室に対する異常状況を診断することができる。例えば、空気質測定機器20を通じて測定されるECO2の数値が第1基準値以上であり、TVOCの数値が第2基準値以上である場合、または、PM10の数値が第3基準値以上であり、PM2.5の数値が第4基準値以上である場合、宿泊施設の空気質が異常状態であると診断することができる。すなわち、空気質分析部230は、空気質測定機器20を通じて測定された測定値が所定の閾値を超える場合には、単純に喫煙によるものではなく、空気質異常状態であると診断することができる。具体的に例を挙げると、前記第1基準値は1000μg/mであり、前記第2基準値は1300μg/mであり、前記第3基準値は80μg/mであり、前記第4基準値は35μg/mであってもよい。PM10の第3基準値の例である80μg/m及びPM2.5の第4基準値の例である35μg/mは、気象庁で指定した空気質基準に従って選定した値を例として挙げたものである。一方、ECO2及びTVOCの場合には、気象庁や国際標準基準によって等級が別途に定められていないため、実験を通じて収集された空気質観測値でPM10及びPM2.5が空気質異常状態のレベルであるとき、TVOC、ECO2の観測値の平均集計を出して算出した値を基準として、ECO2の第1基準値及びTVOCの第2基準値の例を定めた。このような第1~第4基準値は、例として挙げた値に限定されず、第1~第4基準値は、必要に応じて変更設定されてもよい。
【0115】
空気質分析部230は、空気質測定機器20を通じて測定されたECO2の数値が第5基準値以上、TVOCの数値が第6基準値以上、PM10の数値が第7基準値以上、PM2.5の数値が第8基準値以上として第1設定時間以内に第1設定回数で確認される場合、宿泊施設の空気質が危険状態であると診断することができる。ここで、危険状態とは、火災などにより室内有害物質の濃度が非常に高くなる状況を意味することができる。具体的に例を挙げると、前記第5基準値は3500μg/mであり、前記第6基準値は4000μg/mであり、前記第7基準値は1700μg/mであり、前記第8基準値は1700μg/mであってもよい。前記第5~第8基準値の例は、実際に二酸化炭素警報が鳴るほどの危険状態であるときの実験測定値を例として定めたものである。このような第5~第8基準値は、例として挙げた値に限定されず、第5~第8基準値は、必要に応じて変更設定されてもよい。このとき、第5基準値は、第1基準値よりも大きい値であり、第6基準値は、第2基準値よりも大きい値であり、第7基準値は、第3基準値よりも大きい値であり、第8基準値は、第4基準値よりも大きい値である。ここで、第1設定時間又は第1設定回数は、危険状態を診断するために適切な値に設定可能であり、必要に応じて変更設定されてもよい。例えば、第1設定時間は2分、第1設定回数は3回であってもよい。
【0116】
一実施例において、空気質分析部230は、取得した空気質データに対する機械学習の結果に基づいて、空気質異常タイプを分類するためのモデルを生成する、分類モデル生成部を含むことができる。このような分類モデル生成部は、決定木(decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、XGBOOST(Extreme Gradient Boosting)及びSVM(Support Vector Machine)を含む学習モデルから選択された1つ以上の学習モデルを用いて、喫煙探知モデルまたは喫煙タイプ分類モデルを生成することができる。
【0117】
一実施例において、分類モデル生成部は、宿泊施設の客室内の喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデル、及び前記宿泊施設の客室内の喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成することができる。具体的に、分類モデル生成部は、室内で喫煙が発生したときの空気質データである喫煙データ、及び室内で喫煙が発生しなかった場合の空気質データである非喫煙データを学習して、室内喫煙の有無を探知できる喫煙探知モデルを生成したり、室内で煙草の喫煙が発生したときの空気質データである煙草データ、及び電子タバコの喫煙が発生したときの空気質データである巻きタバコ型データを学習して、喫煙タイプを分類できる喫煙タイプ分類モデルを生成したりすることができる。
【0118】
一実施例において、分類モデル生成部は、前記学習モデルに適用される媒介変数(hyper parameter)において、グリッドサーチ(grid search)及び交差検証(cross validation)のうちの1つ以上の方式で最適の媒介変数を選定することができる。
