(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】大豆ミールのバイオマス由来飼料成分
(51)【国際特許分類】
A23K 10/37 20160101AFI20240227BHJP
A23K 10/14 20160101ALI20240227BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20240227BHJP
【FI】
A23K10/37
A23K10/14
A23K10/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553349
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2021073868
(87)【国際公開番号】W WO2022184285
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514085229
【氏名又は名称】ハムレット・プロテイン・エ/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーネ・ブレクナー
(72)【発明者】
【氏名】ペルニレ・トフト・ラスムッセン
(72)【発明者】
【氏名】ヨナタン・ディコウ
(72)【発明者】
【氏名】ライラ・ティルプ
【テーマコード(参考)】
2B150
【Fターム(参考)】
2B150AA02
2B150AA03
2B150AA04
2B150AA05
2B150AB01
2B150AC24
2B150AC25
2B150AC26
2B150AD02
2B150CE09
(57)【要約】
本発明は、使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来であり、飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多い可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含む、発酵飼料成分に関する。本発明は、飼料成分の調製方法及びその使用も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来であり、飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多い可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含む、発酵飼料成分。
【請求項2】
タンパク質性植物部分のバイオマスが、脱皮及び脱脂大豆ミール以外のタンパク質性植物部分を50質量%以下含む、請求項1に記載の発酵飼料成分。
【請求項3】
タンパク質性植物部分のバイオマスが、少なくとも55質量%の脱皮及び脱脂大豆ミール、例えば少なくとも60質量%、例えば少なくとも65質量%、例えば少なくとも70質量%、例えば少なくとも75質量%、例えば少なくとも80質量%、例えば少なくとも85質量%、例えば少なくとも90質量%、例えば少なくとも95質量%、又は例えば少なくとも99質量%の脱皮及び脱脂大豆ミールを含む、請求項1又は2に記載の発酵飼料成分。
【請求項4】
タンパク質性植物部分のバイオマスが、50質量%から100質量%の範囲、例えば60質量%から100質量%の範囲、例えば70質量%から100質量%の範囲、例えば80質量%から100質量%の範囲の脱皮及び脱脂大豆ミールを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項5】
前記飼料成分の粗タンパク質含量が、乾物基準で40質量%から65質量%の範囲、例えば乾物基準で45質量%から65質量%の範囲、又は例えば乾物基準で50質量%から60質量%の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項6】
タンパク質の乾物基準で2質量%から6質量%が酵母由来であり、又は例えばタンパク質の乾物基準で2質量%から5質量%が酵母由来である、請求項1から5のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項7】
前記飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも15%多い可溶性NSP、例えば、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも20%多い可溶性NSPを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項8】
前記飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも10%から50%の範囲より多いNSPを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項9】
