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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】粒状肥料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C05G 5/30 20200101AFI20240227BHJP
   C05G 5/12 20200101ALI20240227BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C05G5/30
C05G5/12
B01J2/00 C
B01J2/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555561
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022019499
(87)【国際公開番号】W WO2022192360
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/160,181
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/690,368
(32)【優先日】2022-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520478987
【氏名又は名称】パーセル・アグリ-テック・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルト,ティモシー・ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ギリス,トレントン・コール
【テーマコード(参考)】
4G004
4H061
【Fターム(参考)】
4G004BA00
4H061AA01
4H061AA02
4H061BB03
4H061BB04
4H061BB05
4H061BB06
4H061BB13
4H061BB23
4H061BB31
4H061BB32
4H061BB44
4H061BB53
4H061BB54
4H061CC04
4H061CC05
4H061CC06
4H061CC11
4H061CC12
4H061CC15
4H061CC16
4H061CC17
4H061CC19
4H061DD15
4H061DD18
4H061EE07
4H061EE24
4H061EE29
4H061EE35
4H061EE51
4H061FF08
4H061FF15
4H061GG10
4H061GG14
4H061GG16
4H061GG18
4H061GG20
4H061GG26
4H061GG41
4H061HH03
4H061HH05
4H061LL07
(57)【要約】
被覆顆粒、並びに水流及び風によって被覆顆粒が浮遊及び/又は漂流することを防止する被覆顆粒の製造方法が開示されている。被覆顆粒は、肥料などの水溶性化合物を有するコアと、制御放出層と、水分張力を低下させるための界面活性剤を含む表面処理と、制御放出層と表面処理層の間に配置された任意選択のコーティングであって、被覆顆粒を土壌の表面に固着させることを助け、転がりによる移動の可能性を低下させ得る、高吸収性ポリマーなどのゲル化剤を含む、コーティングとを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆肥料顆粒であって、
水溶性肥料材料を含むコアと、
ゲル化剤が含浸されたウレタン層を有するコーティングと、
前記コアと前記コーティングの間に配置された制御放出層と、
前記コーティング上に配置され、界面活性剤及び溶媒を含む表面処理層と
を有する、被覆肥料顆粒。
【請求項2】
前記ウレタン層が、(i)前記ゲル化剤と混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)ポリオールと反応させた前記ゲル化剤と混合されたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、請求項1に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項3】
前記界面活性剤が、アルコールエトキシレート、シリコーン系界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の被覆肥料。
【請求項4】
前記界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル、多価アルコール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の被覆肥料。
【請求項5】
前記界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル及び多価アルコールの混合物を含む、請求項1に記載の被覆肥料。
【請求項6】
前記溶媒が、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、植物油、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の被覆肥料。
【請求項7】
前記ゲル化剤が高吸収性ポリマーである、請求項1に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項8】
前記ゲル化剤が、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、植物デンプン、ベントナイト粘土、又はモンモリロナイト粘土を含む、請求項1に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項9】
前記ゲル化剤が、少なくとも約20gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有する吸水性ポリマーを含む、請求項1に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項10】
前記水溶性肥料材料が、尿素、硫酸アンモニウム、硝酸カルシウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、リン酸カルシウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、ピロリン酸四カリウム、メタリン酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、又はこれらの組み合わせを含む一次栄養素を含む、請求項1に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項11】
前記水溶性肥料材料が、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、元素状硫黄、硫酸アンモニウム、又はこれらの組み合わせを含む二次栄養素をさらに含む、請求項10に記載の被覆肥料顆粒。
【請求項12】
肥料顆粒であって、
水溶性肥料材料を含むコアと、
界面活性剤及び溶媒を含む表面処理層と、
前記コアと前記表面処理層の間に配置された制御放出層であって、少なくとも1つのウレタン層及び少なくとも1つのワックス層を含む制御放出層と
を有する、肥料顆粒。
【請求項13】
前記制御放出層が、複数の交互に存在するウレタン層及びワックス層を含む、請求項12に記載の肥料顆粒。
【請求項14】
前記制御放出層の厚さが約1μm~約150μmである、請求項13に記載の肥料顆粒。
【請求項15】
前記制御放出層と前記表面処理層の間に配置されたコーティングをさらに有する、請求項12に記載の肥料顆粒。
【請求項16】
被覆肥料顆粒を製造する方法であって、
水溶性肥料材料を含むコアを提供する工程と、
前記コアの上に配置された制御放出層を付与して制御放出コアを形成する工程と、
前記制御放出コアの上にコーティングを付与して被覆コアを形成する工程であって、前記コーティングが、ゲル化剤が含浸されたウレタン層を有する工程と、
前記被覆コアの上に表面処理層を付与する工程であって、前記外面処理層が界面活性剤及び溶媒を含む工程と
を含む、方法。
【請求項17】
