(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】6ポート回路を有する装置、及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/44 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
H03H9/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553369
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2022054366
(87)【国際公開番号】W WO2022184498
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021105006.5
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517145016
【氏名又は名称】ホルスト シデル ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】507239592
【氏名又は名称】フリードリヒ-アレクサンダー-ウニベルジテート・エアランゲン-ニュルンベルク
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルダー、エルンスト
(72)【発明者】
【氏名】ルルツ、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】セプト-エンツェル、ゲロルト
(72)【発明者】
【氏名】ディングラー、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シャイナー、ベネディクト
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097CC07
(57)【要約】
6ポート回路と、遅延装置と、コンピューティング装置とを備える装置であって、遅延装置は、入力信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分割し、第1の遅延時間だけ第1の入力信号を遅延させ、例えば第1の遅延入力信号を取得し、第2の遅延時間だけ第2の入力信号を遅延させ、例えば第2の遅延入力信号を取得し、第2の遅延時間は第1の遅延時間とは異なり、遅延装置は、第1の遅延入力信号を6ポート回路の第1の入力に出力し、第2の遅延入力信号を6ポート回路の第2の入力に出力するように適合され、コンピューティング装置は、6ポート回路の少なくとも1つの出力信号に応じて入力信号の周波数を特徴付ける第1の量を決定するように適合される、装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6ポート回路(110)と、
遅延装置(120)と、
コンピューティング装置(130)と、
を備える装置(100)であって、
前記遅延装置(120)は、
入力信号(S0)を第1の入力信号(S0-1)及び第2の入力信号(S0-2)に分割(200)し、
第1の遅延時間(TD-1)だけ前記第1の入力信号(S0-1)を遅延させ(202)、例えば、第1の遅延入力信号(S0-1’)を取得し、
第2の遅延時間(TD-2)だけ前記第2の入力信号(S0-2)を遅延させ(204)、例えば、第2の遅延入力信号(S0-2’)を取得し、
前記第2の遅延時間(TD-2)は、前記第1の遅延時間(TD-1)とは異なる、
ように適合されており、
前記遅延装置(120)は、前記第1の遅延入力信号(S0-1’)を前記6ポート回路(110)の第1の入力(E1)へ出力(206)する、及び前記第2の遅延入力信号(S0-2’)を前記6ポート回路(110)の第2の入力(E2)へ出力(207)する、ように適合されており、
前記コンピューティング装置(130)は、前記6ポート回路(110)の少なくとも1つの出力信号(SA1、SA2、SA3、SA4)に応じて、入力信号(S0)の周波数を特徴付ける第1の量(G1)を決定(208)する、ように適合されている、
装置(100)。
【請求項2】
前記遅延装置(120)は、例えば前記第1の遅延時間(TD-1)だけ前記第1の入力信号(S0-1)を遅延させる(202)ように適合された第1の表面弾性波(SAW)遅延線(121)を備える、及び/又は
前記遅延装置(120)は、例えば前記第2の遅延時間(TD-2)だけ前記第2の入力信号(S0-2)を遅延させる(202)ように適合された第2の表面弾性波(SAW)遅延線(122)を備える、
請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記遅延装置(120)は、例えば、前記第1の遅延時間(TD-1)だけ前記第1の入力信号(S0-1)を遅延させる(202)ように適合された第1の導体構造(LS-1)を備える、及び/又は
前記遅延装置(120)は、例えば、前記第2の遅延時間(TD-2)だけ前記第2の入力信号(S0-2)を遅延させる(202)ように適合された第2の導体構造(LS-2)を備える、
請求項1に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記遅延装置(120)は、前記入力信号(S0)を前記第1の入力信号(S0-1)と前記第2の入力信号(S0-2)とに分割するように適合された電力分割装置(123)を備える、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記第1のSAW遅延線(121)及び/又は前記第2のSAW遅延線(122)は、それぞれ、離散SAW遅延線として実装される、請求項2~請求項4の何れか1項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記遅延装置(120)は、回路基板(125)を備え、
前記回路基板(125)上には、
