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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】スパイラル巻き膜用スペーサー
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/10 20060101AFI20240227BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20240227BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20240227BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20240227BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20240227BHJP
   B01D 71/02 20060101ALI20240227BHJP
   B01D 71/06 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B01D63/10
B01D63/00 510
C02F1/44 A
B01D69/10
B01D69/12
B01D71/02
B01D71/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555444
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 GB2022050611
(87)【国際公開番号】W WO2022189785
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2103267.7
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.IGEPAL
(71)【出願人】
【識別番号】523343662
【氏名又は名称】エヴォヴ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リュウ カンシェン
(72)【発明者】
【氏名】プー トム
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス トリスタン
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA61
4D006JA02B
4D006JA05A
4D006JA05B
4D006JA06A
4D006JA06B
4D006JB01
4D006KE06R
4D006MA03
4D006MA09
4D006MC05
4D006MC07
4D006PA01
4D006PB02
(57)【要約】
適切には水濾過のための、スパイラル巻き膜用構成要素が記載される。構成要素は、一体的に形成された不均一な格子構造を含む。格子構造は第1及び第2の反復単位セルを含み、第1及び第2の単位セルは異なるものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水濾過のためなどのスパイラル膜用構成要素であって、一体的に形成された不均一な格子構造を含み、前記格子構造が第1及び第2の反復単位セルを含み、前記第1及び第2の単位セルが異なるものである、スパイラル膜用構成要素。
【請求項2】
前記構成要素が、透過液キャリア、バッキング層、又は複合透過液-バッキング層である、請求項1に記載のスパイラル膜用構成要素。
【請求項3】
前記構成要素が原液流キャリアである、請求項1に記載のスパイラル膜用構成要素。
【請求項4】
前記第2の反復単位セルが前記第1の反復単位セルとは異なるサイズを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項5】
前記第2の反復単位セルが前記第1の反復単位セルとは異なる孔径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項6】
適切には水濾過のための、スパイラル膜用バッキング層構成要素であって、一体的に形成された格子構造を含み、前記格子構造が反復単位セルを含む、バッキング層構成要素。
【請求項7】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの孔径が、存在する場合には、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項8】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの孔径が、存在する場合には、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの孔径が、存在する場合には、≧40μm、例えば≧50μmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項10】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの孔径が、存在する場合には、≦1mm、例えば≦0.5mmである、請求項1~9のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項11】
前記第2の反復単位セルが前記第1の反復単位セルとは異なる支柱の太さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項12】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの平均の支柱の太さが、存在する場合には、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μmである、請求項1~11のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項13】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの平均の支柱の太さが、存在する場合には、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mmである、請求項1~12のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの平均の支柱の太さが、存在する場合には、≧40μm、例えば≧50μmである、請求項1~13のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記格子構造の前記第1及び/又は第2の単位セルの平均の支柱の太さが、存在する場合には、≦1mm、例えば≦0.5mmである、請求項1~14のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項16】
前記構成要素の平均厚さが、≦850μm、例えば≦700μm、例えば≦650μmである、請求項1~15のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項17】
前記構成要素の平均厚さが、≦600μm、例えば≦550μm、例えば≦500μm、例えば≦350μm、例えば≦250μmである、請求項1~16のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項18】
前記格子構造が、より高次のアーカイバル格子構造を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項19】
前記構成要素の平均厚さが、≦120μm、例えば≦100μm、例えば≦80μm、例えば≦50μm、例えば≦30μmである、請求項1~18のいずれか一項に記載の透過液-バッキング層構成要素。
【請求項20】
0~1m/sの間の流量で少なくとも2300のレイノルズ数(Re)を得ることができる、請求項1~19のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項21】
海水を濾過する場合などに、前記構成要素が、30bar~50bar、例えば32bar~48bar、例えば34bar~46bar、36bar~44bar、38bar~42barの膜透過圧力で機能するように使用可能である、請求項1~20のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項22】
かん水を濾過する場合などに、前記構成要素が、3bar~15bar、例えば5bar~12bar、例えば6bar~9barの膜透過圧力で機能するように使用可能である、請求項1~21のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項23】
前記構成要素が、≧650m/m、例えば≧750m/m、例えば≧900m/mの充填密度を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項24】
前記第1の単位セル及び/又は第2の単位セルが、存在する場合には、独立して、ダイヤモンド、立方体、ホタル石、オクテット、ケルビンセル、アイソトラス、ヘックスプリズムダイヤモンド、切頂立方体、切頂八面体、ウィア=フェラン、体心立方、面心立方、又は三重周期最小表面(TPMS)の形態である、請求項1~23のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項25】
第1の単位セル及び/又は第2の単位セルが、存在する場合には、独立して、ジャイロイド、シュワルツプリミティブ、シュワルツダイヤモンド、Schwarz Cross layers of Parallels、Schwarz Hexagonal、Split P、Neovius、又はダブルジャイロイドなどのTPMS構造の形態である、請求項1~24のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項26】
単位セルが、新しい混合単位セルを生成するために混合された2つ以上の単位セルのスカラー場を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項27】
単位セルがシェルを有し、内部が中空の構造を形成する、請求項1~26のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項28】
膜エンベロープであって:
a.請求項1~27のいずれか一項に記載の透過液キャリア又は透過液-バッキング層構成要素と;
b.濾過膜層と、
を含む、膜エンベローブ。
【請求項29】
前記構成要素の第1の側が第1の濾過膜層に隣接し、前記構成要素の第2の側が第2の濾過膜層に隣接し、前記第1及び第2の濾過膜層が、同じ折りたたまれた膜の部分、又は別個の膜の2つの部分であり得る、請求項28に記載の膜エンベロープ。
【請求項30】
前記濾過膜層が:
a.活性層と;
b.支持層と;任意選択的に
c。バッキング層であって、任意選択的に請求項1~27のいずれか一項に記載のバッキング層と、
を含む、請求項28又は29に記載の膜エンベロープ。
【請求項31】
前記構成要素の第1の側が、前記第1の濾過膜層のバッキング層又は支持層に隣接し、前記構成要素の第2の側が、前記第2の濾過膜層のバッキング層又は支持層に隣接し、前記第1及び第2の濾過膜層が、同じ折りたたまれた膜の部分、又は別個の膜の2つの部分であり得る、請求項28~30のいずれか一項に記載の膜エンベロープ。
【請求項32】
前記透過液-バッキング層構成要素が、全膜エンベロープ厚さの≧40%、例えば≧44%、例えば≧48%を構成する、請求項28~31のいずれか一項に記載の膜エンベロープ。
【請求項33】
前記透過液-バッキング層構成要素が、全膜エンベロープ厚さの40%~60%、例えば42%~58%、例えば44%~56%、例えば46%~54%、例えば48%~52%を構成する、請求項28~32のいずれか一項に記載の膜エンベロープ。
【請求項34】
前記活性層が、グラフェン又はその誘導体、遷移金属ジカルコゲニド(TMD)、及び/又は金属有機構造体を含む、請求項28~33のいずれか一項に記載の膜エンベロープ。
【請求項35】
a.請求項28~34のいずれか一項に記載の膜エンベロープを含む;及び/又は
b.請求項1~27のいずれか一項に記載の原液流構成要素と、任意選択的に請求項28~34のいずれか一項に記載の膜エンベロープである濾過膜層を含む膜エンベロープとを含む、
スパイラル巻き膜。
【請求項36】
請求項35に記載のスパイラル巻き膜を含む、水処理モジュール。
【請求項37】
適切には水濾過のための、請求項1~27のいずれか一項に記載の構成要素であって、付加製造によって得られる、構成要素。
【請求項38】
請求項1~27のいずれか一項に記載の構成要素の製造方法であって、
a.前記格子構造の付加製造によって前記構成要素を生成するステップを含む、製造方法。
【請求項39】
前記付加製造方法が、ステレオリソグラフィ、デジタルライトプロセッシング、二光子重合、二色光重合、インクジェット印刷、バインダージェット印刷、ステレオリソグラフィ(SLA)、ダイレクトインクライティング、三次元印刷、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ラミネートオブジェクト製造、及び/又は溶融堆積モデリングである、請求項37に記載の構成要素、又は請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記付加製造方法が、二光子重合、インクジェット印刷、バインダージェット印刷及び/又はステレオリソグラフィ(SLA)である、請求項37に記載の構成要素、又は請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパイラル巻き膜用構成要素に関する。特に、本発明は、適切には水処理のための、スパイラル巻き膜の透過液/原液キャリア又はバッキング層に関する。
【背景技術】
【0002】
化学殺菌、太陽殺菌、沸騰、沈殿、及び蒸留などの従来の水処理方法は、世界の人口の運搬可能な水の必要量に低コストで適合するには不十分である。この問題に取り組むために、一般に、限外濾過(UF)、精密濾過(MF)、ナノ濾過(NF)、及び逆浸透(RO)を含む圧力駆動の膜に基づく水処理技術などのより進歩した技術が確立され工業化されている。熱入力、化学添加剤、及び還元性媒体の再生の利用を回避することの利点が得られることによって、これらの方法により水処理産業が非常に改善されている。
【0003】
膜濾過は、原理上、大きな熱入力がなく、化学添加剤がより少なく、使用済み媒体の再生の必要性がより少ないため、別の水処理技術よりも好都合である。圧力駆動膜プロセスは、食品及び石油産業の廃棄物処理から海水淡水化まで種々の用途に及ぶ、微粒子、イオン、微生物、細菌、及び天然有機材料を除去するための水処理において最も広く使用されている膜技術である。
【0004】
しかし、現在の製造方法は制御されず、結果として、広い孔径分布及び限定された方式の膜が得られる。これらの制御されない方法によって生成された膜は、高圧が必要であり、透過液収率が低くなる。このような膜は、ファウリングが非常に起こりやすく、その結果として寿命が限定される。
【0005】
したがって、持続可能な水処理及び現代の水処理産業のために、低エネルギーコスト、及びより速い水流束速度などのさらに改善された性質を有する機能性膜が得られることが望ましい。
【0006】
スパイラル巻き膜は、中心の透過液収集管に巻き付けられた複数の膜エンベロープと原液キャリアとを含む膜濾過技術の一般的な種類の1つである。膜エンベロープは、典型的には濾過膜層(典型的には活性層、支持層、及びバッキング層を含む)と、透過液キャリアとを含む。膜エンベロープは、3つの外側端部に沿って互いに封止され、第4の端部に沿って中心透過液収集管に取り付けられる。
【0007】
典型的には、原液は、原液キャリアによって濾過膜層に供給され、一般に膜透過圧力(TMP)などの膜の表面にわたって加えられる駆動力を用いることで、成分の混合物が分離されて、透過液キャリア中に濾過された透過液が得られる。次にこの透過液は中心透過液収集管内に収集される。
【0008】
キャリアは、スパイラル巻き膜濾過に用いられる重要な構成要素であり、2つの役割を果たすことが多い。原液キャリアは、典型的には、膜エンベロープ間の構造用支持体となり、原液の混合を促進する。透過液キャリアは、典型的には膜エンベロープ内に構造用支持体となり、中心透過液収集管への透過液の流れを促進する。
【0009】
現在、透過液キャリア及び原液キャリアなどの市販のキャリアは、多くの用途で十分に機能するが、新しい水資源を生成し、既存の水資源を保護するためには、改善された乱流、充填密度、膜透過圧力、低コストでより長い寿命、及び/又はより制御可能な製造欠陥を有する、より進歩したキャリアが要求される。上記の要求を満たすための性質を有する新しい材料及び新しい処理技術が望まれる。
【0010】
一般に、水処理のための堅牢な水濾過モジュールは、高い化学安定性、機械的安定性、及び熱安定性、清浄性を備えた良好なファウリング抵抗性、長寿命、高い透過率、並びに制御可能な選択性などの性質を示すべきである。これらの水濾過モジュール中に使用するためのキャリアは、低い材料費及び製造コスト、高い製造拡張性、及び商業化への妥当なリードタイムなどの商業的な利用しやすさを有するべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、効率的な水処理のための改善されたキャリアが要求されている。したがって、本発明の態様の目的は、前述の1つ若しくは数個の問題又は別の問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によると、水濾過のためなどのスパイラル巻き膜用構成要素であって、一体的に形成された不均一な格子構造を含み、格子構造は第1及び第2の反復単位セルを含み、第1及び第2の単位セルは異なるものである、構成要素が提供される。
【0013】
本発明の第2の態様によると、適切には水濾過のためのスパイラル巻き膜用バッキング層であって、一体的に形成された格子構造を含む、バッキング層が提供される。
【0014】
本発明の第3の態様によると、スパイラル巻き膜用構成要素、適切には本発明の第1又は第2の態様による構成要素であって、
a.第1及び第2の格子単位セルを任意選択的に含む格子構造の付加製造により、一体的に形成された不均一な格子構造を生成することによって構成要素を生成するステップ
を含む方法によって製造される、構成要素が提供される。
【0015】
本発明の第4の態様によると、スパイラル巻き膜用構成要素、適切には本発明の第1又は第2の態様による構成要素の製造方法であって:
a.第1及び第2の格子単位セルを任意選択的に含む格子構造の付加製造により、一体的に形成された不均一な格子構造を生成することによって構成要素を生成するステップ
を含む、製造方法が提供される。
【0016】
本発明の第5の態様によると、本発明の第1から第4の態様のいずれかによる構成要素を含む膜エンベロープが提供される。
【0017】
本発明の第6の態様によると、本発明の第5の態様による膜エンベロープを含むスパイラル巻き膜が提供される。
【0018】
本発明の第7の態様によると、本発明の第6の態様によるスパイラル巻き膜を含む水処理モジュールが提供される。
【0019】
本発明の第8の態様によると、本発明の第7の態様による水処理モジュールを含む水処理装置が提供される。
【0020】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、透過液の流動が可能となるように使用可能な透過液キャリア及び/又はバッキング層、又は原液の流動が可能となるように使用可能な原液流キャリアであり得る。
【0021】
膜エンベロープは、濾過膜層、適切には第1及び第2の濾過膜層を含むことができる。濾過膜層は、支持層及び任意選択的にバッキング層を有する活性層を含むことができる。透過液が流動できるように使用可能な場合、本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、例えば濾過膜層と流体連通するために、第1及び第2の濾過膜層の間に配置することができる。
【0022】
膜エンベロープは、例えば流体シールを形成するために、3つの辺に沿って封止することができ、適切には接着することができる。膜エンベロープは、中心透過液収集管から長手方向に延在する中心線に沿って封止することができる。膜エンベロープの第4の辺は、中心透過液収集管に対して操作可能であり得るし、又は中心透過液収集管に取り付けることができる。
【0023】