前記ウレタン層が、(i)前記ゲル化剤と混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)前記ゲル化剤と混合され、ポリオールと反応させたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲル化剤が高吸収性ポリマーを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記水溶性肥料材料が水溶性害虫駆除剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒が、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、植物油、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、粒状肥料並びにその製造方法及び使用方法に関する。より具体的には、本開示は、水溶性肥料材料を含むコアと、制御放出層と、任意選択のコーティング層と、外面処理層とを有する被覆肥料顆粒に関する。
【背景技術】
【0002】
制御放出肥料の生産には著しい改善が存在してきたが、制御放出肥料は灌漑された条件下で栽培される作物に関係するので、さらなる進歩がなお必要とされている。例えば、現在市場に出ている被覆肥料の多くは、浮遊するという1つの共通の望ましくない形質を共有する。被覆顆粒が浮遊し始めると、水流及び/又は風が肥料を植物集団が少ない領域に運び、植物集団が増加した領域は、制御放出肥料によって提供される利益を利用することができない。肥料の外側バリアを一般に構成するポリマー及びワックスは、極めて疎水性であり、顆粒を浮遊させる。農家の田畑に一旦均一に撒かれた被覆肥料の多くは、その地域の最も標高が低い場所に移される。この望ましくない出来事は、農業従事者が灌漑前又は灌漑後の田畑で被覆肥料を使用しようと試みる場合に極めて一般的である。
【0003】
したがって、当技術分野では、被覆肥料が水流及び風によって浮遊及び漂流することを防止する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0004】
上で説明した問題及び他の問題は、以下の発明によって対処されるが、本明細書に記載されている発明のすべての実施形態が上記の問題のそれぞれに対処するわけではないことを理解されたい。本開示は、下に存在する表面(土壌など)への沈降及び付着の一方又は両方を容易にする被覆顆粒及び被覆顆粒の製造方法を提供する。被覆顆粒は、被覆顆粒を土壌の表面に固着させる役割を果たし、転がりによる移動の可能性を低下させるゲル化剤を含む。顆粒のいくつかの実施形態は、沈降を促進する、界面活性剤などの外側の湿潤剤を含む。
【0005】
第1の態様では、被覆肥料顆粒であって、水溶性肥料材料を含むコアと、高吸収性ポリマーが含浸されたウレタン層を有するコーティングであって、ウレタン層は、(i)高吸収性ポリマーと混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)ポリオールと反応させた高吸収性ポリマーと混合されたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、コーティングと、コアとコーティングの間に配置された制御放出層と、界面活性剤及び溶媒を含む、コーティングの周りに配置された表面処理層とを有する、被覆肥料顆粒が提供される。
【0006】
第2の態様において、被覆顆粒であって、水溶性化合物を含むコアと、ゲル化剤を含むコーティングと、コアとコーティングの間の制御放出層と、界面活性剤及び溶媒を含む、コーティングの周りに配置された表面処理層とを含む、被覆顆粒が提供される。
【0007】
第3の態様では、吸収性ポリマーが含浸された
ウレタンコーティングとコアとを含む被覆顆粒であって、ウレタンコーティングは、(i)吸収性ポリマーと混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)ポリオールと反応させた吸収性ポリマーと混合されたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、被覆顆粒が提供される。一実施形態では、顆粒は、水溶性肥料材料を含むコアを含む。別の実施形態では、顆粒は、界面活性剤及び溶媒から形成された、コーティングの周りに配置された表面処理層を含む。
【0008】
第4の態様では、肥料顆粒であって、水溶性肥料材料を含むコアと、コアの周りに配置された制御放出層と、界面活性剤及び溶媒を含む、制御放出層の周りに配置された表面処理層とを含む肥料顆粒が提供される。
【0009】
上記態様のいずれにおいても、界面活性剤は、アルコールエトキシレート、シリコーン系界面活性剤又はこれらの組み合わせであり得る。別の実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル、多価アルコール又はこれらの組み合わせであり得る。さらに別の実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル及び多価アルコールの混合物である。上記態様のいずれにおいても、溶媒はトリプロピレングリコールであり得る。
【0010】
第5の態様では、被覆肥料顆粒を製造する方法であって、水溶性肥料材料を含むコアを提供する工程と、コアの上に配置された制御放出層を適用する工程と、制御放出層の上にコーティングを適用する工程であって、コーティングは、高吸収性ポリマーが含浸されたウレタン層を含み、ウレタン層は、(i)高吸収性ポリマーと混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)高吸収性ポリマーと混合され、ポリオールと反応させたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、工程と、コーティング上に外面処理層を適用する工程であって、外面処理層は界面活性剤及び溶媒を含む、工程とを含む、方法が提供される。
【0011】
第6の態様において、制御放出顆粒を製造する方法であって、水溶性化合物を含有するコアを提供する工程と、コアの上に制御放出層を適用する工程と、制御放出層上にゲル化剤のコーティングを適用する工程と、コーティングの上に外面処理層を適用する工程とを含む、方法が提供される。
【0012】
第7の態様では、被覆顆粒を製造する方法であって、高吸収性ポリマーが含浸されたウレタン層をコアの上に適用する工程を含み、ウレタン層は、(i)高吸収性ポリマーと混合され、イソシアネートと反応させたポリオール、及び(ii)高吸収性ポリマーと混合され、ポリオールと反応させたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される、方法が提供される。
【0013】
第8の態様では、肥料顆粒を製造する方法であって、コアの上に制御放出層を適用する工程であって、コアは水溶性肥料材料を含む、工程と、界面活性剤及び溶媒を含む表面処理層を制御放出層の上に適用する工程とを含む、方法が提供される。
【0014】
被覆顆粒又は肥料顆粒を製造する上記の方法のいずれにおいても、界面活性剤は、アルコールエトキシレート、シリコーン系界面活性剤又はこれらの組み合わせであり得る。別の実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル、多価アルコール又はこれらの組み合わせであり得る。さらに別の実施形態では、溶媒はトリプロピレングリコールであり得る。
【0015】
第9の態様では、上記の方法の任意の1つによって作製された被覆顆粒又は肥料顆粒が提供される。
【0016】
第10の態様では、肥料を放出する方法であって、被覆顆粒又は肥料顆粒を土壌に適用する工程を含み、土壌は、被覆顆粒が存在している期間、灌漑前又は灌漑後であり、ゲル化剤は水和された状態となり、その結果、土壌付着を補助するゲルを形成する、方法が提供される。
【0017】
第11の態様では、植物を栽培する方法であって、上記請求項のいずれか一項に記載の被覆顆粒又は肥料顆粒を植物に近接して配置して、肥料の制御放出を可能にする工程を含む方法が提供される。
【0018】
