(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】膜装置
(51)【国際特許分類】
B01D 71/02 20060101AFI20240227BHJP
B01D 69/10 20060101ALI20240227BHJP
B01D 69/12 20060101ALI20240227BHJP
B01D 71/06 20060101ALI20240227BHJP
B01D 69/04 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B01D71/02
B01D69/10
B01D69/12
B01D71/06
B01D69/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555475
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 GB2022050622
(87)【国際公開番号】W WO2022189793
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523343662
【氏名又は名称】エヴォヴ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リュウ カンシェン
(72)【発明者】
【氏名】プー トム
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス トリスタン
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA77
4D006JA03A
4D006JA03B
4D006MA02
4D006MA09
4D006MC03
4D006MC05
4D006MC07
(57)【要約】
多孔質セラミック部材を含む膜装置。この多孔質セラミック部材は、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含む。第2の支持部分は、第1の支持部分のD
75平均孔径よりも大きいD
75平均孔径を有する。第2の支持部分は、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含む。この多孔質セラミック部材は、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミック部材を含む膜装置であって、前記多孔質セラミック部材が、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含み、
前記第2の支持部分が、前記第1の支持部分のD
75平均孔径よりも大きいD
75平均孔径を有し、
前記第2の支持部分が、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含み、
前記多孔質セラミック部材は、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する、膜装置。
【請求項2】
前記第1の支持部分の少なくとも一部にわたって延在する活性層をさらに含む、請求項1に記載の膜装置。
【請求項3】
前記格子が、少なくとも部分的にシェルを有することで、内部が中空の構造を形成する、請求項1又は2に記載の膜装置。
【請求項4】
前記格子構造が、ダイヤモンド構造、立方体構造、ホタル石構造、オクテット構造、ケルビンセル構造、アイソトラス構造、ヘックスプリズムダイヤモンド構造、切頂管構造、切頂八面体構造、ウィア=フェラン構造、体心立方構造、及び/又は面心立方構造を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項5】
前記格子構造が、ジャイロイド構造、schwarz P構造、schwarz D構造、schwarz CLP構造、schwarz H構造、splitP構造、neovius構造、及び/又はダブルジャイロイド構造を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項6】
前記第2の支持部分が、透過液収集場所に向かって実質的に層流が生成されるように使用可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項7】
前記第2の支持部分が乱流経路を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項8】
前記第2の支持部分が不均一格子構造を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項9】
前記第2の支持部分がマクロポーラスである、請求項1~8のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項10】
前記第2の支持部分の前記D
75平均孔径が、≧0.1mm、例えば≧0.2mm、例えば≧0.3mm、例えば≧0.4mmである、請求項1~9のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項11】
前記第2の支持部分の前記D
75平均孔径が、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mm、例えば≦1mmである、請求項1~10のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項12】
前記第1の支持部分の細孔のD
75平均サイズが、1~20μm、例えば2~15μm、又は3~10μmである、請求項1~11のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項13】
前記第1の支持部分が、≧10μm、例えば≧20μm又は≧300μm、例えば≧40μm又は≧50μmの平均厚さを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項14】
前記第1の支持部分が、≦1000μm、例えば≦800μm又は≦600μmの平均厚さを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項15】
前記第1の支持部分が、≦200μm、例えば≦150μmの厚さを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項16】
前記第1の支持部分及び前記第2の支持部分が一体的に形成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項17】
前記多孔質セラミック部材が、ある表面粗さを有し、適切には0~1μmのRzを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項18】
前記膜装置が、前記多孔質セラミック部材によって少なくとも部分的に間隔をあけられた少なくとも2つの原液流動チャネルを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項19】
少なくとも2つの流動チャネルのそれぞれが、少なくとも部分的に前記第1の支持部分に形成されるチャネル壁を含み、これは、その上に少なくとも部分的に配置された活性層を任意選択的に含むことができる、請求項1~18のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項20】
前記少なくとも2つの間隔をあけられた原液流動チャネルは、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して≦4mm、例えば≦3mm、又は≦2mmだけ間隔をあけられる、請求項18又は19に記載の膜装置。
【請求項21】
前記膜装置中の隣接する流動チャネルの前記最も狭い場所の間の平均距離が、2つの隣接する流動チャネルの間の前記最も狭い場所から測定して≦4mm、例えば≦3mm、又は≦2mmである、請求項18~20のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項22】
前記多孔質セラミック部材、前記第1の支持部分、及び/又は前記第2の支持部分が、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、ハイドロキシアパタイト、シリケート、ゼオライト、金属酸化物、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項23】
前記第1の支持部分及び前記第2の部分が、同じセラミック材料を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項24】
前記第1の支持部分及び前記第2の部分が、異なるセラミック材料を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項25】
前記多孔質セラミック部材、前記第1の支持部分、及び/又は前記第2の支持部分が、添加剤、例えば、細孔形成剤(PFA)、例えば、小麦粒子、デンプン、PMMA、ケシの実、及びおがくず、官能化剤、ナノ材料、金属有機構造体、及び/又は二次元材料、例えば遷移金属ジカルコゲニド及び/又は酸化グラフェンを含む組成物から形成される、請求項1~24のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項26】
第1の支持部分が、5~50%の多孔度パーセント値、例えば10~40%、例えば15~35%の多孔度を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項27】
第2の支持部分が、40~80%、好ましくは60~80%の多孔度パーセント値を有する、請求項1~26のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項28】
第2の支持部分が、≧45%の多孔度パーセント値、例えば≧50%、例えば≧55%、例えば≧60%の多孔度を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項29】
前記多孔質セラミック部材が、≧0.5MPa、例えば≧1MPa、又は≧2MPa、任意選択的に2MPa~200GPaの範囲内の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項30】
前記装置が、≧200m
2/m
3、例えば≧350m
2/m
3、例えば≧500m
2/m
3の膜充填密度、例えば活性層充填密度を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項31】
前記活性層が、少なくとも2層の二次元材料を含む層状構造を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項32】
前記活性層が、遷移金属ジカルコゲニド(TMD)及び/又はグラフェン又はその誘導体を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項33】
前記活性層が金属有機構造体(MOF)を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項34】
前記膜装置が、汚染物質からの水の処理及び分離に使用される、請求項1~33のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項35】
前記多孔質セラミック部材が付加製造によって得られる、請求項1~34のいずれか一項に記載の膜装置。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の多孔質セラミック部材を含む水処理膜装置。
【請求項37】
膜装置が請求項1~36のいずれか一項に記載されるような膜装置の製造方法であって:
a.前記多孔質セラミック部材の付加製造によって、前記第2の支持部分の前記格子構造を生成し、前記第1の支持部分を形成することと;
b.任意選択的に、前記第1の支持部分からバインダーを除去して、前記第1の支持部分の中に細孔を形成することと;
c.任意選択的に、適切には前記第1の支持部分の上に活性層組成物を塗布することによって、前記第1の支持部分の少なくとも一部に活性層を塗布することと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記第1及び/又は第2の支持部分が、バインダージェット印刷、ステレオリソグラフィ、デジタルライトプロセッシング、二光子重合、インクジェット印刷、ダイレクトインクライティング、3次元印刷、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ラミネートオブジェクト製造、及び/又は溶融堆積モデリングを用いて製造される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1及び第2の支持部分が、付加製造によって一体的に形成される、請求項35~38のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜装置に関する。特に、水精製のための付加製造によって得られるセラミック膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学殺菌、太陽殺菌、沸騰、沈殿、及び蒸留などの従来の水処理方法は、世界の人口の運搬可能な水の必要量に低コストで適合するには不十分である。この問題に取り組むために、一般に、限外濾過(UF)、精密濾過(MF)、ナノ濾過(NF)、及び逆浸透(RO)を含む圧力駆動の膜に基づく水処理技術などのより進歩した技術が確立され工業化されている。熱入力、化学添加剤、及び還元性媒体の再生の利用を回避することの利点が得られることによって、これらの方法により水処理産業が非常に改善されている。しかし、持続可能な水処理及び現代の水処理産業のために、高いふるい分け選択性、低エネルギーコスト、及びより速い水流束速度などのさらに改善された性質を有する機能性膜が得られることが依然として望ましい。
【0003】
膜濾過は、原理上、大きな熱入力がなく、化学添加剤がより少なく、使用済み媒体の再生の必要性がより少ないため、別の水処理技術よりも好都合である。圧力駆動膜プロセスは、食品及び石油産業の廃棄物処理から海水淡水化まで種々の用途に及ぶ、微粒子、イオン、微生物、細菌、及び天然有機材料を除去するための廃水処理において最も広く使用されている膜技術である。
【0004】
典型的には、分離膜は、特徴的孔径又は意図される用途により分類される。0.1μm~100μmの範囲内の孔径を有する精密濾過膜(MF)は、細菌、シスト、酵母細胞、懸濁粒子、顔料、及びアスベストの除去に使用することができる。0.01μm~0.1μmの範囲内の孔径を有する限外濾過膜(UF)は、タンパク質、コロイド粒子、及びウイルスの除去に使用することができる。0.001~0.01μmの範囲内の孔径を有するナノ濾過膜(NF)は、多価イオン、溶解化合物、中間のサイズの有機分子、小さいタンパク質、小さいコロイド粒子の選択に使用することができる。0.001μm未満の孔径を有する逆浸透膜(RO)は、イオン及び小さい有機分子の除去に使用することができる。
【0005】
現在、市販の分離膜は、広範囲の用途で十分に機能するが、より少ない資本コスト及び運転コストで新しい水資源を生成し、既存の水資源を保護するためには、改善され調整可能なファウリング抵抗性、サイズ排除、より高い選択性、より少ないエネルギー入力におけるより高い生産性、より長い寿命、改善された耐薬品性及び機械的抵抗性、並びにより少ない製造欠陥などの性質を有するより進歩した膜が要求される。したがって、上記の要求を満たす性質を有する新規な材料、膜システム、及び処理技術が望まれる。
【0006】
ナノポーラス材料は、水分離膜における用途を有することができるが、このような材料を使用すると、拡張性、機械的強度、化学的堅牢性、寿命、液体媒体中への溶解、並びに材料の高コスト、及びそれらの混入に必要な引き続く製造プロセスの高コストに関連する問題が生じる。したがって、特に水処理用途のための、改善された分離用膜が必要とされる。
【0007】
ある用途に使用するために十分な機械的性質を有するために、膜は通常、特定の厚さの材料から製造される。しかし、より薄い膜は、製造に使用される材料が少なく、流束を改善することができる。したがって、良好な分離が得られる膜を生産するために、これらの性質の間のバランスが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の態様の目的は、前述又はその他の問題の1つ以上に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によると、多孔質セラミック部材を含む膜装置であって、多孔質セラミック部材が、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含み、第2の支持部分が、第1の支持部分のD75平均孔径よりも大きいD75平均孔径を有し、第2の支持部分が、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含み、多孔質セラミック部材が、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する、膜装置が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によると、多孔質セラミック部材を含む膜装置であって、多孔質セラミック部材が付加製造によって得られ、多孔質セラミック部材が、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含み、第2の支持部分が、第1の支持部分D75平均孔径よりも大きいD75平均孔径を有し、第2の支持部分が、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含み、多孔質セラミック部材が、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する、膜装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様によると、多孔質セラミック部材を含む水処理膜装置であって、多孔質セラミック部材が、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含み、第2の支持部分が、第1の支持部分D75平均孔径よりも大きいD75平均孔径を有し、第2の支持部分が、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含み、多孔質セラミック部材が、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有する、水処理膜装置が提供される。
