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特表2024-509815電気自動車を再充電するための電気自動車に取り付け可能な装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】電気自動車を再充電するための電気自動車に取り付け可能な装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240227BHJP
   H02G 11/02 20060101ALI20240227BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240227BHJP
   H01R 13/639 20060101ALN20240227BHJP
   H01R 13/52 20060101ALN20240227BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02G11/02
H02J7/00 P
B60L53/14
H01R13/639 A
H01R13/52 302Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553013
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2022054769
(87)【国際公開番号】W WO2022184566
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】2101962
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517455904
【氏名又は名称】グルプラグ
【氏名又は名称原語表記】GULPLUG
【住所又は居所原語表記】9 Rue Cornelie Gemond,38000 Grenoble,France
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】トラウフラード ロナン
(72)【発明者】
【氏名】ウォロザン ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ルフォショウ アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5G371
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC31
5E021HA10
5E021HC26
5E087FF06
5E087LL17
5E087LL29
5E087MM09
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR04
5E087RR12
5E087RR13
5E087RR36
5G371AA01
5G371BA05
5G371CA01
5G371CA04
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF12
5H125FF13
(57)【要約】
本発明は、再充電することを目的として電気機器(4)に取り付け可能な装置(5)に関する。該装置は、その先端に電気プラグ(2)を有するケーブル(8)、ケーブルを作動させるための移動アセンブリ(9)、及び、移動アセンブリを作動させるための第1機械的作動手段(62、95)を備える収納ユニット(6)であって、収納ユニット(6)から外側にケーブル(8)を解放し、又は、収納ユニット(6)をケーブル内に格納することを目的として、第1機械的作動手段が移動アセンブリを作動するように構成される収納ユニット(6)と、ケーブル(8)が格納されたときに電気プラグ(2)を収納し、開閉作動可能なカバー(72)を備えた閉塞装置を有する収納ケース(71)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再充電することを目的として電気機器(4)に取り付け可能な装置(5)であって、
その端部に電気プラグ(2)を有するケーブル(8)、前記ケーブルを作動させるための移動アセンブリ(9)、及び、前記移動アセンブリを作動させるための第1機械的作動手段(62、95)を備える収納ユニット(6)であって、前記収納ユニット(6)から外側に前記ケーブル(8)を開放し、又は、前記ケーブルを前記収納ユニット(6)内に格納することを目的として、前記第1機械的作動手段が前記移動アセンブリを作動するように構成される前記収納ユニット(6)と、
前記ケーブル(8)が格納されたときに前記電気プラグ(2)を収納し、開閉作動可能なカバー(72)を備えた閉塞装置を有する収納ケース(71)と、
前記カバー(72)を開閉制御する第2機械的作動手段(75)と、
