(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】輸液管理システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240227BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20240227BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20240227BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20240227BHJP
【FI】
A61M5/142 520
A61M5/168 540
A61M5/168 550
A61M5/172
G16H20/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555232
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022019803
(87)【国際公開番号】W WO2022192573
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】アバル,ダニエル エム
(72)【発明者】
【氏名】デヌッツィオ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バージェス,ブレンダン
【テーマコード(参考)】
4C066
5L099
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066QQ24
4C066QQ72
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ83
4C066QQ84
4C066QQ85
4C066QQ92
5L099AA25
(57)【要約】
輸液ポンプシステムは、ユーザによって装着されるように構成される可搬式輸液ポンプと、分離可能なディスプレイとを含むことができる。可搬式輸液ポンプは、ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、流体送達チューブを介して流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、通信回路とを含むことができる。分離可能なディスプレイは、分離可能なディスプレイが可搬式輸液ポンプに結合されるときに可搬式輸液ポンプの通信回路に、流体送達プロトコルを送信することができる。分離可能なディスプレイは、可搬式輸液ポンプへの流体送達プロトコルの送信後に可搬式輸液ポンプから分離されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって装着されるように構成される可搬式輸液ポンプであって、
ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、
流体送達チューブを介して前記流体容器からの流体のユーザへの送達をもたらすように構成される圧送機構と、
アンテナを備える通信回路と、
を備える、可搬式輸液ポンプと、
分離可能なディスプレイであって、該分離可能なディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに結合されるときに前記可搬式輸液ポンプの前記通信回路に流体送達プロトコルを送信するように構成されるとともに、前記可搬式輸液ポンプへの前記流体送達プロトコルの送信後に前記可搬式輸液ポンプから分離されるように更に構成され、前記流体送達プロトコルが、ユーザに流体を送達するための1つ以上のパラメータを規定する、分離可能なディスプレイと、
を備える輸液ポンプシステム。
【請求項2】
前記可搬式輸液ポンプが使い捨てである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記分離可能なディスプレイが取り付けセンサを含み、前記分離可能なディスプレイは、前記分離可能なディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに物理的に結合されることを前記取り付けセンサからの信号が示すときに前記流体送達プロトコルを送信するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記物理的結合が磁気結合を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記分離可能なディスプレイが近接センサを含み、前記分離可能なディスプレイは、前記分離可能なディスプレイが前記可搬式輸液ポンプから所定の距離内に位置決めされることを前記近接センサからの信号が示すときに前記流体送達プロトコルを送信するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体送達チューブを更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記可搬式輸液ポンプが防水ハウジングを含み、少なくとも前記流体容器、前記圧送機構、及び前記通信回路が前記防水ハウジング内に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記可搬式輸液ポンプは、ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを備え、前記警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体容器が100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
ユーザによって装着されるように構成される可搬式輸液ポンプであって、
ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、
流体送達チューブを介して前記流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、
アンテナを備える通信回路と、
を備え、
前記可搬式輸液ポンプは、分離可能なディスプレイに一時的に結合されるように構成され、
前記通信回路は、前記可搬式輸液ポンプが前記分離可能なディスプレイに結合されるときに流体送達プロトコルを前記分離可能なディスプレイから受信するように構成され、前記流体送達プロトコルがユーザに流体を送達するための1つ以上のパラメータを規定し、
前記可搬式輸液ポンプは、前記ディスプレイから前記流体送達プロトコルを受信した後に前記ディスプレイから分離されるように構成される、
可搬式輸液ポンプ。
【請求項12】
前記可搬式輸液ポンプが使い捨てである、請求項11に記載のポンプ。
【請求項13】
前記通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項11又は12に記載のポンプ。
【請求項14】
前記分離可能なディスプレイが取り付けセンサを含み、前記分離可能なディスプレイは、前記分離可能なディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに物理的に結合されることを前記取り付けセンサからの信号が示すときに前記流体送達プロトコルを送信するように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項15】
前記物理的結合が磁気結合を含む、請求項14に記載のポンプ。
【請求項16】
前記分離可能なディスプレイが近接センサを含み、前記分離可能なディスプレイは、前記分離可能なディスプレイが前記可搬式輸液ポンプから所定の距離内に位置決めされることを前記近接センサからの信号が示すときに前記流体送達プロトコルを送信するように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項17】
充填ポートを更に備え、該充填ポートを通じて前記流体容器が充填されるように構成される、請求項11から16のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項18】
前記流体容器は、複数の流体バッグを保持するように構成される、請求項11から17のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項19】
前記可搬式輸液ポンプが防水ハウジングを含み、少なくとも前記流体容器、前記圧送機構、及び前記通信回路が前記防水ハウジング内に配置される、請求項11から18のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項20】
ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを更に備え、前記警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含む、請求項11から19のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項21】
前記流体容器が100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される、請求項11から20のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項22】
少なくとも1つのデータプロセッサと、
命令を記憶する少なくとも1つのメモリであって、前記命令が、前記少なくとも1つのデータプロセッサによって実行されるときに、
ディスプレイから可搬式輸液ポンプによって少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信する動作であって、前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに一時的に結合される、動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づき、ユーザに流体を送達する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記可搬式輸液ポンプと無線通信する前記ディスプレイに、前記1つ以上の流体送達パラメータを送信する動作と、
を含む動作をもたらす、少なくとも1つのメモリと、
を備える輸液管理システム。
【請求項23】
前記動作は、
ユーザへの流体の送達におけるエラーを検出する動作と、
ユーザへの流体の送達を停止させる動作と、
を更に含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記動作は、
前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプと無線通信しているときに前記ディスプレイに前記エラーを送信する動作と、
前記ディスプレイを介して前記エラーに関する情報を表示する動作と、
を更に含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記可搬式輸液ポンプは、
ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、
流体送達チューブを介して前記流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、
アンテナを備える通信回路と、
を備える、請求項22から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記動作は、
前記可搬式輸液ポンプが前記ディスプレイに物理的に結合されることを前記ディスプレイの取り付けセンサが示すときに、前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立する動作と、
前記可搬式輸液ポンプが前記ディスプレイに物理的に結合されないときに、前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を切断する動作と、
を更に含む、請求項22から25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記可搬式輸液ポンプが使い捨てである、請求項22から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記可搬式輸液ポンプが充填ポートを更に備え、該充填ポートを介して前記流体容器が充填されるように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記流体容器が複数の流体バッグを保持するように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記可搬式輸液ポンプが防水ハウジングを含み、少なくとも前記流体容器、前記圧送機構、及び前記通信回路が前記防水ハウジング内に配置される、請求項22から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記可搬式輸液ポンプは、ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを更に備え、前記警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含む、請求項25から31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記流体容器が100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される、請求項25から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
ディスプレイから可搬式輸液ポンプによって少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信するステップであって、前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに一時的に結合される、ステップと、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づき、ユーザに流体を送達するステップと、
前記可搬式輸液ポンプによって、流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定するステップと、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立するステップと、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記可搬式輸液ポンプと無線通信する前記ディスプレイに、前記1つ以上の流体送達パラメータを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項35】
ユーザへの流体の送達におけるエラーを検出するステップと、
ユーザへの流体の送達を停止させるステップと、