前記飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマス中のME量と比較して、少なくとも2%(MJ/kg DM)増加した代謝可能エネルギー(ME)量を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項10】
前記飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマス中のME量と比較して、1.5%から10%(MJ/kg DM)の範囲の増加した代謝可能エネルギー(ME)量を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項11】
飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも5%少ない不溶性非デンプン多糖類(NSP)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項12】
前記飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマス中の20kDa未満の可溶性ペプチドの割合と比較して、20kDa未満の可溶性ペプチドのより高い割合を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の発酵飼料成分。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の発酵飼料成分を調製する方法であって、タンパク質性植物部分のバイオマスと混合する工程を含み、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールと使用済みビール酵母とを、バイオマスの酵母に対する比、乾物質量で100:2から100:8で含み、反応乾物含量が44質量%から53質量%になるように水を加えて反応容器に得られた混合物を供給し、混合物を24~35℃で8~20時間インキュベートした後、任意で熱処理し、次いで水分3%から10%まで乾燥させる、方法。
【請求項14】
動物消費用の加工飼料製品の製造のための請求項1から12のいずれか一項に記載の発酵飼料成分の使用であって、好ましくは、動物が、プレバイオティックオリゴ糖を必要とする生産動物、より好ましくは、子ブタ、子ウシ、家禽等の新生動物及び幼若動物である、使用。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の発酵飼料成分を0.5質量%から99質量%含有する動物消費用の加工飼料製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱皮及び脱脂大豆ミール並びに使用済みビール酵母に由来する飼料成分、その調製方法、及び飼料成分の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
主に食品や飼料として、或いは食品や飼料の成分として使用できるバイオ製品が必要とされている。このような製品の基本構成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物である。このような製品に適したバイオマスは、油料種子、穀類、豆類等の油料作物である。穀類は小麦のように15%までのタンパク質含量を持ち、豆類は大豆のように乾物基準で40%までのタンパク質含量を持つ。
【0003】
特に大豆ミールは、タンパク質及びエネルギーの供給源として動物飼料に広く利用されている。豆類はタンパク質を多く含むため、動物飼料の成分として重要である。しかし、豆類は油を含むため、エネルギー源でもある。油は通常抽出され、他の用途に使用されるが、脱脂大豆は動物飼料の主要なタンパク質源として使用できる。
【0004】
大豆には食物繊維も豊富に含まれている。一般に、単胃動物、特に幼若動物は胃腸の微生物叢が未熟であり、食物繊維を分解できないため、食物繊維は抗栄養因子と考えられてきた。食物繊維は、異なる分子結合や分子構造によって結合された炭水化物であり、小腸で消化されない分子として総称され、非デンプン多糖類(NSP)も含まれる。食物繊維は、消化器系の下部において、宿主微生物叢によって不完全発酵という生理学的プロセスを通じて分解されうる。動物が非デンプン多糖類(NSP)を分解できず、分解産物、例えば有機酸を利用できないため、食物繊維は元来、抗栄養因子であると考えられていた。
【0005】
飼料用酵素又はプロバイオティクスの形で、新しくより高度な飼料添加物が動物飼料に利用可能である。特定の飼料添加物の目的は、豆類をより多く利用することであり、それによって排泄物を最小限に抑え、豆類の利用を向上させることである。一部の動物飼料では、最終的な飼料配合に「外因性」酵素を添加することが一般的になっているが、酵素は他の飼料と一緒に消費される前には作用せず、動物の腸内環境で働く(Kiarieら、2013、Scapiniら、2018)。大豆のNSPとタンパク質構造を分解する生産補助剤としての酵母の使用については、限られた程度しか説明されていない。