【0119】
一実施例において、空気質分析部230は、喫煙探知モデルによって第2設定時間以内に第2設定回数の喫煙が探知された場合、宿泊施設利用顧客が喫煙したと判断することができる。例えば、空気質分析部230は、喫煙探知モデルによって喫煙の有無を探知することができるが、2分以内に3回以上喫煙が探知された場合、宿泊施設利用顧客が喫煙したと判断することができる。ここで、第2設定時間又は第2設定回数は、前記顧客の喫煙の有無を判断するために適切な値に設定可能であり、必要に応じて変更設定されてもよい。
【0120】
一実施例において、空気質分析部230は、宿泊施設利用顧客が喫煙したと判断した場合、第2設定回数の喫煙探知後には最初の喫煙探知時点から第3設定時間の間喫煙を探知しないことができる。例えば、2分以内に3回以上喫煙が探知されて、前記顧客が喫煙したと判断された場合、最初の喫煙探知時点から6分間喫煙を探知しないことができる。このように一定時間の間喫煙を探知しない理由は、一度の喫煙行為に対して重複して喫煙の探知が起こることを防止するためである。前記例において、第3設定時間は6分に設定されたが、これは、平均喫煙時間4分及び正常空気質回復時間2分を考慮して設定されたものである。しかし、第3設定時間がこれに限定されるものではなく、適切な値に設定されたり、必要に応じて変更設定されてもよい。
【0121】
一実施例において、空気質分析部230は、喫煙タイプ分類モデルを通じて分類される喫煙タイプに基づいて最終喫煙タイプを診断するが、煙草分類回数及び電子タバコ分類回数のうち、さらに高い回数を示す喫煙タイプを前記最終喫煙タイプとして診断することができる。
【0122】
顧客タイプ分類部240は、管理データ及び空気質データの分析結果に基づいて、宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類することができる。ここで、分類される顧客のタイプは、管理データを構築するのに用いられ得、宿泊施設を管理する管理者に伝達される場合、前記管理者が、各顧客のタイプによるカスタマイズサービスを提供するために用いられ得る。
【0123】
一実施例において、顧客タイプ分類部240は、顧客を喫煙顧客群、非喫煙顧客群及びその他の顧客群のいずれかに該当するように分類することができる。ここで、喫煙顧客群は、宿泊施設内で喫煙する顧客を含み、非喫煙顧客群は、正常に宿泊施設を利用したり、利用中の客室に対する正常な空気質が診断される顧客、客室内の空気質が異常状態であると診断される顧客、及び宿泊施設の火災又は異常行動による空気質危険が診断される顧客を含み、その他の顧客群は、客室に設置される空気質測定機器20の空気質センサから測定される値の変化がない場合、及び測定される値がサービス提供装置10に伝送されない場合に該当する顧客を含むことができる。各顧客群の分類は、基本的に空気質分析部230の分析結果を反映して行われ得る。ここで、顧客タイプ分類部240の顧客タイプの分類には、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析が用いられ得るが、これについての詳細な部分は後述する。
【0124】
一実施例において、顧客タイプ分類部240は、喫煙顧客群に該当する顧客を第1喫煙顧客または第2喫煙顧客に細分類することができる。ここで、第1喫煙顧客は、第2喫煙顧客に比べて相対的に少ない一定量以下の喫煙が感知される顧客、及び煙草よりも電子タバコを通じた喫煙の回数がさらに多い顧客を含むことができ、宿泊施設の客室に設定された基準以下の影響を及ぼす顧客を意味することができる。また、第2喫煙顧客は、第1喫煙顧客よりも多くの喫煙量が感知される顧客であって、例えば、数回の喫煙が感知され、宿泊施設に設定された基準以上の影響を及ぼす顧客を意味することができる。
【0125】
一実施例において、顧客タイプ分類部240は、非喫煙顧客群に該当する顧客を正常顧客、注意顧客及び危険顧客に細分類することができる。ここで、正常顧客は、客室の正常な空気質が診断され、宿泊施設を定められた規則に従って正常に利用する顧客を意味することができ、注意顧客は、客室内の空気質が異常状態であると診断される顧客を意味することができる。また、危険顧客は、宿泊施設の火災又は異常行動による空気質危険が診断される顧客など、異常状況が発生する顧客を意味することができる。
【0126】