【0012】
本発明の第4の態様によると、多孔質セラミック部材を含む膜装置の製造方法であって、多孔質セラミック部材が、活性層を支持するために使用可能な第1の支持部分を含み、第2の支持部分をさらに含み、第2の支持部分が、第1の支持部分のD75平均孔径よりも大きいD75平均孔径を有し、第2の支持部分が、≧40%の多孔度パーセント値を有する格子構造を含み、多孔質セラミック部材が、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有し:
a.多孔質セラミック部材の付加製造によって、第2の支持部分の格子構造を生成し、第1の支持部分を形成するステップと;
b.任意選択的に、第1の支持部分からバインダーを除去して、第1の支持部分の中に細孔を形成するステップと;
c.任意選択的に、適切には第1の支持部分の上に活性層組成物を塗布することによって、第1の支持部分の少なくとも一部に活性層を塗布するステップと、
を含む方法が提供される。
【0013】
有利には、本発明の膜装置によって、より薄い多孔質セラミック部材が得られ、これによって、製造プロセス中に膜/活性層を機械的に提供し及び/又は支持することができ、最終フィルター用途において、所望の流体力学的性質が得られながら、より高い充填密度が可能となる。本発明により得られる結果によって、最終フィルター用途における流体の流れを制限しないように高い多孔度を維持することができる。
【0014】
膜装置は、多孔質セラミック部材上に支持される活性層をさらに含むことができ、特に、活性層は第1の支持部分の少なくとも一部にわたって延在する。活性層の塗布によって、濾過の選択性を高めることができる。
【0015】
本発明において、膜壁は、付加製造された多孔質セラミック格子構造のためにより薄くなることができ、これによって膜構造の充填密度を増加させることができ、膜内により多くの活性表面積を形成することができる。より薄い膜壁によって、デッドエンド細孔もより少なくなり、蛇行する経路も少なくなり、膜を横断する流束も増加する。
【0016】
第1の支持部分は、≧10μm、例えば≧20μm、≧30μm、≧40μm、例えば≧50μmの平均厚さを有することができる。
【0017】
第1の支持部分は、≦1000μm、例えば≦800μm、≦600μm、≦400μm、例えば≦200μmの平均厚さを有することができる。
【0018】
第1の支持部分は、10μm~1000μmの間、例えば20~800μm、又は30~600μm、例えば40~400μm、又は50~200μm、例えば50~150μm、又は50~100μmの平均厚さを有することができる。本明細書において言及される第1の支持部分は、原液入口側と透過液出口側との間のセラミック表面を意味することができる。
【0019】
第2の支持部分は、透過液収集場所に向かって実質的に層流が生成されるように使用可能となりうる。
【0020】
第2の支持部分は乱流経路を含むことができる。有利には、これによって流体内容物のより十分な均質化が可能となる。
【0021】
本発明の膜装置は、原液流動チャネル、適切には複数の原液流動チャネル、例えば複数の実質的に直線状、任意選択的に実質的に平行の原液流動チャネルを含むことができる。原液流動チャネルは実質的に円筒形であり得る。
【0022】
原液流動チャネルの平均幅/直径は、≧0.1mm、例えば≧0.3mm、又は≧0.5mmであり得る。この状況での「幅」は、チャネルの最大横寸法を意味することが意図される。原液流動チャネルの平均幅/直径は、≦10mm、例えば≦7mm、又は≦5mmであり得る。原液流動チャネルの平均幅/直径は、0.1~10mm、例えば0.3~7mm、又は0.5~5mmであり得る。
【0023】
膜装置は、少なくとも2つの原液流動チャネルであって、それらの長さの少なくとも一部に沿って、第1及び第2の支持部分によって間隔をあけられる、例えば2つの第1の支持部分と2つの第1の支持部分の間に配置される第2の支持部分とによって間隔をあけられる、少なくとも2つの原液流動チャネルを含むことができる。
【0024】
少なくとも2つの、間隔をあけられた原液流動チャネルは、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して≦4mm、例えば≦3mm、又は≦2mmだけ間隔をあけることができる。
【0025】
少なくとも2つの、間隔をあけられた原液流動チャネルは、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して≧0.03mm、例えば≧0.06mm、又は≧0.09mmだけ間隔をあけることができる。
【0026】
少なくとも2つの、間隔をあけられた原液流動チャネルは、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して0.03mm~4mm、例えば0.06mm~3mm、又は0.9mm~2mmだけ間隔をあけることができる。
【0027】
膜装置中の隣接する流動チャネルの最も狭い場所の間の平均距離は、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して≦4mm、例えば≦3mm、又は≦2mmであり得る。
【0028】
膜装置中の隣接する流動チャネルの最も狭い場所の間の平均距離は、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して≧0.03mm、例えば≧0.06mm、又は≧0.9mmであり得る。
【0029】
膜装置中の隣接する流動チャネルの最も狭い場所の間の平均距離は、2つの隣接する流動チャネルの間の最も狭い場所から測定して0.03mm~4mm、例えば0.06mm~3mm、又は0.09mm~2mmであり得る。
【0030】
膜装置は、あるチャネルピッチを含むことができ、≦14mm、例えば≦10mm、又は≦7mmのそのような平均ピッチを含むことができる。
【0031】
膜装置は、あるチャネルピッチを含むことができ、≧0.13mm、例えば≧0.36mm、又は≧0.59mmのそのような平均ピッチを含むことができる。
【0032】
膜装置は、あるチャネルピッチを含むことができ、0.13mm~14mm、例えば0.36mm~10mm、又は0.59~7mmのそのような平均ピッチを含むことができる。
【0033】
本明細書において使用される場合、「チャネルピッチ」は、原液流動チャネルの中心点から測定した2つに隣接する原液流動チャネルの間の距離を意味する。
【0034】
膜装置は、≧200m2/m3、例えば≧350m2/m3、例えば≧500m2/m3の膜充填密度、例えば活性層充填密度を有することができる。
【0035】
充填密度は、当業者に周知のあらゆる適切な方法によって計算することができる。一般的には:
【数1】
【0036】
例えば、膜装置が円筒形の原液流チャネルを含む場合、その充填密度は以下のように計算することができる;
寸法測定は以下のように行われる:
r
c=1つのチャネルの半径
L=チャネル長さ
r
f=セラミックフィルターの半径
L
f=セラミックフィルターの長さ
C=2×π×r
c
V=L
f×π×r
f
2
C=チャネル周囲の長さ
L
c=チャネルの長さ
N=チャネルの数
V=セラミックフィルターの体積
【数2】
【0037】
膜装置は、≧3の原液流動チャネル、例えば≧5又は≧10の原液流動チャネルを含むことができる。原液流動チャネルは、原液が別の原液流動チャネルに流入することができるように相互接続される場合があり、又は原液が別の原液流動チャネルに流入するように操作できないように別個のものである場合もある。
【0038】
原液流動チャネルは、多孔質セラミック部材内に延在することができ、適切には、多孔質セラミック部材/膜装置の一方の側から、部材/装置の実質的に反対側までなど、多孔質セラミック部材を通過して延在することができる。流動チャネルは、円筒形のチャネルであり得る。
【0039】
流動チャネルは、第1及び第2の支持部分と一体的に形成することができる。流動チャネルは、少なくとも部分的に第1の支持部分に形成されるチャネル壁を含むことができ、これは任意選択的に、チャネルの内面の上に少なくとも部分的に配置された活性層を含むことができる。原液流動チャネル壁は、実質的に第1の支持部材によって形成することができ、任意選択的に、少なくとも部分的にその上に配置された活性層を有することができる。チャネルを通過して流れる原液は、任意選択の活性層及び第1の支持部分を通過して流れるように操作可能であり、それによって濾過されて、第2の支持部分を通過する透過液流を形成し、次に多孔質セラミック部材を出て透過液収集場所まで流れることができる。第2の支持部分はシェルを有することができ、それによって多孔質セラミック部材から透過液収集場所までの二次透過液流動経路を形成することができる。
【0040】
本明細書に言及される場合、「格子構造」は、1つ以上の反復単位セルで構成される三次元構造を意味し、これらのセルは、流体が隣接するセルまで流れることができるように相互接続される。三重周期表面(triply period surface)は、「格子」という用語の一部に含まれる。
【0041】
格子構造は、≧0.01mm、例えば≧0.1mm、又は≧0.25mmの単位セルサイズを有する単位セルを含むことができる。
【0042】
格子構造は、≦10mm、例えば≦7mm、又は≦5mmの単位セルサイズを有する単位セルを含むことができる。
【0043】
格子構造は、ダイヤモンド構造、立方体構造、ホタル石構造、オクテット構造、ケルビンセル構造、アイソトラス構造、ヘックスプリズムダイヤモンド構造、切頂管構造、切頂八面体構造、ウィア=フェラン(Weaire-Phelan)構造、体心立方構造、及び/又は面心立方構造を有する単位セルを含むことができる。任意選択的に、格子構造は、ジャイロイド構造、schwarz P構造、schwarz D構造、schwarz CLP構造、schwarz H構造、splitP構造、neovius構造、又はダブルジャイロイド構造から選択されるTPMS構造を有する単位セルを含むことができる。
【0044】
第2の支持部分は不均一格子構造を含むことができる。不均一格子は、全体的な格子構造において1つ以上の種類の単位セルが別の種類の単位セルとは異なる格子構造を意味する。
【0045】
格子の不均一性は、1つ以上の異なる構造上の特徴により生じうる。例えば、格子の支柱の太さの差;格子単位セルの空間の差;及び/又は格子単位セルの形状の差。
【0046】
不均一格子は、勾配を有する、適切にはバイアス長さが変化する直線勾配を有するジャイロイド構造;壁の厚さが変化する(直線)勾配を有するジャイロイド構造;及び/又は支柱の太さが変化する(直線)勾配を有するダイヤモンド格子構造を含むことができる。
【0047】
多孔質セラミック部材は、≧0.5MPa、例えば≧1MPa又は≧2MPa、任意選択的に2MPa~200GPaの範囲内の原液印加圧力に耐えるように使用可能な引張強度を有することができる。
【0048】
本明細書において使用される場合、「原液印加圧力に耐えるように使用可能」は、多孔質セラミック部材の構造を実質的に損傷することなく特定の圧力において膜装置中で必要な機能を実質的に果たすように多孔質セラミック部材が使用できることを意味する。本明細書において使用される場合、引張強度は3点曲げ試験を用いて測定した。
【0049】
不均一格子は、異なる格子セル形状を含むことができる。
【0050】
第2の支持部分が不均一格子構造を含む場合、第2の支持部分の平均厚さは10~2000μmの間であり得る。
【0051】
有利には、不均一格子は、強度が必要な領域でのみ厚くすることができ、これによって使用される材料の量を減少させることができる。厚さは、多孔度にも直接影響を与え、より低い多孔度を有するより厚い領域と、より高い多孔度を有するより薄い領域とを有する。より高い多孔度は、液体が通過できる領域が広く、流束が増加することを意味するので、必要な場合に単に厚くなった領域を有することは、多孔質セラミック部材全体でより高い多孔度であることを意味する。
【0052】
格子単位セルは、シェルを有することで、内部が中空の構造を形成することができる。内部構造の少なくとも一部は、別のシェルを有する単位セルとともに一連の相互接続された空隙を形成することができる。この内部の一連の相互接続された空隙は、透過液が通過するためのさらなる導管を得るために使用することができる。有利には、相互接続された空隙によって、支持部分の全体の多孔度が増加しながら、必要な強度は維持される。相互接続された空隙によって、第2の支持部分の多孔度を約5~15%だけ増加させることができ、例えば多孔度を10%増加させることができる。適切には、第2の支持部分は、≧45%、例えば≧50%、又は≧55%の多孔度パーセント値を有することができる。内部の相互接続された空隙によって、さらに、膜装置の製造に使用される材料が減少し、重量及びコストが減少する。
【0053】
多孔質セラミック部材、第1の支持部分、及び/又は第2の支持部分は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、ハイドロキシアパタイト、シリケート、ゼオライト、金属酸化物、又はそれらの組み合わせを含むことができるセラミック材料を含む組成物から形成することができる。セラミック材料は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、ハイドロキシアパタイト、シリケート、ゼオライト、金属酸化物、又はそれらの組み合わせを含むことができる。第1及び第2の支持部分は、同じ又は異なるセラミック材料を含む。
【0054】
組成物は、さらなる添加剤を含むことができる。例えば、組成物は、細孔形成剤(PFA)、例えば、小麦粒子、デンプン、PMMA、ケシの実、及びおがくず、官能化剤、ナノ材料、金属有機構造体、及び/又は二次元材料、例えば遷移金属ジカルコゲニド及び/又は酸化グラフェンを含むことができる。
【0055】
第2の支持部分は、あらゆる適切なD75平均孔径を有することができる。好ましくは、第2の支持部分はマクロポーラスであり得る。第2の支持部分のD75平均孔径は、≧0.1mm、例えば≧0.2mm、例えば≧0.3mm、例えば≧0.4mmであり得る。第2の支持部分のD75平均孔径は、≦5mm、例えば≦4mm、例えば≦3mm、例えば≦2mm、例えば≦1mmであり得る。第2の支持部分のD75平均孔径は、約0.1~5mm、例えば約0.2~4mm、例えば約0.3~3mm、例えば約0.4~1mmであり得る。
【0056】
第1の支持部分は、あらゆる適切なD75平均孔径を有することができる。第1の支持部分のD75平均孔径は、使用されるセラミック組成物の成分、及びセラミック組成物の焼結プロセスによって決定される場合がある。第1の支持部分のD75平均孔径は、用途に応じて0.05~20μmであり得る。例えば、第1の支持部分D75平均孔径は、用途が粒子濾過、精密濾過、ナノ濾過、及び逆浸透濾過に関連するかどうかにより変化させることができる。第1の支持部分は、典型的には微孔質であり得る。典型的には、第1の支持部分のD75平均孔径は、≧1μm、例えば≧2μm、例えば≧3μm、例えば≧5μmであり得る。第1の支持部分のD75平均孔径は、≦20μm、例えば≦15μm、例えば≦10μmであり得る。第1の支持部分のD75平均孔径は、約1~20μm、例えば約2~15μm、又は約3~10μmであり得る。
【0057】
D75平均孔径は、水銀圧入ポロシメトリーなどの当業者に周知の方法により測定することができる。
【0058】
第1の支持部分は、≧5%の多孔度パーセント値、例えば≧10%、例えば≧15%の多孔度を有することができる。第1の支持部分は、≦50%の多孔度パーセント値、例えば≦40%、典型的には、≦35%の多孔度を有することができる。第1の支持部分は、約5~50%の間の多孔度パーセント値、例えば10~40%、例えば15~35%の多孔度を有することができる。
【0059】
第2の支持部分は、≧45%、例えば≧50%、例えば≧55%、例えば≧60%の多孔度パーセント値を有することができる。第2の支持部分は、≦80%、例えば≦75%、例えば≦70%の多孔度パーセント値を有することができる。第2の支持部分は、約40~80%の間の多孔度パーセント値、好ましくは、約60~80%、例えば70%の多孔度を有することができる
【0060】
多孔度は、構造の固体体積を、構造によって寸法的に占められる全体積で割ることによる構造の空隙空間の測定値であり、パーセント値で表される。
【数3】
ここでV
sは固体の体積であり、V
Tは全体積である。
【0061】
第1及び第2の支持部分は、連続構造を形成するように一体的に形成することができる。適切には、第1及び第2の支持部分は、付加製造によって一体的に形成される。
【0062】
活性層は、二次元材料の少なくとも2つの層を含む層状構造を有することができ、この二次元材料は、遷移金属ジカルコゲニド(TMD)及び/又はグラフェン又はその誘導体を含む。
【0063】
遷移金属ジカルコゲニドは式(I)
MaXb、
(I)
によるものであり得、ここで、Mは、遷移金属原子、例えばMo、W、Nb、及びNiであり;
Xは、カルコゲン原子、好ましくはS、Se、又はTeであり;
0<a≦1及び0<b≦2である。
【0064】
遷移金属ジカルコゲニドは、MoS2、MoSe2、WS2、WSe2、MoaW1-aS2、MoaW1-aSe2、MoSbSe2-b、WSbSe2-b、又はMoaW1-aSbSe2-b(ここで0<a≦1及び0<b≦2である)、又はそれらの組み合わせの1つ以上から選択され得る。好ましくは、遷移金属ジカルコゲニドは、MoS2、WS2、MoSe2、WSe2から選択される。最も好ましくはMoS2及びWS2から選択される。このような遷移金属ジカルコゲニドは、ACS Materialから市販されている。
