(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】PV用途のための部分共振コンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555376
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022019227
(87)【国際公開番号】W WO2022192167
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515186323
【氏名又は名称】エンフェーズ エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Enphase Energy, Inc.
【住所又は居所原語表記】1420 North McDowell Boulevard, Petaluma, California 94954, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クハレグ・モザファーリ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ライル・チャップマン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730BB23
5H730BB65
5H730BB67
5H730DD04
5H730DD12
5H730EE04
5H730EE07
5H730EE13
5H730EE63
5H730FF09
(57)【要約】
部分共振コンバータが提供され、部分共振コンバータは、変圧器の一次巻線側の第1のキャパシタおよび変圧器の二次巻線側の第2のキャパシタと並列に接続された磁化リンクインダクタによって形成された部分共振リンクと、磁化リンクインダクタおよび第1のキャパシタにわたって結合された直列接続されたスイッチのペアと、動作中、入力ソースおよび出力負荷を磁化リンクインダクタに接続する、複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器の一次巻線側の第1のキャパシタおよび前記変圧器の二次巻線側の第2のキャパシタと並列に接続された磁化リンクインダクタによって形成された部分共振リンクと、
前記磁化リンクインダクタおよび前記第1のキャパシタにわたって結合された直列接続されたスイッチのペアと、
動作中、入力ソースおよび出力負荷を前記磁化リンクインダクタに接続する、複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチと
を含む、部分共振コンバータ。
【請求項2】
前記変圧器が高周波数変圧器である、請求項1に記載の部分共振コンバータ。
【請求項3】
前記磁化リンクインダクタが、昇降圧動作モードのそれぞれのサイクルにおいて充電および放電される、請求項1に記載の部分共振コンバータ。
【請求項4】
前記磁化リンクインダクタが、1.8μHのインダクタンスを有し、前記第1のキャパシタが、約1nFのキャパシタンスを有し、前記第2のキャパシタが、約0.01234nFのキャパシタンスを有し、C
L2=C
L1/n
2(ここでn=9)に等しい、請求項1に記載の部分共振コンバータ。
【請求項5】
前記複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチが、
4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含む、スイッチとダイオードとの直列組合せ、または
6つのスイッチおよび6つの対応するダイオードを含む、スイッチとダイオードとの直列組合せ
のうちの1つを含む、請求項1に記載の部分共振コンバータ。
【請求項6】
前記複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチが4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含むときに、
出力キャパシタの第1の端子が、第1のスイッチのドレイン端子と出力インダクタの第1の端子とに結合され、
前記出力キャパシタの第2の端子が、第2のスイッチのドレイン端子に結合され、
前記出力インダクタの第2の端子および前記出力キャパシタの前記第2の端子が、それぞれ単相AC電源ラインに結合され、
前記直列接続されたスイッチのペアおよび前記4つのスイッチのゲート端子が、それらの動作可能な制御のためにコントローラに結合される、請求項5に記載の部分共振コンバータ。
【請求項7】
前記出力キャパシタが、約1.8μFのキャパシタンスを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【請求項8】
前記4つのスイッチにわたって結合され、2倍周波数のリップルを扱うように構成されたリップルブリッジをさらに含む、請求項6に記載の部分共振コンバータ。
【請求項9】
前記リップルブリッジが、ブリッジ構成で結合された4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含み、約10μFのキャパシタンスを有するキャパシタが、それぞれのブリッジレッグの中間点の間に結合される、請求項1から6または請求項8のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【請求項10】