【0006】
驚くべきことに、本発明者らは、少なくとも50質量%の大豆を含むバイオマスを、所定量の酵母を添加して処理すると、該工程はNSP及びタンパク質構造を分解できること、酵母は特定の炭水化物及びタンパク質標的化/修飾酵素を発現することを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、酵母で処理した後に、大豆ミールよりも可溶性NSPの含有量が高い、新しい発酵飼料成分を提供することである。
【0008】
別の目的は、有益なペプチドサイズ分布を有する製品を提供することである。本発明の製品を動物に与えることにより、より多くのタンパク質が小腸で吸収されることとなり、小腸をバイパスして糞便中に排泄されるタンパク質が少なくなることとなる。
【0009】
更に別の目的は、動物に与えたときに有機酸を生成し、動物により多くのエネルギーを供給する新しい製品を提供することである。
【0010】
また、新しい飼料成分の調製方法を提供することも目的である。
【0011】
最後に、飼料成分のより良い利用に対する応答として、離乳前の動物の成長成績の向上と体重の均一性の向上を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的は、本発明の製品によって達成される。
【0013】
したがって、第1の態様では、本発明は、使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来であり、飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多い可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含む、発酵飼料成分に関する。
【0014】
第2の態様では、本発明は、本発明に記載の発酵飼料成分を調製する方法であって、タンパク質性植物部分のバイオマスと混合することを含み、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールと使用済みビール酵母とを、バイオマスの酵母に対する比、乾物質量で100:2から100:8で含み、反応乾物含量が44%から53%になるように水を加えて反応容器に得られた混合物を供給し、混合物を24~35℃で8~20時間インキュベートした後、任意で熱処理し、次いで水分3%から10%まで乾燥させる方法に関する。
【0015】
驚くべきことに、本発明者らは、使用済みビール酵母を所定量適用すると、炭水化物分解酵素活性(NSPアーゼ活性等)及びプロテアーゼ活性を有する酵素が、大豆ミール(SBM)中のNSP及びタンパク質の構造を有利な方法で修飾できることを見出した。したがって、大豆ミールを主として含むバイオマス、例えば少なくとも50質量%のSBMを使用済みビール酵母で処理すると、バイオマス中の不溶性NSPの一部を可溶化することができ、大豆ミールよりも可溶性NSPの含有量が高い新しい飼料成分が得られる。大豆中のNSPが分解され、有機酸が生成され、動物に与えられることにより、子ブタだけでなく、他のすべての動物(畜産動物及び家畜)において、動物により多くのエネルギーが供給され、また、飼料成分のより良い利用に対する応答として、離乳前の動物の成長成績の向上と体重の均一性の向上が提供される。
【0016】
NSPの溶解性が向上したことに加え、この新製品は、タンパク質の有益なペプチドサイズ分布という形で、原材料と比較して驚くほど製品特性が更に改善された。
【0017】
第3の態様では、本発明は、0.5から99質量%の本発明の飼料成分を含有する生産動物用の飼料製品又は栄養補助食品、例えば、生産動物、好ましくは子ブタ、子ウシ、家禽等の新生動物及び幼若動物用の飼料に使用するための飼料製品を更に提供する。
【0018】
第4の態様では、本発明は、動物消費用の加工飼料製品の製造のための、本発明に記載の発酵飼料成分の使用に関する。
【0019】
第5の態様では、本発明は、使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来である、発酵飼料成分に関する。
【0020】
定義
本発明の文脈において、以下の用語は、本明細書の他の箇所で定義されていない限り、以下を含むことを意味する。
【0021】
バイオマス
光合成によって生産され、工業生産に使用できる生物学的物質を含む。本明細書の文脈において、バイオマスは、タンパク質性植物部分を指し、例えば50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含む。残りのタンパク質性植物部分は、例えば、種子、穀類、豆類、イネ科植物、例えば、豆、エンドウ、ルーサン、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0022】
大豆製品
