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特表2024-509820相乗的カンナビノイドエステル、その塩及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】相乗的カンナビノイドエステル、その塩及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 305/24 20060101AFI20240227BHJP
   C07F 9/09 20060101ALI20240227BHJP
   C07F 9/38 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 31/105 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 31/7008 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240227BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240227BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C07C305/24 CSP
C07F9/09 K
C07F9/38 B
A61P25/04
A61P29/02
A61P29/00
A61P25/28
A61P25/00
A61P25/08
A61P25/30
A61P25/20
A61P1/08
A61P35/00
A61P13/12
A61P3/04
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/22
A61P27/06
A61P1/04
A61P3/02
A61K31/105
A61P43/00 121
A61K31/7008
A61K45/00
A61K47/38
A61K9/48
A61K47/14
A61K47/04
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/20
A61K47/42
A61K9/20
A61K47/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553194
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CA2022050304
(87)【国際公開番号】W WO2022183292
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,949
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522313798
【氏名又は名称】ロンドン ファーマシューティカルズ アンド リサーチ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ,マームード モハメド アブドラボ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
4H006
4H050
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA36
4C076AA54
4C076CC01
4C076DD27
4C076DD29
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD45
4C076DD46
4C076DD55
4C076DD67
4C076EE16
4C076EE23
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE37
4C076EE38
4C076EE43
4C084AA19
4C084MA28
4C084MA37
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA012
4C084ZA021
4C084ZA051
4C084ZA061
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZA151
4C084ZA181
4C084ZA331
4C084ZA681
4C084ZA701
4C084ZA711
4C084ZA811
4C084ZB111
4C084ZB261
4C084ZC032
4C084ZC211
4C084ZC391
4C084ZC512
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA02
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA28
4C086MA37
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA18
4C086ZA33
4C086ZA68
4C086ZA70
4C086ZA71
4C086ZA81
4C086ZB11
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4C086ZC21
4C086ZC39
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206JA04
4C206KA01
4C206KA13
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA48
4C206MA57
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA05
4C206ZA06
4C206ZA08
4C206ZA12
4C206ZA15
4C206ZA18
4C206ZA33
4C206ZA68
4C206ZA70
4C206ZA71
4C206ZA81
4C206ZB11
4C206ZB26
4C206ZC21
4C206ZC39
4C206ZC75
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB20
4H006AC61
4H006BB24
4H006BC10
4H006BE43
4H050AA01
4H050AB20
(57)【要約】
カンナビノイドエステル及びそれらの可溶性塩にそれらの相乗的又は添加的な治療的対応物及び安定な製剤が備わるもの、かつ、それらの食用、飲料用及び医薬用の適用。相乗的又は添加的なカンナビノイドエステルは、痛み及び炎症、関節炎、がん、緑内障、神経変性疾患、多発性硬化症、腎線維症、線維性疾患、メンタルヘルス疾患、中毒、運動機能障害及び胃腸及び代謝性疾患を含むがこれらに限定されない、カンナビノイド受容体の調節又は偏向調節に関連する様々な状態を治療するための薬剤又はプロドラッグとして用いうる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビノイドの不安定なエステル、及び、相乗的又は付加的な治療的対応物を含む、カンナビノイド化合物。
【請求項2】
不安定なエステルは、硫酸塩、半硫酸塩、一ホスフェート、二ホスフェート、三ホスフェート、炭酸塩、カルバミン酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩及びビスホスホン酸塩のエステルからなる群から選択される、請求項1に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項3】
カンナビノイドは、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBC)、カンナビクロメン酸(CBL)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)からなる群から選択される、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項4】
治療的対応物は、カンナビノイドと不安定なエステル結合を形成するのに適する官能基がある第二のカンナビノイドである、請求項3に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項5】
官能基が、チオール、ヒドロキシル、アミノ、ニトリル、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、カルボン酸、酸無水物、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトン、エポキシド、及びフェノールからなる群から選択される、請求項4に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項6】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、アセトアミノフェン、イブプロフェン、モルヒネ、カフェ酸、レボドパ、クマル酸、ケルセチン、フラボノイド、サリチル酸、チモール、オイゲノール、エンタカポン、トルカポン、エストロゲン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、アンドロゲン、及びコルチコステロイドからなる群から選択される、請求項3に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項7】
不安定性エステルはエステル塩であり、治療的対応物がエステル塩の対イオンであり、カンナビノイドでエステル塩を製造するのに適した官能基がある、請求項3に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項8】
対イオンは、環状アミン、非環状アミン、エタノールアミン誘導体、芳香族アミン、脂肪族アミン、アミノ糖、アミノポリマー、アミノオリゴマー、及びアミノ酸からなる群から選択される第一、第二、又は第三アミンである、請求項7に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項9】
対イオンは、トリエタノールアミン、エルブミン、アルギニン、リジン、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、及びトリブチルアミンからなる群から選択される、請求項8に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項10】
対イオンは、アニリン、4-アミノピリミジン、ナフチルアミン、スルファニル酸、及び4-アミノ安息香酸からなる群から選択される芳香族アミンである、請求項8に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項11】
対イオンは、: ピペラジン、モルホリン、アジリジン、アゼチジン、ジアゼチジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、3-ピロリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、二酸化チオモルホリン、チアジン、ピロリジジン、アザインドール、アザインダゾール、プリン、ピラゾロピリミジン、キノリン、デカヒドロキノリン、アゾカンからなる群より選択される、請求項7に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項12】
対イオンは、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、シタロプラム)、アミスルプリド、ルラシドン、パリペリドン、パルミチン酸パリペリドン、リスペリドン、ジプラシドン、ペロスピロン、ドキソルビシン、メルペロン、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、オランザピン、クエチアピン、フロキセチン、カルシトニン、プソイドエフェドリン、ピラセタム、レベチラセタム、シタグリプチン、シロドシン、ヒドロクロロチアジド、エゼチミブ、プロプラノロール、アテノロール、ナドロール、ピンドロール、ソタロール、チモロール、ペンブトロール、オクスプレノロール、カルビジオール、カルテオロール、ブシンドロール、アセブタノール、ベタキソロール、エスモロール、ネビボロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトルポロール、アゼルニジピン、バルニジピン、マニジピン、レルカンジピン、エフォニジピン、ベニジピン、ブリモニジン、ボルテゾミブ、レディパスビル、ダクラタスビル、オンビタスビル、エルバスビル、ラミブジン、ドーパミン、5-ヒドロキシトリプタミン、レボドパ、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、アポモルフィン、タクリン、リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、ビガバトリン、ラモトリギン、チアガビン、プレガバリン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ヒスタミンからなる群より選択される、請求項7に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項13】