【0065】
遷移金属ジカルコゲニドは、1nm~5000nm、例えば50~750nmの間、75nm~500nm、100nm~400nm、例えば130nm~300nm、150nm~290nm、又は160nm~280nm、適切には170nm~270nm、180nm~260nm、又は好ましくは190nm~250nmの平均サイズを有するフレークの形態であり得る。適切には、遷移金属ジカルコゲニドフレークのサイズ分布は、遷移金属ジカルコゲニドフレークの少なくとも30重量%が、1nm~5000nmの間、例えば50~750nmの間、75nm~500nm、100nm~400nm、例えば130nm~300nm、150nm~290nm、又は160nm~280nm、適切には170nm~270nm、180nm~260nm、又は好ましくは190nm~250nmの直径を有し、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の直径を有するようなサイズ分布である。それらの遷移金属ジカルコゲニドのサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)を用いて測定することができる。
【0066】
例えば、試料全体にわたる二次元層の横方向サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)、及び測定された同じサイズのナノシート(M
i)の数(N
i)を用いて測定することができる。次に、平均サイズは式1:
【数4】
によって計算することができ、ここで、M
iはナノシートの直径であり、N
iは直径M
iを有するサイズの数である。
【0067】
遷移金属ジカルコゲニドは、単層又は多層の粒子又はフレークの形態であり得、好ましくは単層の形態であり得る。遷移金属ジカルコゲニドフレークは、単層、2層、又は数層の遷移金属ジカルコゲニドから形成されよく、ここで数層は3~100層の間として定義することができる。適切には、遷移金属ジカルコゲニドフレークは、1~100層の間、例えば2~75層の間、又は5~50層、又は10~25層を含む。適切には、遷移金属ジカルコゲニドの少なくとも30重量%は、1~30層の間、例えば5~30層の間、又は5~10層を含み、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の層を含む。その遷移金属ジカルコゲニドフレーク中の層の数は、原子間力顕微鏡(AFM又は透過型電子顕微鏡(TEM))(TT-AFM、AFM workshop Co.、CA、USA)を用いて測定することができる。
【0068】
適切には、遷移金属ジカルコゲニド又はそれらの混合物中の隣接格子面間のd間隔は、0.34nm~5000nm、例えば0.34nm~1000nm、又は0.4~500nm、又は0.4~250nm、例えば0.4~200nm、又は0.4~150nm、又は0.4~100nm、又は0.4~50nm、又は0.4~25nm、又は0.4~10nm、又は0.4~8nm、例えば0.4~7nm、0.45~6nm、0.50~5nm、又は0.55~4nm、又は0.6~3nm、例えば0.6~2.5nm、0.6~1nm、0.6~2nm、又は0.6~1.5nmである。
【0069】
活性層は、その遷移金属ジカルコゲニド以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、金属-有機ナノシート、グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン官能化酸化グラフェン、及びポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0070】
活性層は、活性層の性質を調節するための添加剤を含むことができ、例えば、別の金属;及び/又は繊維、例えば金属酸化物ナノストランド;及び/又はドーパント、例えば、Au、Fe、Cu、Cu(OH)2、Cd(OH)2、及びZr(OH)2を含むことができる。このような添加剤は、層間距離を制御するため、及び/又は高い水流束速度のためのナノチャネルを形成するために膜に加えることができる。0.5~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維などのあらゆる種類の適切な繊維を膜内に混入することができる。好ましくは、繊維は、機械的除去又は溶解などによって使用前に除去される。
【0071】
添加剤の添加は、コーティング組成物に加えることによって、又は膜表面上に所望の機能性を有する添加剤を堆積することによって行うことができる。
【0072】
活性層組成物を膜装置に塗布する方法は、遷移金属ジカルコゲニドを含むコーティング組成物を第1の支持部分上に塗布するステップを含むことができる。方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を第1の支持部分上に接触させることを含むことができる。
【0073】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/122828号パンフレット、特に段落[73]~[77](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[73]~[77](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0074】
活性層コーティング組成物は、液体媒体と遷移金属ジカルコゲニドとを含む液体組成物であり得る。本発明のコーティング組成物は、溶媒を含むか、非溶媒を含むか、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。本発明に使用するための液体組成物として、例えば溶液、分散液、又は懸濁液として配合される場合、適切な担体液体又は溶媒は水性又は有機であり得、したがって別の成分が選択される。例えば、液体担体は、水、又は有機溶媒、例えばエタノール、テルピネオール、ジメチルホルムアミドN-メチル-2-ピロリドン、イソプロピルアルコール、鉱油、エチレングリコール、又はそれらの混合物を含むことができ、任意選択的に、組成物の性能及び/又はレオロジーを向上させる別の材料、例えば、バインダー、乾燥剤、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、可塑剤、ろう、キレート剤、界面活性剤、顔料、脱泡剤、及び増感剤のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0075】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/122828号パンフレット、特に、段落[46]~[61](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[46]~[61](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0076】
グラフェン又はその誘導体は、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン、水和グラフェン及びアミノ系グラフェン、アルキルアミン官能化酸化グラフェン、アンモニア官能化酸化グラフェン、アミン官能化還元酸化グラフェン、オクタデシルアミン官能還元酸化グラフェン、及び/又はポリマーグラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。好ましくは、グラフェン又はその誘導体は酸化グラフェンである。グラフェン及びその誘導体は、Sigma-Aldrichから商業的に入手することができる。
【0077】
適切には、グラフェン又はその誘導体、好ましくは酸化グラフェンは、ヒドロキシル基、カルボン酸基、及び/又はエポキシド基を含む。グラフェン又はその誘導体、好ましくは酸化グラフェンの酸素含有量は、0%~60%の酸素原子パーセント値、例えば0%~50%又は0%~45%の酸素原子パーセント値であり得る。適切には、酸素含有量は20%~25%又は25%~45%である。有利には、含水量が25%~45%の間である場合、組成物中に界面活性剤は存在しないことがある。好ましくは、酸素含有量は30%~40%の酸素原子パーセント値である。このような範囲によって、別の安定化成分が存在しないにもかかわらず、改善された安定性を得ることができる。適切には、グラフェン又は誘導体が還元酸化グラフェンである場合、酸素含有量は5%~20%の酸素原子パーセント値である。酸素含有量は、X線光電子分光法(XPS)によって特徴づけることができる。
【0078】
グラフェン又はその誘導体、適切には酸化グラフェンは、任意選択的にさらなる官能基で置換することができる。この任意選択の官能基は、グラフト化官能基であり得、好ましくはグラフェン又はその誘導体に既に存在するヒドロキシル基、カルボン酸基、及びエポキシド基との反応によってグラフトすることができる。官能化は、共有結合修飾と、非共有結合修飾とを含む。共有結合修飾方法は、求核置換反応、求電子置換反応、縮合反応、及び付加反応にサブカテゴライズすることができる。任意選択の官能基の例は、アミン基;脂肪族アミン基、例えば長鎖(例えばC18~C50)脂肪族アミン基;ポルフィリン官能化第2級アミン基、及び/又は3-アミノ-プロピルトリエトキシシラン基である。グラフェン又はその誘導体は、アミノ基、適切にはグラフト化アミノ基を含むことができ、好ましくは酸化グラフェンを含むことができる。このような官能化によって、鉄酸の改善された選択的ふるい分けを行うことができる。
【0079】
本発明のいずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、1nm~5000nm、例えば50nm~750nmの間、100nm~500nm、100nm~400nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。本発明のいずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、100nm~3500nm、例えば200nm~3000nm、300nm~2500nm、又は400nm~2000nm、好ましくは500nm~1500nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。本発明いずれかの態様によるグラフェン又はその誘導体は、500nm~4000nm、500nm~3500nm、500nm~3000nm、750nm~3000nm、1000nm~3000nm、例えば1250nm~2750nm又は好ましくは1500nm~2500nmのサイズを有するフレークの形態であり得る。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体のサイズ分布は、グラフェンフレーク又はその誘導体少なくとも30重量%が、1nm~5000nmの間、例えば1nm~750nmの間、100nm~500nm、100nm~400nm;又は100nm~3500nmの間、例えば200nm~3000nm、300nm~2500nm、又は400nm~2000nm、好ましくは500nm~1500nm;又は500nm~4000nmの間、500nm~3500nm、500nm~3000nm、750nm~3000nm、1000nm~3000nm、例えば1250nm~2750nm、又は好ましくは1500nm~2500nmの直径を有するようなサイズ分布であり得;より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が、上記の直径を有するようなサイズ分布であり得る。グラフェンフレーク又はその誘導体のサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)を用いて求めることができる。
【0080】
グラフェン又はその誘導体は、単層又は多層の粒子であり得、好ましくは単層の形態であり得る。グラフェンフレーク又はその誘導体は、単層、2層、又は数層のグラフェン又はその誘導体から形成することができ、ここで数層は3~20層の間として定義することができる。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体は、1~15層の間、例えば2~10層の間又は5~15層を含む。適切には、グラフェンフレーク又はその誘導体の少なくとも30重量%が、1~15層の間、例えば1~10層の間又は5~15層を含み、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%及び最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記の層を含む。グラフェンフレーク又はその誘導体の層の数は、原子間力顕微鏡(AFM又は透過型電子顕微鏡(TEM))(TT-AFM、AFM workshop Co.、CA、USA)を用いて測定することができる。
【0081】
適切には、グラフェン又はその誘導体中の隣接格子面間のd間隔は、0.34nm~1000nm、例えば0.34nm~500nm、又は0.4nm~500nm、又は0.4nm~250nm、例えば0.4nm~200nm、又は0.4nm~150nm、又は0.4nm~100nm、又は0.4nm~50nm、又は0.4nm~25nm、又は0.4nm~10nm、又は0.4nm~5nm、例えば0.45nm~4nm、0.5nm~3nm、0.55nm~2nm、又は0.55nm~1.5nm、又は0.6nm~1.2nm、例えば0.6nm~1.1nm、0.6nm~1nm、0.6nm~0.9nm、又は0.6nm~0.8nmである。
【0082】
活性層は、グラフェン又はその誘導体以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、金属-有機ナノシート、二硫化モリブデン、及び二硫化タングステン、ポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0083】
活性層の材料は、当業者に周知のあらゆる適切な方法を用いて生産することができる。二次元のシリセン、ゲルマネン及びスタネンは、超高真空下での表面支援エピタキシャル成長によって生産することができる。六角形の二次元h-窒化ホウ素は、機械的開裂、窒化ホウ素ナノチューブのアンジッピング、化学官能化及び音波処理、固相反応及び溶媒剥離及び音波処理などのいくつかの方法によって生産することができる。これらの方法の中で、化学的方法で最も高い収率が得られることが分かった。例えば、h-窒化ホウ素は、ホウ素及び窒化物源としてのボラジンを用いて単結晶遷移金属基材上に合成することができる。二次元窒化炭素は、メラミン及び炭素繊維の直接マイクロ波加熱によって製造することができる。金属有機構造体(MOF)は、100~140℃などの高温で成分を混合し、続いて濾過することによるその場ソルボサーマル合成法によって生産することができる。二次元二硫化モリブデンは、機械的剥離、液体剥離、及び化学的剥離などの幾つかの方法によって得ることができる。これらの方法の中で、化学的剥離は、高収率が得られることが分かった。一例は、遠心分離機及び濾過を用いて二硫化モリブデンを化学的に剥離するためにリチウムを用いる化学的剥離である。二次元二硫化タングステンは、タングステンの真空蒸着に続いて、硫黄を加えることによって熱アニールを行う堆積-熱アニール方法によって製造することができる。ポリマー/グラフェンエアロゲルは、ポリエチレングリコールをグラフトした酸化グラフェンを用いてカップリング及び引き続き凍結乾燥を行うことによって生産することができる。
【0084】
好ましくは、活性層は、二次元材料から実質的に形成され、適切にはグラフェン又はその誘導体、より好ましくは酸化グラフェン又は還元酸化グラフェン、最も好ましくは酸化グラフェンでから実質的に形成される。
【0085】
活性層組成物を膜装置に塗布する方法は、グラフェン又はその誘導体を含むコーティング組成物を支持層上に塗布するステップを含むことができる。
【0086】
方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を支持層上に接触させることを含むことができる。
【0087】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019106344号パンフレット、特に、段落[47]~[49]及び[61]~[69](それぞれの両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[47]~[49]及び[61]~[69](それぞれの両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0088】
活性層コーティング組成物は、液体媒体とグラフェン又はその誘導体とを含む液体組成物であり得る。本発明のコーティング組成物は、溶媒を含むか、非溶媒を含むか、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。本発明に使用するための液体組成物として、例えば溶液、分散液、又は懸濁液として配合される場合、適切な担体液体又は溶媒は水性又は有機であり得、したがって別の成分が選択される。例えば、液体担体は、水、又は有機溶媒、例えばエタノール、テルピネオール、ジメチルホルムアミドN-メチル-2-ピロリドン、イソプロピルアルコール、鉱油、エチレングリコール、又はそれらの混合物を含むことができ、任意選択的に、組成物の性能及び/又はレオロジーを向上させる別の材料、例えば、バインダー、乾燥剤、酸化防止剤、還元剤、潤滑剤、可塑剤、ろう、キレート剤、界面活性剤、顔料、脱泡剤、及び増感剤のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0089】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019106344号パンフレット、特に、段落[51]~[60](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[51]~[60](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0090】