前記複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチが6つのスイッチおよび6つの対応するダイオードを含むときに、
第1の出力キャパシタが、第1のスイッチのドレイン端子と第3のスイッチのドレイン端子との間に、かつ出力インダクタの第1の端子に結合され、
第2の出力キャパシタが、第2のスイッチのドレイン端子と前記第3のスイッチの前記ドレイン端子との間に結合され、
第3の出力キャパシタが、前記第1のスイッチの前記ドレイン端子と前記第2のスイッチの前記ドレイン端子との間に結合され、
第1の出力インダクタが、前記第1のスイッチの前記ドレイン端子と第1の出力端子との間に結合され、
第2の出力インダクタが、前記第2のスイッチの前記ドレイン端子と第2の出力端子との間に結合され、
第3の出力インダクタが、前記第3のスイッチの前記ドレイン端子と第3の出力端子との間に結合され、
前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子が、3相AC電源ラインに結合され、
前記直列接続されたスイッチのペアおよび前記6つのスイッチのそれぞれのゲート端子が、それらの動作可能な制御のためにコントローラに結合される、請求項5に記載の部分共振コンバータ。
【請求項11】
前記第1の出力キャパシタ、前記第2の出力キャパシタ、および前記第3の出力キャパシタが、それぞれ約1.8μFのキャパシタンスを有する、請求項1から6または請求項10のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【請求項12】
前記入力ソースが、光起電力モジュールであり、前記出力負荷が、単相AC電源ラインまたは3相AC電源ラインのうちの1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【請求項13】
変圧器の一次巻線側の第1のキャパシタおよび前記変圧器の二次巻線側の第2のキャパシタと並列に接続された磁化リンクインダクタによって形成された部分共振リンクと、
前記磁化リンクインダクタおよび前記第1のキャパシタにわたって結合された直列接続されたスイッチのペアと、
昇降圧動作モードの間にのみ、入力ソースおよび出力負荷を前記磁化リンクインダクタに接続する、複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチと
を含む、部分共振コンバータ。
【請求項14】
前記変圧器が高周波数変圧器である、請求項13に記載の部分共振コンバータ。
【請求項15】
前記磁化リンクインダクタが、1.8μHのインダクタンスを有し、前記第1のキャパシタが、約1nFのキャパシタンスを有し、前記第2のキャパシタが、約0.01234nFのキャパシタンスを有し、C
L2=C
L1/n
2(ここでn=9)に等しい、請求項13に記載の部分共振コンバータ。
【請求項16】
前記複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチが、
4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含む、スイッチとダイオードとの直列組合せ、または
6つのスイッチおよび6つの対応するダイオードを含む、スイッチとダイオードとの直列組合せ
のうちの1つを含む、請求項13に記載の部分共振コンバータ。
【請求項17】
前記複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチが4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含むときに、
出力キャパシタの第1の端子が、第1のスイッチのドレイン端子と出力インダクタの第1の端子とに結合され、
前記出力キャパシタの第2の端子が、第2のスイッチのドレイン端子に結合され、
前記出力インダクタの第2の端子および前記出力キャパシタの前記第2の端子が、それぞれ単相AC電源ラインに結合され、
前記直列接続されたスイッチのペアおよび前記4つのスイッチのゲート端子が、それらの動作可能な制御のためにコントローラに結合される、請求項16に記載の部分共振コンバータ。
【請求項18】
前記出力キャパシタが、約1.8μFのキャパシタンスを有する、請求項13から17のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【請求項19】
前記4つのスイッチにわたって結合され、2倍周波数のリップルを扱うように構成されたリップルブリッジをさらに含む、請求項17に記載の部分共振コンバータ。
【請求項20】
前記リップルブリッジが、ブリッジ構成で結合された4つのスイッチおよび4つの対応するダイオードを含み、約10μFのキャパシタンスを有するキャパシタが、それぞれのブリッジレッグの中間点の間に結合される、請求項13から17または請求項19のいずれか一項に記載の部分共振コンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、電力変換に関し、詳細には、部分共振電力コンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