本開示は、水溶性肥料材料を含むコアと、ゲル化剤が含浸されたウレタン層を有するコーティングと、コアとコーティングの間に配置された制御放出層と、コーティング上に配置され、並びに界面活性剤及び溶媒を含む表面処理層とを含む被覆肥料顆粒にも関する。一実施形態では、ウレタン層は、(i)ゲル化剤と混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)ポリオールと反応させたゲル化剤と混合されたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される。別の実施形態では、界面活性剤は、アルコールエトキシレート、シリコーン系界面活性剤又はこれらの組み合わせを含む。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル、多価アルコール又はこれらの組み合わせを含む。さらに別の実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル及び多価アルコールの混合物を含む溶媒は、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、植物油及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0019】
いくつかの態様では、ゲル化剤は高吸収性ポリマーである。さらに別の実施形態では、ゲル化剤は、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、植物デンプン、ベントナイト粘土、又はモンモリロナイト粘土のうちの少なくとも1つを含む。ゲル化剤は、少なくとも約20gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有する吸水性ポリマーを含み得る。
【0020】
他の態様では、水溶性肥料材料は、尿素、硫酸アンモニウム、硝酸カルシウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、過リン酸石灰(single superphosphate)、重過リン酸石灰(triple superphosphate)、リン酸カルシウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、ピロリン酸四カリウム、メタリン酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム又はこれらの組み合わせを含む一次栄養素を含む。別の態様では、水溶性肥料材料は、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、元素状硫黄、硫酸アンモニウム又はこれらの組み合わせを含む二次栄養素をさらに含む。
【0021】
本開示は、水溶性肥料材料を含むコアと、界面活性剤及び溶媒を含む表面処理層と、コアと表面処理層の間に配置された制御放出層であって、少なくとも1つのウレタン層及び少なくとも1つのワックス層を含む制御放出層とを有する、肥料顆粒にも関する。一実施形態では、制御放出層は、複数の交互に存在するウレタン層及びワックス層を有する。別の実施形態では、制御放出層の厚さは、約1μm~約150μmである。さらに別の実施形態では、肥料顆粒は、制御放出層と表面処理層の間に配置されたコーティングをさらに含む。
【0022】
本開示は、被覆肥料顆粒を製造する方法であって、水溶性肥料材料を含むコアを提供する工程と、コアの上に配置された制御放出層を付与して制御放出コアを形成する工程と、制御放出コアの上にコーティングを付与して被覆コアを形成する工程であって、コーティングは、ゲル化剤が含浸されたウレタン層を有する、工程と、被覆コアの上に表面処理層を適用する工程であって、外面処理層は界面活性剤及び溶媒を含む、工程とを含む、方法にも関する。
【0023】
一態様では、ウレタン層は、(i)ゲル化剤と混合され、イソシアネートと反応させたポリオール及び/又は(ii)ゲル化剤と混合され、ポリオールと反応させたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成される。別の態様において、ゲル化剤は、高吸収性ポリマーを含む。さらに別の態様において、水溶性肥料材料は、水溶性害虫駆除剤を含む。さらに別の態様では、溶媒は、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、植物油及びこれらの組み合わせから選択される。
【0024】
さらなる特徴及び利点は、以下に記載される図面に関連して提供される以下の詳細な説明から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の例示的な実施形態による被覆顆粒の層を示す図である。
図2】ゼラチン状封入層/コーティングの形成前の被覆顆粒を示す。
図3】本開示の実施形態によるゼラチン状封入層/コーティングを有する被覆顆粒を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される(技術用語及び科学用語を含む)すべての用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、本明細書の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことがさらに理解されよう。周知の機能又は構造は、簡潔さ又は明瞭さのために詳細に記載されない場合があり得る。
【0027】
「約(about)」及び「およそ(approximately)」という用語は、一般に、測定の性質又は精度を考慮して、測定された量に対して許容され得る誤差又は変動の程度を意味するものとする。典型的な例示的な誤差又は変動の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、さらにより好ましくは1%以内である。本明細書で与えられる数量は、特に明記しない限り近似であり、明示的に述べられていない場合、「約」又は「およそ」という用語が推測され得ることを意味する。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形(すなわち、「少なくとも1つ」)も含むことが意図される。
【0029】
「第1の」、「第2の」などの用語は、様々な特徴又は要素を記載するために本明細書で使用されるが、これらの特徴又は要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴又は要素を別の特徴又は要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論述される第1の特徴又は要素は、第2の特徴又は要素と呼ぶことができ、同様に、以下で論述される第2の特徴又は要素は、本開示の教示から逸脱することなく、第1の特徴又は要素と呼ぶことができる。
【0030】
「A及びBの少なくとも1つ」などの用語は、「Aのみ、Bのみ又はAとBの両方」を意味すると理解されるべきである。同じ解釈が、より長いリスト(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」)に適用されるべきである。
【0031】
「から本質的になる」という用語は、列挙された要素に加えて、特許請求されているものが、本開示に記載されているその意図された目的に関して、特許請求されているものの実施可能性に悪影響を及ぼさない他の要素(工程、構造、成分、構成要素など)も含有し得ることを意味する。この用語は、そのような他の要素が何らかの他の目的に関して特許請求されているものの実施可能性を増大させ得る場合であっても、本開示において述べられているその意図された目的に関して特許請求されているものの実施可能性に悪影響を及ぼすような他の要素を除外する。
【0032】
本明細書で使用される「し得る」という用語は、任意選択である(すなわち、「してもよく、又はしなくてもよい」)特徴を指し、記載されているものを限定すると解釈されるべきではない。
【0033】
本明細書で使用される「上」という用語は、顆粒の中心から別の層、コーティング又は構成要素よりも遠い何らかの層、コーティング又は構成要素を指す。例えば、「XがYの上にある」は、XがYよりも顆粒の中心から遠いことを意味すると解釈されるべきである。XはYと直接接触し得(「すぐ上に」)、又は介在する距離及び/若しくは構成要素が存在し得る。「上」という用語のあらゆる事例は、「すぐ上」に限定され得ることが企図される。
【0034】
本発明の開示された実施形態の任意の所与の要素は、単一の構造、単一の工程、単一の物質などで具体化され得ることを理解されたい。同様に、開示された実施形態の所与の要素は、複数の構造、工程、物質などで具体化され得る。
【0035】
被覆顆粒