を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプと無線通信しているときに前記ディスプレイに前記エラーを送信するステップと、
前記ディスプレイを介して前記エラーに関する情報を表示するステップと、
を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記可搬式輸液ポンプは、
ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、
流体送達チューブを介して前記流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、
アンテナを備える通信回路と、
を備える、請求項34から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記可搬式輸液ポンプが前記ディスプレイに物理的に結合されることを前記ディスプレイの取り付けセンサが示すときに、前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立するステップと、
前記可搬式輸液ポンプが前記ディスプレイに物理的に結合されないときに、前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を切断するステップと、
を更に含む、請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記可搬式輸液ポンプが使い捨てである、請求項34から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記可搬式輸液ポンプが充填ポートを更に備え、該充填ポートを介して前記流体容器が充填されるように構成される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記流体容器が複数の流体バッグを保持するように構成される、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記可搬式輸液ポンプが防水ハウジングを含み、少なくとも前記流体容器、前記圧送機構、及び前記通信回路が前記防水ハウジング内に配置される、請求項34から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記可搬式輸液ポンプは、ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを更に備え、前記警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含む、請求項34から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記流体容器が100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される、請求項34から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムコードは、少なくとも1つのデータプロセッサによって実行されるときに、
ディスプレイから可搬式輸液ポンプによって少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信する動作であって、前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに一時的に結合される、動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づき、ユーザに流体を送達する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立する動作と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記可搬式輸液ポンプと無線通信する前記ディスプレイに、前記1つ以上の流体送達パラメータを送信する動作と、
を含む動作をもたらす、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項47】
ディスプレイから可搬式輸液ポンプによって少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信するための手段であって、前記ディスプレイが前記可搬式輸液ポンプに一時的に結合される、手段と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づき、ユーザに流体を送達するための手段と、
前記可搬式輸液ポンプによって、流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定するための手段と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記ディスプレイとの無線接続を確立するための手段と、
前記可搬式輸液ポンプによって、前記可搬式輸液ポンプと無線通信する前記ディスプレイに、前記1つ以上の流体送達パラメータを送信するための手段と、
を備える装置。
【請求項48】
請求項35から45のいずれかに記載の機能のいずれかを果たすための手段、
を備える、請求項47に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本願に組み入れられる、2021年3月11日に出願された「輸液管理システム」と題される米国仮出願第63/159,929号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書に記載の主題は、一般に、薬剤の分配に関し、より具体的には、患者に薬剤を送達するための輸液管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
輸液ポンプなどの流体ポンプは、薬剤又は他の流体を患者に送達することによって患者に治療を施す。場合によっては、化学療法などの特定の種類の療法が、患者に薬剤を送達するのに長時間を要する。医療施設又は患者ケア室の利用可能な空間は限られている場合があり、場合によっては、治療の送達の期間中にポンプを制御することを介護者に要求する場合があるため、流体ポンプが大きくなる場合があり、それにより、ポンプの保管及び/又は使用が困難になる場合がある。これに加えて又は代えて、インスリン又は化学療法の送達などの特定の種類の治療は、患者の自宅などの医療施設以外の場所で又は患者が移動している間に患者に送達される場合がある。また、特定の臨床治療は、患者が長期間にわたって治療を複数日間投与するために医療施設に行くことを必要とする場合がある。しかしながら、医療施設以外の場所で患者に治療を施すことは、ポンプの携帯性が不十分であり、ポンプを遠隔制御及び/又はプログラムすることができないため、困難となる場合がある。ポンプ又は施された治療に関する関連情報を患者又は介護者に提供することも困難となる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
コンピュータプログラムプロダクトを含むシステム、方法、及び製造物品が、患者に薬剤を分配するための輸液管理システムのために提供される。例えば、システムは、ユーザが容易に携帯及び/又は装着できる可搬式輸液ポンプを含む輸液ポンプシステムを提供することができる。輸液ポンプシステムは、可搬式輸液ポンプと、可搬式輸液ポンプから分離可能なディスプレイとを含むことができる。分離可能なディスプレイは、可搬式輸液ポンプを流体送達プロトコルで構成することができる。可搬式輸液ポンプは、これに加えて又は代えて使い捨てであってもよい。
【0005】
幾つかの態様によれば、輸液ポンプシステムは、可搬式輸液ポンプ及び/又は分離可能なディスプレイを含む。可搬式輸液ポンプは、ユーザによって装着されてもよい。可搬式輸液ポンプは、ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、流体送達チューブを介して流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、アンテナを含む通信回路とを含むことができる。分離可能なディスプレイは、分離可能なディスプレイが可搬式輸液ポンプに結合されるときに可搬式輸液ポンプの通信回路に、流体送達プロトコルを送信することができる。分離可能なディスプレイは、可搬式輸液ポンプへの流体送達プロトコルの送信後に可搬式輸液ポンプから分離されてもよい。流体送達プロトコルは、ユーザに流体を送達するための1つ以上のパラメータを規定することができる。
【0006】
幾つかの態様では、可搬式輸液ポンプが使い捨てである。
【0007】
幾つかの態様において、通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース(登録商標)低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
幾つかの態様では、分離可能なディスプレイが取り付けセンサを含む。分離可能なディスプレイは、分離可能なディスプレイが可搬式輸液ポンプに物理的に結合されることを取り付けセンサからの信号が示すときに流体送達プロトコルを送信することができる。
【0009】
幾つかの態様では、物理的結合が磁気結合を含む。
【0010】
幾つかの態様では、分離可能なディスプレイが近接センサを含む。分離可能なディスプレイは、分離可能なディスプレイが可搬式輸液ポンプから所定の距離内に位置決めされることを近接センサからの信号が示すときに流体送達プロトコルを送信することができる。
【0011】
幾つかの態様では、輸液ポンプシステムが流体送達チューブを含む。
【0012】
幾つかの態様では、可搬式輸液ポンプが防水ハウジングを含む。少なくとも流体容器、圧送機構、及び通信回路が防水ハウジング内に配置されてもよい。
【0013】
幾つかの態様において、可搬式輸液ポンプは、ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを含む。警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含むことができる。
【0014】
幾つかの態様において、流体容器は、100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される。
【0015】
幾つかの態様によれば、方法は、ディスプレイから可搬式輸液ポンプによって少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信するステップを含む。ディスプレイは、可搬式輸液ポンプに一時的に結合されてもよい。また、方法は、可搬式輸液ポンプによって、少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づき、ユーザに流体を送達するステップを含むこともできる。また、方法は、可搬式輸液ポンプによって、流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定するステップを含むこともできる。また、方法は、可搬式輸液ポンプによって、ディスプレイとの無線接続を確立するステップを含むこともできる。また、方法は、可搬式輸液ポンプによって、可搬式輸液ポンプと無線通信するディスプレイに1つ以上の流体送達パラメータを送信するステップを含むこともできる。
【0016】
幾つかの態様において、方法は、ユーザへの流体の送達におけるエラーを検出するステップ、及びユーザへの流体の送達を停止するステップも含む。
【0017】
幾つかの態様において、方法は、ディスプレイが可搬式輸液ポンプと無線通信しているときにディスプレイにエラーを送信するステップ、及びディスプレイを介してエラーに関連する情報を表示するステップも含む。
【0018】
幾つかの態様において、可搬式輸液ポンプは、ユーザに送達されるべき流体を貯蔵するように構成される流体容器と、流体送達チューブを介して流体容器からユーザへの流体の送達をもたらすように構成される圧送機構と、アンテナを含む通信回路とを含む。
【0019】
幾つかの態様において、方法は、可搬式輸液ポンプがディスプレイに物理的に結合されることをディスプレイの取り付けセンサが示すときに、可搬式輸液ポンプによって、ディスプレイとの無線接続を確立するステップも含む。また、方法は、可搬式輸液ポンプがディスプレイに物理的に結合されていないときに、可搬式輸液ポンプによって、ディスプレイとの無線接続を切断するステップを含むこともできる。
【0020】
幾つかの態様では、可搬式輸液ポンプが使い捨てである。
【0021】
幾つかの態様において、通信回路は、低エネルギー通信回路、近距離通信回路、及びブルートゥース低エネルギー通信回路のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
幾つかの態様において、可搬式輸液ポンプが充填ポートを更に含み、該充填ポートを介して流体容器が充填されるように構成される。
【0023】
幾つかの態様において、流体容器が複数の流体バッグを保持するように構成される。
【0024】
幾つかの態様において、可搬式輸液ポンプは、防水ハウジングを含み、少なくとも流体容器、圧送機構、及び通信回路は、防水ハウジング内に配置される。
【0025】
幾つかの態様において、方法は、可搬式輸液ポンプが、ユーザへの流体の送達中のエラーの検出時に警報を生成するための警報システムを更に含むことも含む。警報は、音声、視覚、及び触覚警報のうちの1つ以上を含むことができる。
【0026】
幾つかの態様において、流体容器は、100ミリリットル以下の流体を保持するように構成される。
【0027】
本主題の実装態様は、本明細書で与えられる説明と一致する方法、並びに1つ以上の機械(例えば、コンピュータなど)が説明された特徴のうちの1つ以上を実装する動作をもたらすようにするべく機能し得る有形に具現化された機械可読媒体を備える物品を含むことができる。同様に、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合される1つ以上のメモリとを含むことができるコンピュータシステムも記載される。非一時的コンピュータ可読媒体又は機械可読記憶媒体を含むことができるメモリが、1つ以上のプロセッサに本明細書に記載の動作のうちの1つ以上を実行させる1つ以上のプログラムを含む、符号化する、記憶するなどすることができる。
【0028】
本主題の1つ以上の実装と一致するコンピュータ実装方法は、単一のコンピューティングシステム又は複数のコンピューティングシステムに存在する1つ以上のデータプロセッサによって実装することができる。そのような複数のコンピューティングシステムは、例えば、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接的な接続などを介した、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)にわたる接続を含む1つ以上の接続を介して接続され得るとともにデータ及び/又はコマンド又は他の命令などを交換することができる。
【0029】