前記第1機械的作動手段(62、92)を制御して前記ケーブル(8)を解放又は格納し、前記第2機械的作動手段(75)を制御して前記カバー(72)を開閉する制御手段(C)と、
を備え、
前記制御手段(C)は、検出手段(M1)又は制御部(UC)から電気制御信号(S0、S0’)を受信するように構成される、装置。
【請求項2】
前記収納ユニット(6)に固定された前記ケーブル(8)をガイドするためのダクト(70)を含み、前記ケーブルをガイドするように配置されるガイド装置(7)を備え、
前記ダクトは、前記収納ケース(71)を支持する自由端部を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記収納ケース(71)は、前記第2機械的作動手段(75)により互いに回転するように作動可能なベース(73)とベル(74)とを備える、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー(72)は、第1端部及び第2端部を有する可撓性の閉塞スリーブからなり、前記第2端部は、前記第1端部の上に折り畳まれ、折り目により接続される2つの同軸の側面を有し、前記第1端部は前記ベース(73)に固定され、前記第2端部は前記ベル(74)に固定される、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2機械的作動手段(75)は、前記ベル(74)に形成された歯(752)と係合するギアホイール(750)を備える、
請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記収納ケース(71)は、前記カバーの閉動作の終了を検知する第1センサ(76)と、前記カバーの開動作の終了を検知する第2センサ(77)とを備え、前記センサの各々は、前記ベル(74)にしっかりと固定された指(740)と相互作用するように配置される、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記移動アセンブリ(90)は、前記ケーブル(8)が巻き取られるように意図した巻取器(61)を備える、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記収納ユニット(6)は、前記巻取器に巻き取られていない前記ケーブル(8)の長さを監視するように配置された第1センサ(65)を備える、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記収納ユニット(6)は、前記巻取器から巻き取られた前記ケーブル(8)の長さを監視するように配置された第2センサ(66)を備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記移動アセンブリは、スライド機構(92)上で移動可能なキャリッジ(91)を備える、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
電気接続を行うために連結可能な電気プラグ(2)及び電気ソケット(1)を備え、
前記電気プラグ(2)は、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置により支持される、
電気接続システム。
【請求項12】
中央部が前記電気ソケット(1)により占有されるジャケット(31)を含む台座(3)を備える、
請求項11に記載の電気接続システム。
【請求項13】
前記台座の前記ジャケット(31)に収納され、前記電気ソケット(1)の周りに同心円状に配置された複数のガイドコイルと、
磁場の生成を通して前記電気プラグ(2)を前記電気ソケット(1)に近づけるように前記各ガイドコイルを独立して差動可能な制御シーケンスを実行するように構成される制御手段と、
を備える、請求項12に記載の電気接続システム。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置が固定されるシャーシを備える電気又はハイブリッド車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再充電することを目的として、電気自動車等の機器に取り付け可能な装置に関する。
【0002】
また、本発明は、上記装置を含む電気接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車を再充電するための様々なソリューションが既に提案されている。電気自動車というのは、もちろん100%電気自動車かプラグインハイブリッド(例えば、電気と内燃又は電気と水素の組み合わせ)を意味する。したがって、誘導充電システムに関する多くの特許が出願されている。これらのソリューションでは、電気自動車の電源回路に接続された一次コイルとバッテリに接続された二次コイルが、二次コイルに誘導再充電電流を発生するように互いに対向して配置されている。これらの誘導ベースのソリューションは、人間の介入を伴わないため、特に有利である。しかしながら、大規模な展開を困難にするいくつかの欠点もある。これらの欠点は、次のとおりである:
効率を最大化するには、一次コイルに対して二次コイルを完璧に配置する必要がある;
特に複雑で高価なインフラストラクチャを必要とする;
2つのコイルの相対的な位置決めの調整は、使用する特定の手段を必要とする場合があり、これは、インフラストラクチャの複雑さとそのコストをさらに増加させる;
高周波の電磁波を放射するため、近くの電気機器を妨害したり、健康被害を引き起こしたりする可能性がある。
【0004】
したがって、誘導ベースのソリューションの特定の利点、特に人間の介入の欠如を有するが、そのすべての欠点を有しない電気接続ソリューションを提供することが望ましい。このように、特許出願WO2017/216458A1は、磁気的に吸引する電気ソケットを組み込んだ台座の形態をとる電気接続装置を記載する。電気ソケットは中央に配置され、台座は、電気ソケットの接続前面を囲む表面を有する。電気ソケットは、磁気効果を介して、対応する磁気手段を備えた電気プラグを引き付けることができる磁気手段を備えている。2つの要素が磁気効果によって固定されると、ソケットとプラグの間に電気接続がなされる。プラグは、電気自動車の供給アセンブリなどの電気機器に接続される。1つの特定の実施の形態では、装置は、電気ソケットの周りに同心円状に配置されるように台座に組み込まれる環状形状の複数のコイルを備える。動作時には、電気ソケットを組み込んだ台座は、例えば、地面に置かれ、電気ケーブルによって主電源に接続される。プラグは、台座に近づくと装置から解放される。コイルは、台座の中心、したがって電気ソケットの方向にプラグを導くように設計された制御シーケンスによって制御される。接続は、ソケットとプラグのそれぞれの磁気手段の間に存在する磁気引力を介して行われる。
【0005】
磁気効果を用いて第1の部分を第2の部分に引き付け、2つの部分が連結されたときに電気接続を行う2部分電気接続システムは、先行技術で周知である。それらは、WO2014/202849A1、WO2012/032230A1、EP2595252A1、及びEP1667459A1に特に記載される。また、これは、特許EP2461429B1においても同様であり、それは、プラグが磁気効果によってケーシングに引き付けられて電気接続を行う電気接続システムを記載する。
【0006】
電気自動車のような電気機器を再充電するためには、それが既に使用されている車両であるか、既存又は将来のプラットフォームで製造された新しい車両であるかにかかわらず、再充電される車両に完全に取り付け可能な装置を提供することが不可欠である。この装置は、車両内に恒久的に残るか、全体又は部分的に容易に交換可能であることが有利に意図される。したがって、電気プラグを備えたこの装置は、以下の目的を満たさなければならない:
車両に容易に取り付けられるほどコンパクトである;
ソケットの存在が近くで検出されたときにプラグを展開できるようにする;
すべての状況でソケットとの接続を信頼可能にするために、プラグが常に同じ最終位置になることを保証する;
防塵防水である;
電磁両立性(EMC)、耐振動性、耐衝撃性、温度などの観点から、そのような車両のすべての運転条件を満たす。
【0007】
本発明の目的は、前述の目的の1つ以上を満たすことができる装置を提供することである。
【発明の概要】
【0008】
前述の目的の1つ以上は、電気機器を再充電することを目的として、該電気機器に取り付け可能な装置により達成される。該装置は、
その端部に電気プラグを有するケーブル、前記ケーブルを作動させるための移動アセンブリ、及び、前記移動アセンブリを作動させるための第1機械的作動手段を備える収納ユニットであって、前記収納ユニットから外側に前記ケーブルを開放し、又は、前記ケーブルを前記収納ユニット内に格納することを目的として、前記第1機械的作動手段が前記移動アセンブリを作動するように構成される前記収納ユニットと、
前記ケーブルが格納されたときに前記電気プラグを収納し、開閉作動可能なカバーを備えた閉塞装置を有する収納ケースと、
前記カバーを開閉制御する第2機械的作動手段と、
前記第1機械的作動手段を制御して前記ケーブルを解放又は格納し、前記第2機械的作動手段を制御して前記カバーを開閉する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、検出手段又は制御部から電気制御信号を受信するように構成される。
【0009】
1つの特徴によれば、前記装置は、前記収納ユニットに固定された前記ケーブルをガイドするためのダクトを含み、前記ケーブルをガイドするように配置されるガイド装置を備え、前記ダクトは、前記収納ケースを支持する自由端部を有する。
【0010】
別の特徴によれば、前記収納ケースは、前記第2機械的作動手段により互いに回転するように作動可能なベースとベルとを備える。
【0011】