本開示は、停滞した水に滴下されたときに沈降することができる、水が顆粒上を通過する際の動きに抵抗することができる、又はその両方をすることができる被覆顆粒を提供する。本明細書に記載される被覆顆粒は、ゼラチン状封入層を生成して、土壌付着によって移動に対する抵抗性を提供することもできる。いくつかの実施形態では、被覆顆粒は、約0.10mm~約20mmの範囲の粒径を有し得る。別の実施形態では、被覆顆粒は、約1.0mm~約5.0mmの範囲の粒径を有し得る。さらに別の実施形態では、被覆顆粒は、約2.5mm~約4.0mmの範囲の粒径を有し得る。
【0036】
一実施形態では、(被覆顆粒の総重量を基準として)被覆顆粒の約80重量%~約100重量%が上記粒径の中に入る。例として、この態様では、被覆顆粒の約80重量%~約100重量%が、実施形態に応じて、約0.1mm~約20mm、約1.0mm~約5.0mm又は2.5mm~約4.0mmの範囲の粒径を有する。別の実施形態では、(被覆顆粒の総重量を基準として)被覆顆粒の約85重量%~約95重量%が上記粒径の中に入る。この態様では、被覆顆粒の約85重量%~約95重量%が、実施形態に応じて、約0.1mm~約20mm、約1.0mm~約5.0mm又は2.5mm~約4.0mmの範囲の粒径を有し得る。さらに別の実施形態では、(被覆顆粒の総重量を基準として)被覆顆粒の約88重量%~約92重量%が上記粒径の中に入る。さらに別の実施形態では、(被覆顆粒の総重量を基準として)被覆顆粒の約90重量%~約98重量%が上記粒径の中に入る。さらに別の実施形態では、(被覆顆粒の総重量を基準として)被覆顆粒の約92重量%~約100重量%が上記粒径の中に入る。さらに別の実施形態では、粒径分布は、被覆顆粒の少なくとも約90重量%がこれらのサイズ範囲の中に入ることを要求する。
【0037】
図1は、本開示の例示的な実施形態による被覆顆粒100の様々な層を示す。図1に示されるように、被覆顆粒100は、コア1を含む。コア1は、水溶性肥料又は害虫駆除剤などの水溶性化合物を含み得る。一実施形態では、コア1は水溶性肥料を含む。この実施形態では、肥料は、一次栄養素の可溶性の生物利用可能な形態を含み得る。本明細書で使用される「可溶性の生物利用可能な形態」は、取り込み又は吸着のために生物にとって利用可能であり、溶解されることが可能な元素又は化合物を指す。一次栄養素は、窒素、リン及びカリウムのうちの少なくとも1つであり得る。例えば、一次栄養素は、尿素、硫酸アンモニウム、硝酸カルシウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、リン酸カルシウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、ピロリン酸四カリウム、メタリン酸カリウム、塩化カリウム及び硫酸カリウムのうちの少なくとも1つの形態であり得る。一実施形態では、一次栄養素は、少なくとも40%分子重量の窒素、より好ましくは46%分子重量の窒素を有する尿素肥料の形態であり得る。コア1は、少なくとも約5重量%の一次栄養素であり得る。コアのさらなる実施形態は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98及び99重量%の最小一次栄養素濃度を有し得る。コアの特定の実施形態は、100重量%の一次栄養素である。別の実施形態では、コアは、(コアの総重量を基準として)約85重量%以上の一次栄養素を含む。さらに別の実施形態では、一次栄養素は、(コアの総重量を基準として)コアの約60重量%~約100重量%を構成する。さらに別の実施形態では、(コアの総重量を基準として)コアの約70重量%~約99重量%が一次栄養素である。さらに別の実施形態では、(コアの総重量を基準として)コアの約75重量%~約95重量%が一次栄養素である。
【0038】
いくつかの実施形態では、コア1は、窒素並びにカリウム及びリンの一方又は両方の均質な溶融物であり得る。この実施形態では、窒素対リン対カリウムの比(N:P:K)は、例えば、29-3-4、22-3-14、22-7-10、21-7-14、21-5-10、20-28-5、20-11-18、20-5-10、18-6-18、16-4-8、15-15-15、15-5-10、13-13-13、12-11-18、12-6-24、10-10-10、21-0-21及び15-0-15であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、肥料は、可溶性の生物利用可能な形態の二次栄養素を含み得る。二次栄養素は、カルシウム、マグネシウム及び硫黄のうちの少なくとも1つであり得る。例えば、二次栄養素は、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、元素状硫黄及び硫酸アンモニウムのうちの1つ以上の形態であり得る。コア1のある実施形態は、(コアの総重量を基準として)約0.5重量%~約15重量%の二次栄養素であり得る。さらなる実施形態において、コア1は、(コアの総重量を基準として)約5重量%~約10重量%の二次栄養素であり得る。コア1のさらなる実施形態は、(コアの総重量を基準として)1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15重量%の二次栄養素含有量を有し得る。別の実施形態では、コアは、(コアの総重量を基準として)約85重量%以上の二次栄養素を含む。さらに別の実施形態では、一次栄養素は、(コアの総重量を基準として)コアの約1重量%~約8重量%を構成する。さらに別の実施形態では、(コアの総重量を基準として)コアの約1重量%~約6重量%が一次栄養素である。さらに別の実施形態では、(コアの総重量を基準として)コアの約1重量%~約5重量%が一次栄養素である。
【0040】
他の実施形態では、肥料は微量栄養素を含み得る。微量栄養素は、ホウ素、塩素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル及び亜鉛のうちの1つ以上を含み得る。例えば、微量栄養素は、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、金属塩化物、銅キレート化合物、塩化銅、酸化銅、硫酸銅、塩化第一鉄、酸化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、酸化第二鉄、硫酸第二鉄、マンガンキレート化合物、塩化マンガン、酸化マンガン、硫酸マンガン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、ニッケルキレート化合物、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、亜鉛キレート化合物、塩化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛及びオキシ硫酸亜鉛のうちの1つ以上の形態であり得る。コア1は、約0.01重量%~約5.0重量%の微量栄養素を含み得る。別の実施形態では、コア1は、約0.1重量%~約2.0重量%の微量栄養素を含み得る。
【0041】
図1に示されるように、任意選択的に、プレコート層2が、コア1の上に配置され得る。プレコート層2は、肥料の任意の表面凹凸を埋めて、滑らかにするために使用され得る。プレコート層2は、コーティング効率及び全体的なコーティングの機能性を改善する。一実施形態では、プレコート層2は、非反応性鉱物及び反応性油の層を含む。例えば、プレコート層2は、エポキシ化植物油によって運ばれる炭酸カルシウムの鉱物粉末を含み得る。別の実施形態では、プレコート層2は、拡散の機構を遅らせ、肥料の放出を制御するためにワックス層を含み得る。ワックスは、パラフィン、ワセリン、ポリアミド、微結晶ワックス又はこれらの混合物であり得る。別の実施形態では、ワックスは、以下のワックス:オレフィンワックス、パラフィンワックス、ワセリンワックス、ポリアミドワックス及び微結晶ワックスのうちの少なくとも2つの混合物である。一実施形態において、プレコート層2は、(被覆顆粒の総重量を基準として)約0.01重量%~約5重量%の量で肥料に適用される。別の実施形態では、プレコート層2は、(被覆顆粒の総重量を基準として)約0.25重量%~約2重量%の量で肥料に適用される。さらに別の実施形態において、プレコート層2は、(被覆顆粒の総重量を基準として)約0.5重量%~約1重量%の量で肥料に適用される。
【0042】