活性層は金属有機構造体を含むことができる。
【0091】
本発明のいずれかの態様の金属有機構造体材料は、一次元、二次元、又は三次元であり得る。好ましくは、MOFは多孔質である。MOFは、二次構成単位(SBU)のネットワーク、又は金属イオンコア/金属サブユニットクラスターコアノード、及びSBU又はノードを接続する有機リンカー(又は配位子)を含むことができる。
【0092】
MOFは、活性層中の連続層中に存在することができ、又はフレーク及び/又は粒子の形態であり得る。第1の支持部分の存在下で合成されたMOFは連続相の形態であり得る。第1の支持部分に接触する前に形成されるMOFは、フレーク及び/又は粒子の形態であり得る。
【0093】
MOFのサブユニットであるSBU又はノードは、1つ以上の遷移金属カチオン、例えば、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Ru(III)、Os(III)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ba、Ag(I)、Au、AuPd、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)の1つ以上から選択される金属を含むことができる。好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Ru(III)、Os(III)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ba、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えばLu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)。より好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Sc、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Pb、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)、より好ましくは、Cr(III)、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Co(II)、Hf(IV)、Ni、Mn、V、Y(III)、Cu(II)、Cu(I)、Zn(II)、Zr(IV)、Cd、Ag(I)、Ni/Co、ランタニド、アクチニド、例えば、Lu、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Yb(III)。二次構成単位(SBU)は、3、4、5、6、8、9、10、11、12、15、又は16の伸張点を含むことができる。
【0094】
SBU又はノードは、遷移金属カルボン酸塩クラスターであり得る。SBU又はノードは、Zn4O(COO)6、Cu2(COO)4、Cr3O(H2O)3(COO)6、及びZr6O4(OH)10(H2O)6(COO)6)、Mg2(OH2)2(COO)、RE4(μ3-O)2(COO)8、RE4(μ3-O)2(ここで、REは、Y(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、及び/又はYb(III))である)からなる群から選択される1つ以上であり得る。SBUの構造は、当業者に周知の方法を用いてX線回折によって同定することができる。
【0095】
本発明における使用に適切な有機リンカーとしては、水処理、分子分離、及び生物濾過に関連する用途のためのMOFの形成に使用するために機能しうるものが挙げられる。このようなリンカーによって、金属コアに対して強い結合を形成することができ、大きな孔径を得ることができ、高い多孔度を得ることができ、選択的吸収及び/又は容量を得ることができる。
【0096】
MOFの有機リンカーは、広範囲の有機分子、例えば、1つ以上のカルボキシレートリンカー;N-複素環式リンカー;ホスホネートリンカー;スルホネートリンカー、メタロリンカー、例えばカルボキシレート-メタロリンカー;並びにそれらのび混合物及び誘導体から形成することができる。
【0097】
有機リンカーは、ジトピックリンカー、トリトピックリンカー、テトラトピックリンカー、ヘキサトピックリンカー、オクタトピックリンカーの1つ以上を含むことができる。有機リンカーは、非対称リンカーを含むことができる。
【0098】
有機リンカーは、1つ以上のジトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(bpdc)、2,2’-ジシアノ-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(CNBPDC)、9,10-アントラセンジカルボキシレート(adc)、4,4’-アゾベンゼンジカルボキシレート(abdc)、1,3-ビス(3,5-ジカルボキシルフェニルエチニル)ベンゼン(bdpb)、2,2’-ビピリジル-5,5’-ジカルボキシレート(bpydc)、2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレン-5,5’-ジカルボキシレート(5,5’-bda)、2-ブロモベンゼン-1,4-ジカルボキシレート(brbdc)、1,4-ベンゼンジカルボキシレート(BDC)、BDC-Br、BDC-NH2、BDC-OC3H7、BDC-OC5H11、BDC-cycC2H4、BDC-ben、2-ブロモ-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(o-Br-bdc)、BDC-F、BDC-Cl、BDC-Br、BDC-I、BDC-F4、BDC-Cl4、BDC-Br4、BDC-I4、BDC-(CH3)4、2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(DHBDC)、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジカルボン酸(TTDC)、チオフェン-2,5-ジカルボキシレート(tdc)、ジ-チエノ-[3,2-b;2’,3’-d]-チオフェン-2,6-ジカルボキシレート(DTTDC)、ナフタレンジカルボキシレート(NDC)、4,4’-ベンゾフェノンジカルボキシレート(BPNDC)、4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(BPDC)、2,2’-ジシアノ-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(CNBPDC)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(PDC)、p,p‘-テルフェニルジカルボン酸(TPDC)、アミノ-TPDC、ピリジン2,6-ジカルボン酸HPDC、チオール官能化DMBD、アジド官能化2,3,5,6-テトラメチルベンゼン-1,4-ジカルボキシレート(TBDC)、テトラアニオン性2,5-ジオキシド-1,4-ベンゼン-ジカルボキシレート(BOBDC/DHBDC/DOT)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0099】
有機リンカーは、1つ以上のトリトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、1,3,5-ベンゼントリカルボキシレート(btc)、ビフェニル-3,4’,5-トリカルボキシレート(bhtc)、4,4’,4’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ベンゾエート(btb)、4,4’,4’’-(トリアジン-2,4,6-トリイルトリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(tapb)、4,4’,4’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ベンゾエート、4,4’,4’’(ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(エチン-2,1-ジイル))トリベンゾエート(bte)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(bbc)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0100】
有機リンカーは、1つ以上のテトラトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、1,1’-アゾベンゼン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(abtc)、アゾキシベンゼン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(aobtc)、4,4’-ビピリジン-2,6,2’,6’-テトラカルボキシレート(bpytc)、例えば、(4’,4’’,4’’’,4’’’’-メタンテトライルテトラビフェニル4-カルボキシレート、mtbc)、4,4’,4’’,4’’’-メタンテトライル四安息香酸(MTB)、ベンゼン置換4,4’,4’’,4’’’-メタンテトライル四安息香酸MTTB、4,4’,4’’-トリカルボキシルトリフェニルアミン(TCA)、4,4’,4’’,4’’’-テトラキスカルボキシフェニルシラン(TCPS)、2-チオフェンカルボン酸(HTPCS)、メタンテトラ(4-ベンゾエート)(MTBA)、1,3,5,7-アダマンタンテトラカルボキシレート(act)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-1,4-フェニレンジアミン(TCPPDA)、5,5’-(1,2-エチンジイル)ビス(1,3-ベンゼンジカルボキシレート)(ebdc)、3,3’,5,5’-ビフェニルテトラカルボキシレート(bptc)、3,3’,5,5’-エルフェニルテトラカルボキシレート、3,3’,5,5’-クアテルフェニルテトラカルボキシレート、3,3’,5,5’-ペンタフェニルテトラカルボキシレート、5,5’-(9,10-アントラセンジイル)ジイソフタレート(adip)、3,3’,5,5’-テトラ-(フェニル-4-カルボキシレート)、9,9’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイル)ビス(9H-カルバゾール-3,6-ジカルボキシレート)(bbcdc)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0101】
有機リンカーは、1つ以上のヘキサトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、5,5’,5’’-[1,3,5-ベンゼントリイルトリス(カルボニルイミノ)]トリス-1,3-ベンゼンジカルボキシレート、5,5’,5’’-(((ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(エチン-2,1-ジイル))-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリス(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ttei)、1,3,5-トリス[((1,3-カルボン酸-5-(4(エチニル)フェニル))エチニル)フェニル]-ベンゼン、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ベンゼン-1,3,5-トリイル-ヘキサベンゾエート(bhb)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ビス(4-カルボキシルフェニル)-アミノ)トリフェニルアミン(H6tta)、1,3,5-トリス[(1,3-ジ(4’-カルボン酸-フェニル)-フェニル)-5-エチニル]ベンゼン](H6L1)、トリス-(4-(5’-エチニル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4,4’’-ジカルボン酸)-フェニル)-アミン](H6L2)、1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4,4’’-ジカルボキシレートからなる群の1つ以上を含むことができる。
【0102】
有機リンカーは、1つ以上のメタロリンカーを含むことができ、例えば、[FeFe]-1,4-ジカルボキシルベンゼン-2,3-ジチオレート(dcbdt)、Cu(I)-1,10-フェナントロリンをベースとするリンカー、5,10,15,20-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ポルフィリンメタロポルフリンリンカー(tcpp)、Au(I)-4,4’,4’’,4’’’-(1,2-フェニレンビス(ホスファントリイル))-テトラベンゾエート(pbptbc)、4,7-ビス(4-カルボキシルフェニル)-1,3-ジメチル-ベンゾイミダゾリウム-テトラフルオロボレート、[(R,R)-(2)-1,2-シクロヘキサンジアミノ-N,N’-ビス(3-tert-ブチル-5-(4-ピリジル)サリシリック-デン)-Mn(III)Cl]からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0103】
有機リンカーは、1つ以上のオクタトピックカルボキシレートリンカーを含むことができ、例えば、5,5’,5’’,5’’’-シランテトライルテトライソフタレート(L6)、1,1’-ビナフチルから誘導されるオクタカルボキシレートリンカー、2,2’-ジエトキシ-1,1’ビナプチル-4,4’,6,6’-テトラカルボン酸(L12)、及び伸張したL12(L13、L12の各アーム中に-C=C-部分が存在する)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0104】
有機リンカーは、1つ以上のN-複素環式リンカーを含むことができ、例えば、2,5-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,4-ビス(4-ピリジル)ベンゼン、4,4’-ジピリジルアセチレン(dpa)、ピラジン、イミダゾレート又はその誘導体、例えば、1,4-ビス(イミダゾリル)-ベンゼン及び1,5-ビス(イミダゾール-1-イルメチル)ナフタレン、イミダゾール(Him)、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ニトロイミダゾール、4-イソシアノイミダゾール、4,5-ジクロロイミダゾール、イミダゾール-2-カルボアルデヒド、イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ベンゾ[d]イミダゾール、6-クロロ-ベンゾ[d]イミダゾール、5,6-ジメチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-メチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ブロモ-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ニトロ-ベンゾ[d]イミダゾール、イミダゾ[4,5-c]ピリジン、プリンピラゾール(Hpz)、1,2,4-トリアゾール(Htz)、1,2,3-トリアゾール(Hta)、及びテトラゾール(Httz)、5-クロロベンゾイミダゾレート(cblm)、1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン、2,2‘-ビピリジン(BIPY)、2-フェニルピリジン-5,4-ジベンゾエート(PPY-DC)、2,2ビピリジン-5,5-ジベンゾエート(BPY-DC)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0105】
有機リンカーは、1つ以上のホスホネートリンカーを含むことができ、例えば、ホスホネート-オキサレート、アルキルホスホン酸(ここでアルキルはC1~C10である)、例えば、メチルホスホン酸、(H2O3P(CH2)nPO3H2)(Cn))(ここで、nは1~10である)、メチレンビスホスホネート、アルキルビス(ホスホン酸);メチレンビス(ホスホン酸)、N,N’-ピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、パラ-スルホニルフェニルホスホン酸、N,N’-4,4’-ビピペリジンビス(メチレンホスホン酸)、N,N’-ピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、N,N’-2-メチルピペラジンビス(メチレンホスホン酸)、アリールホスホネート、4-カルボキシフェニルホスホン酸(4-cppH3)、1,3,5-ベンゼントリス(ホスホン酸)、トリス-1,3,5-(4-ホスホノフェニル)-ベンゼン(H6L)、ビフェニルビスホスホネート、ビピリジルホスホネート、メチルホスホネート、又は官能化ホスホネートリンカー、例えば、2’-ビピリジル-5,5’-ビス(ホスホン酸)からなる群の1つ以上を含むことができる。
【0106】