以下の式1:
【化1】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項14】
以下の式2:
【化2】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項15】
以下の式3:
【化3】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項16】
以下の式4:
【化4】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項17】
以下の式5:
【化5】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項18】
以下の式6:
【化6】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項19】
以下の式7:
【化7】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項20】
以下の式8:
【化8】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項21】
以下の式9:
【化9】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項22】
以下の式10:
【化10】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項23】
以下の式11:
【化11】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項24】
以下の式12:
【化12】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項25】
以下の式13:
【化13】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項26】
以下の式14:
【化14】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項27】
以下の式15:
【化15】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項28】
以下の式16:
【化16】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項29】
以下の式17:
【化17】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項30】
以下の式18:
【化18】
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項31】
以下の式19:
【化19】
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項32】
以下の式20:
【化20】
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項33】
以下の式21:
【化21】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項34】
以下の式22:
【化22】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項35】
以下の式23:
【化23】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項36】
以下の式24:
【化24】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項37】
以下の式25:
【化25】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項38】
以下の式26:
【化26】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項39】
以下の式27:
【化27】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項40】
以下の式28:
【化28】
(式中、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項41】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項40に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項42】
以下の式29:
【化29】
(式中、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項43】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項42に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項44】
以下の式30:
【化30】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項45】
以下の式31:
【化31】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項46】
以下の式32:
【化32】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項47】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項46に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項48】
以下の式33:
【化33】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項49】
以下の式34:
【化34】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項50】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項49に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項51】
以下の式35:
【化35】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項52】
以下の式36:
【化36】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項53】
以下の式37:
【化37】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項54】
以下の式38:
【化38】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項55】
以下の式39:
【化39】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項56】
以下の式40:
【化40】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項57】
以下の式41:
【化41】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項58】
以下の式42:
【化42】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項59】
以下の式43:
【化43】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項60】
以下の式44:
【化44】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項61】
以下の式45:
【化45】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項62】
以下の式46:
【化46】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項63】
以下の式47:
【化47】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項64】
以下の式48:
【化48】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項65】
以下の式49:
【化49】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項66】
以下の式50:
【化50】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項67】
以下の式51:
【化51】
(式中、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項68】
以下の式52:
【化52】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項69】
以下の式53:
【化53】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項70】
以下の式54:
【化54】
(式中、R及び対イオンBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項71】
以下の式55:
【化55】
(式中、R及び対イオンBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項72】
以下の式56:
【化56】
(式中、R及び対イオンBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項73】
以下の式57:
【化57】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項74】
以下の式58:
【化58】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項73に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項75】
以下の式59:
【化59】
(式中、Rは治療的対応物である)
の化合物である、請求項73に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項76】
以下の式60:
【化60】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項77】
以下の式61:
【化61】
(式中、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項76に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項78】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項77に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項79】
以下の式62:
【化62】
(式中、Bは治療的対応物である)
の化合物である、請求項76に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項80】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項79に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項81】