肥料栄養素放出のための制御放出層は、コア1(又は使用される場合にはプレコート層2)の上に配置され得る。本明細書で使用される場合、「制御放出層」は、上記の肥料栄養素のいずれかを長期制御された様式でゆっくりと放出するように設計された層を指す。制御放出層は、ウレタン層及びワックス層から構成され得る。図1に示されるように、制御放出層は、複数の交互に存在するウレタン層3、5、7、9、11及びワックス層4、6、8、10を含み得る。図1は、5つのウレタン層及び4つのワックス層の使用を例示しているが、コーティングの所望の総重量に応じて、任意の数の交互に存在するウレタン層及びワックス層が使用され得る。この点に関して、(その中で使用される層の数又は種類にかかわらず)制御放出層がコア1(又は任意選択のプレコート層2をその上に有するコア1)の周りに配置されると、制御放出コアは、便宜上、11aと呼ばれるか、又は11aと表記される。
【0043】
一実施形態では、制御放出層は、100kPa及び20℃の脱イオン水中に0.10g/L未満の溶解度を有するウレタンを含む。ウレタン層は、水不透過性又は半透過性であり得る。好ましい実施形態では、ウレタン層は、制御放出層を通じた水及び肥料の拡散を可能にするために半透性である。ウレタン層は、ポリオールなどのポリマーをイソシアネートと反応させ、層を硬化させて耐久性の層を形成することによって形成され得る。
【0044】
ワックス層は、ウレタン層の間に適用され得る。ワックス層は、肥料栄養素の制御放出を補助するシーリング材として作用する。一実施形態において、ワックス層は、オレフィンワックスを含む。例えば、オレフィンワックスは、少なくとも20個の炭素原子、より好ましくは少なくとも30個の炭素原子を有するアルファオレフィンワックスであり得る。別の実施形態では、ワックスは、パラフィン、ワセリン、ポリアミド、微結晶ワックス又はこれらの混合物であり得る。別の実施形態では、ワックスは、以下のワックス:オレフィンワックス、パラフィンワックス、ワセリンワックス、ポリアミドワックス及び微結晶ワックスのうちの少なくとも2つの混合物である。
【0045】
一実施形態では、制御放出層は、被覆顆粒の総重量の約0.01重量%~約20重量%である。例えば、制御放出層は、被覆顆粒の総重量の約5重量%~約15重量%である。制御放出層の各層は、被覆顆粒の総重量の約0.2重量%~約5重量%であり得る。別の実施形態では、制御放出層の各層は、被覆顆粒の総重量の約0.3重量%~約3重量%であり得る。さらに別の実施形態では、制御放出層の各層は、被覆顆粒の総重量の約0.5重量%~約1.5重量%であり得る。
【0046】
一態様では、制御放出層の厚さは、約1μm~約150μmの範囲であり得る。別の態様では、制御放出層の厚さは、約2μm~約130μmの範囲であり得る。さらに別の態様では、制御放出層は、約5μm~約100μmの厚さを有する。さらに別の態様では、制御放出層の厚さは、約10μm~約75μmである。さらに別の態様では、制御放出層は、約30μm~約100μmの厚さを有する。さらに別の態様では、制御放出層は、約1μm~約50μm、約2μm~約20μm又は約3μm~約10μmの厚さを有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、制御放出層は、7日ごとあたりコア中の栄養素の総量の少なくとも約4%の割合で栄養素がコアから放出されることを可能にする。別の実施形態では、制御放出層は、7日ごとあたりコア中の栄養素の総量の少なくとも約7%の割合で栄養素がコアから放出されることを可能にする。さらに別の実施形態では、制御放出層は、7日ごとあたりコア中の栄養素の総量の少なくとも約10%の割合で栄養素がコアから放出されることを可能にする。
【0048】
他の実施形態では、制御放出層は、少なくとも7日の期間にわたって栄養素がコアから放出されることを可能にする。別の実施形態では、制御放出層は、少なくとも21日の期間にわたって栄養素がコアから放出されることを可能にする。さらに別の実施形態では、制御放出層は、少なくとも35日の期間にわたって栄養素がコアから放出されることを可能にする。さらに別の実施形態では、制御放出層は、少なくとも56日の期間にわたって栄養素がコアから放出されることを可能にする。例えば、制御放出層は、70日の期間にわたって栄養素がコアから放出されることを可能にする。一態様では、制御放出層は、栄養素が少なくとも90日間コアから放出されることを可能にする。別の態様では、制御放出層は、120日間もの間、栄養素がコアから放出されることを可能にする。
【0049】
他の態様では、約7日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約2%~約25%がコアから放出されている。例えば、一実施形態では、約7日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約4%~約20%がコアから放出されている。さらに他の態様では、約14日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約5%~約55%がコアから放出されている。例えば、一実施形態では、約14日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約15%~約55%がコアから放出されている。さらに他の態様では、約21日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約10%~約70%がコアから放出されている。例えば、一実施形態では、約21日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約35%~約65%がコアから放出されている。さらに他の態様では、約70日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約65%~約100%がコアから放出されている。例えば、一実施形態では、約70日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約75%~約100%がコアから放出されている。さらに他の態様では、約90日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約25%~約1%がコア中に残存する。例えば、一実施形態では、約90日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約15%~約1%がコア中に残存する。さらに別の実施形態では、約120日後に、(被覆顆粒中の栄養素の総量を基準として)栄養素の約90%~100%がコアから放出されている。この態様では、栄養素の100%が約120日後にコアから放出されていてもよい。
【0050】
図1に示されるように、コーティング12は、交互に存在するウレタン層3、5、7、9、11及びワックス層4、6、8、10から構成される制御放出層の上に適用され得る。コーティングのワックス層のいずれかに使用されるワックスは、オレフィンワックスであり得る。一実施形態では、ワックスは、パラフィン、ワセリン、ポリアミド、微結晶ワックス又はこれらの混合物であり得る。別の実施形態では、ワックスは、以下のワックス:オレフィンワックス、パラフィンワックス、ワセリンワックス、ポリアミドワックス及び微結晶ワックスのうちの少なくとも2つの混合物である。
【0051】
ある実施形態(及び表面処理層に使用されるある種の界面活性剤)では、コーティング12は、土壌付着及び沈降能力という利点を提供する。一実施形態では、コーティング12はゲル化剤を含む。ゲル化剤は、有利には、ゲル化剤がなければ、ある種の界面活性剤が顆粒中に存在する場合に起こり得る肥料の加速された放出を防止する。また、コーティング12は、被覆顆粒が水と接触したときにゲル化剤の水和を可能にするように配置される。図2及び図3は、それぞれゲル化剤の水和前及び水和後の被覆顆粒100を示す。図3に示されているように、コーティング12中のゲル化剤は、液体水にさらされると、被覆肥料の周りにゼラチン状の塊110を生成する。顆粒の例示された実施形態において、封入ゲルは、その粘着能力を利用して肥料の移動を防止する一方で、転がりを回避するために粒子形状も変化させる。いかなる仮説モデルにも束縛されることを望むものではないが、コーティング12は、栄養素の封じ込めのための経路及び揮発及び浸出に対する増加した抵抗性を提供する、栄養素に富むゲルマトリックスの形成をさらに促進し得ること、並びにゲルマトリックスは、土壌及び植物の全体的な健康を改善する栄養素可溶化微生物のための増殖培地として機能することが想定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、含まれる場合、コーティング12中のゲル化剤は、吸水性ポリマーを含み得る。