a)前記第1のSAW遅延線(121)、
b)前記第2のSAW遅延線(122)、
c)前記電力分割装置(123)、
d)前記第1の導体構造(LS-1)、
e)前記第2の導体構造(LS-2)
のうちの少なくとも1つが配置される、
請求項2~請求項5の何れか1項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記第1の遅延時間(TD-1)と前記第2の遅延時間(TD-2)との間の差の量は、例えば約1ns(ナノ秒)と例えば約1000nsとの間、例えば10nsと200nsとの間、例えば100nsである、請求項2~請求項5の何れか1項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記第1の遅延時間(TD-1)及び/又は前記第2の遅延時間(TD-2)は、例えば約0.5μs(マイクロ秒)と例えば約10μsとの間、例えば1μsと3μsとの間、例えば2μsである、請求項2~請求項6の何れか1項に記載の装置(100)。
【請求項9】
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の少なくとも1つの装置(100)と、
入力信号(S0)を提供するように適合された、少なくとも1つの信号源、例えば共振器(SAW)と、
を備える、測定システム(1000;1000’)であって、
例えば、前記少なくとも1つの共振器(SAW)は、表面弾性波共振器として実装される、
測定システム(1000;1000’)。
【請求項10】
a)機械的応力、例えば、曲げ及び/又は圧縮及び/又は歪み及び/又はねじれに特徴付け可能及び/又は関連可能及び/又は歪み及び/又はねじれ、b)トルク、c)力、例えば、力センサ及び/又は力変換器及び/又は荷重セル及び/又は力板としての力、d)温度、e)圧力、f)振動、g)衝撃、h)共振、i)剪断力、j)横力、k)弾性、l)変形、m)収縮
の量のうちの少なくとも1つを測定するように、前記測定システム(1000;1000’)は適合されている、
請求項9に記載の測定システム(1000;1000’)。
【請求項11】
測定システム(1000;1000’)は、信号、例えば共振器(SAW)のための励起信号(AS)、及び/又は、例えば前記6ポート回路(110)のための基準信号(RS)を提供するように適合された、少なくとも1つの信号発生器(SG)を含む、請求項9又は請求項10に記載の測定システム(1000;1000’)。
【請求項12】
前記測定システム(1000;1000’)は、
少なくとも1つの共振器(SAW)に、1つ又は複数の励起信号(AS)を出力し、
少なくとも1つの共振器(SAW)の出力信号(AS’)を受信し、
前記出力信号(AS’)を前記6ポート回路(110)の少なくとも1つの入力(E1、E2)、及び/又は前記遅延装置(120;e4)に出力する、
ように適合された、結合装置(e3a)を備える、
請求項9~請求項11の何れか1項に記載の測定システム(1000;1000’)。
【請求項13】
6ポート回路(110)、遅延装置(120)、及びコンピューティング装置(130)を有する装置(100)を動作させる方法であって、
前記遅延装置(120)を使用して、入力信号(S0)を第1の入力信号(S0-1)及び第2の入力信号(S0-2)に分割(200)し、
前記遅延装置(120)を使用して、前記第1の入力信号(S0-1)を第1の遅延時間(TD-1)だけ遅延(202)させて、例えば、第1の遅延入力信号(S0-1’)を取得し、
前記遅延装置(120)を使用して、前記第2の入力信号(S0-2)を第2の遅延時間(TD-2)だけ遅延(204)させて、例えば、第2の遅延入力信号(S0-2’)を取得し、前記第2の遅延時間(TD-2)は、前記第1の遅延時間(TD-1)とは異なり、
前記遅延装置(120)を使用して、前記6ポート回路(110)の第1の入力(E1)へ前記第1の遅延入力信号(S0-1’)を出力(206)し
前記遅延装置(120)を使用して、前記6ポート回路(110)の第2の入力(E2)へ前記第2の遅延入力信号(S0-2’)を出力(207)し、
前記コンピューティング装置(130)を使用して、前記6ポート回路(110)の少なくとも1つの出力信号(SA1、SA2、SA3、SA4)に応じて、入力信号(S0)の周波数を特徴付ける第1の量(G1)を決定(208)する、
方法。
【請求項14】
前記遅延装置(120)は、第1の表面弾性波、SAW、遅延線(121)及び第2の表面弾性波、SAW、遅延線(122)を含み、
前記方法は、
前記第1の表面弾性波、SAW、遅延線(121)を用いて、第1入力信号(S0-1)を前記第1の遅延時間(TD-1)だけ遅延(202)させ、
前記第2の表面弾性波、SAW、遅延線(122)を用いて、第2入力信号(S0-2)を前記第2の遅延時間(TD-2)だけ遅延(204)させる、
ことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
a)装置(100)又は測定システム(1000;1000’)をスイッチオン(e10)又は初期化し、
b)共振器(SAW)の主共振を決定し(e11)、
c)電力較正を実行(e12)し、
d)線形化を実行(e13)し、
e)第1の量(G1)又は入力信号(S0)の周波数を決定(e14)し、共振器(SAW)に送られる励起信号(AS)の周波数を任意で調整する、
要素のうち少なくとも1つを更に含む、
請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の装置(100)、及び/又は請求項9~請求項12の何れか1項に記載の測定システム(1000; 1000’)、及び/又は請求項13~請求項15の何れか1項に記載の方法の使用(300)であって、
a)入力信号(S0)の周波数を特徴付ける第1の量(G1)の決定(301)、
b)例えば、曲げ、及び/又は圧縮、及び/又は歪、及び/又は、ねじれに特徴付け可能又は関連付け可能な機械的応力の測定(302)、