膜エンベロープは、≦950μm、例えば≦750μm、例えば≦500μm、例えば≦300μm、例えば≦200μmの厚さを有することができる。
【0024】
透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、全膜エンベロープ厚さの≧40%、例えば≧42%、例えば≧44%、例えば≧46%、例えば≧48%を構成することができる。
【0025】
透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、全膜エンベロープ厚さの≦60%、例えば≦58%、例えば≦56%、例えば≦54%、例えば≦52%を構成することができる。
【0026】
透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、全膜エンベロープ厚さの40%~60%、例えば42%~58%、例えば44%~56%、例えば46%~54%、例えば48%~52%を構成することができる。
【0027】
スパイラル巻き膜用構成要素、適切には透過液流キャリアは、あらゆる適切な厚さを有することができる。スパイラル巻き膜用構成要素、適切には透過液流キャリアの厚さは、≦450μm、例えば≦350μm、例えば≦250μm、例えば≦200μm、例えば≦100μmであり得る。
【0028】
膜エンベロープは、第1及び第2の濾過膜層を含むことができ、それぞれの層は支持層を含み、支持層の少なくとも一部の上には活性層が配置され;膜エンベロープは、透過液が流動できるように使用可能な本発明による構成要素をさらに含み、ここで構成要素の第1の側は、第1の濾過膜層のバッキング層に隣接し、又は適切には接触し、適切には第1の側の反対側にある構成要素の第2の側は、第2の濾過膜層のバッキング層に隣接し、又は適切には接触する。
【0029】
スパイラル巻き膜用構成要素、適切には原液流キャリアは、あらゆる適切な厚さを有することができる。スパイラル巻き膜用構成要素、適切には原液流キャリアの厚さは、≦850μm、例えば≦700μm、例えば≦650μm、例えば≦600μm、例えば≦550μm、例えば≦500μm、例えば≦350μm、例えば≦250μmであり得る。
【0030】
したがって、スパイラル巻き膜は、第1及び第2の膜エンベロープを含むことができ、原液の流動が可能となるように使用可能な本発明による構成要素の第1の側は、第1の膜エンベロープに隣接し、適切には接触し、適切には第1の側の反対側にある構成要素の第2の側は、第2の膜エンベロープに隣接し、適切には接触する。
【0031】
スパイラル巻き膜用の構成要素は、格子構造に沿って、典型的には格子構造の厚さに沿って実質的に垂直に延在するZ面を含むことができる。スパイラル巻き膜用構成要素は、原液入口から保持液出口までの酵素構造に沿って実質的に水平に延在し、適切には保持液管に対して実質的に垂直であるX面を含むことができる。スパイラル巻き膜用構成要素は、格子構造の反対側の端部までの格子構造に沿って実質的に水平に延在するY面を含むことができる。
【0032】
スパイラル巻き膜用の構成要素の厚さは、X面、Y面、及び/又はZ面に沿って変化させることができる。好ましくは、スパイラル巻き膜用構成要素の厚さはX面に沿って変化する。好ましくは、スパイラル巻き膜用構成要素の厚さは、原液流の方向に沿ってX面に沿って減少する。
【0033】
スパイラル巻き膜用の構成要素の厚さがX面にわたって減少する場合、格子構造は、活性層に対する選択的ふるい分けが促進されるように操作可能となりうる。有利には、単位セルのサイズがX面にわたって減少する場合、活性層は、入口の近傍及び周囲で大きな粒子を選択的に濾過することができ、出口の近傍及び周囲で小さな粒子を選択的に濾過することができる。X面に沿って単位セルのサイズが減少することで、出口の近傍及び周囲のより大きな粒子による活性層のファウリングが減少する。これによってスパイラル膜の寿命が増加する。
【0034】
第2の反復セル単位は、第1の反復単位セルと比較して異なる形状を有することができる。
【0035】
単位セルの形状は、独立して、ダイヤモンド、立方体、ホタル石、オクテット、ケルビンセル、アイソトラス、ヘックスプリズムダイヤモンド、切頂立方体、切頂八面体、ウィア=フェラン(weaire-phelan)、体心立方、面心立方、及び/又は三重周期最小表面(triply periodic minimal surface)(TPMS)から選択することができる。
【0036】
単位セルは、独立して、ジャイロイド、シュワルツプリミティブ(Schwarz Primitive)、シュワルツダイヤモンド(Schwarz Diamond)、Schwarz Cross layers of Parallels、Schwarz Hexagonal、Split P、Neovius、及び/又はダブルジャイロイドなどのTPMS構造から選択することができる。
【0037】
2つ以上の単位セルのスカラー場を混合して、新しい混合場単位セルを形成することができる。
【0038】
第2の反復単位セルは、第1の反復単位セルと比較して異なるサイズを有することができる。
【0039】
単位セルは細孔を含むことができ、格子構造内に単位セルが配列されると、細孔が相互接続され、透過液又は原液は相互接続された細孔を通って流れることができる。適切には、不均一な格子構造内の第1及び第2の反復単位セルの配列によって、細孔が相互接続され、透過液又は原液は相互接続された細孔を通って流れることができる。
【0040】
単位セルの孔径は、透過液又は原液の通過を可能とするのに十分なあらゆる適切な孔径から独立して、選択することができる。
【0041】
第2の反復単位セルは、第1の反復単位セルと比較して異なる孔径を有することができる。単位セルの孔径は、X面、Y面、及び/又はZ面にわたって変化することができる。
【0042】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mmであり得る。
【0043】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μmであり得る。
【0044】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、5mm~10μm、例えば4mm~20μm、例えば3mm~30μmであり得る。
【0045】
原液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mm、例えば≦1mm、例えば≦0.5mmであり得る。
【0046】
原液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μm、例えば≧40μm、例えば≧50μmであり得る。
【0047】
原液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、5mm~10μm、例えば4mm~20μm、例えば3mm~30μm、例えば1mm~40μm、例えば0.5mm~50μmであり得る。
【0048】
単位セルの支柱の太さは、独立して、あらゆる適切な太さから選択することができる。
【0049】
第2の反復単位セルは、第1の反復単位セルと比較して異なる支柱の太さを有することができる。単位セルの支柱の太さは、X面、Y面、及び/又はZ面にわたって変化することができる。好ましくは、単位セル支柱の太さはX面にわたって変化することができる。
【0050】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの支柱の太さは、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mmであり得る。
【0051】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの支柱の太さは、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μmであり得る。
【0052】
透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの支柱の太さは、5mm~10μm、例えば4mm~20μm、例えば3mm~30μmであり得る。
【0053】
原液が流動できるように使用可能な場合、第1及び第2の反復単位セルの支柱の太さは、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mm、例えば≦1mm、例えば≦0.5mmであり得る。
【0054】
原液が流動できるように使用可能な場合、第1及び第2の反復単位セルの支柱の太さは、≧10μm、例えば≧20μm、例えば≧30μm、例えば≧40μm、例えば≧50μmであり得る。
【0055】
原液が流動できるように使用可能な場合、第1及び第2の反復単位セルの支柱の太さは、5mm~10μm、例えば4mm~20μm、例えば3mm~30μm、例えば1mm~40μm、例えば0.5mm~50μmであり得る。
【0056】
単位セルの支柱は、シェルを有し、内部が中空の構造を形成することができる。有利には中空構造によって、製造プロセス中に使用される材料の量が減少し、これとともにキャリアの重量及び製造コストが減少する。
【0057】
第1及び第2の反復単位セルは、格子構造全体にわたるX面、Y面、及び/又はZ面の少なくとも一部に沿って交互に配置することができる。好ましくは、単位セルの支柱の太さは、X面に沿って変化することができる。
【0058】
第1の反復単位セルは第1の層中に配列することができ、第2の反復単位セルは第2の層中に配列することができ、ここでそれぞれの層中、単位セルは第1又は第2の単位セルの>50%、例えば≧70%又は≧85%を構成することができる。前記層は、Z面に沿って配置することができ、例えば積層することができる。第1の層は、第2の層よりも大きい平均単位セル孔径を有することができる。有利には、この配列によって、支持層、したがって活性層の均一なコーティングが可能となる。さらに、第1及び第2の反復単位セルがこのように配列すると、透過液は膜エンベロープ内をより自由に流動することができる。
【0059】
第2の反復単位セルは、第1の反復単位セルの格子構造全体にわたって分散したり集団になったりすることができる。反復単位セルの分散は、格子構造全体にわたって不規則な場合もあるし、又は規則的な間隔で存在することもある。
【0060】
第1の単位セルは、格子構造の外側端部に配置することができ、第2の単位セルは、格子構造の中央に配置することができる。或いは、第1の単位セルの第2の単位セルに対する配列は不規則であり得る。
【0061】
本発明の不均一な格子は、同じ条件下で、同じスパイラル巻き膜中の比較用構成要素よりも遅い流量においてスパイラル巻き膜において少なくとも2300のレイノルズ数(Re)が得られるように操作可能となることができ、例えば0~1m/sのより遅い流量において、比較用構成要素が、第1の単位セル又は第2の単位セルのいずれかから形成される均一格子構造を有することを除けば、比較用構成要素は本発明の構成要素と同じである。不均一な格子設計では、有利にはより長時間少なくとも2300のRe数の維持も行われ、比較用構成要素と比較して少なくとも100%だけ逆洗を減少させることができる。
【0062】
本明細書において「比較用構成要素」への言及は、別の意味で用いられるのでなければ、本発明の構成要素と同じ条件下での同じスパイラル巻き膜中の比較用構成要素を意味し、比較用構成要素が第1の単位セル又は第2の単位セルのいずれかから形成される均一格子構造を有することを除けば、比較用構成要素は本発明の構成要素と同じである。
【0063】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、かん水を濾過するために使用可能な場合など、≦15bar、例えば≦12bar、例えば≦9barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0064】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、かん水を濾過するために使用可能な場合など、≧3bar、例えば≦5bar、例えば≦6barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0065】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、かん水を濾過するために使用可能な場合など、3bar~15bar、例えば5bar~12bar、例えば6bar~9barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0066】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、海水を濾過するために使用可能な場合など、≦50bar、例えば≦48bar、例えば≦46bar、例えば≦44bar、例えば≦42barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0067】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、海水を濾過するために使用可能な場合など、≧30bar、例えば≦32bar、例えば≦34bar、例えば≦36bar、例えば≦38barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0068】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、海水を濾過するために使用可能な場合など、30bar~50bar、例えば32bar~48bar、例えば34bar~46bar、36bar~44bar、38bar~42barの膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0069】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、スパイラル巻き膜中で、比較用構成要素よりも≧5%低い、例えば≧20%低い、又は≧40%低い膜透過圧力が得られるように操作可能となりうる。
【0070】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≦140L/(mhr)、例えば≦120L/(mhr)、例えば≦105L/(mhr)の透過流束が得られるように操作可能となりうる。
【0071】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≧75L/(mhr)、例えば≧85L/(mhr)、例えば≧100L/(mhr)の透過流束が得られるように操作可能となりうる。
【0072】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、75L/(mhr)~140L/(mhr)、例えば85L/(mhr)~120L/(mhr)、例えば100L/(mhr)~105L/(mhr)の透過流束が得られるように操作可能となりうる。
【0073】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、スパイラル巻き膜中で、比較用構成要素よりも≧5%高い、例えば≧20%高い、又は≧40%高い透過流束が得られるように操作可能となりうる。
【0074】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≦1800m/m、例えば≦1500m/m、例えば1300m/mの充填密度を有することができる。
【0075】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≧650m/m、例えば≧750m/m、例えば≧900m/mの充填密度を有することができる。
【0076】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、650m/m~1800m/m、例えば750m/m~1500m/m、例えば900m/m~1300m/mの充填密度を有することができる。
【0077】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、比較用構成要素よりも≧10%高い、例えば≧25%高い、又は≧50%高い充填密度を有することができる。
【0078】
充填密度は、当業者に周知のあらゆる適切な方法によって計算することができる。一般的には:
【数1】
【0079】
例えば、膜が円筒形の原液流チャネルを含む場合、その充填密度は以下のように計算することができる;
寸法測定は以下のように行われる:
=1つのチャネルの半径
L=チャネル長さ
=セラミックフィルターの半径
=セラミックフィルターの長さ
C=2×π×r
V=L×π×r
C=チャネル周囲の長さ
=チャネルの長さ
N=チャネルの数
V=セラミックフィルターの体積
【数2】
【0080】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、スパイラル巻き膜中で、比較用構成要素と比較して、≧5%、より好ましくは≧10%、最も好ましくは≧15%の圧力低下が得られるように操作可能となりうる。
【0081】
スパイラル巻き膜用構成要素、適切には原液流キャリアは、スパイラル巻き膜中で、比較用構成要素と比較して、≧50%だけ定置洗浄(CIP)の頻度が減少するように操作可能となりうる。
【0082】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≦1800m/m、例えば≦1600m/m、例えば≦1300m/mの活性表面積を有することができる。
【0083】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、≧850m/mの活性表面積を有することができ、このようなものは≧1000m/m、例えば≧1200m/mを有する。
【0084】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、850m/m~1800m/m、例えば1000m/m~1600m/m、例えば1200m/m~1300m/mの活性表面積を有することができる。
【0085】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、比較用構成要素よりも≧10%、より好ましくは≧30%、例えば≧50%大きい活性表面積を有することができる。
【0086】
典型的には、スパイラル巻き膜中、バッキング層は、活性層及び支持層に対する構造用支持体となる透過性材料である。
【0087】
本発明の第2の態様によるバッキング層は、あらゆる適切な厚さを有することができる。本発明の第2の態様によるバッキング層の厚さは、≦120μm、例えば≦100μm、例えば≦80μm、例えば≦50μm、例えば≦30μmであり得る。
【0088】
本発明の第2の態様によるバッキング層は、膜エンベロープ厚さの≦40%、例えば≦38%、例えば≦36%、例えば≦34%、例えば≦32%を構成することができる。
【0089】
本発明の第2の態様によるバッキング層は、膜エンベロープ厚さの≧20%、例えば≧22%、例えば≧24%、例えば≧26%、例えば≧28%を構成することができる。
【0090】
本発明の第2の態様によるバッキング層は、膜エンベロープ厚さの20%~40%、例えば22%~38%、例えば24%~36%、例えば26%~34%、例えば28%~32%を構成することができる。
【0091】
したがって、膜エンベロープは、第1及び第2の濾過膜層を含むことができ、それぞれの層は、支持層を含み、支持層の少なくとも一部の上には活性層が配置され;膜エンベロープは、透過液が流動できるように使用可能なバッキング層をさらに含み、バッキング層の第1の側は、第1の濾過膜層の支持層に接触し、適切には第1の側の反対側であるベーキング層の第2の側は、第2の濾過膜層の支持層に接触する。
【0092】
しかし、有利には、複合透過液キャリア及びバッキング層として使用可能なスパイラル巻き膜用構成要素が膜エンベロープ中に存在する場合、膜エンベロープの厚さを減少させることができる。
【0093】
有利には、複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、活性層及び支持層に対して十分な機械的支持体となることができる。
【0094】
したがって、膜エンベロープは、第1及び第2の濾過膜層を含むことができ、それぞれの層は支持層を含み、支持層の少なくとも一部の上には活性層が配置され;膜エンベロープは、複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能なスパイラル巻き膜用構成要素をさらに含み、スパイラル巻き膜用構成要素の第1の側は、第1の濾過膜層の支持層に接触し、適切には第1の側の反対側にあるスパイラル巻き膜用構成要素の第2の側は、第2の濾過膜層の支持層に接触する。