本明細書に記載の主題の1つ以上の変形の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載される。本明細書に記載の主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。現在開示されている主題の特定の特徴は、輸液管理システムに関連して例示目的で説明されているが、そのような特徴は限定することを意図するものではないことを容易に理解すべきである。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される主題の範囲を規定することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書に開示された主題の特定の態様を示し、説明と共に、開示された実装形態に関連する原理の幾つかを説明するのに役立つ。
【0031】
【
図1】幾つかの例示的な実施形態に係る輸液管理システムを例示するシステム図を示す。
【
図2】幾つかの例示的な実施形態に係る輸液ポンプシステムを概略的に示す。
【
図3A】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプ及びディスプレイを含む輸液ポンプシステムの一例を示す。
【
図3B】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプ及びディスプレイを含む輸液ポンプシステムの一例を示す。
【
図3C】幾つかの例示的な実施形態に係る、ユーザデバイス、及び可搬式輸液ポンプ及びディスプレイを含む輸液ポンプシステムの一例を示す。
【
図4A】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプの一例を示す。
【
図4B】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプ及びディスプレイを含む輸液ポンプシステムの一例を示す。
【
図4C】幾つかの例示的な実施形態に係る、可搬式輸液ポンプ及びユーザデバイスを含む輸液ポンプシステムの一例を示す。
【
図4D】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプの一例を概略的に示す。
【
図5】幾つかの例示的な実施形態に係る可搬式輸液ポンプを構成するためのプロセスを例示するフローチャートを示す。
【
図6】幾つかの例示的な実施形態に係るコンピューティングシステムを例示するブロック図を示す。
【
図7A】幾つかの例示的な実施形態に係る患者ケアシステムの正面図を示す。
【
図7B】幾つかの例示的な実施形態に係る患者ケアシステムの一部の拡大図を示す。
【
図7C】幾つかの例示的な実施形態に係るポンプの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実用的な場合、同様の参照番号は、同様の構造、特徴、又は要素を示す。
【0033】
輸液ポンプなどの流体ポンプは、薬剤又は他の流体を患者に送達することによって患者に治療を施す。化学療法などの特定の治療の送達には長時間を要する場合があり、患者は毎日医療施設に行く必要があり、及び/又は介護者は患者への治療の送達の持続期間を通して患者と一緒にいる必要がある。流体ポンプは、非常に大きく、病院及び/又は病室内の大量の空間を占める場合があり、使用するのが非常に煩雑になる場合がある。例えば、癌治療中、化学療法の投与は、水和治療などの1つ以上の他の治療と組み合わされてもよい。本明細書に記載の輸液管理システムは、1つ以上の可搬式輸液ポンプを含み、可搬式輸液ポンプは、化学療法又は複数の種類の輸液療法を組み合わせることができる他の療法などの特定の療法を送達するために一般的に使用されるポンプ(例えば、マルチチャネルポンプ)よりも小さくなり得る。例えば、本明細書に記載の輸液ポンプシステムは、分離可能な可搬式輸液ポンプ及びディスプレイを含むモジュール式システムを含むことができる。幾つかの実施態様では、可搬式輸液ポンプが使い捨てであってもよい。可搬式輸液ポンプのサイズを縮小することによって、より多数のポンプを医療施設及び/又は患者ケア室内に格納することができ、複数の種類の流体の送達を含む治療を送達することをより容易にし、これらの種類の治療の柔軟性を改善する。
【0034】
本明細書に記載の可搬式輸液ポンプを提供することなどによってポンプのサイズを縮小することにより、ポンプを患者の身体の輸液部位に隣接して及び/又は近接して配置することができる。これは、ポンプが輸液部位の近くに配置されるため、可搬式輸液ポンプを患者の身体に接続する流体送達チューブ内の誤った及び/又は変位した接続のリスクを低減する。また、これは、患者への流体療法の投与に対する流体送達ラインの影響も低減し得る。結果として、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプは、送達された治療に基づいて行われる測定の精度を改善することができる。
【0035】
これに加えて又は代えて、インスリン又は化学療法の送達などの特定の種類の治療は、患者の自宅などの医療施設以外の場所で、又は患者が移動している間に、又は介護者の支援などによって医療施設で長期間にわたって患者に送達されてもよい。前述したように、流体ポンプは一般に非常に大きく、それにより、ポンプの保管及び/又は使用が困難になる場合がある。したがって、医療施設以外の場所で患者に治療を施すことは、ポンプの携帯性が不十分であり、ポンプを遠隔制御及び/又はプログラムすることができないために困難であり得る。ポンプ又は投与された治療に関する関連情報を患者に提供することは困難であり得る。本明細書に記載の可搬式輸液ポンプを含む輸液管理システムは、患者が医療施設ではなく自宅で輸液療法を受けることができるようにし、それにより、より快適な生活及び輸液療法を受ける経験の向上をもたらすことができる。また、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプは、患者の身体に装着され、及び/又は患者によって容易に持ち運ばれてもよく、それにより、患者が様々な場所で投与された治療を受けることを可能にする。また、可搬式輸液ポンプは、患者が治療の送達を中断することなく、旅行、睡眠、及び/又はシャワーなどの通常の活動に従事できるようにもし得る。このように、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプは、医療施設に設けられたポンプと同じ機能を与えることができるが、患者は、負担がないか最小限であるか、又は可搬式輸液ポンプが容易に分かるような通常の生活様式を送ることができる。
【0036】
幾つかの実施態様では、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプはまた、モバイルデバイス又はスタンドアロンディスプレイ上のアプリケーションによって遠隔制御及び/又はプログラムされてもよく、及び/又は投与された治療に関する有用なデータをディスプレイに送信して患者に表示し、及び/又は医療施設に送信してもよい。そのような構成は、患者(又はその介護者)が可搬式輸液ポンプを使用して流体療法を投与することをより容易にすることができ、患者が携帯するポンプ上の表示の必要性を排除することによって可搬式輸液ポンプのサイズを縮小するのを助けることができ、可搬式輸液ポンプの可搬性を改善するのを助けることができる。また、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプは、介護者が患者への治療の送達を監視できるようにもし得る。例えば、可搬式輸液ポンプが、IVライン閉塞などの治療の送達に影響を及ぼす問題を検出した場合、可搬式輸液ポンプは、問題を修正するために介護者及び/又は患者に警報を送信することができる。この構成は、介護者へのアクセスが制限されている場合などの状況において有用であり得る。
【0037】
本主題の実装と一致して、可搬式輸液ポンプは、ポンプが低減された構成要素のセット(例えば、分離可能なディスプレイ及び/又は使い捨てポンプ)を含むことができるため、これに加えて又は代えてコストを低減することができる。そのような構成は、患者にとってより使いやすい統合インタフェースを提供することができる。統合インタフェース(例えば、別個のディスプレイ又はユーザデバイスを介して)は、患者による使用及び/又は読み取りがより容易であり得る。患者への不適合流体の投与を防止するために、統合インタフェースを使用して規則を実施することができる。これに加えて又は代えて、可搬式輸液ポンプは、患者が介護者の監督なしで又は最小限の監督で可搬式輸液ポンプをプログラム又は他の方法でセットアップすることを可能にすることができる。
【0038】
図1は、幾つかの例示的な実装形態に係る輸液管理システム100を示すシステム図を示す。
図1を参照すると、輸液管理システム100は、可搬式輸液ポンプ150(本明細書では「輸液デバイス」とも呼ばれる)及びディスプレイ154を含む輸液ポンプシステム110と、ユーザデバイス130と、データシステム125とを含むことができる。
【0039】
ユーザデバイス130は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル装置及び/又は同様のものなどのモバイルデバイスであってもよい。しかしながら、ユーザデバイス130は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、ネットワーク接続テレビ及び/又は同様のものを含む任意のプロセッサベースのデバイスであってもよいことを理解されるべきである。例えば、ユーザデバイス130を介して、ユーザ160は、ユーザに関する情報、輸液されている流体治療、及び/又はポンプ150に基づいて生成された警報など、ポンプ150の特定のパラメータを見ることができる。送達されている流体療法に関する情報は、流体療法送達の時間又は時間間隔、送達されている流体の量、送達されている流体の種類及び/又は同様のものを含み得る。ユーザデバイス130は、これに加えて又は代えて、臨床医165(本明細書では「介護者」とも呼ばれる)及び/又はユーザ160によって使用されて、流体療法送達の時間又は時間間隔、送達される流体の量、送達される流体の種類及び/又は同様のものなどのポンプ150の特定のパラメータを構成することができる。更に、幾つかの例では、ユーザデバイス130を介して、臨床医165は、デフォルト設定及び安全パラメータ(例えば、送達される流体の用量に対する制限を設定すること)で様々な流体送達プロトコルを構成することができる。
【0040】
幾つかの実施態様では、ユーザデバイス130は、ポンプ150を流体送達プロトコルで直接プログラムし、ポンプ150にデータを送信し、及び/又はポンプ150からデータを受信することができる。例えば、ポンプ150が所定の距離内及び/又は所定の時間にわたってデータタグから離れて位置決めされるとき、ポンプ150は、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130のデータタグから読み取り及び/又は書き込むことができる。所定の距離は、約3cmであってもよい。幾つかの実施形態では、所定の距離は、約1~2cm、2~3cm、3~4cm、及び/又はそれらの間の他の範囲である。他の実施形態では、ポンプ150は、データタグ、ディスプレイ154、及び/又はユーザデバイス130と接触して保持されてもよい。所定の時間は、0.5秒~1秒であってもよい。幾つかの実施形態では、所定の時間は、約0.5~1.5秒、1.0~2.0秒、2.0秒~3.0秒、3.0秒~4.0秒及び/又は同様のものである。ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130のデータタグからの読み取り及び/又はデータタグへの書き込みを、ポンプ150が所定の距離内及び/又は所定の時間の間データタグから離れて配置されるときに制限することは、セキュリティ違反の可能性を低減又は排除することによってセキュリティを向上させるのに役立つ。
【0041】
データシステム125は、専用の施設内に物理的データストレージを提供し、及び/又はポンプ150及び/又はディスプレイ154に局所的に格納される、1つ以上のデータベースを含むことができる。データシステム125は、在庫システム、患者ケアシステム、管理システム、電子医療記録システム及び/又は同様のものを含むことができ、これらは複数の電子医療記録を記憶し、各電子医療記録は、患者の病歴、1つ以上の流体送達プロトコル及び/又は同様のものを含む。これに加えて又は代えて、データシステム125は、例えば、マルチテナントコンピューティング環境及び/又は同様のものにおいてデータのリモートストレージを提供するクラウドベースのシステムを含むことができる。また、データシステム125は、非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0042】
幾つかの実施態様では、データシステム125は、ネットワークに結合されたサーバ、クラウドサーバ及び/又は同様のものであり得るサーバ126を含み得る、及び/又はサーバ126に結合され得る。ユーザデバイス130は、サーバ126と無線通信することができる。サーバ126は、ポンプ150と直接通信してもよく、又はユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154を介して通信してもよい。クラウドベースのサーバを含むことができるサーバ126は、本主題の実装と一致する流体治療プロトコルの1つ以上の特徴を実装するために、データ及び/又は命令をデータシステム125からポンプ150に及び/又はポンプ150に送信されるようにユーザデバイス130又はディスプレイ154に提供することができる。これに加えて又は代えて、サーバ126は、ポンプ150からユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154に送信されたデータ(例えば、流体療法の1つ以上のパラメータ)をユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154から受信することができる。
【0043】
ユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154の少なくとも一方で実行されるアプリケーションソフトウェア(「アプリ」)は、ポンプ150の動作態様を制御し、ポンプ150の動作に関する情報を受信するように構成されてもよい。例えば、アプリは、ポンプ150の状態を見ること、ポンプ150によって送達されている流体療法の1つ以上のパラメータ、流体療法の投与のエラー及び/又は同様のものなどの限られた機能セットをユーザ160に提供することができる。アプリは、ユーザインタフェース148(
図2及び