c)トルクの測定(303)、
d)力の測定し(304)、
e)温度の測定(305)、
f)圧力の測定(306)、
g)振動又は振動の測定(307)、
h)衝撃の測定(308)、
i)共振の測定(309)、
j)自動車(310)、例えば、ギアボックス、動力取出しシャフト、車軸、ステアリングコラム、耐荷重ボディ部品、
k)電動自転車(311)やペデリック、
l)作業機械(312)、例えば、移動式作業機械、例えば、ギアボックス、動力取出しシャフト、車軸、ステアリングコラム、耐荷重ボディ部品、ダンパ、ショックアブソーバ、
m)電気駆動装置(313)、
n)構造物(314)又は建物、例えば、静力学、構造部品、橋梁監視、風荷重、地震監視、例えば、地質学的変化の検出、積雪荷重、荷重、建物監視、
o)発電(315)、例えば、発電所用途、風力タービン、ロータブレード監視、ピッチ調整、水力、
p)重量検出(316)、例えば、スケール、産業用計量、過負荷保護、
q)温度測定(317)及び/又は監視、例えば、オーブン、調理、肉の調製及び/又は加工、
r)エレベータ(318)、例えば、貨物/乗客エレベータ、
s)機械工学における工業用途(319)、例えば、テストスタンドの測定技術、
t)監視(320)、例えば、タービン、ポンプ、プレス、パンチ、成形の制御及び/又は調整、
u)医療技術(321)、例えば、外骨格、人工器官、手術台、ベッド、
v)航空宇宙(322)、例えば、着陸装置負荷、翼監視、舵監視、
w)船積み(323)、例えば、海上用途、
x)鉄道用途(324)、例えば、軌道構造、駆動技術、列車荷重、
y)安全機能の実装(325)、
z)白物(326)、洗濯機、ドラム監視、乾燥機、
A)流体技術(327)、バルブ、フラップ、パイプ、
B)品質保証(328)、例えば、プロセス監視、
C)流体、例えば、液体及び/又は気体の化学組成の決定(329)及び/又は評価
の要素のうちの少なくとも1つ、又は分野のうちの少なくとも1つのための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、6ポート回路を備える装置に関する。
【0002】
本開示は更に、6ポート回路を有する装置を動作させる方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的実施形態は、6ポート回路と、遅延装置と、コンピューティング装置とを備える装置に関し、遅延装置は、入力信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分割し、第1の遅延時間だけ第1の入力信号を遅延させるように適合され、例えば、第1の遅延入力信号を取得し、第2の遅延時間だけ第2の入力信号を遅延させるように適合され、例えば、第2の遅延入力信号を取得し、第2の遅延時間は第1の遅延時間とは異なり、遅延装置は、第1の遅延入力信号を6ポート回路の第1の入力に出力し、第2の遅延入力信号を6ポート回路の第2の入力に出力するように適合され、コンピューティング装置は、入力信号の周波数を特徴付ける第1の量を6ポート回路の少なくとも1つの出力信号に応じて決定するように適合される。
【0004】
更なる例示的実施形態では、例えば、第1の入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させるように適合された第1の表面弾性波、SAW、遅延線(例えば、圧電基板に基づく)、及び/又は、例えば、第2の入力信号を第2の遅延時間だけ遅延させるように適合された第2の表面弾性波、SAW、遅延線(例えば、圧電基板に基づく)を備える、遅延装置が提供される。
【0005】
更なる例示的実施形態では、遅延装置は、例えば、第1の入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させるように適合された(例えば、第1の回路基板上に配置された)第1の導体構造を備え、及び/又は、遅延装置は、例えば、第2の遅延時間だけ第2の入力信号を遅延させるように適合された(例えば、「自身の」第2の回路基板上に配置された、又は更なる例示的実施形態では、第1の回路基板上の第1の導体構造とともに)第2の導体構造を備えて提供される。
【0006】
更なる例示的実施形態では、例えば、第1の導体構造及び第2の導体構造が設けられる例えば、第1の導体構造及び第2の導体構造が互いに直列に接続される直列配置が設けられてもよく、例えば、第1の導体構造が第1の遅延時間を引き起こし、第2の導体構造が例えば、第1の導体構造とともに、例えば、第1の遅延時間と第2の遅延時間との合計に対応する集約遅延時間を引き起こす。これに関して、第2の遅延時間(例えば、遅延時間の値)について以下でさらに説明することは、集約された遅延時間に関する直列配置に関する更なる例示的実施形態に相応して当てはまる。例えば、第1の導体構造及び第2の導体構造が設けられる更なる例示的実施形態では、第1の導体構造が第1の遅延時間を生じさせ、第2の導体構造が第2の遅延時間を生じさせる並列構成が設けられてもよい。
【0007】
更なる例示的実施形態では、遅延装置は、入力信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分割するように適合された電力分割装置を備えることが提供される。
【0008】
更なる例示的実施形態では、第1のSAW遅延線、及び/又は第2のSAW遅延線は、それぞれ、離散SAW遅延線として実装されることが提供される。
【0009】
更なる例示的実施形態では、電力分割装置は、個別の構成要素として実装されることが提供される。
【0010】
更なる例示的実施形態では、遅延装置は、回路基板を備え、以下の要素のうちの少なくとも1つが回路基板上に配置されることが提供される、a)第1のSAW遅延線、b)第2のSAW遅延線、c)電力分割装置。
【0011】
更なる例示的実施形態では、第1の遅延時間と第2の遅延時間との間の差の量は、例えば約1ns(ナノ秒)と例えば約1000nsとの間、例えば10nsと200nsとの間、例えば100nsであることが提供される。