別の特徴によれば、前記カバーは、第1端部及び第2端部を有する可撓性の閉塞スリーブからなり、前記第2端部は、前記第1端部の上に折り畳まれ、折り目により接続される2つの同軸の側面を有し、前記第1端部は前記ベースに固定され、前記第2端部は前記ベルに固定される。
【0012】
別の特徴によれば、前記第2機械的作動手段は、前記ベルに形成された歯と係合する歯車を備える。
【0013】
別の特徴によれば、前記収納ケースは、前記カバーの閉動作の終了を検知する第1センサと、前記カバーの開動作の終了を検知する第2センサとを備え、前記センサの各々は、前記ベルにしっかりと固定された指と相互作用するように配置される。
【0014】
実施の形態の第1例によれば、前記移動アセンブリは、前記ケーブルが巻き取られるように意図した巻取器を備える。
【0015】
1つの特徴によれば、前記収納ユニットは、前記巻取器に巻き取られていない前記ケーブルの長さを監視するように配置された第1センサを備える。
【0016】
別の特徴によれば、前記収納ユニットは、前記巻取器から巻き取られた前記ケーブルの長さを監視するように配置された第2センサを備える。
【0017】
実施の形態の第2例によれば、前記移動アセンブリは、スライド機構上で移動可能なキャリッジを備える。
【0018】
また、本発明は、電気接続を行うために連結可能な電気プラグ及び電気ソケットを備え、前記電気プラグが上述のような装置により支持される、電気接続システムに関する。
【0019】
1つの特徴によれば、前記電気接続システムは、中央部が前記電気ソケットにより占有されるジャケットを含む台座を備える。
【0020】
別の特徴によれば、前記電気接続システムは、前記台座の前記ジャケットに収納され、前記電気ソケットの周りに同心円状に配置された複数のガイドコイルと、磁場の生成を通して前記電気プラグを前記電気ソケットに近づけるように前記各ガイドコイルを独立して差動可能な制御シーケンスを実行するように構成される制御手段と、を備える。
【0021】
また、本発明は、上記で規定されたような装置が固定されたシャーシを備える電気又はハイブリッド車両に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
その他の特徴及び利点は、添付図面を参照した以下の詳細な説明で明らかになるだろう。
図1】本発明の装置を含む電気接続システムの原理を模式的に示す。
図2】本発明の装置のアーキテクチャを概略的に示す。
図3A】切断状態で横から見た、本発明の装置の実施の形態の第1例を示す。
図3B】接続状態で横から見た、本発明の装置の実施の形態の第1例を示す。
図4】斜視で見た、図3A及び図3Bの本発明の装置の収納ユニットを示す。
図5】横から見た、図3A及び図3Bの本発明の装置の収納ユニットを示す。
図6A】斜視で見た、本発明の装置の実施の形態の第2例を示す。
図6B】斜視で見た、本発明の装置の実施の形態の第2例を示す。
図7A】本発明の装置に使用される収納ケースを示し、その閉止位置と開放位置との間のその閉塞システムの動作原理を示す。
図7B】本発明の装置に使用される収納ケースを示し、その閉止位置と開放位置との間のその閉塞システムの動作原理を示す。
図8A】本発明の装置に使用される収納ケースを示し、その閉止位置と開放位置との間のその閉塞システムの動作原理を示す。
図8B】本発明の装置に使用される収納ケースを示し、その閉止位置と開放位置との間のその閉塞システムの動作原理を示す。
図9A】自動車に組み込まれた装置の動作原理を示す。
図9B】自動車に組み込まれた装置の動作原理を示す。
図9C】自動車に組み込まれた装置の動作原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、電気機器4に固定することができる装置5に関する。この装置は、この機器4の電気供給アセンブリにケーブルで接続され、電気グリッドRに接続された電気ソケット1(以下、「ソケット1」という)に電気的に接続されることを意図された電気プラグ2(以下、「プラグ2」という)を備える。有利にも、機器4は、電気自動車Vの電気供給アセンブリであってもよく、このアセンブリは、再充電される1つ以上のバッテリを含む。上記のように、車両は、100%電気又はプラグインハイブリッドであってもよい。
【0024】
本明細書では、プラグとソケット間の電気接続を広く理解しなければならない。これには、例えば、フラットコンタクトによる単純接触による接続と、例えば、クリップ又はピンとソケット又は同等物との相互作用によるプラグイン接続が含まれる。もちろん、他の電気接続ソリューションも想定することができる。
【0025】
限定的ではないが、プラグ2は、それぞれの電気接点間を機械的に接続して電気接続を行うことを目的として、ソケット1に機械的に連結されることを意図される。本発明の有利な一態様によれば、プラグ2とソケット1との間の機械的連結は、磁気効果を介して達成される。したがって、適切な磁気アーキテクチャにより、プラグ2をソケット1に対して確実に固定することができる。プラグ2がソケット1に差し込まれると、プラグ2の前部がソケット1の前部に機械的に当接する。