大豆製品、特に大豆由来の製品の形態の植物物質、及びそれらの混合物を指す。大豆は、南米産、北米産、アジア産、ヨーロッパ産等、どの大豆由来であってもよく、遺伝子組換え由来(GMO)であっても、非遺伝子組換え由来(非GMO)であってもよい。大豆ミール(SBM)は、脱皮及び脱脂した大豆である。
【0023】
食物繊維
食物繊維は、可溶性及び不溶性の非デンプン多糖類(NSP)を含み、オリゴ糖、リグニン、及び難消化性デンプンを含んでもよい。本発明の文脈で選択される原料バイオマスは、少量のオリゴ糖と難消化性デンプンのみを含むか、難消化性デンプンを実質的に含まない。動物飼料中の食物繊維を記述するために、主に4つの分析方法が用いられる。食物繊維分析は、異なる繊維分画を同定するための最も詳細で記述的な方法論である。この方法では、可溶性及び不溶性非デンプン多糖類(NSP)の含量を定量する(Englystら、1994)。
【0024】
使用済みビール酵母
使用済みビール酵母は当業者に知られており、醸造の副産物である。使用済みビール酵母は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株に属する。
【0025】
飼料製品
子ブタ、子ウシ、家禽、毛皮動物、ヒツジ等の生産動物用の、すぐに使える飼料又は飼料成分を含む。
【0026】
用語「含む(comprising)」は、記載された部分、工程、特徴、組成物、化学物質、又は成分の存在を特定するものと解釈されるが、1つ又は複数の追加の部分、工程、特徴、組成物、化学物質、又は成分の存在を排除するものではない。例えば、化学化合物を含む組成物は、したがって、追加の化学化合物等を含んでもよい。
【0027】
本発明を図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】使用済みビール酵母で処理した本発明の5つの異なるバッチ(バッチ1~5)及び対応するSBM(未処理の原料)製品(SBM1~5)における可溶性及び不溶性NSP含量のスクリーニング結果を示す図である。
【
図2a】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の動物における有機酸の生成を示す図である。
【
図2b】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の動物における代謝可能エネルギー(ME)の増加を示す図である。
【
図3】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の子ウシの成長成績(体重/月齢)を示す図である。
【
図4】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の離乳前の子ウシの体重の均一性を示す図である。
【
図5】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の子ヒツジの成長成績と体重の均一性を示す図である。
【
図6】未処理のSBMを与えた場合と比較した、本発明の製品を与えた後の子ヒツジの成長成績と体重の均一性を示す図である。
【
図7】使用済みビール酵母で処理した本発明の5つの異なるバッチ(バッチ6~10)及び対応するSBM(未処理の原料)製品(SBM6~10)における相対的なペプチドサイズ分布を示す図である。
【
図8】使用済みビール酵母で処理した本発明の5つの異なるバッチ(バッチ6~10)及び対応するSBM(未処理の原料)製品(SBM6~10)における相対的なペプチドサイズ分布を示す図である。
【
図9】本発明の2つの異なるバッチ及び対応するSBM(未処理の原料)製品の可溶性相におけるペプチドサイズ分布を示す図である。
【
図10】同じ大豆バッチに由来する本発明の製品及び未処理のSBMをそれぞれ与えた後の血液サンプル中の個々のアミノ酸の血漿分析を示す図である。血液サンプルは給餌後0、30、60、90、120、180、360分の時点で採取した。
【発明を実施するための形態】
【0029】
その第1の態様では、本発明は、使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来であり、飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多い可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含む、発酵飼料成分に関する。
【0030】
その第1の態様における本発明の一実施形態では、使用済みビール酵母は、例えば、乾物質量で2から8%の量、例えば2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、又は8%、で存在することができる。
【0031】
本態様の実施形態のいずれかでは、タンパク質性植物部分のバイオマスは、50質量%以下の脱皮及び脱脂大豆ミール以外のタンパク質性植物部分を含んでもよい。
【0032】