【0012】
更なる例示的実施形態では、第1の遅延時間及び/又は第2の遅延時間は、例えば約0.5μs(マイクロ秒)と例えば、約10μsとの間、例えば1μsと3μsとの間、例えば2μsであることが提供される。
【0013】
更なる例示的実施形態は、実施形態による少なくとも1つの装置と、入力信号を提供するように適合された少なくとも1つの信号源、例えば、共振器を備える測定システムに関し、例えば、少なくとも1つの共振器は、弾性表面波共振器として実装される。
【0014】
更なる例示的実施形態では、共振器の代わりに、例えば、異なるタイプの信号源がその信号周波数が決定されるべき量に応じた測定システムのために使用され得る。
【0015】
更なる例示的実施形態では、測定システムは、以下の量のうちの少なくとも1つを測定するように適合されることが提供される、a)例えば、曲げ及び/又は圧縮及び/又は歪み及び/又はねじれに特徴付け可能及び/又は関連可能な機械的応力、b)トルク、c)力、例えば、力センサ及び/又は力トランスデューサ及び/又は力セル及び/又は力プレート、d)温度、e)圧力、f)振動、g)衝撃、h)共振、i)剪断力、j)横力、k)弾性、l)変形、m)収縮。
【0016】
更なる例示的実施形態では、測定システムは、信号、例えば、共振器のための励起信号及び/又は例えば6ポート回路のための基準信号を提供するように適合された少なくとも1つの信号発生器を備えることが提供される。
【0017】
更なる例示的実施形態では、測定システムは、少なくとも1つの共振器に励起信号を出力し、少なくとも1つの共振器の出力信号を受信し、それを6ポート回路の少なくとも1つの入力及び/又は遅延装置に出力するように適合された結合装置を備えることが提供される。
【0018】
更なる例示的実施形態は、6ポート回路と、遅延装置と、コンピューティング装置とを有する装置を動作させる方法であって、遅延装置を使用して入力信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分割し、遅延装置を使用して第1の入力信号を第1の遅延時間だけ遅延させ、例えば、第1の遅延入力信号を取得し、遅延装置を使用して第2の入力信号を第2の遅延時間だけ遅延させ、例えば、第2の遅延入力信号を取得し、第2の遅延時間は第1の遅延時間と異なり、遅延装置を使用して第1の遅延入力信号を6ポート回路の第1の入力に出力し、遅延装置を使用して第2の遅延入力信号を6ポート回路の第2の入力に出力し、コンピューティング装置を使用して6ポート回路の少なくとも1つの出力信号に応じて入力信号の周波数を特徴付ける第1の量を決定する、ことを含む、方法に関する。
【0019】
更なる例示的実施形態では、遅延装置は、第1の弾性表面波、SAW、遅延線、及び第2の弾性表面波、SAW、遅延線を備え、方法は、第1の弾性表面波、SAW、遅延線を使用して第1の遅延時間だけ第1の入力信号を遅延させ、第2の弾性表面波、SAW、遅延線を使用して第2の遅延時間だけ第2の入力信号を遅延させる、ことが提供される。
【0020】
更なる例示的実施形態では、方法は、以下の要素のうちの少なくとも1つを含むことが提供される、a)装置又は装置を含む測定システムのスイッチオン又は初期化、b)共振器の主共振の決定、c)電力較正の実行、d)線形化の実行、e)入力信号の第1の量又は周波数の決定、及び任意で、共振器に送られる励起信号の周波数の調整。
【0021】
更なる例示的実施形態は、実施形態による装置、及び/又は実施形態による測定システム、及び/又は実施形態による方法の、以下の要素のうちの少なくとも1つ、又は以下の分野のうちの少なくとも1つについて、使用に関する、a)入力信号の周波数を特徴付ける第1の量の決定、b)例えば、曲げ、及び/又は圧縮、及び/又は歪、及び/又は、ねじれに特徴付け可能又は関連付け可能な機械的応力の測定、c)トルクの測定、d)力の測定し、e)温度の測定、f)圧力の測定、g)振動又は振動の測定、h)衝撃の測定、i)共振の測定、j)自動車、例えば、ギアボックス、動力取出しシャフト、車軸、ステアリングコラム、耐荷重ボディ部品、k)電動自転車やペデリック、l)作業機械、例えば、移動式作業機械、例えば、ギアボックス、動力取出しシャフト、車軸、ステアリングコラム、耐荷重ボディ部品、ダンパ、ショックアブソーバ、m)電気駆動装置、n)構造物又は建物、例えば、静力学、構造部品、橋梁監視、風荷重、地震監視、例えば、地質学的変化の検出、積雪荷重、荷重、建物監視、o)発電、例えば、発電所用途、風力タービン、ロータブレード監視、ピッチ調整、水力、p)重量検出、例えば、スケール、工業計量、過負荷保護、q)温度測定及び/又は監視、例えば、オーブン、調理、食肉調製及び/又は処理、r)エレベータ、例えば、貨物/乗客エレベータ、r)機械工学における工業用途、例えば、試験台のための測定技術、s)機械工学における工業用途、例えば、テストスタンドの測定技術、t)監視、例えば、タービン、ポンプ、プレス、パンチ、成形、の制御及び又は制限、u)医療技術、例えば、外骨格、人工器官、手術台、ベッド、v)航空宇宙、例えば、着陸装置負荷、翼監視、舵監視、w)船積み、例えば、海上用途、x)鉄道用途、例えば、軌道構築、駆動技術、列車荷重、y)安全機能の実装、z)白物製品、洗濯機、ドラム監視、乾燥機、A)流体技術、バルブ、フラップ、パイプ、B)品質保証、例えば、プロセス監視、C)例えば、液体及び/又は気体の流体の化学組成の決定及び/又は評価。
【0022】
本発明の更なる特徴、可能な用途、及び利点は、図面に示される本発明の実施形態の以下の説明から明らかである。この文脈において、記載又は図示された全ての特徴は、特許請求の範囲又はそれらの相関におけるそれらの組み合わせにかかわらず、また、明細書又は図面におけるそれらの語句又は表現にかかわらず、個々に又は任意の組み合わせで本発明の主題を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【
図2】更なる例示的実施形態による簡略化されたフロー図を概略的に示す。