【0026】
以降の説明では、軸方向主方向(A)を定義する。この方向は、プラグ2がソケット1に近づく主方向に対応し、したがって、電気接続がなされるソケット1の軸に対応する。
【0027】
有利にも、システムにより、オペレータやロボットの介入なしに、磁気的及び重力的手段のみを使用して、プラグ2を自動的にソケット1に機械的に接続することができる。
【0028】
以降の説明では、「前方」及び「後方」、「上部」及び「下部」、「上部」及び「下部」という用語は、主方向(A)に沿った長手方向の位置に関して考慮されるべきである。
【0029】
限定的ではないが、ソケット1は、ホルダに配置される台座3に統合されてもよい(例えば、グラウンドS-主方向(A)は、その後、地面に直交する)。台座3は、電気グリッドR及び通信システムに接続することを可能にする1つ以上のコネクタ30を含んでもよい。台座3に統合された電気接続により、電気ソケット1を前記コネクタ30に接続することができる。
【0030】
図1を参照して、台座3は、閉止したジャケット31を含み、その中央部はソケット1により占有される。
【0031】
電気ソケット1は、プラグ2に機械的に連結される前面ランド10を備える。この前面ランド10は、平坦又は湾曲、凹状又は凸状の任意の適切な形状であってもよい。
【0032】
ジャケット31は、ソケット1を囲み、ソケット1の前面ランド10を囲む前面310を画定する。この前面310は、ソケット1の前面ランド10の外側にあり、接続専用ではない。この表面の下では、ジャケット31は、プラグ2が近づくにつれて、プラグ2をソケット1に向けてガイドするのに適した磁気的及び/又は機械的ガイド手段を組み込んでもよい。限定的ではないが、特許出願第WO2017/216458A1号は、ジャケットに統合された同心コイルの制御シーケンスを実行することにより、プラグ2がソケット1に接続される動作原理を記載する。
【0033】
ソケット1の前面ランド10は、主方向(A)に対して横方向に向いている。ソケット1の周囲の台座3の前面310は、ソケット1の前面ランド10により形成された平面と同じ平面であってもよいし、(添付図のように)凹状又は凸状の湾曲形状であってもよい。
【0034】
有利にも、ソケット1は、前面ランド10を支持する円形断面の第1ケーシングを備えてもよい。この第1ケーシングは、台座3のジャケット31を形成するケーシングに統合されてもよい。
【0035】
ソケット1は、そのケーシングに収納された第1磁気手段を備え、対応する第2磁気手段を備えたプラグ2を引き付けることができる。プラグ2が磁気効果を介してソケット1に固定されると、ソケット1の第1電気接触部材とプラグ2の第2電気接触部材との間にも電気接続がなされる。
【0036】
使用される磁気アーキテクチャにより、磁気効果を介してプラグ2をソケット1に固定することができる。プラグ2をソケット1に固定することができる様々な磁気アーキテクチャは、特許出願EP3317926A1に特に記載されている。これらは、本発明に適用可能であるが、限定的ではないと考慮すべきである。
【0037】
なお、有利にも、プラグ2は、可動機械部品を備えていない。
【0038】
本発明によれば、プラグ2を備えた装置5は、車両Vに取り付けられ、車両上に恒久的に留まることが意図される。それは、車両の一部にそれを固定するための固定手段と、車両の電気供給アセンブリにそれを接続するための電気接続手段とを備える。また、それは、以下を備えてもよい:
車両の電気供給アセンブリのバッテリ管理システム(BMS)と通信するように構成された通信手段;
任意にバッテリ管理システムに統合される制御手段C。
【0039】
装置5は、車両の様々な場所、前部、後部、及び任意で適切なハウジング内に配置してもよい。その位置は、車両のアーキテクチャに顕著に依存するが、装置が市場に既に存在する車両に統合されることを意図しているのか、又はその製造プロセス中に統合されることを意図しているのかにも依存する。
【0040】
限定的ではないが、制御手段Cは、検出手段M1又は中央ユニットUC(特に図9A~9Cを参照)から第1電気制御信号S0、S0’を受信してもよい。この信号を受信すると、制御手段Cは、装置5を起動すればよい。
【0041】
図2を参照して、装置5は、以下の要素を主に備える:
プラグ2をその端部に有するケーブル8を収納するためのユニット(収納ユニット6と称する;
その中にプラグ2が収納され、開閉作動可能なカバーを有する収納ケース71。
【0042】
また、収納ユニット6は、ケーブル8を作動させるための移動アセンブリ9を備え、それは、ケーブル8を外側に解放して収納ケース71からプラグ2を展開するか(プラグの展開位置)、収納ケース71にプラグを格納することを目的として、ケーブル8を格納する(プラグの収納位置)ように制御される。これらの移動手段9は機械的である。