【0095】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能なスパイラル巻き膜用構成要素を含む場合、膜エンベロープは、≦400μm、例えば≦300μm、例えば≦200μmの厚さを有することができる。
【0096】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、あらゆる適切な厚さを有することができる。複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素の厚さは、≦120μm、例えば≦100μm、例えば≦60μm、例えば≦30μmであり得る。
【0097】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、膜エンベロープの厚さの≧30%、例えば≧35%、例えば≧40%、例えば≧45%、例えば≧50%を構成することができる。
【0098】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、膜エンベロープの厚さの≦75%、例えば≦70%、例えば≦65%、例えば≦60%、例えば≦55%を構成することができる。
【0099】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、膜エンベロープの厚さの30%~75%、例えば35%~70%、例えば40%~65%、例えば45%~60%、例えば50%~55%を構成することができる。
【0100】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≦500μm、例えば≦400μm、例えば≦300μmであり得る。
【0101】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、≧1μm、例えば≧2μm、例えば≧3μmであり得る。
【0102】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、格子構造の単位セルの孔径は、1μm~500μm、例えば2μm~400μm、例えば3μm~300μmであり得る。
【0103】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能なスパイラル巻き膜用構成要素の格子構造は、より高次のアーカイバル(archival)格子構造を有することができる。
【0104】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、第1又は第2の単位セルと別個のバッキング層とから形成される鋼構造を含むことを除けば本発明の構成要素と同じである比較用構成要素と比較して、充填密度の≧10%の増加及び/又は活性表面積の≧10%の増加を示すことができる。
【0105】
複合透過液キャリア及びバッキング層として透過液が流動できるように使用可能な場合、スパイラル巻き膜用構成要素は、膜エンベロープ中に別個のバッキング層をさらに有する前述の規定の比較用構成要素と比較して、≧10%、及び/又は≧10%、より好ましくは≧20%の圧力低下の減少、スパイラル巻き膜中の透過流束の増加を示すことができる。
【0106】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、付加製造によって製造することができる。付加製造技術は、あらゆる適切な3D印刷技術であり得る。例えば、本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、ステレオリソグラフィ、デジタルライトプロセッシング、二光子重合、二色光重合(two colour photo-polymerisation)、インクジェット印刷、バインダージェット印刷、ステレオリソグラフィ(SLA)、ダイレクトインクライティング、三次元印刷、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ラミネートオブジェクト製造、又は溶融堆積モデリングを用いて印刷することができる。
【0107】
好ましくは、本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、SLAによって提供される。
【0108】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、ポリマー材料、セラミック材料、複合材料、無機-有機材料、及び/又は金属材料を含むことができる。
【0109】
本発明のいずれかの態様によるスパイラル巻き膜用構成要素は、UV硬化した熱硬化性前駆体材料;ポリカーボネートをベースとする材料、例えばAccura 5530、Accura 60、Accura 55;アクリロニトリルブタジエンスチレンをベースとする材料、例えばRenshape SL7820、Somos Watershed XC 11122、Accura Xtreme White 200、Somos 14120;ポリプロピレンをベースとする材料、例えばSomos 9120、Acurra 25、Samos NeXT;ポリエチレンをベースとする材料、例えばVisiJet SL Flex;エポキシをベースとする材料、例えばEpoxy SL5170;アクリルをベースとする材料、例えばAccura Xtreme、Accura Xtreme 200、又はそれらのあらゆる組み合わせから選択される材料から形成することができる。
【0110】
有利には、本発明のスパイラル巻き膜用構成要素は、加工の改善された容易さ及び/又は低コストで生成することができる。
【0111】
活性層は、二次元材料の少なくとも2つの層を含む層状構造を有することができ、ここで二次元材料は、グラフェン又はその誘導体、及び/又は遷移金属ジカルコゲニド(TMD)を含む。本発明のいずれかの態様の遷移金属ジカルコゲニドは、式(I):

(I)
によるものであり得、ここで、Mは、遷移金属原子、例えばMo、W、Nb、及びNiであり;
Xは、カルコゲン原子、好ましくはS、Se、又はTeであり;
0<a≦1及び0<b≦2である。
【0112】
本発明のいずれかの態様の遷移金属ジカルコゲニドは、MoS、MoSe、WS、WSe、Mo1-a、Mo1-aSe、MoSSe2-b、WSSe2-b、又はMo1-aSe2-b(ここで0<a≦1及び0<b≦2である、又はそれらの組み合わせの1つ以上から選択される。好ましくは、遷移金属ジカルコゲニドは、MoS、WS、MoSe、WSeから選択される。最も好ましくはMoS及びWSから選択される。このような遷移金属ジカルコゲニドは、ACS Materialから市販されている。
【0113】
本発明のいずれかの態様による遷移金属ジカルコゲニドは、1nm~5000nm、例えば50nm~750nmの間、75nm~500nm、100nm~400nm、例えば130nm~300nm、150nm~290nm、又は160nm~280nm、適切には170nm~270nm、180nm~260nm、又は好ましくは190nm~250nmの平均サイズを有するフレークの形態であり得る。適切には、遷移金属ジカルコゲニドフレークのサイズ分布は、遷移金属ジカルコゲニドフレークの少なくとも30重量%が、1nm~5000nmの間、例えば50nm~750nmの間、75nm~500nm、100nm~400nm、例えば130nm~300nm、150nm~290nm、又は160nm~280nm、適切には170nm~270nm、180nm~260nm、又は好ましくは190nm~250nmの直径を有し、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の直径を有するようなサイズ分布である。それらの遷移金属ジカルコゲニドのサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)を用いて測定することができる。
【0114】
例えば、試料全体にわたる二次元層の横方向サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)、及び測定された同じサイズのナノシート(M)の数(N)を用いて測定することができる。次に、平均サイズは式1:
【数3】
によって計算することができ、ここで、Mはナノシートの直径であり、Nは直径Mを有するサイズの数である。
【0115】
遷移金属ジカルコゲニドは、単層又は多層の粒子又はフレークの形態であり得、好ましくは単層の形態であり得る。遷移金属ジカルコゲニドフレークは、単層、2層、又は数層の遷移金属ジカルコゲニドから形成され得、ここで数層は3~100層の間として定義することができる。適切には、遷移金属ジカルコゲニドフレークは、1~100層の間、例えば2~75層の間、又は5~50層、又は10~25層を含む。適切には、遷移金属ジカルコゲニドの少なくとも30重量%は、1~30層の間、例えば5~30層の間、又は5~10層を含み、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の層を含む。その遷移金属ジカルコゲニドフレーク中の層の数は、原子間力顕微鏡(AFM又は透過型電子顕微鏡(TEM))(TT-AFM、AFM workshop Co.、CA、USA)を用いて測定することができる。
【0116】
適切には、遷移金属ジカルコゲニド又はそれらの混合物中の隣接格子面間のd間隔は、0.34nm~5000nm、例えば0.34nm~1000nm、又は0.4nm~500nm、又は0.4nm~250nm、例えば0.4nm~200nm、又は0.4nm~150nm、又は0.4nm~100nm、又は0.4nm~50nm、又は0.4nm~25nm、又は0.4nm~10nm、又は0.4nm~8nm、例えば0.4nm~7nm、0.45nm~6nm、0.50nm~5nm、又は0.55nm~4nm、又は0.6nm~3nm、例えば0.6nm~2.5nm、0.6nm~1nm、0.6nm~2nm、又は0.6nm~1.5nmである。
【0117】
遷移金属ジカルコゲニドの平均サイズは、基材の平均孔径の少なくとも80%であり得る。例えば、200nmの基材の平均孔径の場合、フレークは少なくとも160nmの平均サイズを有することができる。適切には、遷移金属ジカルコゲニドの平均サイズは、多孔質基材の平均孔径以上であり、例えば、基材の平均孔径の少なくとも100%、又は少なくとも110%、又は少なくとも120%である。
【0118】
活性層は、その遷移金属ジカルコゲニド以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、金属-有機ナノシート、グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン官能化酸化グラフェン、及びポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0119】
活性層は、活性層の性質を調節するための添加剤を含むことができ、例えば、別の金属;及び/又は繊維、例えば金属酸化物ナノストランド;及び/又はドーパント、例えば、Au、Fe、Cu、Cu(OH)、Cd(OH)、及びZr(OH)を含むことができる。このような添加剤は、層間距離を制御するため、及び/又は高い水流束速度のためのナノチャネルを形成するために膜に加えることができる。0.5nm~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維などのあらゆる種類の適切な繊維を膜内に混入することができる。好ましくは、繊維は、機械的除去又は溶解などによって使用前に除去される。
【0120】
添加剤の添加は、コーティング組成物に加えることによって、又は膜表面上に所望の機能性を有する添加剤を堆積することによって行うことができる。
【0121】
活性層組成物を濾過膜層に塗布する方法は、遷移金属ジカルコゲニドを含むコーティング組成物を支持層上に塗布するステップを含むことができる。
【0122】
方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を支持層上に接触させることを含むことができる。
【0123】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/122828号パンフレット、特に段落[73]~[77](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[73]~[77](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0124】
活性層コーティング組成物は、液体媒体と遷移金属ジカルコゲニドとを含む液体組成物であり得る。本発明のコーティング組成物は、溶媒を含むか、非溶媒を含むか、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。本発明に使用するための液体組成物として、例えば溶液、分散液、又は懸濁液として配合される場合、適切な担体液体又は溶媒は水性又は有機であり得、したがって別の成分が選択される。例えば、液体担体は、水、又は有機溶媒、例えばエタノール、テルピネオール、ジメチルホルムアミドN-メチル-2-ピロリドン、イソプロピルアルコール、鉱油、エチレングリコール、又はそれらの混合物を含むことができ、任意選択的に、組成物の性能及び/又はレオロジーを向上させる別の材料、例えば、バインダー、乾燥剤、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、可塑剤、ろう、キレート剤、界面活性剤、顔料、脱泡剤、及び増感剤のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0125】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/122828号パンフレット、特に、段落[46]~[61](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[46]~[61](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0126】
グラフェン又はその誘導体は、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン、水和グラフェン及びアミノ系グラフェン、アルキルアミン官能化酸化グラフェン、アンモニア官能化酸化グラフェン、アミン官能化還元酸化グラフェン、オクタデシルアミン官能還元酸化グラフェン、及び/又はポリマーグラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。好ましくは、グラフェン又はその誘導体は酸化グラフェンである。グラフェン及びその誘導体は、Sigma-Aldrichから商業的に入手することができる。
【0127】
適切には、グラフェン又はその誘導体、好ましくは酸化グラフェンは、ヒドロキシル基、カルボン酸基、及び/又はエポキシド基を含む。グラフェン又はその誘導体、好ましくは酸化グラフェンの酸素含有量は、0%~60%の酸素原子パーセント値、例えば0%~50%又は0%~45%の酸素原子パーセント値であり得る。適切には、酸素含有量は20%~25%又は25%~45%である。有利には、含水量が25%~45%の間である場合、組成物中に界面活性剤は存在しないことがある。好ましくは、酸素含有量は30%~40%の酸素原子パーセント値である。このような範囲によって、別の安定化成分が存在しないにもかかわらず、改善された安定性を得ることができる。適切には、グラフェン又は誘導体が還元酸化グラフェンである場合、酸素含有量は5%~20%の酸素原子パーセント値である。酸素含有量は、X線光電子分光法(XPS)によって特徴づけることができる。
【0128】
グラフェン又はその誘導体、適切には酸化グラフェンは、任意選択的にさらなる官能基で置換することができる。この任意選択の官能基は、グラフト化官能基であり得、好ましくはグラフェン又はその誘導体に既に存在するヒドロキシル基、カルボン酸基、及びエポキシド基との反応によってグラフトすることができる。官能化は、共有結合修飾と、非共有結合修飾とを含む。共有結合修飾方法は、求核置換反応、求電子置換反応、縮合反応、及び付加反応にサブカテゴライズすることができる。任意選択の官能基の例は、アミン基;脂肪族アミン基、例えば長鎖(例えばC18~C50)脂肪族アミン基;ポルフィリン官能化第2級アミン基、及び/又は3-アミノ-プロピルトリエトキシシラン基である。グラフェン又はその誘導体は、アミノ基、適切にはグラフト化アミノ基を含むことができ、好ましくは酸化グラフェンを含むことができる。このような官能化によって、鉄酸の改善された選択的ふるい分けを行うことができる。
【0129】
本発明のいずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、1nm~5000nm、例えば50nm~750nmの間、100nm~500nm、100nm~400nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。本発明のいずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、100nm~3500nm、例えば200nm~3000nm、300nm~2500nm、又は400nm~2000nm、好ましくは500nm~1500nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。本発明いずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、500nm~4000nm、500nm~3500nm、500nm~3000nm、750nm~3000nm、1000nm~3000nm、例えば1250nm~2750nm又は好ましくは1500nm~2500nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体のサイズ分布は、グラフェンフレーク又はその誘導体少なくとも30重量%が、1nm~5000nmの間、例えば1nm~750nmの間、100nm~500nm、100nm~400nm;又は100nm~3500nmの間、例えば200nm~3000nm、300nm~2500nm、又は400nm~2000nm、好ましくは500nm~1500nm;又は500nm~4000nmの間、500nm~3500nm、500nm~3000nm、750nm~3000nm、1000nm~3000nm、例えば1250nm~2750nm、又は好ましくは1500nm~2500nmの直径を有するようなサイズ分布であり得;より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が、上記の直径を有するようなサイズ分布であり得る。グラフェンフレーク又はその誘導体のサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)を用いて求めることができる。
【0130】
グラフェン又はその誘導体は、単層又は多層の粒子であり得、好ましくは単層の形態であり得る。グラフェンフレーク又はその誘導体は、単層、2層、又は数層のグラフェン又はその誘導体から形成することができ、ここで数層は3~20層の間として定義することができる。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体は、1~15層の間、例えば2~10層の間又は5~15層を含む。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体の少なくとも30重量%が、1~15層の間、例えば1~10層の間又は5~15層を含み、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%及び最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の層を含む。グラフェンフレーク又はその誘導体の層の数は、原子間力顕微鏡(AFM又は透過型電子顕微鏡(TEM))(TT-AFM、AFM workshop Co.、CA、USA)を用いて測定することができる。
【0131】
適切には、グラフェン又はその誘導体中の隣接格子面間のd間隔は、0.34nm~1000nm、例えば0.34nm~500nm、又は0.4nm~500nm、又は0.4nm~250nm、例えば0.4nm~200nm、又は0.4nm~150nm、又は0.4nm~100nm、又は0.4nm~50nm、又は0.4nm~25nm、又は0.4nm~10nm、又は0.4nm~5nm、例えば0.45nm~4nm、0.5nm~3nm、0.55nm~2nm、又は0.55nm~1.5nm、又は0.6nm~1.2nm、例えば0.6nm~1.1nm、0.6nm~1nm、0.6nm~0.9nm、又は0.6nm~0.8nmである。