【
図3A】更なる例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【
図3B】更なる例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【
図4】更なる例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【
図5】更なる例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示し、
【
図6】更なる例示的実施形態による簡略化されたブロック図を概略的に示し、
【
図7】更なる例示的実施形態による簡略化されたフロー図を概略的に示し、
【
図8】更なる例示的実施形態による使用の態様を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び
図2を参照すれば、例示的実施形態は、6ポート回路110、遅延装置120、及びコンピューティング装置130を備える装置100に関する。遅延装置120は、入力信号S0を第1の入力信号S0-1及び第2の入力信号S0-2(
図2)に分割200し、第1の遅延時間TD-1だけ第1の入力信号S0-1を遅延202させ、例えば、第1の遅延入力信号S0-1’を取得し、第2の遅延入力信号S0-2を第2の遅延時間TD-2だけ遅延204させ、例えば、第2の遅延入力信号S0-2’を取得し、第2の遅延時間TD-2は第1の遅延時間TD-1とは異なる、ように適合されている。遅延装置120は、第1の遅延入力信号S0-1’を6ポート回路110の第1の入力E1(
図1)に出力206し、第2の遅延入力信号S0-2’を6ポート回路110の第2の入力E2に出力207するように適合されている。コンピューティング装置130は、6ポート回路110の少なくとも1つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4に応じて、入力信号S0の周波数を特徴付ける第1の量G1を決定208するように適合されている。
【0025】
更なる例示的実施形態では、第2の遅延入力信号S0-2’は、例えば、異なる遅延時間TD-1、TD-2に起因して、第1の遅延入力信号S0-1’に対する位相シフトd_phiを有する。更なる例示的実施形態では、位相シフトd_phiは、以下の式に従って入力信号S0の周波数に依存する:d_phi=2*Pi*f*t_dl。ここで「*」は乗算演算子であり、Piは循環数(3,141...)であり、fは入力信号S0の周波数であり、t_dlは遅延装置120を通過するときに第1及び第2の入力信号S0-1、S0-2がそれぞれ受ける遅延時間TD-1、TD-2の差である。
【0026】
更なる例示的実施形態では、6ポート回路110が遅延装置120によって引き起こされる遅延入力信号S0-1’、S0-2’間の位相シフトを評価するように適合される。この目的のために、更なる例示的実施形態では、6ポート回路110は、例えば、2つの遅延された入力信号S0-1’、S0-2’を重畳し、それはその入力E1、E2において、例えば、0°、90°、180°、270°の4つの異なる位相シフトで互いに受信し、その結果、更なる例示的実施形態において6ポート回路110の出力A1、A2、A3、A4において出力される合計4つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4が得られる。
【0027】
更なる例示的実施形態では、6ポート回路110は、4つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4を周波数ダウンコンバートにかけるように適合される。更なる例示的実施形態では、それによって、ベースバンド信号がそれぞれ4つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4として得られる。
【0028】
更なる例示的実施形態では、4つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4は、例えば、例示的に言及されたベースバンド信号の形態で、複素出力ベクトルZ=(SA3-SA4)+j(SA1-SA2)を特徴付けるものとして解釈され、ここで、上述の位相シフトd_phiは、式:d_phi=tan((SA1-SA2)/(SA3-SA4))から、それ自体公知の方法で出力ベクトルZの位相から決定することができ、ここで、tan-1()は、逆正接関数(逆正接)である。遅延時間TD-1、TD-2の差t_dlが既知であるならば、更なる例示的実施形態では、例えば、第1の量G1によって表現可能な入力信号S0の周波数は、以下のように決定することができる。
G1=(d_phi)/(2*Pi*t_dl)
【0029】
更なる例示的実施形態では、例えば、atan2((SA1-SA2)、(SA3-SA4))に従って、例えば、2piにわたる一意性範囲を得るために、例えば、区分的に定義されたatan2(arctan2)関数が代替的に又は追加的に使用され得る。
【0030】
更なる例示的実施形態では、上記の計算は、例えば、6ポート回路110を使用して、コンピューティング装置130によって実行され得る。
【0031】
更なる例示的実施形態では、
図3Aにおいて、遅延装置120は、例えば、第1の遅延時間TD-1だけ第1の入力信号S0-1を遅延させるように適合された第1の表面弾性波SAW遅延線121を備え、遅延装置120は、例えば、第2の遅延時間TD-2だけ第2の入力信号S0-2を遅延させるように適合された第2の表面弾性波SAW遅延線122を備え、例えば、2つの遅延された入力信号S0-1’、S0-2’をもたらす。
【0032】
更なる例示的実施形態では、遅延装置120は、入力信号S0を、例えば、各々が等しい電力(例えば、分周率0.5)を有する第1の入力信号S0-1及び第2の入力信号S0-2に分割するように適合された電力分割装置123を備える。