【0043】
ケーブル8は、プラグ2を支持する自由端と、車両の電気供給アセンブリに接続することを意図した反対端とを有する。ケーブル8は、収納ユニット6から外側に解放されるか、収納ユニット6内に格納されるように、移動アセンブリ9と相互作用する。第1機械的作動手段62、95は、可動部の移動を制御し、少なくとも2つの位置の間でケーブル8及びプラグ2を移動させるために設けられる。これらの第1機械的作動手段は、制御手段Cから制御信号S2を受信するように構成される。
【0044】
限定的ではないが、本発明の装置は、略垂直方向、主方向(A)にケーブル8を下げるように配置される。プラグ2の2つの位置は、互いに垂直に位置している。
【0045】
ケーブル8は、その構成ワイヤ81のすべてを露出するように外皮を剥がれてもよいことが分かる。複数のワイヤ81を使用するこのソリューションにより、潜在的に、ケーブル8の機械的柔軟性を高めることができ、したがって、ケーブル8を曲げることを容易にし、収納ユニット6内の全体的な高さ方向の嵩を減らすことができる。このソリューションは、特に、後述する装置の第2実施の形態(図6A及び図6B)と組み合わせて用いればよい。
【0046】
有利にも、図3A及び図3Bに示すように、装置5は、ケーブル8をガイドするための装置7を備えてもよいことが分かる。
【0047】
本発明のある特定の態様によれば、装置5の種々の要素は、例えば、一緒に容易に組み立てることができるモジュールからなり、これにより、車両内の収納ハウジングの構成に合わせることができる。
【0048】
同様に、外観から見て、装置5は、整形の有無にかかわらず、潜在的に様々な形状である。それは、例えば、装置の様々な要素を囲む平行六方体ブロックの形態をとってもよい。その形状は、潜在的に車両に設けられる収納ハウジングの形状に依存し、それに合わせて調整される可能性がある。
【0049】
収納ユニット6は、一緒に組み立てることができる複数の要素から構成され得るケーシング60、90を備える。
【0050】
有利にも、収納ユニット6は、装置5を車両V、例えば、そのシャーシに固定したり、車両の収納ハウジングに適切に収納したりすることができる固定手段を有する。また、収納ユニット6は、装置を車両の電気供給アセンブリに電気的に接続することができる電気接続手段を備える。これらの固定手段は、ケーシング60上に形成されてもよい。
【0051】
車両の電気供給アセンブリに装置を接続又は切断するために、車両内に配置される特定の電気スイッチングモジュールを設けることが必要になる可能性があることに留意されたい。また、このスイッチングモジュールは、例えば、前述の本発明の台座3及び装置5を介して、又は、車両にアクセス可能でユーザが手動で接続可能な電気プラグを介して、様々な電源の中から電気供給アセンブリの電源を選択するように配置及び構成されてもよい。
【0052】
図3A及び図3Bと、図4及び図5とに示す本実施の形態の第1例では、ケーブル8を動作させるための移動アセンブリ9は、ケーシング60内に収納され、ケーブル8が巻回される少なくとも1つの巻取器61を備える。巻取器61は、ケーブル8が巻回されるドラムを含んでもよい。ケーシング60は、指令によりケーブル8を両方向に移動させるように貫通した開口部67を備える。ドラムの形状及びケーブルの長さに応じて、ケーブル8は、ドラム上に一回又は複数回巻回されてもよい。
【0053】
また、収納ユニット6は、巻取器61のドラムを作動させる第1機械的作動手段62を備え、該手段は、ケーブル8を巻き取ったり巻き戻したりすることを目的として、ドラムを作動させるように構成される。第1機械的作動手段62は、ケーブル8を巻き取ったり巻き戻したりするために、一方向又は他方向にドラムを回転駆動させるように配置した出力軸を有するモータ620を備える。
【0054】
また、収納ユニット6は、巻取器61のドラム上のケーブル8に張力を付与する装置63と、ドラムの巻取面にケーブル8を保持するために、ケーブル8を押圧する押圧ローラ630と、ケーブル8の巻き取り時や巻き戻し時に、巻取器61の出口でケーブル8をガイドするように配置されたガイドローラ64とを備えてもよい。
【0055】
また、収納ユニット6は、ケーシング60内に収納され、ケーブル8の巻き戻し長さを監視するように配置された第1センサ65、例えば、光学センサを備えてもよい。十分な長さのケーブルが巻き戻されると、センサ65は、制御手段Cに電気信号を送信し、制御手段Cにモータの停止を命令させるように構成される。
【0056】
また、収納ユニット6は、ケーシング60内に収納され、ケーブル8の巻き取り長さを監視するように配置された第2センサ66、例えば、移動終端センサを備えてもよい。ケーブル8上に存在する突起80により、ケーブルの巻き取り動作の終わりを示すことができる。ケーブルの巻き取り中、突起が移動終端センサ66に遭遇すると、センサ66は、制御手段Cに電気信号を送信し、制御手段Cにモータの停止を指示させるように構成される。