【0132】
活性層は、グラフェン又はその誘導体以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、金属-有機ナノシート、二硫化モリブデン、及び二硫化タングステン、ポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0133】
活性層の材料は、当業者に周知のあらゆる適切な方法を用いて生成することができる。二次元のシリセン、ゲルマネン及びスタネンは、超高真空下での表面支援エピタキシャル成長によって生成することができる。六角形の二次元h-窒化ホウ素は、機械的開裂、窒化ホウ素ナノチューブのアンジッピング、化学官能化及び音波処理、固相反応及び溶媒剥離及び音波処理などのいくつかの方法によって生成することができる。これらの方法の中で、化学的方法で最も高い収率が得られることが分かった。例えば、h-窒化ホウ素は、ホウ素及び窒化物源としてのボラジンを用いて単結晶遷移金属基材上に合成することができる。二次元窒化炭素は、メラミン及び炭素繊維の直接マイクロ波加熱によって製造することができる。金属有機構造体(MOF)は、100~140℃などの高温で成分を混合し、続いて濾過することによるその場ソルボサーマル合成法によって生成することができる。二次元二硫化モリブデンは、機械的剥離、液体剥離、及び化学的剥離などの幾つかの方法によって得ることができる。これらの方法の中で、化学的剥離は、高収率が得られることが分かった。一例は、遠心分離機及び濾過を用いて二硫化モリブデンを化学的に剥離するためにリチウムを用いる化学的剥離である。二次元二硫化タングステンは、タングステンの真空蒸着に続いて、硫黄を加えることによって熱アニールを行う堆積-熱アニール方法によって製造することができる。ポリマー/グラフェンエアロゲルは、ポリエチレングリコールをグラフトした酸化グラフェンを用いてカップリング及び引き続き凍結乾燥を行うことによって生成することができる。
【0134】
好ましくは、活性層は、二次元材料から実質的に形成され、適切にはグラフェン又はその誘導体、より好ましくは酸化グラフェン又は還元酸化グラフェン、最も好ましくは酸化グラフェンでから実質的に形成される。
【0135】
膜は、基材上の活性層の2つ以上の分離した部分を含むことができる。
【0136】
活性層組成物を濾過膜層に塗布する方法は、グラフェン又はその誘導体を含むコーティング組成物を支持層上に塗布するステップを含むことができる。
【0137】
方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を支持層上に接触させることを含むことができる。
【0138】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019106344号パンフレット、特に、段落[47]~[49]及び[61]~[69](それぞれの両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[47]~[49]及び[61]~[69](それぞれの両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0139】
活性層コーティング組成物は、液体媒体とグラフェン又はその誘導体とを含む液体組成物であり得る。本発明のコーティング組成物は、溶媒を含むか、非溶媒を含むか、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。本発明に使用するための液体組成物として、例えば溶液、分散液、又は懸濁液として配合される場合、適切な担体液体又は溶媒は水性又は有機であり得、したがって別の成分が選択される。例えば、液体担体は、水、又は有機溶媒、例えばエタノール、テルピネオール、ジメチルホルムアミドN-メチル-2-ピロリドン、イソプロピルアルコール、鉱油、エチレングリコール、又はそれらの混合物を含むことができ、任意選択的に、組成物の性能及び/又はレオロジーを向上させる別の材料、例えば、バインダー、乾燥剤、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、可塑剤、ろう、キレート剤、界面活性剤、顔料、脱泡剤、及び増感剤のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0140】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019106344号パンフレット、特に、段落[51]~[60](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[51]~[60](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0141】
或いは、活性層は金属有機構造体を含むことができる。
【0142】
活性層は、1つ以上の金属有機構造体(MOF)を含む。
【0143】
本発明のいずれかの態様の金属有機構造体材料は、一次元、二次元、又は三次元であり得る。好ましくは、MOFは多孔質である。MOFは、二次構成単位(SBU)のネットワーク、又は金属イオンコア/金属サブユニットクラスターコアノード、及びSBU又はノードを接続する有機リンカー(又は配位子)を含むことができる。
【0144】
MOFは、活性層中の連続層中に存在することができ、又はフレーク及び/又は粒子の形態であり得る。基材の存在下で合成されたMOFは連続相の形態であり得る。基材に接触する前に形成されるMOFは、フレーク及び/又は粒子の形態であり得る。
【0145】
MOFのサブユニットであるSBU又はノードは、1つ以上の遷移金属カチオン、例えば、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Ru(III)、Os(III)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ba、Ag(I)、Au、AuPd、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)の1つ以上から選択される金属を含むことができる。好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Ru(III)、Os(III)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ba、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えばLu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)。より好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)、より好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)。二次構成単位(SBU)は、3、4、5、6、8、9、10、11、12、15、又は16の伸張点を含むことができる。
【0146】
SBU又はノードは、遷移金属カルボン酸塩クラスターであり得る。SBU又はノードは、Zn4O(COO)6、Cu2(COO)4、Cr3O(H2O)3(COO)6、及びZr6O4(OH)10(H2O)6(COO)6)、Mg2(OH2)2(COO)、RE4(μ3-O)2(COO)8、RE4(μ3-O)2(ここで、REは、Y(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、及び/又はYb(III))である)からなる群から選択される1つ以上であり得る。SBUの構造は、当業者に周知の方法を用いてX線回折によって同定することができる。
【0147】
本発明における使用に適切な有機リンカーとしては、水処理、分子分離、及び生物濾過に関連する用途のためのMOFの形成に使用するために機能しうるものが挙げられる。このようなリンカーによって、金属コアに対して強い結合を形成することができ、大きな孔径を得ることができ、高い多孔度を得ることができ、選択的吸収及び/又は容量を得ることができる。
【0148】
MOFの有機リンカーは、広範囲の有機分子、例えば、1つ以上のカルボキシレートリンカー;N-複素環式リンカー;ホスホネートリンカー;スルホネートリンカー、メタロリンカー、例えばカルボキシレート-メタロリンカー;並びにそれらのび混合物及び誘導体から形成することができる。
【0149】
有機リンカーは、ジトピックリンカー、トリトピックリンカー、テトラトピックリンカー、ヘキサトピックリンカー、オクタトピックリンカーの1つ以上を含むことができる。有機リンカーは、非対称リンカーを含むことができる。
【0150】
有機リンカーは、1つ以上のジトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(bpdc)、2,2’-ジシアノ-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(CNBPDC)、9,10-アントラセンジカルボキシレート(adc)、4,4’-アゾベンゼンジカルボキシレート(abdc)、1,3-ビス(3,5-ジカルボキシルフェニルエチニル)ベンゼン(bdpb)、2,2’-ビピリジル-5,5’-ジカルボキシレート(bpydc)、2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレン-5,5’-ジカルボキシレート(5,5’-bda)、2-ブロモベンゼン-1,4-ジカルボキシレート(brbdc)、1,4-ベンゼンジカルボキシレート(BDC)、BDC-Br、BDC-NH2、BDC-OC3H7、BDC-OC5H11、BDC-cycC2H4、BDC-ben、2-ブロモ-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(o-Br-bdc)、BDC-F、BDC-Cl、BDC-Br、BDC-I、BDC-F、BDC-Cl、BDC-Br、BDC-I、BDC-(CH3)4、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(DHBDC)、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジカルボン酸(TTDC)、チオフェン-2,5-ジカルボキシレート(tdc)、ジ-チエノ-[3,2-b;2’,3’-d]-チオフェン-2,6-ジカルボキシレート(DTTDC)、ナフタレンジカルボキシレート(NDC)、4,4’-ベンゾフェノンジカルボキシレート(BPNDC)、4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(BPDC)、2,2’-ジシアノ-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(CNBPDC)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(PDC)、p,p‘-テルフェニルジカルボン酸(TPDC)、アミノ-TPDC、ピリジン2,6-ジカルボン酸HPDC、チオール官能化DMBD、アジド官能化2,3,5,6-テトラメチルベンゼン-1,4-ジカルボキシレート(TBDC)、テトラアニオン性2,5-ジオキシド-1,4-ベンゼン-ジカルボキシレート(BOBDC/DHBDC/DOT)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0151】
有機リンカーは、1つ以上のトリトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、1,3,5-ベンゼントリカルボキシレート(btc)、ビフェニル-3,4’,5-トリカルボキシレート(bhtc)、4,4’,4’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ベンゾエート(btb)、4,4’,4’’-(トリアジン-2,4,6-トリイルトリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(tapb)、4,4’,4’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ベンゾエート、4,4’,4’’(ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(エチン-2,1-ジイル))トリベンゾエート(bte)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(bbc)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0152】
有機リンカーは、1つ以上のテトラトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、1,1’-アゾベンゼン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(abtc)、アゾキシベンゼン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(aobtc)、4,4’-ビピリジン-2,6,2’,6’-テトラカルボキシレート(bpytc)、例えば、(4’,4’’,4’’’,4’’’’-メタンテトライルテトラビフェニル4-カルボキシレート、mtbc)、4,4’,4’’,4’’’-メタンテトライル四安息香酸(MTB)、ベンゼン置換4,4’,4’’,4’’’-メタンテトライル四安息香酸MTTB、4,4’,4’’-トリカルボキシルトリフェニルアミン(TCA)、4,4’,4’’,4’’’-テトラキスカルボキシフェニルシラン(TCPS)、2-チオフェンカルボン酸(HTPCS)、メタンテトラ(4-ベンゾエート)(MTBA)、1,3,5,7-アダマンタンテトラカルボキシレート(act)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-1,4-フェニレンジアミン(TCPPDA)、5,5’-(1,2-エチンジイル)ビス(1,3-ベンゼンジカルボキシレート)(ebdc)、3,3’,5,5’-ビフェニルテトラカルボキシレート(bptc)、3,3’,5,5’-エルフェニルテトラカルボキシレート、3,3’,5,5’-クアテルフェニルテトラカルボキシレート、3,3’,5,5’-ペンタフェニルテトラカルボキシレート、5,5’-(9,10-アントラセンジイル)ジイソフタレート(adip)、3,3’,5,5’-テトラ-(フェニル-4-カルボキシレート)、9,9’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイル)ビス(9H-カルバゾール-3,6-ジカルボキシレート)(bbcdc)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0153】
有機リンカーは、1つ以上のヘキサトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、5,5’,5’’-[1,3,5-ベンゼントリイルトリス(カルボニルイミノ)]トリス-1,3-ベンゼンジカルボキシレート、5,5’,5’’-(((ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(エチン-2,1-ジイル))-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリス(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ttei)、1,3,5-トリス[((1,3-カルボン酸-5-(4(エチニル)フェニル))エチニル)フェニル]-ベンゼン、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ヘキサベンゾエート(bhb)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ビス(4-カルボキシルフェニル)-アミノ)トリフェニルアミン(H6tta)、1,3,5-トリス[(1,3-ジ(4’-カルボン酸-フェニル)-フェニル)-5-エチニル]ベンゼン](H6L1)、トリス-(4-(5’-エチニル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4,4’’-ジカルボン酸)-フェニル)-アミン](H6L2)、1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4,4’’-ジカルボキシレートからなる群の1つ以上を含むことができる。
【0154】
有機リンカーは、1つ以上のメタロリンカーを含むことができ、例えば、[FeFe]-1,4-ジカルボキシルベンゼン-2,3-ジチオレート(dcbdt)、Cu(I)-1,10-フェナントロリンをベースとするリンカー、5,10,15,20-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ポルフィリンメタロポルフリンリンカー(tcpp)、Au(I)-4,4’,4’’,4’’’-(1,2-フェニレンビス(ホスファントリイル))-テトラベンゾエート(pbptbc)、4,7-ビス(4-カルボキシルフェニル)-1,3-ジメチル-ベンゾイミダゾリウム-テトラフルオロボレート、[(R,R)-(2)-1,2-シクロヘキサンジアミノ-N,N’-ビス(3-tert-ブチル-5-(4-ピリジル)サリシリック-デン)-Mn(III)Cl]からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0155】
有機リンカーは、1つ以上のオクタトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、5,5’,5’’,5’’’-シランテトライルテトライソフタレート(L6)、1,1’-ビナフチルから誘導されるオクタカルボキシレートリンカー、2,2’-ジエトキシ-1,1’ビナプチル-4,4’,6,6’-テトラカルボン酸(L12)、及び伸張したL12(L13、L12の各アーム中に-C=C-部分が存在する)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0156】
有機リンカーは、1つ以上のN-複素環式リンカーを含むことができ、例えば、2,5-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,4-ビス(4-ピリジル)ベンゼン、4,4’-ジピリジルアセチレン(dpa)、ピラジン、イミダゾレート又はその誘導体、例えば、1,4-ビス(イミダゾリル)-ベンゼン及び1,5-ビス(イミダゾール-1-イルメチル)ナフタレン、イミダゾール(Him)、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ニトロイミダゾール、4-イソシアノイミダゾール、4,5-ジクロロイミダゾール、イミダゾール-2-カルボアルデヒド、イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ベンゾ[d]イミダゾール、6-クロロ-ベンゾ[d]イミダゾール、5,6-ジメチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-メチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ブロモ-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ニトロ-ベンゾ[d]イミダゾール、イミダゾ[4,5-c]ピリジン、プリンピラゾール(Hpz)、1,2,4-トリアゾール(Htz)、1,2,3-トリアゾール(Hta)、及びテトラゾール(Httz)、5-クロロベンゾイミダゾレート(cblm)、1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン、2,2‘-ビピリジン(BIPY)、2-フェニルピリジン-5,4-ジベンゾエート(PPY-DC)、2,2ビピリジン-5,5-ジベンゾエート(BPY-DC)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0157】