吸収性ポリマーは、高い保水能力、例えば少なくとも約20gの水/g吸収性ポリマーを有する。吸収性ポリマーは、有利には、吸収性ポリマーが水和されると、被覆顆粒が土壌に付着することを可能にする。例えば、ゲル化剤は、高吸収性ポリマーを含有し得る。本明細書で使用される「高吸収性ポリマー」は、少なくとも約50gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有するポリマーを指す。高吸収性ポリマーのいくつかの実施形態は、少なくとも100gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有する。高吸収性ポリマーのさらなる実施形態は、少なくとも200gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有し得る。さらなる実施形態は、少なくとも約280gの水/g吸収性ポリマーの水の保水能力を有し得る。さらなる実施形態では、高吸収性ポリマーは、少なくとも約350gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有し得る。さらに別の実施形態では、高吸収性ポリマーは、最大約500gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有し得る。さらに別の実施形態では、高吸収性ポリマーは、最大約1000gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有し得る。この態様では、高吸収性ポリマーは、約50g~約1000gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有し得る。例えば、高吸収性ポリマーの保水能力は、約200g~約1000gの水/g吸収性ポリマーの保水能力を有する。
【0053】
吸収性ポリマーは、ナトリウムベースの若しくはカリウムベースのポリアクリレートポリマーなどのアクリレートポリマー、植物デンプン又はシリケートであり得る。一実施形態において、高吸収性ポリマーは、ナトリウムベースの又はカリウムベースのポリアクリレートポリマーである。いくつかの実施形態では、高吸収性ポリマーは、最大約300μmの粒径を有する粒子を含み得る。例えば、高吸収性ポリマーは、最大約200μmの粒径を有する粒子を含み得る。さらに他の実施形態では、高吸収性ポリマーは、最大約100μmの粒径を有する粒子を含み得る。この態様では、高吸収性ポリマーは、約1μm~約300μm、約1μm~約200μm、約1μm~約100μm又は約1μm~約50μmの粒子を含み得る。
【0054】
他の実施形態では、コーティング12中のゲル化剤は、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、植物デンプン、ベントナイト粘土又はモンモリロナイト粘土のうちの少なくとも1つを含み得る。ゲル化剤は、被覆顆粒の総重量の最大約5重量%を構成し得る。別の実施形態では、ゲル化剤は、被覆顆粒の総重量の約0.1重量%~約1.0重量%を構成し得る。さらに別の実施形態では、ゲル化剤は、被覆顆粒の総重量の約0.2重量%~約0.5重量%を構成し得る。顆粒の具体的な実施形態は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0重量%のゲル化剤である。
【0055】
コーティング12は、ゲル化剤が含浸されたウレタン層から形成され得る。例えば、コーティング12は、高吸収性ポリマーが含浸されたウレタン層から形成され得る。本実施形態において、ウレタン層は、(i)高吸収性ポリマーなどのゲル化剤と混合され、イソシアネートと反応させたポリオール、及び/又は(ii)高吸収性ポリマーなどのゲル化剤と混合され、ポリオールと反応させたイソシアネートの一方又は両方の反応生成物から形成され得る。
【0056】
一態様では、コーティングの厚さは、約1μm~約100μmの範囲であり得る。別の態様では、コーティングの厚さは、約1μm~約75μmの範囲であり得る。さらに別の態様では、コーティングは、約1μm~約50μmの厚さを有する。さらに別の態様では、コーティングの厚さは約1μm~約40μmである。さらに別の態様では、コーティングは約75μm以下の厚さを有する。さらに別の態様では、コーティングは、約70μm以下、約60μm以下又は約50μm以下の厚さを有する。
【0057】
被覆顆粒100は、図1に示されるように、コーティング12の上に(又は、他の実施形態では、制御放出層のすぐ上に)適用された表面処理層13を含み得る。表面処理層13は、水の表面張力を低下させ、被覆顆粒を沈降させる。一実施形態では、表面処理層13は、界面活性剤と溶媒の混合物を含む。一態様では、界面活性剤は、アルコールエトキシレート、シリコーン系界面活性剤又はこれらの組み合わせの少なくとも1つを含み得る。例えば、界面活性剤は、Niax(TM)シリコーンL-5420界面活性剤又はTDA-6エトキシレート界面活性剤であり得る。別の態様では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル、多価アルコール又はこれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル及び多価アルコールの混合物である。溶媒は、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、植物油又はこれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、溶媒はジプロピレングリコールである。別の実施形態では、溶媒はトリプロピレングリコールである。
【0058】
混合物は、約25重量%~約100重量%の界面活性剤及び最大約75重量%の溶媒を含み得る。一実施形態では、混合物は、100重量%の量の界面活性剤で構成される。別の実施形態では、混合物は、約25重量%~約50重量%の界面活性剤及び約50重量%~約75重量%の溶媒を含み得る。さらに別の実施形態では、混合物は、約35重量%~約50重量%の界面活性剤及び約50重量%~約65重量%の溶媒を含み得る。さらに別の実施形態では、混合物は、約50重量%~約65重量%の界面活性剤及び約35重量%~約50重量%の溶媒を含み得る。さらに別の実施形態では、混合物は、約50重量%~約75重量%の界面活性剤及び約25重量%~約50重量%の溶媒を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、表面処理層13は、被覆顆粒の総重量の約0.01重量%~約5重量%を占め得る。別の実施形態では、表面処理層13は、被覆顆粒の総重量の約0.1重量%~約1重量%を占め得る。さらに別の実施形態では、表面処理層13は、被覆顆粒の総重量の約0.15重量%~約0.5重量%を占め得る。
【0060】
一態様では、表面処理層の厚さは、約0.5μm~約30μmの範囲であり得る。別の態様では、表面処理層の厚さは、約0.5μm~約10μmの範囲であり得る。さらに別の態様では、表面処理層は、約1μm~約5μmの厚さを有する。
【0061】
最終の被覆顆粒100は、交互に存在するウレタン層3、5、7、9、11及びワックス層4、6、8、10の制御放出層を利用して、肥料の制御された栄養素放出を提供する。ある実施形態では、ゲル化剤が含浸されたコーティング12は、それぞれの個々の粒子の周りに封入ゼラチン状層を生成することによって、被覆肥料を土壌に付着させる。この態様では、表面処理層13は水の表面張力を低下させ、被覆肥料を土壌の表面に沈降させる。一実施形態では、最終の被覆顆粒100の組み合わされた機能性は、肥料栄養素の制御放出、浮遊に対する抵抗性及び被覆顆粒が肥料を与えられる植物に近接した状態を確実に保つようにする土壌接着性という特性を有する。表面処理層中にある種の界面活性剤を使用するいくつかの実施形態では、ゲル化剤は、ゲル化剤がなければこれらのある種の界面活性剤のみの存在下では速く放出され過ぎ得る可溶性化合物の放出を遅らせる役割を果たし得る。
【0062】
代替の実施形態では、肥料顆粒は、コーティング12なしで形成され得る。例えば、ある実施形態では、肥料顆粒は、コアと、コアの周りに配置された制御放出層と、制御放出層上に配置された表面処理層13とを含み得る。この態様では、表面処理層13は、界面活性剤及び溶媒から形成され得、界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ソルビタンエステル及び多価アルコールの混合物である。溶媒は、前述の溶媒のいずれでもあり得る。例えば、溶媒は、トリプロピレングリコールであり得る。