有機リンカーは、1つ以上のスルホネートを含むことができ、例えば、4-ビフェニルスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、1-ナフタレンスルホネート、1-ピレンスルホネート、1,5-ナフタレンジスルホネート、2,6-ナフタレンジスルホネート、1-ナフタレンスルホネート、p-トルエンスルホネート、及び1,3,6,8-ピレンテトラスルホネート;1,3,5-トリス(スルホノメチル)ベンゼン;α、α’、α’’’、α’’’’-ズレンテトラスルホネート、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラ(4-スルホノフェニル)アダマンタン;(4,4’-ビス(スルホエチニル)ビフェニル;4,4’-ビフェニルジスルホネート、p-スルホナトカリックス[4]アレーン、p-スルホナトカリックス[5]アレーン、p-スルホナトカリックス[6]アレーン、p-スルホナトカリックス[8]アレーンからなる群の1つ以上を含むことができる。
【0107】
有機リンカーは、伸張した有機リンカーを含むことができ、このような伸張したリンカーは、最大1500Da、例えば、最大1300Da、最大1300Da、最大1100Da、最大1000Da、最大900Da、最大850Da、最大800Da、又は最大750Daの重量平均分子量(Mw)を有することができる。伸張したリンカーは、トリトピックリンカー、例えば、4,4’,4’’-s-トリアジン-1,3,5-トリイルトリ-p-アミノベンゾエート(tatab)、4,4’,4’’-(1,3,4,6,7,9,9-ヘプタアザフェナレン-2,5,8-トリイル)トリベンゾエート(htb)、4,4’,4’’-s-トリアジン-2,4,6-トリイル-トリベンゾエート(tatb)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリベンゾエート(bbc)、ビピリジン(bpy)からなる群から選択される1つ以上;又は伸張したBPY又はPPYを含有するジカルボキシレートリンカー、例えば、ジ-ベンゾエート置換2,2’-ビピリジン(bpy-dc)、ジ-ベンゾエート置換2-フェニルピリジン(ppy-dc);又は3つのフェニレン基及び2つのアセチレン基を含有するジトピックカルボキシレートリンカー;又は3,3’-(ナフタレン-2,7-ジイル)ジベンゾエート、5,5’-(ナフタレン-2,7-ジイル)-ジイソフタレート、3,3’-(ナフタレン-2,7-ジイル)-ジベンゾエート、4,4’-アザンジイルジベンゾエート、4,4’-ビピリジン(L4)、4,4’-アゾビス(ピリジン)(L5)であり得る。
【0108】
有機リンカーは、異なる有機リンカーの混合物、例えば、ジトピックリンカー及びジトピックリンカーとの混合物、例えば9,10-ビス(トリイソプロピルシリルオキシ)フェナントレン-2,7-ジカルボキシレート(tpdc)及び3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(Me4bpdc);又はジトピックリンカー+トリトピックリンカー、例えばカルボキシレート-ピリジンリンカー、例えば、ジピリジル官能化キラルTi(salan)及び4,4’-ビフェニルジカルボキシレート(bpdc)を含むことができる。
【0109】
リンカーは、ジアセチレン-1,4-ビス-(4-ベンゾート)、2-メチルピペラジン、ピペラジン(pip)、4,4’,4-メタントリイルトリス(2,3,5,6-テトラクロロベンゾエート)(ptmtc)、F-H2PDA、CDDB、5-NH2-mBDC、dhtpa、pDBI、H3ImDC、ヘキサフロシリケート(hexaflurosilicate)、フマル酸、ムコン酸、オルサラジン、5,5’,5’’-(2-アミノベンゼン-1,3,5-トリイル)トリス(エチン-2,1-ジイル)トリイソフタル酸(abtt)、アセチルアセトネート(acac)、5,5’-(9,10-アントラセンジイル)ジイソフタレート(adip)、3-アミノプロピルトリアルコキシシラン(aps)、1,3-アズレンジカルボキシレート(azd)、N,N’-ビス(3,5-ジカルボキシフェニル)ピロメリット酸ジイミド(bdcppi)、5,5’-(ブタ-1,3-ジイン-1,4-ジイル)ジイソフタレート(bddc/bdi)、1,4-ベンゼンジ(4’-ピラゾリル)(bpd)、1,4-ベンゼンジテトラゾレート(bdt)、1,2-ビス(4-ピリジル)エタン(bpe)、3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン(bpta、dpt、又はdiPyTz)、4,4’,4’’,4’’’-ベンゼン-1,2,4,5-テトライルテトラベンゾエート(btatb、TCPBと同じ)、ビス(1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b],-[4’,5’-i])ジベンゾ[1,4]-ダイオキシン(btdd)、5,5’,5’’-ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(1-エチニル-2-イソフタレート)(btei)、1,3,5-ベンゼントリステトラゾレート(btt)、5,5’,5’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル-トリス(ビフェニル-4,4’-ジイル))トリイソフタレート(btti)、1,12-ジカルボキシル-1,12-ジカブラ-クロソ-ドデカルボラン(cdc)、4-(α,α,α-トリフルオロメチル)ピリジン(CF3Py)、4-カルボキシシンナメート(cnc)、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン(サイクラム)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(dabco)、1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン-3,6-ジカルボキシレート(dbdc)、6,6’-ジクロロ-2,2’-ジベンジルオキシ-1,1’-ビナフチル-4,4’-ジベンゾエート(dcbBn)、3,5-ジシアノ-4-(4-カルボキシフェニル)-2,20:6,4’’-ターピリジン(dccptp)、6,6’-ジクロロ-2,2’-ジエトキシ-1,10-ビナフチル-4,4’-ジベンゾエート(dcdEt)、ジエチルホルムアミド(def)、ジエチレントリアミン(deta)、2,5-ジヒドロキシテレフタレート(dhtp)、N,N’-ジ-(4-ピリジル)-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボキシジイミド(diPyNI)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(dabco)、2,5-ジオキシド-1,4-ベンゼンジカルボキシレート(dobdc)メソ-1,2-ビス(4-ピリジル)-1,2-エタンジオール(dpg)、5,5’-(1,2-エチンジイル)ビス(1,3-ベンゼンジカルボキシレート)(ebdc)、エチレンジアミン(ed)、4-エチルピリジン(EtPy)、4,4’-(イデンヘキサフルオロイソプロピリデン)-ジベンゾエート(hfipbb)、フマレート(fma)、5-フルオロピリミジン-2-オレート(F-pymo)、2-フルオロ-4-(1H-テトラゾール-5-イル)ベンゾエート(2F-4-tba)、4,5,9,10-テトラヒドロピレン-2,7-ジカルボキシレート(hpdc)、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン(hpp)、4,5-イミダゾールジカルボキシレート(ImDC)、イソニコチネート(in)、5,5’-メチレンジイソフタレート(mdip)、1-メチルイミダゾール(MeIM)、4-メチルピリジン(MePy)、メルカプトニコチネート(mna)、メタンテトラベンゾエート(mtb)、4,4’,4’’-ニトリロトリスベンゾエート(ntb)、4’,4’’,4’’’-ニトリロトリビフェニル-3,5-ジカルボキシレート(ntbd)、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボキシレート(ntc)、5,5’,5’’-(4,4’,4’’-ニトリロトリス(ベンゼン-4,1-ジイル)トリス(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ntei)、オキシジアセテート(oxdc)、4-(4-ピリジル)ベンゾエート(pba)、ピリジン-3,5-ビス(フェニル-4-カルボキシレート)(pbpc)、p-フェニレンジアシレート(pda)、ピリジンジカルボキシレート(pdc)、5-(ピリジン-3-イルエチニル)イソフタレート(peip)、4,6-ピリミジンジカルボキシレート(PmDC)、5-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]イソフタレート(pmip)、ジフェニルメタン-3,3’,5,5’-テトラキス(3,5-ビスベンゾエート)(pmtb)、ピペラジン(ppz)、5,5’-((5’-(4-((3,5-ジカルボキシフェニル)エチニル)フェニル)-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-4,4’’-ジイル)-ビス(エチン-2,1-ジイル))ジイソフタレート(ptei)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(pydc)、5-メチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボアルデヒド(pyen)、2-ピリミジンカルボキシレート(pymc)、ピリミジノレート(pymo)、ピレン-2,7-ジカルボキシレート(pyrdc)、クアテルフェニル-3,3’’’,5,5’’’-テトラカルボキシレート(qptc)、trans-スチルベン-3,3’,5,5’-テトラカルボキシレート(sbtc)、5-スルホイソフタレート(sip)、4,4’,4’’-s-トリアジン-2,4,6-トリイルトリベンゾエート(tatb)、4-(1H-テトラゾール-5-イル)ベンゾエート(4-tba)、5-tert-ブチル-1,3-ベンゼンジカルボキシレート(tbbdc)、5-t-ブチルイソフタレート(tbip)、5,5’,5’’-(2,4,6-トリメチルベンゼン-1,3,5-トリイル)トリス(エチン-2,1-ジイル)トリイソフタレート(tbtt)、トリス(4-カルボキシビフェニル)アミン(tcbpa)、テトラキス[4-(カルボキシフェニル)-オキサメチル]メタン(tcm)、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-ベンゼン(tcpb)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ビフェニル-4,4’-ジアミン(tcpbda)、テトラ-フルオロテレフタレート(tftpa)、3,3’,5,5’-テトラ(4-カルボキシフェニル)-2,2’-ジエトキシビフェニル(tcpdep)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-1,4-フェニレンジアミン(tcppda)、チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジカルボキシレート(T2DC)、トリエチレンジアミン(ted)、テトラフルオロテレフタレート(tfbdc)、テトラメチルテレフタレート(tmbdc)、1,3,5-トリ-p-(テトラゾール-5-イル)フェニルベンゼン(TPB-3tz)、2,4,6-トリ-p-(テトラゾール-5-イル)フェニル-s-トリアジン(TPT-3tz)、2,4,6-トリ(3-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(3-tpt)、2,4,6-トリ(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(4-tpt)、ターフェニル-3,3’’,5,5’’-テトラカルボキシレート(tptc)、5,10,15,20,-テトラ-4-ピリジル-21H,23H-ポルフィリン(TPyP)、1,2,4-トリアゾレート(trz)、5,5’,5’’-(((ベンゼン-1,3,5-トリイルトリス(エチン-2,1-ジイル))トリス(ベンゼン-4,1-ジイル))トリス-(エチン-2,1-ジイル))トリイソフタレート(ttei)、テトラキス(4-テトラゾリルフェニル)メタン(ttpm)、3,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアゾレート(Tz)、テトラゾレート-5-カルボキシレート(Tzc)、TZI 5-テトラゾリルイソフタレート、ViPy 4-ビニルピリジン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン(DMBD)からなる群から選択される1つ以上から選択することができる。
【0110】
有機リンカーは、9,10-アントラセンジカルボン酸、ビフェニル-3,3’,5,5’-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,4’,5-トリカルボン酸、5-ブロモイソフタル酸、5-シアノ-1,3-ベンゼンジカルボン酸、2,2’-ジアミノ-4,4’-スチルベンジカルボン酸、2,5-ジアミノテレフタル酸、2,2’-ジニトロ-4,4’-スチルベンジカルボン酸、5-エチニル-1,3-ベンゼンジカルボン酸、2-ヒドロキシテレフタル酸、3,3’,5,5’-アゾベンゼンテトラカルボン酸、[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジカルボン酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレン二酢酸、1,1,2,2-テトラ(4-カルボキシルフェニル)エチレン、1,3,5-トリカルボキシベンゼン、1,3,5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、1,4-ジ(4’-ピラゾリル)ベンゼン、1,4,7,10-テラアザアシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸、2,4,6-(トリ-4-ピリジニル)-1,3,5-トリアジン、トリス(イソブチルアミノエチル)アミン、2-(ジフェニルホスフィノ)テレフタル酸からなる群からの1つ以上を含むことができる。
【0111】
本発明における使用に適切なMOFとしては、水処理、分子分離、生物濾過、及び関連の用途に使用されるように機能できるものが挙げられる。適切なMOFは、好ましくは水安定性及び化学安定性を有する。MOFは、水不溶性リンカー、及び/又は溶媒安定性リンカー、及び/又はSBUとリンカーとの間の強い共有結合、及び/又はSBUとリンカーとの間の複数の共有結合を有することができる。水安定性及び化学安定性は、水及び/又は化学物質の存在下でMOFがリンカー及びSBUに完全に分解することがないことを意味することができる。適切なMOFは、リンカーとSBU又はノードとの間に共有結合を有することができ、及び/又はリンカーとSBU又はノードとの間に配位結合を有することができる。
【0112】
適切なMOFは、高表面積及び/又は大きな孔径を有することができる。MOFは、少なくとも10m2/g、例えば100~9,000m2/g、好ましくは100~8,000m2/g、又は500~8,000m2/gの表面積を有することができる。表面積は、周知のBrunauer,Emmett and Teller(BET)技術を用いて測定することができる。適切には多孔質のフレーク又は粒子の形態である本発明のいずれかの態様によるMOFは、0.1nm~1000nm、0.1~950nm、0.2~900nm、0.2~850nm、好ましくは0.2~800nm、0.3~700nm、好ましくは0.4~650nm、0.4~550nm、0.5~500nm、0.5~450nm、0.2nm~100nm、例えば0.2nm~90nmの間、0.3nm~75nm、0.4nm~50nm、例えば0.4nm~40nm、0.4nm~30nm、又は0.4nm~20nm、適切には0.4nm~15nm、0.4nm~10nmの平均孔径を有することができる。
【0113】
MOFは、ピラー層MOFを含むことができる。適切には、ピラー層MOF中、2Dシートは、ジピリジルリンカーなどの有機リンカーの足場として機能する。有利には、これによって、-SO3
2-基などの種々の官能基をMOF中に組み込むことが可能となる。-SO3
2-基を使用することで、極性環境を誘導し、CO2などの強い酸性ゲストとの強い酸塩基相互作用を誘導することができる。さらに、-CH=CH-と比較して-N=N-などの異なるピラーリンカー基によって、H2O及びメタノールに対して異なる選択性が得られる。
【0114】
MOFは官能基を含むことができる。適切には1つ以上の有機リンカーの上に官能基を含むMOFによって、MOFは、特に、水処理、分子分離、及び生物濾過に関連する用途に適合させることができる。前記官能基によって、選択性を得ることができ、及び/又は高い吸着容量又は高い流束速度のために孔径を増加させることができる。官能基は、-NH2、-Br、-Cl、-I、-(CH2)n-CH3(ここでnは1~10である)、例えば、CH3CH2CH2O-、CH3CH2CH2CH2O-、ben-C4H4、メチル、-COOH、-OHからなる群の1つ以上から選択することができる。例えば、MOFは、IRMOF、例えば、IRMOF-1、IRMOF-2、IRMOF-3、IRMOF-4、IRMOF-5、IRMOF-6、IRMOF-7、IRMOF-8、IRMOF-9、IRMOF-10、IRMOF-16、IRMOF-11、IRMOF-12、IRMOF-13、IRMOF-14、IRMOF-15;及び/又はCAU、例えば、CAU-10-OH、CAU-10-NH2、CAU-10-H、CAU-10-CH3;及び/又はMIL-125-NH2;及び/又はUiO-66(Zr)-(CH3)2であり得る。
【0115】