【0033】
更なる例示的実施形態では、第1のSAW遅延線121及び/又は第2のSAW遅延線122は、それぞれ離散SAW遅延線として実装され提供される。これは、例えば、遅延時間TD-1、TD-2の選択又は組み合わせに関して、高度の柔軟性をもたらす。
【0034】
更なる例示的実施形態では、第1のSAW遅延線121及び第2のSAW遅延線122は、それぞれ別個のSAW遅延線構成要素として実装され、例えば、2つの遅延線の互いからの物理的分離を提供し、したがって、例えば、両方の遅延線が単一の構成要素として実装されない、又は同じ基板上に配置されるとき、より良好なデカップリングを提供する。
【0035】
図3Bは、更なる例示的実施形態による、
図3Aによる構成と同様の遅延装置120’の構成を示し、ここで信号遅延は、
図3AによるSAW遅延線の代わりに、2つの導電体構成LS-1、LS-2の手段によって実装され、その各々は、本実施形態では、丸みを帯びた蛇行形状の線として記号化される。
【0036】
更なる例示的実施形態(図示せず)では、遅延装置120は、異なるタイプの信号遅延効果要素、例えば、第1の遅延時間を実現するためのSAW遅延線と、例えば、第2の遅延時間を実現するための導体構造とを備えることも考えられる。
【0037】
更なる例示的実施形態では、
図4において、遅延装置120は、回路基板125を備え、以下の要素のうちの少なくとも1つが、回路基板125上に配置されることが提供される:a)第1のSAW遅延線121、b)第2のSAW遅延線122、c)電力分割装置123、d)第1の導体構造LS-1、e)第2の導体構造LS-2。
【0038】
更なる例示的実施形態では、第1の遅延時間TD-1と第2の遅延時間TD-2との間の差の量は、例えば約1ns(ナノ秒)と例えば約1000nsとの間、例えば10nsと200nsとの間、例えば100nsである。
【0039】
更なる例示的実施形態では、第1の遅延時間TD-1及び/又は第2の遅延時間TD-2は、例えば約1μs(マイクロ秒)~例えば約10μs、例えば1μs~3μs、例えば2μsである。
【0040】
更なる例示的実施形態では、第1の遅延時間TD-1は2.0μsであり、第2の遅延時間TD-2は2.1μsである。
【0041】
更なる例示的実施形態、
図5は、実施形態による少なくとも1つの装置100と、入力信号S0を提供するように適合された少なくとも1つの共振器SAWと、を備える測定システム1000に関し、例えば、少なくとも1つの共振器SAWは、表面弾性波共振器として実装される。
【0042】
更なる例示的実施形態では、測定システム1000は、以下の量のうちの少なくとも1つを測定するように適合される:a)例えば、曲げ、及び/又は圧縮、及び/又は歪み、及び/又は、ねじれに特徴付け可能及び/又は関連可能な機械的応力、b)トルク、c)力、例えば、力センサ及び/又は力トランスデューサ及び/又は荷重セル及び/又は力プレート、d)温度、e)圧力、f)振動、g)衝撃、h)共振、i)剪断力、j)横方向力、k)弾性、l)変形、m)収縮、及び/又は化学組成。
【0043】
更なる例示的実施形態では、信号、例えば、共振器SAWのための励起信号AS及び/又は、例えば、6ポート回路のための基準信号RSを提供するように適合された少なくとも1つの信号発生器SGを備える、測定システム1000が提供される。
【0044】
更なる例示的実施形態では、共振器SAWが例えば、励起信号ASの印加によって発振するように励起されてもよい。例えば、共振器SAWは、励起信号ASの印加に対する「応答」又は反応として、装置100の入力信号S0を出力することができる。
【0045】
更なる例示的実施形態では、入力信号S0の周波数は、共振器SAWの(例えば瞬間的である)共振周波数に対応し、それは更なる例示的実施形態では、例えば、とりわけ、共振器SAWが曝される、温度、及び/又は、圧力、及び/又は、歪み、及び/又は、他の物理量、及び/又は、環境の影響に依存し得る。更なる例示的実施形態では、温度、及び/又は、圧力、及び/又は、歪み、及び/又は、他の物理量、及び/又は環境の影響のうちの1つの変化は、例えば、6ポート回路110によって決定され得る共振器SAWの共振周波数の変化につながる。
【0046】
このようにして、6ポート技術を使用して、例えば、温度又は圧力、又は(機械的)歪み、又は他の量又は環境の影響を決定することができる。有利には、それは例えば、シャフトのねじれなどの機械要素に対する機械的応力を決定するために使用することができる。
【0047】
更なる例示的実施形態では、例えば、遅延装置120のための基準信号RS、及び/又は共振器SAWのための励起信号ASを一時的に提供するように適合された、信号発生器SGが提供される。励起信号ASは、例えば、共振器SAWをエネルギーで充電するために用いられる。次いで、このエネルギーは、共振器SAWによって、即ち、共振周波数における応答信号ASによって、解放されてもよい。更なる例示的実施形態では、励起信号ASの周波数は、それを十分に励起するために、共振器SAWの共振周波数の範囲内に少なくともほぼある。
【0048】
更なる例示的実施形態では、信号発生器SGは、基準信号RSを遅延装置120に直接出力することができる。基準信号RSの周波数は、一般に知られているので、これを使用して、例えば、少なくとも1つの構成要素110、120又は装置100を線形化させることができる。
【0049】
更なる例示的実施形態では、信号発生器SGが例えば、発振器、特に制御可能な発振器を備える。例えば、一実施形態によれば、信号発生器SGは、電圧制御発振器(VCO)を備えることができる。発振器の制御は、例えば、測定システム1000のコンピューティング装置130によって実行されてもよい。
【0050】
更なる例示的実施形態では、信号発生器SGは、位相ロックループ(PLL)が発振器に関連付けられた周波数シンセサイザを含み、それによって、例えば基準信号RS及び/又は励振信号ASとして使用するために、それ自体公知の方法で特に周波数安定信号を生成することを可能にする。更なる例示的実施形態では、信号発生器SGは、例えば、基準信号RS及び/又は励起信号ASの直接デジタル合成(DDS)のために適合される。