【0063】
被覆顆粒を製造する方法
本開示は、上記の被覆顆粒を製造する方法も提供する。一実施形態では、本方法は、肥料から構成されるコア1を提供することを含む。コア1は、予熱のために塗工機に投入され得る。一実施形態では、コア1は、約140°F~約165°Fの温度に加熱される。別の実施形態では、コア1は、約145°F~約163°Fに加熱される。さらに別の実施形態では、コア1は、約150°F~約162°Fに加熱される。さらに別の実施形態では、コア1は、約150°F~約160°Fに加熱される。コア1が加熱された後、任意選択のプレコート層2がコア1に適用され得る。上述したように、表面を滑らかにし、コーティング効率を増加させるために、プレコート層2が、凹凸のある表面を有するコアに適用され得る。プレコート層2は、コア1上へのスプレー又は注入によって適用され得る。いくつかの実施形態では、コーティングの均一な分布を確保するために、プレコート層2の硬化のために十分な時間をかけ得る。例えば、コーティングの均一な分布を確保するために、プレコート層2の硬化のために約45秒~約2分をかけ得る。別の実施形態では、プレコート層2の硬化のために約50秒~約75秒をかけ得る。さらに別の実施形態では、プレコート層2の硬化のために約55秒~約65秒をかけ得る。
【0064】
本方法は、1つ以上のウレタン層3、5、7、9、11及びワックス層4、6、8、10から形成された制御放出層を、コア1上に又は使用される場合にはプレコート層2の上に適用することをさらに含み得る。一実施形態では、本方法は、ポリオール及びイソシアネートをコア1(又は、存在する場合には、プレコート層2)上に適用することによってウレタン層を形成すること、及び該層を約45秒~約2分、約45秒~約90秒又は約45秒~約60秒の期間硬化させることを含み得る。ウレタン層が形成された後、ウレタン層上にワックス層が適用され得る。いくつかの実施形態では、ワックス層は、ウレタン層上に少なくとも約30秒間均一に広げられ得る。一実施形態において、ワックス層は、約30秒~約90秒間、硬化され得る。この態様では、ワックス層は、約30秒間~約60秒間、硬化され得る。ウレタン層及びワックス層を形成するための手順は、所望のコーティング重量及び厚さに達するために継続して反復され得る。
【0065】
制御放出層の適用後、いくつかの実施形態では、本方法は、被覆顆粒が土壌粘着能力を確実に有するようにするために、制御放出層の上にゲル化剤を含むコーティング12を適用することを含む。他の実施形態では、本方法は、コーティング12なしで、すなわち、制御放出層の周りに表面処理層を配置して、被覆顆粒を形成することを含む。コーティングが含まれる場合、コーティング12を適用するための工程は、高吸収性ポリマーなどのゲル化剤をポリオールと混合し、ゲル化剤とポリオールの混合物をイソシアネートと反応させて、高吸収性ポリマーなどのゲル化剤が含浸されたウレタン層を形成させることを含み得る。別の実施形態では、コーティング12を適用するための工程は、高吸収性ポリマーなどのゲル化剤をイソシアネートと混合し、ゲル化剤とイソシアネートの混合物をポリオールと反応させて、高吸収性ポリマーなどのゲル化剤が含浸されたウレタン層を形成させることを含み得る。一実施形態では、コーティング12の適用後、本方法は、表面処理層13を適用する前に、被覆顆粒を約80°F~約120°F、約90°F~約110°F又は約95°F~約105°Fの温度に冷却させることを含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、本方法は、液体水に滴下されたときの沈降と、液体水が被覆顆粒の上を通過するときの移動に対する抵抗性とを促進するために、コーティング12の上に(又は、いくつかの実施形態では、制御放出層のすぐ上に)外面処理層13を適用することを含む。表面処理層13の適用は、回転ドラム、ブレンダー又は適切な粒子の転がり及び回転を促進する機器で行われ得る。表面処理層13の適用は、均一な被覆が達成される限り、表面処理層13の内容物を移動する顆粒上に噴霧、滴下及び/又は注入することによって行われ得る。約30秒~約180秒、例えば約45秒~約60秒の期間の後、完成した被覆顆粒は、保存又は袋詰めのための準備が整い得る。
【0067】
使用方法
本明細書に記載されている被覆顆粒は、制御された様式で肥料を放出するために使用され得る。本開示は、肥料を放出する方法を提供する。本方法は、本明細書に記載されている被覆顆粒を、被覆顆粒が存在している期間、灌漑前又は灌漑後の土壌に適用することを含む。被覆顆粒のゲル化は水和され、その結果、土壌付着を補助するゲルを形成する。この実施形態では、制御放出層は、ゲル化剤の水和及び界面活性剤/溶媒表面処理の際にその完全性を維持する。適切な灌漑された土壌の例には、イネ(オリザ種(Oryza sp.))水田、クランベリー沼、ウォーターチェストナッツ畑、エンツァイ畑、クレソン畑、野生イネ(ジンザニア種(Zinzania sp.))畑、サトウキビ畑及びタロイモ畑が含まれる。
【0068】
他の実施形態では、本開示は、植物を栽培する方法を提供する。本方法は、肥料の制御放出を可能にするために、本明細書に記載される被覆顆粒を植物に近接して配置することを含む。植物は、任意の栽培される植物であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、植物は、イネ(オリザ種(Oryza sp.))、クランベリー、ウォーターチェストナッツ、エンツァイ、クレソン、野生イネ(ジンザニア種(Zinzania sp.))又はタロイモである。
【実施例
【0069】
以下の実施例に記載される被覆顆粒を製造するためのミキサーは、被覆顆粒上での均一なコーティング分布を確保するために、独立した可変速回転容器及び独立した可変速混合ロータを含む。ロータは、激しい粒子混合を促進する角度付きブレードを伴ったシャフトから構成されている。容器及びロータは、可変周波数の駆動装置及びモータによって制御される。コーティングの堆積を最小限に抑え、顆粒の撹拌を補助するために、容器の内側に静止したスクレーパが取り付けられている。コア肥料成分は、入口開口部を通じて添加され得る。コーティング成分は正確に測定され、一連の開口したパイプを使用して塗工機に独立して投入される。被覆顆粒は、塗工機の下に位置する開/閉ドアホッパによって外に出る。
【0070】
[実施例1]尿素を含有する被覆顆粒
ミキサーを約100°F~約120°Fの温度に予熱した。予熱中、回転容器及びロータをそれぞれ6.00m/s及び1.95m/sで時計回り方向に作動させた。4536gの、3.0~3.5mmの平均粒径を有する被覆されていない尿素をこのミキサーに投入した。被覆されていない尿素を約150°F~160°Fの温度に予熱した。被覆されていない尿素が予熱されたら、コーティング過程のためにミキサーパラメータを調整した。回転式パンは12.00m/sの速度で時計回り方向に動作し、ロータは6.00m/sの速度で反時計回り方向に動作した。次いで、ミキサーに14.6gのポリオールを投入し、30秒間混合し、次いで、23.4gのイソシアネートを投入した。これらの成分を回転させ、60秒間反応させた後、ワックスの5.9gの投入物を添加し、さらに30秒間回転させた。ポリオール、イソシアネート及びワックス添加工程並びに混合時間を繰り返した。次いで、ポリオール及びイソシアネートの投入物を添加して、制御放出層について所望のコーティング厚さを達成した。制御放出被覆コアを回転させ、60秒間硬化させた。
【0071】
土壌粘着能力を達成するために必要とされるコーティング層は、まず、制御放出被覆コアを含有するミキサーに29.6gのイソシアネートを投入し、すべての被覆コアの均一な被覆を確保するために30秒間混合させることによって作製された。55重量%のポリオールと45重量%の高吸収性ポリマーとを含有する33.5gのポリオール/ポリマー混合物の第2の投入物を添加した。被覆顆粒をさらに60秒間混合した後、ミキサーの回転を6.00m/sに減速し、ロータ速度を1.95m/sに低下させた。送風機によって供給される周囲温度の空気により、被覆顆粒を約100°F~110°Fに冷却した。次いで、被覆顆粒をミキサーから排出し、周囲温度まで冷却した。
【0072】