図3A参照)を介して、流体送達速度、輸液されるべき体積(VTBI)及び/又は同様のもの、ポンプ150の電源142の状態を示すバッテリ状態、ポンプ150の流体容器144内に残っている流体の量及び/又は同様のものなどの流体療法の1つ以上のパラメータを表示することができる。幾つかの実施態様では、アプリは、これに加えて又は代えて、アプリを介して、サーバ126から1つ以上の流体送達プロトコルを取り出し、アプリ、ディスプレイ154、及び/又はポンプ150の間の安全な接続を確立し、流体送達プロトコルをポンプ150に送信する機能を臨床医165に提供することができる。また、アプリは、例えばユーザインタフェース148を介して、ポンプ150に送信される流体送達プロトコルの特性又はパラメータの1つ以上のセットを選択する機能を臨床医165に提供することもできる。言い換えれば、ユーザインタフェース148は、ポンプ150に送信された流体送達プロトコルの特性又はパラメータの1つ以上のセットの選択を含むユーザ相互作用を検出することができる。幾つかの実施態様では、以下でより詳細に説明するように、アプリは、ポンプ150によって送達される流体療法の様々なパラメータを記録し、記録されたパラメータをサーバ126に送信することができる。
【0044】
これに加えて又は代えて、ユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154のアプリは、臨床医165によって操作されて、サーバ126から1つ以上の流体送達プロトコルを取り出すことができる。例えば、アプリ及び/又はディスプレイ154は、サーバ126から1つ以上の流体送達プロトコルを取り出すための要求及び/又は1つ以上の流体送達プロトコルの選択などのユーザ対話を検出することができる。幾つかの実施態様では、アプリは、臨床医165がサーバ126にアクセスできるようにし、ユーザ160がアプリの特定の機能(例えば、流体送達プロトコルの回収及び/又は変更)にアクセスするのを防ぐための1つ以上の認証機能を含み得る。例えば、アプリは、ユーザデバイス130のユーザインタフェース及び/又はディスプレイ154のユーザインタフェース148を介して、臨床医165に、ユーザ名及びパスワードを入力し、バッジをスキャンし、指紋スキャン又は網膜スキャンを実行し、及び/又は顔認識を使用して臨床医165を識別し、アプリを介してアクセスを提供して、流体送達プロトコルの1つ以上の態様を検索及び/又は変更するように促すことができる。
【0045】
ディスプレイ154及び/又はポンプ150を含む輸液ポンプシステム110、ユーザデバイス130、及び/又はデータシステム125は、ネットワーク105を介して互いに通信可能に結合されてもよい。ネットワーク105は、例えば、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、短距離無線接続、例えばブルートゥース、ピアツーピアメッシュネットワーク及び/又は同様のものを含む有線及び/又は無線ネットワークとすることができる。
【0046】
図2は、本主題の実施形態と一致する輸液ポンプシステム110を概略的に示す。輸液ポンプシステム110は、可搬式輸液ポンプ150及びディスプレイ154を含むことができる。ディスプレイ154は、ポンプ150から分離可能であってもよい。例えば、ディスプレイ154は、ポンプ150をプログラムし、及び/又はポンプ150にデータを送信し、及び/又はポンプ150からデータを受信するために、ポンプと通信可能に及び/又は物理的に結合することができる。幾つかの実施態様では、ディスプレイ154は、磁気接続、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合構成、機械的ファスナ及び/又は同様のものを介してポンプ150に物理的に結合する。ディスプレイ154及びポンプ150は、同じ又は類似のサイズ及び/又は形状を有することができる。例えば、ディスプレイ154は、ポンプ150の外周及び/又は形状と同じ又は類似の外周及び/又は形状を有することができる。これにより、ポンプ150のプログラミング及び/又はポンプ150への及び/又はポンプ150からのデータの送信中に、ポンプ及びディスプレイ154を互いに容易に保持及び/又は結合することができる。
【0047】
幾つかの実施態様では、本明細書で説明するように、ディスプレイ154は、ディスプレイ154がポンプ150に通信可能及び/又は物理的に結合されるときにポンプ150をプログラムすることができる。例えば、ディスプレイは、ディスプレイがポンプ150に通信可能及び/又は物理的に結合されるときに、流体送達プロトコルなどの情報をポンプ150に送信することができる。ディスプレイ154は、ポンプ150への及び/又はポンプ150からのデータの送信後などに、ポンプから分離され及び/又は別の方法で取り外されてもよい。これにより、ポンプシステム110の重量が減少し、患者への治療の送達中などに、ポンプ150を患者によって容易に運搬及び/又は装着することが可能になる。
【0048】
幾つかの実施態様では、ディスプレイ154は、取り付けセンサ、近接センサ及び/又は同様のものなどのセンサを含む。センサは、ディスプレイ154がポンプ150から所定の距離内にあるときを検出することができる。例えば、幾つかの実施態様では、ディスプレイ154は、ディスプレイ154がポンプ150に結合される(例えば、物理的に結合される)ことを取り付けセンサからの信号が示すときにポンプ150との間でデータを送信することができる。これに加えて又は代えて、ディスプレイ154は、ディスプレイ154がポンプ150と結合される(例えば、通信可能に結合される)及び/又はポンプ150から所定の距離内に位置決めされることを近接センサからの信号が示すときにポンプ150との間でデータを送信することができる。
【0049】
ポンプ150は、患者に薬剤を送達するように構成された、TCIポンプ、シリンジポンプ、麻酔送達ポンプ、患者制御鎮痛薬(PCA)ポンプ、大容量ポンプ(LVP)、小容量ポンプ(SVP)及び/又は同様のものであってもよい。しかしながら、ポンプ150は、例えば、静脈内輸液、皮下輸液、動脈輸液、硬膜外輸液及び/又は同様のものを介して患者の循環系又は硬膜外腔に物質(例えば、流体、栄養素、薬剤及び/又は同様のもの)を送達するように構成された任意の輸液デバイスであってもよいことを理解すべきである。或いは、ポンプ150は、経鼻胃管(NG)、経皮内視鏡胃瘻管(PEG)、経鼻空腸管(NJ)及び/又は同様のものを介して患者の消化器系に物質(例えば、流体、栄養素、薬剤及び/又は同様のもの)を送達するように構成された輸液デバイスであってもよい。更に、ポンプ150は、1つ以上の更なるポンプを含む患者ケアシステムの一部であってもよい。
【0050】
ポンプ150は、ユーザ160によって使用可能な限られた機能及び/又は特徴を有することができる。前述したように、ディスプレイ154は、ポンプを使用中に患者が運搬及び/又は装着できるようにするためにポンプ150から分離可能である。ポンプ150は、ユーザインタフェース137、データ記憶装置131、圧送機構140、流体容器144、通信回路134、アンテナ138、ポンプ150の1つ以上の動作を制御するためのコントローラ136、電源142、安全システム146、及び1つ以上のインジケータ135を含むことができる。
【0051】
ディスプレイ154は、ポンプ150から分離可能であり、ポンプ150がユーザによって携帯及び/又は装着されるときにポンプ150に結合されなくてもよいため、ポンプ150は、限られたユーザインタフェース137を含むことができる。ポンプ150のユーザインタフェース137は、ポンプ150をユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154にペアリングするための、1つ以上の電源ボタン、インジケータ135などの1つ以上のインジケータ、及び/又はペアリングボタン(又は他のペアリング機能部)を含むことができる。ポンプ150は、これに加えて又は代えて、警報及び/又は警告を与えるための音声インジケータ、ポンプ150の本体内のモータ及び/又はフィードバック制御のための無線システムオンチップ(SOC)、並びに流体送達プロトコルを記憶する記憶装置を含むことができる。したがって、ポンプ150は、薄型にすることができ、それにより、ポンプ150をユーザが携帯及び/又は装着できるようにし、ポンプ150がユーザによって携帯及び/又は装着されるときなどに、ポンプ150によって占有される空間の量を制限する。そのような構成は、これに加えて又は代えて、ポンプ150を患者の身体の輸液部位の近くに配置して、より正確な測定を提供し、ポンプが患者から取り外される可能性を低減し、ポンプの可搬性を改善して、患者が医療施設から離れてポンプをより快適に使用することを可能にし、ポンプ150の製造コストを低減することを可能にする。
【0052】
装着を容易にするために、ポンプ150は、ポンプ150を患者が着用する衣類又は付属品(例えば、財布、ベルト、バッグ、帽子、自転車)に結合するためのクリップ、クランプ、ストラップ、又は他の取り付け固定具を含むことができる。幾つかの実施態様では、ポンプ150は、ポンプ150を患者又は患者に関連する物品(例えば、財布、バッグ、衣類など)に半永久的に取り付けるための接着要素を含むことができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、ポンプ150は、流体送達プロトコル、1つ以上の流体パラメータ、1つ以上の患者パラメータ、及び/又は1つ以上の臨床医パラメータを(例えば、一時的に記憶する)記憶するための、1つ以上のデータベース、データテーブル及び/又は同様のものを含むデータ記憶装置131を含む。幾つかの実施態様では、ポンプ150のコントローラ136は、流体送達プロトコル、1つ以上の流体パラメータ、1つ以上の患者パラメータ、及び/又は送達されるべき流体の種類、送達されるべき流体の投与量、送達されるべき流体の送達速度、送達されるべき流体の送達速度及び/又は同様のものなどの1つ以上の臨床医パラメータを検証することができる。例えば、コントローラ136は、記憶された流体パラメータが記憶された患者パラメータと同じであるかどうかを決定するために、1つ以上の記憶された流体パラメータを患者パラメータのうちの1つ以上と比較することができる。
【0054】
ポンプ150は、コントローラ136に接続され、及び/又はコントローラによって制御される無線通信回路134を含むことができる。無線通信回路134は、1つ以上のアンテナ138(近距離通信(NFC)アンテナ、ブルートゥースアンテナ、ブルートゥース低エネルギーアンテナ、Wi-Fiアンテナ、及び/又は他のアンテナを含むことができる)、バーコードリーダ及び/又は無線周波数識別(RFID)タグリーダを含んでもよい。アンテナ138は、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130上に位置決めされた、又はこれらに他の方法で結合されたデータタグから読み取る及び/又はデータタグに書き込むように構成されてもよい。データタグは、無線トランシーバの一種であってもよく、本明細書に記載の様々な機能を実行するためのマイクロコントローラユニット(MCU)、メモリ、及びアンテナ(例えば、NFCアンテナ)を含み得る。データタグは、例えば、1Kbit又は2KbitのNFCタグであってもよい。他の仕様のNFCタグも使用することができる。
【0055】
これに加えて及び/又は代えて、ポンプ150は、ネットワーク105を介するなどして、1つ以上のセルラー通信機能を含む通信回路134を含むことができる。1つ以上のセルラー通信機能は、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、5Gセルラー技術などを含むことができる。そのようなセルラー通信機能は、システムモビリティ及び展開オプションを増加させることができる。
【0056】
無線通信回路134は、他のデバイスと通信するために、例えばNFC回路、ブルートゥース回路、ブルートゥース低エネルギー回路、及び/又はWi-Fi回路及び関連回路(例えば、制御回路)などの他の通信モード用の更なる構成要素/回路を含んでもよい。例えば、ポンプ150は、無線通信回路134を介して遠隔プロセッサ(例えば、ディスプレイ154、ユーザデバイス130、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル電子機器、クラウドサーバ及び/又は同様のもの)と無線通信するように構成されてもよく、この通信を介して、遠隔プロセッサのうちの1つ以上から及び/又は遠隔プロセッサのうちの1つ以上へ、1つ以上の流体パラメータ、1つ以上の患者パラメータ、1つ以上の臨床医パラメータ、1つ以上の流体送達プロトコルなどを受信及び/又は送信してもよい。
【0057】
流体容器144は、ポンプ150によってユーザに送達されるべき流体を貯蔵することができる。流体容器144は、例えば充填ポート176(
図3A~
図3C及び
図4A~
図4C参照)を介して、薬剤師、臨床医などによって充填されてもよい。本明細書で説明するように、流体容器144は、(例えば、充填ポート176を介して)再充填可能であってもよく、及び/又はポンプ150の他の構成要素と共に流体容器144が単回使用又は限られた数の使用後に使い捨てであるように再充填可能でなくてもよい。幾つかの実施態様では、ポンプ150を長期間にわたって患者に流体を送達するために使用することができ、ポンプ150を患者への治療の送達の期間全体にわたって患者によって運搬及び/又は装着できるため、流体容器144は比較的大量の流体を貯蔵し得る。例えば、流体容器は、約150mL、250mL、100から150mL、150から200mL、200から250mL、250から300mL、300から350mL、又はそれ以上の最大容量を有することができる。幾つかの実施態様では、流体容器は、約150mL、250mL、100から150mL、150から200mL、200から250mL、250から300mL、300から350mL、又はそれ以上の最大容量を有する1つ以上の流体バッグを格納することができる。
【0058】
圧送機構140は、流体を流体送達チューブを介して患者に送達されるように流体容器144から推し進めることができる。圧送機構140は、ポンプ、モータ及び/又は同様のものを含むことができる。幾つかの実施態様では、圧送機構140は、蠕動ポンプ機構(例えば、直線型又は回転型)、ピストン型ポンプ機構及び/又は同様のものを含む。圧送機構140は、粘性薬剤を効率的に圧送できるようにし、様々な温度及び圧力条件下で患者に送達される流体の精度を改善することができる。幾つかの実施態様では、圧送機構は、長期間にわたって患者に治療を送達する。したがって、場合によっては、圧送機構140は、高精度である必要はなく、及び/又は安価であってもよい。
【0059】
幾つかの実施態様では、ポンプ150が所望の流体送達プロトコルを受信した後、ポンプ150を使用して、流体送達プロトコルに基づいてユーザに流体を送達することができる。本明細書で説明するように、ポンプ150は、医療施設及び/又はユーザの自宅及び/又はユーザが移動している間など、医療施設から離れた場所でユーザに流体を送達するために使用することができる。
【0060】