有機リンカーは、1つ以上のホスホネートリンカーを含むことができ、例えば、ホスホネート-オキサレート、アルキルホスホン酸(ここでアルキルはC1~C10である)、例えば、メチルホスホン酸、(H2O3P(CH2)nPO3H2)(Cn))(ここで、nは1~10である)、メチレンビスホスホネート、アルキルビス(ホスホン酸);メチレンビス(ホスホン酸)、N,N’-ピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、パラ-スルホニルフェニルホスホン酸、N,N’-4,4’-ビピペリジンビス(メチレンホスホン酸)、N,N’-ピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、N,N’-2-メチルピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、アリールホスホネート、4-カルボキシフェニルホスホン酸(4-cppH3)、1,3,5-ベンゼントリス(ホスホン酸)、トリス-1,3,5-(4-ホスホノフェニル)-ベンゼン(H6L)、ビフェニルビスホスホネート、ビピリジルホスホネート、メチルホスホネート、又は官能化ホスホネートリンカー、例えば、2’-ビピリジル-5,5’-ビス(ホスホン酸)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0158】
有機リンカーは、1つ以上のスルホネートを含むことができ、例えば、4-ビフェニルスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、1-ナフタレンスルホネート、1-ピレンスルホネート、1,5-ナフタレンジスルホネート、2,6-ナフタレンジスルホネート、1-ナフタレンスルホネート、p-トルエンスルホネート、及び1,3,6,8-ピレンテトラスルホネート;1,3,5-トリス(スルホノメチル)ベンゼン;α、α’、α’’’、α’’’’-ズレンテトラスルホネート、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン;(4,4’-ビス(スルホエチニル)ビフェニル;4,4’-ビフェニルジスルホネート、p-スルホナトカリックス[4]アレーン、p-スルホナトカリックス[5]アレーン、p-スルホナトカリックス[6]アレーン、p-スルホナトカリックス[8]アレーンからなる群の1つ以上を含むことができる。
【0159】
有機リンカーは、伸張した有機リンカーを含むことができ、このような伸張したリンカーは、最大1500Da、例えば、最大1300Da、最大1300Da、最大1100Da、最大1000Da、最大900Da、最大850Da、最大800Da、又は最大750Daの重量平均分子量(Mw)を有することができる。伸張したリンカーは、トリトピックリンカー、例えば、4,4’,4’’-s-トリアジン-1,3,5-トリイルトリ-p-アミノベンゾエート(tatab)、4,4’,4’’-(1,3,4,6,7,9,9-ヘプタアザフェナレン-2,5,8-トリイル)トリベンゾエート(htb)、4,4’,4’’-s-トリアジン-2,4,6-トリイル-トリベンゾエート(tatb)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(bbc)、ビピリジン(bpy)からなる群から選択される1つ以上;又は伸張したBPY又はPPYを含有するジカルボキシレートリンカー、例えば、ジ-ベンゾエート置換2,2’-ビピリジン(bpy-dc)、ジ-ベンゾエート置換2-フェニルピリジン(ppy-dc);又は3つのフェニレン基及び2つのアセチレン基を含有するジトピックカルボキシレートリンカー;又は3,3’-(ナフタレン-2,7-ジイル)ジベンゾエート、5,5’-(ナフタレン-2,7-ジイル)-ジイソフタレート、3,3’-(ナフタレン-2,7-ジイル)-ジベンゾエート、4,4’-アザンジイルジベンゾエート、4,4’-ビピリジン(L4)、4,4’-アゾビス(ピリジン)(L5)であり得る。
【0160】
有機リンカーは、異なる有機リンカーの混合物、例えば、ジトピックリンカー及びジトピックリンカーとの混合物、例えば9,10-ビス(トリイソプロピルシリルオキシ)フェナントレン-2,7-ジカルボキシレート(tpdc)及び3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(Me4bpdc);又はジトピックリンカー+トリトピックリンカー、例えばカルボキシレート-ピリジンリンカー、例えば、ジピリジル官能化キラルTi(salan)及び4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(bpdc)を含むことができる。
【0161】
リンカーは、ジアセチレン-1,4-ビス-(4-ベンゾート)、2-メチルピペラジン、ピペラジン(pip)、4,4’,4-メタントリイルトリス(2,3,5,6-テトラクロロベンゾエート)(ptmtc)、F-H2PDA、CDDB、5-NH2-mBDC、dhtpa、pDBI、H3ImDC、ヘキサフロシリケート(hexaflurosilicate)、フマル酸、ムコン酸、オルサラジン、5,5’,5’’-(2-アミノベンゼン-1,3,5-トリイル)トリス(エチン-2,1-ジイル)トリイソフタル酸(abtt)、アセチルアセトネート(acac)、5,5’-(9,10-アントラセンジイル)ジイソフタレート(adip)、3-アミノプロピルトリアルコキシシラン(aps)、1,3-アズレンジカルボキシレート(azd)、N,N’-ビス(3,5-ジカルボキシフェニル)ピロメリット酸ジイミド(bdcppi)、5,5’-(ブタ-1,3-ジイン-1,4-ジイル)ジイソフタレート(bddc/bdi)、1,4-ベンゼンジ(4’-ピラゾリル)(bpd)、1,4-ベンゼンジテトラゾレート(bdt)、1,2-ビス(4-ピリジル)エタン(bpe)、3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン(bpta、dpt、又はdiPyTz)、4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラベンゾエート(btatb、TCPBと同じ)、ビス(1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b],-[4’,5’-i])ジベンゾ[1,4]-ダイオキシン(btdd)、5,5’,5’’-ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(1-エチニル-2-イソフタレート)(btei)、1,3,5-ベンゼントリステトラゾレート(btt)、5,5’,5’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ビフェニル-4,4’-ジイル))トリイソフタレート(btti)、1,12-ジカルボキシル-1,12-ジカブラ-クロソ-ドデカルボラン(cdc)、4-(α,α,α-トリフルオロメチル)ピリジン(CF3Py)、4-カルボキシシンナメート(cnc)、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン(サイクラム)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(dabco)、1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン-3,6-ジカルボキシレート(dbdc)、6,6’-ジクロロ-2,2’-ジベンジルオキシ-1,1’-ビナフチル-4,4’-ジベンゾエート(dcbBn)、3,5-ジシアノ-4-(4-カルボキシフェニル)-2,20:6,4’’-ターピリジン(dccptp)、6,6’-ジクロロ-2,2’-ジエトキシ-1,10-ビナフチル-4,4’-ジベンゾエート(dcdEt)、ジエチルホルムアミド(def)、ジエチレントリアミン(deta)、2,5-ジヒドロキシテレフタレート(dhtp)、N,N’-ジ-(4-ピリジル)-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボキシジイミド(diPyNI)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(dabco)、2,5-ジオキシド-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(dobdc)メソ-1,2-ビス(4-ピリジル)-1,2-エタンジオール(dpg)、5,5’-(1,2-エチンジイル)ビス(1,3-ベンゼンジカルボキシレート)(ebdc)、エチレンジアミン(ed)、4-エチルピリジン(EtPy)、4,4’-(イデンヘキサフルオロイソプロピリデン)-ジベンゾエート(hfipbb)、フマレート(fma)、5-フルオロピリミジン-2-オレート(F-pymo)、2-フルオロ-4-(1H-テトラゾール-5-イル)ベンゾエート(2F-4-tba)、4,5,9,10-テトラヒドロピレン-2,7-ジカルボキシレート(hpdc)、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン(hpp)、4,5-イミダゾールジカルボキシレート(ImDC)、イソニコチネート(in)、5,5’-メチレンジイソフタレート(mdip)、1-メチルイミダゾール(MeIM)、4-メチルピリジン(MePy)、メルカプトニコチネート(mna)、メタンテトラベンゾエート(mtb)、4,4’,4’’-ニトリロトリスベンゾエート(ntb)、4’,4’’,4’’’-ニトリロトリビフェニル-3,5-ジカルボキシレート(ntbd)、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボキシレート(ntc)、5,5’,5’’-(4,4’,4’’-ニトリロトリス(ベンゼン-4,1-ジイル)トリス(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ntei)、オキシジアセテート(oxdc)、4-(4-ピリジル)ベンゾエート(pba)、ピリジン-3,5-ビス(フェニル-4-カルボキシレート)(pbpc)、p-フェニレンジアシレート(pda)、ピリジンジカルボキシレート(pdc)、5-(ピリジン-3-イルエチニル)イソフタレート(peip)、4,6-ピリミジンジカルボキシレート(PmDC)、5-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]イソフタレート(pmip)、ジフェニルメタン-3,3’,5,5’-テトラキス(3,5-ビスベンゾエート)(pmtb)、ピペラジン(ppz)、5,5’-((5’-(4-((3,5-ジカルボキシフェニル)エチニル)フェニル)-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-4,4’’-ジイル)-ビス(エチン-2,1-ジイル))ジイソフタレート(ptei)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(pydc)、5-メチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボアルデヒド(pyen)、2-ピリミジンカルボキシレート(pymc)、ピリミジノレート(pymo)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(pyrdc)、クアテルフェニル-3,3’’’,5,5’’’-テトラカルボキシレート(qptc)、trans-スチルベン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(sbtc)、5-スルホイソフタレート(sip)、4,4’,4’’-s-トリアジン-2,4,6-トリイルトリベンゾエート(tatb)、4-(1H-テトラゾール-5-イル)ベンゾエート(4-tba)、5-tert-ブチル-1,3-ベンゼンジカルボキシレート(tbbdc)、5-t-ブチルイソフタレート(tbip)、5,5’,5’’-(2,4,6-トリメチルベンゼン-1,3,5-トリイル)トリス(エチン-2,1-ジイル)トリイソフタレート(tbtt)、トリス(4-カルボキシビフェニル)アミン(tcbpa)、テトラキス[4-(カルボキシフェニル)-オキサメチル]メタン(tcm)、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-ベンゼン(tcpb)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ビフェニル-4,4’-ジアミン(tcpbda)、テトラ-フルオロテレフタレート(tftpa)、3,3’,5,5’-テトラ(4-カルボキシフェニル)-2,2’-ジエトキシビフェニル(tcpdep)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-1,4-フェニレンジアミン(tcppda)、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジカルボキシレート(T2DC)、トリエチレンジアミン(ted)、テトラフルオロテレフタレート(tfbdc)、テトラメチルテレフタレート(tmbdc)、1,3,5-トリ-p-(テトラゾール-5-イル)フェニルベンゼン(TPB-3tz)、2,4,6-トリ-p-(テトラゾール-5-イル)フェニル-s-トリアジン(TPT-3tz)、2,4,6-トリ(3-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(3-tpt)、2,4,6-トリ(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(4-tpt)、ターフェニル-3,3’’,5,5’’-テトラカルボキシレート(tptc)、5,10,15,20,-テトラ-4-ピリジル-21H,23H-ポルフィリン(TPyP)、1,2,4-トリアゾレート(trz)、5,5’,5’’-(((ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(エチン-2,1-ジイル))トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリス-(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ttei)、テトラキス(4-テトラゾリルフェニル)メタン(ttpm)、3,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアゾレート(Tz)、テトラゾレート-5-カルボキシレート(Tzc)、TZI 5-テトラゾリルイソフタレート、ViPy 4-ビニルピリジン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン(DMBD)からなる群から選択される1つ以上から選択することができる。
【0162】
有機リンカーは、9,10-アントラセンジカルボン酸、ビフェニル-3,3’,5,5’-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,4’,5-トリカルボン酸、5-ブロモイソフタル酸、5-シアノ-1,3-ベンゼンジカルボン酸、2,2’-ジアミノ-4,4’-スチルベンジカルボン酸、2,5-ジアミノテレフタル酸、2,2’-ジニトロ-4,4’-スチルベンジカルボン酸、5-エチニル-1,3-ベンゼンジカルボン酸、2-ヒドロキシテレフタル酸、3,3’,5,5’-アゾベンゼンテトラカルボン酸、[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジカルボン酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレン二酢酸、1,1,2,2-テトラ(4-カルボキシルフェニル)エチレン、1,3,5-トリカルボキシベンゼン、1,3,5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、1,4-ジ(4’-ピラゾリル)ベンゼン、1,4,7,10-テラアザアシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸、2,4,6-(トリ-4-ピリジニル)-1,3,5-トリアジン、トリス(イソブチルアミノエチル)アミン、2-(ジフェニルホスフィノ)テレフタル酸からなる群からの1つ以上を含むことができる。
【0163】
本発明における使用に適切なMOFとしては、水処理、分子分離、生物濾過、及び関連の用途に使用されるように機能できるものが挙げられる。適切なMOFは、好ましくは水安定性及び化学安定性を有する。MOFは、水不溶性リンカー、及び/又は溶媒安定性リンカー、及び/又はSBUとリンカーとの間の強い共有結合、及び/又はSBUとリンカーとの間の複数の共有結合を有することができる。水安定性及び化学安定性は、水及び/又は化学物質の存在下でMOFがリンカー及びSBUに完全に分解することがないことを意味することができる。適切なMOFは、リンカーとSBU又はノードとの間に共有結合を有することができ、及び/又はリンカーとSBU又はノードとの間に配位結合を有することができる。
【0164】
適切なMOFは、高表面積及び/又は大きな孔径を有することができる。MOFは、少なくとも10m/g、例えば100m/g~9,000m/g、好ましくは100m/g~8,000m/g、又は500m/g~8,000m/gの表面積を有することができる。表面積は、周知のBrunauer,Emmett and Teller(BET)技術を用いて測定することができる。適切には多孔質のフレーク又は粒子の形態である本発明のいずれかの態様によるMOFは、0.1nm~1000nm、0.1nm~950nm、0.2nm~900nm、0.2nm~850nm、好ましくは0.2nm~800nm、0.3nm~700nm、好ましくは0.4nm~650nm、0.4nm~550nm、0.5nm~500nm、0.5nm~450nm、0.2nm~100nm、例えば0.2~90nmの間、0.3nm~75nm、0.4nm~50nm、例えば0.4nm~40nm、0.4nm~30nm、又は0.4nm~20nm、適切には0.4nm~15nm、0.4nm~10nmの平均孔径を有することができる。
【0165】
MOFは、ピラー層MOFを含むことができる。適切には、ピラー層MOF中、2Dシートは、ジピリジルリンカーなどの有機リンカーの足場として機能する。有利には、これによって、-SO 2-基などの種々の官能基をMOF中に組み込むことが可能となる。-SO 2-基を使用することで、極性環境を誘導し、CO2などの強い酸性ゲストとの強い酸塩基相互作用を誘導することができる。さらに、-CH=CH-と比較して-N=N-などの異なるピラーリンカー基によって、HO及びメタノールに対して異なる選択性が得られる。
【0166】
MOFは官能基を含むことができる。適切には1つ以上の有機リンカーの上に官能基を含むMOFによって、MOFは、特に、水処理、分子分離、及び生物濾過に関連する用途に適合させることができる。前記官能基によって、選択性を得ることができ、及び/又は高い吸着容量又は高い流束速度のために孔径を増加させることができる。官能基は、-NH、-Br、-Cl、-I、-(CH-CH(ここでnは1~10である)、例えば、CHCHCHO-、CHCHCHCHO-、ben-C、メチル、-COOH、-OHからなる群の1つ以上から選択することができる。例えば、MOFは、IRMOF、例えば、IRMOF-1、IRMOF-2、IRMOF-3、IRMOF-4、IRMOF-5、IRMOF-6、IRMOF-7、IRMOF-8、IRMOF-9、IRMOF-10、IRMOF-16、IRMOF-11、IRMOF-12、IRMOF-13、IRMOF-14、IRMOF-15;及び/又はCAU、例えば、CAU-10-OH、CAU-10-NH、CAU-10-H、CAU-10-CH;及び/又はMIL-125-NH2;及び/又はUiO-66(Zr)-(CH3)2であり得る。
【0167】