DC-AC電力コンバータは、再生可能なエネルギー資源からのDCを電力網に適合したACに変換するなど、さまざまな電気電力用途において不可欠な役割を果たしている。これらの電力コンバータのためのトポロジは、コストおよび効率を含むさまざまな事項を考慮して設計される。たとえば、コンバータの電力密度を向上させることは、最終的な製造コストをより低くすることに貢献することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、向上させた電力コンバータトポロジの必要性が当技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくともいくつかの態様に従って、本明細書において部分共振コンバータが提供され、部分共振コンバータは、変圧器の一次巻線側の第1のキャパシタおよび変圧器の二次巻線側の第2のキャパシタと並列に接続された磁化リンクインダクタによって形成された部分共振リンクと、磁化リンクインダクタおよび第1のキャパシタにわたって結合された直列接続されたスイッチのペアと、動作中、入力ソースおよび出力負荷を磁化リンクインダクタに接続する、複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチとを含む。
【0005】
本開示の少なくともいくつかの態様に従って、本明細書において部分共振コンバータが提供され、部分共振コンバータは、変圧器の一次巻線側の第1のキャパシタおよび変圧器の二次巻線側の第2のキャパシタと並列に接続された磁化リンクインダクタによって形成された部分共振リンクと、磁化リンクインダクタおよび第1のキャパシタにわたって結合された直列接続されたスイッチのペアと、昇降圧動作モードの間に、入力ソースおよび出力負荷を磁化リンクインダクタに接続する、複数の順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチとを含む。
【0006】
本開示のこれらの、ならびに他の特徴および利点は、全体を通して同様の参照番号が同様の部品を指す付属の図面と併せて、以下の本開示の詳細な説明を検討することにより認識されてよい。
【0007】
上に挙げた本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約された本開示のより詳細な説明は、そのうちのいくつかが添付の図面に例証されている実施形態を参照することによって得ることができる。しかしながら、本開示は他の等しく効果的な実施形態も認め得ることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例証しており、したがって、その範囲を限定するものとは考えられないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータのブロック図である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラのブロック図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータのブロック図である。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラのブロック図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータのブロック図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータ100のブロック図である。この図は、無数の考え得るシステム構成のうちの1つのバリエーションを描き出しているにすぎない。本開示は、多様な電力生成環境およびシステムにおいて機能することができる。
【0010】
電力コンバータ100は、ガルバニック絶縁を用いた部分共振のDC-単相ACコンバータである。電力コンバータ100は、入力スイッチブリッジを含み、入力スイッチブリッジは、2つのバックツーバック金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、(または双方向に導通し単方向にブロックする)S
00およびS
0(他の実施形態においては、ワイドバンドギャップデバイスであってもよい)を含む。S
0ドレインおよびインダクタL
iの第1の端子が、それぞれキャパシタC
iの第1の端子に結合され、インダクタL
iの第2の端子およびキャパシタC
iの第2の端子が、それぞれ、光起電力(PV)モジュール102などのDC入力の正端子および負端子に結合される。非常に小さなACキャパシタC
L1およびC
L2と共に高周波数変圧器(HFT)110の小さな磁化インダクタンスL
Mによって、部分共振リンク120が形成される(L
Sとして
図1に表された変圧器110の漏れインダクタンスは、無視できるものと想定される)。いくつかの実施形態において、C
L2は、反射キャパシタンスであってもよい。磁化インダクタンスL
M(およびいくらかの漏れインダクタンスL
S)、ならびにACキャパシタC
L1は、それぞれスイッチS
00、S
0、およびキャパシタC
iの直列組合せにわたって結合される。
【0011】
変圧器110の二次巻線が、出力ブリッジにわたって結合され、出力ブリッジは、出力負荷をインダクティブリンクに接続する。出力ブリッジは、4つの順方向に導通する双方向ブロッキング(FCBB)スイッチを含む。
図1に示された実施形態などのいくつかの実施形態において、それぞれのFCBBスイッチは、スイッチとダイオードとの直列組合せ(
図1において、対応するFCBBスイッチFCBBS
1、FCBBS
2、FCBBS
3、FCBBS
4を形成するスイッチS
1、S
2、S
3、S
4および対応するダイオードD
1、D
2、D
3、D