ポンプ150は、流体送達プロトコル及び/又はユーザへの流体の送達に基づいて、1つ以上のパラメータを測定及び/又は記録することができる。例えば、ポンプ150は、流体送達の時間、ユーザの情報、流体送達回数、送達された流体の量、送達されている流体の種類、送達されるべく残っている流体の量、位置データなどの1つ以上のパラメータを測定及び/又は記録(例えば、記憶)することができる。ポンプ150は、測定及び/又は記録されたパラメータをユーザデバイス130及び/又はディスプレイ154(例えば、アプリ)に無線で送信することができる。幾つかの実施態様では、測定及び/又は記録されたパラメータの少なくとも1つは、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130を介してユーザに表示されてもよい。幾つかの実施態様では、測定及び/又は記録されたパラメータの少なくとも1つは、ユーザデバイス130から医療施設のクライアントデバイスに、及び/又はサーバ126に直接送信され、本明細書に記載のデータシステム125のうちの1つ以上に記憶され得る。そのような構成は、ポンプ150を医療施設から離れた場所で使用できるようにし、依然として医療施設の臨床医及び/又は流体療法のユーザへの送達に関連する記録を更新する。
【0061】
幾つかの実施態様では、ポンプ150は、1つ以上の安全機構を含む安全システム146を含むことができる。安全機能は、1つ以上のセンサ147、インジケータ135、及び警報システム133を含むことができる。例えば、1つ以上のセンサ147は、送達されている流体の量、送達されている流体の種類、送達されるべき残りの流体の量、流体送達チューブ内の空気レベル及び/又は同様のものなど、患者への流体の送達の1つ以上の態様を測定する1つ以上の圧力センサ、流量センサ、及び/又は光学センサを含むことができる。1つ以上のセンサは、これに加えて又は代えて、電源142の充電レベル又は残存電力容量を検出するバッテリセンサを含んでもよい。幾つかの実施態様では、ポンプ150は、例えば、1つ以上の安全機構を介して、及び/又は1つ以上の安全機構によって測定された1つ以上のパラメータの結果として、エラーを検出する。エラーは、ポンプ150の動作及び/又はユーザへの流体の送達に関連し得る。
【0062】
例えば、ポンプ150は、低バッテリ、流体送達ラインの閉塞、ユーザからの流体送達ラインの切断、送達されるべき残りの流体の少量、ポンプ150の誤動作構成要素、記憶された流体パラメータと患者パラメータとの間の差などを検出することができる。エラーの検出に応答して、ポンプ150は、警報システム133及び/又はインジケータ135を作動させることができる。警報システム133は、視覚、音声、及び/又は触覚インジケータ135を含むことができる。例えば、インジケータ135を介して、警報システム133は、ポンプ150上のインジケータ135のうちの1つ以上を介して視覚的(例えば、光、赤色、橙色、黄色、緑色等の色光、模様光等)、音声的(例えば、音声、パターン化された音声など)、及び/又は触覚的(例えば、振動、パターン化振動など)フィードバックを表示することができる。これに加えて又は代えて、ポンプ150は、エラー及び/又はエラーに関する詳細をディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130に送信することができる。ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、エラーに関連する詳細をユーザに提示することができる。エラーに関する詳細は、発生したエラーの種類、エラーを修正するための命令、及び/又は臨床医に連絡するための命令を含むことができる。幾つかの実施態様では、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、ポンプ150からエラー及び/又はエラーに関連する詳細を受信したことに応答して臨床医に連絡することができる。例えば、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130がスマートフォン又はスマートディスプレイとして実装されている場合、エラーに関する詳細により、スマートフォン又はスマートディスプレイは、臨床医に関連するデバイスとの通信セッション(例えば、チャット、通話、ボイスオーバーIP通話、ビデオ通話など)を開始することができる。
【0063】
幾つかの実施態様では、エラーの検出に応答して、ポンプ150は、例えばエラーが解決されるまで(例えば、ポンプが流体の送達を継続するための命令を受信したときに)、ユーザへの流体の送達を停止することができる。これに加えて又は代えて、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、ポンプ150からエラー及び/又はエラーに関連する詳細を受信することに応答して、ポンプ150にユーザへの流体の送達を停止させることができる。幾つかの実施態様では、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、ポンプ150から受信したエラーの種類に基づいて、ポンプ150にユーザへの流体の送達を停止させることができる。例えば、流体送達ラインがユーザから切り離されている、及び/又は流体送達ラインが閉塞されているとディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130が決定する場合、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、ポンプ150に、ユーザに流体を送達させることができる。これにより、ポンプ150を医療施設から離れた場所で使用することができ、医療施設から離れたポンプ150の可搬性及び有用性が向上する。
【0064】
再び
図2を参照すると、ディスプレイ154は、ポンプ150の一部を形成してもよく、及び/又はポンプ150に別個に結合されてもよい。また、ディスプレイ154は、ユーザインタフェース148を含むこともできる。ユーザインタフェース148は、ユーザ160(例えば、患者又はその介護者、例えば、家族又は在宅医療補助者)に情報を提示するディスプレイ154の表示画面の一部を形成することができ、及び/又はユーザインタフェースは表示画面とは別個であってもよい。例えば、ユーザインタフェース148は、ユーザ160からの入力を受信するように構成された表示画面の1つ以上のボタン又は部分を含むことができる。幾つかの実施態様では、本明細書に記載のディスプレイ154(及び/又はポンプ150のユーザインタフェース)は、流体送達プロトコルの他のパラメータの中でも、送達されるべき流体(例えば、薬剤)の名前、及び/又は送達されるべき流体の量などの情報を表示する。
【0065】
幾つかの実施態様では、ディスプレイ154は通信回路149を含む。ディスプレイ154の通信回路149は、ポンプ150の通信回路134、ユーザデバイス130、サーバ126、及び/又は医療施設の別のデバイスと通信することができる。通信回路149は、近距離通信(NFC)アンテナ、バーコードリーダ、及び/又は無線周波数識別(RFID)タグリーダなどのアンテナを含むことができる。通信回路149は、これに加えて又は代えて、データタグを含んでもよい。データタグは、無線トランシーバの一種であってもよく、本明細書に記載の様々な機能を実行するためのマイクロコントローラユニット(MCU)、メモリ、及びアンテナ(例えば、NFCアンテナ)を含み得る。データタグは、例えば、1Kbit又は2KbitのNFCタグであってもよい。他の仕様のNFCタグも使用することができる。データタグは、流体送達プロトコルなどの情報をポンプ150に提供することができる。
【0066】
これに加えて、及び/又はこれに代えて、通信回路149は、ネットワーク105を介するなどして、1つ以上のセルラー通信機能を含んでもよい。1つ以上のセルラー通信機能は、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、5Gセルラー技術などを含むことができる。そのようなセルラー通信機能は、システムモビリティ及び展開オプションを増加させることができる。通信回路149は、ポンプ150、ユーザデバイス130、サーバ126、及び/又は医療施設の別のデバイスなどの他のデバイスと通信するために、例えばブルートゥース、ブルートゥース低エネルギー、及び/又はWi-Fiチップ及び関連回路(例えば、制御回路)などの他の通信モード用の追加の構成要素/回路を含むことができる。
【0067】
図3A~
図3Cは、本主題の実装と一致する輸液ポンプシステム110の一例を示す。
図3A~
図3Cに示すように、また本明細書で説明するように、ポンプシステム110は、可搬式輸液ポンプ150と、ポンプ150から分離可能なディスプレイ154とを含むモジュール式であってもよい。例えば、
図3Aは、ディスプレイ154が磁気接続、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合構成、機械的締結具などを介してポンプ150に結合される輸液ポンプシステム110の一例を示す。ディスプレイ154がポンプ150に結合され、及び/又はポンプ150の所定の距離内に保持されると、ディスプレイ154は、流体送達プロトコル、及び/又は患者、治療の送達などに関連する1つ以上のパラメータを含むデータを送信及び/又は受信することができる。
【0068】
図3Aに示すように、ポンプ150は、コネクタ172(例えば、ルアーロック)を介して針などの薬物送達装置に結合することができる流体送達チューブ170に結合され得る。ポンプ150は、流体容器144を含む1つ以上の構成要素を含むことができる。例えば、流体容器144は、患者に送達されるべき流体を保持することができる。幾つかの実施態様では、流体容器は、250mL以上、100mL以下、100から200mL、200から300mL、300から400mL、400から500mL以上の体積を有することができる1つ以上(例えば、1、2、3、4、又はそれ以上)の流体バッグ(例えば、IVバッグ)を保持する。流体バッグは、流体送達チューブ170の一端に結合されてもよい。そのような構成では、臨床医(例えば、介護者、薬剤師、及び/又はこれらに類似するもの)は、流体バッグを流体送達チューブの端部に接続することができる。或いは、流体容器144は、ユーザに送達されるべき流体を保持するように構成されてもよい。そのような構成では、流体は、流体容器144の内部と流体送達チューブ170との間を直接流れることができる。
【0069】
幾つかの実施態様では、ポンプ150は、電源142などの電源を含む。電源142は、充電前の1~2日間、2~3日間、3~4日間、4~5日間、5~6日間、6~7日間、1~2週間、又はそれ以上を含む、7日間まで又は7日間超の容量を有することができる。したがって、ポンプ150は、流体送達プロトコルに応じて、流体を患者に送達するために必要に応じて長期間にわたって及び/又は複数の短期間にわたって使用することができる。電源142を再充電する前の長い実行時間を可能にするために、ポンプ150は、低電力消費プロセッサなどの低電力消費構成要素、ユーザインタフェース137及び/又は電子リンクディスプレイなどの限られたユーザインタフェース、並びにブルートゥース通信を含む通信回路134を含むことができる。
【0070】
幾つかの実施態様では、ポンプ150はハウジング174を含む。ハウジング174は、ポンプ150の内部構成要素を収容することができる。例えば、ハウジング174は、流体容器144、圧送機構140、通信回路134などの内部構成要素を収容する。幾つかの実施態様では、ハウジング174は防水性であり、最大でIP66又はIP66より大きい流体保護を可能にする。これは、ユーザがシャワー中にポンプ150を使用できるようにし、雨の中、又は湿気及び/又は埃の多い状態で移動している間、障害がなく、又は障害が最小限であり得る。
【0071】
幾つかの実施態様では、ポンプ150は、アンテナ138などの誘導コイル及び/又はアンテナを含む。誘導コイルは、例えば、ディスプレイ154とのNFC通信を可能にすることができるが、本明細書に記載の方法などの他の通信方法も考えられる。NFC機能により、ポンプ150とディスプレイ154とをペアリングでき、ポンプ150とディスプレイ154とが互いに接触し、及び/又はディスプレイ154がポンプ150からある距離内に配置されたときに、1つ以上のパラメータ及び/又は流体送達プロトコルなどの設定を無線で転送することができる。また、NFCは、臨床医による高度なプログラミング及び長距離監視を可能にする更なる機能を提供するために、ユーザデバイス130などのスマートフォン又はタブレットを識別して通信する能力も提供する。例えば、
図3Cは、ユーザデバイス130がディスプレイ154及び/又はポンプ150に通信可能に結合されている輸液ポンプシステム110の一例を示す。コイルは、これに加えて又は代えて、ポンプ150の電源142を無線で充電できるようにしてもよい(例えば、Qi充電技術を使用する。)。そのような構成は、そうでなければ流体の進入の影響を受けやすいポンプ150上の外部に面する接続点を低減又は排除することができる。
【0072】
本明細書で説明するように、ポンプ150は、圧送機構140を含むことができる。圧送機構140は、流体容器144内及び/又は流体バッグ内に貯蔵された流体を流体容器144内から推し進めてユーザに送達することができる。圧送機構140は、ポンプ150とのカセット型インタフェースを含むことができ、したがって、誤負荷の可能性を低減することができる。カセット型インタフェースは、流体送達チューブ170を通して送達されるべき流体を注入するための蠕動ポンプ機構(例えば、リニアモータ又は回転モータ)を含んでもよい。これに加えて又は代えて、圧送機構140は、粘性流体を効率的に圧送できるようにし、様々な温度及び圧力条件下で圧送機構140の精度を改善するピストン型機構を含むことができる。
【0073】
幾つかの実施態様では、電源142は、メンテナンス、再充電、及び/又は交換のためにポンプ150から分離されてもよい。これにより、ポンプは十分な電力量を維持し、歩行可能な設定でバッテリ寿命を管理することができる。幾つかの実施態様では、1つ以上のセンサ147は、電源142に残っている電力が閾値量(例えば、5%、10%、15%、20%容量など)以下であるときを検出することができる。限られた残りの電力を決定すると、コントローラ136は、インジケータ135、ディスプレイ154、及び/又はユーザデバイス130などを介して、安全システム146に警報を出させることができる。幾つかの実施態様では、警報は、電源142を再充電又は交換する命令を含む。これに加えて又は代えて、低い残存電力を検出すると、コントローラ136は、ポンプを低電力又はバッテリ節約モードで動作させて、ポンプ150が患者に治療を完全に送達するのに十分な電力を有するようにし得る。これに加えて又は代えて、患者への流体の送達を開始する前に、コントローラ136は、ディスプレイ154から送信された流体送達プロトコルに基づいて、電源142が患者への流体の送達を開始するのに不十分な量の電力を有する、及び/又は治療の期間中持続するのに不十分な量の電力を有すると決定することができる。そのような場合、コントローラ136は、安全システム146に警報を出させることができる。幾つかの実施態様において、電源142は、交換可能なカセット型圧送機構140に結合され、これにより、電源142が流体容器144内の流体の各再充填で完全に充電されるようにするのに役立つ。
【0074】