本明細書では、第5の態様において、使用済みビール酵母及びタンパク質性植物部分のバイオマスに由来する発酵飼料成分であって、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含み、前記飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で35質量%から65質量%の範囲であり、タンパク質の乾物基準で2質量%から8質量%が酵母由来である、発酵飼料成分も開示される。
【0033】
その第5の態様における本発明の一実施形態では、使用済みビール酵母は、例えば、乾物質量で2から8%の量、例えば2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、又は8%、で存在することができる。
【0034】
本態様の実施形態のいずれかでは、タンパク質性植物部分のバイオマスは、50質量%以下の脱皮及び脱脂大豆ミール以外のタンパク質性植物部分を含んでもよい。
【0035】
本発明の実施形態のいずれかでは、タンパク質性植物部分のバイオマスは、少なくとも55質量%の脱皮及び脱脂大豆ミール、例えば少なくとも60質量%、例えば少なくとも65質量%、例えば少なくとも70質量%、例えば少なくとも75質量%、例えば少なくとも80質量%、例えば少なくとも85質量%、例えば少なくとも90質量%、例えば少なくとも95質量%、又は例えば少なくとも99質量%の脱皮及び脱脂大豆ミールを含んでもよい。
【0036】
本発明の実施形態のいずれかでは、タンパク質性植物部分のバイオマスは、50質量%から100質量%の範囲、例えば60質量%から100質量%の範囲、例えば70質量%から100質量%の範囲、例えば80質量%から100質量%の範囲の脱皮及び脱脂大豆ミールを含んでもよい。
【0037】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分の粗タンパク質含量は、乾物基準で40質量%から65質量%の範囲、例えば乾物基準で45質量%から65質量%の範囲、又は例えば乾物基準で50質量%から60質量%の範囲であってもよい。
【0038】
本発明の実施形態のいずれかでは、タンパク質の乾物基準で2質量%から6質量%が酵母由来であってもよく、又は例えばタンパク質の乾物基準で2質量%から5質量%が酵母由来であってもよい。
【0039】
飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多く可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含むとは、飼料成分中のNSPの量が、飼料成分の由来するバイオマス中のNSPの量よりも少なくとも10%多いことを意味する。飼料成分及び飼料成分が由来する特定のバイオマス中の可溶性及び不溶性NSPの含量は、食物繊維分析(Englystら、1994)に従った分析によって決定することができる。本明細書に開示されたデータは、飼料成分が、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも10%多く可溶性非デンプン多糖類(NSP)を含むことを示す。したがって、使用済みビール酵母によって発現されたNSPアーゼ活性酵素によるNSP構造の修飾があった。
【0040】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも15%多い可溶性NSPを含んでもよい。
【0041】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも20%多い可溶性NSPを含んでもよい。
【0042】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマスよりも10%から50%の範囲より多い可溶性NSPを含んでもよい。
【0043】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマス中のME量と比較して、少なくとも2%(MJ/kg DM)増加した代謝可能エネルギー(ME)量を有してもよい。
【0044】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマス中のME量と比較して、1.5%から10%(MJ/kg DM)の範囲の増加した代謝可能エネルギー(ME)量を有してもよい。
【0045】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマスよりも少なくとも5%少ない不溶性NSPを含んでもよい。
【0046】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマス中の20kDa未満の可溶性ペプチドの割合と比較して、20kDa未満の可溶性ペプチドのより高い割合を有してもよい。
【0047】
本発明の実施形態のいずれかでは、飼料成分は、飼料成分が由来するバイオマス中の20kDa未満の可溶性ペプチドの割合と比較して、20kDa未満の可溶性ペプチドの6~10%のより高い割合を有する。