MOFは、Zr-DUT-51、Hf-DUT-51、PCN-777、NU-1105、DUT-52、DUT-53、DUT-84、DUT-67、DUT-68、DUT-69、DUT-6、例えば、MIL-125(Fe、Cr、Al、V)、MIL-53(Fe、Cr、Al、V)、MIL-47(Fe、Cr、Al、V)、UAM-150、UAM-151、UAM-152、Zr(O3PC12H8PO3)、ビピリジルホスホン酸Zr、メチルホスホン酸Zr、ビピリジルホスホン酸Sn(IV)、メチルホスホン酸Sn(IV)、[Ag(4-ビフェニルスルホネート)]∞、[Ag(2-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(H2O)0.5(1-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(1-ナフタレンスルホネート)]∞、及び[Ag(1-ピレンスルホネート)]∞、UO2(O3PC6H5)30.7H2O、(UO2)3(HOPC6H5)2-(O3PC6H5)23H2O、SAT-16、SAT-12(Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+)、MIL-91(Al3+、Fe3+、In3+、V3+)、STA-13(Y3+、Sc3+、Yb3+、Dy3+)、VSN-3(1~10の範囲の-CH2-単位を有する)、VSB-4(1~10の範囲の-CH2-単位を有する)、ZIF-95、ZIF-100、M3(btp)2(M=Ni,Cu、Zn、及びCo;H3btp=1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン)、IRMOF-76、IRMOF-77、PCM-18、MOF-1040、MOF-253_0.08PdCl2、MOF-253_0.83PdCl2、MOF-253_0.97Cu(BF4)2、NOTT-115、UMCM-150、UMCM-154、MOF-5、FJI-1、MOF-100、MOF-177、MOF-210、UMCM-1、UMCM-2、UMCM-3、UMCM-4、UMCM-8、UMCM-9、MTV-MOF-5、L6-L11;PCN-80、UNLPF-1、NOTT-140、UTSA-34a、UTSA-34b、MODF-1、SDU-1、NPG-5、UTSA-20、NU-100、NU-110E、PCN-61、PCN-66、PCN-69、PCN-610、DUT-49、PCN-88、NOTT-300、NOTT-202、NOTT-104、PCN-46、PCN-14、NOTT-100、NOTT-101、NOTT-103、NOTT-109、NOTT-111、ZSA-1、ZSA-2、NOTT-12、NOTT-16、POMF-Cu([Cu24L8(H2O)24]、MIL-59、PCN-12、PCN-12’、DUT-75、DUT-76、PCN-16、PCN-16’、PCN-511、IMP-11、PCN-512、IMP-9、MOF-11、MOF-36、Hf-PCN-523、PCN-521、MOF-177、MOF-180、MOF-200、SNU-150、MOF-14、MOF-143、MOF-388、MOF-399、UiO-88、MOF-1001、IRMOF-62、MOF-101、IRMOF-74、CAU-10-OH、CAU-10-NH2、CAU-10-H、CAU-10-CH3、CAU-10、CALF-25、Zn-DMOF、Co-DMOF、DUT-4、SAPO-34、SBA-15、HZSM-5、MCM-41、KIT-1、MCM-48、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74、PCN-228、PCN-229、PCN-230、=MOF-808、MIL-160、MIL-163、FJI-H6、[Zr6O4(OH)4(btba)3](DMF)x(H2O)y(ここで、xは0~<20であり、yは0~<20である)、FJI-H7、ランタニド元素ベースの[La(pyzdc)1.5(H2O)2]2H2O、[Dy(Cmdcp)(H2O)3](NO3)2H2O)n、[Eu(HL)(H2O)2]n2H2O、Tb-DSOA、[Tb(L)(OH)]x(slov)、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O、InベースのJLU-Liu18、AlベースのMIL-121、MAF-6、MAF-7、MAF-49、MAF-X8、[Zn12(trz)20][SiW12O40]11H2O、Zn2TCS(4’4-bipy)、Zn-pbdc-11a(bpe)/-12a(bpe)/-12a(bpy)、Zn(IM)1.5(abIM)0.5、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O))n、Co/Zn-BTTBBPY、PCN-601、Mg-CUK-1、[Cd2(TBA)2(bipy)(DMA)2]、Cu6(trz)10(H2O)4[H2SiW12O40}8H2O、[Ni(BPEB)]、[Eu3(bpydb)3(HCOO)(u3-OH)2(DMF)](DMF)3(H2O)2、MAF-X25、MAF-X27、MAF-X25ox、MAF-27ox、PCN-101、NH2-MIL-125(Ti)、Cu(I)-MOF、AEMOF-1、PCN-222、Cd-EDDA、[Cd2L2]NMPMEOH、Eu/UiO-66-(COOH)2、Eu/CPM-17-Zn、Eu/MIL-53-COOH(Al)、[Ln(HL)(H2O)2]n2H2O、Eu3+@MIL-124、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O)n、[Tb(l)(OH)]x(solv)、bio-MOF-1、BFMOF-1、NENU-500、Co-ZIF-9、Al2(OH)2TCPP-Co、Al-MIL-101-NH-Gly-Pro、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、HPW@MIL-101、POM-イオン液体で官能化されたMIL-100、硫酸化MIL-53、MIL-101(Cr)-NO2、NENU-1/12-タングストケイ酸、Na-HPAA、PCMOF-10、Ca-PiPhtA、(NH4)2(adp)[Zn2(ox)3]3H2O、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O])n、([(Me2NH2]3(SO4))2[Zn2(ox)3])n、UiO-66-(SO3H)2、Tb-DSOA、[La3L4(H2O)6]ClxH2O、CALF-25、(Cu2I2)[Cu2PDC2-(H2O)2]2[Cu(MeCN)4]IDMF、(Cu4I4)[Cu2PDC2-(H2O)2]4DMF、(Cu2I2)[Cu3PDC3-(H2O)2]2MeCN)2DMF、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、UiO-68.、MOF-801、MOF-841、[Co4L3(u3-OH)(H2O)3](SO4)0.5、MOF-802、Cu-BTTri、PCN-426、MOF-545、Zn(1,3-BDP)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、NiDOBDC、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MOF-525、MOF-535、Co-MOF-74、[Zn4(u4-O)-(u4-4-カルボキシ-3,5-ジメチル-4-カルボキシ-ピラゾラト)3]、PCP-33、NU-100、IRMOF-74-III-CH2NH2、Zn-pbdc-12a(bpe)、mmen-Mg2(dobpdc)、MAF-X25ox、FMOF-1、MAF-6、UiO-66-NH2@MON、ZIF-8、CAU-1、ZIF-67、MIL-68、MIL-101、UiO-67、UiO-66、[(C2H5)2NH2]2[Mn6(L)(OH)2(H2O)6]4DEF、[Zn(trz)(H2betc)0.5]DMF、PCN-100、NU-1000、FIR-53、FIR-54,Al-MIL-96、Fe-MIL-100、Al-MIL-100、Cr-MIL-100、Fe-MIL-53、Cr-MIL-53、UiO-66-NH2、InPCF-1、HKUST-1、ZIF-7、ZIF-9、CAU-6、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、Al-MIL-53、Cr-MIL-101、Cu2L、PED-MIL-101、HM-MIL-101、MOF-235、UiO-67-OH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができる。
【0116】
MOFは、Co-MOF-74、[Zn4(u4-O)-(u4-4-カルボキシ-3,5-ジメチル-4-カルボキシ-ピラゾラト)3]、PCP-33、NU-100、IRMOF-74-III-CH2NH2、Zn-pbdc-12a(bpe)、mmen-Mg2(dobpdc)、MAF-X25ox、FMOF-1、MAF-6、UiO-66-NH2@MON、ZIF-8、CAU-1、ZIF-67、MIL-68、MIL-101、UiO-67、UiO-66、[(C2H5)2NH2]2[Mn6(L)(OH)2(H2O)6]4DEF、[Zn(trz)(H2betc)0.5]DMF、PCN-100、NU-1000、FIR-53、FIR-54,Al-MIL-96、Fe-MIL-100、Al-MIL-100、Cr-MIL-100、Fe-MIL-53、Cr-MIL-53、UiO-66-NH2、InPCF-1、HKUST-1、ZIF-7、ZIF-9、CAU-6、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、Al-MIL-53、Cr-MIL-101、Cu2L、PED-MIL-101、HM-MIL-101、MOF-235、UiO-67-OH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができ、例えば、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97の1つ以上から選択することができ、好ましくは脱塩膜のために選択することができる。
【0117】
適切には、MOFは、Zr-DUT-51、Hf-DUT-51、PCN-777、NU-1105、DUT-52、DUT-53、DUT-84、DUT-67、DUT-68、DUT-69、DUT-6、例えば、MIL-125(Fe、Cr、Al、V)、MIL-53(Fe、Cr、Al、V)、MIL-47(Fe、Cr、Al、V)、UAM-150、UAM-151、UAM-152、Zr(O3PC12H8PO3)、ビピリジルホスホン酸Zr、メチルホスホン酸Zr、ビピリジルホスホン酸Sn(IV)、メチルホスホン酸Sn(IV)、[Ag(4-ビフェニルスルホネート)]∞、[Ag(2-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(H2O)0.5(1-ナフタレンスルホネート)]∞、[Ag(1-ナフタレンスルホネート)]∞、及び[Ag(1-ピレンスルホネート)]∞、UO2(O3PC6H5)30.7H2O、(UO2)3(HOPC6H5)2-(O3PC6H5)23H2O、SAT-16、SAT-12(Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+)、MIL-91(Al3+、Fe3+、In3+、V3+)、STA-13(Y3+、Sc3+、Yb3+、Dy3+)、VSN-3(1~10の範囲の-CH2-単位を有する)、VSB-4(1~10の範囲の-CH2-単位を有する)、ZIF-95、ZIF-100、M3(btp)2(M=Ni,Cu、Zn、及びCo;H3btp=1,3,5-トリス(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゼン)、IRMOF-76、IRMOF-77、PCM-18、MOF-1040、MOF-253_0.08PdCl2、MOF-253_0.83PdCl2、MOF-253_0.97Cu(BF4)2、NOTT-115、UMCM-150、UMCM-154、MOF-5、FJI-1、MOF-100、MOF-177、MOF-210、UMCM-1、UMCM-2、UMCM-3、UMCM-4、UMCM-8、UMCM-9、MTV-MOF-5、L6-L11;PCN-80、UNLPF-1、NOTT-140、UTSA-34a、UTSA-34b、MODF-1、SDU-1、NPG-5、UTSA-20、NU-100、NU-110E、PCN-61、PCN-66、PCN-69、PCN-610、DUT-49、PCN-88、NOTT-300、NOTT-202、NOTT-104、PCN-46、PCN-14、NOTT-100、NOTT-101、NOTT-103、NOTT-109、NOTT-111、ZSA-1、ZSA-2、NOTT-12、NOTT-16、POMF-Cu([Cu24L8(H2O)24]、MIL-59、PCN-12、PCN-12’、DUT-75、DUT-76、PCN-16、PCN-16’、PCN-511、IMP-11、PCN-512、IMP-9、MOF-11、MOF-36、Hf-PCN-523、PCN-521、MOF-177、MOF-180、MOF-200、SNU-150、MOF-14、MOF-143、MOF-388、MOF-399、UiO-88、MOF-1001、IRMOF-62、MOF-101、IRMOF-74、CAU-10-OH、CAU-10-NH2、CAU-10-H、CAU-10-CH3、CAU-10、CALF-25、Zn-DMOF、Co-DMOF、DUT-4、SAPO-34、SBA-15、HZSM-5、MCM-41、KIT-1、MCM-48、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74、PCN-228、PCN-229、PCN-230、MOF-808、MIL-160、MIL-163、FJI-H6、[Zr6O4(OH)4(btba)3](DMF)x(H2O)y(ここで、xは0~<20であり、yは0~<20である)、FJI-H7、ランタニド元素ベースの[La(pyzdc)1.5(H2O)2]2H2O、[Dy(Cmdcp)(H2O)3](NO3)2H2O)n、[Eu(HL)(H2O)2]n2H2O、Tb-DSOA、[Tb(L)(OH)]x(slov)、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O、InベースのJLU-Liu18、AlベースのMIL-121、MAF-6、MAF-7、MAF-49、MAF-X8、[Zn12(trz)20][SiW12O40]11H2O、Zn2TCS(4’4-bipy)、Zn-pbdc-11a(bpe)/-12a(bpe)/-12a(bpy)、Zn(IM)1.5(abIM)0.5、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O))n、Co/Zn-BTTBBPY、PCN-601、Mg-CUK-1、[Cd2(TBA)2(bipy)(DMA)2]、Cu6(trz)10(H2O)4[H2SiW12O40}8H2O、[Ni(BPEB)]、[Eu3(bpydb)3(HCOO)(u3-OH)2(DMF)](DMF)3(H2O)2、MAF-X25、MAF-X27、MAF-X25ox、MAF-27ox、PCN-101、NH2-MIL-125(Ti)、Cu(I)-MOF、AEMOF-1、PCN-222、Cd-EDDA、[Cd2L2]NMPMEOH、Eu/UiO-66-(COOH)2、Eu/CPM-17-Zn、Eu/MIL-53-COOH(Al)、[Ln(HL)(H2O)2]n2H2O、Eu3+@MIL-124、([Tb(L1)1.5(H2O)]3H2O)n、[Tb(l)(OH)]x(solv)、bio-MOF-1、BFMOF-1、NENU-500、Co-ZIF-9、Al2(OH)2TCPP-Co、Al-MIL-101-NH-Gly-Pro、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、HPW@MIL-101、POM-イオン液体で官能化されたMIL-100、硫酸化MIL-53、MIL-101(Cr)-NO2、NENU-1/12-タングストケイ酸、Na-HPAA、PCMOF-10、Ca-PiPhtA、(NH4)2(adp)[Zn2(ox)3]3H2O、([Zn(C10H2O8)0.5(C10S2N2H8)]5H2O])n、([(Me2NH2]3(SO4))2[Zn2(ox)3])n、UiO-66-(SO3H)2、Tb-DSOA、[La3L4(H2O)6]ClxH2O、CALF-25、(Cu2I2)[Cu2PDC2-(H2O)2]2[Cu(MeCN)4]IDMF、(Cu4I4)[Cu2PDC2-(H2O)2]4DMF、(Cu2I2)[Cu3PDC3-(H2O)2]2MeCN)2DMF、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、UiO-68.、MOF-801、MOF-841、[Co4L3(u3-OH)(H2O)3](SO4)0.5、MOF-802、Cu-BTTri、PCN-426、MOF-545、Zn(1,3-BDP)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、NiDOBDC、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MOF-525、MOF-535の1つ以上から選択することができる。
【0118】
MOFは、ゼオライトイミダゾレートフレームワーク(ZIF)、適切には、イミダゾールをベースとするリンカーを有するZn、Co、Cd、Li、又はBの金属塩から形成されるZIFの1つ以上から選択することができ、例えば、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100、ZIF-8、ZIF-9、H-ZIF-8-11、H-ZIF-8-12、H-ZIF-8-14、ZIF-8-MeOH、ZIF-25、ZIF-71、ZIF-93、ZIF-96、ZIF-97、及びそれらの誘導体から選択することができる。MOFは、ZIF-1、ZIF-3、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-10、ZIF-11、ZIF-12、ZIF-14、ZIF-20、ZIF-22、ZIF-9-67、ZIF-60、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-74、ZIF-76、ZIF-77、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-80、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-95、ZIF-100の1つ以上から選択することができる。