【0051】
図6は、更なる例示的実施形態による測定システム1000’の簡略化されたブロック図を概略的に示す。ブロックe1は、例えば、マイクロコントローラとして実装されるコンピューティング装置を示し、ブロックe2は信号、例えば、共振器SAWのための励起信号AS及び/又は遅延装置e4のための基準信号RSを少なくとも一時的に提供するための周波数シンセサイザを示す。
【0052】
ブロックe3は、更なる例示的実施形態では、周波数シンセサイザe2によって生成された信号を、共振器SAWに励起信号ASとして周波数シンセサイザe2によって生成された信号を供給するように適合された結合装置e3aに少なくとも一時的に供給するように適合された3ポートスイッチを表す。3ポートスイッチe3は、共振器SAWの出力信号AS’を少なくとも一時的に受け取り、それを遅延装置e4に出力するようにさらに適合される。
【0053】
更なる例示的実施形態では、3ポートスイッチe3は、周波数シンセサイザe2によって生成された信号を基準信号RSとして直接(即ち、例えば、共振器SAWを介さずに)遅延装置e4に出力するように適合され、更なる例示的実施形態では、例えば、構成要素e4、e5のうちの少なくとも1つの線形化のために使用され得る。
【0054】
ブロックe5は、6ポート回路(
図1による参照符号110も参照)を示し、ブロックe6は、例えば、6ポート回路e5の出力信号の増幅及び/又はフィルタリングを実行することができる処理装置を示す。ブロックe5、e6の間のダイオード記号B3…B6は、6ポート回路e5の出力信号の、例えばベースバンド位置への任意選択の周波数ダウンコンバージョンを表し、これは、例えばブロックe6による、又はコンピューティング装置e1による評価による、特に単純で、費用効果が高く、効率的な更なる処理を可能にする。
【0055】
更なる例示的実施形態では、コンピューティング装置e1による評価は、例えば、アナログ(例えば、連続値及び例えば、連続時間)ベースバンド信号として利用可能なブロックe6の出力信号のデジタル信号(例えば、離散値及び離散時間)への変換、及び例えば、マイクロコントローラe1によるデジタル信号処理、又は計算による第1の量G1の決定を含むことができる。
【0056】
更なる例示的実施形態では、マイクロコントローラe1は、例えば、ホスト(図示せず)、例えば、産業用コンピュータと測定システム1000’との間のインターフェースとして動作することができる。更なる例示的実施形態では、マイクロコントローラe1は、ホストによって送信された命令を受信し、処理し、測定データをホストに送り返し、例えば、アクティブな構成要素を調整する。
【0057】
更なる例示的実施形態では、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)タイプ又はユニバーサル同期非同期受信機送信機(USART)インターフェースのシリアルインターフェースがマイクロコントローラe1に提供され得る。
【0058】
更なる例示的実施形態では、マイクロコントローラe1は、例えば、信号生成の能動成分(例えば、ブロックe2)及び/又は3ポートスイッチe3を制御するために、及び/又は、例えば、「6ポート受信機」e5のアナログ出力信号(又はブロックe6の手段によって処理された信号)をサンプリングし、したがって、それらをデジタル化するために使用される。
【0059】
6ポート受信機e5は、4つの出力(
図1による要素A1、A2、A3、A4参照)を有するので、更なる例示的実施形態では、例えば、高速に変化する測定量の場合に、例えば、高い測定値更新レート及び/又は最小の測定誤差のために、同時又は準同時サンプリングを提供することが有利である。
【0060】
更なる例示的実施形態では、4つの専用のアナログ-デジタル変換器が、例えば、ブロックe1内に提供され得る。
【0061】
他の例示的実施形態では、アナログデジタル変換器の分解能は、例えば、12ビット以上であり、サンプリングレートは、例えば、1MHz(メガヘルツ)以上である。
【0062】
更なる例示的実施形態では、コンピューティング装置e1は、例えば、シリアルインターフェースを介して、周波数シンセサイザe2の動作を制御して、例えば、信号AS、RSのための所望の周波数を設定するための命令を送信することができる。
【0063】
更なる例示的実施形態では、周波数シンセサイザe2は、キロヘルツ範囲内でそれによって生成される信号AS、RSの周波数を、例えば100kHz未満の精度、例えば10kHz未満の精度に正確に調整し、例えば、可能な限り速い安定化を保証するように適合される。
【0064】
更なる例示的実施形態では、周波数シンセサイザe2は、信号AS、RSを生成するために直接デジタル合成(DDS)を実行するように適合される。
【0065】
更なる例示的実施形態では、周波数シンセサイザe2によって生成された信号AS、RS、及び/又は共振器SAWによって送信された信号AS’は、更なる例示的実施形態では、例えば、コンピューティング装置e1によって制御される3ポートスイッチe3によって適切にリダイレクトされる。したがって、更なる例示的実施形態では、例えば、3つの「スイッチ位置」がある。3ポートスイッチe3の第1の位置では、例えば、シンセサイザe2からの信号は、6ポート回路又は遅延装置e4に転送され得、更なる例示的実施形態では、例えば、線形化のために使用され得る。第2のスイッチ位置では、更なる例示的実施形態では、共振器SAWの励起が達成され、ブロックe2によって生成された信号は、励起信号ASとして共振器SAWに送られる。更なる例示的実施形態では、その後すぐに、3ポートスイッチは、応答信号AS’を遅延装置e4に転送するために、第3のスイッチ位置に変化し得る。更なる例示的実施形態では、この切換が例えば、6ポート回路e5に供給され得る信号を時間枠に送るためにも使用され得る。
【0066】