したがって、ポンプ150は、ディスプレイ154をポンプ150に結合することなく、ユーザに流体を送達することによって実行可能な性能を最小限にすることができる。ディスプレイ154がポンプ150に物理的に結合されていない場合、ポンプ150のサイズを小さくすることができ、ユーザが快適に持ち運ぶことを可能にし(例えば、ストラップ又はベルトクリップによって、)、通常の日常活動を実行する上でより大きな柔軟性を提供する。一例として、
図3Bは、本主題の実装と一致する、ディスプレイ154から分離されたポンプ150を示す。
【0075】
図4A~
図4Dは、輸液ポンプシステム110の別の例を示す。
図4A~
図4Dに示す例示的な輸液ポンプシステム110は、
図3A~
図3Cに示す輸液ポンプシステム110と同じ又は類似の特性及び/又は特徴を含むことができる。本明細書で説明するように、ポンプ150は、ディスプレイ154(
図4B参照)から分離可能であってもよく、ディスプレイ154及び/又はユーザデバイス130は、ポンプ150(
図4C参照)と無線通信してもよい。
図4A~
図4Dに示す例示的な輸液ポンプシステム110では、ポンプ150は使い捨てであってもよく、及び/又は使い捨てユニットを形成してもよい。使い捨てポンプ150は、ポンプ150の圧送機構140への流体送達チューブの誤装填を低減又は排除するのに役立ち得る。例えば、流体送達チューブ170は、セットアップ中に流体送達チューブ170がポンプ150に別個に結合されないように、ポンプ150又は圧送機構140に恒久的に結合されてもよい。この構成は、流体送達チューブの誤装填に起因する問題を低減するのに役立ち、これは、歩行環境においてより顕著であり得る。
【0076】
これに加えて又は代えて、使い捨てポンプ150は、そうでなければポンプ150のユーザにとって時間がかかる可能性があるメンテナンス、洗浄、較正、試験、機能検証などを低減又は排除することができる。また、そのような構成は、使い捨てでないポンプを再使用する場合、複数のユーザ間の敗血症性感染の伝播の発生率を低減又は排除し得る。
【0077】
これに加えて又は代えて、使い捨てポンプ150は、低コスト材料を含むことができる。低コスト材料は耐久性がない可能性があるが、使い捨てポンプ150は限られた時間(単一又は限られた投与回数)使用することができる。したがって、ポンプ150の材料及びその構成要素が摩耗し始める前に、ポンプ150を廃棄することができる。例えば、ポンプ150は、製造コストを低減するために、プラスチック歯車装置を備えた低コストモータを含む、1つ以上の射出成形プラスチック構成要素を含むことができる。リサイクルプラスチック材料などの他の材料を使用して、ポンプ150の1つ以上の構成要素を形成することができることを理解すべきである。
【0078】
幾つかの実施態様では、圧送機構140は駆動モータに直接取り付けられ、IVセットインタフェースの必要性を排除する。
図4Dに示すように、ポンプ150の電気部品は、ハードワイヤード接続を使用することができ、それにより、コネクタのコスト及びそれらに関連する信頼性が排除される。ポンプ150は使い捨てであってもよく、したがってポンプ150のメンテナンスを行わなくてもよいため、ポンプ150の電気システム全体を樹脂材料内に封入して、流体からの及びポンプ150の取り扱いによる衝撃損傷からの内部構成要素の保護を確保することができる。これに加えて又は代えて、ポンプのユーザインタフェース137は、電子ペーパなどの低エネルギー材料を使用することができる。
【0079】
これに加えて又は代えて、使い捨てポンプ150は、内部構成要素を封入及び/又は完全に密封することができる。これにより、ポンプ150を非無菌の家庭環境又は他の歩行可能な環境で使用することが可能になる。前述したように、これは、望ましくない流体の進入がポンプ150の内部に入るのを防止又は制限するのにも役立つ。
【0080】
これに加えて又は代えて、使い捨てポンプ150は、ユーザに更新されたソフトウェアを提供する。例えば、ポンプ150は、ポンプ150が廃棄され交換されるときに、ポンプ150上の新しい及び/又は更新ソフトウェア及び/又はファームウェアを含むことができる。このような構成は、消費者にとって時間を節約し、ポンプ150が最新のソフトウェア及び/又はファームウェアを有することを保証するのに役立つ。
【0081】
幾つかの実施態様では、
図4A~
図4Dに示すポンプ150などの使い捨てポンプ150は、限られた時間の間使用可能であり得る。例えば、ポンプ150は、約30日間、1~5日間、5~10日間、10~15日間、15~20日間、20~25日間、25~30日間、30~35日間、35~40日間、又はそれ以上の期間使用可能であり得る。幾つかの実施態様では、ポンプ150は、含まれる流体が期限切れにならない時間の長さにわたって使用可能であり得る。使用可能期間が経過した後、ポンプ150が処分されてもよい。幾つかの実施態様では、ポンプ150は、単回使用後、単回処理後、所定回数の使用後(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の使用)、及び/又は所定回数の処理後(例えば、1回、2回、3回、4回又はそれ以上の処置)に処分されてもよい。そのような構成は、前述したように、メンテナンス又は清掃時間を短縮する。
【0082】
幾つかの実施態様では、流体容器144がポンプ150に組み込まれてもよい。例えば、流体容器144は、ユーザに送達されるべき流体を直接貯蔵することができる。これにより、流体容器144を流体送達チューブ170に直接結合させることができる。また、そのような構成は、不要な装備品を排除し、感染、漏出、及び/又は危険な薬物などの流体の漏れの可能性も低減する。幾つかの実施態様では、ポンプ150は、薬局などで流体容器144を充填することを可能にする充填ポート176を含む。ポンプ150が限られた回数だけ補充され得る幾つかの実施態様では、流体容器144は、充填ポート176を介して補充され得る。充填ポート176は、密封ジョイント及び逆止弁、又は流体容器144の内部からの漏れを防止又は低減する他の弁を含むことができる。幾つかの実施態様では、流体容器144は、約150mL、250mL、100から150mL、150から200mL、200から250mL、250から300mL、300から350mL、それ以下、又はそれ以上の最大容量を有することができる。したがって、使い捨てポンプ150は、コストを低減することができ、ポンプ150のメンテナンス、保守、及び洗浄の時間が短縮されるため、ポンプを使用しながらユーザ体験を改善することができる。
【0083】
図5は、本主題の実装と一致する、ディスプレイ154などの分離可能なディスプレイを介して、ポンプ150などの可搬式輸液ポンプを構成するための例示的なプロセス500を示す。本主題の実装と一致して、ポンプ150及び/又はディスプレイ154を含む輸液ポンプシステムは、医療施設内に占めるスペースポンプの量を減らすことができ、より正確な測定を提供するためにポンプを患者の身体の輸液部位の近くに配置することを可能にし、ポンプが患者から切り離される可能性を減らすことができ、ポンプの可搬性を改善して、患者が医療施設から離れてポンプをより快適に使用することを可能にし、ポンプの製造コストを削減することなどができる。
【0084】
幾つかの実施態様では、本明細書に記載されるように、ディスプレイは、可搬式輸液ポンプと物理的に結合(例えば、接触)されてもよく、及び/又はディスプレイは、ポンプとの無線接続を確立するために可搬式輸液ポンプから所定の距離内に保持されてもよい。502において、可搬式輸液ポンプは、ディスプレイから少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信することができる。例えば、可搬式輸液ポンプは、NFC、ブルートゥースなどを介して、少なくとも1つの流体送達プロトコルを受信することができる。少なくとも1つの流体送達プロトコルは、ユーザに流体を送達するための1つ以上のパラメータを含むことができる。例えば、1つ以上のパラメータは、ユーザに送達されるべき流体の体積、ユーザに送達されるべき流体の種類、流体送達の時間間隔、流体送達の頻度、流体がユーザに送達されるようになっている送達速度などを含むことができる。
【0085】
少なくとも
図1~
図4Dに関して前述したように、ディスプレイは、可搬式輸液ポンプに一時的に結合されてもよく、ディスプレイから可搬式輸液ポンプへの流体送達プロトコルの送信後に可搬式輸液ポンプから分離されてもよい。ディスプレイが可搬式輸液ポンプから取り外された後、可搬式輸液ポンプは、限られた機能を含み得る。例えば、可搬式輸液ポンプは、可搬式輸液ポンプの1つ以上の動作に基づいて視覚、触覚、及び/又は音声フィードバックをユーザに提供するためのインジケータを含むことができる。インジケータは、ユーザへの流体の送達にエラーが発生したときに、光を表示し、光の色を変更し、光のパターンを変更し、光を点滅させ、音を再生し、音のパターンを再生し、振動パターンを再生するなどすることができる。エラーは、流体送達ライン内の閉塞、流体送達チューブ内に空気が存在すること、流体送達ラインとユーザとの間の接続の中断、可搬式輸液ポンプの低バッテリ、ユーザに送達されるべき流体の小容量及び/又は同様のものを示すことができる。そのような構成は、可搬式輸液ポンプが可搬性を改善するために薄型を維持するのに役立ち、可搬式輸液ポンプがユーザによって携帯及び/又は装着されることを可能にし得る。
【0086】
504において、少なくとも1つの流体送達プロトコルに基づいて、可搬式輸液ポンプによって流体をユーザに送達することができる。例えば、可搬式輸液ポンプは、流体送達プロトコルの一部として記憶された流体送達速度、時間間隔などに基づいて、ユーザに流体を送達することができる。
【0087】
506において、可搬式輸液ポンプは、可搬式輸液ポンプによる流体の送達に関連する1つ以上の流体送達パラメータを測定及び/又は記録することができる。例えば、可搬式輸液ポンプは、流体送達の時間、ユーザの情報、流体送達回数、送達される流体の量、送達される流体の種類、送達されるべき残りの流体の量、位置データなどを測定及び/又は記録することができる。
【0088】
508において、可搬式輸液ポンプは、ディスプレイとの無線接続を確立及び/又は再確立することができる。例えば、ポンプは、本明細書に記載されるように、ディスプレイと接触してもよく、及び/又はディスプレイから所定の距離内にあってもよい。
【0089】
510において、可搬式輸液ポンプは、ユーザへの表示のためにディスプレイへの流体の送達に関連する測定及び/又は記録された流体送達パラメータを送信することができる。幾つかの実施態様では、ディスプレイ(例えば、アプリを介して)は、測定及び/又は記録された流体送達パラメータの少なくとも1つをユーザに表示し、及び/又は測定及び/又は記録された流体送達パラメータを臨床医に送信する。幾つかの実施態様では、可搬式輸液ポンプはエラーを検出することができる。エラーの検出に応答して、可搬式輸液ポンプは、可搬式輸液ポンプ及び/又はディスプレイ上のインジケータを介してユーザに視覚、触覚、及び/又は音声フィードバックを提供し、及び/又はディスプレイにエラーを送信することができる。次いで、ディスプレイは、エラー及び/又はエラーに関連する情報を臨床医に送信することができる。幾つかの実施態様では、可搬式輸液ポンプは、エラーの検出に応答してユーザへの流体の送達を停止する。
【0090】
図6は、本主題の実装と一致するコンピューティングシステム600を示すブロック図を示す。
図1及び
図6を参照すると、コンピューティングシステム600を使用して、可搬式輸液ポンプ150及びディスプレイ154、データシステム125、サーバ126、ユーザデバイス130、及び/又はその中の任意の構成要素を含む輸液ポンプシステム110を実装することができる。
【0091】
図6に示すように、コンピューティングシステム600は、プロセッサ610、メモリ620、記憶デバイス630、及び入出力デバイス640を含むことができる。プロセッサ610、メモリ620、記憶デバイス630、及び入出力デバイス640は、システムバス650を介して相互接続することができる。プロセッサ610は、コンピューティングシステム600内で実行するための命令を処理することができる。そのような実行される命令は、例えば、ディスプレイ154及び/又は可搬式輸液ポンプ150の1つ以上の構成要素を実装することができる。幾つかの例示的な実施形態では、プロセッサ610は、シングルスレッドプロセッサとすることができる。或いは、プロセッサ610は、マルチスレッドプロセッサであってもよい。プロセッサ610は、メモリ620及び/又は記憶デバイス630に記憶された命令を処理して、入出力デバイス640を介して提供されるユーザインタフェースのためのグラフィック情報を提示することができる。
【0092】
メモリ620は、コンピューティングシステム600内に情報を記憶する揮発性又は不揮発性などのコンピュータ可読媒体である。メモリ620は、例えば、構成オブジェクトデータベースを表すデータ構造を記憶することができる。記憶デバイス630は、コンピューティングシステム600に永続記憶装置を提供することができる。記憶デバイス630は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、又は他の適切な永続的記憶手段とすることができる。入出力デバイス640は、コンピューティングシステム600に入出力動作を提供する。幾つかの例示的な実施形態では、入出力デバイス640は、キーボード及び/又はポインティングデバイスを含む。様々な実施態様において、入出力デバイス640は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するための表示ユニットを含む。
【0093】
幾つかの例示的な実施形態によれば、入出力デバイス640は、ネットワークデバイスに入出力動作を与えることができる。例えば、入出力デバイス640は、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット)と通信するためのイーサネットポート又は他のネットワーキングポートを含むことができる。
【0094】
幾つかの例示的な実施形態では、コンピューティングシステム600は、様々なフォーマットのデータの編成、分析、及び/又は記憶に使用することができる様々な対話型コンピュータソフトウェアアプリケーションを実行するために使用することができる。或いは、コンピューティングシステム600は、ソフトウェアアプリケーションを実行するために使用することができる。これらのアプリケーションは、様々な機能、例えば、計画機能(例えば、スプレッドシートドキュメント、ワードプロセッシングドキュメント、及び/又は任意の他のオブジェクトの生成、管理、編集など)、コンピューティング機能、通信機能などを実行するために使用することができる。アプリケーションは、様々なアドイン機能を含むことができ、又はスタンドアロンのコンピューティング製品及び/又は機能であり得る。アプリケーション内で起動すると、機能を使用して、入出力デバイス640を介して提供されるユーザインタフェースを生成することができる。ユーザインタフェースは、コンピューティングシステム600によって生成され、ユーザに提示することができる(例えば、コンピュータ画面モニタなどで)。
【0095】
幾つかの例示的な実施形態では、ポンプ22(例えば、可搬式輸液ポンプ150)は、患者ケアシステム20の一部であってもよい。