4)から構成されてよく、他の実施形態において、順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチは、バックツーバックスイッチ(またはACスイッチ)、あるいは双方向性能を備えたスイッチから構成されてもよい。スイッチFCBBS
2とFCBBS
4とが互いに直列に結合され、スイッチFCBBS
1とFCBBS
3とが互いに直列に結合され、これらの直列組合せが、変圧器110の二次巻線にわたって結合される。変圧器110は、1:nの巻数比を有し、キャパシタC
L2もまた、変圧器二次巻線にわたって存在する。
【0012】
出力キャパシタCoの第1の端子が、スイッチFCBBS1のドレインと出力インダクタLoの第1の端子とに結合され、出力キャパシタCoの第2の端子が、スイッチFCBBS2のドレインに結合される。出力端子(すなわち、入力Loの第2の端子およびキャパシタCoの第2の端子)は、単相AC電源ラインなどの任意の好適なシステムまたはデバイスに結合されてよい。スイッチS00、S0、およびFCBBS1~FCBBS4のそれぞれのゲート端子が、スイッチを動作可能に制御するためのコントローラ130に結合される。
【0013】
電力コンバータ100は、昇降圧動作モードにおいて機能し、サイクルごとに充電および放電されるリンクインダクタを介して電力を完全に伝達させる。電力コンバータ100は、同様の機能を実施する従来の4象限インダクティブリンクコンバータ(たとえば、ユニバーサル電力コンバータ)よりも少ない合計スイッチカウントを有する。リンク電流が正にも負にもなり得る4象限リンク動作を利用するこれらの従来のコンバータとは対照的に、電力コンバータ100は、リンク電流を一方向に制限し、それによって、電力コンバータ100は、より少ないスイッチの数およびより単純な制御アルゴリズムを有することが可能になる。さらに、電力コンバータ100は、ソリッドステート変圧器(SST)用途において使用されるトポロジとは対照的に、変圧器110周辺のいかなるスイッチも利用しない。電力コンバータ100のトポロジは、4象限インダクティブリンクコンバータおよびSSTコンバータなどの従来のトポロジに比べてコンバータの電力密度を向上させ、それによって、従来のトポロジの場合よりも低い最終的な製造コストを可能にする。
【0014】
1つまたは複数の実施形態において、変圧器巻数比1:nは、1:9であってよく、インダクタンスLSは無視できるものであってよく、電力コンバータのコンポーネントは、おおよそ、CL1=1nF、CL2=CL1/n2=0.01234nF(ここでn=9)、Co=1.8uF、Lo=30uH、Ci=13.2mH、LM=1.8uH、およびLS=2nHの値を有してよい。
【0015】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラ130のブロック図である。コントローラ130は、サポート回路204とメモリ206とを含み、そのそれぞれが中央処理ユニット(CPU)202に結合される。CPU202は、1つまたは複数の従来から利用可能なマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでよく、代替として、CPU202は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。他の実施形態において、CPU202は、コントローラファームウェアを記憶するための内部メモリを含むマイクロコントローラであってもよく、コントローラファームウェアは、実行されるときに、本明細書で説明されるコントローラ機能性を提供する。
【0016】
サポート回路204は、CPU202の機能性を促進するために使用されるよく知られた回路である。そのような回路には、限定はしないが、キャッシュ、電力供給源、クロック回路、バス、入力/出力(I/O)回路、その他が含まれる。特定のソフトウェアを実行するときに本開示のさまざまな実施形態を実施するための特殊目的コンピュータとなる汎用コンピュータを使用して、コントローラ130を実装することができる。
【0017】
メモリ206は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、リムーバブルディスクメモリ、フラッシュメモリ、およびこれらのタイプのメモリのさまざまな組合せを含むことができる。メモリ206は、時にメインメモリと呼ばれ、部分的には、キャッシュメモリまたはバッファメモリとして使用されてもよい。メモリ206は、一般に、CPU性能によってサポートされ得るコントローラ130のオペレーティングシステム(OS)208を必要に応じて記憶する。いくつかの実施形態において、OS208は、限定はしないが、LINUX、Real-Time Operating System (RTOS)、その他などの、いくつかの市販のオペレーティングシステムのうちの1つであってよい。
【0018】
メモリ206は、コントローラ130によって実行されるときに電力コンバータ100の動作を制御するためのコンバータ制御モジュール210などの、さまざまな形式のアプリケーションソフトウェアを記憶することができる。メモリ206は、最大電力点追従(MPPT)モジュール212をさらに記憶することができ、モジュール212は、コントローラ130によって実行されるときに、PVモジュール102をその最大電力点(MPP)においてバイアスするための動作点を決定する。
【0019】
メモリ206は、電力コンバータ100の動作に関連したデータを記憶するためのデータベース214を追加として記憶することができる。