【0048】
本発明の製品は、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールを含むバイオマスを、使用済みビール酵母と、乾物質量で大豆ミール:酵母が100:2から100:8の比で混合し、反応乾物含量が44質量%から53質量%になるように水を加えて反応容器に供給し、混合物を24~35℃で8~20時間インキュベートした後、任意で熱処理し、次いで水分3%から10%まで乾燥させる方法によって調製することができる。
【0049】
したがって、その第2の態様において、本発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の発酵飼料成分を調製する方法であって、タンパク質性植物部分のバイオマスと混合することを含み、前記バイオマスは、50質量%以上の脱皮及び脱脂大豆ミールと使用済みビール酵母とを、バイオマスの酵母に対する比、乾物質量で100:2から100:8で含み、反応乾物含量が44質量%から53質量%になるように水を加えて反応容器に得られた混合物を供給し、混合物を24~35℃で8~20時間インキュベートした後、任意で熱処理し、次いで水分3%から10%まで乾燥させる方法に関する。
【0050】
本発明の方法の実施形態のいずれかでは、バイオマスの酵母に対する比は、例えば、乾物質量で100:2、100:3、100:4、100:5、100:6、100:7、又は100:8であってもよい。
【0051】
本発明の方法の実施形態のいずれかでは、反応容器に供給される反応混合物中の乾物含量は、44質量%、45質量%、46質量%、47質量%、48質量%、49質量%、50質量%、51質量%、52質量%又は53質量%であってもよい。
【0052】
本発明の方法の実施形態のいずれかでは、当業者は反応温度と時間を選択できるであろう。
【0053】
本発明の第3の態様は、本発明の飼料成分を0.5質量%から99質量%含有する生産動物用の飼料製品又は栄養補助食品に関する。本態様の発明の実施形態のいずれかでは、飼料製品又は栄養補助食品は、生産動物、特に子ブタ、子ウシ、家禽等の新生動物及び幼若動物の成績を向上するための飼料等の、生産動物用の飼料に使用するためのものであってもよい。
【0054】
本発明の第4の態様では、生産動物、特に子ブタ、子ウシ、ニワトリ等の新生動物及び幼若動物用の飼料における本発明に記載の飼料成分の使用が開示される。
【実施例】
【0055】
材料及び方法
(実施例A)
以下のように、5つの異なる原材料バッチから本発明の製品の5つのバッチを調製した。
脱皮及び脱脂大豆ミールの5つのサンプルを、使用済みビール酵母と、大豆ミール:酵母が乾物質量比で約100:2~100:5の割合で混合し、出発混合物中の反応乾物含量が約50%になるように水を加えて反応容器に供給し、混合物を24~35℃で少なくとも8時間インキュベートした後、任意で熱処理し、次いで水分5%から8%まで乾燥させた。
【0056】
5つの製品のタンパク質含量と水分は以下のように決定された:
【0057】
【0058】
(実施例1)
SBM中の可溶性及び不溶性NSP画分に対する酵母の効果を示す小規模スクリーニング
このスクリーニングでは、実施例Aのバッチ1~5及び対応する5つのSBM製品(SBM1~5)(参照製品-脱皮及び脱脂大豆ミールの対応するサンプル)中の可溶性及び不溶性NSPの含有量を測定した。参照製品は、対応するバッチを製造するために使用されたバイオマスと全く同じバイオマスに由来する。例えば、バッチ1を製造するために使用されたバイオマスは、SBM1と同じバイオマスである、等。
【0059】
製品中の可溶性及び不溶性NSPの含量を、食物繊維分析(Englystら、1994)に従って分析した。
【0060】
その結果を
図1に示す。
図1には、それぞれのスクリーニングにおける可溶性NSP(S-NSP)と不溶性NSP(I-NSP)の含量と、スクリーニング結果の平均値の両方が示されている。結果は、バッチ中のS-NSPの含量は平均6.4質量%であるのに対し、未処理のSBM参照製品では5.1質量%であることを示す。これは、SBMを酵母で処理して本発明の製品にする間に、平均して約25%多いNSPが可溶化されたことを意味する。
【0061】
注:バイオマスのインキュベーション過程で、バイオマスの9質量%が失われ(抗栄養因子(ANF)の損失による)、他の栄養素は濃縮された。製品は約55~56質量%の粗タンパク質を含んでいた。NSP画分もまた濃縮された。S-NSPの含量の増加が、単に濃縮によるものであれば、その含量は、
5.1質量%のS-NSP(SBM参照製品中)/0.91(9%のバイオマス損失)
⇒5.6%であり、実際の結果6.4質量%より少ない。
【0062】
このことは、使用済みビール酵母によって発現されたNSPアーゼ活性酵素によるNSP構造の修飾があったことを示す。
【0063】
(実施例2)
使用済みビール酵母を用いた処理により、有機酸の生産が改善されたことを示す。