粒子の沈降を促進するための表面処理は、28RPMの回転速度で顆粒を穏やかに転動させる回転ドラムに所定量の被覆顆粒を投入することによって行った。次いで、25重量%のNiax L-5420シリコン界面活性剤及び75重量%のジプロピレングリコール(DPG)から構成される界面活性剤/溶媒混合物で、被覆顆粒を処理した。均一な被覆を確保するために、処理された粒子を約60秒間転動させた後、ドラムから排出し、包装し、ラベルを付けた。
【0073】
[実施例2]AMIDAS(R)を含有する被覆顆粒
実施例1で利用したものと同様のミキサーを同じ温度及び回転速度で動作させた。凹凸があり、粗い表面を有する基材である4536gのAMIDAS(R)をミキサーに投入した。この基材はプレコート層を必要とした。50重量%のエポキシ化大豆油(ESO)及び50重量%の炭酸カルシウムを含有する23.9gのプレコート混合物をミキサーに投入した。60秒間の回転時間を与えた後、実施例1で適用されたのと同じコーティング工程及び処理を付与した。全コーティングは、最終製品重量の6.5重量%であった
【0074】
[実施例3]プレコートを有する尿素コアを含有する被覆顆粒
同じパラメータで動作させた、実施例1及び2で利用されたものと同様のミキサーに、4536gの被覆されていない尿素を投入した。コーティング寿命を改善するために、プレコート層を付与した。48.0gの溶融ワックスをミキサーに投入した。ミキサーに60秒の回転時間を与えた後、実施例1~2において適用されたのと同じコーティング工程及び処理を付与した。全コーティングは、最終製品重量の7.0重量%であった
【0075】
[実施例4]尿素コアを有する被覆顆粒
同じパラメータで動作させた、前記実施例に記載したものと同様のミキサーに、4536gの被覆されていない尿素を投入した。被覆されていない尿素を約150°F~160°Fの温度に予熱した。回転式パンは時計回り方向に動作し、ロータは反時計回り方向に回転した。13.6gのポリオールをミキサーに投入し、約30秒間混合して顆粒表面上に均一に分布させ、次いで21.8gのイソシアネートを投入した。これらの成分を回転させ、さらに60秒間反応させた後、ワックスの7.9gの投入物を添加し、さらに30秒間回転及び反応させた。ポリオール、イソシアネート及びワックス添加工程並びに混合時間を繰り返した。次いで、ポリオール及びイソシアネートの投入物を添加して、制御放出コーティングについて所望のコーティング厚さを達成して、制御放出被覆コアを形成した。送風機によって供給される周囲温度の空気により、制御放出被覆コアを約100°F~110°Fに冷却した。
【0076】
制御放出被覆コアが室温に冷却され、制御放出コーティングが完全に反応したら、1000グラムの制御放出コアを回転被覆ドラムに投入した。回転ドラムは、ドラムシェルの内周の周りに等間隔に配置された直径1/4インチの滑り止めロッド内部装置を備えていた。滑り止めロッドドラム内部装置は、制御放出被覆コアの転がり作用を促進し、粒子と粒子との表面接触を促すために設けられた。制御放出被覆コアを約120°F~130°Fの温度に予熱した。次いで、まず、1.6gのイソシアネートを投入し、すべての制御放出被覆コアの均一な被覆を確保するために60秒おいた後、55重量%のポリオール及び45重量%の高吸収性ポリマーを含有する3.4gのポリオール/ポリマー混合物の第2の投入物を投入することによって、コーティング層を付与した。確実にポリマーを完全に反応させ、顆粒が自由に流動するようにするために、被覆顆粒をさらに180秒間混合した。送風機によって供給される周囲温度の空気により、被覆顆粒を約100°F~110°Fに冷却した。ドラム回転速度は32RPMであった。
【0077】
次いで、28RPMの回転速度で顆粒を穏やかに転動させる回転ドラムに、800gの予め形成された被覆顆粒を投入することによって表面処理を行った。次いで、40重量%の界面活性剤混合物1Aの%及び60重量%のジプロピレングリコール(DPG)を含む2gの界面活性剤/溶媒混合物で被覆顆粒を処理した。均一な被覆を確保するために、処理された粒子を約90~120秒間転動させた後、ドラムから排出し、包装し、ラベルを付けた。
【0078】
[実施例5]尿素コアを有する、表面処理された非浮遊性顆粒
同じパラメータで動作させた、前記実施例に記載したものと同様のミキサーに、4536gの被覆されていない尿素を投入した。被覆されていない尿素を約150°F~160°Fの温度に予熱した。回転式パンは時計回り方向に動作し、ロータは反時計回り方向に回転した。13.6gのポリオールをミキサーに投入し、約30秒間混合して顆粒表面上に均一に分布させ、次いで21.8gのイソシアネートを投入した。これらの成分を回転させ、さらに60秒間反応させた後、ワックスの7.9gの投入物を添加し、さらに30秒間回転及び反応させた。ポリオール、イソシアネート及びワックス添加工程並びに混合時間を繰り返した。次いで、ポリオール及びイソシアネートの投入物を添加して、制御放出コーティングについて所望のコーティング厚さを達成した。送風機によって供給される周囲温度の空気により、制御放出被覆コアを約100°F~110°Fに冷却した。
【0079】
粒子の沈降を促進するための表面処理は、28RPMの回転速度でコアを穏やかに転動させる回転ドラムに800gの制御放出被覆コアを投入することによって行った。次いで、制御放出被覆コアを、40重量%の界面活性剤混合物1A及び60重量%のジプロピレングリコール(DPG)から構成される2gの界面活性剤/溶媒混合物で処理した。均一な被覆を確保するために、処理された顆粒を約90~120秒間転動させた後、ドラムから排出し、包装し、ラベルを付けた。
【0080】
[実施例6]被覆された尿素
界面活性剤混合物11A及び75重量%のトリプロピレングリコール(TPG)で被覆顆粒を処理したことを除いて、実施例1に従って被覆顆粒を形成した。均一な被覆を確保するために、処理された粒子を約60秒間転動させた後、ドラムから排出し、包装し、ラベルを付けた。
【0081】
異なる添加剤の種類及び量を含む実施例1~6の仕様を、以下に示す表1に追跡及び記録した。コーティング重量及び添加量は、最終の被覆顆粒の総重量に対する百分率である。
【0082】
【表1】
【0083】
[実施例7]被覆顆粒からの栄養素放出の割合を決定する
様々な既知濃度の栄養素を蒸留水中に溶解することによって栄養素溶液を調製した。屈折率対濃度の検量線を構築することができるように、既知濃度の屈折率を屈折計で測定した。次いで、表1中の異なる種類の顆粒(試験品1~17)のそれぞれについて10gの被覆顆粒を小さなジャーに正確に秤量し、100gの水を添加した。試料を穏やかに回転させ、必要とされる測定時間まで静置した。各新しい測定の前に、試料を穏やかに回転させて均一性を確保した。溶液の少量の試料を屈折計に置き、測定値を記録した。検量線との比較によって、溶液中の栄養素濃度が得られる。被覆顆粒から放出された栄養素の百分率を計算した。実験は、周囲温度、例えば22℃で行った。測定された栄養素放出割合を以下の表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表2に示されるように、被覆顆粒は、少なくとも49日の期間にわたって栄養素の制御放出を提供する。いくつかの例では、被覆顆粒は、最長70日間にわたって栄養素の制御放出を提供する。
【0086】
上記の記載は、本開示の方法、製造物、組成物及びその他の教示を例示し、説明する。さらに、本開示は、開示された方法、製造物、組成物及びその他の教示のある特定の実施形態のみを例示し、記載するが、上述のように、本開示の教示は、様々な他の組み合わせ、修正及び環境で使用することが可能であり、当業者の技術及び/又は知識に相応する、本明細書で述べられた教示の範囲内での変更又は修正をすることが可能であることを理解されたい。上記の実施形態は、本開示の方法、製造物、組成物及びその他の教示を実施する、知られたある特定の最良の形態を説明すること、並びに当業者が、そのような又は他の実施形態において、特定の用途又は使用によって必要とされる様々な修正を伴って、本開示の教示を利用することを可能にすることがさらに意図される。したがって、本開示の方法、製造物、組成物及びその他の教示が、本明細書に開示される正確な実施形態及び例を限定することは意図されない。本明細書のすべてのセクションの見出しは、米国特許法施行規則§1.77の提案に整合させるためにのみ、又はその他組織の列(queue)を提供するために与えられている。これらの見出しは、本明細書に記載されている発明を限定し、又は特徴付けるものではない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】