【0020】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータ300のブロック図である。この図は、無数の考え得るシステム構成のうちの1つのバリエーションを描き出しているにすぎない。本開示は、多様な電力生成環境およびシステムにおいて機能することができる。
【0021】
電力コンバータ300は、ガルバニック絶縁を用いた部分共振のDC-3相ACコンバータである。電力コンバータ100と類似して、電力コンバータ300は、入力スイッチブリッジを含み、入力スイッチブリッジは、2つのバックツーバックMOSFET、(または双方向に導通し単方向にブロックする)S
00およびS
0(他の実施形態においては、ワイドバンドギャップデバイスであってもよい)を含み、ここで、S
0ドレインは、インダクタL
iの第1の端子とキャパシタC
iの第1の端子とに結合される。インダクタL
iの第2の端子およびキャパシタC
iの第2の端子は、それぞれ、PVモジュール102などのDC入力の正端子および負端子に結合される。HFT310の小さな磁化インダクタンスL
Mと共に非常に小さなACキャパシタC
L1およびC
L2(いくつかの実施形態においては、反射キャパシタンスであってもよい)によって、部分共振リンク320が形成される(L
Sとして
図3に表された変圧器310の漏れインダクタンスは、無視できるものと想定される)。キャパシタC
L1は、スイッチS
00、S
0、およびキャパシタC
iの直列組合せにわたってさらに結合される。
【0022】
変圧器310の二次巻線が、出力ブリッジにわたって結合され、出力ブリッジは、出力負荷をインダクティブリンクに接続する。出力ブリッジは、6つの順方向に導通する双方向ブロッキング(FCBB)出力スイッチFCBBS
1~FCBBS
6を含む。
図3に示された実施形態などのいくつかの実施形態において、それぞれの順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチは、スイッチとダイオードとの直列組合せ(
図3において、対応する順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチFCBBS
1、FCBBS
2、FCBBS
3、FCBBS
4、FCBBS
5、FCBBS
6を形成するスイッチS
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6および対応するダイオードD
1、D
2、D
3、D
4、D
5、D
6)から構成されてよく、他の実施形態において、順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチは、バックツーバックスイッチ(またはACスイッチ)、あるいは双方向性能を備えたスイッチから構成されてもよい。スイッチFCBBS
1とFCBBS
4とが互いに直列に結合され、スイッチFCBBS
2とFCBBS
5とが互いに直列に結合され、スイッチFCBBS
3とFCBBS
6とが互いに直列に結合され、これらの直列組合せが、それぞれ変圧器310の二次巻線にわたって結合される。変圧器310は、1:nの巻数比を有し、キャパシタC
L2もまた、変圧器二次巻線にわたって存在する。
【0023】
出力キャパシタCocaが、スイッチFCBBS1およびFCBBS3のドレイン端子の間に、かつ出力インダクタLoaの第1の端子に結合され、出力キャパシタCobcが、スイッチFCBBS2およびFCBBS3のドレイン端子の間に結合され、出力キャパシタCoabが、スイッチFCBBS1およびFCBBS2のドレイン端子の間に結合される。出力インダクタLoaが、スイッチFCBBS1のドレイン端子と第1の出力端子aとの間に結合され、出力インダクタLobが、スイッチFCBBS2のドレイン端子と第2の出力端子bとの間に結合され、出力インダクタLocが、スイッチFCBBS3のドレイン端子と第3の出力端子cとの間に結合される。出力端子a、b、およびcは、3相AC電源ラインなどの任意の好適なシステムまたはデバイスに結合されてよい。スイッチS00、S0、およびFCBBS1~FCBBS6のそれぞれのゲート端子は、スイッチを動作可能に制御するためのコントローラ330に結合される。
【0024】
電力コンバータ300は、昇降圧動作モードにおいて機能し、サイクルごとに充電および放電されるリンクインダクタを介して電力を完全に伝達させる。電力コンバータ300は、同様の機能を実施する従来の4象限インダクティブリンクコンバータ(たとえば、ユニバーサル電力コンバータ)よりも少ない合計スイッチカウントを有する。リンク電流が正にも負にもなり得る4象限リンク動作を利用するこれらの従来のコンバータとは対照的に、電力コンバータ300は、リンク電流を一方向に制限し、それによって、電力コンバータ300は、より少ないスイッチの数およびより単純な制御アルゴリズムを有することが可能になる。さらに、電力コンバータ300は、SST用途において使用されるトポロジとは対照的に、変圧器310周辺のいかなるスイッチも利用しない。さらに、従来のトポロジとは対照的に、電力コンバータ300のトポロジは、電解キャパシタの必要性を取り除き、1つのみのプロセッサによるより単純なアプリケーション制御を採用し、1つずつ導入することができ、電力が増加するにつれて2倍周波数のリップルに関連付けられる高コストを排除し、3相ウォータポンプまたは3相モータ駆動用途などの多入力/多出力製品の開発における柔軟性を可能にする。電力コンバータ300のトポロジは、ユニバーサル電力コンバータおよびSSTコンバータなどの従来のトポロジに比べてコンバータの電力密度を向上させ、それによって、従来のトポロジの場合よりも低い最終的な製造コストを可能にする。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、変圧器巻数比1:nは、1:9であってよく、インダクタンスLSは無視できるものであってよく、電力コンバータのコンポーネントは、おおよそ、CL1=2nF、CL2=CL1/n2=0.125nF(ここでn=9)、Li=33uH、Ci=50uF、LM=3.2uH、LS=2nH、Coa=2uF、Cob=2uF、Coc=2uF、Loa=100uH、Lob=100uH、Loc=100uHの値を有してよい。