離乳前の子ウシの腸内系における有機酸生産の改善と、それに対応する飼料成分のエネルギー価の上昇について、Ex-Vivo試験に基づいて説明するための実験を行った。
【0064】
実験手順:
同じバイオマス(大豆)バッチから6つのサンプルを使用した。2つの未処理SBMサンプルと4つの本明細書に開示した本発明の製品サンプルである。6つの飼料サンプルを1mmに粉砕し、それぞれ6つの飼料サンプル0.5±0.030gを100mLのインキュベーションジャー(Duran(登録商標))に入れた。それぞれの飼料を4反復(n=24)し、飼料の入っていないジャー(接種ベースライン発酵、ブランクと呼ぶ)を4つ加えた。3頭の雄の子ウシから新鮮な第四胃液(それぞれの子ウシから340mL)と反芻胃液(それぞれの子ウシから50mL)(pH:4.8~5.2)、すなわち、それぞれの子ウシから合計390mL、をプールした。子ウシは3~6週齢で、同じ牧場で飼育され、主に全乳からなる同じ飼料を与えられていた。反芻胃は予熱(約39℃)した魔法瓶に入れて実験室に直接輸送した。第四胃液と反芻胃液を二重のチーズクロスで濾過した。濾過した第四胃液と反芻胃液を、Menke及びSteingass(1988)の記載に従って調製した標準緩衝液に添加して、反芻胃緩衝液を調製した。
【0065】
合計6つの飼料サンプルと90mlの反芻胃緩衝液をそれぞれのボトルに加え、CO2を流し、39℃で48時間インキュベートした。累積ガス生成量は、Cattaniら(2014)の記載に従い、ANKOMRFシステム(51.71mbarでベント)を用いて10分ごとに記録した。48時間後に氷上にジャーを置くことによって、反応を停止させた。有機酸分析用に、それぞれのインキュベーションボトルから濾過した液を採取した。飼料のエネルギー含量(ME、MJ/kgDM)は、ドイツのエネルギー評価システム(DLG、2013)を用いて、24時間の発酵に基づいて計算した。
【0066】
有機酸生産量と代謝可能エネルギーの結果をそれぞれ
図2a及び
図2bに示す。
図2aからわかるように、本発明の製品を与えた子ウシの有機酸生産量は、未加工のSBMを与えた子ウシと比較して18~27%高い。これは、SBMと比較して本発明の製品の代謝可能エネルギーが3%高いことに相当する。幼若な動物の消化器系は十分に発達していないため、不溶性のNSP画分を消化することは困難であるが、可溶性のNSP画分を消化することは可能である。本実施例の動物に、未処理のSBMよりも可溶性NSPの量が多い本発明の製品を与えた場合、未処理のSBMを与えた場合よりも腸内の有機酸の量が多くなることとなるという結果が得られる。
【0067】
(実施例3)
飼料中のエネルギー含量が高いほど動物の成長成績が向上することを示す。
飼料成分のより良い利用に対する応答として、離乳前の子ウシの成長成績の向上と体重の均一性の向上を説明するための実験が行われた。
【0068】
実験手順:
試験はオランダの商業農場で行われた。合計121頭の子ウシが2週齢(14.77±0.18日齢、体重54.16±0.33kg[平均値±SEM、平均値の標準誤差])で同日に到着し、6~8週齢で離乳した。子ウシは集団飼育された。
【0069】
給餌:飼料はオランダの飼料推奨システム(スターター飼料の粗タンパク質20%)に従って配合し、2種類の飼料処理を与えた:
- SBM=含有率13.75%(対照)
- 本発明の製品=含有率16.03%
飼料は試験開始(2週齢)から8週(=10週齢)まで自由摂取させた。
測定:体重(BW)は試験開始時(約生後2週目)、生後10週目、15週目、及び屠殺時(=屠殺体の体重)に測定した。結果を
図3に示す。
【0070】
本発明の製品を与えた子ウシは、試験開始時は小柄であったが、15週齢になるとSBMを与えた子ウシよりも著しく体重が増加した。屠殺時の子ウシの体重は5kg重く、屠殺体の体重はSBMを与えた子ウシより2kg重かった。本発明の製品を与えた場合、より良好な体重の均一性が得られた。農場に到着した子ウシは、体重が54kgを超えるかそれを下回るかで2つのグループに分けられた。小柄な子ウシは、本発明の製品を与えると15週目には大柄な子ウシと同じ体重になったが、未処理のSBMを与えた小柄な子ウシは著しく小柄であった。この傾向は、実験全体を通して続いた。これらのデータは、本発明の製品からより多くのエネルギーと栄養素が供給され、幼若な動物は消化前の飼料からより多くの利益を得たことを示している。結果を
図4に示す。
【0071】
(実施例4)
飼料中のエネルギー含量が高いほど動物の成長成績が向上することを示す。
飼料成分のより良い利用に対する応答として、子ヒツジの成長成績の向上と均一性の向上を説明するための実験が行われた。
【0072】
実験手順:
試験は南アフリカの商業肥育農場で行われた。
Dormer種又はDohne Merino種のヒツジを用い、同一の試験を2回実施した。
子ヒツジは2つの処理(粗タンパク質19.3%、11.9MJ ME/kg)のいずれかに割り付けられた:
対照:SBM(スターター飼料の含有率19.5%)
試験:本発明の製品(スターター飼料の含有率15%)