図7A~
図7Cは、患者ケアシステム20の例示的な実施形態を示すが、他のタイプの患者ケアシステムが実装されてもよい。
図7Aを参照すると、患者ケアシステム20は、ポンプ22並びに追加のポンプ24、26、及び28を含むことができる。大容量ポンプ(LVP)が示されているが、1つ以上の流体送達プロトコルに従って患者に薬剤を送達するように構成された、小容量ポンプ(SVP)、TCIポンプ、シリンジポンプ、麻酔送達ポンプ、及び/又は患者制御鎮痛薬(PCA)ポンプなどの他のタイプのポンプが実装されてもよい。幾つかの実施態様では、本明細書に記載の可搬式輸液ポンプ150は、ポンプ22、24、26、28の一部と通信可能に結合され、及び/又はその一部を形成することができる。ポンプ22は、例えば、静脈内輸液、皮下輸液、動脈輸液、硬膜外輸液などを介して患者の循環系又は硬膜外腔に物質(例えば、流体、栄養素、薬剤など)を送達するように構成された任意の輸液デバイスであってもよく、又はポンプ22は、経鼻胃管(NG)、経皮内視鏡胃瘻造設管(PEG)、経鼻空腸管(NJ)などを介して患者の消化系に物質(例えば、流体、栄養素、薬剤など)を送達するように構成された輸液デバイスであってもよい。
【0096】
図7Aに示すように、ポンプ22、24、26、及び28のそれぞれは、上流流体ライン30、32、34、及び36とそれぞれ流体接続されてもよい。更に、4つのポンプ22、24、26、及び28のそれぞれはまた、それぞれ下流流体ライン31、33、35、及び37と流体接続されてもよい。流体ラインは、流体が流れることができるチューブなどの任意の種類の流体導管とすることができる。流体ラインのうちの1つ以上の少なくとも一部は、本明細書に記載の多層構成で構成することができる。
【0097】
流体供給部38、40、42、及び44は、様々な形態をとることができるが、この場合はボトルとして示されており、反転されてポンプの上に懸架されている。流体供給部はまた、バッグ、シリンジ、又は他のタイプの容器の形態をとることができる。患者ケアシステム20及び流体供給部38、40、42、及び44の両方は、ローラスタンド又は静脈内(IV)ポール46に取り付けられてもよい。
【0098】
流体供給部の各流体を患者に注入するために、別個のポンプ22、24、26、及び28を使用することができる。ポンプ22、24、26、及び28は、それぞれの流体ラインに作用して流体を流体供給源から流体ラインを通って患者48に移動させる流量制御デバイスであってもよい。個々のポンプが使用されるため、それぞれの流体供給源から患者に特定の医療用流体を注入するために必要な圧送パラメータ又は動作パラメータを、医師によってその流体に処方された特定の速度で個別に設定することができる。そのような医療用流体は、薬物又は栄養素又は他の流体を含み得る。
【0099】
典型的には、薬液投与セットは、
図7Aに示されているよりも多くの部分を有する。多くは、逆止弁、ドリップチャンバ、バルブ付きポート、コネクタ、及び当業者に周知の他のデバイスを有する。これらの他のデバイスは、図示の明瞭さを保つために図面に含まれていない。更に、
図7Aの図面は縮尺通りではなく、距離は明確にするために圧縮されていることに留意すべきである。実際の設定では、ボトル38、40、42、及び44とポンプモジュール22、24、26、及び28との間の距離は、はるかに大きくなり得る。
【0100】
ここで
図7Bを参照すると、患者ケアシステム20の正面の拡大図が示されている。ポンプ22は、動作のためにドアを閉位置にロックし、内部の圧送機構及び検知機構にアクセスするためにドアをロック解除及び開放し、ポンプ用の投与セットをロードするように動作するフロントドア50及びハンドル52を含むことができる。ドアが開いているとき、
図7Cに示すように、チューブをポンプに接続することができる。ドアが閉じられると、管は、圧送機構、上流及び下流の圧力センサ、並びにポンプの他の機器と動作係合する。LEDディスプレイなどのディスプレイ54は、この実施形態ではドア上に平面図で配置され、安全システム146を介してなど、警報表示(例えば、警報メッセージ)などのポンプに関連する様々な情報を視覚的に通信するために使用され得る。そうでなければ、ディスプレイ54は、ポンプ22の一部であってもよく、又はポンプに結合されてもよい。必要に応じてポンプの動作をプログラミング及び制御するための制御キー56が存在する。ポンプ22はまた、スピーカ(図示せず)の形態の音声警報機器を含む。
【0101】
図示の実施形態では、プログラミングモジュール60がポンプ22の左側に取り付けられている。幾つかの実施形態では、プログラミングモジュール60はポンプ22の一部を形成する。別のポンプを含む他のデバイス又はモジュールは、
図7Aに示すように、ポンプ22の右側に取り付けられてもよい。そのようなシステムでは、各取り付けられたポンプは、患者ケアシステム20全体のポンプチャネルに相当する。一実施形態では、プログラミングモジュールは、ポンプ22と外部デバイスとの間のインタフェースを提供するとともに、ポンプ22のためのオペレータインタフェースの大部分を提供するために使用される。
【0102】
プログラミングモジュール60は、ポンプ22の動作パラメータ並びに警報表示及び警報メッセージなどの様々な情報を視覚的に伝達するためのディスプレイ62を含む。幾つかの実施態様では、ディスプレイ62は、可搬式輸液ポンプ150、ディスプレイ154、及び/又はユーザデバイス130の一部を形成するか、又はそれと通信する。プログラミングモジュール60は、これに加えて又は代えて、本明細書に記載の1つ以上の患者パラメータ及び1つ以上の患者パラメータのそれぞれにおける対応する値をディスプレイ54及び/又はディスプレイ64に表示することができる。プログラミングモジュール60はまた、可聴警報を提供するためのスピーカを含むことができる。プログラミングモジュール又は任意の他のモジュールはまた、この実施形態では、制御キー64と、輸液、患者、介護者などに関する電子データタグから情報をスキャンするためのバーコード又は他のスキャナ又はリーダとを含む様々な入力デバイスを有する。プログラミングモジュールはまた、医療施設サーバ又は他のコンピュータなどの外部機器と通信できるとともに、ハンドヘルド携帯情報端末(PDA)又はラップトップ型コンピュータなどのポータブルプロセッサ、又は介護者が情報を転送し、並びに薬剤ライブラリをプログラミングモジュール又はポンプにダウンロードする必要があり得る他の情報デバイスと通信できる通信システム(図示せず)を有する。幾つかの実施形態では、ポンプ22は、サーバ(例えば、サーバ126)及び/又は1つ以上の可搬式輸液ポンプ150と通信して、1つ以上の流体送達プロトコルを1つ以上の可搬式輸液ポンプ150に送信することができる。
【0103】
幾つかの実施態様では、プログラミングモジュール60は、可搬式輸液ポンプ150用のディスプレイとして構成されてもよい。プログラミングモジュール60は、ブルートゥース又はWiFi接続プロトコルなどの専用又は標準ベースの機器ペアリングプロトコルを使用して可搬式輸液ポンプ150とペアリングすることができる。ペアリングされると、プログラミングモジュール60によって受信された情報は、可搬式輸液ポンプ150に送信され得る。逆に、可搬式輸液ポンプ150によって生成された警報又は警報は、プログラミングモジュール60に送信することができ、プログラミングモジュール60は、プログラミングモジュールに含まれる1つ以上の出力デバイスを使用して、警報又は警報の人間が知覚可能な発現を提示することができる。顕在化を提示するための出力デバイスとしては、例えば、音声出力デバイス、照明デバイス(例えば、LED)、ディスプレイ(例えば、グラフィカルユーザインタフェース)などが挙げられる。
【0104】
通信システムは、無線周波数(「RF」)(無線周波数)システム、赤外線などの光学システム、ブルートゥースシステム、又は他の有線もしくは無線システムの形態をとることができる。或いは、バーコードスキャナ及び通信システムは、プログラミングモジュールが使用されない場合などに、又はプログラミングモジュールと共に、ポンプ22と一体的に含まれてもよい。また、情報入力デバイスは、医療機器に有線で接続されている必要はなく、無線接続を介して情報が伝達されてもよい。
【0105】
図7Bは、プログラミングモジュール60に接続された第2のポンプ26を含む。
図7Aに示すように、より多くのポンプモジュールを接続してもよい。更に、他のタイプのモジュールがポンプモジュール又はプログラミングモジュールに接続されてもよい。そのような実施態様では、プログラミングモジュールは、各ポンプ(例えば、ポンプ22及びポンプ26)の1つ以上の患者パラメータのそれぞれの決定、調整、及び/又は表示値(例えば、デフォルト値)を維持することができる。
【0106】
ここで
図7Cを参照すると、ポンプ22は、フロントドア50が開いた状態の斜視図で示されており、ポンプ22と動作可能に係合している上流流体ライン30及び下流流体ライン31を示している。ポンプ22は、上流流体ライン30を下流流体ライン31に接続してそれぞれの流体供給部38(
図7A)から患者48まで延在する連続流体導管を形成するチューブ66(ポンプセグメントとも呼ばれる)に直接作用し、それを介して流体はポンプによって作用されて流体を患者の下流に移動させる。具体的には、圧送機構70は、導管を通って流体を移動させるためのポンプの流量制御デバイスとして機能する。上流及び下流の流体ライン及び/又はチューブ66は、参照により本明細書に組み込まれる同時係属中の米国特許出願第13/827,775号に記載されているタイプなど、ポンプ22に結合されるように構成されたポンプカセット又はカートリッジに結合されてもよい。
【0107】
圧送機構140などの圧送機構のタイプは、様々であってもよく、例えば、多重指圧送機構であってもよい。例えば、圧送機構は、「4本の指」タイプであってもよく、上流閉塞フィンガ72、一次圧送フィンガ74、下流閉塞フィンガ76、及び二次圧送フィンガ78を含む。「4本の指」圧送機構及び他の線形蠕動ポンプで使用される機構は、カム追従圧送フィンガ及びバルブフィンガ72、74、76、及び78によって流体導管のセグメントを順次押圧することによって動作する。圧送機構の上流端から始まって下流端に向かって作用する、導管の連続した位置に圧力が加えられる。少なくとも1つの指は、導管を閉塞するのに十分強く常に押圧している。実際問題として、1つの指は、次の指が順番にチューブを既に閉塞するまで、チューブを閉塞することから後退せず、したがって、流体供給部から患者への直接的な流体経路は存在しない。4つのフィンガーポンプを含む蠕動ポンプの動作は当業者に周知であり、ここでは更なる動作の詳細は提供されない。
【0108】
この特定の実施形態では、
図7Cは、圧送機構に対して下流の位置にあるポンプ22に含まれる下流圧力センサ82を更に示す。下流圧力センサ82は、流量制御デバイス70に取り付けられ、流量制御デバイスに隣接して流量制御デバイスに対して下流に配置される。下流圧力センサは、流量制御デバイスの下流、すなわち、患者48(
図7A)と流量制御デバイスとの間の位置に配置され、その結果、任意の流体が患者に圧送される前に、正しい流体供給源と正しいポンプとの接続を確認することができる。
【0109】
更に
図7Cを参照すると、上流圧力センサ80もポンプ22に含まれてもよい。上流圧力センサは、流量制御デバイス又は圧送機構70に割り当てられ、この実施形態では、ポンプ22の一体部分として更に設けられる。上流圧力センサは、流量制御デバイス70に取り付けられ、流量制御デバイスに隣接して流量制御デバイスに対して上流に配置される。上流圧力センサは、流量制御デバイスの上流、すなわち、流体供給部38(
図7A)と流量制御デバイスとの間の位置に配置され、その結果、任意の流体が患者に圧送される前に、正しい流体供給部と正しいポンプとの接続が確認され得る。供給源がシリンジである実施形態では、流量制御デバイス70は、プログラムされたパラメータに従って輸液を提供するためにシリンジのプランジャを押すように構成されてもよい。
【0110】
本明細書に記載の主題の1つ以上の態様又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な態様又は特徴は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信し、それらにデータ及び命令を送信するように結合される、専用又は汎用であり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。プログラマブルシステム又はコンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアントとサーバは、互いに遠隔にあり、一般に、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0111】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれ得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高レベルの手続き型及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語で実装することができる。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含めて、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば非一時的ソリッドステートメモリ又は磁気ハードドライブ又は任意の同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、これに代えて又は加えて、例えば1つ以上の物理プロセッサコアに関連するプロセッサキャッシュ又は他のランダムアクセスメモリのように、そのような機械命令を一時的に記憶することができる。
【0112】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載の主題の1つ以上の態様又は特徴は、例えば、ユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)モニタなどのディスプレイデバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができる、例えばマウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティングデバイスとを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。他の想定し得る入力デバイスとしては、タッチスクリーン、又はシングルポイント又はマルチポイントの抵抗又は容量トラックパッド、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイス及び関連する解釈ソフトウェアなどの他のタッチ感知デバイスが挙げられる。
【0113】
本明細書に記載の図面を含む開示は、異なる変形形態を別々に説明及び/又は例示することができるが、それらの全部又は一部、又は構成要素を組み合わせることができることを理解すべきである。