MOFは、Zr-DUT-51、Hf-DUT-51、PCN-777、NU-1105、DUT-52、DUT-53、DUT-84、DUT-67、DUT-68、DUT-69、DUT-6、例えば、MIL-125(Fe、Cr、Al、V)、MIL-53(Fe、Cr、Al、V)、MIL-47(Fe、Cr、Al、V)、UAM-150、UAM-151、UAM-152、Zr(O3PC12H8PO3)、ビピリジルホスホン酸Zr、メチルホスホン酸Zr、ビピリジルホスホン酸Sn(IV)、メチルホスホン酸Sn(IV)、[Ag(4-ビフェニルスルホネート)]∞、[Ag(2-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(H2O)0.5(1-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(1-ナフタレンスルホネート)]∞、及び[Ag(1-ピレンスルホネート)]∞、UO(OPC0.7HO、(UO(HOPC-(OPC3HO、SAT-16、SAT-12(Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+)、MIL-91(Al3+、Fe3+、In3+、V3+)、STA-13(Y3+、Sc3+、Yb3+、Dy3+)、VSN-3(1~10の範囲の-CH-単位を有する)、VSB-4(1~10の範囲の-CH-単位を有する)、ZIF-95、ZIF-100、M(btp)(M=Ni,Cu、Zn、及びCo;H3btp=1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン)、IRMOF-76、IRMOF-77、PCM-18、MOF-1040、MOF-253_0.08PdCl、MOF-253_0.83PdCl2、MOF-253_0.97Cu(BF4)2、NOTT-115、UMCM-150、UMCM-154、MOF-5、FJI-1、MOF-100、MOF-177、MOF-210、UMCM-1、UMCM-2、UMCM-3、UMCM-4、UMCM-8、UMCM-9、MTV-MOF-5、L6-L11;PCN-80、UNLPF-1、NOTT-140、UTSA-34a、UTSA-34b、MODF-1、SDU-1、NPG-5、UTSA-20、NU-100、NU-110E、PCN-61、PCN-66、PCN-69、PCN-610、DUT-49、PCN-88、NOTT-300、NOTT-202、NOTT-104、PCN-46、PCN-14、NOTT-100、NOTT-101、NOTT-103、NOTT-109、NOTT-111、ZSA-1、ZSA-2、NOTT-12、NOTT-16、POMF-Cu([Cu24(HO)24]、MIL-59、PCN-12、PCN-12’、DUT-75、DUT-76、PCN-16、PCN-16’、PCN-511、IMP-11、PCN-512、IMP-9、MOF-11、MOF-36、Hf-PCN-523、PCN-521、MOF-177、MOF-180、MOF-200、SNU-150、MOF-14、MOF-143、MOF-388、MOF-399、UiO-88、MOF-1001、IRMOF-62、MOF-101、IRMOF-74、CAU-10-OH、CAU-10-NH、CAU-10-H、CAU-10-CH、CAU-10、CALF-25、Zn-DMOF、Co-DMOF、DUT-4、SAPO-34、SBA-15、HZSM-5、MCM-41、KIT-1、MCM-48、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74、PCN-228、PCN-229、PCN-230、=MOF-808、MIL-160、MIL-163、FJI-H6、[Zr6O4(OH)4(btba)3](DMF)x(H2O)y(ここで、xは0~<20であり、yは0~<20である)、FJI-H7、ランタニド元素ベースの[La(pyzdc)1.5(H2O)2]2H2O、[Dy(Cmdcp)(H2O)3](NO3)2H2O)n、[Eu(HL)(H2O)2]n2H2O、Tb-DSOA、[Tb(L)(OH)]x(slov)、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O、InベースのJLU-Liu18、AlベースのMIL-121、MAF-6、MAF-7、MAF-49、MAF-X8、[Zn12(trz)20][SiW12O40]11H2O、Zn2TCS(4’4-bipy)、Zn-pbdc-11a(bpe)/-12a(bpe)/-12a(bpy)、Zn(IM)1.5(abIM)0.5、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O))n、Co/Zn-BTTBBPY、PCN-601、Mg-CUK-1、[Cd2(TBA)2(bipy)(DMA)2]、Cu6(trz)10(H2O)4[H2SiW12O40}8H2O、[Ni(BPEB)]、[Eu3(bpydb)3(HCOO)(u3-OH)2(DMF)](DMF)3(H2O)2、MAF-X25、MAF-X27、MAF-X25ox、MAF-27ox、PCN-101、NH2-MIL-125(Ti)、Cu(I)-MOF、AEMOF-1、PCN-222、Cd-EDDA、[Cd2L2]NMPMEOH、Eu/UiO-66-(COOH)2、Eu/CPM-17-Zn、Eu/MIL-53-COOH(Al)、[Ln(HL)(H2O)2]n2H2O、Eu3+@MIL-124、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O)n、[Tb(l)(OH)]x(solv)、bio-MOF-1、BFMOF-1、NENU-500、Co-ZIF-9、Al2(OH)2TCPP-Co、Al-MIL-101-NH-Gly-Pro、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、HPW@MIL-101、POM-イオン液体で官能化されたMIL-100、硫酸化MIL-53、MIL-101(Cr)-NO2、NENU-1/12-タングストケイ酸、Na-HPAA、PCMOF-10、Ca-PiPhtA、(NH4)2(adp)[Zn2(ox)3]3H2O、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O])n、([(Me2NH2]3(SO4))2[Zn2(ox)3])n、UiO-66-(SO3H)2、Tb-DSOA、[La3L4(H2O)6]ClxH2O、CALF-25、(Cu2I2)[Cu2PDC2-(H2O)2]2[Cu(MeCN)4]IDMF、(Cu4I4)[Cu2PDC2-(H2O)2]4DMF、(Cu2I2)[Cu3PDC3-(H2O)2]2MeCN)2DMF、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、UiO-68.、MOF-801、MOF-841、[Co4L3(u3-OH)(H2O)3](SO4)0.5、MOF-802、Cu-BTTri、PCN-426、MOF-545、Zn(1,3-BDP)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、NiDOBDC、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MOF-525、MOF-535、Co-MOF-74、[Zn4(u4-O)-(u4-4-カルボキシ-3,5-ジメチル-4-カルボキシ-ピラゾラト)3]、PCP-33、NU-100、IRMOF-74-III-CH2NH2、Zn-pbdc-12a(bpe)、mmen-Mg2(dobpdc)、MAF-X25ox、FMOF-1、MAF-6、UiO-66-NH2@MON、ZIF-8、CAU-1、ZIF-67、MIL-68、MIL-101、UiO-67、UiO-66、[(C2H5)2NH2]2[Mn6(L)(OH)2(H2O)6]4DEF、[Zn(trz)(H2betc)0.5]DMF、PCN-100、NU-1000、FIR-53、FIR-54,Al-MIL-96、Fe-MIL-100、Al-MIL-100、Cr-MIL-100、Fe-MIL-53、Cr-MIL-53、UiO-66-NH2、InPCF-1、HKUST-1、ZIF-7、ZIF-9、CAU-6、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、Al-MIL-53、Cr-MIL-101、Cu2L、PED-MIL-101、HM-MIL-101、MOF-235、UiO-67-OH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができる。
【0168】
MOFは、Co-MOF-74、[Zn4(u4-O)-(u4-4-カルボキシ-3,5-ジメチル-4-カルボキシ-ピラゾラト)3]、PCP-33、NU-100、IRMOF-74-III-CH2NH2、Zn-pbdc-12a(bpe)、mmen-Mg2(dobpdc)、MAF-X25ox、FMOF-1、MAF-6、UiO-66-NH2@MON、ZIF-8、CAU-1、ZIF-67、MIL-68、MIL-101、UiO-67、UiO-66、[(C2H5)2NH2]2[Mn6(L)(OH)2(H2O)6]4DEF、[Zn(trz)(H2betc)0.5]DMF、PCN-100、NU-1000、FIR-53、FIR-54,Al-MIL-96、Fe-MIL-100、Al-MIL-100、Cr-MIL-100、Fe-MIL-53、Cr-MIL-53、UiO-66-NH2、InPCF-1、HKUST-1、ZIF-7、ZIF-9、CAU-6、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、Al-MIL-53、Cr-MIL-101、Cu2L、PED-MIL-101、HM-MIL-101、MOF-235、UiO-67-OH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができ、例えば、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができ、好ましくは脱塩膜のために選択することができる。
【0169】
適切には、MOFは、Zr-DUT-51、Hf-DUT-51、PCN-777、NU-1105、DUT-52、DUT-53、DUT-84、DUT-67、DUT-68、DUT-69、DUT-6、例えば、MIL-125(Fe、Cr、Al、V)、MIL-53(Fe、Cr、Al、V)、MIL-47(Fe、Cr、Al、V)、UAM-150、UAM-151、UAM-152、Zr(O3PC12H8PO3)、ビピリジルホスホン酸Zr、メチルホスホン酸Zr、ビピリジルホスホン酸Sn(IV)、メチルホスホン酸Sn(IV)、[Ag(4-ビフェニルスルホネート)]∞、[Ag(2-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(H2O)0.5(1-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(1-ナフタレンスルホネート)]∞、及び[Ag(1-ピレンスルホネート)]∞、UO(OPC0.7HO、(UO(HOPC-(OPC3HO、SAT-16、SAT-12(Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+)、MIL-91(Al3+、Fe3+、In3+、V3+)、STA-13(Y3+、Sc3+、Yb3+、Dy3+)、VSN-3(1~10の範囲の-CH-単位を有する)、VSB-4(1~10の範囲の-CH-単位を有する)、ZIF-95、ZIF-100、M(btp)(M=Ni,Cu、Zn、及びCo;H3btp=1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン)、IRMOF-76、IRMOF-77、PCM-18、MOF-1040、MOF-253_0.08PdCl、MOF-253_0.83PdCl、MOF-253_0.97Cu(BF、NOTT-115、UMCM-150、UMCM-154、MOF-5、FJI-1、MOF-100、MOF-177、MOF-210、UMCM-1、UMCM-2、UMCM-3、UMCM-4、UMCM-8、UMCM-9、MTV-MOF-5、L6-L11;PCN-80、UNLPF-1、NOTT-140、UTSA-34a、UTSA-34b、MODF-1、SDU-1、NPG-5、UTSA-20、NU-100、NU-110E、PCN-61、PCN-66、PCN-69、PCN-610、DUT-49、PCN-88、NOTT-300、NOTT-202、NOTT-104、PCN-46、PCN-14、NOTT-100、NOTT-101、NOTT-103、NOTT-109、NOTT-111、ZSA-1、ZSA-2、NOTT-12、NOTT-16、POMF-Cu([Cu24(HO)24]、MIL-59、PCN-12、PCN-12’、DUT-75、DUT-76、PCN-16、PCN-16’、PCN-511、IMP-11、PCN-512、IMP-9、MOF-11、MOF-36、Hf-PCN-523、PCN-521、MOF-177、MOF-180、MOF-200、SNU-150、MOF-14、MOF-143、MOF-388、MOF-399、UiO-88、MOF-1001、IRMOF-62、MOF-101、IRMOF-74、CAU-10-OH、CAU-10-NH、CAU-10-H、CAU-10-CH、CAU-10、CALF-25、Zn-DMOF、Co-DMOF、DUT-4、SAPO-34、SBA-15、HZSM-5、MCM-41、KIT-1、MCM-48、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74、PCN-228、PCN-229、PCN-230、MOF-808、MIL-160、MIL-163、FJI-H6、[Zr6O4(OH)4(btba)3](DMF)x(H2O)y(ここで、xは0~<20であり、yは0~<20である)、FJI-H7、ランタニド元素ベースの[La(pyzdc)1.5(H2O)2]2H2O、[Dy(Cmdcp)(H2O)3](NO3)2H2O)n、[Eu(HL)(H2O)2]n2H2O、Tb-DSOA、[Tb(L)(OH)]x(slov)、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O、InベースのJLU-Liu18、AlベースのMIL-121、MAF-6、MAF-7、MAF-49、MAF-X8、[Zn12(trz)20][SiW12O40]11H2O、Zn2TCS(4’4-bipy)、Zn-pbdc-11a(bpe)/-12a(bpe)/-12a(bpy)、Zn(IM)1.5(abIM)0.5、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O))n、Co/Zn-BTTBBPY、PCN-601、Mg-CUK-1、[Cd2(TBA)2(bipy)(DMA)2]、Cu6(trz)10(H2O)4[H2SiW12O40}8H2O、[Ni(BPEB)]、[Eu3(bpydb)3(HCOO)(u3-OH)2(DMF)](DMF)3(H2O)2、MAF-X25、MAF-X27、MAF-X25ox、MAF-27ox、PCN-101、NH2-MIL-125(Ti)、Cu(I)-MOF、AEMOF-1、PCN-222、Cd-EDDA、[Cd2L2]NMPMEOH、Eu/UiO-66-(COOH)2、Eu/CPM-17-Zn、Eu/MIL-53-COOH(Al)、[Ln(HL)(H2O)2]n2H2O、Eu3+@MIL-124、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O)n、[Tb(l)(OH)]x(solv)、bio-MOF-1、BFMOF-1、NENU-500、Co-ZIF-9、Al2(OH)2TCPP-Co、Al-MIL-101-NH-Gly-Pro、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、HPW@MIL-101、POM-イオン液体で官能化されたMIL-100、硫酸化MIL-53、MIL-101(Cr)-NO2、NENU-1/12-タングストケイ酸、Na-HPAA、PCMOF-10、Ca-PiPhtA、(NH4)2(adp)[Zn2(ox)3]3H2O、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O])n、([(Me2NH2]3(SO4))2[Zn2(ox)3])n、UiO-66-(SO3H)2、Tb-DSOA、[La3L4(H2O)6]ClxH2O、CALF-25、(Cu2I2)[Cu2PDC2-(H2O)2]2[Cu(MeCN)4]IDMF、(Cu4I4)[Cu2PDC2-(H2O)2]4DMF、(Cu2I2)[Cu3PDC3-(H2O)2]2MeCN)2DMF、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、UiO-68.、MOF-801、MOF-841、[Co4L3(u3-OH)(H2O)3](SO4)0.5、MOF-802、Cu-BTTri、PCN-426、MOF-545、Zn(1,3-BDP)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、NiDOBDC、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MOF-525、MOF-535の1つ以上から選択することができる。
【0170】
MOFは、ゼオライトイミダゾレートフレームワーク(ZIF)、適切には、イミダゾールをベースとするリンカーを有するZn、Co、Cd、Li、又はBの金属塩から形成されるZIFの1つ以上から選択することができ、例えば、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、ZIF-8、ZIF-9、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97、及びそれらの誘導体から選択することができる。MOFは、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100の1つ以上から選択することができる。
【0171】
有利には、ZIFは、堅牢な耐薬品性及び耐熱性、並びに制御可能な多孔度及び孔径が得られることが分かっている。
【0172】
ZIFは、(M-Im-M)の繰り返し単位を形成することができ、ここで、MはZn又はCoであり、及びImは、四面体配位において金属単位に架橋するイミダゾール又はその誘導体である。
【0173】
イミダゾール又はその誘導体の単位は、イミダゾール(ZIF-4リンカー)、2-メチルイミダゾール(ZIF 8リンカー)、2-エチルイミダゾール、2-ニトロイミダゾール、4-イソシアノイミダゾール、4,5-ジクロロイミダゾール、イミダゾール-2-カルボアルデヒド、イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ベンゾ[d]イミダゾール、6-クロロ-ベンゾ[d]イミダゾール、5,6-ジメチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-メチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ブロモ-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ニトロ-ベンゾ[d]イミダゾール、イミダゾ[4,5-c]ピリジン、プリンの1つ以上から選択することができる。
【0174】
有利には、ZIFは、高温濾過用途に使用することができ、高い熱安定性、高い強度、及び/又は耐薬品性を得ることができる。例えば、ZIF 8は、最高550℃の温度に耐えることができる。
【0175】
MOFは、1つ以上のUiO MOF、例えば、UiO-66、例えばEu/UiO-66-(COOH)2、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、UiO-66-(SO3H)2、UiO-67、UiO-68、UiO-88、及びそれらの誘導体から選択することができる。例えば、UIO-66 MOFは、Eu/UiO-66-(COOH)2、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、UiO-66-(SO3H)2であり得る。MOFは、UiO-68又はUiO-88を含むことができる。
【0176】