以下の式63:
【化63】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項82】
以下の式64:
【化64】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項81に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項83】
以下の式65:
【化65】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項81に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項84】
以下の式66:
【化66】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項85】
以下の式68:
【化67】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項84に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項86】
以下の式70:
【化68】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項84に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項87】
以下の式67:
【化69】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項88】
以下の式69:
【化70】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項87に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項89】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項88に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項90】
以下の式71:
【化71】
(式中、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項87に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項91】
治療的対応物は、グルコサミン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ及びシタロプラムからなる群から選択される、請求項90に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項92】
以下の式72:
【化72】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項93】
以下の式73:
【化73】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項94】
以下の式74:
【化74】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項95】
以下の式75:
【化75】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項96】
以下の式76:
【化76】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項97】
以下の式77:
【化77】
(式中、Cannはカンナビノイドであり、Bは各々独立して、選択された治療的対応物である)の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項98】
以下の式78:
【化78】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項99】
以下の式79:
【化79】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項100】
以下の式80:
【化80】
(式中、Rは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項101】
以下の式81:
【化81】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項102】
以下の式82:
【化82】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項103】
以下の式83:
【化83】
(式中、R及びBは各々独立して、選択された治療的対応物である)
の化合物である、請求項2に記載のカンナビノイド化合物。
【請求項104】
第一の相乗的又は付加的な治療的対応物があるカンナビノイドの不安定なエステル、及び、前記カンナビノイドに対して相乗的又は付加的な効果がある第二の活性成分を含む、医薬製剤。
【請求項105】
第二の活性成分が、以下の:
デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBC)、カンナビクロメン酸(CBL)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)、ボスウェリア属、Boswellia carterii、Boswellia serrata、ショウガ、カプサイシン、カンファー、ポリフェノール、ケルセチン、エラグ酸、クルクミン、レスベラトロール、フィトステロール、マンノース-6-リン酸を含む炭水化物、精油(チモール、カルバクロールを含む)、テルペノイド(スクアレン、リコペン、p-シメン、リナロールを含む)、並びにそれらの誘導体、類似体、塩、混合物、及び組み合わせからなる群から選択される、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項106】
硬質ゼラチンカプセルの形態であり、25mgのグルコサミンCBD-硫酸塩、750mgのグルコサミン硫酸塩、315mgの微結晶セルロースpH102、30mgのステアリン酸マグネシウム、及び30mgの二酸化ケイ素を含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項107】
硬質ゼラチンカプセルの形態であり、25mgのグルコサミンCBD-硫酸塩、750mgのグルコサミン硫酸塩、600mgのコンドロイチン硫酸塩、300mgのメチルスルホニルメタン、140mgの微結晶セルロースpH102、30mgのステアリン酸マグネシウム、及び30mgの二酸化ケイ素を含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項108】
硬質ゼラチンカプセルの形態であり、グルコサミンCBD-硫酸塩25mg、グルコサミン硫酸塩750mg、コンドロイチン硫酸塩600mg、微結晶セルロースpH102 140mg、プロビドンK30 60mg、クロスカルメロースナトリウム60mg、ステアリン酸マグネシウム30mg、及び二酸化ケイ素30mgを含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項109】
硬質ゼラチンカプセルの形態であり、グルコサミンCBD-硫酸塩25mg、グルコサミン硫酸塩750mg、コンドロイチン硫酸塩600mg、メチルスルホニルメタン300mg、コラーゲン200mg、微結晶セルロースpH102 140mg、ステアリン酸マグネシウム30mg、及び二酸化ケイ素30mgを含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項110】
錠剤の形態であり、グルコサミンCBD-硫酸塩25mg、プレゼラチン化デンプン120mg、マンニトール300mg、コポビドン20mg、タルク5mg、及び二酸化ケイ素5mgを含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項111】
クリームの形態であり、クリーム100gあたり、ヒスタミンCBD-硫酸塩750mg、グルコサミン硫酸塩2500mg、モノステアリン酸ソルビタン0.75mg、Tween60 3mg、セトステアリルアルコール6mg、プロピレングリコール5mg、ベンジルアルコール1mg、メチルパラベン0.14mg、ブチル化ヒドロキシトルエン0.02mg、中鎖トリグリセリド8mg、ミリスチン酸イソプロピル5mg、及び充填する精製水を含む、請求項104に記載の医薬製剤。
【請求項112】
カンナビノイド化合物を製造する方法であって、カンナビノイド化合物は、カンナビノイドの不安定なエステルと、相乗的又は付加的な治療的対応物とを含み、不安定な対イオンがあるカンナビノイドエステル塩を、塩基の形態で治療的対応物と混合する工程を含み、前記混合することは、水性溶媒の存在下で行われる、方法。
【請求項113】
水性溶媒は水性及び非水性溶媒が1:1の混合物である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
混合工程において、治療的対応物は、カンナビノイドエステル塩の量よりも多く添加される、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
混合工程において添加されるカンナビノイドエステル塩と治療的対応物との比は1:1.2である、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
請求項112に記載の方法であって、カンナビノイドエステル塩はカンナビノイド硫酸エステル塩であり、不安定対イオンはピリジンであり、さらに、カンナビノイド及びピリジン中の三酸化硫黄ピリジンを混合することによって前記カンナビノイド硫酸エステル塩を製造する前工程を含む、方法。
【請求項117】
前記カンナビノイド硫酸エステル塩を製造する前工程は、室温よりも高い温度及び大気圧よりも高い圧力で行われる、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
温度は65~90°C、及び、圧力は5~20バールである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
カンナビノイドはTHCであり、治療的対応物はグルコサミンである、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
カンナビノイドはCBDであり、治療的対応物はグルコサミンである、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
カンナビノイドはTHCであり、治療的対応物はシロシンである、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
カンナビノイドはCBDであり、治療的対応物はシロシンである、請求項118に記載の方法。
【請求項123】
カンナビノイドはTHCであり、治療的対応物はガバペンチン又は関連するガバペンチノイドである、請求項118に記載の方法。
【請求項124】
カンナビノイドはCBDであり、治療的対応物はガバペンチン又は関連するガバペンチノイドである、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
カンナビノイドはTHCであり、治療的対応物はプレガバリン又は関連するガバペンチノイドである、請求項118に記載の方法。
【請求項126】
カンナビノイドはCBDであり、治療的対応物はプレガバリン又は関連するガバペンチノイドである、請求項118に記載の方法。
【請求項127】