【0057】
図6A及び図6Bに実施の形態の第2例を示す。この例では、ケーブル8は、そのすべてのワイヤ81が分離され、並列運動に設定されるように、その外皮を剥がれてもよい。動作に関しては、その原理は、単一のケーブル8の原理と同一のままであるが、特に、嵩やケーブル8に掛かる機械的応力の点で、いくつかの利点がある。
【0058】
また、この例では、装置は、ケーシング90(図6A及び図6Bにホルダが示されている-蓋は、ケーシング90を閉止するために、ホルダに取り付けられるように意図される)を備える。
【0059】
有利にも、複数のケーブルワイヤ81を含む構成に対応するために、ケーブル8を動作させるための移動アセンブリ9は、ケーシング90に収納され、キャリッジ91と、スライド機構92とを備える。スライド機構92は、キャリッジ91を受け、キャリッジ91は、その上を少なくとも2つの位置の間でスライド可能である。スライドすることにより、キャリッジ91は、ケーブル8のワイヤ81を内側に格納したり、外側に解放したりするために、ワイヤ81を引っ張る。
【0060】
各ワイヤ81は、プラグ2の電気接点に直接接続する端部を有してもよい。各ワイヤ81の第2端部は、車両の電気供給アセンブリに接続されるのを意図した電気接点に接続される。キャリッジ91は、分配器を形成する複数の整列ガイド910を備えてもよい。別のワイヤ81は、各ガイド910の周りに巻き回されてもよく、それにより、ワイヤを容易に解離させることができる。
【0061】
第1機械的作動手段95は、キャリッジ91を作動させて移動させるように配置された1つ以上のモータを含んでもよい。
【0062】
並進運動は、主方向(A)に対して横断的な平面内で生じる。
【0063】
ローラ93は、ケーシング90を通して形成された出口開口に向けてケーブルのワイヤをガイドするために設けられてもよい。モータ930は、ローラ93の回転を作動させ、ワイヤを作動させることを容易にするために設けられてもよい。
【0064】
移動終端センサ94は、キャリッジ91の2つの移動終端位置を検出するために追加される。
【0065】
例えば、制御手段Cは、ホルダに固定されたケーシングに収納される。それらは、制御信号S2を送信することにより、第1機械的作動手段95を制御するように構成される。
【0066】
もちろん、例えば、ピストンを用いる他の方法で、並進運動を達成することができる。
【0067】
上述の2つの実施の形態では、装置5は、プラグ2用の収納ケース71も備える。
【0068】
ケーブル8(又はワイヤ81)が格納されると、プラグ2は、この収納ケース71に収納される。この収納ケース71は、カバー72により密閉式に収納可能である。
【0069】
図7A図8Bを参照して、収納ケース71は、例えば、円筒状の外部ベース73と、該ベースに同軸に挿入された円筒状の内部ベル74とを備える。ベース73及びベル74は、それらの軸を中心として、相互に回転するように作動可能である。限定的ではないが、ベル74は、ベース73に対して回転するように作動される。
【0070】
本発明のある特定の態様によれば、カバー72は、2つの端部を有する可撓性の閉塞スリーブから形成される。その一方の端部は、他方の上に折り畳まれ、折り目により接続される2つの同軸の側面を有する。適切な固定手段により、スリーブの第1端部はベース73に確実に固定され、スリーブの第2端部はベル74に確実に固定される。
【0071】
装置5の第2機械的作動手段75は、ソケット1に接続するためにプラグ2を解放しなければならないとき、及びプラグ2が接続されるのを待っているときに、カバー72を開閉作動するように配置される。
【0072】
これらの第2機械的作動手段75は、ベル74と相互作用して、ベース73に対してその軸回りにベルを回転させるように駆動する。ベース73に対するベル74の回転は、ねじり運動でスリーブを駆動し、これにより、カバー72を確実に閉止することができる。
【0073】
限定的ではないが、第2機械的作動手段75は、モータ751により回転するように作動可能なギアホイール750と、ギアホイールに係合し、ベル74の外側壁に配置されたノッチ752とを含むギヤ装置を備えてもよい。カバー72を閉止するために、モータ751によるギアホイールの回転は、スリーブをねじらせるようにベース73に対してベル74を回転駆動させる。
【0074】
第2機械的作動手段75は、電気制御信号を受けて、制御手段Cにより制御される。
【0075】
移動終端センサのような検出手段は、収納ケース71内に収納され、開放終了時又は閉止終了時に、ベル74のベース73に対する移動終了を示すように配置されてもよい。検出手段は、ベル74が解放時及び閉止時にその移動終端に到達すると、モータ751に停止信号を送信するように構成される。したがって、ベル74は、ベル74がそのカバー閉動作の終わりに達すると(図7B)第1移動終端センサ76と相互作用し、ベル74がそのカバー開動作の終わりに達すると(図8B)第2移動終端センサ77と相互作用するように配置された指740を有すればよい。2つのセンサは、ベース73に固定され、ベルがその開動作の終わり及びその閉動作の終わりに達すると指740と相互作用するような方法で配置される。