子ヒツジは54日齢で離乳し、出生時と離乳時の体重を測定した。
【0073】
子ヒツジの体重は、未処理のSBMと比較して、本発明の製品を与えた方が増加した。本発明の製品を与えた子ヒツジの体重はより均一であった。結果を
図5及び
図6に示す。
【0074】
(実施例5)
ペプチドサイズ分布の変化
PBS抽出緩衝液(10%溶液)中で、原材料及び対応する未処理のSBM製品のサンプルを5つ調製した。24時間の抽出後、すべてのサンプルを95℃で15分間加熱し、遠心分離した。上清をLaemmliら(Laemmliら、1970)に従ってサンプル緩衝液で希釈し、The Criterion Cell(Bio-Rad社、1656019)を用いてCriterion TGX、Precast Gels(Bio-Rad社)にロードした。ゲルを固定し、クマシーブリリアントブルーで染色した。
【0075】
ゲルを定量すると、次のような結果が得られた。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
SDS定量は、所与のペプチドサイズ範囲内の全可溶性タンパク質の割合を決定する。本発明の製品は、20kDa未満の可溶性ペプチドの割合が高い。これは
図9に示されている。より小さいペプチドの割合が増加したことに加え、それぞれのサイズカテゴリー内のペプチドの組成は、動物内での利用を促進するため、本発明の製品にとってより最適であると思われる。動物内での利用の改善は、実施例6に更に示されているように、腸での吸収速度の増加によって見られる。
【0080】
(実施例6)
ペプチドサイズ分布の変化によるアミノ酸吸収の改善を示す。
離乳期の子ブタのリジン吸収の改善について説明するための実験が行われた。
【0081】
実験手順:
平均体重18±1.25kgの交雑種(Danish Landrace、Yorkshire×Duroc)ブタ7頭に、試験前に市販飼料を与えた。ブタには実験期間の3日前に頸静脈カテーテルを装着した。試験1日目から開始し、4日目から5日目の午前中にブタに実験飼料(実施例5に記載の本発明の製品(バッチ))を15分間給餌し、午後に市販飼料(実施例5に記載の未処理SBM)を自由摂取させ、給餌から1時間後に飼料を引き上げた。飼料は粗タンパク質20%でバランスをとった。本発明の製品とSBMは同じ大豆バッチに由来する。血液サンプルは給餌後0、30、60、90、120、180、360分の時点で採取した。血漿を個々のアミノ酸について分析した。結果を
図10に示す。
【0082】
結果からわかるように、必須アミノ酸の吸収のピークは、本発明の製品では給餌後60分であり、より多くの必須アミノ酸が利用可能で、より速く吸収される。アミノ酸の吸収とそれに続く動物の筋肉への沈着にはエネルギーが必要である。エネルギーは、動物によって急速に(1時間以内に)吸収される糖とデンプンから得られるので、エネルギーとアミノ酸の両方の吸収を時間最適化することで、より高い筋肉形成が得られる。本発明の製品では、アミノ酸の濃度が高いため、より多くのアミノ酸が動物の筋肉に沈着し、動物の体重がより早く増加することとなることが必然的に伴うこととなる。
【0083】
(参考文献)
Englyst HN, Quigley ME and Hudson GJ (1994) Analyst, 119, 1497-1509.
Cattani, M., Tagliapietra, F., Maccarana, L., Hansen, H.H., Bailoni, L., Schiavon, S. 2014. In vitro total gas and methane production measurements from closed or vented rumen batch culture systems. Journal of Dairy Science, 97:1736-1741.
DLG, 2013. Arbeitskreises Futter und Fuetterung: Leitfaden zur Berechnung des Energiegehaltes bei Einzel- und Mischfuttermitteln fuer die Schweine- und Rinderfuetterung. DLG Verlag.
Menke, K.H., Steingass, H. 1988. Estimation of the energetic feed value obtained from chemical analysis and in vitro gas production using rumen fluid. Animal Research and Development, 10:7-55.
Laemmli, U.K. 1970. Cleavage of Structural Proteins during the Assembly of the Head of Bacteriophage T4. Nature vol. 227 680-685.
【国際調査報告】