疼痛、神経障害性疼痛、炎症、神経変性障害、多発性硬化症、脊髄損傷、脳損傷、心的外傷後ストレス障害、てんかん、小児発作障害、依存症、不眠症、悪心及び嘔吐、がん、腎線維症、肥満、統合失調症、うつ病、強迫性障害、不安、精神障害、睡眠障害、線維筋痛症、トゥレット症候群、緑内障、クローン病、炎症性腸疾患、群発頭痛、及び食欲不振からなる群から選択される1つ以上の状態、障害、又は疾患に罹患しているヒト又は動物の被験体の症状を治療、緩和、又は軽減するための、請求項1~103のいずれか一項に記載のカンナビノイド化合物又は請求項104~111のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、医薬化学の分野、特に、カンナビノイドエステル、相乗的又は付加的な治療的対応物があるそれらの塩、及びヒト又は動物の被験体における疾患の症状を治療し、緩和し、又は軽減するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]エンドカンナビノイドシステムは、神経可塑性と学習、感情と動機、食欲、消化管運動性及び免疫調節を含む多くの重要な生理機能を仲介する。哺乳類において分離され、完全に特性化されているGタンパク質共役カンナビノイド受容体には少なくとも以下の2つ:a)CB1:中央及び末梢に位置し、主に神経伝達物質ホメオスタシスに関与するタイプ及びb)CB2:末梢に位置し、免疫系と関連するタイプ、がある。当該受容体は、慢性疼痛、炎症、神経変性疾患、てんかん、依存症、不眠症、がん、肥満及び食欲不振を含む様々な状態に対する有望な治療標的である。これらの状態を管理するための特異的カンナビノイド配位子の設計には近年関心が高まっている。
[0003]カンナビノイド受容体は、異形の化合物群、いわゆるカンナビノイドにより調節できる。これらは以下の3つの主要グループ:a)内因性又は内因性カンナビノイド(例えばアラキドノイルエタノールアミド);b)カンナビス種の活性成分である天然又は植物性カンナビノイド(例えば、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD));及びc)下記の表1:
【0003】
【表1】
に示す合成(例えばナビロン)に分類できる。
【0004】
[0004]カンナビノイドの臨床的有用性は多くの疾患の治療で報告されている。GW Pharmaceuticals社のSativex(登録商標)はTHCとCBDの1:1混合物の頬部スプレーであり、成人における多発性硬化症に関連する神経障害性疼痛及び痙縮の補助的治療として多くの国で承認されている。Bausch Health社のCesamet(商標)(ナビロン)はCB1受容体媒介相互作用を介した制吐薬として経口投与用の合成カンナビノイドである。
[0005]それらの臨床的可能性にもかかわらず、C.Sativaから抽出された天然カンナビノイド(植物性カンナビノイド)は、非常に親油性(logP値が6~7である)、水への難溶性(23°Cでの水溶性=2~10μg/mL)、化学的に不安定(特に光、温度、自己酸化による溶液中で)であり、自然界では不規則な吸収、遅発性、広範な初回通過代謝、高い血漿タンパク質結合、大量の分布及び経口投与後の低い全身生物学的利用能があるグミであり、作用の予測不可能な時間経過及び長い半減期(t1/2)をもたらす。さらに、スモークハーブの臨床的有用性は短く、粘膜損傷、重篤な有害作用、発がん性副産物への曝露に関連する。さらに、THCは血液脳関門(BBB)を通過し、望ましくない向精神作用を生じる中枢CB1を活性化する場合がある。これらの限界を克服する試みとして、共溶媒、錯化、界面活性剤及びキャリア支援法を含む様々な製剤及び薬物送達アプローチが開発されてきたが、これまでのところ成果は限られている。
【0005】
[0006]一方、いくつかの合成誘導体及びプロドラッグが報告されており、CB1及びCB2を調節するために汎用されている。例えば、特許文献1は、カンナビノイドプロドラッグ及びその製造、処方及び使用を開示する。当該文献は、有機及びアミノ酸、例えばコハク酸及びバリンのエステルしか開示していない。
[0007]特許文献2は、高結晶性アリールスルホン酸THCエステルを開示する。それらは精製のために再結晶することができ、室温で空気中で安定であり、加水分解時に純粋なTHCを無期限に貯蔵させ、かつ回収できる。当該文献は、これらのエステルの薬理作用又は臨床的有用性を開示しない。
[0008]非特許文献1は、δ-8-THCグルクロニド及び硫酸エステルの化学合成を報告し、ラットにおけるそれらの加水分解、急性毒性及び代謝的性質を研究した。しかしながら、これらのエステルのいずれについても薬理学的又は生物学的有用性は記載されていない。
[0009]非特許文献2は、アナンダミドの水溶性リン酸エステルプロドラッグの合成を報告した。リン酸官能基は、正常血圧ウサギにおいて、親エンドカンナビノイドの水溶性をpH7.4で>16500倍高め、眼圧を低下させた。本研究では、より臨床的に有用なフィトカンナビノイドは検討されておらず、アナンダミド又はその塩のリン酸エステルの他の薬理作用又は臨床的使用も報告されていない。
【0006】
[0001]一方、他の治療薬との併用では、個別投与、逐次投与又は同時投与のいずれかによるカンナビノイドの臨床的有用性が知られている。例えば、特許文献3及び4は、炎症性関節疾患の治療又は疼痛の軽減のために、カンナビジオール(CBD)、コンドロイチン、グルコサミン及びメチルスルホニルメタン(MSM)を含む個々の治療薬を含む併用療法を開示する。有望ではあるが、この治療アプローチは、これらの薬物が異なる薬物動態プロファイルを示すという事実によって妨げられており、それらが同時に標的組織に到達することはない。特に、グルコサミンは50分後に最大血漿レベルに達するが、CBDが最大血漿レベルに達するには4~6時間かかる。同様の顕著な差は、分布、代謝速度及び排泄等の他のPKパラメータでも観察された。2つの異なるPK挙動がある2つの相乗作用又は相加分子がある点は、創薬及び開発における既知の主要な課題である。
[0010]先行技術における限界を最小化するために、ある臨床応用のために最適化された物理化学的、薬物動力学的(PK)及び薬力学的(PD)特性がある新しい相乗的カンナビノイド誘導体に対する需要が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2017/216362号
【特許文献2】国際公開第2004/043946号
【特許文献3】国際公開第2020/021545号
【特許文献4】米国特許第10398776号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Watanabe et al (Chem Pharm Bull 27: 3009-3014, 1979)
【非特許文献2】Juntunen et al (Eur. J. Pharm. Sci. 19, 37-43, 2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0011]本発明によるカンナビノイド化合物は、カンナビノイド及びその塩の不安定なエステルであり、他の相乗的又は付加的な治療的対応物がある。これらの新規化合物は、複数の作用機序を介して複数の治療的利益をもたらすことを目的とする。これは、カンナビノイドエステルと治療効果が異なる他の対応物によって達成される。エステルは、ヒト又は動物の体内で酵素的又は化学的加水分解に感受性であり、親カンナビノイド及び相乗的又は付加的な治療的対応物を放出し、それによってエンドカンナビノイドシステム及び他の協調受容体及び組織を調節する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0012]一実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物があるそれらの塩の硫酸エステル又は半硫酸エステルである。
[0013]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物があるそれらの塩のモノ-、ジ-又はトリ-リン酸エステルである。
[0014]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、他の相乗的又は付加的な治療的対応物があるカンナビノイドの炭酸エステルである。
[0015]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、他の相乗的又は付加的な治療的対応物があるカンナビノイドのカルバミン酸エステルである。
[0016]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物の硝酸エステルである。
[0017]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物のホウ酸エステルである。
[0018]1つの実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物のそれらの塩のスルホン酸エステルである。
[0019]1つの実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物のそれらの塩のホスホン酸エステルである。
[0020]1つの実施形態では、カンナビノイド化合物は、カンナビノイド及び他の相乗的又は付加的な治療的対応物のそれらの塩のビスホスホン酸エステルである。
【0011】
[0021]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式1:
【0012】
【化1】
で表されるTHCの硫酸エステルである。
[0022]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式2及び3:
【0013】
【化2】
で表されるCBDの硫酸エステルである。
[0023]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式4:
【0014】
【化3】
で表されるTHCのリン酸エステルである。
【0015】
[0024]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式5及び6:
【0016】
【化4】
で表されるCBDのリン酸エステルである。
[0025]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式7:
【0017】
【化5】
で表されるCBDのリン酸エステル及び硫酸エステルの混合物である。
【0018】
[0026]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式8:
【0019】
【化6】
で表されるTHCの炭酸エステルである。
[0027]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式9及び10
【0020】
【化7】
で表されるCBDの炭酸エステルである。
【0021】
[0028]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式11:
【0022】
【化8】
で表されるCBDの混合炭酸塩及び硫酸エステルである。
[0029]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式12:
【0023】
【化9】
で表されるCBDの混合炭酸塩及びリン酸エステルである。
【0024】
[0030]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式13:
【0025】
【化10】
で表されるTHCのカルバミン酸エステルである。
[0031]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式14及び15
【0026】
【化11】
で表されるCBDのカルバミン酸エステルである。
[0032]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式16:
【0027】
【化12】
で表されるCBDのカルバメート及び硫酸エステルの混合物である。
[0033]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式17:
【0028】
【化13】
で表されるCBDのカルバメート及びリン酸エステルの混合物である。
【0029】
[0034]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式18:
【0030】
【化14】
で表されるTHCの硝酸エステルである。
[0035]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式19及び20:
【0031】
【化15】
で表されるCBDの硝酸エステルである。
【0032】
[0036]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式21:
【0033】
【化16】
で表されるCBDの混合硝酸塩及び硫酸エステルである。
[0037]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式22:
【0034】
【化17】
で表されるCBDの硝酸エステル及びリン酸エステルの混合物である。
[0038]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式23:
【0035】
【化18】
で表されるTHCのホウ酸エステルである。
[0039]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式24及び25:
【0036】
【化19】
で表されるCBDのホウ酸エステルである。
[0040]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式26:
【0037】
【化20】
で表されるCBDのホウ酸エステル及び硫酸エステルの混合物である。
[0041]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式27:
【0038】
【化21】
で表されるCBDのホウ酸塩及びリン酸エステルの混合物である。
[0042]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式28:
【0039】
【化22】
で表されるTHCの硫酸エステル塩である。
[0043]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式29及び30:
【0040】
【化23】
で表されるCBDの硫酸エステル塩である。
[0044]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式31及び32:
【0041】
【化24】
で表されるTHCのリン酸エステル塩である。
[0045]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式33~39:
【0042】
【化25】
で表されるCBDのリン酸エステル塩である。
[0046]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式40~43:
【0043】
【化26】
で表されるCBDのホスフェート及び硫酸エステル塩の混合物である。
[0047]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式45:
【0044】
【化27】
で表されるCBDの混合炭酸塩及び硫酸エステル塩である。
[0048]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式46及び47:
【0045】
【化28】
で表されるCBDの混合炭酸塩及びリン酸エステル塩である。
[0049]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式48:
【0046】
【化29】
で表されるCBDのカルバメート及び硫酸エステル塩の混合物である。
[0050]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式49及び50:
【0047】
【化30】
で表されるCBDのカルバメート及びリン酸エステル塩の混合物である。
[0051]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式51:
【0048】
【化31】
で表されるCBDの硝酸塩及び硫酸エステル塩の混合物である。
[0052]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式52及び53:
【0049】
【化32】
で表されるCBDの硝酸塩及びリン酸エステル塩の混合物である。
[0053]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式54:
【0050】
【化33】
で表されるCBDのホウ酸塩及び硫酸エステル塩の混合物である。
[0054]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式55及び56:
【0051】
【化34】
で表されるCBDのホウ酸塩及びリン酸エステル塩の混合物である。
[0055]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式57:
【0052】
【化35】
で表されるスルホン酸エステルである。
[0056]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式58:
【0053】
【化36】
で表されるTHCのスルホン酸エステルである。

[0057]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式59:
【0054】
【化37】
で表されるCBDのスルホン酸エステルである。
[0058]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式60:
【0055】
【化38】
(式中、「Cann」はカンナビノイドであり、エステルはカンナビノイド上のいかなる炭素原子に結合してよい)
で表されるスルホン酸エステル塩である。

[0059]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式61:
【0056】
【化39】
で表されるTHCのスルホン酸エステル塩である。

[0060]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式62:
【0057】
【化40】
で表されるCBDのスルホン酸エステル塩である。

[0061]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式63:
【0058】
【化41】
(式中、「Cann」はカンナビノイドであり、エステルはカンナビノイド上のいかなる炭素原子に結合してよい)
で表されるホスホン酸エステルである。
[0062]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式64:
【0059】
【化42】
で表されるTHCのホスホン酸エステルである。
[0063]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式65:
【0060】
【化43】
で表されるCBDのホスホン酸エステルである。
[0064]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式66及び67:
【0061】
【化44】
(式中、「Cann」はカンナビノイドであり、エステルはカンナビノイド上のいかなる炭素原子に結合してよい)
で表されるホスホン酸エステル塩である。
[0065]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式68及び69:
【0062】
【化45】
で表されるTHCのホスホン酸エステル塩である。
[0066]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式70及び71:
【0063】
【化46】
で表されるCBDのホスホン酸エステル塩である。
[0067]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式72:
【0064】
【化47】
(式中、「Cann」はカンナビノイドであり、エステルはカンナビノイド上のいかなる炭素原子に結合してよい)
で表されるビスホスホネートエステルである。
[0068]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式73~77:
【0065】
【化48】
(式中、「Cann」はカンナビノイドであり、エステルはカンナビノイド上のいかなる炭素原子に結合してよい)
で表されるビスホスホネート系エステル塩である。
[0069]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式78:
【0066】
【化49】
で表されるTHCのビスホスホネートエステルである。
[0070]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式79及び80:
【0067】
【化50】
で表されるCBDのビスホスホネートエステルである。
[0071]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式81:
【0068】
【化51】
で表されるTHCのビスホスホネートエステル塩である。
[0072]他の実施形態では、カンナビノイド化合物は、以下の一般式82及び83:
【0069】
【化52】
で表されるCBDのビスホスホネートエステルである。
【0070】
[0073]他の実施形態では、式1~83のR基で表される第二の化合物は、カンナビノイドと併用すると相乗効果又は付加効果がある基から選択される。
[0074]他の実施形態では、式1~83のR基で表される第二の化合物は、第一のカンナビノイドと結合するのに適した官能基がある第二のカンナビノイドである。官能基は、チオール、ヒドロキシル、アミノ、ニトリル、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、カルボン酸、酸無水物、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトン、エポキシド、又はフェノール官能基を含むことができる。第二のカンナビノイドは、天然、合成、半合成、生合成、又は内因性カンナビノイドから選択することができる。第二のカンナビノイドは、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBC)、カンナビクロメン酸(CBL)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)、及びそれらの誘導体、合成類似体、関連する化学構造及び塩、ならびにそれらの混合物及び組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0071】
[0075]他の実施形態では、式1~83のR基で表される相乗的又は添加的な化合物には、第一のカンナビノイドと結合するのに適した官能基がある。官能基は、チオール、ヒドロキシル、アミノ、ニトリル、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、カルボン酸、酸無水物、アルケン、アルキン、アルデヒド、ケトン、エポキシド、又はフェノール官能基を含むことができる。第二の相乗的又は付加的治療的対応物は、カンナビノイドと同時投与されると、1つ以上の条件の治療において相乗的又は付加的な効果がある化合物である。第二の相乗的又は付加的治療的対応物は、天然、合成、半合成、生合成、又は内因性化合物から選択することができる。第二の相乗的又は付加的治療的対応物は、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、アセトアミノフェン、イブプロフェン、モルヒネ、カフェ酸、レボドパ、クマル酸、ケルセチン、フラボノイド、サリチル酸、チモール、オイゲノール、エンタカポン、トルカポン、エストロゲン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、アンドロゲン、及びコルチコステロイドからなる群から選択される。好ましくは、第二の相乗的又は付加的な治療的対応物は、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、及びトピラマートから選択される。
【0072】
[0076]他の実施形態では、式28~83のB基で表される対イオンは、相乗的又は付加的な効果がある基から選択される。
[0077]他の実施形態では、式28~83のB基で表される対イオンは、第一のカンナビノイドで塩を製造するのに適した官能基がある基から選択される。Bは、環状アミン、非環状アミン、エタノールアミン誘導体、芳香族アミン、脂肪族アミン、アミノ糖、アミノポリマー、アミノオリゴマー、及びアミノ酸を含む群から選択することができる。
[0078]他の実施形態では、式28~83のB基で表される相乗的又は付加的な化合物である。Bは、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)を含む群から選択することができる。