【0076】
図7A及び図7Bでは、カバーが閉止され、密閉方法で収納ケース71を閉止する。図8A及び図8Bでは、カバーが解放され、プラグ2を支持するケーブル8が台座3に向かって下降することができる。
【0077】
収納ケースは、収納ユニット6の本体に直接固定してもよい。図3A及び図3Bに示す有利な変形例では、装置5は、固定端部と称する第1端部で収納ユニット6に固定されたダクト70を備えてもよい。固定端部では、ダクト70は、巻取器61の出口に接続され、ケーブル8によって通過される。固定端部の反対側では、ダクト70は、プラグ2を格納するために使用される収納ケース71を支持する自由端部を有する。ダクト70は、変形することができない、又はあまり変形しない剛性構造を有すればよい。また、このダクトは、図6A及び図6Bを参照して上述した装置の第2実施の形態で使用するように構成可能である。
【0078】
本発明のある特定の態様によれば、図9A図9B、及び図9Cを参照して、電気自動車の再充電において、第1実施の形態にかかる装置の動作シーケンスは以下のとおりである:
台座3がグラウンドS上に置かれ、車両Vが台座3の上に位置するまで前進する(図9A);
車両Vの存在は、システムの検出手段M1により、台座3の上方で検出すればよい。これらの検出手段M1は、第1電気制御信号S0を制御手段Cに送信する(図9B);
第1検出信号を受信すると、制御手段Cは、本発明の装置を作動させる;
制御手段Cは、第2電気制御信号S1を送信して、第2機械的作動手段75にカバー72を開くように指令し、第3の電気制御信号S2を送信して、第1機械的作動手段62にケーブル8を巻取器61から巻き戻すように指令する;
ケーブル8を巻き戻すことにより、プラグ2は、収納ケース71から引き出され、台座3に向けられる;
磁気吸引を介して、プラグ2は、まず台座3に統合された磁気手段によりガイドされ、次にプラグ2の磁気手段により引き寄せられて、台座3に接続される(図9C)。
【0079】
このように、車両の存在が検出されると、制御手段Cは、以下を含むケーブル抽出シーケンスを実行するように構成される:
第2機械的作動手段75の作動を通してカバー72を開放する;
第1機械的作動手段62を作動して、巻取器61を回転させてケーブル8を巻き戻し、したがって、プラグ2を下げる。第1センサ65から送信された移動終端信号を受信すると、動作を停止する。
【0080】
同様に、プラグ2がソケット1から切断されると、制御手段は、以下を含むケーブル格納シーケンスを実行するように構成される:
第1機械的作動手段62を作動して、プラグ2を収納ケース71内に上昇させることを目的として、巻取器61を回転させる。第2センサ66から送信される移動終端信号を受信すると、移動を停止する;
第2機械的作動手段75の作動を通して、カバー72を閉止する。
【0081】
なお、採用する検出手段M1は任意である。具体的には、車両が台座3に対して正確に位置していることをユーザが知ったときに、ユーザが手動で装置を作動させてもよい。そして、制御ユニットUCは、第1電気制御信号S0’を送信し、装置5を作動させる。
【0082】
自動作動に適した検出手段M1を採用すると、その種類は任意である。それは、例えば、レーダに基づくソリューション、RFIDセンサに基づくソリューション、又は機械的ソリューション、例えば、車両のホイールと相互作用することを意図した少なくとも1つのチョックを採用し、そのチョックが第1電気制御信号S0を発することができる在否センサを有するものであってもよい。限定的ではないが、この在否センサは、位置スイッチであってもよく、有利にも、信号S0を送信するように構成された無線送信機に電力を供給することができる電気エネルギーに機械的エネルギー(車両の圧力を介して供給される)の変換器を組み込んだ、電力に関して独立したものであってもよい。
【0083】
もちろん、図9A図9Cを参照して上述したシーケンスは、装置の実施の形態の第2例と同一の方法で置き換えられてもよい。このソリューションでは、すべてのワイヤが解放又は格納される。巻取器61の作動は、スライド機構92上のキャリッジ91の並進運動の作動に置き換えられる。
【0084】
したがって、本発明は、多くの利点を有し、その中には以下のものがある:
上述のシステムを介した再充電と互換性を持たせるために、電気自動車に容易に取り付け可能な簡単なソリューションを提供する;
シンプルで信頼性の高い構成要素を使用する;
その密閉されたアーキテクチャとその動作モードのおかげで、装置5は、車両V内に恒久的に留まってもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】