有利には、UiO MOFは、堅牢な性質、例えば、高い化学安定性及び熱安定性、高い機械的強度、及び/又は大きな表面積が得られることが分かっている。例えば、熱安定性温度は少なくとも200℃である。UiO MOFはZrをベースとする。UiO MOFは、1,4-ベンゼン-ジカルボキシレート(BDC)リンカーによって隣接する八面体に12回結合する八面体であるZr6O4(OH)4から構成することができるジルコニウム1,4-ジカルボキシベンゼンMOF(UiO 66)であり得る。これとは別に、又はこれに加えて、UiO MOFは、UiO 66、アミノベンゼンジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BDC-NH2)、ジルコニウムベンゼンジカルボイレート(zirconium benzenedicarboylate)(UiO-66-BDC)、ビフェニルジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BPD/UiO-67)、フマル酸ジルコニウムMOF(UiO-66-FA、FA:Zr=0.66~0.98)、trans-1,2-エチレンジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-FA、FA:Zr=1)、トリメリット酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BDC-COOH、BDC-COOH:Zr=0.9~1.0)の1つ以上から選択することができる。
【0177】
MOFは、1つ以上のMOF-74、例えば、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74から選択することができる。
【0178】
MOFは、Cu-BTTri、MIL-53(Al)、MIL-101(Cr)、PCN-426-Cr(III)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、Zn(1,3-BDP)、MOF-808、DUT-69、DUT-67、DUT-68、PCN-230、PCN-222、MOF-545、MOF-802、及びHKUST-1の1つ以上から選択することができる。適切には、MOFは、MOF-808、PCN-230、PCN-222、及びHKUST-1の1つ以上から選択され、好ましくはMOF-808、PCN-230、PCN-222の1つ以上から選択される。
【0179】
活性層は、サイズ排除濾過、ファウリング抵抗性、及び/又は吸着、例えばサイズ排除及びファウリング抵抗性が得られるように使用可能となりうる。
【0180】
MOFの孔径は、異なる種のMOF又は異なる長さを有する異なる有機リンカーを用いることによって調節可能である。例えば、MOFの孔径は、少なくとも0.6nm(例えばZIF-78)、例えば少なくとも0.8nm(例えばZIF-81)、又は少なくとも0.9nm(例えばZIF-79)又は少なくとも1.2nm(例えばZIF-69)、又は少なくとも1.3nm(例えばZIF-68)、又は少なくとも1.6nm(例えばZIF-82)、例えば少なくとも1.8nm(例えばZIF-70)、又は少なくとも1.8nm(例えばIRMOF-10)、又は少なくとも2.8nm(例えばMOF-177)であり得る。
【0181】
MOFは、1個のフェニル環を含む元のリンカーの1つ以上を、2、3、4、5、6、7、9、10、又は11個のフェニル環を含むリンカーで置き換えることによって適合させたMOF-74を含むことができる。このような適合によって、それぞれ、孔径を約1.4nmから約2.0nmまで、約2.6nmまで、約3.3nmまで、約4.2nmまで、約4.8nmまで、約5.7nmまで、約7.2nmまで、約9.5nmまで変化させることができる。
【0182】
MOFは疎水性であり得る。疎水性MOFは、MIL-101(Cr)、NiDOBDC、HKUST-1、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MIL-100-Fe、UiO-66、ZIFファミリー、例えば、ZIF 71、ZIF 74、ZIF-1、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-11、ZIF-9、及びZIF 8の1つ以上から選択することができる。有利には、このようなMOFを使用することで、膜のファウリング抵抗性を改善することができる。
【0183】
MOFは、吸着を促進するMOF、例えばUiO-66又はUiO-66-NH2、好ましくはUiO-66-NH2を含むことができ、これは、吸着剤と及びカチオン染料との間の好都合な静電相互作用のためにアニオン染料よりも効率的に水溶液からカチオン染料を吸着することが分かっている。特に、UiO-66-NH2は、UiO-66よりも、カチオン染料に対してはるかに高い吸着容量、及びアニオン染料に対して低い吸着容量が得られることが分かっている。
【0184】
本発明のいずれかの態様の活性層は、2nm~1000nm、例えば3nm~800nm、又は4nm~600nm、例えば5nm~400nm、又は5~200nm、好ましくは5nm~150nm又は5nm~100nmの厚さを有することができる。
【0185】
本発明のいずれかの態様によるMOFはナノチャネルを含むことができ、適切にはMOFは、ナノチャネルを含むフレーク又は粒子の形態である。平均ナノチャネル直径は、0.2nm~100nm、例えば0.2nm~90nmの間、0.3nm~75nm、0.4nm~50nm、例えば0.5nm~40nm、0.5nm~30nm、又は0.5nm~20nm、適切には0.5nm~15nm、0.5nm~10nm、又は好ましくは0.5nm~8nmであり得る。
【0186】
MOFは、ジルコニウムベースのMOFであり得、例えばUiO-66(Zr)、UiO-67(Zr)、及びUiO-68(Zr)、MOF-525(Zr6O4(OH)4(TCPP-H2)3、MOF-535(Zr6O4(OH)4(XF)3、及びMOF545(Zr6O8(H2O)8(TCPP-H2)2(ここで、ポルフィリンH4-TCPP-H2=(C48H24O8N4)であり、十字形H4-XF=(C42O8H22)である)、好ましくはUiO-68(Zr)又はMOF-525、最も好ましくはUiO-68であり得る。前記MOFは、化学物質、温度、及び機械的応力に対して優れた安定性を示すことが分かっている。前記MOFの構造は、ノードとしてのZr6O4(OH)4クラスターサブユニットとベンゼン1,4-ジカルボキシレートライナーなどの有機リンカーとを含むことができる。
【0187】
MOFは、アミン、アルデヒド、アルキン、及び/又はアジドの1つ以上から選択される官能基を含むことができる。MOFの細孔は、アミン、又はアルデヒド、又はアルキン、又はアジド官能基の共有合成後修飾方法などのリンカー及び/又は二次構成単位/ノード上の修飾方法、適切には合成後の修飾方法によって、選択的ふるい分けのため、及びより高い効率を得るために修飾することができる。特定の用途のために、特定の官能基をMOFに導入することができる。例えば、-NH2をUiO-66に加えてUiO-66-NH2を形成することで、鉄酸の吸着が改善されることが分かっており、例えば、活性層と基材との間に適合性の相互作用を形成するために、ジメチルジオキシランを用いた酸化によってスルホンを有する基がイソIRMOF-16に加えられる。
【0188】
本発明のMOFは、要求される性質により合成することができ、又は商業的供給元から購入することができる。適切な市販の金属有機構造体材料は、BASF、Sigma-Aldrich、又はStrem Chemicalsから購入することができる。
【0189】
本発明のためのMOFを合成するために使用される方法は、当技術分野において従来通りのものであり、ソルボサーマル合成、マイクロ波支援合成、電気化学的合成などであり得る。
【0190】
MOFは、基材の存在下で前駆体材料から合成することができる。
【0191】
MOFの粒度を制御するためにMOFの合成中にモジュレーターを使用することができ、モジュレーターは安息香酸であり得る。
【0192】
適切には、MOFは基材の非存在下で合成される。
【0193】
MOFは、互いに緻密化及び相互作用又は溶融が起こって活性層を形成する結晶化連続相又は粒子若しくはフレークの形態であり得る。好ましくはMOFは粒子又はフレークの形態である。
【0194】
MOFフレーク又は粒子のサイズ分布は、MOFフレーク又は粒子の少なくとも30重量%が、1nm~10000nmの間、例えば2nm~7500nmの間、5nm~5000nm、10nm~4000nm、例えば15nm~3500nm、20nm~3000nm、又は25nm~3000nm、適切には30nm~2500nm、40nm~2500nm、又は好ましくは50nm~2500nmのサイズを有し、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、及び最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記のサイズを有するようなサイズ分布であり得る。MOFのサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOLLtd.、日本)を用いて測定することができる。
【0195】
例えば、MOFの試料にわたる二次元層の横方向サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)、及び測定された同じサイズのナノシート(M)の数(N)を用いて測定することができる。次に平均サイズは式1:
【数4】
によって計算することができ、ここで、Mはナノシートの直径であり、Nは直径Mを有するサイズの数である。
【0196】
MOFの粒子又はフレークの平均サイズは、基材の平均孔径の少なくとも60%であり得る。例えば、200nmの基材の平均孔径の場合、フレーク又は粒子は、少なくとも120nmの平均サイズを有することができる。適切には、MOFの平均サイズは、多孔質基材の平均孔径以上であり、例えば、基材の平均孔径の少なくとも100%、又は少なくとも120%、又は少なくとも140%である。
【0197】
活性層は、MOF以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、遷移金属ジカルコゲニド、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、遷移金属ジカルコゲニド、グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン官能化酸化グラフェン、及びポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0198】
活性層は、活性層の性質を調節するための添加剤を含むことができ、例えば、別の金属;及び/又は繊維、例えば金属酸化物ナノストランド;及び/又はドーパント、例えば、Au、Fe、Cu、Cu(OH)、Cd(OH)、及び/又はZr(OH)を含むことができる。このような添加剤は、MOFの孔径及びチャネル構造を制御するため、及び/又は高い水流束速度のためのナノチャネルを形成するために膜に加えることができる。0.1nm~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維などのあらゆる種類の適切な繊維を膜内に混入することができる。0.1nm~850nm、0.5nm~500nm、又は0.5nm~100nm、0.75nm~75nm、好ましくは、0.75nm~50nmなど。適切には、繊維は、機械的除去又は溶解などによって使用前に除去される。
【0199】
添加剤は、MOFを含有するコーティング組成物に導入することができ、及び/又は膜表面上に堆積することができる。
【0200】
膜は、基材上の活性層の2つ以上の分離した部分を含むことができる。
【0201】
本発明の膜は、あらゆる種類の濾過のためのものであり得る。適切には、本発明の膜は、水処理、例えば油/水の分離;分子分離、水生環境中の医薬品残留物を除去するための医薬品の濾過;生物濾過、例えば微生物と水との間の分離;脱塩又は選択的イオン濾過;並びに核廃水からの核放射性元素を除去するための核廃水の濾過;損傷した腎臓フィルター及び血液の濾過を代替するための生理学的濾過などの血液処理;及び/又は植物、例えば草などの供給源から誘導されるバイオプラットホーム分子の分離のためのものである。適切には、膜は、脱塩又は油及び水の分離などの水処理、又は医薬品濾過、又は染料の除去のためのものである。
【0202】
本発明のいずれかの態様による方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を基材上に接触させることを含むことができる。
【0203】
活性層コーティング組成物を濾過膜層に塗布する方法は、MOFを含むコーティング組成物を支持層上に塗布するステップを含むことができる。方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を支持層上に接触させることを含むことができる。
【0204】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/186134号パンフレット、特に段落[117]、[118]、及び[126]~[130](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[117]、[118]、及び[126]~[130](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0205】
適切には、コーティング組成物は、液体媒体と1つ以上のMOFとを含む液体組成物である。本発明のコーティング組成物は、溶媒、非溶媒を含むことができ、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。
【0206】
コーティング組成物は、適切には塩の形態の1つ以上のSBU又はノード前駆体などのMOF前駆体と、有機配位子又はその前駆体とを含むことができる。コーティング組成物は、MOF SBU又はノードの合成に使用することができるあらゆる種類の化合物の塩前駆体、例えば、金属塩、例えばアルミニウム塩、アンモニウム塩、アンチモン塩、ヒ素塩、バリウム塩、ベリリウム塩、ビスマス塩、カドミウム塩、カルシウム塩、セリウム塩、セシウム塩、クロム塩、コバルト塩、銅塩、ジスプロシウム塩、エルビウム塩、ユウロピウム塩、ガドリニウム塩、ガリウム塩、ゲルマニウム塩、金塩、ハフニウム塩、ホルミウム塩、インジウム塩、イリジウム塩、鉄塩、ランタン塩、鉛塩、リチウム塩、ルテチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、水銀塩、モリブデン塩、ネオジム塩、ニッケル塩、ニオブ塩、オスミウム塩、パラジウム塩、白金塩、カリウム塩、プラセオジム塩、レニウム塩、ロジウム塩、ルビジウム塩、ルテニウム塩、サマリウム塩、スカンジウム塩、セレン塩、銀塩、ナトリウム塩、ストロンチウム塩、硫黄塩、タンタル塩、テルル塩、テルビウム塩、タリウム塩、トリウム塩、ツリウム塩、スズ塩、チタン塩、タングステン塩、バナジウム塩、イッテルビウム塩、イットリウム塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩の1つ以上を含むことができ、又はそれらより形成することができる。
【0207】
有機配位子前駆体は、前述の有機リンカーのいずれか1つなどのMOFの合成に使用することができるあらゆる種類の有機配位子を含むことができる。
【0208】
前駆体は、エタノール及びエチレングリコールの混合物にさらに分散させたり、希釈したりすることができ、任意選択的に、500nmの孔径を有するフィルターに通して濾過することができる。
【0209】
有機配位子前駆体は、前述の有機リンカーのいずれか1つなどのMOFの合成に使用することができるあらゆる種類の有機配位子を含むことができる。
【0210】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/186134号パンフレット、特に段落[97]~[116](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[97]~[116](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0211】
本発明に使用するための液体組成物として、例えば溶液、分散液、又は懸濁液として配合される場合、適切な担体液体又は溶媒は水性又は有機であり得、したがって別の成分が選択される。任意選択的に、組成物の性能及び/又はレオロジーを向上させる別の材料、例えば、バインダー、乾燥剤、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、可塑剤、ろう、キレート剤、界面活性剤、顔料、脱泡剤、及び増感剤のいずれか1つ以上。好ましくは、コーティング組成物において、MOFをキャリア、適切にはキャリア液体中に分散させる、又は懸濁させる。
【0212】
液体担体は、水、エタノール、プロパノール、グリコール、第3級ブタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、混合物のジメチルスルホキシド/アルコール/グリコール、水/アルコール/グリコール、グリコール/水/第3級ブタノール、水/アセトン混合物、水/エタノール混合物、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール(EG)、N-メチル-2-ピロリドン、イソプロピルアルコール、鉱油、ジメチルホルムアミド、テルピネオール、エチレングリコール、又はそれらの混合物の1つ以上から選択することができ、好ましくは、水/エタノール、例えば、50/50体積%の水/エタノール、任意選択的に1つ以上の安定剤、例えば酸化リチウムを有する水;N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド又はテルピネオール、最も好ましくは、水:エタノール、例えば50:50体積%の水/エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミドから選択することができる。
【0213】
界面活性剤は、MOF分散液を安定化させ及び/又はそれらの粘度を調整するための安定剤及び/又はレオロジー改質剤として水又は別の液体とともに使用することができ、例えば、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びあらゆる別の界面活性剤を使用することができる。好ましくは、イオン性界面活性剤は安定剤として使用される。安定剤は、コール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、タウロデオキシコレート、Triton X-100、TX-100、IGEPAL CO-890などの1つ以上から選択することができる。好ましくは、Triton X-100である。
【0214】
凝集したMOFを除去するために遠心分離機を使用することができる。回転速度(rpm)は、100~10,000、例えば500~9000、750~8,000、800~6000、好ましくは1,000~6,000の範囲内であり得る。
【0215】
分散液中の凝集したMOFを除去するために濾過を行うことができる。
【0216】
活性層は、膜の生成中に繊維を使用することによって形成されたナノチャネルをさらに含むことができる。有利には、製造プロセス中に0.5nm~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維を混入し、続いて繊維を除去することによって、活性層中にナノチャネルが存在することで、水流束が大幅に増加することが分かっている。
【0217】
活性層中のナノチャネルは、1nm~750nm、例えば1nm~500nm、又は1nm~250nm、例えば1nm~150nm、又は1nm~100nm、例えば1nm~50nm、又は1nm~25nm、例えば1nm~10nm、又は好ましくは1nm~5nmの直径を有することができる。
【0218】
本発明のいずれかの態様の活性層は、2nm~1000nm、例えば3nm~800nm、又は4nm~600nm、例えば5nm~400nm、又は5nm~200nm、好ましくは5nm~150nm、又は5nm~100nmの厚さを有することができる。
【0219】
支持層は、活性層に対する構造用支持体となるように使用することができる。
【0220】
膜エンベロープの支持層は、あらゆる適切な厚さを有することができる。支持層の厚さは、5μm~200μmの間、例えば5μm~100μmの間、又は10μm~100μmの間、又は30μm~100μmの間、好ましくは30μm~90μmの間、より好ましくは30μm~85μmの間、例えば30μm~70μmの間、又は30μm~60μmの間であり得る。任意選択的に、支持層は、5μm~30μmの間、例えば8μm~25μmの間、又は8μm~20μmの間、好ましくは10μm~15μmの間の厚さを有することができ、適切には前記支持層はポリ(エーテル)スルホン支持層である。
【0221】
有利には、本発明のスパイラル巻き構成要素によって、高い化学安定性、機械的安定性、及び/又は熱安定性、清浄性を備えた良好なファウリング抵抗性、長寿命、高透過率、及び/又は制御可能な選択性を得ることができる。