【0073】
[0079]他の実施形態では、カンナビノイド塩に2つのヒドロキシ基がある場合、カンナビノイド塩は2つの治療薬成分を含んでよい。そのような実施形態では、2つの治療薬成分は同じでも異なってもよい。
[0080]他の実施形態では、本発明によるカンナビノイド化合物のある実施形態は、改善された安定性、より高い溶解性、より高い効力又は改善されたPK又はPD特性を含む1つ以上の望ましい特徴を示すことができる。
[0081]他の実施形態では、本発明による水溶性カンナビノイドエステルは、食用、飲料及び医薬用途に用いることができる。エステルは、ヘミエステル、フルエステル、混合エステル又は塩であってよい。
[0082]他の実施形態では、本発明による水溶性カンナビノイドエステルは、局所、注射又は経口用途に用いることができる。
[0083]他の実施形態では、カンナビノイドエステルは、他の相乗的又は付加的塩基がある水溶性塩の形態である。
【0074】
[0084]本発明の他の実施形態は、合成又は半合成法によるカンナビノイド化合物の製造方法である。当該方法は、以下の工程:
a.適当な非プロトン性有機溶媒中に、少なくとも1つのヒドロキシル基があるカンナビノイドを溶解する;
b.アルカリ又は有機塩基の存在下で、カンナビノイド溶液を転移試薬と反応させる;
c.反応物を通常の加熱、マイクロ波加熱又は超音波処理で加熱して生成物を製造する;
d.フラッシュクロマトグラフィー、抽出、蒸留、昇華又は結晶化を用いて精製する、
を含む。
[0085]他の実施形態では、非プロトン性有機溶媒は、ピリジン、トルエン、テトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素、キシレン及びヘキサンからなる群から選択される。
【0075】
[0086]ある好ましい実施形態では、硫酸エステル及び硫酸エステル塩があげられるが、他の実施形態では、他のタイプのエステル及びエステル塩があげられる。エステルが硫酸エステルであるか、他のタイプのエステル又はエステル塩であるかにかかわらず、あるタイプのエステルに適したエステル転移試薬を用いてよい。
【0076】
[0087]他の実施形態では、硫酸エステル転移試薬は、遊離クロロスルホン酸、保護及び遊離スルホン酸、保護された遊離硫酸、三酸化硫黄、三酸化硫黄錯体、三酸化硫黄ピリジン、アルカリ金属二硫酸塩、スルホニルイミダゾリウム塩、N-ヒドロキシスクシンイミド-硫酸塩及びトリブチルスルホアンモニウムベタインからなる群から選択される。
【0077】
[0088]他の実施形態では、炭酸塩転移試薬は、ホスゲン、塩化トリクロロアセチルクロリド、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,1’-カルボニルビス(2-メチルイミダゾール)、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート、4-ニトロフェニルクロロホルメート、ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネートから選択され、その後、塩基、水又はアルコールで任意に処理される。
【0078】
[0089]他の実施形態では、カルバメート転移試薬は、ホスゲン、塩化トリクロロアセチルクロリド、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,1’-カルボニルビス(2-メチルイミダゾール)、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート、4-ニトロフェニルクロロホルメート、ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネートから選択され、その後、アンモニア又は任意のモノ又は二置換アミンで任意に処理される。
【0079】
[0090]他の実施形態では、リン酸転移試薬は、ビス(4-ニトロフェニル)ホスフェート、ジフェニルホスフェート、パラオクソン-エチル、4-ニトロフェニルホスフェートビス(シクロヘキシルアンモニウム)塩,4-ニトロフェニル)リン酸ナトリウム塩,4-ニトロフェニル)リン酸ナトリウム塩水和物、4-ニトロフェニルホスホロジクロリド、ジフェニルホスホリルクロリド、ジエチルクロロホスフェート、ジメチルクロロホスフェート又はジイソプロピルクロロホスフェート、ジホスホリルクロリドから選択することができ、その後、必要に応じて、水、アンモニア、置換アミン又は任意のアルコールで処理することができる。
【0080】
[0091]他の実施形態では、硝酸塩転移試薬は、テトラフルオロホウ酸ニトロニウム、ニトロソニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ニトロニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸銀、亜硝酸カドミウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸銀、硝酸カドミウム、硝酸、1-ニトロピロリジン-2,5-ジオン、1-ニトロピロリジン-2-オン、2-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン、2-ニトロベンゾ[d]イソチアゾール-3(2H)-オン1,1-二酸化物又は2,5-ジニトロベンゾ[d]イソチアゾール-3(2H)-オン1,1-二酸化物から選択することができる。
【0081】
[0092]他の実施形態では、ビスホスホネート転移試薬は、上記試薬のいずれかのメドロン酸(メチレンジオホスホン酸)、塩化メドロニル、メチレンビス(ホスホンジクロリド)、エチドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、ミノドロネート、レジドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、エステル、ヘミエステルから選択することができる。
【0082】
[0093]他の実施形態では、ホウ素酸塩転移試薬は、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、ビス(ピナコラート)ジボロン、(ジメチルフェニルシリル)ボロン酸ピナコールエステル、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-イソプロピルオキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリエチル、三塩化ホウ素、クロロボラン、クロロボランメチルエステル、B-クロロカテコールボラン、B-ブロモカテコールボラン、カテコールボラン、ブロモジメチルボランから選択することができ、その後、必要に応じて水、アンモニア、置換アミン又はアルコールで処理する。
【0083】
[0094]他の実施形態では、様々な塩及び形態のTHC硫酸エステル塩を、下記の式84に示す方法に従って製造することができる。ピリジン対イオンは、水溶液中で選択した塩基の1.2当量で攪拌した場合の非晶質粉末として、及び非水溶液中で結晶性化合物として、定量収率(95~99%)及び分析純度(95~98%)で他の選択された相乗又は添加塩基によって置換され得る。反応溶液中の少なくともいくつかの水性溶媒の存在は、標的対イオンによるピリジンの置換を容易にするために重要である。溶解度が高いある標的対イオンの場合、反応は完全に水中で起こる。溶解度が低い標的対イオンの場合、反応を促進するために水性及び非水性溶媒の混合物を用いることができる。好ましくは、水とエタノールを1:1の比率で用いるが、他の非水性溶媒も用いることができる。
【0084】
【化53】
[0095]他の実施形態では、様々な塩及び形態のCBD硫酸エステル塩を、下記の式85に示す方法に従って製造することができる。ピリジン対イオンは、水溶液中で選択された塩基の1.2当量で攪拌したときに非晶質粉末として、及び非水溶液中で結晶性化合物として、定量収率(95~99%)及び分析純度(95~98%)において、他の選択された相乗又は添加塩基で置換することができる。
【0085】
【化54】
[0096]他の実施形態では、THC硫酸エステル塩のグルコサミン塩は、以下の式86に示す一ポット二段階反応シーケンスに従って製造することができ、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的の硫酸塩を得ることができる。温度は65~90°C,圧力は5~20バール,反応時間はピリジン中で4~8時間であった。式86の方法の第一段階は、THCをピリジン中で65~90°C、5~20バールの圧力で2~4時間、三酸化ピリジンと混合することによりTHCをTHC硫酸エステル塩に変換することである。この反応は安全で扱いやすい試薬を利用し、極めて効率的であり、定量的な収率と分析純度95%以上で目的の硫酸エステル塩を提供する。第二段階は、式84及び式85に示すように、対イオンとしてグルコサミンを用いた対イオン交換である。第一段階と第二段階の間に精製段階は必要なく、同じ反応容器内で直ちに連続して行うことができる。あるいは、反応は並行反応で実施することもでき、その場合、第一工程を大規模反応で実施し、粗生成物を複数の別々の反応に分割して、異なる対イオンを用いて第二工程を実施する。
【0086】
【化55】
[0097]他の実施形態では、CBD硫酸エステルのグルコサミン塩は、以下の式87に例示する方法に従って製造することができ、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的の硫酸エステルを得ることができる。温度は65~90°C、圧力は5~20バール、反応時間はピリジン中で4~8時間である。
【0087】
【化56】
[0098]他の実施形態では、THC硫酸エステル塩のシロシン塩を、以下の式88に例示する方法に従って製造することができ、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的の硫酸塩を得ることができる。温度は65~90°C、圧力は5~20バール、反応時間はピリジン中で4~8時間である。
【0088】
【化57】
[0099]他の実施形態では、CBD硫酸エステルのシロシン塩は、以下の式89に例示される方法に従って製造し、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的の硫酸エステルを得ることができる。温度は65~90°C、圧力は5~20バール、反応時間はピリジン中で4~8時間である。
【0089】
【化58】
[0100]他の実施形態では、THCリン酸エステル塩のグルコサミン塩は、以下の式90に示される方法に従って製造することができ、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的のリン酸塩を得ることができる。温度は約50°C、圧力は5~20バール、反応時間はテトラヒドロフラン(THF)中で4~8時間である。
【0090】
【化59】
[0101]他の実施形態では、CBDリン酸エステルのグルコサミン塩は、以下の式91に例示される方法に従って製造され、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的のリン酸エステルを得ることができる。温度は約50°C,圧力は5~20バール,反応時間はテトラヒドロフラン(THF)中で4~8時間であった。
【0091】
【化60】
[0102]他の実施形態では、THCリン酸エステル塩のシロシン塩は、以下の式92に例示される方法に従って製造することができ、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的のリン酸塩を得ることができる。温度は約50°C、圧力は5~20バール、反応時間はテトラヒドロフラン(THF)中で4~8時間である。
【0092】
【化61】
[0103]他の実施形態では、CBDリン酸エステルのシロシン塩は、以下の式93に例示される方法に従って製造され、定量収率(90~99%)及び分析純度(95~98%)で目的のリン酸エステルを得ることができる。温度は約50°C、圧力は5~20バール、反応時間はテトラヒドロフラン(THF)中で4~8時間である。
【0093】
【化62】
[0104]ある実施形態では、カンナビノイドエステルは、末梢組織及び中枢組織のいずれか又は両方に作用し得る。
[0105]他の実施形態では、カンナビノイドエステルは、末梢に制限されてTHCの中枢精神活性特性がない。