【0119】
有利には、ZIFは、堅牢な耐薬品性及び耐熱性、並びに制御可能な多孔度及び孔径が得られることが分かっている。
【0120】
ZIFは、(M-Im-M)の繰り返し単位を形成することができ、ここで、MはZn又はCoであり、及びImは、四面体配位において金属単位に架橋するイミダゾール又はその誘導体である。
【0121】
イミダゾール又はその誘導体の単位は、イミダゾール(ZIF-4リンカー)、2-メチルイミダゾール(ZIF 8リンカー)、2-エチルイミダゾール、2-ニトロイミダゾール、4-イソシアノイミダゾール、4,5-ジクロロイミダゾール、イミダゾール-2-カルボアルデヒド、イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ベンゾ[d]イミダゾール、6-クロロ-ベンゾ[d]イミダゾール、5,6-ジメチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-メチル-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ブロモ-ベンゾ[d]イミダゾール、6-ニトロ-ベンゾ[d]イミダゾール、イミダゾ[4,5-c]ピリジン、プリンの1つ以上から選択することができる。
【0122】
有利には、ZIFは、高温濾過用途に使用することができ、高い熱安定性、高い強度、及び/又は耐薬品性を得ることができる。例えば、ZIF 8は、最高550℃の温度に耐えることができる。
【0123】
MOFは、1つ以上のUiO MOF、例えば、UiO-66、例えばEu/UiO-66-(COOH)2、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、UiO-66-(SO3H)2、UiO-67、UiO-68、UiO-88、及びそれらの誘導体から選択することができる。例えば、UIO-66 MOFは、Eu/UiO-66-(COOH)2、UiO-66-CAT、Pt/UiO-66、UiO-66-(SO3H)2であり得る。MOFは、UiO-68又はUiO-88を含むことができる。
【0124】
有利には、UiO MOFは、堅牢な性質、例えば、高い化学安定性及び熱安定性、高い機械的強度、及び/又は大きな表面積が得られることが分かっている。例えば、熱安定性温度は少なくとも200℃である。UiO MOFはZrをベースとする。UiO MOFは、1,4-ベンゼン-ジカルボキシレート(BDC)リンカーによって隣接する八面体に12回結合する八面体であるZr6O4(OH)4から構成することができるジルコニウム1,4-ジカルボキシベンゼンMOF(UiO 66)であり得る。これとは別に、又はこれに加えて、UiO MOFは、UiO 66、アミノベンゼンジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BDC-NH2)、ジルコニウムベンゼンジカルボイレート(zirconium benzenedicarboylate)(UiO-66-BDC)、ビフェニルジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BPD/UiO-67)、フマル酸ジルコニウムMOF(UiO-66-FA、FA:Zr=0.66~0.98)、trans-1,2-エチレンジカルボン酸ジルコニウムMOF(UiO-66-FA、FA:Zr=1)、トリメリット酸ジルコニウムMOF(UiO-66-BDC-COOH、BDC-COOH:Zr=0.9~1.0)の1つ以上から選択することができる。
【0125】
MOFは、1つ以上のMOF-74、例えば、Zn-MOF-74、Ni-MOF-74、Mg-MOF-74から選択することができる。
【0126】
MOFは、Cu-BTTri、MIL-53(Al)、MIL-101(Cr)、PCN-426-Cr(III)、[(CH3)2NH2]2[Eu6(u3-OH)8(1,4-NCD)6(H2O)6]、Zn(1,3-BDP)、MOF-808、DUT-69、DUT-67、DUT-68、PCN-230、PCN-222、MOF-545、MOF-802、及びHKUST-1の1つ以上から選択することができる。適切には、MOFは、MOF-808、PCN-230、PCN-222、及びHKUST-1の1つ以上から選択され、好ましくはMOF-808、PCN-230、PCN-222の1つ以上から選択される。
【0127】
活性層は、サイズ排除濾過、ファウリング抵抗性、及び/又は吸着、例えばサイズ排除及びファウリング抵抗性が得られるように使用可能となりうる。
【0128】
MOFの孔径は、異なる種のMOF又は異なる長さを有する異なる有機リンカーを用いることによって調節可能である。例えば、MOFの孔径は、少なくとも0.6nm(例えばZIF-78)、例えば少なくとも0.8nm(例えばZIF-81)、又は少なくとも0.9nm(例えばZIF-79)又は少なくとも1.2nm(例えばZIF-69)、又は少なくとも1.3nm(例えばZIF-68)、又は少なくとも1.6nm(例えばZIF-82)、例えば少なくとも1.8nm(例えばZIF-70)、又は少なくとも1.8nm(例えばIRMOF-10)、又は少なくとも2.8nm(例えばMOF-177)であり得る。
【0129】
MOFは、1個のフェニル環を含む元のリンカーの1つ以上を、2、3、4、5、6、7、9、10、又は11個のフェニル環を含むリンカーで置き換えることによって適合させたMOF-74を含むことができる。このような適合によって、それぞれ、孔径を約1.4nmから約2.0nmまで、約2.6nmまで、約3.3nmまで、約4.2nmまで、約4.8nmまで、約5.7nmまで、約7.2nmまで、約9.5nmまで変化させることができる。
【0130】
MOFは疎水性であり得る。疎水性MOFは、MIL-101(Cr)、NiDOBDC、HKUST-1、Al(OH)(2,6-ndc)(ndcは、ナフタレンジカルボキシレート(naphthalendicarboxylate)である)、MIL-100-Fe、UiO-66、ZIFファミリー、例えば、ZIF 71、ZIF 74、ZIF-1、ZIF-4、ZIF-6、ZIF-11、ZIF-9、及びZIF 8の1つ以上から選択することができる。有利には、このようなMOFを使用することで、膜のファウリング抵抗性を改善することができる。
【0131】
MOFは、吸着を促進するMOF、例えばUiO-66又はUiO-66-NH2、好ましくはUiO-66-NH2を含むことができ、これは、吸着剤と及びカチオン染料との間の好都合な静電相互作用のためにアニオン染料よりも効率的に水溶液からカチオン染料を吸着することが分かっている。特に、UiO-66-NH2は、UiO-66よりも、カチオン染料に対してはるかに高い吸着容量、及びアニオン染料に対して低い吸着容量が得られることが分かっている。
【0132】
MOFはナノチャネルを含むことができ、適切にはMOFは、ナノチャネルを含むフレーク又は粒子の形態である。平均ナノチャネル直径は、0.2nm~100nm、例えば0.2~90nmの間、0.3nm~75nm、0.4nm~50nm、例えば0.5nm~40nm、0.5nm~30nm、又は0.5nm~20nm、適切には0.5nm~15nm、0.5nm~10nm、又は好ましくは0.5nm~8nmであり得る。
【0133】
MOFは、ジルコニウムベースのMOFであり得、例えばUiO-66(Zr)、UiO-67(Zr)、及びUiO-68(Zr)、MOF-525(Zr6O4(OH)4(TCPP-H2)3、MOF-535(Zr6O4(OH)4(XF)3、及びMOF545(Zr6O8(H2O)8(TCPP-H2)2(ここで、ポルフィリンH4-TCPP-H2=(C48H24O8N4)であり、十字形H4-XF=(C42O8H22)である)、好ましくはUiO-68(Zr)又はMOF-525、最も好ましくはUiO-68であり得る。前記MOFは、化学物質、温度、及び機械的応力に対して優れた安定性を示すことが分かっている。前記MOFの構造は、ノードとしてのZr6O4(OH)4クラスターサブユニットとベンゼン1,4-ジカルボキシレートライナーなどの有機リンカーとを含むことができる。
【0134】
MOFは、アミン、アルデヒド、アルキン、及び/又はアジドの1つ以上から選択される官能基を含むことができる。MOFの細孔は、アミン、又はアルデヒド、又はアルキン、又はアジド官能基の共有合成後修飾方法などのリンカー及び/又は二次構成単位/ノード上の修飾方法、適切には合成後の修飾方法によって、選択的ふるい分けのため、及びより高い効率を得るために修飾することができる。特定の用途のために、特定の官能基をMOFに導入することができる。例えば、-NH2をUiO-66に加えてUiO-66-NH2を形成することで、鉄酸の吸着が改善されることが分かっており、例えば、活性層と第1の支持部分との間に適合性の相互作用を形成するために、ジメチルジオキシランを用いた酸化によってスルホンを有する基がイソIRMOF-16に加えられる。
【0135】
本発明のMOFは、要求される性質により合成することができ、又は商業的供給元から購入することができる。適切な市販の金属有機構造体材料は、BASF、Sigma-Aldrich、又はStrem Chemicalsから購入することができる。
【0136】
本発明のためのMOFを合成するために使用される方法は、当技術分野において従来通りのものであり、ソルボサーマル合成、マイクロ波支援合成、電気化学的合成などであり得る。
【0137】
MOFは、互いに緻密化及び相互作用又は溶融が起こって活性層を形成する結晶化連続相又は粒子若しくはフレークの形態であり得る。好ましくはMOFは粒子又はフレークの形態である。
【0138】
MOFフレーク又は粒子のサイズ分布は、MOFフレーク又は粒子の少なくとも30重量%が、1nm~10000nmの間、例えば2~7500nmの間、5nm~5000nm、10nm~4000nm、例えば15nm~3500nm、20nm~3000nm、又は25nm~3000nm、適切には30nm~2500nm、40nm~2500nm、又は好ましくは50nm~2500nmのサイズを有し、より好ましくは少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、及び最も好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%又は95重量%又は98重量%又は99重量%が上記のサイズを有するようなサイズ分布であり得る。MOFのサイズ及びサイズ分布は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOLLtd.、日本)を用いて測定することができる。
【0139】
例えば、MOFの試料にわたる二次元層の横方向サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2100F、JEOL Ltd.、日本)、及び測定された同じサイズのナノシート(M
i)の数(N
i)を用いて測定することができる。次に平均サイズは式1:
【数5】
によって計算することができ、ここで、M
iはナノシートの直径であり、N
iは直径M
iを有するサイズの数である。
【0140】
活性層は、MOF以外の材料、適切には二次元材料を含むことができる。例えば、活性層の別の材料は、遷移金属ジカルコゲニド、シリセン、ゲルマネン、スタネン、窒化ホウ素、適切にはh-窒化ホウ素、窒化炭素、遷移金属ジカルコゲニド、グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン官能化酸化グラフェン、及びポリマー/グラフェンエアロゲルの1つ以上から選択することができる。
【0141】
活性層は、活性層の性質を調節するための添加剤を含むことができ、例えば、別の金属;及び/又は繊維、例えば金属酸化物ナノストランド;及び/又はドーパント、例えば、Au、Fe、Cu、Cu(OH)2、Cd(OH)2、及び/又はZr(OH)2を含むことができる。このような添加剤は、MOFの孔径及びチャネル構造を制御するため、及び/又は高い水流束速度のためのナノチャネルを形成するために膜に加えることができる。0.1~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維などのあらゆる種類の適切な繊維を膜内に混入することができる。0.1~850nm、0.5~500nm、又は0.5~100nm、0.75~75nm、好ましくは、0.75~50nmなど。適切には、繊維は、機械的除去又は溶解などによって使用前に除去される。
【0142】
活性層コーティング組成物を膜装置に塗布する方法は、MOFを含むコーティング組成物を第1の支持部分上に塗布するステップを含むことができる。方法は、重力堆積、真空蒸着、圧力堆積;印刷、例えば、インクジェット印刷、エアロゾル印刷、3D印刷、オフセットリソグラフィ印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷技術、パッド印刷;カーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、並びに当業者に周知の別の印刷又はコーティング技術を用いて、コーティング組成物を第1の支持部分上に接触させることを含むことができる。
【0143】
塗布方法のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/186134号パンフレット、特に段落[117]、[118]、及び[126]~[130](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[117]、[118]、及び[126]~[130](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0144】
活性層コーティング組成物は、液体媒体と、1つ以上のMOFとを含む液体組成物であり得る。本発明のコーティング組成物は、溶媒を含むか、非溶媒を含み得、又は無溶媒であり得、UV硬化性組成物、eビーム硬化性組成物などであり得る。
【0145】
コーティング組成物は、適切には塩の形態の1つ以上のSBU又はノード前駆体などのMOF前駆体と、有機配位子又はその前駆体とを含むことができる。コーティング組成物は、MOF SBU又はノードの合成に使用することができるあらゆる種類の化合物の塩前駆体、例えば、金属塩、例えばアルミニウム塩、アンモニウム塩、アンチモン塩、ヒ素塩、バリウム塩、ベリリウム塩、ビスマス塩、カドミウム塩、カルシウム塩、セリウム塩、セシウム塩、クロム塩、コバルト塩、銅塩、ジスプロシウム塩、エルビウム塩、ユウロピウム塩、ガドリニウム塩、ガリウム塩、ゲルマニウム塩、金塩、ハフニウム塩、ホルミウム塩、インジウム塩、イリジウム塩、鉄塩、ランタン塩、鉛塩、リチウム塩、ルテチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、水銀塩、モリブデン塩、ネオジム塩、ニッケル塩、ニオブ塩、オスミウム塩、パラジウム塩、白金塩、カリウム塩、プラセオジム塩、レニウム塩、ロジウム塩、ルビジウム塩、ルテニウム塩、サマリウム塩、スカンジウム塩、セレン塩、銀塩、ナトリウム塩、ストロンチウム塩、硫黄塩、タンタル塩、テルル塩、テルビウム塩、タリウム塩、トリウム塩、ツリウム塩、スズ塩、チタン塩、タングステン塩、バナジウム塩、イッテルビウム塩、イットリウム塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩の1つ以上を含むことができ、又はそれらより形成することができる。
【0146】
有機配位子前駆体は、前述の有機リンカーのいずれか1つなどのMOFの合成に使用することができるあらゆる種類の有機配位子を含むことができる。
【0147】
活性層組成物のさらなる詳細は、公開されたPCT特許出願の国際公開第2019/186134号パンフレット、特に段落[97]~[116](両端の段落番号を含む)に開示されている。段落[97]~[116](両端の段落番号を含む)の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0148】
活性層は、2nm~1000nm、例えば3~800nm、又は4~600nm、例えば5~400nm、又は5~200nm、好ましくは5~150nm、又は5~100nmの厚さを有することができる。
【0149】
膜装置は、第1の支持部分の活性層の2つ以上の離れた部分を含むことができる。
【0150】
活性層は、膜の生成中に繊維を使用することによって形成されたナノチャネルをさらに含むことができる。有利には、製造プロセス中に0.5~1000nmの直径を有する連続繊維又は短繊維を混入し、続いて繊維を除去することによって、活性層中にナノチャネルが存在することで、水流束が大幅に増加することが分かっている。
【0151】
活性層中のナノチャネルは、1~750nm、例えば1~500nm、又は1~250nm、例えば1~150nm、又は1~100nm、例えば1~50nm、又は1~25nm、例えば1~10nm、又は好ましくは1~5nmの直径を有することができる。
【0152】
膜装置は、汚染物質からの水の処理及び分離に使用することができる。
【0153】
膜装置は、高温操作及び/又は過酷なpH環境を必要とする化学的分離、タンパク質の分離、生成した水の処理、又は工業廃水処理に使用することができる。
【0154】
本明細書において言及される「シェルを有する」という用語は、特定の壁の厚さを有する構造の中空の固体部分を意味する。
【0155】
本発明の膜装置は:
a.多孔質セラミック部材の付加製造によって、第2の支持部分の格子構造を生成し、第1の支持部分を形成することと;