【0026】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラ330のブロック図である。コントローラ130と類似して、コントローラ330は、サポート回路404とメモリ406とを含み、そのそれぞれがCPU402に結合され、メモリ406は、コントローラ330によって実行されるときに電力コンバータ300の動作を制御するためのコンバータ制御モジュール410などの、さまざまな形式のアプリケーションソフトウェアを記憶する。
【0027】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従った電力コンバータ500のブロック図である。この図は、無数の考え得るシステム構成のうちの1つのバリエーションを描き出しているにすぎない。本開示は、多様な電力生成環境およびシステムにおいて機能することができる。
【0028】
電力コンバータ500は、ガルバニック絶縁および抑制した2倍周波数のリップルを用いた部分共振のDC-単相ACコンバータである。電力コンバータ500は、リップルブリッジと呼ばれる追加のブリッジと共に電力コンバータ100のトポロジを含み、リップルブリッジは、順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチFCBBS
1~FCBBS
4の出力ブリッジにわたって結合されて、2倍周波数のリップルを処理する。リップルブリッジは、ブリッジ構成で結合された、順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチFCBBS
5~FCBBS
8(
図5において、対応する順方向に導通する双方向ブロッキングスイッチFCBBS
5、FCBBS
6、FCBBS
7、FCBBS
8を形成するスイッチS
5、S
6、S
7、S
8および対応するダイオードD
5、D
6、D
7、D
8)を含み、小さなキャパシタC
rpが、それぞれのブリッジレッグの中間点の間に結合されている。
【0029】
電力コンバータ100および300のように、電力コンバータ500は、昇降圧動作モードにおいてのみ機能し、サイクルごとに充電および放電されるリンクインダクタを介して電力を完全に伝達させ、同様の機能を実施する4象限インダクティブリンクの従来のコンバータよりも少ないスイッチカウントを有する。さらに、2倍周波数のリップルを抑制しない従来の単相DC-ACトポロジとは対照的に、電力コンバータ500のトポロジは、嵩のある電解キャパシタの必要性を取り除き、電力が増加するにつれて2倍周波数のリップルに関連付けられる高コストを排除し、多入力/多出力製品の開発における柔軟性を可能にする。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、変圧器巻数比1:nは、1:9であってよく、インダクタンスLSは無視できるものであってよく、電力コンバータのコンポーネントは、おおよそ、CL1=1nF、CL2=CL1/n2=0.01234nF(ここでn=9)、Co=1.8uF、Lo=30uH、Li=100uH、Ci=24uF、Crp=10uF、LM=1.8uH、LS=2nHの値を有してよい。
【0031】
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従ったコントローラ530のブロック図である。コントローラ130および330と類似して、コントローラ530は、サポート回路604とメモリ606とを含み、そのそれぞれがCPU602に結合される。メモリ606は、コントローラ530によって実行されるときに電力コンバータ500の動作を制御するためのコンバータ制御モジュール610などの、さまざまな形式のアプリケーションソフトウェアを記憶する。
【0032】
上述した内容は本開示の実施形態を対象としているものの、本開示の他の、およびさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
100 電力コンバータ
102 光起電力(PV)モジュール
110 高周波数変圧器(HFT)
120 部分共振リンク
130 コントローラ
202 中央処理ユニット(CPU)
204 サポート回路
206 メモリ
208 オペレーティングシステム(OS)
210 コンバータ制御モジュール
212 最大電力点追従(MPPT)モジュール
214 データベース
300 電力コンバータ
310 変圧器(HFT)
320 部分共振リンク
330 コントローラ
402 CPU
404 サポート回路
406 メモリ
408 OS
410 コンバータ制御モジュール
414 データベース
500 電力コンバータ
510 HFT
530 コントローラ
602 CPU
604 サポート回路
606 メモリ
608 OS
610 コンバータ制御モジュール
614 データベース
【国際調査報告】