更なる例示的実施形態では、例えば、低雑音増幅器(LNA)(図示せず)などの1つ又は複数の増幅器は、例えば、受信経路内に提供されてもよく、それによって、信号対雑音比(SNR)を増加させる。
【0067】
更なる例示的実施形態では、結合装置e3aが例えば、高周波結合器として、例えば、回転構成要素、例えば、シャフトに対する物理量の非接触測定のために実装される。更なる例示的実施形態では、結合装置e3aは、信号AS、AS’の非接触送信を可能にし、更なる例示的実施形態では、例えば、比較的大きい回転速度であっても、励起及び測定のために、例えば、2GHzの範囲の高周波信号である。
【0068】
更なる例示的実施形態では、カプラe3aは、例えば、固定構成要素と、例えば、シャフトとともに回転し、例えば、更なる例示的実施形態では、シャフトに回転不能に接続される構成要素とを含み得る。
【0069】
更なる例示的実施形態では、共振器SAWは、例えばISM帯域に従って、例えば2GHzよりも大きく、例えば2GHzと3GHzとの間の共振周波数を有する、例えば、共振SAWセンサ等のSAWセンサとして実装される。
【0070】
更なる例示的実施形態では、例えば、トルクによって引き起こされるシャフトの変形は、例えば、共振器SAWの共振周波数の周波数シフトの形態で、励起信号ASを用いて共振器AWを励起した後の応答信号AS’に影響を及ぼし得る。更なる例示的実施形態では、共振器SAWの共振周波数の変化は、例えば、トルク変化に依存する。
【0071】
図2の更なる例示的実施形態は、6ポート回路110、遅延装置120、及びコンピューティング装置130を有する装置100を動作させる方法であって、遅延装置120を使用して入力信号S0を第1の入力信号S0-1及び第2の入力信号S0-2に分割し、遅延装置120を使用して第1の入力信号S0-1を第1の遅延時間TD-1だけ遅延202させ、例えば第1の遅延入力信号S0-1’を取得し、遅延装置120を使用して、(例えば、遅延202と同時に)第2の入力信号S0-2を第2の遅延時間TD-2だけ遅延204させ、例えば第2の遅延入力信号S0-2’を取得し、ここで、第2の遅延時間TD-2は第1の遅延時間TD-1とは異なり、遅延装置120を使用して第1の遅延入力信号S0-1’を6ポート回路110の第1の入力E1に出力206し、遅延装置120を使用して第2の遅延入力信号S0-2’を6ポート回路110の第2の入力E2へ出力207し、コンピューティング装置130を使用して6ポート回路110の4つの出力信号SA1、SA2、SA3、SA4の少なくとも1つに応じて、例えば、出力信号SA1、SA2、SA3、SA4の全てに応じて、入力信号S0の周波数を特徴付ける第1の量G1を決定208する。
【0072】
更なる例示的実施形態では、遅延装置120は、第1の表面弾性波、SAW、遅延線121(
図3)及び第2の表面弾性波、SAW、遅延線122を備え、方法は、第1の表面弾性波、SAW、遅延線121を使用して第1の入力信号S0-1を第1の遅延時間TD-1だけ遅延させること202と、第2の表面弾性波、SAW、遅延線122を使用して第2の遅延時間TD-2だけ第2の入力信号S0-2を遅延させること204と、を備える。
【0073】
更なる例示的実施形態では、
図7の方法は、以下の要素のうちの少なくとも1つを備えることが提供される、a)装置100又は装置を備える測定システム1000、1000’をスイッチオンe10、又は初期化する、b)1つ又は複数の共振器SAWの主共振を決定e11する、c)電力較正を実行e12する、d)線形化を実行e13する、e)第1の量G1又は入力信号S0の周波数を決定e14する、任意で共振器SAWに送られる励起信号ASの周波数を調整する、及び任意で、ブロックe13を繰り返す(矢印e15参照)。
【0074】
更なる例示的実施形態では、主共振を決定することe11は、異なる周波数の励起信号を用いた共振器SAWの励起、例えば、時間的に連続する励起を含み、決定された電力は、最大である異なる周波数の周波数を主共振周波数として使用して、異なる周波数に対するそれぞれの応答信号の電力を決定する。
【0075】
図8の更なる例示的実施形態は、以下の要素のうちの少なくとも1つのための、実施形態による装置100、及び/又は実施形態による測定システム1000、1000’、及び又は実施形態による方法の使用300に関する。A)入力信号S0の周波数を特徴付ける第1の量G1の決定301、b)機械的応力、例えば、曲げ及び/又は圧縮及び/又は歪みに特徴付け可能又は関連付け可能な測定302、c)トルクの測定303、d)力の測定304、e)温度の測定305、f)圧力の測定306、g)振動又は振動の測定307、h)衝撃の測定309、i)共振の測定309、j)自動車310、例えば、ギアボックス、パワーテイクオフシャフト、車軸、荷重支持体構成要素、k)電動自転車311又はペデル、l)作業機械312、例えば、ギアボックス、パワーテイクオフシャフト、車軸、ステアリングコラム、ショックアブソーバ、m)電子装置313、n)建物の構造312、例えば、静力学、構造体、ブリッジ監視、地震監視、積雪、負荷の検出、ビル監視、o)発電315、例えば、発電所用途、風力タービン、ロータブレード監視、ピッチ調整、水力、p)重量検出316、例えば、スケール、産業計量、過負荷保護、q)温度測定317及び/又は監視、例えば、オーブン、調理、食肉調製及び/又は加工、r)エレベータ318、例えば、貨物/乗客エレベータ、s)機械工学319の工業的利用、例えば、テストスタンドの測定技術、t)監視320、例えば、タービン、ポンプ、パンチ、成形、u)医療技術321、例えば、外骨格、プロテーゼ、手術台、ベッド、v)航空宇宙322、例えば、着陸装置負荷、翼監視、舵監視、w)輸送323、例えば、海洋用途、x)鉄道用途324、例えば、軌道構築、駆動技術、列車負荷、y)安全機能の実装325、z)白物326、洗濯機、ドラム監視、乾燥機、A)流体技術327、バルブ、フラップ、パイプ、B)品質保証328、例えば、プロセス監視。
【国際調査報告】