b.任意選択的に、第1の支持部分からバインダーを除去して、第1の支持部分の中に細孔を形成することと;
c.任意選択的に、適切には第1の支持部分の上に活性層組成物を塗布することによって、第1の支持部分の少なくとも一部に活性層を塗布することと、
によって製造することができる。
【0156】
ステップ(a)では、第1の支持部分のマクロ構造を形成することができるが、第1の支持部分の細孔構造はステップ(b)で形成することができる。このようなプロセスでは、ステップ(a)は、グリーン部分の形成であると見なすことができる。ステップ(b)は、脱バインダー及び/又は焼結のステップであると見なすことができる。
【0157】
有利には、第1及び/又は第2の支持部分は、付加製造プロセスを用いて生成することができ、適切には印刷することができ、好ましくは、第1及び第2の支持部分は、一体的な支持構造が形成されるように付加製造される。付加製造技術は、あらゆる適切なセラミック3D印刷技術であり得る。例えば、第1及び/又は第2の支持部分は、バインダージェット印刷、ステレオリソグラフィ、デジタルライトプロセッシング(デジタルライトプロセッシング)、二光子重合、インクジェット印刷、ダイレクトインクライティング、三次元印刷、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ラミネートオブジェクト製造、又は溶融堆積モデリングを用いて印刷することができる。
【0158】
多孔質セラミック部材の付加製造によって、製造及び濾過の間に活性層を支持するために必要な機械的強度を有し、同時に、最終フィルター用途中に流体の流れを改善するために高い多孔度及び増加した充填密度とのバランスも取れた膜装置が得られる。
【0159】
本発明の膜装置では、水が活性層を通過するように押し出すために圧力が使用され、これによって汚染物質が分離され水原液中に残り、汚染されていない水は透過液側まで通過し、ここで多孔質セラミック部材から押し出されて、膜装置の出口に向かう。
【0160】
本明細書において「層状構造」という用語は、少なくとも2つの重なり合う層を有する構造を意味する。本明細書において「活性層」又は「膜」という用語は、所望の溶解材料(溶質)、コロイド、又は微粒子を原液溶液から分離するために使用可能な多孔質バリアを意味する。これは、原液流と透過液流戸の間の界面を意味することができる。本明細書において「二次元材料」という用語は、少なくとも1つの寸法が100nm未満である材料を意味する。
【0161】
本発明の目的のためには、脂肪族基は、炭化水素部分であって、直鎖(すなわち非分岐)、分岐、又は環状であり得、完全飽和であり得るか、又は1つ以上の不飽和単位を含み得るが、芳香族ではない炭化水素部分である。「不飽和」という用語は、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を有する部分を意味する。したがって、「脂肪族」という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニルシクロアルケニル基、アルキニル基、又はシクロアルケニル基、並びにそれらの組み合わせを含むことが意図される。「(ヘテロ)脂肪族」という用語は、脂肪族基及び/又はヘテロ脂肪族基の両方を含む。
【0162】
脂肪族基は、任意選択的にC1~30脂肪族基であり、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個の炭素原子を有する脂肪族基である。任意選択的に、脂肪族基は、C1~15脂肪族であり、任意選択的にC1~12脂肪族であり、任意選択的にC1~10脂肪族であり、任意選択的にC1~8脂肪族であり、例えばC1~6脂肪族基である。適切な脂肪族基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基、並びにこれらの混合物、例えば(シクロアルキル)アルキル基、(シクロアルケニル)アルキル基、及び(シクロアルキル)アルケニル基が挙げられる。
【0163】
本明細書において使用される場合、「アルキル」という用語は、脂肪族部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基は、任意選択的に「C1~20アルキル基」であり、すなわち、1~20個の炭素を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。したがって、このアルキルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する。任意選択的に、アルキル基は、C1~15アルキル、任意選択的にC1~12アルキル、任意選択的にC1~10アルキル、任意選択的にC1~8アルキル、任意選択的にC1~6アルキル基である。特に、「C1~20アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ペンチル、イソペンチル、n-ペンチル基、ネオペンチル、n-ヘキシル基、sec-ヘキシル、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基などが挙げられる。
【0164】
本明細書において使用される場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される基を意味する。本明細書において使用される場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族の部分から1つの水素原子を除去することによって誘導される基を意味する。アルケニル基及びアルキニル基は、それぞれ、任意選択的に「C2~20アルケニル」及び「C2~20アルキニル」、任意選択的に「C2~15アルケニル」及び「C2~15アルキニル」、任意選択的に「C2~12アルケニル」及び「C2~12アルキニル」、任意選択的に「C2~10アルケニル」及び「C2~10アルキニル」、任意選択的に「C2~8アルケニル」及び「C2~8アルキニル」、任意選択的に「C2~6アルケニル」及び「C2~6アルキニル」基である。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、アリル、1,3-ブタジエニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、アリル、1,3-ブタジエニル、及びアレニルが挙げられる。アルキニル基の例としては、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、及び1-プロピニルが挙げられる。
【0165】
本明細書において使用される場合、「脂環式」、「炭素環」、又は「炭素環式」という用語は、3~20個の炭素原子を有する飽和又は部分不飽和の環状脂肪族の単環式又は多環式の(縮合、架橋、及びスピロ縮合を含む)環系を意味し、すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する脂環式基を意味する。任意選択的に、脂環式基は、3~15個、任意選択的に3~12個、任意選択的に3~10個、任意選択的に3~8個の炭素原子を有し、任意選択的に3~6個の炭素原子を有する。「脂環式」、「炭素環」、又は「炭素環式」という用語は、1つ以上の芳香環又は非芳香環、例えばテトラヒドロナフチル環と縮合する脂肪族環も含み、ここで結合点は脂肪族環上に存在する。炭素環式環は、多環式、例えば二環式又は三環式であり得る。脂環式基は、1つ以上の結合性又は非結合性アルキル置換基、例えば-CH2-シクロヘキシルを有する脂環式環を含むことができることは認識されよう。特に、炭素環の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、バイシクル[2,2,1]ヘプタン、ノルボレン(norborene)、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、スピロ[4.5]デカン、シクロヘプタン、アダマンタン、及びシクロオクタンが挙げられる。
【0166】
ヘテロ脂肪族基(ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルを含む)は、1つ以上のヘテロ原子をさらに含む前述の脂肪族基である。したがって、ヘテロ脂肪族基は、任意選択的に2~21個の原子、任意選択的に2~16個の原子、任意選択的に2~13個の原子、任意選択的に2~11個の原子、任意選択的に2~9個の原子、任意選択的に2~7個の原子を含み、少なくとも1つの原子が炭素原子である。任意選択のヘテロ原子は、O、S、N、P、及びSiから選択される。ヘテロ脂肪族基が2つ以上のヘテロ原子を有する場合、ヘテロ原子は、同じ場合も異なる場合もある。ヘテロ脂肪族基は、置換又は非置換、分岐又は非分岐、環式又は非環式であり得、飽和、不飽和、又は部分不飽和の基を含むことができる。
【0167】
脂環式基は、3~20個の炭素原子を有する飽和又は部分不飽和で環状脂肪族の単環式又は多環式の(縮合、架橋、及びスピロ縮合を含む)環系であり、すなわち3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を有する脂環式基である。任意選択的に、脂環式基は、3~15個、任意選択的に3~12個、任意選択的に3~10個、任意選択的に3~8個の炭素原子、任意選択的に3~6個の炭素原子を有する。「脂環式」という用語は、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びシクロアルキニル基を含む。脂環式基は、1つ以上の結合性又は非結合性アルキル置換基、例えば-CH2-シクロヘキシルを有する脂環式環を含むことができることは認識されよう。特に、C3~20シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
【0168】
アリール基又はアリール環は、5~20個の炭素原子を有する単環式の又は多環式の環系であり、環系の少なくとも1つの環が芳香族であり、環系のそれぞれの環は3~12個の環の要素を含む。アリール基は、任意選択的に「C6~12アリール基」であり、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子で構成されるアリール基であり、単環式環基、又は二環式環基などの縮合環を含む。特に、「C6~10アリール基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、アントラシル基、ナフチル基、又はアズレニル基などが挙げられる。インダン、ベンゾフラン、フタルイミド、フェナントリジン、及びテトラヒドロナフタレンなどの縮合環もアリール基に含まれることに留意すべきである。
【0169】
本明細書において使用される場合、特にはっきりと明記されなければ、値、範囲、量、又はパーセント値を表すものなどのあらゆる数字は、「約」という用語が明確に現れない場合でも、「約」という単語が前に付けられるかのように読むことができる。本明細書において使用される場合、「約」という用語は、記載の値の±10%を意味する。また、本明細書に示されるあらゆる数値範囲は、その中に包含されるあらゆる部分範囲を含むことが意図される。単数形は複数形を含んでおり、逆もまた同様である。例えば、本明細書において「1つの」多孔質セラミック部材、「1つの」支持部材、「1つの」フィルター部材などに言及されるが、これら及びその他のあらゆる構成要素のそれぞれの1つ以上を使用することが可能である。本明細書において使用される場合、「ポリマー」という用語は、オリゴマーと、ホモポリマーとコポリマーとの両方とを意味し、「ポリ」という接頭語は、2つ以上を意味する。含む、例えば、及び同様の用語は、例えば~を含むが、それに限定されるものではないことを意味する。
【0170】
ある種類に関して複数の範囲が提供される場合、それぞれの範囲は、その種類の列挙される種のいずれか1つ以上に追加で独立して適用することもできる。
【0171】
本明細書に含まれるすべての特徴は、あらゆる組み合わせで前述の態様と組み合わせることができる。
【0172】
本発明のより十分な理解のため、及び本発明の実施形態を実行に移すことができる方法を示すために、これより例として以下の実験データが参照される。
【0173】
これより、単なる例として、添付の図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【
図1】比較例1のセラミック膜装置を形成するための押出プロセスを示している。
【
図5】1つの軸に沿って不均一ジャイロイド格子構造を有する実施例3の膜装置を示しており、比較用の均一ジャイロイドの例も示している。
【実施例】
【0175】
比較例1
図1中に示されるように、アルミナ100と、細孔形成剤102と、バインダーとの混合物を用いて押出プロセスを行うことによってチャネルを有するセラミック膜装置を製造するための従来技術の方法によって、比較例1が形成される。混合物は押出機に入り、加圧下で一定の形状を有する膜装置に押し出される。この膜装置は、ある長さで切断され、焼結される。
【0176】
図2中に示されるように、製造された比較用膜装置104は、全体的に円筒形であり、膜装置の支持体108を長手方向に通過して延在する複数の間隔をあけた円筒形で直線的で平行の原液流動チャネル106を有する。これらのチャネルは、支持体108によってそれらの長さに沿って取り囲まれ、これによってチャネルの間隔があけられる。原液流動チャネル106の内面には、活性層108が上にコーティングされている。活性層108の下には、移行層110が存在する。移行層108及び活性層110は支持部分112によって支持される。支持部分112は、非格子の不規則な構造から形成される。使用中、原液流114は、原液流動チャネルを通過し、所望の透過液は活性層108及び移行層110を通過して、支持体108の支持部分112内に流れ、次に膜装置104から流出する。
【0177】
比較例1の膜装置の原液流動チャネルは、直径が2.6mmであり、平均チャネルピッチは4.65mmであり、隣接する原液流動チャネルの最も狭い場所の間の距離は2.1mmである。
【0178】
比較用膜装置104は、隣接するチャネル106の間で2.1mmの平均厚さを有し、≦350m2/m3の充填密度を有する。
【0179】
実施例1
図3中に示されるように、実施例1のセラミック膜装置200は、比較例1の膜装置と同様のマクロ構造を有し、支持体204によって取り囲まれ間隔をあけられた複数の間隔をあけた円筒形で直線的で平行の原液流動チャネル202を有する。実施例1の膜装置200では、チャネル202は、0.2mmの平均厚さを有する薄い壁の第1の支持部分から形成される。実施例1の膜装置は、原液流動直径が2.6mmであり、平均チャネルピッチが4mmであり、隣接する原液流動チャネルの最も狭い場所の間の距離が1.4mmである。
【0180】
原液流動チャネル202は、内面上に活性層206のコーティングを有し、これは第1の支持部分208によって支持され、次にこれは第2の支持部分204によって支持される。第2の支持部分204は、3mmのセルサイズのジャイロイド格子構造を有する。
【0181】
実施例1の膜装置の原液流動チャネル202は、より密接に積層して、膜表面の充填密度が高くすることができる。実施例1の膜装置によって、≧40%の多孔度パーセント値、≧350m2/m3の充填密度が得られ、≧100kPa(1bar)の原液印加圧力に耐えることができる引張強度を有する
【0182】
実施例1の膜装置は、アルミナとバインダーとを含む組成物から、第1の支持体及び第2の支持部分の特有の格子構造のあらかじめ決定されたマクロ構造を付加製造して、多孔質セラミック部材を形成することによって製造した。製造後、多孔質セラミック部材の後処理を行ってバインダーを除去して、第1の支持部分に細孔を形成し、第1の支持部分の上部のチャネルの内面に活性層を塗布した。
【0183】
実施例2
図4中に示されるように、第1の支持部分304及び第2の支持部分306によって形成された原液流動チャネル302を有する実施例2のセラミック膜装置300は、第2の支持部分306がシェルを有するジャイロイド構造を有することで、一連の相互接続された空隙308が形成されて、透過液が流れるためのさらなる経路が得られるが、1barを超える原液印加圧力に耐える構造の能力を損なっていないことを除けば、実施例1と同じである。この実施形態では、多孔度も実施例1より増加している。
【0184】
実施例3
図5a~d中に示されるように、実施例3の膜装置の第2の支持部分が、不均一格子のlattcie構造から形成されることを除けば、実施例3のセラミック膜装置400は実施例1の膜装置と同じである。不均一性の方向は、方向Xに沿って
図5aの側面図に示されている。比較のため、均一な格子構造を有する膜装置500の側面図を
図5d中に示している。実施例3の膜装置では、乱流が促進され、液体の原液又は透過液の流動経路中の圧力及び/又は速度が変化することによって、より良好な流束が得られる。
【0185】
本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示されるすべての特徴、及び/又はそのように開示されるいずれかの方法又はプロセスのすべてのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに排他的となる組み合わせを除いたあらゆる組み合わせで組み合わせることができる。
【0186】
特に明記されなければ、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)中に開示されるそれぞれの特徴は、同一、同等、又は同様の目的を果たす別の特徴によって置き換えることができる。したがって、特に明記されなければ、開示されるそれぞれの特徴は、包括的な一例の同等又は類似の特徴の単なる一例である。
【0187】
本発明は、以上の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示される特徴のあらゆる新規なもの若しくはあらゆる新規な組み合わせ、又はそのように開示されるいずれかの方法若しくはプロセスのステップのあらゆる新規なもの若しくはあらゆる新規な組み合わせに拡張される。
【国際調査報告】