一実施例において、顧客タイプ分類部240は、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を通じて各顧客群に該当する顧客を細分類することができる。具体的に例を挙げると、顧客タイプ分類部240は、管理データから抽出される独立変数を適用してロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことができる。ここで、管理データから抽出される独立変数は、顧客の過去の宿泊施設の利用回数、宿泊施設の利用期間、宿泊施設内の顧客位置情報、顧客が利用する客室タイプ情報、顧客の喫煙履歴(喫煙頻度を含む)、現在の顧客の喫煙頻度、空気質測定機器20の設置日及び空気質測定機器20のソフトウェア情報などを含むことができる。
【0127】
また、顧客タイプ分類部240は、顧客を細分類するための基準を従属変数に設定して、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行うことができる。本発明の一実施例によれば、前記顧客を細分類するための基準は標準偏差であり得る。
【0128】
これと関連して、図9及び図10は、本発明の他の実施例によって宿泊施設を利用する顧客のタイプを分類する過程を説明するための参考図である。
【0129】
図9及び図10を参照すると、一実施例において、顧客タイプ分類部240は、前記ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間に該当する顧客を第2喫煙顧客に細分類し、喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の2倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を前記第1喫煙顧客に細分類することができる。また、顧客タイプ分類部240は、ロジスティック回帰分析またはクラスター分析を行って、非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の3倍数以上である区間に該当する顧客を危険顧客に細分類し、標準偏差の1倍数以上である区間に該当する顧客を注意顧客に細分類し、非喫煙顧客群に該当する顧客のうち、平均よりも標準偏差の1倍数以上である区間を除いた区間に該当する顧客を正常顧客に細分類することができる。
【0130】
管制警報伝送部250は、分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の各客室に対する管制警報を前記顧客に伝達することができる。
【0131】
これと関連して、図11は、本発明の他の実施例によって宿泊施設を利用する顧客に伝達される管制警報を示す参考図である。
【0132】
図11を参照すると、管制警報伝送部250は、宿泊施設の各客室に備えられたディスプレイ装置(例えば、TV、PCなどの管制警報を出力可能な装置)を介して顧客に管制警報を伝達することができ、顧客の端末を介しても管制警報を伝達することができる。管制警報は、顧客の客室内での喫煙などの不正行為を抑制することができ、火災又は有害物質の濃度の増加などの危険状況が発生する場合にもこれを案内することによって、当該客室に位置した顧客が迅速に対応するようにすることができる。
【0133】
分析情報提供部260は、分類される顧客のタイプに基づいて、前記宿泊施設の管理者にレポーティング型分析情報を提供することができる。
【0134】
一実施例において、分析情報提供部260は、顧客群が分類された顧客の客室で発生した問題と関連する障害レポーティング型分析情報を管理者に伝送することができる。例えば、客室に火災が発生した場合、火災の発生に対するレポーティング型分析情報を管理者にEメールまたは管理者端末30に伝送することによって、管理者が宿泊施設に発生した問題をリアルタイムで把握し、措置を取るようにすることができる。
【0135】
一実施例において、分析情報提供部260は、顧客の喫煙履歴を含むレポーティング型分析情報を管理者に提供することができる。これを通じて、管理者は、各顧客の喫煙履歴をモニタして、各顧客に提供するカスタマイズサービスを設計することができる。例えば、管理者は、喫煙履歴が過度な顧客に宿泊施設の利用に対するペナルティを付与したり、一定回数以上正常に宿泊施設を利用する顧客には特典を付与する方式を適用した宿泊施設提供サービスを設計することができる。
【0136】
以上、本発明の特定の実施例を図示し、説明したが、本発明の技術思想は、添付の図面及び前記の説明内容に限定されず、本発明の思想を逸脱しない範囲内で様々な形態の変形が可能であることは、この分野の通常の知識を有する者には自明な事実であり、このような形態の変形は、本発明の精神に違背しない範囲内で本発明の特許請求の範囲に属すると言える。
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図9
図10
図11
【国際調査報告】