【0114】
様々な例示的な実施形態が前述されているが、様々な実施形態に対して幾つかの変更のいずれかが行われてもよい。例えば、様々な記載された方法ステップが実行される順序は、代替実施形態ではしばしば変更されてもよく、他の代替実施形態では、1つ以上の方法ステップは完全にスキップされてもよい。様々なデバイス及びシステムの実施形態の任意の特徴は、幾つかの実施形態に含まれてもよく、他の実施形態に含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0115】
特徴又は要素が本明細書で別の特徴又は要素の「上に」あると言及される場合、それは他の特徴又は要素の上に直接あることができ、又は介在する特徴及び/又は要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直接上に」あると言及される場合、介在する特徴又は要素は存在しない。特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続」、「取り付け」又は「結合」されていると言及される場合、それは他の特徴又は要素に直接接続、取り付け又は結合され得るか、又は介在する特徴又は要素が存在し得ることも理解され得る。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接接続される」、「直接取り付けられる」、又は「直接結合される」と言及される場合、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は図示されているが、そのように説明又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態にも適用することができる。別の特徴に「隣接して」配置された構造又は特徴への言及は、隣接する特徴に重なるか又はその下にある部分を有することができる。
【0116】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解され得る。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0117】
例えば、「下(under)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(over)」、「上側(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示された向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解され得る。例えば、図中のデバイスが反転されている場合、他の要素又は特徴の「下」又は「真下」にあると記載された要素は、他の要素又は特徴の「上」に方向付けられる。したがって、例示的な用語「下(under)」は、上方及び下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の方向に向けられ(90度又は他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。同様に、「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、「垂直に(vertical)」、「水平に(horizontal)」などの用語は、特に明記しない限り、本明細書では説明の目的でのみ使用される。
【0118】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈がそうでないことを示さない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用され得る。したがって、以下に説明する第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、以下に説明する第2の特徴/要素は、本明細書で提供される教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0119】
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、「備える(comprise)」という単語並びに「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」などの変形は、様々な構成要素が方法及び物品(例えば、デバイス及び方法を含む組成物及び装置)において共同で使用され得ることを意味する。例えば、「備えている(comprising)」という用語は、任意の記載された要素又はステップの包含を意味するが、任意の他の要素又はステップの排除を意味するものではないと理解される。
【0120】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、例で使用される場合を含み、特に明示的に指定されない限り、用語が明示的に出現しない場合でも、全ての数字は「約」又は「およそ」という語で始められているかのように読むことができる。「約(about)」又は「およそ(approximately)」という語句は、記載された値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために、大きさ及び/又は位置を記載するときに使用され得る。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-2%、記載された値(又は値の範囲)の+/-5%、記載された値(又は値の範囲)の+/-10%などの値を有することができる。本明細書に示される任意の数値はまた、文脈がそうでないことを示さない限り、ほぼその値を含むと理解されるべきである。
【0121】
本明細書に含まれる例及び例示は、限定ではなく例示として、主題を実施することができる特定の実施形態を示す。前述したように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、他の実施形態を利用し、そこから導出することができる。本明細書では特定の実施形態を図示及び説明してきたが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、図示の特定の実施形態の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施形態、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせが可能である。
【0122】
上記の説明及び特許請求の範囲において、例えば「~のうちの少なくとも1つ」又は「~のうちの1つ以上」などの語句が出現し、その後に要素又は特徴の結合リストが続く場合がある。「及び/又は」という用語も2つ以上の要素又は特徴のリストに出現し得る。そのような語句は、それが使用される文脈によって暗黙的又は明示的に矛盾しない限り、列挙された要素又は特徴のいずれかを個別に又は列挙された要素又は特徴のいずれかを他の列挙された要素又は特徴のいずれかと組み合わせて意味することを意図している。例えば、句「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ以上」及び「A及び/又はB」はそれぞれ、「A単独、B単独、又は、AとBを一緒に」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図される。例えば、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、及び、「A、B、及び/又はC」はそれぞれ、「A単独、B単独、C単独、AとB、AとC、BとC、又は、AとBとC」を意味することが意図される。上記及び特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、列挙されていない特徴又は要素も許容されるように、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。
【0123】
本明細書で使用される「ユーザインタフェース」(対話型ユーザインタフェース、グラフィカルユーザインタフェース、又はUIとも呼ばれる)は、入力信号を受信する又は電子情報を提供するため、及び/又は任意の受信した入力信号に応答してユーザに情報を提供するためのデータフィールド及び/又は他の制御要素を含むネットワークベースのインタフェースを指す場合がある。制御要素は、(例えば、クリック、タッチ、選択など)と対話されるときにUIを提示するデバイスのためのデータの交換を開始する、ダイヤル、ボタン、アイコン、選択可能領域、又は、UIを介して提示される他の知覚可能な表示を含むことができる。UIは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、FLASH(登録商標)、JAVA(登録商標)、NET(商標)、ウェブサービス、又はリッチサイトサマリ(RSS)などの技術を使用して全体的又は部分的に実装することができる。幾つかの実施形態において、UIは、記載された態様のうちの1つ以上に従って通信する(例えば、データを送信又は受信する)ように構成されるスタンドアロンのクライアント(例えば、シッククライアント、ファットクライアント)に含まれてもよい。通信は、医療機器又は該医療機器と通信する又はサーバとの間で行なわれてもよい。
【0124】
本明細書で使用される場合、「決定する(determine)」又は「決定すること(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザの介入を伴うことなくハードウェア要素を介して計算する、演算する、処理する、導出する、生成する、取得する、調べる(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造を調べる)、確認することなどを含むことができる。また、「決定すること」は、ユーザの介入を伴うことなくハードウェア要素を介して受信する(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)ことなどを含むことができる。「決定すること」は、ユーザの介入を伴うことなくハードウェア要素を介して解決する、選択する、選択する、確立することなどを含むことができる。
【0125】
本明細書で使用される場合、「提供する(provide)」又は「提供すること(providing)」という用語は、多種多様な動作を包含する。例えば、「提供すること」は、後続の検索のために記憶デバイスの記憶場所に値を記憶すること、少なくとも1つの有線又は無線通信媒体を介して値を受信者に直接送信すること、値への参照を送信又は記憶することなどを含むことができる。また、「提供すること」は、ハードウェア要素を介して符号化する、復号する、暗号化する、解読する、有効にする、検証することなどを含むこともできる。
【0126】
本明細書で使用される場合、用語「メッセージ」は、情報を通信する(例えば、送信又は受信)ための多種多様なフォーマットを包含する。メッセージは、XML文書、固定フィールドメッセージ、コンマ区切りメッセージなどの情報の機械可読集約を含むことができる。メッセージは、幾つかの実施態様では、情報の1つ以上の表示を送信するために利用される信号を含むことができる。単数形で記載されているが、メッセージは、複数の部分で構成、送信、記憶、受信などされてもよいことが理解され得る。
【0127】
本明細書で使用される用語「選択的に」又は「選択的な」は、多種多様な動作を包含し得る。例えば、「選択的な」プロセスは、複数のオプションから1つのオプションを決定することを含むことができる。「選択的な」プロセスは、動的に決定された入力、事前構成された入力、又は決定を行うためのユーザ開始入力のうちの1つ以上を含むことができる。幾つかの実施態様では、選択機能を提供するためにn入力スイッチを含めることができ、nは選択を行なうために使用される入力の数である。
【0128】
本明細書で使用される用語「対応する(correspond)」又は「対応すること(corresponding)」は、2つ以上の物体、データセット、情報及び/又は同様のものの間の構造的、機能的、定量的及び/又は定性的な相関又は関係を包含し、好ましくは、対応又は関係を使用して、2つ以上の物体、データセット、情報及び/又は同様のもののうちの1つ以上を同じ又は等しいように解釈することができる。対応関係は、閾値、値域、ファジー論理、パターンマッチング、機械学習評価モデル、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を使用して評価することができる。
【0129】
任意の実施形態において、生成又は検出されたデータは、「離れている」デバイス又は場所に転送することができ、「離れている」とは、プログラムが実行される場所又はデバイス以外の場所又はデバイスを意味する。例えば、離れている場所は、同じ都市内の別の場所(例えば、オフィス、研究室など)、異なる都市内の別の場所、異なる州内の別の場所、異なる国内の別の場所などであり得る。このように、ある項目が別の項目から「離れている」と示唆される場合、2つの項目は、同じ部屋にあるが分離されている、又は少なくとも異なる部屋もしくは異なる建物にあることができ、少なくとも1マイル、10マイル、又は少なくとも100マイル離れていることができることを意味する。情報を「通信する」とは、その情報を表わすデータを適切な通信チャネル(例えば、プライベートネットワーク又はパブリックネットワーク)を介して電気信号として送信することを指す。項目を「転送する」とは、その項目を物理的に輸送することによるか又は他の方法(可能な場合)によるかどうかにかかわらず、ある場所から次の場所へとその項目を取得する任意の手段を指し、少なくともデータの場合、データを搬送する媒体を物理的に輸送すること、又はデータを通信することを含む。通信媒体の例としては、無線又は赤外線送信チャネル、並びに別のコンピュータ又はネットワークデバイスへのネットワーク接続、及びインターネットが挙げられ、或いは電子メール送信及びウェブサイトに記録された情報などが挙げられる。
【0130】
本明細書に含まれる例及び例示は、限定ではなく例示として、主題を実施することができる特定の実施形態を示す。前述したように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、他の実施形態を利用し、そこから導出することができる。本発明の主題のそのような実施形態は、2つ以上が実際に開示されている場合、単に便宜上、及び本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明概念に自発的に限定することを意図せずに、「発明」という用語によって個々に又は集合的に本明細書で言及され得る。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示及び説明してきたが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、図示の特定の実施形態の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討すれば当業者には明らかとなる。
【国際調査報告】