【0222】
本発明の態様によるキャリアは、限定するものではないが重力濾過、減圧濾過、及び/又は加圧システムの下で機能するものなどの、広範囲の構成及び濾過装置中で利用することができる。
【0223】
本発明のいずれかの態様のキャリアは、あらゆる種類の濾過のためのものであり得る。適切には、本発明のキャリアは、水処理、例えば油/水の分離;分子分離、水生環境中の医薬品残留物を除去するための医薬品の濾過;生物濾過、例えば微生物と水との間の分離;脱塩又は選択的イオン濾過;並びに核廃水からの核放射性元素を除去するための核廃水の濾過;損傷した腎臓フィルター及び血液の濾過を代替するための生理学的濾過などの血液処理;及び/又は植物、例えば草などの供給源から誘導されるバイオプラットホーム分子の分離のためのものである。適切には、キャリアは、脱塩又は油及び水の分離などの水処理、又は医薬品濾過のためのものである。
【0224】
本明細書において「格子」という用語は、1つ以上の反復単位セルで構成される三次元構造を意味し、ここで、単位セルは、例えば隣接する単位セルに液体が流動できるように相互接続される。含まれる場合の三重周期表面は、用語「格子」という用語の一部である。
【0225】
本明細書において「層状構造」という用語は、少なくとも2つの重なり合う層を有する構造を意味する。本明細書において「活性層」又は「濾過膜層」という用語は、所望の溶解材料(溶質)、コロイド、又は微粒子を原液溶液から分離するために使用可能な多孔質バリアを意味する。これは、原液流と透過液流戸の間の界面を意味することができる。本明細書において「二次元材料」という用語は、少なくとも1つの寸法が100nm未満である材料を意味する。
【0226】
本明細書において言及される「シェルを有する」という用語は、特定の壁の厚さを有する構造の中空の固体部分を意味する。
【0227】
本明細書において、「より高次のアーカイバル格子構造」という用語は、別の格子構造から構成される構成要素を含む格子構造であって、上記別の格子構造は、引き続く格子構造から構成され、それが第n番目まで続きうる格子構造を意味する。
【0228】
乱流はレイノルズ数(Re):
【数5】
によって測定される。ここで、ρは、流体の密度であり、uは流速であり、Lは特徴的線形寸法であり、μは流体の動的粘度である。
【0229】
本発明の目的のためには、脂肪族基は、炭化水素部分であって、直鎖(すなわち非分岐)、分岐、又は環状であり得、完全飽和であり得るか、又は1つ以上の不飽和単位を含み得るが、芳香族ではない炭化水素部分である。「不飽和」という用語は、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を有する部分を意味する。したがって、「脂肪族」という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニルシクロアルケニル基、アルキニル基、又はシクロアルケニル基、並びにそれらの組み合わせを含むことが意図される。「(ヘテロ)脂肪族」という用語は、脂肪族基及び/又はヘテロ脂肪族基の両方を含む。
【0230】
脂肪族基は、任意選択的にC1~30脂肪族基であり、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個の炭素原子を有する脂肪族基である。任意選択的に、脂肪族基は、C1~15脂肪族であり、任意選択的にC1~12脂肪族であり、任意選択的にC1~10脂肪族であり、任意選択的にC1~8脂肪族であり、例えばC1~6脂肪族基である。適切な脂肪族基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基、並びにこれらの混合物、例えば(シクロアルキル)アルキル基、(シクロアルケニル)アルキル基、及び(シクロアルキル)アルケニル基が挙げられる。
【0231】
本明細書において使用される場合、「アルキル」という用語は、脂肪族部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基は、任意選択的に「C1~20アルキル基」であり、すなわち、1~20個の炭素を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。したがって、このアルキルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する。任意選択的に、アルキル基は、C1~15アルキル、任意選択的にC1~12アルキル、任意選択的にC1~10アルキル、任意選択的にC1~8アルキル、任意選択的にC1~6アルキル基である。特に、「C1~20アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ペンチル、イソペンチル、n-ペンチル基、ネオペンチル、n-ヘキシル基、sec-ヘキシル、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基などが挙げられる。
【0232】
本明細書において使用される場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される基を意味する。本明細書において使用される場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族の部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される基を意味する。アルケニル基及びアルキニル基は、それぞれ、任意選択的に「C2~20アルケニル」及び「C2~20アルキニル」、任意選択的に「C2~15アルケニル」及び「C2~15アルキニル」、任意選択的に「C2~12アルケニル」及び「C2~12アルキニル」、任意選択的に「C2~10アルケニル」及び「C2~10アルキニル」、任意選択的に「C2~8アルケニル」及び「C2~8アルキニル」、任意選択的に「C2~6アルケニル」及び「C2~6アルキニル」基である。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、アリル、1,3-ブタジエニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、アリル、1,3-ブタジエニル、及びアレニルが挙げられる。アルキニル基の例としては、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、及び1-プロピニルが挙げられる。
【0233】
本明細書において使用される場合、「脂環式」、「炭素環」、又は「炭素環式」という用語は、3~20個の炭素原子を有する飽和又は部分不飽和の環状脂肪族の単環式又は多環式の(縮合、架橋、及びスピロ縮合を含む)環系を意味し、すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する脂環式基を意味する。任意選択的に、脂環式基は、3~15個、任意選択的に3~12個、任意選択的に3~10個、任意選択的に3~8個の炭素原子を有し、任意選択的に3~6個の炭素原子を有する。「脂環式」、「炭素環」、又は「炭素環式」という用語は、1つ以上の芳香環又は非芳香環、例えばテトラヒドロナフチル環と縮合する脂肪族環も含み、ここで結合点は脂肪族環上に存在する。炭素環式環は、多環式、例えば二環式又は三環式であり得る。脂環式基は、1つ以上の結合性又は非結合性アルキル置換基、例えば-CH-シクロヘキシルを有する脂環式環を含むことができることは認識されよう。特に、炭素環の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、バイシクル[2,2,1]ヘプタン、ノルボレン(norborene)、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、スピロ[4.5]デカン、シクロヘプタン、アダマンタン、及びシクロオクタンが挙げられる。
【0234】
ヘテロ脂肪族基(ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルを含む)は、1つ以上のヘテロ原子をさらに含む前述の脂肪族基である。したがって、ヘテロ脂肪族基は、任意選択的に2~21個の原子、任意選択的に2~16個の原子、任意選択的に2~13個の原子、任意選択的に2~11個の原子、任意選択的に2~9個の原子、任意選択的に2~7個の原子を含み、少なくとも1つの原子が炭素原子である。任意選択のヘテロ原子は、O、S、N、P、及びSiから選択される。ヘテロ脂肪族基が2つ以上のヘテロ原子を有する場合、ヘテロ原子は、同じ場合も異なる場合もある。ヘテロ脂肪族基は、置換又は非置換、分岐又は非分岐、環式又は非環式であり得、飽和、不飽和、又は部分不飽和の基を含むことができる。
【0235】
脂環式基は、3~20個の炭素原子を有する飽和又は部分不飽和で環状脂肪族の単環式又は多環式の(縮合、架橋、及びスピロ縮合を含む)環系であり、すなわち3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する脂環式基である。任意選択的に、脂環式基は、3~15個、任意選択的に3~12個、任意選択的に3~10個、任意選択的に3~8個の炭素原子、任意選択的に3~6個の炭素原子を有する。「脂環式」という用語は、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びシクロアルキニル基を含む。脂環式基は、1つ以上の結合性又は非結合性アルキル置換基、例えば-CH-シクロヘキシルを有する脂環式環を含むことができることは認識されよう。特に、C3~20シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
【0236】
アリール基又はアリール環は、5~20個の炭素原子を有する単環式の又は多環式の環系であり、環系の少なくとも1つの環が芳香族であり、環系のそれぞれの環は3~12個の環の要素を含む。アリール基は、任意選択的に「C6~12アリール基」であり、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子で構成されるアリール基であり、単環式環基、又は二環式環基などの縮合環を含む。特に、「C6~10アリール基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、アントラシル基、ナフチル基、又はアズレニル基などが挙げられる。インダン、ベンゾフラン、フタルイミド、フェナントリジン、及びテトラヒドロナフタレンなどの縮合環もアリール基に含まれることに留意すべきである。
【0237】
本明細書において使用される場合、特にはっきりと明記されなければ、値、範囲、量、又はパーセント値を表すものなどのあらゆる数字は、「約」という用語が明確に現れない場合でも、「約」という単語が前に付けられるかのように読むことができる。本明細書において使用される場合、「約」という用語は、記載の値の±10%を意味する。
【0238】
また、本明細書に示されるあらゆる数値範囲は、その中に包含されるあらゆる部分範囲を含むことが意図される。単数形は複数形を含んでおり、逆もまた同様である。
【0239】
本明細書において使用される場合、「ポリマー」という用語は、オリゴマーと、ホモポリマーとコポリマーとの両方とを意味し、「ポリ」という接頭語は、2つ以上を意味する。含む、例えば、及び同様の用語は、例えばを含むが、それに限定されるものではないことを意味する。
【0240】
さらに、本発明は「含む」を用いて記載されているが、本明細書に詳細に記載されるプロセス、材料、及びコーティング組成物は、「から本質的になる」又は「からなる」として記載することもできる。
【0241】
本明細書において使用される場合、別の記載がなければ、「平均」は算術平均(mean average)を意味する。
【0242】
ある種類に関して複数の範囲が提供される場合、それぞれの範囲は、その種類の列挙される種のいずれか1つ以上に追加で独立して適用することもできる。
【0243】
本明細書に含まれるすべての特徴は、あらゆる組み合わせで前述の態様と組み合わせることができる。
【0244】
本発明のより十分な理解のため、及び本発明の態様を実行に移すことができる方法を示すために、これより例として以下の実験データ及び図が参照される。
【0245】
これより、単なる例として、添付の図面を参照しながら本開示の態様を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0246】
図1】ポリアミド複合薄膜(TFC)逆浸透(RO)工業用脱塩膜の断面図を示している。膜(100)は、(i)活性層(102);(ii)a支持層(104);及び(iii)バッキング層(106)の3層を含む。
図2】透過液の流動が可能となるように透過液キャリアとして使用可能な付加印刷された構成要素(200)の斜視図を示している。
図3】透過液の流動が可能となるようにバッキング層として使用可能な付加印刷された構成要素(300)の斜視図を示している。
図4】透過液の流動が可能となるように複合透過液キャリア及びバッキング層として使用可能な付加印刷された構成要素(400)の斜視図を示している。
【実施例
【0247】
透過液キャリア構成要素
比較例1:図1を参照すると、編まれた構造及び863μmの厚さを有する原液スペーサーと;編まれた不規則な非格子構造及び457μmの厚さを有する透過液キャリアを含む膜エンベロープと;膜(100)であって、(i)100nmの厚さを有するポリアミドの界面重合によって製造された活性層(102)と;(ii)50μmの厚さを有するUFPESでできた支持層(104)と;(iii)120μmの厚さを有する不織ポリエステルでできたバッキング層(106)との3層を含む膜(100)とで形成されたポリアミドTFC RO工業用脱塩膜。この膜は、1000m/mの充填密度を有した。20,000ppmの塩濃度を有する前処理後の海水原液を膜内に誘導した。2300を超えるRe数を得て、2L/(mhr)の透過流束を得るために、55barの圧力において1.2m/sの流速が必要であった。
【0248】
実施例1:図2を参照すると、編まれた構造及び863μmの厚さを有する原液スペーサーと;不均一な格子構造及び275μmの厚さを有する本発明による透過液キャリア構成要素(200)を含む膜エンベロープと;膜であって、(i)100nmの厚さを有するポリアミドの界面重合によって製造された活性層と;(ii)50μmの厚さを有するUF PESでできた支持層と;(iii)120μmの厚さを有する不織ポリエステルでできたバッキング層との3層を含む膜とで形成されたポリアミドTFC RO工業用脱塩膜。
【0249】
透過液キャリア(200)は、単位セルサイズの孔径が格子構造のZ面に沿って変化するように不均一である格子構造から形成される。単位セルの孔径は、格子構造の中央(202)で最大となり、単位セルの孔径は格子構造の上面(204a)及び底面(204b)に向かって減少する。
【0250】
20,000ppmの塩濃度を有する前処理後の海水原液を、透過液キャリア構成要素(200)を含むポリアミドTFC RO工業用脱塩膜内に誘導した。この膜は、2300のRe数に到達するために0~1m/sの間の流速で使用することができた。1m/sの海水原液流速において、45barの圧力で、2300を超えるRe数が得られ、3L/(mhr)の透過液流束速度が得られた。構成要素(200)の構造によって、充填密度が、1000m/mの比較例よりも15%だけ増加して1150m/mになった。
【0251】
バッキング層構成要素
比較例2:編まれた構造及び863μmの厚さを有する原液スペーサーと;編まれた不規則な非格子構造及び457μmの厚さを有する透過液キャリアを含む膜エンベロープと;膜であって:(i)150nmの厚さを有するポリアミドの界面重合によって製造された活性層と;(ii)80μmの厚さを有するUFPESでできた支持層と;(iii)150μmの厚さを有する不織ポリエステルでできたバッキング層との3層を含む膜とで形成されたスパイラル巻き膜。このスパイラル巻き膜は900m/mの充填密度を有した。30~50L/(mhr)の水収率を実現するために、2000ppmのMgSO4のかん水原液を用いて7barの膜透過圧力が必要であった。
【0252】
実施例2:図3を参照すると、編まれた構造及び863μmの厚さを有する原液スペーサーと、編まれた不規則な非格子構造及び457μmの厚さを有する透過液キャリアを含む膜エンベロープと、膜であって、(i)150nmの厚さを有するポリアミドの界面重合によって製造される活性層と;(ii)80μmの厚さを有するUF PESでできた支持層(104)と;(iii)90μmの厚さを有する本発明によるバッキング層構成要素(300)との3層を含む膜とで形成されたスパイラル巻き膜。
【0253】
バッキング層(300)は、単位セルサイズの孔径が格子構造のZ面に沿って変化するように不均一である格子構造から形成される。単位セルの孔径は格子構造の底面から中央(302)で最大となり、単位セルの孔径は格子構造の上面(304)に向かって減少する。
【0254】
バッキング層構成要素(300)を使用すると、1000m/mの充填密度を有する比較例2よりも5%だけ充填密度が増加して1050m/mとなった。2000ppmのMgSO4のかん水原液を用いて、5barの膜透過圧力で、30~50L/(mhr)の水収率が得られた。
【0255】
複合透過液キャリア及びバッキング層構成要素
比較例3:660μmの厚さを有する原液スペーサーと;不規則な非格子及び457μmの厚さを有する透過液キャリアを含む膜エンベロープと;Toray膜であって、(i)200nmの厚さを有する架橋芳香族ポリアミドの活性分離層と;(ii)45μmの厚さを有するPESの支持層(104)と;(iii)100μmの厚さ及び不規則な非格子構造を有する不織ポリエステルでできたバッキング層(106)とを含むToray膜とを含むTorayの8インチの工業用スパイラル巻きユニット。この膜に対して、従来の編まれた原液スペーサーとともにスパイラル巻きが行われて、スパイラル巻きユニットが得られる。このスパイラル巻きユニットは約1000m/mの充填密度を有する。
【0256】
実施例3:図4を参照すると、660μmの厚さを有する原液スペーサーと;膜エンベロープであって、(i)200nmの厚さを有する架橋芳香族ポリアミドの活性層と;(ii)45μmの厚さを有するPESの支持層と;(iii)120μmの全体厚さ(406)を有する本発明による不均一な格子構造を有する複合透過液キャリア及びバッキング層構成要素(400)とを含む膜を含む膜エンベロープとを含む、スパイラル巻きユニットが提供されている。この膜エンベロープに対して、従来の編まれた原液スペーサーとともにスパイラル巻きを行って、スパイラル巻きユニットが得られた。
【0257】
複合透過液キャリア及びバッキング層構成要素(400)は、単位セルサイズの孔径が格子構造のZ面に沿って変化するように不均一である格子構造から形成される。単位セルの孔径は、格子構造の上面から中央(402)で最大であり、単位セルの孔径は格子構造の底面(404)に向かって減少する。
【0258】
本発明による膜を含むスパイラル巻きユニットの充填密度は、1000m/mの充填密度を有する比較例3と比較して50%だけ増加して1500m/mとなった。2L/(mhr)の透過流束を得るために、海水原液を用いる場合、39barの膜透過圧力が必要であった。
【0259】
本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示されるすべての特徴、及び/又はそのように開示されるいずれかの方法又はプロセスのすべてのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに排他的となる組み合わせを除いたあらゆる組み合わせで組み合わせることができる。
【0260】
特に明記されなければ、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)中に開示されるそれぞれの特徴は、同一、同等、又は同様の目的を果たす別の特徴によって置き換えることができる。したがって、特に明記されなければ、開示されるそれぞれの特徴は、包括的な一例の同等又は類似の特徴の単なる一例である。
【0261】
本発明は、以上の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示される特徴のあらゆる新規なもの若しくはあらゆる新規な組み合わせ、又はそのように開示されるいずれかの方法若しくはプロセスのステップのあらゆる新規なもの若しくはあらゆる新規な組み合わせに拡張される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】