[0106]他の実施形態では、カンナビノイドエステルは、疼痛及び炎症、メンタルヘルス障害、がん、緑内障、神経変性障害、多発性硬化症、腎線維症、線維症、中毒、運動機能障害、胃腸障害、代謝障害、及びカンナビノイド受容体調節に応答するか、又は1つ以上のカンナビノイドの投与により治療可能であることが公知の他の状態を含むいくつかの状態を管理するために用いられてよい。
[0107]他の実施形態では、カンナビノイドエステルは、ヒト及び動物の両方の用途に用いられてよい。
[0108]ある実施形態では、カンナビノイドエステルは、経口送達システムに特に有用である。さらに、それらは、局所、鼻腔内、眼科又は非経口送達システムのために処方され得る。
[0109]他の実施形態では、カンナビノイドエステルには、個々のヘミエステル、完全エステル、塩又はそれらの混合物のいずれかとして、可能なすべての異性体(立体又は構造)があげられる。
[0110]他の実施形態では、本発明によるカンナビノイドエステルの医薬製剤は、他のカンナビノイド、植物化学物質、鎮痛剤及び抗炎症剤を含む他の相乗的又は添加的な成分を含む。
[0111]他のカンナビノイドと比較すると、本発明は、より良好な安定性、溶解性及び味、効率的な吸収及び分布、及び有効性を含む改良されたPK及びPDプロファイルがあるカンナビノイド化合物を開示し、これは、効果的な疾患制御及び治療効果を提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0094】
[0112]本開示は、カンナビノイド化合物、特に、カンナビノイド薬物又はプロドラッグとして作用し得るカンナビノイドエステル、カンナビノイドエステル及びそれらの塩を相乗的又は付加的な治療的対応物とともに製造する方法、これらの化合物の食用、飲料及び医薬製剤、カンナビノイドエステルを患者に投与することによってエンドカンナビノイド系を調節する方法、及び疼痛、神経障害性疼痛、炎症、神経変性障害、多発性硬化症、脊髄及び脳損傷、心的外傷後ストレス障害、てんかん及び他の運動機能障害、小児発作障害、依存症、不眠症、悪心及び嘔吐、がん、腎線維症、肥満及び他の代謝障害、統合失調症、うつ病、強迫性障害、不安、精神障害、睡眠障害、線維筋痛症、トゥレット症候群、緑内障、クローン病、炎症性腸障害、群発頭痛、食欲不振、カンナビノイドエステルを患者に投与することによるその他の状態を改善する。
【0095】
[0113]本発明によるカンナビノイドエステル又はそれらの活性代謝物は、CB1又はCB2のいずれか又は両方のリガンドとして作用するか、又は非受容体媒介機構を介してそれらの作用を発揮する。本発明のある例示的な実施形態の独特な薬物動力学のために、いくつかの実施形態は、被検者におけるCB1、CB2、又はいかなる他のエンドカンナビノイド受容体等の第二のカンナビノイド受容体よりも、第一のカンナビノイド受容体に選択的に結合するための偏向しているモジュレータ(作動薬、拮抗薬、部分作動薬、逆作動薬等)として用いることができる。それらはまた、COX酵素、脂肪酸アミドヒドロラーゼ(FAAH)、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーV(TrpV)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、推定異常カンナビジオール受容体、イオンチャネル、リガンド依存性イオンチャネル、及び他のGタンパク質共役受容体を含む他の標的及び受容体を調節することができる。
【0096】
[0114]本発明のある例示的な実施形態による化合物の水溶性は、塩基性カンナビノイド化合物と比較して、2,000~5,000倍高い。ある例示的な化合物はまた、様々なpH条件下で良好な安定性を示した。これらの例示的な化合物はpH1.2(絶食時模擬胃液)で迅速に加水分解されるが、pH5.1、6.8及び7.4(絶食時模擬腸液)で良好な安定性を示した。さらに、ある例示的な化合物は、アリールスルファターゼ及びb-グルクロニダーゼが共に6時間以内に化合物の初期量の約50%を分解できることを示した。ラット薬物動態試験において、ある例示的な化合物は、経口投与により吸収及び相対的バイオアベイラビリティが10倍高まり、通常のカンナビノイド用量の1/10しか用いなくてよく、1日1回の投与計画に適していることが示された。
【0097】
[0115]用語「エステル」は、可能なすべてのヘミエステル、完全エステル、塩及び異性体(立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体及び混合物を含む)を、それらのいかなる比率で含む。好ましくは、エステルは、ヘミエステル又は塩である。好ましくは、それらは、純粋な化合物の塩である。
[0116]用語「カンナビノイド」は、少なくとも1つのヒドロキシル基があるカンナビノイドに関する。内因性、合成、半合成、又は天然のカンナビノイドを含み、以下の:デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBC)、カンナビクロメン酸(CBL)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)、及びそれらの誘導体、合成類似体、関連する化学構造及び塩、ならびにそれらの混合物及び組み合わせがあげられる。
【0098】
[0117]用語「水酸基」は、アルコール性又はフェノール性のOH又はそれらの同位体(例えば、SH又はNH2)に関する。
[0118]用語「塩」は、相乗的又は付加的な治療的対応物がある塩をいう。用語「塩」はまた、pKaが3以上の有機塩基の塩をいい、以下の:環状又は非環状アミン(例えばエルブミン)、エタノールアミン誘導体(トリエタノールアミン)、塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)、アミノ糖(例えばグルコサミン)、アミノポリマー及びオリゴマー(脱アセチル化コンドロイチン、脱アセチル化ヒアルロン酸)、芳香族又は脂肪族アミン(例えばアニリン、4-アミノピリミジン)又は他の環状窒素化合物(例えば、アジリジン、アゼチジン、ジアゼチジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、3-ピロリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、モルホリン、二酸化チオモルホリン、チアジン、ピロリジジン、アザインドール、アザインダゾール、プリン、ピラゾロピリミジン、キノリン、デカヒドロキノリン、アゾカン)、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)があげられる。
【0099】
[0119]用語「プロドラッグ」は、人体内での活性化が必要でありうる標的化合物のエステルを含むことを意図している。エステル又はその塩は、活性化合物(等効力又はより強力)又は不活性化合物である。好ましくは、それらは活性である。ヒト又は動物に投与すると、それらは遊離薬物を放出するために酵素的活性化又は化学的活性化される。
[0120]本明細書で用いられる用語「製剤」は、本明細書に記載される化合物の1つ以上、又はその薬学的に許容される塩、又は他の生理学的に許容される担体及び賦形剤と共に他の相乗的又は付加的な治療的対応物の混合物をいう。製剤(例えば、固体又は液体の投与形態)の目的は、被験動物又はヒトへの化合物の投与を容易にすることである。
[0121]本開示における用語「被験体」は、ヒトの患者をいうが、ヒトに限定されず、動物が含まれてよい。
[0122]本明細書で用いられる用語「投与」は、経口、静脈内、筋肉内、経皮、吸入、口腔、眼、膣、直腸などを含むが、これらに限定されない、本明細書に記載される化合物及び組成物を患者に導入するすべての手段を含む。本明細書に記載される化合物及び組成物は、従来の毒性のない薬学的に許容される担体、アジュバント及び賦形剤を含む単位剤形及び/又は製剤で投与され得る。
【0100】
[0123]好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイドエステルは、式28、29、32、34、61、62、69及び71の例によって表される。好ましくは、カンナビノイドエステルは、相乗的又は付加的な治療的対応物がある塩の形態である。好ましくは、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の塩(例えば、シタロプラム)、アミスルプリド、ルラシドン、パリペリドン、パルミチン酸パリペリドン、リスペリドン、ジプラシドン、ペロスピロン、ドキソルビシン、メルペロン、アリピプラゾール、ブレキシピプラゾール、カリプラジン、オランザピン、クエチアピン、フロキセチン、カルシトニン、プソイドエフェドリン、ピラセタム、レベチラセタム、シタグリプチン、シロドシン、ヒドロクロロチアジド、エゼチミブ、プロプラノロール、アテノロール、ナドロール、ピンドロール、ソタロール、チモロール、ペンブトロール、オクスプレノロール、カルビジオール、カルテオロール、ブシンドロール、アセブタノール、ベタキソロール、エスモロール、ネビボロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトルポロール、アゼルニジピン、バルニジピン、マニジピン、レルカンジピン、エフォニジピン、ベニジピン、ブリモニジン、ボルテゾミブ、レディパスビル、ダクラタスビル、オンビタスビル、エルバスビル、ラミブジン、ドーパミン、5-ヒドロキシトリプタミン、レボドパ、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、アポモルフィン、タクリン、リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、ビガバトリン、ラモトリギン、チアガビン、プレガバリン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ヒスタミンがあげられる。
[0124]他の好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイドエステルは、式28、29、32、34、61、62、69及び71の例によって表される。好ましくは、カンナビノイドエステルは、相乗的又は付加的な治療的対応物がある塩の形態である。好ましくは、ロペラミド及びジフェノキシレート等のアヘン受容体拮抗薬;タペンタドール等のアヘン受容体作動薬、又はナルブフィン、ブプレノルフィン及びペンタゾシン等のアヘン受容体の混合作動薬-拮抗薬及び/又は部分作動薬効果があるものの塩である。これらの好ましい実施形態は、以下の表2に示されており、ここで、塩基(B)は、以下の表3に列挙された塩基a~hのいずれでもよい。
表2:例示的なカンナビノイドエステル塩
【0101】
【表2】
表3:塩基の例
【0102】
【表3】
[0125]式1~式83の側基Rは、他のカンナビノイド、他の有効成分、又は不活性基であってよい。好ましくは、Rは、相乗活性又は付加活性がある他の化合物である。他のカンナビノイドは、好ましくはTHC又はCBDであるが、ヒドロキシル基、アミノ基又はフェノール官能基がある他のカンナビノイドであってよい。適当なカンナビノイドの例としては、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)、並びにこれらの誘導体、合成類似体、関連する化学構造及び塩並びにこれらの混合物及び組合せがあげられる。他の活性成分は、好ましくは、アセトアミノフェン又はイブプロフェンであるが、少なくとも1つのヒドロキシル基、アミノ基又はフェノール官能基があるオピオイド又は他の薬剤があげられてよい。好ましくは、不活性基はHであるが、メチル、エチル又は他の非環式飽和炭化水素基(すなわちC2n+1)、アリール又は他の環式飽和炭化水素基(すなわちC2n-1)、又はそれらの異性体及び類似体であってよい。
【0103】
[0126]式28~式83においてBで表される対イオンは、本明細書では塩基ともいい、環状アミン、非環状アミン、エタノールアミン誘導体、芳香族アミン、脂肪族アミン、アミノ糖、アミノポリマー、アミノオリゴマー、又はアミノ酸であってよい。好ましくは、トリエタノールアミン、エルブミン、アルギニン、リジン、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、及び第一級、第二級、及び第三級を含む他の関連するアミン及び誘導体であってよい。芳香族アミンは、好ましくはアニリン又は4-アミノピリミジンであるが、ナフチルアミン、スルファニル酸、4-アミノ安息香酸、及び他の関連するアミン、類似体、及び誘導体であってもよい。側基はまた、好ましくはピペラジン又はモルホリンであってもよいが、アジリジン、アゼチジン、ジアゼチジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、3-ピロリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、二酸化チオモルホリン、チアジン、ピロリジジン、アザインドール、アザインダゾール、プリン、ピラゾロピリミジン、キノリン、デカヒドロキノリン、アゾカン、又はそれらの誘導体、類似体、及びイソストールであってよい。
[0127]式28~83でB基で表される治療用イオンは、好ましくは、相乗効果又は付加効果がある基から選択される。好ましくは、グルコサミン、シロシビン、シロシン、プレガバリン、ガバペンチン、トピラマート、モルヒネ、レボドパ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、シタロプラム)である。
【0104】
[0128]カンナビノイドエステルは、合成、半合成、微生物、酵素及び合成生物学的方法、並びにカンナビス種の遺伝子操作によって調製することができる。好ましくは、それらは、少なくとも1つのヒドロキシル基があるいかなるカンナビノイドから、式84~93に記載された反応に従って調製することができる。好ましくは、カンナビノイドはTHC又はCBDであり、ヒドロキシル基はフェノール性OHである。反応条件の修飾は、他の誘導体及び類似体を生成することができる。
[0129]医薬製剤は、カンナビノイドエステル又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含めて調製することができる。好ましくは、製剤は、経口及び口腔粘膜用の固体又は液体の剤形である。
[0130]カンナビノイドエステルのある例示的実施形態の薬物動力学プロファイルは、対応する親カンナビノイドよりも好ましい。例えば、ある例示的グルコサミンカンナビノイド硫酸塩のCmax(最大血漿濃度)は、親カンナビノイドよりも10倍高かった。その結果、医薬品製剤は、親カンナビノイドと比較して、これらのカンナビノイド硫酸エステル塩の有効用量が低くてよいであろう。さらに、例示的なカンナビノイド硫酸エステル塩は、親カンナビノイドよりも吸収変動が少ない。半減期(T1/2)、最大血漿濃度(Cmax)、及びCmaxに達するまでの時間(Tmax)を含むある例示的なカンナビノイド硫酸エステルのPKプロファイルを、CBDと比較して下表に示す。
【0105】
【表4】
[0131]シミュレートされた胃及び腸培地下でのエステル塩のある例示的な実施形態の酵素的及び化学的安定性は、対応する親カンナビノイドよりも好ましい。例えば、CBDはシミュレートされた胃培地及び腸培地において短時間で放出された(10~30分以内に5%~20%放出される)。例示的なカンナビノイド硫酸エステル塩も、対応する親カンナビノイドと比較して好ましい毒性プロファイルを示す。さらに、ある例示的なカンナビノイド硫酸エステル塩は、親カンナビノイドよりも5,000倍から3万倍高い水溶性を示す。
[0132]本製剤は、活性成分及び相乗的又は添加的な成分を含有してもよく、例えば、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバロール(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロールモノエチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロール酸モノエチルエーテル(CBGAM)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビクロメン酸(CBC)、カンナビクロメン酸(CBL)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール酸(デルタ-8-THCA)、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール酸(THCA-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオルコール-C1(THC-C1)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビシコール酸(CBLA)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソ酸A(CBEA-A)、カンナビエルソ酸B(CBEA-B)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビバリン、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビオルコール(CBN-C1)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビトリオール(CBT)、カンナビトリオールバリン(CBTV)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン、カンナビシトラン(CBT)、カンナビリプソール(CBR)、「11-ヒドロキシテトラヒドロカンナビノール」(11-OH-THC)、「11-ノル-9-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノール」(THC-COOH)並びにこれらの誘導体、合成類似体、関連する化学構造及び塩並びにこれらの混合物及び組合せ;ボスウェリア属(Boswellia carterii及びBoswellia serrataを含む)、ショウガ、カプサイシン、カンファー、ポリフェノール、ケルセチン、エラグ酸、クルクミン、レスベラトロール、フィトステロール、マンノース-6-リン酸を含む炭水化物、精油(チモール、カルバクロールを含む)、テルペノイド(スクアレン、リコペン、p-シメン、リナロールを含む)、並びにそれらの誘導体、類似体、塩、混合物、及び組み合わせがあげられる。好ましくは、当該製剤は、選択されたカンナビノイドエステル化合物にさらなる相乗成分又は添加成分を含有する。
【0106】
[0133]本発明による、設計された化合物は、口腔粘膜、鼻、経口、眼科、経皮及び非経口経路によって送達することができる。好ましくは、それらは経口経路又は経皮によって送達される。
[0134]本発明によるカンナビノイドエステルは、食用、飲料及び医薬用途を含む様々な用途に用いることができる。好ましくは、カンナビノイド受容体の調節に応答する炎症及び疼痛、メンタルヘルス障害、及び他の関連する状態の治療に使用することができる。他のいくつかの関連する類似体と比較して、これらのエステルの塩の好ましい実施形態は、改善された吸収とともに、最適化された薬物動力学的及び薬力学的プロファイルとともに、より安定であり、水溶性である。これらは、炎症、疼痛、メンタルヘルス障害及び関連する状態の治療に有用であり、症状を迅速に緩和し、患者に長期にわたる緩和を提供する。
【実施例1】
【0107】
CBD硫酸エステルのピリジン塩の調製
[0135]ゴムキャップ、テフロン(登録商標)隔壁及び撹拌棒がある反応管にカンナビジオール(CBD)(1.58g、5mmol、1当量)、PySO(97%)(0.96g、6mmol、1.2当量)及び乾燥ピリジン3mLを充填する。反応管をアルゴンガスでフラッシュし、Anton Paar社のモノウェーブ50(登録商標)で5~20バールの圧力の下、70°Cで4時間加熱する。室温まで冷却した後、ピリジンを減圧(100mbar)及び50°Cで蒸発させ、所望の生成物を粘性油(定量収率2.36g)として得た。必要に応じて、生成物を精製せずに、下記の実施例2の方法で直接使用してもよい。他の溶媒(ジクロロメタン又はテトラヒドロフランなど)、室温又は大気圧を用いると、より低い収率(<50%)が得られた。より高い温度(>100°C)を用いると、分解が観察された。
ピリジン-1-ium(1’R,2’R)-6-ヒドロキシ-5’-メチル-4-ペンチル-2’-(プロップ-1-エン-2-イル)-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル硫酸塩:
【0108】
【化63】
【実施例2】
【0109】
対イオン交換の一般的な手順
[0136]必要に応じて、上記の実施例1の方法の生成物のピリジン対イオンを、次の方法により、水溶液中で選択塩基1.2当量(例:グルコサミン又はシロシン)で攪拌したときに、非晶質粉末として、定量収率(95~99%)及び分析純度(95~98%)で他の選択塩基に置換することができる。水溶液は、エタノール:水、メタノール:水、ピリジン:水及び/又はイソプロパノール:水の1:1混合物であってもよい。あるいは、水をアセトン、THF又はクロロホルムのような他の有機溶媒と混合してもよい。対イオン交換反応を非水溶液(例えば、無水エタノール又はメタノール、乾燥ピリジン)中で行うと、標的硫酸塩が結晶形で得られた。
[0137]ポリエチレンプラグ及び撹拌棒がある反応バイアルに、好ましくは実施例1(0.47g、1mmol、1当量)の方法に従って製造されるピリジニウムCBD硫酸塩、選択された塩基(1.2mmol、1.2等)及び5mLのH2O又はエタノール又はH2O:エタノール溶液(1:1)を充填する。反応物を室温で2~4時間撹拌して乳状エマルジョンを製造し、これを-80°Cまで冷却し、溶媒を好ましくはFreeZone(登録商標)2.5リットルベンチトップ凍結を用いて凍結乾燥し、さらなる精製を必要とせずに定量収率で所望の生成物を非晶質粉末として得る。以下の例示的なCBD硫酸エステル塩は、溶液中でCBD硫酸ピリジニウムと混合する適当な塩基を選択することにより、実施例2の方法に従って製造することができる。
(2R,3R,4R,5S,6R)-2,4,5トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-アミニウム(1’R,2’R)-6-ヒドロキシ-5’-メチル-4ペンチル-2’-(プロップ-1-エン-2-イル)-1’,2’,3’,4’-テトラヒドロ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル硫酸塩:
【0110】
【化64】
[0138]本発明の他の例示的な実施形態は、カンナビノイドによる治療に反応することが公知の状態又は疾患に罹患した患者を治療するための医薬組成物である。これらの医薬組成物は、本明細書に開示される化合物、又はその医薬的に許容される塩と、1つ以上の医薬的に許容される希釈剤又は賦形剤、又はその両方を含む。
【実施例3】
【0111】
各硬質ゼラチンカプセルは以下を含む:
【0112】
【表5】
【実施例4】
【0113】
各硬質ゼラチンカプセルは以下を含む:
【0114】
【表6】
【実施例5】
【0115】
各硬質ゼラチンカプセルは以下を含む:
【0116】
【表7】
【実施例6】
【0117】
各硬質ゼラチンカプセルは以下を含む:
【0118】
【表8】
【実施例7】
【0119】
各錠剤は以下を含む:
【0120】
【表9】
【実施例8】
【0121】
各100gのクリームは以下を含む:
【0122】
【表10】
[0139]用語「薬学的に許容される希釈剤」又は「薬学的に許容される賦形剤」は、対象となる組成物又はその構成要素の運搬又は輸送に関与する、液体又は固体の充填剤、溶媒又はカプセル化材料等のいかなる薬学的に許容される材料、組成物又はベヒクルをいう。各担体は、対象となる組成物及びその構成要素と適合し、かつ患者に有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る物質の例としては、以下の:(1)乳糖、麦芽糖等の糖類;(2)コーンスターチ及び糊化(ゲル化)デンプン等のデンプン類;(3)セルロース及びカルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のその誘導体;(4)ゼラチン、トラガカンス等の増粘剤;(5)コポビドン等の崩壊剤;(6)ココアバター、座薬(坐剤)ワックス、無菌製品用のパイロジェンフリー水等の他の賦形剤-;かつ(7)医薬製剤に用いられる他の非毒性適合物質があげられる。
[0140]本発明は、例示的な実施形態を参照して説明され、図示されているが、当業者には、以下の請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、等価物をその要素に置き換えることができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に開示される実施形態に限定されないことが意図される。
【国際調査報告】